商品販売情報処理装置、商品販売情報処理方法及び商品販売情報処理プログラム
【課題】商品がバンドル対象であることを顧客に知らせることができる。
【解決手段】商品販売情報処理装置10は、バンドル判定部15が、取得した購入数量に基づき、購入対象の商品に対するバンドル条件の成立状態を判定し、要件特定部16が、判定した成立状態から、バンドル条件が未成立である場合にバンドル条件が成立するために購入対象の商品に必要な要件を特定するようにした。そして、このようにして特定した要件を表示することで、顧客は、購入対象の商品がバンドル条件の対象であるか否かを知ることができる。さらに、購入対象の商品がバンドル条件の対象であり、バンドル条件が未成立である場合には、購入対象の商品がバンドル条件を成立させるための要件を知ることができる。
【解決手段】商品販売情報処理装置10は、バンドル判定部15が、取得した購入数量に基づき、購入対象の商品に対するバンドル条件の成立状態を判定し、要件特定部16が、判定した成立状態から、バンドル条件が未成立である場合にバンドル条件が成立するために購入対象の商品に必要な要件を特定するようにした。そして、このようにして特定した要件を表示することで、顧客は、購入対象の商品がバンドル条件の対象であるか否かを知ることができる。さらに、購入対象の商品がバンドル条件の対象であり、バンドル条件が未成立である場合には、購入対象の商品がバンドル条件を成立させるための要件を知ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売情報処理装置、商品販売情報処理方法及び商品販売情報処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の小売店にはPOS(Point Of Sale)システムが広く普及している。POSシステムを構成するPOS端末は、バーコードスキャナを備え、商品に付されたバーコードをスキャンする。スキャンした情報から商品コードを取得し、取得した商品コードで商品情報ファイルを検索し、商品名及び販売価格等の商品情報を取得する。また、近年では、バーコードスキャナ等が設けられたショッピングカート(いわゆる、セルフスキャンカート)が利用されている。顧客は、このようなショッピングカートを利用することで、購入希望の商品の商品コードをバーコードスキャナで読み込ませ登録しながら当該商品をかごに入れる。そして、登録した商品コードをレジに通知して購入金額をレジの係員に支払うことで精算を行う。このような方法により精算処理を容易に行うことができるようになる。また、例えば、このようなバーコードスキャナを備えるショッピングカートに、さらに、精算手段を設けることも可能である(例えば、特許文献1参照)。この場合には、顧客はレジに並ぶことなく自身で精算処理まで行えるようになり、より精算処理を容易に行うことができる。
【0003】
ところで、小売店では、顧客の購買意欲を増進させるために、商品を複数まとめて購入した場合に単価が安くなるような販売方法が行われている。例えば、このような販売方法の対象(バンドル対象)である商品Aの単価が200円である場合には、商品Aを3つまとめて購入する場合には、500円(本来なら、600円)で販売するといった条件(バンドル条件)を設定している。このような方法により、店舗にとっては販売機会を増やして売上の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−314367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、顧客は、商品がバンドル対象になっていることに気づかない場合がある。この場合は、店舗及び顧客の双方にとって販売並びに購買の機会が損失してしまうという問題点があった。
【0006】
また、バーコードスキャナを備えたショッピングカートでは、顧客が既に登録済みの商品がバンドル対象であることに後になって気づいた場合、顧客に当該商品の再登録等の煩雑な操作を行う必要があるという別の問題点もあった。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、商品がバンドル対象であることを顧客に知らせることができる商品販売情報処理装置、商品販売情報処理方法及び商品販売情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、購入対象の商品の購入数量の情報を取得する数量取得部と、取得した前記購入数量に基づき、前記購入対象の商品に対する、商品の販売価格を前記商品の数量に応じて定めたバンドル条件の成立状態を判定するバンドル判定部と、判定した前記成立状態から、前記バンドル条件が未成立である場合に前記バンドル条件が成立するために前記購入対象の商品に必要な要件を特定する要件特定部と、特定した前記要件を表示する表示部と、を有する商品販売情報処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、上記目的を達成するために、上記の商品販売情報処理装置と同様の商品販売情報処理方法及び商品販売情報処理プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
このような商品販売情報処理装置、商品販売情報処理方法及び商品販売情報処理プログラムにより、店舗及び顧客の双方にとって販売並びに購買の機会が損失してしまうという問題点を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態に係る商品販売情報処理装置の概略図である。
【図2】第2の実施の形態に係るPOSシステムを構成するショッピングカートに設置されたチェッカユニット及びキャッシャユニットの構成例を示す図である。
【図3】第2の実施の形態に係るショッピングカートが備える商品販売情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係るチェッカユニットによる商品購買処理のフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態に係るチェッカユニットによる商品登録処理のフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に係る商品マスタの一例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態に係る登録済商品リストの一例を示す図である。
【図8】第2の実施の形態に係るバンドル条件リストの一例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(バンドル条件要件表示時)の一例を示す図(その1)である。
【図10】第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(バンドル条件成立時)の一例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(バンドル条件要件表示時)の一例を示す図(その2)である。
【図12】第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(店舗内地図表示時)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
商品販売情報処理装置について図1を用いて説明する。
【0013】
図1は、第1の実施の形態に係る商品販売情報処理装置の概略図である。なお、図1では、数量が2つの商品Aを購入する場合を図示している。
商品販売情報処理装置は、商品のバンドル条件が未成立である場合に、商品がバンドル条件を成立させるために必要な要件を顧客に知らせることができるものである。
【0014】
このような商品販売情報処理装置10は、図1に示されるように、まず、商品マスタ情報保持部11及びバンドル条件情報保持部12を有する。
商品マスタ情報保持部11は、商品の識別情報ごとに、当該商品の販売単価等の商品情報が登録されている商品マスタを備える。例えば、図1では、商品マスタとして、商品Aの識別情報(商品ID)がaであって、商品情報として販売単価(100円)が登録されている。
【0015】
バンドル条件情報保持部12は、商品の識別情報ごとに商品の販売価格を商品の数量に応じて定めたバンドル条件を保持する。例えば、図1では、バンドル条件の1つとして、商品IDがaの商品Aが3つまとめて購入される場合には、販売価格が270円(本来なら300円)になることが定められている。
【0016】
さらに、商品販売情報処理装置10は、数量取得部13、商品情報照会部14、バンドル判定部15、要件特定部16及び表示部17を備えている。
数量取得部13は、購入対象の商品の購入数量の情報を取得する。また、数量取得部13は、購入数量と共に購入対象の商品の識別情報(商品ID)も取得する。例えば、顧客は商品Aを購入する際に、商品販売情報処理装置10に商品Aの商品IDを読み取らせると共に、図1に示されるように、商品Aの購入数量「2」を入力することで、数量取得部13はそれぞれの情報を取得する。
【0017】
商品情報照会部14は、商品マスタ情報保持部11の商品マスタを参照して、数量取得部13が取得した購入対象の商品の商品IDから当該商品の商品情報(販売単価)を取得する。なお、このようにして取得された商品情報(販売単価)は商品リスト情報保持部18が保持する商品リストに登録される。
【0018】
バンドル判定部15は、バンドル条件情報保持部12を参照し、取得した商品IDと購入数量に基づき、購入対象の商品に対するバンドル条件の成立状態を判定する。図1の場合では、バンドル判定部15は、商品情報照会部14が照会した購入対象の商品の商品IDに対応するバンドル条件の成立状態を判定する。
【0019】
要件特定部16は、バンドル判定部15が判定した成立状態から、バンドル条件が未成立である場合にバンドル条件が成立するために購入対象の商品に必要な要件を特定する。
表示部17は、要件特定部16が特定した要件を表示する。
【0020】
商品リスト情報保持部18は、商品情報照会部14が商品情報を登録した商品リストの情報を保持する。
このような構成を有する商品販売情報処理装置10において、商品Aを購入する場合の商品販売情報処理方法について説明する。なお、商品販売情報処理装置10が備える各機能は商品販売情報処理装置10が備える図示しないCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)によって商品販売情報処理プログラムが実行されることにより、その処理機能が実現されるようにすることも可能である。
【0021】
まず、商品販売情報処理装置10の数量取得部13が商品Aの数量「2」と共に、商品Aの商品ID(a)を取得する。
商品情報照会部14は、商品マスタ情報保持部11の商品マスタを参照して商品ID(a)に対応する販売単価を取得する。そして、商品リストに、商品Aの合計として200円が登録される。
【0022】
バンドル判定部15は、バンドル条件情報保持部12のバンドル条件情報を参照して、商品ID(a)がバンドル条件の対象となっていることを判定する。さらに、バンドル判定部15は、取得した商品Aの数量が「2」であるために、商品ID(a)に対応するバンドル条件(数量は「3」)が未成立であることを判定する。
【0023】
要件特定部16は、商品Aに対するバンドル条件の成立状態(未成立)から、商品Aがバンドル条件を成立させる要件には商品Aの数量があと「1」必要であることを特定する。そして、表示部17は、要件特定部16の特定結果から、例えば、「商品Aはもう1つ買うとお得になります(3つで270円)」等と表示する。これにより、顧客は商品Aがバンドル対象であってバンドル条件が成立していないことがわかると共に、バンドル条件を成立させるための必要な条件を知ることができる。
【0024】
このように商品販売情報処理装置10では、バンドル判定部15が、取得した購入数量に基づき、購入対象の商品に対するバンドル条件の成立状態を判定し、要件特定部16が、判定した成立状態から、バンドル条件が未成立である場合にバンドル条件が成立するために購入対象の商品に必要な要件を特定するようにした。そして、このようにして特定した要件を表示することで、顧客は、購入対象の商品がバンドル条件の対象であるか否かを知ることができる。さらに、購入対象の商品がバンドル条件の対象であり、バンドル条件が未成立である場合には、購入対象の商品がバンドル条件を成立させるための要件を知ることができる。したがって、顧客の購買意欲を向上させることができる。さらに、店舗も販売機会を増やすことができ売上の増加を図ることができるようになる。
【0025】
さらに、このような商品販売情報処理装置10が設けられたショッピングカートを利用することで、顧客が購入対象の商品の数量を取得するごとにバンドル条件の判定が行われるために、購入対象の商品がバンドル条件の対象であるか否かをその場で即時かつ確実にわかるようになる。このため、購入対象の商品がバンドル条件の対象であることを後から知ることがなくなり、後から知った場合の煩雑な処理・操作等の発生を防止することができる。したがって、顧客は当該ショッピングカートにより時間的かつ経済的に効率よく買い物を行うことができるようになる。
【0026】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、第1の実施の形態をショッピングカートに適用した場合を例に挙げてより具体的に説明する。
【0027】
まず、POSシステムについて図2を用いて説明する。
図2は、第2の実施の形態に係るPOSシステムを構成するショッピングカートに設置されたチェッカユニット及びキャッシャユニットの構成例を示す図である。
【0028】
POSシステム100は、POSサーバ130と1台または複数台のPOS端末101(図示は1台)を備え、販売時点情報管理を行う。
POSサーバ130とPOS端末101は、ネットワーク131を介して通信可能に接続される。また、POSサーバ130は、外部端末装置(例えば、携帯電話、外部サーバまたは後述するチェッカユニット300)と通信可能に接続可能である。
【0029】
POSサーバ130は、POS端末101により登録された販売情報を一元管理する。また、POSサーバ130は、商品を識別するための商品コードや価格等を登録した商品マスタを管理する。
【0030】
POS端末101は、キャッシャユニット120と、チェッカユニット300(ショッピングカート200)を備える。なお、キャッシャユニット120に対して、1台または複数台のチェッカユニット300が対応付けられている(図示は1台)。
【0031】
キャッシャユニット120は、主として販売代金の受領作業を行うためのユニットである。キャッシャユニット120は、制御ユニット111、自動釣銭機112、自動釣札機113、キャッシュドロア114、ディスプレイ115、キーボード116、カスタマディスプレイ117、磁気カードリーダ118、プリンタ119を有する。
【0032】
制御ユニット111は、キャッシャユニット120を制御するとともに、POS端末101を統括的に制御するコンピュータである。
自動釣銭機112は、顧客から受け取った硬貨の入金と、釣銭の出金とを行う。
【0033】
自動釣札機113は、顧客から受け取った紙幣の入金と、釣札の出金とを行う。
キャッシュドロア114は、硬貨及び紙幣を収納する収納庫である。
ディスプレイ115は、取引作業を行うための所定のGUI(Graphical User Interface)を表示する。また、ディスプレイ115は、例えば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ115は、タッチパネル110の下層に位置している。ディスプレイ115の表示する画像は、タッチパネル110を透過して、オペレータから視認可能である。オペレータは、ディスプレイ115によって表示された画像を見ながら、タッチパネル110に対するタッチ操作を行うことができる。
【0034】
キーボード116は、ディスプレイ115に表示されたGUIを操作するための入力装置である。
カスタマディスプレイ117は、客側に取引情報を表示する表示装置であり、例えば、商品購入代金の合計額、顧客からの預かり金額、釣銭金額等を表示する。
【0035】
磁気カードリーダ118は、クレジットカードや会員カード等が備える磁気ストライプに記録された情報を読み取る。
プリンタ119は、顧客との取引結果をロール紙に印字してレシートを発行する印刷装置である。
【0036】
また、キャッシャユニット120は、図示を省略するが、ショッピングカート200のチェッカユニット300と情報の送受信を行う通信手段、ショッピングカート200が横付けられるレーン等を備えている。
【0037】
ショッピングカート200は、顧客により押されて店舗内を巡回される。このようなショッピングカート200は、一対のハンドル210、一対のハンドル210から延びてショッピングカート200の枠組みを構成するフレーム220,240、フレーム220の四隅にそれぞれ設けられたキャスタ230、フレーム240に設けられたかご250を備えている。さらに、ショッピングカート200はチェッカユニット300(商品販売情報処理装置)が設けられている。
【0038】
チェッカユニット300は、主として商品コードの入力作業を行うためのユニットである。チェッカユニット300は、ディスプレイ301、タッチパネル302、キーボード303、バーコードスキャナ304を有すると共に後述する制御ユニット310が内蔵されている。
【0039】
ディスプレイ301は、取引作業を行うための所定のGUIを表示する。また、ディスプレイ301は、例えば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ301は、タッチパネル302の下層に位置している。
【0040】
タッチパネル302は、バーコードの付されていない商品(例えば、ばら売りの野菜や魚等の生鮮食料品や、惣菜等)をディスプレイ301に表示される商品群から選択する入力装置である。例えば、商品コードを入力した商品の名称、単価等を表示する。また、スピーカ(図示を省略)により音声で入力結果を報知する。例えば、スピーカは、入力が正常になされたときと、入力についてオペレータに注意喚起をする必要があるとき等状態に応じて異なる態様の音声出力を行う。
【0041】
キーボード303は、顧客の操作を受け付ける。例えば、キーボード303は、スピーカからの音声出力で注意喚起されたときに、操作の誤りを認識した顧客による訂正操作を受け付ける。
【0042】
バーコードスキャナ304は、商品に付与されたバーコードを読み取るための装置である。顧客は、商品に付されたバーコードをバーコードスキャナ304に向けてかざすことで、バーコードスキャナ304を入力装置とした商品コードの入力を行う。商品コードの入力結果は、ディスプレイ301に表示されて、顧客が商品コードの入力結果を確認することができる。
【0043】
また、チェッカユニット300は、顧客のタッチパネル302またはキーボード303に対する操作入力に基づいて、キャッシャユニット120と情報の送受信を行う通信手段、チェッカユニット300の現在地を特定するための、例えば、GPS(Global Positioning System)等の現在地検出手段をさらに備えている。
【0044】
このようなPOS端末101では、顧客はショッピングカート200のハンドル210を掴み押し進めて店舗内を巡回することができる。その際に、所望の商品があればバーコードスキャナ304で当該商品の商品コードを読み取ってかご250に収める。精算するには、顧客はショッピングカート200を押し進めてキャッシャユニット120に横付けする。顧客はチェッカユニット300に対して所定の操作入力を行って、支払い対象の商品の総支払額をキャッシャユニット120に通知する。キャッシャユニット120の係員からの要求に応じて、顧客は当該総支払額を係員に支払う。係員は、必要に応じて、顧客につり銭を払い戻す。
【0045】
次に、ショッピングカート200に設置されたチェッカユニット300のハードウェア構成について図3を用いて説明する。
図3は、第2の実施の形態に係るショッピングカートが備える商品販売情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【0046】
チェッカユニット300は、内蔵する制御ユニット310に各種入出力装置を接続する。制御ユニット310は、CPU310aによって装置全体が制御されている。CPU310aには、バス310gを介してRAM(Random Access Memory)310bと、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)310c、通信インタフェース310d、グラフィック処理装置310e、入出力インタフェース310fが接続されている。
【0047】
RAM310bには、CPU310aに実行させるOS(Operating System)のプログラムやサーバを実行するためのアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM310bには、CPU310aによる処理に必要な各種データが格納される。
【0048】
HDD310cには、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
通信インタフェース310dは、例えば、Bluetooth(短距離無線通信技術)や赤外線通信(無線データ通信の一種)等で、キャッシャユニット120との間でデータの送受信を行う。
【0049】
グラフィック処理装置310eには、ディスプレイ301が接続されている。グラフィック処理装置310eは、CPU310aからの命令にしたがって、画像をディスプレイ301の画面に表示させる。
【0050】
入出力インタフェース310fには、タッチパネル302、キーボード303、バーコードスキャナ304、磁気カードリーダ305が接続されている。また、入出力インタフェース310fは、可搬型記録媒体306への情報の書込み、及び可搬型記録媒体306への情報の読出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース310fは、タッチパネル302、キーボード303、バーコードスキャナ304、磁気カードリーダ305、可搬型記録媒体インタフェースから送られてくる信号を、バス310gを介してCPU310aに送信する。
【0051】
以上のようなハードウェア構成によって、チェッカユニット300の処理機能を実現することができる。
なお、キャッシャユニット120、POSサーバ130も同様のハードウェア構成で実現できる。但し、必要なハードウェアがそれぞれ適宜接続されている。例えば、キャッシャユニット120は、入出力インタフェース310fに、自動釣銭機112、自動釣札機113、キャッシュドロア114、キーボード116、磁気カードリーダ118、プリンタ119、タッチパネル110が接続されている。
【0052】
なお、キャッシャユニット120、チェッカユニット300は、それぞれFPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processer)等からなるモジュールを含んで構成することもでき、CPU310aを有しない構成とすることもできる。その場合、キャッシャユニット120、チェッカユニット300は、それぞれ不揮発性メモリ(例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、フラッシュメモリ型メモリカード等)を備え、モジュールのファームウェアを記憶する。不揮発性メモリは、可搬型記録媒体306、あるいは通信インタフェース310dを介してファームウェアを書き込むことができる。このようにキャッシャユニット120、チェッカユニット300は、不揮発性メモリに記憶されているファームウェアを書き換えることにより、ファームウェアの更新をすることもできる。
【0053】
次に、このようなチェッカユニット300による商品購買処理について図4を用いて説明する。
図4は、第2の実施の形態に係るチェッカユニットによる商品購買処理のフローチャートである。
【0054】
ショッピングカート200に備えられたチェッカユニット300は、顧客が用いるバーコードスキャナ304が商品の商品コードを読み取って登録する。精算時にはショッピングカート200をキャッシャユニット120まで搬送し、チェッカユニット300から登録した商品の支払金額の情報をキャッシャユニット120に通知して、キャッシャユニット120が精算対象を特定し、精算を行う。
【0055】
[ステップS10]チェッカユニット300は、まず、買い物単位のデータを記憶する記憶領域の初期化を行う。
[ステップS20]チェッカユニット300は、商品コードの入力を終了するか否かを判定する。商品コードの入力の終了判定は、顧客による終了指示に対応するチェッカユニット300のタッチパネル302またはキーボード303に対する操作入力を受けて判定する。チェッカユニット300は、商品コードの入力を終了すると判定した場合は、商品コードの入力を終了し、ステップS80に進む。一方、チェッカユニット300は、商品コードの入力を終了しないと判定した場合(入力を継続する場合)は、ステップS30に進む。
【0056】
[ステップS30]チェッカユニット300は、バーコードスキャナ304から商品に付されたバーコードを読み取る。なお、バーコードの付されていない商品については、チェッカユニット300は、顧客のタッチパネル302、キーボード303に対する操作入力により商品種別、数量等が入力される。
【0057】
[ステップS40]チェッカユニット300は、精算対象となる商品を登録する商品登録処理を実行する。商品登録処理の詳細は、図5から図8を用いて後で詳細に説明する。
[ステップS50]チェッカユニット300は、ステップS40の処理の結果に基づき、登録対象の商品についてバンドル条件が未成立である場合には、ステップS60に進む。また、登録対象の商品がバンドル条件の対象ではない場合には、または、チェッカユニット300は、登録対象の商品についてバンドル条件が成立している場合には、再び、ステップS20に進む。
【0058】
[ステップS60]チェッカユニット300は、バンドル条件が未成立の登録対象の商品がバンドル条件を成立させるために必要な成立要件を、例えば、ディスプレイ301(及びスピーカ)から報知する。
【0059】
[ステップS70]チェッカユニット300は、ステップS40で設定されたバンドル条件が未成立であることを表す未成立フラグをクリアする。
[ステップS80]チェッカユニット300は、支払対象(精算対象)となる商品を確定させる支払登録確定処理を実行する。
【0060】
[ステップS90]チェッカユニット300は、顧客から支払登録の情報のキャッシャユニット120に対する転送要求の操作入力を待ち受ける。チェッカユニット300は、顧客から転送要求の操作入力があった場合に、ステップS100に進む。
【0061】
[ステップS100]チェッカユニット300は、支払登録の情報をキャッシャユニット120に転送する。
以後、キャッシャユニット120では精算処理が実行される。
【0062】
次に、このような商品購買処理においてチェッカユニット300が実行する商品登録処理(図4のステップS40)について、図5から図8を用いて説明する。
図5は、第2の実施の形態に係るチェッカユニットによる商品登録処理のフローチャートである。
【0063】
図6は、第2の実施の形態に係る商品マスタの一例を示す図、図7は、第2の実施の形態に係る登録済商品リストの一例を示す図、図8は、第2の実施の形態に係るバンドル条件リストの一例を示す図である。
【0064】
[ステップS41]チェッカユニット300は、入力データ(商品コード)を読み取り、商品マスタに商品コードを照会する。なお、商品マスタはPOSサーバ130が記憶しており、商品コードを照会する際にはPOSサーバ130にアクセスする。または、商品マスタをPOSサーバ130(またはキャッシャユニット120)から予め取得しておき、商品コードを照会する際には、取得した商品マスタを利用するようにしても構わない。
【0065】
ここで、商品マスタの一例について、図6の商品マスタ500を参照して説明する。商品マスタ500は、商品コードごとに、商品名、商品単価が登録されている。商品名は、商品コードによって特定される商品の名称である。商品単価は、商品コードによって特定される商品の単価である。例えば、商品コード「010011100」の商品名「豚肉」は、商品単価が「198円」である。なお、商品マスタは、メーカ名等のその他の情報を含むものであってもよい。
【0066】
[ステップS42]チェッカユニット300は、照会した商品マスタから商品名、商品単価を取得する。
[ステップS43]チェッカユニット300は、商品マスタに照会した商品を精算対象として登録済商品リストに登録する。登録済商品リストは、チェッカユニット300が買い物単位に記憶する精算対象となった商品のリストである。登録済商品リストは、精算対象として商品を登録するごとにリストの追加登録を行い、顧客の所定の操作入力で「END」登録を行う。
【0067】
ここで、登録済商品リストの一例について、図7の登録済商品リスト510を参照して説明する。登録済商品リスト510は、商品コードごとに、商品名、商品単価、数量、バンドル企画名、バンドル成立、割引後単価、合価が登録されている。商品名は、商品マスタから取得した商品名である。商品単価は、商品マスタから取得した商品単価である。数量は、顧客が操作入力した商品の数または量である。バンドル企画名はバンドル条件の種類を表す。図7の登録済商品リスト510では当該商品コードが対象となっているバンドル条件のバンドル企画名が入力され、当該商品コードが対象となっているバンドル条件がない場合には「−」が入力される。バンドル成立は、バンドル条件が成立している場合には、そのバンドル条件のバンドル企画名が、バンドル条件が未成立の場合には「−」が入力される。割引後単価は、商品ごとの値引額、または割引額を適用後の商品単価である。合価は、割引後単価に数量を乗じた合計価格である。なお、登録済商品リスト510のバンドル企画名、バンドル成立、割引後単価は、以下で実行される処理の結果に伴い、登録される。
【0068】
[ステップS44]チェッカユニット300は、バンドル条件リストに商品コードを参照する。なお、チェッカユニット300では、バンドル条件リストに商品コードの対象となるバンドル条件があれば、登録済商品リストの「バンドル企画名」に対象となっているバンドル企画名を登録する。
【0069】
ここで、バンドル条件リストの一例について、図8のバンドル条件リスト520を参照して説明する。バンドル条件リスト520は、商品コードごとに、バンドル企画名、成立数量、成立時単価が登録されている。バンドル企画名は、バンドル条件の種類を表すものである。成立数量は、バンドル企画名のバンドル条件が成立するための数量である。成立時単価は、バンドル条件が成立した際の商品単価である。例えば、商品「パン」の商品コード「020011111」は、バンドル企画名「B」の対象である。バンドル企画名「B」のバンドル条件が成立するための成立数量は「3」であって、成立した際のパンの単価は「78円」である。また、商品「シャンプー」及び「リンス」のそれぞれの商品コード「030011111」及び「030011112」は、バンドル企画名「D」及び「E」の対象である。また、バンドル企画名「F」のバンドル条件が成立するためのシャンプー及びリンスを合わせた成立数量は「2(1組)」であって、この際、シャンプー及びリンスの単価はそれぞれ「198円」である。
【0070】
[ステップS45]チェッカユニット300は、ステップS44でバンドル条件リストに商品コードを照会して、当該商品コードが対象となっているバンドル条件があるか否かを判定する。当該商品コードが対象となっているバンドル条件がある場合にはステップS46に進み、バンドル条件がない場合にはステップS40aに進む。
【0071】
商品コードが対象となっているバンドル条件があれば、例えば、登録済商品リスト510に登録されている商品名「パン」は、バンドル条件リスト520のバンドル企画名「B」に該当するために、登録済商品リスト510のバンドル企画名には「B」が登録される。また、登録済商品リスト510に登録されている商品名「ジュース」は、バンドル条件リスト520のバンドル企画名「C」に該当するために、登録済商品リスト510のバンドル企画名には「C」が登録される。
【0072】
[ステップS46]チェッカユニット300は、ステップS45でバンドル条件の対象となっている商品コード(に対応する商品の数量)に対する当該バンドル条件を成立させているか否かを判定する。当該商品コードに対する当該バンドル条件が成立している場合にはステップS47に進み、バンドル条件が成立していない場合(未成立)にはステップS48に進む。
【0073】
上記の例では、当該商品コードに対するバンドル条件が成立している場合には、商品名「パン」が数量「3」であると、バンドル条件である成立数量「3」と一致するために、登録済商品リスト510のバンドル成立には「B」が登録される。一方、商品名「ジュース」が数量「4」であると、バンドル条件である成立数量「5」と一致しないために、登録済商品リスト510のバンドル成立には「−(未成立)」が登録される。
【0074】
[ステップS47]チェッカユニット300は、バンドル条件が成立した商品コードの割引後単価及び合価を当該バンドル条件の成立時単価に基づいて登録する。
例えば、商品名「パン」はバンドル条件が成立した場合には、登録済商品リスト510の割引後単価に「78円」を登録すると共に、合価に「234円」を登録する。
【0075】
[ステップS48]チェッカユニット300は、バンドル条件が未成立だった商品コードについて、当該バンドル条件を成立するための要件を特定する。
例えば、バンドル条件成立の数量「5」の商品名「ジュース」が数量「4」であることから、商品名「ジュース」のバンドル条件を成立させるための要件としては、「ジュース」をさらにもう「1」増やす必要がある。
【0076】
[ステップS49]チェッカユニット300は、バンドル条件が未成立であることを示す未成立フラグをセットする。
[ステップS40a]チェッカユニット300は、商品を精算対象として登録したことを、ディスプレイ301の画面に表示して報知する。
【0077】
ここで、バンドル条件の成立のための要件を報知(表示)する場合の表示画面の一例について図9及び図10を用いて説明する。
図9は、第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(バンドル条件要件表示時)の一例を示す図、図10は、第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(バンドル条件成立時)の一例を示す図である。
【0078】
チェッカユニット300のディスプレイ301は、例えば、図9に示すように、情報表示領域301a、登録商品表示領域301b、各ボタンが設けられたボタン領域301cで構成されている。
【0079】
情報表示領域301aは、例えば、日付、時間、コマーシャルメッセ―ジ、特売情報等の案内情報が表示される。
登録商品表示領域301bには、チェッカユニット300が読み込んだ商品コードに対応する商品名、その数量、単価、合価(数量×単価)、現在までの登録商品数、合計金額、表示ページ数等が表示される。例えば、図9の場合では、現在までに9品が登録されると共に、それらの合計金額は3270円である。また、図9では、2ページ中の2ページ目が表示されている場合を表している。
【0080】
ボタン領域301cには、チェッカユニット300に様々な処理を実行させるための各種ボタンが配置されている。顧客が各ボタンをそれぞれ押下することで、チェッカユニット300は以下に挙げる処理を実行する。
【0081】
例えば、登録した商品を取り消す場合には、登録商品表示領域301bに表示されている商品の欄をタッチして選択してから「取消」ボタンをタッチすると、チェッカユニット300は、選択された商品の登録の取り消しを実行する。
【0082】
登録した商品の在庫の確認を行う場合には、登録商品表示領域301bに表示されている商品の欄をタッチして選択してから「在庫案内」ボタンをタッチすると、チェッカユニット300は、選択された商品の在庫の確認要求をPOSサーバ130に対して実行する。
【0083】
確認応答がPOSサーバ130よりチェッカユニット300に通知されると、情報表示領域301aにその結果が表示され、顧客は、在庫状況によっては購入が可能となる。
図4のステップS80の支払登録確定処理を行う場合には、「登録確定」ボタンをタッチすると、チェッカユニット300はステップS80の処理を実行する。
【0084】
図4のステップS90の支払登録の情報をキャッシャユニット120に転送する場合には、「支払」ボタンをタッチすると、チェッカユニット300はキャッシャユニット120に支払登録の情報の転送処理を実行する。
【0085】
顧客が商品購買を終了する場合には、「終了」ボタンをタッチすると、チェッカユニット300は支払登録されている商品等の情報をクリアする。
このようなディスプレイ301に対して、チェッカユニット300はステップS60の処理により、バンドル条件の成立要件として、図9に示されるように、「[パン]もう1点でお得になります!(3点で234円)」といった案内を情報表示領域301aに表示させることができる。
【0086】
顧客はこのようにディスプレイ301に表示される案内から、さらに「パン」の商品コードをチェッカユニット300のバーコードスキャナ304に読み取らせる。すると、「パン」のバンドル条件が成立し、図10に示されるように、登録商品表示領域301bには、「パン」の販売単価が割り引かれ、割り引かれた販売単価に基づいた合価が表示される。なお、図10では、「パン」のバンドル条件が成立したために、ディスプレイ301の情報表示領域301aにはコマーシャルメッセージが表示されている場合を図示している。
【0087】
このようにショッピングカート200に設けられたチェッカユニット300では、取得した購入対象の商品の購入数量に基づき、購入対象の商品に対するバンドル条件の成立状態を判定し、判定した成立状態から、バンドル条件が未成立である場合にバンドル条件が成立するために購入対象の商品に必要な要件を特定するようにした。そして、このようにして特定した要件を表示することで、顧客は、購入対象の商品がバンドル条件の対象であるか否かを知ることができる。さらに、購入対象の商品がバンドル条件の対象であり、バンドル条件が未成立である場合には、購入対象の商品がバンドル条件を成立させるための要件を知ることができる。したがって、顧客の購買意欲を向上させることができる。さらに、店舗も販売機会を増やすことができ、売上の増加を図ることができるようになる。
【0088】
さらに、このようなチェッカユニット300が設けられたショッピングカート200を利用することで、顧客が購入対象の商品の数量を取得するごとにバンドル条件の判定が行われるために、購入対象の商品がバンドル条件の対象であるか否かをその場で即時かつ確実にわかるようになる。このため、購入対象の商品がバンドル条件の対象であることを後から知ることがなくなり、後から知った場合の煩雑な処理・操作等の発生を防止することができる。したがって、顧客は当該ショッピングカートにより時間的かつ経済的に効率よく買い物を行うことができるようになる。
【0089】
次に、このようなチェッカユニット300に関する様々な形態について説明する。
<実施例1>
実施例1では、商品が複数のバンドル条件の対象になっている場合について図11を用いて説明する。
【0090】
図11は、第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(バンドル条件要件表示時)の一例を示す図である。
図8のバンドル条件リスト520に記載されているように、「シャンプー」はバンドル企画名「D」,「F」の2つの対象となっている。なお、「リンス」も同様に2つの対象になっているが、ここでは「シャンプー」について説明する。
【0091】
顧客がチェッカユニット300のバーコードスキャナ304で「シャンプー」のバーコードから商品コード「040011111」(数量は「1」)を読み取ると、チェッカユニット300は商品登録処理(図4のステップS40)を実行する。
【0092】
チェッカユニット300はこの商品登録処理にて「シャンプー」のバンドル条件が未成立であることを判定し、当該バンドル条件が成立するための要件として、「シャンプー」または「リンス」をあと「1」購入することを特定する(ステップS46〜S48)。そして、ディスプレイ301の登録商品表示領域301bには、「シャンプー」について、単価、数量、合価が表示される。さらに、「シャンプー」のバンドル条件の成立要件として、ディスプレイ301の情報表示領域301aには、図11に示されるように、「[シャンプー]もう1点でお得になります(2点で396円)、さらにリンスでお得になります(リンスとセットで396円)」といった案内を表示させることができる。
【0093】
このようにディスプレイ301の情報表示領域301aに表示された案内に応じて、顧客は「シャンプー」または「リンス」を手に取って、いずれかの商品コードをチェッカユニット300のバーコードスキャナ304で読み取る。すると、「シャンプー」(及び「リンス」)のバンドル条件が成立し、登録商品表示領域301bには、「シャンプー」(及び「リンス」)の価格が割り引かれて表示される。なお、顧客が、「シャンプー」1点のみを望む場合には、ディスプレイ301にバンドル条件の成立要件の表示に関わらず、別の商品の商品購買処理を継続、または商品購買処理を終了する。
【0094】
また、チェッカユニット300は、このように商品が複数のバンドル条件の対象であって、バンドル条件の成立要件を表示する場合には、例えば、各バンドル条件による購入対象の商品の商品単価の割引率に応じて(例えば、割引率の大きい順に)表示することができる。このような表示により、購入対象の商品のお得感を顧客に印象付けることができ、顧客の購買意欲をさらに向上させるようにすることができる。なお、表示順序は商品単価の割引率に限らず、例えば、購入対象の商品を合わせた販売価格に応じたものでも構わない。また、このような表示順序は予め自由に設定することが可能である。
【0095】
<実施例2>
実施例2では、上記の説明の通り、商品のバンドル条件の成立要件に応じて、さらに商品を選択したい場合に、当該商品が陳列棚にない場合について図12を用いて説明する。
【0096】
図12は、第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(店舗内地図表示時)の一例を示す図である。
例えば、図9に示したように、チェッカユニット300のディスプレイ301に「パン」のバンドル条件を成立させるための成立要件が表示されて、顧客が「パン」を追加しようとして、陳列棚から「パン」を探す。この時、「パン」が当該陳列棚に見当たらない場合には、顧客は「パン」に関して、ディスプレイ301のボタン領域301cの「在庫案内」ボタンをタッチして押下する。チェッカユニット300は、「パン」に関する「在庫案内」を受け付けると、POSサーバ130に「パン」の在庫を問い合わせる。
【0097】
チェッカユニット300は、「パン」に在庫がない場合にはPOSサーバ130から「パン」の在庫切れが通知される。そして、チェッカユニット300はディスプレイ301の情報表示領域301aに「パン」の在庫が切れている旨を表示する。
【0098】
一方、チェッカユニット300は、「パン」に在庫がある場合にはPOSサーバ130から「パン」の在庫の所在の情報が通知される。チェッカユニット300は、「パン」の所在の情報を受信すると、GPSを起動してチェッカユニット300自身の位置情報を取得する。そして、チェッカユニット300は、「パン」の所在の情報と自身の位置情報とを予め保持してある店舗の地図情報に反映させて、図12に示されるように、ディスプレイ301上に当該地図301hを表示させる。なお、図12では、「パン」の所在位置を星印で表している。また、地図301hの右上の「ばつ印」をタッチすると、表示されている地図301hが閉じる。
【0099】
顧客はディスプレイ301上に表示された地図301hで「パン」の所在位置を確認すると、ショッピングカート200を当該位置まで移動して、「パン」をもう1点入手することができる。そして、チェッカユニット300のバーコードスキャナ304により「パン」の商品コードを読み取り、図10に示されるように、「パン」のバンドル条件が成立する。このようにチェッカユニット300がショッピングカート200に設置されていることから、顧客は所望の商品の所在位置を地図301hで確認することができ、また、地図301hに基づき移動して、商品を自ら入手することができる。したがって、商品のバンドル条件を成立させるために、当該商品をその場で見つけ出すことができない場合でも、顧客は係員を探して、商品の所在を尋ねたりする動作を行うことなく、自ら商品を探し出すようにすることができる。このため、顧客は時間的かつ経済的に効率よく買い物を行うことができるようになる。
【0100】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、チェッカユニット300が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
【0101】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0102】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0103】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成及び応用例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0104】
10 商品販売情報処理装置
11 商品マスタ情報保持部
12 バンドル条件情報保持部
13 数量取得部
14 商品情報照会部
15 バンドル判定部
16 要件特定部
17 表示部
18 商品リスト情報保持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売情報処理装置、商品販売情報処理方法及び商品販売情報処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の小売店にはPOS(Point Of Sale)システムが広く普及している。POSシステムを構成するPOS端末は、バーコードスキャナを備え、商品に付されたバーコードをスキャンする。スキャンした情報から商品コードを取得し、取得した商品コードで商品情報ファイルを検索し、商品名及び販売価格等の商品情報を取得する。また、近年では、バーコードスキャナ等が設けられたショッピングカート(いわゆる、セルフスキャンカート)が利用されている。顧客は、このようなショッピングカートを利用することで、購入希望の商品の商品コードをバーコードスキャナで読み込ませ登録しながら当該商品をかごに入れる。そして、登録した商品コードをレジに通知して購入金額をレジの係員に支払うことで精算を行う。このような方法により精算処理を容易に行うことができるようになる。また、例えば、このようなバーコードスキャナを備えるショッピングカートに、さらに、精算手段を設けることも可能である(例えば、特許文献1参照)。この場合には、顧客はレジに並ぶことなく自身で精算処理まで行えるようになり、より精算処理を容易に行うことができる。
【0003】
ところで、小売店では、顧客の購買意欲を増進させるために、商品を複数まとめて購入した場合に単価が安くなるような販売方法が行われている。例えば、このような販売方法の対象(バンドル対象)である商品Aの単価が200円である場合には、商品Aを3つまとめて購入する場合には、500円(本来なら、600円)で販売するといった条件(バンドル条件)を設定している。このような方法により、店舗にとっては販売機会を増やして売上の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−314367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、顧客は、商品がバンドル対象になっていることに気づかない場合がある。この場合は、店舗及び顧客の双方にとって販売並びに購買の機会が損失してしまうという問題点があった。
【0006】
また、バーコードスキャナを備えたショッピングカートでは、顧客が既に登録済みの商品がバンドル対象であることに後になって気づいた場合、顧客に当該商品の再登録等の煩雑な操作を行う必要があるという別の問題点もあった。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、商品がバンドル対象であることを顧客に知らせることができる商品販売情報処理装置、商品販売情報処理方法及び商品販売情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、購入対象の商品の購入数量の情報を取得する数量取得部と、取得した前記購入数量に基づき、前記購入対象の商品に対する、商品の販売価格を前記商品の数量に応じて定めたバンドル条件の成立状態を判定するバンドル判定部と、判定した前記成立状態から、前記バンドル条件が未成立である場合に前記バンドル条件が成立するために前記購入対象の商品に必要な要件を特定する要件特定部と、特定した前記要件を表示する表示部と、を有する商品販売情報処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、上記目的を達成するために、上記の商品販売情報処理装置と同様の商品販売情報処理方法及び商品販売情報処理プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
このような商品販売情報処理装置、商品販売情報処理方法及び商品販売情報処理プログラムにより、店舗及び顧客の双方にとって販売並びに購買の機会が損失してしまうという問題点を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態に係る商品販売情報処理装置の概略図である。
【図2】第2の実施の形態に係るPOSシステムを構成するショッピングカートに設置されたチェッカユニット及びキャッシャユニットの構成例を示す図である。
【図3】第2の実施の形態に係るショッピングカートが備える商品販売情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係るチェッカユニットによる商品購買処理のフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態に係るチェッカユニットによる商品登録処理のフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に係る商品マスタの一例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態に係る登録済商品リストの一例を示す図である。
【図8】第2の実施の形態に係るバンドル条件リストの一例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(バンドル条件要件表示時)の一例を示す図(その1)である。
【図10】第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(バンドル条件成立時)の一例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(バンドル条件要件表示時)の一例を示す図(その2)である。
【図12】第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(店舗内地図表示時)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
商品販売情報処理装置について図1を用いて説明する。
【0013】
図1は、第1の実施の形態に係る商品販売情報処理装置の概略図である。なお、図1では、数量が2つの商品Aを購入する場合を図示している。
商品販売情報処理装置は、商品のバンドル条件が未成立である場合に、商品がバンドル条件を成立させるために必要な要件を顧客に知らせることができるものである。
【0014】
このような商品販売情報処理装置10は、図1に示されるように、まず、商品マスタ情報保持部11及びバンドル条件情報保持部12を有する。
商品マスタ情報保持部11は、商品の識別情報ごとに、当該商品の販売単価等の商品情報が登録されている商品マスタを備える。例えば、図1では、商品マスタとして、商品Aの識別情報(商品ID)がaであって、商品情報として販売単価(100円)が登録されている。
【0015】
バンドル条件情報保持部12は、商品の識別情報ごとに商品の販売価格を商品の数量に応じて定めたバンドル条件を保持する。例えば、図1では、バンドル条件の1つとして、商品IDがaの商品Aが3つまとめて購入される場合には、販売価格が270円(本来なら300円)になることが定められている。
【0016】
さらに、商品販売情報処理装置10は、数量取得部13、商品情報照会部14、バンドル判定部15、要件特定部16及び表示部17を備えている。
数量取得部13は、購入対象の商品の購入数量の情報を取得する。また、数量取得部13は、購入数量と共に購入対象の商品の識別情報(商品ID)も取得する。例えば、顧客は商品Aを購入する際に、商品販売情報処理装置10に商品Aの商品IDを読み取らせると共に、図1に示されるように、商品Aの購入数量「2」を入力することで、数量取得部13はそれぞれの情報を取得する。
【0017】
商品情報照会部14は、商品マスタ情報保持部11の商品マスタを参照して、数量取得部13が取得した購入対象の商品の商品IDから当該商品の商品情報(販売単価)を取得する。なお、このようにして取得された商品情報(販売単価)は商品リスト情報保持部18が保持する商品リストに登録される。
【0018】
バンドル判定部15は、バンドル条件情報保持部12を参照し、取得した商品IDと購入数量に基づき、購入対象の商品に対するバンドル条件の成立状態を判定する。図1の場合では、バンドル判定部15は、商品情報照会部14が照会した購入対象の商品の商品IDに対応するバンドル条件の成立状態を判定する。
【0019】
要件特定部16は、バンドル判定部15が判定した成立状態から、バンドル条件が未成立である場合にバンドル条件が成立するために購入対象の商品に必要な要件を特定する。
表示部17は、要件特定部16が特定した要件を表示する。
【0020】
商品リスト情報保持部18は、商品情報照会部14が商品情報を登録した商品リストの情報を保持する。
このような構成を有する商品販売情報処理装置10において、商品Aを購入する場合の商品販売情報処理方法について説明する。なお、商品販売情報処理装置10が備える各機能は商品販売情報処理装置10が備える図示しないCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)によって商品販売情報処理プログラムが実行されることにより、その処理機能が実現されるようにすることも可能である。
【0021】
まず、商品販売情報処理装置10の数量取得部13が商品Aの数量「2」と共に、商品Aの商品ID(a)を取得する。
商品情報照会部14は、商品マスタ情報保持部11の商品マスタを参照して商品ID(a)に対応する販売単価を取得する。そして、商品リストに、商品Aの合計として200円が登録される。
【0022】
バンドル判定部15は、バンドル条件情報保持部12のバンドル条件情報を参照して、商品ID(a)がバンドル条件の対象となっていることを判定する。さらに、バンドル判定部15は、取得した商品Aの数量が「2」であるために、商品ID(a)に対応するバンドル条件(数量は「3」)が未成立であることを判定する。
【0023】
要件特定部16は、商品Aに対するバンドル条件の成立状態(未成立)から、商品Aがバンドル条件を成立させる要件には商品Aの数量があと「1」必要であることを特定する。そして、表示部17は、要件特定部16の特定結果から、例えば、「商品Aはもう1つ買うとお得になります(3つで270円)」等と表示する。これにより、顧客は商品Aがバンドル対象であってバンドル条件が成立していないことがわかると共に、バンドル条件を成立させるための必要な条件を知ることができる。
【0024】
このように商品販売情報処理装置10では、バンドル判定部15が、取得した購入数量に基づき、購入対象の商品に対するバンドル条件の成立状態を判定し、要件特定部16が、判定した成立状態から、バンドル条件が未成立である場合にバンドル条件が成立するために購入対象の商品に必要な要件を特定するようにした。そして、このようにして特定した要件を表示することで、顧客は、購入対象の商品がバンドル条件の対象であるか否かを知ることができる。さらに、購入対象の商品がバンドル条件の対象であり、バンドル条件が未成立である場合には、購入対象の商品がバンドル条件を成立させるための要件を知ることができる。したがって、顧客の購買意欲を向上させることができる。さらに、店舗も販売機会を増やすことができ売上の増加を図ることができるようになる。
【0025】
さらに、このような商品販売情報処理装置10が設けられたショッピングカートを利用することで、顧客が購入対象の商品の数量を取得するごとにバンドル条件の判定が行われるために、購入対象の商品がバンドル条件の対象であるか否かをその場で即時かつ確実にわかるようになる。このため、購入対象の商品がバンドル条件の対象であることを後から知ることがなくなり、後から知った場合の煩雑な処理・操作等の発生を防止することができる。したがって、顧客は当該ショッピングカートにより時間的かつ経済的に効率よく買い物を行うことができるようになる。
【0026】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、第1の実施の形態をショッピングカートに適用した場合を例に挙げてより具体的に説明する。
【0027】
まず、POSシステムについて図2を用いて説明する。
図2は、第2の実施の形態に係るPOSシステムを構成するショッピングカートに設置されたチェッカユニット及びキャッシャユニットの構成例を示す図である。
【0028】
POSシステム100は、POSサーバ130と1台または複数台のPOS端末101(図示は1台)を備え、販売時点情報管理を行う。
POSサーバ130とPOS端末101は、ネットワーク131を介して通信可能に接続される。また、POSサーバ130は、外部端末装置(例えば、携帯電話、外部サーバまたは後述するチェッカユニット300)と通信可能に接続可能である。
【0029】
POSサーバ130は、POS端末101により登録された販売情報を一元管理する。また、POSサーバ130は、商品を識別するための商品コードや価格等を登録した商品マスタを管理する。
【0030】
POS端末101は、キャッシャユニット120と、チェッカユニット300(ショッピングカート200)を備える。なお、キャッシャユニット120に対して、1台または複数台のチェッカユニット300が対応付けられている(図示は1台)。
【0031】
キャッシャユニット120は、主として販売代金の受領作業を行うためのユニットである。キャッシャユニット120は、制御ユニット111、自動釣銭機112、自動釣札機113、キャッシュドロア114、ディスプレイ115、キーボード116、カスタマディスプレイ117、磁気カードリーダ118、プリンタ119を有する。
【0032】
制御ユニット111は、キャッシャユニット120を制御するとともに、POS端末101を統括的に制御するコンピュータである。
自動釣銭機112は、顧客から受け取った硬貨の入金と、釣銭の出金とを行う。
【0033】
自動釣札機113は、顧客から受け取った紙幣の入金と、釣札の出金とを行う。
キャッシュドロア114は、硬貨及び紙幣を収納する収納庫である。
ディスプレイ115は、取引作業を行うための所定のGUI(Graphical User Interface)を表示する。また、ディスプレイ115は、例えば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ115は、タッチパネル110の下層に位置している。ディスプレイ115の表示する画像は、タッチパネル110を透過して、オペレータから視認可能である。オペレータは、ディスプレイ115によって表示された画像を見ながら、タッチパネル110に対するタッチ操作を行うことができる。
【0034】
キーボード116は、ディスプレイ115に表示されたGUIを操作するための入力装置である。
カスタマディスプレイ117は、客側に取引情報を表示する表示装置であり、例えば、商品購入代金の合計額、顧客からの預かり金額、釣銭金額等を表示する。
【0035】
磁気カードリーダ118は、クレジットカードや会員カード等が備える磁気ストライプに記録された情報を読み取る。
プリンタ119は、顧客との取引結果をロール紙に印字してレシートを発行する印刷装置である。
【0036】
また、キャッシャユニット120は、図示を省略するが、ショッピングカート200のチェッカユニット300と情報の送受信を行う通信手段、ショッピングカート200が横付けられるレーン等を備えている。
【0037】
ショッピングカート200は、顧客により押されて店舗内を巡回される。このようなショッピングカート200は、一対のハンドル210、一対のハンドル210から延びてショッピングカート200の枠組みを構成するフレーム220,240、フレーム220の四隅にそれぞれ設けられたキャスタ230、フレーム240に設けられたかご250を備えている。さらに、ショッピングカート200はチェッカユニット300(商品販売情報処理装置)が設けられている。
【0038】
チェッカユニット300は、主として商品コードの入力作業を行うためのユニットである。チェッカユニット300は、ディスプレイ301、タッチパネル302、キーボード303、バーコードスキャナ304を有すると共に後述する制御ユニット310が内蔵されている。
【0039】
ディスプレイ301は、取引作業を行うための所定のGUIを表示する。また、ディスプレイ301は、例えば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ301は、タッチパネル302の下層に位置している。
【0040】
タッチパネル302は、バーコードの付されていない商品(例えば、ばら売りの野菜や魚等の生鮮食料品や、惣菜等)をディスプレイ301に表示される商品群から選択する入力装置である。例えば、商品コードを入力した商品の名称、単価等を表示する。また、スピーカ(図示を省略)により音声で入力結果を報知する。例えば、スピーカは、入力が正常になされたときと、入力についてオペレータに注意喚起をする必要があるとき等状態に応じて異なる態様の音声出力を行う。
【0041】
キーボード303は、顧客の操作を受け付ける。例えば、キーボード303は、スピーカからの音声出力で注意喚起されたときに、操作の誤りを認識した顧客による訂正操作を受け付ける。
【0042】
バーコードスキャナ304は、商品に付与されたバーコードを読み取るための装置である。顧客は、商品に付されたバーコードをバーコードスキャナ304に向けてかざすことで、バーコードスキャナ304を入力装置とした商品コードの入力を行う。商品コードの入力結果は、ディスプレイ301に表示されて、顧客が商品コードの入力結果を確認することができる。
【0043】
また、チェッカユニット300は、顧客のタッチパネル302またはキーボード303に対する操作入力に基づいて、キャッシャユニット120と情報の送受信を行う通信手段、チェッカユニット300の現在地を特定するための、例えば、GPS(Global Positioning System)等の現在地検出手段をさらに備えている。
【0044】
このようなPOS端末101では、顧客はショッピングカート200のハンドル210を掴み押し進めて店舗内を巡回することができる。その際に、所望の商品があればバーコードスキャナ304で当該商品の商品コードを読み取ってかご250に収める。精算するには、顧客はショッピングカート200を押し進めてキャッシャユニット120に横付けする。顧客はチェッカユニット300に対して所定の操作入力を行って、支払い対象の商品の総支払額をキャッシャユニット120に通知する。キャッシャユニット120の係員からの要求に応じて、顧客は当該総支払額を係員に支払う。係員は、必要に応じて、顧客につり銭を払い戻す。
【0045】
次に、ショッピングカート200に設置されたチェッカユニット300のハードウェア構成について図3を用いて説明する。
図3は、第2の実施の形態に係るショッピングカートが備える商品販売情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【0046】
チェッカユニット300は、内蔵する制御ユニット310に各種入出力装置を接続する。制御ユニット310は、CPU310aによって装置全体が制御されている。CPU310aには、バス310gを介してRAM(Random Access Memory)310bと、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)310c、通信インタフェース310d、グラフィック処理装置310e、入出力インタフェース310fが接続されている。
【0047】
RAM310bには、CPU310aに実行させるOS(Operating System)のプログラムやサーバを実行するためのアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM310bには、CPU310aによる処理に必要な各種データが格納される。
【0048】
HDD310cには、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
通信インタフェース310dは、例えば、Bluetooth(短距離無線通信技術)や赤外線通信(無線データ通信の一種)等で、キャッシャユニット120との間でデータの送受信を行う。
【0049】
グラフィック処理装置310eには、ディスプレイ301が接続されている。グラフィック処理装置310eは、CPU310aからの命令にしたがって、画像をディスプレイ301の画面に表示させる。
【0050】
入出力インタフェース310fには、タッチパネル302、キーボード303、バーコードスキャナ304、磁気カードリーダ305が接続されている。また、入出力インタフェース310fは、可搬型記録媒体306への情報の書込み、及び可搬型記録媒体306への情報の読出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース310fは、タッチパネル302、キーボード303、バーコードスキャナ304、磁気カードリーダ305、可搬型記録媒体インタフェースから送られてくる信号を、バス310gを介してCPU310aに送信する。
【0051】
以上のようなハードウェア構成によって、チェッカユニット300の処理機能を実現することができる。
なお、キャッシャユニット120、POSサーバ130も同様のハードウェア構成で実現できる。但し、必要なハードウェアがそれぞれ適宜接続されている。例えば、キャッシャユニット120は、入出力インタフェース310fに、自動釣銭機112、自動釣札機113、キャッシュドロア114、キーボード116、磁気カードリーダ118、プリンタ119、タッチパネル110が接続されている。
【0052】
なお、キャッシャユニット120、チェッカユニット300は、それぞれFPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processer)等からなるモジュールを含んで構成することもでき、CPU310aを有しない構成とすることもできる。その場合、キャッシャユニット120、チェッカユニット300は、それぞれ不揮発性メモリ(例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、フラッシュメモリ型メモリカード等)を備え、モジュールのファームウェアを記憶する。不揮発性メモリは、可搬型記録媒体306、あるいは通信インタフェース310dを介してファームウェアを書き込むことができる。このようにキャッシャユニット120、チェッカユニット300は、不揮発性メモリに記憶されているファームウェアを書き換えることにより、ファームウェアの更新をすることもできる。
【0053】
次に、このようなチェッカユニット300による商品購買処理について図4を用いて説明する。
図4は、第2の実施の形態に係るチェッカユニットによる商品購買処理のフローチャートである。
【0054】
ショッピングカート200に備えられたチェッカユニット300は、顧客が用いるバーコードスキャナ304が商品の商品コードを読み取って登録する。精算時にはショッピングカート200をキャッシャユニット120まで搬送し、チェッカユニット300から登録した商品の支払金額の情報をキャッシャユニット120に通知して、キャッシャユニット120が精算対象を特定し、精算を行う。
【0055】
[ステップS10]チェッカユニット300は、まず、買い物単位のデータを記憶する記憶領域の初期化を行う。
[ステップS20]チェッカユニット300は、商品コードの入力を終了するか否かを判定する。商品コードの入力の終了判定は、顧客による終了指示に対応するチェッカユニット300のタッチパネル302またはキーボード303に対する操作入力を受けて判定する。チェッカユニット300は、商品コードの入力を終了すると判定した場合は、商品コードの入力を終了し、ステップS80に進む。一方、チェッカユニット300は、商品コードの入力を終了しないと判定した場合(入力を継続する場合)は、ステップS30に進む。
【0056】
[ステップS30]チェッカユニット300は、バーコードスキャナ304から商品に付されたバーコードを読み取る。なお、バーコードの付されていない商品については、チェッカユニット300は、顧客のタッチパネル302、キーボード303に対する操作入力により商品種別、数量等が入力される。
【0057】
[ステップS40]チェッカユニット300は、精算対象となる商品を登録する商品登録処理を実行する。商品登録処理の詳細は、図5から図8を用いて後で詳細に説明する。
[ステップS50]チェッカユニット300は、ステップS40の処理の結果に基づき、登録対象の商品についてバンドル条件が未成立である場合には、ステップS60に進む。また、登録対象の商品がバンドル条件の対象ではない場合には、または、チェッカユニット300は、登録対象の商品についてバンドル条件が成立している場合には、再び、ステップS20に進む。
【0058】
[ステップS60]チェッカユニット300は、バンドル条件が未成立の登録対象の商品がバンドル条件を成立させるために必要な成立要件を、例えば、ディスプレイ301(及びスピーカ)から報知する。
【0059】
[ステップS70]チェッカユニット300は、ステップS40で設定されたバンドル条件が未成立であることを表す未成立フラグをクリアする。
[ステップS80]チェッカユニット300は、支払対象(精算対象)となる商品を確定させる支払登録確定処理を実行する。
【0060】
[ステップS90]チェッカユニット300は、顧客から支払登録の情報のキャッシャユニット120に対する転送要求の操作入力を待ち受ける。チェッカユニット300は、顧客から転送要求の操作入力があった場合に、ステップS100に進む。
【0061】
[ステップS100]チェッカユニット300は、支払登録の情報をキャッシャユニット120に転送する。
以後、キャッシャユニット120では精算処理が実行される。
【0062】
次に、このような商品購買処理においてチェッカユニット300が実行する商品登録処理(図4のステップS40)について、図5から図8を用いて説明する。
図5は、第2の実施の形態に係るチェッカユニットによる商品登録処理のフローチャートである。
【0063】
図6は、第2の実施の形態に係る商品マスタの一例を示す図、図7は、第2の実施の形態に係る登録済商品リストの一例を示す図、図8は、第2の実施の形態に係るバンドル条件リストの一例を示す図である。
【0064】
[ステップS41]チェッカユニット300は、入力データ(商品コード)を読み取り、商品マスタに商品コードを照会する。なお、商品マスタはPOSサーバ130が記憶しており、商品コードを照会する際にはPOSサーバ130にアクセスする。または、商品マスタをPOSサーバ130(またはキャッシャユニット120)から予め取得しておき、商品コードを照会する際には、取得した商品マスタを利用するようにしても構わない。
【0065】
ここで、商品マスタの一例について、図6の商品マスタ500を参照して説明する。商品マスタ500は、商品コードごとに、商品名、商品単価が登録されている。商品名は、商品コードによって特定される商品の名称である。商品単価は、商品コードによって特定される商品の単価である。例えば、商品コード「010011100」の商品名「豚肉」は、商品単価が「198円」である。なお、商品マスタは、メーカ名等のその他の情報を含むものであってもよい。
【0066】
[ステップS42]チェッカユニット300は、照会した商品マスタから商品名、商品単価を取得する。
[ステップS43]チェッカユニット300は、商品マスタに照会した商品を精算対象として登録済商品リストに登録する。登録済商品リストは、チェッカユニット300が買い物単位に記憶する精算対象となった商品のリストである。登録済商品リストは、精算対象として商品を登録するごとにリストの追加登録を行い、顧客の所定の操作入力で「END」登録を行う。
【0067】
ここで、登録済商品リストの一例について、図7の登録済商品リスト510を参照して説明する。登録済商品リスト510は、商品コードごとに、商品名、商品単価、数量、バンドル企画名、バンドル成立、割引後単価、合価が登録されている。商品名は、商品マスタから取得した商品名である。商品単価は、商品マスタから取得した商品単価である。数量は、顧客が操作入力した商品の数または量である。バンドル企画名はバンドル条件の種類を表す。図7の登録済商品リスト510では当該商品コードが対象となっているバンドル条件のバンドル企画名が入力され、当該商品コードが対象となっているバンドル条件がない場合には「−」が入力される。バンドル成立は、バンドル条件が成立している場合には、そのバンドル条件のバンドル企画名が、バンドル条件が未成立の場合には「−」が入力される。割引後単価は、商品ごとの値引額、または割引額を適用後の商品単価である。合価は、割引後単価に数量を乗じた合計価格である。なお、登録済商品リスト510のバンドル企画名、バンドル成立、割引後単価は、以下で実行される処理の結果に伴い、登録される。
【0068】
[ステップS44]チェッカユニット300は、バンドル条件リストに商品コードを参照する。なお、チェッカユニット300では、バンドル条件リストに商品コードの対象となるバンドル条件があれば、登録済商品リストの「バンドル企画名」に対象となっているバンドル企画名を登録する。
【0069】
ここで、バンドル条件リストの一例について、図8のバンドル条件リスト520を参照して説明する。バンドル条件リスト520は、商品コードごとに、バンドル企画名、成立数量、成立時単価が登録されている。バンドル企画名は、バンドル条件の種類を表すものである。成立数量は、バンドル企画名のバンドル条件が成立するための数量である。成立時単価は、バンドル条件が成立した際の商品単価である。例えば、商品「パン」の商品コード「020011111」は、バンドル企画名「B」の対象である。バンドル企画名「B」のバンドル条件が成立するための成立数量は「3」であって、成立した際のパンの単価は「78円」である。また、商品「シャンプー」及び「リンス」のそれぞれの商品コード「030011111」及び「030011112」は、バンドル企画名「D」及び「E」の対象である。また、バンドル企画名「F」のバンドル条件が成立するためのシャンプー及びリンスを合わせた成立数量は「2(1組)」であって、この際、シャンプー及びリンスの単価はそれぞれ「198円」である。
【0070】
[ステップS45]チェッカユニット300は、ステップS44でバンドル条件リストに商品コードを照会して、当該商品コードが対象となっているバンドル条件があるか否かを判定する。当該商品コードが対象となっているバンドル条件がある場合にはステップS46に進み、バンドル条件がない場合にはステップS40aに進む。
【0071】
商品コードが対象となっているバンドル条件があれば、例えば、登録済商品リスト510に登録されている商品名「パン」は、バンドル条件リスト520のバンドル企画名「B」に該当するために、登録済商品リスト510のバンドル企画名には「B」が登録される。また、登録済商品リスト510に登録されている商品名「ジュース」は、バンドル条件リスト520のバンドル企画名「C」に該当するために、登録済商品リスト510のバンドル企画名には「C」が登録される。
【0072】
[ステップS46]チェッカユニット300は、ステップS45でバンドル条件の対象となっている商品コード(に対応する商品の数量)に対する当該バンドル条件を成立させているか否かを判定する。当該商品コードに対する当該バンドル条件が成立している場合にはステップS47に進み、バンドル条件が成立していない場合(未成立)にはステップS48に進む。
【0073】
上記の例では、当該商品コードに対するバンドル条件が成立している場合には、商品名「パン」が数量「3」であると、バンドル条件である成立数量「3」と一致するために、登録済商品リスト510のバンドル成立には「B」が登録される。一方、商品名「ジュース」が数量「4」であると、バンドル条件である成立数量「5」と一致しないために、登録済商品リスト510のバンドル成立には「−(未成立)」が登録される。
【0074】
[ステップS47]チェッカユニット300は、バンドル条件が成立した商品コードの割引後単価及び合価を当該バンドル条件の成立時単価に基づいて登録する。
例えば、商品名「パン」はバンドル条件が成立した場合には、登録済商品リスト510の割引後単価に「78円」を登録すると共に、合価に「234円」を登録する。
【0075】
[ステップS48]チェッカユニット300は、バンドル条件が未成立だった商品コードについて、当該バンドル条件を成立するための要件を特定する。
例えば、バンドル条件成立の数量「5」の商品名「ジュース」が数量「4」であることから、商品名「ジュース」のバンドル条件を成立させるための要件としては、「ジュース」をさらにもう「1」増やす必要がある。
【0076】
[ステップS49]チェッカユニット300は、バンドル条件が未成立であることを示す未成立フラグをセットする。
[ステップS40a]チェッカユニット300は、商品を精算対象として登録したことを、ディスプレイ301の画面に表示して報知する。
【0077】
ここで、バンドル条件の成立のための要件を報知(表示)する場合の表示画面の一例について図9及び図10を用いて説明する。
図9は、第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(バンドル条件要件表示時)の一例を示す図、図10は、第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(バンドル条件成立時)の一例を示す図である。
【0078】
チェッカユニット300のディスプレイ301は、例えば、図9に示すように、情報表示領域301a、登録商品表示領域301b、各ボタンが設けられたボタン領域301cで構成されている。
【0079】
情報表示領域301aは、例えば、日付、時間、コマーシャルメッセ―ジ、特売情報等の案内情報が表示される。
登録商品表示領域301bには、チェッカユニット300が読み込んだ商品コードに対応する商品名、その数量、単価、合価(数量×単価)、現在までの登録商品数、合計金額、表示ページ数等が表示される。例えば、図9の場合では、現在までに9品が登録されると共に、それらの合計金額は3270円である。また、図9では、2ページ中の2ページ目が表示されている場合を表している。
【0080】
ボタン領域301cには、チェッカユニット300に様々な処理を実行させるための各種ボタンが配置されている。顧客が各ボタンをそれぞれ押下することで、チェッカユニット300は以下に挙げる処理を実行する。
【0081】
例えば、登録した商品を取り消す場合には、登録商品表示領域301bに表示されている商品の欄をタッチして選択してから「取消」ボタンをタッチすると、チェッカユニット300は、選択された商品の登録の取り消しを実行する。
【0082】
登録した商品の在庫の確認を行う場合には、登録商品表示領域301bに表示されている商品の欄をタッチして選択してから「在庫案内」ボタンをタッチすると、チェッカユニット300は、選択された商品の在庫の確認要求をPOSサーバ130に対して実行する。
【0083】
確認応答がPOSサーバ130よりチェッカユニット300に通知されると、情報表示領域301aにその結果が表示され、顧客は、在庫状況によっては購入が可能となる。
図4のステップS80の支払登録確定処理を行う場合には、「登録確定」ボタンをタッチすると、チェッカユニット300はステップS80の処理を実行する。
【0084】
図4のステップS90の支払登録の情報をキャッシャユニット120に転送する場合には、「支払」ボタンをタッチすると、チェッカユニット300はキャッシャユニット120に支払登録の情報の転送処理を実行する。
【0085】
顧客が商品購買を終了する場合には、「終了」ボタンをタッチすると、チェッカユニット300は支払登録されている商品等の情報をクリアする。
このようなディスプレイ301に対して、チェッカユニット300はステップS60の処理により、バンドル条件の成立要件として、図9に示されるように、「[パン]もう1点でお得になります!(3点で234円)」といった案内を情報表示領域301aに表示させることができる。
【0086】
顧客はこのようにディスプレイ301に表示される案内から、さらに「パン」の商品コードをチェッカユニット300のバーコードスキャナ304に読み取らせる。すると、「パン」のバンドル条件が成立し、図10に示されるように、登録商品表示領域301bには、「パン」の販売単価が割り引かれ、割り引かれた販売単価に基づいた合価が表示される。なお、図10では、「パン」のバンドル条件が成立したために、ディスプレイ301の情報表示領域301aにはコマーシャルメッセージが表示されている場合を図示している。
【0087】
このようにショッピングカート200に設けられたチェッカユニット300では、取得した購入対象の商品の購入数量に基づき、購入対象の商品に対するバンドル条件の成立状態を判定し、判定した成立状態から、バンドル条件が未成立である場合にバンドル条件が成立するために購入対象の商品に必要な要件を特定するようにした。そして、このようにして特定した要件を表示することで、顧客は、購入対象の商品がバンドル条件の対象であるか否かを知ることができる。さらに、購入対象の商品がバンドル条件の対象であり、バンドル条件が未成立である場合には、購入対象の商品がバンドル条件を成立させるための要件を知ることができる。したがって、顧客の購買意欲を向上させることができる。さらに、店舗も販売機会を増やすことができ、売上の増加を図ることができるようになる。
【0088】
さらに、このようなチェッカユニット300が設けられたショッピングカート200を利用することで、顧客が購入対象の商品の数量を取得するごとにバンドル条件の判定が行われるために、購入対象の商品がバンドル条件の対象であるか否かをその場で即時かつ確実にわかるようになる。このため、購入対象の商品がバンドル条件の対象であることを後から知ることがなくなり、後から知った場合の煩雑な処理・操作等の発生を防止することができる。したがって、顧客は当該ショッピングカートにより時間的かつ経済的に効率よく買い物を行うことができるようになる。
【0089】
次に、このようなチェッカユニット300に関する様々な形態について説明する。
<実施例1>
実施例1では、商品が複数のバンドル条件の対象になっている場合について図11を用いて説明する。
【0090】
図11は、第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(バンドル条件要件表示時)の一例を示す図である。
図8のバンドル条件リスト520に記載されているように、「シャンプー」はバンドル企画名「D」,「F」の2つの対象となっている。なお、「リンス」も同様に2つの対象になっているが、ここでは「シャンプー」について説明する。
【0091】
顧客がチェッカユニット300のバーコードスキャナ304で「シャンプー」のバーコードから商品コード「040011111」(数量は「1」)を読み取ると、チェッカユニット300は商品登録処理(図4のステップS40)を実行する。
【0092】
チェッカユニット300はこの商品登録処理にて「シャンプー」のバンドル条件が未成立であることを判定し、当該バンドル条件が成立するための要件として、「シャンプー」または「リンス」をあと「1」購入することを特定する(ステップS46〜S48)。そして、ディスプレイ301の登録商品表示領域301bには、「シャンプー」について、単価、数量、合価が表示される。さらに、「シャンプー」のバンドル条件の成立要件として、ディスプレイ301の情報表示領域301aには、図11に示されるように、「[シャンプー]もう1点でお得になります(2点で396円)、さらにリンスでお得になります(リンスとセットで396円)」といった案内を表示させることができる。
【0093】
このようにディスプレイ301の情報表示領域301aに表示された案内に応じて、顧客は「シャンプー」または「リンス」を手に取って、いずれかの商品コードをチェッカユニット300のバーコードスキャナ304で読み取る。すると、「シャンプー」(及び「リンス」)のバンドル条件が成立し、登録商品表示領域301bには、「シャンプー」(及び「リンス」)の価格が割り引かれて表示される。なお、顧客が、「シャンプー」1点のみを望む場合には、ディスプレイ301にバンドル条件の成立要件の表示に関わらず、別の商品の商品購買処理を継続、または商品購買処理を終了する。
【0094】
また、チェッカユニット300は、このように商品が複数のバンドル条件の対象であって、バンドル条件の成立要件を表示する場合には、例えば、各バンドル条件による購入対象の商品の商品単価の割引率に応じて(例えば、割引率の大きい順に)表示することができる。このような表示により、購入対象の商品のお得感を顧客に印象付けることができ、顧客の購買意欲をさらに向上させるようにすることができる。なお、表示順序は商品単価の割引率に限らず、例えば、購入対象の商品を合わせた販売価格に応じたものでも構わない。また、このような表示順序は予め自由に設定することが可能である。
【0095】
<実施例2>
実施例2では、上記の説明の通り、商品のバンドル条件の成立要件に応じて、さらに商品を選択したい場合に、当該商品が陳列棚にない場合について図12を用いて説明する。
【0096】
図12は、第2の実施の形態に係るチェッカユニットの表示画面(店舗内地図表示時)の一例を示す図である。
例えば、図9に示したように、チェッカユニット300のディスプレイ301に「パン」のバンドル条件を成立させるための成立要件が表示されて、顧客が「パン」を追加しようとして、陳列棚から「パン」を探す。この時、「パン」が当該陳列棚に見当たらない場合には、顧客は「パン」に関して、ディスプレイ301のボタン領域301cの「在庫案内」ボタンをタッチして押下する。チェッカユニット300は、「パン」に関する「在庫案内」を受け付けると、POSサーバ130に「パン」の在庫を問い合わせる。
【0097】
チェッカユニット300は、「パン」に在庫がない場合にはPOSサーバ130から「パン」の在庫切れが通知される。そして、チェッカユニット300はディスプレイ301の情報表示領域301aに「パン」の在庫が切れている旨を表示する。
【0098】
一方、チェッカユニット300は、「パン」に在庫がある場合にはPOSサーバ130から「パン」の在庫の所在の情報が通知される。チェッカユニット300は、「パン」の所在の情報を受信すると、GPSを起動してチェッカユニット300自身の位置情報を取得する。そして、チェッカユニット300は、「パン」の所在の情報と自身の位置情報とを予め保持してある店舗の地図情報に反映させて、図12に示されるように、ディスプレイ301上に当該地図301hを表示させる。なお、図12では、「パン」の所在位置を星印で表している。また、地図301hの右上の「ばつ印」をタッチすると、表示されている地図301hが閉じる。
【0099】
顧客はディスプレイ301上に表示された地図301hで「パン」の所在位置を確認すると、ショッピングカート200を当該位置まで移動して、「パン」をもう1点入手することができる。そして、チェッカユニット300のバーコードスキャナ304により「パン」の商品コードを読み取り、図10に示されるように、「パン」のバンドル条件が成立する。このようにチェッカユニット300がショッピングカート200に設置されていることから、顧客は所望の商品の所在位置を地図301hで確認することができ、また、地図301hに基づき移動して、商品を自ら入手することができる。したがって、商品のバンドル条件を成立させるために、当該商品をその場で見つけ出すことができない場合でも、顧客は係員を探して、商品の所在を尋ねたりする動作を行うことなく、自ら商品を探し出すようにすることができる。このため、顧客は時間的かつ経済的に効率よく買い物を行うことができるようになる。
【0100】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、チェッカユニット300が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
【0101】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0102】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0103】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成及び応用例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0104】
10 商品販売情報処理装置
11 商品マスタ情報保持部
12 バンドル条件情報保持部
13 数量取得部
14 商品情報照会部
15 バンドル判定部
16 要件特定部
17 表示部
18 商品リスト情報保持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入対象の商品の購入数量の情報を取得する数量取得部と、
取得した前記購入数量に基づき、前記購入対象の商品に対する、商品の販売価格を前記商品の数量に応じて定めたバンドル条件の成立状態を判定するバンドル判定部と、
判定した前記成立状態から、前記バンドル条件が未成立である場合に前記バンドル条件が成立するために前記購入対象の商品に必要な要件を特定する要件特定部と、
特定した前記要件を表示する表示部と、
を有することを特徴とする商品販売情報処理装置。
【請求項2】
前記バンドル判定部は、前記購入対象の商品の前記購入数量が前記バンドル条件の前記数量と一致する場合に、前記バンドル条件が成立すると判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の商品販売情報処理装置。
【請求項3】
前記バンドル判定部は、前記購入対象の商品の前記購入数量が前記バンドル条件の前記数量未満である場合に、前記バンドル条件が未成立と判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の商品販売情報処理装置。
【請求項4】
前記バンドル条件は、同一商品又は組合せた商品の数量に応じて販売価格を定めていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の商品販売情報処理装置。
【請求項5】
前記要件特定部が特定する前記要件は、前記バンドル条件の前記数量に対する前記購入対象の商品の前記購入数量の不足数量を特定する、
ことを特徴とする請求項4記載の商品販売情報処理装置。
【請求項6】
前記バンドル条件は、商品が組み合わされた数量に応じて販売価格を定めている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の商品販売情報処理装置。
【請求項7】
前記要件特定部が特定する前記要件は、前記バンドル条件の前記数量に対する前記購入対象の商品の前記購入数量の不足数量の前記購入対象の商品とは異なる商品を要する、
ことを特徴とする請求項6記載の商品販売情報処理装置。
【請求項8】
前記購入対象の商品が複数の前記バンドル条件の対象となっており、複数の前記要件が特定された場合に、前記表示部は、複数の前記バンドル条件の販売価格に応じた順で複数の前記要件を表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の商品販売情報処理装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記要件を表示する際に、前記購入対象の商品の所在を表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の商品販売情報処理装置。
【請求項10】
購入対象の商品の購入数量の情報を取得し、
取得した前記購入数量に基づき、前記購入対象の商品に対する、商品の販売価格を前記商品の数量に応じて定めたバンドル条件の成立状態を判定し、
判定した前記成立状態から、前記バンドル条件が未成立である場合に前記バンドル条件が成立するために前記購入対象の商品に必要な要件を特定し、
特定した前記要件を表示部に表示する、
ことを特徴とする商品販売情報処理方法。
【請求項11】
表示手段が接続されたコンピュータに、
購入対象の商品の購入数量の情報を取得させ、
取得した前記購入数量に基づき、前記購入対象の商品に対する、商品の販売価格を前記商品の数量に応じて定めたバンドル条件の成立状態を判定させ、
判定した前記成立状態から、前記バンドル条件が未成立である場合に前記バンドル条件が成立するために前記購入対象の商品に必要な要件を特定させ、
特定した前記要件を前記表示手段に表示させる、
処理を実行させることを特徴とする商品販売情報処理プログラム。
【請求項1】
購入対象の商品の購入数量の情報を取得する数量取得部と、
取得した前記購入数量に基づき、前記購入対象の商品に対する、商品の販売価格を前記商品の数量に応じて定めたバンドル条件の成立状態を判定するバンドル判定部と、
判定した前記成立状態から、前記バンドル条件が未成立である場合に前記バンドル条件が成立するために前記購入対象の商品に必要な要件を特定する要件特定部と、
特定した前記要件を表示する表示部と、
を有することを特徴とする商品販売情報処理装置。
【請求項2】
前記バンドル判定部は、前記購入対象の商品の前記購入数量が前記バンドル条件の前記数量と一致する場合に、前記バンドル条件が成立すると判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の商品販売情報処理装置。
【請求項3】
前記バンドル判定部は、前記購入対象の商品の前記購入数量が前記バンドル条件の前記数量未満である場合に、前記バンドル条件が未成立と判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の商品販売情報処理装置。
【請求項4】
前記バンドル条件は、同一商品又は組合せた商品の数量に応じて販売価格を定めていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の商品販売情報処理装置。
【請求項5】
前記要件特定部が特定する前記要件は、前記バンドル条件の前記数量に対する前記購入対象の商品の前記購入数量の不足数量を特定する、
ことを特徴とする請求項4記載の商品販売情報処理装置。
【請求項6】
前記バンドル条件は、商品が組み合わされた数量に応じて販売価格を定めている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の商品販売情報処理装置。
【請求項7】
前記要件特定部が特定する前記要件は、前記バンドル条件の前記数量に対する前記購入対象の商品の前記購入数量の不足数量の前記購入対象の商品とは異なる商品を要する、
ことを特徴とする請求項6記載の商品販売情報処理装置。
【請求項8】
前記購入対象の商品が複数の前記バンドル条件の対象となっており、複数の前記要件が特定された場合に、前記表示部は、複数の前記バンドル条件の販売価格に応じた順で複数の前記要件を表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の商品販売情報処理装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記要件を表示する際に、前記購入対象の商品の所在を表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の商品販売情報処理装置。
【請求項10】
購入対象の商品の購入数量の情報を取得し、
取得した前記購入数量に基づき、前記購入対象の商品に対する、商品の販売価格を前記商品の数量に応じて定めたバンドル条件の成立状態を判定し、
判定した前記成立状態から、前記バンドル条件が未成立である場合に前記バンドル条件が成立するために前記購入対象の商品に必要な要件を特定し、
特定した前記要件を表示部に表示する、
ことを特徴とする商品販売情報処理方法。
【請求項11】
表示手段が接続されたコンピュータに、
購入対象の商品の購入数量の情報を取得させ、
取得した前記購入数量に基づき、前記購入対象の商品に対する、商品の販売価格を前記商品の数量に応じて定めたバンドル条件の成立状態を判定させ、
判定した前記成立状態から、前記バンドル条件が未成立である場合に前記バンドル条件が成立するために前記購入対象の商品に必要な要件を特定させ、
特定した前記要件を前記表示手段に表示させる、
処理を実行させることを特徴とする商品販売情報処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−77186(P2013−77186A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216857(P2011−216857)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
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