説明

商品紹介方法、携帯端末及び商品紹介プログラム

【課題】 効率的に商品の情報を提供し、販売促進を図ることができる商品紹介方法、携帯端末及び商品紹介プログラムを提供する。
【解決手段】 利用者は、利用者携帯端末50を用いて紹介者携帯端末10に情報要求を送信する。紹介者携帯端末10は、ICタグ100から商品識別子データを取得し、利用者携帯端末50に送信する。更に利用者携帯端末50は詳細情報の取得を行なう。利用者が商品を購入する場合には、取得した商品案内を商店Sに提示する。そして、購入後、商品管理サーバ20に商品識別子データを送信する。商品管理サーバ20は商品識別子によりポイント数と暗号化紹介者識別子とを特定する。そして、商品管理サーバ20は、紹介ポイント管理サーバ30にポイント数と暗号化紹介者識別子を送信する。紹介ポイント管理サーバ30は、紹介者識別子の復号化し、利用者のポイント数を更新記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売促進を図るための広告情報の配信技術に係り、詳しくは非接触ICタグを用いて効率的に商品の情報を提供し、販売促進を図ることができる商品紹介方法、携帯端末及び商品紹介プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、各種広告手法や広告媒体が提案されている。例えば、公共の場所に貼られた広告の場合、この広告から詳細内容を取得するには限界があった。この場合、詳細情報を求めて広告主の商店を訪問したり、電話で問い合わせをしたりしていた。また、インターネットの普及により、詳細内容をインターネット上で調べることもできるようになりつつある。この場合、検索サイトを利用したり、ウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)を入力したりする。
【0003】
このような詳細情報を提供するために、広告にウェブサイトのURLを掲載している場合もある。更に効率的にURLを利用者に提供するための技術も開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載の技術によれば、宣伝文が掲載されるとともに、広告主、広告商品のURL及び商品、サービス情報を格納したRF−IDがタグとして貼付された広告媒体や、バーコードが印刷または貼付された広告媒体を用いる。そして、RF−IDリーダ付き携帯電話機やバーコードリーダ付き携帯電話機を用いて、前記広告媒体に貼付されたRF−IDやバーコードから、URLや商品情報を読み取る。そして、読み取ったURLによりネットワークを介して、サーバに開設したウェブサイトにアクセスする。
【0004】
更に、広告手法として、Webサイトやメールマガジンに企業サイトへのリンクを張り、ユーザがそこを経由して商品を購入したりすると、サイトやメールマガジンの管理者に報酬が支払われるというアフィリエイト方式も提案されている。アフィリエイト方式も成果保証型の広告手法(マーケティングプログラム)であるが、紹介者と電子商取引サイトの間のパートナーシップに特徴がある。企業にとっては、潜在的に商品に関心を持つ層に容易に到達できるというメリットがある。
【0005】
このようなアフィリエイト方式において、広告効果を検証する仕組みが開発されている(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2記載の技術では、成功報酬型の手数料支払方式を、出版物への広告掲載やタイアップ広告などの従来からの広告媒体を介したアフィリエイト方式に利用し、媒体ごとの広告効果を比較可能とする。このために、広告媒体毎に異なる識別記号を記載した商品広告を雑誌等の広告媒体に出稿する。そして、ネットワークに接続したWebサーバにおいて顧客端末から前記識別記号を受信したことを条件に購入申込に必要なWebページのファイルを顧客端末に送信する。顧客端末から購入申込を受信したときに前記識別記号若しくは対応する広告媒体に関連付けて売上情報を記録する。記録された売上情報を前記識別記号毎若しくは対応する広告媒体毎に集計する。
【特許文献1】特開2002−150142号公報(図1〜図4)
【特許文献2】特開2003−256607号公報(第1〜3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の技術によれば、詳細な商品情報を取得できたとしても、広告情報には限界がある。例えば、広告を掲載するためには、広告媒体の作成、広告用スペースの確保が必要であり、コスト的にも限界がある。また、広告情報のみでは、現物を確認する
ことができない。
【0007】
また、街中で見かけた他人の着ている服が気に入ったとしても、通常、その人に聞くことはできない。また、聞けたとしても正確な商品情報を入手できるとは限らない。
また、アフィリエイト方式は、インターネット上で展開されているため、実物を確認することはできない。更に、このようなアフィリエイト方式の場合、個人情報等の漏洩を防ぎ、セキュリティを確保した管理が大切である。
【0008】
本発明は、効率的に商品の情報を提供し、販売促進を図ることができる商品紹介方法、携帯端末及び商品紹介プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、紹介者識別子毎に紹介ポイントを記録するポイント管理サーバと、商品識別子に対応して紹介者に提供する紹介ポイント及び暗号化紹介者識別子を関連付けて記録した商品案内サーバと、紹介者が装着した装身アイテムの商品識別子を記録した記憶媒体と、所定範囲内にある記憶媒体から商品識別子を読取可能な携帯端末とを用いて、紹介者の装身アイテムに関する商品を紹介する方法であって、前記商品案内サーバが、利用者携帯端末が前記記憶媒体から取得した商品識別子に基づいて商品購入情報を受信した場合、前記商品識別子に関連付けられたポイント数と暗号化紹介者識別子を特定し、この暗号化紹介者識別子とポイント数とを含めた登録指示を前記ポイント管理サーバに送信する段階と、前記ポイント管理サーバが、暗号化紹介者識別子を復号化し、紹介者識別子に関連付けられた紹介ポイント数に加算する段階とを含むことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の商品紹介方法において、前記利用者携帯端末は、紹介者携帯端末が前記記憶媒体から取得した商品識別子を、前記紹介者携帯端末を介して取得することを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、紹介者識別子毎に紹介ポイントを記録するポイント管理サーバと、商品識別子に対応して紹介者に提供する紹介ポイントを関連付けて記録した商品案内サーバと、紹介者が装着した装身アイテムの商品識別子を記録した記憶媒体と、所定範囲内にある記憶媒体から商品識別子を読取可能な携帯端末とを用いて、紹介者の装身アイテムに関する商品を紹介する方法であって、前記商品案内サーバが、利用者携帯端末が前記記憶媒体から取得した商品識別子及び暗号化紹介者識別子に基づいて商品購入情報を受信した場合、前記商品識別子に関連付けられたポイント数を特定し、この暗号化紹介者識別子とポイント数とを含めた登録指示を前記ポイント管理サーバに送信する段階と、前記ポイント管理サーバが、暗号化紹介者識別子を復号化し、紹介者識別子に関連付けられた紹介ポイント数に加算する段階とを含むことを要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の商品紹介方法において、前記利用者携帯端末は、紹介者携帯端末が前記記憶媒体から取得した紹介者の商品識別子を、前記紹介者携帯端末を介して取得することを要旨とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の商品紹介方法において、前記暗号化紹介者識別子は、前記紹介者携帯端末が前記利用者携帯端末に対して、前記商品識別子を送信する場合に添付することを要旨とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の商品紹介方法において、前記暗号化紹介者識別子は、紹介者識別子を動的な情報に基づいて暗号化を行なう暗号化方式を用いて生成することを要旨とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の商品紹介方法において、前記商品案内サーバには、商品識別子に対応した商品案内情報を更に記録し、前記商品案内サーバが、利用者携帯端末が前記記憶媒体から取得した商品識別子を受信した場合、この利用者携帯端末に、商品識別子によって特定した商品案内を送信し、出力させる段階を更に含むことを要旨とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一つに記載の商品紹介方法において、前記商品案内サーバが受信する商品購入情報には、商品を販売した商店から提供され、前記商品案内サーバにおいて認証可能な確認データを含めることを要旨とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、所定範囲内にある記憶媒体から商品識別子データを読み取る読取手段と、利用者携帯端末とのアドホック通信手段と、これらを制御する制御手段とを備え、紹介者の装身アイテムに関する商品を紹介するための携帯端末であって、前記制御手段が、前記アドホック通信手段において利用者携帯端末から情報要求を受信した場合、前記読取手段を用いて、所定範囲内にある記憶媒体から商品識別子データを読み取り、前記利用者携帯端末に、前記アドホック通信手段を用いて前記商品識別子データを送信することを要旨とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の携帯端末において、前記利用者携帯端末に前記商品識別子データを送信する場合には、前記制御手段が、紹介者識別子を暗号化して、前記商品識別子データとともに前記利用者携帯端末に送信することを要旨とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、所定範囲内にある記憶媒体から商品識別子データを読み取る読取手段と、利用者携帯端末とのアドホック通信手段と、これらを制御する制御手段とを備え、紹介者の装身アイテムに関する商品を紹介するための携帯端末に格納する商品紹介プログラムであって、前記制御手段を、前記アドホック通信手段において利用者携帯端末から情報要求を受信した場合、前記読取手段を用いて、所定範囲内にある記憶媒体から商品識別子データを読み取る手段と、前記利用者携帯端末に、前記アドホック通信手段を用いて前記商品識別子データを送信する手段として機能させることを要旨とする。
【0020】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の商品紹介プログラムにおいて、前記利用者携帯端末に前記商品識別子データを送信する場合には、前記制御手段を、紹介者識別子を暗号化して、前記商品識別子データとともに前記利用者携帯端末に送信する手段として更に機能させることを要旨とする。
【0021】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、紹介者が装着した装身アイテムの商品識別子を記録した記憶媒体と、利用者携帯端末が記憶媒体から取得した商品識別子に基づいて、商品の紹介を行なうことができる。この場合、商品案内サーバに、商品識別子に関連付けて暗号化紹介者識別子を記録する。このため、商品紹介を受けた利用者がこの商品を購入した場合、この暗号化紹介者識別子により紹介者に対して紹介ポイントが付与し、商品の販売促進を図ることができる。また、利用者にとっても、現物を確認しながら、商品購入を決定することができる。
【0022】
請求項2また4に記載の発明によれば、記憶媒体から商品識別子を読み取ることができる範囲は限られているが、紹介者携帯端末を用いることにより、より広い範囲の利用者携帯端末に商品識別子データを送信することができる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、紹介者が装着した装身アイテムの商品識別子を記録し
た記憶媒体と、利用者携帯端末が記憶媒体から取得した商品識別子に基づいて、商品の紹介を行なうことができる。この場合、商品案内サーバは、利用者携帯端末から、記憶媒体から取得した商品識別子及び暗号化紹介者識別子を受信する。このため、商品紹介を受けた利用者がこの商品を購入した場合、この暗号化紹介者識別子により紹介者に対して紹介ポイントが付与し、商品の販売促進を図ることができる。また、利用者にとっても、現物を確認しながら、商品購入を決定することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、紹介者携帯端末が、前記利用者携帯端末に対して、商品識別子とともに暗号化紹介者識別子を送信する。このため、紹介者が装着した装身アイテムの記憶媒体には、商品種別を特定できる商品識別子を記録するだけでよい。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、暗号化紹介者識別子は、紹介者識別子を、動的な情報に基づいて暗号化を行なう暗号化方式を用いて生成するため、紹介者と商品との関係を暗号化することができる。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、商品案内サーバには、商品識別子に対応した商品案内情報を記録しているため、利用者に対して商品案内を提供することができる。利用者は、この商品案内を利用して商品購入の判断の参考とすることができる。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、商品購入情報は、前記商品案内サーバにおいて認証可能な確認データを含んでいるため、商品案内サーバにおいて、より確実に商品購入を確認することができる。この確認データは、商店側の端末から送信させることができる。また、この確認データを、商品案内サーバにおいて認証可能な暗号化を行なうことにより、購入者の携帯端末を利用して送信させることもできる。この場合には、商店側から購入者の携帯端末に暗号化した確認データを提供して、商品案内サーバに転送させる。
【0028】
請求項9又は11に記載の発明によれば、アドホック通信手段を用いて、利用者携帯端末に対して、所定範囲内にある記憶媒体から読み取った商品識別子データを提供することができる。
【0029】
請求項10又は12に記載の発明によれば、紹介者端末の制御手段が、紹介者識別子を暗号化して、商品識別子データとともに利用者携帯端末に送信するため、利用者端末に紹介者を知らせることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、効率的に商品の情報を提供し、販売促進を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図9にしたがって説明する。本実施形態では、携帯電話端末を利用して、商品の購入者自身が、商品の紹介を行なうアフィリエイト方式として説明する。アフィリエイト方式では、商品を紹介する紹介者の携帯端末(紹介者携帯端末50)と、紹介者から商品の紹介を受ける利用者(紹介者携帯端末10)とを用いる。本実施形態では、図1に示すように、紹介者が装着した装身アイテム(ここではジャケット)には、商品識別子を記録した記憶媒体としてのICタグ100が添付される。このICタグ100は、アンテナを備える。パッシブタイプ型ICタグの場合、リーダー・ライターからの電波を受け、これを電力に変換し、ICチップを動作させて、情報をリーダー・ライターに返信する。電波としては、主に135kHz、13.56MHz、2.45GHzの周波数が使われており、非接触距離は、1cm〜2m程度である。そして、このICタグ100は紹介者携帯端末10によって読み取られる。更に、このICタグ100はメモリを備える。本実施形態では、各商品を個別に特定するための商品識別
子に関するデータが記録される。
【0032】
この紹介者携帯端末10は、通常の電話通話機能の他に、電子メールの送受信や、各サーバとの間で通信を行なうためのデータ通信機能等を有する。この紹介者携帯端末10は、図1に示すように、ダイヤル番号ボタンの他に、ディスプレイ、セレクタボタン、モード切り替えボタンを備える。この紹介者携帯端末10は、通常の電話モードの他に、電子メールの送受信を行なうためのメールモード、ウェブページの表示を行なうためのブラウザモード、そして各種プログラムの実行処理を行なうプログラム実行モードを有する。各モード(例えば、電話モード)から他のモード(例えば、プログラム実行モード)に切り替える場合には、モード切り替えボタンを用いる。
【0033】
ディスプレイには、紹介者携帯端末10が受信した電子メールやウェブページ等の他、紹介者携帯端末10内に格納されたプログラムによる各種画面が出力される。
また、紹介者携帯端末10のセレクタボタンは、ポインタ移動機能とクリック機能とを有する。このセレクタボタンを用いて方向指示を行なうことによりポインタを移動させることができ、セレクタボタンを押すことにより、ポインタが示している項目を選択することができる。そして、ダイヤル番号ボタン等を用いて各種データを入力することができる。
【0034】
さらに、紹介者携帯端末10は、図2に示すように、CPU、RAM、ROM等から構成された制御部11を有し、この制御部11はアプリケーションプログラム記憶部を備える。このプログラム記憶部に、各種プログラムが格納され、このプログラムが起動されることにより、この制御部11は各種手段として機能する。本実施形態では、後述する商品紹介プログラムが格納される。そして、このアプリケーションプログラムが起動された場合、紹介者携帯端末10の制御部11は、商品紹介処理に関して後述する処理手順を実行する。
【0035】
また、紹介者携帯端末10は、図2に示すように、この紹介者が紹介する商品の商品識別子に関するデータを記録した紹介商品メモリ12を備える。更に、紹介者携帯端末10は、ディスプレイ13、ダイヤル番号ボタン、セレクタボタン、モード切り替えボタン等を制御するユーザIF部14を備える。更に、紹介者携帯端末10は、ネットワーク無線通信部15、ICタグリーダ16、アドホック無線通信部17を備える。
【0036】
ネットワーク無線通信部15は、基地局を介して通信ネットワーク(公衆網やインターネット)に接続するインターフェイスである。
ICタグリーダ16は、商品識別子データを読み取る読取手段として機能し、この紹介者携帯端末10から所定の範囲にあるICタグ100を読み取るためのインターフェイスである。上述のように、ICタグ100に対して非接触で電力を供給し、ICタグ100からの信号により、ICタグ100のメモリに格納された商品識別子データを読み取る。
【0037】
アドホック通信手段としてのアドホック無線通信部17は、この紹介者携帯端末10から所定の範囲にある他の携帯端末と直接的にアドホック通信を行なうためのインターフェイスである。このアドホック通信では、例えば、IEEE 802.11x、Bluetooth (登録商標)等の技術を用いながら、複数の端末をアクセスポイントの介在なしに相互に接続する。このため、アドホック通信では基地局やアクセスポイントが不要となり、限られた域内であれば、インフラストラクチャのない場所でも簡易にネットワークを構築することができる。本実施形態では、このアドホック無線通信部17により、ICタグからの電波の届かない利用者携帯端末50との通信を行なう。
【0038】
紹介者携帯端末10から情報を取得する利用者携帯端末50も、同様にネットワーク無
線通信部15やアドホック無線通信部17を備える。
そして、紹介者携帯端末10や利用者携帯端末50は、通信ネットワークを介して商品管理サーバ20や紹介ポイント管理サーバ30に接続することができる。
【0039】
この商品管理サーバ20は、商品管理データ記憶部22、紹介管理データ記憶部24を備える。また、紹介ポイント管理サーバ30は、紹介ポイント管理データ記憶部32を備える。
【0040】
商品管理データ記憶部22には、図3に示すように、販売する商品についての商品管理データ220が記録される。この商品管理データ220は、紹介ポイントを提供する商品の登録を行なった場合に登録される。この商品管理データ220は、商品識別子、商品簡易案内、商品詳細案内、商店情報、ポイント数に関するデータを含んで構成される。
【0041】
商品識別子データ領域には、商品を特定するための識別子に関するデータが記録される。
商品簡易案内データ領域には、この商品の内容を特定するための簡易案内に関するデータが記録される。本実施形態では、商品簡易案内として例えば商品名を用いる。
【0042】
商品詳細案内データ領域には、この商品についての詳細内容に関するデータが記録される。本実施形態では、商品詳細案内として、例えば仕様、価格等を用いる。
商店情報データ領域には、この商品を販売する商店に関するデータが記録される。本実施形態では、商店情報として、例えば商店名、住所、地図、連絡先等を用いる。
ポイント数データ領域には、紹介者が紹介した商品が、紹介された者によって購入された場合に、この紹介者に付与されるポイント数に関するデータが記録される。
【0043】
紹介管理データ記憶部24には、図4に示すように、各商品を紹介する紹介者を特定するための紹介管理データ240が記録される。この紹介管理データ240は、紹介者が紹介を行なう商品を登録した場合に記録される。この紹介管理データ240は、商品識別子、暗号化紹介者識別子に関するデータが関連付けられて構成される。
【0044】
商品識別子データ領域には、紹介の登録が行なわれた商品を特定するための識別子に関するデータが記録される。
暗号化紹介者識別子データ領域には、紹介者識別子データを暗号化したデータが記録される。この暗号化には、紹介ポイント管理サーバにおいて復号化可能な暗号方式を用いる。また、同一の紹介者識別子であっても、暗号化紹介者識別子が異なるように動的な情報に基づいて暗号化を行なう暗号化方式を用いる。この暗号方式には、例えば、RSA(Rivest, Shamir, and Adleman )−OAEP(Optimal Asymmetric Encryption Padding )を用いることができる。このRSA−OAEPは、入力データに対してランダムなデータを出力するランダム関数が利用可能である。この暗号化紹介者識別子は、後述のように紹介ポイント管理サーバ30において復号化される。
【0045】
紹介ポイント管理データ記憶部32には、図5に示すように、紹介者毎に商品の紹介により提供されたポイント数に関する紹介ポイント管理データ320が記録される。この紹介ポイント管理データ320は、紹介者が紹介を行なう度に更新記録される。この紹介管理データ240は、紹介者識別子、紹介回数、ポイント数、連絡先に関するデータを含んで構成される。
【0046】
紹介者識別子データ領域には、紹介者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
紹介回数データ領域には、紹介者が紹介を行なった回数が記録される。
【0047】
ポイント数データ領域には、紹介者に提供されたポイント数に関するデータが記録される。このポイント数は、紹介者による商品紹介に対して付与される成果報酬である。このポイント数を利用することにより、紹介者は商品やサービスの提供を享受することができる。
連絡先データ領域には、紹介者の連絡先に関するデータが記録される。例えば、この連絡先には、紹介者の電子メールアドレスを用いる。
【0048】
上記のように構成されたシステムにおいて、紹介者が商品を紹介し、ポイントを取得するまでの処理手順を説明する。なお、ICタグ100、紹介者携帯端末10、商品管理サーバ20、紹介ポイント管理サーバ30、利用者携帯端末50の間の各通信には、公知の通信プロトコルや、通信のための暗号化方式が用いられる。
【0049】
(紹介者登録処理)
まず、紹介者登録処理を図6に従って説明する。
このアフィリエイト方式への参加を希望する場合、参加希望者は紹介者登録申請を紹介ポイント管理サーバ30に送信する(ステップS1−1)。この紹介者登録申請は、利用者の氏名、住所等の紹介者情報や連絡先に関するデータを含む。
【0050】
紹介者登録申請を受信した紹介ポイント管理サーバ30は、紹介ポイント管理データ記憶部32に紹介者の登録を行なう(ステップS1−2)。具体的には、紹介ポイント管理サーバ30は、受信した紹介者登録申請に対して紹介者識別子を割り振り、紹介者情報記憶部(図示せず)に記録する。更に、紹介ポイント管理サーバ30は、紹介者識別子と連絡先に関するデータを含む紹介ポイント管理データ320を生成し、紹介ポイント管理データ記憶部32に記録する。この場合、紹介ポイント管理サーバ30から、参加希望者の携帯端末に商品紹介プログラムが提供される。この商品紹介プログラムは、アプリケーションプログラム記憶部に記録され、この端末は紹介者携帯端末として機能する。
【0051】
次に、紹介ポイントを提供する商品を販売する場合には、商品管理サーバ20において商品の登録を行なう(ステップS1−3)。ここでは、各商品に対して、ユニークな商品識別子を割り振り、商品識別子とともに、商品案内、商品簡易案内、商品詳細案内、商店情報、ポイント数を商品管理データ記憶部22に登録する。
【0052】
次に、商品管理サーバ20は、この商品に付されたICタグ100に商品識別子データを記録する(ステップS1−4)。本実施形態では、商品管理データ記憶部22に記録された商品識別子データを、ICタグ100に記録する。
【0053】
アフィリエイト方式の参加者がこの商品を購入し、この商品の紹介を希望する場合には、紹介者携帯端末10を用いて購入した商品に付されたICタグ100を読み取り、商品識別データを取得する(ステップS1−5)。具体的には、商品紹介プログラムを起動し、商品登録モードに設定する。この場合、紹介者携帯端末10の制御部11は、ICタグリーダ16を介して、ICタグ100から商品識別子データを取得する。
【0054】
この場合、紹介者携帯端末10の制御部11は、紹介者携帯端末10のメモリに格納された紹介者識別子データを暗号化する(ステップS1−6)。この暗号化には、紹介ポイント管理サーバ30にて復号化可能であり、動的に暗号鍵が変更される暗号化方式を用いる。従って、一人の紹介者が複数の商品を登録する場合にも、商品毎にランダム関数による乱数要素が含まれているため、暗号化紹介者識別子データも異なることになる。
【0055】
そして、紹介者携帯端末10の制御部11は、ネットワーク無線通信部15を介して、
紹介者登録データを商品管理サーバ20に送信する(ステップS1−7)。この紹介者登録データには、ICタグ100から読み取った商品識別子データ及び暗号化した紹介者識別子に関するデータを含む。
【0056】
通信ネットワークを介して紹介者登録データを受信した商品管理サーバ20は、紹介者の登録処理を行なう(ステップS1−8)。具体的には、商品管理サーバ20は、受信した紹介者登録データに基づいて、紹介管理データ240を生成し、紹介管理データ記憶部24に記録する。
【0057】
そして、紹介者を登録したことを通知するために、商品管理サーバ20は、紹介者携帯端末10に登録通知を送信する(ステップS1−9)。この登録通知には、紹介管理データ記憶部24に登録された商品識別子に関するデータを含む。
【0058】
通信ネットワークを介して登録通知を受信した紹介者携帯端末10の制御部11は、登録通知に含まれる商品識別子データを、紹介商品登録データとして紹介商品メモリ12に記録する(ステップS1−10)。これにより、紹介管理データ記憶部24に登録された商品識別子データが紹介商品メモリ12に記録されることになる。そして、紹介者携帯端末10は、紹介商品メモリ12に記録されている商品に関する情報のみを発信することができる。
【0059】
(紹介処理)
次に、紹介者が商品を紹介する場合の処理を図7に従って説明する。
まず、紹介者は紹介者携帯端末10の商品紹介プログラムを起動する(ステップS2−1)。紹介アプリケーションプログラムが起動されると、紹介者携帯端末10の制御部11は、ICタグリーダ16を用いて、紹介者携帯端末10から所定範囲にあるICタグ100に格納された商品識別子データを読み取る。例えば、ICタグ100の添付された商品(例えば、ジャケット)を身につけている場合には、ICタグリーダ16は、このICタグ100に記録された商品識別子データを読み取る。ICタグリーダ16がICタグ100を検知できない場合には「エラー表示」を出力する。一方、ICタグリーダ16がICタグ100を検知した場合には、紹介者携帯端末10は他の携帯端末からのアドホック通信の待機状態になる。そして、紹介者は、この状態で紹介者携帯端末10を携帯しながら行動する。
【0060】
そして、利用者が紹介者の商品に興味を持った場合には、利用者携帯端末50を用いて紹介者携帯端末10に情報要求を送信する(ステップS2−2)。この場合には、利用者携帯端末50に格納されたアプリケーションプログラムを起動し、アドホック通信により情報要求を行なう。
【0061】
情報要求をアドホック無線通信部17において受信した紹介者携帯端末10の制御部11は、ICタグ100から商品識別子データの読取を試みる(ステップS2−3)。具体的には、ICタグリーダ16を用いて所定範囲内に存在するICタグ100に対して、商品識別データの送信要求を行なう。そして、制御部11はICタグ100からの応答を待機する。
【0062】
そして、ICタグリーダ16を介して商品識別子データを取得した場合、紹介者携帯端末10の制御部11は、読み取った商品識別子データと、紹介商品メモリ12に記録された紹介商品登録データとを照合する(ステップS2−4)。
【0063】
読み取った商品識別子データの中に、紹介商品メモリ12に記録された紹介商品登録データと一致する商品識別子データが含まれている場合(ステップS2−5において「YE
S」の場合)、紹介者携帯端末10の制御部11は、紹介データを利用者携帯端末50に送信する(ステップS2−6)。この紹介データには、紹介商品メモリ12に記録された商品識別子データと一致した商品識別子データを含む。この紹介データの送信もアドホック無線通信部17を介しての通信により行なわれる。なお、紹介者携帯端末10から所定範囲内に複数のICタグが存在し、複数の商品識別子データを読み取った場合、同様にステップS2−5、6を実行し、紹介商品メモリ12に記録された商品識別子データと一致した商品識別子データを利用者携帯端末50に送信する。
【0064】
この紹介データを受信した利用者携帯端末50は、通信ネットワークを介して、商品管理サーバ20に紹介データを転送する(ステップS2−7)。この紹介データは、1以上の商品識別子データを含んで構成される。
【0065】
紹介データを受信した商品管理サーバ20は、利用者携帯端末50に対して商品リストを送信する(ステップS2−8)。具体的には、商品管理サーバ20は、受信した紹介データに含まれる商品識別子データに基づいて、商品管理データ記憶部22から商品簡易案内データを抽出し、この商品簡易案内を含めた商品リストを生成する。この商品リストには、商品簡易案内毎に商品識別子データを含めて構成する。そして、商品管理サーバ20は、通信ネットワークを介して、利用者携帯端末50に商品リストを送信する。
【0066】
商品リストを受信した利用者携帯端末50は、ディスプレイに商品リストを出力する(ステップS2−9)。利用者は、ディスプレイに出力された商品リストを用いて、興味を持った商品の有無を確認する。この商品リストの中に、利用者が興味を持った商品が含まれている場合、詳細情報の取得を行なう。この場合の処理を図8に従って説明する。
【0067】
利用者携帯端末50のディスプレイに出力された商品リストの中から、セレクタボタンを用いて所望の商品を選択する(ステップS3−1)。この場合、利用者携帯端末50は、商品リストデータから、選択された商品識別子データを特定する。
【0068】
そして、利用者携帯端末50において詳細情報要求が入力された場合、利用者携帯端末50は、通信ネットワークを介して、商品管理サーバ20に詳細情報要求を送信する(ステップS3−2)。この詳細情報要求は、利用者によって選択された商品識別子データを含んで構成される。
【0069】
詳細情報要求を受信した商品管理サーバ20は、利用者携帯端末50に対して商品案内を送信する(ステップS3−3)。具体的には、商品管理サーバ20は、受信した詳細情報要求に含まれる商品識別子データに基づいて、商品管理データ記憶部22から商品詳細案内や商店情報に関するデータを抽出し、これらのデータを用いて商品案内を生成する。更に、この商品案内には、この商品の商品識別子データを含める。そして、商品管理サーバ20は、通信ネットワークを介して、利用者携帯端末50に商品案内を送信する。
【0070】
商品案内を受信した利用者携帯端末50は、ディスプレイに商品案内を出力する(ステップS3−4)。紹介者の商品に興味を持った利用者は、出力された商品案内を用いて商品の内容を確認する。そして、この商品の購入を希望する場合には、この商品案内に含まれる商店情報を利用して商店に訪問することができる。
【0071】
更に、商品管理サーバ20は、商品についての紹介を行なったことを通知するために紹介情報を紹介ポイント管理サーバ30に送信する(ステップS3−5)。この場合、商品管理サーバ20は、利用者携帯端末50から受信した詳細情報要求に含まれた商品識別子に基づいて、紹介管理データ記憶部24から暗号化紹介者識別子を特定する。そして、商品管理サーバ20は、この暗号化紹介者識別子を含めた紹介情報を、紹介ポイント管理サ
ーバ30に送信する。
【0072】
この通知を受信した紹介ポイント管理サーバ30は、受信した暗号化紹介者識別子データを用いて、紹介者識別子の復号化を行なう(ステップS3−6)。
そして、紹介ポイント管理サーバ30は、この紹介者の紹介ポイント管理データ320を特定し、参照回数を更新記録する(ステップS3−7)。
【0073】
(購入処理)
次に、商品案内を確認した利用者が商品を購入する場合の処理を、図9に従って説明する。
【0074】
利用者は、利用者携帯端末50のディスプレイに商品管理サーバ20から受信した商品案内を出力し、これを参照して商店Sを訪問する。そして、商品購入時には、利用者携帯端末50のディスプレイに商品案内を出力して、商店Sの担当者に提示する(ステップS4−1)。
【0075】
この場合、商店の担当者は、利用者携帯端末50のディスプレイに出力された商品案内を確認し、利用者の所望の商品を提示する。そして、紹介者による紹介に基づいて商品を販売する場合には、商店は利用者の利用者携帯端末50に対して確認データを提供する。この購入確認データは、商品管理サーバ20において認証可能な所定の暗号化データであり、バーコード、2次元コード、アドホック通信等によって提供することができる。
【0076】
そして、利用者携帯端末50は、商店Sから提供された購入確認データを取得する(ステップS4−2)。例えば、購入確認データがバーコードや2次元コードによって提供された場合には、利用者携帯端末50の撮像機能によって読み取る。アドホック通信によって提供される場合には、利用者携帯端末50はアドホック無線通信部を介して購入確認データを取得する。
【0077】
そして、利用者携帯端末50は、商品管理サーバ20に購入データを送信する(ステップS4−3)。この購入データは、商店Sから取得した購入確認データと、商品管理サーバ20から紹介によって取得した商品識別子データとを含んで構成される。
【0078】
購入データを受信した商品管理サーバ20は、購入確認データに基づいて購入を認証する。更に、商品管理サーバ20は、受信した購入データから商品識別子データを抽出する。そして、商品管理サーバ20は、商品管理データ記憶部22から、この商品識別子に関連付けられたポイント数を特定する。また、商品管理サーバ20は、商品識別子を用いて、紹介管理データ記憶部24から、暗号化紹介者識別子を特定する。
【0079】
そして、商品管理サーバ20は、ポイント登録指示を送信する(ステップS4−4)。このポイント登録指示は、購入された商品のポイント数と暗号化紹介者識別子に関するデータを含んで構成される。
【0080】
ポイント登録指示を受信した紹介ポイント管理サーバ30は、受信した暗号化紹介者識別子データを用いて、紹介者識別子の復号化を行なう(ステップS4−5)。
そして、紹介ポイント管理サーバ30は、この紹介者に対してポイントを記録する(ステップS4−6)。具体的には、紹介ポイント管理サーバ30は、紹介者識別子に基づいて、紹介ポイント管理データ記憶部32に記録された紹介ポイント管理データ320を特定する。そして、紹介ポイント管理データ320に記録されているポイント数に、ポイント登録指示に含まれるポイント数を加算して更新記録する。
【0081】
そして、紹介ポイント管理サーバ30は、紹介ポイントが付与されたことについての結果通知を行なう(ステップS4−7)。この場合、紹介ポイント管理サーバ30は、紹介者識別子に基づいて、紹介ポイント管理データ記憶部32に記録された紹介者連絡先を特定し、この紹介者連絡先に結果通知を送信する。
【0082】
紹介者携帯端末10は、結果を出力する(ステップS4−8)。これにより紹介者はポイントを取得したことを把握することができる。
【0083】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
・ 上記実施形態では、紹介者の商品に興味を持った場合には、利用者携帯端末50を用いて紹介者携帯端末10に情報要求を送信する(ステップS2−2)。情報要求を受信した紹介者携帯端末10の制御部11は、所定範囲内に存在するICタグ100の商品識別子データを取得する。そして、紹介商品メモリ12に記録された紹介商品登録データと一致するICタグの商品識別子データが取得している場合、商品識別子データを含む紹介データを利用者携帯端末50に送信する。これにより、インターネット上においても、アフィリエイトサービスが提供されているが、利用者はその場で現物を確認して、その商品識別子を入手することができる。街中で見かけた現物に関する商品識別子を用いて、その商品情報を取得することができる。また、商品提供者にとっても、広告用のスペースを確保することなく、多様な場所で商品の販売促進を行なうことができる。更に、紹介者も、携帯端末を用いて簡易に商品紹介を行なうことができ、その成果報酬(ポイント数)を得ることができる。
【0084】
・ 上記実施形態では、紹介者携帯端末10は紹介商品メモリ12を備え、この紹介商品メモリには、紹介を希望する商品のみについての商品識別子データが記録される。ICタグリーダ16を介して商品識別子データを取得した場合、紹介者携帯端末10の制御部11は、読み取った商品識別子データと、紹介商品メモリ12に記録された紹介商品登録データとを照合する(ステップS2−4)。読み取った商品識別子データの中に、紹介商品メモリ12に記録された紹介商品登録データと一致する商品識別子データが含まれている場合、紹介者携帯端末10の制御部11は、紹介データを利用者携帯端末50に送信する(ステップS2−6)。これにより、紹介者は、紹介を希望する商品についてのみ、紹介を行なうことができ、紹介者の利便性を図ることができる。
【0085】
・ 上記実施形態では、紹介者携帯端末10から所定範囲内に複数のICタグが存在し、複数の商品識別子データを読み取った場合、ステップS2−5、6を実行し、紹介商品メモリ12に記録された商品識別子データと一致した商品識別子データを利用者携帯端末50に送信する。この紹介データを受信した利用者携帯端末50は、これらの商品識別子データに基づく商品簡易案内を含めた商品リストを取得する。これにより、利用者は、ディスプレイに出力された商品リストを用いて、興味を持った商品の有無を確認することができる。そして、商品リストの中に、利用者が興味を持った商品が含まれている場合、詳細情報の取得を行なうことができる。
【0086】
・ 上記実施形態では、商品管理サーバ20は、商品識別子と暗号化紹介者識別子とに関するデータが関連付けられた紹介管理データ240を記録した紹介管理データ記憶部24を備える。暗号化紹介者識別子データ領域には、紹介ポイント管理サーバ30において復号化可能であり、動的な情報に基づいて暗号化された紹介者識別子データを暗号化したデータが記録される。従って、商品管理サーバ20側では、この商品を購入した紹介者を特定することができない。従って、商品管理サーバ20において、個人情報の守秘性を向上させることができる。
【0087】
一方、商品管理サーバ20からは紹介ポイント管理サーバ30には、商品識別子データ
と分離された暗号化紹介者識別子に関するデータが提供される(ステップS3−5、S4−4)。このため、紹介ポイント管理サーバ30は、暗号化紹介者識別子データを複合化して紹介者特定することはできるが、この紹介者が購入した商品を特定することができない。従って、紹介ポイント管理サーバ30において、個人情報の守秘性を向上させることができる。
【0088】
・ 上記実施形態では、情報要求をアドホック無線通信部17において受信した紹介者携帯端末10の制御部11は、ICタグリーダ16を用いて所定範囲内に存在するICタグ100の読取を試みる(ステップS2−3)。このため、紹介者の紹介者携帯端末10にある商品のみの紹介を行なう。これにより、紹介者は、商品紹介プログラムを起動するだけで、効率的に商品の紹介を行なうことができる。
【0089】
・ 上記実施形態では、紹介者携帯端末10は、ネットワーク無線通信部15、ICタグリーダ16、アドホック無線通信部17を備える。そして、ICタグリーダ16により所定範囲のICタグ100から商品識別子データの読取を試みる(ステップS2−3)。そして、この商品識別子データは、紹介者携帯端末10のアドホック無線通信部17を介して利用者携帯端末50に送信する。このため、ICタグリーダ16により、商品の存在を確認し、この商品情報を広い範囲の利用者携帯端末50に提供することができる。
【0090】
・ 上記実施形態では、利用者携帯端末50は、商店Sから提供された購入確認データを取得する(ステップS4−2)。そして、利用者携帯端末50は、商品管理サーバ20に購入データを送信する(ステップS4−3)。これにより、商店S側に、新たな設備を設けることなく、商品管理サーバ20に対して購入情報を送信することができる。そして、この確認データを用いることにより、購入者の確認精度を向上させることができる。
【0091】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
○ 上記実施形態では、ICタグリーダ16により所定範囲のICタグ100から商品識別子データの読取を試みる。そして、この商品識別子データは、紹介者携帯端末10のアドホック無線通信部17を介して利用者携帯端末50に送信する。これに代えて、利用者携帯端末50のICタグリーダ16は直接、ICタグ100を読み取ってもよい。この場合、ステップS2−7から商品の紹介が行なわれる。これにより、紹介者携帯端末10を介さずに、アフィリエイト方式を実現することができる。
【0092】
○ 上記実施形態では、商品案内を確認した利用者が商品を購入する場合、商店Sを訪問する。これに代えて、オンラインによるショッピングを行なうことも可能である。この場合にも、紹介者識別子データをオンラインショップに送信することにより購入を行なう。そして、オンラインショップが、紹介者識別子データを含めた購入データを、直接、紹介ポイント管理サーバ30に送信することも可能である。オンラインショッピングの場合、現物の確認が困難であるが、本願発明により、利用者は紹介者の商品により現物を確認した上で、購入を行なうことができる。
【0093】
○ 上記実施形態では、商品管理サーバ20に、商品識別子と暗号化紹介者識別子とを関連付ける紹介管理データ240を記録した紹介管理データ記憶部24を設けた。そして、商品管理サーバ20は、利用者携帯端末50から受信した商品識別子データに基づいて暗号化紹介者識別子を特定し、紹介ポイント管理サーバ30に、暗号化紹介者識別子に関するデータを提供する。これに代えて、紹介者携帯端末10が、利用者携帯端末50に商品識別子データを送信するとき、暗号化紹介者識別子データを付加して提供してもよい。この場合、利用者携帯端末50は、商品識別子データとともに、受信した暗号化紹介者識別子データを商品管理サーバ20に転送する。これにより、商品管理サーバ20は暗号化紹介者識別子データを取得することができる。従って、商品管理サーバ20に紹介管理デ
ータ記憶部24に設ける必要がなく、また、商品識別子も商品種別を特定できるものであればよい。
【0094】
○ 上記実施形態では、利用者携帯端末50は、商店Sから提供された購入確認データの取得する(ステップS4−2)。そして、利用者携帯端末50は、商品管理サーバ20に購入データを送信する(ステップS4−3)。商品管理サーバ20への購入情報の送信方法はこれに限られるものではない。例えば、商店Sに、商品管理サーバ20に接続された店頭端末を設置してもよい。この場合には、利用者携帯端末50のディスプレイに表示される商品案内に、外部から読み取り可能な形態で商品識別子を表示させる。例えば、商品識別子の表示には、テキスト表示のみならず、バーコード表示や2次元コード表示を用いることもできる。そして、この商品識別子を読み取った店頭端末が、商品管理サーバ20に商品識別子に関するデータを送信する。これにより、利用者携帯端末50を用いることなく、商品管理サーバ20に購入情報を送信することができる。
【0095】
○ 上記実施形態では、紹介者を登録したことを通知するために、商品管理サーバ20は、紹介者携帯端末10に登録通知を送信する(ステップS1−9)。そして、通信ネットワークを介して登録通知を受信した紹介者携帯端末10の制御部11は、登録通知に含まれる商品識別子データを、紹介商品登録データとして紹介商品メモリ12に記録する(ステップS1−10)。商品識別子データの紹介商品メモリ12への記録は、ステップS1−5〜S1−7のいずれかの段階で行なってもよい。これにより、ステップS1−9、10を省略することができる。
【0096】
○ 上記実施形態では、紹介者携帯端末10から、紹介データを受信した利用者携帯端末50は、通信ネットワークを介して、商品管理サーバ20に紹介データを転送する(ステップS2−7)。そして、商品管理サーバ20から商品リストを取得した利用者携帯端末50は、ディスプレイに商品リストを出力する(ステップS2−9)。これに代えて、ICタグ100や、紹介者携帯端末10の紹介商品メモリ12に商品簡易案内データを記録させておいてもよい。この場合、ステップS2−7〜9を省略し、利用者携帯端末50は、商品管理サーバ20にアクセスすることなく商品リストを取得することができる。
【0097】
○ 上記実施形態では、紹介者携帯端末10から所定範囲内にICタグが存在し、商品識別子データを読み取った場合、紹介商品メモリ12に記録された商品識別子データと一致した商品識別子データを利用者携帯端末50に送信する。これに代えて、最初に紹介者携帯端末10が、ICタグ100を読み取ってから紹介許容時間が経過するまで、商品識別子データを利用者携帯端末50に送信するように構成してもよい。この場合、ICタグ100に紹介許容時間に関するデータを記録しておき、紹介者携帯端末10が、ICタグ100を読み取ってから計時を開始し、紹介許容時間のみ商品紹介のための商品識別子データの送信を行なう。これにより、ICタグ100を添付することができないアイテムについても商品紹介を行なうことができる。例えば、香水の場合、ICタグ100を添付することはできないが、紹介許容時間(ここでは、香りの保持時間)のみ、商品紹介を行なうことができる。この場合も、現物(ここでは、香り)を確認してから、商品購入を判断することができる。
【0098】
○ 上記実施形態では、紹介ポイント管理サーバ30は、紹介ポイントが付与されたことについての結果通知を行なう(ステップS4−7)。そして、紹介者携帯端末10は、結果を出力する(ステップS4−8)。この結果通知の要否を、紹介者に選択させてもよい。この場合には、紹介ポイント管理サーバ30に、紹介者毎に、紹介者への結果通知の要否についてのデータ(通知要否フラグ)を記録しておく。そして、紹介ポイント管理サーバ30は、紹介者に対してポイントを記録した場合(ステップS4−5)、通知要否フラグを確認し、「通知要」の場合のみ、結果通知を行なう(ステップS4−7)。なお、
この場合には、紹介者自身が紹介ポイント管理サーバ30にアクセスし、紹介ポイント管理サーバ30が本人認証を完了した後に、この紹介者のポイント数の閲覧を許可する。これにより、紹介者の利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】本実施形態の紹介者携帯端末の構成概略図。
【図3】商品管理データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図4】紹介管理データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図5】ポイント管理データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図6】本実施形態の処理手順の説明図。
【図7】本実施形態の処理手順の説明図。
【図8】本実施形態の処理手順の説明図。
【図9】本実施形態の処理手順の説明図。
【符号の説明】
【0100】
10…紹介者携帯端末、11…制御手段としての制御部、12…商品紹介メモリ、100…ICタグ、20…商品管理サーバ、30…紹介ポイント管理サーバ、32…ポイント管理データ記憶部、50…利用者携帯端末、S…商店。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紹介者識別子毎に紹介ポイントを記録するポイント管理サーバと、
商品識別子に対応して紹介者に提供する紹介ポイント及び暗号化紹介者識別子を関連付けて記録した商品案内サーバと、
紹介者が装着した装身アイテムの商品識別子を記録した記憶媒体と、所定範囲内にある記憶媒体から商品識別子を読取可能な携帯端末とを用いて、紹介者の装身アイテムに関する商品を紹介する方法であって、
前記商品案内サーバが、利用者携帯端末が前記記憶媒体から取得した商品識別子に基づいて商品購入情報を受信した場合、前記商品識別子に関連付けられたポイント数と暗号化紹介者識別子を特定し、この暗号化紹介者識別子とポイント数とを含めた登録指示を前記ポイント管理サーバに送信する段階と、
前記ポイント管理サーバが、暗号化紹介者識別子を復号化し、紹介者識別子に関連付けられた紹介ポイント数に加算する段階と
を含むことを特徴とする商品紹介方法。
【請求項2】
前記利用者携帯端末は、紹介者携帯端末が前記記憶媒体から取得した商品識別子を、前記紹介者携帯端末を介して取得することを特徴とする請求項1に記載の商品紹介方法。
【請求項3】
紹介者識別子毎に紹介ポイントを記録するポイント管理サーバと、
商品識別子に対応して紹介者に提供する紹介ポイントを関連付けて記録した商品案内サーバと、
紹介者が装着した装身アイテムの商品識別子を記録した記憶媒体と、所定範囲内にある記憶媒体から商品識別子を読取可能な携帯端末とを用いて、紹介者の装身アイテムに関する商品を紹介する方法であって、
前記商品案内サーバが、利用者携帯端末が前記記憶媒体から取得した商品識別子及び暗号化紹介者識別子に基づいて商品購入情報を受信した場合、前記商品識別子に関連付けられたポイント数を特定し、この暗号化紹介者識別子とポイント数とを含めた登録指示を前記ポイント管理サーバに送信する段階と、
前記ポイント管理サーバが、暗号化紹介者識別子を復号化し、紹介者識別子に関連付けられた紹介ポイント数に加算する段階と
を含むことを特徴とする商品紹介方法。
【請求項4】
前記利用者携帯端末は、紹介者携帯端末が前記記憶媒体から取得した紹介者の商品識別子を、前記紹介者携帯端末を介して取得することを特徴とする請求項3に記載の商品紹介方法。
【請求項5】
前記暗号化紹介者識別子は、前記紹介者携帯端末が前記利用者携帯端末に対して、前記商品識別子を送信する場合に添付することを特徴とする請求項4に記載の商品紹介方法。
【請求項6】
前記暗号化紹介者識別子は、紹介者識別子を動的な情報に基づいて暗号化を行なう暗号化方式を用いて生成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の商品紹介方法。
【請求項7】
前記商品案内サーバには、商品識別子に対応した商品案内情報を更に記録し、
前記商品案内サーバが、利用者携帯端末が前記記憶媒体から取得した商品識別子を受信した場合、この利用者携帯端末に、商品識別子によって特定した商品案内を送信し、出力させる段階を更に含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の商品紹介方法。
【請求項8】
前記商品案内サーバが受信する商品購入情報には、商品を販売した商店から提供され、前記商品案内サーバにおいて認証可能な確認データを含めることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の商品紹介方法。
【請求項9】
所定範囲内にある記憶媒体から商品識別子データを読み取る読取手段と、利用者携帯端末とのアドホック通信手段と、これらを制御する制御手段とを備え、紹介者の装身アイテムに関する商品を紹介するための携帯端末であって、
前記制御手段が、
前記アドホック通信手段において利用者携帯端末から情報要求を受信した場合、前記読取手段を用いて、所定範囲内にある記憶媒体から商品識別子データを読み取り、
前記利用者携帯端末に、前記アドホック通信手段を用いて前記商品識別子データを送信することを特徴とする携帯端末。
【請求項10】
前記利用者携帯端末に前記商品識別子データを送信する場合には、
前記制御手段が、紹介者識別子を暗号化して、前記商品識別子データとともに前記利用者携帯端末に送信することを特徴とする請求項9に記載の携帯端末。
【請求項11】
所定範囲内にある記憶媒体から商品識別子データを読み取る読取手段と、利用者携帯端末とのアドホック通信手段と、これらを制御する制御手段とを備え、紹介者の装身アイテムに関する商品を紹介するための携帯端末に格納する商品紹介プログラムであって、
前記制御手段を、
前記アドホック通信手段において利用者携帯端末から情報要求を受信した場合、前記読取手段を用いて、所定範囲内にある記憶媒体から商品識別子データを読み取る手段と、
前記利用者携帯端末に、前記アドホック通信手段を用いて前記商品識別子データを送信する手段
として機能させることを特徴とする商品紹介プログラム。
【請求項12】
前記利用者携帯端末に前記商品識別子データを送信する場合には、
前記制御手段を、紹介者識別子を暗号化して、前記商品識別子データとともに前記利用者携帯端末に送信する手段として更に機能させることを特徴とする請求項11に記載の商品紹介プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate