説明

商品販売データ処理装置、商品販売データ処理プログラムおよび商品販売データ処理システム

【課題】 商品登録が済んだ商品についての価格の変更を行えることが望まれていた。
【解決手段】 実施形態の商品販売データ処理装置は、選択手段1、決定手段1および更新手段1を含む。選択手段1は、売上登録が済んだ複数の商品のうちの1つを操作者の指示に応じて選択する。決定手段1は、変更後の価格を操作者の指示に応じて決定する。更新手段1は、前記選択手段1により選択された商品に関して登録済みの価格を前記決定手段1により決定された価格に更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置、商品販売データ処理プログラムおよび商品販売データ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
POSシステムなどにおいて、あらかじめ設定された価格とは異なる価格での商品登録は、商品登録に際して操作者によりなされる操作に応じて行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−62069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商品登録が済んでしまった商品に関する価格の変更は行えない。
【0005】
このような事情から、商品登録が済んだ商品についての価格の変更を行えることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の商品販売データ処理装置は、選択手段、決定手段および更新手段を含む。選択手段は、売上登録が済んだ複数の商品のうちの1つを操作者の指示に応じて選択する。決定手段は、変更後の価格を操作者の指示に応じて決定する。更新手段は、前記選択手段により選択された商品に関して登録済みの価格を前記決定手段により決定された価格に更新する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一実施形態に係るPOS端末装置のブロック図。
【図2】商品リストエリアの構造例を模式的に示す図。
【図3】PLUファイルの一例を模式的に示す図。
【図4】売上登録処理のフローチャート。
【図5】売変前の商品リストエリアの一例を示す図。
【図6】売変後の商品リストエリアの一例を示す図。
【図7】クラウドシステムを利用する決済システムの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下実施の形態の一例を図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、商品データ処理装置としてPOS(point-of-sale)端末装置を例に説明する。
【0009】
図1は本実施形態に係るPOS端末装置100の要部構成を示すブロック図である。
【0010】
このPOS端末装置100は、CPU(central processing unit)1、ROM(read-only memory)2、RAM(random-access memory)3、補助記憶ユニット4、時計ユニット5、モードスイッチ6、ドロワ開放ユニット7、入出力ポート(I/O)8、スキャナ9、スキャナコントローラ10、タッチセンサ11、タッチセンサコントローラ12、オペレータ用表示器13、表示コントローラ14、客面表示器15、表示コントローラ16、カードリーダ17、カードリーダコントローラ18、プリンタ19、プリンタコントローラ20および通信デバイス21を含む。これらの各部は、システムバス22にそれぞれ接続されている。
【0011】
CPU1は、ROM2およびRAM3に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、POS端末装置100としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
【0012】
ROM2は、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM2は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM2は、CPU1が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合も有る。
【0013】
RAM3は、CPU1が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM3は、CPU1が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。RAM3の記憶領域の一部は、商品リストエリアとして使用される。またRAM3は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合も有る。
【0014】
図2は商品リストエリアの構造例を模式的に示す図である。
【0015】
図2に示すように商品リストエリアには、PLU(price look up)コード、部門、品名、価格および数量の各情報を互いに関連付けて記憶するためのデータフィールドがそれぞれ複数づつ設けられる。かくして商品リストエリアには、PLUコードに対応して少なくとも部門、品名、価格および数量の各情報を記憶することができる。
【0016】
補助記憶ユニット4は、例えばハードディスクドライブやSSD(solid state drive)などであり、CPU1が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU1での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット4に記憶されるデータには、PLUファイルを含む。PLUファイルは、POS端末装置100が使用される店舗で販売または提供される商品(物品またはサービス)についての情報が記述されている。
【0017】
ROM2、RAM3または補助記憶ユニット4に記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する売上登録処理に関して記述した売上登録プログラムを含む。この売上登録プログラムがRAM3または補助記憶ユニット4に記憶される場合、POS端末装置100の譲渡は、一般的に売上登録プログラムがRAM3または補助記憶ユニット4に記憶された状態にて行われる。しかし、POS端末装置100を売上登録プログラムがRAM3または補助記憶ユニット4に記憶されない状態で譲渡されるとともに、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して上記の売上登録プログラムを譲渡され、この売上登録プログラムが上記の別途に譲渡されたPOS端末装置100のRAM3または補助記憶ユニット4に書き込まれても良い。
【0018】
図3はPLUファイルの一例を模式的に示す図である。
【0019】
図3に示すPLUファイルは、PLUコードに対応して少なくとも部門、品名および価格の各情報を含む。PLUコードは、商品のそれぞれに、それらを一意に識別可能なように付与されたコードである。部門は、関連付けられたPLUコードで識別される商品が属する部門の名称またはコードである。品名は、関連付けられたPLUコードで識別される商品の名称である。価格は、関連付けられたPLUコードで識別される商品の価格である。PLUファイルには、他の任意の情報を含むこともある。
【0020】
時計ユニット5は、定常的に計時動作を行い、日付および時刻を表した日時情報を生成する。
【0021】
モードスイッチ6は、特定の鍵によって回転可能な鍵穴の向きを検出し、その検出結果をモード信号として出力する。鍵穴の向きには業務モードがそれぞれ割り付けられており、モード信号はこれらの動作モードのいずれが選択されているかを示す信号となる。業務モードは、登録、点検および精算などの各モードを含む。ちなみに登録モードは、スキャナ9またはタッチセンサ11によりPLUコードが入力
されると、このPLUコードで識別される商品の販売または提供に係るデータ処理を行う。点検モードは、登録モードでの処理により生成された商品販売データから得られた売上集計データをレポート出力する。精算モードは、点検モードと同様に売上集計データをレポート出力した後に、この売上集計データをクリアする。
【0022】
ドロワ開放ユニット7は、ドロワを自動的に開放する。
【0023】
入出力ポート8は、モードスイッチ6が出力するモード信号をモードデータに変換してRAM3に書き込んだり、CPU1からドロワ開放が指示されたことに応じてドロワ開放ユニット7を駆動するための駆動信号をドロワ開放ユニット7に対して出力する。
【0024】
スキャナ9は、商品に印刷されたバーコードを読み取る。スキャナ9には、固定タイプおよびハンディタイプのいずれか、またはその双方を含み得る。
【0025】
スキャナコントローラ10は、CPU1の制御の下にスキャナ9の動作を制御するとともに、スキャナ9で生成されたスキャンデータをRAM3に書き込む。
【0026】
タッチセンサ11は、オペレータ用表示器13の表示面に積層配置されている。タッチセンサ11は、オペレータ用表示器13の表示画面へのユーザによるタッチがなされた際に、そのタッチ位置に応じた検出信号を出力する。タッチセンサコントローラ12は、タッチセンサ11から出力された検出信号に基づいて上記のタッチ位置を表す座標情報を求め、この座標情報をRAM3に書き込む。
【0027】
オペレータ用表示器13は、例えばLCD(liquid crystal display)であり、CPU1の制御の下に任意の画像を表示可能である。オペレータ用表示器13は、オペレータに対して提示するべき各種の情報を表した画像を表示するために利用される。
【0028】
表示コントローラ14は、CPU1の制御の下にオペレータ用表示器13の動作を制御する。
【0029】
客面表示器15は、例えばLCDや蛍光表示装置であり、CPU1の制御の下に任意の画像を表示可能である。客面表示器15は、客に対して提示するべき各種の情報を表した画像を表示するために利用される。
【0030】
表示コントローラ16は、CPU1の制御の下に客面表示器15の動作を制御する。
【0031】
カードリーダ17は、決済カードに記録されたカード情報を読み取る。なお、決済カードとは、現金によらずに決済を行うためのカードのことであり、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードおよび銀聯カードなどが含まれ得る。
【0032】
カードリーダコントローラ18は、CPU1の制御の下にカードリーダ17の動作を制御するとともに、カードリーダ17から出力されたカード情報をRAM3に書き込む。
【0033】
プリンタ19は、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどであり、レシートを印刷する。
【0034】
プリンタコントローラ20は、CPU1の制御の下にプリンタ19の動作を制御する。
【0035】
通信デバイス21は、LAN(local area network)やインターネットなどの通信ネットワーク101を介してサーバ102と通信する。
【0036】
サーバ102は、POS端末装置100が設置されているのと同じ店舗に備えられたいわゆる店舗サーバや、POS端末装置100が設置されているのと同じ店舗を含んだ複数の店舗を総括する本部に備えられたいわゆる本部サーバである。サーバ102は、POS端末装置100およびその他のPOS端末装置(図示せず)でそれぞれ生成された商品販売データを集計したり、各POS端末装置で使用するデータを管理する。サーバ102は、POS端末装置100およびその他のPOS端末装置に配信するためのPLUファイルおよびレート情報を保持している。
【0037】
次に以上のように構成されたPOS端末装置100の動作について説明する。
【0038】
図4はCPU1による売上登録処理のフローチャートである。鍵によって業務モードが登録モードに設定されたことがモードスイッチ6により検出されたことに応じて、CPU1は図4に示す処理を開始する。
【0039】
売上登録処理を開始するとCPU1は、ステップSa1およびステップSa2の待ち受け状態に入る。すなわちCPU1はステップSa1においてPLUコードが入力されたか否か確認する。CPU1はステップSa2において、実行すべき機能の指定がなされたか否かを確認する。そしてCPU1は、ステップSa1,Sa2のいずれかにおいてYESと判定できるまで、ステップSa1,Sa2を繰り返す。
【0040】
さて、商品のバーコードがスキャナ9により読み取られるか、あるいはタッチセンサ11にてPLUコードを入力するための操作がなされたならば、その入力されたPLUコードはスキャナコントローラ10またはタッチセンサコントローラ12によってRAM3に書き込まれる。そこでステップSa1においてCPU1は、例えば上記のようにして書き込まれたPLUコードがRAM3に書き込まれているか否かを確認することにより、PLUコードが入力されたか否かを判断する。そしてPLUコードの入力がなされたことを確認できたならば、CPU1はステップSa1からステップSa3へ進む。
【0041】
ステップSa3においてCPU1は、上記のようにRAM3に書き込まれたPLUコードが関連付けられた商品についての商品登録処理を行う。具体的にはCPU1は、入力されたPLUコードをRAM3から取得するとともに、当該PLUコードに関連付けられた情報を補助記憶ユニット4に記憶されたPLUファイルの中から取得する。そしてCPU1は、ここで取得したPLUコード、部門、品名および価格の各情報をRAM2の商品リストエリアに追加保存する。またこのときにCPU1は、同一データレコードの数量としては「1」を保存する。このように、通常のPLU入力に当たっては、PLUファイルに記述された価格が売価として登録されることになる。なお、PLUファイルがサーバ102にて記憶され、PLUコードに関連付けられた情報の取得がサーバ102にて行われても良い。また、価格の情報は、操作者による置数操作に応じてCPU1が決定しても良い。
【0042】
1つのPLUコードに関しての商品登録処理を終えたならばCPU1は、ステップSa4乃至ステップSa8の待ち受け状態に入る。すなわちCPU1はステップSa4において、PLUが入力されたか否かを確認する。CPU1はステップSa5において、数量が指定されたか否かを確認する。CPU1はステップSa6において、決済が要求されたか否かを確認する。CPU1はステップSa7において、登録済みの商品の1つが選択されたか否かを確認する。CPU1はステップSa8において、実行すべき機能の指定がなされたか否かを確認する。そしてCPU1は、ステップSa4〜Sa8のいずれかにおいてYESと判定できるまで、ステップSa4〜Sa8を繰り返す。なお、このステップSa4〜Sa8の待ち受け状態にあるときにCPU1は、上記の要求や指定を操作者に行わせるためのGUI(graphical user interface)画面をオペレータ用表示器13にて表示させる。具体的には例えば、GUI画面は、置数ボタン、登録済みの商品のリスト、小計ボタン、ならびに1つまたは複数の機能ボタンを含む。なお機能ボタンの1つは、売変ボタンである。
【0043】
新たにPLUが入力されたとステップSa4にて判定した場合にCPU1は、ステップSa3に戻り、その新たに入力されたPLUコードが関連付けられた商品に関する商品登録を前述と同様に行う。
【0044】
一方、機能ボタンをタッチする、あるいは機能指定用のバーコードをスキャナ9に読み取らせるなどにより実行すべき機能を指定する操作を操作者が行うと、CPU1はスキャナ9またはタッチセンサ11での入力情報に基づいて機能指定がなされたことをステップSa8において判定し、ステップSa9へ進む。なお、CPU1がステップSa1,Sa2の待ち受け状態にあるときに同様に機能指定がなされたならば、CPU1はそのことをステップSa2において判定し、ステップSa9へ進む。
【0045】
ステップSa9においてCPU1は、どの機能が指定されたのかを確認する。そしてCPU1は、指定された機能が売変であるならばステップSa10へ進み、売変以外の機能であるならば指定された機能に応じた処理へ進む。
【0046】
ステップSa10においてCPU1は、PLU10が入力されるのを待ち受ける。そしてPLUが入力されたとステップSa10にて判定した場合にCPU1は、ステップSa11へ進む。
【0047】
ステップSa11においてCPU1は、登録すべき売価を操作者による操作に基づいて決定する。
【0048】
ステップSa12においてCPU1は、今回入力されたPLUコードが関連付けられた商品についての商品登録処理を行う。この商品登録処理は、ステップSa3とほぼ同じであるが、売価としてPLUファイルに記述された価格ではなく、ステップSa11で決定した売価を登録する点がステップSa3とは異なる。そして商品登録処理を終えたならばCPU1は、ステップSa4〜Sa8の待ち受け状態に入る。
【0049】
かくして、「売変ボタンをタッチ」→「PLUを入力」→「売価を入力」のような操作が操作者により行われたならば、CPU1は操作者により入力された売価での商品登録を行う。この機能により、PLUファイルにて設定されている価格とは異なる売価で商品登録することが、すなわち売変が可能である。ただし、この機能では、操作者はPLUを入力する前に売変を指定しなければならず、PLUの入力後に売価を変更することはできない。
【0050】
さて、CPU1がステップSa4〜Sa8の待ち受け状態にあるときに、ユーザが例えば置数ボタンの操作などによって数量を指定したならば、CPU1はそのことをステップSa5にて判定し、ステップSa13へ進む。
【0051】
ステップSa13においてCPU1は、直前に入力されたPLUコードに関連付けて商品リストエリアに記述された数量を指定された数量に従って変更する。具体的には、直前に入力されたPLUコードに対応付けられた数量を、指定された数量から1つ減じた値を加算した値に変更する。そしてこののちにCPU1は、ステップSa4〜Sa8の待ち受け状態に戻る。
【0052】
CPU1がステップSa4〜Sa8の待ち受け状態にあるときに、ユーザが例えばGUI画面中のリストをタッチするなどによって登録済みの商品の1つを選択したならば、CPU1はステップSa7でYESと判定し、ステップSa14およびステップSa15の待ち受け状態に移行する。この待ち受け状態においてCPU1は、ステップSa14において置数が行われたか否かを判断し、ステップSa15において実行すべき機能の指定がなされたか否かを判断する。
【0053】
例えば削除などの機能を指定する操作が操作者によりなされたならば、CPU1はステップSa15でYESと判定し、指定された機能に応じた処理へ移行する。
【0054】
これに対して置数の操作が操作者によりなされたならば、CPU1はステップSa14でYESと判定し、ステップSa16へ進む。
【0055】
ステップSa16においてCPU1は、上記の操作により置数された数値を取り込む。 ステップSa17においてCPU1は、実行するべき機能が指定されるのを待ち受ける。そして機能を指定する操作が操作者によりなされたならば、CPU1はステップSa17でYESと判定し、ステップSa18へ進む。
【0056】
ステップSa18においてCPU1は、どの機能が指定されたのかを確認する。そしてCPU1は、指定された機能が売変であるならばステップSa19へ進み、売変以外の機能であるならば指定された機能に応じた処理へ進む。
【0057】
ステップSa19においてCPU1は、ステップSa7で選択された商品に関連付けて商品リストエリアに記述された価格をステップSa16で取り込んだ数値に更新する。すなわちCPU1は、ステップSa16で取り込んだ数値を変更後の価格として決定し、ステップSa7で選択された商品に関連付けて商品リストエリアに記述された価格をこの変更後の価格に更新する。なおCPU1は、割引率を指示する操作に応じて、その指示された割引率により既に登録されている価格を割り引く計算を行うことによって変更後の価格を決定しても良い。あるいはCPU1は、値引き額を指示する操作に応じて、その指示された値引き額を既に登録されている価格から差し引く計算を行うことによって変更後の価格を決定しても良い。そしてこののちにCPU1は、ステップSa4〜Sa8の待ち受け状態に戻る。
【0058】
かくして、「登録済みの商品の1つを選択」→「変更後の価格を置数」→「売変ボタンをタッチ」のような操作が操作者により行われたならば、CPU1は選択された商品について登録済みの売価を新たに指定された売価に変更する。すなわち、この売変機能を利用することで、登録済みの商品についての売価を後から変更することが可能である。
【0059】
具体的には、商品リストエリアが図5に示す状態であるときに、品名が「△△△」である商品を選択し、「280」を置数し、さらに売変ボタンをタッチする操作を操作者が行ったならば、CPU1は商品リストエリアを図6に示すように更新する。
【0060】
小計ボタンへのタッチなどにより決済を要求する操作が操作者によりなされたならば、CPU1はステップSa6でYESと判定し、ステップSa20へ進む。
【0061】
ステップSa20においてCPU1は、買上金額を算出するなどの周知の決済処理を行う。
【0062】
ステップSa21においてCPU1は、商品リストエリアをクリアする。こののちにCPU1は、ステップSa1,Sa2の待ち受け状態に戻る。
【0063】
かくして、登録済みの商品についての売変は、決済が要求されるまでの間の任意のタイミングにおいて行うことができる。
【0064】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0065】
キャッシュレジスタなどのような別のタイプの商品販売データ処理装置においても、上記実施形態の技術思想を適用することが可能である。
【0066】
このような決済システムの実現には、クラウドコンピューティングを利用できる。より具体的には、software as a service(SaaS)と称されるソフトウェア提供形態が適する。
【0067】
図7はクラウドシステムを利用する決済システム200の構成を示す図である。
【0068】
この決済システム200は、クラウド31、複数の端末装置32および複数の通信ネットワーク33を含む。なお、端末装置32および通信ネットワーク33は、それぞれ1つのみでも良い。
【0069】
クラウド31はさらに、複数のサーバ装置31aを含む。これら複数のサーバ装置31aは互いに通信可能に構成される。ただしサーバ装置31aは、1つのみであっても良い。
【0070】
端末装置32は、通信ネットワーク33を介してクラウド31と通信可能である。端末装置32としては、デスクトップタイプやノートブックタイプなどの種々のコンピュータ、携帯電話装置、携帯情報端末(PDA)、あるいはスマートフォンなどを適宜に利用できる。通信ネットワーク33としては、インターネット、プライベートネットワーク、次世代ネットワーク(NGN)、あるいはモバイルネットワークなどを適宜に利用できる。
【0071】
そして決済システム200は、操作者による操作の入力と、その内容を判断する処理については端末装置32にて実行するが、その他の処理については主としてクラウド31において実行する。ただし、操作者による操作の入力と、その内容を判断する処理以外の処理の一部を端末装置32にて実行しても良い。
【0072】
クラウド31にて実行する処理については、それらの処理を単一のサーバ装置31aにおいて実行しても良いし、複数のサーバ装置31aにおいて分散処理しても良い。
【0073】
端末装置32で実行すべき処理を端末装置32が有するコンピュータに実行させるためのプログラムを予め端末装置32が有する記憶ユニットに記憶させておいても良いし、上記のプログラムをクラウド31が有する記憶ユニットに記憶しておき、必要に応じてクラウド31から端末装置32へと与えるようにしても良い。上記のプログラムをクラウド31から端末装置32へと与える場合には、サーバ装置31aのうちの少なくとも1つに、上記のプログラムを端末装置32へと送信する機能を備える。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4…補助記憶ユニット、5…時計ユニット、6…モードスイッチ、7…ドロワ開放ユニット、8…入出力ポート、9…スキャナ、10…スキャナコントローラ、11…タッチセンサ、12…タッチセンサコントローラ、13…オペレータ用表示器、14…表示コントローラ、15…客面表示器、16…表示コントローラ、17…カードリーダ、18…カードリーダコントローラ、19…プリンタ、20…プリンタコントローラ、21…通信デバイス、22…システムバス、31…クラウド、31a…サーバ装置、32…端末装置、33…通信ネットワーク、100…端末装置、101…通信ネットワーク、102…サーバ、200…決済システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
売上登録が済んだ複数の商品のうちの1つを操作者の指示に応じて選択する選択手段と、
変更後の価格を操作者の指示に応じて決定する決定手段と、
前記選択手段により選択された商品に関して登録済みの価格を前記決定手段により決定された価格に更新する更新手段とを具備した商品販売データ処理装置。
【請求項2】
記憶デバイスと、
商品の識別情報を取得する第1の取得手段と、
前記商品の価格を取得する第2の取得手段と、
決済が指示されるまでの間に前記第1および第2の取得手段により取得された前記識別情報および前記価格のそれぞれを、同一の前記商品に関するものどうしを互いに関連付けて記憶するように前記記憶デバイスを制御する制御手段と、
前記記憶デバイスに記憶された前記識別情報のうちの1つを操作者の指示に応じて選択する選択手段と、
変更後の価格を前記操作者の指示に応じて決定する決定手段と、
前記選択手段により選択された前記識別情報に関連付けて前記記憶デバイスに記憶された価格を前記決定手段により決定された価格に更新する更新手段とを具備した商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記選択手段は、
前記操作者が前記記憶デバイスに記憶された前記識別情報のうちの1つを指示するために行う操作を入力する第1の入力デバイスと、
前記第1の入力デバイスにより入力された操作に応じて前記記憶デバイスに記憶された前記識別情報のうちの1つを選択する手段とを具備し、
前記決定手段は、
前記操作者が前記変更後の価格を指示するために行う操作を入力する第2の入力デバイスと、
前記第2の入力デバイスにより入力された操作に応じて前記変更後の価格を決定する手段とを具備する請求項1または請求項2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
記憶デバイスと、前記記憶デバイスにアクセス可能なコンピュータとを備えた商品販売データ処理装置に適用されるものであり、
前記コンピュータを、
商品の識別情報を取得する第1の取得手段と、
前記商品の価格を取得する第2の取得手段と、
決済が指示されるまでの間に前記第1および第2の取得手段により取得された前記識別情報および前記価格のそれぞれを、同一の前記商品に関するものどうしを互いに関連付けて記憶するように前記記憶デバイスを制御する制御手段と、
前記サーバ装置に備えられ、前記記憶デバイスに記憶された前記識別情報のうちの1つを操作者の指示に応じて選択する選択手段と、
前記サーバ装置に備えられ、変更後の価格を前記操作者の指示に応じて決定する決定手段と、
前記選択手段により選択された前記識別情報に関連付けて前記記憶デバイスに記憶された価格を前記決定手段により決定された価格に更新する更新手段としてそれぞれ機能させる商品販売データ処理プログラム。
【請求項5】
サーバ装置と端末装置とを含み、
前記サーバ装置に設けられた記憶デバイスと、
前記端末装置に設けられ、商品の識別情報を取得する第1の取得手段と、
前記サーバ装置または前記端末装置に設けられ、前記商品の価格を取得する第2の取得手段と、
前記サーバ装置に設けられ、決済が指示されるまでの間に前記第1および第2の取得手段により取得された前記識別情報および前記価格のそれぞれを、同一の前記商品に関するものどうしを互いに関連付けて記憶するように前記記憶デバイスを制御する制御手段と、
前記サーバ装置に設けられ、前記記憶デバイスに記憶された前記識別情報のうちの1つを操作者の指示に応じて選択する選択手段と、
前記端末装置に設けられ、変更後の価格を前記操作者の指示に応じて決定する決定手段と、
前記サーバ装置に設けられ、前記選択手段により選択された前記識別情報に関連付けて前記記憶デバイスに記憶された価格を前記決定手段により決定された価格に更新する更新手段とを具備した商品販売データ処理システム。
【請求項6】
前記端末装置はコンピュータを含み、
前記サーバ装置は、前記第1の取得手段、前記第2の取得手段および前記決定手段の少なくとも1つとして前記コンピュータを機能させるためのプログラムを前記端末装置へ送信する手段をさらに含む請求項5に記載の商品販売データ処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−150755(P2012−150755A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10651(P2011−10651)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】