商品販売データ処理装置
【課題】レシートの受取を希望しない客に対してレシート発行を行うと、客に渡されることなく廃棄されるため、無駄な紙の消費となる。
【解決手段】個人を識別する識別情報とレシート発行の要否を示す発行条件とを対応付けて記憶する記憶部と、前記識別情報を取得する取得部と、この取得部により取得された識別情報が前記記憶部に記憶されているかを判定する第1の判定部と、この第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件に応じてレシートを発行又は非発行とする発行制御部と、を備え、発行制御部は、第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合かつ、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件が要の場合に、レシートを印字発行する。
【解決手段】個人を識別する識別情報とレシート発行の要否を示す発行条件とを対応付けて記憶する記憶部と、前記識別情報を取得する取得部と、この取得部により取得された識別情報が前記記憶部に記憶されているかを判定する第1の判定部と、この第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件に応じてレシートを発行又は非発行とする発行制御部と、を備え、発行制御部は、第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合かつ、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件が要の場合に、レシートを印字発行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、レシート印字発行が可能な商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バーコードスキャナ等により商品登録がされた商品名やその単価などの商取引情報をレシートに印字発行するPOS端末等の商品販売データ処理装置が広く知られている。これらのPOS端末は、一般的に一商取引が終了した後に、その都度、一商取引に係るレシートを発行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−76257公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、お客によっては、発行されたレシートの受け取りを希望しない者も存在する。この場合、発行されたレシートは、お客に渡されることなく廃棄されることとなるため、無駄な紙の消費となってしまう。また、店員においては、発行されたレシートの受け取りを希望するか否かお客に確認する必要が生ずるため、余計な負担がかかるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の商品販売データ処理装置は、1商取引毎に販売登録された販売データをレシート用紙に印字する印字部を有する商品販売データ処理装置において、個人を識別する識別情報とレシート発行の要否を示す発行条件とを対応付けて記憶する記憶部と、前記識別情報を取得する取得部と、この取得部により取得された識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを判定する第1の判定部と、この第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件に応じてレシートを発行又は非発行とする発行制御部と、を備え、前記発行制御部は、前記第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合であって、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件が要である場合に、レシートを印字発行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本実施形態のPOS端末の外観を示す図。
【図2】本実施形態のPOS端末の電気的接続を示すブロック図。
【図3】本実施形態の商品マスタファイルを示す図。
【図4】本実施形態の会員マスタファイルを示す図。
【図5】本実施形態の会員マスタファイルの具体的データ構造を示す図。
【図6】本実施形態のRAMに形成される主要なメモリエリアを示す図。
【図7】本実施形態のRAMに形成されるレシート発行テーブルを示す図。
【図8】本実施形態のPOS端末のCPU11が実行するレシート発行処理の処理を示すフローチャート。
【図9】本実施形態のPOS端末のCPU11が実行するレシート発行処理の処理を示すフローチャート。
【図10】図8、9のフローチャートによるレシート発行・非発行の結果を纏めた対応表
【図11】本実施形態のPOS端末のCPU11が実行するレシート発行処理の処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置を詳細に説明する。本実施形態は、一例としてレシートプリンタを備えたPOS(Point Of Sales)端末に適用したものである。なお、本実施形態に係る商品販売データ処理装置は、POS端末単体のみで構成される形態やストアサーバ等とネットワーク接続されたPOS端末の形態を含む。
【0008】
図1は、POS端末1を示す外観斜視図である。POS端末1は、店舗のレジカウンタに載置されたドロワ17の上に載置されており、ドロワ17の引出しの開放動作を制御する。
【0009】
POS端末1の上面には、情報を表示する表示部としてオペレータ用表示器27と客用表示器28とが立設されている。オペレータ用表示器27の画面上には、タッチパネル32が積層配置されている。タッチパネル32は、オペレータ用表示器27の表示内容に従った情報入力をPOS端末1のオペレータに行わせるための入力部として機能する。入力する内容としては、例えば、顧客コードなどがある。
【0010】
図1に示すオペレータ用表示器27の左側には、レシートプリンタ29が設けられている。レシートプリンタ29は、キャッシャから顧客に手渡されるレシートRTを印刷発行する。
【0011】
オペレータ用表示器21の手前側(下側)には、POS端末1に情報を入力するためのキーボード26が設けられている。キーボード26は、例えば、上面に数字が印字された数字を入力するためのテンキー、上面に「小計」と印字された仮締めキー、上面に「預/現計」と印字された締めキー等を含んでいる。
【0012】
キーボード26の右側には、会員カードやクレジットカード等の磁気カードから情報を読み取るためのカードリーダ30が設けられている。このカードリーダ30には、カード読取溝110が設けられている。カード読み取りの際は、店員等がこのカード読取溝110に沿って磁気カードをスライドさせることにより磁気カードの磁気ストライプに記憶されている情報が読取される。カードリーダ30は会員カードの磁気ストライプに記憶されている顧客コードのデータを取得し、POS端末1のCPU11(図2参照)に出力する。したがって、カードリーダ30は、タッチパネルと同様に顧客コードである会員IDの入力を許容する入力部として機能する。
【0013】
なお、会員IDを入力する入力部は、カードリーダ30に限られることはなく、例えば、操作者がキーボードに設けられた数値キーを置数することにより、所定の会員番号(会員ID)等の会員情報を入力するものであってもよいし、バーコードスキャナにより会員情報が記憶されているバーコード等をスキャン操作して会員番号を取得するものであってもよい。また、予め定められた会員識別用の会員番号を記憶したICチップを有する無線タグと更新するRFIDリーダライタにより入力するものであってもよい。
【0014】
また、POS端末1には、商品に付されているバーコードや二次元コード等のコードシンボルを読み取る読取部としてのコードリーダ31が接続される。本実施の形態のコードリーダ31は、バーコードや二次元コードの読み取りにも対応可能である。コードリーダ31は、読取口を有し、この読取口の前面に形成される読取空間に所定パターンの可視光半導体レーザを照射して、そのコードシンボルから読み取れる情報(例えば、商品を特定する商品コード)を取得し、POS端末1のCPU11(図2参照)に出力する。商品コードは、例えばJAN等の1次元バーコードの形態で商品の包装等に印刷されている。
【0015】
また、このようなPOS端末1には、ネットワーク回線を介して外部機器とデータ通信を実行するための通信インターフェース19(図2参照)も内蔵されている。
【0016】
図2はPOS端末1の要部構成を示すブロック図である。このPOS端末1は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)11を搭載している。そしてこのCPU11に、アドレスバス,データバスなどのバスライン12を介して、読取り専用メモリであるROM(Read Only Memory)13、書換え可能な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)14、読み書き自在な揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)15、現在の日時を計時する時計部16,ドロワ17に駆動信号を出力するI/Oポート18の他、通信インターフェイス19,キーボードコントローラ20,第1の表示コントローラ21,第2の表示コントローラ22,プリンタコントローラ23,カードリーダコントローラ24,スキャナインターフェイス25等が接続されている。
【0017】
キーボードコントローラ20は、キーボードの操作キーに対応したキー信号を取り込むもので、このキーボードコントローラ20には、置数キー,PLUキー,小計キー,預/現計キー等が配設されたPOS端末専用のキーボード26に接続されている。
【0018】
第1及び第2の表示コントローラ21,22は、ディスプレイの駆動を制御して表示データに対応する画面を表示させるもので、第1の表示コントローラ21にはオペレータに対する画面を表示するためのオペレータ用ディスプレイ27が接続されており、第2の表示コントローラ22には客に対する画面を表示するための客用ディスプレイ28が接続されている。
【0019】
プリンタコントローラ23は、プリンタの駆動を制御して印字データを記録紙に印字させるもので、このプリンタコントローラ23には、商取引毎にその商取引に関する種々の情報をレシート用紙に印字してレシートを発行するためのプリンタ29が接続されている。
【0020】
カードリーダコントローラ24は、カードリーダで読み取られたカードデータを取り込むもので、このカードリーダコントローラ24には、会員カードに記憶された会員コード等のカードデータを読取ることが可能なカードリーダ30が接続されている。
【0021】
スキャナインターフェイス25は、スキャナで読み取られたデータを取り込むもので、このスキャナインターフェイス25には、商品に付されたバーコードを読取ることが可能なスキャナ31が接続されている。
【0022】
通信インターフェイス19は、通信回線を介して接続される外部機器との間で行うデータ通信を制御するもので、この通信インターフェイス19には、商品マスタファイル81,会員マスタファイル83をPOS端末1からアクセス自在に記憶管理しているストアサーバ8が接続されている。なお、このストアサーバ8に代えてPOS端末に内蔵されるHDD32をストアサーバ8の代わりとして構成することもできる。
【0023】
商品マスタファイル81には、図3に示すように、商品コード,分類コード,商品名,単価,売上点数,売上金額等の項目情報からなる商品情報レコードが、店で販売されている商品数分、蓄積保存されている。商品コードは、各商品に対して設定された商品固有の識別コードであって、各商品には商品コードがバーコードの形態で記録されている。分類コードは、対応する商品コードによって特定される商品が属する商品分類を識別するためのコードである。商品名及び単価は、対応する商品コードによって特定される商品の品名及び単位数量あたりの価格である。
【0024】
会員マスタファイル83には、図4に示すように、会員ID、会員名、レシート発行情報、ポイント等の項目情報からなる会員情報レコードが、会員の人数分、蓄積保存されている。会員IDは、各会員に対して設定された会員固有の識別コードであって、当該会員が有する会員カードに記録されている。会員名は、対応する会員IDによって特定される会員の氏名である。ランクは対応する会員IDによって特定される会員の売上実績に応じて設定されるランクである。ポイントは、対応する会員IDによって特定される会員が獲得したポイントの累計値である。レシート発行情報とは、商品購入時に発行されるレシートを一商取引毎に発行又は非発行とするかを決定する情報であって、予め会員毎に独自にそれぞれ割り当てられているものである。
【0025】
会員マスタファイル83について図5を用いて詳述する。会員マスタファイル83は、会員IDとレシート発行情報とが対応付けて記憶されている。例えば、会員ID“xx0001”には、レシート発行情報が“発行”と対応付けれ設定されている。この場合、、レシート発行情報が“発行”とされている会員ID“xx0001”の会員に対しては、原則として商品購入後にレシート発行が行われる。また、会員ID“xx0002”には、レシート発行情報が“非発行”と設定されているため、原則として、会員ID“xx0002”のお客に対しては商品購入後のレシート発行は行われない。このように、各会員IDに対応付けてレシート発行の有無が記憶されている。なお、これらのストアサーバ8に記憶されている商品マスタ81、会員マスタ83は必ずしもストアサーバ8に記憶されている必要はなく、例えば、HDD32等に記憶されていてもよい。
【0026】
また、RAM15には、図6に示すように、取引明細バッファ151、レシート印字バッファ152、レシート発行テーブル153等が形成されている。
図7は、RAM15に形成されるレシート発行テーブル153のデータテーブルを示す図である。このレシート発行テーブル153には会員フラグF1、会員ID、発行フラグF2がそれぞれ記憶される。
【0027】
図8及び図9は、POS端末1のCPU11が実行するレシート発行処理の処理を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って処理を説明する。
【0028】
まず、CPU11は、初期化処理として、RAM15に形成されているレシート発行テーブルの会員フラグF1を“0”にセットする(Act801)。
【0029】
そして、会員情報の入力の有無を待機する(Act802)。本実施形態での会員情報の入力は、POS端末1が有するカードリーダ30のスライド溝を会員情報が記憶されている磁気カードをスライド操作することにより行われる。
【0030】
なお、会員情報の入力はカードリーダ30以外にも実現することが可能であり、例えば、操作者がキーボードに設けられた数値キーを置数することにより、所定の会員番号等の会員情報を入力するものであってもよいし、バーコードスキャナにより会員情報が記憶されている会員カード等をスキャン操作して会員番号を取得するものであってもよい。また、予め定められた会員識別用の会員番号を記憶したICチップを有する無線タグと更新するRFIDリーダライタにより入力するものであってもよい。
【0031】
CPU11は、会員情報の入力があったと判断した場合(Act802のYes)、RAM15に形成されているレシート発行テーブル153に会員フラグF1を“1”として設定する(Act803)。また、CPU11は、ストアサーバ8の会員マスタ83から会員IDを取得してRAM15のレシート発行テーブル153に会員IDを記憶する。
【0032】
次に、CPU11は、スキャナ31による商品に付されたバーコードのスキャニングあるいはキーボードのキー操作入力により商品コードの入力を検出すると(Act804のYes)、入力された商品コードによりストアサーバ8に対して問い合わせを行う。そして、ストアサーバ8の商品マスタ81からこの商品コードに対応して設定されている分類コード、商品名、単価等の商品情報を取得し、取得したこれらの商品情報をRAM15に形成されている取引明細バッファ151に記憶する(Act805)。
【0033】
次に、CPU11は、小計キーの入力の有無を検知する(Act806)。すなわち、店員により小計キーが押下されたか否かを検知する。小計キーの入力無しを判断した場合は(Act806のNo)、再びAct804の処理に戻り商品コードの入力を待機する(Act804)。このようにして、CPU11は、小計キーが操作入力されるまでは、スキャナ31等から商品コードが入力される毎に、Act804からAct805の処理を繰り返し実行して商品登録処理を実行する。
【0034】
次に、CPU11は、小計キー11が入力されたことを検知すると(Act806のYes)、RAM15のレシート発行テーブル153の会員フラグF1が“1”であるか否かを判定する(Act807)。すなわち、お客が会員であるかどうかを判定する。
【0035】
なお、小計キーが操作入力されたことを検知した場合(Act806のYes)、CPU11は一商取引の小計金額を算出し、算出した金額をオペレータ用ディスプレイと客用ディスプレイとに表示させる。
【0036】
図8の説明に戻る。CPU11は、Act807にて会員フラグF1が“1”であると判定した場合(Act807のYes)、RAM15に形成されているレシート発行テーブル153の会員IDで、この会員IDに対応付けられているレシート発行情報を会員マスタ83から読み出す(Act808)。そして、この読み出したレシート発行情報が“発行”又は“非発行”であるかを判定する(Act809)。ここで、レシート発行情報が“発行”である場合は(Act809のYes)、RAM15のレシート発行テーブル153に、発行フラグF2を“1”に設定する(Act810)。一方、レシート発行情報が“非発行”である場合は(Act809のNo)、発行フラグF2を“0”に設定する(Act817)。
【0037】
例えば、先のAct803における処理により、RAM15のレシート発行テーブル153に会員フラグF1が“1”、会員ID“xx0001”、がそれぞれ記憶されている場合、CPU11は、会員ID“xx0001”に対応するレシート発行情報をストアサーバ8の会員マスタ83に問い合わせる。ストアサーバ8の会員マスタ83には会員ID“xx0001”に対応するレシート発行情報として“発行”が記憶されているため(図5参照)(Act809のYes)。CPU11は、会員ID“xx0001”に対応するレシート発行情報として“発行”を取得し、レシート発行テーブルの発行フラグF2を“1”に設定する(Act810)。
【0038】
次に、CPU11は、予め定められた時間、すなわち所定時間内にレシート発行キー又はレシート非発行キーが操作入力されることを待機する(Act811)。レシート発行キー及びレシート非発行キーは客用ディスプレイ28の表示面に表示される。そして、レシート発行キーが操作入力されたことを検知した場合(Act811の発行)、発行フラグF2を“1”に設定する(Act812)。なお、先のAct810までの処理にて、レシート発行テーブルに会員フラグ“1”、会員ID“xx0001”が記憶されている場合、発行フラグF2の“1”は変更されない。なお、ここでは、所定時間は、例えば、5秒間として設定されており、この5秒間の間にお客若しくはオペレータから客面ディスプレイ若しくはオペレータ用ディスプレイにタッチ操作入力を待機する。
【0039】
なお、Act811にて、CPU11は、レシート発行キーが操作入力されたことを検知した場合は(Act811の非発行)、発行フラグF2を“0”に設定し(Act821)、その後のAct813以降の処理を実行する。また、CPU11は、Act811にて、所定時間内にレシート発行キーが操作入力されない場合(Act811の入力なし)、Act818の処理に進み、会員フラグF1が“1”であるか“0”であるかを判定する(Act818)。ここでは、レシート発行テーブルの会員フラグF1は“1”にて設定されている場合は、Act819の処理に進み、現在の発行フラグF2の状態(F2が“1”)を維持して、以降のAct813の処理に進む。
【0040】
次に、Act812以降の処理の説明に戻る。CPU11は、Act811の判断後Act812もしくはAct818もしくはAct821の処理のいずれかがなされた後、現計キーが操作入力されることを待機する(Act812)。そして、現計キーが操作入力されたことを検知したならば、いわゆる一商取引の締めが宣言されたので、CPU11は、小計金額から預かり金額を減算して釣銭額を算出し、この釣銭額を客面ディスプレイ27若しくはオペレータ用ディスプレイ28に表示する。
【0041】
現計キーが操作入力されると、CPU11はレシート発行テーブルの発行フラグF2の状態を確認し、発行フラグF2が“1”である場合は(Act813のYes)、レシート印字バッファ152に格納されている情報に基づいてレシートを印刷する(Act814)。
【0042】
Act815にて、CPU11は、RAM15のレシート発行テーブルの会員フラグF1が“1”に設定されている場合であって、今回の一商取引開始前の発行フラグF2と今回の一商取引終了時の発行フラグF2との状態が異なる場合は、今回の一商取引終了時の発行フラグF2の状態と会員IDとを対応付けて会員マスタ83の情報を更新する(Act815)。なお、RAM15のレシート発行テーブルの会員フラグF1が“1”に設定されている場合であって、今回の一商取引開始前の発行フラグF2と今回の一商取引終了時の発行フラグF2との状態が同じ場合は、会員フラグF1“1”を維持する。
【0043】
以上の処理により、今回の一商取引に係る会計処理を終了する(Act816)
上記の説明では、お客が会員IDである場合であって、この会員に割り当てられている会員ID“xx0001”に対応付けられているレシート発行情報が“発行”であり、さらにレシート発行キーの操作入力があった場合を例について説明した。
【0044】
(2)次に述べる一例は、図8、9のフローチャートにおいて、お客が会員ID“xx0002”を有する会員である場合であって(レシート発行情報は“非発行”)、Act811においてレシート発行キーの操作入力がある場合を例として説明する。なお、先の図8、9の説明と重複する箇所については省略する。
【0045】
CPU11はAct801の処理の後、スキャナ30等を介して会員IDを取得する(Act802)。ここで、CPU11は、会員フラグF1を“1”、会員ID“xx0002”をレシート発行テーブル153に記憶する(Act803)。Act803からAct808までの処理は先の説明と同様である。
【0046】
CPU11は、Act807にて小計キーの操作入力を検知した後(Act807のYes)、RAM15に形成されているレシート発行テーブル153の会員ID(会員ID“xx0002”)で、この会員ID(会員ID“xx0002”)に対応付けられているレシート発行情報を会員マスタ83から読み出す(Act808)。ここで、会員ID“xx0002”は、レシート発行情報“非発行”として予め対応付けられて会員マスタ83に記憶されているので(図5参照)、CPU11はレシート発行情報が“非発行”であることを取得すると(Act809のNo)、レシート発行テーブルの発行フラグF2を“0”に設定する(Act817)。
【0047】
次に、CPU11は、Act807の小計キーの操作入力がされた後、所定時間内にレシート発行キーの入力があるか否か待機する(Act811)。所定時間内にレシート発行キーの操作入力を検知した場合は(Act811の発行)、レシート発行テーブル153の発行フラグF2を“0”から“1”へと変更する(Act812)。次に、CPU11は、現計キーが操作入力されることを待機する(Act813)。
【0048】
現計キーが操作入力されると、CPU11はレシート発行テーブルの発行フラグF2の状態を確認する(Act813)。Act811にて、所定時間内にレシート発行キーの操作入力がされていることから、レシート発行テーブルの発行フラグF2は“0”から“1”へと変更されている(Act812)このため、CPU11は、レシート発行テーブルの発行フラグF2“1”を確認して(Act813)、レシートの印字発行を実行する(Act814)、
次に、CPU11は、会員IDとレシート発行情報とが対応付けて記憶されている会員マスタ83の情報を更新する(Act816)。すなわち、今回の一商取引開始前では、会員ID“xx0002”に対応するレシート発行情報は“非発行”として会員マスタ83に記憶されていたが、今回の一商取引終了時のレシート発行テーブルの発行フラグF2はレシート発行を示す“1”として記憶されている。したがって、CPU11は、レシート発行後のレシート発行テーブル153の発行フラグF2“1”の設定を採用して、会員ID“xx0002”とレシート発行情報“発行”とを対応付けて記憶(更新)する(Act815)。つまり、Act815の処理にて、今回の一商取引開始前と今回の一商取引開始後とにおいて、操作者などの操作入力によりレシートを発行するか否かの発行情報が変更された場合、この変更が会員マスタ83に反映される。Act815の後、Act816の処理にて会計処理が終了する。
【0049】
なお、Act811の判断において、所定時間内にレシート発行キーの操作入力を検知しない場合は(Act811の入力なし)、レシート発行テーブル153の会員フラグF1が1であるか否かを判定する(Act818)。この場合、会員フラグF1は“1”に設定されているため(Act818のF1=1)、現在のF2の設定を維持したまま(言い換えると、F2の状態を変更しない)、発行フラグF2は“0”の設定で、以降のAct813の処理が実行されることとなる。
【0050】
(3)次に述べる一例は、図8、9のフローチャートにおいて、お客が非会員であった場合(言い換えると会員情報の入力がない場合)について説明する。なお、先の図8、9の説明と重複する箇所については省略する。
【0051】
まず、CPU11は、初期化処理として、RAM15に形成されているレシート発行テーブルの会員フラグF1を“0”にセットする。
【0052】
そして、CPU11は、会員情報の入力の有無を待機する(Act802)。
【0053】
CPU11は、操作者によりカードリーダ30を介して会員情報の入力がされることなく、スキャナ31により商品コードの入力があったと判断した場合(Act802のNo)、会員フラグF1は初期化処理にて会員フラグF1が“0”にて、以降の処理を進める。すなわち、会員情報の入力がされることなく、商品コードの入力があった場合は、Act803の処理は実行されない。
【0054】
Act804、Act805、Act806の処理については、上記した説明と同様であることから省略する。
【0055】
Act807にてCPU11は、小計キー11が入力されたことを検知すると(Act806のYes)、RAM15のレシート発行テーブル153の会員フラグF1が“1”であるか否かを判定する(Act807)。すなわち、お客が会員であるかどうかが判定される。
【0056】
ここで、RAM15のレシート発行テーブル153の会員フラグF1は“0”であることから、CPU11は、Act807にて会員フラグF1が“1”ではないと判定し(Act807のNo)、Act812の処理に進みレシート発行テーブル153の発行フラグF2を“1”に設定する(Act810)。
【0057】
次に、CPU11は、Act807の小計キーの操作入力がされた後、所定時間内にレシート発行キー又はレシート非発行キーの入力があるか否か待機する(Act811)。レシート発行キーの操作入力があった場合(Act811の発行)、発行フラグF2は“1”のままである(Act812)。一方、レシート発行キーの操作入力を検知しなかった場合(Act811の入力なし)、会員フラグF1が“1”であるか否かを判定する(Act818)。ここで、レシート発行テーブルに記憶されている会員フラグF1は“0”であるため(Act818のF1=0)、Act820に進み、発行フラグF2を“1”として以降の処理を進める。また、Act811にて、レシート非発行キーの操作入力があった場合(Act811の非発行)、発行フラグF2を“1”から“0”に変更する(Act812)。CPU11は、Act811の判断後Act812もしくはAct818もしくはAct821の処理のいずれかがなされた後、現計キーが操作入力されることを待機し(Act813)、Act813以降の処理を実行する。なお、Act814以降の処理は上記の実施形態と同様であるため省略する。
【0058】
図10は、図8、9のフローチャートによる会員、非会員の判定結果及び会計時レシート発行・非発行の操作入力に応じたレシート発行・非発行の結果について纏めた対応表100である。
【0059】
まず、この対応表100の会員登録情報欄の見方について説明する。会員登録情報欄110は、お客が会員又は非会員であるかを示すとともに、会員である場合は会員IDに対応付けられたレシート発行情報が発行、非発行であるかを示している。詳しく説明すると、会員登録情報欄110の上から1行目1101は、会員登録が有り、この会員登録に対応するレシート発行情報が発行と記憶されているお客(図5の例を用いると会員IDが“xx0001”のお客)の場合を示している。上から2行目1102は会員登録が有り、この会員登録に対応するレシート発行情報が非発行(レシート発行を希望しない)と記憶されているお客(図5の例を用いると会員IDが“xx0002”のお客)の場合を示している。上から3行目1103は会員登録がされていない、すなわち非会員のお客の場合を示している。
【0060】
次に、会計時レシート発行キー選択120の有無の欄について説明する。左から1列目1201は小計キーの操作入力後にお客によりレシート発行キーの入力がされた場合、左から2列目1202は小計キーの操作入力後にお客によりレシート非発行キーの入力がされた場合、左から3列目1203は小計キーの操作入力後の所定時間内にレシート発行キー及びレシート非発行キーの入力がなかった場合を示している。
【0061】
次に、この対応表100について説明すると、例えば、会員登録情報欄110の上から1行目であって会計時キー選択欄120の左から1列目に対応するエリアには、“発行”となっている。これは、会員登録がされており、この会員登録に対応するレシート発行情報が発行(レシート発行を希望)と記憶されているお客(例えば、会員ID“xx0001”)が、図8でのAct811の処理においてレシート発行キーの入力があった場合を意味している。なお、この場合は対応表に示すようにレシート100は発行される。
【0062】
また、会員登録情報欄110の上から1行目であって会計時キー選択欄120の左から2列目に対応するエリアには、“非発行”となっている。これは、会員登録がされており、この会員登録に対応するレシート発行情報が発行(レシート発行を希望)と記憶されているお客(例えば会員ID“xx0001”)が、図8でのAct811の処理においてレシート非発行キーの入力があった場合を意味しており、この場合、レシートは非発行となることを意味している。
【0063】
また、会員登録情報欄110の上から1行目であって会計時キー選択欄120の左から3列目に対応するエリアには、“発行”となっている。これは、会員登録がされており、この会員登録に対応するレシート発行情報が発行(レシート発行を希望)と記憶されているお客(例えば会員ID“xx0001”)が、図8でのAct811の処理において発行キー及び非発行キーの入力を行わなかった場合を意味している。この場合は、会員登録に対応するレシート発行情報が“発行”となっていることから、このレシート発行情報に基づいてレシートが発行されることを意味している。
【0064】
以上、本実施の形態によれば、お客が会員である場合は、例えば、ストアサーバ等に会員IDとレシート発行情報とが対応付けられて記憶されているので、このレシート発行情報に基づいて会員毎にレシートを発行するまたは、レシートを非発行とすることができる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、小計キーの操作入力後の所定時間内にレシート発行キー又はレシート非発行キーの操作入力を検知した場合、この発行キー又は非発行キーの操作入力に応じてレシート発行または非発行が決定されるので、例えば、会員IDに対応付けられて記憶されているレシート発行情報が”発行”である場合であっても、小計キーの操作入力後の所定時間内にレシート非発行キーが操作入力されることにより、レシートを非発行とすることが可能となる。また、会員IDに対応付けられて記憶されているレシート発行情報が”非発行”である場合であっても、小計キーの操作入力後の所定時間内にレシート発行キーが操作入力されることにより、レシートを発行することが可能となる。また、会員IDに対応付けられているレシート発行情報(例えば、“発行”)と異なるレシート発行情報(例えば、“非発行”)が小計キーの操作入力後の所定時間に選択された場合は、次回の商取引の場面において、今回の商取引の際のレシート発行要否の結果が反映されるようにレシート発行情報を今回のレシート発行情報の結果に更新される。
【0066】
また、お客が非会員の場合は、小計キーの操作入力後の所定時間内にレシート非発行キーが操作されない限りは、レシートを発行するように構成されているので、レシートの発行し忘れを防止することが可能となる。このように構成することで非会員のお客に対しては、小計キーの操作入力後の所定時間内にレシートを非発行とする選択肢を与えると共に、仮に所定時間内にレシート発行又はレシート非発行の操作入力がされなかった場合であっても必ずレシートが発行されるという従来のレシート発行処理と同様の運用がなされることができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0068】
例えば、上記の変形例として、図11に示すように会員情報とこの会員情報に対応付けられたレシートの発行・非発行を示すレシート発行情報とに基づいて、レシート発行の有無を決定する形態としてもよい。
【0069】
かかる場合のCPU11が実行するレシート発行の処理は、図8、図9のフローチャートにおいてAct811のレシート発行キーの操作入力を判断する処理及び、当該レシート発行キーの操作入力に伴う処理を除外した点が異なり、その他の点については同様である。
【0070】
図11において、Act1101からAct1110までの処理は図8のAct801からAct810までの処理と同様であるので説明を省略し、Act1111以降の処理を説明する。Act1111にて、CPU11は発行フラグF2が“1”であるか否かを判断する(Act1111)。発行フラグF2が“1” である場合(Act1111のYes)、CPU11はレシート印字バッファ152に格納されている情報に基づいてレシートを印刷し(Act1112)、会計処理を終了する。一方、発行フラグF2が“0” である場合(Act1111のNo)、CPU11はレシート印字の印字発行を実行することなく(Act1115)、会計処理を終了する。
【0071】
かかる変形例によれば、予め会員情報と対応付けられたレシートの発行・非発行を示すレシート発行情報のみに基づいてレシート発行の有無の処理がなされるため、レシート発行情報が非発行とされている会員情報のお客に対しては、レシートが発行されない。このため、レシート発行を希望しないお客とって、必要としないレシートを受け取ることがないとともに、紙の消費を削減することが可能となる。また、非会員のお客に対しては、Actにて発行フラグF2が1となるように処理されることから必ずレシートが発行されることとなる。このため、会員と非会員とにおいて、異なるレシート発行処理を実現することが可能となるとともに、非会員のお客に対しては従来どおりの店舗運営を実現することが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
1 POS端末
11 CPU
13 ROM
15 RAM
30 カードリーダ
31 スキャナ
83 会員マスタ
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、レシート印字発行が可能な商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バーコードスキャナ等により商品登録がされた商品名やその単価などの商取引情報をレシートに印字発行するPOS端末等の商品販売データ処理装置が広く知られている。これらのPOS端末は、一般的に一商取引が終了した後に、その都度、一商取引に係るレシートを発行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−76257公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、お客によっては、発行されたレシートの受け取りを希望しない者も存在する。この場合、発行されたレシートは、お客に渡されることなく廃棄されることとなるため、無駄な紙の消費となってしまう。また、店員においては、発行されたレシートの受け取りを希望するか否かお客に確認する必要が生ずるため、余計な負担がかかるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の商品販売データ処理装置は、1商取引毎に販売登録された販売データをレシート用紙に印字する印字部を有する商品販売データ処理装置において、個人を識別する識別情報とレシート発行の要否を示す発行条件とを対応付けて記憶する記憶部と、前記識別情報を取得する取得部と、この取得部により取得された識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを判定する第1の判定部と、この第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件に応じてレシートを発行又は非発行とする発行制御部と、を備え、前記発行制御部は、前記第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合であって、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件が要である場合に、レシートを印字発行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本実施形態のPOS端末の外観を示す図。
【図2】本実施形態のPOS端末の電気的接続を示すブロック図。
【図3】本実施形態の商品マスタファイルを示す図。
【図4】本実施形態の会員マスタファイルを示す図。
【図5】本実施形態の会員マスタファイルの具体的データ構造を示す図。
【図6】本実施形態のRAMに形成される主要なメモリエリアを示す図。
【図7】本実施形態のRAMに形成されるレシート発行テーブルを示す図。
【図8】本実施形態のPOS端末のCPU11が実行するレシート発行処理の処理を示すフローチャート。
【図9】本実施形態のPOS端末のCPU11が実行するレシート発行処理の処理を示すフローチャート。
【図10】図8、9のフローチャートによるレシート発行・非発行の結果を纏めた対応表
【図11】本実施形態のPOS端末のCPU11が実行するレシート発行処理の処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置を詳細に説明する。本実施形態は、一例としてレシートプリンタを備えたPOS(Point Of Sales)端末に適用したものである。なお、本実施形態に係る商品販売データ処理装置は、POS端末単体のみで構成される形態やストアサーバ等とネットワーク接続されたPOS端末の形態を含む。
【0008】
図1は、POS端末1を示す外観斜視図である。POS端末1は、店舗のレジカウンタに載置されたドロワ17の上に載置されており、ドロワ17の引出しの開放動作を制御する。
【0009】
POS端末1の上面には、情報を表示する表示部としてオペレータ用表示器27と客用表示器28とが立設されている。オペレータ用表示器27の画面上には、タッチパネル32が積層配置されている。タッチパネル32は、オペレータ用表示器27の表示内容に従った情報入力をPOS端末1のオペレータに行わせるための入力部として機能する。入力する内容としては、例えば、顧客コードなどがある。
【0010】
図1に示すオペレータ用表示器27の左側には、レシートプリンタ29が設けられている。レシートプリンタ29は、キャッシャから顧客に手渡されるレシートRTを印刷発行する。
【0011】
オペレータ用表示器21の手前側(下側)には、POS端末1に情報を入力するためのキーボード26が設けられている。キーボード26は、例えば、上面に数字が印字された数字を入力するためのテンキー、上面に「小計」と印字された仮締めキー、上面に「預/現計」と印字された締めキー等を含んでいる。
【0012】
キーボード26の右側には、会員カードやクレジットカード等の磁気カードから情報を読み取るためのカードリーダ30が設けられている。このカードリーダ30には、カード読取溝110が設けられている。カード読み取りの際は、店員等がこのカード読取溝110に沿って磁気カードをスライドさせることにより磁気カードの磁気ストライプに記憶されている情報が読取される。カードリーダ30は会員カードの磁気ストライプに記憶されている顧客コードのデータを取得し、POS端末1のCPU11(図2参照)に出力する。したがって、カードリーダ30は、タッチパネルと同様に顧客コードである会員IDの入力を許容する入力部として機能する。
【0013】
なお、会員IDを入力する入力部は、カードリーダ30に限られることはなく、例えば、操作者がキーボードに設けられた数値キーを置数することにより、所定の会員番号(会員ID)等の会員情報を入力するものであってもよいし、バーコードスキャナにより会員情報が記憶されているバーコード等をスキャン操作して会員番号を取得するものであってもよい。また、予め定められた会員識別用の会員番号を記憶したICチップを有する無線タグと更新するRFIDリーダライタにより入力するものであってもよい。
【0014】
また、POS端末1には、商品に付されているバーコードや二次元コード等のコードシンボルを読み取る読取部としてのコードリーダ31が接続される。本実施の形態のコードリーダ31は、バーコードや二次元コードの読み取りにも対応可能である。コードリーダ31は、読取口を有し、この読取口の前面に形成される読取空間に所定パターンの可視光半導体レーザを照射して、そのコードシンボルから読み取れる情報(例えば、商品を特定する商品コード)を取得し、POS端末1のCPU11(図2参照)に出力する。商品コードは、例えばJAN等の1次元バーコードの形態で商品の包装等に印刷されている。
【0015】
また、このようなPOS端末1には、ネットワーク回線を介して外部機器とデータ通信を実行するための通信インターフェース19(図2参照)も内蔵されている。
【0016】
図2はPOS端末1の要部構成を示すブロック図である。このPOS端末1は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)11を搭載している。そしてこのCPU11に、アドレスバス,データバスなどのバスライン12を介して、読取り専用メモリであるROM(Read Only Memory)13、書換え可能な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)14、読み書き自在な揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)15、現在の日時を計時する時計部16,ドロワ17に駆動信号を出力するI/Oポート18の他、通信インターフェイス19,キーボードコントローラ20,第1の表示コントローラ21,第2の表示コントローラ22,プリンタコントローラ23,カードリーダコントローラ24,スキャナインターフェイス25等が接続されている。
【0017】
キーボードコントローラ20は、キーボードの操作キーに対応したキー信号を取り込むもので、このキーボードコントローラ20には、置数キー,PLUキー,小計キー,預/現計キー等が配設されたPOS端末専用のキーボード26に接続されている。
【0018】
第1及び第2の表示コントローラ21,22は、ディスプレイの駆動を制御して表示データに対応する画面を表示させるもので、第1の表示コントローラ21にはオペレータに対する画面を表示するためのオペレータ用ディスプレイ27が接続されており、第2の表示コントローラ22には客に対する画面を表示するための客用ディスプレイ28が接続されている。
【0019】
プリンタコントローラ23は、プリンタの駆動を制御して印字データを記録紙に印字させるもので、このプリンタコントローラ23には、商取引毎にその商取引に関する種々の情報をレシート用紙に印字してレシートを発行するためのプリンタ29が接続されている。
【0020】
カードリーダコントローラ24は、カードリーダで読み取られたカードデータを取り込むもので、このカードリーダコントローラ24には、会員カードに記憶された会員コード等のカードデータを読取ることが可能なカードリーダ30が接続されている。
【0021】
スキャナインターフェイス25は、スキャナで読み取られたデータを取り込むもので、このスキャナインターフェイス25には、商品に付されたバーコードを読取ることが可能なスキャナ31が接続されている。
【0022】
通信インターフェイス19は、通信回線を介して接続される外部機器との間で行うデータ通信を制御するもので、この通信インターフェイス19には、商品マスタファイル81,会員マスタファイル83をPOS端末1からアクセス自在に記憶管理しているストアサーバ8が接続されている。なお、このストアサーバ8に代えてPOS端末に内蔵されるHDD32をストアサーバ8の代わりとして構成することもできる。
【0023】
商品マスタファイル81には、図3に示すように、商品コード,分類コード,商品名,単価,売上点数,売上金額等の項目情報からなる商品情報レコードが、店で販売されている商品数分、蓄積保存されている。商品コードは、各商品に対して設定された商品固有の識別コードであって、各商品には商品コードがバーコードの形態で記録されている。分類コードは、対応する商品コードによって特定される商品が属する商品分類を識別するためのコードである。商品名及び単価は、対応する商品コードによって特定される商品の品名及び単位数量あたりの価格である。
【0024】
会員マスタファイル83には、図4に示すように、会員ID、会員名、レシート発行情報、ポイント等の項目情報からなる会員情報レコードが、会員の人数分、蓄積保存されている。会員IDは、各会員に対して設定された会員固有の識別コードであって、当該会員が有する会員カードに記録されている。会員名は、対応する会員IDによって特定される会員の氏名である。ランクは対応する会員IDによって特定される会員の売上実績に応じて設定されるランクである。ポイントは、対応する会員IDによって特定される会員が獲得したポイントの累計値である。レシート発行情報とは、商品購入時に発行されるレシートを一商取引毎に発行又は非発行とするかを決定する情報であって、予め会員毎に独自にそれぞれ割り当てられているものである。
【0025】
会員マスタファイル83について図5を用いて詳述する。会員マスタファイル83は、会員IDとレシート発行情報とが対応付けて記憶されている。例えば、会員ID“xx0001”には、レシート発行情報が“発行”と対応付けれ設定されている。この場合、、レシート発行情報が“発行”とされている会員ID“xx0001”の会員に対しては、原則として商品購入後にレシート発行が行われる。また、会員ID“xx0002”には、レシート発行情報が“非発行”と設定されているため、原則として、会員ID“xx0002”のお客に対しては商品購入後のレシート発行は行われない。このように、各会員IDに対応付けてレシート発行の有無が記憶されている。なお、これらのストアサーバ8に記憶されている商品マスタ81、会員マスタ83は必ずしもストアサーバ8に記憶されている必要はなく、例えば、HDD32等に記憶されていてもよい。
【0026】
また、RAM15には、図6に示すように、取引明細バッファ151、レシート印字バッファ152、レシート発行テーブル153等が形成されている。
図7は、RAM15に形成されるレシート発行テーブル153のデータテーブルを示す図である。このレシート発行テーブル153には会員フラグF1、会員ID、発行フラグF2がそれぞれ記憶される。
【0027】
図8及び図9は、POS端末1のCPU11が実行するレシート発行処理の処理を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って処理を説明する。
【0028】
まず、CPU11は、初期化処理として、RAM15に形成されているレシート発行テーブルの会員フラグF1を“0”にセットする(Act801)。
【0029】
そして、会員情報の入力の有無を待機する(Act802)。本実施形態での会員情報の入力は、POS端末1が有するカードリーダ30のスライド溝を会員情報が記憶されている磁気カードをスライド操作することにより行われる。
【0030】
なお、会員情報の入力はカードリーダ30以外にも実現することが可能であり、例えば、操作者がキーボードに設けられた数値キーを置数することにより、所定の会員番号等の会員情報を入力するものであってもよいし、バーコードスキャナにより会員情報が記憶されている会員カード等をスキャン操作して会員番号を取得するものであってもよい。また、予め定められた会員識別用の会員番号を記憶したICチップを有する無線タグと更新するRFIDリーダライタにより入力するものであってもよい。
【0031】
CPU11は、会員情報の入力があったと判断した場合(Act802のYes)、RAM15に形成されているレシート発行テーブル153に会員フラグF1を“1”として設定する(Act803)。また、CPU11は、ストアサーバ8の会員マスタ83から会員IDを取得してRAM15のレシート発行テーブル153に会員IDを記憶する。
【0032】
次に、CPU11は、スキャナ31による商品に付されたバーコードのスキャニングあるいはキーボードのキー操作入力により商品コードの入力を検出すると(Act804のYes)、入力された商品コードによりストアサーバ8に対して問い合わせを行う。そして、ストアサーバ8の商品マスタ81からこの商品コードに対応して設定されている分類コード、商品名、単価等の商品情報を取得し、取得したこれらの商品情報をRAM15に形成されている取引明細バッファ151に記憶する(Act805)。
【0033】
次に、CPU11は、小計キーの入力の有無を検知する(Act806)。すなわち、店員により小計キーが押下されたか否かを検知する。小計キーの入力無しを判断した場合は(Act806のNo)、再びAct804の処理に戻り商品コードの入力を待機する(Act804)。このようにして、CPU11は、小計キーが操作入力されるまでは、スキャナ31等から商品コードが入力される毎に、Act804からAct805の処理を繰り返し実行して商品登録処理を実行する。
【0034】
次に、CPU11は、小計キー11が入力されたことを検知すると(Act806のYes)、RAM15のレシート発行テーブル153の会員フラグF1が“1”であるか否かを判定する(Act807)。すなわち、お客が会員であるかどうかを判定する。
【0035】
なお、小計キーが操作入力されたことを検知した場合(Act806のYes)、CPU11は一商取引の小計金額を算出し、算出した金額をオペレータ用ディスプレイと客用ディスプレイとに表示させる。
【0036】
図8の説明に戻る。CPU11は、Act807にて会員フラグF1が“1”であると判定した場合(Act807のYes)、RAM15に形成されているレシート発行テーブル153の会員IDで、この会員IDに対応付けられているレシート発行情報を会員マスタ83から読み出す(Act808)。そして、この読み出したレシート発行情報が“発行”又は“非発行”であるかを判定する(Act809)。ここで、レシート発行情報が“発行”である場合は(Act809のYes)、RAM15のレシート発行テーブル153に、発行フラグF2を“1”に設定する(Act810)。一方、レシート発行情報が“非発行”である場合は(Act809のNo)、発行フラグF2を“0”に設定する(Act817)。
【0037】
例えば、先のAct803における処理により、RAM15のレシート発行テーブル153に会員フラグF1が“1”、会員ID“xx0001”、がそれぞれ記憶されている場合、CPU11は、会員ID“xx0001”に対応するレシート発行情報をストアサーバ8の会員マスタ83に問い合わせる。ストアサーバ8の会員マスタ83には会員ID“xx0001”に対応するレシート発行情報として“発行”が記憶されているため(図5参照)(Act809のYes)。CPU11は、会員ID“xx0001”に対応するレシート発行情報として“発行”を取得し、レシート発行テーブルの発行フラグF2を“1”に設定する(Act810)。
【0038】
次に、CPU11は、予め定められた時間、すなわち所定時間内にレシート発行キー又はレシート非発行キーが操作入力されることを待機する(Act811)。レシート発行キー及びレシート非発行キーは客用ディスプレイ28の表示面に表示される。そして、レシート発行キーが操作入力されたことを検知した場合(Act811の発行)、発行フラグF2を“1”に設定する(Act812)。なお、先のAct810までの処理にて、レシート発行テーブルに会員フラグ“1”、会員ID“xx0001”が記憶されている場合、発行フラグF2の“1”は変更されない。なお、ここでは、所定時間は、例えば、5秒間として設定されており、この5秒間の間にお客若しくはオペレータから客面ディスプレイ若しくはオペレータ用ディスプレイにタッチ操作入力を待機する。
【0039】
なお、Act811にて、CPU11は、レシート発行キーが操作入力されたことを検知した場合は(Act811の非発行)、発行フラグF2を“0”に設定し(Act821)、その後のAct813以降の処理を実行する。また、CPU11は、Act811にて、所定時間内にレシート発行キーが操作入力されない場合(Act811の入力なし)、Act818の処理に進み、会員フラグF1が“1”であるか“0”であるかを判定する(Act818)。ここでは、レシート発行テーブルの会員フラグF1は“1”にて設定されている場合は、Act819の処理に進み、現在の発行フラグF2の状態(F2が“1”)を維持して、以降のAct813の処理に進む。
【0040】
次に、Act812以降の処理の説明に戻る。CPU11は、Act811の判断後Act812もしくはAct818もしくはAct821の処理のいずれかがなされた後、現計キーが操作入力されることを待機する(Act812)。そして、現計キーが操作入力されたことを検知したならば、いわゆる一商取引の締めが宣言されたので、CPU11は、小計金額から預かり金額を減算して釣銭額を算出し、この釣銭額を客面ディスプレイ27若しくはオペレータ用ディスプレイ28に表示する。
【0041】
現計キーが操作入力されると、CPU11はレシート発行テーブルの発行フラグF2の状態を確認し、発行フラグF2が“1”である場合は(Act813のYes)、レシート印字バッファ152に格納されている情報に基づいてレシートを印刷する(Act814)。
【0042】
Act815にて、CPU11は、RAM15のレシート発行テーブルの会員フラグF1が“1”に設定されている場合であって、今回の一商取引開始前の発行フラグF2と今回の一商取引終了時の発行フラグF2との状態が異なる場合は、今回の一商取引終了時の発行フラグF2の状態と会員IDとを対応付けて会員マスタ83の情報を更新する(Act815)。なお、RAM15のレシート発行テーブルの会員フラグF1が“1”に設定されている場合であって、今回の一商取引開始前の発行フラグF2と今回の一商取引終了時の発行フラグF2との状態が同じ場合は、会員フラグF1“1”を維持する。
【0043】
以上の処理により、今回の一商取引に係る会計処理を終了する(Act816)
上記の説明では、お客が会員IDである場合であって、この会員に割り当てられている会員ID“xx0001”に対応付けられているレシート発行情報が“発行”であり、さらにレシート発行キーの操作入力があった場合を例について説明した。
【0044】
(2)次に述べる一例は、図8、9のフローチャートにおいて、お客が会員ID“xx0002”を有する会員である場合であって(レシート発行情報は“非発行”)、Act811においてレシート発行キーの操作入力がある場合を例として説明する。なお、先の図8、9の説明と重複する箇所については省略する。
【0045】
CPU11はAct801の処理の後、スキャナ30等を介して会員IDを取得する(Act802)。ここで、CPU11は、会員フラグF1を“1”、会員ID“xx0002”をレシート発行テーブル153に記憶する(Act803)。Act803からAct808までの処理は先の説明と同様である。
【0046】
CPU11は、Act807にて小計キーの操作入力を検知した後(Act807のYes)、RAM15に形成されているレシート発行テーブル153の会員ID(会員ID“xx0002”)で、この会員ID(会員ID“xx0002”)に対応付けられているレシート発行情報を会員マスタ83から読み出す(Act808)。ここで、会員ID“xx0002”は、レシート発行情報“非発行”として予め対応付けられて会員マスタ83に記憶されているので(図5参照)、CPU11はレシート発行情報が“非発行”であることを取得すると(Act809のNo)、レシート発行テーブルの発行フラグF2を“0”に設定する(Act817)。
【0047】
次に、CPU11は、Act807の小計キーの操作入力がされた後、所定時間内にレシート発行キーの入力があるか否か待機する(Act811)。所定時間内にレシート発行キーの操作入力を検知した場合は(Act811の発行)、レシート発行テーブル153の発行フラグF2を“0”から“1”へと変更する(Act812)。次に、CPU11は、現計キーが操作入力されることを待機する(Act813)。
【0048】
現計キーが操作入力されると、CPU11はレシート発行テーブルの発行フラグF2の状態を確認する(Act813)。Act811にて、所定時間内にレシート発行キーの操作入力がされていることから、レシート発行テーブルの発行フラグF2は“0”から“1”へと変更されている(Act812)このため、CPU11は、レシート発行テーブルの発行フラグF2“1”を確認して(Act813)、レシートの印字発行を実行する(Act814)、
次に、CPU11は、会員IDとレシート発行情報とが対応付けて記憶されている会員マスタ83の情報を更新する(Act816)。すなわち、今回の一商取引開始前では、会員ID“xx0002”に対応するレシート発行情報は“非発行”として会員マスタ83に記憶されていたが、今回の一商取引終了時のレシート発行テーブルの発行フラグF2はレシート発行を示す“1”として記憶されている。したがって、CPU11は、レシート発行後のレシート発行テーブル153の発行フラグF2“1”の設定を採用して、会員ID“xx0002”とレシート発行情報“発行”とを対応付けて記憶(更新)する(Act815)。つまり、Act815の処理にて、今回の一商取引開始前と今回の一商取引開始後とにおいて、操作者などの操作入力によりレシートを発行するか否かの発行情報が変更された場合、この変更が会員マスタ83に反映される。Act815の後、Act816の処理にて会計処理が終了する。
【0049】
なお、Act811の判断において、所定時間内にレシート発行キーの操作入力を検知しない場合は(Act811の入力なし)、レシート発行テーブル153の会員フラグF1が1であるか否かを判定する(Act818)。この場合、会員フラグF1は“1”に設定されているため(Act818のF1=1)、現在のF2の設定を維持したまま(言い換えると、F2の状態を変更しない)、発行フラグF2は“0”の設定で、以降のAct813の処理が実行されることとなる。
【0050】
(3)次に述べる一例は、図8、9のフローチャートにおいて、お客が非会員であった場合(言い換えると会員情報の入力がない場合)について説明する。なお、先の図8、9の説明と重複する箇所については省略する。
【0051】
まず、CPU11は、初期化処理として、RAM15に形成されているレシート発行テーブルの会員フラグF1を“0”にセットする。
【0052】
そして、CPU11は、会員情報の入力の有無を待機する(Act802)。
【0053】
CPU11は、操作者によりカードリーダ30を介して会員情報の入力がされることなく、スキャナ31により商品コードの入力があったと判断した場合(Act802のNo)、会員フラグF1は初期化処理にて会員フラグF1が“0”にて、以降の処理を進める。すなわち、会員情報の入力がされることなく、商品コードの入力があった場合は、Act803の処理は実行されない。
【0054】
Act804、Act805、Act806の処理については、上記した説明と同様であることから省略する。
【0055】
Act807にてCPU11は、小計キー11が入力されたことを検知すると(Act806のYes)、RAM15のレシート発行テーブル153の会員フラグF1が“1”であるか否かを判定する(Act807)。すなわち、お客が会員であるかどうかが判定される。
【0056】
ここで、RAM15のレシート発行テーブル153の会員フラグF1は“0”であることから、CPU11は、Act807にて会員フラグF1が“1”ではないと判定し(Act807のNo)、Act812の処理に進みレシート発行テーブル153の発行フラグF2を“1”に設定する(Act810)。
【0057】
次に、CPU11は、Act807の小計キーの操作入力がされた後、所定時間内にレシート発行キー又はレシート非発行キーの入力があるか否か待機する(Act811)。レシート発行キーの操作入力があった場合(Act811の発行)、発行フラグF2は“1”のままである(Act812)。一方、レシート発行キーの操作入力を検知しなかった場合(Act811の入力なし)、会員フラグF1が“1”であるか否かを判定する(Act818)。ここで、レシート発行テーブルに記憶されている会員フラグF1は“0”であるため(Act818のF1=0)、Act820に進み、発行フラグF2を“1”として以降の処理を進める。また、Act811にて、レシート非発行キーの操作入力があった場合(Act811の非発行)、発行フラグF2を“1”から“0”に変更する(Act812)。CPU11は、Act811の判断後Act812もしくはAct818もしくはAct821の処理のいずれかがなされた後、現計キーが操作入力されることを待機し(Act813)、Act813以降の処理を実行する。なお、Act814以降の処理は上記の実施形態と同様であるため省略する。
【0058】
図10は、図8、9のフローチャートによる会員、非会員の判定結果及び会計時レシート発行・非発行の操作入力に応じたレシート発行・非発行の結果について纏めた対応表100である。
【0059】
まず、この対応表100の会員登録情報欄の見方について説明する。会員登録情報欄110は、お客が会員又は非会員であるかを示すとともに、会員である場合は会員IDに対応付けられたレシート発行情報が発行、非発行であるかを示している。詳しく説明すると、会員登録情報欄110の上から1行目1101は、会員登録が有り、この会員登録に対応するレシート発行情報が発行と記憶されているお客(図5の例を用いると会員IDが“xx0001”のお客)の場合を示している。上から2行目1102は会員登録が有り、この会員登録に対応するレシート発行情報が非発行(レシート発行を希望しない)と記憶されているお客(図5の例を用いると会員IDが“xx0002”のお客)の場合を示している。上から3行目1103は会員登録がされていない、すなわち非会員のお客の場合を示している。
【0060】
次に、会計時レシート発行キー選択120の有無の欄について説明する。左から1列目1201は小計キーの操作入力後にお客によりレシート発行キーの入力がされた場合、左から2列目1202は小計キーの操作入力後にお客によりレシート非発行キーの入力がされた場合、左から3列目1203は小計キーの操作入力後の所定時間内にレシート発行キー及びレシート非発行キーの入力がなかった場合を示している。
【0061】
次に、この対応表100について説明すると、例えば、会員登録情報欄110の上から1行目であって会計時キー選択欄120の左から1列目に対応するエリアには、“発行”となっている。これは、会員登録がされており、この会員登録に対応するレシート発行情報が発行(レシート発行を希望)と記憶されているお客(例えば、会員ID“xx0001”)が、図8でのAct811の処理においてレシート発行キーの入力があった場合を意味している。なお、この場合は対応表に示すようにレシート100は発行される。
【0062】
また、会員登録情報欄110の上から1行目であって会計時キー選択欄120の左から2列目に対応するエリアには、“非発行”となっている。これは、会員登録がされており、この会員登録に対応するレシート発行情報が発行(レシート発行を希望)と記憶されているお客(例えば会員ID“xx0001”)が、図8でのAct811の処理においてレシート非発行キーの入力があった場合を意味しており、この場合、レシートは非発行となることを意味している。
【0063】
また、会員登録情報欄110の上から1行目であって会計時キー選択欄120の左から3列目に対応するエリアには、“発行”となっている。これは、会員登録がされており、この会員登録に対応するレシート発行情報が発行(レシート発行を希望)と記憶されているお客(例えば会員ID“xx0001”)が、図8でのAct811の処理において発行キー及び非発行キーの入力を行わなかった場合を意味している。この場合は、会員登録に対応するレシート発行情報が“発行”となっていることから、このレシート発行情報に基づいてレシートが発行されることを意味している。
【0064】
以上、本実施の形態によれば、お客が会員である場合は、例えば、ストアサーバ等に会員IDとレシート発行情報とが対応付けられて記憶されているので、このレシート発行情報に基づいて会員毎にレシートを発行するまたは、レシートを非発行とすることができる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、小計キーの操作入力後の所定時間内にレシート発行キー又はレシート非発行キーの操作入力を検知した場合、この発行キー又は非発行キーの操作入力に応じてレシート発行または非発行が決定されるので、例えば、会員IDに対応付けられて記憶されているレシート発行情報が”発行”である場合であっても、小計キーの操作入力後の所定時間内にレシート非発行キーが操作入力されることにより、レシートを非発行とすることが可能となる。また、会員IDに対応付けられて記憶されているレシート発行情報が”非発行”である場合であっても、小計キーの操作入力後の所定時間内にレシート発行キーが操作入力されることにより、レシートを発行することが可能となる。また、会員IDに対応付けられているレシート発行情報(例えば、“発行”)と異なるレシート発行情報(例えば、“非発行”)が小計キーの操作入力後の所定時間に選択された場合は、次回の商取引の場面において、今回の商取引の際のレシート発行要否の結果が反映されるようにレシート発行情報を今回のレシート発行情報の結果に更新される。
【0066】
また、お客が非会員の場合は、小計キーの操作入力後の所定時間内にレシート非発行キーが操作されない限りは、レシートを発行するように構成されているので、レシートの発行し忘れを防止することが可能となる。このように構成することで非会員のお客に対しては、小計キーの操作入力後の所定時間内にレシートを非発行とする選択肢を与えると共に、仮に所定時間内にレシート発行又はレシート非発行の操作入力がされなかった場合であっても必ずレシートが発行されるという従来のレシート発行処理と同様の運用がなされることができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0068】
例えば、上記の変形例として、図11に示すように会員情報とこの会員情報に対応付けられたレシートの発行・非発行を示すレシート発行情報とに基づいて、レシート発行の有無を決定する形態としてもよい。
【0069】
かかる場合のCPU11が実行するレシート発行の処理は、図8、図9のフローチャートにおいてAct811のレシート発行キーの操作入力を判断する処理及び、当該レシート発行キーの操作入力に伴う処理を除外した点が異なり、その他の点については同様である。
【0070】
図11において、Act1101からAct1110までの処理は図8のAct801からAct810までの処理と同様であるので説明を省略し、Act1111以降の処理を説明する。Act1111にて、CPU11は発行フラグF2が“1”であるか否かを判断する(Act1111)。発行フラグF2が“1” である場合(Act1111のYes)、CPU11はレシート印字バッファ152に格納されている情報に基づいてレシートを印刷し(Act1112)、会計処理を終了する。一方、発行フラグF2が“0” である場合(Act1111のNo)、CPU11はレシート印字の印字発行を実行することなく(Act1115)、会計処理を終了する。
【0071】
かかる変形例によれば、予め会員情報と対応付けられたレシートの発行・非発行を示すレシート発行情報のみに基づいてレシート発行の有無の処理がなされるため、レシート発行情報が非発行とされている会員情報のお客に対しては、レシートが発行されない。このため、レシート発行を希望しないお客とって、必要としないレシートを受け取ることがないとともに、紙の消費を削減することが可能となる。また、非会員のお客に対しては、Actにて発行フラグF2が1となるように処理されることから必ずレシートが発行されることとなる。このため、会員と非会員とにおいて、異なるレシート発行処理を実現することが可能となるとともに、非会員のお客に対しては従来どおりの店舗運営を実現することが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
1 POS端末
11 CPU
13 ROM
15 RAM
30 カードリーダ
31 スキャナ
83 会員マスタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1商取引毎に販売登録された販売データをレシート用紙に印字する印字部を有する商品販売データ処理装置において、
個人を識別する識別情報とレシート発行の要否を示す発行条件とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記識別情報を取得する取得部と、
この取得部により取得された識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを判定する第1の判定部と、
この第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件に応じてレシートを発行又は非発行とする発行制御部と、を備え、
前記発行制御部は、
前記第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合であって、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件が要である場合に、レシートを印字発行することを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
操作者からのレシート発行の要否の操作入力を受け付ける受付部と、
この受付部からの操作入力に基づいてレシート発行の要否を判定する第2の判定部と、をさらに備え、
前記発行制御部は、
前記第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在しないと判定した場合、前記第2の判定部での判定結果に応じてレシートを発行又は非発行とすることを特徴とする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記発行制御部は、
前記第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合であって、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件が否であると、レシートを非発行とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記発行制御部は、
前記第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合、前記第2の判定部の判定結果を優先してレシートを発行又は非発行とすることを特徴とする請求項2又は3に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記発行制御部は、
前記第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件が否である場合に、前記第2の判定部で前記レシート発行が要と判定されると、この第2の判定部の判定結果を優先してレシートを印字発行することを特徴とする請求項4に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
時間を計時する計時部と、をさらに備え
前記第2の判定部は、前記計時部が予め定められた時間を計時してもなお前記受付部からの操作入力がないと判定した場合であって前記第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定している場合、前記識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件に応じて印字発行することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一つに記載の商品販売データ処理装置。
【請求項1】
1商取引毎に販売登録された販売データをレシート用紙に印字する印字部を有する商品販売データ処理装置において、
個人を識別する識別情報とレシート発行の要否を示す発行条件とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記識別情報を取得する取得部と、
この取得部により取得された識別情報が前記記憶部に記憶されているか否かを判定する第1の判定部と、
この第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件に応じてレシートを発行又は非発行とする発行制御部と、を備え、
前記発行制御部は、
前記第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合であって、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件が要である場合に、レシートを印字発行することを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
操作者からのレシート発行の要否の操作入力を受け付ける受付部と、
この受付部からの操作入力に基づいてレシート発行の要否を判定する第2の判定部と、をさらに備え、
前記発行制御部は、
前記第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在しないと判定した場合、前記第2の判定部での判定結果に応じてレシートを発行又は非発行とすることを特徴とする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記発行制御部は、
前記第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合であって、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件が否であると、レシートを非発行とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記発行制御部は、
前記第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合、前記第2の判定部の判定結果を優先してレシートを発行又は非発行とすることを特徴とする請求項2又は3に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記発行制御部は、
前記第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定した場合、この識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件が否である場合に、前記第2の判定部で前記レシート発行が要と判定されると、この第2の判定部の判定結果を優先してレシートを印字発行することを特徴とする請求項4に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
時間を計時する計時部と、をさらに備え
前記第2の判定部は、前記計時部が予め定められた時間を計時してもなお前記受付部からの操作入力がないと判定した場合であって前記第1の判定部で前記取得部により取得された識別情報が前記記憶部に存在すると判定している場合、前記識別情報に対応付けられている前記レシート発行の要否を示す発行条件に応じて印字発行することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一つに記載の商品販売データ処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−69221(P2013−69221A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208893(P2011−208893)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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