説明

商品買取装置、プログラム、および商品買取方法

【課題】店員の作業負担を軽減する商品買取装置、プログラム、および商品買取方法を提供する。
【解決手段】実施形態の商品買取装置は、取込手段と、物体認識手段と、決定手段と、報知手段と、を備える。前記取込手段は、買取対象の光学系メディアを含む撮像画像を取り込む。前記物体認識手段は、前記取り込んだ撮像画像から、前記光学系メディアを認識するとともに前記認識した光学系メディアの欠損を認識する。前記決定手段は、前記認識した欠損に応じて、前記認識した光学系メディアの買取の可否を決定する。前記報知手段は、前記決定した買取の可否を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品買取装置、プログラム、および商品買取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等の光学系メディアを買い取る中古買取店では、中古の光学系メディアを買い取る際、店員が、顧客が持ち込んだ光学系メディアの欠損具合を目視で確認して、当該光学系メディアの買取価格を決定している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、店員が光学系メディアの欠損具合を目視で確認して当該光学系メディアの買取価格を決定する方法では、店員が、顧客が持ち込んだ光学系メディアの欠損具合を目視で一つ一つ判別しなければならず、店員の作業負担が大きい、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の商品買取装置は、取込手段と、物体認識手段と、決定手段と、報知手段と、を備える。前記取込手段は、買取対象の光学系メディアを含む撮像画像を取り込む。前記物体認識手段は、前記取り込んだ撮像画像から、前記光学系メディアを認識するとともに前記認識した光学系メディアの欠損を認識する。前記決定手段は、前記認識した欠損に応じて、前記認識した光学系メディアの買取の可否を決定する。前記報知手段は、前記決定した買取の可否を報知する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本実施形態にかかるチェックアウトシステムを示す斜視図である。
【図2】図2は、POS端末および商品読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、PLUファイルのデータ構成を例示する概念図である。
【図4】図4は、第1の実施形態にかかるPOS端末および商品読取装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、第1の実施形態にかかるチェックアウトシステムにおける光学系メディアの買取価格の決定動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、表示デバイスおよび顧客用表示デバイスへのメッセージの表示例を示す図である。
【図7】図7は、表示デバイスおよび顧客用表示デバイスへの買取価格の表示例を示す図である。
【図8】図8は、第2の実施形態にかかるPOS端末および商品読取装置の機能構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、第2の実施形態にかかるチェックアウトシステムにおける光学系メディアの買取価格の決定動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下では、チェックアウトシステムを例に本実施形態にかかる商品買取装置、プログラム、および商品買取方法について、図面を参照して説明する。本実施形態では、チェックアウトシステムは、販売対象のCDやDVDなどの光学系メディアの登録や精算、および買取対象の中古の光学系メディアの買取価格の決定を行うPOS(Point Of Sales)端末と、光学系メディアに付されたバーコードや2次元コードなどのコードシンボルの読取等を行う商品読取装置と、を備える。本実施形態は、光学系メディアを取り扱い、かつ中古の光学系メディアの買い取りを行う中古買取店等の店舗に導入されたチェックアウトシステムへの適用例である。
【0007】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかるチェックアウトシステムを示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトシステム1は、販売対象の光学系メディアAの登録および精算や、買取対象の中古の光学系メディアAの買取価格の決定などを行うPOS端末11を備える。POS端末11は、チェックアウト台51上のドロワ21上面に載置されている。ドロワ21は、POS端末11によって開放動作の制御を受ける。チェックアウト台51は、ドロワ21が載置された面と同一面上に荷受面152を有している。荷受面152には、販売対象の光学系メディアAまたは買取対象の中古の光学系メディアAが載置される。POS端末11の上面には、オペレータ(ユーザ)によって押下操作されるキーボード22が配置されている。キーボード22を操作するオペレータから見てキーボード22よりも奥側には、オペレータに向けて情報を表示する表示デバイス23が設けられている。表示デバイス23は、その表示面23aに情報を表示する。表示面23aには、タッチパネル26が積層されている。表示デバイス23よりもさらに奥側には、顧客用表示デバイス24が回転自在に立設されている。顧客用表示デバイス24は、その表示面24aに情報を表示する。なお、図1に示す顧客用表示デバイス24は、表示面24aを図1中手前側に向けているが、表示面24aが図1中奥側に向くように顧客用表示デバイス24を回転させることによって、顧客用表示デバイス24は顧客に向けて情報を表示する。
【0008】
チェックアウト台151の荷受面152には、POS端末11とデータ送受信自在に接続された商品読取装置101が設置されている。商品読取装置101は、薄型矩形形状のハウジング102を備える。ハウジング102の正面には読取窓103が配置されている。
【0009】
このような商品読取装置101は、商品読取部110(図2参照)を備えている。商品読取部110は、読取窓103の奥側に撮像部164(図2参照)を配置している。
【0010】
ここで、本実施形態にかかるチェックアウトシステム1における光学系メディアAの売上登録処理について簡単に説明する。顧客によって販売対象の光学系メディアAが持ち込まれると、オペレータは、販売対象の光学系メディアAが収納されたケースCを、商品読取装置101の読取窓103に向ける。この際、読取窓103の奥側に配置された撮像部164(図2参照)はケースCを撮像する。商品読取装置101では、撮像部164により撮像された画像に含まれるケースCの全部または一部を検出する。商品読取装置101では、撮像部164により撮像された画像にケースCの全部または一部が含まれることを検出した場合、その撮像された画像をPOS端末11へ出力する。POS端末11では、光学系メディアAの各々について、光学系メディアAに関する情報と光学系メディアAの商品画像とが関連付けられたPLUファイルF1(図3参照)を参照して、商品読取部110の撮像部164により撮像された画像に含まれるケースCの全部または一部の画像から特定の物体であるケースCを認識することで販売対象の光学系メディアAを特定し、その特定された光学系メディアAのメディアID、メディア分類、メディア名、単価などの情報を、売上マスタファイル(図示しない)などに記録して売上登録を行う。
【0011】
次に、本実施形態にかかるチェックアウトシステム1における光学系メディアAの買取価格の決定処理について簡単に説明する。顧客によって買取対象の光学系メディアAが持ち込まれると、オペレータは、買取対象の光学系メディアAが収納されたケースCから光学系メディアAを取り出し、取り出した光学系メディアAを商品読取装置101の読取窓103に向ける。この際、読取窓103の奥側に配置された撮像部164(図2参照)は、買取対象の光学系メディアAを撮像する。商品読取装置101では、撮像部164により撮像された画像に含まれる光学系メディアAの全部または一部を検出する。そして、商品読取装置101では、撮像部164により撮像された画像に光学系メディアAの全部または一部が含まれることを検出した場合、その撮像された画像をPOS端末11へ出力する。POS端末11では、PLUファイルF1(図3参照)の商品画像を参照して、商品読取部110の撮像部164により撮像された光学系メディアAの全部または一部の画像から特定の物体である光学系メディアAを認識するとともに、認識した光学系メディアAの欠損を認識する。そして、POS端末11では、認識した欠損に応じて、認識した光学系メディアAの買取の可否を決定し、決定した買取の可否を報知する。
【0012】
図2は、POS端末および商品読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末11は、情報処理を実行する情報処理部としてのマイクロコンピュータ60を備える。マイクロコンピュータ60は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU(Central Processing Unit)61に、ROM(Read Only Memory)62とRAM(Random Access Memory)63とがバス接続されて構成されている。
【0013】
POS端末11のCPU61には、前述したドロワ21、キーボード22、表示デバイス23、タッチパネル26、顧客用表示デバイス24がいずれも各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。これらは、CPU61による制御を受ける。
【0014】
キーボード22は、「1」、「2」、「3」…等の数字や「×」という乗算の演算子が上面に表示されているテンキー22d、仮締めキー22e、および締めキー22fを含む。
【0015】
POS端末11のCPU61には、HDD(Hard Disk Drive)64が接続されている。HDD64には、プログラムや各種ファイルが記憶されている。HDD64に記憶されているプログラムや各種ファイルは、POS端末11の起動時に、その全部又は一部がRAM63にコピーされてCPU61により順次実行される。HDD64に記憶されているプログラムの一例は、売上登録処理用のプログラムPRおよび買取価格決定処理用のプログラムPRである。HDD64に記憶されているファイルの一例は、ストアコンピュータSCから配信されて格納されているPLUファイルF1である。
【0016】
PLUファイルF1(図3参照)は、販売対象または買取対象の光学系メディアAの各々について、光学系メディアAに関する情報と、その光学系メディアAの商品画像(光学系メディアAのレーベル面の画像、光学系メディアAの記録面の画像、光学系メディアAのケースCの画像)との関連付けが設定されたファイルである。図3は、PLUファイルのデータ構成を例示する概念図である。図3に示すように、PLUファイルF1は、光学系メディアAごとに、ユニークに割り当てられたメディアID、光学系メディアAが属するメディア分類、メディア名、単価などの光学系メディアAに関する情報と、その光学系メディアAの商品画像と、買取対象の光学系メディアAの欠損に応じて付けられる当該光学系メディアAのランクa〜dそれぞれに予め設定された買取価格と、を格納するファイルである。なお、本実施形態では、ランクd、ランクc、ランクb、ランクaの順にランクが高くなり、ランクが高くなるに従い買取価格も高くなるものとする。
【0017】
図2に戻り、POS端末11のCPU61には、ストアコンピュータSCとデータ通信を実行するための通信インターフェース25が入出力回路(図示せず)を介して接続されている。ストアコンピュータSCは、店舗のバックヤード等に設置されている。ストアコンピュータSCのHDD(図示せず)には、POS端末11に配信されるPLUファイルF1が格納されている。
【0018】
さらに、POS端末11のCPU61には、商品読取装置101との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース65が接続されている。接続インターフェース65には、商品読取装置101が接続されている。また、POS端末11のCPU61には、レシートなどに印字を行うプリンタ66が接続されている。POS端末11は、CPU61の制御のもと、一取引の取引内容をレシートに印字する。
【0019】
商品読取装置101も、マイクロコンピュータ160を備える。マイクロコンピュータ160は、CPU161にROM162とRAM163とがバス接続されて構成されている。ROM162には、CPU161によって実行されるプログラムが記憶されている。CPU161には、撮像部164、音声出力部165が各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。撮像部164、音声出力部165は、CPU161によって動作が制御される。
【0020】
撮像部164は、カラーCCD(Charged Coupled Device)イメージセンサやカラーCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどであり、CPU161の制御の下で読取窓103からの撮像を行う。例えば撮像部164では30fpsの動画像の撮像を行う。撮像部164が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像はRAM163に保存される。
【0021】
音声出力部165は、予め設定された警告音などを発生するための音声回路とスピーカなどである。音声出力部165は、CPU161の制御の下で警告音などの音声による報知を行う。
【0022】
さらに、CPU161には、POS端末11の接続インターフェース65に接続して、POS端末11との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース175が接続されている。CPU161の制御の下、商品読取装置101の撮像部164によって撮像された画像(販売対象の光学系メディアAが収納されたケースCの全部または一部の画像、または買取対象の光学系メディアAの全部または一部を含む画像)は、接続インターフェース175を介して出力され、接続インターフェース65を介してPOS端末11に入力される。
【0023】
次に、CPU161、CPU61が買取価格決定処理用のプログラムPRを順次実行することで実現されるCPU161、CPU61の機能部について、図4を参照して説明する。図4は、第1の実施形態にかかるPOS端末および商品読取装置の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、CPU161は、プログラムを順次実行することにより、撮像画像取込部401、商品検出部402、画像出力部403としての機能を備える。同様に、CPU61は、物体認識部404、決定部406、変更部407、報知部408としての機能を備える。
【0024】
撮像画像取込部401は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164に撮像動作を開始させる。撮像画像取込部401は、撮像動作開始後に撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像を順次取り込む。撮像画像取込部401によるフレーム画像の取り込みは、RAM163に保存された順に行われる。
【0025】
商品検出部402は、撮像画像取込部401により取り込まれたフレーム画像に含まれる光学系メディアAの全部または一部を、パターンマッチング技術などを用いて検出する。具体的には、商品検出部402は、取り込まれたフレーム画像を2値化した画像から輪郭線などを抽出する。次いで、商品検出部402は、直近のフレーム画像から抽出された輪郭線と、今回のフレーム画像から抽出された輪郭線とを比較し、変更があった部分、すなわち、買取のために読取窓103に向けられた光学系メディアAの写り込みを検出する。なお、光学系メディアAを検出する別の方法としては、商品検出部402は、取り込まれたフレーム画像から肌色領域の有無を検出する。肌色領域が検出された場合、すなわち、店員の手の写り込みが検出された場合は、商品検出部402は、上述した輪郭線の検出を行うことで、店員が手にしていると想定される買取対象の光学系メディアAの輪郭抽出を試みる。このとき、手の形状を示す輪郭と、それ以外の輪郭とが検出された場合には、店員の手が光学系ディスクAを把持していることから、光学系メディアAの写り込みを検出する。
【0026】
画像出力部403は、撮像画像取込部401が取り込んだフレーム画像を接続インターフェース175を介してPOS端末11へ出力する。画像出力部403は、撮像画像取込部401が取り込んだフレーム画像を逐次POS端末11に出力しても良いが、本実施形態では、商品検出部402により光学系メディアAの全部または一部が検出されたフレーム画像をPOS端末11へ出力するものとする。このように、商品検出部402により光学系メディアAの全部または一部が検出されたフレーム画像をPOS端末11へ出力することで、光学系メディアAの全部または一部が含まれていないフレーム画像によってPLUファイルF1を参照して実行する物体認識がPOS端末11で行われることを防止できる。特定の物体認識処理は処理時間を要することから、特定の物体の認識の見込みのない、光学系メディアAの全部または一部が含まれていないフレーム画像での処理を防止することで、処理時間の短縮を図ることができる。
【0027】
物体認識部404は、PLUファイルF1の商品画像を参照して、画像出力部403により出力されたフレーム画像から、光学系メディアAを認識する。さらに、物体認識部404は、PLUファイルF1の商品画像を参照して、画像出力部403により出力されたフレーム画像から、光学系メディアAの欠損を認識する。具体的には、物体認識部404は、画像出力部403により出力されたフレーム画像から、特徴量としての色合いや表面の凹凸等の表面の状態を読み取ることによって、特定の物体としての光学系メディアAや当該光学系メディアAの欠損を認識する。ここで、物体認識部404により認識する欠損としては、例えば、光学系メディアAが有する傷の位置、光学系メディアAが有する傷の領域の割合、光学系メディアAが有する傷の長さ、光学系メディアAが有する傷の数、光学系メディアAが有する傷の方向などが挙げられる。
【0028】
なお、物体認識部404は、処理時間の短縮を図るため、光学系メディアAの輪郭や大きさは考慮しないものとする。POS端末11では、物体認識部404の認識結果により、PLUファイルF1に予め登録されている光学系メディアAの中から商品読取装置101が読み取った光学系メディアAを特定できる。
【0029】
このように画像中に含まれる物体を認識することは一般物体認識(generic object recognition)と呼ばれている。このような一般物体認識については、下記の文献において各種認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf >
【0030】
また、画像をオブジェクトごとに領域分割することによって一般物体認識を行う技術が、下記の文献において解説されている。
Jamie Shottonら,“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”,[平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.145.3036&rep=rep1&type=pdf >
【0031】
決定部406は、認識した欠損に応じて、認識した光学系メディアAの買取の可否を決定する。より具体的には、決定部406は、認識した欠損に応じて、認識した光学系メディアAにランクa〜dを付ける。次いで、決定部406は、PLUファイルF1を参照して、光学系メディアAに付けたランクa〜dに予め設定された買取価格を、認識した光学系メディアAの買取価格に決定する。そして、決定部406は、決定した買取価格に従って、認識した光学系メディアAの買取の可否を決定する。例えば、決定部406は、決定した買取価格が「0円」でない場合(つまり、光学系メディアAに付けたランクがランクa〜cの場合)、認識した光学系メディアAを買い取れると決定する。一方、決定部406は、光学系メディアAに付けたランクに予め設定された買取価格が「0円」である場合(つまり、光学系メディアAに付けたランクがランクdの場合)、認識した光学系メディアAを買い取れないと決定する。
【0032】
ここで、光学系メディアAに対するランク付けの方法の一例について説明する。決定部406は、欠損として認識した傷の位置が光学系メディアAの記録面においてデータが記録されていない位置(例えば、光学系メディアAの記録面の中心付近または光学系メディアAの記録面の外周付近など)である場合、高いランクを付け、欠損として認識した傷の位置が光学系メディアAの記録面においてデータが記録されている位置である場合、低いランクを付ける。
【0033】
また、決定部406は、欠損として認識した傷の領域の光学系メディアAの記録面またはレーベル面における割合が所定の割合以下である場合、高いランクを付け、欠損として認識した傷の領域の光学系メディアAの記録面またはレーベル面における割合が所定の割合より大きい場合、低いランクを付ける。
【0034】
また、決定部406は、欠損として認識した傷の長さが所定の長さ以下である場合、高いランクを付け、欠損として認識した傷の長さが所定の長さより長い場合、低いランクを付ける。
【0035】
また、決定部406は、欠損として認識した傷の数が所定数以下である場合、高いランクを付け、欠損として認識した傷の数が所定数より多い場合、低いランクを付ける。
【0036】
さらに、決定部406は、欠損として認識した傷の方向が光学系メディアAの記録面において放射状に存在している場合には、データが読み取れなくなる可能性が低いため、高いランクを付け、欠損として認識した傷の方向が光学系メディアAの記録面において円周方向に存在している場合に、データが読み取れなくなる可能性が高いため、低いランクを付ける。
【0037】
変更部407は、PLUファイルF1を参照して、物体認識部404により認識された光学系メディアAの分類であるメディア分類(例えば、光学系メディアAにデータとして記録された曲のアーティストなど)を特定し、特定したメディア分類に応じて、決定部406により光学系メディアAに付けられたランクを変更する。例えば、変更部407は、メディア分類として特定したアーティストが人気の高いアーティストである場合、決定部406により光学系メディアAに付けられたランクを下げる。一方、変更部407は、メディア分類として特定されたアーティストが人気の低いアーティストである場合、決定部406により光学系メディアAに付けられたランクの変更を行わない。
【0038】
報知部408は、表示デバイス23および顧客用表示デバイス24にメッセージを表示することによって、決定部406により決定した、光学系メディアAの買取の可否を報知するものである。本実施形態では、報知部408は、表示デバイス23および顧客用表示デバイス24に、決定部406により決定した光学系メディアAの買取価格を含むメッセージを表示することによって、物体認識部404により認識した光学系メディアAの買取の可否を報知する。なお、本実施形態では、報知部408は、表示デバイス23および顧客用表示デバイス24に情報を表示して、光学系メディアAの買取の可否を報知しているが、これに限定するものではなく、図示しないスピーカからの警告音の出力などで、光学系メディアAの買取の可否を報知しても良い。
【0039】
次に、図5を用いて、チェックアウトシステム1における買取価格決定処理の流れについて説明する。図5は、第1の実施形態にかかるチェックアウトシステムにおける買取価格決定処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
まず、商品読取装置101側の動作について説明する。撮像画像取込部401は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164に撮像動作を開始させる(ステップS501)。次いで、撮像画像取込部401は、撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像を取り込む(ステップS502)。次いで、商品検出部402は、撮像画像取込部401により取り込んだフレーム画像から光学系メディアAの全部または一部の検出を行う(ステップS503)。次いで、画像出力部403は、商品検出部402により光学系メディアAの全部または一部を検出したフレーム画像をPOS端末11へ出力する(ステップS504)。
【0041】
CPU161は、POS端末11から光学系メディアAの買取価格の決定の終了通知などによる業務終了の有無を判定する(ステップS505)。業務を継続する場合(ステップS505:No)、CPU161は、ステップS502に戻して処理を継続させる。一方、業務を終了する場合(ステップS505:Yes)、撮像画像取込部401は、撮像オフ信号を出力して撮像部164による撮像を終了し(ステップS506)、処理を終了する。
【0042】
次に、POS端末11側の動作について説明する。キーボード22の操作指示による光学系メディアAの買取価格の決定処理の開始などに応じて処理が開始されると、CPU61は、商品読取装置101から出力されたフレーム画像を受信する(ステップS507)。次いで、物体認識部404は、PLUファイルF1の商品画像(例えば、光学系メディアAが収納されたケースCの画像や光学系メディアAのレーベル面の画像)を参照して、商品読取装置101から出力されたフレーム画像から、特定の物体としての光学系メディアAを認識する(ステップS508)。さらに、物体認識部404は、PLUファイルF1の商品画像(例えば、光学系メディアAのレーベル面の画像や光学系メディアAの記録面の画像)を参照して、商品読取装置101から出力されたフレーム画像から、認識された光学系メディアAの欠損を認識する(ステップS509)。
【0043】
次いで、決定部406は、認識された光学系メディアAの欠損に応じて、当該認識された光学系メディアAの買取の可否を決定する(ステップS510)。具体的には、決定部406は、認識された光学系メディアAの欠損に応じて、光学系メディアAにランクを付ける。次いで、決定部406は、PLUファイルF1を参照して、光学系メディアAに付けたランクに予め設定された買取価格を、当該光学系メディアAの買取価格に決定する。そして、決定部406は、決定した買取価格が「0円」であるか否かにより、光学系メディアAの買取の可否を決定する。
【0044】
認識された光学系メディアAを買い取れないと決定した場合(ステップS511:No)、つまり、決定した買取価格が「0円」である場合、報知部408は、表示デバイス23および顧客用表示デバイス24に、光学系メディアAに買取価格を付けられない旨のメッセージを表示することによって、物体認識部404により認識した光学系メディアAを買い取れないことを報知する(ステップS512)。
【0045】
図6は、表示デバイスおよび顧客用表示デバイスへのメッセージの表示例を示す図である。報知部408は、認識された光学系メディアAを買い取れないことが決定した場合、図6に示すように、物体認識部404により認識した光学系メディアAのメディア名601:「BBBBB」など当該認識した光学系メディアAに関する情報や、認識した光学系メディアAに対して決定した買取価格602を含む画面600を、表示デバイス23および顧客用表示デバイス24に表示する。
【0046】
図5に戻り、認識された光学系メディアAを買い取れると決定した場合(ステップS511:Yes)、つまり、決定した買取価格が「0円」でない場合、報知部408は、決定した買取価格を表示デバイス23および顧客用表示デバイス24に表示して、光学系メディアAを買い取れることを報知する(ステップS513)。
【0047】
図7は、表示デバイスおよび顧客用表示デバイスへの買取価格の表示例を示す図である。報知部408は、認識された光学系メディアAを買い取れることが決定した場合、図7に示すように、物体認識部404により認識した光学系メディアAのメディア名701:「BBBBB」など当該認識した光学系メディアAに関する情報や、認識した光学系メディアAに対して決定した買取価格702を含む画面700を、表示デバイス23および顧客用表示デバイス24に表示する。
【0048】
次いで、CPU61は、キーボード22の操作指示による買取価格の決定処理の終了などによる業務終了の有無を判定する(ステップS514)。業務を継続する場合(ステップS514:No)、CPU61は、ステップS507に処理を戻して処理を継続させる。業務を終了する場合(ステップS514:Yes)、CPU61は、処理を終了する。
【0049】
このように本実施形態のチェックアウトシステム1によれば、買取対象の光学系メディアAを含むフレーム画像を取り込み、取り込んだフレーム画像から、光学系メディアAを認識するとともに当該認識した光学系メディアAの欠損を認識し、認識した欠損に応じて、認識した光学系メディアAの買取の可否を決定し、決定した買取の可否を報知することにより、買取対象の光学系メディアAを店員が一つ一つ目視で確認して当該光学系メディアAの買取の可否を決定する必要がなくなるので、店員の作業負担を軽減することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
本実施形態は、撮像画像から認識した光学系メディアについて当該光学系メディアの基準画像に対してどの程度類似しているかを示す類似度に応じて、認識した光学系メディアの買取の可否を決定する。なお、以下の説明では、上述の実施形態と同様の構成については説明を省略し、上述の実施形態と異なる構成について説明する。
【0051】
本実施形態にかかるPOS端末11のHDD64は、PLUファイルF1に加えて、閾値ファイルF2を格納している。閾値ファイルF2は、「類似度:0.XX」という閾値と、当該閾値に予め設定された光学系メディアAの買取価格と、を対応付けて格納するファイルである。「類似度:0.XX」という閾値は、買取対象の光学系メディアAが欠損している場合に、予めPLUファイルF1に記憶してある光学系メディアAの商品画像と比較することで、正規の状態とは異なった物品であること、つまり、光学系メディアAが欠損していることを判断することが可能となる。この閾値ファイルF2も、買取対象となる光学系メディアAごとに分けられている。
【0052】
図8は、第2の実施形態にかかるPOS端末および商品読取装置の機能構成を示すブロック図である。図8に示すように、CPU161は、プログラムを順次実行することにより、撮像画像取込部401、商品検出部402、画像出力部403としての機能を備える。同様に、CPU800は、物体認識部404、類似度判定部801、決定部802、報知部408としての機能を備える。
【0053】
類似度判定部801は、物体認識部404により認識した光学系メディアAについてPLUファイルF1の商品画像(基準画像)に対してどの程度類似しているかを示す類似度を算出する。
【0054】
決定部802は、算出された類似度に応じて、認識した光学系メディアAの買取の可否を決定する。具体的には、決定部802は、算出された類似度が、閾値ファイルF2において、認識した光学系メディアAについて予め設定された閾値のうち買取価格:「0円」と対応付けられた閾値以上であるか否かを判定する。そして、決定部802は、算出された類似度が買取価格:「0円」と対応付けられた閾値以上であると判定した場合、認識した光学系メディアAが買い取れると決定し、算出された類似度が買取価格:「0円」と対応付けられた閾値未満であると判定した場合、認識した光学系メディアAが買い取れないと決定する。
【0055】
また、決定部802は、認識した光学系メディアAが買い取れると決定した場合、算出された類似度に応じて、認識した光学系メディアAの買取価格を決定する。具体的には、決定部802は、閾値ファイルF2において、認識した光学系メディアAについて予め設定された閾値のうち、算出した類似度(閾値)が対応付けられた買取価格を、当該認識した光学系メディアAの買取価格に決定する。
【0056】
次に、図9を用いて、本実施形態にかかるチェックアウトシステム1における買取価格決定処理の流れについて説明する。図9は、第2の実施形態にかかるチェックアウトシステムにおける買取価格決定処理の流れを示すフローチャートである。なお、図5に示す買取価格決定処理と同様の処理については、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0057】
類似度判定部801は、物体認識部404により認識した光学系メディアAについてPLUファイルF1の商品画像(基準画像)に対してどの程度類似しているかを示す類似度を算出する(ステップS901)。
【0058】
次いで、決定部802は、算出された類似度が、閾値ファイルF2において、認識した光学系メディアAについて予め設定された閾値のうち買取価格:「0円」と対応付けられた閾値以上であるか否かを判定することにより、認識した光学系メディアAの買取の可否を決定する(ステップS902)。
【0059】
算出された類似度が買取価格:「0円」と対応付けられた閾値未満であると判定され、認識された光学系メディアAが買い取れないことが決定した場合(ステップS902:No)、報知部408は、表示デバイス23および顧客用表示デバイス24に、光学系メディアAに買取価格を付けられない旨のメッセージを表示することによって、物体認識部404により認識した光学系メディアAを買い取れないことを報知する(ステップS512)。
【0060】
一方、算出された類似度が買取価格:「0円」と対応付けられた閾値以上であると判定され、認識された光学系メディアAを買い取れることが決定した場合(ステップS902:Yes)、決定部802は、閾値ファイルF2において、認識した光学系メディアAについて予め設定された閾値のうち、算出した類似度(閾値)が対応付けられた買取価格を、当該認識した光学系メディアAの買取価格に決定する(ステップS903)。
【0061】
そして、報知部408は、決定した買取価格を表示デバイス23および顧客用表示デバイス24に表示して、光学系メディアAを買い取れることを報知する(ステップS513)。
【0062】
このように本実施形態のチェックアウトシステム1によれば、買取対象の光学系メディアAを含むフレーム画像を取り込み、取り込んだフレーム画像から、光学系メディアAを認識し、認識した光学系メディアAについてPLUファイルF1の商品画像(基準画像)に対してどの程度類似しているかを示す類似度を算出し、算出した類似度に応じて、認識した光学系メディアAの買取の可否を決定し、決定した買取の可否を報知することにより、買取対象の光学系メディアAを店員が一つ一つ目視で確認して当該光学系メディアAの買取の可否を決定する必要がなくなるので、店員の作業負担を軽減することができる。
【0063】
なお、本実施形態のPOS端末11および商品読取装置101で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のPOS端末11および商品読取装置101で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0064】
さらに、本実施形態のPOS端末11および商品読取装置101で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPOS端末11および商品読取装置101で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0065】
本実施形態のPOS端末11で実行されるプログラムは、上述した各部(物体認識部、類似度判定部、決定部、変更部、報知部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、物体認識部、類似度判定部、決定部、変更部、報知部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0066】
本実施形態の商品読取装置101で実行されるプログラムは、上述した各部(撮像画像取込部、商品検出部、画像出力部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、撮像画像取込部、商品検出部、画像出力部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0067】
なお、本実施形態においては、POS端末のCPUに物体認識部、類似度判定部、決定部、変更部、報知部としての機能を持たせるようにしたが、これに限定するものではなく、商品読取装置のCPUに物体認識部、類似度判定部、決定部、変更部、報知部としての機能を持たせても良い。
【0068】
また、本実施形態においては、商品読取装置のCPUに撮像画像取込部、商品検出部、画像出力部としての機能を持たせるようにしたが、これに限定するものではなく、POS端末のCPUに撮像画像取込部、商品検出部、画像出力部としての機能を持たせても良い。
【0069】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
11 POS端末
101 商品読取装置
401 撮像画像取込部
402 商品検出部
403 画像出力部
404 物体認識部
801 類似度判定部
406,802 決定部
407 変更部
408 報知部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】
【特許文献1】特開2002−63251号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
買取対象の光学系メディアを含む撮像画像を取り込む取込手段と、
前記取り込んだ撮像画像から、前記光学系メディアを認識するとともに前記認識した光学系メディアの欠損を認識する物体認識手段と、
前記認識した欠損に応じて、前記認識した光学系メディアの買取の可否を決定する決定手段と、
前記決定した買取の可否を報知する報知手段と、
を備えた商品買取装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記認識した欠損に応じて前記認識した光学系メディアにランクを付け、前記認識した光学系メディアに付けられたランクに予め設定された価格を、前記認識した光学系メディアの買取価格に決定し、前記決定した買取価格に従って、前記認識した光学系メディアの買取の可否を決定し、
前記報知手段は、前記決定した買取価格を報知することによって、前記決定した買取の可否を報知する請求項1に記載の商品買取装置。
【請求項3】
前記認識した光学系メディアの分類に応じて、前記認識した光学系メディアに付けられたランクを変更する変更手段を備え、
前記決定手段は、前記変更したランクに予め設定された価格を、前記認識した光学系メディアの買取価格に決定する請求項2に記載の商品買取装置。
【請求項4】
買取対象の光学系メディアを含む撮像画像を取り込む取込手段と、
前記取り込んだ撮像画像から、前記光学系メディアを認識する物体認識手段と、
前記認識した光学系メディアについて当該光学系メディアの基準画像に対してどの程度類似しているかを示す類似度を算出する算出手段と、
前記算出した類似度に応じて、前記認識した光学系メディアの買取の可否を決定する決定手段と、
前記決定した買取の可否を報知する報知手段と、
を備えた商品買取装置。
【請求項5】
コンピュータを、
光学系メディアを含む撮像画像から認識した欠損に応じて、前記認識した光学系メディアの買取の可否を決定する決定手段と、
前記決定した買取の可否を報知する報知手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
商品買取装置において実行される商品買取方法であって、
前記商品買取装置は、制御部を備え、
前記制御部は、
取込手段が、買取対象の光学系メディアを含む撮像画像を取り込む工程と、
物体認識手段が、前記取り込んだ撮像画像から、前記光学系メディアを認識するとともに前記認識した光学系メディアの欠損を認識する工程と、
決定手段が、前記認識した欠損に応じて、前記認識した光学系メディアの買取の可否を決定する工程と、
報知手段が、前記決定した買取の可否を報知する工程と、
を含む商品買取方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−33361(P2013−33361A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168670(P2011−168670)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】