説明

商品搬出装置

【課題】レジカウンタ下などの比較的低い位置に配置されている場合におけるオペレーションの利便性に配慮した構造の商品搬出装置を容易に実現できるとともに、搬出動作用の駆動力が小さくて済む商品搬出装置を提供する。
【解決手段】商品搬出装置100は、複数の商品(例えばタバコパッケージ1)を積み重ねて貯留可能な貯留部2と、貯留部2から投入された商品を搬出する搬出路(例えばスロープ150)と、搬出路による搬出先に位置する商品取出部(例えば商品取出口175)と、商品の搬出指令を受け付ける受付部(例えば操作パネル5)を有している。更に、商品搬出装置100は、貯留部2に貯留された商品のうち、最上位置に配置され且つ所定の搬出待機位置6に位置する商品を、受付部に対する搬出指令に応じて搬出路に投入する投入部140を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品搬出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアなどの店舗では、販売用の様々な商品がいわゆる什器に陳列されている。
【0003】
多様な商品のうち、例えばタバコパッケージなどの特定の商品は、電子キャッシュレジスタなどの販売処理装置が載置されたレジカウンタの周辺に陳列されることが一般的である。
【0004】
なお、ここで云うタバコパッケージとは、実際に喫煙されるいわゆる紙巻タバコを、ソフト包装やハードボックスに所定の本数ずつ収容してなる、最小の販売単位のパッケージである。
【0005】
ところで、特許文献1〜3には、レジカウンタ周辺において、上述したような特定の商品を収容し、要求に応じて搬出する装置が記載されている。
【0006】
このうち特許文献1には、複数種の商品サンプルの陳列棚と、商品サンプルの各々に対応する選択ボタンと、タバコパッケージ等の複数種の商品をそれぞれ積み重ねて収容するコラムと、選択ボタンにより商品が選択されたときに搬出動作を行う商品搬出装置と、搬出された商品の取出口と、を備える什器が記載されている。
【0007】
特許文献1の什器の商品搬出装置は、商品を押し出すプッシャ等からなり、選択された商品が収容されているコラムにおける最下段の商品を押し出して、所定の搬出動作を行うようになっている。
【0008】
また、特許文献2には、前面に商品見本展示部を設けたレジカウンタと、レジカウンタとは別個の位置に設けた商品貯蔵部及び商品搬出部とを備え、商品選択部により選択された商品を商品搬出部によって商品貯蔵部から搬出させるようにした商品販売システムが記載されている。
【0009】
また、特許文献3には、レジカウンタの前面に商品見本展示部、内部に商品貯蔵部、商品搬出部を設け、商品選択部により選択された商品を商品搬出部によって商品貯蔵部から搬出させるようにした商品自動搬出ユニットが記載されている。
【0010】
なお、特許文献1には、什器をレジカウンタと並べて配置することが記載されている。また、特許文献2、3には、商品販売システム、商品自動搬出ユニットをそれぞれレジカウンタの後方或いは横などに配置することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−098714号公報
【特許文献2】特開2004−298344号公報
【特許文献3】特開2004−275516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
一般的なコンビニエンスストアなどの店舗では、来店した一般消費者から見てレジカウンタの向こう側の位置に、レジ作業を行う店員用のスペース(以下、レジ作業スペース)が設けられている。そして、タバコパッケージなどの特定の商品用の什器は、レジ作業スペースの後方に配置されることが最も一般的である。
【0013】
しかし、この配置の場合、タバコパッケージなどの販売に際しては、レジカウンタを挟んで一般消費者に対面していた店員が、後ろを振り向いてタバコパッケージを取得する必要がある。このため、一連の販売処理中において、一般消費者との対面状態を維持することが困難となる、あるいは、店内を店員の監視下におくことが困難となる。
【0014】
そこで、一般消費者との対面状態を維持しながらも、あるいは店内を監視下におきながらも、一連の販売処理を行うことができるように、レジカウンタ上、あるいは、レジカウンタの脇など、レジ作業スペースの前側に什器を配置することも考えられる。
【0015】
しかしながら、コンビニエンスストアなどの店舗では、什器を含む各種設備の配置レイアウトが高度に最適化されている。このため、余分な設備を配置可能なデッドスペースとしては、レジカウンタ下の空間など、極めて限られたスペースしか残されていないことも多く、このような限られたデッドスペースを活用できると好適である。
【0016】
ところで、上述のように、特許文献1では、什器をレジカウンタと並べて配置することを想定しており、特許文献2、3では、商品販売システム、商品自動搬出ユニットをそれぞれレジカウンタの後方或いは横などに配置することを想定している。このため、何れの文献においても、什器等をレジカウンタ下等のデッドスペースに配置したいという課題の認識は認められないが、上述の事情に鑑み、仮に、特許文献1〜3の什器等をレジカウンタ下に配置した場合には、それぞれ以下のような課題がある。
【0017】
特許文献1の什器では、コラム内に積み重ねて収容されている複数個の商品のうち、最下段の商品を押し出して取出口へ搬出する。このため、取出口の位置は、レジカウンタ下の空間の中でも、下の方になると考えられる。よって、取出口からの商品取り出しに際して、店員が大きく身を屈める必要があるなど、取り出し作業が困難になり、オペレーションの利便性が良くない。
【0018】
加えて、特許文献1の什器では、積み重ねられた商品のうち最下段の商品を押し出すようになっているため、商品の押し出しには相当に強い力が必要となる。なぜなら、上に多くの商品が積み重なっている状態において、最下段の商品に対して作用する大きな摩擦力に抗して、商品搬出動作を行う必要があるからである。
【0019】
一般に、タバコパッケージなどの商品はフィルム包装されているため、商品どうしの摩擦力は比較的大きい場合がある。特に、コンビニエンスストア等の店舗では、おでんなどの蒸気の発生を伴う商品を販売していることも多いため、その湿気によって、隣接する商品どうしの摩擦力が増大する可能性がある。このため、商品の押し出しに尚更強い力が要求される。
【0020】
なお、特許文献2、3には、商品搬出機構の具体的な構成についての説明はないが「商品貯蔵部4、商品搬出部5、商品搬出口6は商品自動搬出ユニット7を構成し、その構成については従来の自動販売機のそれと同様のものを利用することができる。」などと記載されていることから、特許文献2、3の商品搬出機構は特許文献1と同様と考えられる。このため、特許文献2、3の技術でも、特許文献1の場合と同様の課題が存在すると考えられる。
【0021】
このように、特許文献1〜3の什器等では、レジカウンタ下などの比較的低い位置に配置した場合におけるオペレーションの利便性が良くない上、搬出動作用の駆動力、並びに、搬出機構の強度が大きいことが必要とされる。
【0022】
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、レジカウンタ下などの比較的低い位置に配置されている場合におけるオペレーションの利便性に配慮した構造を容易に実現できるとともに、搬出動作用の駆動力が小さくて済むような、商品搬出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、複数の商品を積み重ねて貯留可能な貯留部と、
前記貯留部から投入された商品を搬出する搬出路と、
前記搬出路による搬出先に位置する商品取出部と、
商品の搬出指令を受け付ける受付部と、
前記貯留部に貯留された商品のうち、最上位置に配置され且つ所定の搬出待機位置に位置する商品を、前記受付部に対する搬出指令に応じて前記搬出路に投入する投入部と、
を有することを特徴とする商品搬出装置を提供する。
【0024】
この商品搬出装置によれば、貯留部に貯留された商品を、受付部に対する搬出指令に応じて、投入部によって搬出路に投入することにより、投入部に投入された商品を、搬出路により商品取出部へ搬出することができる。よって、受付部に対して指令を行うだけで、自動的に商品を搬出することができる。
【0025】
しかも、投入部は、貯留部に貯留された商品のうち、最上位置に配置され且つ所定の搬出待機位置に位置する商品を、搬出路に投入するので、貯留部の商品のうち最上位置の商品を商品取出部へ搬出することができる。よって、商品取出部の位置を比較的高い位置に設けた構造の商品搬出装置を容易に実現することができる。従って、例えば、レジカウンタ下のスペース等、比較的低い位置に商品搬出装置を配置した場合であっても、商品取出部に搬出された商品を作業者が容易に取り出すことができる。これにより、レジカウンタ下のスペース等のデッドスペースを有効利用することが可能となる。
【0026】
更に、最上位置の商品の上には、他の商品が積まれていないため、最上位置の商品を投入部によって搬出路に投入するための駆動力が小さくて済む。よって、投入部の強度(剛性)も比較的小さくて構わない。
【0027】
このように、レジカウンタ下などの比較的低い位置に配置されている場合におけるオペレーションの利便性に配慮した構造を容易に実現できるとともに、搬出動作用の駆動力が小さくて済むような、商品搬出装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、商品搬出装置がレジカウンタ下などの比較的低い位置に配置されている場合におけるオペレーションの利便性に配慮した構造の商品搬出装置を容易に実現できるとともに、搬出動作用の駆動力が小さくて済む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1の実施形態に係る商品搬出装置をレジカウンタの下部空間に配置した状態を示す正面図である。
【図2】第1の実施形態に係る商品搬出装置の内部の構造を示す背面図である。
【図3】第1の実施形態に係る商品搬出装置の内部の構造を示す左側面図である。
【図4】第1の実施形態に係る商品搬出装置の内部の構造を示す平面図である。
【図5】第1の実施形態に係る商品搬出装置の操作パネルの拡大図である。
【図6】第1の実施形態に係る商品搬出装置のブロック図である。
【図7】第1の実施形態に係る商品搬出装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】貯留部からスロープへの商品の投入時における一連の動作を示す図である。
【図9】第1の実施形態に係る商品搬出装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】商品の販売時の店員の作業の様子を示す側面図である。
【図11】第2の実施形態に係る商品搬出装置の搬出路の構造を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0031】
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係る商品搬出装置100を店舗のレジカウンタ300の下部空間に配置し、レジカウンタ300の内側(レジ作業スペース側)から商品搬出装置100を見た状態を示す模式的な正面図である。図2乃至図4は商品搬出装置100の筐体101の内部の構造を示す模式図であり、このうち図2は背面側から見た構造を、図3は左側から見た構造、図4は上側から見た構造を、それぞれ示す。
【0032】
本実施形態に係る商品搬出装置100は、複数の商品(例えば、タバコパッケージ1)を積み重ねて貯留可能な貯留部2と、貯留部2から投入された商品を搬出する搬出路(例えば、スロープ150)と、搬出路による搬出先に位置する商品取出部(例えば、商品取出口175)と、商品の搬出指令を受け付ける受付部(例えば、操作パネル5)と、を有している。更に、商品搬出装置100は、貯留部2に貯留された商品のうち、最上位置に配置され且つ所定の搬出待機位置6に位置する商品を、受付部に対する搬出指令に応じて搬出路に投入する投入部140を有している。以下、詳細に説明する。
【0033】
図1に示すように商品搬出装置100は、例えば直方体形状の筐体101を有している。例えば、コンビニエンスストアなどの店舗のレジカウンタ300の下側に存在するデッドスペースにも商品搬出装置100を配置できるように、筐体101の外形寸法は適宜に設定されている。なお、レジカウンタ300は、例えば、天板301と、左右の側板302と、背板303(図3)と、を有し、これら天板301、側板302、及び背板303により囲まれた領域、すなわち、天板301の下側の領域(以下、レジカウンタ下側空間)は中空となっている。様々な高さ、幅あるいは奥行のレジカウンタ下側空間に、商品搬出装置100をなるべく隙間無く配置可能なように、筐体101の寸法はカスタマイズ、或いは、セミカスタマイズすることができる。以下、商品搬出装置100がレジカウンタ下側空間に配設されているものとして説明を続ける。
【0034】
操作パネル5は、レジ作業を行う店員によるタバコパッケージ1の搬出指令を受け付ける操作部であり、例えば、筐体101の前面における上部に配設されている。また、商品取出口175は、筐体101の前面に開口している。そして、操作パネル5に対し、店員が所定の操作(搬出指令)を行うと、タバコパッケージ1が商品取出口175へ自動的に搬出され、店員が商品取出口175からタバコパッケージ1を取り出すことができるようになっている。なお、商品取出口175の下側には、タバコパッケージ1を保持する商品保持トレー176が形成されている。
【0035】
商品取出口175は、タバコパッケージ1の取り出し作業を容易に行うことができるように、筐体101の前面において、ある程度高い位置に配置されていることが好ましい。具体的には、例えば、商品搬出装置100の上端100aと下端100bとの中間位置100cよりも上側に、商品取出口175が配置されていることが好ましい。或いは、商品搬出装置100の上端100aから1/3の位置100dよりも上側に商品取出口175が配置されていることも好ましい。なお、商品取出口175の個数は、筐体101内に貯留されるタバコパッケージ1の種類に応じて適宜に増減することができる。商品取出口175が複数の場合、取り出し作業性を標準化する観点から、各商品取出口175の高さが互いに等しいことが好ましい。
【0036】
筐体101の前面には、他に、商品取出口175に(商品保持トレー176上に)タバコパッケージ1が搬出された(払い出された)ことを報知する払出報知ランプ181が設けられている。この払出報知ランプ181は、各商品取出口175の近傍に配置されている。また、商品取出口175の近傍には、商品取出口175に(商品保持トレー176上に)タバコパッケージ1が搬出されたことを検出する払出検出センサ135(図3)が設けられている。そして、商品取出口175に(商品保持トレー176上に)タバコパッケージ1が搬出されたことが払出検出センサ135により検出させると、払出報知ランプ181が点灯するようになっている。これにより、店員は、点灯した払出報知ランプ181と対応する商品取出口175へ(商品保持トレー176上へ)タバコパッケージ1が搬出されたことを認識することができるので、商品取出口175の個数が多い場合であっても、即座にタバコパッケージ1が搬出された商品取出口175の位置を知ることができる。また、例えば、払出報知ランプ181の点灯と同期して、払出報知スピーカ(図6)から所定の払出報知音(「ピッ」という音など)が出力されるようになっている。
【0037】
筐体101の前面には、他に、引出ユニット20(後述)を手前側に引き出し操作するための取っ手173が設けられている。
【0038】
図2及び図3に示すように、筐体101内には、複数個のタバコパッケージ1を積み重ねて貯留可能な貯留部2が、複数配置されている。
【0039】
ここで、貯留部2において、複数のタバコパッケージ1が上下方向に積み重ねられていること(一のタバコパッケージ1の真上に他のタバコパッケージ1が積み重ねられていること)が好ましい一例である。ただし、一のタバコパッケージ1の真上から水平方向にずれた位置(一のタバコパッケージ1の斜め上)に他のタバコパッケージ1が積み重ねられていても良い。
【0040】
本実施形態の場合、例えば、左右方向に4列(図2参照)、前後方向に5列(図3参照)で、合計20個の貯留部2が筐体101内に配置されている。このため、筐体101内においては、図4に示すように、平面視において、タバコパッケージ1がマトリクス状に配置されるようになっている。貯留部2の各々は、例えば、タバコパッケージ1の銘柄毎に割り当てることができる。なお、各貯留部2には、例えば、1カートン(通常10個)よりも多くのタバコパッケージ1を貯留できるようになっている。
【0041】
図3に示すように、貯留部2は、該貯留部2に貯留されるタバコパッケージ1のうち最低位置のタバコパッケージ1の下面を支持する支持部材としてのリフタ110と、リフタ110及びタバコパッケージ1をガイドする一対のガイド部材7、8と、を有している。
【0042】
リフタ110は、上面が平坦な台状の部材であり、各貯留部2においては、リフタ110上に、複数個のタバコパッケージ1を上下方向に積み重ねて貯留できるようになっている。リフタ110は、具体的には、例えば、直方体形状に形成されている。そして、リフタ110の平面寸法は、タバコパッケージ1の正面(タバコパッケージ1の外面のうち最も大きい平面)1aと略等しい寸法及び形状に設定されている。
【0043】
一対のガイド部材7、8は、それぞれ後述する内部フレーム9上に立設された壁状の部材であり、互いに対向するように配置されている。一対のガイド部材7、8は、リフタ110及びタバコパッケージ1を、静止状態、並びに上下移動の際にガイドする。このうち一方のガイド部材7は、リフタ110上のタバコパッケージ1とリフタ110との前端部をガイドし、他方のガイド部材8は、リフタ110上のタバコパッケージ1とリフタ110との後端部をガイドするようになっている。より具体的には、ガイド部材7、8における互いの対向部位は、略コ字状の平断面形状に形成されている。そして、ガイド部材7は、タバコパッケージ1及びリフタ110の前側の側面、左側の側面の前端部、及び右側の側面の前端部をガイドし、ガイド部材8は、タバコパッケージ1の後側の側面、左側の側面の後端部、及び右側の側面の後端部をガイドするようになっている。ただし、搬出待機位置6のタバコパッケージ1を後述するプッシャ141により押してスロープ150上に移載できるように、ガイド部材7、8は、搬出待機位置6のタバコパッケージ1の左右の側面はガイドしていない。
【0044】
なお、図2においては、貯留部2にてタバコパッケージ1が積み重ねられている様子が分かるように、ガイド部材7、8の図示を省略している。また、図4においても、ガイド部材7、8の図示を省略している。
【0045】
また、一の引出ユニット20に隣り合って配置されている貯留部2どうしの境界には、これら貯留部2どうしを相互に仕切る仕切り壁(図示略)を設けても良い。
【0046】
ここで、引出ユニット20について説明する。図2に示すように、本実施形態の場合、商品搬出装置100は、例えば、2つの引出ユニット20を有している。これら引出ユニット20は、左右に並んで配置されている。各引出ユニット20は、例えば、左右方向に2列(図2)、前後方向に5列(図3)で、合計10個ずつの貯留部2を有している。引出ユニット20は、例えば、トレー状の内部フレーム9を有し、この内部フレーム9上に、軸受け部材12、ガイド部材7、8等が固定されている。内部フレーム9は、筐体101の底板上に敷設されたガイドレール172上に設けられ、該ガイドレール172に対して相対的に、前後移動が可能となっている。また、図3に示すように、上述の取っ手173は、引出ユニット20が有するガイド部材7のうち最も手前側のガイド部材7の前面に固定された前板23に固定されている。このため、取っ手173を手前側(図3の右側)に引くことにより、引出ユニット20を筐体101内から手前側に引き出すことができるようになっている。
【0047】
図3に示すように、引出ユニット20の奥には、引出ユニット20が筐体101から引き出されたこと、及び引出ユニット20が筐体101内に奥まで押し込まれたことを検出する引出検出スイッチ174が設けられている。
【0048】
引出検出スイッチ174によって引出ユニット20が引き出されたことが検出されると、後述する昇降機構120が各貯留部2のリフタ110を下限位置まで下降させるようになっている。また、投入部140は、後述するように、筐体101の天板に固定されているため、引出ユニット20を筐体101内から引き出した際には、投入部140は貯留部2の上側に存在しない。このため、引出ユニット20を引き出した状態では、貯留部2の上方から貯留部2内にタバコパッケージ1を補充したり、或いは、貯留部2におけるタバコパッケージ1の在庫状況を確認したりすることができる。
【0049】
また、引出検出スイッチ174によって引出ユニット20が押し込まれたことが検出されると、各貯留部2のリフタ停止スイッチ134が貯留部2のタバコパッケージ1のうち最上位置のタバコパッケージ1が搬出待機位置6に達したことを検出するまで、昇降機構120が各貯留部2のリフタ110を上昇させるようになっている。
【0050】
なお、後述するリフタ停止スイッチ134は、その下端部が下に凸の曲面状となっている。これにより、引出ユニット20の引出操作の初期において、リフタ停止スイッチ134と貯留部2における最上位置のタバコパッケージ1との摩擦を低減でき、この引き出し操作をスムーズに開始できるようになっている。
【0051】
図2に示すように、投入部140は、例えば、水平移動することによって搬出待機位置6のタバコパッケージ1をスロープ150側に押し込む一対のプッシャ141(図3参照)と、このプッシャ141を駆動させるプッシャ駆動モータ32(図6)と、このプッシャ駆動モータ32の駆動力をプッシャ141に伝達して該プッシャ141を移動させる駆動伝達機構(図示略)と、を有している。投入部140は、例えば、筐体101の天板の下面に固定された、扁平な筐体状の本体部140aを有している。プッシャ141は、この本体部140aの下面から下方に突出している。プッシャ駆動モータ32及び駆動伝達機構は、本体部140aに内蔵されている。
【0052】
このうち、駆動伝達機構は、例えば、ピ二オンギア及びラックギアにより構成され、プッシャ駆動モータ32の回転運動を直線運動に変換して、プッシャ141に伝達する。また、一対のプッシャ141は、図2に示すように左右方向の厚みが薄い板状部材により構成され、図3に示すように前後方向において互いに離間して配置されている。
【0053】
ここで、投入部140は、図2及び図3に示すように、例えば、各引出ユニット20につき、5つずつ対応するように、筐体101に設けられている。そして、図2に示すように、各投入部140は、一の引出ユニット20において左右に並ぶ一対の貯留部2の上側に配置され、これら一対の貯留部2に共用となっている。投入部140の一対のプッシャ141は、搬出動作を行わない通常時には、図2に示すホームポジションHPに位置している。ホームポジションHPは、これら一対の貯留部2の搬出待機位置6の間の位置である。そして、一対のプッシャ141は、投入動作時には、左又は右に移動して、搬出待機位置6のタバコパッケージ1をスロープ150側へ押し込む。プッシャ141がタバコパッケージ1をスロープ150側に押し込むことにより、搬出待機位置6のタバコパッケージ1がスロープ150上へ移載(投入)される。
【0054】
プッシャ駆動モータ32は、正回転及び逆回転が可能である。プッシャ駆動モータ32が正回転することにより、プッシャ141が一方向に水平移動し、該プッシャ141によって搬出待機位置6のタバコパッケージ1をスロープ150側に押し込む投入動作が行われる。また、投入動作後、プッシャ駆動モータ32が逆回転することにより、プッシャ141は逆方向に水平移動してホームポジションHPに復帰する。
【0055】
プッシャ141は、後述するリフタ停止スイッチ134の下端部よりも下方に突出している。また、一対のプッシャ141は、その水平移動時にリフタ停止スイッチ134と干渉しないように、リフタ停止スイッチ134を挟んで前後に離間している。
【0056】
図3に示すように、スロープ150は、例えば、最も奥(図3の左端)に位置する貯留部2側から商品取出口175側に向けて下り傾斜するように配置され、スロープ150の下端部は商品保持トレー176に導かれている。スロープ150は、その長手方向に沿ってタバコパッケージ1を流下させることにより、貯留部2から投入されたタバコパッケージ1を商品取出口175(商品保持トレー176)へ搬出する。
【0057】
スロープ150の長手方向に沿って複数の貯留部2が配置され、複数の貯留部2が一のスロープ150を共用するようになっている。
【0058】
スロープ150は、該スロープ150に沿ったタバコパッケージ1の流下を促す複数のローラ151と、これらローラ151を各々軸周りに回動可能に両側から保持する一対の保持部材152(図3)と、を有している。保持部材152は、スロープ150の長手方向に延在する棒状の部材である。また、ローラ151は、一対の保持部材152により保持されることにより、各々の軸方向がスロープ150の幅方向を向き、各々軸周りに回転自在なように、スロープ150の長手方向において所定間隔で配列されている。
【0059】
本実施形態の場合、商品搬出装置100は、図2に示すように、例えば、3つのスロープ150を有している。このうち、1つのスロープ150は、2つの引出ユニット20の間に配置され、残る2つのスロープ150は、それぞれ、1つずつの引出ユニット20と筐体101との間に配置されている。そして、2つの引出ユニット20の間に配置されているスロープ150は、これら2つの引出ユニット20の貯留部2に共用となっている。
【0060】
ここで、タバコパッケージ1は、各種サイズの直方体形状に形成されている。通常、タバコパッケージ1内には、紙巻きタバコが、ハニカム状の3段の配列で、上段には7本、中段には6本、下段には7本で合計20本収容されている。また、通常、紙巻きタバコの長さは、その直径の7倍よりも長い。このため、タバコパッケージ1は一般に、扁平な直方体形状となっているとともに、タバコパッケージ1の正面1aは長方形状となっていてその横寸法よりも縦寸法の方が大きい。以下、正面1aの縦方向をタバコパッケージ1の長手方向と称する。
【0061】
タバコパッケージ1がスロープ150を流下する際にタバコパッケージ1の長手方向がスロープ150の幅方向を向く場合、スロープ150の幅をタバコパッケージ1の長手方向よりも大きくする必要がある。この場合、商品搬出装置100の左右幅も大きくなってしまうばかりか、タバコパッケージ1がスロープ150を流下する際にタバコパッケージ1の角がスロープ150の両脇に位置する貯留部2に引っ掛かり、スロープ150の途中でタバコパッケージ1の流下が停止してしまう虞がある。よって、タバコパッケージ1の長手方向がスロープ150の長手方向とほぼ一致した状態でタバコパッケージ1がスロープ150を流下できるように、貯留部2におけるタバコパッケージ1の向きと貯留部2からのタバコパッケージ1の投入の仕方とが設定されている。
【0062】
具体的には、図3に示すように、貯留部2に収容されるタバコパッケージ1の長手方向が、スロープ150の長手方向とほぼ一致するようにして、タバコパッケージ1が貯留部2に収容されるようになっている。更に、投入部140の一対のプッシャ141は、互いに同期してタバコパッケージ1をスロープ150側に押し込むようになっている。これにより、タバコパッケージ1の向きを実質的に変化させずに、貯留部2からスロープ150へタバコパッケージ1を投入できるようになっている。
【0063】
なお、このように、貯留部2に収容されるタバコパッケージ1の長手方向と、スロープ150の長手方向とをほぼ一致させることにより、投入のためのプッシャ141の移動距離を短縮できる効果も得られる。
【0064】
また、スロープ150の両脇に位置する貯留部2どうしの間隔は、タバコパッケージ1がスロープ150を流下する際に、タバコパッケージ1の角がこれら貯留部2に引っ掛かりにくいように、タバコパッケージ1の長手寸法よりも十分に短く設定されていることが好ましい。これら貯留部2どうしの間隔は、例えば、タバコパッケージ1の左右幅よりも若干広い程度に設定されている。また、スロープ150の左右幅も、タバコパッケージ1の左右幅よりも若干広い程度に設定されている。
【0065】
図2に示すように、商品搬出装置100は、更に、リフタ110を昇降させる昇降機構120を、各貯留部2毎に有している。昇降機構120は、駆動源としてのリフタ昇降モータ123と、このリフタ昇降モータ123により軸周りに回動される雄ねじシャフト121と、リフタ昇降モータ123の駆動力を雄ねじシャフト121に伝達するベルト機構122と、雌ねじ部材111と、を有している。雌ねじ部材111は、リフタ110の側面に固定されているとともに、雄ねじシャフト121と螺合している。雄ねじシャフト121は、その外周が雄ねじに切られており、その長手方向が上下方向となるように、その上端と下端とが、それぞれ軸受け部材11、12によって軸受けされて、該雄ねじシャフト121の軸周りに回動自在となっている。下側の軸受け部材12は、内部フレーム9に固定され、上側の軸受け部材11は、例えば、ガイド部材8に固定されている。
【0066】
リフタ昇降モータ123が正回転すると、その回転駆動がベルト機構122を介して雄ねじシャフト121へ伝達されて、該雄ねじシャフト121が軸周りに正回転する。そして、雄ねじシャフト121の正回転に伴い、雌ねじ部材111及びリフタ110が上昇する。この上昇に伴い、リフタ110上に配置されているタバコパッケージ1も、ガイド部材7、8によって前後をそれぞれガイドされながら上昇する。
【0067】
一方、リフタ昇降モータ123が逆回転すると、その回転駆動がベルト機構122を介して雄ねじシャフト121へ伝達されて、該雄ねじシャフト121が軸周りに逆回転する。そして、雄ねじシャフト121の逆回転に伴い、雌ねじ部材111及びリフタ110が下降する。この下降に伴い、リフタ110上に配置されているタバコパッケージ1も、ガイド部材7、8によって前後をそれぞれガイドされながら下降する。
【0068】
搬出待機位置6のタバコパッケージ1が投入部140によってスロープ150へ投入されると、搬出待機位置6が空きスペースとなる。すると、昇降機構120は、貯留部2の残りのタバコパッケージ1のうち最上位置に配置されているタバコパッケージ1が搬出待機位置6に達するまで、リフタ110と貯留部2の残りのタバコパッケージ1とを上昇させる。
【0069】
ここで、例えば、投入部140の本体部140aの下面には、リフタ停止スイッチ(検出部)134(図2参照)が、各貯留部2毎に設けられている。リフタ停止スイッチ134は、本体部140aの下面から下方に突出している。そして、リフタ停止スイッチ134は、図示しないスプリングなどの付勢部材によって下方に付勢され、且つ、この付勢に抗して本体部140a内に押し込み可能となっている。リフタ停止スイッチ134は、本体部140a内に押し込まれることによって、貯留部2の残りのタバコパッケージ1のうち最上位置に配置されているタバコパッケージ1が搬出待機位置6に達したことを検出する。
【0070】
各貯留部2は、更に、リフタ上限検出スイッチ131と、リフタ下限検出スイッチ132と、10個補充可能検出スイッチ133と、を有している。このうちリフタ上限検出スイッチ131は、リフタ110が上限位置に達したこと、すなわち、貯留部2内のタバコパッケージ1の残数が0となったことを検出する。また、リフタ下限検出スイッチ132は、リフタ110が下限位置に達したことを検出する。10個補充可能検出スイッチ133は、貯留部2に所定個数(例えば、10個)のタバコパッケージ1を補充可能な位置までリフタ110が上昇したことを検出する。これらスイッチ131、132、133は、例えば、それぞれ近接スイッチである。また、各リフタ110に固定された雌ねじ部材111は、例えば、スイッチ131、132、133により検出可能な金属により構成されている。そして、スイッチ131、132、133は、雌ねじ部材111が所定距離に接近した場合に、その旨を検出するようになっている。これらスイッチ131、132、133は、例えば、ガイド部材8に設けられている。
【0071】
なお、スロープ150は、筐体101側に固定されていても良いし、引出ユニット20側に固定されていても良い。スロープ150を引出ユニット20側に固定する場合、中央のスロープ150は、その両側にそれぞれ位置する引出ユニット20のうち何れか一方に固定することができる。また、引出ユニット20の引出時に部材どうしが緩衝しないように、スロープ150、雄ねじシャフト121及び軸受け部材11、12等の各部材の寸法並びに平面レイアウト等は適宜に変更・調節が可能である。
【0072】
また、貯留部2、引出ユニット20及びスロープ150等の数は必要に応じて増減することができる。タバコパッケージ1は銘柄の種類が非常に多いが、貯留部2の数を増やすことにより、他種の銘柄のタバコパッケージ1の販売に対応することができる。
【0073】
図5に示すように、操作パネル5には、例えば、複数の銘柄ラベル183と、各銘柄ラベル183の隣に配置された銘柄選択スイッチ182と、搬出すべきタバコパッケージ1の個数の入力を受け付ける個数入力スイッチ187と、が設けられている。
【0074】
筐体101内には、複数種類の銘柄のタバコパッケージ1がそれぞれ対応する貯留部2に貯留されている。各銘柄ラベル183には、対応する貯留部2に貯留されているタバコパッケージ1の銘柄が表示されている。そして、例えば、個数入力スイッチ187に対して個数の入力操作がなされた後で、ある銘柄と対応する銘柄ラベル183の隣の銘柄選択スイッチ182が押圧操作されると(搬出指令がなされると)、その銘柄選択スイッチ182と対応する貯留部2上の投入部140のプッシャ141が作動し、該貯留部2のタバコパッケージ1がスロープ150へ投入されるようになっている。このように、商品搬出装置100は、複数の貯留部2を有し、投入部140は、複数の貯留部2のうち、操作パネル5が受け付けた搬出指令に応じた貯留部2のタバコパッケージ1をスロープ150へ投入する。
【0075】
また、プッシャ141は、入力された個数に応じた回数だけ繰り返し作動し、入力された個数のタバコパッケージ1を順次にスロープ150へ投入するようになっている。このように、商品搬出装置100は、搬出するタバコパッケージ1の個数の選択操作が可能な個数入力スイッチ187を有し、選択された個数に応じた回数だけ投入部140がスロープ150へのタバコパッケージ1の投入動作を繰り返すようになっている。
【0076】
また、各銘柄選択スイッチ182は、透明部材或いは半透明部材により構成され、各銘柄選択スイッチ182の内部には、対応する貯留部2におけるタバコパッケージ1の在庫状況を発光色や発光状態により報知する在庫状況発光報知部33(図6)が設けられている。在庫状況発光報知部33は、スイッチ131、132、133による検出状態に応じて発光色や発光状態(点灯/点滅の別など)を切り替えることによって、在庫状況を報知する。
【0077】
各在庫状況発光報知部33は、それぞれ複数色の発光部材(LED等)を有し、在庫状況に応じた発光色の発光部材を選択的に発光させるように構成することが挙げられる。或いは、各在庫状況発光報知部33は、複数色のカラーフィルタと、各カラーフィルタと対応する発光部材と、を有し、在庫状況に応じた色のカラーフィルタと対応する発光部材を選択的に発光させるように構成しても良い。
【0078】
具体的には、例えば、リフタ上限検出スイッチ131によりリフタ110が上限位置に達したことが検出された場合には、在庫状況発光報知部33は、貯留部2内のタバコパッケージ1の残数が0となった旨の報知として、赤色の発光点滅動作を行う。また、10個補充可能検出スイッチ133によって貯留部2に10個のタバコパッケージ1を補充可能な状態が検出された場合には、在庫状況発光報知部33は、その旨の報知として、黄色の発光動作を行う。また、その他の場合(残数が0でなく、10個補充可能でもない場合)には、在庫状況発光報知部33は、その旨の報知として、緑色の発光動作を行う。
【0079】
図6は商品搬出装置100のブロック図である。図6に示すように、商品搬出装置100は、当該商品搬出装置100の動作を統括的に制御する制御部130を有している。
【0080】
図6に示すように、個数入力スイッチ187は、例えば、1個用、2個用、及び、3個用の3つが設けられている。各個数入力スイッチ187は、入力操作を検出すると、検出信号を制御部130へ出力する。銘柄選択スイッチ182は、例えば、貯留部2と同数(例えば、20個)設けられている。各銘柄選択スイッチ182は、選択操作を検出すると、検出信号を制御部130へ出力する。
【0081】
プッシャ駆動モータ32は、各投入部140毎に設けられ、個数入力スイッチ187及び銘柄選択スイッチ182に対する操作に応じて、制御部130により動作制御される。
【0082】
リフタ昇降モータ123は、各貯留部2毎に設けられ、制御部130により動作制御される。
【0083】
各リフタ停止スイッチ134は、貯留部2の残りのタバコパッケージ1のうち最上位置に配置されているタバコパッケージ1が搬出待機位置6に達したことを検出すると、その検出信号を制御部130へ出力する。
【0084】
リフタ上限検出スイッチ131、10個補充可能検出スイッチ133、及び、リフタ下限検出スイッチ132は、それぞれ貯留部2と同数(例えば、20個)ずつ設けられ、雌ねじ部材111の接近を検出すると、それぞれの検出信号を制御部130へ出力する。
【0085】
各在庫状況発光報知部33は、対応するリフタ上限検出スイッチ131及び対応する10個補充可能検出スイッチ133による検出状況に応じて、制御部130により動作制御される。
【0086】
払出検出センサ135、払出報知ランプ181及び払出報知スピーカ31は、それぞれ、商品取出口175毎に設けられている。払出検出センサ135は、タバコパッケージ1を検出すると、検出信号を制御部130へ出力し、制御部130は、払出検出センサ135からの検出信号を受けると、対応する払出報知ランプ181を発光させるとともに、対応する払出報知スピーカ31から報知音を出力させる。
【0087】
引出検出スイッチ174は、引出ユニット20毎に設けられ、対応する引出ユニット20が引き出されたことを検出すると、その旨を示す検出信号を制御部130へ出力する。制御部130は、引出検出スイッチ174から引出ユニット20が引き出された旨の検出信号を受けると、対応する引出ユニット20に含まれる各貯留部2のリフタ110を、それぞれリフタ下限検出スイッチ132により検出されるまで下降させるべく、リフタ昇降モータ123を制御する。また、引出検出スイッチ174は、対応する引出ユニット20が押し込まれたことを検出すると、その旨を示す検出信号を制御部130へ出力する。制御部130は、引出検出スイッチ174から引出ユニット20が押し込まれた旨の検出信号を受けると、対応する引出ユニット20に含まれる各貯留部2のリフタ110を、対応するリフタ停止スイッチ134により最上位置のタバコパッケージ1が搬出待機位置6に達したことが検出されるまで上昇させるべく、リフタ昇降モータ123を制御する。
【0088】
なお、図2に示すように、制御部130は、例えば、筐体101内に配設することができる。
【0089】
次に、動作を説明する。
【0090】
先ず、タバコパッケージ1の搬出時の動作を説明する。図7は第1の実施形態に係る商品搬出装置100の動作の流れを示すフローチャートである。以下に説明する動作は、制御部130の制御下で行われる。
【0091】
先ず、ステップS1では、何れかの個数入力スイッチ187に対する操作、すなわち個数の入力操作と、何れかの銘柄選択スイッチ182に対する操作、すなわち銘柄の選択操作と、が続けて行われたか否かを判定する。ステップS1の判定は、例えば、個数の入力操作と銘柄の選択操作とが続けて行われるまでは(ステップS1でNとなる限りは)繰り返し行われる。
【0092】
ここで、店員は、1個のタバコパッケージ1を搬出したい場合には1個用の個数入力スイッチ187を、同一銘柄の2個のタバコパッケージ1を搬出したい場合には2個用の個数入力スイッチ187を、同一銘柄の3個のタバコパッケージ1を搬出したい場合には3個用の個数入力スイッチ187を、それぞれ操作する。また、4個以上のタバコパッケージ1を搬出したい場合には、1個用〜3個用の個数入力スイッチ187に対する操作を組み合わせて行う。例えば、4個のタバコパッケージ1を搬出したい場合には、1個用及び3個用の個数入力スイッチ187を続けて操作すれば、制御部130は搬出数が4である旨を認識する。同様に、5個のタバコパッケージ1を搬出したい場合には、例えば、2個用及び3個用の個数入力スイッチ187を続けて操作すれば、制御部130は搬出数が5である旨を認識する。
【0093】
そして、このような個数の入力操作に続けて、銘柄の選択操作が行われることにより(ステップS1のY)、搬出される銘柄が確定される(つまり、タバコパッケージ1の搬出動作が行われる貯留部2が確定される)とともに、続けて搬出されるタバコパッケージ1の個数が確定され、ステップS2に移行する。
【0094】
ステップS2では、選択された銘柄と対応する貯留部2上の投入部140を作動させて、該貯留部2における搬出待機位置6のタバコパッケージ1をスロープ150に投入させる。
【0095】
ここで、図8を参照して投入時の動作を詳述する。
【0096】
図8(a)は、投入前の状態を示しており、プッシャ141はホームポジションHPに位置している。その後、ステップS2にて投入動作が開始されると、プッシャ141は、図8(b)に示すようにホームポジションHPからスロープ150側へ水平移動し、選択された銘柄と対応する貯留部2の搬出待機位置6のタバコパッケージ1をスロープ150側へ押し込む。なお、この押し込み動作の過程で、搬出待機位置6のタバコパッケージ1がリフタ停止スイッチ134を上方に押し付ける力が解除されるので、リフタ停止スイッチ134は付勢部材による付勢に従って、下方に突出する(図8(c))。また、この押し込み動作の結果、図8(c)に示すように、搬出待機位置6のタバコパッケージ1が、隣接するスロープ150上に移載される。すると、タバコパッケージ1は、自重によって、スロープ150の傾斜方向に流下し(図8(d))、商品取出口175(商品保持トレー176)へ搬出される。なお、このように、商品取出口175へのタバコパッケージ1の搬出は、商品搬出装置100への金銭或いはコイン等の投入を要さずに実行される。
【0097】
ここで、図9を参照して、タバコパッケージ1が商品取出口175へ搬出されたときの動作を説明する。図9は、図7の処理とはパラレルに制御部130によって実行される処理を示すフローチャートである。
【0098】
図9のステップS21では、何れかの商品取出口175と対応する払出検出センサ135によってタバコパッケージ1が検出されるまで(ステップS21でYとなるまで)、繰り返し行われる。何れかの商品取出口175へタバコパッケージ1が搬出されると、該商品取出口175と対応する払出検出センサ135がタバコパッケージ1を検出し(ステップS21のY)、その払出検出センサ135と対応する払出報知ランプ181及び払出報知スピーカ31に報知動作を開始させる(ステップS22)。これら報知により、店員は、何れの商品取出口175へタバコパッケージ1が搬出されたのかを認識でき、その商品取出口175からタバコパッケージ1を取り出すことができる。
【0099】
なお、この報知動作は、例えば、商品取出口175からタバコパッケージ1が取り出されるまで継続される。すなわち、例えば、ステップS22に続くステップS23では、払出検出センサ135によるタバコパッケージ1の検出状態が終了したか(払出検出オフとなったか)否かの判定を行う。この判定は、払出検出オフとなるまで(ステップS23でYとなるまで)繰り返し行われる。払出検出オフとなると(ステップS23のY)、ステップS24に移行し、払出報知ランプ181及び払出報知スピーカ31による報知動作を終了させる。その後は、再びステップS21に移行し、商品取出口175へのタバコパッケージ1の搬出を監視する状態となる。
【0100】
ここで、図10を参照して、商品取出口175からのタバコパッケージ1の取り出し動作を含む、店員15による作業の例を説明する。なお、レジカウンタ300上には、電子キャッシュレジスタなどの販売処理装置400が設置されている。
【0101】
上述のように、商品搬出装置100は、レジカウンタ下側空間に配置されている。このため、例えば、図10に示すように、店員15は、一般消費者16との対面状態を維持しながらも、あるいは店内を監視下におきながらも、タバコパッケージ1を販売するための一連の販売処理を行うことができる。すなわち、店員15は、例えば、操作パネル5を操作する際にも、商品取出口175からタバコパッケージ1を取り出す際にも、一般消費者16との対面状態を維持することができる、或いは、店内を監視下におくことができる。そして、その後、販売処理装置400に対する所定の操作(例えば、販売するタバコパッケージ1のバーコード入力操作等)を行う際にも、店員は、一般消費者16との対面状態を維持したり、店内を監視下においたりすることができる。
【0102】
また、上述のように商品搬出装置100は、貯留部2に貯留された商品のうち、最上位置に配置され且つ所定の搬出待機位置6に位置するタバコパッケージ1をスロープ150に投入する。このため、スロープ150による搬出先である商品取出口175の鉛直位置を、比較的高い位置に設定した構造の商品搬出装置100を、容易に実現することができる。具体的には、上述のように、例えば、商品搬出装置100の上端100aと下端100bとの中間位置100cよりも上側に、商品取出口175が配置された構造の商品搬出装置100も、容易に実現できる。このため、例えば、図10に示すように、店員は比較的楽な姿勢で商品取出口175からタバコパッケージ1を取り出すことができる。
【0103】
しかも、貯留部2における最上位置のタバコパッケージ1の上には他のタバコパッケージ1が積まれていないため、最上位置のタバコパッケージ1をプッシャ141により移動させる際の摩擦力は、例えば最低位置のタバコパッケージ1を移動させる場合の摩擦力と比べて小さい。このため、比較的小さい駆動力によって、プッシャ141によりタバコパッケージ1をスロープ150に投入することができる。
【0104】
次に、引き続き図7のステップS2以降の動作を説明する。
【0105】
ステップS2において、プッシャ141は、タバコパッケージ1をスロープ150上に押し込んだ後は、図8(d)に示すように、ホームポジションHPに復帰する。
【0106】
ステップS2に続くステップS3では、プッシャ141がホームポジションHPに復帰したか否かを判定する。この判定は、プッシャ141がホームポジションHPに復帰するまで(ステップS3でYとなるまで)繰り返される。
【0107】
プッシャ141がホームポジションHPに復帰すると(ステップS3のY)、ステップS4に移行し、リフタ110の上昇が開始される。
【0108】
続いて、ステップS5にて、リフタ110が上昇中の貯留部2におけるタバコパッケージ1の在庫個数が0となったか否か、すなわち、リフタ上限検出スイッチ131によって雌ねじ部材111の接近が検出されたか否かを判定する。ここで、例えば、貯留部2の最後のタバコパッケージ1をスロープ150上に投入した後、リフタ110がタバコパッケージ1の厚みの半分程度だけ上昇したタイミングで、リフタ上限検出スイッチ131が雌ねじ部材111の接近を検出するようになっている。このため、ステップS5の判定を確実なものとするため、該判定は、例えば、タバコパッケージ1をスロープ150上に投入した後、リフタ110がタバコパッケージ1の厚みの3/4程度上昇したタイミングで行うようになっている。
【0109】
そして、判定の結果、在庫個数が0ではなかった場合(ステップS5のN)、ステップS6に移行して、リフタ110が上昇中の貯留部2の上方のリフタ停止スイッチ134がオンとなったか否かの判定を行う。ステップS6の判定は、リフタ停止スイッチ134がオンとなるまで(ステップS6でYとなるまで)、すなわち貯留部2の残りのタバコパッケージ1のうち最上位置に配置されている商品が搬出待機位置6に達したことがリフタ停止スイッチ134によって検出されるまで繰り返される。
【0110】
リフタ停止スイッチ134がオンとなると(ステップS6のY)、リフタ110の上昇を停止させる(ステップS7)。
【0111】
ステップS7に続くステップS8では、先のステップS1にて入力された個数だけタバコパッケージ1をスロープ150に投入したか否かの判定を行う。
【0112】
入力された個数の投入を終えていない場合(ステップS8のN)、再びステップS2からの処理を繰り返す。
【0113】
また、入力された個数の投入を終えた場合(ステップS8のY)、ステップS9に移行して、先のステップS2にて投入動作が行われた貯留部2にタバコパッケージ1を10個補充可能であるか否か、すなわち当該貯留部2の10個補充可能検出スイッチ133によって雌ねじ部材111の接近が検出されたか否かを判定する。ここで、貯留部2のタバコパッケージ1の数が、貯留部2におけるタバコパッケージ1の最大貯留数−10となった後、リフタ停止スイッチ134がオンとなる過程で、10個補充可能検出スイッチ133が雌ねじ部材111の接近を検出するようになっている。
【0114】
そして、ステップS9での判定の結果、先のステップ2にて投入動作が行われた貯留部2の10個補充可能検出スイッチ133によって、未だ雌ねじ部材111の接近が検出されていない場合(ステップS9のN)、ステップS10に移行する。ステップS10では、当該貯留部2と対応する在庫状況発光報知部33の発光色を緑色に設定する処理を行う。店員は、在庫状況発光報知部33の発光色が緑色であることを確認することにより、未だ当該貯留部2にタバコパッケージ1を10個補充可能な状況ではないことを認識できる。ステップS10の後は、再びステップS1に移行し、個数の入力及び銘柄の選択の待ち受け状態となる。
【0115】
また、ステップS9での判定の結果、先のステップ2にて投入動作が行われた貯留部2の10個補充可能検出スイッチ133によって、雌ねじ部材111の接近が検出されていた場合(ステップS9のY)、ステップS11に移行する。ステップS11では、当該貯留部2と対応する在庫状況発光報知部33の発光色を黄色に設定する処理を行う。店員は、在庫状況発光報知部33の発光色が黄色であることを確認することにより、当該貯留部2にタバコパッケージ1を10個補充可能な状況であることを認識できる。ステップS11の後は、再びステップS1に移行し、個数の入力及び銘柄の選択の待ち受け状態となる。
【0116】
また、ステップS5にて、リフタ110が上昇中の貯留部2におけるタバコパッケージ1の在庫個数が0となったと判定された場合(ステップS5のY)、リフタ110の上昇を停止させ(ステップS12)、当該貯留部2と対応する在庫状況発光報知部33の発光色を赤色に設定する処理を行う(ステップS13)。店員は、在庫状況発光報知部33の発光色が赤色であることを確認することにより、当該貯留部2のタバコパッケージ1の在庫が無くなったことを認識できる。
【0117】
また、ステップS13に続いて、リフタ110の下降を開始させる(ステップS14)。リフタ110の下降は、続くステップS15にて、リフタ110が下限まで下降したか否か、すなわちリフタ下限検出スイッチ132によって雌ねじ部材111の接近が検出されたと判定される(ステップS15のYとなる)まで継続する。リフタ110が下限まで下降したら(ステップS15のY)、リフタ110の下降を停止させ(ステップS16)、図7の処理を終了する。
【0118】
次に、引出ユニット20を引き出したときの動作を説明する。
【0119】
引出ユニット20が引き出されると、引出検出スイッチ174によって引出ユニット20が引き出されたことが検出される。すると制御部130は、引出ユニット20の各貯留部2のリフタ110を下降させる。この下降は、リフタ110が下限位置に到達するまで、すなわちリフタ下限検出スイッチ132によって雌ねじ部材111の接近が検出されるまで継続し、リフタ110が下限に到達すると停止される。従って、店員は、引出ユニット20を引き出すことにより、貯留部2の上方から貯留部2内にタバコパッケージ1を補充したり、或いは、貯留部2におけるタバコパッケージ1の在庫状況を確認したりすることができる。なお、引出ユニット20には鍵を設けておき、鍵が開けられたときにのみ、引出ユニット20を引き出し可能とすることも好ましい。
【0120】
なお、引出ユニット20が引き出されている状態においては、図7及び図9の処理は行われない。その後、引出ユニット20が図3の位置まで押し込まれて、引出検出スイッチ174によって引出ユニット20が押し込まれたことが検出されると、再び、図7及び図9の処理を実行可能な状態へ移行する。
【0121】
以上のような第1の実施形態によれば、商品搬出装置100は、貯留部2に貯留されたタバコパッケージ1を、操作パネル5に対する搬出指令に応じて、投入部140によってスロープ150に投入し、スロープ150に搬出されたタバコパッケージ1を、スロープ150により商品取出口175へ搬出することができる。よって、操作パネル5に対して指令を行うだけで、自動的にタバコパッケージ1を搬出することができる。
【0122】
しかも、投入部140は、貯留部2に貯留されたタバコパッケージ1のうち、最上位置に配置され且つ所定の搬出待機位置6に位置するタバコパッケージ1を、スロープ150に投入する。このため、貯留部2のタバコパッケージ1のうち最上位置のタバコパッケージ1を商品取出口175へ搬出することができる。よって、商品取出口175の位置を比較的高い位置に設けた構造の商品搬出装置100を容易に実現することができる。従って、例えば、レジカウンタ300の下側のスペース等、比較的低い位置に商品搬出装置100を配置した場合であっても、商品取出口175に搬出されたタバコパッケージ1を店員が容易に取り出すことができる。これにより、レジカウンタ300の下側のスペース等のデッドスペースを有効利用することが可能となる。
【0123】
更に、貯留部2における最上位置のタバコパッケージ1の上には、他のタバコパッケージ1が積まれていないため、最上位置のタバコパッケージ1をプッシャ141により移動させる際の摩擦力は比較的小さい。このため、最上位置のタバコパッケージ1を投入部140によってスロープ150に投入するための駆動力が小さくて済む。よって、投入部140のプッシャ141等の強度(剛性)も比較的小さくて構わない。
【0124】
このように、レジカウンタ300の下側などの比較的低い位置に配置されている場合におけるオペレーションの利便性に配慮した構造を容易に実現できるとともに、搬出動作用の駆動力が小さくて済むような、商品搬出装置100を提供することができる。
【0125】
また、商品取出口175は、商品搬出装置100の上端100aと下端100bとの中間位置100cよりも上側に配置されている。これにより、比較的低い位置に商品搬出装置100を配置した場合であっても、店員が商品取出口175からタバコパッケージ1を容易に取り出すことができる。
【0126】
また、商品搬出装置100は、貯留部2のタバコパッケージ1を上昇させる昇降機構120と、昇降機構120の動作制御を行う制御部130と、を有している。そして、制御部130は、搬出待機位置6のタバコパッケージ1がプッシャ141によってスロープ150に投入されると、貯留部2の残りのタバコパッケージ1のうち最上位置に配置されているタバコパッケージ1が搬出待機位置6に達するまで、昇降機構120によって貯留部2の残りのタバコパッケージ1を上昇させる。よって、搬出待機位置6のタバコパッケージ1が搬出される度に、次のタバコパッケージ1を搬出待機位置6へ上昇させることができる。
【0127】
また、商品搬出装置100は、貯留部2の残りのタバコパッケージ1のうち最上位置に配置されているタバコパッケージ1が搬出待機位置6に達したことを検出する搬出待機位置到達検出部としてのリフタ停止スイッチ134を有している。このため、昇降機構120によって次のタバコパッケージ1を搬出待機位置6へ上昇させた段階で、自動的に、リフタ110の上昇を停止させることができる。
【0128】
また、商品搬出装置100の搬出路は、貯留部2側から商品取出口175側に向けて下り傾斜するスロープ150により構成され、スロープ150に沿ってタバコパッケージ1を流下させて搬出するので、簡易な構成により、タバコパッケージ1の搬出動作を行うことができる。また、スロープ150の傾斜を適宜に調節することにより、搬出時におけるタバコパッケージ1への衝撃を緩和することができる。
【0129】
また、スロープ150の長手方向に沿って複数の貯留部2が配置され、複数の貯留部2が一のスロープ150を共用するようになっているので、商品搬出装置100におけるスペース効率を高めることができる。これにより、スロープ150の傾斜を所望の角度(例えば緩い傾斜角度)に設定した場合であっても、商品搬出装置100におけるデッドスペースを極力小さくすることができる。
【0130】
また、商品搬出装置100は、貯留部2に所定数(例えば10個)のタバコパッケージ1を補充可能であることを検出する10個補充可能検出スイッチ(貯留部空き状況検出部)133と、10個補充可能検出スイッチ133により貯留部2に所定数(10個)のタバコパッケージ1を補充可能であることが検出された場合に、その旨を報知する在庫状況発光報知部(貯留部空き状況報知部)33と、を有している。このため、店員は、在庫状況発光報知部33による報知を確認することにより、貯留部2に所定数(例えば10個)のタバコパッケージ1を補充可能であることを認識することができる。
【0131】
また、10個補充可能検出スイッチ133は、特に、貯留部2に10個のタバコパッケージ1を補充可能であることを検出する。換言すれば、10個補充可能検出スイッチ133は、貯留部2におけるタバコパッケージ1の在庫数が、貯留部2におけるタバコパッケージ1の最大貯留数−10となったことを検出する。このため、在庫状況発光報知部33による報知によって貯留部2に対するタバコパッケージ1の補充時期が到来したことを認識した店員は、貯留部2にカートン単位で(10個ずつ)タバコパッケージ1を補充することができる。
【0132】
〔第2の実施形態〕
図11は第2の実施形態に係る商品搬出装置200のスロープ210、220の構造を示す左側面図である。第2の実施形態に係る商品搬出装置200は、以下に説明する点でのみ第1の実施形態に係る商品搬出装置100と相違し、その他の点では商品搬出装置100と同様に構成されている。なお、図11においては、スロープ210、220以外の構成要素については、適宜に図示を省略している。
【0133】
図11に示すように、本実施形態の場合、商品搬出装置200は、スロープ150(図3)の代わりに、第1のスロープ(第1の搬出路)210と、第2のスロープ(第2の搬出路)220と、を有している。このうち第2のスロープ220は、第1のスロープ210よりも傾斜が緩い。第2のスロープ220は、第1のスロープ210の上方に配置されており、平面視において第2のスロープ220は、第1のスロープ210の上に重なっている。また、第2のスロープ220は、第1のスロープ210よりも長さが短い。
【0134】
第1のスロープ210の長手方向に沿って複数(図11の例では5つ)の貯留部2が配置されている。そして、投入部140は、第1のスロープ210の長手方向に沿って配置された複数の貯留部2のうち、商品取出口175からの距離が相対的に遠い貯留部2(例えば、図11における左側2つの貯留部2)のタバコパッケージ1を第1のスロープ210へ投入する。また、投入部140は、商品取出口175からの距離が相対的に近い貯留部2(例えば、図11における右側3つの貯留部2)のタバコパッケージ1を第2のスロープ220へ投入する。
【0135】
以上のような第2の実施形態によれば、第1及び第2のスロープ210、220を設けたことにより、第1の実施形態と比べて、各貯留部2からのタバコパッケージ1の搬出に要する時間を均一化できる。
【0136】
上記の各実施形態では、銘柄選択スイッチ182に対する操作によって、搬出する銘柄が選択される例を説明したが、この例に限らない。例えば、銘柄毎に、それぞれ対応するバーコードが記載されたカードを準備しておき、そのカードのバーコードをバーコードリーダによって読み取ることにより、搬出する銘柄が選択されるようにしても良い。或いは、銘柄毎にそれぞれ対応する識別データが記憶されたICカードを準備しておき、そのカードの識別データをICカードリーダによって読み取ることにより、搬出する銘柄が選択されるようにしても良い。
【0137】
また、上記の各実施形態では、タバコパッケージ1がその自重によって搬送路としてのスロープ150、210、220を流下する例を説明したが、この例に限らない。例えば、搬送用の駆動源を有するコンベヤ等により搬送路を構成しても良い。この場合、搬送路に傾斜がなくても良いため、商品取出口175の位置を高い位置に設定することが容易となる。
【0138】
また、上記の各実施形態では、商品取出口175の位置(高さ)を、商品搬出装置100の上端100a及び下端100bとの関係において規定する例を説明したが、貯留部2に貯留される最下段のタバコパッケージ1の位置と搬出待機位置6との関係において規定することもできる。すなわち、商品取出口175は、貯留部2に貯留される最下段のタバコパッケージ1の位置と搬出待機位置6との中間位置よりも上側に配置されていることが好ましい。
【0139】
また、上記の各実施形態では、一度の搬出動作により、搬出待機位置6に位置する1個のタバコパッケージ1を搬出する例を説明したが、搬出待機位置6に幅を持たせても良い。すなわち、一度の搬出動作により、最上位置のタバコパッケージ1から数えてn個(nは2以上の整数)のタバコパッケージ1をまとめて搬出するようにしても良い。
【0140】
また、上記の各実施形態では、商品がタバコパッケージ1である例を説明したが、タバコパッケージ1以外のパッケージ商品であっても良く、また、パッケージ商品以外の商品であっても良い。
【符号の説明】
【0141】
1 タバコパッケージ
1a 正面
2 貯留部
5 操作パネル
6 搬出待機位置
7 ガイド部材
8 ガイド部材
9 内部フレーム
11 軸受け部材
12 軸受け部材
15 店員
16 一般消費者
20 引出ユニット
23 前板
31 払出報知スピーカ
32 プッシャ駆動モータ
33 在庫状況発光報知部
100 商品搬出装置
100a 上端
100b 下端
100c 中間位置
100d 位置
101 筐体
110 リフタ
111 雌ねじ部材
120 昇降機構
121 雄ねじシャフト
122 ベルト機構
123 リフタ昇降モータ
130 制御部
131 リフタ上限検出スイッチ
132 リフタ下限検出スイッチ
133 10個補充可能検出スイッチ
134 リフタ停止スイッチ
135 払出検出センサ
140 投入部
140a 本体部
141 プッシャ
150 スロープ
151 ローラ
152 保持部材
172 ガイドレール
173 取っ手
174 引出検出スイッチ
175 商品取出口
176 商品保持トレー
181 払出報知ランプ
182 銘柄選択スイッチ
183 銘柄ラベル
187 個数入力スイッチ
200 商品搬出装置
210 第1のスロープ
220 第2のスロープ
300 レジカウンタ
301 天板
302 側板
303 背板
400 販売処理装置
HP ホームポジション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品を積み重ねて貯留可能な貯留部と、
前記貯留部から投入された商品を搬出する搬出路と、
前記搬出路による搬出先に位置する商品取出部と、
商品の搬出指令を受け付ける受付部と、
前記貯留部に貯留された商品のうち、最上位置に配置され且つ所定の搬出待機位置に位置する商品を、前記受付部に対する搬出指令に応じて前記搬出路に投入する投入部と、
を有することを特徴とする商品搬出装置。
【請求項2】
前記商品取出部は、当該商品搬出装置の上端と下端との中間位置よりも上側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の商品搬出装置。
【請求項3】
前記貯留部の商品を上昇させる上昇機構と、
前記上昇機構の動作制御を行う制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記搬出待機位置の商品が前記投入部によって前記搬出路に投入されると、前記貯留部の残りの商品のうち最上位置に配置されている商品が前記搬出待機位置に達するまで、前記上昇機構によって前記貯留部の残りの商品を上昇させることを特徴とする請求項1又は2に記載の商品搬出装置。
【請求項4】
前記貯留部の残りの商品のうち最上位置に配置されている商品が前記搬出待機位置に達したことを検出する搬出待機位置到達検出部を有し、
前記制御部は、前記搬出待機位置の商品が前記投入部によって前記搬出路に投入されると、前記貯留部の残りの商品のうち最上位置に配置されている商品が前記搬出待機位置に達したことが前記搬出待機位置到達検出部によって検出されるまで、前記上昇機構によって前記貯留部の残りの商品を上昇させることを特徴とする請求項3に記載の商品搬出装置。
【請求項5】
前記貯留部は、該貯留部における最低位置の商品の下面を支持する支持部材を含み、
前記上昇機構は、前記支持部材を上昇させることによって、前記貯留部の残りの商品を上昇させることを特徴とする請求項3又は4に記載の商品搬出装置。
【請求項6】
複数の前記貯留部を有し、
前記投入部は、前記複数の貯留部のうち、前記受付部が受け付けた搬出指令に対応する貯留部の商品を前記搬出路へ投入することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の商品搬出装置。
【請求項7】
前記搬出路は、前記貯留部側から前記商品取出部側に向けて下り傾斜するスロープを含み、前記スロープに沿って商品を流下させて搬出することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の商品搬出装置。
【請求項8】
前記スロープの長手方向に沿って複数の前記貯留部が配置され、複数の前記貯留部が一の前記スロープを共用することを特徴とする請求項7に記載の商品搬出装置。
【請求項9】
第1の前記スロープを含む第1の前記搬出路と、
前記第1のスロープよりも傾斜が緩く、前記第1のスロープの上方に配置され、且つ、前記第1のスロープよりも短い第2の前記スロープを含む第2の前記搬出路と、
を有し、
前記第1のスロープの長手方向に沿って複数の前記貯留部が配置され、
前記投入部は、前記第1のスロープの長手方向に沿って配置された前記複数の貯留部のうち、前記商品取出部からの距離が相対的に遠い前記貯留部の商品を前記第1のスロープへ投入する一方で、前記商品取出部からの距離が相対的に近い前記貯留部の商品を前記第2のスロープへ投入することを特徴とする請求項7又は8に記載の商品搬出装置。
【請求項10】
搬出する商品の個数の選択操作が可能な個数選択操作部を有し、選択された個数に応じた回数だけ前記投入部が前記搬出路への前記商品の投入動作を繰り返すことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の商品搬出装置。
【請求項11】
前記貯留部に所定数の商品を補充可能であることを検出する貯留部空き状況検出部と、
前記貯留部空き状況検出部により前記貯留部に所定数の商品を補充可能であることが検出された場合に、その旨を報知する貯留部空き状況報知部と、
を有することを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の商品搬出装置。
【請求項12】
前記商品取出部へ商品が搬出された場合に、その旨を報知する搬出報知部を有することを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の商品搬出装置。
【請求項13】
前記貯留部に前記商品としてのタバコパッケージが貯留されることを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の商品搬出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−207575(P2011−207575A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76871(P2010−76871)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】