説明

商品収容装置

【課題】周囲温度の低下を防止し、省エネルギー化を図ることが可能な商品収容装置を提供する。
【解決手段】前面が開口した筐体から成る装置本体2と、装置本体2の内部に収容した商品載置棚3と、装置本体2の内部に設けてあり通過する空気を冷却する冷却手段44とを備え、装置本体2の内部で空気を循環し、商品載置棚3に載置した商品を装置本体2の開口から取出可能な商品収容装置1において、装置本体2の内部において装置本体2の開口側に位置し、商品を収容可能な第一領域Bと、第一領域Bと隣接してあって装置本体2の内部において第一領域Bより奥側に位置し、商品を収容可能な第二領域Aとを備え、商品載置棚3は、第一領域Bと第二領域Aとに亘って配置してあり、かつ第二領域Aにおける第一領域Bと隣接する部位に上下方向に沿って貫通する貫通孔5を有しており、冷却手段44を通過した空気を第二領域Aに送出し、貫通孔5を通して冷却手段44に戻した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品収容装置に関し、より詳細には収容した商品を冷却した状態で保持する商品収容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
倉庫に保管された商品を出荷する際の仕分け作業や、商品の陳列販売に用いられる商品収容装置には、収容する商品を冷却した状態で収容保持するものがある。この商品収容装置は、前面が開口した筐体から成る装置本体と、装置本体内部に配置した商品載置棚と、空気を冷却する冷却手段とを備えており、商品載置棚に載置した商品を装置本体の開口から取出可能に形成してある。
【0003】
上述の商品収容装置には、冷却手段によって冷却した空気を装置本体の開口に沿って流通させることにより、装置本体内部の冷却空気を循環して内部に収容した商品を冷却するものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−97782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような商品収容装置では、商品載置棚より前方で冷却空気を流通させて循環することにより、商品載置棚に載置した商品を冷却した状態で保持するとともに、装置本体の開口から商品を取り出すことができるという利点がある。
【0006】
しかしながら、気流の乱れによって商品収容装置の外部へ流出した冷却空気が商品収容装置の周囲の温度を低下させるという問題があった。また、装置本体の開口において冷却空気の流れに巻き込まれて外気が流入することにより、冷却手段の熱負荷が増大し、商品収容装置の省エネルギー化が困難となっていた。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、周囲温度の低下を防止し、省エネルギー化を図ることが可能な商品収容装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明における商品収容装置は、前面が開口した筐体から成る装置本体と、前記装置本体の内部に収容した商品載置棚と、前記装置本体の内部に設けてあり通過する空気を冷却する冷却手段とを備え、前記装置本体の内部で空気を循環し、前記商品載置棚に載置した商品を前記装置本体の開口から取出可能な商品収容装置において、前記装置本体の内部において前記装置本体の開口側に位置し、商品を収容可能な第一領域と、前記第一領域と隣接してあって前記装置本体の内部において前記第一領域より奥側に位置し、商品を収容可能な第二領域とを備え、前記商品載置棚は、前記第一領域と前記第二領域とに亘って配置してあり、かつ前記第二領域における前記第一領域と隣接する部位に上下方向に沿って貫通する貫通孔を有しており、前記冷却手段を通過した空気を前記第二領域に送出し、前記貫通孔を通して前記冷却手段に戻したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は上述の商品収容装置において、前記商品載置棚は、前記装置本体の内部に上下方向に並んで複数配置してあり、かつ夫々の商品載置棚の貫通孔が上下方向に直線状に並ぶ態様で配設したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は上述の商品収容装置において、前記冷却手段は、空気を吸い込む吸込口と、前記第二領域に空気を送出する吹出口とを備えたダクトの内部に配設してあり、前記吸込口を装置本体の内部において最下位の商品載置棚より下側であって、直線状に配置した貫通孔の延長上に配置したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は上述の商品収容装置において、前記商品収容装置は、前記第二領域の商品載置棚に載置した商品を前記第一領域へ移送し、前記装置本体の開口から取り出すものであって、前記商品載置棚は、前記貫通孔より奥側であって前記貫通孔に近接した位置に、前記商品載置棚の上面より上方に突出可能かつ前記商品載置棚の上面より下方に引込可能な停止手段を備え、前記停止手段は、突出状態において、前記第二領域における商品載置棚に載置した商品と当接して当該商品の前記第一領域への移動を停止する一方、引込状態において、前記第二領域における商品載置棚に載置した商品の前記第一領域への移動を許容することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は上述の商品収容装置において、前記第一領域における商品載置棚に載置した商品の有無を検知する検知手段を備え、前記検知手段が商品を検知した場合、当該商品載置棚における前記停止手段が突出動作する一方、前記検知手段が商品を検知しない場合、当該商品載置棚における前記停止手段が引込動作することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は上述の商品収容装置において、前記貫通孔より開口側に設けてあり、前記商品載置棚に載置した商品が通過可能な態様で、前記第一領域と前記第二領域との境界面の少なくとも一部を閉塞する閉塞手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は上述の商品収容装置において、前記冷却手段を通過した空気を前記商品載置棚より奥側であって前記商品載置棚より下方の位置から上方に向けて送出し、前記商品載置棚より上方の空気を前記貫通孔を通して前記冷却手段に戻すとともに、前記第二領域において前記商品載置棚の奥に、前記商品載置棚の上面に沿って開口へ向かう空気の流れを遮断する気流抵抗手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は上述の商品収容装置において、前記商品載置棚は、前記貫通孔より奥側に上下方向に沿って貫通する通気孔を有し、前記通気孔は複数であり、前記本体装置の奥から開口に向けて前記商品載置棚の単位面積当りの開口面積が大きくなる態様で形成することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は上述の商品収容装置において、前記装置本体の開口に該開口を開閉可能なカバー部材を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の商品収容装置によれば、装置本体の内部において装置本体の開口側に位置し、商品を収容可能な第一領域と、第一領域と隣接してあって装置本体の内部において第一領域より奥側に位置し、商品を収容可能な第二領域とを備え、商品載置棚は、第一領域と第二領域とに亘って配置してあり、かつ第二領域における第一領域と隣接する部位に上下方向に沿って貫通する貫通孔を有しており、冷却手段を通過した空気を第二領域に送出し、貫通孔を通して冷却手段に戻したものであり、第二領域と外気との間に第一領域を介在している。そのため、第二領域から装置本体の開口側へ流出した冷却空気は、装置本体内部における第一領域へ流出し、第一領域の温度を低下させる。その結果、第二領域から流出した冷却空気が商品収容装置の外部へ直接流出することを防止し、周囲温度の低下を防止することができる。更に、第二領域において冷却空気の流れに巻き込まれて外気が流入することがないため、冷却手段の熱負荷を減少し、商品収容装置の省エネルギー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1である商品収容装置の要部を示す縦断面図である。
【図2】図2は、図1に示した商品収容装置における商品載置棚を示す平面図である。
【図3】図3は、図1に示した商品収容装置における停止手段の作動状態を示す概念図である。
【図4】図4は、気流抵抗手段を示す正面図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態2である商品収容装置の要部を示す縦断面図である。
【図6】図6は、図5に示した商品収容装置における商品載置棚を示す平面図である。
【図7】図7は、図5に示した商品収容装置における天井壁を示す平面図である。
【図8】図8は、図5に示した商品収容装置における閉塞手段の変形状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る商品収容装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
ここでは、商品を出荷する際の仕分け作業、所謂ピッキング作業において用いられるピッキング用の商品収容装置を例に説明するが、本発明はピッキング用の商品収容装置に限られるものではなく、開口した前面から商品を取出可能なものであればよく、例えば、商品の陳列販売に用いられるオープンショーケースにも適用可能である。
【0021】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1の商品収容装置1の要部を示したものである。実施の形態1の商品収容装置1は、前面が開口しており、後面が図示しない冷凍冷蔵倉庫と隣接している。商品収容装置1は、装置本体2の内部に、商品載置棚3と、下部ダクト4(ダクト)とを備えている。
【0022】
装置本体2は、図1に示すように、前面が開口し、上壁21、底壁22、2つの対向する側壁(図示せず)、および後壁23によって周囲を囲まれた箱状を成す断熱筐体である。上壁21と底壁22との間には、底壁22と平行に下壁24が設けられている。下壁24は一部が底壁22より前方に突出して装置本体2の一部を形成しており、上壁21および側壁とともに開口を形成している。前面の開口は商品取出口25を形成している。上壁21の内面211は、装置本体2の後方(図1の左方)から前方(図1の右方)に向けて漸次低くなる態様で形成してあり、前方の端部212は商品取出口25の上部を覆う態様で下方に向けて屈曲してある。一方、装置本体2の後面を形成する後壁23には、複数の補充用開口と、該補充用開口を閉塞する複数の扉部材231とからなる商品補充口26が形成してある。補充用開口は後壁23の一部を切欠いて形成してあり、装置本体2の上下方向に商品載置棚3と対応して複数形成してある。扉部材231は断熱板材で形成してある。扉部材231の上部は扉用ヒンジ232によって装置本体2に回動可能に支承してあり、補充用開口を開閉可能に構成している。
【0023】
装置本体2の内部には、商品載置棚3を収容した商品収容領域が形成されている。収容領域は、上壁21、下壁24、2つの側壁および後壁23の夫々の内面によって仕切られた空間であり、第一領域Bと第二領域Aとを備えている。商品載置棚3は、第一領域Bと第二領域Aとに亘る態様で商品収容領域内に複数配設してある。
【0024】
第一領域Bは、図1において二点鎖線で示す領域であって、装置本体2の内部において商品取出口25側に形成された領域であり、上壁21、下壁24および2つの側壁によって周囲が囲まれており、前面が開口と隣接し、後面が第二領域Aと隣接している。第一領域Bは、第二領域Aと比較して奥行き(図1の左右方向)が極端に狭く形成してある。
【0025】
第二領域Aは、図1において一点鎖線で示す領域であって、装置本体2の内部において第一領域Bより奥側に形成された領域であり、上壁21、下壁24、後壁23および2つの側壁によって周囲が囲まれており、前面が第一領域Bと隣接している。第一領域Bと第二領域Aとの隣接面は平面となるように形成されている。第二領域Aは、第一領域Bと比較して奥行きが長く、商品収容量が大きな領域である。
【0026】
商品載置棚3は、熱伝導性を有し、矩形状を成す板状部材であり、商品補充口26から商品取出口25へ臨む態様で上下方向に並んで複数配置してある。商品載置棚3は夫々、一方の側壁から他方の側壁へ亘って配置してあり、商品補充口26から商品取出口25に向けて漸次低くなる態様で傾斜して配設してある。夫々の商品載置棚3は同一大に形成されており、横幅に対し、奥行きが長く形成してある。商品取出口25側に位置する商品載置棚3の前端31(図1の右側)は、夫々、商品取出口25の開口面より内側であって、第一領域Bの内部に収容される態様で配置してある。商品載置棚3の後端32(図1の左側)は、夫々、第二領域Aの内部に収容されている。商品載置棚3の後端32と商品補充口26との間には間隙Xが設けられており、夫々の商品載置棚3の後端32の上面が対応する補充用開口の下部に臨む態様で配置してある。商品載置棚3にはローラ部材33が回転可能に設けられおり、商品補充口26から投入された商品を滑走させて装置本体2の前方に搬送する。夫々の商品載置棚3には貫通孔5が形成してある。
【0027】
貫通孔5は図1および2に示すように、商品載置棚3の上下方向に沿って貫通した孔であり、開口面51が円形に形成してある。貫通孔5は、第二領域A側の商品載置棚3に形成してあり、第二領域Aにおいて第一領域Bとの隣接部位に形成してある。図2に示すように、本実施の形態では、第一領域Bと第二領域Aとの境界に沿って直線状に複数の貫通孔5が形成してある。夫々の貫通孔5の大きさは同一大に形成してあり、商品載置棚3の上面における一つの貫通孔5の開口面51の大きさは、商品載置棚3に載置する商品より小さく形成してある。本実施の形態では、夫々の商品載置棚3において同一箇所に同一形状の貫通孔5が形成してあり、夫々の商品載置棚3は、対応する箇所に形成された貫通孔5が同一軸上に並ぶ態様で配設してある。貫通孔5の近傍には停止手段52が設けてある。
【0028】
停止手段52は、商品載置棚3に設けられた板状部材であり、商品補充口26から商品載置棚3に載置した商品が第二領域Aから第一領域Bへの移動することを貫通孔5の手前で停止するものである。停止手段52は、貫通孔5より奥側であって、貫通孔5に近接する位置に形成してあり、本実施の形態では、貫通孔5の第二領域A側の端部に設けてある。停止手段52は板面が貫通孔5に挿通可能な大きさに形成してあり、ヒンジ(図示せず)によって一辺が貫通孔5の第二領域A側の端部に回動可能に支承してある。停止手段52は、図示せぬ作動装置によって、突出状態または引込状態とすることが可能である。突出状態では、停止手段52はヒンジを回転中心として商品載置棚3の上面より上方に鉛直上向きに突出する。停止手段52を引込状態へ作動すると、停止手段52はヒンジを回転中心として貫通孔5を通過して下方に回動し、商品載置棚3の上面より下方に鉛直下向きとなるように引込まれる。作動装置は、商品の有無を検知する赤外線センサ53(検知手段)の検知信号によって、停止手段52を突出状態または引込状態に作動する。
【0029】
赤外線センサ53は、第一領域Bに位置する商品載置棚3に載置された商品の有無を検知するものであり、第一領域Bにおいて夫々の商品載置棚3に対し、商品載置棚3に載置した商品を検知可能な位置に設けてある。具体的には、検知を行う商品載置棚3より一段上の商品載置棚3の下面に配置してあり、最上位の商品載置棚3を検知する赤外線センサ53は上壁21の内側面に配置してある。赤外センサ53が商品を検知しない場合には、図3(a)に示すように、停止手段52は作動装置によって引込動作され、第二領域Aから第一領域Bへ商品が移送される。一方、赤外線センサ53が第一領域Bにおける商品載置棚3に載置された商品を検知した場合には、図3(b)に示すように、停止手段52は作動装置によって突出動作し、第二領域Aにおける商品載置棚3に載置したと当接して、第二領域Aから第一領域Bへの商品の移送が停止される。
【0030】
夫々の商品載置棚3の上面より上方には閉塞手段6が配設してある。閉塞手段6は、第一領域Bと第二領域Aとの間の空気の流通を妨げるものであり、矩形状を成す金属製の板材である。閉塞手段6は、貫通孔5より商品取出口25側に、第一領域Bと第二領域Aとの境界面の一部を第一領域B側から閉塞する態様で設けてあり、第一領域Bおよび第二領域A間の空気の流通を阻害する。具体的には、矩形状の閉塞手段6の一辺が対応する商品載置棚3より一段上に位置する商品載置棚3の下面側に配設してあり、閉塞手段6の下部が商品取出口25側に向けて僅かに傾斜する態様で配設してある。最上位の商品載置棚3に対応する閉塞手段6は、上壁21の内面に配設してある。閉塞手段6の横幅は、対向する側壁の内面の幅と同一に形成してあり、一方の側壁から他方の側壁へ亘る態様で配置してある。閉塞手段6の縦幅は、対応する商品載置棚3における商品通過面の上下の長さと比較してかなり短く形成してあり、商品載置棚3に載置した商品が、当該商品載置棚に対応する閉塞手段6に当接することなく、第二領域Aから第一領域Bへ移動可能となるように形成してある。
【0031】
商品載置棚3の奥には、気流抵抗手段7が配設してある。気流抵抗手段7は、商品載置棚3の奥から商品載置棚3の上面に沿って開口へ向かう空気の流れを阻害するものであり、商品載置棚3の奥に対応する商品載置棚3における商品通過面を閉塞する態様で形成してある。気流抵抗手段7は可撓性の素材で形成してあり、図4に示すように、可撓性のシートに細長の切り込み(スリット)を入れたスリットカーテンである。気流抵抗手段7の横幅は、対向する側壁の内面の幅と同一に形成してあり、一方の側壁から他方の側壁へ亘る態様で配置されている。閉塞手段6の縦幅は、対応する商品載置棚3における商品通過面の上下の長さとほぼ同じ長さに形成してある。気流抵抗手段7は最上位の商品載置棚3を除く各商品載置棚3に設けてある。気流抵抗手段7は、商品載置棚3の後方の面を閉塞することにより、商品載置棚3と後壁23との間の間隙Xを通過する空気が商品取出口25へ向かう流れを遮断する一方、補充用開口から商品が投入される場合には、商品によって押退けられることで商品の通過を許容する。
【0032】
装置本体2の内部において商品載置棚3より下方には下部ダクト4が配設してある。下部ダクト4は、装置本体2内部において下壁24と底壁22との間に形成してあり、吸込口41と、吹出口42とを備えている。下部ダクト4の内部にはファン43と蒸発器44(冷却手段)とが配設してある。
【0033】
吸込口41は、空気を吸い込む吸気用の開口であり、第二領域Aにおいて第一領域Bと隣接する位置に配置してある。具体的には、最下位の商品載置棚3より下側であって、同軸上に配置された夫々の商品載置棚3の貫通孔5の延長上に配設してある。吸込口41は第一領域Bおよび第二領域Aを形成する下壁24の一部を切欠いた態様で形成してある。図2に示すように、吸込口41は矩形を成しており、第一領域Bと第二領域Aとの境界面に沿って長尺状に形成してある。吸込口41の長手方向の長さは、対向する側壁の内面の幅と同一に形成してあり、短手方向の長さは貫通孔5の直径より長く形成してある。
【0034】
吹出口42は、吸込口41から吸い込んだ空気を第二領域Aへ吹き出す排気用の開口であり、図1および2に示すように、第二領域Aの後方であって、夫々の商品載置棚3の後端32より奥側に配置してある。具体的には、吹出口42の開口が上方を向く態様で商品載置棚3の後端32と商品補充口26との間に設けられた間隙Xに配設してあり、かつ最下位の商品載置棚3の後端32より下側に配設してある。吹出口42は矩形を成しており、長手方向の長さは、対向する側壁の内面の幅と同一に形成してあり、短手方向の長さは、後壁23の内面と最下位の商品載置棚3の後端32との幅以下に形成してある。
【0035】
ファン43は、回転駆動した場合に、下部ダクト4の内部において吸込口41側から吹出口42側へ空気を送出するものである。ファン43によって吹出口42へ送出された空気は、吹出口42から後壁23と商品載置棚3の後端32との間の間隙Xを通過する態様で第二領域Aの上方に向けて送出される。
【0036】
蒸発器44は、図示せぬ圧縮機、凝縮器および膨張弁とともに冷却ユニットを構成している。蒸発器44、圧縮機、凝縮器および膨張弁は、配管を介して接続されており、冷却ユニット間で冷媒を循環し、蒸発器44において周囲空気を冷却するものである。下部ダクト4に吸い込まれた空気は、蒸発器44の周囲を通過する際に冷媒との間で熱交換が行われて冷却される。
【0037】
ファン43および蒸発器44は、第二領域Aに配設された温度センサ45の計測温度に基づいて制御される。温度センサ45は、上壁21の内面に配設してあり、第二領域Aにおいて第一領域Bに近い位置に配設してある。温度センサ45は、装置本体2の内部温度を計測するものであり、計測した温度に基づいて、ファン43の回転数(回転速度)を増減制御するとともに、蒸発器44に供給する冷媒量を増減制御することにより、装置本体2の内部温度を所望の温度域に制御する。
【0038】
上述した商品収容装置1を稼動すると、ファン43が駆動し、蒸発器44に冷媒が供給される。駆動したファン43によって送出された空気は、下部ダクト4内の蒸発器44を通過して冷却され、更に吹出口42から第二領域A内へ吹き出される。吹き出された空気は、商品載置棚3と後壁23との間の間隙Xを通って装置本体2内部の上方へ移動する。このとき、最上位の商品載置棚3より下段に位置する商品載置棚3では、気流抵抗手段7によって、商品載置棚3の奥から商品載置棚3の上面に沿って商品取出口25へ流通する空気の流れ遮断される。装置本体2内の上部へ移動した空気は、上壁21の内面に沿って商品取出口25側へ流通する。
【0039】
一方、吸込口41では、駆動したファン43によって下部ダクト4内への空気の吸い込みが行われる。そのため、第二領域Aにおける第一領域Bとの隣接面では、吸込口41と対向して直線状に配置された貫通孔5を上方から下方に向けて流通する空気の流れが生じる。従って、吹出口42から吹き出された後、上壁21の内面に沿って商品取出口25側へ流通した空気は、第二領域Aにおける第一領域Bとの隣接面において、貫通孔5を通過して下方へ向かう空気の流れに沿って、下方へ流通される。更に、このとき、閉塞手段6によって夫々の商品載置棚3における第二領域Aと第一領域Bとの間の空気の流通が妨げられる。閉塞手段6によって商品取出口25側への流通を妨げられた空気は流れを下向きに変えることにより、吸込口41へ向かって誘導される。そのため、第二領域Aにおける第一領域Bとの隣接面では、装置本体2内の上部の空気が夫々の商品載置棚3に形成した貫通孔5を通って下方の吸込口41に向けて流通し、その結果、第一領域Bと第二領域Aとの境界面に沿って上方から下方に流通する空気の流れが形成される。貫通孔5を通り、下部ダクト4の吸込口41から吸い込まれた空気は、蒸発器44を通過することにより再び冷却される。
【0040】
上述のような空気の流れによって、第二領域A側で冷却された空気が循環することにより、第二領域Aの空気は冷却され、収容した商品を冷却保持することができる。第二領域Aは、領域内に設置された温度センサによって温度を計測し、所望の温度状態に達しない場合には、ファン43の回転数および蒸発器44に供給する冷媒量を制御して所望の温度状態を確保する。一方、第一領域Bは、第二領域Aからの漏出した冷却空気によって領域内が冷却されることにより、収容商品の冷却を保持するとともに、第二領域Aと第一領域Bとに亘って配設された商品載置棚3の熱伝導によって、収容した商品を冷却保持する。
【0041】
ピッキング作業時には、冷凍冷蔵倉庫に保管された商品が商品補充口26から商品載置棚3に載置される。このとき、商品載置棚3の奥に設けた気流抵抗手段7は、商品によって一時的に押退けられ、商品載置棚3への商品の載置および搬送方向への商品の移動を許容する。載置された商品は、商品載置棚3の傾斜およびローラ部材33により商品取出口25へ向けて搬送される。商品載置棚3の最前面に移送された商品は、商品取出口25から商品収容装置1の外部へ順次取り出される。
【0042】
第一領域Bにおいて商品載置棚3に商品が載置されている場合には、当該商品載置棚に対応する赤外線センサ53が商品有りの検知信号を作動装置に送信することにより停止手段52が突出動作する。突出した停止手段52と第二領域Aの商品が当接することにより、載置した商品の第二領域Aから第一領域Bへの搬送が貫通孔5の直前で停止される。一方、第一領域Bにおける商品載置棚3に商品が載置されていない場合には、当該商品載置棚に対応する赤外線センサ53が商品無しの検知信号を作動装置に送信することにより停止手段52が引込動作する。これにより停止手段52と商品との当接が解除され、当該商品が第二領域Aから第一領域Bへ移送される。
【0043】
上述した商品収容装置1によれば、装置本体2の内部において装置本体2の開口側に位置し、商品を収容可能な第一領域Bと、第一領域Bと隣接してあって装置本体2の内部において第一領域Bより奥側に位置し、商品を収容可能な第二領域Aとを備え、商品載置棚3は、第一領域Bと第二領域Aとに亘って配置してあり、かつ第二領域Aにおける第一領域Bと隣接する部位に上下方向に沿って貫通する貫通孔5を有しており、蒸発器44を通過した空気を第二領域Aに送出し、貫通孔5を通して蒸発器44に戻したものであり、第二領域Aと外気との間に第一領域Bを介在している。そのため、第二領域Aから装置本体2の開口側へ流出した冷却空気は、装置本体2内部における第一領域Bへ流出し、第一領域Bの温度を低下させる。その結果、第二領域Aから流出した冷却空気が商品収容装置1の外部へ直接流出することを防止し、周囲温度の低下を防止することができる。更に、第二領域Aにおいて冷却空気の流れに巻き込まれて外気が流入することがないため、蒸発器44の熱負荷を減少し、商品収容装置1の省エネルギー化を図ることができる。
【0044】
また、商品載置棚3は、装置本体2の内部に上下方向に並んで複数配置してあり、かつ夫々の商品載置棚3の貫通孔5が上下方向に直線状に並ぶ態様で配設したものであるため、第二領域Aにおける第一領域Bとの隣接面では該隣接面に沿って空気の流れが形成される。従って、当該隣接面において第一領域Bから第二領域A内への空気の流入を防止することができ、その結果、第二領域Aにおける冷却効率を向上し、商品収容装置1の省エネルギー化を図ることができる。
【0045】
また、蒸発器44は、空気を吸い込む吸込口41と、第二領域Aに空気を送出する吹出口42とを備えた下部ダクト4の内部に配設してあり、吸込口41を装置本体2の内部において最下位の商品載置棚3より下側であって、直線状に配置した貫通孔5の延長上に配置したものであって、吸込口41から外気が直接侵入することがないため、蒸発器44の熱負荷を減少し、商品収容装置1の省エネルギー化を図ることができる。
【0046】
また、商品載置棚3は、貫通孔5より奥側であって貫通孔5に近接した位置に、商品載置棚3の上面より上方に突出可能かつ商品載置棚3の上面より下方に引込可能な停止手段52を備え、停止手段52は、突出状態において、第二領域Aにおける商品載置棚3に載置した商品と当接して当該商品の第一領域Bへの移動を停止する一方、引込状態において、第二領域Aにおける商品載置棚3に載置した商品の第一領域Bへの移動を許容するものであるため、第二領域Aから第一領域Bへ搬送される商品が貫通孔5を閉塞することを防止することができる。そのため、第二領域Aにおける第一領域Bとの隣接面で安定した冷却空気の循環を行うことが可能である。
【0047】
また、第一領域Bにおける商品載置棚3に載置した商品の有無を検知する赤外線センサ53を備え、赤外線センサ53が商品を検知した場合、当該商品載置棚における停止手段52が突出動作する一方、赤外線センサ53が商品を検知しない場合、当該商品載置棚における停止手段52が引込動作するものであるため、商品による貫通孔5の閉塞を防止しながら、適切なタイミングで効率よく商品の搬送を行うことができる。
【0048】
また、貫通孔5より開口側に、商品載置棚3に載置した商品が通過可能な態様で、第一領域Bと第二領域Aとの境界面の一部を閉塞する閉塞手段6を備えたものであるため、第一領域Bと第二領域Aとの間の空気の流通を減少して第二領域Aにおける冷却効率を向上することができ、その結果、商品収容装置1の省エネルギー化を図ることができる。
【0049】
また、蒸発器44を通過した空気を商品載置棚3より奥側であって商品載置棚3より下方の位置から上方に向けて送出し、商品載置棚3より上方の空気を貫通孔5を通して蒸発器44に戻すとともに、第二領域Aにおいて商品載置棚3の奥に、商品載置棚3の上面に沿って開口へ向かう空気の流れを遮断する気流抵抗手段7を備えたものであるため、気流抵抗手段7が抵抗となって、当該気流抵抗手段7を設けた商品載置棚3への冷却空気の供給を減少することができる。従って、上方から下方に向けて貫通孔5を通過する空気の流れを形成することができる。また、冷却した空気は密度が高いため、吹出口42から吹き出された後、下段の商品載置棚3へ供給され易いが、気流抵抗手段7によって空気の流れを遮断することで、上方へ冷却した空気を送り出すことが可能となる。その結果、各商品載置棚3に冷却した空気を均等に供給することが可能となるため、商品載置棚3の段数の変更にも適切に対応することが可能である。
【0050】
(実施の形態2)
実施の形態2の商品収容装置10は、実施の形態1の商品載置棚3に替えて商品載置棚30を備えており、実施の形態1の閉塞手段6に替えて閉塞手段60を備えている。更に、実施の形態2の商品収容装置10は、上部ダクト8とカバー部材9とを備えている。実施の形態2において、実施の形態1と同一の符号は同一の構成を示し、ここではその詳細を省略する。
【0051】
商品載置棚30は、実施の形態1の商品載置棚3と同一の形状を成し、かつ同一の構成を備えたものであって、更に貫通孔5より奥側に通気孔50を有するものである。通気孔50は、図5および6に示すように、商品載置棚30の上下方向に沿って貫通した孔であり、開口面501が円形に形成してある。通気孔50は、商品載置棚30において貫通孔5より奥側に複数形成してある。夫々の通気孔50の大きさは同一大に形成してあり、商品載置棚30の上面における一つの通気孔50の開口面501の大きさは、商品載置棚30に載置する商品より小さく形成してある。
【0052】
図6に示すように、実施の形態2では商品載置棚30の幅方向(図6の上下方向)に沿って直線状に配置された複数の貫通孔5に、平行となる態様で、通気孔50を直線状に複数配置しており、更に、直線状に配置された通気孔50が搬送方向に複数並ぶ態様で配置してある。通気孔50は、商品の搬送方向となる装置本体2の奥から商品取出口25に向けて、単位面積当たりの開口面積が大きくなる態様で形成してあり、同一大の通気孔50が搬送方向に向かって密となるように形成してある。具体的には、搬送方向に複数並ぶ通気孔50の列と列との間隔が商品取出口25に向かって漸次狭くなる態様で形成してある。
【0053】
実施の形態2では、夫々の商品載置棚30の同一箇所に同一形状の通気孔50を形成している。夫々の商品載置棚30は、対応する箇所に形成された通気孔50が同一軸上に並ぶ態様で配設してある。
【0054】
装置本体2の内部において、最上位の商品載置棚30の奥には気流抵抗手段7が配設してあり、最上位の商品載置棚30より上方には上部ダクト8が配設してある。
【0055】
図5に示すように、上部ダクト8は、上壁21と最上位の商品載置棚30との間に配設された天井壁81によって、上壁21との間に形成される通気路である。上部ダクト8は、装置本体2の奥から商品取出口25に向けて延在して設けられており、商品載置棚30の傾斜に沿って天井壁81が漸次低くなる態様で傾斜して配設してある。天井壁81は、上部ダクト8の下部を形成するものであり、金属製の板材であって装置本体2の一方の側壁から他方の側壁へ亘る態様で第二領域Aに配設してある。図7に示すように、天井壁81の奥行き(図5の左右方向)の長さは、商品載置棚30において通気孔50が形成される範囲の奥行きの長さと同程度に形成してある。天井壁81の前端82は、上下方向に直線状に配置された夫々の貫通孔5の延長上より奥側に配置してあるとともに、上部ダクト8を通過した空気を流出する流出口83を形成している。天井壁81には上下方向に沿って貫通する吹出孔84が形成してある。吹出孔84は商品載置棚30に形成された通気孔50と対応する位置に複数形成してあり、夫々の吹出孔84が商品載置棚30に形成された対応する通気孔50と同軸上に並ぶ態様で天井壁81を配置してある。
【0056】
最上位の商品載置棚30に配設された気流抵抗手段7は、実施の形態1における気流抵抗手段7と同一の構成のものであり、ここではその詳細な説明を省略する。この気流抵抗手段7は、図5に示すように、天井壁81の下面に吊下げられる態様で配設してある。
【0057】
夫々の商品載置棚30の上面より上方には閉塞手段60が配設してある。閉塞手段60は、第一領域Bと第二領域Aとの間の空気の流通を妨げるものであり、柔軟性の有る合成樹脂製の透明なシートである。閉塞手段60の横幅は、対向する側壁の内面の幅と同一に形成してあり、一方の側壁から他方の側壁へ亘る態様で配置されている。閉塞手段60の縦幅は、対応する商品載置棚30における商品通過面の上下の長さとほぼ同じ長さに形成してある。閉塞手段60は、夫々の商品載置棚30において貫通孔5より商品取出口25側に配設してあり、図5に示すように、夫々の商品載置棚30の商品通過面に、第一領域Bと第二領域Aとの境界面を閉塞する態様で配設してある。具体的には、対応する商品載置棚30より一段上に位置する商品載置棚30の下面側に吊下げて設けてあり、最上位の商品載置棚30に対応する閉塞手段60は、上壁21の内面に吊下げて設けてある。
【0058】
このように構成した閉塞手段60では、図8に示すように、商品載置棚30に載置した商品が第二領域Aから第一領域Bへ移動する際、移動する商品によって閉塞手段60に力が加わることにより、柔軟性を有する閉塞手段60が変形し、商品の通過を許容する。
【0059】
商品収容装置10の商品取出口25には、カバー部材9が配設されている。カバー部材9は商品取出口25より大きく形成された断熱性のシートであり、商品取出口25に対して開閉可能に設けてある。カバー部材9は閉成時に商品取出口25の全面を覆う態様で形成してあり、開成時には商品取出口25の近傍に収納可能に形成してある。
【0060】
上述した商品収容装置10を稼動すると、ファン43が駆動し、蒸発器44に冷媒が供給される。駆動したファン43によって送出された空気は、下部ダクト4の蒸発器44を通過して冷却され、更に吹出口42から第二領域A内へ吹き出される。吹き出された空気は、商品載置棚30と後壁23との間の間隙Xを通って装置本体2内部の上方へ向かって流通する。このとき、商品載置棚30の奥から商品載置棚30の上面に沿って商品取出口25へ向かう空気の流れは、夫々の商品載置棚30に設置した気流抵抗手段7によって遮断される。装置本体2内の上部へ移動した空気は、上部ダクト8を通過する。
【0061】
上部ダクト8を通過する空気は、商品取出口25側に向けて流通するとともに、天井壁81に形成した吹出孔84から下方の商品載置棚30に向けて流出する。吹出孔84は、商品取出口25側に向けて単位面積当りの開口面積が大きくなるように形成してあるので、冷却した密度の高い空気が商品載置棚30の奥側に多く流出して商品取出口25側への冷却空気の供給が減少することを防ぎ、商品載置棚30の奥から商品取出口25に向けて冷却した空気を均一に供給することができる。吹出孔84から流出した空気は、夫々の商品載置棚30における通気孔50や貫通孔5を通って下部ダクト4の吸込口41から吸い込まれる。夫々の商品載置棚30において、通気孔50は商品取出口25側に向けて商品載置棚30の単位面積当りの開口面積が大きくなるように形成してあるので、商品載置棚30の奥から商品取出口25に向けて冷却した空気を均一に供給することができる。また、吹出孔84および通気孔50は、夫々対応する位置に同軸上に並ぶ態様で配置してあるので、対応する吹出孔84および通気孔50に沿って空気が流通し易い。上部ダクト8を通過した冷却空気は、流出口83から最上位の商品載置棚30より上方であって上下方向に直線状に配置された貫通孔の延長上へ流出する。
【0062】
一方、吸込口41では、駆動したファン43によって下部ダクト4内への空気の吸い込みが行われる。そのため、第二領域Aにおける第一領域Bとの隣接面では、吸込口41と対向して直線状に配置された貫通孔5を上方から下方に向けて流通する空気の流れが生じる。従って、流出口83から流出した空気は、第二領域Aにおける第一領域Bとの隣接面において、貫通孔5を通過して下方へ向かう空気の流れに沿って、下方へ流通される。更に、このとき、閉塞手段60によって夫々の商品載置棚30における第二領域Aと第一領域Bとの間の空気の流通が妨げられる。閉塞手段60によって商品取出口25側への流通を妨げられた空気は流れを下向きに変えることにより、吸込口41へ向かって誘導される。そのため、第二領域Aにおける第一領域Bとの隣接面では、装置本体2内の上部の空気が夫々の商品載置棚30に形成した貫通孔5を通って下方の吸込口41に向けて流通し、その結果、第一領域Bと第二領域Aとの境界面に沿って上方から下方に流通する空気の層が形成される。貫通孔5を通り、下部ダクト4の吸込口41から吸い込まれた空気は、蒸発器44を通過することにより再び冷却される。
【0063】
上述のような空気の流れによって、第二領域A側で冷却された空気が循環することにより、第二領域Aの空気は冷却され、収容した商品を冷却保持することができる。第二領域Aは、領域内に設置された温度センサによって温度を計測し、所望の温度状態に達しない場合には、ファン43の回転数および蒸発器44に供給する冷媒量を制御して所望の温度状態を確保する。一方、第一領域Bは、第二領域Aからの漏出した冷却空気によって領域内が冷却されることにより、収容商品の冷却を保持する。更に、第二領域Aと第一領域Bとに亘って配設された商品載置棚30の熱伝導によって、収容した商品が冷却される。
【0064】
ピッキング作業時には、カバー部材9が開成されるとともに、冷凍冷蔵倉庫に保管された商品が商品補充口26から商品載置棚3に載置される。このとき、商品載置棚3の奥に設けた気流抵抗手段7は、商品によって一時的に押退けられ、商品載置棚3への商品の載置および搬送方向への商品の移動を許容する。載置された商品は、商品載置棚3の傾斜およびローラ部材33により商品取出口25へ向けて搬送される。商品載置棚3の最前面に移送された商品は、商品取出口25から商品収容装置10の外部へ順次取り出される。
【0065】
第一領域Bにおいて商品載置棚30に商品が載置されている場合には、当該商品載置棚に対応する赤外線センサ53が商品有りの検知信号を作動装置に送信することにより停止手段52が突出動作する。突出した停止手段52と第二領域Aの商品が当接することにより、載置した商品の第二領域Aから第一領域Bへの搬送が貫通孔5の直前で停止される。一方、第一領域Bにおける商品載置棚30に商品が載置されていない場合には、当該商品載置棚に対応する赤外線センサ53が商品無しの検知信号を作動装置に送信することにより停止手段52が引込動作する。これにより停止手段52と商品との当接が解除され、当該商品が第二領域Aから第一領域Bへ移送される。このとき、閉塞手段60は商品によって押退けられ、第二領域Aから第一領域Bへの商品の移送を許容する。
【0066】
上述した実施の形態2である商品収容装置10は、商品載置棚30に、貫通孔5より奥側に上下方向に沿って貫通する通気孔50を形成しているため、商品載置棚30に載置される商品の載置位置によらず、冷却した空気を循環することができる。従って、停止手段52が作動しない異常事態が発生した場合であっても、冷却した空気を循環して商品を冷却保持することが可能である。
【0067】
更に、夫々の商品載置棚30において通気孔50が複数形成してあり、本体装置の奥から開口に向けて商品載置棚30の単位面積当りの開口面積が大きくなる態様で形成しているため、外気に近い商品取出口25側にも十分に冷却した空気を供給することができ、第二領域Aにおいて冷却した空気の供給を均一に行うことができる。従って、温度が高くなり易い商品取出口25側に合わせて装置本体2内部を過度に冷却することを防止することができ、その結果、商品収容装置10の省エネルギー化を図ることができる。
【0068】
また、閉塞手段60は、第一領域Bと第二領域Aとの境界面を閉塞するものであって、柔軟性を有する素材によって形成してあり、商品載置棚30に載置した商品が通過する際に閉塞手段60が変形することによって商品の通過を許容するものであるため、商品が通過する場合に商品の移動を妨げることがない一方、商品が通過しない場合には、商品通過面を閉塞して第二領域Aをほぼ密閉状態とし、第一領域Bと第二領域Aとの間の空気の流通を遮断することにより顕著な省エネルギー化を図ることができる。
【0069】
更に、閉塞手段60は透明な部材によって形成したものであるので、装置本体2内に収容した商品を見通すことができ、装置本体2内に余計な照明装置を設置する必要がない。そのため商品収容装置10の省エネルギー化を図ることができる。
【0070】
更に、装置本体2の開口に該開口を開閉可能なカバー部材9を設けているため、仕分け作業を中断する場合に、第一領域Bに収容した商品を外気にさらすことなく冷却状態を保持することができる。
【0071】
尚、カバー部材9は実施の形態1における商品収容装置1に設けることも可能である。更に、カバー部材9は商品取出口25の全面を覆うものに限られず、夫々の商品載置棚3毎、商品載置棚3の温度帯毎、または商品載置領域毎に設けることが可能である。
【0072】
また、実施の形態2の商品収容装置10において、閉塞手段60に替えて実施の形態1の閉塞手段6を用いることが可能であり、実施の形態1の商品収容装置1において、閉塞手段6に替えて実施の形態2の閉塞手段60を用いることが可能である。
【0073】
尚、各実施の形態において、停止手段52の作動を赤外線センサ53に基づく作動に替えて、手動の作動スイッチに基づく作動とすることが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1,10 商品収容装置
2 装置本体
3,30 商品載置棚
4 下部ダクト
5 貫通孔
6,60 閉塞手段
7 気流抵抗手段
8 上部ダクト
9 カバー部材
25 商品取出口
26 商品補充口
41 吸込口
42 吹出口
43 ファン
44 蒸発器
50 通気孔
52 停止手段
53 赤外線センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が開口した筐体から成る装置本体と、
前記装置本体の内部に収容した商品載置棚と、
前記装置本体の内部に設けてあり通過する空気を冷却する冷却手段と
を備え、
前記装置本体の内部で空気を循環し、前記商品載置棚に載置した商品を前記装置本体の開口から取出可能な商品収容装置において、
前記装置本体の内部において前記装置本体の開口側に位置し、商品を収容可能な第一領域と、
前記第一領域と隣接してあって前記装置本体の内部において前記第一領域より奥側に位置し、商品を収容可能な第二領域とを備え、
前記商品載置棚は、前記第一領域と前記第二領域とに亘って配置してあり、かつ前記第二領域における前記第一領域と隣接する部位に上下方向に沿って貫通する貫通孔を有しており、
前記冷却手段を通過した空気を前記第二領域に送出し、前記貫通孔を通して前記冷却手段に戻したことを特徴とする商品収容装置。
【請求項2】
前記商品載置棚は、前記装置本体の内部に上下方向に並んで複数配置してあり、かつ夫々の商品載置棚の貫通孔が上下方向に直線状に並ぶ態様で配設したことを特徴とする請求項1に記載の商品収容装置。
【請求項3】
前記冷却手段は、空気を吸い込む吸込口と、前記第二領域に空気を送出する吹出口とを備えたダクトの内部に配設してあり、
前記吸込口を装置本体の内部において最下位の商品載置棚より下側であって、直線状に配置した貫通孔の延長上に配置したことを特徴とする請求項2に記載の商品収容装置。
【請求項4】
前記商品収容装置は、前記第二領域の商品載置棚に載置した商品を前記第一領域へ移送し、前記装置本体の開口から取り出すものであって、
前記商品載置棚は、前記貫通孔より奥側であって前記貫通孔に近接した位置に、前記商品載置棚の上面より上方に突出可能かつ前記商品載置棚の上面より下方に引込可能な停止手段を備え、
前記停止手段は、突出状態において、前記第二領域における商品載置棚に載置した商品と当接して当該商品の前記第一領域への移動を停止する一方、引込状態において、前記第二領域における商品載置棚に載置した商品の前記第一領域への移動を許容することを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の商品収容装置。
【請求項5】
前記第一領域における商品載置棚に載置した商品の有無を検知する検知手段を備え、
前記検知手段が商品を検知した場合、当該商品載置棚における前記停止手段が突出動作する一方、前記検知手段が商品を検知しない場合、当該商品載置棚における前記停止手段が引込動作することを特徴とする請求項4に記載の商品収容装置。
【請求項6】
前記貫通孔より開口側に設けてあり、前記商品載置棚に載置した商品が通過可能な態様で、前記第一領域と前記第二領域との境界面の少なくとも一部を閉塞する閉塞手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の商品収容装置。
【請求項7】
前記冷却手段を通過した空気を前記商品載置棚より奥側であって前記商品載置棚より下方の位置から上方に向けて送出し、前記商品載置棚より上方の空気を前記貫通孔を通して前記冷却手段に戻すとともに、前記第二領域において前記商品載置棚の奥に、前記商品載置棚の上面に沿って開口へ向かう空気の流れを遮断する気流抵抗手段を備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の商品収容装置。
【請求項8】
前記商品載置棚は、前記貫通孔より奥側に上下方向に沿って貫通する通気孔を有し、前記通気孔は複数であり、前記本体装置の奥から開口に向けて前記商品載置棚の単位面積当りの開口面積が大きくなる態様で形成することを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の商品収容装置。
【請求項9】
前記装置本体の開口に該開口を開閉可能なカバー部材を設けたことを特徴とする請求項1〜8の何れか一つに記載の商品収容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−153483(P2012−153483A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14083(P2011−14083)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】