商品検索システム及び商品検索システムにおける商品検索方法
【課題】店舗内を見て回りながら商品選びをする感覚でネットワークショッピングが可能となる商品検索システムを提供する。
【解決手段】検索処理部300は、2つの属性の各属性値全範囲に含まれる商品を商品データベース100から取得して、2つの属性の各属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データを作成する機能と、2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、商品表示部で表示可能な数の商品を取得して商品表示部で表示する機能と、表示範囲のスケール変更操作がなされると、商品表示部で表示可能な数の商品を取得して商品表示部で表示する機能と、2次元商品配列上での表示範囲移動操作がなされると商品表示部に表示すべき表示範囲を2次元商品配列上の任意の領域に設定し、当該領域に存在する複数の商品の中から商品表示部で表示可能な数の商品を取得して商品表示部で表示する機能とを有する。
【解決手段】検索処理部300は、2つの属性の各属性値全範囲に含まれる商品を商品データベース100から取得して、2つの属性の各属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データを作成する機能と、2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、商品表示部で表示可能な数の商品を取得して商品表示部で表示する機能と、表示範囲のスケール変更操作がなされると、商品表示部で表示可能な数の商品を取得して商品表示部で表示する機能と、2次元商品配列上での表示範囲移動操作がなされると商品表示部に表示すべき表示範囲を2次元商品配列上の任意の領域に設定し、当該領域に存在する複数の商品の中から商品表示部で表示可能な数の商品を取得して商品表示部で表示する機能とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品検索システム及び商品検索システムにおける商品検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ネットワークショッピングが一般的になり、様々な商品が自宅などで居ながらにして購入可能となってきている。この種のネットワークショッピングを可能とするための商品検索システムは従来から種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載れている技術(従来技術という。)は、パーソナルコンピュータなどのディスプレイ上に表示された多種の商品の中からユーザーが特定の商品(商品Aとする。)を選択すると、当該商品Aがディスプレイ上に表示され、さらに、当該商品Aの類似商品を見たい場合には、類似商品検索ボタンを操作すると、商品Aに類似した商品群が表示されるというように、複数の階層をたどり、絞り込みを行うことによって商品を決定するものである。
【0004】
このように、従来技術によれば、特定の商品を選択すると、当該商品だけではなく、それに類似した商品群をも表示可能としているので、ユーザーは、類似した商品の中から所望とする商品を選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−251850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術は、複数の階層をたどり、絞り込みを行うことによって商品を決定するものであるため、階層から外れる商品については、ユーザーの目に触れることがなく、ユーザーは、結局は絞り込みの過程で表示された商品の中から所望とする商品を選ぶこととなる。
【0007】
一般に、衣類や装飾品など個々のユーザーにとって嗜好性の高い商品を、例えば店舗で購入しようとする場合、ユーザーは漠然としたイメージだけで店舗内を見て回り、自分なりにイメージをふくらませた結果、気に入った商品があれば購入するといったショッピングの形態をとることが多い。このため、最初のイメージとは異なる商品を選ぶといったことも多々あり、それが逆に大きな満足感を得ることとなる場合も多い。
【0008】
このようなショッピングの形態は、従来技術においては実現しにくいと考えられる。すなわち、従来技術においては、如何に効率よく商品を絞り込んで行くかということに主眼をおいている。このため、特に明確な目的を持たずに気に入ったものがあれば購入しようと考えて買い物をするユーザーにとっては、商品選択の視野を狭めてしまうおそれがある。したがって、店舗内を見て回りながら気に入ったものがあれば購入するといったショッピングの形態をとるユーザーにとっては、上記した従来技術ではその要求を満たすことはできない。
【0009】
そこで本発明は、店舗内を見て回りながら商品選びをする感覚でネットワークショッピングが可能となる商品検索システム及び商品検索システムにおける商品検索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1]本発明の商品検索システムは、あるカテゴリに属する商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムであって、前記商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、前記インターフェース画面を生成する機能と、前記ユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能とを有する検索処理部とを有し、前記検索処理部は、前記複数の属性の中から2つの属性を選択する操作が前記検索操作としてなされると、前記2つの属性の各属性値が取り得る属性値全範囲に含まれる商品を前記商品データベースから取得して、前記2つの属性の各属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データを作成する機能と、前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比(ズーム倍率)を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能とをさらに有することを特徴とする。
【0011】
本発明の商品検索システムにおいては、インターフェース画面における商品表示部の初期画面としては、2つの属性で表わされる2次元商品配列の全範囲に属する商品のうち、商品表示部で表示可能な数(例えば20個)の商品が表示された状態となっている。この20個の商品は、2つの属性で表わされる2次元商品配列の全範囲に含まれる多数の商品の中から満遍なく抽出された代表的な商品である。したがって、各商品の類似度は比較的小さいが、2つの属性で表わされる2次元商品配列の全範囲の傾向を一目で見ることができる。
【0012】
そして、スケール変更操作がなされると、2次元商品配列の全範囲の中から、スケール変更操作により設定された範囲の商品を商品表示部に表示する。このとき、商品表示部に表示される商品の数は20個のままであるので、より類似度の高い商品が商品データベースから取得されて表示される。これは、ウエブの地図において表示範囲を狭めて拡大表示(ズームイン操作)するとのと同様の操作であり、ズームイン操作することにより、ある範囲がより詳細に表示され、ズームアウトされた状態では表示されていなかった細い道路や小さな建物までは表示されるのと同様に考えることができる。
【0013】
また、ズームイン操作によるズーム倍率を保持した状態で、2次元商品配列の全範囲上において商品表示部に表示すべき表示範囲を移動した上で設定可能としている。これにより、ズームイン操作によるズーム倍率を保持した状態で、2次元商品配列の全範囲上の商品を商品表示部に順次表示させることができる。
【0014】
このように、本発明の商品検索システムによれば、あたかもウエブの地図においてズームイン操作を行ったり地図上で表示位置を変えたりするといった感覚で商品を探すことができる。すなわち、本発明の商品検索システムは、単に絞り込みを行う過程で所望とする商品を決定するといった従来の商品検索システムとは異なり、実際の店舗内で商品を見て回りながら商品選びをするのに近いものとなるため、漠然としたイメージでショッピングを行おうとしているユーザーにとっては、予想外の商品に見つけることも可能であり、ショッピングの本来の楽しみを味わうこともできる。
【0015】
[2]本発明の商品検索システムにおいては、前記インターフェース画面には、前記縦軸の属性を選択するための縦軸側の属性選択部と、前記横軸の属性を選択するための横軸側の属性選択部とが設けられることが好ましい。
【0016】
これにより、ユーザーはインターフェース画面において縦軸側及び横軸側の属性を選択することができる。例えば、商品が衣料品であって、属性が「色相」、「彩度」、「明度」、「価格」などであるとすれば、これら各属性のうちの2つを任意に選択することができる。例えば、ユーザーが縦軸において「色相」を選択し、横軸において「明度」を選択したとすれば、「色相」を縦軸、「明度」を横軸とする2次元商品配列が生成され、生成された2次元商品配列において前記[1]で説明したような検索操作を行うことができる。
【0017】
[3]本発明の商品検索システムにおいては、前記スケール変更操作は、前記縦軸における属性の属性値全範囲の中の所定範囲及び前記横軸における属性の属性値全範囲の中の所定範囲を前記縦軸及び横軸の少なくとも一方において設定することによって行うことが好ましい。
【0018】
本発明においては、縦軸側及び横軸側においてそれぞれの属性を設定するものであるため、縦軸における属性の属性値全範囲の中の所定範囲及び横軸における属性の属性値全範囲の中の所定範囲を縦軸及び横軸の少なくとも一方の側において設定することによって、2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を商品表示部に表示すべき表示範囲として設定することができる。
【0019】
[4]本発明の商品検索システムにおいては、前記インターフェース画面には、前記スケール変更操作を行うためのスケール変更操作部が前記縦軸及び前記横軸にそれぞれ設けられていることが好ましい。
【0020】
このスケール変更操作部は、インターフェース画面に例えばスライダー(縦軸スライダー及び横軸スライダー)を表示させておくことによって実現することができ、このスライダーを動かすことにより、縦軸及び横軸のそれぞれのズームイン操作の操作量を設定することができる。
【0021】
[5]本発明の商品検索システムにおいては、前記インターフェース画面には、前記表示範囲移動操作を行うための表示領域移動操作部が設けられていることが好ましい。
【0022】
ここでの表示領域移動部は、前記[1]で説明した2次元商品配列の全範囲上において商品表示部に表示すべき表示範囲を移動しながら設定とするものである。一例としては、インターフェース画面にスクロールバー(縦軸スクロールバー及び横軸スクロールバー)を表示させておき、このスクロールバーを動かすことにより、縦軸方向及び横軸方向のそれぞれにおいて表示範囲を移動することができ、それによって、2次元商品配列の全範囲上において商品表示部に表示すべき表示範囲の設定が可能となる。
【0023】
[6]本発明の商品検索システムにおいては、前記商品表示部は、前記縦軸に沿ってm個及び前記横軸に沿ってn個の合計m×n個(n及びmは2以上の整数で、m=n又はm≠n)の商品を個別に表示可能な複数の小表示窓を有し、前記検索処理部は、前記商品表示部に表示すべき表示範囲において前記複数の小表示窓に対応する前記m×n個の小表示範囲を仮定し、前記m×n個の各小表示範囲に存在する商品が複数個存在する場合には、当該小表示範囲の中心に最も近い位置に存在する商品を前記商品表示部の対応する小表示窓に表示すべき商品として決定すること
が好ましい。
【0024】
このように、商品表示部には、m×n個の商品が同時に表示可能となる。例えば、m=4、n=5の合計20個の小表示窓を設けることにより、20個の商品を同時に表示することができる。一方、ユーザーがスライダーやスクロールバーを操作することによって検索操作を行うと、その検索操作に対応した表示範囲が2次元商品配列の全範囲の中に設定され、設定された表示範囲において、前記小表示窓に対応するように、m×n個の小表示範囲を仮定する。そして、個々の小表示範囲に複数の商品が存在する場合には、小表示範囲の中心に最も近い商品を当該小表示範囲の商品を前記商品データベースから取得する。これにより、小表示窓に表示すべき商品を適切に取得することができる。
【0025】
[7]本発明の商品検索システムにおいては、前記商品表示部は、前記縦軸に沿ってm個及び前記横軸に沿ってn個の合計m×n個(n及びmは2以上の整数で、m=n又はm≠n)の商品を個別に表示可能な複数の小表示窓を有し、前記検索処理部は、前記商品表示部に表示すべき表示範囲において前記複数の小表示窓に対応する前記m×n個の小表示範囲を仮定し、前記m×n個の各小表示範囲に存在する商品が存在しなかった場合には、当該小表示範囲から外れた商品の中から前記商品表示部の対応する小表示窓に表示すべき商品を取得することが好ましい。
【0026】
これにより、商品表示部において空白の小表示窓が存在しないようにすることができ、商品表示部を最大限有効利用することができる。これによって、効率的な検索操作が可能となる。
【0027】
[8]本発明の商品検索システムにおける商品検索方法は、あるカテゴリに属する商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、インターフェース画面を生成する機能及びユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能を有する検索処理部とを有し、前記商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムにおける検索処理方法であって、前記複数の属性の中から2つの属性を選択する操作が前記検索操作としてなされると、前記2つの属性の各属性値が取り得る属性値全範囲に含まれる商品を前記商品データベースから取得して、前記2つの属性の各属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データを作成するステップと、前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比(ズーム倍率)を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップとを有することを特徴とする。
【0028】
本発明の商品検索システムにおける商品検索処理方法によれば、前記[1]における本発明の商品検索システムと同様の効果が得られる。なお、本発明の商品検索システムにおける商品検索処理方法においても、前記[2]〜[7]に記載した本発明の商品検索システムと同様の特徴を有することが好ましい。
【0029】
[9]本発明の商品検索システム(第2の商品検索システムとする。)は、あるカテゴリに属する商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムであって、前記商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、前記インターフェース画面を生成する機能と、前記ユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能とを有する検索処理部と、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することにより生成された2次元商品配列データを記憶する2次元商品配列データ記憶部とを有し、前記検索処理部は、前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比(ズーム倍率)を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能とを有することを特徴とする。
【0030】
本発明の第2の商品検索システムは、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップのアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することにより2次元商品配列データを生成するものである。このように生成された2次元商品配列データは、各商品が有するすべての属性が考慮されたものとなっており、必ずしも属性ごとの商品配列となるとは限らないが、類似性の高い商品はより近くになるような配列とすることは可能である。
【0031】
このような自己組織化マップのアルゴリズムを用いて生成された2次元商品配列データを用いることによっても、検索操作などは第1の商品検索システムとほぼ同様に行うことができ、第1の商品検索システムと同様の効果が得られる。
【0032】
なお、本発明の第2の商品検索システムにおいても、前記[5]〜[7]に記載した第1の商品検索システムと同様の特徴を有することが好ましい。
【0033】
[10]本発明の第2の商品検索システムにおいては、前記インターフェース画面には、前記スケール変更操作を行うためのスケール変更操作部が設けられており、前記スケール変更操作部によりスケール変更操作がなされると、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲が前記縦軸及び横軸の両方において同時に設定されることが好ましい。
【0034】
前記[1]における商品検索システム(第1の商品検索システムとする。)においては、ユーザーが選択した2つの属性に基づいて2次元空間上の商品配列を生成するようにしていたため、ズームイン操作は縦軸及び横軸の各軸ごとに行うが、第2の商品検索システムにおいては、ズームイン操作は縦軸及び横軸を同時に行う。
【0035】
[11]本発明の商品検索システムにおける商品検索方法(第2の商品検索システムにおける商品検索方法とする。)は、あるカテゴリに属する商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、インターフェース画面を生成する機能及びユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能を有する検索処理部と、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することによって生成された2次元商品配列データを記憶する2次元商品配列データ記憶部とを有し、前記商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムにおける検索処理方法であって、前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比(ズーム倍率)を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップとを有することを特徴とする。
【0036】
本発明の第2の商品検索システムにおける商品検索処理方法によれば、前記[9]における本発明の第2の商品検索システムと同様の効果が得られる。なお、本発明の第2の商品検索システムにおける商品検索処理方法においても、前記[5]〜[7]に記載した本発明の第1の商品検索システムと同様の特徴、並びに、前記[10]に記載した本発明の第2の商品検索システムと同様の特徴を有することが好ましい。
【0037】
[12]本発明の商品検索システム(第3の商品検索システムとする。)は、あるカテゴリに属する商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムであって、前記商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、前記インターフェース画面を生成する機能と、前記ユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能とを有する検索処理部とを有し、前記検索処理部は、前記各属性の重要度を設定可能とするための重要度設定用インターフェース画面を生成する機能と、前記重要度設定用インターフェース画面で設定された重要度を反映して、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することによって2次元商品配列データを生成する機能と、前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比(ズーム倍率)を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能とを有することを特徴とする。
【0038】
本発明の第3の商品検索システムは、自己組織化マップのアルゴリズムにより2次元商品配列データを生成する際、各属性の重要度を設定可能とするものである。これにより、個々のユーザーの好みが反映された2次元商品配列データを生成することができる。このようにして生成された2次元商品配列データを用いることによって、個々のユーザーの検索操作を効率的に行うことができる。
【0039】
なお、本発明の第3の商品検索システムにおいても、前記[5]〜[7]に記載した本発明の第1の商品検索システムと同様の特徴、並びに、前記[10]に記載した本発明の第2の商品検索システムと同様の特徴を有することが好ましい。
【0040】
[13]本発明の商品検索システムにおける商品検索方法(第3の商品検索システムにおける商品検索方法とする。)は、あるカテゴリに属する商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、インターフェース画面を生成する機能及びユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能を有する検索処理部とを有し、前記商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムにおける検索処理方法であって、前記各属性の重要度を設定可能とするための重要度設定用インターフェース画面を生成するステップと、前記重要度設定用インターフェース画面で設定された重要度を反映して、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することによって2次元商品配列データを生成するステップと、前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比(ズーム倍率)を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップとを有することを特徴とする。
【0041】
本発明の第3の商品検索システムにおける商品検索処理方法によれば、前記[12]における本発明の第2の商品検索システムと同様の効果が得られる。なお、本発明の第3の商品検索システムにおける商品検索方法においても、前記[5]〜[7]に記載した本発明の第1の商品検索システムと同様の特徴、並びに、前記[10]に記載した本発明の第2の商品検索システムと同様の特徴を有することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施形態1に係る商品検索システム10の構成を示す図である。
【図2】実施形態1に係る商品検索システム10においてユーザー端末60で表示されるインターフェース画面500の一例を示す図である。
【図3】スライダーの操作による属性の表示範囲の絞り込を模式的に示す図である。
【図4】スクロールバーによる表示領域の移動を模式的に示す図である。
【図5】ユーザーの検索操作に応じた商品の取得動作について説明する図である。
【図6】ユーザーの検索操作によるインターフェース画面の推移を示す図である。
【図7】ユーザーの検索操作によるインターフェース画面の推移を示す図である。
【図8】ユーザーの検索操作によるインターフェース画面の推移を示す図である。
【図9】実施形態1に係る商品検索システムにおける検索処理部300が行う検索処理の手順を説明するフローチャートである。
【図10】ある4つの商品A,B,C,Dにおける各属性の属性値を正規化する例を説明する図である。
【図11】実施形態2に係る商品検索システム20の構成を示す図である。
【図12】実施形態2に係る商品検索システム20におけるインターフェース画面500を示す図である。
【図13】実施形態2に係る商品検索システム20におけるズームイン操作を模式的に示す図である。
【図14】ユーザーの検索操作によるインターフェース画面の推移を示す図である。
【図15】ユーザーの検索操作によるインターフェース画面の推移を示す図である。
【図16】ユーザーの検索操作によるインターフェース画面の推移を示す図である。
【図17】ユーザーの検索操作によるインターフェース画面の推移を示す図である。
【図18】実施形態2に係る商品検索システム20における検索処理部300が行う検索処理の手順を説明するフローチャートである。
【図19】重要度設定用インターフェース画面700の一例を示す図である。
【図20】重要度設定用スライダー711〜715の位置を示す数値と重みとの関係を示す図である。
【図21】ある4つの商品A,B,C,Dにおける属性値の正規化について説明する図である。
【図22】図21に示した正規化後の各属性値に重みを掛け算して得られた各属性値を示す図である。
【図23】実施形態3に係る商品検索システム30における検索処理部300が行う検索処理の手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態では、あるカテゴリに属する商品群(ここでは「Tシャツ」の類であるとする。)を検索対象とするものであって、当該商品群に含まれる各商品は、種々の「色」、「価格」及び「形状」を有しているものとする。これら「色」、「価格」及び「形状」を当該商品の属性という。また、属性のうち「色」には、「色相」、「彩度」、「明度」が含まれるものとし、以下では、これら「色相」、「彩度」、「明度」を別々の属性として扱う。また、「形状」というのは、この場合「首の形状」であって、「首の形状」には例えば「ヘンリーネック(henley neck)」、「丸首(round neck」、「Uネック(U neck)」,「Vネック(V neck)」が存在するものとする。以下に本発明の各実施形態について説明する。
【0044】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る商品検索システム10の構成を示す図である。実施形態1に係る商品検索システム10は、図1に示すように、各商品と各商品が有する各属性(「色相」、「彩度」、「明度」、「価格」及び「首の形状」)とを対応付けて記憶する商品データベース100と、ユーザー端末60上での検索操作に対応した検索操作情報を入力する検索操作情報入力部200と、インターフェース画面500(図2参照。)を生成する機能及びインターフェース画面500においてなされるユーザーの検索操作に基づいて商品データベース100から検索条件に合致する商品を取得して、インターフェース画面500の商品表示部530(図2参照。)に表示する機能を含む各種の機能を有する検索処理部300と、ネットワーク50との間での通信を行うネットワーク通信部400とを有している。なお、ユーザー端末60はパーソナルコンピュータなどを例示することができる。また、検索処理部300有する各機能の具体例についは以下の説明においてその都度、詳細に説明する。
【0045】
また、各商品が有する各属性には、それぞれ属性値が与えられている。ここで、「色相」の属性値は、色相環(0度〜360度)のいずれかの角度で表わされるものとし、この「0度〜360度」は「色相」の属性値が取り得る全範囲であるため、これを「色相」の「属性値全範囲」という。また、「彩度」の属性値及び「明度」の属性値は、それぞれ「0%〜100%」のうちのいずれかの値で表わされるものとし、この「0%〜100%」」は「彩度」及び「明度」の属性値が取り得る全範囲であるため、これを「彩度」の「属性値全範囲」及び「明度」の「属性値全範囲」という。また、「価格」の属性値は、この場合、「0円〜15000円」のうちのいずれかの値で表わされるものとし、この「0円〜15000円」はこの場合「価格」の属性値が取り得る全範囲であるため、これを「価格」の「属性値全範囲」という。
【0046】
また、「首の形状」は、「ヘンリーネック」、「丸首」、「Uネック」,「Vネック」であり、首の形状の曲率順に、「ヘンリーネック」→「丸首」→「Uネック」→「Vネック」といった順で1〜100のうちの所定の値が属性値として設定されている。例えば、ヘンリーネックには「1〜25」、丸首には「26〜50」、Uネックには「51〜75」、Vネックには「76〜100」といった値が与えられており、「1〜100」はこの場合「首の形状の」の属性値が取り得る全範囲であるため、これを「首の形状」の「属性値全範囲」という。
【0047】
図2は、実施形態1に係る商品検索システム10においてユーザー端末60で表示されるインターフェース画面500の一例を示す図である。インターフェース画面500は、図2に示すように、属性を選択するための属性選択部(縦軸属性選択部510及び横軸属性選択部520)と、縦軸属性選択部510で選択された属性及び横軸属性選択部520で選択された属性に基づく商品が表示される商品表示部530と、各属性の属性値全範囲のうちの所定範囲を商品表示部530に表示すべき表示範囲として各属性ごとに設定するスケール変更操作部(縦軸スライダー541及び横軸スライダー542)と、商品表示部530に表示すべき表示範囲を2次元商品配列(後述する。)の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作部(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)とを有している。
【0048】
なお、縦軸スライダー541、横軸スライダー542、縦軸スクロールバー551、横軸スクロールバー552は、ユーザー端末60に備えられているマウスによって操作することができる。また、縦軸スライダー541、横軸スライダー542、縦軸スクロールバー551、横軸スクロールバー552の機能については後述する。
【0049】
なお、図2は、モノクロ図面であるため、図2においては、商品の色の違い視認することは困難であるが、実際には、図2の元となるディスプレイにおけるカラー画像上では各商品の色の違いを容易に視認することができる。
【0050】
縦軸属性選択部510は、色相を設定する色相設定部511、彩度を設定する彩度設定部512、明度を設定する明度設定部513、価格を設定する価格設定部514及首の形状を設定する首の形状設定部515を有している。また、横軸属性選択部520も同様に、色相設定部521、彩度設定部522、明度設定部523、価格設定部524及首の形状設定部525を有している。
【0051】
ユーザーは縦軸属性選択部510及び横軸属性選択部520から各属性(色相、彩度、明度、価格及び首の形状)をそれぞれ1つずつ選択することができる。なお、属性の選択を行う場合、縦軸における属性と横軸における属性とは互いに異なった属性を選択する。例えば、縦軸において「色相」を選択した場合には、横軸においては「色相」以外の属性を選択する。
【0052】
このように、ユーザーが縦軸における属性と横軸における属性とをそれぞれ1つずつ選択すると、検索処理部300では、各属性の取り得る各属性値全範囲に含まれる商品を商品データベース100から取得して、2つの属性の属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データを生成する。そして、当該2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品の中から、商品表示部530で表示可能な数の商品をインターフェース画面500の商品表示部530に表示する。
【0053】
なお、商品表示部530においては、この場合、縦軸方向に4個、横軸方向に5個の合計20個の小表示窓が設けられ、これらの小表示窓に20個の商品を同時に表示可能としている。
【0054】
ここで、ユーザーが縦軸において例えば「色相」を選択し、横軸において例えば「明度」を選択した場合には、「色相」と「明度」の各属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データが生成され、当該2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品の中から、商品表示部530で表示可能な数(20個)の商品を取得して、商品表示部530に表示する(図2参照。)。
【0055】
ところで、図2に示すインターフェース画面500は、デフォルトの状態が示されている。このようなデフォルトの状態においては、縦軸側の属性としては例えば「色相」が選択され、横軸側の属性としては例えば「明度」が選択されているものとする。そして、「色相」の属性値の初期設定は、属性値全範囲「0〜360度」となっており、「明度」の属性値の初期設定は、属性値全範囲「0〜100%」となっている。また、これら「色相」及び「明度」以外の各属性の属性値も初期設定の状態となっている。すなわち、「彩度」の属性値の初期設定は、属性値全範囲「0〜100%」となっており、「価格」の属性値の初期設定も属性値全範囲「0〜15000円」となっている。また、「首の形状」の属性値は属性値としての数値は示されていないが「ヘンリーネック(henley neck)〜Vネック(Vneck)」となっている。
【0056】
このようなデフォルトの状態においては、縦軸が「色相」、横軸が「明度」で表わされる2次元商品配列の全範囲の中から代表的な20個の商品が表示されている状態である。すなわち、デフォルトの状態においては、縦軸スライダー541及び横軸スライダー542は、図2に示すように、初期位置(縦軸スライダー541は最上端、横軸スライダー542は最右端)となっている。
【0057】
なお、縦軸スライダー541及び横軸スライダー542は、各属性の属性値全範囲の中の所定範囲を商品表示部530に表示すべき表示範囲として設定するものであるが、これは、スケール変更(ズーム変更)を行うことを意味している。すなわち、縦軸方向及び横軸方向において、それぞれ属性を選択した状態で、縦軸スライダー541を操作すると、縦軸方向において選択した属性のスケール変更(ズーム変更)が行われる。同様に、横軸スライダー542を操作すると、横方向において選択した属性のスケール変更(ズーム変更)が行われる。
【0058】
このように、スライダー(縦軸スライダー541及び横軸スライダー542)を操作するということは、この場合、表示範囲の絞り込み操作、すなわちズームイン操作を行うことであるため、スライダー(縦軸スライダー541及び横軸スライダー542)を最上端又は最右端の位置から下方向又は左方向に操作することを、「ズームイン操作する」と表記する場合もある。
【0059】
ところで、図2に示す状態では、縦軸スライダー541及び横軸スライダー542は、初期位置(縦軸スライダー541は最上端、横軸スライダー542は最右端)となっており、これは、ズームイン操作がなされる前の状態であって、この状態をここでは「最大ズームアウト位置」という。この最大ズームアウト位置においては、縦軸が「色相」、横軸が「明度」で表わされる2次元商品配列の全範囲の中から代表的な20個の商品が表示されている状態である。したがって、図2に示す状態では、縦軸方向において隣接する商品同士は色相についての類似度は比較的小さく、また、横軸方向において隣接する商品同士は明度についての類似度は比較的小さいといえる。
【0060】
そして、最大ズームアウト位置からズームイン操作を行うと、そのズームイン操作の操作量(各スライダーの移動量)が大きいほど2次元商品配列の全範囲の中のより狭い範囲から取得された20個の商品が表示される。このとき取得された20個の商品は、最大ズームアウト位置の状態では表示されていなかった商品(より類似度の近い商品)である。これは、ウエブ上の地図においてズームイン操作を行った場合と同様に考えることができる。すなわち、ズームアウトされている地図上の、ある領域をズームイン操作すると、ズームアウトされていたときには表示されなかった細い道路や小さな建物などが詳細に表示されるのと同様に考えることができる。
【0061】
図2に示すようなデフォルトの状態となっているインターフェース画面500において、ユーザーが縦軸側における属性と横軸側における属性をそれぞれ1個ずつ選択することができる。例えば、図2に示すインターフェース画面500において、縦軸側の属性として「彩度」を選択し、横軸側の属性として「価格」を選択すると、検索処理部300では、これら「彩度」及び「価格」の各属性の取り得る各属性値全範囲に含まれる商品を商品データベース100から取得して、2つの属性の属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データを生成する。そして、当該2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品の中から、商品表示部530で表示可能な数(20個)の商品をインターフェース画面500の商品表示部530に表示する。
【0062】
このとき、既に設定されている属性において表示範囲の絞り込みが行われている場合には、当該属性に対して、絞り込みを変更しない限り、当該属性における表示範囲の絞り込みが保持された状態で、新たに設定した属性における2次元商品配列が表示される。
【0063】
図3は、スライダーの操作による属性の表示範囲の絞り込みを模式的に示す図である。図3(a)は2次元商品配列の全範囲を示す図であり、図3(b)は図3(a)において横軸スライダー542が所定の操作量だけズームイン操作された場合を示す図であり、図3(c)は図3(b)の状態において、縦軸スライダー541が所定の操作量だけズームイン操作された場合を示す図である。なお、図3においては、横軸スライダー542を操作したあとに縦軸スライダー541を操作するといった操作順序であったが、その逆でもよい。
【0064】
まず、図3(a)において横軸スライダー542がズームイン操作されると、図3(b)に示すように、横軸スライダー542のズームイン操作の操作量に応じて2次元空間商品配列の全範囲における左右両端側から表示範囲(灰色で示す範囲)が絞り込まれる。そして、この状態で縦軸スライダー541が操作されると、図3(c)に示すように、縦軸スライダー541のズームイン操作の操作量に応じて上下両端側から表示範囲が絞り込まれる。
【0065】
なお、縦軸スライダー541又は横軸スライダー542がズームイン操作された場合であっても、商品表示部530に表示される商品の数は同じとする。この場合、商品表示部530には、縦方向に4個、横方向に5個の合計20個の商品(Tシャツ)が表示されているので、ズームイン操作により表示範囲の絞り込みを行った場合であっても、同数の商品(Tシャツ)が表示される。この場合、図3(c)に示す表示範囲内に存在する商品のうちの20個が商品表示部530に表示される。
【0066】
図4は、スクロールバーによる表示範囲の移動を模式的に示す図である。スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)は、縦軸スライダー541又は横軸スライダー542のズームイン操作によって絞り込まれた表示領域(例えば図3(c)参照)を2次元商品配列の全範囲において移動可能とするものである。具体的には、図4に示すように、ズームイン操作によって絞り込まれた表示範囲(破線枠で示す)を灰色で示す表示範囲の位置に移動させるものである。
【0067】
図4においては、横軸スクロールバー552により横軸方向に移動させた場合が例示されているが、表示範囲の移動は、縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552のそれぞれによって行うことができる。このため、2次元空間商品配列の全範囲の任意に位置に表示範囲を移動させることができる。そして、移動後に設定された表示範囲に存在する商品のうちの20個がインターフェース画面500の商品表示部530に表示される。
【0068】
なお、図3に示すようなスライダーによるズームイン操作及び図4に示すようなスクロールバーによる表示範囲移動操作をここでは「検索操作」と呼ぶ。なお、「検索操作」には、スライダーによるズームイン操作及びスクロールバーによる表示領域移動操作の他に属性を選択する操作をも含む場合もある。
【0069】
図5は、ユーザーの検索操作に応じた商品の取得動作について説明する図である。ユーザーの検索操作により、2次元商品配列の全範囲の中の所定の位置に図5の灰色で示すような表示範囲が設定されたとする。この場合、インターフェース画面500の商品表示部530に表示される20個の商品は、図5の灰色で示す表示範囲に存在する商品である。このとき、商品表示部530において表示可能な商品の数は20個であるため、図5の灰色で示す表示範囲に存在する商品の中から20個を抽出する必要がある。
【0070】
そこで、図5に示すように、商品表示部530の縦軸方向4個、横軸方向5個の合計20個の小表示窓に対応する4×5の20個の小表示範囲(図5において升目で示す)を仮定する。そして、これら各20個の各小表示範囲において、例えば、ある小表示範囲(黒色で示す小表示範囲)に複数の商品A1,A2,・・・が存在する場合、当該小表示範囲の中心pから最も距離が近い位置に配置されている商品(図5の例では商品A2)を、商品表示部530の対応する小表示窓において表示すべき商品として決定する。
【0071】
次に、図2に示すインターフェース画面500上でユーザーが行う検索操作の具体例について図6から図8を参照して説明する。
【0072】
図6から図8は、ユーザーの検索操作によるインターフェース画面500の推移を示す図である。なお、図6から図8は、モノクロ図面であるため、図6から図8においては、ユーザの検索操作による商品の色の変化を視認することはできないが、実際には、図6から図8の元となるディスプレイにおけるカラー画像上ではユーザーの検索操作に応じて、商品の色の変化を容易に視認することができる。
【0073】
まず、第1段階の検索操作としては、図2に示すようなデフォルトの状態となっているインターフェース画面500において設定されている属性をそのまま使用するものとする。すなわち、図6においては、縦軸においては「色相」、横軸においては「明度」がデフォルトとして設定された状態となっている。そして、縦軸スライダー541をズームイン操作して「色相」を「216度〜270度」とし。また、横軸スライダー542をズームイン操作して「明度」を「25%〜75%」としたとする。
【0074】
このような第1段階の検索操作が行われることにより、第1段階の検索操作に対応する検索条件に合致した商品が商品データベース100から取得されて、図6に示すように、20個の商品が表示される。
【0075】
なお、この場合の検索条件は、属性としては「色相」及び「明度」が選択されており、また、ズームイン操作により「色相」が「216度〜270度」、「明度」が「25%〜75%」というように設定されている。また、デフォルトとして設定されている他の属性の検索条件(「彩度」は「0〜100%」、「価格」は「0〜15000円」、「首の形状」は「ヘンリーネック(henleyneck)〜Vネック(Vneck)」)である。このため、第1段階の検索操作においては、これらの検索条件に合致する商品が商品データベース100から20個だけ取得され、図6における商品表示部530に表示される。
【0076】
そして、図6に示すような状態において、縦軸スクロールバー551を操作することによって、各属性におけるズームイン操作によるズーム倍率(ズームイン倍率という場合もある。)を保持した状態で表示範囲を2次元商品配列の全範囲上で移動させることができる。すなわち、第1段階の検索操作においては、ユーザーにより色相が「216度〜270度」に設定されているので、この場合、色相におけるズームイン倍率は、360/54=20/3倍である。一方、明度は図6の状態では「20%〜75%」であるので、この場合、ズームイン倍率は、100/50=2倍である。
【0077】
したがって、この場合においては、縦軸スクロールバー551を操作することにより、色相のズームイン倍率(20/3倍)及び明度のズームイン倍率(2倍)を保持した状態で、2次元商品配列の全範囲上において表示範囲を縦軸方向に移動させることができ、色相を変化させることができる。また、横軸スクロールバー552を操作することにより、色相のズームイン倍率(20/3倍)及び明度のズームイン倍率(2倍)を保持した状態で、2次元商品配列の全範囲上において表示範囲を横軸方向に移動させることができ、明度を変化させることができる。
【0078】
続いて、第2段階の検索操作として、「色相」はそのままにして「彩度」を変えてみたいと考えて、横軸側の属性として「彩度」を選択し、横軸スライダー542をズームイン操作して、「彩度」をまずは「12.5〜52.5%」に設定したとする(図7参照。)。なお、このように新たな属性を選択し、当該新たに選択した属性の属性値の範囲を所定範囲とするようにズームイン操作した場合でも、それまでに設定した他の属性の属性値は保持された状態となるが、この場合は、横軸の属性として既に設定されている「明度」は、その絞込みを「0〜100%」に設定し直した場合が例示されている。
【0079】
このような第2段階の検索操作が行われることにより、第2段階の検索操作に対応する検索条件に合致した商品が商品データベース100から取得されて図7に示すように20個の商品が表示される。なお、この第2段階の検索操作において、新たに設定された検索条件は、「彩度」と、その属性値の「12.5%〜52.5%」である。
【0080】
このため、第2段階の検索操作においては、既に設定されている検索条件及び新たに設定された検索条件に合致する商品が商品データベース100から取得され、図7における商品表示部530においては、商品データベース100から取得された商品が20個表示される。
【0081】
そして、図7に示すような状態において、縦軸スクロールバー551又は横軸スクロールバー552を操作することによって、各属性におけるズームイン倍率は保持された状態で、表示領域を2次元商品配列の全範囲上で縦軸方向又は横軸方向に移動させることができる。この第2段階の検索操作においては、ユーザーにより横軸側において彩度が「12.5%〜52.5%」に設定されているので、この場合、彩度におけるズームイン倍率としては、100/40=2.5倍である。その他の属性はその時点における状態が保持されている。したがって、この場合においては、縦軸スクロールバー551又は横軸スクロールバー552を操作することによって、これら各属性におけるズームイン倍率が保持された状態で、表示領域を2次元商品配列の全範囲上で縦軸方向又は横軸方向に移動させることができる。
【0082】
続いて、第3段階の検索操作として、ユーザーがこれまでの検索条件に加えて「価格」を検索条件に加えてみたいと考えて、縦軸における属性として「価格」を選択したのち、縦軸スライダー541をズームイン操作して、「価格」をまずは「11625円〜13875円」に設定したとする(図8参照。)。なお、この場合も、それまでに設定した他の属性の設定値は保持された状態となっている。すなわち、第3段階の検索操作においては、縦軸方向において設定した「色相」の「216度〜270度」はそのまま保持され、縦軸において設定した「彩度」の「12.5%〜52.5%」はそのまま保持される。
【0083】
このような第3段階の検索操作が行われることにより、第3段階の検索操作に対応する検索条件に合致した商品が商品データベース100から取得されて図8に示すように20個の商品が表示される。
【0084】
そして、図8に示すような状態において、縦軸スクロールバー551を操作することによって、各属性におけるズームイン倍率は保持された状態で、表示範囲を2次元商品配列の全範囲上で移動させることができる。すなわち、図8の状態の場合、縦軸においては、「価格」が「11625円〜13875円」であるので、この場合、価格のズームイン倍率としては、15000/2250=20/3倍である。その他の属性は既に設定されている状態が保持されている。したがって、この場合においては、縦軸スクロールバー551又は横軸スクロールバー552を操作することによって、これら各属性におけるズームイン倍率が保持された状態で表示領域を2次元商品配列の全範囲上で縦軸方向又は横軸方向に移動させることができる。
【0085】
図9は、実施形態1に係る商品検索システム10における検索処理部300が行う検索処理の手順を説明するフローチャートである。図9に示すように、まずは、ユーザーにより選択された2つの属性に基づいて2次元商品配列データの生成を行い(ステップS1)、2次元商品配列データに対応する2次元商品配列に含まれる商品のうち、商品表示部530において表示可能な数(20個)の商品を商品データベース100から取得して商品表示部530に表示する(ステップS2)。そして、スライダー(縦軸スライダー541及び横軸スライダー542)によるズームイン操作がなされると、2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲、すなわち、スライダー(縦軸スライダー541及び横軸スライダー542)により絞り込まれた表示範囲に含まれる商品のうち、商品表示部530において表示可能な数の商品を商品データベース100から取得して商品表示部530に表示する(ステップS3)。
【0086】
そして、スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)による表示範囲移動操作がなされると、スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)により設定された表示範囲に含まれる商品の中から商品表示部530において表示可能な数の商品を商品データベース100から取得して商品表示部530に表示する(ステップS4)。
【0087】
このような処理がコンピュータ上で実行可能となるような商品検索処理プログラムを作成しておくことにより、上記したユーザーによる検索操作に対応した商品検索が可能となる。
【0088】
ところで、実施形態1に係る商品検索システム10において、ユーザーが検索操作(属性の選択、ズームイン操作及び表示範囲移動操作など)を行った結果、当該検索操作による検索条件に合致した商品の数、商品表示部530で表示可能な数(この場合20個)に満たない場合もある。
【0089】
すなわち、図5において説明したように、2次元商品配列の全範囲において図5の灰色で示すような表示範囲が設定された場合、当該表示範囲において仮定したm×n個の各小表示範囲に存在する商品が存在しない場合もある。このような場合、商品表示部530に空白の小表示窓が生じてしまうので、空白の小表示窓が存在しないように、検索処理部300は、当該小表示範囲から外れた商品の中から適切な商品を取得することが好ましい。具体的には、当該検索操作による検索条件に合致しなくても、例えば、異なる属性を有する商品の中から類似度が比較的商品を取得して、取得した商品を空白となる小表示窓に表示することが好ましい。
【0090】
例えば、第3段階の検索操作を行った結果(図8参照。)、第3段階の検索操作に対応した検索条件に合致した商品が15個しか存在しなかった場合、図8に示す商品表示部530においては、5個分の小表示窓が空白となってしまう。このような場合、例えば、現時点において設定されている属性とは異なる属性の中から比較的類似度の高い商品を5個選択し、選択した5個の商品を空白の小表示窓に表示させるといった処理を行う。
【0091】
このような処理を行うことにより、商品表示部530には常に20個の商品を表示させることができ、ユーザーにとっては、自身が想定したものと多少外れていた商品であっても気に入った商品が存在する場合もあるので、効率的な商品選びが可能となる。
【0092】
ところで、以上説明した実施形態1に係る商品検索システム10において、上記したような検索操作の段階でユーザーが気に入った商品があった場合には、その時点で、購入すべき商品を指示することで、当該商品の購入が可能となる。
【0093】
このように、実施形態1に係る商品検索システム10においては、ユーザーによって2つの属性が選択されると、選択された2つの属性により構成される2次元商品配列データを生成し、この2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品の中から所定数(20個)の商品を商品表示部530に表示する。一方、ユーザーは、商品表示部530においてズームイン操作及び表示領域移動操作を行う。これは、ウエブの地図上において、ある地点をズームイン操作すると、それまでは表示されていなかった当該地点における詳細地図が表示されるのと同様である。このような商品検索システムは、実際の店舗内で商品を見て回りながら商品選びをするのに近いものとなる。
【0094】
このように、実施形態1に係る商品検索システム10は、絞り込みを行う過程で所望とする商品を決定するといった従来の商品検索システムとは異なり、周辺の商品にまで目が行き届くため、漠然としたイメージでショッピングを行おうとしているユーザーにとっては、予想外の商品を探し出すこともできる。これにより、実施形態1に係る商品検索システム10は、店舗内で商品を見て回る場合と同様の感覚でショッピングを行うことができる。
【0095】
[実施形態2]
実施形態2に係る商品検索システム20は、自己組織化マップ(Self Organizing Maps:以下、SOMという。)のアルゴリズムにより生成された2次元商品配列データを用いた商品検索システムである。SOMのアルゴリズム(以下、SOMアルゴリズムという。)は、公知の技術であり、3次元以上の多次元ベクトルにより表わされるデータを、その特徴を残して他のデータとの相互関係を保持したまま、2次元空間上に写像するものである。SOMアルゴリズムにより生成された2次元空間データは、多次元空間のデータの関係が2次元空間上の距離として表わすことができるため、多次元の種類を分類する場合などに好適な手法である。
【0096】
このようなSOMアルゴリズムを商品検索システムに用いる場合、3次元以上の多次元の属性(複数の属性)を有する商品を2次元空間上に写像し、2次元商品配列データを生成する。このように生成された2次元商品配列データに対応する2次元商品配列は、各商品が有するすべての属性が考慮されたものとなっており、必ずしも属性ごとの商品配列となるとは限らないが、類似性の高い商品はより近くになるような配列とすることは可能である。なお、SOMアルゴリズムにより生成された2次元商品配列のことを、実施形態1に係る商品検索システム10で用いた2次元商品配列と区別するために、「SOM商品配列」と呼ぶことにする。
【0097】
なお、ここでは、「SOMPAK」と呼ばれているパッケージを用いて10000個の商品データを100×100の2次元空間に写像するものとする。「SOMPAK」を用いるに際して、すべての属性について、各々の属性を表す属性値を0〜1に正規化する。実施形態2に係る商品検索システム20においても実施形態1に係る商品検索システム10と同様、属性としては、「色相」、「彩度」、「明度」、「価格」及び「首の形状」を用いるものとする。
【0098】
図10は、ある4つの商品A,B,C,Dにおける各属性の属性値を正規化する例について説明する図である。図10(a)は正規化前の各属性の属性値の一例を示す図であり、図10(b)は正規化後の各属性の属性値の一例を示す図である。ここで、色相、彩度、明度及び価格における各属性の属性値を正規化する際には、次式を用いるものとする。
色相(正規化)=色相の属性値/300 ・・・(1)
彩度(正規化)=彩度の属性値/100 ・・・(2)
明度(正規化)=明度の属性値/100 ・・・(3)
価格(正規化)=価格の属性値/11000 ・・・(4)
【0099】
また、「首の形状」については、当該「首の形状」に対しては「0.8」を与え、首の形状を曲率順(ヘンリーネック、丸首、Uネック、Vネックの順)に並べたとき、当該首の形状に隣接する首の形状に対しては「0.5」を与え、2つ隣の首の形状には「0.3」を与え、3つ隣の首の形状には「0.1」を与えるものとする。
【0100】
なお、図10においては、「首の形状」のヘンリーネックは「H」で表し、丸首は「R」で表し、Uネックは「U」で表し、Vネックは「V」で表している。また、図10(b)における正規化後の各属性値は、(1)式から(4)式によって求められたものである。 例えば、図10(a)において、「色相の属性値(度)=292.5」、「彩度の属性値(%)=69.5」、「明度の属性値(%)=92.7」、「価格の属性値(円)=4630」、「首の形状=U」という商品Aを例にして説明すると、正規化後は、「色相」については「292.5/300=0.975」と求められ、彩度については「69.5/100=0.695」と求められ、明度については「92.7/100=0.925」と求められ、価格については、「4630/11000=0.420」と求められる。また、「首の形状」については、当該商品はUネックであるので、「U=0.8」、その両隣である丸首(R)とVネック(V)に対しては、それぞれ「0.5」が与えられ、2つ隣の「ヘンリーネック(H)」に対しては「0.3」が与えられている。図10(b)に示すような正規化された属性値を「SOMPAK」を実行する際のデータとして用いて、SOM商品配列データを生成する。
【0101】
以下、実施形態2に係る商品検索システム20について詳細に説明する。
【0102】
図11は、実施形態2に係る商品検索システム20の構成を示す図である。実施形態2に係る商品検索システム20は、図11に示すように、実施形態1に係る商品検索システム10(図1参照。)が有する構成要素としての商品データベース100、検索操作情報入力部200、検索処理部300及びネットワーク通信部400の他にSOMアルゴリズムによって既に生成された2次元商品配列データ(SOM商品配列データ)を記憶するSOM商品配列データ記憶部600を有している。
【0103】
図12は、実施形態2に係る商品検索システム20におけるインターフェース画面500を示す図である。実施形態2に係る商品検索システム20におけるインターフェース画面500は、図12に示すように、商品表示部530と、スライダー541と、スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)とを有している。
【0104】
前述した実施形態1に係る商品検索システム10においては、2次元商品配列はユーザーが選択した2つの属性が縦軸及び横軸として表わされるものであったため、スケール変更操作すなわちズームイン操作は、縦軸及び横軸の各軸ごとに行っていた。これに対して、実施形態2に係る商品検索システムにおいて用いるSOM商品配列は、属性ごとの商品配列とはなっていないので、ズームイン操作を行った場合であっても、属性の表示範囲が絞り込まれるものではない。このため、ズームイン操作は縦軸及び横軸を同時に行う。したがって、実施形態2に係る商品検索システム20においては、ズームイン操作を行うためのスライダーは1個でよく、図12においては縦軸側にスライダー541が設けられている例が示されている。
【0105】
また、実施形態2に係る商品検索システム20においては、商品表示部530の各小表示窓には、その時点でユーザーが気に入った商品を登録するための登録ボタン560と、登録ボタン560がクリックされた商品を登録する商品登録部570(「お気に入りリスト570」という。)が設けられている。なお、登録ボタン560及お気に入りリスト570は、実施形態1に係る商品検索システム10においては、特に設けてはいなかったが、実施形態1に係る商品検索システム10においても設けることは可能である。
【0106】
このように、実施形態2に係る商品検索システム20において登録ボタン560及びお気に入りリスト570を設けたのは、実施形態2に係る商品検索システム20においては、属性の明確な絞り込みもなく、商品表示部530に表示される商品が必ずしも属性ごとの配置とはなっていないので、スライダー541によるズームイン操作や縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552による表示範囲の移動を行った場合、商品の特定がしにくくなる場合があるためである。
【0107】
また、図12においては、スライダー541は最大ズームアウト位置となっている。すなわち、図12はデフォルトの状態であり、このようなデフォルトの状態においては、スライダー541は最大ズームアウト位置であり、SOM商品配列の全範囲の中から代表的な20個の商品が表示されている状態である。
【0108】
なお、図12は、モノクロ図面であるため、図12においては、商品の色の違い視認することは困難であるが、実際には、図12の元となるディスプレイにおけるカラー画像上では各商品の色の違いを容易に視認することができる。
【0109】
図13は、実施形態2に係る商品検索システム20におけるズームイン操作を模式的に示す図である。図13(a)はSOM商品配列の全範囲を示す図であり、図13(b)は図13(a)においてスライダー541がズームイン操作された場合を示す図である。図13に示すように、スライダー541がズームイン操作されると、スライダー541の操作量に応じてSOM商品配列の全範囲における左右方向及び上下方向において表示範囲が同じ比率で同時に絞り込まれる。なお、スライダー541がズームイン操作された場合であっても、実施形態1に係る商品検索システム10と同様、商品表示部530に表示される商品の数は、スライダー541が最大ズームアウト位置にある場合と同数(20個)である。
【0110】
一方、SOM商品配列の全範囲において表示範囲を移動させる際は、図示は省略するが、実施形態1に係る商品検索システム10と同様、縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552によって、表示範囲を縦方向及び横方向に移動可能となっている。
【0111】
なお、ユーザーがスライダー541によるズームイン操作と、縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552による表示領域移動操作とを行った場合にどの商品を取得するかは、実施形態1に係る商品検索システム10の説明で用いた図5とほぼ同様の方法で決定することができる。
【0112】
次に、図12に示したインターフェース画面500上でユーザーが行う検索操作の具体例について図14から図17を参照して説明する。
【0113】
図14から図17は、ユーザーの検索操作によるインターフェース画面500の推移を示す図である。なお、図14から図17は、モノクロ図面であるため、図14から図17においては、検索操作による商品の色の変化を視認することはできないが、実際には、図14から図17の元となるディスプレイにおけるカラー画像上ではユーザーの操作に応じて、商品の色の変化を容易に視認することができる。
【0114】
まず、第1段階の検索操作として、図14に示すように、ユーザーがスライダー541を最下端の位置にまで移動させたとする。この状態で、縦軸スクロールバー551を最上端に移動し、横軸スクロールバー552を最左端に移動したとする。これは、ズームイン倍率を最大とした状態でSOM商品配列の全範囲(図13(a)参照。)の中の左上付近の領域を表示範囲とした場合である。
【0115】
このような第1段階の検索操作が行われることにより、当該検索操作に対応する検索条件に合致した商品が商品データベース100から取得され、商品表示部530には図14に示すように20個の商品が表示される。
【0116】
続いて、第2段階の検索操作として、図15に示すように、スライダー541の位置は図14の状態(ズームイン倍率が最大の状態)を保持し、かつ、縦軸スクロールバー551は最上端の位置を保持した状態で、横軸スクロールバー552のみを最右端に移動したとする。これは、ズームイン倍率を最大とした状態でSOM商品配列の全範囲(図13(a)参照。)の中の右上付近の領域を表示範囲とした場合である。
【0117】
このような第2段階の検索操作が行われることにより、当該検索操作に対応する検索条件に合致した商品が商品データベース100から取得され、商品表示部530には図15に示すように20個の商品が表示される。
【0118】
続いて、第3段階の検索操作として、図16に示すように、スライダー541の位置はこれまでの状態(ズームイン倍率が最大)の状態を保持し、かつ、横軸スクロールバー552は最右端を保持した状態のまま、縦軸スクロールバー551のみを最下端に移動したとする。これは、ズームイン倍率を最大とした状態でSOM商品配列の全範囲(図13(a)参照。)の中の右下付近の領域を表示範囲とした場合である。
【0119】
このような第3段階の検索操作が行われることにより、当該検索操作に対応する検索条件に合致した商品が商品データベース100から取得され、商品表示部530には図16に示すように20個の商品が表示される。
【0120】
続いて、第4段階の検索操作として、図17に示すように、スライダー541の位置はこれまでの状態(ズームイン倍率が最大の状態)を保持し、かつ、縦軸スクロールバー551は最下端を保持した状態のまま、横軸スクロールバー552のみを最右端から1/3程度の位置とするように操作したとする。これは、ズームイン倍率を最大とした状態でSOM商品配列の全範囲(図13(a)参照。)の中の下方でかつ中央部よりも少し右寄り付近の領域を表示範囲とした場合である。
【0121】
このような第4段階の検索操作が行われることにより、当該検索操作に対応する検索条件に合致した商品が商品データベース100から取得され、商品表示部530には図17に示すように20個の商品が表示される。そして、この時点でユーザーが気に入った商品が存在したとする。この場合、気に入った商品が表示されている小表示窓の登録ボタン560をクリックすると、クリックした商品がお気に入りリスト570に登録される。
【0122】
図17の例では、2つの商品がお気に入りリスト570に登録されている状態が例示されている。なお、お気に入りリスト570に登録されている商品は、当該商品を表示している小表示窓の枠の色を他の表示部と異ならせることが好ましい。
【0123】
なお、お気に入りリスト570に商品を登録すると、その後、検索操作をさらに進めて、スライダー541によるズームイン倍率を変えたり、縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552により表示範囲を移動したりした場合であっても、お気に入りリスト570に登録されている商品の画像をクリックすると、商品表示部530の表示状態は、当該商品の登録ボタン560をクリックした時点のときと同じスケール(ズームイン倍率)及び同じ表示範囲の状態に戻る。また、お気に入りリスト570に登録されている商品をお気に入りリスト570の登録から外す場合には、当該商品の登録ボタン560を再度クリックする。
【0124】
このように実施形態2に係る商品検索システム20においても実施形態1に係る商品検索システム10と同様、店舗内で商品を見て回る場合と同様の感覚でショッピングを行うことができる。また、実施形態2に係る商品検索システム20においては、SOMアルゴリズムによって生成された2次元商品配列データ(SOM商品配列データ)を用いている。
【0125】
SOM商品配列データは、各商品が有するすべての属性が考慮されたものとなっている。このため、ユーザーが属性の選択を行うといった操作を行う必要がなくなり、また、1つのスライダー541がズームイン操作されると、ズームイン操作の操作量に応じてSOM商品配列の全範囲における左右方向及び上下方向において表示範囲が同じ比率で同時に絞り込まれる。そして、ズームイン操作したあとは、縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552を操作することにより、SOM商品配列の全範囲上で表示範囲を自由に設定することができる。これは、まさに、ウエブの地図上でズームイン操作を行って、表示範囲を移動させるのと同じような感覚である。
【0126】
図18は、実施形態2に係る商品検索システム20における検索処理部300が行う検索処理の手順を説明するフローチャートである。図18に示すように、まずは、SOM商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、商品表示部530で表示可能な数(20個)の商品を商品表示部530に表示する(ステップS11)。
【0127】
そして、スライダー541によるズームイン操作がなされると、2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲、すなわち、スライダー541により絞り込まれた表示範囲に含まれる商品のうち、商品表示部530において表示可能な数の商品を商品データベース100から取得して商品表示部530に表示する(ステップS12)。
【0128】
そして、スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)による表示範囲移動操作がなされると、スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)により設定された表示範囲に含まれる商品の中から商品表示部530において表示可能な数の商品を商品データベース100から取得して商品表示部530に表示する(ステップS13)。
【0129】
このような処理がコンピュータ上で実行可能となるような商品検索処理プログラムを作成しておくことにより、上記したユーザーによる検索操作に対応した商品検索が可能となる。
【0130】
[実施形態3]
実施形態3に係る商品検索システム30においては、各属性の重要度が反映された2次元商品配列データをSOMアルゴリズムにより生成する。このため、実施形態3に係る商品検索システム30においては、各属性の重要度を設定するための重要度設定用インターフェース画面700(図19参照。)を検索処理部300により生成して、その重要度設定用インターフェース画面700をユーザー端末60に表示する。
【0131】
そして、ユーザーは、商品の検索を行う前に、まずは、重要度設定用インターフェース画面700により、各属性の重要度を各属性ごとに設定する。これにより、検索処理部300では、ユーザーによって設定された各属性ごとの重要度を反映したSOM商品配列データをSOMアルゴリズムによって生成する。
【0132】
実施形態3に係る商品検索システム30の構成としては、実施形態2に係る商品検索システム20を用いることができる。ただし、実施形態3に係る商品検索システム30における検索処理部300は、重要度設定用インターフェース画面700を生成する機能と、重要度設定用インターフェース画面700において設定された重要度を反映したSOM商品配列データをSOMアルゴリズムによって生成する機能とをさらに有している。
【0133】
図19は、重要度設定用インターフェース画面700の一例を示す図である。重要度設定用インターフェース画面700は、図19に示すように、各属性(「色相」、「彩度」、「明度」、「価格」及び「首の形状」)に対応して、これら各属性ごとに各属性の重要度を設定するための重要度設定用スライダー711〜715が表示されている。これら各属性に対応する重要度設定用スライダー711〜715は、「0」から「10」までの11段階で重要度としての「重み」の設定が可能となっており、重要度設定用スライダー711〜715の位置を示す数値が大きいほど重みが大きく(重要度が高く)なる。
【0134】
図19の例では、「色相」及び「価格」に対しては重要度が高く設定されており、「彩度」と「首の形状」に対しては重要度は比較的低く設定されており、「明度」に対しては重要度が中程度に設定された例が示されている。なお、重要度設定用スライダー711〜715の操作により各属性の重みが設定されると決定ボタン720をクリックする。これによって、各属性に対する重みが設定される。なお、各属性に対して設定される重みは、各属性の属性値(正規化後の属性値)に与えられるものであり、この具体例については後述する。
【0135】
このようにして、ユーザーによって各属性に対して重みが設定されると、検索処理部300では、重みが設定された各属性の属性値に基づいて、SOMアルゴリズムにより2次元商品配列データ(SOM商品配列データ)を生成する。
【0136】
図20は、重要度設定用スライダー711〜715の位置を示す数値と重みとの関係を示す図である。重要度設定用スライダー711〜715の位置を示す数値(重要度設定用スライダーの数値という。)と重みとの関係は、図20に示すように、例えば、属性重み付け用スライダーの数値が「0」においては、重みは「0.01」であり、属性重み付け用スライダーの数値が「1」においては、重みは「0.2」であり、属性重み付け用スライダーの数値が「2」においては、重みは「0.4」である。
【0137】
そして、図20に示すように設定された重要度設定用スライダーの数値に対する重みを正規化後の属性値に掛け算する。なお、この場合、「彩度」及び「明度」の属性データの正規化は前述の(2)式及び(3)式によって行うものとするが、「色相」及び「価格」の属性データについては次式によって行うものとする。
色相(正規化)=色相の属性値/360 ・・・(5)
価格(正規化)=価格の属性値/15000 ・・・(6)
【0138】
図21は、ある4つの商品A,B,C,Dにおける属性値の正規化について説明する図である。図21(a)は正規化前の各属性の属性値の一例を示す図であり、図21(b)は正規化後の各属性の正規化後の属性値の一例を示す図である。すなわち、図21(b)に示す正規化後の属性値は、「色相」及び「価格」については(5)式及び(6)式を用いて正規化したものであり、「彩度」及び「明度」については(2)式及び(3)式を用いて正規化したものである。なお、「首の形状」については正規化する際の数値の与え方は図10(b)の場合と同じである。
【0139】
図22は、図21に示した正規化後の各属性値に重みを掛け算して得られた各属性値を示す図である。なお、図22の説明においは、重要度設定用スライダー711〜715の位置は、図19に示す重要度設定用インターフェース画面700において示されている位置とは異なっている。
【0140】
すなわち、図22においては、「色相」に対応する重要度設定用スライダー711の数値は「8」であり、その重みは「1.6」、「彩度」に対応する重要度設定用スライダー712の数値は「1」であって、その重みは「0.2」、「明度」に対応する重要度設定用スライダー713の数値は「4」であって、その重みは「0.8」、「価格」に対応する重要度設定用スライダー714の数値は「10」であって、その重みは「2.0」、「首の形状」に対応する重要度設定用スライダー715の数値は「6」であって、その重みが「1.2」である場合が示されている。なお、各重要度設定用スライダー711〜715の数値に対する重みは、図20によって取得されるものである。
【0141】
これら各属性に対して与えられる重みを各属性の正規化後の属性値(図21(b)参照。)に掛け算することにより、図22に示すような重みの与えられた属性値(重み付け属性値という。)が得られる。
【0142】
図22においては、4つの商品A,B,C,Dについて重み付け属性値が示されているが、図19に示す重要度設定用インターフェース画面700により各属性に対して重みが設定されると、すべての商品の各属性の正規化後の属性値に対する重み付け属性値が得られる。そして、このような重み付け属性値を用いてSOMアルゴリズムによりSOM商品配列データの生成がなされる。このようにして生成されたSOM商品配列データは、各属性の重要度が反映されたSOM商品配列データとなる。
【0143】
このようにして各属性の重要度が反映されたSOM商品配列データが生成されると、それ以降のユーザーによる検索操作などは実施形態2に係る商品検索システム20と同様に行うことができる。したがって、実施形態3に係る商品検索システムの検索操作についての説明は省略する。
【0144】
実施形態3に係る商品検索システムにおいては、SOM商品配列は、ユーザーの好みが反映されたものとなるため、ユーザーによる検索操作は、実施形態2に係る商品検索システム20に比べて操作性がより向上し、より短時間で当該ユーザーの好みの商品を探し出すことができる。
【0145】
図23は、実施形態3に係る商品検索システム30における検索処理部300が行う検索処理の手順を説明するフローチャートである。図23に示すように、まずは、各属性の重要度の設定が可能な重要度設定用インターフェース画面700を生成する(ステップ21)。そして、重要度が反映された属性値に基づいてSOMアルゴリズムにより2次元商品配列データ(SOM商品配列データ)を生成する(ステップ22)。続いて、SOM商品配列データに対応するSOM商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、商品表示部530で表示可能な数(20個)の商品を商品表示部530に表示する(ステップS23)。
【0146】
そして、スライダー541によるズームイン操作がなされると、2次元商品配列(SOM商品配列)の全範囲の中の所定範囲、すなわち、スライダー541により絞り込まれた表示範囲に含まれる商品のうち、商品表示部530において表示可能な数の商品を商品データベース100から取得して商品表示部530に表示する(ステップS24)。
【0147】
そして、スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)による表示範囲移動操作がなされると、スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)により設定された表示範囲に含まれる商品の中から商品表示部530において表示可能な数の商品を商品データベース100から取得して商品表示部530に表示する(ステップS25)。
【0148】
このような処理がコンピュータ上で実行可能となるような商品検索処理プログラムを作成しておくことにより、上記したユーザーによる検索操作に対応した商品検索が可能となる。
【0149】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記(1)〜(3)に示すような変形実施も可能である。
【0150】
(1)上記各実施形態では、スケール変更操作(ズームイン操作)及び表示領域移動操作は、インターフェース画面500に表示されているスライダー及びスクロールバーをマウスなどにより移動させることによって行うようにした場合を例示したが、マウスのホイールを操作したり、マウスによって商品表示部530上をドラッグしたりすることによっても行うことができる。
【0151】
例えば、スケール変更操作(ズームイン操作)を行う場合には、縦軸スライダー541をアクティブにした状態でマウスのホイールを操作することにより縦軸スライダー541を操作するのと同様の動作が可能であり、また、横軸スライダー542をアクティブにした状態でマウスのホイールを操作することにより横軸スライダー542を操作するのと同様の動作が可能である。また、表示領域移動操作を行う場合には、マウスによって商品表示部530上をドラッグすることによって行うことができる。なお、この場合、マウスのドラッグ方向は8方向とする。
【0152】
(2)上記各実施形態では、インターフェース画面500の商品表示部530に設けた小表示窓の数は20個としたが、20個に限られるものではない。
【0153】
(3)上記各実施形態では、商品としては衣料品(Tシャツ)としたが、衣料品に限られるものではない。ただし、個々のユーザーの嗜好性の高い商品であって、かつ、種類などが豊富な商品であることが好ましい。
【符号の説明】
【0154】
10,20,30・・・商品検索システム、50・・・ネットワーク、60・・・ユーザー端末、100・・・商品データベース、200…ユーザー検索操作情報入力部、300・・・検索処理部、400・・・ネットワーク通信部、500・・・インターフェース画面、510・・・縦軸属性選択部、511,521・・・色相設定部、512.522・・・彩度設定部、513,523…明度設定部、514,524・・・価格設定部、515,525・・・首の形状設定部、520・・・横軸属性選択部、530・・・商品表示部、541・・・縦軸スライダー、542・・・横軸スライダー、551・・・縦軸スクロールバー、552・・・横軸スクロールバー、600・・・2次元商品配列データ記憶部、700・・・重要度設定用インターフェース画面、711〜715・・・重要度設定用スライダー
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品検索システム及び商品検索システムにおける商品検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ネットワークショッピングが一般的になり、様々な商品が自宅などで居ながらにして購入可能となってきている。この種のネットワークショッピングを可能とするための商品検索システムは従来から種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載れている技術(従来技術という。)は、パーソナルコンピュータなどのディスプレイ上に表示された多種の商品の中からユーザーが特定の商品(商品Aとする。)を選択すると、当該商品Aがディスプレイ上に表示され、さらに、当該商品Aの類似商品を見たい場合には、類似商品検索ボタンを操作すると、商品Aに類似した商品群が表示されるというように、複数の階層をたどり、絞り込みを行うことによって商品を決定するものである。
【0004】
このように、従来技術によれば、特定の商品を選択すると、当該商品だけではなく、それに類似した商品群をも表示可能としているので、ユーザーは、類似した商品の中から所望とする商品を選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−251850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術は、複数の階層をたどり、絞り込みを行うことによって商品を決定するものであるため、階層から外れる商品については、ユーザーの目に触れることがなく、ユーザーは、結局は絞り込みの過程で表示された商品の中から所望とする商品を選ぶこととなる。
【0007】
一般に、衣類や装飾品など個々のユーザーにとって嗜好性の高い商品を、例えば店舗で購入しようとする場合、ユーザーは漠然としたイメージだけで店舗内を見て回り、自分なりにイメージをふくらませた結果、気に入った商品があれば購入するといったショッピングの形態をとることが多い。このため、最初のイメージとは異なる商品を選ぶといったことも多々あり、それが逆に大きな満足感を得ることとなる場合も多い。
【0008】
このようなショッピングの形態は、従来技術においては実現しにくいと考えられる。すなわち、従来技術においては、如何に効率よく商品を絞り込んで行くかということに主眼をおいている。このため、特に明確な目的を持たずに気に入ったものがあれば購入しようと考えて買い物をするユーザーにとっては、商品選択の視野を狭めてしまうおそれがある。したがって、店舗内を見て回りながら気に入ったものがあれば購入するといったショッピングの形態をとるユーザーにとっては、上記した従来技術ではその要求を満たすことはできない。
【0009】
そこで本発明は、店舗内を見て回りながら商品選びをする感覚でネットワークショッピングが可能となる商品検索システム及び商品検索システムにおける商品検索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1]本発明の商品検索システムは、あるカテゴリに属する商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムであって、前記商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、前記インターフェース画面を生成する機能と、前記ユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能とを有する検索処理部とを有し、前記検索処理部は、前記複数の属性の中から2つの属性を選択する操作が前記検索操作としてなされると、前記2つの属性の各属性値が取り得る属性値全範囲に含まれる商品を前記商品データベースから取得して、前記2つの属性の各属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データを作成する機能と、前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比(ズーム倍率)を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能とをさらに有することを特徴とする。
【0011】
本発明の商品検索システムにおいては、インターフェース画面における商品表示部の初期画面としては、2つの属性で表わされる2次元商品配列の全範囲に属する商品のうち、商品表示部で表示可能な数(例えば20個)の商品が表示された状態となっている。この20個の商品は、2つの属性で表わされる2次元商品配列の全範囲に含まれる多数の商品の中から満遍なく抽出された代表的な商品である。したがって、各商品の類似度は比較的小さいが、2つの属性で表わされる2次元商品配列の全範囲の傾向を一目で見ることができる。
【0012】
そして、スケール変更操作がなされると、2次元商品配列の全範囲の中から、スケール変更操作により設定された範囲の商品を商品表示部に表示する。このとき、商品表示部に表示される商品の数は20個のままであるので、より類似度の高い商品が商品データベースから取得されて表示される。これは、ウエブの地図において表示範囲を狭めて拡大表示(ズームイン操作)するとのと同様の操作であり、ズームイン操作することにより、ある範囲がより詳細に表示され、ズームアウトされた状態では表示されていなかった細い道路や小さな建物までは表示されるのと同様に考えることができる。
【0013】
また、ズームイン操作によるズーム倍率を保持した状態で、2次元商品配列の全範囲上において商品表示部に表示すべき表示範囲を移動した上で設定可能としている。これにより、ズームイン操作によるズーム倍率を保持した状態で、2次元商品配列の全範囲上の商品を商品表示部に順次表示させることができる。
【0014】
このように、本発明の商品検索システムによれば、あたかもウエブの地図においてズームイン操作を行ったり地図上で表示位置を変えたりするといった感覚で商品を探すことができる。すなわち、本発明の商品検索システムは、単に絞り込みを行う過程で所望とする商品を決定するといった従来の商品検索システムとは異なり、実際の店舗内で商品を見て回りながら商品選びをするのに近いものとなるため、漠然としたイメージでショッピングを行おうとしているユーザーにとっては、予想外の商品に見つけることも可能であり、ショッピングの本来の楽しみを味わうこともできる。
【0015】
[2]本発明の商品検索システムにおいては、前記インターフェース画面には、前記縦軸の属性を選択するための縦軸側の属性選択部と、前記横軸の属性を選択するための横軸側の属性選択部とが設けられることが好ましい。
【0016】
これにより、ユーザーはインターフェース画面において縦軸側及び横軸側の属性を選択することができる。例えば、商品が衣料品であって、属性が「色相」、「彩度」、「明度」、「価格」などであるとすれば、これら各属性のうちの2つを任意に選択することができる。例えば、ユーザーが縦軸において「色相」を選択し、横軸において「明度」を選択したとすれば、「色相」を縦軸、「明度」を横軸とする2次元商品配列が生成され、生成された2次元商品配列において前記[1]で説明したような検索操作を行うことができる。
【0017】
[3]本発明の商品検索システムにおいては、前記スケール変更操作は、前記縦軸における属性の属性値全範囲の中の所定範囲及び前記横軸における属性の属性値全範囲の中の所定範囲を前記縦軸及び横軸の少なくとも一方において設定することによって行うことが好ましい。
【0018】
本発明においては、縦軸側及び横軸側においてそれぞれの属性を設定するものであるため、縦軸における属性の属性値全範囲の中の所定範囲及び横軸における属性の属性値全範囲の中の所定範囲を縦軸及び横軸の少なくとも一方の側において設定することによって、2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を商品表示部に表示すべき表示範囲として設定することができる。
【0019】
[4]本発明の商品検索システムにおいては、前記インターフェース画面には、前記スケール変更操作を行うためのスケール変更操作部が前記縦軸及び前記横軸にそれぞれ設けられていることが好ましい。
【0020】
このスケール変更操作部は、インターフェース画面に例えばスライダー(縦軸スライダー及び横軸スライダー)を表示させておくことによって実現することができ、このスライダーを動かすことにより、縦軸及び横軸のそれぞれのズームイン操作の操作量を設定することができる。
【0021】
[5]本発明の商品検索システムにおいては、前記インターフェース画面には、前記表示範囲移動操作を行うための表示領域移動操作部が設けられていることが好ましい。
【0022】
ここでの表示領域移動部は、前記[1]で説明した2次元商品配列の全範囲上において商品表示部に表示すべき表示範囲を移動しながら設定とするものである。一例としては、インターフェース画面にスクロールバー(縦軸スクロールバー及び横軸スクロールバー)を表示させておき、このスクロールバーを動かすことにより、縦軸方向及び横軸方向のそれぞれにおいて表示範囲を移動することができ、それによって、2次元商品配列の全範囲上において商品表示部に表示すべき表示範囲の設定が可能となる。
【0023】
[6]本発明の商品検索システムにおいては、前記商品表示部は、前記縦軸に沿ってm個及び前記横軸に沿ってn個の合計m×n個(n及びmは2以上の整数で、m=n又はm≠n)の商品を個別に表示可能な複数の小表示窓を有し、前記検索処理部は、前記商品表示部に表示すべき表示範囲において前記複数の小表示窓に対応する前記m×n個の小表示範囲を仮定し、前記m×n個の各小表示範囲に存在する商品が複数個存在する場合には、当該小表示範囲の中心に最も近い位置に存在する商品を前記商品表示部の対応する小表示窓に表示すべき商品として決定すること
が好ましい。
【0024】
このように、商品表示部には、m×n個の商品が同時に表示可能となる。例えば、m=4、n=5の合計20個の小表示窓を設けることにより、20個の商品を同時に表示することができる。一方、ユーザーがスライダーやスクロールバーを操作することによって検索操作を行うと、その検索操作に対応した表示範囲が2次元商品配列の全範囲の中に設定され、設定された表示範囲において、前記小表示窓に対応するように、m×n個の小表示範囲を仮定する。そして、個々の小表示範囲に複数の商品が存在する場合には、小表示範囲の中心に最も近い商品を当該小表示範囲の商品を前記商品データベースから取得する。これにより、小表示窓に表示すべき商品を適切に取得することができる。
【0025】
[7]本発明の商品検索システムにおいては、前記商品表示部は、前記縦軸に沿ってm個及び前記横軸に沿ってn個の合計m×n個(n及びmは2以上の整数で、m=n又はm≠n)の商品を個別に表示可能な複数の小表示窓を有し、前記検索処理部は、前記商品表示部に表示すべき表示範囲において前記複数の小表示窓に対応する前記m×n個の小表示範囲を仮定し、前記m×n個の各小表示範囲に存在する商品が存在しなかった場合には、当該小表示範囲から外れた商品の中から前記商品表示部の対応する小表示窓に表示すべき商品を取得することが好ましい。
【0026】
これにより、商品表示部において空白の小表示窓が存在しないようにすることができ、商品表示部を最大限有効利用することができる。これによって、効率的な検索操作が可能となる。
【0027】
[8]本発明の商品検索システムにおける商品検索方法は、あるカテゴリに属する商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、インターフェース画面を生成する機能及びユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能を有する検索処理部とを有し、前記商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムにおける検索処理方法であって、前記複数の属性の中から2つの属性を選択する操作が前記検索操作としてなされると、前記2つの属性の各属性値が取り得る属性値全範囲に含まれる商品を前記商品データベースから取得して、前記2つの属性の各属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データを作成するステップと、前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比(ズーム倍率)を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップとを有することを特徴とする。
【0028】
本発明の商品検索システムにおける商品検索処理方法によれば、前記[1]における本発明の商品検索システムと同様の効果が得られる。なお、本発明の商品検索システムにおける商品検索処理方法においても、前記[2]〜[7]に記載した本発明の商品検索システムと同様の特徴を有することが好ましい。
【0029】
[9]本発明の商品検索システム(第2の商品検索システムとする。)は、あるカテゴリに属する商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムであって、前記商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、前記インターフェース画面を生成する機能と、前記ユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能とを有する検索処理部と、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することにより生成された2次元商品配列データを記憶する2次元商品配列データ記憶部とを有し、前記検索処理部は、前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比(ズーム倍率)を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能とを有することを特徴とする。
【0030】
本発明の第2の商品検索システムは、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップのアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することにより2次元商品配列データを生成するものである。このように生成された2次元商品配列データは、各商品が有するすべての属性が考慮されたものとなっており、必ずしも属性ごとの商品配列となるとは限らないが、類似性の高い商品はより近くになるような配列とすることは可能である。
【0031】
このような自己組織化マップのアルゴリズムを用いて生成された2次元商品配列データを用いることによっても、検索操作などは第1の商品検索システムとほぼ同様に行うことができ、第1の商品検索システムと同様の効果が得られる。
【0032】
なお、本発明の第2の商品検索システムにおいても、前記[5]〜[7]に記載した第1の商品検索システムと同様の特徴を有することが好ましい。
【0033】
[10]本発明の第2の商品検索システムにおいては、前記インターフェース画面には、前記スケール変更操作を行うためのスケール変更操作部が設けられており、前記スケール変更操作部によりスケール変更操作がなされると、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲が前記縦軸及び横軸の両方において同時に設定されることが好ましい。
【0034】
前記[1]における商品検索システム(第1の商品検索システムとする。)においては、ユーザーが選択した2つの属性に基づいて2次元空間上の商品配列を生成するようにしていたため、ズームイン操作は縦軸及び横軸の各軸ごとに行うが、第2の商品検索システムにおいては、ズームイン操作は縦軸及び横軸を同時に行う。
【0035】
[11]本発明の商品検索システムにおける商品検索方法(第2の商品検索システムにおける商品検索方法とする。)は、あるカテゴリに属する商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、インターフェース画面を生成する機能及びユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能を有する検索処理部と、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することによって生成された2次元商品配列データを記憶する2次元商品配列データ記憶部とを有し、前記商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムにおける検索処理方法であって、前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比(ズーム倍率)を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップとを有することを特徴とする。
【0036】
本発明の第2の商品検索システムにおける商品検索処理方法によれば、前記[9]における本発明の第2の商品検索システムと同様の効果が得られる。なお、本発明の第2の商品検索システムにおける商品検索処理方法においても、前記[5]〜[7]に記載した本発明の第1の商品検索システムと同様の特徴、並びに、前記[10]に記載した本発明の第2の商品検索システムと同様の特徴を有することが好ましい。
【0037】
[12]本発明の商品検索システム(第3の商品検索システムとする。)は、あるカテゴリに属する商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムであって、前記商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、前記インターフェース画面を生成する機能と、前記ユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能とを有する検索処理部とを有し、前記検索処理部は、前記各属性の重要度を設定可能とするための重要度設定用インターフェース画面を生成する機能と、前記重要度設定用インターフェース画面で設定された重要度を反映して、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することによって2次元商品配列データを生成する機能と、前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比(ズーム倍率)を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能とを有することを特徴とする。
【0038】
本発明の第3の商品検索システムは、自己組織化マップのアルゴリズムにより2次元商品配列データを生成する際、各属性の重要度を設定可能とするものである。これにより、個々のユーザーの好みが反映された2次元商品配列データを生成することができる。このようにして生成された2次元商品配列データを用いることによって、個々のユーザーの検索操作を効率的に行うことができる。
【0039】
なお、本発明の第3の商品検索システムにおいても、前記[5]〜[7]に記載した本発明の第1の商品検索システムと同様の特徴、並びに、前記[10]に記載した本発明の第2の商品検索システムと同様の特徴を有することが好ましい。
【0040】
[13]本発明の商品検索システムにおける商品検索方法(第3の商品検索システムにおける商品検索方法とする。)は、あるカテゴリに属する商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、インターフェース画面を生成する機能及びユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能を有する検索処理部とを有し、前記商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムにおける検索処理方法であって、前記各属性の重要度を設定可能とするための重要度設定用インターフェース画面を生成するステップと、前記重要度設定用インターフェース画面で設定された重要度を反映して、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することによって2次元商品配列データを生成するステップと、前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比(ズーム倍率)を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップとを有することを特徴とする。
【0041】
本発明の第3の商品検索システムにおける商品検索処理方法によれば、前記[12]における本発明の第2の商品検索システムと同様の効果が得られる。なお、本発明の第3の商品検索システムにおける商品検索方法においても、前記[5]〜[7]に記載した本発明の第1の商品検索システムと同様の特徴、並びに、前記[10]に記載した本発明の第2の商品検索システムと同様の特徴を有することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施形態1に係る商品検索システム10の構成を示す図である。
【図2】実施形態1に係る商品検索システム10においてユーザー端末60で表示されるインターフェース画面500の一例を示す図である。
【図3】スライダーの操作による属性の表示範囲の絞り込を模式的に示す図である。
【図4】スクロールバーによる表示領域の移動を模式的に示す図である。
【図5】ユーザーの検索操作に応じた商品の取得動作について説明する図である。
【図6】ユーザーの検索操作によるインターフェース画面の推移を示す図である。
【図7】ユーザーの検索操作によるインターフェース画面の推移を示す図である。
【図8】ユーザーの検索操作によるインターフェース画面の推移を示す図である。
【図9】実施形態1に係る商品検索システムにおける検索処理部300が行う検索処理の手順を説明するフローチャートである。
【図10】ある4つの商品A,B,C,Dにおける各属性の属性値を正規化する例を説明する図である。
【図11】実施形態2に係る商品検索システム20の構成を示す図である。
【図12】実施形態2に係る商品検索システム20におけるインターフェース画面500を示す図である。
【図13】実施形態2に係る商品検索システム20におけるズームイン操作を模式的に示す図である。
【図14】ユーザーの検索操作によるインターフェース画面の推移を示す図である。
【図15】ユーザーの検索操作によるインターフェース画面の推移を示す図である。
【図16】ユーザーの検索操作によるインターフェース画面の推移を示す図である。
【図17】ユーザーの検索操作によるインターフェース画面の推移を示す図である。
【図18】実施形態2に係る商品検索システム20における検索処理部300が行う検索処理の手順を説明するフローチャートである。
【図19】重要度設定用インターフェース画面700の一例を示す図である。
【図20】重要度設定用スライダー711〜715の位置を示す数値と重みとの関係を示す図である。
【図21】ある4つの商品A,B,C,Dにおける属性値の正規化について説明する図である。
【図22】図21に示した正規化後の各属性値に重みを掛け算して得られた各属性値を示す図である。
【図23】実施形態3に係る商品検索システム30における検索処理部300が行う検索処理の手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態では、あるカテゴリに属する商品群(ここでは「Tシャツ」の類であるとする。)を検索対象とするものであって、当該商品群に含まれる各商品は、種々の「色」、「価格」及び「形状」を有しているものとする。これら「色」、「価格」及び「形状」を当該商品の属性という。また、属性のうち「色」には、「色相」、「彩度」、「明度」が含まれるものとし、以下では、これら「色相」、「彩度」、「明度」を別々の属性として扱う。また、「形状」というのは、この場合「首の形状」であって、「首の形状」には例えば「ヘンリーネック(henley neck)」、「丸首(round neck」、「Uネック(U neck)」,「Vネック(V neck)」が存在するものとする。以下に本発明の各実施形態について説明する。
【0044】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る商品検索システム10の構成を示す図である。実施形態1に係る商品検索システム10は、図1に示すように、各商品と各商品が有する各属性(「色相」、「彩度」、「明度」、「価格」及び「首の形状」)とを対応付けて記憶する商品データベース100と、ユーザー端末60上での検索操作に対応した検索操作情報を入力する検索操作情報入力部200と、インターフェース画面500(図2参照。)を生成する機能及びインターフェース画面500においてなされるユーザーの検索操作に基づいて商品データベース100から検索条件に合致する商品を取得して、インターフェース画面500の商品表示部530(図2参照。)に表示する機能を含む各種の機能を有する検索処理部300と、ネットワーク50との間での通信を行うネットワーク通信部400とを有している。なお、ユーザー端末60はパーソナルコンピュータなどを例示することができる。また、検索処理部300有する各機能の具体例についは以下の説明においてその都度、詳細に説明する。
【0045】
また、各商品が有する各属性には、それぞれ属性値が与えられている。ここで、「色相」の属性値は、色相環(0度〜360度)のいずれかの角度で表わされるものとし、この「0度〜360度」は「色相」の属性値が取り得る全範囲であるため、これを「色相」の「属性値全範囲」という。また、「彩度」の属性値及び「明度」の属性値は、それぞれ「0%〜100%」のうちのいずれかの値で表わされるものとし、この「0%〜100%」」は「彩度」及び「明度」の属性値が取り得る全範囲であるため、これを「彩度」の「属性値全範囲」及び「明度」の「属性値全範囲」という。また、「価格」の属性値は、この場合、「0円〜15000円」のうちのいずれかの値で表わされるものとし、この「0円〜15000円」はこの場合「価格」の属性値が取り得る全範囲であるため、これを「価格」の「属性値全範囲」という。
【0046】
また、「首の形状」は、「ヘンリーネック」、「丸首」、「Uネック」,「Vネック」であり、首の形状の曲率順に、「ヘンリーネック」→「丸首」→「Uネック」→「Vネック」といった順で1〜100のうちの所定の値が属性値として設定されている。例えば、ヘンリーネックには「1〜25」、丸首には「26〜50」、Uネックには「51〜75」、Vネックには「76〜100」といった値が与えられており、「1〜100」はこの場合「首の形状の」の属性値が取り得る全範囲であるため、これを「首の形状」の「属性値全範囲」という。
【0047】
図2は、実施形態1に係る商品検索システム10においてユーザー端末60で表示されるインターフェース画面500の一例を示す図である。インターフェース画面500は、図2に示すように、属性を選択するための属性選択部(縦軸属性選択部510及び横軸属性選択部520)と、縦軸属性選択部510で選択された属性及び横軸属性選択部520で選択された属性に基づく商品が表示される商品表示部530と、各属性の属性値全範囲のうちの所定範囲を商品表示部530に表示すべき表示範囲として各属性ごとに設定するスケール変更操作部(縦軸スライダー541及び横軸スライダー542)と、商品表示部530に表示すべき表示範囲を2次元商品配列(後述する。)の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作部(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)とを有している。
【0048】
なお、縦軸スライダー541、横軸スライダー542、縦軸スクロールバー551、横軸スクロールバー552は、ユーザー端末60に備えられているマウスによって操作することができる。また、縦軸スライダー541、横軸スライダー542、縦軸スクロールバー551、横軸スクロールバー552の機能については後述する。
【0049】
なお、図2は、モノクロ図面であるため、図2においては、商品の色の違い視認することは困難であるが、実際には、図2の元となるディスプレイにおけるカラー画像上では各商品の色の違いを容易に視認することができる。
【0050】
縦軸属性選択部510は、色相を設定する色相設定部511、彩度を設定する彩度設定部512、明度を設定する明度設定部513、価格を設定する価格設定部514及首の形状を設定する首の形状設定部515を有している。また、横軸属性選択部520も同様に、色相設定部521、彩度設定部522、明度設定部523、価格設定部524及首の形状設定部525を有している。
【0051】
ユーザーは縦軸属性選択部510及び横軸属性選択部520から各属性(色相、彩度、明度、価格及び首の形状)をそれぞれ1つずつ選択することができる。なお、属性の選択を行う場合、縦軸における属性と横軸における属性とは互いに異なった属性を選択する。例えば、縦軸において「色相」を選択した場合には、横軸においては「色相」以外の属性を選択する。
【0052】
このように、ユーザーが縦軸における属性と横軸における属性とをそれぞれ1つずつ選択すると、検索処理部300では、各属性の取り得る各属性値全範囲に含まれる商品を商品データベース100から取得して、2つの属性の属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データを生成する。そして、当該2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品の中から、商品表示部530で表示可能な数の商品をインターフェース画面500の商品表示部530に表示する。
【0053】
なお、商品表示部530においては、この場合、縦軸方向に4個、横軸方向に5個の合計20個の小表示窓が設けられ、これらの小表示窓に20個の商品を同時に表示可能としている。
【0054】
ここで、ユーザーが縦軸において例えば「色相」を選択し、横軸において例えば「明度」を選択した場合には、「色相」と「明度」の各属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データが生成され、当該2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品の中から、商品表示部530で表示可能な数(20個)の商品を取得して、商品表示部530に表示する(図2参照。)。
【0055】
ところで、図2に示すインターフェース画面500は、デフォルトの状態が示されている。このようなデフォルトの状態においては、縦軸側の属性としては例えば「色相」が選択され、横軸側の属性としては例えば「明度」が選択されているものとする。そして、「色相」の属性値の初期設定は、属性値全範囲「0〜360度」となっており、「明度」の属性値の初期設定は、属性値全範囲「0〜100%」となっている。また、これら「色相」及び「明度」以外の各属性の属性値も初期設定の状態となっている。すなわち、「彩度」の属性値の初期設定は、属性値全範囲「0〜100%」となっており、「価格」の属性値の初期設定も属性値全範囲「0〜15000円」となっている。また、「首の形状」の属性値は属性値としての数値は示されていないが「ヘンリーネック(henley neck)〜Vネック(Vneck)」となっている。
【0056】
このようなデフォルトの状態においては、縦軸が「色相」、横軸が「明度」で表わされる2次元商品配列の全範囲の中から代表的な20個の商品が表示されている状態である。すなわち、デフォルトの状態においては、縦軸スライダー541及び横軸スライダー542は、図2に示すように、初期位置(縦軸スライダー541は最上端、横軸スライダー542は最右端)となっている。
【0057】
なお、縦軸スライダー541及び横軸スライダー542は、各属性の属性値全範囲の中の所定範囲を商品表示部530に表示すべき表示範囲として設定するものであるが、これは、スケール変更(ズーム変更)を行うことを意味している。すなわち、縦軸方向及び横軸方向において、それぞれ属性を選択した状態で、縦軸スライダー541を操作すると、縦軸方向において選択した属性のスケール変更(ズーム変更)が行われる。同様に、横軸スライダー542を操作すると、横方向において選択した属性のスケール変更(ズーム変更)が行われる。
【0058】
このように、スライダー(縦軸スライダー541及び横軸スライダー542)を操作するということは、この場合、表示範囲の絞り込み操作、すなわちズームイン操作を行うことであるため、スライダー(縦軸スライダー541及び横軸スライダー542)を最上端又は最右端の位置から下方向又は左方向に操作することを、「ズームイン操作する」と表記する場合もある。
【0059】
ところで、図2に示す状態では、縦軸スライダー541及び横軸スライダー542は、初期位置(縦軸スライダー541は最上端、横軸スライダー542は最右端)となっており、これは、ズームイン操作がなされる前の状態であって、この状態をここでは「最大ズームアウト位置」という。この最大ズームアウト位置においては、縦軸が「色相」、横軸が「明度」で表わされる2次元商品配列の全範囲の中から代表的な20個の商品が表示されている状態である。したがって、図2に示す状態では、縦軸方向において隣接する商品同士は色相についての類似度は比較的小さく、また、横軸方向において隣接する商品同士は明度についての類似度は比較的小さいといえる。
【0060】
そして、最大ズームアウト位置からズームイン操作を行うと、そのズームイン操作の操作量(各スライダーの移動量)が大きいほど2次元商品配列の全範囲の中のより狭い範囲から取得された20個の商品が表示される。このとき取得された20個の商品は、最大ズームアウト位置の状態では表示されていなかった商品(より類似度の近い商品)である。これは、ウエブ上の地図においてズームイン操作を行った場合と同様に考えることができる。すなわち、ズームアウトされている地図上の、ある領域をズームイン操作すると、ズームアウトされていたときには表示されなかった細い道路や小さな建物などが詳細に表示されるのと同様に考えることができる。
【0061】
図2に示すようなデフォルトの状態となっているインターフェース画面500において、ユーザーが縦軸側における属性と横軸側における属性をそれぞれ1個ずつ選択することができる。例えば、図2に示すインターフェース画面500において、縦軸側の属性として「彩度」を選択し、横軸側の属性として「価格」を選択すると、検索処理部300では、これら「彩度」及び「価格」の各属性の取り得る各属性値全範囲に含まれる商品を商品データベース100から取得して、2つの属性の属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データを生成する。そして、当該2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品の中から、商品表示部530で表示可能な数(20個)の商品をインターフェース画面500の商品表示部530に表示する。
【0062】
このとき、既に設定されている属性において表示範囲の絞り込みが行われている場合には、当該属性に対して、絞り込みを変更しない限り、当該属性における表示範囲の絞り込みが保持された状態で、新たに設定した属性における2次元商品配列が表示される。
【0063】
図3は、スライダーの操作による属性の表示範囲の絞り込みを模式的に示す図である。図3(a)は2次元商品配列の全範囲を示す図であり、図3(b)は図3(a)において横軸スライダー542が所定の操作量だけズームイン操作された場合を示す図であり、図3(c)は図3(b)の状態において、縦軸スライダー541が所定の操作量だけズームイン操作された場合を示す図である。なお、図3においては、横軸スライダー542を操作したあとに縦軸スライダー541を操作するといった操作順序であったが、その逆でもよい。
【0064】
まず、図3(a)において横軸スライダー542がズームイン操作されると、図3(b)に示すように、横軸スライダー542のズームイン操作の操作量に応じて2次元空間商品配列の全範囲における左右両端側から表示範囲(灰色で示す範囲)が絞り込まれる。そして、この状態で縦軸スライダー541が操作されると、図3(c)に示すように、縦軸スライダー541のズームイン操作の操作量に応じて上下両端側から表示範囲が絞り込まれる。
【0065】
なお、縦軸スライダー541又は横軸スライダー542がズームイン操作された場合であっても、商品表示部530に表示される商品の数は同じとする。この場合、商品表示部530には、縦方向に4個、横方向に5個の合計20個の商品(Tシャツ)が表示されているので、ズームイン操作により表示範囲の絞り込みを行った場合であっても、同数の商品(Tシャツ)が表示される。この場合、図3(c)に示す表示範囲内に存在する商品のうちの20個が商品表示部530に表示される。
【0066】
図4は、スクロールバーによる表示範囲の移動を模式的に示す図である。スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)は、縦軸スライダー541又は横軸スライダー542のズームイン操作によって絞り込まれた表示領域(例えば図3(c)参照)を2次元商品配列の全範囲において移動可能とするものである。具体的には、図4に示すように、ズームイン操作によって絞り込まれた表示範囲(破線枠で示す)を灰色で示す表示範囲の位置に移動させるものである。
【0067】
図4においては、横軸スクロールバー552により横軸方向に移動させた場合が例示されているが、表示範囲の移動は、縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552のそれぞれによって行うことができる。このため、2次元空間商品配列の全範囲の任意に位置に表示範囲を移動させることができる。そして、移動後に設定された表示範囲に存在する商品のうちの20個がインターフェース画面500の商品表示部530に表示される。
【0068】
なお、図3に示すようなスライダーによるズームイン操作及び図4に示すようなスクロールバーによる表示範囲移動操作をここでは「検索操作」と呼ぶ。なお、「検索操作」には、スライダーによるズームイン操作及びスクロールバーによる表示領域移動操作の他に属性を選択する操作をも含む場合もある。
【0069】
図5は、ユーザーの検索操作に応じた商品の取得動作について説明する図である。ユーザーの検索操作により、2次元商品配列の全範囲の中の所定の位置に図5の灰色で示すような表示範囲が設定されたとする。この場合、インターフェース画面500の商品表示部530に表示される20個の商品は、図5の灰色で示す表示範囲に存在する商品である。このとき、商品表示部530において表示可能な商品の数は20個であるため、図5の灰色で示す表示範囲に存在する商品の中から20個を抽出する必要がある。
【0070】
そこで、図5に示すように、商品表示部530の縦軸方向4個、横軸方向5個の合計20個の小表示窓に対応する4×5の20個の小表示範囲(図5において升目で示す)を仮定する。そして、これら各20個の各小表示範囲において、例えば、ある小表示範囲(黒色で示す小表示範囲)に複数の商品A1,A2,・・・が存在する場合、当該小表示範囲の中心pから最も距離が近い位置に配置されている商品(図5の例では商品A2)を、商品表示部530の対応する小表示窓において表示すべき商品として決定する。
【0071】
次に、図2に示すインターフェース画面500上でユーザーが行う検索操作の具体例について図6から図8を参照して説明する。
【0072】
図6から図8は、ユーザーの検索操作によるインターフェース画面500の推移を示す図である。なお、図6から図8は、モノクロ図面であるため、図6から図8においては、ユーザの検索操作による商品の色の変化を視認することはできないが、実際には、図6から図8の元となるディスプレイにおけるカラー画像上ではユーザーの検索操作に応じて、商品の色の変化を容易に視認することができる。
【0073】
まず、第1段階の検索操作としては、図2に示すようなデフォルトの状態となっているインターフェース画面500において設定されている属性をそのまま使用するものとする。すなわち、図6においては、縦軸においては「色相」、横軸においては「明度」がデフォルトとして設定された状態となっている。そして、縦軸スライダー541をズームイン操作して「色相」を「216度〜270度」とし。また、横軸スライダー542をズームイン操作して「明度」を「25%〜75%」としたとする。
【0074】
このような第1段階の検索操作が行われることにより、第1段階の検索操作に対応する検索条件に合致した商品が商品データベース100から取得されて、図6に示すように、20個の商品が表示される。
【0075】
なお、この場合の検索条件は、属性としては「色相」及び「明度」が選択されており、また、ズームイン操作により「色相」が「216度〜270度」、「明度」が「25%〜75%」というように設定されている。また、デフォルトとして設定されている他の属性の検索条件(「彩度」は「0〜100%」、「価格」は「0〜15000円」、「首の形状」は「ヘンリーネック(henleyneck)〜Vネック(Vneck)」)である。このため、第1段階の検索操作においては、これらの検索条件に合致する商品が商品データベース100から20個だけ取得され、図6における商品表示部530に表示される。
【0076】
そして、図6に示すような状態において、縦軸スクロールバー551を操作することによって、各属性におけるズームイン操作によるズーム倍率(ズームイン倍率という場合もある。)を保持した状態で表示範囲を2次元商品配列の全範囲上で移動させることができる。すなわち、第1段階の検索操作においては、ユーザーにより色相が「216度〜270度」に設定されているので、この場合、色相におけるズームイン倍率は、360/54=20/3倍である。一方、明度は図6の状態では「20%〜75%」であるので、この場合、ズームイン倍率は、100/50=2倍である。
【0077】
したがって、この場合においては、縦軸スクロールバー551を操作することにより、色相のズームイン倍率(20/3倍)及び明度のズームイン倍率(2倍)を保持した状態で、2次元商品配列の全範囲上において表示範囲を縦軸方向に移動させることができ、色相を変化させることができる。また、横軸スクロールバー552を操作することにより、色相のズームイン倍率(20/3倍)及び明度のズームイン倍率(2倍)を保持した状態で、2次元商品配列の全範囲上において表示範囲を横軸方向に移動させることができ、明度を変化させることができる。
【0078】
続いて、第2段階の検索操作として、「色相」はそのままにして「彩度」を変えてみたいと考えて、横軸側の属性として「彩度」を選択し、横軸スライダー542をズームイン操作して、「彩度」をまずは「12.5〜52.5%」に設定したとする(図7参照。)。なお、このように新たな属性を選択し、当該新たに選択した属性の属性値の範囲を所定範囲とするようにズームイン操作した場合でも、それまでに設定した他の属性の属性値は保持された状態となるが、この場合は、横軸の属性として既に設定されている「明度」は、その絞込みを「0〜100%」に設定し直した場合が例示されている。
【0079】
このような第2段階の検索操作が行われることにより、第2段階の検索操作に対応する検索条件に合致した商品が商品データベース100から取得されて図7に示すように20個の商品が表示される。なお、この第2段階の検索操作において、新たに設定された検索条件は、「彩度」と、その属性値の「12.5%〜52.5%」である。
【0080】
このため、第2段階の検索操作においては、既に設定されている検索条件及び新たに設定された検索条件に合致する商品が商品データベース100から取得され、図7における商品表示部530においては、商品データベース100から取得された商品が20個表示される。
【0081】
そして、図7に示すような状態において、縦軸スクロールバー551又は横軸スクロールバー552を操作することによって、各属性におけるズームイン倍率は保持された状態で、表示領域を2次元商品配列の全範囲上で縦軸方向又は横軸方向に移動させることができる。この第2段階の検索操作においては、ユーザーにより横軸側において彩度が「12.5%〜52.5%」に設定されているので、この場合、彩度におけるズームイン倍率としては、100/40=2.5倍である。その他の属性はその時点における状態が保持されている。したがって、この場合においては、縦軸スクロールバー551又は横軸スクロールバー552を操作することによって、これら各属性におけるズームイン倍率が保持された状態で、表示領域を2次元商品配列の全範囲上で縦軸方向又は横軸方向に移動させることができる。
【0082】
続いて、第3段階の検索操作として、ユーザーがこれまでの検索条件に加えて「価格」を検索条件に加えてみたいと考えて、縦軸における属性として「価格」を選択したのち、縦軸スライダー541をズームイン操作して、「価格」をまずは「11625円〜13875円」に設定したとする(図8参照。)。なお、この場合も、それまでに設定した他の属性の設定値は保持された状態となっている。すなわち、第3段階の検索操作においては、縦軸方向において設定した「色相」の「216度〜270度」はそのまま保持され、縦軸において設定した「彩度」の「12.5%〜52.5%」はそのまま保持される。
【0083】
このような第3段階の検索操作が行われることにより、第3段階の検索操作に対応する検索条件に合致した商品が商品データベース100から取得されて図8に示すように20個の商品が表示される。
【0084】
そして、図8に示すような状態において、縦軸スクロールバー551を操作することによって、各属性におけるズームイン倍率は保持された状態で、表示範囲を2次元商品配列の全範囲上で移動させることができる。すなわち、図8の状態の場合、縦軸においては、「価格」が「11625円〜13875円」であるので、この場合、価格のズームイン倍率としては、15000/2250=20/3倍である。その他の属性は既に設定されている状態が保持されている。したがって、この場合においては、縦軸スクロールバー551又は横軸スクロールバー552を操作することによって、これら各属性におけるズームイン倍率が保持された状態で表示領域を2次元商品配列の全範囲上で縦軸方向又は横軸方向に移動させることができる。
【0085】
図9は、実施形態1に係る商品検索システム10における検索処理部300が行う検索処理の手順を説明するフローチャートである。図9に示すように、まずは、ユーザーにより選択された2つの属性に基づいて2次元商品配列データの生成を行い(ステップS1)、2次元商品配列データに対応する2次元商品配列に含まれる商品のうち、商品表示部530において表示可能な数(20個)の商品を商品データベース100から取得して商品表示部530に表示する(ステップS2)。そして、スライダー(縦軸スライダー541及び横軸スライダー542)によるズームイン操作がなされると、2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲、すなわち、スライダー(縦軸スライダー541及び横軸スライダー542)により絞り込まれた表示範囲に含まれる商品のうち、商品表示部530において表示可能な数の商品を商品データベース100から取得して商品表示部530に表示する(ステップS3)。
【0086】
そして、スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)による表示範囲移動操作がなされると、スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)により設定された表示範囲に含まれる商品の中から商品表示部530において表示可能な数の商品を商品データベース100から取得して商品表示部530に表示する(ステップS4)。
【0087】
このような処理がコンピュータ上で実行可能となるような商品検索処理プログラムを作成しておくことにより、上記したユーザーによる検索操作に対応した商品検索が可能となる。
【0088】
ところで、実施形態1に係る商品検索システム10において、ユーザーが検索操作(属性の選択、ズームイン操作及び表示範囲移動操作など)を行った結果、当該検索操作による検索条件に合致した商品の数、商品表示部530で表示可能な数(この場合20個)に満たない場合もある。
【0089】
すなわち、図5において説明したように、2次元商品配列の全範囲において図5の灰色で示すような表示範囲が設定された場合、当該表示範囲において仮定したm×n個の各小表示範囲に存在する商品が存在しない場合もある。このような場合、商品表示部530に空白の小表示窓が生じてしまうので、空白の小表示窓が存在しないように、検索処理部300は、当該小表示範囲から外れた商品の中から適切な商品を取得することが好ましい。具体的には、当該検索操作による検索条件に合致しなくても、例えば、異なる属性を有する商品の中から類似度が比較的商品を取得して、取得した商品を空白となる小表示窓に表示することが好ましい。
【0090】
例えば、第3段階の検索操作を行った結果(図8参照。)、第3段階の検索操作に対応した検索条件に合致した商品が15個しか存在しなかった場合、図8に示す商品表示部530においては、5個分の小表示窓が空白となってしまう。このような場合、例えば、現時点において設定されている属性とは異なる属性の中から比較的類似度の高い商品を5個選択し、選択した5個の商品を空白の小表示窓に表示させるといった処理を行う。
【0091】
このような処理を行うことにより、商品表示部530には常に20個の商品を表示させることができ、ユーザーにとっては、自身が想定したものと多少外れていた商品であっても気に入った商品が存在する場合もあるので、効率的な商品選びが可能となる。
【0092】
ところで、以上説明した実施形態1に係る商品検索システム10において、上記したような検索操作の段階でユーザーが気に入った商品があった場合には、その時点で、購入すべき商品を指示することで、当該商品の購入が可能となる。
【0093】
このように、実施形態1に係る商品検索システム10においては、ユーザーによって2つの属性が選択されると、選択された2つの属性により構成される2次元商品配列データを生成し、この2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品の中から所定数(20個)の商品を商品表示部530に表示する。一方、ユーザーは、商品表示部530においてズームイン操作及び表示領域移動操作を行う。これは、ウエブの地図上において、ある地点をズームイン操作すると、それまでは表示されていなかった当該地点における詳細地図が表示されるのと同様である。このような商品検索システムは、実際の店舗内で商品を見て回りながら商品選びをするのに近いものとなる。
【0094】
このように、実施形態1に係る商品検索システム10は、絞り込みを行う過程で所望とする商品を決定するといった従来の商品検索システムとは異なり、周辺の商品にまで目が行き届くため、漠然としたイメージでショッピングを行おうとしているユーザーにとっては、予想外の商品を探し出すこともできる。これにより、実施形態1に係る商品検索システム10は、店舗内で商品を見て回る場合と同様の感覚でショッピングを行うことができる。
【0095】
[実施形態2]
実施形態2に係る商品検索システム20は、自己組織化マップ(Self Organizing Maps:以下、SOMという。)のアルゴリズムにより生成された2次元商品配列データを用いた商品検索システムである。SOMのアルゴリズム(以下、SOMアルゴリズムという。)は、公知の技術であり、3次元以上の多次元ベクトルにより表わされるデータを、その特徴を残して他のデータとの相互関係を保持したまま、2次元空間上に写像するものである。SOMアルゴリズムにより生成された2次元空間データは、多次元空間のデータの関係が2次元空間上の距離として表わすことができるため、多次元の種類を分類する場合などに好適な手法である。
【0096】
このようなSOMアルゴリズムを商品検索システムに用いる場合、3次元以上の多次元の属性(複数の属性)を有する商品を2次元空間上に写像し、2次元商品配列データを生成する。このように生成された2次元商品配列データに対応する2次元商品配列は、各商品が有するすべての属性が考慮されたものとなっており、必ずしも属性ごとの商品配列となるとは限らないが、類似性の高い商品はより近くになるような配列とすることは可能である。なお、SOMアルゴリズムにより生成された2次元商品配列のことを、実施形態1に係る商品検索システム10で用いた2次元商品配列と区別するために、「SOM商品配列」と呼ぶことにする。
【0097】
なお、ここでは、「SOMPAK」と呼ばれているパッケージを用いて10000個の商品データを100×100の2次元空間に写像するものとする。「SOMPAK」を用いるに際して、すべての属性について、各々の属性を表す属性値を0〜1に正規化する。実施形態2に係る商品検索システム20においても実施形態1に係る商品検索システム10と同様、属性としては、「色相」、「彩度」、「明度」、「価格」及び「首の形状」を用いるものとする。
【0098】
図10は、ある4つの商品A,B,C,Dにおける各属性の属性値を正規化する例について説明する図である。図10(a)は正規化前の各属性の属性値の一例を示す図であり、図10(b)は正規化後の各属性の属性値の一例を示す図である。ここで、色相、彩度、明度及び価格における各属性の属性値を正規化する際には、次式を用いるものとする。
色相(正規化)=色相の属性値/300 ・・・(1)
彩度(正規化)=彩度の属性値/100 ・・・(2)
明度(正規化)=明度の属性値/100 ・・・(3)
価格(正規化)=価格の属性値/11000 ・・・(4)
【0099】
また、「首の形状」については、当該「首の形状」に対しては「0.8」を与え、首の形状を曲率順(ヘンリーネック、丸首、Uネック、Vネックの順)に並べたとき、当該首の形状に隣接する首の形状に対しては「0.5」を与え、2つ隣の首の形状には「0.3」を与え、3つ隣の首の形状には「0.1」を与えるものとする。
【0100】
なお、図10においては、「首の形状」のヘンリーネックは「H」で表し、丸首は「R」で表し、Uネックは「U」で表し、Vネックは「V」で表している。また、図10(b)における正規化後の各属性値は、(1)式から(4)式によって求められたものである。 例えば、図10(a)において、「色相の属性値(度)=292.5」、「彩度の属性値(%)=69.5」、「明度の属性値(%)=92.7」、「価格の属性値(円)=4630」、「首の形状=U」という商品Aを例にして説明すると、正規化後は、「色相」については「292.5/300=0.975」と求められ、彩度については「69.5/100=0.695」と求められ、明度については「92.7/100=0.925」と求められ、価格については、「4630/11000=0.420」と求められる。また、「首の形状」については、当該商品はUネックであるので、「U=0.8」、その両隣である丸首(R)とVネック(V)に対しては、それぞれ「0.5」が与えられ、2つ隣の「ヘンリーネック(H)」に対しては「0.3」が与えられている。図10(b)に示すような正規化された属性値を「SOMPAK」を実行する際のデータとして用いて、SOM商品配列データを生成する。
【0101】
以下、実施形態2に係る商品検索システム20について詳細に説明する。
【0102】
図11は、実施形態2に係る商品検索システム20の構成を示す図である。実施形態2に係る商品検索システム20は、図11に示すように、実施形態1に係る商品検索システム10(図1参照。)が有する構成要素としての商品データベース100、検索操作情報入力部200、検索処理部300及びネットワーク通信部400の他にSOMアルゴリズムによって既に生成された2次元商品配列データ(SOM商品配列データ)を記憶するSOM商品配列データ記憶部600を有している。
【0103】
図12は、実施形態2に係る商品検索システム20におけるインターフェース画面500を示す図である。実施形態2に係る商品検索システム20におけるインターフェース画面500は、図12に示すように、商品表示部530と、スライダー541と、スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)とを有している。
【0104】
前述した実施形態1に係る商品検索システム10においては、2次元商品配列はユーザーが選択した2つの属性が縦軸及び横軸として表わされるものであったため、スケール変更操作すなわちズームイン操作は、縦軸及び横軸の各軸ごとに行っていた。これに対して、実施形態2に係る商品検索システムにおいて用いるSOM商品配列は、属性ごとの商品配列とはなっていないので、ズームイン操作を行った場合であっても、属性の表示範囲が絞り込まれるものではない。このため、ズームイン操作は縦軸及び横軸を同時に行う。したがって、実施形態2に係る商品検索システム20においては、ズームイン操作を行うためのスライダーは1個でよく、図12においては縦軸側にスライダー541が設けられている例が示されている。
【0105】
また、実施形態2に係る商品検索システム20においては、商品表示部530の各小表示窓には、その時点でユーザーが気に入った商品を登録するための登録ボタン560と、登録ボタン560がクリックされた商品を登録する商品登録部570(「お気に入りリスト570」という。)が設けられている。なお、登録ボタン560及お気に入りリスト570は、実施形態1に係る商品検索システム10においては、特に設けてはいなかったが、実施形態1に係る商品検索システム10においても設けることは可能である。
【0106】
このように、実施形態2に係る商品検索システム20において登録ボタン560及びお気に入りリスト570を設けたのは、実施形態2に係る商品検索システム20においては、属性の明確な絞り込みもなく、商品表示部530に表示される商品が必ずしも属性ごとの配置とはなっていないので、スライダー541によるズームイン操作や縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552による表示範囲の移動を行った場合、商品の特定がしにくくなる場合があるためである。
【0107】
また、図12においては、スライダー541は最大ズームアウト位置となっている。すなわち、図12はデフォルトの状態であり、このようなデフォルトの状態においては、スライダー541は最大ズームアウト位置であり、SOM商品配列の全範囲の中から代表的な20個の商品が表示されている状態である。
【0108】
なお、図12は、モノクロ図面であるため、図12においては、商品の色の違い視認することは困難であるが、実際には、図12の元となるディスプレイにおけるカラー画像上では各商品の色の違いを容易に視認することができる。
【0109】
図13は、実施形態2に係る商品検索システム20におけるズームイン操作を模式的に示す図である。図13(a)はSOM商品配列の全範囲を示す図であり、図13(b)は図13(a)においてスライダー541がズームイン操作された場合を示す図である。図13に示すように、スライダー541がズームイン操作されると、スライダー541の操作量に応じてSOM商品配列の全範囲における左右方向及び上下方向において表示範囲が同じ比率で同時に絞り込まれる。なお、スライダー541がズームイン操作された場合であっても、実施形態1に係る商品検索システム10と同様、商品表示部530に表示される商品の数は、スライダー541が最大ズームアウト位置にある場合と同数(20個)である。
【0110】
一方、SOM商品配列の全範囲において表示範囲を移動させる際は、図示は省略するが、実施形態1に係る商品検索システム10と同様、縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552によって、表示範囲を縦方向及び横方向に移動可能となっている。
【0111】
なお、ユーザーがスライダー541によるズームイン操作と、縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552による表示領域移動操作とを行った場合にどの商品を取得するかは、実施形態1に係る商品検索システム10の説明で用いた図5とほぼ同様の方法で決定することができる。
【0112】
次に、図12に示したインターフェース画面500上でユーザーが行う検索操作の具体例について図14から図17を参照して説明する。
【0113】
図14から図17は、ユーザーの検索操作によるインターフェース画面500の推移を示す図である。なお、図14から図17は、モノクロ図面であるため、図14から図17においては、検索操作による商品の色の変化を視認することはできないが、実際には、図14から図17の元となるディスプレイにおけるカラー画像上ではユーザーの操作に応じて、商品の色の変化を容易に視認することができる。
【0114】
まず、第1段階の検索操作として、図14に示すように、ユーザーがスライダー541を最下端の位置にまで移動させたとする。この状態で、縦軸スクロールバー551を最上端に移動し、横軸スクロールバー552を最左端に移動したとする。これは、ズームイン倍率を最大とした状態でSOM商品配列の全範囲(図13(a)参照。)の中の左上付近の領域を表示範囲とした場合である。
【0115】
このような第1段階の検索操作が行われることにより、当該検索操作に対応する検索条件に合致した商品が商品データベース100から取得され、商品表示部530には図14に示すように20個の商品が表示される。
【0116】
続いて、第2段階の検索操作として、図15に示すように、スライダー541の位置は図14の状態(ズームイン倍率が最大の状態)を保持し、かつ、縦軸スクロールバー551は最上端の位置を保持した状態で、横軸スクロールバー552のみを最右端に移動したとする。これは、ズームイン倍率を最大とした状態でSOM商品配列の全範囲(図13(a)参照。)の中の右上付近の領域を表示範囲とした場合である。
【0117】
このような第2段階の検索操作が行われることにより、当該検索操作に対応する検索条件に合致した商品が商品データベース100から取得され、商品表示部530には図15に示すように20個の商品が表示される。
【0118】
続いて、第3段階の検索操作として、図16に示すように、スライダー541の位置はこれまでの状態(ズームイン倍率が最大)の状態を保持し、かつ、横軸スクロールバー552は最右端を保持した状態のまま、縦軸スクロールバー551のみを最下端に移動したとする。これは、ズームイン倍率を最大とした状態でSOM商品配列の全範囲(図13(a)参照。)の中の右下付近の領域を表示範囲とした場合である。
【0119】
このような第3段階の検索操作が行われることにより、当該検索操作に対応する検索条件に合致した商品が商品データベース100から取得され、商品表示部530には図16に示すように20個の商品が表示される。
【0120】
続いて、第4段階の検索操作として、図17に示すように、スライダー541の位置はこれまでの状態(ズームイン倍率が最大の状態)を保持し、かつ、縦軸スクロールバー551は最下端を保持した状態のまま、横軸スクロールバー552のみを最右端から1/3程度の位置とするように操作したとする。これは、ズームイン倍率を最大とした状態でSOM商品配列の全範囲(図13(a)参照。)の中の下方でかつ中央部よりも少し右寄り付近の領域を表示範囲とした場合である。
【0121】
このような第4段階の検索操作が行われることにより、当該検索操作に対応する検索条件に合致した商品が商品データベース100から取得され、商品表示部530には図17に示すように20個の商品が表示される。そして、この時点でユーザーが気に入った商品が存在したとする。この場合、気に入った商品が表示されている小表示窓の登録ボタン560をクリックすると、クリックした商品がお気に入りリスト570に登録される。
【0122】
図17の例では、2つの商品がお気に入りリスト570に登録されている状態が例示されている。なお、お気に入りリスト570に登録されている商品は、当該商品を表示している小表示窓の枠の色を他の表示部と異ならせることが好ましい。
【0123】
なお、お気に入りリスト570に商品を登録すると、その後、検索操作をさらに進めて、スライダー541によるズームイン倍率を変えたり、縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552により表示範囲を移動したりした場合であっても、お気に入りリスト570に登録されている商品の画像をクリックすると、商品表示部530の表示状態は、当該商品の登録ボタン560をクリックした時点のときと同じスケール(ズームイン倍率)及び同じ表示範囲の状態に戻る。また、お気に入りリスト570に登録されている商品をお気に入りリスト570の登録から外す場合には、当該商品の登録ボタン560を再度クリックする。
【0124】
このように実施形態2に係る商品検索システム20においても実施形態1に係る商品検索システム10と同様、店舗内で商品を見て回る場合と同様の感覚でショッピングを行うことができる。また、実施形態2に係る商品検索システム20においては、SOMアルゴリズムによって生成された2次元商品配列データ(SOM商品配列データ)を用いている。
【0125】
SOM商品配列データは、各商品が有するすべての属性が考慮されたものとなっている。このため、ユーザーが属性の選択を行うといった操作を行う必要がなくなり、また、1つのスライダー541がズームイン操作されると、ズームイン操作の操作量に応じてSOM商品配列の全範囲における左右方向及び上下方向において表示範囲が同じ比率で同時に絞り込まれる。そして、ズームイン操作したあとは、縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552を操作することにより、SOM商品配列の全範囲上で表示範囲を自由に設定することができる。これは、まさに、ウエブの地図上でズームイン操作を行って、表示範囲を移動させるのと同じような感覚である。
【0126】
図18は、実施形態2に係る商品検索システム20における検索処理部300が行う検索処理の手順を説明するフローチャートである。図18に示すように、まずは、SOM商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、商品表示部530で表示可能な数(20個)の商品を商品表示部530に表示する(ステップS11)。
【0127】
そして、スライダー541によるズームイン操作がなされると、2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲、すなわち、スライダー541により絞り込まれた表示範囲に含まれる商品のうち、商品表示部530において表示可能な数の商品を商品データベース100から取得して商品表示部530に表示する(ステップS12)。
【0128】
そして、スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)による表示範囲移動操作がなされると、スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)により設定された表示範囲に含まれる商品の中から商品表示部530において表示可能な数の商品を商品データベース100から取得して商品表示部530に表示する(ステップS13)。
【0129】
このような処理がコンピュータ上で実行可能となるような商品検索処理プログラムを作成しておくことにより、上記したユーザーによる検索操作に対応した商品検索が可能となる。
【0130】
[実施形態3]
実施形態3に係る商品検索システム30においては、各属性の重要度が反映された2次元商品配列データをSOMアルゴリズムにより生成する。このため、実施形態3に係る商品検索システム30においては、各属性の重要度を設定するための重要度設定用インターフェース画面700(図19参照。)を検索処理部300により生成して、その重要度設定用インターフェース画面700をユーザー端末60に表示する。
【0131】
そして、ユーザーは、商品の検索を行う前に、まずは、重要度設定用インターフェース画面700により、各属性の重要度を各属性ごとに設定する。これにより、検索処理部300では、ユーザーによって設定された各属性ごとの重要度を反映したSOM商品配列データをSOMアルゴリズムによって生成する。
【0132】
実施形態3に係る商品検索システム30の構成としては、実施形態2に係る商品検索システム20を用いることができる。ただし、実施形態3に係る商品検索システム30における検索処理部300は、重要度設定用インターフェース画面700を生成する機能と、重要度設定用インターフェース画面700において設定された重要度を反映したSOM商品配列データをSOMアルゴリズムによって生成する機能とをさらに有している。
【0133】
図19は、重要度設定用インターフェース画面700の一例を示す図である。重要度設定用インターフェース画面700は、図19に示すように、各属性(「色相」、「彩度」、「明度」、「価格」及び「首の形状」)に対応して、これら各属性ごとに各属性の重要度を設定するための重要度設定用スライダー711〜715が表示されている。これら各属性に対応する重要度設定用スライダー711〜715は、「0」から「10」までの11段階で重要度としての「重み」の設定が可能となっており、重要度設定用スライダー711〜715の位置を示す数値が大きいほど重みが大きく(重要度が高く)なる。
【0134】
図19の例では、「色相」及び「価格」に対しては重要度が高く設定されており、「彩度」と「首の形状」に対しては重要度は比較的低く設定されており、「明度」に対しては重要度が中程度に設定された例が示されている。なお、重要度設定用スライダー711〜715の操作により各属性の重みが設定されると決定ボタン720をクリックする。これによって、各属性に対する重みが設定される。なお、各属性に対して設定される重みは、各属性の属性値(正規化後の属性値)に与えられるものであり、この具体例については後述する。
【0135】
このようにして、ユーザーによって各属性に対して重みが設定されると、検索処理部300では、重みが設定された各属性の属性値に基づいて、SOMアルゴリズムにより2次元商品配列データ(SOM商品配列データ)を生成する。
【0136】
図20は、重要度設定用スライダー711〜715の位置を示す数値と重みとの関係を示す図である。重要度設定用スライダー711〜715の位置を示す数値(重要度設定用スライダーの数値という。)と重みとの関係は、図20に示すように、例えば、属性重み付け用スライダーの数値が「0」においては、重みは「0.01」であり、属性重み付け用スライダーの数値が「1」においては、重みは「0.2」であり、属性重み付け用スライダーの数値が「2」においては、重みは「0.4」である。
【0137】
そして、図20に示すように設定された重要度設定用スライダーの数値に対する重みを正規化後の属性値に掛け算する。なお、この場合、「彩度」及び「明度」の属性データの正規化は前述の(2)式及び(3)式によって行うものとするが、「色相」及び「価格」の属性データについては次式によって行うものとする。
色相(正規化)=色相の属性値/360 ・・・(5)
価格(正規化)=価格の属性値/15000 ・・・(6)
【0138】
図21は、ある4つの商品A,B,C,Dにおける属性値の正規化について説明する図である。図21(a)は正規化前の各属性の属性値の一例を示す図であり、図21(b)は正規化後の各属性の正規化後の属性値の一例を示す図である。すなわち、図21(b)に示す正規化後の属性値は、「色相」及び「価格」については(5)式及び(6)式を用いて正規化したものであり、「彩度」及び「明度」については(2)式及び(3)式を用いて正規化したものである。なお、「首の形状」については正規化する際の数値の与え方は図10(b)の場合と同じである。
【0139】
図22は、図21に示した正規化後の各属性値に重みを掛け算して得られた各属性値を示す図である。なお、図22の説明においは、重要度設定用スライダー711〜715の位置は、図19に示す重要度設定用インターフェース画面700において示されている位置とは異なっている。
【0140】
すなわち、図22においては、「色相」に対応する重要度設定用スライダー711の数値は「8」であり、その重みは「1.6」、「彩度」に対応する重要度設定用スライダー712の数値は「1」であって、その重みは「0.2」、「明度」に対応する重要度設定用スライダー713の数値は「4」であって、その重みは「0.8」、「価格」に対応する重要度設定用スライダー714の数値は「10」であって、その重みは「2.0」、「首の形状」に対応する重要度設定用スライダー715の数値は「6」であって、その重みが「1.2」である場合が示されている。なお、各重要度設定用スライダー711〜715の数値に対する重みは、図20によって取得されるものである。
【0141】
これら各属性に対して与えられる重みを各属性の正規化後の属性値(図21(b)参照。)に掛け算することにより、図22に示すような重みの与えられた属性値(重み付け属性値という。)が得られる。
【0142】
図22においては、4つの商品A,B,C,Dについて重み付け属性値が示されているが、図19に示す重要度設定用インターフェース画面700により各属性に対して重みが設定されると、すべての商品の各属性の正規化後の属性値に対する重み付け属性値が得られる。そして、このような重み付け属性値を用いてSOMアルゴリズムによりSOM商品配列データの生成がなされる。このようにして生成されたSOM商品配列データは、各属性の重要度が反映されたSOM商品配列データとなる。
【0143】
このようにして各属性の重要度が反映されたSOM商品配列データが生成されると、それ以降のユーザーによる検索操作などは実施形態2に係る商品検索システム20と同様に行うことができる。したがって、実施形態3に係る商品検索システムの検索操作についての説明は省略する。
【0144】
実施形態3に係る商品検索システムにおいては、SOM商品配列は、ユーザーの好みが反映されたものとなるため、ユーザーによる検索操作は、実施形態2に係る商品検索システム20に比べて操作性がより向上し、より短時間で当該ユーザーの好みの商品を探し出すことができる。
【0145】
図23は、実施形態3に係る商品検索システム30における検索処理部300が行う検索処理の手順を説明するフローチャートである。図23に示すように、まずは、各属性の重要度の設定が可能な重要度設定用インターフェース画面700を生成する(ステップ21)。そして、重要度が反映された属性値に基づいてSOMアルゴリズムにより2次元商品配列データ(SOM商品配列データ)を生成する(ステップ22)。続いて、SOM商品配列データに対応するSOM商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、商品表示部530で表示可能な数(20個)の商品を商品表示部530に表示する(ステップS23)。
【0146】
そして、スライダー541によるズームイン操作がなされると、2次元商品配列(SOM商品配列)の全範囲の中の所定範囲、すなわち、スライダー541により絞り込まれた表示範囲に含まれる商品のうち、商品表示部530において表示可能な数の商品を商品データベース100から取得して商品表示部530に表示する(ステップS24)。
【0147】
そして、スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)による表示範囲移動操作がなされると、スクロールバー(縦軸スクロールバー551及び横軸スクロールバー552)により設定された表示範囲に含まれる商品の中から商品表示部530において表示可能な数の商品を商品データベース100から取得して商品表示部530に表示する(ステップS25)。
【0148】
このような処理がコンピュータ上で実行可能となるような商品検索処理プログラムを作成しておくことにより、上記したユーザーによる検索操作に対応した商品検索が可能となる。
【0149】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記(1)〜(3)に示すような変形実施も可能である。
【0150】
(1)上記各実施形態では、スケール変更操作(ズームイン操作)及び表示領域移動操作は、インターフェース画面500に表示されているスライダー及びスクロールバーをマウスなどにより移動させることによって行うようにした場合を例示したが、マウスのホイールを操作したり、マウスによって商品表示部530上をドラッグしたりすることによっても行うことができる。
【0151】
例えば、スケール変更操作(ズームイン操作)を行う場合には、縦軸スライダー541をアクティブにした状態でマウスのホイールを操作することにより縦軸スライダー541を操作するのと同様の動作が可能であり、また、横軸スライダー542をアクティブにした状態でマウスのホイールを操作することにより横軸スライダー542を操作するのと同様の動作が可能である。また、表示領域移動操作を行う場合には、マウスによって商品表示部530上をドラッグすることによって行うことができる。なお、この場合、マウスのドラッグ方向は8方向とする。
【0152】
(2)上記各実施形態では、インターフェース画面500の商品表示部530に設けた小表示窓の数は20個としたが、20個に限られるものではない。
【0153】
(3)上記各実施形態では、商品としては衣料品(Tシャツ)としたが、衣料品に限られるものではない。ただし、個々のユーザーの嗜好性の高い商品であって、かつ、種類などが豊富な商品であることが好ましい。
【符号の説明】
【0154】
10,20,30・・・商品検索システム、50・・・ネットワーク、60・・・ユーザー端末、100・・・商品データベース、200…ユーザー検索操作情報入力部、300・・・検索処理部、400・・・ネットワーク通信部、500・・・インターフェース画面、510・・・縦軸属性選択部、511,521・・・色相設定部、512.522・・・彩度設定部、513,523…明度設定部、514,524・・・価格設定部、515,525・・・首の形状設定部、520・・・横軸属性選択部、530・・・商品表示部、541・・・縦軸スライダー、542・・・横軸スライダー、551・・・縦軸スクロールバー、552・・・横軸スクロールバー、600・・・2次元商品配列データ記憶部、700・・・重要度設定用インターフェース画面、711〜715・・・重要度設定用スライダー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
あるカテゴリに属する商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムであって、
前記商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、
前記インターフェース画面を生成する機能と、前記ユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能とを有する検索処理部と、
を有し、
前記検索処理部は、
前記複数の属性の中から2つの属性を選択する操作が前記検索操作としてなされると、前記2つの属性の各属性値が取り得る属性値全範囲に含まれる商品を前記商品データベースから取得して、前記2つの属性の各属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データを作成する機能と、
前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
をさらに有することを特徴とする商品検索システム。
【請求項2】
請求項1に記載の商品検索システムにおいて、
前記インターフェース画面には、前記縦軸の属性を選択するための縦軸側の属性選択部と、前記横軸の属性を選択するための横軸側の属性選択部とが設けられることを特徴とする商品検索システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の商品検索システムにおいて、
前記スケール変更操作は、前記縦軸における属性の属性値全範囲の中の所定範囲及び前記横軸における属性の属性値全範囲の中の所定範囲を前記縦軸及び横軸の少なくとも一方において設定することによって行うことを特徴とする商品検索システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の商品検索システムにおいて、
前記インターフェース画面には、前記スケール変更操作を行うためのスケール変更操作部が前記縦軸及び前記横軸にそれぞれ設けられていることを特徴とする商品検索システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の商品検索システムにおいて、
インターフェース画面には、前記表示範囲移動操作を行うための表示領域移動操作部が設けられていることを特徴とする商品検索システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の商品検索システムにおいて、
前記商品表示部は、前記縦軸に沿ってm個及び前記横軸に沿ってn個の合計m×n個(n及びmは2以上の整数で、m=n又はm≠n)の商品を個別に表示可能な複数の小表示窓を有し、
前記検索処理部は、前記商品表示部に表示すべき表示範囲において前記複数の小表示窓に対応する前記m×n個の小表示範囲を仮定し、前記m×n個の各小表示範囲に存在する商品が複数個存在する場合には、当該小表示範囲の中心に最も近い位置に存在する商品を前記商品表示部の対応する小表示窓に表示すべき商品として決定することを特徴とする商品検索システム。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の商品検索システムにおいて、
前記商品表示部は、前記縦軸に沿ってm個及び前記横軸に沿ってn個の合計m×n個(n及びmは2以上の整数で、m=n又はm≠n)の商品を個別に表示可能な複数の小表示窓を有し、
前記検索処理部は、前記商品表示部に表示すべき表示範囲において前記複数の小表示窓に対応する前記m×n個の小表示範囲を仮定し、前記m×n個の各小表示範囲に存在する商品が存在しなかった場合には、当該小表示範囲から外れた商品の中から前記商品表示部の対応する小表示窓に表示すべき商品を取得することを特徴とする商品検索システム。
【請求項8】
あるカテゴリに属する商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、インターフェース画面を生成する機能及びユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能を有する検索処理部とを有し、前記商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムにおける検索処理方法であって、
前記複数の属性の中から2つの属性を選択する操作が前記検索操作としてなされると、前記2つの属性の各属性値が取り得る属性値全範囲に含まれる商品を前記商品データベースから取得して、前記2つの属性の各属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データを作成するステップと、
前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
を有することを特徴とする商品検索システムにおける商品検索処理方法。
【請求項9】
あるカテゴリに属する商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムであって、
前記商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、
前記インターフェース画面を生成する機能と、前記ユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能とを有する検索処理部と、
前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することにより生成された2次元商品配列データを記憶する2次元商品配列データ記憶部と、
を有し、
前記検索処理部は、
前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
を有することを特徴とする商品検索システム。
【請求項10】
請求項9に記載の商品検索システムにおいて、
前記インターフェース画面には、前記スケール変更操作を行うためのスケール変更操作部が設けられており、前記スケール変更操作部によりスケール変更操作がなされると、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲が前記縦軸及び横軸の両方において同時に設定されることを特徴とする商品検索システム。
【請求項11】
あるカテゴリに属する商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、インターフェース画面を生成する機能及びユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能を有する検索処理部と、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することによって生成された2次元商品配列データを記憶する2次元商品配列データ記憶部とを有し、前記商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムにおける検索処理方法であって、
前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
を有することを特徴とする商品検索システムにおける商品検索方法。
【請求項12】
あるカテゴリに属する商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムであって、
前記商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、
前記インターフェース画面を生成する機能と、前記ユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能とを有する検索処理部と、
を有し、
前記検索処理部は、
前記各属性の重要度を設定可能とするための重要度設定用インターフェース画面を生成する機能と、
前記重要度設定用インターフェース画面で設定された重要度を反映して、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することによって2次元商品配列データを生成する機能と、
前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
を有することを特徴とする商品検索システム。
【請求項13】
あるカテゴリに属する商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、インターフェース画面を生成する機能及びユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能を有する検索処理部とを有し、前記商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムにおける検索処理方法であって、
前記各属性の重要度を設定可能とするための重要度設定用インターフェース画面を生成するステップと、
前記重要度設定用インターフェース画面で設定された重要度を反映して、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することによって2次元商品配列データを生成するステップと、
前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
を有することを特徴とする商品検索システムにおける商品検索方法。
【請求項1】
あるカテゴリに属する商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムであって、
前記商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、
前記インターフェース画面を生成する機能と、前記ユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能とを有する検索処理部と、
を有し、
前記検索処理部は、
前記複数の属性の中から2つの属性を選択する操作が前記検索操作としてなされると、前記2つの属性の各属性値が取り得る属性値全範囲に含まれる商品を前記商品データベースから取得して、前記2つの属性の各属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データを作成する機能と、
前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
をさらに有することを特徴とする商品検索システム。
【請求項2】
請求項1に記載の商品検索システムにおいて、
前記インターフェース画面には、前記縦軸の属性を選択するための縦軸側の属性選択部と、前記横軸の属性を選択するための横軸側の属性選択部とが設けられることを特徴とする商品検索システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の商品検索システムにおいて、
前記スケール変更操作は、前記縦軸における属性の属性値全範囲の中の所定範囲及び前記横軸における属性の属性値全範囲の中の所定範囲を前記縦軸及び横軸の少なくとも一方において設定することによって行うことを特徴とする商品検索システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の商品検索システムにおいて、
前記インターフェース画面には、前記スケール変更操作を行うためのスケール変更操作部が前記縦軸及び前記横軸にそれぞれ設けられていることを特徴とする商品検索システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の商品検索システムにおいて、
インターフェース画面には、前記表示範囲移動操作を行うための表示領域移動操作部が設けられていることを特徴とする商品検索システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の商品検索システムにおいて、
前記商品表示部は、前記縦軸に沿ってm個及び前記横軸に沿ってn個の合計m×n個(n及びmは2以上の整数で、m=n又はm≠n)の商品を個別に表示可能な複数の小表示窓を有し、
前記検索処理部は、前記商品表示部に表示すべき表示範囲において前記複数の小表示窓に対応する前記m×n個の小表示範囲を仮定し、前記m×n個の各小表示範囲に存在する商品が複数個存在する場合には、当該小表示範囲の中心に最も近い位置に存在する商品を前記商品表示部の対応する小表示窓に表示すべき商品として決定することを特徴とする商品検索システム。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の商品検索システムにおいて、
前記商品表示部は、前記縦軸に沿ってm個及び前記横軸に沿ってn個の合計m×n個(n及びmは2以上の整数で、m=n又はm≠n)の商品を個別に表示可能な複数の小表示窓を有し、
前記検索処理部は、前記商品表示部に表示すべき表示範囲において前記複数の小表示窓に対応する前記m×n個の小表示範囲を仮定し、前記m×n個の各小表示範囲に存在する商品が存在しなかった場合には、当該小表示範囲から外れた商品の中から前記商品表示部の対応する小表示窓に表示すべき商品を取得することを特徴とする商品検索システム。
【請求項8】
あるカテゴリに属する商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、インターフェース画面を生成する機能及びユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能を有する検索処理部とを有し、前記商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムにおける検索処理方法であって、
前記複数の属性の中から2つの属性を選択する操作が前記検索操作としてなされると、前記2つの属性の各属性値が取り得る属性値全範囲に含まれる商品を前記商品データベースから取得して、前記2つの属性の各属性値が縦軸及び横軸として表わされる2次元商品配列データを作成するステップと、
前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
を有することを特徴とする商品検索システムにおける商品検索処理方法。
【請求項9】
あるカテゴリに属する商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムであって、
前記商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、
前記インターフェース画面を生成する機能と、前記ユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能とを有する検索処理部と、
前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することにより生成された2次元商品配列データを記憶する2次元商品配列データ記憶部と、
を有し、
前記検索処理部は、
前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
を有することを特徴とする商品検索システム。
【請求項10】
請求項9に記載の商品検索システムにおいて、
前記インターフェース画面には、前記スケール変更操作を行うためのスケール変更操作部が設けられており、前記スケール変更操作部によりスケール変更操作がなされると、前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲が前記縦軸及び横軸の両方において同時に設定されることを特徴とする商品検索システム。
【請求項11】
あるカテゴリに属する商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、インターフェース画面を生成する機能及びユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能を有する検索処理部と、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することによって生成された2次元商品配列データを記憶する2次元商品配列データ記憶部とを有し、前記商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムにおける検索処理方法であって、
前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
を有することを特徴とする商品検索システムにおける商品検索方法。
【請求項12】
あるカテゴリに属する商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムであって、
前記商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、
前記インターフェース画面を生成する機能と、前記ユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能とを有する検索処理部と、
を有し、
前記検索処理部は、
前記各属性の重要度を設定可能とするための重要度設定用インターフェース画面を生成する機能と、
前記重要度設定用インターフェース画面で設定された重要度を反映して、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することによって2次元商品配列データを生成する機能と、
前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示する機能と、
を有することを特徴とする商品検索システム。
【請求項13】
あるカテゴリに属する商品群を構成する各商品と前記各商品が有する3以上の複数の属性の各属性値とを対応付けて記憶する商品データベースと、インターフェース画面を生成する機能及びユーザーの検索操作に基づいて前記商品データベースから商品を取得して前記インターフェース画面の商品表示部に表示する機能を有する検索処理部とを有し、前記商品群をインターフェース画面に表示させて、当該インターフェース画面においてユーザーが検索操作を可能とする商品検索システムにおける検索処理方法であって、
前記各属性の重要度を設定可能とするための重要度設定用インターフェース画面を生成するステップと、
前記重要度設定用インターフェース画面で設定された重要度を反映して、前記複数の属性を有する各商品を自己組織化マップ(Self Organizing Maps)のアルゴリズムを用いて2次元空間上に写像することによって2次元商品配列データを生成するステップと、
前記2次元商品配列データに対応する2次元商品配列の全範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲を前記商品表示部に表示すべき表示範囲として設定するスケール変更操作が前記検索操作としてなされると、前記所定範囲に含まれる商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の中で移動させる表示範囲移動操作が前記検索操作としてなされると、前記2次元商品配列の全範囲と前記2次元商品配列の全範囲の中の所定範囲との比を保持した状態で前記商品表示部に表示すべき表示範囲を前記2次元商品配列の全範囲の所定位置に設定し、前記所定位置に設定された前記商品表示部において表示すべき表示範囲に存在する複数の商品のうち、前記商品表示部で表示可能な数の商品を前記商品データベースから取得して前記商品表示部に表示するステップと、
を有することを特徴とする商品検索システムにおける商品検索方法。
【図1】
【図3】
【図4】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図18】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図19】
【図3】
【図4】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図18】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図19】
【公開番号】特開2011−257811(P2011−257811A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129430(P2010−129430)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(504180239)国立大学法人信州大学 (759)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(504180239)国立大学法人信州大学 (759)
【Fターム(参考)】
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