説明

商品販売支援システム

【課題】患者が購入する商品を管理することが可能な商品販売支援システムを提供する。
【解決手段】商品の販売を支援するサービスを外部に提供し、当該外部から商品の購入注文を受け付けるサーバ装置と、前記サーバ装置が提供するサービスに基づいて、特定の商品の購入注文を前記サーバ装置に送信する端末装置と、を備えた商品販売支援システムであって、前記サーバ装置は、前記端末装置を操作する患者を特定する特定手段と、各患者と当該患者の病名又は処方薬剤の禁忌物とを関連付けたリポジトリから、前記特定手段が特定した患者の禁忌物を読み出す読出手段と、前記端末装置に対して販売支援を行う商品のうち、前記読出手段が読み出した禁忌物に該当する商品の販売を制限する制限手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の小売点では、インターネットで注文を受け付け、注文された商品を個人宅まで配送を行う、所謂“ネットスーパー”と呼ばれるサービスを提供している。係るサービスでは、利用者宅の近隣の店舗から商品を配達することで、注文を受け付けた当日に配達することを可能としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、行動範囲の制限された入院患者では、日用品や食品の購入は病院内の売店や見舞客等の他者に依頼することになるため、商品選択の自由度が低いという問題がある。そこで、上記ネットスーパーを利用することが考えられるが、入院患者がネットスーパーを利用した場合、病院側では患者が購入した商品を把握することができず、例えば、病状に影響を与えるような食料品を購入してしまう可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の商品販売支援システムは、商品の販売を支援するサービスを提供し、当該商品の購入注文を受け付けるサーバ装置と、サーバ装置が提供するサービスに基づいて、特定の商品の購入注文をサーバ装置に送信する端末装置と、を備えた商品販売支援システムであって、サーバ装置は、特定手段と、読出手段と、制限手段とを有している。特定手段は、端末装置を操作する患者を特定する。読出手段は、各患者と当該患者の病名又は処方薬剤の禁忌物とを関連付けたリポジトリから、特定手段が特定した患者の禁忌物を読み出す。制限手段は、端末装置に対して販売支援を行う商品のうち、読出手段が読み出した禁忌物に該当する商品の販売を制限する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本実施形態に係る商品販売支援システムの全体構成を概略的に示す図である。
【図2】図2は、端末装置の構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、病院内サーバの構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、商品管理ファイルのデータ構成の一例を模式的に示す図である。
【図5】図5は、患者管理ファイルのデータ構成の一例を模式的に示す図である。
【図6】図6は、禁忌物管理ファイルのデータ構成の一例を模式的に示す図である。
【図7】図7は、注文管理ファイルのデータ構成の一例を模式的に示す図である。
【図8】図8は、病院内サーバが端末装置に提供する画面の一例を示す図である。
【図9】図9は、病院内サーバが端末装置に提供する画面の一例を示す図である。
【図10】図10は、端末装置と病院内サーバとの間で行われる患者特定処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】図11は、端末装置と病院内サーバとの間で行われる注文受付処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図12】図12は、病院内サーバが行う一括注文処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図13】図13は、病院内サーバが行う決済処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、添付図面を参照して、商品販売支援システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0007】
図1は、本実施形態に係る商品販売支援システム100の全体構成を概略的に示す図である。同図に示すように、商品販売支援システム100は、端末装置10と、病院内サーバ20と、注文受付装置30と、決済サーバ40とを有している。
【0008】
端末装置10及び病院内サーバ20は同一の病院H内に配置され、有線又は無線のLAN51(Local Area Network)を介して接続されている。また、病院内サーバ20と、注文受付装置30及び決済サーバ40とは、インターネット等のWAN52(Wide Area Network)を介して接続されている。なお、LAN51やWAN52に接続される装置の個数は特に問わないものとする。
【0009】
端末装置10は、病院H内の入院患者(以下、単に患者という)が使用するノートPC(Personal Computer)等の情報通信端末である。各患者には固有の接続情報が配布されており、当該接続情報を端末装置10に入力することで、病院内サーバ20にアクセスすることが可能となっている。ここで、接続情報は、例えば各患者を識別する識別情報となる患者IDと、予め定めたパスワードとの組である。なお、端末装置10は、病院側から各患者に提供する形態としてもよいし、患者自身が持ち込む形態としてもよい。
【0010】
病院内サーバ20は、Webサーバやアプリケーションサーバ等の機能を有する一又は複数のサーバ装置であって、病院H周辺の小売店と提携し、当該小売店が提供する商品の販売を支援するサービスをLAN51内の各端末装置10に提供する。
【0011】
注文受付装置30は、病院内サーバ20を用いて商品の販売を行う小売店が管理するPCやサーバ装置等であって、病院内サーバ20から送信される後述する一括注文情報を受信する。なお、小売店側では、注文受付装置30が受信した一括注文情報に基づき、自己の小売店に注文された商品を病院Hに配達を行うものとする。
【0012】
また、決済サーバ40は、クレジット決算を代行する電子決済サーバであって、病院内サーバ20から送信される決済情報に従い、各小売店から購入した商品の決済処理を患者毎に行う。
【0013】
次に、商品販売支援システム100を構成する装各置の構成について説明する。図2は、端末装置10の構成の一例を示す図である。同図に示すように、端末装置10は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12及びRAM(Random Access Memory)13を備えている。
【0014】
CPU11は、ROM12や後述する記憶部16に記憶された各種プログラムを実行することにより、端末装置10を統括的に制御する。ROM12は、基本動作を行うためのプログラムを記憶している。RAM13は、端末装置10の主記憶装置であって、CPU11のワークエリアとして機能する。
【0015】
また、CPU11には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、入力部14及び表示部15が接続されている。入力部14は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスであって、端末装置10を操作する患者から入力された操作内容をCPU11に通知する。表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスを有し、CPU11の指示に従い各種の情報を表示する。なお、入力部14をタッチパネル構成とすることで、表示部15と協働して入力を受け付ける形態としてもよい。
【0016】
また、CPU11には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、記憶部16及び通信I/F17が接続されている。記憶部16は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体であって、Webブラウザ等の各種プログラムや各種ファイルを記憶している。通信I/F17は、病院内サーバ20とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU11は、この通信I/F17を用いて、病院内サーバ20との間で種々のデータを送受信する。
【0017】
図3は、病院内サーバ20の構成の一例を示す図である。同図に示すように、病院内サーバ20は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU21、ROM22及びRAM23を備えている。
【0018】
CPU21は、ROM22や後述する記憶部26に記憶された各種プログラムを実行することにより、病院内サーバ20を統括的に制御する。ROM22は、基本動作を行うためのプログラムを記憶している。RAM23は、病院内サーバ20の主記憶装置であって、CPU11のワークエリアとして機能する。
【0019】
また、CPU21には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、入力部24及び表示部25が接続されている。入力部24は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスであって、端末装置10を操作する患者から入力された操作内容をCPU21に通知する。表示部25は、LCD等の表示デバイスを有し、CPU21の指示に従い各種の情報を表示する。
【0020】
また、CPU21には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、記憶部26、第1通信I/F27及び第2通信I/F28が接続されている。
【0021】
記憶部26は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体であって、後述する各機能部を実現するための各種プログラムや各種ファイル(リポジトリ)を記憶している。記憶部26に記憶されるファイルとしては、例えば、販売対象の各商品に関する情報(以下、商品情報という)を管理する商品管理ファイル261、各患者の接続情報と患者情報とを関連付けて管理する患者管理ファイル262、各種の病名又は薬剤名とその禁忌物となる食品名等とを関連付けて管理する禁忌物管理ファイル263、各患者から受け付けた注文内容を管理する注文管理ファイル264等が挙げられる。
【0022】
図4は、商品管理ファイル261のデータ構成の一例を模式的に示す図である。同図に示すように、商品管理ファイル261は、販売支援の対象となる各商品の商品情報として、商品の商品コード、カテゴリコード、商品名、単価、画像URI、小売店コード等を関連付けて記憶・管理している。ここで、商品コードは、各商品を識別することが可能なJAN(Japanese Article Number)等の識別情報である。また、カテゴリコードは、商品の種別(例えば、果物、飲料、お菓子等)を表すものである。また、画像URIは、商品を表す画像ファイルの格納場所を示したURI(Uniform Resource Identifier)であって、後述する購入画面の生成時に用いられるものである。また、小売店コードは、商品を提供する販売元の小売店を識別するための識別情報である。
【0023】
また、図5は、患者管理ファイル262のデータ構成の一例を模式的に示す図である。同図に示すように、患者管理ファイル262は、各患者の接続情報と、患者情報とを関連付けて記憶・管理している。ここで、接続情報には、各患者の患者IDとパスワードとの組が格納される。また、患者情報には、接続情報に対応する患者の患者名、入院先の病室番号、病名、処方されている薬剤名(処方薬剤名)、電子決済に必要な電子決済情報(例えば、クレジット番号や有効期限)等が格納される。
【0024】
なお、図5では、患者の病名及び処方薬剤名を患者管理ファイル262に直接含める形態としたが、病名及び処方薬剤名の代わりにこれらの情報を導出可能な他の情報を含めることで、当該他の情報から病名及び処方薬剤名を導出する形態としてもよい。例えば、患者の電子カルテを特定するカルテ番号等を患者管理ファイル262に含めることで、このカルテ番号から特定される電子カルテから病名や処方薬剤名を読み取る形態としてもよい。
【0025】
また、図6は、禁忌物管理ファイル263のデータ構成の一例を模式的に示す図である。同図に示すように、禁忌物管理ファイル263は、禁忌条件と禁忌情報とを関連付けて記憶・管理している。ここで、禁忌条件には、各種の病名や薬剤名(又は病名と薬剤名との組み合わせ)が格納される。また、禁忌情報には、禁忌条件の病名や薬剤名(又は病名と薬剤名との組み合わせ)の禁忌物の名称(例えば食品名)が格納される。例えば、ある種のカルシウム拮抗剤についてはグレープフルーツが禁忌物となるため、これらの情報が関連付けて登録されている。
【0026】
また、図7は、注文管理ファイル264のデータ構成の一例を模式的に示す図である。同図に示すように、注文管理ファイル264は、各患者の患者IDと関連付けて、その患者から注文を受け付けた商品の注文内容を表した注文情報を記憶・管理している。ここで、注文情報は、注文を受け付けた商品の商品コード、商品名、単価、注文個数、販売元の小売店の小売店コード、注文を受け付けた日時等の項目から構成される。
【0027】
図3に戻り、第1通信I/F27は、端末装置10とデータ通信を行うためのインタフェースである。また、第2通信I/F28は、注文受付装置30や決済サーバ40とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU21は、第1通信I/F27を用いて、端末装置10との間で種々のデータを送受信する。また、CPU21は、第2通信I/F28を用いて、注文受付装置30や決済サーバ40との間で種々のデータを送受信する。
【0028】
次に、病院内サーバ20が有する特徴的な機能について説明する。CPU21は、ROM22や記憶部26に記憶された所定のプログラムとの協働により、図3に示すように、患者特定部211、禁忌情報読出部212、購入画面提供部213、一括注文部214及び決済処理部215を実現させる。
【0029】
患者特定部211は、端末装置10から送信される接続情報に基づき、当該端末装置10を操作する患者を特定する。具体的に、患者特定部211は、端末装置10から接続情報を受け付けると、患者管理ファイル262に登録された各接続情報と照合し、一致した接続情報の患者を端末装置10の操作者として特定する。なお、患者管理ファイル262に登録された何れの接続情報とも一致しない場合、患者特定部211は、不正なアクセスと判断し、アクセスを拒否する旨の応答情報を端末装置10に送信する。
【0030】
禁忌情報読出部212は、患者特定部211が特定した患者の患者情報に含まれる病名及び処方薬剤名に基づき、この病名及び処方薬剤名に対応する禁忌情報を禁忌物管理ファイル263から読み出す。
【0031】
購入画面提供部213は、商品管理ファイル261に登録された商品情報と、禁忌情報読出部212が読み出した禁忌情報とに基づいて、各商品の購入を支援するための購入画面を端末装置10に提供する。また、購入画面提供部213は、購入画面に基づいて端末装置10から商品の注文(購入注文)を受け付けると、その注文内容を示した注文情報を、その端末装置10を操作する患者の患者IDと関連付け、注文管理ファイル264に登録する。
【0032】
具体的に、購入画面提供部213は、商品管理ファイル261に登録された各カテゴリコードに基づいて、図8に示すような初期画面を生成し、アクセス元の端末装置10に提供する。ここで、図8は、病院内サーバ20が端末装置10に提供する画面(初期画面)の一例を示す図である。同図において、領域A11には、商品の各カテゴリ(例えば、野菜、果物等)を表す文字列が一覧表示されている。また、領域A12には、商品の各カテゴリを表すアイコン画像が一覧表示されている。
【0033】
領域A11又は領域A12に表示されたカテゴリのうち、端末装置10において何れかの一のカテゴリが選択され、このカテゴリを表すカテゴリコードが病院内サーバ20に通知されると、購入画面提供部213は、この選択されたカテゴリコードに関連付けられた商品情報を、商品管理ファイル261から読み出す。そして、購入画面提供部213は、読み出した商品情報に基づき、各商品の購入を支援するための画面(購入画面)を生成し、アクセス元の端末装置10に提供する。
【0034】
ここで、図9は、購入画面の一例を示す図である。なお、図9では、カテゴリ“果物”が選択された場合に生成された購入画面を示している。図8に示した領域A11又は領域A12からカテゴリ“果物”が選択されると、購入画面提供部213は、商品管理ファイル261を参照し、このカテゴリ(カテゴリコード)に関連付けられた各商品の商品情報に基づき、購入画面G1を商品毎に生成し、端末装置10に提供する。図9では、“リンゴ”、“グレープフルーツ”及び“桃”について、購入画面G1が生成された例を示しており、図8に示した領域A12と置き換えた領域A2に一覧表示している。
【0035】
ここで、購入画面G1は、商品名を表示するための領域A21と、価格(単価)を表示するための領域A22と、画像ファイルを表示するための領域A23と、商品コードを表示するための領域A24とを有している。これら、領域A21〜A24には、各商品の商品情報に含まれた各項目(商品コード、商品名、単価、画像URI)に基づき、対応する情報が入力される。また、購入画面G1は、注文する商品の個数(注文個数)を選択的に入力するための領域A25と、注文を指示するための購入ボタンB1とを有している。端末装置10を操作する患者が、領域A25から所望する注文個数を入力し、購入ボタンB1を押下すると、端末装置10のCPU11は、購入ボタンB1が押下された購入画面G1に含まれる商品情報(商品コード、商品名、単価)とその注文個数とを注文情報として病院内サーバ20に通知する。
【0036】
なお、購入画面提供部213は、購入画面G1の生成に際し、商品管理ファイル261から読み出した商品情報に含まれる商品名と、禁忌情報読出部212が読み出した禁忌情報の禁忌物とを比較し、当該禁忌物と一致する商品名が存在した場合に、この商品の商購入を制限する。
【0037】
例えば、図9では、領域A2に表示した各商品の購入画面G1のうち、商品名“グレープフルーツ”が禁忌物に該当した例を示している。ここで、購入画面提供部213は、“グレープフルーツ”の購入画面G1の生成時において、購入ボタンB1を無効化することで“グレープフルーツ”の購入を制限している。以下、購入ボタンB1を無効化した購入画面G1を購入制限画面という。このように、患者の病名や処方薬剤の禁忌物となる商品の購入を制限することで、禁忌物の摂取により不慮の事故の発生を未然に防ぐことができる。
【0038】
なお、制限方法は、この例に限らず、例えば、該当する商品の購入画面G1自体を非表示、即ち購入画面G1の生成を制限する形態としてもよい。また、禁忌物に該当する旨のメッセージを含めて購入画面G1を生成する形態としてもよいし、購入ボタンB1の押下時に禁忌物である旨を表示し、購入の意思を確認する確認ボタン(図示せず)を表示させる形態としてもよい。
【0039】
また、購入画面提供部213は、上述した購入画面に基づき端末装置10から商品の注文情報を受け付けると、この商品を提供する小売店の小売店コードを商品管理ファイル261から読み出す。そして、購入画面提供部213は、商品管理ファイル261から読み出した小売店コードを、対応する商品の注文情報とこの注文情報を受け付けた日時(注文日時)とを、端末装置10を操作する患者の患者IDと関連付けて、注文管理ファイル264に登録する。
【0040】
図3に戻り、一括注文部214は、注文管理ファイル264に登録された注文情報を小売店コード毎に抽出し、抽出した注文情報を一括注文情報として対応する小売店の注文受付装置30宛に送信する。具体的に、一括注文部214は、所定時間間隔(例えば、3時間)毎に、この所定時間前から現在時刻までの間に受け付けた注文情報を、注文の受付日時に基づいて注文管理ファイル264から特定する。そして、一括注文部214は、特定した注文情報を小売店コード毎に分別すると、これら分別した注文情報を一括注文情報として対応する小売店の注文受付装置30宛に送信する。なお、注文情報の分別時に、同一の商品(商品コード)の注文個数を集計する形態としてもよい。
【0041】
また、決済処理部215は、注文管理ファイル264に登録された各患者IDについて、注文情報に含まれた商品の総購入金額をその商品を提供する小売店毎に算出し、各小売店への決済処理を行う。具体的に、決済処理部215は、同一の患者IDに関連付けられた注文情報を処理対象とし、当該注文情報に含まれた商品の単価及び注文個数に基づいて、各小売店が提供する商品の総購入金額を支払金額として小売店毎に算出する。そして、決済処理部215は、各小売店へ支払金額の支払いを指示する指示情報を、対応する患者IDに関連付けられた患者管理ファイル262の電子決済情報とともに決済サーバ40に送信することで、各小売店への電子決済を決済サーバ40に依頼する。
【0042】
なお、決済処理を行うタイミングは特に問わず、例えば、前日に受け付けた注文情報の決済処理を日毎に行う形態としてもよいし、一括注文部214の処理と同期して決済処理を行い、当該一括注文部214が抽出した注文情報を決済処理の対象としてもよい。
【0043】
以下、図10〜図13を参照して、商品販売支援システム100の動作について説明する。まず、図10を参照して端末装置10と病院内サーバ20との間で行われる患者特定処理について説明する。ここで、図10は、端末装置10と病院内サーバ20との間で行われる患者特定処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【0044】
まず、端末装置10を操作する患者は、病院内サーバ20が提供するサービスを享受するに際し自らに割り当てられた接続情報を、入力部14を介して入力する。端末装置10のCPU11は、入力部14を介し接続情報の入力を受け付けると(ステップS11)、この接続情報を病院内サーバ20に送信する(ステップS12)。
【0045】
一方、病院内サーバ20では端末装置10から接続情報を受信すると(ステップS21)、患者特定部211は、この接続情報と、患者管理ファイル262に登録された各接続情報とを照合し(ステップS22)、一致する接続情報が患者管理ファイル262に登録されているか否かを判定する(ステップS23)。ここで、一致する接続情報が患者管理ファイル262に登録されていないと判定した場合(ステップS23;No)、患者特定部211は、不正なアクセスと判断し、アクセスを拒否する旨の応答情報を端末装置10に送信し(ステップS24)、処理を終了する。
【0046】
また、ステップS23において、一致する接続情報が患者管理ファイル262に登録されていると判定した場合(ステップS23;Yes)、患者特定部211は、この接続情報に該当した患者情報の患者を、アクセス元の端末装置10を操作する患者として特定し、アクセスを許可する旨の応答情報を端末装置10に送信する(ステップS25)。
【0047】
続いて、病院内サーバ20の禁忌情報読出部212は、ステップS25で特定された患者の患者情報を患者管理ファイル262から読み出す(ステップS26)。次いで、禁忌情報読出部212は、ステップS26で読み出した患者情報に含まれる病名及び処方薬剤名に基づいて、当該病名及び処方薬剤名に対応する禁忌情報を禁忌物管理ファイル263から読み出すと(ステップS27)、病院内サーバ20は後述する注文受付処理(図11参照)に移行する。
【0048】
一方、端末装置10では病院内サーバ20から応答情報を受信すると(ステップS13)、CPU11は、この応答情報がアクセスを許可するものか否かを判定する(ステップS14)。ここで、応答情報がアクセスを拒否するものであった場合(ステップS14;No)、CPU11は、認証エラーを報知する画面を表示部15に表示し(ステップS15)、処理を終了する。また、応答情報がアクセスを許可するものであった場合(ステップS14;Yes)、端末装置10は後述する注文受付処理(図11参照)に移行する。
【0049】
このように、患者特定処理では、患者管理ファイル262に登録された正規の接続情報が送信された場合にのみ病院内サーバ20へのアクセスを許可するため、接続情報の患者IDに対応する患者以外の者が当該患者になりすまして商品の注文を行うことを未然防止することができる。
【0050】
次に、図11を参照して、端末装置10と病院内サーバ20との間で行われる注文受付処理の動作について説明する。ここで、図11は、端末装置10と病院内サーバ20との間で行われる注文受付処理の手順を説明するためのフローチャートである。なお、本処理は、図10の患者特定処理において、アクセスが許可された場合に実行されるものである。
【0051】
まず、病院内サーバ20の購入画面提供部213は、商品管理ファイル261に登録された各カテゴリコードに基づき、図8に示したような初期画面を生成すると(ステップS31)、この初期画面をアクセス元の端末装置10に送信(提供)する(ステップS32)。
【0052】
端末装置10では病院内サーバ20から提供された初期画面を受信すると(ステップS51)、CPU11は、この初期画面を表示部15に表示し(ステップS52)、特定のカテゴリが選択されるまで待機する(ステップS53;No)。ここで、入力部14を介し特定のカテゴリが選択されると(ステップS53;Yes)、CPU11は、この選択されたカテゴリのカテゴリコードを病院内サーバ20に通知する(ステップS54)。
【0053】
病院内サーバ20の購入画面提供部213は、端末装置10から特定のカテゴリコードの通知を受け付けると(ステップS33)、このカテゴリコードに関連付けられた商品情報を商品管理ファイル261から読み出す(ステップS34)。続いて、購入画面提供部213は、読み出した各商品情報の商品名と、上述したステップS27で禁忌情報読出部212により読み出された禁忌情報に含まれる商品名(禁忌物)とを比較し(ステップS35)、一致する商品が存在するか否かを判定する(ステップS36)。ここで、禁忌物に該当しない商品については(ステップS36;No)、購入画面提供部213は、その商品の購入画面を生成し(ステップS37)、ステップS39に移行する。
【0054】
また、ステップS36において、禁忌物に該当すると判定した商品について(ステップS36;Yes)、購入画面提供部213は、その商品の購入を制限した購入制限画面を生成し(ステップS38)、ステップS39に移行する。なお、本処理では、購入を制限する購入画面を生成する形態としたが、これに限らず、上述したように購入画面自体の生成を制限する等の形態としてもよい。
【0055】
続いて、購入画面提供部213は、生成した購入画面、購入制限画面を端末装置10に送信(提供)する(ステップS39)。
【0056】
端末装置10では病院内サーバ20から提供された購入画面を受信すると(ステップS55)、CPU11は、図9に示したように購入画面/購入制限画面を表示部15に表示し(ステップS56)、注文操作が行われるまで待機する(ステップS57;No)。ここで、入力部14を介して特定の商品の注文が指示されると(ステップS57;Yes)、CPU11は、指示された商品の商品コード及び注文個数等を含む注文情報を病院内サーバ20に通知する(ステップS58)。
【0057】
続いて、端末装置10のCPU11は、注文の完了を指示する操作が入力部14から入力された否かを判定し、未入力の場合には(ステップS59;No)、ステップS60に移行する。ステップS60では、CPU11は、カテゴリの変更を指示する操作が入力部14から入力された否かを判定し、未入力の場合には(ステップS60;No)、ステップS57に再び戻る。また、ステップS60において、特定のカテゴリへの変更指示が入力された場合には(ステップS60;Yes)、ステップS54に戻り、指示されたカテゴリのカテゴリコードを病院内サーバ20に通知する。
【0058】
また、ステップS59において、注文の完了を指示する操作を受け付けた場合(ステップS59;Yes)、端末装置10のCPU11は、注文の完了を病院内サーバ20に通知する(ステップS61)。そして、端末装置10のCPU11は、表示部15に表示していた画面(購入画面、購入制限画面)を消去し(ステップS62)、処理を終了する。
【0059】
一方、病院内サーバ20の購入画面提供部213は、端末装置10から注文情報が通知されるまで待機し(ステップS40;No)、注文情報の通知を受け付けると(ステップS40;Yes)、この注文情報を、端末装置10を操作する患者の患者IDと現在日時(注文日時)と関連付け、注文管理ファイル264に登録する(ステップS41)。そして、購入画面提供部213は、端末装置10から注文完了の通知を受け付けたか否かを判定し、通知されない場合には(ステップS42;No)、ステップS40に再び戻り。また、注文完了の通知を受け付けた場合、処理を終了する。
【0060】
このように、注文受付処理では、患者が購入可能な商品を管理することで、患者の病名や処方薬剤の禁忌物の購入を制限し、当該禁忌物以外の商品の購入を支援する購入画面を提供する。これにより、禁忌物の摂取により不慮の事故の発生を未然に防ぐことができるため、入院患者の安全性を向上することができる。
【0061】
次に、図12を参照して、病院内サーバ20で行われる一括注文処理の動作について説明する。ここで、図12は、病院内サーバ20の一括注文部214が行う一括注文処理の手順を説明するためのフローチャートである。なお、本処理は、上記した注文受付処理において、注文管理ファイル264に登録された注文情報に対して実行されるものである。
【0062】
まず、病院内サーバ20の一括注文部214は、一括注文を行う所定時間間隔(例えば、3時間毎)が経過するまで待機し(ステップS71;No)、この所定時間に到達すると(ステップS71;Yes)、所定時間前から現在時刻までの間に注文を受け付けた注文情報を、注文管理ファイル264から処理対象に選択する(ステップS72)。
【0063】
続いて、一括注文部214は、選択した注文情報を小売店コード毎に分別すると(ステップS73)、これら分別した注文情報を一括注文情報として、対応する小売店の注文受付装置30に送信し(ステップS74)、ステップS71に再び戻る。
【0064】
小売店側では、注文受付装置30が受信した一括注文情報に基づき、自己の小売店に注文された商品を病院Hに配達する。そして、病院Hにおいて、各患者の注文情報に基づき、病院Hの職員等が各患者に商品を引き渡す。
【0065】
このように、一括注文処理によれば、各患者から注文された商品を、その商品を提供する小売店毎に一括して注文を行う。これにより、小売店側では自らの小売店で提供する商品の注文を病院単位で一括して受け付けることが可能となるため、商品販売の支援を効率的に行うことができる。なお、一括注文情報として送信した注文情報は、後述する決済処理の後、注文管理ファイル264から削除する形態としてもよいし、決済済みの注文情報として別ファイルで管理する形態としてもよい。
【0066】
また、病院H周辺の複数の小売店が提供する商品を病院内サーバ20で統括的に販売することができるため、病院H周辺地域の活性化を図ることができる。なお、本実施形態では、病院H周辺の小売店としたが、これに限らないものとする。
【0067】
次に、図13を参照して、病院内サーバ20で行われる決済処理の動作について説明する。ここで、図13は、病院内サーバ20の決済処理部215が行う決済処理の手順を説明するためのフローチャートである。なお、本処理は、注文管理ファイル264に登録された注文情報のうち、一括注文処理において一括注文情報の送信が完了した注文情報に対して実行されるものとする。
【0068】
まず、病院内サーバ20の決済処理部215は、決済処理を行う所定時間間隔(例えば、3時間毎)が経過するまで待機し(ステップS81;No)、この所定時間に到達すると(ステップS81;Yes)、一括注文部214で処理の対象となった注文情報を注文管理ファイル264から選択する(ステップS82)。
【0069】
続いて、決済処理部215は、ステップS82で選択した注文情報のうち、同一の患者IDに関連付けられた注文情報をそれぞれ処理対象とすると、当該注文情報に含まれた商品の単価及び注文個数に基づいて、各小売店が提供する商品の総購入金額を支払金額として小売店毎に算出する(ステップS83)。そして、決済処理部215は、各小売店へ支払金額の支払いを指示する指示情報を、対応する患者IDに関連付けられた患者管理ファイル262の電子決済情報とともに決済サーバ40に送信し(ステップS84)、ステップS81に再び戻る。
【0070】
決済サーバ40では、指示情報と電子決済情報との組を病院内サーバ20から受信すると、この指示情報に従い、電子決済情報を用いて各小売店への支払いを代行する。なお、決済の代行は図示しない所定のクレジット機関を介して行われるものとする。
【0071】
このように、決済処理によれば、各患者が注文した商品の総購入金額を小売店毎に算出し、当該各小売店への支払を電子決済により自動で行うため、各商品の支払を効率的に行うことができる。
【0072】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
【0073】
例えば、上記実施形態では、商品管理ファイル261、患者管理ファイル262、禁忌物管理ファイル263及び注文管理ファイル264を病院内サーバ20が備える形態としたが、これに限らず、病院内サーバ20がアクセス可能な外部装置(例えば、データベースサーバ)に保持する形態としてもよい。また、上記実施形態では、病院内サーバ20を病院H内に設ける形態としたが、これに限らず、病院内サーバ20の構成及び機能を病院H外のサーバ装置を用いて実現する形態としてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、病院Hの入院患者にサービスを提供する形態としたが、これに限らず、病院Hに通院する入院患者以外の患者に対しサービスを提供する形態としてもよい。また、WAN52に接続する病院H外の患者の端末装置に対してもサービスを提供する形態としてもよい。
【0075】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記録媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記録媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記録媒体も含まれる。
【0076】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0077】
100 商品販売支援システム
10 端末装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 入力部
15 表示部
16 記憶部
17 通信I/F
20 病院内サーバ
21 CPU
211 患者特定部
212 禁忌情報読出部
213 購入画面提供部
214 一括注文部
215 決済処理部
22 ROM
23 RAM
24 入力部
25 表示部
26 記憶部
261 商品管理ファイル
262 患者管理ファイル
263 禁忌物管理ファイル
264 注文管理ファイル
27 第1通信I/F
28 第2通信I/F
30 注文受付装置
40 決済サーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】特開2004−046682公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の販売を支援するサービスを提供し、当該商品の購入注文を受け付けるサーバ装置と、前記サーバ装置が提供するサービスに基づいて、特定の商品の購入注文を前記サーバ装置に送信する端末装置と、を備えた商品販売支援システムであって、
前記サーバ装置は、前記端末装置を操作する患者を特定する特定手段と、各患者と当該患者の病名又は処方薬剤の禁忌物とを関連付けたリポジトリから、前記特定手段が特定した患者の禁忌物を読み出す読出手段と、前記端末装置に対して販売支援を行う商品のうち、前記読出手段が読み出した禁忌物に該当する商品の販売を制限する制限手段と、を有することを特徴とする商品販売支援システム。
【請求項2】
前記リポジトリは、前記各患者を識別可能な識別情報と当該患者の病名又は処方薬剤名を関連付けて管理する第1リポジトリと、前記病名又は薬剤名と禁忌物とを関連付けて管理する第2リポジトリとを有し、
前記特定手段は、前記端末装置から送信された識別情報を、前記第1リポジトリに登録された各識別情報と照合することで前記端末装置を操作する患者を特定し、
前記読出手段は、前記特定手段が特定した患者の病名又は処方薬剤名に関連付けられた禁忌物を前記第2リポジトリから読み出すことを特徴とする請求項1に記載の商品販売支援システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、販売対象の商品毎に、当該商品に関する情報と購入注文を指示するための購入ボタンとを含んだ購入画面を生成し、前記端末装置に提供する購入画面提供手段を更に有し、
前記制限手段は、前記禁忌物に該当する商品の前記購入ボタンを無効化又は当該商品の購入画面の生成を制限することを特徴とする請求項1又は2に記載の商品販売支援システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、複数の小売店が提供する商品の販売支援を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の商品販売支援システム。
【請求項5】
前記サーバ装置は、前記端末装置の各々から受け付けた商品の購入注文を、当該商品を提供する小売店毎に分別し、各小売店に一括注文を行う一括注文手段を更に有することを特徴とする請求項4に記載の商品販売支援システム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、前記特定手段が特定した各患者について、当該患者が操作する端末装置から購入注文を受け付けた商品の総購入金額を、その商品を提供する小売店毎に算出し、各小売店への決済処理を行う決済手段を更に有することを特徴とする請求項4又は5に記載の商品販売支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−113654(P2012−113654A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264243(P2010−264243)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)