商品処理装置、商品処理システム、商品処理方法およびプログラム
【課題】実際の商品価値に見合った販売価格の設定を行うことができる。
【解決手段】商品の販売管理を行うための商品処理装置1、5において、ハイパースペクトルカメラ3によって商品を測定した測定結果である分光情報を取得する周辺機器I/F部21と、取得した前記分光情報を分析し、当該分析結果に応じて、商品の状態を表す鮮度指数を算出する鮮度判定部11と、鮮度指数に基づいて、商品の販売価格を設定する販売価格設定部23と、を備えた。
【解決手段】商品の販売管理を行うための商品処理装置1、5において、ハイパースペクトルカメラ3によって商品を測定した測定結果である分光情報を取得する周辺機器I/F部21と、取得した前記分光情報を分析し、当該分析結果に応じて、商品の状態を表す鮮度指数を算出する鮮度判定部11と、鮮度指数に基づいて、商品の販売価格を設定する販売価格設定部23と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の販売管理を行うための商品処理装置、商品処理システム、商品処理方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、賞味期限の近い商品を購入した顧客に対して、割引サービスを行う商品処理システムが提案されている(特許文献1参照)。当該システムは、会計処理時に、予め記憶されている商品ファイルから会計対象となった商品の賞味期限を参照し、賞味期限までの期間が所定以下である場合、次回以降の商品購入に有効な割引券を発行する。このように、賞味期限や消費期限までの期間に基づいて商品の価値を判定し、価値の低下した商品に対して実質の販売価格の割引を行うことで、こうした商品の販売促進を行っている。すなわち、商品の価値に合わせた販売価格の設定によって、販売ロスの少ない効率的な商品販売を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−050032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、加工食品に付される賞味期限や消費期限は、一般的に、商品の製造日に基づいて設定される。よって、賞味期限に基づいて商品の価値を判定する上記のシステムでは、商品の製造日を基準として割引サービスを行っていることになる。また、賞味期限や消費期限の無い果物や野菜については、出荷日や収穫日からの経過日数に基づいて割引サービスを行うことが考えられる。
しかし、実際に商品は、製造日や出荷日、収穫日が同一日であっても、その後の保存状態や商品の個体差によって個々の価値が異なってくる。にもかかわらず、上記のシステムでは、価値の異なる商品に対して同一の割引サービスを提供しており、実際の商品価値に見合った販売価格の設定を行っていない。つまり、価値の低い商品に高い販売価格を設定して販売ロスを増加させたり、価値の高い商品に対して必要以上の値引きをして販売利益を低下させたりしている可能性があり、最善の効率的な商品販売を行っているとはいえない。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、実際の商品価値に見合った販売価格の設定を行うことができる商品処理装置、商品処理システム、商品処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の商品処理装置は、ハイパースペクトルカメラによって商品を測定した測定結果である分光情報を取得する分光情報取得部と、取得した分光情報を分析し、分析結果に応じて、商品の状態を表す特性情報を生成する特性情報生成部と、特性情報に基づいて、商品の販売価格を設定する販売価格設定部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の商品処理方法は、商品処理装置が、ハイパースペクトルカメラによって商品を測定した測定結果である分光情報を取得し、取得した分光情報を分析し、分析結果に応じて、商品の状態を表す特性情報を生成し、特性情報に基づいて、商品の販売価格を設定することを特徴とする。
【0008】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記の商品処理方法を実行させることを特徴とする。
【0009】
これらの構成によれば、ハイパースペクトルカメラによる商品の測定結果に基づいて販売価格を設定するため、実際の商品価値を反映した適切な販売価格を設定することができる。つまり、リアルタイムな商品価値に見合った販売価格を設定し、効率的な商品販売を行うことができる。なお、特性情報とは、商品の鮮度、糖度、商品に含まれる成分量などのいずれか1以上の情報であることが好ましい。
【0010】
上記の商品処理装置において、商品を特定する商品情報を取得する商品情報取得部をさらに備え、販売価格設定部は、商品情報に含まれる商品の定価から、特性情報に応じた所定額を差し引いて、販売価格を設定することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、予め定められている定価から、リアルタイムな商品価値に応じた値引きをすることができる。よって、高価値な商品に対する必要以上の値引きを防いで販売者側の利益を保つと共に、低価値な商品の販売促進を行うことができる。また、商品を特定する商品情報を取得するため、複数種類の商品のうち各種類に応じた基準で特性情報の生成や販売価格の設定を行うことができる。
【0012】
この場合、商品情報および販売価格を関連付けて表示する表示部を備えた電子棚札と、商品情報取得部、分光情報取得部、特性情報生成部および販売価格設定部を備えると共に1以上の電子棚札と接続されたサーバーと、によって構成されることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、リアルタイムな商品価値に応じた販売価格を顧客に提示することができる。また、商品情報に含まれる定価と、当該定価から値引きをした販売価格と、を併記表示すれば、より販売促進効果が期待できる。また、商品の特性情報(鮮度、糖度、成分など)をさらに併記表示してもよい。これによれば、販売価格の設定理由を顧客に提示することができる。なお、測定対象となる商品は、陳列する全商品でもよいし、当該全商品のうち代表の個体を測定してもよい。
【0014】
上記の商品処理装置において、商品情報および販売価格に基づいて会計処理を行う会計処理部と、会計処理部の処理結果である会計情報に基づいて、印刷情報を生成する印刷情報生成部と、をさらに備えていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、会計処理対象となった商品を測定して販売価格を設定するため、商品価値のリアルタイム性且つ個別性を反映した販売価格の設定(値引き)を行うことができる。つまり、商品の個体差による価値の違いも販売価格の設定に反映させることができる。
【0016】
本発明の商品処理システムは、上記の商品処理装置と、商品情報を入力するスキャナーと、ハイパースペクトルカメラと、を備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明の他の商品処理システムは、上記の商品処理装置と、商品情報を入力するスキャナーと、ハイパースペクトルカメラと、印刷情報を印刷するプリンターと、を備えていることが好ましい。
【0018】
これらの構成によれば、リアルタイムな商品価値に見合った販売価格を設定することのできる商品処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態にかかる商品処理システムの構成を示した図である。
【図2】プラムの分光情報における波長−反射率のグラフ(a)並びに鮮度指数−経過日数のグラフ(b)である。
【図3】アドバイス情報記憶部の記憶内容を示した図である。
【図4】鮮度指数に対する値引き率を示した図である。
【図5】レシートの一例を示した図である。
【図6】第1実施形態にかかる会計動作を示したフローチャートである。
【図7】第1実施形態にかかる商品処理システムの第1変形例の構成を示した図である。
【図8】第1実施形態にかかる商品処理システムの第2変形例の構成を示した図である。
【図9】第2実施形態にかかる商品処理システムの構成を示した図である。
【図10】電子棚札の一例を示した図である。
【図11】第2実施形態にかかる表示動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照し、本発明の商品処理装置、商品処理システム、商品処理方法およびプログラムについて説明する。以下に示す各実施形態にかかる商品処理装置は、スーパーマーケット等の小売店において、生鮮食品の鮮度指数(特性情報)を算出し、鮮度指数に応じた販売価格の設定を行う。なお、「生鮮食品」とは、青果物(果物・野菜)、鮮魚および精肉を指す。また、「鮮度指数」とは、商品処理システムに備えられたハイパースペクトルカメラによる生鮮食品の測定結果から生成されるものである。
【0021】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態にかかる商品処理システムSY1のブロック図である。同図に示すように、商品処理システムSY1は、会計処理を行うPOS端末1と、商品に貼付または印刷された商品バーコードを読み取るハンディスキャナー(スキャナー)2と、商品(生鮮食品)を測定するハイパースペクトルカメラ3と、レシートRを印刷・発行するレシートプリンター(プリンター)4と、商品処理システムSY1を統括する店舗管理サーバー5と、から成る。POS端末1とハンディスキャナー2、ハイパースペクトルカメラ3、およびレシートプリンター4は、それぞれシリアルインターフェース(例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェース)により接続されている(後述の周辺機器I/F部21)。また、POS端末1および店舗管理サーバー5は、店舗内LAN6(有線LANまたは無線LAN)により接続されている。
【0022】
なお、図1では、POS端末1が1台の場合を示しているが、店舗内に複数のレジカウンターが設置されている場合、レジカウンターごとに、POS端末1、ハンディスキャナー2、ハイパースペクトルカメラ3およびレシートプリンター4が設けられる。また、本実施形態において、「商品処理装置」は、上記の構成要素のうち、POS端末1および店舗管理サーバー5から成る。
【0023】
また、本実施形態では、会計時に、オペレーターがハイパースペクトルカメラ3を用いて商品の測定を行う。なお、当該会計時、ハンディスキャナー2により全商品の商品バーコードを読み取るのに対し、ハイパースペクトルカメラ3による商品の測定は、全商品のうちの生鮮食品に対してのみ行うものとする。そして、会計対象の商品が生鮮食品か否かの判別は、オペレーターが目視で行うものとする。もちろん、商品バーコードに含まれた商品名や商品区分に関する情報を用いて、POS端末1が判別し、これをオペレーター用ディスプレイに表示することにより、オペレーターに対し会計対象の商品が生鮮食品か否かを通知する構成としてもよい。
【0024】
ハイパースペクトルカメラ3は、主な構成として、商品(生鮮食品)に光照射する光源と、商品からの反射光を分光する分光器と、分光した反射光の分光情報を生成する分光情報生成部(いずれも図示省略)と、を備えている。分光情報とは、各波長域の反射光の測定値を数値化したものであり、商品に対する測定結果である。そして、分光情報生成部は、生成した分光情報をPOS端末1に出力する。なお、ハイパースペクトルカメラ3は、商品の表面を測定可能な形態であれば、ハンディタイプのものでも、レジカウンターに固定された設置タイプのものでもよい。また、商品の測定方法は、上記の反射方式ではなく、透過光を用いて商品を測定する透過方式でもよい。また、分光情報は、商品の成分分析に有効な近赤外域を含む各波長域の測定値を数値化したものであることが望ましい。
【0025】
店舗管理サーバー5は、主な構成として、POS端末1から取得した分光情報から鮮度指数の算出および鮮度レベルの判定を行う鮮度判定部(特性情報生成部)11、商品ごとに鮮度レベルに応じたアドバイス情報を記憶したアドバイス情報記憶部12、鮮度レベルの判定結果に応じて商品の食べ頃日時を算出する食べ頃日時算出部13、およびアドバイス情報記憶部12から鮮度レベルの判定結果に応じたアドバイス情報を抽出するアドバイス情報抽出部14を備えている。
【0026】
鮮度判定部11は、不図示の記憶部に記憶された所定のプログラムに基づいて、POS端末1から取得した分光情報から商品の鮮度指数を算出し、鮮度レベルを判定する。具体的には、各波長域の検出値である分光情報を解析して、時間経過によって変化する主要成分量(例えば、水分量、糖度など)や表面の色などに影響される鮮度指数を算出し、この鮮度指数から商品の鮮度レベルを判定する。すなわち、鮮度判定部11は、商品の鮮度指数および鮮度レベルを生成する。
【0027】
分光情報(スペクトル)の解析方法は大きく、定性分析タイプおよび定量分析タイプの2つに分かれ、前者には主成分分析、クラスター分析などがあり、後者には重回帰分析、主成分回帰分析などがある。既に公知であるこれらの解析方法を利用すれば、鮮度判定は容易に行えるが、本実施形態では、簡易的な方法を採用する。以下は、リモートセンシングで知られている正規化植生指数(NDVI)を参考に考案された判別方法で、処理能力の低いCPUでも解析可能である。例えば、図2(a)は、果物のプラムに関する波長−反射率のグラフである。575−625nmの波長区間をA区間、625−725nmの波長区間をB区間とする。(B−A)/(B+A)の式を鮮度指数と定義して、鮮度指数−経過日数をグラフにしたものが図2(b)である。この鮮度指数は、鮮度が劣化すると数値が上昇する。図2(b)の例では、鮮度指数の0.15未満を「Lv1:新鮮」、0.15以上0.25未満を「Lv2:準新鮮」、0.25以上を「Lv3:非新鮮」の3段階に分けるものとする。なお、この鮮度レベルは、商品の特性(時間経過によって変化しやすい成分)を考慮して、商品ごとに異なるものとする。このようにして得られた分析結果である鮮度指数および鮮度レベルは、鮮度情報としてPOS端末1に出力される。
【0028】
アドバイス情報記憶部12は、アドバイス情報を含む各情報を商品ごとに記憶している。図3は、アドバイス情報記憶部12の記憶内容を示す図である。図示のように、アドバイス情報記憶部12は、商品ごとに、「商品名」、「食べ頃時期・期限」、鮮度レベルに応じた「推定経過期間」、「保存方法」、「お勧めの食べ方」を記憶している。
【0029】
「商品名」は、実際にはハンディスキャナー2が取得した商品バーコードに含まれた商品を特定する商品コードとして記憶されている(図3では、商品名で記載している)。「食べ頃時期・期限」は、出荷元、製造元または小売店により定められたものであり、出荷日または製造日からの経過期間で記憶されている。例えば、図示のように「ラフランス」の「食べ頃時期・期限」は、出荷日から20日経過した日となる。なお、「食べ頃時期・期限」は、青果物(果物・野菜)については食べ頃の時期を示し、鮮魚および精肉についてはいわゆる消費期限と同等の意味を示す。「推定経過期間」は、鮮度レベル(鮮度指数)から推定されるその商品の出荷日または製造日からの経過期間である。なお、「推定経過期間」は、商品の鮮度指数から推定される経過期間であるため、実際の経過期間とは異なる経過期間となる場合もある。「保存方法」は、鮮度レベルに応じた最適な商品の保存方法である。例えば、図示のように「ラフランス」の場合、鮮度レベルが「Lv1」および「Lv2」のものに対して「常温で保存して下さい」という保存方法が記憶されており、「Lv3」のものに対して「冷蔵保存して下さい」という保存方法が記憶されている。「お勧めの食べ方」は、鮮度レベルに応じた最適な食べ方である。例えば、図示のように「マグロ赤身」の場合、鮮度レベルが「Lv1」および「Lv2」のものに対して「お刺身でおいしく召し上がれます」という食べ方が記憶されており、「Lv3」のものに対して「フライやソテーがおすすめです」という食べ方が記憶されている。なお、アドバイス情報は、上記に限られるものではなく、例えば、商品の「お勧めレシピ」などを含んでもよい。
【0030】
図1に戻り、食べ頃日時算出部13は、鮮度判定部11の判定結果(鮮度レベル)、アドバイス情報記憶部12の「食べ頃時期・期限」および「推定経過期間」を参照して、商品の食べ頃日時を算出する。具体的には、「食べ頃時期・期限」の経過期間から、鮮度レベルに応じた「推定経過期間」を差し引いた期間を、現在日時に加算した日時を食べ頃日時として算出する。例えば、鮮度レベルが「Lv2」と判定されたラフランスは、「食べ頃時期・期限」の経過期間が「20日後」であり、「推定経過期間」が「15日」である(図3参照)。よって当該ラフランスの食べ頃日時は、現在日時に5日加算した日時となる(図5参照)。上記したように、食べ頃日時の算出基準となる「推定経過期間」は、実際の経過期間とは異なる経過期間となる場合もあるが、これにより、出荷日時が同時であった商品でも、各商品の鮮度の違いを考慮して適切な食べ頃日時を算出することができる。なお、鮮魚および精肉については、算出された食べ頃日時は、消費期限と略同様の意味をもつ日時となる。このため、レシートR上にも、「食べ頃」ではなく「消費期限」と表記されることが好ましい。
【0031】
アドバイス情報抽出部14は、鮮度判定部11の判定結果(鮮度レベル)に応じた「保存方法」および「お勧めの食べ方」をアドバイス情報記憶部12から抽出する。そして、抽出した「保存方法」および「お勧めの食べ方」と、算出した「食べ頃日時」と、をアドバイス情報としてPOS端末1に出力する。
【0032】
続いて、POS端末1の機能構成について説明する。図1に示すように、POS端末1は、主な機能構成として、周辺機器I/F部21、分光情報検出部22、販売価格設定部23、会計処理部24、および印刷情報生成部25を有している。周辺機器I/F部21は、上記のようにシリアルインターフェースで構成され、ハンディスキャナー2から商品バーコードに含まれた商品情報を取得し、ハイパースペクトルカメラ3から分光情報を取得する。すなわち、商品情報取得部および分光情報取得部は、周辺機器I/F部21により構成されている。商品情報には、商品コード、商品名、商品の定価が含まれている。また、周辺機器I/F部21は、後述の印刷情報をレシートプリンター4に出力する。
【0033】
分光情報検出部22は、ハイパースペクトルカメラ3から分光情報を取得したことを検出するとき、取得した分光情報を店舗管理サーバー5に出力する。なお、分光情報検出部22は、分光情報と共に、当該分光情報の直前に取得した商品情報に含まれる商品コードをPOS端末1に出力する。
【0034】
販売価格設定部23は、店舗管理サーバー5から取得した鮮度情報に応じて、販売価格の設定を行う。具体的には、会計対象となる商品の鮮度指数に応じて、予め定められている定価から所定割合の値引きを行う。図4に示すように、販売価格設定部23は、鮮度指数が0.20以上であった場合(厳密には、鮮度指数が0.20以上0.25未満であった場合)、定価から20%割引を行う。さらに、鮮度指数が0.25以上であった場合、定価から40%の割引を行う。すなわち、販売価格設定部23は、値引きを行うための鮮度指数の閾値を記憶しており、この閾値に基づいて販売価格の設定を行う。なお、予め定められている定価とは、商品情報に含まれている。すなわち、本実施形態では、商品コードに価格情報が含まれたNON−PUL(ノンプライスルックアップ)方式を採用している。なお、商品コードに価格情報が含まれず、店舗サーバーから価格情報を取得するPUL(プライスルックアップ)方式を用いてもよい。
【0035】
会計処理部24は、POSアプリケーション(図示省略)を主要部とするものであり、取得した商品情報および、販売価格設定部23により設定された販売価格に基づいて、会計処理を実行する。また、会計処理部24は、会計処理の処理結果である会計情報を生成する。
【0036】
印刷情報生成部25は、生成した会計情報、および店舗管理サーバー5から取得した鮮度情報(鮮度レベル)およびアドバイス情報(食べ頃日時、保存方法およびお勧めの食べ方)に基づいて、レシートRに印刷するための印刷情報を生成する。なお、店舗管理サーバー5から鮮度情報およびアドバイス情報を取得しない場合には、会計情報のみに基づいて印刷情報を生成する(図6参照)。また、鮮度情報およびアドバイス情報を2次元コードやバーコードで表したコード化画像として生成してもよい。
【0037】
レシートプリンター4は、POS端末1から取得した印刷情報をレシート用紙に印刷し、レシートRを発行する。
【0038】
図5は、鮮度情報およびアドバイス情報が印刷されたレシートRの一例を示したものである。図5に示すレシートRは、上部に店舗情報や会計情報が印刷された第1印刷領域E1と、下部に会計処理された商品の鮮度情報およびアドバイス情報が印刷された第2印刷領域E2と、を有している。図示のように、第1印刷領域E1には、会計対象商品の「品名」、「数量」、「金額(定価)」が印刷される。さらに、販売価格設定部23により定価から値引きが行われた場合、図示のように、当該会計対象商品の各種情報が印刷されている行の一段下の行に、割引のパーセンテージと、マイナス表示の割引金額と、が印刷される。
【0039】
一方、第2印刷領域E2には、会計処理された「ラフランス」および「アボカド」に対して、鮮度情報およびアドバイス情報が印刷される。鮮度情報として「鮮度レベル」が、アドバイス情報として「食べ頃日時」、「保存方法」および「お勧めの食べ方」が印刷されている。なお、「食べ頃日時」については、日にちに加えて時刻を表示してもよい。また、「鮮度レベル」や「食べ頃日時」など、目立たせたい情報を第1印刷領域E1において、会計対象商品の印刷行に連ねて印刷させてもよい。また、会計対象商品が生鮮食品ではなかった場合、鮮度情報およびアドバイス情報が取得されないため、第1印刷領域E1のみを有したレシートRが印刷される。
【0040】
次に図6を参照して、本実施形態の会計動作について説明する。同図は、店舗管理サーバー5およびPOS端末1の会計動作を示したフローチャートである。ここでは、単一の商品を会計対象とする場合について例示する。先ず、POS端末1は、周辺機器I/F部21により、ハンディスキャナー2から出力された会計対象商品の商品情報を取得すると(S01)、会計対象商品の分光情報の取得を待つ取得待ち状態に移行する(S02)。会計対象商品の分光情報を取得しなかった場合(例えば所定時間分光情報を取得しなかった場合)(S02:No)には、会計処理部24により、取得した商品情報に基づいて会計処理を行い、会計情報を生成する(S03)。そして、印刷情報生成部25により、生成した会計情報に基づいて印刷情報を生成し(S04)、生成した印刷情報をレシートプリンター4に出力する(S05)。
【0041】
一方、周辺機器I/F部21により、ハイパースペクトルカメラ3から出力された会計対象商品の分光情報を取得すると(S02:Yes)、分光情報検出部22により、分光情報と当該分光情報を取得する直前に取得した商品コード(商品情報から抽出)とを、店舗管理サーバー5に出力する(S06)。
【0042】
これに対し、店舗管理サーバー5は、商品コードおよび分光情報を取得すると、鮮度判定部11により、これらの情報に基づいて会計対象商品の鮮度指数を算出し、鮮度レベルの判定を行う(S07)。鮮度情報(鮮度指数および鮮度レベル)を算出、判定したら、食べ頃日時算出部13およびアドバイス情報抽出部14により、アドバイス情報記憶部12を参照し、商品コードおよび鮮度レベルに基づいて、会計対象商品のアドバイス情報(「保存方法」、「お勧めの食べ方」および「食べ頃日時」)を抽出、もしくは算出する(S08)。その後、得られた鮮度情報(鮮度指数および鮮度レベル)とアドバイス情報とをPOS端末1に出力する(S09)。
【0043】
一方、POS端末1は、店舗管理サーバー5から鮮度情報およびアドバイス情報を取得すると、販売価格設定部23により、取得した鮮度情報に含まれる鮮度指数に基づいて、定価から所定の割合の値引きを行って販売価格を設定する(S10)。販売価格を設定したら、会計処理部24により、取得した商品情報および設定した販売価格に基づいて会計処理を行い、会計情報を生成する(S11)。その後、取得した鮮度情報およびアドバイス情報と、生成した会計情報と、に基づいて印刷情報を生成する(S12)。そして、生成した印刷情報をレシートプリンター4に出力する(S13)。
【0044】
なお、複数の商品を会計対象とする場合には、複数の商品において情報を統合して会計処理を行い、複数の商品において会計情報および印刷情報を統合して生成する。
【0045】
第1実施形態の構成によれば、会計処理対象となった生鮮食品を測定して販売価格を設定するため、商品価値のリアルタイム性且つ個別性を反映した販売価格の設定(値引き)を行うことができる。つまり、商品の個体差による価値の違いも販売価格の設定に反映させることができる。
【0046】
なお、第1実施形態において、会計時に、鮮度指数に基づいて販売価格の割引を行うのではなく、次回以降の買い物で有効な割引クーポンを、鮮度指数に応じて発行する構成であっても良い。
【0047】
なお、第1実施形態においては、会計時に、ハイパースペクトルカメラ3による測定を行い、この測定結果(分光情報)に基づいて、鮮度情報を算出、判定する構成であったが、POS端末1に、各商品に対する鮮度情報およびアドバイス情報を予め記憶しておく構成であっても良い。かかる構成では、図7に示すように、POS端末1は、図1の構成に対し、分光情報検出部22に代えて、各商品に対する鮮度情報およびアドバイス情報を記憶した鮮度情報記憶部26と、ハンディスキャナー2から取得した商品情報から会計対象商品が生鮮食品であるか否かを判別する商品判別部27と、をさらに備えている。一方、店舗管理サーバー5は、図1の構成に対し、商品情報および、接続したハイパースペクトルカメラ3による測定結果である分光情報を取得する商品・分光情報取得部(商品情報取得部および分光情報取得部)15を、さらに備えている。店舗管理サーバー5が、商品・分光情報取得部15により、各商品の分光情報を適宜取得し、これに基づいて得られた鮮度情報およびアドバイス情報をPOS端末1に適宜送信する。これを受けて、POS端末1が、鮮度情報およびアドバイス情報を鮮度情報記憶部26に記録し更新する。そして、商品判別部27により、会計対象商品が生鮮食品であると判別された場合に、鮮度情報記憶部26から鮮度指数を抽出し、これに基づいて、販売価格設定部23により販売価格の設定を行って会計処理を行う。また、印刷情報生成部25により、鮮度情報記憶部26から鮮度レベルおよびアドバイス情報を抽出し、印刷情報の生成に用いる。
【0048】
また、第1実施形態においては、店舗管理サーバー5が、鮮度判定部11、アドバイス情報記憶部12、食べ頃日時算出部13およびアドバイス情報抽出部14を有する構成であったが、図8に示すように、POS端末1が、これら各部を有する構成とし、本商品処理システムSY1から店舗管理サーバー5を省略する構成であっても良い。かかる場合、分光情報検出部22を省略する。
【0049】
さらに、上記各構成(図1、図7および図8の構成)において、POS端末1に搭載された各部を、レシートプリンター4に搭載する構成であっても良い。かかる場合、レシートプリンター4は、ハンディスキャナー2およびハイパースペクトルカメラ3を接続している。
【0050】
[第2実施形態]
以下、図9ないし図11を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の第2実施形態については、上記の第1実施形態と同様の構成には同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態にかかる商品処理装置は、鮮度指数(特性情報)に基づいて設定した生鮮食品の販売価格を、当該生鮮食品が陳列される陳列棚に設置された電子棚札に表示する。なお、本実施形態では、商品の陳列時に、ハンディターミナルを用いて店員が商品(生鮮食品)の測定を行うと共に、商品の商品情報を読み取る。
【0051】
図9は、本発明の第2実施形態にかかる商品処理システムSY2の構成を示したブロック図である。図9に示すように、商品処理システムSY2は、ハンディターミナル31と、商品の関連情報を表示する電子棚札32と、商品処理システムSY2を統括する棚札管理サーバー(サーバー)33と、から成る。電子棚札32および棚札管理サーバー33は、店舗内LAN6(有線LAN)により接続されており、ハンディターミナル31は、無線LANにより、棚札管理サーバー33に接続されている。なお、図9では、電子棚札32が1台の場合を示しているが、実際には、店舗内の陳列棚ごとに、電子棚札32が設けられる。また、本実施形態において、「商品処理装置」は、上記の構成要素のうち、電子棚札32および棚札管理サーバー33から成る。
【0052】
ハンディターミナル31は、商品に貼付または印刷された商品バーコードを読み取るバーコードスキャナー41と、第1実施形態と同様の構成であるハイパースペクトルカメラ3と、を一体に備えたものである。
【0053】
棚札管理サーバー33は、主な構成として、無線I/F部51と、棚札管理情報記憶部52と、表示情報出力部53と、第1実施形態に記載したものと同様の構成である鮮度判定部11、アドバイス情報記憶部12、食べ頃日時算出部13、アドバイス情報抽出部14および販売価格設定部23と、を備えている。
【0054】
無線I/F部51は、ハンディターミナル31のバーコードスキャナー41から商品バーコードに含まれた商品情報を取得し(商品情報取得部)、ハンディターミナル31のハイパースペクトルカメラ3から分光情報を取得する(分光情報取得部)。すなわち、無線I/F部51は、商品情報と分光情報とを関連付けて取得する。販売価格設定部23は、無線I/F51により取得した商品情報および分光情報に基づいて、各商品の販売価格を設定する。
【0055】
棚札管理情報記憶部52は、棚札管理サーバー33に接続された複数の電子棚札32の管理情報を記憶している。具体的には、棚札管理情報記憶部52は、電子棚札32ごとに、「札番号」、当該電子棚札32に表示する商品の「商品コード」、「商品名」および「販売価格」を記憶する。すなわち、本実施形態では、各電子棚札32に表示する商品が予め定められ、棚札管理サーバー33によって管理されている。
【0056】
表示情報出力部53は、電子棚札32の表示情報として、電子棚札32の商品の販売価格、鮮度情報およびアドバイス情報を、当該電子棚札32に出力する。
【0057】
各電子棚札32は、主な構成として、表示情報取得部61と、表示部62と、を備えている。表示情報取得部61は、棚札管理サーバー33から表示情報(販売価格、鮮度情報およびアドバイス情報)を取得する。表示部62は、液晶ディスプレイで構成され、取得した表示情報を表示する。具体的には、図10に示すように、表示部62は、表示対象商品の商品名および販売価格が表示された第1表示領域E3と、表示対象商品の鮮度情報およびアドバイス情報が表示された第2表示領域E4と、を有している。図示のように、第2表示領域E4には、「ラフランス」に対して、鮮度情報として「鮮度レベル」が、アドバイス情報として「食べ頃日時」、コード化画像C(例えば、QRコード)に変換された「保存方法」および「お勧めの食べ方」が表示されている。すなわち、表示部62は、商品名(商品情報)、販売価格、鮮度情報およびアドバイス情報を関連付けて表示する。
【0058】
次に図11を参照して、本実施形態の表示動作について説明する。同図は、棚札管理サーバー33および電子棚札32の表示動作を示したフローチャートである。先ず、棚札管理サーバー33は、無線I/F部51により、バーコードスキャナー41から出力された表示対象商品の商品情報を取得し(S21)、ハイパースペクトルカメラ3から出力された表示対象商品の分光情報を取得すると(S22)、取得した商品情報から表示対象商品を特定し、鮮度判定部11により、商品情報および分光情報に基づいて表示対象商品の鮮度指数を算出し、鮮度レベルの判定を行う(S23)。
【0059】
鮮度情報(鮮度指数および鮮度レベル)を算出、判定したら、販売価格設定部23により、算出した鮮度指数に基づいて、定価から所定の割合の値引きを行って表示対象商品の販売価格を設定し、これを棚札管理情報記憶部52に記憶する(S24)。その後、食べ頃日時算出部13およびアドバイス情報抽出部14により、アドバイス情報記憶部12を参照し、商品情報に含まれる商品コードと判定した鮮度レベルとに基づいて、表示対象商品のアドバイス情報(「保存方法」、「お勧めの食べ方」および「食べ頃日時」)を抽出、もしくは算出する(S25)。そして、表示情報出力部53により、棚札管理情報記憶部52に記憶された情報から、表示対象商品に対応する電子棚札32を特定し、その電子棚札32に、得られた表示対象商品の販売価格、鮮度情報(鮮度レベル)およびアドバイス情報を表示情報として出力する(S26)。これを受けた電子棚札32は、表示情報取得部61により、表示情報を取得する(S27)。そして、表示部62により、これらの情報を表示する(S28)。
【0060】
第2実施形態の構成によれば、リアルタイムな商品価値に応じた販売価格を顧客に提示することができる。
【0061】
なお、第2実施形態においては、鮮度指数に基づいて設定した販売価格を表示する構成であったが、商品情報に含まれる定価と当該定価から値引きをした販売価格とを併記する構成であっても良い。これによれば、販売価格の設定理由を顧客に提示することができる。その他、値引き率(値引き額)と、販売価格とを併記する構成であっても良い。
【0062】
また、第2実施形態においては、ハンディターミナル31に搭載されたハイパースペクトルカメラ3の測定結果に基づいて鮮度情報を生成したが、電子棚札32毎に(商品毎に)ハイパースペクトルカメラ3を設置し、このハイパースペクトルカメラ3により、電子棚札32の表示対象商品を測定して、この測定結果に基づいて鮮度情報を生成する構成であっても良い。かかる場合、商品を特定する手段(バーコードスキャナー41)を省略することができる。
【0063】
さらに、第2実施形態においては、電子棚札32に、鮮度指数に基づいて設定した販売価格を表示する構成であったが、例えば、店舗内LAN6、アクセスポイント、Wi−Fi(登録商標)等を介して、顧客が持参した携帯電話やスマートフォン、PDAに、当該販売価格を表示する構成であっても良い。
【0064】
さらに、第2実施形態の商品処理システムSY2におけるバーコードスキャナー41、ハイパースペクトルカメラ3、鮮度判定部11、販売価格設定部23および表示部62を、携帯電話やスマートフォン、PDA等の携帯端末に搭載し、携帯端末単体で、鮮度指数に基づく販売価格の表示を行う構成であっても良い。
【0065】
以上、各実施形態によれば、ハイパースペクトルカメラ3による商品の測定結果に基づいて販売価格を設定するため、実際の商品価値を反映した適切な販売価格を設定することができる。つまり、リアルタイムな商品価値に見合った販売価格を設定し、効率的な商品販売を行うことができる。
【0066】
また、商品を特定する商品情報を取得し、商品の定価から、鮮度指数に応じた所定割合を差し引いて、販売価格を設定することにより、予め定められている定価から、リアルタイムな商品価値に応じた値引きをすることができる。よって、高価値な商品に対する必要以上の値引きを防いで販売者側の利益を保つと共に、低価値な商品の販売促進を行うことができる。また、商品を特定する商品情報を取得するため、複数種類の商品のうち各種類に応じた基準で鮮度指数の算出や販売価格の設定を行うことができる。
【0067】
なお、本実施形態においては、特性情報として、鮮度指数を算出し、これに基づいて販売価格や値引き率の設定を行う構成であったが、特性情報は、商品の鮮度、糖度、商品に含まれる成分量などのいずれか1以上の情報であれば、これに限るものではない。例えば、特性情報を鮮度レベルとし、これに基づいて販売価格や割引率を設定しても良いし、特性情報を、ハイパースペクトルカメラ3の測定結果により得られた糖度や成分量とし、これに基づいて販売価格や値引き率を設定する構成であっても良い。無論、商品の鮮度、糖度、商品に含まれる成分量などの組合せによって、販売価格や値引き率を設定しても良い。
【符号の説明】
【0068】
1:POS端末、 2:ハンディスキャナー、 3:ハイパースペクトルカメラ、 4:レシートプリンター、 11:鮮度判定部、 15:商品・分光情報取得部、 21:周辺機器I/F部、 23:販売価格設定部、 24:会計処理部、 25:印刷情報生成部、 32:電子棚札、 33:棚札管理サーバー、 41:バーコードスキャナー、 51:無線I/F部、 62:表示部、 R:レシート、 SY1:商品処理システム、 SY2:商品処理システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の販売管理を行うための商品処理装置、商品処理システム、商品処理方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、賞味期限の近い商品を購入した顧客に対して、割引サービスを行う商品処理システムが提案されている(特許文献1参照)。当該システムは、会計処理時に、予め記憶されている商品ファイルから会計対象となった商品の賞味期限を参照し、賞味期限までの期間が所定以下である場合、次回以降の商品購入に有効な割引券を発行する。このように、賞味期限や消費期限までの期間に基づいて商品の価値を判定し、価値の低下した商品に対して実質の販売価格の割引を行うことで、こうした商品の販売促進を行っている。すなわち、商品の価値に合わせた販売価格の設定によって、販売ロスの少ない効率的な商品販売を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−050032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、加工食品に付される賞味期限や消費期限は、一般的に、商品の製造日に基づいて設定される。よって、賞味期限に基づいて商品の価値を判定する上記のシステムでは、商品の製造日を基準として割引サービスを行っていることになる。また、賞味期限や消費期限の無い果物や野菜については、出荷日や収穫日からの経過日数に基づいて割引サービスを行うことが考えられる。
しかし、実際に商品は、製造日や出荷日、収穫日が同一日であっても、その後の保存状態や商品の個体差によって個々の価値が異なってくる。にもかかわらず、上記のシステムでは、価値の異なる商品に対して同一の割引サービスを提供しており、実際の商品価値に見合った販売価格の設定を行っていない。つまり、価値の低い商品に高い販売価格を設定して販売ロスを増加させたり、価値の高い商品に対して必要以上の値引きをして販売利益を低下させたりしている可能性があり、最善の効率的な商品販売を行っているとはいえない。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、実際の商品価値に見合った販売価格の設定を行うことができる商品処理装置、商品処理システム、商品処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の商品処理装置は、ハイパースペクトルカメラによって商品を測定した測定結果である分光情報を取得する分光情報取得部と、取得した分光情報を分析し、分析結果に応じて、商品の状態を表す特性情報を生成する特性情報生成部と、特性情報に基づいて、商品の販売価格を設定する販売価格設定部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の商品処理方法は、商品処理装置が、ハイパースペクトルカメラによって商品を測定した測定結果である分光情報を取得し、取得した分光情報を分析し、分析結果に応じて、商品の状態を表す特性情報を生成し、特性情報に基づいて、商品の販売価格を設定することを特徴とする。
【0008】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記の商品処理方法を実行させることを特徴とする。
【0009】
これらの構成によれば、ハイパースペクトルカメラによる商品の測定結果に基づいて販売価格を設定するため、実際の商品価値を反映した適切な販売価格を設定することができる。つまり、リアルタイムな商品価値に見合った販売価格を設定し、効率的な商品販売を行うことができる。なお、特性情報とは、商品の鮮度、糖度、商品に含まれる成分量などのいずれか1以上の情報であることが好ましい。
【0010】
上記の商品処理装置において、商品を特定する商品情報を取得する商品情報取得部をさらに備え、販売価格設定部は、商品情報に含まれる商品の定価から、特性情報に応じた所定額を差し引いて、販売価格を設定することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、予め定められている定価から、リアルタイムな商品価値に応じた値引きをすることができる。よって、高価値な商品に対する必要以上の値引きを防いで販売者側の利益を保つと共に、低価値な商品の販売促進を行うことができる。また、商品を特定する商品情報を取得するため、複数種類の商品のうち各種類に応じた基準で特性情報の生成や販売価格の設定を行うことができる。
【0012】
この場合、商品情報および販売価格を関連付けて表示する表示部を備えた電子棚札と、商品情報取得部、分光情報取得部、特性情報生成部および販売価格設定部を備えると共に1以上の電子棚札と接続されたサーバーと、によって構成されることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、リアルタイムな商品価値に応じた販売価格を顧客に提示することができる。また、商品情報に含まれる定価と、当該定価から値引きをした販売価格と、を併記表示すれば、より販売促進効果が期待できる。また、商品の特性情報(鮮度、糖度、成分など)をさらに併記表示してもよい。これによれば、販売価格の設定理由を顧客に提示することができる。なお、測定対象となる商品は、陳列する全商品でもよいし、当該全商品のうち代表の個体を測定してもよい。
【0014】
上記の商品処理装置において、商品情報および販売価格に基づいて会計処理を行う会計処理部と、会計処理部の処理結果である会計情報に基づいて、印刷情報を生成する印刷情報生成部と、をさらに備えていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、会計処理対象となった商品を測定して販売価格を設定するため、商品価値のリアルタイム性且つ個別性を反映した販売価格の設定(値引き)を行うことができる。つまり、商品の個体差による価値の違いも販売価格の設定に反映させることができる。
【0016】
本発明の商品処理システムは、上記の商品処理装置と、商品情報を入力するスキャナーと、ハイパースペクトルカメラと、を備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明の他の商品処理システムは、上記の商品処理装置と、商品情報を入力するスキャナーと、ハイパースペクトルカメラと、印刷情報を印刷するプリンターと、を備えていることが好ましい。
【0018】
これらの構成によれば、リアルタイムな商品価値に見合った販売価格を設定することのできる商品処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態にかかる商品処理システムの構成を示した図である。
【図2】プラムの分光情報における波長−反射率のグラフ(a)並びに鮮度指数−経過日数のグラフ(b)である。
【図3】アドバイス情報記憶部の記憶内容を示した図である。
【図4】鮮度指数に対する値引き率を示した図である。
【図5】レシートの一例を示した図である。
【図6】第1実施形態にかかる会計動作を示したフローチャートである。
【図7】第1実施形態にかかる商品処理システムの第1変形例の構成を示した図である。
【図8】第1実施形態にかかる商品処理システムの第2変形例の構成を示した図である。
【図9】第2実施形態にかかる商品処理システムの構成を示した図である。
【図10】電子棚札の一例を示した図である。
【図11】第2実施形態にかかる表示動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照し、本発明の商品処理装置、商品処理システム、商品処理方法およびプログラムについて説明する。以下に示す各実施形態にかかる商品処理装置は、スーパーマーケット等の小売店において、生鮮食品の鮮度指数(特性情報)を算出し、鮮度指数に応じた販売価格の設定を行う。なお、「生鮮食品」とは、青果物(果物・野菜)、鮮魚および精肉を指す。また、「鮮度指数」とは、商品処理システムに備えられたハイパースペクトルカメラによる生鮮食品の測定結果から生成されるものである。
【0021】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態にかかる商品処理システムSY1のブロック図である。同図に示すように、商品処理システムSY1は、会計処理を行うPOS端末1と、商品に貼付または印刷された商品バーコードを読み取るハンディスキャナー(スキャナー)2と、商品(生鮮食品)を測定するハイパースペクトルカメラ3と、レシートRを印刷・発行するレシートプリンター(プリンター)4と、商品処理システムSY1を統括する店舗管理サーバー5と、から成る。POS端末1とハンディスキャナー2、ハイパースペクトルカメラ3、およびレシートプリンター4は、それぞれシリアルインターフェース(例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェース)により接続されている(後述の周辺機器I/F部21)。また、POS端末1および店舗管理サーバー5は、店舗内LAN6(有線LANまたは無線LAN)により接続されている。
【0022】
なお、図1では、POS端末1が1台の場合を示しているが、店舗内に複数のレジカウンターが設置されている場合、レジカウンターごとに、POS端末1、ハンディスキャナー2、ハイパースペクトルカメラ3およびレシートプリンター4が設けられる。また、本実施形態において、「商品処理装置」は、上記の構成要素のうち、POS端末1および店舗管理サーバー5から成る。
【0023】
また、本実施形態では、会計時に、オペレーターがハイパースペクトルカメラ3を用いて商品の測定を行う。なお、当該会計時、ハンディスキャナー2により全商品の商品バーコードを読み取るのに対し、ハイパースペクトルカメラ3による商品の測定は、全商品のうちの生鮮食品に対してのみ行うものとする。そして、会計対象の商品が生鮮食品か否かの判別は、オペレーターが目視で行うものとする。もちろん、商品バーコードに含まれた商品名や商品区分に関する情報を用いて、POS端末1が判別し、これをオペレーター用ディスプレイに表示することにより、オペレーターに対し会計対象の商品が生鮮食品か否かを通知する構成としてもよい。
【0024】
ハイパースペクトルカメラ3は、主な構成として、商品(生鮮食品)に光照射する光源と、商品からの反射光を分光する分光器と、分光した反射光の分光情報を生成する分光情報生成部(いずれも図示省略)と、を備えている。分光情報とは、各波長域の反射光の測定値を数値化したものであり、商品に対する測定結果である。そして、分光情報生成部は、生成した分光情報をPOS端末1に出力する。なお、ハイパースペクトルカメラ3は、商品の表面を測定可能な形態であれば、ハンディタイプのものでも、レジカウンターに固定された設置タイプのものでもよい。また、商品の測定方法は、上記の反射方式ではなく、透過光を用いて商品を測定する透過方式でもよい。また、分光情報は、商品の成分分析に有効な近赤外域を含む各波長域の測定値を数値化したものであることが望ましい。
【0025】
店舗管理サーバー5は、主な構成として、POS端末1から取得した分光情報から鮮度指数の算出および鮮度レベルの判定を行う鮮度判定部(特性情報生成部)11、商品ごとに鮮度レベルに応じたアドバイス情報を記憶したアドバイス情報記憶部12、鮮度レベルの判定結果に応じて商品の食べ頃日時を算出する食べ頃日時算出部13、およびアドバイス情報記憶部12から鮮度レベルの判定結果に応じたアドバイス情報を抽出するアドバイス情報抽出部14を備えている。
【0026】
鮮度判定部11は、不図示の記憶部に記憶された所定のプログラムに基づいて、POS端末1から取得した分光情報から商品の鮮度指数を算出し、鮮度レベルを判定する。具体的には、各波長域の検出値である分光情報を解析して、時間経過によって変化する主要成分量(例えば、水分量、糖度など)や表面の色などに影響される鮮度指数を算出し、この鮮度指数から商品の鮮度レベルを判定する。すなわち、鮮度判定部11は、商品の鮮度指数および鮮度レベルを生成する。
【0027】
分光情報(スペクトル)の解析方法は大きく、定性分析タイプおよび定量分析タイプの2つに分かれ、前者には主成分分析、クラスター分析などがあり、後者には重回帰分析、主成分回帰分析などがある。既に公知であるこれらの解析方法を利用すれば、鮮度判定は容易に行えるが、本実施形態では、簡易的な方法を採用する。以下は、リモートセンシングで知られている正規化植生指数(NDVI)を参考に考案された判別方法で、処理能力の低いCPUでも解析可能である。例えば、図2(a)は、果物のプラムに関する波長−反射率のグラフである。575−625nmの波長区間をA区間、625−725nmの波長区間をB区間とする。(B−A)/(B+A)の式を鮮度指数と定義して、鮮度指数−経過日数をグラフにしたものが図2(b)である。この鮮度指数は、鮮度が劣化すると数値が上昇する。図2(b)の例では、鮮度指数の0.15未満を「Lv1:新鮮」、0.15以上0.25未満を「Lv2:準新鮮」、0.25以上を「Lv3:非新鮮」の3段階に分けるものとする。なお、この鮮度レベルは、商品の特性(時間経過によって変化しやすい成分)を考慮して、商品ごとに異なるものとする。このようにして得られた分析結果である鮮度指数および鮮度レベルは、鮮度情報としてPOS端末1に出力される。
【0028】
アドバイス情報記憶部12は、アドバイス情報を含む各情報を商品ごとに記憶している。図3は、アドバイス情報記憶部12の記憶内容を示す図である。図示のように、アドバイス情報記憶部12は、商品ごとに、「商品名」、「食べ頃時期・期限」、鮮度レベルに応じた「推定経過期間」、「保存方法」、「お勧めの食べ方」を記憶している。
【0029】
「商品名」は、実際にはハンディスキャナー2が取得した商品バーコードに含まれた商品を特定する商品コードとして記憶されている(図3では、商品名で記載している)。「食べ頃時期・期限」は、出荷元、製造元または小売店により定められたものであり、出荷日または製造日からの経過期間で記憶されている。例えば、図示のように「ラフランス」の「食べ頃時期・期限」は、出荷日から20日経過した日となる。なお、「食べ頃時期・期限」は、青果物(果物・野菜)については食べ頃の時期を示し、鮮魚および精肉についてはいわゆる消費期限と同等の意味を示す。「推定経過期間」は、鮮度レベル(鮮度指数)から推定されるその商品の出荷日または製造日からの経過期間である。なお、「推定経過期間」は、商品の鮮度指数から推定される経過期間であるため、実際の経過期間とは異なる経過期間となる場合もある。「保存方法」は、鮮度レベルに応じた最適な商品の保存方法である。例えば、図示のように「ラフランス」の場合、鮮度レベルが「Lv1」および「Lv2」のものに対して「常温で保存して下さい」という保存方法が記憶されており、「Lv3」のものに対して「冷蔵保存して下さい」という保存方法が記憶されている。「お勧めの食べ方」は、鮮度レベルに応じた最適な食べ方である。例えば、図示のように「マグロ赤身」の場合、鮮度レベルが「Lv1」および「Lv2」のものに対して「お刺身でおいしく召し上がれます」という食べ方が記憶されており、「Lv3」のものに対して「フライやソテーがおすすめです」という食べ方が記憶されている。なお、アドバイス情報は、上記に限られるものではなく、例えば、商品の「お勧めレシピ」などを含んでもよい。
【0030】
図1に戻り、食べ頃日時算出部13は、鮮度判定部11の判定結果(鮮度レベル)、アドバイス情報記憶部12の「食べ頃時期・期限」および「推定経過期間」を参照して、商品の食べ頃日時を算出する。具体的には、「食べ頃時期・期限」の経過期間から、鮮度レベルに応じた「推定経過期間」を差し引いた期間を、現在日時に加算した日時を食べ頃日時として算出する。例えば、鮮度レベルが「Lv2」と判定されたラフランスは、「食べ頃時期・期限」の経過期間が「20日後」であり、「推定経過期間」が「15日」である(図3参照)。よって当該ラフランスの食べ頃日時は、現在日時に5日加算した日時となる(図5参照)。上記したように、食べ頃日時の算出基準となる「推定経過期間」は、実際の経過期間とは異なる経過期間となる場合もあるが、これにより、出荷日時が同時であった商品でも、各商品の鮮度の違いを考慮して適切な食べ頃日時を算出することができる。なお、鮮魚および精肉については、算出された食べ頃日時は、消費期限と略同様の意味をもつ日時となる。このため、レシートR上にも、「食べ頃」ではなく「消費期限」と表記されることが好ましい。
【0031】
アドバイス情報抽出部14は、鮮度判定部11の判定結果(鮮度レベル)に応じた「保存方法」および「お勧めの食べ方」をアドバイス情報記憶部12から抽出する。そして、抽出した「保存方法」および「お勧めの食べ方」と、算出した「食べ頃日時」と、をアドバイス情報としてPOS端末1に出力する。
【0032】
続いて、POS端末1の機能構成について説明する。図1に示すように、POS端末1は、主な機能構成として、周辺機器I/F部21、分光情報検出部22、販売価格設定部23、会計処理部24、および印刷情報生成部25を有している。周辺機器I/F部21は、上記のようにシリアルインターフェースで構成され、ハンディスキャナー2から商品バーコードに含まれた商品情報を取得し、ハイパースペクトルカメラ3から分光情報を取得する。すなわち、商品情報取得部および分光情報取得部は、周辺機器I/F部21により構成されている。商品情報には、商品コード、商品名、商品の定価が含まれている。また、周辺機器I/F部21は、後述の印刷情報をレシートプリンター4に出力する。
【0033】
分光情報検出部22は、ハイパースペクトルカメラ3から分光情報を取得したことを検出するとき、取得した分光情報を店舗管理サーバー5に出力する。なお、分光情報検出部22は、分光情報と共に、当該分光情報の直前に取得した商品情報に含まれる商品コードをPOS端末1に出力する。
【0034】
販売価格設定部23は、店舗管理サーバー5から取得した鮮度情報に応じて、販売価格の設定を行う。具体的には、会計対象となる商品の鮮度指数に応じて、予め定められている定価から所定割合の値引きを行う。図4に示すように、販売価格設定部23は、鮮度指数が0.20以上であった場合(厳密には、鮮度指数が0.20以上0.25未満であった場合)、定価から20%割引を行う。さらに、鮮度指数が0.25以上であった場合、定価から40%の割引を行う。すなわち、販売価格設定部23は、値引きを行うための鮮度指数の閾値を記憶しており、この閾値に基づいて販売価格の設定を行う。なお、予め定められている定価とは、商品情報に含まれている。すなわち、本実施形態では、商品コードに価格情報が含まれたNON−PUL(ノンプライスルックアップ)方式を採用している。なお、商品コードに価格情報が含まれず、店舗サーバーから価格情報を取得するPUL(プライスルックアップ)方式を用いてもよい。
【0035】
会計処理部24は、POSアプリケーション(図示省略)を主要部とするものであり、取得した商品情報および、販売価格設定部23により設定された販売価格に基づいて、会計処理を実行する。また、会計処理部24は、会計処理の処理結果である会計情報を生成する。
【0036】
印刷情報生成部25は、生成した会計情報、および店舗管理サーバー5から取得した鮮度情報(鮮度レベル)およびアドバイス情報(食べ頃日時、保存方法およびお勧めの食べ方)に基づいて、レシートRに印刷するための印刷情報を生成する。なお、店舗管理サーバー5から鮮度情報およびアドバイス情報を取得しない場合には、会計情報のみに基づいて印刷情報を生成する(図6参照)。また、鮮度情報およびアドバイス情報を2次元コードやバーコードで表したコード化画像として生成してもよい。
【0037】
レシートプリンター4は、POS端末1から取得した印刷情報をレシート用紙に印刷し、レシートRを発行する。
【0038】
図5は、鮮度情報およびアドバイス情報が印刷されたレシートRの一例を示したものである。図5に示すレシートRは、上部に店舗情報や会計情報が印刷された第1印刷領域E1と、下部に会計処理された商品の鮮度情報およびアドバイス情報が印刷された第2印刷領域E2と、を有している。図示のように、第1印刷領域E1には、会計対象商品の「品名」、「数量」、「金額(定価)」が印刷される。さらに、販売価格設定部23により定価から値引きが行われた場合、図示のように、当該会計対象商品の各種情報が印刷されている行の一段下の行に、割引のパーセンテージと、マイナス表示の割引金額と、が印刷される。
【0039】
一方、第2印刷領域E2には、会計処理された「ラフランス」および「アボカド」に対して、鮮度情報およびアドバイス情報が印刷される。鮮度情報として「鮮度レベル」が、アドバイス情報として「食べ頃日時」、「保存方法」および「お勧めの食べ方」が印刷されている。なお、「食べ頃日時」については、日にちに加えて時刻を表示してもよい。また、「鮮度レベル」や「食べ頃日時」など、目立たせたい情報を第1印刷領域E1において、会計対象商品の印刷行に連ねて印刷させてもよい。また、会計対象商品が生鮮食品ではなかった場合、鮮度情報およびアドバイス情報が取得されないため、第1印刷領域E1のみを有したレシートRが印刷される。
【0040】
次に図6を参照して、本実施形態の会計動作について説明する。同図は、店舗管理サーバー5およびPOS端末1の会計動作を示したフローチャートである。ここでは、単一の商品を会計対象とする場合について例示する。先ず、POS端末1は、周辺機器I/F部21により、ハンディスキャナー2から出力された会計対象商品の商品情報を取得すると(S01)、会計対象商品の分光情報の取得を待つ取得待ち状態に移行する(S02)。会計対象商品の分光情報を取得しなかった場合(例えば所定時間分光情報を取得しなかった場合)(S02:No)には、会計処理部24により、取得した商品情報に基づいて会計処理を行い、会計情報を生成する(S03)。そして、印刷情報生成部25により、生成した会計情報に基づいて印刷情報を生成し(S04)、生成した印刷情報をレシートプリンター4に出力する(S05)。
【0041】
一方、周辺機器I/F部21により、ハイパースペクトルカメラ3から出力された会計対象商品の分光情報を取得すると(S02:Yes)、分光情報検出部22により、分光情報と当該分光情報を取得する直前に取得した商品コード(商品情報から抽出)とを、店舗管理サーバー5に出力する(S06)。
【0042】
これに対し、店舗管理サーバー5は、商品コードおよび分光情報を取得すると、鮮度判定部11により、これらの情報に基づいて会計対象商品の鮮度指数を算出し、鮮度レベルの判定を行う(S07)。鮮度情報(鮮度指数および鮮度レベル)を算出、判定したら、食べ頃日時算出部13およびアドバイス情報抽出部14により、アドバイス情報記憶部12を参照し、商品コードおよび鮮度レベルに基づいて、会計対象商品のアドバイス情報(「保存方法」、「お勧めの食べ方」および「食べ頃日時」)を抽出、もしくは算出する(S08)。その後、得られた鮮度情報(鮮度指数および鮮度レベル)とアドバイス情報とをPOS端末1に出力する(S09)。
【0043】
一方、POS端末1は、店舗管理サーバー5から鮮度情報およびアドバイス情報を取得すると、販売価格設定部23により、取得した鮮度情報に含まれる鮮度指数に基づいて、定価から所定の割合の値引きを行って販売価格を設定する(S10)。販売価格を設定したら、会計処理部24により、取得した商品情報および設定した販売価格に基づいて会計処理を行い、会計情報を生成する(S11)。その後、取得した鮮度情報およびアドバイス情報と、生成した会計情報と、に基づいて印刷情報を生成する(S12)。そして、生成した印刷情報をレシートプリンター4に出力する(S13)。
【0044】
なお、複数の商品を会計対象とする場合には、複数の商品において情報を統合して会計処理を行い、複数の商品において会計情報および印刷情報を統合して生成する。
【0045】
第1実施形態の構成によれば、会計処理対象となった生鮮食品を測定して販売価格を設定するため、商品価値のリアルタイム性且つ個別性を反映した販売価格の設定(値引き)を行うことができる。つまり、商品の個体差による価値の違いも販売価格の設定に反映させることができる。
【0046】
なお、第1実施形態において、会計時に、鮮度指数に基づいて販売価格の割引を行うのではなく、次回以降の買い物で有効な割引クーポンを、鮮度指数に応じて発行する構成であっても良い。
【0047】
なお、第1実施形態においては、会計時に、ハイパースペクトルカメラ3による測定を行い、この測定結果(分光情報)に基づいて、鮮度情報を算出、判定する構成であったが、POS端末1に、各商品に対する鮮度情報およびアドバイス情報を予め記憶しておく構成であっても良い。かかる構成では、図7に示すように、POS端末1は、図1の構成に対し、分光情報検出部22に代えて、各商品に対する鮮度情報およびアドバイス情報を記憶した鮮度情報記憶部26と、ハンディスキャナー2から取得した商品情報から会計対象商品が生鮮食品であるか否かを判別する商品判別部27と、をさらに備えている。一方、店舗管理サーバー5は、図1の構成に対し、商品情報および、接続したハイパースペクトルカメラ3による測定結果である分光情報を取得する商品・分光情報取得部(商品情報取得部および分光情報取得部)15を、さらに備えている。店舗管理サーバー5が、商品・分光情報取得部15により、各商品の分光情報を適宜取得し、これに基づいて得られた鮮度情報およびアドバイス情報をPOS端末1に適宜送信する。これを受けて、POS端末1が、鮮度情報およびアドバイス情報を鮮度情報記憶部26に記録し更新する。そして、商品判別部27により、会計対象商品が生鮮食品であると判別された場合に、鮮度情報記憶部26から鮮度指数を抽出し、これに基づいて、販売価格設定部23により販売価格の設定を行って会計処理を行う。また、印刷情報生成部25により、鮮度情報記憶部26から鮮度レベルおよびアドバイス情報を抽出し、印刷情報の生成に用いる。
【0048】
また、第1実施形態においては、店舗管理サーバー5が、鮮度判定部11、アドバイス情報記憶部12、食べ頃日時算出部13およびアドバイス情報抽出部14を有する構成であったが、図8に示すように、POS端末1が、これら各部を有する構成とし、本商品処理システムSY1から店舗管理サーバー5を省略する構成であっても良い。かかる場合、分光情報検出部22を省略する。
【0049】
さらに、上記各構成(図1、図7および図8の構成)において、POS端末1に搭載された各部を、レシートプリンター4に搭載する構成であっても良い。かかる場合、レシートプリンター4は、ハンディスキャナー2およびハイパースペクトルカメラ3を接続している。
【0050】
[第2実施形態]
以下、図9ないし図11を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の第2実施形態については、上記の第1実施形態と同様の構成には同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態にかかる商品処理装置は、鮮度指数(特性情報)に基づいて設定した生鮮食品の販売価格を、当該生鮮食品が陳列される陳列棚に設置された電子棚札に表示する。なお、本実施形態では、商品の陳列時に、ハンディターミナルを用いて店員が商品(生鮮食品)の測定を行うと共に、商品の商品情報を読み取る。
【0051】
図9は、本発明の第2実施形態にかかる商品処理システムSY2の構成を示したブロック図である。図9に示すように、商品処理システムSY2は、ハンディターミナル31と、商品の関連情報を表示する電子棚札32と、商品処理システムSY2を統括する棚札管理サーバー(サーバー)33と、から成る。電子棚札32および棚札管理サーバー33は、店舗内LAN6(有線LAN)により接続されており、ハンディターミナル31は、無線LANにより、棚札管理サーバー33に接続されている。なお、図9では、電子棚札32が1台の場合を示しているが、実際には、店舗内の陳列棚ごとに、電子棚札32が設けられる。また、本実施形態において、「商品処理装置」は、上記の構成要素のうち、電子棚札32および棚札管理サーバー33から成る。
【0052】
ハンディターミナル31は、商品に貼付または印刷された商品バーコードを読み取るバーコードスキャナー41と、第1実施形態と同様の構成であるハイパースペクトルカメラ3と、を一体に備えたものである。
【0053】
棚札管理サーバー33は、主な構成として、無線I/F部51と、棚札管理情報記憶部52と、表示情報出力部53と、第1実施形態に記載したものと同様の構成である鮮度判定部11、アドバイス情報記憶部12、食べ頃日時算出部13、アドバイス情報抽出部14および販売価格設定部23と、を備えている。
【0054】
無線I/F部51は、ハンディターミナル31のバーコードスキャナー41から商品バーコードに含まれた商品情報を取得し(商品情報取得部)、ハンディターミナル31のハイパースペクトルカメラ3から分光情報を取得する(分光情報取得部)。すなわち、無線I/F部51は、商品情報と分光情報とを関連付けて取得する。販売価格設定部23は、無線I/F51により取得した商品情報および分光情報に基づいて、各商品の販売価格を設定する。
【0055】
棚札管理情報記憶部52は、棚札管理サーバー33に接続された複数の電子棚札32の管理情報を記憶している。具体的には、棚札管理情報記憶部52は、電子棚札32ごとに、「札番号」、当該電子棚札32に表示する商品の「商品コード」、「商品名」および「販売価格」を記憶する。すなわち、本実施形態では、各電子棚札32に表示する商品が予め定められ、棚札管理サーバー33によって管理されている。
【0056】
表示情報出力部53は、電子棚札32の表示情報として、電子棚札32の商品の販売価格、鮮度情報およびアドバイス情報を、当該電子棚札32に出力する。
【0057】
各電子棚札32は、主な構成として、表示情報取得部61と、表示部62と、を備えている。表示情報取得部61は、棚札管理サーバー33から表示情報(販売価格、鮮度情報およびアドバイス情報)を取得する。表示部62は、液晶ディスプレイで構成され、取得した表示情報を表示する。具体的には、図10に示すように、表示部62は、表示対象商品の商品名および販売価格が表示された第1表示領域E3と、表示対象商品の鮮度情報およびアドバイス情報が表示された第2表示領域E4と、を有している。図示のように、第2表示領域E4には、「ラフランス」に対して、鮮度情報として「鮮度レベル」が、アドバイス情報として「食べ頃日時」、コード化画像C(例えば、QRコード)に変換された「保存方法」および「お勧めの食べ方」が表示されている。すなわち、表示部62は、商品名(商品情報)、販売価格、鮮度情報およびアドバイス情報を関連付けて表示する。
【0058】
次に図11を参照して、本実施形態の表示動作について説明する。同図は、棚札管理サーバー33および電子棚札32の表示動作を示したフローチャートである。先ず、棚札管理サーバー33は、無線I/F部51により、バーコードスキャナー41から出力された表示対象商品の商品情報を取得し(S21)、ハイパースペクトルカメラ3から出力された表示対象商品の分光情報を取得すると(S22)、取得した商品情報から表示対象商品を特定し、鮮度判定部11により、商品情報および分光情報に基づいて表示対象商品の鮮度指数を算出し、鮮度レベルの判定を行う(S23)。
【0059】
鮮度情報(鮮度指数および鮮度レベル)を算出、判定したら、販売価格設定部23により、算出した鮮度指数に基づいて、定価から所定の割合の値引きを行って表示対象商品の販売価格を設定し、これを棚札管理情報記憶部52に記憶する(S24)。その後、食べ頃日時算出部13およびアドバイス情報抽出部14により、アドバイス情報記憶部12を参照し、商品情報に含まれる商品コードと判定した鮮度レベルとに基づいて、表示対象商品のアドバイス情報(「保存方法」、「お勧めの食べ方」および「食べ頃日時」)を抽出、もしくは算出する(S25)。そして、表示情報出力部53により、棚札管理情報記憶部52に記憶された情報から、表示対象商品に対応する電子棚札32を特定し、その電子棚札32に、得られた表示対象商品の販売価格、鮮度情報(鮮度レベル)およびアドバイス情報を表示情報として出力する(S26)。これを受けた電子棚札32は、表示情報取得部61により、表示情報を取得する(S27)。そして、表示部62により、これらの情報を表示する(S28)。
【0060】
第2実施形態の構成によれば、リアルタイムな商品価値に応じた販売価格を顧客に提示することができる。
【0061】
なお、第2実施形態においては、鮮度指数に基づいて設定した販売価格を表示する構成であったが、商品情報に含まれる定価と当該定価から値引きをした販売価格とを併記する構成であっても良い。これによれば、販売価格の設定理由を顧客に提示することができる。その他、値引き率(値引き額)と、販売価格とを併記する構成であっても良い。
【0062】
また、第2実施形態においては、ハンディターミナル31に搭載されたハイパースペクトルカメラ3の測定結果に基づいて鮮度情報を生成したが、電子棚札32毎に(商品毎に)ハイパースペクトルカメラ3を設置し、このハイパースペクトルカメラ3により、電子棚札32の表示対象商品を測定して、この測定結果に基づいて鮮度情報を生成する構成であっても良い。かかる場合、商品を特定する手段(バーコードスキャナー41)を省略することができる。
【0063】
さらに、第2実施形態においては、電子棚札32に、鮮度指数に基づいて設定した販売価格を表示する構成であったが、例えば、店舗内LAN6、アクセスポイント、Wi−Fi(登録商標)等を介して、顧客が持参した携帯電話やスマートフォン、PDAに、当該販売価格を表示する構成であっても良い。
【0064】
さらに、第2実施形態の商品処理システムSY2におけるバーコードスキャナー41、ハイパースペクトルカメラ3、鮮度判定部11、販売価格設定部23および表示部62を、携帯電話やスマートフォン、PDA等の携帯端末に搭載し、携帯端末単体で、鮮度指数に基づく販売価格の表示を行う構成であっても良い。
【0065】
以上、各実施形態によれば、ハイパースペクトルカメラ3による商品の測定結果に基づいて販売価格を設定するため、実際の商品価値を反映した適切な販売価格を設定することができる。つまり、リアルタイムな商品価値に見合った販売価格を設定し、効率的な商品販売を行うことができる。
【0066】
また、商品を特定する商品情報を取得し、商品の定価から、鮮度指数に応じた所定割合を差し引いて、販売価格を設定することにより、予め定められている定価から、リアルタイムな商品価値に応じた値引きをすることができる。よって、高価値な商品に対する必要以上の値引きを防いで販売者側の利益を保つと共に、低価値な商品の販売促進を行うことができる。また、商品を特定する商品情報を取得するため、複数種類の商品のうち各種類に応じた基準で鮮度指数の算出や販売価格の設定を行うことができる。
【0067】
なお、本実施形態においては、特性情報として、鮮度指数を算出し、これに基づいて販売価格や値引き率の設定を行う構成であったが、特性情報は、商品の鮮度、糖度、商品に含まれる成分量などのいずれか1以上の情報であれば、これに限るものではない。例えば、特性情報を鮮度レベルとし、これに基づいて販売価格や割引率を設定しても良いし、特性情報を、ハイパースペクトルカメラ3の測定結果により得られた糖度や成分量とし、これに基づいて販売価格や値引き率を設定する構成であっても良い。無論、商品の鮮度、糖度、商品に含まれる成分量などの組合せによって、販売価格や値引き率を設定しても良い。
【符号の説明】
【0068】
1:POS端末、 2:ハンディスキャナー、 3:ハイパースペクトルカメラ、 4:レシートプリンター、 11:鮮度判定部、 15:商品・分光情報取得部、 21:周辺機器I/F部、 23:販売価格設定部、 24:会計処理部、 25:印刷情報生成部、 32:電子棚札、 33:棚札管理サーバー、 41:バーコードスキャナー、 51:無線I/F部、 62:表示部、 R:レシート、 SY1:商品処理システム、 SY2:商品処理システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイパースペクトルカメラによって商品を測定した測定結果である分光情報を取得する分光情報取得部と、
取得した前記分光情報を分析し、分析結果に応じて、前記商品の状態を表す特性情報を生成する特性情報生成部と、
前記特性情報に基づいて、前記商品の販売価格を設定する販売価格設定部と、を備えたことを特徴とする商品処理装置。
【請求項2】
前記商品を特定する商品情報を取得する商品情報取得部をさらに備え、
前記販売価格設定部は、前記商品情報に含まれる前記商品の定価から、前記特性情報に応じた所定額を差し引いて、前記販売価格を設定することを特徴とする請求項1に記載の商品処理装置。
【請求項3】
前記商品情報および前記販売価格を関連付けて表示する表示部を備えた電子棚札と、
前記商品情報取得部、前記分光情報取得部、前記特性情報生成部および前記販売価格設定部を備えると共に1以上の前記電子棚札と接続されたサーバーと、によって構成されることを特徴とする請求項2に記載の商品処理装置。
【請求項4】
前記商品情報および前記販売価格に基づいて会計処理を行う会計処理部と、
前記会計処理部の処理結果である会計情報に基づいて、印刷情報を生成する印刷情報生成部と、をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の商品処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の商品処理装置と、
前記商品情報を入力するスキャナーと、
前記ハイパースペクトルカメラと、を備えたことを特徴とする商品処理システム。
【請求項6】
請求項4に記載の商品処理装置と、
前記商品情報を入力するスキャナーと、
前記ハイパースペクトルカメラと、
前記印刷情報を印刷するプリンターと、を備えたことを特徴とする商品処理システム。
【請求項7】
商品処理装置が、
ハイパースペクトルカメラによって商品を測定した測定結果である分光情報を取得し、
取得した前記分光情報を分析し、分析結果に応じて、前記商品の状態を表す特性情報を生成し、
前記特性情報に基づいて、前記商品の販売価格を設定することを特徴とする商品処理方法。
【請求項8】
コンピューターに、請求項7に記載の商品処理方法を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
ハイパースペクトルカメラによって商品を測定した測定結果である分光情報を取得する分光情報取得部と、
取得した前記分光情報を分析し、分析結果に応じて、前記商品の状態を表す特性情報を生成する特性情報生成部と、
前記特性情報に基づいて、前記商品の販売価格を設定する販売価格設定部と、を備えたことを特徴とする商品処理装置。
【請求項2】
前記商品を特定する商品情報を取得する商品情報取得部をさらに備え、
前記販売価格設定部は、前記商品情報に含まれる前記商品の定価から、前記特性情報に応じた所定額を差し引いて、前記販売価格を設定することを特徴とする請求項1に記載の商品処理装置。
【請求項3】
前記商品情報および前記販売価格を関連付けて表示する表示部を備えた電子棚札と、
前記商品情報取得部、前記分光情報取得部、前記特性情報生成部および前記販売価格設定部を備えると共に1以上の前記電子棚札と接続されたサーバーと、によって構成されることを特徴とする請求項2に記載の商品処理装置。
【請求項4】
前記商品情報および前記販売価格に基づいて会計処理を行う会計処理部と、
前記会計処理部の処理結果である会計情報に基づいて、印刷情報を生成する印刷情報生成部と、をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の商品処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の商品処理装置と、
前記商品情報を入力するスキャナーと、
前記ハイパースペクトルカメラと、を備えたことを特徴とする商品処理システム。
【請求項6】
請求項4に記載の商品処理装置と、
前記商品情報を入力するスキャナーと、
前記ハイパースペクトルカメラと、
前記印刷情報を印刷するプリンターと、を備えたことを特徴とする商品処理システム。
【請求項7】
商品処理装置が、
ハイパースペクトルカメラによって商品を測定した測定結果である分光情報を取得し、
取得した前記分光情報を分析し、分析結果に応じて、前記商品の状態を表す特性情報を生成し、
前記特性情報に基づいて、前記商品の販売価格を設定することを特徴とする商品処理方法。
【請求項8】
コンピューターに、請求項7に記載の商品処理方法を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−73433(P2013−73433A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212170(P2011−212170)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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