説明

商品取引装置

【課題】商品の取引を混乱が生じることなく実施すること。
【解決手段】店舗において取り出し可能に陳列された複数種類の商品のうちから、取引者により取り出された商品の取引を行う商品取引装置10、11であって、取引者を撮像するための取引者撮像手段11と、撮像した画像に基づいて商品を取り出す取出動作を認識する取出動作認識手段111と、取出動作の認識結果に基づいて該動作を行った取引者が取り出した商品を特定する取り出し商品特定手段102と、特定した商品を取引商品として記憶する取引商品記憶手段105と、記憶されている取引商品の取引価値の大きさを決済する決済手段102と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗において商品の取引を行う商品取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗である遊技場において、商品の取引として景品の交換を実施するものとしては、遊技者自身が、店員を介さずに直接操作して商品指定するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−117776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、遊技者自身が、店員を介さずに商品指定できるものの、遊技者が、例えば高齢者である場合等のように、装置の操作に不慣れである人の場合には、操作に時間がかかることによって装置が混雑してしまうことにより返って混乱を生じたり、誤った操作を実施することで装置に不具合が生じたり、或いは、希望しない商品と交換してしまう等の混乱を生じてしまう場合があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、商品の取引を混乱が生じることなく実施することのできる商品取引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の商品取引装置は、
店舗(遊技場)に設置され、該店舗において取り出し可能に陳列された複数種類の商品(景品)のうちから、取引者(遊技客、店員)により取り出された商品の取引を行う商品取引装置(景品交換用コンピュータ10、10’)であって、
前記取引者を撮像するための取引者撮像手段(撮像ユニット11、12、13)と、
前記取引者撮像手段にて撮像した画像に基づいて、前記商品を取り出す取出動作を認識する取出動作認識手段(動作認識処理基板111)と、
前記取出動作認識手段による取出動作の認識結果に基づいて、該取出動作を行った取引者が取り出した商品を特定する取り出し商品特定手段(CPU102が、ステップSb1やステップSB1を実施する部分)と、
前記取り出し商品特定手段にて特定した商品を取引商品として記憶する取引商品記憶手段(記憶装置105における景品交換対応テーブルや入室者管理テーブル)と、
前記取引商品記憶手段に記憶されている取引商品の取引価値の大きさを決済する決済手段(CPU102が、ステップS14やステップSS16の精算処理を実施する部分)と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、取引者は、商品取引装置を操作することなく取引対象の商品を取り出すだけで、該取り出す動作が認識されるとともに、該取り出し動作により取り出した商品が特定されて、取引商品として記憶並びに決済されるようになるので、装置の操作に不慣れである人であっても容易に商品取引を行うことができるので、商品の取引を混乱が生じることなく実施することが可能となり、商品取引を効率化できる。
【0007】
本発明の手段1の商品取引装置は、請求項1に記載の商品取引装置であって、
前記取引者が、店舗である遊技場において遊技客が視認可能に陳列された陳列棚(陳列棚14)から、遊技客の指示に応じて商品を取り出す店員であることを特徴としている。
この特徴によれば、陳列棚が、遊技客が自分の嗜好に合致した種々の商品を指示できるようにするために大きな陳列スペースとされている場合であっても、遊技客により指示されて取り出した商品の入力を、該商品の陳列場所から、いちいち、装置の設置場所に戻って行う面倒を解消することができ、遊技場の商品取引における店員の労力を著しく低減できる。
【0008】
本発明の手段2の商品取引装置は、手段1に記載の商品取引装置であって、
前記取出動作認識手段(動作認識処理基板111)により認識した取出動作を行った取引者が、予め登録された店員であるか否かを判定する店員判定手段(CPU102がステップSb0を実施する部分)と、
前記店員判定手段により取引者が予め登録された店員でないと判定されたこと(ステップSb0でNo)を条件に、店員以外による取り出しの発生を報知する取り出し異常報知手段(CPU102がステップS9の不正取り出し報知処理を実施する部分)と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、予め登録された店員以外による商品の取り出し、つまり不正な商品の取り出しが報知されるので、これら不正な商品の取り出しに対して適切な対応を取ることができる。
【0009】
本発明の手段3の商品取引装置は、請求項1に記載の商品取引装置であって、
前記取引者が、店舗である遊技場にて取り出し可能に陳列された陳列棚(陳列棚A〜D)から所望の商品を取り出す遊技客であることを特徴とする請求項1に記載の商品取引装置。
この特徴によれば、遊技者は、取引を希望する商品を間近で吟味できるようになるので、商品間違いの発生を著しく低減できるばかりか、これら取引を希望する商品を、店員に指示する面倒も解消することができる。
【0010】
本発明の手段4の商品取引装置は、手段3に記載の商品取引装置であって、
前記取出動作認識手段により取出動作を認識した取引者(遊技客)の移動方向を特定する移動方向特定手段(動作認識処理基板111が記憶している移動経路から入室した遊技客の移動方向を特定する部分)と、
前記移動方向特定手段にて特定された移動方向(景品交換室から退室する方向)が所定の異常行動(商品の不正な持ち出し)に該当する方向であることを条件に、異常行動の発生を報知する異常行動発生報知手段(CPU102がステップSS15の退室者確認処理において不正持ち出し報知処理を実施する部分)と、
を備える、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、異常行動に該当する方向、例えば、出口方向への移動による不正な商品の持ち出し(万引き)が報知されるので、これら不正な商品の持ち出しに対して適切な対応を取ることができる。
【0011】
本発明の手段5の商品取引装置は、請求項1または手段1〜手段4のいずれかに記載の商品取引装置であって、
前記取引者撮像手段(撮像ユニット11、12、13)にて撮像した画像に基づいて、前記取引者を個々に識別する取引者識別手段(動作認識処理基板111における顔認証用集積回路(IC))を備え、
前記取引商品記憶手段(記憶装置105における景品交換対応テーブルや入室者管理テーブル)は、各取引者毎(店員ID或いは入室者ID毎)に前記取引商品を記憶し、
前記決済手段は、前記取引商品記憶手段において各取引者毎に記憶されている取引商品(店員ID或いは入室者IDに対応付けて景品交換対応テーブルや入室者管理テーブルに記憶されている商品IDの商品)の取引価値の大きさ(交換金額)を決済する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、個々の取引者毎に商品取引装置を設置する必要がないので、店舗の導入負担を低減できるばかりか、これら各商品取引装置において同一取引者の取引商品の記憶や決済が重複して実施されてしまうことを確実に回避できる。
【0012】
本発明の手段6の商品取引装置は、請求項1または手段1〜手段5のいずれかに記載の商品取引装置であって、
前記商品との取引に使用可能な価値であって、商品の提供を受ける取引者である取引客(遊技客)が所有している所有価値の大きさ(利用可能金額)を特定可能な所有価値特定情報(例えば、カードID)が記録された記録媒体(計数カード、会員カード)を受付けて、該記録媒体に記録されている所有価値特定情報を少なくとも読み出す記録媒体処理手段(カードリーダライタ15、15a〜c)と、
前記記録媒体処理手段にて読み出した所有価値特定情報から特定される所有価値の大きさが、前記取引商品記憶手段に記憶されている取引商品の取引価値の大きさの合計以上であるか否か(利用可能残額がマイナスであるか否か)を判定する所有価値判定手段(CPU102がステップSb5やステップSC7を実施する部分)と、
前記所有価値判定手段により合計以上でないと判定された条件に、所有価値の大きさの不足により取引が不能であることを報知する価値不足報知手段(CPU102がステップSb7やステップSC14を実施する部分)と、
を備える、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、取り出した取引商品の取引価値の大きさの合計が、取引客が所有している所有価値の大きさで決済可能であるか否か、つまり、商品を過度に取り出しているか否かを的確に把握できるようになるので、これら報知がなされないように商品の取り出しを行うことで、商品取引の効率を向上できる。
【0013】
本発明の手段7の商品取引装置は、請求項1または手段1〜手段6のいずれかに記載の商品取引装置であって、
前記取引者撮像手段にて撮像した画像に基づいて、前記取り出し動作により取り出した商品を元に戻す返却動作を該撮像されている取引者について認識する返却動作認識手段(動作認識処理基板111)と、
前記返却動作認識手段による返却動作の認識結果に基づいて、該返却動作を行った取引者が返却した商品を特定する返却商品特定手段(
CPU102がステップSd1やSD1を実施する部分)と、
前記返却商品特定手段にて特定した商品の記憶を前記取引商品記憶手段から消去する返却商品消去手段(CPU102がステップSd4やステップSD4を実施する部分)と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、取り出した商品の一部を返却することで、該返却した商品の取引商品としての記憶が削除されるため、取り出した商品を全て返却して、再度、取り出し直す必要がないので、商品取引の効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1における商品取引装置が適用された遊技場の景品交換カウンタを示す斜視図である。
【図2】実施例1の商品取引装置の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は、実施例1における赤外線放射パターンの放射領域を示す図であり、(b)は、実施例1における赤外線放射パターンを示す説明図である。
【図4】(a)は、実施例1における商品取引装置を構成する景品交換用コンピュータに記憶されている商品管理テーブルを示す図であり、(b)は、景品交換用コンピュータに記憶されている収納ボックス位置情報テーブルを示す図であり、(c)は、景品交換用コンピュータに記憶されている景品交換履歴データを示す図である。
【図5】(a)は、実施例1における商品取引装置を構成する景品交換用コンピュータに記憶されている登録店員テーブルを示す図であり、(b)は、景品交換用コンピュータに記憶されている景品交換対応テーブルを示す図である。
【図6】実施例1の商品取引装置を構成する景品交換用コンピュータにおける景品交換処理の処理内容を示すフロー図である。
【図7】実施例1の商品取引装置を構成する景品交換用コンピュータにおけるカード受付け処理の処理内容を示すフロー図である。
【図8】実施例1の商品取引装置を構成する景品交換用コンピュータにおける取り出し商品登録処理の処理内容を示すフロー図である。
【図9】実施例1の商品取引装置を構成する景品交換用コンピュータにおける戻し商品登録消去処理の処理内容を示すフロー図である。
【図10】実施例1の商品取引装置を構成する景品交換用コンピュータにおける精算処理の処理内容を示すフロー図である。
【図11】実施例2における商品取引装置が適用された遊技場の景品交換室を示す図である。
【図12】実施例2の商品取引装置の構成を示すブロック図である。
【図13】(a)〜(C)は、実施例2における商品取引装置を構成する景品交換用コンピュータに記憶されている入室者管理テーブルを示す図である。
【図14】実施例2の商品取引装置を構成する景品交換用コンピュータにおける景品交換処理の処理内容を示すフロー図である。
【図15】実施例2の商品取引装置を構成する景品交換用コンピュータにおけるカード受付け処理の処理内容を示すフロー図である。
【図16】実施例2の商品取引装置を構成する景品交換用コンピュータにおける取り出し商品登録処理の処理内容を示すフロー図である。
【図17】実施例2の商品取引装置を構成する景品交換用コンピュータにおける戻し商品登録消去処理の処理内容を示すフロー図である。
【図18】実施例2の商品取引装置を構成する景品交換用コンピュータにおける精算処理の処理内容を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る商品取引装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。尚、以下の実施例においては、店舗として遊技場、取引として景品交換を例示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、取引として商品の販売する遊技場以外の店舗に本発明に係る商品取引装置を適用しても良いことは言うまでもない。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の商品取引装置となる本実施例の景品交換装置1が設置された遊技場の景品交換カウンタを示す図である。
【0017】
本実施例の景品交換装置が設置された景品交換カウンタには、遊技客である遊技者側と店員側とを仕切る横長のカウンタテーブル2と、該カウンタテーブル2の店員側(内側)に該カウンタテーブル2と所定間隔を空けて設けられた陳列棚14とが設けられている。
【0018】
陳列棚14は、図1に示すように、景品を収納可能な複数の収納ボックス40を有しており、各収納ボックス40には同一の商品が取り出し可能に収納されており、これら各収納ボックス40に収納された各種の景品を、遊技者や店員が視認可能に陳列できるようになっている。
【0019】
カウンタテーブル2は、遊技者側(外側)の天板が、店員側(内側)の天板よりも高くされており、遊技者側(外側)の天板上には、3つの遊技者用ディスプレイ16a〜cが設置されているとともに、これら各遊技者用ディスプレイ16a〜cに対応して店員側(内側)の天板上に配置され、景品交換を希望する遊技者が所持する会員カードや計数カードが挿入されて、該挿入された会員カードや計数カードに記録されているデータ(記録情報)を読み出すとともに該データ(記録情報)の書き換えが可能とされたカードリーダライタ15a〜c(図2参照)が配置されており、各カードリーダライタ15a〜cに挿入された会員カードや計数カードから読み出したカードID等のデータ(記録情報)から特定される貯玉数或いは獲得玉数である該遊技者が所有する各レートの所有玉数や、該遊技者の指定により店員にて取り出された商品の情報が表示されるようになっている。
【0020】
つまり、本実施例1では、カウンタテーブル2に、3つの遊技者用ディスプレイ16a〜cと、各遊技者用ディスプレイ16a〜cに対応するカードリーダライタ15a〜cを有することで、最大3人の遊技者の景品交換を各遊技者に対応する3人の店員によって同時並行して実施できるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技者用ディスプレイと、各遊技者用ディスプレイに対応するカードリーダライタ15を1組だけ設けるようにしても良い。
【0021】
また、店員側(内側)の天板の略中央位置には、カウンタの内側にいる各店員が操作可能に設けられた商品取引装置を構成し、該商品取引装置の動作を制御する景品交換用コンピュータ10が設置されている。
【0022】
また、図1に示すように、カウンタテーブル2の上方の天井には、図3(b)に示す放射パターンとされた所定周波数の赤外線であるパターン赤外光を、図3(a)に示すように、陳列棚14の前面の全領域に向けて放射するとともに、該所定周波数のパターン赤外光による撮像と可視光による撮像とを行うことで、各店員の動作を認識するとともに、個々の店員を識別するための画像を撮像可能とされた撮像ユニット11が設置されている。
【0023】
次に、本実施例の商品取引装置の構成を図2に基づいて説明すると、商品取引装置は、主に、景品交換用コンピュータ10と、該景品交換用コンピュータ10に接続された前述した撮像ユニット11、陳列棚14、カードリーダライタ15a〜c、遊技者用ディスプレイ16a〜c、景品交換を行う各店員が装着している無線インカム18に対して音声メッセージを送信するインカム通信機17から構成されている。
【0024】
尚、無線インカム18には、固有のインカムIDが付与されていて、これらインカムIDを使用することで、個々の無線インカム18毎に個別に音声メッセージを送信できるようになっており、各店員には、当該店員専用の無線インカムが支給されており、これら各店員に支給されて該店員が装着している無線インカムのインカムIDが、後述する登録店員テーブルにおいて店員IDに対応付けて記憶されていることにより、特定の店員が装着しているインカムIDを特定して、該インカムIDに対して音声メッセージを送信することにより、特定の店員に対してのみ音声メッセージを送信できる。
【0025】
本実施例のカードリーダライタ15a〜cは、該遊技場において所定の会員登録を実施することで、遊技にて獲得した獲得玉を遊技に再度使用することのできる貯玉が可能とされた会員遊技者に対して発行される会員カードや、図示しない玉計数器において獲得玉を計数することによって発行される計数カードを受付けて、該会員カードや計数カードに記録されている、各カードを個々に識別可能なカードIDを読み出す読み出し機能を有するとともに、上面にテンキーから成る操作部と、液晶表示部とを有することで、挿入されたカードが会員カードである場合に、該会員の本人確認を実施するための暗証番号の入力受付け機能や、該暗証番号の入力案内や返却された会員カードや計数カードの取り出し案内等の各種の案内の表示機能を有している。
【0026】
尚、本実施例では、会員カードや計数カードとしてセキュリティ性を高めるために各カードを個々に識別可能なカードIDが書き換え不能に記憶された非接触ICカードを使用しているので、カードリーダライタ15a〜cの内部には、該非接触ICカードの少なくとも読み取りが可能な非接触ICカード読み取りユニットが内蔵されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら会員カードや計数カードとしては、従来から使用されている磁気カードを使用しても良く、この場合には、カードリーダライタ15の内部には磁気カード読み取りユニットを内蔵するようにすれば良い。
【0027】
また、会員カードや計数カードに記憶されているカードIDとしては、会員カードの場合には、KCで始まる所定桁の記号列とされ、計数カードの場合には、VCで始まる所定桁の記号列とされることで、これらカードIDによって会員カードであるか計数カードであるかを判別できるようになっている。
【0028】
また、本実施例では、計数カードを使用した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、計数器においては、これら計数カードに代えて、計数した計数玉数をシンボル化したバーコードが印刷されたレシートを発行し、該レシートに記録されたバーコードを読み取るバーコード読み取りユニットをカードリーダライタ15に代えて、或いはカードリーダライタ15ともに設けることで、これらレシートから計数玉数を特定するようにしても良い。
【0029】
次に、本実施例に用いた撮像ユニット11について説明する。撮像ユニット11は、図2に示すように、図3(b)に示す所定の放射パターンにパターン化された所定周波数のパターン赤外光を、図3(a)に示すように、景品交換を行う店員が存在する領域であるカウンタテーブル2内に設置された陳列棚14の前面の全領域に向けて下方に向けて広がるように放射する赤外光放射部11aと、これら赤外光放射部11aから放射されるパターン赤外光による撮像を行う赤外線撮像部11bと、パターン赤外光が放射される陳列棚14の前面の領域を通常の可視光により撮像する可視光撮像部11cとを備えており、これら赤外線撮像部11bにて撮像したパターン画像(距離画像)に基づいて店員である人物抽出並びに人物の各部位抽出や、抽出した人物や部位の距離に基づく姿勢推定等による動作認識や、人物の顔部位として抽出された領域に対応する可視光画像に基づいて店員の顔画像認識が、景品交換用コンピュータ10(動作認識処理基板111)にて実施されるようになっている。
【0030】
本実施例において赤外光放射部11aから放射されるパターン赤外光は、図3(b)に示すように、所定図形となる丸状の発光領域が所定の配列状態となるように配列された網点パターンとされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら放射パターンは、検出する動作内容(動作検出の必要精度)や、撮像ユニット11と陳列棚14との距離等に適したものを使用すれば良い。
【0031】
これら赤外光を放射する赤外光放射部11aには、所定周波数の赤外光を発光可能な赤外線LED等の赤外線光源を好適に使用することができるとともに、放射パターンに対応する多数の孔が形成されたスクリーン等を使用して、該赤外線LEDから放射される光を放射パターン化して放射するものであれば良い。
【0032】
また、赤外線撮像部11bには、赤外光放射部11aから放射されるパターン赤外光を主に透過する赤外線フィルタと、該パターン赤外光を撮像する電荷結合素子(CCD)から成るイメージセンサが内蔵されていれば良い。
【0033】
また、可視光撮像部211cには、赤外線と透過しにくく可視光を主に透過する可視光フィルタと、該可視光を撮像する電荷結合素子(CCD)から成るイメージセンサが内蔵されていれば良い。
【0034】
次に、本実施例に用いた景品交換用コンピュータ10について、図2に基づき説明すると、本実施例の景品交換用コンピュータ10は、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス101に、該景品交換用コンピュータ10が実施する各種処理等を処理プログラムに基づいて行うCPU(中央演算処理ユニット)102、処理時の一時記憶領域等として使用されるRAM103、現在の時刻情報やカレンダ情報を出力するリアルタイムクロック(RTC)104、磁気ディスクや光磁気ディスクから成る記憶装置105、各種情報を表示出力する表示装置107、該表示装置107の前面に配置された透明タッチパネルやキーボードやマウス等から成る入力装置106、景品交換の交換内訳等が記録されたレシート等を印字して発行可能とされたプリント装置108と、貯玉数や計数玉数等を管理するために遊技場内に設置された管理コンピュータとのデータ通信を行う通信部109、遊技者用ディスプレイ16やカードリーダライタ15やインカム通信機17が接続される接続インターフェイス110と、撮像ユニット11が接続され、該撮像ユニット11にて撮像された赤外光画像や可視光画像が入力されるとともに、該入力された撮像画像にもとづいて、景品交換カウンタにて景品の提供を行う店員を識別するとともに、該識別した店員の動作を認識して、該認識した動作に基づく各種情報をCPU102に対して出力する動作認識処理基板111とが接続された通常のコンピュータである。
【0035】
通信部109を通じてデータ通信可能に接続されている管理コンピュータには、遊技場内の所定位置に設置されて、遊技者が獲得した獲得玉数を計数するとともに計数カードを発行可能とされた玉計数器が接続されており、該玉計数器にて計数された計数玉数が、発行される計数カードから読み出した該計数カードに記憶されているカードIDに対応付けて管理コンピュータに記憶、管理されている。尚、本実施例では、計数カードには、計数された計数玉数のデータも記録されて発行される。
【0036】
また、管理コンピュータには、会員カードに記録された会員カードIDと会員IDに対応付けて、該会員が玉計数器にてその当日において計数した計数玉数であって、当日において再度の遊技に使用する際に手数料がかからない持玉数と、玉計数器にて前日以前に計数した計数玉数であって、再度の遊技に使用する際に手数料が必要となる貯玉数とが管理されており、会員カードIDや会員IDから、これら持玉数や貯玉数を管理コンピュータから取得して特定することができるようになっている。尚、持玉数は当日の営業終了後に貯玉数に加算更新されてリセットされる。
【0037】
尚、管理コンピュータにおいては、会員カードのカードIDに対応付けて、本人確認を実施するための暗証番号等の情報も記憶、管理されている。
【0038】
動作認識処理基板111には、撮像ユニット11により撮像された赤外光画像並びに可視光画像を記憶する画像用メモリや、これら赤外光画像(距離画像)中に含まれる放射パターンを構成する各図形点の間隔(距離)や、変形状況(輪郭部分においては変形や欠けが大きい)を解析する画像処理を実施して、被写体までの距離特定や、これら解析による被写体の輪郭並びに形状と、予め登録されている人体や人体の身体部位の形状パターンとの対比により画像中に含まれる人体や該人体の各身体部位を特定し、該画像解析結果(人物や各身体部位までの距離情報と位置情報等)を出力する距離画像センサ用集積回路(IC)や、該距離画像センサ用集積回路(IC)から出力される画像解析結果に基づいて、人体の姿勢推定を実施するとともに、該推定した姿勢に基づいた動作認識を行う姿勢推定用集積回路(IC)や、距離画像センサ用集積回路(IC)にて抽出された人体の顔部分の領域に該当する可視光画像と予め登録されている店員の顔画像との照合によって店員の識別を行う顔認証用集積回路(IC)や、姿勢推定用集積回路(IC)が姿勢推定のために使用する、異なった姿勢における各人体部位についての姿勢データが格納された姿勢データROM等が搭載されている。
【0039】
これら距離画像センサ用集積回路(IC)としては、例えば、「Light Coding技術」に対応したPS1080(米国、PrimeSense社製商品名)を好適に使用でき、姿勢推定用集積回路(IC)としては、PS1080から出力される画像解析結果と姿勢データROMに記憶されている姿勢データに基づいて姿勢推定を実施するための姿勢推定アルゴリズムをプログラム化した姿勢推定プログラムが組み込まれた、比較的処理能力に優れたマイクロコンピュータを使用することができる。
【0040】
また、顔認証用集積回路(IC)は、撮像ユニット11により撮像された可視光の顔画像と、予め登録されている店員の顔画像とを照合して、同一人物であるか否かを判定する公知の顔認証アルゴリズムをプログラム化した顔認証プログラムが組み込まれた、比較的処理能力に優れたマイクロコンピュータを使用することができる。
【0041】
尚、本実施例では、姿勢推定用集積回路(IC)は、距離画像センサ用集積回路(IC)と連動して動作する必要性が高いことから、該姿勢推定用集積回路(IC)と顔認証用集積回路(IC)とを個別に設けるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、使用するマイクロコンピュータとして十分な処理能力を有するものを使用できる場合には、これらの姿勢推定用集積回路(IC)と顔認証用集積回路(IC)とを1のマイクロコンピュータとしても良い。
【0042】
尚、本実施例では、上述したように、所定の放射パターンとされた赤外光を放射して画像を撮像することで、店員の動作認識を実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら放射パターンとされた赤外光を放射することなく、例えば、2つの可視光カメラを離間して陳列棚14を撮像可能に設置し、該2つの可視光カメラによる視差等に基づいて店員との距離や店員の姿勢を特定することにより、店員の動作認識等を実施するようにしても良い。
【0043】
この姿勢推定用集積回路(IC)は、予め設定された所定動作である、両腕を交差させるキャンセル動作を認識したときには、当該キャンセル動作を実施した店員IDと、キャンセル動作を認識した旨を示すキャンセル動作の動作IDとを含むキャンセル動作情報をCPU102に出力する。
【0044】
また、姿勢推定用集積回路(IC)は、予め設定された所定動作である、頭上で両手を付き合わせる終了動作を認識したときには、当該終了動作を実施した店員IDと、終了動作を認識した旨を示す終了動作の動作IDとを含む終了動作情報をCPU102に出力する。
【0045】
また、姿勢推定用集積回路(IC)は、予め設定された所定動作である、陳列棚14から商品を取り出す取り出し動作を認識したときには、陳列棚14上における商品が取り出された位置の座標をパターン赤外光による赤外光画像に基づいて特定して、該特定した座標情報と、当該動作を実施した店員IDと、取り出し動作を認識した旨を示す取り出し動作の動作IDとを含む取り出し動作情報をCPU102に出力する。
【0046】
尚、取り出し動作を実施した人物が、起動時に予め画像RAMに記憶されているいずれの店員の顔画像と一致しないことで、当該取り出し動作を実施した店員を認識できない場合、つまり、店員以外の人物によって商品の取り出しが実施された可能性が高い場合には、店員IDとして店員以外を示す所定データ、例えば、「0000」を含む取り出し動作情報をCPU102に出力する。
【0047】
また、これら取り出し動作を認識した場合には、該取り出し動作により取り出された商品の可視光画像が、後述するように照合結果が出力されるまで画像メモリに記憶されて、商品の照合に使用される。
【0048】
また、姿勢推定用集積回路(IC)は、予め設定された所定動作である陳列棚14に商品を戻す返却動作を認識したときには、陳列棚14上における商品が返却された位置の座標をパターン赤外光による赤外光画像に基づいて特定して、該特定した座標情報と、当該動作を実施した店員IDと、返却動作を認識した旨を示す返却動作の動作IDとを含む返却動作情報をCPU102に出力する。
【0049】
記憶装置105には、図2に示すように、該景品交換用コンピュータ10が実施する各処理内容が記述された処理プログラムに加えて、図4(a)に示す商品管理テーブルや、図4(b)に示す収納ボックス位置情報テーブルや、図4(c)に示す景品交換履歴データや、図5(a)に示す登録店員テーブルや、図5(b)に示す景品交換対応テーブルが記憶されている。
【0050】
本実施例の商品管理テーブルには、図4(a)に示すように、各種の商品を個々に識別可能な商品IDに対応付けて、当該商品の商品分類と、商品名と、当該商品が収納される収納ボックス番号と、当該商品の交換に必要とされる交換金額と、該商品の詳細画像ファイルへのパスデータとが記憶されており、該商品管理テーブルにより、どの商品がどの収納ボックス40に収納されているのかや、該商品との交換に必要となる交換金額や詳細な商品画像ファイルへのパスデータを特定できるようになっている。
【0051】
本実施例の収納ボックス位置情報テーブルには、図4(b)に示すように、各収納ボックス40に個別付与された収納ボックス番号に対応付けて、陳列棚14の前面において当該収納ボックス40が存在する位置情報となる、該陳列棚14の前面における水平方向の座標範囲(該前面における基準位置からの水平距離範囲)並びに垂直方向の座標範囲(該前面における基準位置からの垂直距離範囲)とが記憶されており、動作認識処理基板111において撮像画像に基づく動作認識にて特定された該陳列棚14の前面における座標情報が該動作認識処理基板111から出力されることにより、該座標情報が該当する座標範囲に対応する収納ボックス40が特定されるとともに、該特定した収納ボックス40に対応付けて商品管理テーブルに記憶されている商品が、店員により取り出された商品または返却された商品として特定される。
【0052】
本実施例の景品交換履歴データとしては、図4(c)に示すように、景品交換を実施した取引日時、景品交換に使用された会員カードまたは計数カードのカードID、景品交換に使用された金額である精算金額、景品交換された各商品の商品IDとその数量とが含まれており、これら景品交換履歴データは、景品交換における決済処理の完了に応じて記憶される。
【0053】
本実施例の登録店員テーブルには、図5(a)に示すように、遊技場の全ての店員に固有に付与された店員IDに対応付けて、当該店員の氏名や、当該店員に支給されている無線インカム18のインカムID、並びに種々の角度から撮像した当該店員の顔画像を含む顔画像ファイルへのパスデータが記憶されている。尚、これら顔画像ファイルに含まれる種々の角度から撮像した顔画像と店員IDは、景品交換用コンピュータ10の起動時において動作認識処理基板111に出力されて搭載されている画像RAMに記憶されることで、これら顔画像を顔認証用集積回路(IC)が使用して該顔画像による認証を記憶装置105にアクセスすることなく実施し、認証した店員の店員IDを顔認証用集積回路(IC)が特定可能とされている。
【0054】
本実施例の景品交換対応テーブルには、店員が対応中の景品交換に関する情報が記憶されるようになっており、図5(b)に示すように、各対応口A〜C毎に、各対応口に設置されているカードリーダライタ15a〜cに受付け中の会員カードまたは計数カードのカードID(受付けカードID)と、該受付け中の会員カードまたは計数カードから特定される1円レートの玉数や4円レートの玉数、これら1円レートの玉数と4円レートの玉数とに基づく景品交換に使用可能な利用可能金額と、店員により取り出された商品と商品数とに基づく当該取り出された商品の交換に必要な必要金額が利用可能金額から減算された利用可能残額と、当該対応口にて景品交換の対応に当たっている店員の店員IDと、該店員により取り出された商品の商品IDと数量とが記憶されるようになっている。
【0055】
次に、本実施例の景品交換用コンピュータ10(CPU102)において実施される景品交換処理について、図6に基づき説明すると、景品交換処理においては、図6に示すように、カードリーダライタ15a〜cへの新たな会員カードまたは計数カードの挿入(受付け)があるか否か(ステップS1)、動作認識処理基板111からの取り出し動作情報の入力があるか否か(ステップS2)、動作認識処理基板111からの返却動作情報の入力があるか否か(ステップS3)、動作認識処理基板111からの終了動作情報の入力があるか否か(ステップS4)、動作認識処理基板111からのキャンセル動作情報の入力があるか否か(ステップS5)、を巡回実施する待機状態で待機する。
【0056】
このステップS1〜S5の待機状態において、カードリーダライタ15a〜cへの新たな会員カードまたは計数カードの挿入(受付け)があった場合、具体的には、カードリーダライタ15a〜cへの新たな会員カードまたは計数カードの挿入(受付け)に応じて、カードリーダライタ15a〜cから受付け通知の入力があった場合には、ステップS1でYesと判定されてステップS11に進み、図7に示すカード受付け処理を実施した後、再度、ステップS1〜S5の待機状態に戻る。
【0057】
また、ステップS1〜S5の待機状態において、店員による陳列棚14からの商品の取り出しに応じて動作認識処理基板111から取り出し動作情報の入力があった場合には、ステップS2でYesと判定されてステップS12に進み、図8に示す取り出し商品登録処理を実施した後、再度、ステップS1〜S5の待機状態に戻る。
【0058】
また、ステップS1〜S5の待機状態において、店員による陳列棚14への商品の返却応じて動作認識処理基板111から返却動作情報の入力があった場合には、ステップS3でYesと判定されてステップS13に進み、図9に示す返却商品登録消去処理を実施した後、再度、ステップS1〜S5の待機状態に戻る。
【0059】
また、ステップS1〜S5の待機状態において、店員による終了動作に応じて動作認識処理基板111からの終了動作情報の入力があった場合には、ステップS4でYesと判定されてステップS14に進み、図10に示す精算処理を実施した後、再度、ステップS1〜S5の待機状態に戻る。
【0060】
また、ステップS1〜S5の待機状態において、店員によるキャンセル動作に応じて動作認識処理基板111からのキャンセル動作情報の入力があった場合には、ステップS5でYesと判定されてステップS15に進み、キャンセル処理を実施した後、再度、ステップS1〜S5の待機状態に戻る。
【0061】
以下、上記したS11〜S15の処理が実施される景品交換の流れについて説明すると、例えば、遊技にて獲得した獲得玉数の計数を計数器において終了したビジター遊技者が景品交換を実施する場合には、景品交換カウンタに出向いて、玉計数器にて発行された計数カードを、空いている対応口、例えば対応口Bの店員に手渡す。
【0062】
計数カードを受け取った店員は、該受け取った計数カードを対応口Bに設置されているカードリーダライタ15bに挿入する。
【0063】
この計数カードの挿入はステップS1にて検出されてステップS11に進み、図7に示すカード受付け処理が実施される。
【0064】
このカード受付け処理においては、図7に示すように、まず、該挿入されたカードからカードリーダライタ15bによって読み出されたカードIDが、会員カードに該当するカードIDであるか否かに基づいて、挿入されたカードが会員カードであるか否かを判定する(ステップSc1)。
【0065】
会員カードである場合にはステップSc10に進んで、暗証番号の受付けを伴う会員カード認証処理を実施する一方、会員カードでない場合、つまり計数カードである場合にはステップSc2に進んで、計数カード認証処理を実施する。よって、上記例のように計数カードである場合には、計数カード認証処理が実施されることになる。
【0066】
ステップSc10の会員カード認証処理においては、まず、カードリーダライタ15bにおいて会員遊技者から暗証番号の受付けを実施し、該受付けた暗証番号とカードリーダライタ15bにより会員カードから読み出したカードIDとを含む認証要求を管理コンピュータに送信して、該カードIDに対応付けて管理コンピュータにおいて記憶、管理されている暗証番号と一致するか否かを認証させ、該認証結果と認証OKである場合には該カードIDに対応付けて記憶されている持玉数(存在する場合のみ)と貯玉数を管理コンピュータから受信する。
【0067】
一方、ステップSc2の計数カード認証処理においては、カードリーダライタ15bに受付けた該計数カードから読み出したカードIDと計数玉数とを含む認証要求を管理コンピュータに送信して、該カードIDに対応付けて管理コンピュータにおいて記憶、管理されている計数玉数と一致するか否かを認証させ、該認証結果を管理コンピュータから受信する。
【0068】
次いで、管理コンピュータから受信した認証結果が認証OKであるか否かを判定し(ステップSc3)、認証NGである場合には、ステップSc11に進んで受付け中のカードを返却(排出)するカード排出処理を実施して、ステップS1〜S5の待機状態に戻る一方、認証OKである場合には、ステップSc4に進んで、景品交換に利用可能な利用可能金額(会員カードの場合には各レートの持玉数と貯玉数の合計数に基づく金額、計数カードの場合には各レートの計数玉数に基づく金額)が、最も交換金額が少ない商品の金額である最小交換金額以上であるか否か、つまり、景品交換が可能な利用可能金額を所持しているか否かを判定する。
【0069】
最小交換金額以上でない場合には、ステップSc11に進んで受付け中のカードを返却(排出)するカード排出処理を実施してステップS1〜S5の待機状態に戻る一方、最小交換金額以上である場合には、該利用可能金額を遊技者用ディスプレイ16bに表示した後にステップSc5に進み、景品交換対応テーブルにおける対向口Bに対応するデータとして、カードリーダライタ15bに受付けた該計数カードから読み出したカードID(受付けカードID)と1円レートの計数玉数(レート1円玉数)、4円レートの計数玉数(レート4円玉数)、これら1円レートの計数玉数に景品交換レート(等価交換であれば1円)を乗じた額と4円レートの計数玉数に景品交換レート(等価交換であれば4円)を乗じた額の合計である利用可能金額と、該利用可能金額と同一額の利用可能残額とを格納する。
【0070】
次いで、ステップSc6に進み、対応口Bにおいて計数カードを挿入して遊技者に対応している店員の店員IDを特定する対応店員特定処理を実施する。
【0071】
この対応店員特定処理において景品交換用コンピュータ10(CPU102)は、動作認識処理基板111に対して、対応口の情報(対応口A〜C)を含む店員特定要求を出力する。
【0072】
この店員特定要求の出力に応じて動作認識処理基板111は、可視光撮像画像において、該出力されてきた店員特定要求に含まれる対応口の情報から特定される対応口Bに該当する領域に存在する人物を顔画像と、画像RAMに記憶されている店員の顔画像(前述したように、登録店員テーブルに記憶されている店員画像ファイルの顔画像と同一)とを比較照合して、対応口Bにて対応している店員の顔画像と一致する画像RAMに記憶されている店員の顔画像から店員の店員IDを特定し、該特定した店員IDをCPU102に対し店員特定応答として出力する。
【0073】
ステップSc7においては、ステップSc6で特定した店員ID、具体的には、動作認識処理基板111から店員特定応答として出力された店員IDを、景品交換対応テーブルにおける対向口Bに対応する対応店員IDの項目データとして格納する。
【0074】
そして、該店員IDが装着している無線インカム18のインカムIDを、登録店員テーブルにおいて該店員IDに対応して記憶されているインカムIDから特定し、該特定したインカムIDの無線インカム18に対して、インカム通信機17を通じて、景品交換対応テーブルにおいて対向口Bに対応して記憶されている利用可能金額、つまり、該店員が新たに対応している遊技客が景品交換に使用できる金額を音声メッセージにて送信して当該処理を終了する。
【0075】
これにより、店員は、カードリーダライタ15bに挿入した計数カードから特定された利用可能金額、すなわち対応している遊技客が景品交換に使用可能な最大金額がいくらであるのかを、表示装置107等の視認することなく知覚することができ、遊技客が交換不能な商品を指定しているか否かを判断できるようになる。
【0076】
そして、遊技客が交換したい商品を店員に指示して陳列棚14から取り出させると、前述したように、該店員の取り出し動作が動作認識処理基板111にて動作認識されることに応じて取り出し動作情報が入力され、該取り出し動作情報の入力がステップS2で検知されてステップS12の取り出し商品登録処理(図8)が実施される。
【0077】
本実施例の取り出し商品登録処理においては、図8に示すように、まず、入力された取り出し動作情報に正規の店員IDが含まれているか否か、つまり、店員以外を示す「0000」の店員IDが含まれているか否かを判定する(ステップSb0)
【0078】
該判定において店員以外を示す「0000」の店員IDが含まれている場合には、ステップSb9に進んで、店員以外の人物による商品の不正取り出しが発生したことを報知する不正取り出し報知処理を実施する。
【0079】
具体的には、該不正取り出し報知処理においては、店員以外の人物による商品の不正取り出しが発生した旨のメッセージが表示装置107に表示されるとともに、全ての無線インカム18に対して、商品の不正取り出しが発生した旨の音声メッセージが送信されて報知される。
【0080】
一方、ステップSb0の判定にて正規の店員IDが含まれていると判定した場合には、ステップSb1に進み、収納ボックス位置情報テーブルに記憶されている各収納ボックス40の座標から、入力された取り出し動作情報に含まれる座標情報に該当する収納ボックス40の収納ボックス番号を特定し、該収納ボックス番号の収納ボックス40に収納されている商品の商品IDと商品画像とを、該特定した収納ボックス番号に対応付けて商品管理テーブルに記憶されている商品IDと該商品画像ファイルへのパスデータとから特定する。
【0081】
そして、ステップSb2に進み、店員により取り出された商品が間違いないかを照合する商品照合処理を実施する。
【0082】
具体的に、該商品照合処理においては、CPU102は、ステップSb1にて特定したパスデータの商品画像ファイルから読み出した商品画像を含む、商品照合要求を動作認識処理基板111に出力する。該商品照合要求の出力に応じて動作認識処理基板111は、該商品照合要求に含まれる商品画像と出力した取り出し動作情報にて認識した取り出し動作により取り出された商品の可視光画像(商品画像)とを、形状や色合い等が一致するか否かにより照合して、照合結果(照合OK、照合NG)を商品照合応答としてCPU102に出力する。
【0083】
この商品照合応答としての照合結果が照合NGである場合においてCPU102は、ステップSb3においてNoと判定してステップSb10に進み、商品の再照合処理を実施する。
【0084】
この商品再照合処理は、商品照合処理と同様の処理が実施されて商品の再照合が実施される。尚、この再照合の場合においては、取り出し動作を実施した店員の店員IDと商品画像とを含む再照合要求が動作認識処理基板111に出力されることで、動作認識処理基板111においては、該店員IDから特定される店員が所持している商品の画像を可視光画像から特定し、該商品画像と再照合要求に含まれる商品画像とを照合して、照合結果を商品再照合応答としてCPU102に出力する。
【0085】
つまり、Sb2の商品照合処理においては、取り出し動作の動作認識時点の商品画像との照合が実施されるため、可視光撮像部11cにて撮像された商品画像が、店員に遮られて良好な照合が不能である場合も考えられるので、照合結果が照合NGである場合には、再度、可視光撮像部11cにて撮像された商品画像による照合を実施することで、商品画像が良好に撮像できないことで照合NGとされてしまうことによる不都合を極力低減できるようになっている。
【0086】
この商品再照合応答としての照合結果が照合NGである場合、つまり、2回の照合とも照合NGであった場合には、ステップSb12に進み、商品照合エラー処理に移行する
一方、商品再照合応答としての照合結果が照合OKである場合には、ステップSb4に進む。
【0087】
尚、本実施例の商品照合エラー処理においては、該商品の取り出し動作を実施した店員が装着している無線インカム18のインカムIDが、取り出し動作情報に含まれる店員IDから特定され、取り出し商品の照合結果がNGであることの通知メッセージがインカム通信機17を通じて送信されるとともに、景品交換用コンピュータ10の表示装置107に、取り出し動作情報に含まれる座標から特定された商品名と商品画像並びに当該商品に相違ないか否かを選択入力部とを含む商品確認画面が表示されて、商品の確認入力が当該店員にて実施され、相違ない場合にはSb11のステップでYesの場合と同様にSb4のステップに移行する一方、相違ある場合には該店員が対応している対応口のカードリーダライタ15に挿入されているカードを排出するとともに、景品交換対応テーブルにおける該対応口のデータを消去して景品交換を中止することにより、再度、カードの挿入から景品交換をやり直すことになる。
【0088】
また、商品照合応答としての照合結果が照合OKである場合においてCPU102は、ステップSb3においてYesと判定してステップSb4に進む。
【0089】
このステップSb4においては、入力された取り出し動作情報に含まれる店員IDに対応付けて取り出し商品の商品IDと数量(1)を景品交換対応テーブルに記憶(登録)し、景品交換対応テーブルを更新する。尚、本実施例では、店員は、収納ボックス40より1個ずつ商品を取り出すようになっており、同一の商品が収納ボックス40より連続して複数個取り出された場合には、既に景品交換対応テーブルに同一の商品IDが記憶(登録)されていることになるので、該商品IDに対応する数量に1を加算更新して景品交換対応テーブルを更新する。
【0090】
このように、本実施例では、商品の取り出しを1個ずつ実施することで、商品の個数を取り出し動作の認識回数によって確実に特定できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1回の取り出し動作にて取り出した商品数を画像認識にて計数することや、各収納ボックス40に、取り出された商品数を商品に取り付けられているタグ等によりカウントする計数センサを設ける等により、1回の取り出し動作にて複数個の商品を取り出し可能としても良い。
【0091】
尚、これら商品IDの記憶(登録)や数量の更新に伴い、該更新された商品IDの商品の交換に必要な交換金額が利用可能残額より減算されることで利用可能残額が更新される。
【0092】
そして、ステップSb5において、更新後の利用可能残額がマイナスであるか否かを判定し、マイナスではない場合にはステップSb6に進んで、当該対応口である対応口Bの遊技者用ディスプレイ16bに表示されている利用可能残額を更新後の新たな利用可能残額に更新するとともに、該更新後の新たな利用可能残額を当該遊技客に対応している店員が装着している無線インカム18に送信する利用可能残額通知処理を実施した後、ステップS1〜S5の待機状態に戻る。
【0093】
一方、更新後の利用可能残がマイナスでである場合には、つまり、取り出した商品の全てを景品交換するためには、利用可能金額が不足している場合、すなわち、商品の取り出し過ぎ状態である場合には、ステップSb5の判定でYesと判定されてステップSb7に進み、当該対応口である対応口Bの遊技者用ディスプレイ16bに取り出した商品の返却が必要である旨のメッセージを表示するとともに、当該遊技客に対応している店員が装着している無線インカム18に、取り出した商品の返却が必要である旨の音声メッセージを送信する商品返却通知処理を実施した後、ステップS1〜S5の待機状態に戻る。
【0094】
これら商品返却通知処理にて取り出した商品の返却が必要であることが通知された場合や、陳列棚14から取り出された商品が、カウンタテーブル2の遊技者側(外側)の天板上に置かれることにより、遊技客が、取り出された商品が所望の商品でないと判断した場合には、店員に指示して、取り出した商品を陳列棚14に戻させる。
【0095】
このように、遊技客が返却したい商品を店員に指示して陳列棚14に返却させると、前述したように、該店員の返却動作が動作認識処理基板111にて動作認識されることに応じて返却動作情報が入力され、該返却動作情報の入力がステップS3で検知されてステップS13の返却商品登録消去処理(図9)が実施される。
【0096】
本実施例の返却商品登録消去処理においては、図9に示すように、まず、返却される商品の商品IDを特定する返却商品特定処理を実施する(ステップSd1)。
【0097】
この返却商品特定処理においては、収納ボックス位置情報テーブルに記憶されている各収納ボックス40の座標から、入力された返却動作情報に含まれる座標情報に該当する収納ボックス40の収納ボックス番号を特定し、該収納ボックス番号の収納ボックス40に収納されている商品の商品IDを、該特定した収納ボックス番号に対応付けて商品管理テーブルに記憶されている商品IDから特定する。
【0098】
次に、入力された返却動作情報に含まれる店員IDに対応付けて、景品交換対応テーブルに記憶されている商品IDを全て特定する(ステップSd2)。
【0099】
そして、ステップSd1にて特定した返却商品の商品IDが、ステップSd2で特定した景品交換対応テーブルに記憶されている商品IDに含まれているか否か、つまり、返却商品が景品交換対応テーブルに取り出し商品として記憶(登録)されているか否かを判定する(ステップSd3)。
【0100】
特定した返却商品の商品IDが、ステップSd2で特定した景品交換対応テーブルに記憶されている商品IDに含まれていない場合には、ステップSd3においてNoと判定されてステップSd10に進み、商品返却エラー処理を実行する。
【0101】
この商品返却エラー処理においては、商品IDと返却先の収納ボックス番号が一時記憶されるとともに、返却された商品が取り出し商品に含まれていない、つまり、商品を返却した収納ボックス40が間違っている可能性が高いので、返却先が間違っていることを、該返却動作を実施した店員の無線インカム18に対して送信して、該間違って返却された商品の取り出しを促し、該商品の取り出しに応じて上記にて一時記憶した商品IDと返却先の収納ボックス番号を消去してステップS1〜S5の待機状態に戻る。
【0102】
また、特定した返却商品の商品IDが、ステップSd2で特定した景品交換対応テーブルに記憶されている商品IDに含まれている場合にはステップSd4に進んで、ステップSd1にて特定した返却商品の商品IDの景品交換対応テーブルにおける記憶(登録)を削除する。尚、本実施例では、商品の取り出しと同様に、店員は、収納ボックス40への商品の返却を1個ずつ行うようになっており、商品が返却された場合には、該商品の商品IDに対応する数量が1であるか否かを判定し、1でない場合には、数量を1減算することで当該返却商品の登録を削除し、数量が1である場合には、当該商品の商品IDと数量1の登録を消去することで、当該返却商品の登録を削除する。
【0103】
このように、本実施例では、商品の返却を1個ずつ実施することで、返却される商品の個数を返却動作の認識回数によって確実に特定できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1回の返却動作にて返却した商品数を画像認識にて計数することや、各収納ボックス40に、返却された商品数を商品に取り付けられているタグ等によりカウントする計数センサを設ける等により、1回の返却動作にて複数個の商品を返却可能としても良い。
【0104】
尚、これら商品IDの削除更新や数量の減算更新に伴い、該削除された商品IDの商品の交換金額が利用可能残額に加算されることで利用可能残額が更新される。
【0105】
そして、ステップSd5において、更新後の利用可能残がマイナスであるか否かを判定し、マイナスではない場合にはステップSd6に進んで、当該対応口である対応口Bの遊技者用ディスプレイ16bに表示されている利用可能残額を更新後の新たな利用可能残額に更新するとともに、該更新後の新たな利用可能残額を当該遊技客に対応している店員が装着している無線インカム18に送信する利用可能残額通知処理を実施した後、ステップS1〜S5の待機状態に戻る。
【0106】
一方、更新後の利用可能残がまだマイナスでである場合には、ステップSd5の判定でYesと判定されてステップSd7に進み、当該対応口である対応口Bの遊技者用ディスプレイ16bに取り出した商品の返却が必要である旨のメッセージを継続表示するとともに、当該遊技客に対応している店員が装着している無線インカム18に、取り出した商品の返却が必要である旨の音声メッセージを送信する商品返却通知処理を実施した後、ステップS1〜S5の待機状態に戻ることで、追加の返却が必要であることを遊技客や店員に通知することで、これらの通知がされない状態となるまで、返却を実施することを促す。
【0107】
尚、本実施例では、商品が返却された際においては、取り出しされた場合のように、商品の確認照合を実施していないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら返却動作認識時においても、取り出し動作認識時と同様に、商品画像に基づいて商品の確認照合を実施するようにしても良い。
【0108】
これら景品交換の途中において遊技客が景品交換を中止したい場合には、該中止を店員に伝えると、店員は、所定のキャンセル動作である両腕を交差させて×印を形成する動作を実施すると、前述したように、該店員のキャンセル動作が動作認識処理基板111にて動作認識されることに応じてキャンセル動作情報が入力され、該キャンセル動作情報の入力がステップS5で検知されてステップS15のキャンセル処理が実施される。
【0109】
このキャンセル処理においては、キャンセル動作情報に含まれる店員IDが、景品交換対応テーブルの対応店員IDの項目に記憶されている対応口(本例では対応口B)から、該キャンセル動作を実施した店員が対応している遊技客のカード(計数カード)が挿入されているカードリーダライタ15bを特定し、該特定したカードリーダライタ15bに挿入されているカード(計数カード)を排出させるとともに、景品交換対応テーブルにおける該対応口(対応口B)のデータを消去して景品交換を中止する。
【0110】
一方、前述した商品の返却が必要である旨が通知されていない状態、つまり、利用可能残額がマイナスではない状態において遊技客が、取り出された商品でOKであることを店員に伝えることにより、店員が、所定の終了動作である頭上で両手を付き合わせる動作を実施すると、前述したように、該店員の終了動作が動作認識処理基板111にて動作認識されることに応じて終了動作情報が入力され、該終了動作情報の入力がステップS4で検知されてステップS14の精算処理(図10)が実施される。
【0111】
この精算処理においては、図10に示すように、まず、終了動作情報に含まれる店員IDに対応付けて景品交換対応テーブルに記憶されている利用可能残額がマイナスであるか否かを判定する(ステップSe1)。
【0112】
利用可能残額がマイナスである場合、つまり、利用可能金額の不足により全ての商品について交換金額の決済が不能である場合には、ステップSe7に進んで、当該対応口である対応口Bの遊技者用ディスプレイ16bに、商品代金の精算が不能である旨のメッセージを表示する(尚、商品の返却が必要である旨のメッセージも表示されている)とともに、当該遊技客に対応している店員が装着している無線インカム18に、商品代金の精算が不能である旨の音声メッセージを送信する精算不可通知処理を実施した後、ステップS1〜S5の待機状態に戻る。
【0113】
一方、利用可能残額がマイナスでない場合には、ステップSe2に進んで商品代金決済処理を実施する。
【0114】
具体的には、その時点において景品交換対応テーブルに、終了動作情報に含まれる店員IDに対応付けて記憶されている利用可能金額と利用可能残額との差額、つまり、取り出された各商品(景品)の交換金額にその数量を乗じた金額の合計額並びにカードリーダライタ15bに受付け中のカードIDを特定し、該特定した合計額に対応する計数玉数を算出して、該算出した計数玉数と特定したカードIDとを含む減算要求を管理コンピュータに送信して、管理コンピュータにおいて該カードIDに対応付けて管理されている計数玉数から、該計数玉数を減算更新させる。そして、該管理コンピュータから減算完了通知を受信したことに応じて、カードリーダライタ15bに受付け中の計数カードに記憶されている計数玉数のデータを、減算要求に含まれる計数玉数を減算した新たな計数玉数のデータに書き換え更新する。尚、受付け中のカードが会員カードである場合には、カードに計数玉数のデータが記憶されていないので、これら計数玉数のデータの書き換え更新は実施しない。
【0115】
尚、景品交換対応テーブルにレートの異なる玉数が記憶されている場合においては、いずれかのレート、例えば1円レートの玉数を優先的に使用するようにして、優先する1円レートの玉数で不足する分を4円レートの玉数から減算するようにすれば良い。
【0116】
また、管理コンピュータから減算完了通知の受信に応じて景品交換用コンピュータ10においては、該景品交換の景品交換履歴が景品交換履歴データに追加記憶されるとともに該景品交換の内訳が印刷されたレシートがプリント装置108から発行される。
【0117】
そして、ステップSe3に進み、受付け中のカードが計数カードであるか否かを、例えばカードIDから判定し、計数カードではない場合、つまり会員カードである場合にはステップSe8に進んで該会員カードをカードリーダライタ15bから返却(排出)させる。
【0118】
一方、計数カードである場合には、カードに更新記憶した新たな計数玉数が相当する利用可能金額が最小交換金額以上であるか否かを判定する。
【0119】
最小交換金額以上である場合には、ステップSe8に進み、該計数カードをカードリーダライタ15bから返却(排出)させ、最小交換金額以上でない場合には、ステップSe5に進み、該計数カードをカードリーダライタ15bにおいて回収させる。
【0120】
そして、ステップSe6に進んで、景品交換対応テーブルから、当該返却または回数したカードIDや、該カードIDに対応する各レートの玉数や対応店員IDや商品ID等の各種データを消去した後、ステップS1〜S5の待機状態に戻る。
【0121】
これら計数カードの返却や回収、或いは会員カードの返却に応じて店員は、取り出した商品と返却されたカードと発行されたレシートとを遊技客に手渡して景品交換を終了し、次の遊技客への対応に移る。
【0122】
以上、本実施例1によれば、陳列棚14が、遊技客が自分の嗜好に合致した種々の商品を指示できるようにするために大きな陳列スペースとされている場合であっても、遊技客により指示されて取り出した商品の入力を、該商品の陳列場所から、いちいち、景品交換用コンピュータ10の設置場所に戻って行う面倒を解消することができ、遊技場の商品取引における店員の労力を著しく低減できる。
【0123】
また、本実施例1によれば、予め登録された店員以外による商品の取り出し、つまり不正な商品の取り出しが不正取り出し報知処理によって報知されるので、これら不正な商品の取り出しに対して適切な対応を取ることができる。
【実施例2】
【0124】
次に、本発明の実施例2について説明する。尚、実施例1は、前述したように、取引者である店員の動作を認識する形態を例示したが、本実施例2では、景品が陳列された陳列棚が設置された景品交換室において、商品を陳列棚から自ら取り出す遊技客の動作を認識する点を特徴としており、以下の説明においては、実施例と同一構成で重複する構成の説明は省略する。
【0125】
図11は、本実施例2の景品交換装置が設置された遊技場の景品交換室を示す図である。本実施例2の景品交換室には、図11に示すように、景品交換室への入口と出口とが、四角状の景品交換室を形成する4つの壁のうち、1の壁に設けられた部屋とされ、該入口と出口が設けられた壁以外の3つの壁には、実施例1の陳列棚14と同様に、景品(商品)が各収納ボックス40収納されて陳列されている陳列棚A〜Dが、各壁の前面に沿って配置されており、入口から入室した遊技客は、陳列棚A〜Dに陳列されている商品の中から、景品交換を希望する商品を取り出して、該景品交換室の出口近傍に設けられているカウンタテーブル2’に持参することで、該カウンタテーブル2’において該持参した景品(商品)を計数カード特定される計数玉数や会員カードから特定される持玉数や貯玉数等と交換できるようになっている。
【0126】
本実施例2のカウンタテーブル2’は、実施例1のカウンタテーブル2と同様に、遊技者側(外側)の天板が、店員側(内側)の天板よりも高くされており、遊技者側(外側)の天板上には、遊技者用ディスプレイ16と、遊技客により会員カードや計数カードが挿入されカードリーダライタ15が設置されている。
【0127】
また、店員側(内側)の天板には、カウンタの内側にいる各店員が操作可能に設けられた商品取引装置を構成し、該商品取引装置の動作を制御する実施例1と同様の景品交換用コンピュータ10’が設置されている。
【0128】
また、図11に示すように、景品交換室の出入り口が設けられた壁面には、実施例1の撮像ユニット11と同一の機能を備える撮像ユニット12、13が、各撮像ユニット12、13から放射される各パターン赤外光が互いに重なることなく、且つ、ほぼ景品交換室内の全領域に放射されるように、壁面に対して所定角度を有するように設置されている。
【0129】
つまり、本実施例では、撮像ユニット12が、景品交換室内の入口に繋がる半分の領域である領域1にパターン赤外光を放射することで、該領域1における遊技者の取り出し動作や返却動作等の動作認識を行うための画像を撮像し、撮像ユニット13が、景品交換室内の出口に繋がる半分の領域である領域2にパターン赤外光を放射することで、該領域2における遊技者や店員の取り出し動作や返却動作等の各種動作認識を行うための画像を撮像する。
【0130】
次に、本実施例の商品取引装置の構成を図12に基づいて説明すると、商品取引装置は、主に、景品交換用コンピュータ10’と、該景品交換用コンピュータ10’に接続された前述した撮像ユニット12、13、陳列棚A〜D、カードリーダライタ15、遊技者用ディスプレイ16から構成されており、カードリーダライタ15、遊技者用ディスプレイ16は実施例1と同じであるので、ここでの説明は省略する。また、カードリーダライタ15に挿入される会員カードや計数カードも実施例1と同じである。
【0131】
また、本実施例2に使用した撮像ユニット12、13も、図12に示すように、実施例1の撮像ユニット11と同じく、赤外光放射部12a、13aと、これら赤外光放射部12a、13aから放射されるパターン赤外光による撮像を行う赤外線撮像部12b、13bと、パターン赤外光が放射される領域1または領域2を通常の可視光により撮像する可視光撮像部12c、13cとを備えている。
【0132】
尚、本実施例2では、陳列棚A〜Dが景品交換室の3つの壁面に設けられていることから、これら各陳列棚における商品の取り出し位置の座標を十分な精度で正確に特定できるようにするために、2つの撮像ユニット12、13を使用するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、陳列棚が、景品交換室の1の壁面のみに設けられている場合等にあっては、1つの撮像ユニットのみを使用するようにしても良い。
【0133】
また、本実施例に用いた景品交換用コンピュータ10’は、図12に示すように、記憶装置105に記憶されている処理プログラムの内容やテーブルの内容等が異なるものの、機器構成としては実施例1の景品交換用コンピュータ10と同一とされ、動作認識基板111を有することで、撮像ユニット12、13にて撮像された赤外光画像や可視光画像による動作認識に基づく景品交換を実施可能とされている。
【0134】
尚、本実施例2においては、接続インターフェイス110には、1組のカードリーダライタ15と遊技者用ディスプレイ16のみが接続されている。
【0135】
記憶装置105には、実施例1の景品交換用コンピュータ10と同様に、商品管理テーブルや、収納ボックス位置情報テーブルや、景品交換履歴データや、商品画像データ等が記憶されているともに、実施例1の景品交換対応テーブルに代えて、図13に示す入室者管理テーブルが記憶されている。
【0136】
尚、本実施例2の収納ボックス位置情報テーブルは、各陳列棚A〜D毎に収納ボックス40の位置座標が記憶されているとともに、商品管理テーブルにおける収納ボックス番号の先頭部分には、陳列棚Aの場合には「A***」、陳列棚Bの場合には「B***」、陳列棚Cの場合には「C***」、陳列棚Dの場合には「D***」のように、当該収納ボックス40がどの陳列棚の収納ボックス40であるのかも収納ボックス番号から特定可能とされている。
【0137】
本実施例2の入室者管理テーブルには、図13に示すように、景品交換室へ入室した遊技客に対して付与された入室者IDに対応付けて、カードリーダライタ15に受付け中の会員カードまたは計数カードのカードID(受付けカードID)と、該受付け中の会員カードまたは計数カードから特定される1円レートの玉数や4円レートの玉数、これら1円レートの玉数と4円レートの玉数とに基づく景品交換に使用可能な利用可能金額と、当該遊技客により取り出された商品と商品数とに基づく当該取り出された商品の交換に必要な必要金額が利用可能金額から減算された利用可能残額と、当該遊技客により取り出された商品の商品IDと数量とが記憶されるようになっている。
【0138】
尚、入室者管理テーブルには、遊技客の入室時には、該入室に応じて付与された入室者IDのみが記憶され、該遊技客が商品を取り出すことに応じて図13(b)に示すように、該商品の商品IDと数量とが記憶され、遊技客がカードリーダライタ15にカードを挿入して認証されることで、図13(c)に示すように、カードIDや利用可能金額等のデータが記憶されていき、これら入室者管理テーブルの記憶データに基づいて当該遊技客が取り出した商品の景品交換が実施される。
【0139】
また、本実施例2の動作認識処理基板111における姿勢推定用集積回路(IC)は、予め設定された所定動作である、両腕を交差させるキャンセル動作を認識したときには、当該キャンセル動作を実施した入室者IDまたは店員IDと、キャンセル動作を認識した旨を示すキャンセル動作の動作IDとを含むキャンセル動作情報をCPU102に出力する。
【0140】
また、本実施例2の動作認識処理基板111における姿勢推定用集積回路(IC)は、予め設定された所定動作である、頭上で両手を付き合わせる終了動作を認識したときには、当該終了動作を実施した入室者IDまたは店員IDと、終了動作を認識した旨を示す終了動作の動作IDとを含む終了動作情報をCPU102に出力する。
【0141】
また、本実施例2の動作認識処理基板111における姿勢推定用集積回路(IC)は、予め設定された所定動作である、陳列棚A〜Dから商品を取り出す取り出し動作を認識したときには、陳列棚A〜D上における商品が取り出された位置の座標と、陳列棚A〜Dのいずれであるかをパターン赤外光による赤外光画像に基づいて特定して、該特定した座標情報と、棚種別(陳列棚A〜D)と、当該動作を実施した入室者IDと、取り出し動作を認識した旨を示す取り出し動作の動作IDとを含む取り出し動作情報をCPU102に出力する。
【0142】
また、本実施例2の動作認識処理基板111における姿勢推定用集積回路(IC)は、予め設定された所定動作である陳列棚A〜Dに商品を戻す返却動作を認識したときには、陳列棚A〜D上における商品が返却された位置の座標と、陳列棚A〜Dのいずれであるかをパターン赤外光による赤外光画像に基づいて特定して、該特定した座標情報と、棚種別(陳列棚A〜D)と、当該動作を実施した入室者IDと、返却動作を認識した旨を示す返却動作の動作IDとを含む返却動作情報をCPU102に出力する。
【0143】
また、本実施例2の動作認識処理基板111は、入室した遊技客の移動経路を該入室した遊技客に付与した入室者IDに対応付けて記憶する移動経路記憶機能を有することで、距離画像センサ用集積回路(IC)にて抽出した人物が、移動経路が記憶されている人物であるか否かを判定することによって、入口から景品交換室に新たに入場してきた遊技客であることを判定できるようになっており、該新たに入場してきた遊技客であると判定した場合においては、該遊技客に対し、その時点までに既に付与済みの入室者IDに次ぐ番号の入室者IDを付与するとともに、該付与した入室者IDを含む入室情報をCPU102に出力する。
【0144】
尚、動作認識処理基板111は、上記した入室者IDの付与に伴って、該付与した入室者IDに対応付けて該遊技客の可視光画像を記憶することにより、該画像(衣服や髪型や体型等)から当該遊技者を景品交換室に入室中の他の遊技客と識別できるようにする。これら画像に基づく遊技客の識別は、動作認識処理基板111に搭載されている前述した顔認証用集積回路(IC)において実施される。
【0145】
また、本実施例2の動作認識処理基板111は、記憶している各遊技客の移動経路に基づいて遊技客が移動している方向を特定するとともに、該移動方向への移動によって出口または入口から景品交換室外に退室する状況、つまり退室動作をしていることを認識できるようになっており、該退室動作を認識した場合においては、該退室動作を行っている遊技客に付与された入室者IDを特定し、該特定した入室者IDを含む退室情報をCPU102に出力する。
【0146】
次に、本実施例2の景品交換用コンピュータ10’(CPU102)において実施される景品交換処理について、図14に基づき説明すると、景品交換処理においては、図14に示すように、カードリーダライタ15への会員カードまたは計数カードの挿入(受付け)があるか否か(ステップSS1)、動作認識処理基板111からの取り出し動作情報の入力があるか否か(ステップSS2)、動作認識処理基板111からの返却動作情報の入力があるか否か(ステップSS3)、動作認識処理基板111からの入室情報の入力があるか否か(ステップSS4)、動作認識処理基板111からの退室情報の入力があるか否か(ステップSS5)、動作認識処理基板111からの終了動作情報の入力があるか否か(ステップSS6)、動作認識処理基板111からのキャンセル動作情報の入力があるか否か(ステップSS7)、を巡回実施する待機状態で待機する。
【0147】
このステップSS1〜SS7の待機状態において、カードリーダライタ15への新たな会員カードまたは計数カードの挿入(受付け)があった場合、具体的には、カードリーダライタ15への新たな会員カードまたは計数カードの挿入(受付け)に応じて、カードリーダライタ15から受付け通知の入力があった場合には、ステップSS1でYesと判定されてステップSS11に進み、図15に示すカード受付け処理を実施した後、再度、ステップSS1〜SS7の待機状態に戻る。
【0148】
また、ステップSS1〜SS7の待機状態において、遊技客による陳列棚A〜Dからの商品の取り出しに応じて動作認識処理基板111から取り出し動作情報の入力があった場合には、ステップSS2でYesと判定されてステップSS12に進み、図15に示す取り出し商品登録処理を実施した後、再度、ステップSS1〜SS7の待機状態に戻る。
【0149】
また、ステップSS1〜SS7の待機状態において、遊技客による陳列棚A〜Dへの商品の返却に応じて動作認識処理基板111から返却動作情報の入力があった場合には、ステップSS3でYesと判定されてステップSS13に進み、図16に示す返却商品登録消去処理を実施した後、再度、ステップSS1〜SS7の待機状態に戻る。
【0150】
また、ステップSS1〜SS7の待機状態において、新たな遊技客の入室に応じて動作認識処理基板111から入室情報の入力があった場合には、ステップSS4でYesと判定されてステップSS14に進み、入室者登録処理を実施した後、再度、ステップSS1〜SS7の待機状態に戻る。
【0151】
また、ステップSS1〜SS7の待機状態において、遊技客の退室に応じて動作認識処理基板111から退室情報の入力があった場合には、ステップSS5でYesと判定されてステップSS15に進み、退室者確認処理を実施した後、再度、ステップSS1〜SS7の待機状態に戻る。
【0152】
また、ステップSS1〜SS7の待機状態において、店員による終了動作に応じて動作認識処理基板111からの終了動作情報の入力があった場合には、ステップSS6でYesと判定されてステップS16に進み、図18に示す精算処理を実施した後、再度、ステップSS1〜SS7の待機状態に戻る。
【0153】
また、ステップSS1〜SS7の待機状態において、店員によるキャンセル動作に応じて動作認識処理基板111からのキャンセル動作情報の入力があった場合には、ステップSS7でYesと判定されてステップSS17に進み、キャンセル処理を実施した後、再度、ステップSS1〜SS7の待機状態に戻る。
【0154】
以下、上記したSS11〜SS17の各処理が実施される本実施例2の景品交換の流れについて説明すると、例えば、遊技にて獲得した獲得玉数の計数を計数器において終了したビジター遊技者が景品交換を実施する場合には、入口から景品交換室に入室してどのような景品(商品)があるかを、陳列棚A〜Dを見て確認する。
【0155】
この遊技客の景品交換室への入室は、前述したように、動作認識処理基板111において認識されることによって該入室した遊技客に入室者IDが付与され、該付与された入室者IDを含む入室情報が動作認識処理基板111からCPU102に入力され、該入室情報の入力がステップSS4で検知されてステップSS14の入室者登録処理が実施される。
【0156】
この入室者登録処理においては、図13(a)に示すように、該入力された入室情報に含まれる入室者IDを入室者管理テーブルの「入室者ID」の項目データとして追加記憶した後、ステップSS1〜SS7の待機状態に戻る。
【0157】
尚、これら入室情報の出力に際しては、前述したように、当該遊技客を他の入室中の遊技客と識別するための遊技客画像が記憶される。
【0158】
そして、遊技客が交換を希望する景品(商品)を見つけた場合には、該景品(商品)を、例えば陳列棚Aから取り出し、買い物カゴ等に入れていく。
【0159】
この遊技客による景品(商品)の取り出し動作が動作認識処理基板111にて動作認識されることに応じて、前述したように動作認識処理基板111から取り出し動作情報が入力され、該取り出し動作情報の入力がステップSS2で検知されてステップSS12の取り出し商品登録処理(図16)が実施される。
【0160】
本実施例の取り出し商品登録処理においては、図16に示すように、まず、収納ボックス位置情報テーブルに記憶されている各収納ボックス40の座標から、入力された取り出し動作情報に含まれる座標情報並びに棚種別に該当する収納ボックス40の収納ボックス番号を特定し、該収納ボックス番号の収納ボックス40に収納されている商品の商品IDと商品画像とを、該特定した収納ボックス番号に対応付けて商品管理テーブルに記憶されている商品IDと該商品画像ファイルへのパスデータとから特定する(ステップSB1)。
【0161】
そして、ステップSB2に進み、遊技客により取り出された商品が間違いなく特定した商品であるか否かを照合する商品照合処理を実施する。
【0162】
具体的に、該商品照合処理においては、CPU102は、ステップSB1にて特定したパスデータの商品画像ファイルから読み出した商品画像を含む、商品照合要求を動作認識処理基板111に出力する。該商品照合要求の出力に応じて動作認識処理基板111は、該商品照合要求に含まれる商品画像と出力した取り出し動作情報にて認識した取り出し動作により取り出された商品の可視光画像(商品画像)とを、形状や色合い等が一致するか否かにより照合して、照合結果(照合OK、照合NG)を商品照合応答としてCPU102に出力する。
【0163】
この商品照合応答としての照合結果が照合NGである場合においてCPU102は、ステップSB3においてNoと判定してステップSB10に進み、照合NGと判定された商品の商品IDと当該遊技客の入室者IDとを照合エラー情報として記憶した後、ステップSB4に進む。
【0164】
また、商品照合応答としての照合結果が照合OKである場合においてCPU102は、ステップSB3においてYesと判定してステップSB4に進む。
【0165】
このステップSB4においては、入力された取り出し動作情報に含まれる入室者IDに対応付けて取り出し商品の商品IDと数量(1)を入室者管理テーブルに記憶(登録)し、入室者管理テーブルを更新して当該処理を終了する。
【0166】
尚、本実施例の各陳列棚A〜Dには、商品を1個毎に個別に取り出す必要があることが記載された注意書きが張られており、遊技客は、収納ボックス40より1個ずつ商品を取り出すようになっている。但し、収納ボックス40には、同一の商品であっても、2つの商品を袋詰めした商品や、3つの商品を袋詰めした商品が個別の収納ボックス40に異なる商品として収納されており、3つの商品を欲しい場合には、3つの商品を袋詰めした商品を取り出すことで、1個ずつ商品を取り出しても、1度に3つの商品を遊技客が得られるようになっている。
【0167】
また、同一の商品が収納ボックス40より複数個取り出された場合には、入室者管理テーブルに同一の商品IDが既に記憶(登録)されていることになるので、該商品IDに対応する数量に1を加算更新して入室者管理テーブルを更新する。
【0168】
このようにして陳列棚A〜Dから取り出した各商品が、該商品の取り出し動作を行った遊技客に付与された入室者IDに対応付けて入室者管理テーブルに記憶される。
【0169】
尚、このように商品を取り出した遊技客が、カウンタテーブル2’において景品(商品)の精算を実施せずに入口や出口から不正に退室する場合には、該退室動作が動作認識処理基板111にて動作認識されることに応じて前述の退室情報が入力され、該退室情報の入力がステップSS5で検知されてステップSS15の退室者確認処理が実施される。
【0170】
この退室者確認処理においては、該入力された退室情報に含まれる入室者IDに対応付けて入室者管理テーブルに記憶されている商品IDが存在するか否か、つまり、退室動作を行った遊技客が商品(景品)の取り出しを行って商品(景品)を所持しているか否かを判定する。
【0171】
記憶されている商品IDが存在しない場合、つまり、入室して商品(景品)を見たが、交換を希望する商品がないので退室した遊技客の場合には、該退室した遊技客の入室者IDを入室者管理テーブルから削除する。
【0172】
一方、記憶されている商品IDが存在する場合には、不正な商品(景品)の持ち出しが発生していることになるので、遊技客による商品の不正な持ち出しが発生した旨のメッセージを表示装置107に表示して報知する不正持ち出し報知処理を実施する。
【0173】
このように商品の不正な持ち出しが発生したことをカウンタテーブル2’に居る店員が知覚できるので、該不正を行った人物、つまり、退室しようとしている人物を視認して特定できるようになるともに、例えば、所持している警笛等を用いて不正(万引き)の発生を他の店員に報知する等の適切な対応を取ることができる。
【0174】
また、前述したように、陳列棚A〜Dから取り出した各景品(商品)のうち、遊技客が景品交換を思い止まって該景品(商品)を返却したい場合には、該商品を取り出した収納ボックス40に返却する。
【0175】
このように、遊技客が返却したい商品を返却すると、前述したように、該遊技客の返却動作が動作認識処理基板111にて動作認識されることに応じて返却動作情報が入力され、該返却動作情報の入力がステップSS3で検知されてステップSS13の返却商品登録消去処理(図17)が実施される。
【0176】
本実施例2の返却商品登録消去処理においては、図17に示すように、まず、返却される商品の商品IDを特定する返却商品特定処理を実施する(ステップSD1)。
【0177】
この返却商品特定処理においては、収納ボックス位置情報テーブルに記憶されている各陳列棚A〜D毎の各収納ボックス40の座標から、入力された返却動作情報に含まれる座標情報、棚情報に該当する収納ボックス40の収納ボックス番号を特定し、該収納ボックス番号の収納ボックス40に収納されている商品の商品IDを、該特定した収納ボックス番号に対応付けて商品管理テーブルに記憶されている商品IDから特定する。
【0178】
次に、入力された返却動作情報に含まれる入室者IDに対応付けて、入室者管理テーブルに記憶されている商品IDを全て特定する(ステップSD2)。
【0179】
そして、ステップSD1にて特定した返却商品の商品IDが、ステップSD2で特定した入室者管理テーブルに記憶されている商品IDに含まれているか否か、つまり、返却商品が入室者管理テーブルに取り出し商品として記憶(登録)されているか否かを判定する(ステップSD3)。
【0180】
特定した返却商品の商品IDが、ステップSD2で特定した入室者管理テーブルに記憶されている商品IDに含まれていない場合には、ステップSD3においてNoと判定されてステップSD10に進み、商品返却エラー処理を実行する。
【0181】
この商品返却エラー処理においては、商品IDと返却先の収納ボックス番号を記憶するとともに、商品を返却した収納ボックス40を遊技客が間違っている可能性が高いので、収納ボックス番号と商品返却エラーが発生したことを示すメッセージとを表示装置107に表示して店員に報知した後、当該処理を終了する。
【0182】
尚、該報知に応じて店員は、表示装置107に表示された収納ボックス番号から、間違って商品が返却された収納ボックス40並びに該収納ボックス40の近傍に居る遊技客とを確認し、該遊技客に商品を返却したかとともに返却した商品を尋ねて、その商品を当該遊技客に戻し、正規の返却場所である収納ボックス40を教えて該収納ボックス40へ商品を返却させることで、該返却された商品が入室者管理テーブルから削除されることになる。
【0183】
尚、本実施例では、店員の取り出し動作や返却動作を認識していないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら店員の動作を認識して、店員が取り出した商品の商品IDを、該商品を手渡した遊技客の入室者IDに対応付けて入室者管理テーブルに記憶するようにしても良いし、店員が返却した商品の商品IDが入室者管理テーブルに存在する場合には、存在する商品IDの記憶を削除または数量を減算するようにしても良い。但し、このようにする場合にあっては、入室者管理テーブルに同一の商品IDが異なる入室者IDに対応付けて記憶されている場合があるので、例えば、当該商品を店員に手渡した遊技客を特定し、該特定した遊技客の入室者IDに対応付けて入室者管理テーブルに記憶されている当該商品IDの記憶を削除または数量を減算するようにすれば良い。
【0184】
一方、特定した返却商品の商品IDが、ステップSD2で特定した入室者管理テーブルに記憶されている商品IDに含まれている場合にはステップSD4に進んで、ステップSD1にて特定した返却商品の商品IDの入室者管理テーブルにおける記憶(登録)を削除する。尚、本実施例2では、商品の取り出しと同様に、遊技客は、収納ボックス40への商品の返却を1個ずつ行うようになっており、商品が返却された場合には、該商品の商品IDに対応する数量が1であるか否かを判定し、1でない場合には、数量を1減算することで当該返却商品の登録を削除し、数量が1である場合には、当該商品の商品IDと数量1の登録(記憶)を消去することで、当該返却商品の登録(記憶)を削除して当該処理を終了する。
【0185】
このように、本実施例2では、特に、多くの遊技客の動作を平行して認識する必要があることから、商品の返却を1個ずつ実施させることで、返却される商品の個数を返却動作の認識回数によって確実に特定できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1回の返却動作にて返却した商品数を画像認識にて計数することや、各収納ボックス40に、返却された商品数を商品に取り付けられているタグ等によりカウントする計数センサを設ける等により、1回の返却動作にて複数個の商品を返却可能としても良い。
【0186】
このように、入室した遊技客が商品の取り出しや返却等を実施して、景品交換を実施したい商品を決定した場合は、該商品をカウンタテーブル2’に持参して精算を行う。
【0187】
カウンタテーブル2’において遊技客は、所持している計数カード(または会員カード)をカードリーダライタ15に挿入する。
【0188】
この計数カードの挿入はステップS1にて検出されてステップS11に進み、図15に示すカード受付け処理が実施される。
【0189】
このカード受付け処理においては、図15に示すように、まず、該挿入されたカードからカードリーダライタ15によって読み出されたカードIDが、会員カードに該当するカードIDであるか否かに基づいて、挿入されたカードが会員カードであるか否かを判定する(ステップSC1)。
【0190】
会員カードである場合にはステップSC17に進んで、暗証番号の受付けを伴う会員カード認証処理を実施する一方、会員カードでない場合、つまり計数カードである場合にはステップSC2に進んで、計数カード認証処理を実施する。よって、上述したように計数カードである場合には、計数カード認証処理が実施されることになる。
【0191】
ステップSC17の会員カード認証処理においては、まず、カードリーダライタ15において会員遊技者から暗証番号の受付けを実施し、該受付けた暗証番号とカードリーダライタ15により会員カードから読み出したカードIDとを含む認証要求を管理コンピュータに送信して、該カードIDに対応付けて管理コンピュータにおいて記憶、管理されている暗証番号と一致するか否かを認証させ、該認証結果と認証OKである場合には該カードIDに対応付けて記憶されている持玉数(存在する場合のみ)と貯玉数を管理コンピュータから受信する。
【0192】
一方、ステップSC2の計数カード認証処理においては、カードリーダライタ15に受付けた該計数カードから読み出したカードIDと計数玉数とを含む認証要求を管理コンピュータに送信して、該カードIDに対応付けて管理コンピュータにおいて記憶、管理されている計数玉数と一致するか否かを認証させ、該認証結果を管理コンピュータから受信する。
【0193】
次いで、管理コンピュータから受信した認証結果が認証OKであるか否かを判定し(ステップSC3)、認証NGである場合には、ステップSC18に進んで受付け中のカードを返却(排出)するカード排出処理を実施して、ステップSS1〜SS7の待機状態に戻る一方、認証OKである場合には、ステップSC4に進んで、景品交換に利用可能な利用可能金額(会員カードの場合には各レートの持玉数と貯玉数の合計数に基づく金額、計数カードの場合には各レートの計数玉数に基づく金額)が、最も交換金額が少ない商品の金額である最小交換金額以上であるか否か、つまり、景品交換が可能な利用可能金額を所持しているか否かを判定する。
【0194】
最小交換金額以上でない場合には、ステップSC18に進んで受付け中のカードを返却(排出)するカード排出処理を実施してステップSS1〜SS7の待機状態に戻る一方、最小交換金額以上である場合には、該利用可能金額を遊技者用ディスプレイ16に表示した後にステップSC5に進んで、該カードを挿入したカード使用者を特定するカード使用者特定処理を実施する。
【0195】
このカード使用者特定処理においては、カードリーダライタ15に受付けたカード(計数カードまたは会員カード)を挿入した遊技客の入室者IDを特定する。具体的にCPU102は、動作認識処理基板111に対して、精算者特定要求を出力する。
【0196】
この精算者特定要求の出力に応じて動作認識処理基板111は、撮像ユニット13にて撮像された可視光撮像画像において、カウンタテーブル2’を含む所定領域(精算場所領域)に現存している人物を全て特定し、該人物が店員であるか否かを予め記憶されている店員の顔画像に基づいて判別するとともに、店員ではないと判別された人物について、入室時に記憶されている入室中の遊技客の画像と照合して、入室中のどの遊技客と一致するかを特定することで入室者IDを特定し、該特定した入室者IDをCPU102に対し精算者特定応答として出力する。
【0197】
尚、これら遊技客の照合においては、前述したように、撮像ユニット13にて撮像する場合には、遊技者の背後からの画像となるため、顔画像を正確に撮像することが難しいことから衣服の色や種別、髪型や体型に基づいて一致、不一致を判定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、入口に入室者の顔画像を撮像するための撮像カメラと、カウンタテーブル2’上の遊技者用ディスプレイ16に撮像カメラを別途設けて、該撮像カメラにて撮像した顔画像を照合することで、遊技客の入室者IDを特定するようにしても良い。
【0198】
次に、ステップSC5において特定した入室者IDに対応付けてカードIDや利用可能金額等を入室者管理テーブルに登録する。具体的には、カードリーダライタ15に受付けた該計数カードから読み出したカードID(受付けカードID)と1円レートの計数玉数(レート1円玉数)、4円レートの計数玉数(レート4円玉数)、これら1円レートの計数玉数に景品交換レート(等価交換であれば1円)を乗じた額と4円レートの計数玉数に景品交換レート(等価交換であれば4円)を乗じた額の合計である利用可能金額と、その時点において記憶されている各商品の交換金額に当該商品の数を乗じた合計額(交換必要金額)を利用可能金額から減じた利用可能残額とを格納する(ステップSC6)。
【0199】
そして、ステップSC6+に進んで、当該遊技客の入室者IDが照合エラー情報として記憶されているか否か、つまり、該遊技客が取り出した商品に照合できていない商品が含まれているか否かを判定し、照合エラー情報として記憶されている場合には、ステップSC20の商品確認処理に移行する。
【0200】
この商品確認処理においては、商品確認が必要であることを示すメッセージとともに、当該入室者IDとともに照合エラー情報として記憶されている照合が未完了の商品の商品IDと該商品IDから特定される商品名とが照合未完了商品として表示装置107に表示されるとともに、該入室者IDに対応付けて入室者管理テーブルに記憶されている他の商品の商品IDと商品名とが照合完了商品として表示装置107に表示されることで、該表示を確認した店員が、遊技客が持参した商品が照合未完了商品として表示された商品と一致するか否かを確認する。
【0201】
一致する場合には一致することを店員が入力することで当該商品確認処理を終了してステップSC7に進む一方、一致しない場合には、表示装置107に表示されている照合済みの商品と遊技客が持参した商品とを照合して、照合エラーとなった商品を特定し、所定の変更操作を実施することにより、照合エラーとなった商品を該特定した商品に変更して当該商品確認処理を終了してステップSC7に進む。
【0202】
そして、ステップSC7に進んで、ステップSC6にて格納した利用可能残額がマイナスであるか否かを判定する。
【0203】
利用可能残額がマイナスである場合、つまり、利用可能金額の不足により全ての商品について交換金額の決済が不能である場合には、ステップSC14に進んで、表示装置107並びに遊技者用ディスプレイ16に、商品代金の精算が不能である旨のメッセージを表示して当該処理を終了する。
【0204】
尚、受付けたカードが会員カードであって、持玉数と貯玉数の双方が存在する場合にあっては、持玉数に基づく利用可能金額では不足して交換が不能であるが、持玉数と貯玉数を合計した玉数に基づく利用可能金額では不足なく交換が可能であることを報知するようにすることや、貯玉数に基づく利用可能金額では不足して交換が不能であるが、持玉数と貯玉数を合計した玉数に基づく利用可能金額では不足なく交換が可能であることを報知するようにすること等のように、遊技客が所有している所有価値の種別単位で交換が可能であるか否かを報知するようにしても良い。
【0205】
これら利用可能金額が不足している場合、つまり、過度に商品を取り出している場合には、前述したように、取り出した商品の一部を当該遊技客が返却することにより、該返却した商品の登録が入室者管理テーブルから削除されて、利用可能残額が0またはプラスの状態となった状態において、店員または遊技客が終了動作をすることにより、該店員または遊技客の終了動作が動作認識処理基板111にて動作認識されることに応じて終了動作情報が入力されることで、ステップSS16の精算処理(図18)が実施されることになる。
【0206】
尚、上記した利用可能金額が不足している場合の商品の返却を、該商品を取り出した収納ボックス40まで遊技客が出向いて実施すると、該返却に時間を要することで精算処理の効率が低下してしまう畏れがあるので、例えば、遊技者用ディスプレイ16に遊技客が操作可能な透明タッチパネルを設けるとともに、カウンタテーブル2’に近傍位置に、返却専用ボックスを配置しておき、取り出した全ての商品のリストを遊技者用ディスプレイ16に表示して、該表示した商品リストの中から返却する商品を遊技客に選択させるとともに、該選択した商品を返却専用ボックスに返却する当該遊技客の動作を認識したことに応じて、該商品を入室者管理テーブルから削除するようにしても良い。また、この返却専用ボックスへの返却動作を検出した際において、実施例1の商品照合と同様に、返却される商品の照合を実施するようにしても良い。
【0207】
一方、利用可能残額がマイナスでない場合には、ステップSC8に進んで商品代金決済処理を実施する。
【0208】
具体的には、ステップSC6において算出した交換必要金額(利用可能金額と利用可能残額との差額に相当)並びにカードリーダライタ15に受付け中のカードIDを特定し、該特定した交換必要金額に対応する計数玉数を算出して、該算出した計数玉数と特定したカードIDとを含む減算要求を管理コンピュータに送信して、管理コンピュータにおいて該カードIDに対応付けて管理されている計数玉数から、該計数玉数を減算更新させる。そして、該管理コンピュータから減算完了通知を受信したことに応じて、カードリーダライタ15に受付け中の計数カードに記憶されている計数玉数のデータを、減算要求に含まれる計数玉数を減算した新たな計数玉数のデータに書き換え更新する。尚、受付け中のカードが会員カードである場合には、カードに計数玉数のデータが記憶されていないので、これら計数玉数のデータの書き換え更新は実施しない。
【0209】
尚、入室者管理テーブルにレートの異なる玉数が記憶されている場合においては、いずれかのレート、例えば1円レートの玉数を優先的に使用するようにして、優先する1円レートの玉数で不足する分を4円レートの玉数から減算するようにすれば良い。尚、優先する1円レートの玉数で不足している場合においては、1円レートの玉数で不足していることを遊技客に報知するとともに、不足する分を4円レートの玉数から使用して良いか否かを遊技客から受付けるようにしても良い。
【0210】
また、管理コンピュータから減算完了通知の受信に応じて景品交換用コンピュータ10’は、受付け中のカードのカードIDに対応付けて入室者管理テーブルに記憶されている全ての商品IDと数量とをリセット(消去)し、該景品交換の景品交換履歴を景品交換履歴データに追加記憶するとともに、該景品交換の内訳が印刷されたレシートをプリント装置108から発行する。
【0211】
そして、ステップSC9に進み、受付け中のカードが計数カードであるか否かを、例えばカードIDから判定し、計数カードではない場合、つまり会員カードである場合にはステップSC13に進んで該会員カードをカードリーダライタ15から返却(排出)させる。
【0212】
一方、計数カードである場合には、カードに更新記憶した新たな計数玉数が相当する利用可能金額が最小交換金額以上であるか否かを判定する。
【0213】
最小交換金額以上である場合には、ステップSC13に進み、該計数カードをカードリーダライタ15から返却(排出)させる一方、最小交換金額以上でない場合には、ステップSC11に進み、該計数カードをカードリーダライタ15において回収させる。
【0214】
そして、ステップSC12に進んで、入室者管理テーブルから、当該返却または回数したカードIDや、該カードIDに対応する各レートの玉数や利用可能金額並びに利用可能残額のデータを消去した後、ステップSS1〜SS7の待機状態に戻る。
【0215】
尚、これら精算を完了した遊技客は、精算を完了した商品を持って出口から退室するので、これら退室に応じて前述した退室情報が入力されることにより、該退室した遊技客の入室者IDが入室者管理テーブルから削除されるとともに、該遊技客の入室時に記憶された遊技客画像も消去される。
【0216】
また、上述したように、遊技者または店員によって終了動作が実施されると、動作認識処理基板111から終了動作情報が入力され、該終了動作情報の入力がステップSS6で検知されてステップSS16の精算処理(図18)が実施される。
【0217】
この精算処理においては、図18に示すように、まず、その時点において入室者管理テーブルに記憶されているカードIDに対応する利用可能残額がマイナスであるか否かを判定する(ステップSE1)。
【0218】
利用可能残額がマイナスである場合、つまり、利用可能金額の不足により全ての商品について交換金額の決済が不能である場合には、ステップSE7に進んで、表示装置107並びに遊技者用ディスプレイ16に、商品代金の精算が不能である旨のメッセージを表示して当該処理を終了する。
【0219】
一方、利用可能残額がマイナスでない場合には、ステップSE8に進んで商品代金決済処理を実施する。
【0220】
具体的には、その時点において入室者管理テーブルに、受付け中の計数カードのカードIDと、該カードIDに対応付けて記憶されている利用可能金額と利用可能残額との差額、つまり、取り出された各商品(景品)の交換金額にその数量を乗じた金額の合計額を特定し、該特定した合計額に対応する計数玉数を算出して、該算出した計数玉数と特定したカードIDとを含む減算要求を管理コンピュータに送信して、管理コンピュータにおいて該カードIDに対応付けて管理されている計数玉数から、該計数玉数を減算更新させる。そして、該管理コンピュータから減算完了通知を受信したことに応じて、カードリーダライタ15に受付け中の計数カードに記憶されている計数玉数のデータを、減算要求に含まれる計数玉数を減算した新たな計数玉数のデータに書き換え更新する。尚、受付け中のカードが会員カードである場合には、カードに計数玉数のデータが記憶されていないので、これら計数玉数のデータの書き換え更新は実施しない。
【0221】
尚、入室者管理テーブルにレートの異なる玉数が記憶されている場合においては、いずれかのレート、例えば1円レートの玉数を優先的に使用するようにして、優先する1円レートの玉数で不足する分を4円レートの玉数から減算するようにすれば良い。
【0222】
また、管理コンピュータから減算完了通知の受信に応じて景品交換用コンピュータ10’は、受付け中のカードのカードIDに対応付けて入室者管理テーブルに記憶されている全ての商品IDと数量とをリセット(消去)し、該景品交換の景品交換履歴を景品交換履歴データに追加記憶するとともに、該景品交換の内訳が印刷されたレシートをプリント装置108から発行する。
【0223】
そして、ステップSE3に進み、受付け中のカードが計数カードであるか否かを、例えばカードIDから判定し、計数カードではない場合、つまり会員カードである場合にはステップSE8に進んで該会員カードをカードリーダライタ15から返却(排出)させる。
【0224】
一方、計数カードである場合には、カードに更新記憶した新たな計数玉数が相当する利用可能金額が最小交換金額以上であるか否かを判定する。
【0225】
最小交換金額以上である場合には、ステップSE8に進み、該計数カードをカードリーダライタ15から返却(排出)させる一方、最小交換金額以上でない場合には、ステップSE8に進み、該計数カードをカードリーダライタ15において回収させる。
【0226】
そして、ステップSE6に進んで、入室者管理テーブルから、当該返却または回数したカードIDや、該カードIDに対応する各レートの玉数や利用可能金額並びに利用可能残額のデータを消去した後、当該処理を終了してステップSS1〜SS7の待機状態に戻る。
【0227】
尚、これら精算を完了した遊技客は、精算を完了した商品を持って出口から退室するので、これら退室に応じて前述した退室情報が入力されることにより、該退室した遊技客の入室者IDが入室者管理テーブルから削除されるとともに、該遊技客の入室時に記憶された遊技客画像も消去される。
【0228】
以上、本実施例2によれば、遊技客自身の取り出し動作が認識されるので、遊技客(遊技者)は、取引である景品交換を希望する商品(景品)を間近で吟味できるようになるので、商品間違いの発生を著しく低減できるばかりか、これら景品交換を希望する商品を、店員に指示する面倒も解消することができる。
【0229】
また、本実施例2によれば、異常行動となる、精算を実施せずに景品交換室から退室する動作、つまり、景品交換室や店舗外への不正な商品の持ち出し(万引き)が報知されるので、これら不正な商品の持ち出しに対して適切な対応を取ることができる。
【0230】
また、前記各実施例によれば、動作検出の対象となる店員や遊技客毎に景品交換用コンピュータや撮像ユニットを設ける必要がないので、店舗の導入負担を低減できるばかりか、これら各景品交換用コンピュータにおいて同一店員や同一遊技客が取り出した商品(景品)の記憶や決済が重複して実施されてしまうことを確実に回避できる。
【0231】
また、前記各実施例によれば、取り出した商品(景品)の取引価値の大きさの合計となる交換必要金額が、遊技客(取引客)が所有している所有価値の大きさである利用可能金額で決済可能であるか否かが、利用可能残額がマイナスであるか否かに基づいて報知されるので、商品を過度に取り出しているか否かを店員や遊技客が的確に把握できるようになるので、これら報知がなされないように商品の取り出しを行うことで、商品取引の効率を向上できる。
【0232】
また、前記各実施例によれば、取り出した商品(景品)の一部を返却することで、該返却した商品(景品)の景品交換対応テーブルや入室者管理テーブルにおける取り出し商品としての記憶が削除されるため、取り出した商品を全て返却して、再度、取り出し直す必要がないので、商品取引の効率を向上できる。
【0233】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0234】
例えば、前記実施例では、店舗として遊技場を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら店舗としては、環境音が大きい店舗、例えば、野球場のように歓声等による環境音が大きな施設に設置されて飲食物等を提供する小規模の店舗や、駅等の電車による騒音が大きな場所に設置されている小規模の店舗や、カラオケやディスコ等のように音量の大きな音楽等が流されている店舗等であっても良く、これらの店舗においては、取引としては景品交換ではなく商品の販売が取引に該当する。
【0235】
また、前記実施例では、遊技者が所有する利用可能金額にて交換可能か否かを報知する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、実施例1における陳列棚14において、その時点の利用可能残額にて交換可能な商品を特定し、該特定した商品を店員や遊技客が把握できるように、例えば、交換可能な商品の収納ボックス40内に設けられた照明を点灯するようにしても良い。
【0236】
また、前記実施例2では、利用可能金額にて遊技客が取り出した商品を交換可能か否かを単に報知する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの報知において、例えば、1の返却によって利用可能金額の範囲内となる取り出し商品を特定して、返却候補の商品として遊技者用ディスプレイ16に表示するようにしても良い。
【0237】
また、前記実施例では、景品交換履歴を外部に送信していないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら景品交換履歴を精算処理において景品交換用コンピュータ10、10’が外部の管理装置に送信することで、該景品交換用コンピュータ10、10’がPOS端末の機能を有するようにしても良い。
【0238】
また、前記実施例2では、カウンタテーブル2’にカードリーダライタ15や遊技者用ディスプレイ16や景品交換用コンピュータ10を配置して、遊技客が商品の取り出しを実施した後に、該取り出した商品をカウンタテーブル2’に持参し、所持している計数カードや会員カードをカードリーダライタ15に挿入することで利用可能残額に基づく交換の可否を遊技客に報知するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、入口にカードリーダライタ15を設置しておき、景品交換室への入室時にカードリーダライタ15に計数カードや会員カードを挿入することで、景品交換室へ入室した遊技客が所有する利用可能金額を、該遊技客が商品を取り出す前に特定できるようにしておくとともに、該入室した遊技客に対して、実施例1における無線インカム或いはインカム通信機17から送信される音声メッセージを受信して出力可能な商品トレー等を配布して、実施例1の場合と同様に、商品の取り出しに応じて利用可能残額を個々の遊技客に通知するようにしても良い。
【0239】
また、前記実施例では、画像により商品の照合を実施する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、全商品に当該商品の商品IDが記憶されたRF−IDタグを付着するとともに、各収納ボックス40毎にRF−IDタグリーダを設けて、取り出される商品に付着されているRF−IDタグから読み取った商品IDが、遊技者の取り出し動作により特定した商品の商品IDと一致するか否かを照合するようにしても良い。
【0240】
また、前記実施例2では、出口に設置されたカウンタテーブル2’に店員を配置することで、遊技客が持参した商品を店員がチェックできるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら店員を配置せずに、例えば、商品管理テーブルに各商品の重量を記憶しておくととに、カウンタテーブル2’にデジタル重量計を設置して遊技客が持参した商品の総重量を測定し、入室者管理テーブルに登録された各商品と商品数とから算出される総重量と測定した総重量とを照合して、重量が一定の誤差範囲内で一致する場合には確認OKとする一方、一定の誤差範囲内で一致しない場合には確認NGとして報知することにより、商品の確認を景品交換用コンピュータ10’が実施できるようにしても良い。
【0241】
また、前記実施例では、商品管理テーブルに予めデータが記憶されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、景品交換用コンピュータ10、10’において所定操作を実施して、景品交換用コンピュータ10、10’のモードを商品陳列モードに移行させ、陳列する商品IDを入力した後、該商品を陳列棚14や陳列棚A〜Dの収納ボックス40に陳列することで、入力した商品IDが収納された収納ボックス40の番号が特定されて、商品管理テーブルに自動的に登録するようにしても良い。尚、この際にあっては、商品の取り出しと同様に、入力された商品IDから特定される商品と、実際に収納(陳列)される商品とが一致するか否かを商品画像に基づいて照合するようにしても良い。また、商品IDの入力を、当該商品に付与されているバーコードの読み取りや、当該商品に付与されているRF−IDタグの読み取りにより景品交換用コンピュータ10、10’に入力するようにしても良い。
【0242】
また、前記実施例では、複数の1円や4円のレートの各玉数に基づく交換可能金額との比較を容易とするために、各景品(商品)との交換に必要な価値の大きさを交換金額として商品管理テーブルに記憶しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技場におけるレートが4円のレートのみである場合等にあっては、各景品(商品)との交換に必要な価値の大きさを交換玉数として商品管理テーブルに記憶し、会員カードまたは計数カードから特定される計数玉数又は持玉数や貯玉数に基づく利用可能玉数と各商品の交換玉数とに基づいて景品(商品)の交換を実施するようにしても良い。
【0243】
また、前記実施例1では、取り出し商品登録処理において、入力された取り出し動作情報に店員以外を示す「0000」の店員IDが含まれている場合には、店員以外の人物による商品の不正取り出しが発生したことを報知する不正取り出し報知処理を実施することで、店員以外の人物による商品の不正取り出しの発生を報知するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、入力された取り出し動作情報に店員IDが含まれている場合であっても、該店員IDが各対応口にて接客対応している店員の店員IDであるか否かを判定して、接客対応している店員の店員IDではない場合には、接客対応している店員以外の店員による商品の取り出しがあったことを、店員以外の人物による不正取り出しの場合の報知態様とは異なる態様にて報知するようにしても良い。
【符号の説明】
【0244】
2 カウンタテーブル
10 景品交換用コンピュータ
10’ 景品交換用コンピュータ
11 撮像ユニット
11a 赤外光放射部
11b 赤外線撮像部
11c 可視光撮像部
12 撮像ユニット
12a 赤外光放射部
12b 赤外線撮像部
12c 可視光撮像部
13 撮像ユニット
13a 赤外光放射部
13b 赤外線撮像部
13c 可視光撮像部
14 陳列棚
15 カードリーダライタ
15a〜c カードリーダライタ
16 遊技者用ディスプレイ
16a〜c 遊技者用ディスプレイ
17 インカム通信機
18 無線インカム
102 CPU(中央演算処理ユニット)
105 記憶装置
107 表示装置
111 動作認識処理基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設置され、該店舗において取り出し可能に陳列された複数種類の商品のうちから、取引者により取り出された商品の取引を行う商品取引装置であって、
前記取引者を撮像するための取引者撮像手段と、
前記取引者撮像手段にて撮像した画像に基づいて、前記商品を取り出す取出動作を認識する取出動作認識手段と、
前記取出動作認識手段による取出動作の認識結果に基づいて、該取出動作を行った取引者が取り出した商品を特定する取り出し商品特定手段と、
前記取り出し商品特定手段にて特定した商品を取引商品として記憶する取引商品記憶手段と、
前記取引商品記憶手段に記憶されている取引商品の取引価値の大きさを決済する決済手段と、
を備える
ことを特徴とする商品取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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