説明

商品情報処理装置及びプログラム

【課題】賞味期限や消費期限等の期限日時に応じた値引処理を効率的に行うこと。
【解決手段】撮像手段が撮像した販売登録の対象となる対象商品の画像から、当該対象商品に付された期限表示ラベルを検出し、前記対象商品の賞味期限又は消費期限を表した期限日時を読み取る期限日時読取手段と、現在日時を計時する計時手段と、前記計時手段が計時した現在日時と、前記期限日時読取手段が読み取った期限日時とに基づき、前記現在日時から前記期限日時までの残存期間を算出する算出手段と、前記算出手段が算出した残存期間に応じて前記対象商品の値引を行う値引手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の小売店では、生鮮品等の廃棄ロスを削減するために、賞味期限や消費期限等の期限日時が近付いた商品を値引して販売することがしばしば行われている。この場合、店側は、値引額を表示したラベル(以下、値引ラベルという)を商品に貼付することで、顧客に値引対象の商品であることを明示している。また、POS(Point Of Sales)端末のオペレータは、顧客が買上げる商品に値引ラベルが貼付されている場合には、スキャナで当該商品のバーコードを読み取るとともに、キーボードやタッチパネル等を操作することで値引に関する処理を行っている。
【0003】
また、従来、商品に付帯されたバーコードの読み取りに関し、CCD等のイメージセンサを用いて、バーコード及び値引ラベルを撮像し、撮像した画像から読み取った商品コード及び値引に関する情報をPOS端末に出力することで、POS端末における値引処理を自動的に行う技術が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の販売方法や技術では、期限日時が近付いた商品に値引ラベルを貼付する必要があり、また、期限日時に近付くにつれて値引額を変更するような場合には、値引ラベルをその都度張り替える必要があるため、利便性に欠けるものとなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施の形態の商品情報処理装置は、期限日時読取手段と、計時手段と、算出手段と、値引手段とを備えている。期限日時読取手段は、撮像手段が撮像した販売登録の対象となる対象商品の画像から、当該対象商品に付された期限表示ラベルを検出し、前記対象商品の賞味期限又は消費期限を表した期限日時を読み取る。計時手段は、現在日時を計時する。算出手段は、計時手段が計時した現在日時と、入力受付手段が受け付けた期限日時とに基づき、現在日時から期限日時までの残存期間を算出する。値引手段は、算出手段が算出した残存期間に応じて前記対象商品の値引を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、チェックアウトシステムの構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図2は、POS端末及び商品コード読取装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、PLUファイルの一例を示す図である。
【図4】図4は、値引設定ファイルの一例を示す図である。
【図5】図5は、撮像部の撮像領域と商品との関係の一例を示す図である。
【図6】図6は、表示ラベルの他の例を示す図である。
【図7】図7は、商品コード読取装置が行う情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、POS端末が行う売上登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、値引設定ファイルの他の例を示す図である。
【図10】図10は、値引設定ファイルの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下図面を参照し、チェックアウトシステムを例に本実施形態に係る商品情報処理装置及びプログラムを説明する。本実施形態は、飲食店やスーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムへの適用例である。
【0008】
図1は、本実施形態に係るチェックアウトシステムの構成を概略的に示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトシステムは、POS端末100と商品コード読取装置200とを備える。
【0009】
POS端末100は、顧客が購入する商品の販売登録を行うための商品情報処理装置であって、チェックアウト台11に載置されている。POS端末100は、キーボード101と、オペレータ用の表示器102と、顧客用の表示器103と、プリンタ104と、ドロワ105とを備えている。なお、POS端末100が備える各部については後述する。
【0010】
また、チェックアウト台11とL字を形成するようにして、横長テーブル状のカウンタ台12が配置されている。カウンタ台12の上面には、荷受面13が形成されている。商品コード読取装置200は、この荷受面13に載置され、有線又は無線によりPOS端末100との間で通信可能に接続されている。
【0011】
商品コード読取装置200は、商品に付帯(貼付)されたコードシンボルを読み取って、該コードシンボルが含む商品コードをPOS端末100に出力するための装置である。図1に示すように、商品コード読取装置200は、読取窓201と、キーボード202と、オペレータ用の表示器203と、顧客用の表示器204とを備えている。なお、商品コード読取装置200が備える各部については後述する。
【0012】
荷受面13には、後述するコードラベルやサービス表示ラベルが貼付された各商品Gを収納する買物カゴ14が載置される。買物カゴ14は、顧客によって持ち込まれる第1の買物カゴ14aと、第1の買物カゴ14aから商品コード読取装置200を挟んだ位置に載置される第2の買物カゴ14bと、に分別される。
【0013】
顧客によって持ち込まれた第1の買物カゴ14aには、一取引に係る商品Gが収納されている。商品Gには、バーコードや二次元コード等のコードシンボルを表した表示ラベルが貼付されている。コードシンボルには、商品Gに関する商品コードが符号化された状態で保持されている。ここで商品コードは商品Gを特定するために各商品に割り当てられたコードであり、一例としてJANコードがある。
【0014】
第1の買物カゴ14a内の商品Gは、商品コード読取装置200を操作するオペレータにより第2の買物カゴ14bへと移動される。この移動過程で、表示ラベルが商品コード読取装置200の読取窓201に向けられる。この際、読取窓201内に設けられた後述する撮像部216(図2参照)は、表示ラベルを撮像する。
【0015】
商品コード読取装置200では、撮像部216により撮像された画像に含まれるコードシンボルを検出しデコード(復号)することで、商品Gに関する商品コードを読み取る。なお、以下ではコードシンボルとしてバーコードを用いた例を説明するが、これに限らず二次元コードを用いる形態としてもよい。
【0016】
次に、図2を参照して、チェックアウトシステムの構成について説明する。ここで、図2は、POS端末100及び商品コード読取装置200の構成を示すブロック図である。
【0017】
図2に示すように、POS端末100は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112及びRAM(Random Access Memory)113を備えている。
【0018】
CPU111は、ROM112や後述する記憶部114に記憶された各種プログラムを実行することにより、POS端末100を統括的に制御する。ROM112は、基本動作を行うためのプログラムが記憶される。RAM113は、POS端末100の主記憶装置であって、CPU111のワークエリアとして機能する。
【0019】
また、CPU111には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、上述したキーボード101、表示器102、表示器103、プリンタ104及びドロワ105が接続されている。
【0020】
キーボード101は、POS端末100を操作するオペレータから入力されたキーの情報(以下、キー情報という)をCPU111に通知する入力デバイスである。このキーボード101には、数字や演算子を入力するためのテンキーや、一取引に係る業務(販売登録)を開始するためのキー、商品代金の決済に必要な「締め」キー等の各種操作キーが配設されている(何れも図示せず)。
【0021】
表示器102及び表示器103は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスを有し、CPU111の指示に基づいて商品の名称や価格等の各種の情報を表示する。ここで、表示器102は、POS端末100を操作するオペレータ用の表示器であって、その表示面がオペレータに向けて配置されている(図1参照)。また、表示器103は、顧客用の表示器であって、その表示面が顧客に向けて配置されている(図1参照)。なお、表示器102をタッチパネル構成とすることで、キーボード101の全てのキー又は一部のキーをタッチパネル上に実現する形態としてもよい。
【0022】
プリンタ104は、サーマルプリンタ等の印刷装置であって、CPU111の制御に従い、レシートやジャーナル等を印字する。ドロワ105は、現金等を収容するためのキャッシュドロワであって、CPU111の制御に従い開閉する。
【0023】
また、CPU111には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、記憶部114、計時部115及び通信I/F116が接続されている。
【0024】
記憶部114は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体であって、CPU111が実行可能なプログラムや各種ファイルを記憶している。記憶部114に記憶されるプログラムの一例は、売上登録処理用のプログラム114aである。また、記憶部114に記憶されるファイルの一例は、PLUファイル114b、値引設定ファイル114c、売上ファイル114d等である。
【0025】
ここで、PLUファイル114bは、各商品に関する情報を保持するためのファイルである。具体的に、PLUファイル114bには、商品の種別を表す部門コード、各商品にユニークに割り当てられた商品コード、その商品の商品名や価格等が対応付けて保持されている。図3は、PLUファイル114bの一例を示す図である。同図に示すように、PLUファイル114bには、各商品を表す商品コード毎に、部門コード、商品コード、商品名及び価格を対応付けたレコードが格納されている。
【0026】
値引設定ファイル114cは、賞味期限や消費期限(以下、総称して期限日時という)に応じた値引額を定義するためのファイルである。図4は、値引設定ファイル114cの一例を示す図である。同図に示すように、値引設定ファイル114cは、各商品の種別を表す部門コード毎に、値引の対象となる残存期間の条件を定めた残存期間条件と、その残存期間条件に応じた値引額とを対応付けたレコードを保持している。ここで、残存期間条件では、値引の対象とする残存期間を段階的に定めており、残存期間が小さくなるにつれて値引額が大きくなるよう設定している。例えば、期限日時に到達するまでの残存期間が3時間30分である場合には、残存期間条件“4時間前迄”に該当するため、この残存期間条件“4時間前迄”に対応付けられた値引額“10円”が適用される。
【0027】
また、売上ファイル114dは、POS端末100での売上登録処理により、各取引で購入された商品の商品コードや数量、金額等の売上情報を格納するファイルである。
【0028】
図2に戻り、計時部115は、RTC(Real Time Clock)等の計時装置であって、計測した現在日時をCPU111に出力する。通信I/F116は、商品コード読取装置200とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU111は、この通信I/F116を介し、商品コード読取装置200との間で種々のデータを送受信する。
【0029】
また、CPU111は、ROM112又は記憶部114が記憶するプログラムとの協働により、図2に示すように、決済処理部121を実現させる。
【0030】
ここで、決済処理部121は、算出手段及び値引手段として機能する機能部である。決済処理部121は、通信I/F116を介し商品コード読取装置200から送信(入力)された商品コードを受け付け、当該商品コードに対応するレコードをPLUファイル114bから読み出す。
【0031】
また、決済処理部121は、商品コード読取装置200から商品コードとともに期限日時を表わす後述する期限日時情報を受け付けると、この期限日時と現在日時とに基づいて、現在日時から期限日時までの残存期間を算出する。そして、決済処理部121は、値引設定ファイル114cを参照し、PLUファイル114bから読み出した部門コードに対応する残存期間条件の何れかに、算出した残存期間が該当するか否かを判定する。そして、決済処理部121は、算出した残存期間が何れかの残存期間条件に該当すると判定した場合に、その残存期間条件に対応付けられた値引額を商品の価格から値引する。
【0032】
また、決済処理部121は、PLUファイル114bから読み出したレコードに基づき、当該レコードに対応する商品の販売登録を行う。ここで、販売登録とは、PLUファイル114bから読み出した各商品のレコードを、その商品の購入数等と関連付けてRAM113に保持することを意味する。また、決済処理部121は、キーボード101の「締め」キーの入力に応じて、販売登録した各商品の価格及び販売個数から全商品の購入金額を算出し、表示器102及び表示器103への表示や、プリンタ104からのレシート出力を行う。そして、決済処理部121は、算出した購入金額を、販売登録した各商品の商品コードや購入数等とともに、一取引分の取引内容として売上ファイル114dに登録する。
【0033】
次に、商品コード読取装置200の構成について説明する。図2に示すように、商品コード読取装置200は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU211、ROM212及びRAM213を備え、期限日時読取手段及びコード読取手段として機能する。
【0034】
CPU211は、ROM212や後述する記憶部217に記憶された各種プログラムを実行することにより、商品コード読取装置200を統括的に制御する。ROM212は、基本動作を行うためのプログラムが記憶される。RAM213は、商品コード読取装置200の主記憶装置であって、CPU211のワークエリアとして機能する。
【0035】
また、CPU211には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、上述したキーボード202、表示器203及び表示器204が接続されている。
【0036】
キーボード202は、商品コード読取装置200を操作するオペレータから入力されたキー情報をCPU211に通知する入力デバイスである。このキーボード202は、主にバーコードで登録不能な商品の登録を行う場合に用いられる。
【0037】
表示器203及び表示器204は、LCD等の表示デバイスを有し、CPU211の指示に基づいて商品の名称や価格等の各種の情報を表示する。ここで、表示器203は、商品コード読取装置200を操作するオペレータ用の表示器であって、その表示面がオペレータに向けて配置されている(図1参照)。また、表示器204は、顧客用の表示器であって、その表示面が顧客に向けて配置されている(図1参照)。なお、表示器203をタッチパネル構成とすることで、キーボード202の全てのキー又は一部のキーを該タッチパネル上に実現する形態としてもよい。
【0038】
また、CPU211には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、通信I/F214、計時部215、撮像部216及び記憶部217が接続されている。
【0039】
通信I/F214は、POS端末100とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU211は、この通信I/F214を介し、POS端末100との間で種々のデータを送受信する。計時部215は、RTC等の計時装置であって、計測した現在日時(時間)をCPU211に出力する。
【0040】
撮像部216は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサであって、図1に示した読取窓201内に設けられている。また、撮像部216は、CPU211の制御に従い、商品に付された表示ラベルを撮像する。
【0041】
ここで、図5を参照して、撮像部216の撮像領域と商品Gとの関係について説明する。図5は、撮像部216の撮像領域と商品Gとの関係の一例を示す図である。図中破線で囲った領域は、撮像部216が1フレームで撮像することのできる領域(以下、撮像領域という)216aである。また、図5に示す商品Gには、表示ラベルL1が貼付されている。
【0042】
表示ラベルL1には、商品名「豚バラうす切り」や商品価格「200円」の商品に関する文字情報他、コードシンボルであるバーコードBC等が表されている。また、バーコードBCの下部には、このバーコードBCに組み込まれている商品コードの数値「2101234567890」が表されている。また、表示ラベルL1には、この商品Gの期限日時を示す文字情報(以下、期限表示TDという)として「賞味期限:6月15日20時」が表示されている。
【0043】
なお、図5では、期限表示TDを、バーコードBC等と同一の表示ラベルL1に表示した例を示したが、これに限らず、例えば図6に示すように、バーコードBC等を表示する表示ラベルL2と、期限表示TDを表示する表示ラベルL3とが、独立した状態で商品Gに貼付されていてもよい。
【0044】
図2に戻り、記憶部217は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体であって、CPU211が実行可能なプログラム217aや各種ファイルを記憶している。ここで、記憶部217に記憶されるプログラム217aは、撮像部216の制御用プログラムや、コードシンボル読取用のプログラム、OCRやパターンマッチング等の画像や文字認識用のプログラム等である。
【0045】
次に、商品コード読取装置200が有する特徴的な機能について説明する。CPU211は、RAM213に展開されたROM212又は記憶部217が記憶するプログラムに従って動作することで、図2に示すように、画像データ取込部221、コード読取部222、期限表示読取部223及び情報出力部224として機能する。
【0046】
画像データ取込部221は、撮像部216に撮像オン信号を出力することで撮像部216に撮像動作を開始させる。画像データ取込部221は、撮像部216が撮像した撮像領域216a内の画像データを取り込んで、RAM213に格納する。また、画像データ取込部221は、期限表示読取部223の指示を受けた場合に、撮像部216が撮像した撮像領域216a内の画像データを取り込んで、RAM213に格納する。
【0047】
コード読取部222は、画像データ取込部221がRAM213に格納した画像データから、バーコードの画像を検出し、検出したバーコードから商品コードを読み取るバーコード読取処理を行う。具体的に、コード読取部222は、RAM213に格納された1フレームの画像データを二値化し、この二値化したデータ内にバーコードに関するデータ領域が存在するか否かを検出する。コード読取部222は、バーコードに関するデータ領域を検出した場合には、そのバーコードをデコードし、デコードしたデータを商品Gの商品コードとして読み取る。そして、コード読取部222は、読み取った商品コードをRAM213に格納する。
【0048】
期限表示読取部223は、画像データ取込部221がRAM213の画像ワークエリアに格納した1フレームの画像データから、期限表示TDを検出する期限表示読取処理を行う。具体的に、期限表示読取処理では、期限表示読取部223はOCR文字認識やパターン認識により、期限表示TDに固有の文字列(例えば、“賞味期限”や“消費期限”)を検出することで、期限表示TDの有無を判定する。また、期限表示読取処理は、賞味期限や消費期限等の固有の文字列を検出した場合に、この文字列と当該文字列に続く日付や時間を表わす文字列とを期限日時情報として読み取り、RAM213に格納する。
【0049】
さらに、期限表示読取部223は、計時部215が計時する時間に基づき、期限表示読取処理を実行する時間を制限する。具体的に、期限表示読取部223は、期限表示読取処理の実行時に、計時部215が計時する時間に基づいて、該期限表示読取処理の実行時間(例えば、5秒等)となるタイムアウト時間の計時を開始する。そして、期限表示読取部223は、サービス表示ラベルを検出していない場合であっても、タイムアウト時間に到達するまでは期限表示読取処理を継続して実行し、画像データ取込部221に対して画像取り込みを行うよう指示して、撮像部216が撮像した撮像領域216a内の画像データを新たに取り込む処理を行わせる。これにより、商品コード読取装置200のオペレータは、期限表示読取処理が実行される所定時間の間、商品Gを撮像部216によって複数回撮像することができる。
【0050】
情報出力部224は、RAM213に格納された商品コードや期限日時情報をPOS端末100に出力する。具体的に、情報出力部224は、期限表示読取部223が読み取った期限日時情報がRAM213に格納されている場合には、この期限日時情報をコード読取部222によりRAM213に格納された商品コードとともにPOS端末100に出力する。
【0051】
例えば、図5に示すように、商品Gに「賞味期限:6月15日20時」を表わす期限表示TDが貼付されていた場合には、期限表示読取部223は、この期限表示TDから文字列「賞味期限」及び「6月15日20時」を期限表示TDから読み取り、期限日時情報としてRAM213に格納する。従って、商品コード読取装置200からは、「2101234567890」を表わす商品コードと、「賞味期限」及び「6月15日20時」を表わす期限日時情報との組がPOS端末100に送信されることになる。
【0052】
以下、図7及び図8を参照して、本実施形態のチェックアウトシステムの動作について説明する。ここで、図7は、商品コード読取装置200が行う情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
【0053】
商品コード読取装置200のCPU211は、POS端末100から送信される所定の信号(コマンド)により取引開始が指示されると、情報出力処理を開始する。画像データ取込部221は、撮像部216に撮像オン信号を出力し、撮像部216による撮像動作を開始する(ステップS11)。画像データ取込部221は、撮像部216が撮像した画像データをRAM213に取り込む(ステップS12)。そして、コード読取部222は、上述したバーコード読取処理を開始する(ステップS13)。
【0054】
コード読取部222は、ステップS13のバーコード読取処理においてバーコードBCを検出したか否かを判定する(ステップS14)。バーコードBCを検出することができない場合には(ステップS14;No)、ステップS12に再び戻り、コード読取部222は撮像部216による撮像を継続する。
【0055】
コード読取部222がバーコードBCを検出した場合(ステップS14:Yes)、期限表示読取部223は、計時部215が計時する時間に基づき、タイムアウト時間の計時を開始する(ステップS15)。続いて、期限表示読取部223は、RAM213に取り込まれた画像データに対して期限表示読取処理を開始する(ステップS16)。そして、期限表示読取部223は、ステップS16の期限表示読取処理において期限表示TDを検出したか否かを判定する(ステップS17)。
【0056】
ここで、期限表示TDを検出することができない場合(ステップS17;No)、期限表示読取部223は、タイムアウト時間に到達したか否かを判定する(ステップS18)。タイムアウト時間に到達していない場合(ステップS18;No)、期限表示読取部223は、画像データ取込部221を制御して画像データの取り込みを新たに行う(ステップS19)。そして、期限表示読取部223は、ステップS16に戻ることで、新たに取り込まれた画像データに対して期限表示読取処理を再度実行する。
【0057】
また、タイムアウト時間に到達したと判定した場合(ステップS18;Yes)、情報出力部224は、ステップS13のバーコード読取処理によりRAM213に格納された商品コードを、通信I/F214を介してPOS端末100に送信し(ステップS20)、ステップS22に移行する。
【0058】
また、タイムアウト時間に到達する前に期限表示TDが検出された場合(ステップS17:Yes)、情報出力部224は、ステップS13のバーコード読取処理及びステップS16の期限表示読取処理によりRAM213に格納された商品コード及び期限日時情報を、通信I/F214を介してPOS端末100に送信(出力)し(ステップS21)、ステップS22に移行する。
【0059】
ステップS22において、CPU211は、POS端末100からの信号により取引終了が指示されたか否かを判定する(ステップS22)。取引終了が指示されない場合には(ステップS22;No)、ステップS12に再び戻り、ステップS12〜S22を全ての商品の販売登録が完了するまで繰り返し実行する。また、取引終了が指示された場合には(ステップS22;Yes)、画像データ取込部221は、撮像部216に撮像オフ信号を出力し(ステップS23)、撮像部216による撮像動作を終了する。
【0060】
次に、図8を参照して、POS端末100が行う売上登録処理について説明する。ここで、図8は、POS端末100が行う売上登録処理の手順を示すフローチャートである。
【0061】
まず、POS端末100のCPU111は、キーボード101のキー操作に応じて、取引開始を指示する信号を商品コード読取装置200に送信する(ステップS31)。続いて、決済処理部121は、商品コード読取装置200から商品コードが入力されるまで待機する(ステップS32;No)。ここで、商品コードの入力を受け付けると(ステップS32;Yes)、決済処理部121は、この商品コードに対応するレコード(部門コード、商品名、価格等)をPLUファイル114bから読み出す(ステップS33)。
【0062】
次いで、決済処理部121は、ステップS32で入力を受け付けた商品コードとともに、期限日時情報が入力されたか否かを判定する(ステップS34)。ステップS34において、期限日時情報の入力を確認できない場合(ステップS34;No)、決済処理部121は、ステップS33で読み出したレコードに含まれる部門コード、商品名及び価格等に基づいて販売登録を行い(ステップS38)、ステップS40に移行する。
【0063】
また、ステップS34において、商品コードとともに期限日時情報の入力を受け付けた場合(ステップS34;Yes)、決済処理部121は、計時部115が計時する現在日時と期限日時情報が示す期限日時とに基づき、現在日時から期限日時までの残存期間を算出する(ステップS35)。次いで、決済処理部121は、ステップS33で読み出した部門コードに対応する値引設定ファイル114cの残存期間条件と、ステップS35で算出した残存期間とを比較し(ステップS36)、この残存期間が残存期間条件の何れかに該当するか否かを判定する。(ステップS37)。
【0064】
ここで、ステップS35で算出した残存期間が、何れの残存期間条件にも該当しないと判定した場合(ステップS37;No)、決済処理部121は、ステップS33で読み出したレコードに基づいて販売登録を行い(ステップS38)、ステップS40に移行する。
【0065】
また、ステップS35で算出した残存期間が、何れかの残存期間条件に該当すると判定した場合(ステップS37;Yes)、決済処理部121は、該当した残存期間条件に対応付けられた値引額を、ステップS33で読み出したレコードに含まれる価格から値引して販売登録を行い(ステップS39)、ステップS40に移行する。
【0066】
例えば、図5に示した商品Gの期限表示TDについて、現在日時が6月15日18時30分である場合、期限日時までの残存期間は1時間30分となる。このとき、この商品Gについての残存期間は、図4に示した値引設定ファイル114cの部門コード「210」、残存期間条件「2時間前迄」に該当するため、決済処理部121は、この商品Gの価格(200円)から値引額「20円」を値引する。
【0067】
続いて、決済処理部121は、キーボード101から「締め」キーを表わすキー情報の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS40)。ここで、「締め」キーの入力が確認できない場合(ステップS40;No)、決済処理部121は、ステップS32に再び戻り、商品コードの入力を待機する。
【0068】
また、「締め」キーの入力を受け付けた場合(ステップS40;Yes)、決済処理部121は、これまでに販売登録した全商品の購入金額を算出すると、この購入金額とともに、販売登録した各商品の商品コードや数量、金額等を一取引分の取引内容として売上ファイル114dに登録する(ステップS41)。そして、決済処理部121は、業務終了を指示する信号を通信I/F116を介し商品コード読取装置200に送信し(ステップS42)、本処理を終了する。
【0069】
以上のように、本実施形態によれば、商品に付加された期限表示ラベルが示す期限日時までの残存期間に基づき、商品価格の値引を行うことができるため、期限日時に応じた値引処理を効率的に行うことが可能となる。また、商品コード読取装置では、商品に付帯された期限表示ラベルから期限日時を読み取り、POS端末100に出力するため、期限日時の入力に係る処理の効率化を図ることができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
【0071】
例えば、上記実施形態では、各商品の残存期間条件毎の値引額を、その商品の種別を表す部門コードと対応付けた例を示したが(図4参照)、これに限らず、図9や図10に示すように他の形態としてもよい。ここで、図9及び図10は、値引設定ファイル114cの他の例を示す図である。
【0072】
図9に示す値引設定ファイル114eでは、残存期間条件と値引額とを対応付けて格納している。この値引設定ファイル114eを用いる場合、全ての商品に同様の残存期間条件及び値引額を定義することができるため、同種の商品を取り扱う場合に好適である。
【0073】
また、図10に示す値引設定ファイル114fでは、各商品を識別可能な商品コード毎に、残存期間条件と値引額とを対応付けて格納している。この値引設定ファイル114fを用いる場合、商品(商品コード)毎に、残存期間条件及び値引額を個別に定義することができるため、各商品の特性(例えば、生鮮食品等)に応じた値引処理を行うことができる。
【0074】
なお、値引設定ファイル114e又は値引設定ファイル114fを用いる場合、上述した売上登録処理のうち、残存期間条件の特定に使用する条件を値引設定ファイルのデータ構造に応じて変更するのみで対応することが可能である。例えば、値引設定ファイル114eを用いる場合には、上述したステップS36において、ステップS35で算出した残存期間が、値引設定ファイル114eに定義された残存期間条件の何れかに該当するか否かを判定すればよい。また、値引設定ファイル114fを用いる場合には、上述したステップS36において、ステップS32で受け付けた商品コードに対応する値引設定ファイル114fのレコードを参照し、ステップS35で算出した残存期間が、このレコードに定義された残存期間条件の何れかに該当するか否かを判定すればよい。
【0075】
また、上記実施形態では、期限表示読取部223が期限表示TDから期限日時を読み取る形態としたが、これに限らず、バーコードBC(コードシンボル)に期限日時が保持されている場合には、コード読取部222がバーコードBCから商品コード及び期限日時を読み取る形態としてもよい。
【0076】
また、上記実施形態のPOS端末100及び商品コード読取装置200で実行されるプログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0077】
また、上記実施形態のPOS端末100及び商品コード読取装置200で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記実施形態のPOS端末100及び商品コード読取装置200で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0078】
11 チェックアウト台
12 カウンタ台
13 荷受面
14 買物カゴ
100 POS端末
101 キーボード
102 表示器
103 表示器
104 プリンタ
105 ドロワ
111 CPU
112 ROM
113 RAM
114 記憶部
114a プログラム
114b PLUファイル
114c 値引設定ファイル
114d 売上ファイル
114e 値引設定ファイル
114f 値引設定ファイル
115 計時部
116 通信I/F
121 決済処理部
200 商品コード読取装置
201 読取窓
202 キーボード
203 表示器
204 表示器
211 CPU
212 ROM
213 RAM
214 通信I/F
215 計時部
216 撮像部
217 記憶部
217a プログラム
221 画像データ取込部
222 コード読取部
223 期限表示読取部
224 情報出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0079】
【特許文献1】特開2008−33640公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段が撮像した販売登録の対象となる対象商品の画像から、当該対象商品に付された期限表示ラベルを検出し、前記対象商品の賞味期限又は消費期限を表した期限日時を読み取る期限日時読取手段と、
現在日時を計時する計時手段と、
前記計時手段が計時した現在日時と、前記期限日時読取手段が読み取った期限日時とに基づき、前記現在日時から前記期限日時までの残存期間を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した残存期間に応じて前記対象商品の値引を行う値引手段と、
を備えたことを特徴とする商品情報処理装置。
【請求項2】
前記値引手段は、値引の対象となる前記残存期間の条件を定めた残存期間条件とその値引額とを対応付けた値引設定情報を参照し、前記算出手段が算出した残存期間が前記残存期間条件に該当する場合に、この残存期間条件に対応付けられた値引額を前記対象商品の価格から値引することを特徴とする請求項1に記載の商品情報処理装置。
【請求項3】
前記値引設定情報は、商品の種別毎に前記残存期間条件と値引額とを対応付けて保持し、
前記値引手段は、前記算出手段が算出した残存期間が、前記対象商品の種別に対応する前記残存期間条件に該当するか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の商品情報処理装置。
【請求項4】
前記値引設定情報は、商品毎に前記残存期間条件と値引額とを対応付けて保持し、
前記値引手段は、前記算出手段が算出した残存期間が、前記対象商品に対応する前記残存期間条件に該当するか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の商品情報処理装置。
【請求項5】
前記撮像手段が撮像した販売登録の対象となる対象商品の画像から、当該対象商品に付されたコードシンボルを検出し、このコードシンボルに保持された商品コードを読み取るコード読取手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の商品情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
撮像手段が撮像した販売登録の対象となる対象商品の画像から、当該対象商品に付された期限表示ラベルを検出し、前記対象商品の賞味期限又は消費期限を表した期限日時を読み取る期限日時読取手段と、
現在日時を計時する計時手段と、
前記計時手段が計時した現在日時と、前記期限日時読取手段が読み取った期限日時とに基づき、前記現在日時から前記期限日時までの残存期間を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した残存期間に応じて前記対象商品の値引を行う値引手段と、
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−58789(P2012−58789A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198328(P2010−198328)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】