説明

商品販売データ処理装置およびプログラム

【課題】商品の売上を登録する作業中に商品マスタに登録されていない商品コードが読み取られた場合に、商品の売上を登録する作業の手を止めることなく、かつ商品情報の入力間違いが発生する危険性を回避して商品情報の追加を行う。
【解決手段】商品販売データ処理装置は、登録手段と、追加手段とを備え、登録手段は、商品マスタを参照して、入力された商品コードにより特定される商品の売上を登録する。追加手段は、商品マスタに未登録の商品がリンクコードを含む商品コードである場合、リンクコードにより特定されるリンク先情報とが対応付けて登録されたリンクマスタにおいて、未登録の商品コードに含まれるリンクコードと対応付けられたリンク先情報を商品情報として、商品マスタに追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
バーコードからスキャナにより読み取られたJANコードなどの商品コードまたはキーボード等からオペレータによりマニュアル入力された商品コードに基づいて、単品マスタファイルを検索し、商品コードが単品マスタファイルに予め登録されている場合、単品マスタファイルにおいて、商品コードと対応付けて登録された情報に基づいて商品の売上の登録を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、スキャナにより読み取られた商品コードまたはマニュアル入力された商品コードが単品マスタファイルに登録されていない場合、オペレータが商品コードにより特定される商品のリンク先を特定する上位コード(例えば、部門やクラスを特定する部門コードやクラスコードなど)や商品の単価などを入力して、単品マスタファイルに上位コードや商品の単価などを登録する必要がある。しかしながら、スーパーマーケットなどの迅速な取引入力が必要な場所において単品マスタファイルに登録されていない商品コードが読み取られた場合、オペレータが商品の売上を登録する作業の手を止めて上位コードや商品の単価などを入力しなければならない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の商品販売データ処理装置は、登録手段と、追加手段と、を備える。前記登録手段は、商品コードと当該商品コードにより特定される商品のリンク先を特定するリンクコードを含む商品情報とが対応付けて登録された商品マスタを参照して、入力された商品コードにより特定される商品の売上を登録する。前記追加手段は、前記入力された商品コードのうち前記商品マスタに未登録の商品コードが、当該未登録の商品コードにより特定される商品を販売する店舗において任意に設定されかつ前記リンクコードを含む所定の商品コードである場合、前記リンクコードと当該リンクコードにより特定されるリンク先のリンク先情報とが対応付けて登録されたリンクマスタにおいて、前記未登録の商品コードに含まれる前記リンクコードと対応付けられた前記リンク先情報を商品情報として、前記未登録の商品コードと対応付けて前記商品マスタに追加する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、チェックアウトシステムを示す斜視図である。
【図2】図2は、POS端末および読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、PLUファイルのデータ構成を例示する概念図である。
【図4】図4は、クラスファイルのデータ構成を示す概念図である。
【図5】図5は、CPUの機能構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、商品コードおよび商品情報の緊急追加処理を説明するための図である。
【図7】図7は、チェックアウトシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下では、チェックアウトシステムを例に本実施形態にかかる商品販売データ処理装置およびプログラムを図面を参照して説明する。チェックアウトシステムは、一取引にかかる商品の売上の登録、精算を行う商品販売データ処理装置としてのPOS(Point Of Sales)端末と、商品に添付されたバーコードや2次元コードなどのコードシンボルから商品コードを読み取るコード読取装置とを有する構成である。本実施形態は、スーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムへの適用例である。
【0007】
図1は、チェックアウトシステムを示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトシステム1は、一取引にかかる商品の登録、精算を行うPOS端末11を備える。POS端末11は、チェックアウト台51上のドロワ21上面に載置されている。ドロワ21は、POS端末11によって開放動作の制御を受ける。POS端末11の上面には、オペレータ(店員)によって押下操作されるキーボード22が配置されている。キーボード22を操作する店員から見てキーボード22よりも奥側には、店員に向けて情報を表示する表示デバイス23が設けられている。表示デバイス23は、その表示面23aに情報を表示する。表示面23aには、タッチパネル26が積層されている。表示デバイス23よりもさらに奥側には、顧客用表示デバイス24が回転自在に立設されている。顧客用表示デバイス24は、その表示面24aに情報を表示する。なお、図1に示す顧客用表示デバイス24は、表示面24aを図1中手前側に向けているが、表示面24aが図1中奥側に向くように顧客用表示デバイス24を回転させることによって、顧客用表示デバイス24は顧客に向けて情報を表示する。
【0008】
POS端末11が載置されているチェックアウト台51とL字を形成するようにして、横長テーブル状のカウンタ台151が配置されている。カウンタ台151の上面には、荷受面152が形成されている。荷受面152には、バーコードBCが付された商品Aを収納する買物カゴ153が載置される。買物カゴ153は、顧客によって持ち込まれる第1の買物カゴ153aと、第1の買物カゴ153aから読取装置101を挟んだ位置に位置付けられる第2の買物カゴ153bとに分けて考えることができる。
【0009】
カウンタ台151の荷受面152には、POS端末11とデータ送受信自在に接続された読取装置101が設置されている。読取装置101は、薄型矩形形状のハウジング102を備える。ハウジング102の正面には読取窓103が配置されている。ハウジング102の上部には、表示・操作部104が取り付けられている。表示・操作部104には、タッチパネル105が表面に積層された表示デバイス106が設けられている。表示デバイス106の右隣にはキーボード107が配設されている。キーボード107の右隣には、図示しないカードリーダのカード読取溝108が設けられている。店員から見て表示・操作部104の裏面左奥側には、顧客に向けて設けられる表示装置であり、顧客に対して情報を表示するための顧客用表示デバイス109が設置されている。顧客用表示デバイス109の表示面には、顧客用タッチパネル109aが積層されている。
【0010】
顧客によって持ち込まれた第1の買物カゴ153aには、一取引にかかる商品Aが収納されている。商品Aには、商品Aを特定する商品コード(コード情報)が符号化されたバーコードBCが貼付されている。商品Aは、オペレータの手によって第2の買物カゴ153bへと移動される。この移動過程で、バーコードBCが読取装置101の読取窓103に向けられる。この際、読取窓103の奥側に配置された撮像部164(図2参照)はバーコードBCを撮像する。読取装置101では、撮像部164により撮像された画像に含まれる商品Aに添付されたバーコードBCを検出してデコード(復号)することで、商品Aに対応した商品コードを読み取る。次いで、読取装置101は、読み取った商品コードをPOS端末11へ出力する。
【0011】
バーコードBCとして記述された商品コードは、商品Aを特定するために商品ごとに割り当てられたコードであり、一例として13桁の数字であるJANコードやインストアコードである。ここで、インストアコードは、当該インストアコードにより特定される商品Aを販売する店舗において任意に設定され、商品Aのリンク先であるリンククラスやリンク部門などを特定するクラスコードや部門コードなどのリンクコードや、商品Aの商品名称や、商品Aの価格など、商品に関わる商品情報を含む所定のコードである。なお、本実施形態ではコードシンボルとしてバーコードBCを例に説明するが、コードシンボルはQRコード(登録商標)等の二次元コードであってもよいことは言うまでもない。
【0012】
図2は、POS端末および読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末11は、情報処理を実行する情報処理部としてのマイクロコンピュータ60を備える。マイクロコンピュータ60は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU(Central Processing Unit)61に、ROM(Read Only Memory)62とRAM(Random Access Memory)63とがバス接続されて構成されている。
【0013】
POS端末11のCPU61には、前述したドロワ21、キーボード22、表示デバイス23、タッチパネル26、顧客用表示デバイス24がいずれも各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。これらは、CPU61による制御を受ける。
【0014】
キーボード22は、「1」、「2」、「3」…等の数字や「×」という乗算の演算子が上面に表示されているテンキー22d、仮締めキー22e、締めキー22f、および緊急追加宣言キー22gを含む。キーボード22は、テンキー22d、仮締めキー22e、締めキー22f、および緊急追加宣言キー22gによる店員の操作入力をCPU61へ出力する。キーボード22は、店員からの操作を受け付ける操作手段である。POS端末11では、CPU61の制御の下、店員により緊急追加宣言キー22gが押下された後、店員からの操作入力をキーボード22から受け付けることで、緊急追加する商品に関わる商品情報を取得する。具体的には、POS端末11は、緊急追加を行う商品の商品コード、商品名称、クラスコード、部門コード、税区分、単価、原価・値入率区分、原価・値入率、値入率上位参照などを取得する。
【0015】
POS端末11のCPU61には、HDD(Hard Disk Drive)64が接続されている。HDD64には、プログラムや各種ファイルが記憶されている。HDD64に記憶されているプログラムや各種ファイルは、POS端末11の起動時に、その全部又は一部がRAM63にコピーされてCPU61により順次実行される。HDD64に記憶されているプログラムの一例は、商品販売データ処理用のプログラムPRである。HDD64に記憶されているファイルの一例は、ストアコンピュータSCから配信されて格納されているPLUファイルF1とクラスファイルF2とがある。
【0016】
PLUファイルF1は、商品ごとにユニークに割り当てられた商品コードと対応付けて、当該商品コードにより特定される商品の商品名称、その商品のリンク先であるリンククラスおよび部門などを特定するクラスコードや部門コードなどのリンクコード、商品に課税される税の区分である税区分、単価、原価・値入率区分、原価・値入率、値入率上位参照などの商品に関わる商品情報が予め登録された商品マスタファイルである。すなわち、PLUファイルF1は、商品コードと対応付けて、リンクコードを含む商品情報が予め登録されている商品マスタである。
【0017】
図3は、PLUファイルのデータ構成を例示する概念図である。図3に例示したデータD1は、緊急追加ではなく、ストアコンピュータSCなどによって予め登録されている、本登録済みの登録データである。データD2は、緊急追加されている、緊急追加済みの登録データである。本登録済みのデータD1には、「商品コード」としての「AAAA」と、「商品名称」としての「BBBB」と、「クラスコード」としての「CCCC」、「部門コード」としての「DDDD」と、「税区分」としての「EEEE」、「単価」としての「FFFF」と、「原価・値入率区分」としての「GGGG」と、「原価・値入率」としての「HHHH」と、「値入率上位参照」としての「IIII」と、が登録されている。緊急追加済みのデータD2には、緊急追加にかかる情報として取得された、「商品コード」としての「aaaa」と、「商品名称」としての「bbbb」と、「クラスコード」としての「cccc」と、「部門コード」としての「dddd」、「税区分」としての「eeee」と、「単価」「原価・値入率区分」「原価・値入率」「値入率上位参照」としての「0」と、が登録されている。POS端末11では、読取装置101で読み取られた商品コードでPLUファイルF1に登録されているデータD1、データD2などを参照することで、読み取られた商品コードに対応した商品の売上を登録することができる。
【0018】
クラスファイルF2は、商品のリンク先であるリンククラスを特定するクラスコードと対応付けて、そのリンククラスの名称であるクラス名称、そのリンククラスの商品のリンク部門を特定する部門コード、税区分などのリンククラスに関連したリンク先情報が予め登録されたリンクマスタファイルである。
【0019】
図4は、クラスファイルのデータ構成を示す概念図である。図4に示すクラスファイルF2に記憶されたデータには、「クラスコード」としての「cccc」と、「クラス名称」としての「bbbb」と、「部門コード」としての「dddd」と、「税区分」としての「eeee」と、が予め登録されている。POS端末11では、読取装置101で読み取られた商品コードが、商品に関わる商品情報(クラスコードなど)を含むインストアコード(所定の商品コード)である場合に、クラスファイルF2に登録されているデータを参照することで、PLUファイルF1に対して、データD2を緊急追加することができる。なお、読取装置101で読み取られた商品コードが、クラスコードなどの商品情報を含むインストアコードでない場合には、POS端末11は、CPU61の制御の下、店員からの操作入力をキーボード22から受け付けることで、商品の緊急追加にかかる情報を取得するものとする。
【0020】
POS端末11のCPU61には、ストアコンピュータSCとデータ通信を実行するための通信インターフェース25が入出力回路(図示せず)を介して接続されている。ストアコンピュータSCは、店舗のバックヤード等に設置されている。ストアコンピュータSCのHDD(図示せず)には、POS端末11に配信されるPLUファイルF1およびクラスファイルF2が格納されている。また、ストアコンピュータSCは、POS端末11のHDD64が記憶するPLUファイルF1を通信インターフェース25を介して取得し、自らのHDDが格納しているPLUファイルF1と比較することで、POS端末11において緊急追加済みのデータD2(図3参照)を集計できる。また、ストアコンピュータSCは、この集計を店舗に設置されている全てのPOS端末11に対して行うことで、店舗全体のPOS端末11で緊急追加されたデータを集計できる。
【0021】
POS端末11のCPU61には、読取装置101との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース65が接続されている。したがって、接続インターフェース65は、読取装置101に接続している。また、POS端末11のCPU61には、レシートなどに印字を行うプリンタ66が接続されている。POS端末11は、CPU61の制御のもと、一取引の取引内容(精算金額や付与されたポイント)等をレシートに印字する。
【0022】
読取装置101も、マイクロコンピュータ160を備える。マイクロコンピュータ160は、CPU161にROM162とRAM163とがバス接続されて構成されている。ROM162には、CPU161によって実行されるプログラムが記憶されている。CPU161には、撮像部164、音声出力部165が各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。撮像部164、音声出力部165は、CPU161によって動作が制御される。表示・操作部104は接続インターフェース176を介してPOS端末11に接続されている。表示・操作部104はPOS端末11のCPU61によって動作が制御される。
【0023】
撮像部164は、CCDイメージセンサやCOMSイメージセンサなどであり、CPU161の制御の下で読取窓103からの撮像を行う。例えば撮像部164では30fpsの動画像の撮像を行う。撮像部164が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像はRAM163に保存される。音声出力部165は、予め設定された警告音などを発生するための音声回路とスピーカなどである。音声出力部165は、CPU161の制御の下で警告音などの音声による報知を行う。
【0024】
さらに、CPU161には、POS端末11の接続インターフェース65に接続して、POS端末11との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース175が接続されている。CPU161の制御の下、読取装置101の撮像部164によって撮像された画像から読み取られた商品コード等は、接続インターフェース175を介して出力され、接続インターフェース65を介してPOS端末11に入力される。
【0025】
次に、CPU161、CPU61がプログラムを順次実行することで実現されるCPU161、CPU61の機能部について、図5を参照して説明する。図5は、CPUの機能構成を示すブロック図である。図5に示すように、CPU161は、プログラムを順次実行することにより、撮像画像取込部1611、バーコード読取部1612、情報出力部1613としての機能を備える。同様に、CPU61は、売上登録部611、緊急追加部612としての機能を備える。
【0026】
撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164に撮像動作を開始させる。撮像画像取込部1611は、撮像動作開始後に撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像を順次取り込む。撮像画像取込部1611によるフレーム画像の取り込みは、RAM163に保存された順に行われる。
【0027】
バーコード読取部1612は、撮像画像取込部1611により取り込まれたフレーム画像に含まれるコードシンボルを検出し、そのコードシンボルに対応したJANコードやインストアコード等の商品コードを読み取る。具体的には、バーコード読取部1612は、取り込まれたフレーム画像を2値化した画像からパターンマッチング技術によるバーコードの検出や、所定のファインダパターンから二次元コードの検出などを行う。次いで、バーコード読取部1612は、検出したバーコードや二次元コードを所定の規則に従った商品コード(例えば、JANコードやインストアコード)に変換することで、検出したバーコードに対応した商品コードを読み取る。
【0028】
情報出力部1613は、バーコード読取部1612が読み取った商品コードを接続インターフェース175を介してPOS端末11へ出力する。
【0029】
売上登録部611は、読取装置101から入力された商品コードをもとにPLUファイルF1を参照することで、バーコード読取部1612により読み取られた商品Aを特定する。次いで、売上登録部611は、特定された商品Aの売上を登録する。売上登録部611は、一取引ごとにユニークな取引番号を割り当てて、商品Aの売上を登録する際にこの取引番号を付与する。売上登録部611による売上の登録は、商品コード、商品名称、単価、数量、日時、取引番号などの情報を売上マスタファイル(図示しない)などに記録して行う。
【0030】
緊急追加部612は、売上登録部611で商品Aが特定できなかった場合、すなわち、読取装置101から入力された商品コードのうちPLUファイルF1に未登録の商品コードが、クラスコードや部門コードなどリンクコードを含むインストアコード(所定の商品コード)である場合に、クラスファイルF2において、未登録の商品コードと対応付けられたリンク先情報を商品情報として、当該未登録の商品コードと対応付けてPLUファイルF1に緊急追加する。また、緊急追加部612は、読取装置101から入力された商品コードのうちPLUファイルF1に未登録の商品コードが当該未登録の商品コードにより特定される商品の価格を含むインストアコードである場合、当該未登録の商品コードに含まれる商品の価格をマスキングしてPLUファイルF1に緊急追加するものとする。
【0031】
具体的には、緊急追加部612は、読取装置101から入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」がPLUファイルF1に未登録であった場合、当該入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」の1桁目から2桁目までの2桁:「2C」がフラグ:「20」〜「29」であるか否かにより、当該入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」がクラスコードや部門コードなどのリンクコードを含むインストアコードであるか否かを判断する。つまり、緊急追加部612は、入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」がフラグ:「20」〜「29」で始まるインストアコードであるか否かを判断する。
【0032】
そして、緊急追加部612は、読取装置101から入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」がフラグ:「20」〜「29」で始まるインストアコードである場合、当該入力された商品コード「2CCCSSSPPPPPC/D」の2桁目から4桁目の3桁:「CCC」をクラスコードとして抽出する。次いで、緊急追加部612は、クラスファイルF2において、抽出したクラスコード:「CCC」と対応付けられたクラス名称、部門コード、および税区分などのリンク先情報を読み出す。そして、緊急追加部612は、読み出したリンク先情報を商品情報として、読取装置101から入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」と対応付けてPLUファイルF1に緊急追加する。なお、緊急追加部612は、読取装置101から入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」をPLUファイルF1に緊急追加する場合、PLUファイルF1において、当該入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」と対応付けられた単価、原価・値入率区分、および原価・値入率、値入率上位参照には「0」を緊急追加するものとする。
【0033】
そして、緊急追加部612は、抽出したクラスコード:「CCC」を、読取装置101から入力された商品コードと対応付けてPLUファイルF2に緊急追加する。また、緊急追加部612は、読取装置101から入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」の7桁目から11桁目の5桁:「PPPPP」を商品の価格として抽出する。そして、緊急追加部612は、抽出した商品の価格が「0円」でない場合、つまり、読取装置101から入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」に商品の価格が含まれている場合、緊急追加部612は、当該入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」の7桁目から11桁目の5桁:「PPPPP」をマスキング(例えば、「00000」にする)してPLUファイルF1に緊急追加する。
【0034】
図6は、商品コードおよび商品情報の緊急追加処理を説明するための図である。緊急追加部612は、読取装置101から入力された商品コードがPLUファイルF1に未登録であり、かつ当該入力された商品コードにクラスコードが含まれている場合、当該入力された商品コードに含まれる商品の価格をマスキングしたものを、商品コードとしてPLUファイルF1に緊急追加する。また、緊急追加部612は、クラスファイルF2において、読取装置101から入力された商品コードに含まれるクラスコード、当該クラスコードと対応付けられたクラス名称、部門コード、税区分などのリンク先情報を商品情報としてPLUファイルF1に緊急追加する。より具体的には、緊急追加部612は、クラスファイルF2から読み出したクラス名称を商品名称として緊急追加する。また、緊急追加部612は、入力された商品コードに含まれるクラスコードやクラスファイルF2から読み出したリンク部門および税区分を、PLUファイルF1に緊急追加する。さらに、緊急追加部612は、PLUファイルF1の単価、原価・値入率区分、および原価・値入率、値入率上位参照には「0」を緊急追加する。
【0035】
なお、読取装置101から入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」の5桁目から7桁目の3桁:「SSS」は、商品名称である。また、読取装置101から入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」の「C/D」は、チェックデジットである。
【0036】
また、緊急追加部612は、読取装置101から入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」がPLUファイルF1に未登録であり、かつ当該入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」に含まれるクラスコード:「CCC」がクラスファイルF2に未登録である場合、当該入力された商品コード:「2CCCSSSPPPPPC/D」のPLUファイルF1への緊急追加を中止する。
【0037】
なお、緊急追加部612は、読取装置101から入力された商品コードがクラスコードや部門コードなどのリンクコードを含むインストアコードでない場合、商品コードおよび商品情報の緊急追加を行わない。そして、POS端末11は、上述したように、店員により緊急追加宣言キー22gが押下された後、店員からの操作入力をキーボード22から受け付けることで商品情報を取得し、読取装置101から入力された商品コードおよび取得した商品情報をPLUファイルF1に追加する標準の緊急追加機能を行うものとする。
【0038】
次に、チェックアウトシステム1の動作について詳細に説明する。図7は、チェックアウトシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0039】
先ず、読取装置101側の動作について説明する。図7に示すように、POS端末11による商品登録の開始などに応じて処理が開始されると、撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164による撮像を開始する(ステップS701)。次いで、撮像画像取込部1611は、撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像(撮像画像)を取り込む(ステップS702)。
【0040】
次いで、バーコード読取部1612は、撮像画像取込部1611により取り込まれたフレーム画像に含まれるバーコードを検出し(ステップS703)、検出したバーコードに対応した商品コードを読み取る(ステップS704)。
【0041】
次いで、情報出力部1613は、バーコード読取部1612が読み取った商品コードを接続インターフェース175を介してPOS端末11へ出力する(ステップS705)。次いで、CPU161は、POS端末11から商品登録の終了通知などによる業務終了の有無を判定する(ステップS706)。業務を継続する場合(ステップS706:No)、CPU161は、ステップS702へ処理を戻して処理を継続させる。業務を終了する場合(ステップS707:Yes)、撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オフ信号を出力して撮像部164による撮像を終了し(ステップS707)、処理を終了する。
【0042】
次に、POS端末11側の動作について説明する。図7に示すように、キーボード22の操作指示による商品登録の開始などに応じて処理が開始されると、CPU61は、読取装置101がバーコードBCを読み取って出力してきた商品コードを接続インターフェース65を介して受信する(ステップS708)。次いで、売上登録部611は、読取装置101から出力された商品コードをもとにPLUファイルF1を参照し、特定された商品Aの売上を登録する(ステップS709)。
【0043】
次いで、緊急追加部612は、読取装置101から出力された商品コードがPLUファイルF1に未登録であるか否かを判定する(ステップS710)。商品コードがPLUファイルF1に登録されている場合(ステップS710:No)、CPU61は、読取装置101から入力された商品コードをもとに商品Aの売上が登録されたことから、ステップS711〜S714の処理を行うことなく、ステップS715へ処理を進める。
【0044】
商品コードが未登録である場合(ステップS710:Yes)、緊急追加部612は、読取装置101から入力された商品コードが、クラスコードを含むインストアコードであるか否かを判断する(ステップS711)。そして、読取装置101から入力された商品コードがクラスコードを含むインストアコードであると判断された場合(ステップS711:Yes)、緊急追加部612は、クラスファイルF2において、読取装置101から入力された商品コードに含まれるクラスコードと対応付けられたリンク先情報を商品情報として、当該入力された商品コードと対応付けてPLUファイルF1に緊急追加する(ステップS712)。一方、読取装置101から入力された商品コードがクラスコードを含むインストアコードでない場合(ステップS711:No)、緊急追加部612は、緊急追加宣言キー22gおよびキーボード22からの操作入力に応じて、読取装置101から入力された商品コードおよびキーボード22から取得した商品情報をPLUファイルF1に追加する標準の緊急追加を行う(ステップS714)。その後、売上登録部611は、緊急追加されたデータ(例えば、図3のデータD2)により、商品Aの売上を登録する(ステップS713)。
【0045】
次いで、CPU61は、キーボード22の操作指示による商品登録の終了などによる業務終了の有無を判定する(ステップS715)。業務を継続する場合(ステップS715:No)、CPU61は、ステップS708へ処理を戻して処理を継続させる。業務を終了する場合(ステップS715:Yes)、CPU61は処理を終了する。
【0046】
このように、本実施形態にかかるPOS端末11によれば、商品コードと、当該商品コードにより特定される商品のリンククラスを特定するクラスコードを含む商品情報が予め登録されたPLUファイルF1を参照して、入力された商品コードにより特定される商品の売上を登録する売上登録部611と、入力された商品コードがPLUファイルF1に未登録でありかつ入力された商品コードがクラスコードを含む所定の商品コードである場合、クラスファイルF2において、入力された商品コードに含まれるクラスコードと対応付けられたリンク先情報を商品情報として、入力された商品コードと対応付けてPLUファイルF1に追加する緊急追加部612と、を備えることにより、入力された商品コードがPLUファイルF1に登録されていない場合、オペレータが商品情報を入力する必要がなくなるので、商品の売上を登録する作業中にPLUファイルF1に登録されていない商品コードが読み取られた場合に、商品の売上を登録する作業の手を止めることなく、かつ商品情報の入力間違いが発生する危険性を回避して商品情報の追加を行うことができる。
【0047】
なお、本実施形態の読取装置101およびPOS端末11で実行されるプログラムは、ROM162,HDD64に予め組み込まれて提供されるが、これに限定するものではなく、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0048】
さらに、本実施形態の読取装置101およびPOS端末11で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の読取装置101およびPOS端末11で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0049】
11 POS端末
61 CPU
64 HDD
611 売上登録部
612 緊急追加部
F1 PLUファイル
F2 クラスファイル
PR プログラム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特開平5−114082号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品コードと当該商品コードにより特定される商品のリンク先を特定するリンクコードを含む商品情報とが対応付けて登録された商品マスタを参照して、入力された商品コードにより特定される商品の売上を登録する登録手段と、
前記入力された商品コードのうち前記商品マスタに未登録の商品コードが、当該未登録の商品コードにより特定される商品を販売する店舗において任意に設定されかつ前記リンクコードを含む所定の商品コードである場合、前記リンクコードと当該リンクコードにより特定されるリンク先のリンク先情報とが対応付けて登録されたリンクマスタにおいて、前記未登録の商品コードに含まれる前記リンクコードと対応付けられた前記リンク先情報を前記商品情報として、前記未登録の商品コードと対応付けて前記商品マスタに追加する追加手段と、
を備えた商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記追加手段は、前記未登録の商品コードが、20〜29の2桁で始まりかつ2桁目から4桁目に前記リンクコードを含むインストアコードである前記所定の商品コードである場合、前記リンクマスタにおいて、前記未登録の商品コードに含まれる前記リンクコードと対応付けられた前記商品情報を、前記未登録の商品コードと対応付けて前記商品マスタに追加する請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記追加手段は、前記未登録の商品コードが前記所定の商品コードでありかつ前記未登録の商品コードにより特定される商品の価格を含む場合、前記未登録の商品コードに含まれる前記価格をマスキングして前記商品マスタに追加する請求項1または2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記追加手段は、前記未登録の商品コードに含まれる前記リンクコードが前記リンクマスタに未登録であった場合、前記未登録の商品コードの前記商品マスタへの追加を中止する請求項1から3のいずれか一に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
コンピュータを、
商品コードと当該商品コードにより特定される商品のリンク先を特定するリンクコードを含む商品情報とが対応付けて登録された商品マスタを参照して、入力された商品コードにより特定される商品の売上を登録する登録手段と、
前記入力された商品コードのうち前記商品マスタに未登録の商品コードが、当該未登録の商品コードにより特定される商品を販売する店舗において任意に設定されかつ前記リンクコードを含む所定の商品コードである場合、前記リンクコードと当該リンクコードにより特定されるリンク先のリンク先情報とが対応付けて登録されたリンクマスタにおいて、前記未登録の商品コードに含まれる前記リンクコードと対応付けられた前記リンク先情報を前記商品情報として、前記未登録の商品コードと対応付けて前記商品マスタに追加する追加手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
前記追加手段は、前記未登録の商品コードが、20〜29の2桁で始まりかつ2桁目から4桁目に前記リンクコードを含むインストアコードである前記所定の商品コードである場合、前記リンクマスタにおいて、前記未登録の商品コードに含まれる前記リンクコードと対応付けられた前記商品情報を、前記未登録の商品コードと対応付けて前記商品マスタに追加する請求項5に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−215970(P2012−215970A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79400(P2011−79400)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】