説明

商品情報表示用取付け資材およびその使用方法

【課題】商品に取付けた後にも形状の変更や表示する情報の変更が可能な商品情報表示用取付け資材およびその使用方法を提供する。
【解決手段】資材本体21には、取付け用開口部23を開口形成可能な開口部用切り目22と、この開口部用切り目22の両端に連続して延びて連続開口部26を開口形成可能な一対の連続支持領域用切り目25と、を形成するとともに、開口部用切り目22により取付け用開口部23の内方部に画成される表示用自由揺動領域24と、連続支持領域用切り目25により連続開口部26の内方部に画成される連続支持領域27と、この連続支持領域を資材本体21に一体的に接続可能な接続部28と、を有し、一対の連続支持領域用切り目25それぞれの少なくとも一箇所に、連続支持領域27と資材本体21とをつなぐ連結点35・36を形成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商品情報表示用取付け資材およびその使用方法にかかるもので、とくに商品の販促情報を含む商品情報の表示用として商品に取付けられる商品情報表示用取付け資材およびその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種商品の販売促進用として、販促情報を表示した、いわゆるキャンペーンシール、ポップラベルやシールその他の資材が工夫されており、店頭の陳列商品に取付けられている。これらの資材は、販促情報に限らず、商品の取扱いや処理に関する各種の情報を表示するために用いられる場合もある。
このような販促情報を含む商品情報の表示用として商品に取付けられる商品情報表示用取付け資材について、図8〜図10にもとづき概説する。
【0003】
図8は、通称「アイキャッチシール」と呼ばれる販促用シール1(商品情報表示用取付け資材)を商品Mに取付けた状態を示す斜視図であって、販促用シール1は、裏面側に糊面を有する細長矩形状の貼付け領域2と、貼付け領域2に連続して販促情報を表示する円形ないし楕円形状の情報表示領域3と、を有する。情報表示領域3には、その裏面側に糊面を形成しないか、糊面上にフィルムを貼る処理あるいは糊面を不活性化する処理などを施している。
【0004】
こうした構成の販促用シール1は、貼付け領域2を商品Mの所定部分(たとえば図示の例では商品Mの胴体M1)に貼り付けることにより情報表示領域3を商品Mの首部M2から離した状態で起立位置可能とし、商品Mの陳列について視認性および訴求効果を期待している。しかしながら、情報表示領域3が商品Mに近く位置しているとともに、このような構成がやや定番化ないしは陳腐化しているためにその販促効果が低下しているという問題がある。貼付け領域2の部分からはがれ落ちやすいという問題がある。
【0005】
図9は、通常「スイングポップシール」と呼ばれる販促用シール4(商品情報表示用取付け資材)を商品Mに取付けた状態を示す斜視図であって、販促用シール4は、裏面側に糊面を有するたとえば円形状の貼付け領域5と、貼付け領域5に連続して延びる細長状の連続支持領域6と、連続支持領域6の先端部に形成した、たとえば円形状の情報表示領域7と、を有する。
【0006】
こうした構成の販促用シール4は、貼付け領域5を商品Mの首部M2の頂部に貼り付け、連続支持領域6が情報表示領域7を商品Mの胴体M1の側面に離反した状態で位置させ、情報表示領域7が商品Mのわきに垂れて揺れることにより、商品Mの陳列の視認性および訴求効果を期待している。しかし、貼付け領域5を貼付ける首部M2の頂部は比較的狭く、この頂部に貼り付ける作業がかなり面倒であるとともに、貼付け領域5の部分からはがれ落ちやすいという問題、さらに情報表示領域7において表示可能な情報量が少ないなどの問題がある。
【0007】
図10は、通称「首掛けラベル」あるいは「ボトルネッカー」などと呼ばれる販促用シール8(商品情報表示用取付け資材)を商品Mに取付けた状態を示す斜視図であって、販促用シール8は、商品Mの首部M2より若干大きくくり貫いた円形状の首掛け用開口部9を形成し、首掛け用開口部9以外の領域である情報表示領域10に販促情報を表示可能としている。
【0008】
こうした構成の販促用シール8は、首掛け用開口部9を首部M2にかけるとともに情報表示領域10により商品Mの販促情報を表示している。しかし、販促用シール8は、上述の販促用シール1(図8)や販促用シール4(図9)に比較して情報量をより多く表示することができるものの、販売促進用としての視認性および訴求効果の点でやや劣る。
【0009】
さらに、いずれの販促用シール1(図8)、販促用シール4(図9)および販促用シール8(図10)などは、シールの資材材料から不要な部分を取り去って製造しており、取り去った資材材料がロスになり、廃棄物になってしまう。また、それぞれの情報表示領域3、7、10には、決まっている固定情報を予め別途に印刷しておくものであり、商品Mの販売および陳列現場に即して必要に応じた情報を追加することが困難であり融通性に欠ける。即ち、電子プリンタ等で、商品や文字やバーコードなどを印字できない不便さがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−39756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、より視認性および訴求効果が高い商品情報表示用取付け資材およびその使用方法を提供することを課題とする。
【0012】
本発明は、商品に取付けた後にも形状の変更が可能な商品情報表示用取付け資材およびその使用方法を提供することを課題とする。
【0013】
本発明は、商品に取付けた後にも表示する情報の切り替えや変更が可能な商品情報表示用取付け資材およびその使用方法を提供することを課題とする。
【0014】
本発明は、製造にあたって無駄になる部分がなく、省資源の観点からも優れた商品情報表示用取付け資材およびその使用方法を提供することを課題とする。
【0015】
本発明は、複数の資材片を連続して帯状の連続体とすることが可能で、任意のプリンタに装填して、現場のニーズに応じてその都度任意の商品情報(可変情報)を印字して表示可能な商品情報表示用取付け資材およびその使用方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第一の発明は、商品の商品情報を表示する平面状の資材本体を有し、この商品の取付け部に取付けることができるようにする取付け用開口部により、この商品に取付けられる商品情報表示用取付け資材であって、前記資材本体には、前記取付け用開口部を開口形成可能な開口部用切り目と、この開口部用切り目の両端に連続して延びて連続開口部を開口形成可能な一対の連続支持領域用切り目と、を形成するとともに、前記開口部用切り目により前記取付け用開口部の内方部に画成される表示用自由揺動領域と、前記連続支持領域用切り目により前記連続開口部の内方部に画成される連続支持領域と、この連続支持領域を前記資材本体に一体的に接続可能な接続部と、を有し、前記一対の連続支持領域用切り目それぞれの少なくとも一箇所に、該連続支持領域と資材本体とをつなぐ連結点を形成したことを特徴とする商品情報表示用取付け資材である。
第二の発明は、商品の商品情報を表示する平面状の資材本体を有し、この商品の取付け部に取付けることができるようにする取付け用開口部により、この商品に取付けられる商品情報表示用取付け資材の使用方法である。前記資材本体には、前記取付け用開口部を開口形成可能な開口部用切り目と、この開口部用切り目の両端に連続して延びて連続開口部を開口形成可能な一対の連続支持領域用切り目と、を形成するとともに、前記開口部用切り目により前記取付け用開口部の内方部に画成される表示用自由揺動領域と、前記連続支持領域用切り目により前記連続開口部の内方部に画成される連続支持領域と、この連続支持領域を前記資材本体に一体的に接続可能な接続部と、を有し、前記一対の連続支持領域用切り目それぞれの少なくとも一箇所に、該連続支持領域と資材本体とをつなぐ連結点を形成した商品情報表示用取付け資材を、表示用自由揺動領域と、連続支持領域のうち表示用自由揺動領域から連結点までを連結点を支点として資材本体から引き起こし、
資材本体に形成された取付け用開口部を前記商品の前記取付け部に取付け、表示用自由揺動領域が連続支持領域に支持されて上方に指向した第1の表示状態にする操作と、連続支持領域と資材本体とをつなぐ連結点を切り離し、表示用自由揺動領域および連続支持領域を接続部を支点として曲げ、連続支持領域を介して表示用自由揺動領域を前記商品から離れて揺動可能に支持し、第1の表示状態に対し、表示用自由揺動領域の反対面を視認可能にした第2の表示状態にする操作と、を含むことを特徴とする商品情報表示用取付け資材の使用方法である。
商品情報表示用取付け資材は、資材本体とともに前記表示用自由揺動領域の両面および連続支持領域の両面にも商品情報を表示可能にしておく。
資材本体は、これを折り曲げ可能としておく。
接続部は、前記一対の連続支持領域用切り目の終端同士の間に位置させることが望ましい。
商品情報表示用取付け資材を前記商品の前記取付け部に取付けたときに、前記表示用自由揺動領域が前記連続支持領域により前記商品に対して離反して揺動可能な状態にこれを位置させることが可能である。
商品情報表示用取付け資材を単葉の資材片として複数枚連続して帯状に形成することが望ましい。
連続支持領域と資材本体とをつなぐ連結点が、前記資材本体の折り曲げ可能な箇所に位置させると好適である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の商品情報表示用取付け資材およびその使用方法によれば、資材本体に、取付け用開口部による表示用自由揺動領域と、連続開口部による連続支持領域と、この連続支持領域を資材本体に一体的に接続する接続部を形成するようにしたので、製造にあたって資材本体のどの部分(領域)も無駄になることがなく省資源を達成可能である。
複数の資材片を連続して帯状の連続体とすることが可能なため、任意のプリンタに装填して、現場のニーズに応じてその都度任意の商品情報(可変情報)を印字して表示し、使用可能である。
商品に取付けた後には、形状の変更と表示する情報の切り替えが可能である。一つの商品情報表示用取付け資材でありながら、形状や情報を切り替えることで、複数の情報を記録した商品情報表示用取付け資材を用意して取り替えたことと同様な視覚的効果を得ることができる。
特に、商品情報表示用取付け資材の使用方法によれば、表示用自由揺動領域と連続支持領域のうち表示用自由揺動領域から連結点までの部分を起立させて首にかけると資材本体の表面の情報が表示される。連結点を破って切り離し、表示用自由揺動領域および連続支持領域の全体を引き起こすと、それらが接続部を支点として垂れ下がり、形状が変わると共に資材本体の裏面の情報が表示され、表示内容を切り替えることができる。
即ち、表示用自由揺動領域の両面に情報を表示してあるため、第1の表示状態としては表示用自由揺動領域の表面を表示し、任意の時間を経過した後には第2の表示状態として表示用自由揺動領域の裏面が見えるように表示可能である。単一の商品情報表示用取付け資材でありながら、表示する情報を任意のタイミングで切り替えることができるという効果が得られる。さらに、第2の表示状態では、表示用自由揺動領域が商品から離れた位置で揺動可能であるとともに、この表示用自由揺動領域と連続支持領域にも商品情報を表示可能であるため、高い視認性と訴求効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施例による商品情報表示用取付け資材としての、商品Mの販促用首掛けシール20を説明するものであって、図1(1)は、販促用首掛けシール20の平面図、図1(2)は、表示用自由揺動領域24および連続支持領域27全体を資材本体21から引き起こした状態の斜視図である。
【図2】同、販促用首掛けシール20の表示用自由揺動領域24と連続支持領域27の連結点35までを引き起こし、商品Mの取付け部(首部M2)に取付けた第1の表示状態を示す斜視図である。
【図3】同、販促用首掛けシール20の表示用自由揺動領域24および連続支持領域27全体を引き起こし、商品Mの取付け部(首部M2)に取付けた第2の表示状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施例による販促用首掛けシール40(商品情報表示用取付け資材)の平面図である。
【図5】同、熱転写プリンタ45の概略側面図である。
【図6】本発明の第3の実施例による販促用首掛けシール60(商品情報表示用取付け資材)の平面図である。
【図7】販促用首掛けシール20の表示用自由揺動領域24だけを連結点36までを引き起こし、商品Mの取付け部(首部M2)に取付けた別の表示状態を示す斜視図である。
【図8】通称「アイキャッチシール」と呼ばれる販促用シール1(商品情報表示用取付け資材)を商品Mに取付けた状態を示す斜視図である。
【図9】通称「スイングポップシール」と呼ばれる販促用シール4(商品情報表示用取付け資材)を商品Mに取付けた状態を示す斜視図である。
【図10】通称「首掛けラベル」あるいは「ボトルネッカー」などを呼ばれる販促用シール8(商品情報表示用取付け資材)を商品Mに取付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、資材本体に形成する取付け用開口部の内方部に画成される表示用自由揺動領域の表面と裏面両方を情報表示用として活用するとともに、表示面を任意のタイミングで切り替え可能とした。特に切り替え後にはこの領域を揺動可能としてその視認性および訴求効果を向上させた商品情報表示用取付け資材およびその使用方法を実現した。
【実施例】
【0020】
本発明の商品情報表示用取付け資材およびその使用方法を図1および図2にもとづき説明する。ただし、図8〜図10と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
【0021】
図1は、商品情報表示用取付け資材としての、商品Mの販促用首掛けシール20を説明するものであって、図1(1)は、販促用首掛けシール20の平面図、図1(2)は、表示用自由揺動領域24および連続支持領域27全体を資材本体21から引き起こした状態の斜視図である。
【0022】
販促用首掛けシール20は、商品Mの商品情報を表示する平面状の資材本体21を有する。
資材本体21の材料としては、任意の剛性および印刷適性ないし印字適性を有する一般的な紙材はもちろん、合成紙や合成樹脂、さらにはフィルム系基材を採用可能であって、その裏面21B側に糊面を形成する必要はない。
【0023】
資材本体21は、円形状の開口部用切り目22を形成して、たとえば円形状の取付け用開口部23を開口形成可能とし、この取付け用開口部23の内方部に円形状の表示用自由揺動領域24を画成する。
開口部用切り目22は、その始端22Aから終端22Bまでの間に一連に(ないしは一筆書き式に)これを形成しているもので、表示用自由揺動領域24の形状としては、円形はもちろん、楕円形、四角形、三角形、星形その他の変形状など任意の形状を採用することができる。
【0024】
資材本体21の表面21Aには任意の商品情報を表示可能である。表示用自由揺動領域24は、表面21Aにも裏面21Bにも商品情報を表示可能としている。
上記取付け用開口部23を、図2および図3に示すように商品Mの取付け部(首部M2)に掛けることにより、販促用首掛けシール20を商品Mに取付けることができるようにしている。
【0025】
資材本体21は、商品Mの形状や大きさに応じて任意の数の折曲げ線(たとえば図示の例では、第1の折曲げ線29および第2の折曲げ線30)の部分でこれを折り曲げ可能とすることにより、商品Mへの取付け安定性および視認性を確保しているとともに、上述のように必要な商品情報を表示可能である。
【0026】
資材本体21には、互いの間に所定の間隔をあけた互いに平行な左右一対の直線状の連続支持領域用切り目25を形成して細幅状の連続開口部26を開口形成可能とし、連続開口部26の内方部に細幅状の連続支持領域27を画成する。
連続支持領域用切り目25は、開口部用切り目22の始端22Aおよび終端22Bにおいて開口部用切り目22と連続しているとともに、開口部用切り目22に連続して延びて連続開口部26を開口形成可能である。
【0027】
一対の連続支持領域用切り目25それぞれには、連続支持領域27と資材本体21とをつなぐ連結点35が設けてある。連結点35の長さは0.5〜5mm程度であり、望ましくは1〜3mmである。連結点35は連続支持領域用切り目25それぞれに一箇所ずつ設けても、複数箇所設けても良いが、図1および図2では連続支持領域用切り目25と第2の折曲げ線30の交点の、接続部28寄りの位置に一箇所ずつ設けた例を示した。
【0028】
連続支持領域用切り目25の第1の終端25Aと第2の終端25Bとの間は、切り目がない接続部28になっている。
接続部28は、連続支持領域27さらには表示用自由揺動領域24を資材本体21に一体的に支持可能であり、資材本体21の剛性により連続支持領域27を介して表示用自由揺動領域24を揺動可能に支持することになる。
【0029】
次に、販促用首掛けシール20を商品Mの首部M2に取付けて使用する方法について図2および図3を用いて説明する。
図2は、販促用首掛けシール20を商品Mの取付け部(首部M2)に取付けた第1の表示状態を示す斜視図である。この表示状態にするためには、先ず、資材本体21を第1の折曲げ線29と第2の折曲げ線30とで裏面21B側を谷にして折り曲げる。続いて、表示用自由揺動領域24および連続支持領域27を第2の折り曲げ線30まで、即ち、連結点35の手前までを資材本体21の面から引き起こす。すると、取付け用開口部23と連続開口部26が現れる。現れた取付け用開口部23に首部M2を通して販促用首掛けシール20を掛けると、表示用自由揺動領域24が連続支持領域27に支えられ、商品Mから立ち上がり、表示用自由揺動領域24の表面21A側に記録された情報が商品Mから突き出て見え、第1の表示状態になる。図2では、新製品を表す「NEW」という文字を目立たせた例である。
【0030】
この状態で所定の期間が過ぎた後、表示内容を第2の表示状態へ切り替える作業を行う。連結点35を破断し、表示用自由揺動領域24および連続支持領域27全体を資材本体21の面から引き起こす。この状態で取付け用開口部23に首部M2を通し、販促用首掛けシール20を掛けると、図3に示すように、表示用自由揺動領域24が連続支持領域27により商品Mに対して離反した状態で、接続部28を支点として片持ち式に支持されて揺動可能になる。
【0031】
具体的には、表示用自由揺動領域24が商品Mから離間してお辞儀をするように位置するとともに、風などにより揺れ、販促用シール4(図9参照)と同様の視認性および訴求効果を向上させることができる。この第2の表示状態では、表示用自由揺動領域24の裏面21Bに記録された「SALE」の文字が現れて視認性が向上し、消費者の目にとまる表示内容が切り替えられる。即ち、一枚の商品情報表示用取付け資材20でありながら複数の文字を切り替えて表示できることに加え、形状の変更もでき、高い販売促進効果を得ることが可能になる。
【0032】
さらに商品Mの形状に応じて、第1の折曲げ線29および第2の折曲げ線30の部分において資材本体21を折り曲げて、商品Mに合わせて取付け姿勢を安定化することができる。なお図2および図3に示した例では、資材本体21を第1の折曲げ線29と第2の折曲げ線30で裏面21Bを谷折りしてコの字形状に折り曲げたが、第1の折曲げ線29を反対向きに折り曲げて階段状にし、取付けてても良い。
【0033】
また、販促用首掛けシール20は、商品Mに粘着剤で貼り付ける構成ではないため、剥がれてしまう恐れがなく、安定して取付けておくことができる。
販促用首掛けシール20は、商品Mの首部M2以外にも任意の部分に取付け用開口部23を利用して取付けることができる。
販促用首掛けシール20の商品Mへの取付け作業は、取付け用開口部23を商品Mの首部M2に掛けるだけであり、取付け作業も取外しの作業も作業性良好である。
さらに、販促用首掛けシール20は、それ自体には開口部用切り目22および連続支持領域用切り目25を形成するだけであり、捨てる部分がないため、省資源かつ資源の無駄を回避可能である。
【0034】
本発明による商品情報表示用取付け資材には、必要な商品情報をあらかじめ印刷しておくこともできるが、必要に応じて可変情報を資材本体21や表示用自由揺動領域24に印字することもできる。
【0035】
図4に本発明の第2の実施例による販促用首掛けシール40(商品情報表示用取付け資材)の平面図を示す。販促用首掛けシール40は、既述の販促用首掛けシール20(図1)と同様の構成を有している単葉の首掛けシール片41(資材片)を複数枚連続して長尺帯状にしたものである。これを所定ピッチの切断予定線42で切断することにより、単葉の首掛けシール片41が形成される。
【0036】
販促用首掛けシール40の裏面側には、首掛けシール片41一単位のピッチで位置検出マーク43をあらかじめ印刷してあり、販促用首掛けシール40をプリンタ(たとえば熱転写プリンタ45、図5参照)に装填して印字する際の位置決めに用いる。位置検出マーク43の隣接位置が切断予定線42となる。連続支持領域用切り目25それぞれには、連続支持領域27と資材本体21とをつなぐ連結点35が設けてある。
【0037】
なお、開口部用切り目22の任意の部位に、所定数のもろい非連続部44を形成しておいても良い。販促用首掛けシール40の加工時や、熱転写プリンタ45内における移送時に首掛けシール片41における連続支持領域27および表示用自由揺動領域24が資材本体21の面からめくれ上がってしまうなどの支障がないようにすることができる。
首掛けシール片41の使用時に、このもろい非連続部44を破いて表示用自由揺動領域24および連続支持領域27を資材本体21から引き起こすことができる。
【0038】
図5は、熱転写プリンタ45の概略側面図であって、熱転写プリンタ45は、販促用首掛けシール40の供給部46と、位置検出部47と、印字部48と、切断部49と、を有する。
【0039】
供給部46は、ロール状に巻いた販促用首掛けシール40を支持するとともに、位置検出部47および印字部48の方向に帯状に繰り出し可能とする。
【0040】
位置検出部47は、上記位置検出マーク43を光学的に検出して印字部48に対する販促用首掛けシール40の相対的位置を検出可能とする。
【0041】
印字部48は、サーマルヘッド50と、プラテンローラ51と、熱転写インクリボン52の供給軸53および巻取り軸54と、を有する。
サーマルヘッド50およびプラテンローラ51の間に販促用首掛けシール40および熱転写インクリボン52を挟持してプラテンローラ51の回転駆動により移送し、サーマルヘッド50により販促用首掛けシール40に任意の商品情報を印字する。もちろん、販促用首掛けシール40を表裏逆に移送するなどして、表示用自由揺動領域24の裏面側にも任意の商品情報を表示可能である。
【0042】
切断部49は、帯状の販促用首掛けシール40の切断予定線42部分で切断し、単葉の首掛けシール片41を作成する。
【0043】
こうした構成の販促用首掛けシール40および熱転写プリンタ45によれば、商品Mの特性ないし販売状況など必要に応じて販促用首掛けシール40(首掛けシール片41)に商品情報(任意の可変情報)を印字することができる。連結点35までを引き起こし、図2と同じように表示用自由揺動領域24を上方に突き出した形状で商品Mに取り付ける。所定の期間が経過した後、連結点35を切り離し、図3と同じように表示内容と形状を切り替えれば良い。熱転写プリンタで45で情報を追記してあるため、さらなる販売促進効果を期待することができる。
【0044】
図6は、本発明の第3の実施例による販促用首掛けシール60の平面図である。販促用首掛けシール60は、販促用首掛けシール40(図4)と同様に、単葉の首掛けシール片41(資材片)に相当する首掛けシール片61(資材片)を複数枚連続してこれを帯状に形成している。ただし首掛けシール片61は、それぞれの連続支持領域27および表示用自由揺動領域24が帯状の販促用首掛けシール60の移送方向に沿って位置しているように(とくに連続支持領域27の基部にあたる接続部28が下流側に位置しているように)、互いに連続しているもので、その他の構成は販促用首掛けシール40における首掛けシール41と同様である。連続支持領域27両側の連続支持領域用切り目25には、連続支持領域27と資材本体21とをつなぐ連結点35が設けてある。
【0045】
こうした構成の販促用首掛けシール60についても、販促用首掛けシール40と同様に、熱転写プリンタ45などに装填して必要な可変情報を印字可能である。印字を終えて切断予定線42部分で切断し、単葉の首掛けシール片41とした後は、表示用自由揺動領域24から連結点35までを引き起こし、図2と同じように表示用自由揺動領域24を上方に突き出した形状で商品Mに取り付ける。所定の期間が経過した後、連結点35を切り離し、図3と同じように表示内容と形状を切り替えれば良い。
【0046】
図7に第4の実施例を示す。これは、図1、図2および図3を用いて説明した第1の実施例の販促用首掛けシールに連結点36を加えたものである。連結点36は、取付け用開口部23と連続支持領域用切り目25との接続箇所に位置している。
【0047】
この第4の実施例では、最初に表示用自由揺動領域24だけを連結点36位置を支点として引き起こし、図7に示すように商品Mに取り付ける。この状態では表示用自由揺動領域24だけが立ち上がった状態になり、資材本体の表面21A側に印刷された新製品を表す「NEW」と言う文字が見えるようになる。日数が経過してこの状態が見慣れてしまった頃、連結点36を切り離して表示用自由揺動領域24および連続支持領域27を連結点35の手前までを引き起こす。すると、図2に示した、表示用自由揺動領域24が連続支持領域27に支えられ、商品Mから立ち上がった第1の表示状態になる。表示用自由揺動領域24の文字は「NEW」のままであるが、その文字は商品Mから突き出て見えるため、図7に示した取付けとは見え方が異なり、消費者に新鮮な印象を与える。
【0048】
再度、期間が経過した後は、表示内容を第2の表示状態へ切り替える作業を行う。今度は連結点35を破断し、表示用自由揺動領域24および連続支持領域27全体を資材本体21の面から引き起こし、図3に示した第2の表示状態にすれば良い。このように第4の実施例では、一枚の商品情報表示用取付け資材20でありながら文字を二種類表示できることに加え、形状も二回切り替えて合計三通りの形状で使用可能であり、高い販売促進効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 販促用シール(従来例、図8)
2 貼付け領域
3 情報表示領域
4 販促用シール(従来例、図9)
5 貼付け領域
6 連続支持領域
7 情報表示領域
8 販促用シール(従来例、図10)
9 首掛け用開口部
10 情報表示領域
20 販促用首掛けシール(第1の実施例、商品情報表示用取付け資材、図1)
21 資材本体
21A 資材本体表面
21B 資材本体裏面
22 開口部用切り目
22A 開口部用切り目22の始端
22B 開口部用切り目22の終端
23 取付け用開口部
24 表示用自由揺動領域
25 連続支持領域用切り目
25A 連続支持領域用切り目25の第1の終端
25B 連続支持領域用切り目25の第2の終端
26 連続開口部
27 連続支持領域
28 接続部
29 第1の折曲げ線
30 第2の折曲げ線
35 連結点
36 連結点
40 販促用首掛けシール(第2の実施例、商品情報表示用取付け資材、図4)
41 首掛けシール片(資材片、商品情報表示用取付け資材)
42 切断予定線
43 位置検出マーク
44 もろい非連続部
45 熱転写プリンタ
46 供給部
47 位置検出部
48 印字部
49 切断部
50 サーマルヘッド
51 プラテンローラ
52 熱転写インクリボン
53 熱転写インクリボン52の供給軸
54 熱転写インクリボン52の巻取り軸
60 販促用首掛けシール(第3の実施例、商品情報表示用取付け資材、図6)
61 首掛けシール片(資材片、商品情報表示用取付け資材)
M 商品
M1 商品Mの胴体
M2 商品Mの首部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の商品情報を表示する平面状の資材本体を有し、
この商品の取付け部に取付けることができるようにする取付け用開口部により、この商品に取付けられる商品情報表示用取付け資材であって、
前記資材本体には、
前記取付け用開口部を開口形成可能な開口部用切り目と、
この開口部用切り目の両端に連続して延びて連続開口部を開口形成可能な一対の連続支持領域用切り目と、を形成するとともに、
前記開口部用切り目により前記取付け用開口部の内方部に画成される表示用自由揺動領域と、
前記連続支持領域用切り目により前記連続開口部の内方部に画成される連続支持領域と、
この連続支持領域を前記資材本体に一体的に接続可能な接続部と、を有し、
前記一対の連続支持領域用切り目それぞれの少なくとも一箇所に、該連続支持領域と資材本体とをつなぐ連結点を形成したことを特徴とする商品情報表示用取付け資材。
【請求項2】
前記資材本体とともに前記表示用自由揺動領域の両面および連続支持領域の両面にも商品情報を表示可能としていることを特徴とする請求項1記載の商品情報表示用取付け資材。
【請求項3】
前記資材本体は、これを折り曲げ可能としてあることを特徴とする請求項1または2記載の商品情報表示用取付け資材。
【請求項4】
前記接続部は、前記一対の連続支持領域用切り目の終端同士の間に位置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の商品情報表示用取付け資材。
【請求項5】
当該商品情報表示用取付け資材を前記商品の前記取付け部に取付けたときに、前記表示用自由揺動領域が前記連続支持領域により前記商品に対して離反して揺動可能な状態にこれを位置させることが可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の商品情報表示用取付け資材。
【請求項6】
当該商品情報表示用取付け資材を単葉の資材片として複数枚連続して帯状に形成していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の商品情報表示用取付け資材。
【請求項7】
連続支持領域と資材本体とをつなぐ連結点が、前記資材本体の折り曲げ可能な箇所に位置することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の商品情報表示用取付け資材。
【請求項8】
商品の商品情報を表示する平面状の資材本体を有し、
この商品の取付け部に取付けることができるようにする取付け用開口部により、この商品に取付けられる商品情報表示用取付け資材の使用方法であって、
前記資材本体には、
前記取付け用開口部を開口形成可能な開口部用切り目と、
この開口部用切り目の両端に連続して延びて連続開口部を開口形成可能な一対の連続支持領域用切り目と、を形成するとともに、
前記開口部用切り目により前記取付け用開口部の内方部に画成される表示用自由揺動領域と、
前記連続支持領域用切り目により前記連続開口部の内方部に画成される連続支持領域と、
この連続支持領域を前記資材本体に一体的に接続可能な接続部と、を有し、
前記一対の連続支持領域用切り目それぞれの少なくとも一箇所に、該連続支持領域と資材本体とをつなぐ連結点を形成した商品情報表示用取付け資材を、
表示用自由揺動領域と、連続支持領域のうち表示用自由揺動領域から連結点までを連結点を支点として資材本体から引き起こし、
資材本体に形成された取付け用開口部を前記商品の前記取付け部に取付け、
表示用自由揺動領域が連続支持領域に支持されて上方に指向した第1の表示状態にする操作と、
連続支持領域と資材本体とをつなぐ連結点を切り離し、表示用自由揺動領域および連続支持領域を接続部を支点として曲げ、連続支持領域を介して表示用自由揺動領域を前記商品から離れて揺動可能に支持し、第1の表示状態に対し、表示用自由揺動領域の反対面を視認可能にした第2の表示状態にする操作と、
を含むことを特徴とする商品情報表示用取付け資材の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−25254(P2013−25254A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162188(P2011−162188)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)