説明

商品購入システム、顧客端末装置、サーバコンピュータ、商品購入方法および商品購入プログラム

【課題】顧客の要望にもっとも適した商品を購入させること。
【解決手段】コンピュータネットワークを通じて商品を選択し、選択された商品の購入要求の送信をおこなう商品購入システムにおける顧客端末装置410は、サーバコンピュータ420から送信された商品に関する情報にかかる商品を表示し、表示された商品の中から所望の商品の選択を受け付け、選択された選択商品に関する情報をサーバコンピュータ420に送信する。サーバコンピュータは、選択商品に関する情報を顧客端末装置410から受信し、受信された情報に基づいて、選択商品に対して、機能、性能および価格の少なくともいずれか一つが類似する対抗商品に関する情報を顧客端末装置410へ送信する。そして顧客端末装置410は、対抗商品に関する情報を受信し、受信された情報にかかる対抗商品を選択商品とともにまたは選択商品に代えて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンピュータネットワークを通じた顧客端末装置およびサーバコンピュータ間の通信を用いて、商品またはサービス(以下「商品」という)の選択および選択された商品の購入要求の送信をおこなって商品を購入する商品購入システム、顧客端末装置、サーバコンピュータ、商品購入方法および商品購入プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及により、顧客は所望する商品についての情報を企業のホームページなどを介して容易に入手することができる。また、インターネットの普及に加え、情報セキュリティ技術の発達によって、ユーザは、店舗へ赴かなくても所望する商品を注文することができるようになっている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
また近年、商品の購入時やクレジットカードの利用時に特典ポイントを発生させ、発生させた特典ポイントが所定数まで累積した時点で、累積した特典ポイントを商品やサービスに交換できるようにしたポイント交換サービスが盛んにおこなわれるようになってきている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−266024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した技術では、所望する商品についての情報収集、収集した情報を参照しながらの検討あるいは最終的に購入(あるいはポイントでの交換)する商品の決定などの作業は顧客に一任されており、顧客によっては情報収集や検討が不十分であるために最適な商品を見つけることができず、妥協した商品を購入せざるを得ないことがあるという問題があった。
【0006】
また、妥協した商品を購入することによりインターネットを用いての買い物に対して不満足感を覚え、インターネットを用いての買い物を敬遠しがちになり、その結果としてインターネットを用いての買い物が有する高い利便性を享受することができなくなってしまうことが想定される。
【0007】
さらに、商品を購入した後になってから購入した商品よりも顧客の要望に適した商品が見つかるなどした場合には、顧客は一層インターネットを用いての買い物に対して不満足感を覚えてしまうことも想定される。
【0008】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、顧客の要望にもっとも適した商品を購入させ、購入した商品に対する顧客の満足度を向上させることができる商品購入システム、顧客端末装置、サーバコンピュータ、商品購入方法および商品購入プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる商品購入システムは、コンピュータネットワークを通じた顧客端末装置およびサーバコンピュータ間の通信を用いて、商品またはサービス(以下「商品」という)の選択および選択された商品の購入要求の送信をおこなう商品購入システムであって、前記顧客端末装置は、前記サーバコンピュータから送信された商品に関する情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された情報にかかる商品を表示する表示手段と、前記表示手段によって表示された商品の中から所望の商品の選択を受け付ける選択手段と、前記選択手段によって選択された選択商品に関する情報を前記サーバコンピュータに送信する送信手段と、を備え、前記サーバコンピュータは、前記選択商品に関する情報を前記顧客端末装置から受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された情報に基づいて、前記選択商品に対して、機能、性能および価格の少なくともいずれか一つが類似する対抗商品を所定の商品群の中から抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された対抗商品に関する情報を前記顧客端末装置へ送信する送信手段と、を備え、前記顧客端末装置の前記受信手段は、前記対抗商品に関する情報を受信し、前記顧客端末装置の前記表示手段は、前記受信手段によって受信された情報にかかる対抗商品を前記選択商品とともにまたは前記選択商品に代えて表示することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる商品購入システムは、上記の発明において、前記顧客端末装置の前記表示手段が、前記選択商品の購入要求があるまでまたは前記対抗商品の選択がなされるまで前記対抗商品を表示することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる商品購入システムは、上記の発明において、前記サーバコンピュータの前記抽出手段が、前記対抗商品を複数抽出し、前記顧客端末装置の前記表示手段が、複数抽出された対抗商品を所定時間ごとに切り替えてまたは少なくとも2つ以上を同時に表示することを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる商品購入システムは、上記の発明において、前記顧客端末装置の前記選択手段が、表示された対抗商品の中から所望の対抗商品の選択の受け付けを可能とし、前記サーバコンピュータの前記抽出手段が、選択された対抗商品に対抗する対抗商品をさらに抽出することを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる商品購入システムは、上記の発明において、前記顧客端末装置の前記表示手段が、前記選択商品以外の対抗商品を表示することを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる顧客端末装置は、コンピュータネットワークを通じた顧客端末装置およびサーバコンピュータ間の通信を用いて、商品またはサービス(以下「商品」という)の選択および選択された商品の購入要求の送信をおこなう商品購入システムに用いる顧客端末装置であって、前記サーバコンピュータから送信された商品に関する情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された情報にかかる商品を表示する表示手段と、前記表示手段によって表示された商品の中から所望の商品の選択を受け付ける選択手段と、前記選択手段によって選択された選択商品に関する情報を前記サーバコンピュータに送信する送信手段と、を備え、前記受信手段は、前記選択商品に関する情報を前記サーバコンピュータに送信した結果前記サーバコンピュータから送信された前記選択商品に対して、機能、性能および価格の少なくともいずれか一つが類似する対抗商品に関する情報を受信し、前記表示手段は、前記受信手段によって受信された情報にかかる対抗商品を前記選択商品とともにまたは前記選択商品に代えて表示することを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかるサーバコンピュータは、コンピュータネットワークを通じた顧客端末装置およびサーバコンピュータ間の通信を用いて、商品またはサービス(以下「商品」という)の選択および選択された商品の購入要求の送信をおこなう商品購入システムに用いるサーバコンピュータであって、前記顧客端末装置において選択された所望の商品に関する情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された情報に基づいて、前記選択商品に対して、機能、性能および価格の少なくともいずれか一つが類似する対抗商品を所定の商品群の中から抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された対抗商品に関する情報を前記顧客端末装置へ送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる商品購入方法は、コンピュータネットワークを通じた顧客端末装置およびサーバコンピュータ間の通信を用いて、商品またはサービス(以下「商品」という)の選択および選択された商品の購入要求の送信をおこなう商品購入方法であって、前記顧客端末装置に実行させる、前記サーバコンピュータから送信された商品に関する情報を受信する受信工程と、前記受信工程によって受信された情報にかかる商品を表示する表示工程と、前記表示工程によって表示された商品の中から所望の商品の選択を受け付ける選択工程と、前記選択工程によって選択された選択商品に関する情報を前記サーバコンピュータに送信する選択商品送信工程と、前記サーバコンピュータに実行させる、前記選択商品送信工程によって送信された選択商品に関する情報を受信する選択商品受信工程と、前記選択商品受信工程によって受信された情報に基づいて、前記選択商品に対して、機能、性能および価格の少なくともいずれか一つが類似する対抗商品を所定の商品群の中から抽出する抽出工程と、前記抽出工程によって抽出された対抗商品に関する情報を前記顧客端末装置へ送信する対抗商品送信工程と、を含み、さらに前記顧客端末装置に実行させる、前記対抗商品送信工程によって送信された対抗商品に関する情報を受信する対抗商品受信工程と、前記対抗商品受信工程によって受信された情報にかかる対抗商品を前記選択商品とともにまたは前記選択商品に代えて表示する対抗商品表示工程と、を含んだことを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかる商品購入プログラムは、コンピュータネットワークを通じた顧客端末装置およびサーバコンピュータ間の通信を用いて、商品またはサービス(以下「商品」という)の選択および選択された商品の購入要求の送信をおこなう商品購入システムに実行させる商品購入プログラムであって、前記顧客端末装置に、前記サーバコンピュータから送信された商品に関する情報を受信する受信工程と、前記受信工程によって受信された情報にかかる商品を表示する表示工程と、前記表示工程によって表示された商品の中から所望の商品の選択を受け付ける選択工程と、前記選択工程によって選択された選択商品に関する情報を前記サーバコンピュータに送信する選択商品送信工程と、を実行させ、前記サーバコンピュータに、前記選択商品送信工程によって送信された選択商品に関する情報を受信する選択商品受信工程と、前記選択商品受信工程によって受信された情報に基づいて、前記選択商品に対して、機能、性能および価格の少なくともいずれか一つが類似する対抗商品を所定の商品群の中から抽出する抽出工程と、前記抽出工程によって抽出された対抗商品に関する情報を前記顧客端末装置へ送信する対抗商品送信工程と、を実行させ、さらに前記顧客端末装置に、前記対抗商品送信工程によって送信された対抗商品に関する情報を受信する対抗商品受信工程と、前記対抗商品受信工程によって受信された情報にかかる対抗商品を前記選択商品とともにまたは前記選択商品に代えて表示する対抗商品表示工程と、を実行させることを特徴とする。
【0018】
商品の購入は、クレジットカードによる購入、現金による購入、取得した特典ポイントによる交換など、各種の決済(支払い)方法を用いることが可能である。現金による購入は、振込であってもよいし、商品引き替え払いであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる商品購入システム、顧客端末装置、サーバコンピュータ、商品購入方法および商品購入プログラムによれば、顧客の要望に該当する複数の商品に関する情報を提供することによってそれらの商品もあわせて顧客に検討させ、それによって、顧客の要望にもっとも適した商品を購入させることができ、購入した商品に対する顧客の満足度の向上を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる商品購入システム、顧客端末装置、サーバコンピュータ、商品購入方法および商品購入プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
(商品購入システムのシステム構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる商品購入システムのシステム構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる商品購入システムのシステム構成を示す説明図である。
【0022】
図1において、商品購入システムは、クライアント装置110と商品情報管理サーバ120と注文情報管理サーバ130とを含んで構成されている。クライアント装置110、商品情報管理サーバ120および注文情報管理サーバ130はインターネットなどのネットワーク140に接続されており、クライアント装置110と商品情報管理サーバ120と注文情報管理サーバ130とはネットワーク140を介して互いに通信可能とされている。
【0023】
商品購入システムにおいて、クライアント装置110は顧客と商品購入システムとのインターフェースを司り、顧客の操作を受け付けたり、受け付けた操作に応じた情報を表示したりする。クライアント装置110は、パーソナルコンピュータなどによって実現することができる。またクライアント装置110は、携帯型電話機などによって実現することも可能である。クライアント装置110は、たとえば顧客が商品購入システムを利用して商品を購入する場合に、注文情報管理サーバ130との間で通信をおこなう。
【0024】
商品情報管理サーバ120は、注文対象となる商品に関する商品情報を記憶する商品管理DB(データベース)121を備えている。商品情報は商品名、製造元あるいは輸入元、型番、機能、性能、商品の画像、管理番号などであり、商品管理DB121はこれらの情報を商品ごとに関連付けて記憶している。
【0025】
商品情報管理サーバ120は、たとえばクライアント装置110から商品閲覧要求が送信された場合に、注文情報管理サーバ130を介して商品情報をクライアント装置110に送信する。商品閲覧要求および商品情報は、注文情報管理サーバ130を介して送受信されるものに限らず、たとえば商品情報管理サーバ120とクライアント装置110との直接的な通信によって送受信されるものであってもよい。
【0026】
クライアント装置110は商品情報に基づいて、商品を表示し、表示した商品の中から顧客が所望する商品の選択を受け付ける。またクライアント装置110は、選択を受け付けた商品の購入が確定した場合に、注文情報管理サーバ130に対して購入要求を送信する。
【0027】
購入要求は、商品の識別情報と購入を要求する顧客の識別番号とを含んでいる。商品の識別情報は商品情報管理サーバ120においてあらかじめ設定された管理番号などを用いることができ、顧客の識別情報はクレジットカード番号などを用いることができる。購入要求は、クライアント装置110から注文情報管理サーバ130に直接送信するものに限らず、クライアント装置110から商品情報管理サーバ120を介して注文情報管理サーバ130に送信されるものであってもよい。
【0028】
注文情報管理サーバ130は、クライアント装置110から送信された購入要求を受信した場合に、受信された購入要求に基づいて決済処理をおこなう。注文情報管理サーバ130は顧客情報を記憶する顧客管理DB131を備えており、決済処理に際しては顧客管理DB131が記憶する情報を用いる。決済処理については公知の技術であるためここではその説明を省略する。
【0029】
また注文情報管理サーバ130は、クライアント装置110において選択され、選択された商品の購入要求が送信されるまでの間、選択された商品(決済保留中の商品)に関する情報を記憶する保留注文管理テーブル132を備えている。保留注文管理テーブル132は注文情報管理サーバ130が備えるものに限らず、商品情報管理サーバ120が備えていてもよい。
【0030】
(コンピュータ装置のハードウエア構成)
図2は、コンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。図2に示したコンピュータ装置は、注文情報管理サーバ130や商品情報管理サーバ120を実現する。図2において、コンピュータ装置は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD(ハードディスクドライブ)204と、HD(ハードディスク)205と、FDD(フロッピー(登録商標)ディスクドライブ)206と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フロッピーディスク)207と、ネットワークI/F(インターフェース)208と、を備えている。また、各構成部はバス209によってそれぞれ接続されている。
【0031】
CPU201は、コンピュータ装置全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HDD204は、CPU201の制御にしたがってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0032】
FDD206は、CPU201の制御にしたがってFD207に対するデータのリード/ライトを制御する。FD207は、FDD206の制御で書き込まれたデータを記憶する。着脱可能な記録媒体として、FD207の他、CD−ROM(CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)などであってもよい。
【0033】
ネットワークI/F208は、通信回線を通じてネットワーク140に接続され、ネットワーク140を介して顧客端末装置などの外部装置に接続される。そして、ネットワークI/F208は、ネットワーク140と内部とのインターフェースを司り、コンピュータ装置からのデータの入出力を制御する。
【0034】
(クライアント装置110のハードウエア構成)
図3は、クライアント装置110のハードウエア構成を示すブロック図である。図3において、クライアント装置110は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、HDD304と、HD305と、FDD306と、FD307と、ディスプレイ308と、KB309と、マウス310と、スキャナ311と、プリンタ312と、ネットワークI/F313と、を備えている。また、各構成部はバス314によってそれぞれ接続されている。
【0035】
CPU301は、クライアント装置110全体の制御を司る。ROM302、RAM303、HDD304、HD305、FDD306、FD307およびネットワークI/F313については上記のコンピュータ装置におけるROM202、RAM203、HDD204、HD205、FDD206、FD207およびネットワークI/F208と同様であるため説明を省略する。
【0036】
ディスプレイ308はカーソル、アイコン、ツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータに関するウインドウ(ブラウザ)を表示し、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどによって実現することができる。
【0037】
KB309は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、データ入力をおこなう。マウス310は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウインドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様の機能を備えるものであれば、マウス310に代えてあるいは加えてトラックボール、ジョイスティックなどであってもよい。
【0038】
スキャナ311は、画像を光学的に読み取る。プリンタ312は、画像データや文書データを印刷し、レーザプリンタ、インクジェットプリンタなどによって実現することができる。
【0039】
(商品購入システムの機能的構成)
つぎに、この発明にかかる商品購入システムの機能的構成について説明する。図4は、この発明にかかる商品購入システムの機能的構成を示す説明図である。図4において商品購入システムは、顧客端末装置410とサーバコンピュータ420とを備えている。
【0040】
顧客端末装置410はクライアント装置110によってその機能を実現することができ、サーバコンピュータ420は商品情報管理サーバ120および注文情報管理サーバ130によってその機能を実現することができる。
【0041】
顧客端末装置410は、受信部411と、表示部412と、選択部413と、送信部414と、記憶部415と、を備えている。受信部411は、サーバコンピュータ420から送信された情報を受信する。受信部411は、たとえば商品情報を受信する。受信部411は、具体的には、たとえばネットワークI/F313によってその機能を実現することができる。
【0042】
表示部412は、受信部411によって受信された商品情報にかかる商品を表示する。表示部412は、たとえば受信された商品情報に基づいて商品の画像や名称、性能などを表示する。表示部412は、具体的には、たとえばディスプレイ308によってその機能を実現することができる。選択部413は、表示部412によって表示された商品の中から所望の商品の選択を受け付ける。選択部413は、具体的には、たとえばKB309によってその機能を実現することができる。
【0043】
送信部414は、選択部413によって選択された選択商品に関する情報をサーバコンピュータ420に送信する。送信部414は、選択商品に関する情報として選択商品の商品管理番号を送信する。送信部414は、具体的には、たとえばネットワークI/F313によってその機能を実現することができる。
【0044】
記憶部415は、受信部411によって受信された商品情報や、選択部413によって選択された選択商品の商品管理番号などを記憶する。送信部414は、記憶部415に記憶された商品管理番号を送信する。記憶部415は、具体的には、たとえばROM302、RAM303、HD305あるいはFD307によってその機能を実現することができる。
【0045】
サーバコンピュータ420は、受信部421と、抽出部422と、送信部423と、記憶部424と、を備えている。受信部421は、選択商品に関する情報を顧客端末装置410から受信する。受信部421は、たとえば選択商品の商品管理番号を顧客端末から受信する。受信部421は、具体的には、たとえばネットワークI/F208によってその機能を実現することができる。
【0046】
抽出部422は、受信部421によって受信された情報に基づいて、所定の商品群の中から対抗商品を抽出する。所定の商品群はサーバコンピュータ420を介して購入可能な商品であって、所定の商品群を構成する各商品は記憶部424に記憶された商品情報によって特定される。記憶部424は、具体的には、たとえばROM202、RAM203、HD205あるいはFD207によってその機能を実現することができる。対抗商品は、選択商品に対して、機能、性能および価格の少なくともいずれか一つが類似する商品によって実現される。
【0047】
また抽出部422は、対抗商品を複数抽出する。抽出部422は、選択商品の機能、性能および価格を基準として、この基準から所定の範囲内に属する商品を対抗商品として抽出する。抽出部422は、具体的には、たとえば選択商品が「販売価格が42万円、46型の液晶テレビ」である場合、「販売価格が40〜45万円で画面サイズが42〜50型のテレビ」を対抗商品として抽出する。
【0048】
テレビは、テレビ放送を受信し、表示できるという機能を満たせばよいので、抽出部422は、液晶テレビの他に「販売価格が40〜45万円で画面サイズが42〜50型のテレビ」に該当するプラズマテレビも対抗商品として抽出する。抽出部422は、たとえば5種類などのように所定の個数の対抗商品を抽出する。
【0049】
また抽出部422は、たとえば「販売価格が40〜45万円で画面サイズが42〜50型のテレビ」という抽出条件に該当するすべての商品を対抗商品として抽出してもよい。抽出条件は、選択商品の機能、性能および価格にかかわらず、任意に設定可能としてもよい。これによって顧客ごとに適した抽出条件を設定することができる。
【0050】
抽出部422は、具体的には、たとえばCPU201がRAM203をワークエリアとしてROM202に格納されたプログラムを実行することによってその機能を実現することができる。送信部423は、抽出部422によって抽出された対抗商品に関する情報を顧客端末装置410へ送信する。送信部423は、具体的には、たとえばネットワークI/F208によってその機能を実現することができる。
【0051】
顧客端末装置410における表示部412は、サーバコンピュータ420から送信された情報に基づいて、対抗商品に関する情報も受信している場合には選択商品および対抗商品を表示する。表示部412が選択商品および対抗商品を表示している場合、選択部413においては表示された対抗商品の中から所望の対抗商品の選択の受け付けが可能となる。
【0052】
そして、選択部413によって対抗商品が選択された場合、サーバコンピュータ420の抽出部422は、選択された対抗商品に対抗する対抗商品をさらに抽出する。この場合、送信部423は、さらに抽出された対抗商品に関する情報を顧客端末装置410に送信する。顧客端末装置410の表示部412は、送信された情報に基づいてさらに抽出された対抗商品を表示する。
【0053】
以降同様にして、表示部412に表示された対抗商品が選択されると選択された対抗商品が抽出部422において抽出され、抽出された対抗商品に関する情報がサーバコンピュータ420から顧客端末装置410へ送信される。そして顧客端末装置410では、サーバコンピュータ420から送信された情報に基づいて、抽出された対抗商品が表示される。
【0054】
表示部412は、対抗商品を選択商品とともに表示する。この場合、表示部412は、たとえば選択商品を表示する領域と対抗商品を表示する領域とに表示画面を分割することによって対抗商品を選択商品とともに表示する。また表示部412は、選択商品に代えて対抗商品を表示するようにしてもよい。この場合、表示部412は、選択商品を表示する表示画面を、対抗商品を表示する表示画面に切り替えて表示する。
【0055】
また表示部412は、選択商品の購入要求があるまで対抗商品を表示する。選択商品の購入要求は、選択部413において商品の選択操作があった後、選択された選択商品の購入の決定操作があった場合に発生し、サーバコンピュータ420に送信される。また表示部412は、対抗商品の選択がなされるまで対抗商品を表示するようにしてもよい。
【0056】
また表示部412は、サーバコンピュータ420によって対抗商品が複数抽出された場合に、複数抽出された対抗商品を所定時間ごと切り替えて表示する。所定時間は、たとえば「10秒」、「1分」などのように任意に設定することができる。また表示部412は、サーバコンピュータ420によって対抗商品が複数抽出された場合に、複数抽出された対抗商品の少なくとも2つ以上を同時に表示するようにしてもよい。
【0057】
抽出部422がたとえば5つの対抗商品を抽出し、表示部412がそのうちの2つずつを同時に表示する場合、同時に表示した商品は2つずつ切り替えて表示する。また、この場合、同時に表示した商品のうちいずれか一方は選択商品からの乗り換え候補としてキープするために継続して表示し、残る一方において対抗商品を切り替えて表示するようにしてもよい。
【0058】
表示部412は、抽出部422によって抽出された複数の対抗商品の中に、顧客が最初に選択した選択商品が含まれる場合、選択商品以外の対抗商品を表示する。すなわち、選択商品Aに対して対抗商品B、C、D、Eが抽出され、この中の対抗商品Bが選択された場合、表示画面にはこの対抗商品Bと対抗商品C、D、Eとが表示される。この場合も対抗商品C、D、Eは切り替えて表示してもよいし、複数を1画面内に表示してもよい。
【0059】
つぎに、商品管理DB121の一例について説明する。図5は、商品管理DB121の一例を示す説明図である。図5において、商品管理DB121は、商品の名称、製造メーカー、商品の分類、商品の価格、型番、機能、性能、商品の画像など商品に関する情報を、商品管理番号ごとに記憶している。商品管理番号は、商品管理DB121の管理者などによってあらかじめ設定された商品ごとに固有の情報であり、任意の数値あるいは文字列によってあらわされる。
【0060】
つぎに、顧客管理DB131の一例について説明する。図6は、顧客管理DB131の一例を示す説明図である。図6において、顧客管理DB131は、電子メールアドレス、顧客の氏名、顧客の性別、配送先などの顧客に関する情報を、クレジットカード番号ごとに記憶している。電子メールアドレスは、クレジットカード番号一つに対して複数記憶していてもよい。
【0061】
また顧客管理DB131は、クレジットカード番号ごとにクレジットカードの有効期限を記憶している。決済処理に際しては、クレジットカード番号自体の確認に加えてクレジットカードの有効期限を確認することによって正規の購入要求であるか否かを判断するようにしてもよい。
【0062】
つぎに、保留注文管理テーブル132の一例について説明する。図7は、保留注文管理テーブル132の一例を示す説明図である。図7において、保留注文管理テーブル132は、注文サイトにおいて選択された商品の保留内容、当該商品が注文サイトにおいて選択された保留日(時間を含んでもよい)などの保留中の注文に関する情報を、クレジットカード番号ごとに記憶している。
【0063】
つぎに、クライアント装置110における表示画面例について説明する。図8および図9は、クライアント装置110における表示画面例を示す説明図である。図8に示す表示画面800は、顧客が注文サイトにおいて商品を選択し、その後選択した商品の購入を決定する操作をおこなわないまま注文サイト画面を閉じた場合などに表示される。表示画面800は、具体的には、たとえば注文情報管理サーバ130から送信されたメールに張られたハイパーリンクを操作した場合にディスプレイ308に表示される。
【0064】
図8において、表示画面800には、「どっちにする?」などのメッセージ801とともに、選択商品810および対抗商品820が表示されている。表示画面800において、選択商品810は「あなたの選んだ商品はこちら」811などのメッセージとともに表示されている。表示画面800において選択商品810は、商品の名称、商品の大分類、商品の価格、商品の発売時期など選択商品の概略によってあらわされている。選択商品810の大分類は、たとえば「A社46V型 地上BS110度CSデジタルハイビジョン液晶テレビ」などのように、選択商品810が何であるかを案内する情報を用いる。
【0065】
また表示画面800には、「詳しくはこちら」などのメッセージによってあらわされるハイパーリンク812が表示されている。クライアント装置110は、ハイパーリンク812が操作された場合に、選択商品810の詳細な情報を案内する詳細画面を表示画面に切り替えて表示する。詳細画面の説明は省略する。
【0066】
また表示画面800には、選択商品810の購入を確定する「購入する」キー813が表示されている。顧客が「購入する」キー813をクリックするなどして操作した場合、クライアント装置110は選択商品810の購入要求を注文情報管理サーバ130に送信する。
【0067】
また表示画面800において、対抗商品820は「あなたの選んだ商品と類似する商品があります」および「こちらはいかがですか?」などのメッセージ821とともに表示されている。表示画面800において対抗商品820は、商品の名称、商品の大分類、商品の価格、商品の発売時期など対抗商品の概略によってあらわされている。
【0068】
対抗商品820は、たとえば「B社46V型 地上BS110度CSデジタルハイビジョン液晶テレビ」のように、選択商品810と同じ形式の情報を用いる。これにより選択商品810と対抗商品820との比較をおこない易くすることができる。また表示画面800には、「詳しくはこちら」などのメッセージによってあらわされ、対抗商品の詳細な情報を案内する詳細画面にリンクするハイパーリンク822が表示されている。
【0069】
顧客が「詳しくはこちら」のハイパーリンク822をクリックするなどして操作した場合、注文情報管理サーバ130からクライアント装置110に対してハイパーリンク先に記憶された対抗商品820の詳細情報が送信され、クライアント装置110は対抗商品820の詳細情報をディスプレイ308に表示する。
【0070】
また表示画面800には、対抗商品820を選択する「選択する」キー823が表示されている。顧客が「選択する」キー823をクリックするなどして対抗商品820を選択する操作をおこなった場合、注文情報管理サーバ130は選択商品810に代えて対抗商品820を保留中の商品とするように保留注文管理テーブル132を更新する。
【0071】
対抗商品800を選択する操作がおこなわれた場合、注文情報管理サーバ130は選択商品810に加えて対抗商品820を保留中の商品とするように保留注文管理テーブル132を更新してもよい。選択商品810または対抗商品820を保留中の商品とするか、あるいは選択商品810および対抗商品820を保留中の商品とするかは、対抗商品820が選択されるごとに顧客に確認する。
【0072】
この場合は、たとえば「ご注文内容を更新しますか?」「先に選択された商品をキャンセルしますか?」あるいは「選択された商品を追加しますか?」などのメッセージおよび「はい/いいえ」の意思確認のための操作キーなどを含むポップアップ画面(図示を省略する)を表示画面800に重ねて表示する。
【0073】
選択商品810または対抗商品820を保留中の商品とするか、あるいは選択商品810および対抗商品820を保留中の商品とするかは、顧客の入力操作をともなわずに、選択された対抗商品の分類や価格などに基づいて決定するようにしてもよい。この場合は、具体的には、たとえば液晶テレビのように購入頻度が低く高額な商品であれば選択商品810に代えて対抗商品820を保留中の商品とし、電池などのような消耗品や1000円未満などの一定額未満の商品であれば選択商品810および対抗商品820を保留中の商品とする。
【0074】
表示画面800には、対抗商品820が複数存在する場合に、「対抗商品1/5」、「対抗商品2/5」などのように対抗商品820が複数存在することを示唆する情報を表示してもよい。また対抗商品820が複数存在する場合は、複数の対抗商品820を一定時間ごとに順次切り替えて表示してもよい(図9を参照)。
【0075】
図9に示した表示画面900は、表示画面800において表示した対抗商品820を別の対抗商品910に切り替えて表示した状態を示している。対抗商品910を表示する場合、表示画面800における「対抗商品1/5」を「対抗商品2/5」に切り替える他に、「さらにこちらはいかがですか?」など対抗商品が複数存在することを案内するメッセージ911を表示してもよい。
【0076】
対抗商品が複数存在する場合にも、各対抗商品(820や910など)は選択商品810と同じ形式の情報を用いて表示する。これにより対抗商品820、910が切り替わった場合にも選択商品810と対抗商品820、910との比較をおこない易くすることができる。
【0077】
また表示画面800、900には、それぞれ「ポーズ」キー824、912が表示されている。「ポーズ」キー824、912は、対抗商品820、910が複数存在する場合に表示される。顧客が「ポーズ」キー824、912をクリックするなどした場合、クライアント装置110は「ポーズ」キー824、912が操作された時点で表示されている対抗商品820または910の表示を継続し、その他の対抗商品910または820への切り替えを停止する。これにより顧客は、複数の対抗商品の中の一つの対抗商品を選択商品810と十分に比較し、購入する商品をじっくり検討することができる。
【0078】
また表示画面800、900には、対抗商品820、910の選択条件を変更する「条件を変更」キー825、913が表示されている。顧客が「条件を変更」キー825、913をクリックするなどした場合、クライアント装置110は対抗商品820、910の選択条件を入力する所定の入力画面を表示する。所定の入力画面についての説明は省略する。
【0079】
図10は、クライアント装置110における表示画面の別の一例を示す説明図である。対抗商品は、表示画面800に代えて図10に示した表示画面1000によって案内してもよい。図10において、表示画面1000には「どっちにする?」などのメッセージ1001とともに、選択商品810および対抗商品1010が表示されている。表示画面1000において、複数の対抗商品は一つの表示枠内に並べて表示されている。すべての対抗商品が一画面内に表示しきれない場合はスクロールバー1011を表示するなどしてもよい。
【0080】
(商品購入システムの処理手順)
つぎに、商品購入システムの処理手順について説明する。商品購入システムの処理手順は、クライアント装置110における処理手順と注文情報管理サーバ130における処理手順とによっておこなわれる。
【0081】
図11は、クライアント装置110における処理手順を示すフローチャートである。クライアント装置110における処理手順は、クライアント装置110において商品閲覧要求を送信する操作がおこなわれた場合に実行する。図11のフローチャートにおいて、まず、商品閲覧要求を送信し(ステップS1101)、ステップS1101において送信した商品閲覧要求に応じて注文情報管理サーバ130から送信された商品情報を受信するまで待機する(ステップS1102:No)。
【0082】
ステップS1102において、商品情報を受信した場合(ステップS1102:Yes)は、受信した商品情報に基づいて商品を表示する(ステップS1103)。そして表示した商品に対する選択(商品の選択)があったか否かを判断する(ステップS1104)。ステップS1104においては、商品を表示する図示を省略する表示画面に表示された「選択する」キーが操作された場合に商品の選択があったと判断する。商品の選択がない場合(ステップS1104:No)は、ステップS1108へ移行する。
【0083】
ステップS1104において、商品の選択があった場合(ステップS1104:Yes)は、選択された選択商品を記憶する(ステップS1105)。ステップS1105においては、具体的には、たとえば選択商品の商品管理番号をRAM303に記憶する。そして、選択商品の購入が確定したか否かを判断する(ステップS1106)。ステップS1106においては、商品を表示する図示を省略する表示画面に表示された「購入する」キーが操作された場合に選択商品の購入が確定したと判断する。選択商品の購入が確定していない場合(ステップS1106:No)は、ステップS1108へ移行する。
【0084】
ステップS1106において、選択商品の購入が確定した場合(ステップS1106:Yes)は、注文情報管理サーバ130に対して選択商品の購入要求を送信する(ステップS1107)。購入要求を送信後は、ステップS1105においてRAM303に記憶した商品管理番号にフラグを立てるなどして、この商品についての購入要求がすでに送信されていることを記憶する。その後、通信購入の終了操作があったか否かを判断し(ステップS1108)、終了操作がない場合(ステップS1108:No)はステップS1104に戻る。
【0085】
ステップS1108において、終了操作があった場合(ステップS1108:Yes)は、終了操作があった時点で購入が確定していない選択商品があるか否かを判断する(ステップS1109)。ステップS1109においては、RAM303にフラグが立てられていない商品管理番号が記憶されている場合に購入が確定していない選択商品があると判断する。購入が確定していない選択商品がない場合(ステップS1109:No)は、一連の処理を終了する。
【0086】
ステップS1109において、購入が確定していない選択商品がある場合(ステップS1109:Yes)は、購入が確定していない選択商品を注文保留中の商品とする保留注文情報を注文情報管理サーバ130に対して送信して(ステップS1110)、一連の処理を終了する。
【0087】
図12は、注文情報管理サーバ130における処理手順を示すフローチャートである。図12のフローチャートにおいて、まず、クライアント装置110から送信された商品閲覧要求を受信するまで待って(ステップS1201:No)、受信した場合(ステップS1201:Yes)は、商品閲覧要求元となるクライアント装置110に対して商品管理DB121が記憶する商品情報を送信する(ステップS1202)。
【0088】
つぎに、クライアント装置110から送信された購入要求を受信したか否かを判断し(ステップS1203)、受信した場合(ステップS1203:Yes)は受信された購入要求に基づいて決済処理をおこなう(ステップS1204)。ステップS1204においては、購入要求に含まれる商品管理番号およびクレジットカード番号を用いて決済処理をおこなう。決済処理の終了後は、一連の処理を終了する。
【0089】
一方、ステップS1203において、購入要求を受信していない場合(ステップS1203:No)は、クライアント装置110から送信された保留注文情報を受信したか否かを判断する(ステップS1205)。保留注文情報を受信していない場合(ステップS1205:No)は、一連の処理を終了する。
【0090】
ステップS1205において、クライアント装置110から送信された保留注文情報を受信した場合(ステップS1205:Yes)は、受信された保留注文情報および商品管理DB121を用いて対抗商品を選択する(ステップS1206)。ステップS1206においては、保留注文情報に含まれる選択商品を基準として、選択商品に機能、性能、価格の少なくとも一つが類似する商品を対抗商品として選択する。
【0091】
その後、ステップS1206において選択された対抗商品に関する情報を含む購入案内情報を、保留注文情報の送信元となるクライアント装置110に送信して(ステップS1207)、一連の処理を終了する。ステップS1207においては、購入案内情報として、クライアント装置110において対抗商品および対抗商品を推薦する情報を表示させるための情報を送信する。
【0092】
図13は、クライアント装置110における処理手順を示すフローチャートである。図13のフローチャートにおいて、まず、注文情報管理サーバ130から送信された購入案内情報を受信するまで待って(ステップS1301:No)、受信した場合(ステップS1301:Yes)は、選択商品を特定する(ステップS1302)。ステップS1302においては、たとえばRAM303に記憶されている商品管理番号のうちフラグが立てられている商品管理番号によって特定される商品を選択商品として特定する。
【0093】
つぎに、ステップS1301において受信された購入案内情報から、対抗商品を抽出する(ステップS1303)。そして、ステップS1302において特定された選択商品およびステップS1303において抽出された対抗商品を表示する(ステップS1304)。
【0094】
その後、ステップS1304において表示した選択商品の購入が確定したか否かを判断する(ステップS1305)。ステップS1305においては、たとえば表示画面800における「購入する」キー813が操作されたことをもって、選択商品の購入が確定したと判断する。
【0095】
ステップS1305において、選択商品の購入が確定した場合(ステップS1305:Yes)は、注文情報管理サーバ130に対して選択商品の購入要求を送信して(ステップS1306)、一連の処理を終了する。一方、選択商品の購入が確定していない場合(ステップS1305:No)は、ステップS1304において表示した対抗商品が選択されたか否かを判断する(ステップS1307)。ステップS1307においては、たとえば表示画面800における「選択する」キー823が操作されたことをもって、対抗商品の選択があったと判断する。
【0096】
ステップS1307において、対抗商品が選択されていない場合(ステップS1307:No)は、ステップS1309へ移行する。一方、対抗商品が選択された場合(ステップS1307:Yes)は、選択された対抗商品をあらたに選択商品とする表示画面800を表示するとともに、あらたに選択商品とされた対抗商品の購入が確定したか否かを判断する(ステップS1308)。対抗商品の購入が確定した場合(ステップS1308:Yes)はステップS1306へ移行する。また対抗商品の購入が確定していない場合(ステップS1308:No)は、ステップS1309へ移行する。
【0097】
その後、対抗商品の切り替えタイミングか否かを判断する(ステップS1309)。ステップS1309においては、ステップS1304において選択商品および対抗商品を表示してから所定時間が経過したことをもって対抗商品の切り替えタイミングであると判断する。所定時間は、上述したように「10秒」、「1分」などのように任意に設定される。
【0098】
ステップS1309において、対抗商品の切り替えタイミングではない場合(ステップS1309:No)は、ステップS1305へ戻る。これにより、表示画面の内容はそのままに選択商品の購入確定、あるいは対抗商品の選択を待機する状態となる。一方、対抗商品の切り替えタイミングである場合(ステップS1309:Yes)は、ステップS1304へ戻る。これにより、ディスプレイ308には、選択商品と切り替えられたあらたな対抗商品とが表示された表示画面が表示される。
【0099】
上述したように、この実施の形態によれば、顧客が選択した選択商品の購入確定を保留しておくと、選択商品に類似する対抗商品が案内されるため、顧客はいずれの商品を購入するかおおいに迷うこととなる。この実施の形態は、顧客をあえて迷わせることが目的である。
【0100】
このように顧客を迷わせることによって、購入商品の選択を熟考させ、結果として顧客は類似する商品を十分に検討した上で最終的に購入する商品を決定することになる。これによって、購入後に後悔することなく、顧客の要望にもっとも適した商品を購入させることができ、購入した商品に対する顧客の満足度の向上を図ることができる。特に購入商品が高価なものであればあるほど、より有効となる。
【0101】
また、この実施の形態によれば、選択商品の購入要求があるまで対抗商品を表示することにより商品の購入が確定するまでの間、顧客に継続して検討させることができる。これによって顧客は購入の機会を逸することなく要望する商品を購入することができる。また、これにより販売する側は、顧客の購買意欲を低下させることを回避し、商品購入システムの利用活性化を図ることができる。
【0102】
同様に、この実施の形態によれば、対抗商品の選択があるまで対抗商品を表示することにより商品の購入が確定するまでの間、顧客に継続して検討させることができる。これによって顧客は購入の機会を逸することなく要望する商品を購入することができる。また、これにより商品を販売する側は、顧客の購買意欲を低下させることを回避し、商品購入システムの利用活性化を図ることができる。
【0103】
また、この実施の形態によれば、複数の対抗商品を顧客に提示することで検討内容を充実させることができるとともに、対抗商品を所定時間ごと切り替えて表示することによって顧客に意識させることなくすべての対抗商品を顧客に提示することができるので、これによっても検討内容を充実させることができる。
【0104】
さらに、この実施の形態によれば、顧客は大体の検討をつけた商品を仮に選択して選択商品を定めれば、仮の選択商品の対抗商品を表示させることができる。これによって、顧客が事前に商品についての情報収集をしていない場合にも、たとえば「46型前後のテレビが欲しい」という要望に該当する商品を仮に選択させ、その結果を提示することができる。
【0105】
これによって、顧客が事前に商品についての情報収集が不十分な顧客に対しても、対抗商品を検討させることによって、顧客の要望にもっとも適した商品を購入させることができる。これにより、情報収集にかかる顧客の手間や労力あるいは時間を省略しつつ顧客の要望にもっとも適した商品を購入させることができ、購入した商品に対する顧客の満足度の向上を図ることができる。
【0106】
また、この実施の形態によれば、複数の対抗商品の少なくとも2つ以上を同時に表示することにより、一画面で多くの対抗商品を提示することができ、検討内容を充実させることができる。
【0107】
また、この実施の形態によれば、表示された対抗商品の中から所望の対抗商品を選択することによって、選択された対抗商品に対抗する対抗商品を顧客に提示することができる。これによって、顧客に提示する商品情報に厚みをもたせることができ、類似する商品を十分に検討した上で最終的に購入する商品を決定させることができる。
【0108】
また、対抗商品に対抗する対抗商品を顧客に提示することにより、商品選択に際してのあらたな条件を提示することが可能となり、選択対象となる商品に幅を持たせることができる。これによって、顧客をさらに迷わせ、購入商品の選択を熟考させることができ、結果として顧客の要望にもっとも適した商品を購入させることができ、購入した商品に対する顧客の満足度の向上を図ることができる。
【0109】
また、この実施の形態によれば、選択商品以外の対抗商品を表示することにより、一度購入対象から外した商品をあらためて検討する必要がない。これによって、類似する商品を十分に検討させるとともに、不必要に多くの検討材料を提供することを回避して、顧客の要望にもっとも適した商品を購入させることができ、購入した商品に対する顧客の満足度の向上を図ることができる。
【0110】
さらに、この実施の形態の商品購入システムを実現するネットショッピングのサイト運営者は、この商品購入システムを用いて顧客が対抗商品に乗り換えた情報を蓄積し、乗り換えたことによるマージン(たとえば購入金額の数パーセント)を、対抗商品の提供先(メーカー)から取得するようにしてもよい。また、対抗商品によって乗り換えられた商品の提供先に対しては、前記マージンの一部を乗り換え保証として還元するようにしてもよい。
【0111】
以上説明したように、商品購入システム、顧客端末装置、サーバコンピュータ、商品購入方法および商品購入プログラムによれば、顧客の要望に該当する複数の商品を検討させることによって、顧客の要望にもっとも適した商品を購入させることができ、購入した商品に対する顧客の満足度の向上を図ることができる。
【0112】
なお、本実施の形態で説明した商品購入方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
以上のように、本発明にかかる商品購入システム、顧客端末装置、サーバコンピュータ、商品購入方法および商品購入プログラムは、コンピュータネットワークを通じた顧客端末装置およびサーバコンピュータ間の通信を用いて、商品またはサービス(以下「商品」という)の選択および選択された商品の購入要求の送信をおこなって商品を購入する場合に有用であり、特に、インターネットを用いた通信販売に適している。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】この発明の実施の形態にかかる商品購入システムのシステム構成を示す説明図である。
【図2】コンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図3】クライアント装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図4】この発明にかかる商品購入システムの機能的構成を示す説明図である。
【図5】商品管理DBの一例を示す説明図である。
【図6】顧客管理DBの一例を示す説明図である。
【図7】保留注文管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図8】クライアント装置における表示画面例を示す説明図(その1)である。
【図9】クライアント装置における表示画面例を示す説明図(その2)である。
【図10】クライアント装置における表示画面の別の一例を示す説明図である。
【図11】クライアント装置における処理手順を示すフローチャート(その1)である。
【図12】注文情報管理サーバにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図13】クライアント装置における処理手順を示すフローチャート(その2)である。
【符号の説明】
【0115】
410 顧客端末装置
420 サーバコンピュータ
411 受信部
412 表示部
413 選択部
414 送信部
415 記憶部
421 受信部
422 抽出部
423 送信部
424 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータネットワークを通じた顧客端末装置およびサーバコンピュータ間の通信を用いて、商品またはサービス(以下「商品」という)の選択および選択された商品の購入要求の送信をおこなう商品購入システムであって、
前記顧客端末装置は、
前記サーバコンピュータから送信された商品に関する情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された情報にかかる商品を表示する表示手段と、
前記表示手段によって表示された商品の中から所望の商品の選択を受け付ける選択手段と、
前記選択手段によって選択された選択商品に関する情報を前記サーバコンピュータに送信する送信手段と、を備え、
前記サーバコンピュータは、
前記選択商品に関する情報を前記顧客端末装置から受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された情報に基づいて、前記選択商品に対して、機能、性能および価格の少なくともいずれか一つが類似する対抗商品を所定の商品群の中から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された対抗商品に関する情報を前記顧客端末装置へ送信する送信手段と、を備え、
前記顧客端末装置の前記受信手段は、前記対抗商品に関する情報を受信し、
前記顧客端末装置の前記表示手段は、前記受信手段によって受信された情報にかかる対抗商品を前記選択商品とともにまたは前記選択商品に代えて表示することを特徴とする商品購入システム。
【請求項2】
前記顧客端末装置の前記表示手段は、前記選択商品の購入要求があるまでまたは前記対抗商品の選択がなされるまで前記対抗商品を表示することを特徴とする請求項1に記載の商品購入システム。
【請求項3】
前記サーバコンピュータの前記抽出手段は、前記対抗商品を複数抽出し、
前記顧客端末装置の前記表示手段は、複数抽出された対抗商品を所定時間ごとに切り替えてまたは少なくとも2つ以上を同時に表示することを特徴とする請求項1または2に記載の商品購入システム。
【請求項4】
前記顧客端末装置の前記選択手段は、表示された対抗商品の中から所望の対抗商品の選択の受け付けを可能とし、
前記サーバコンピュータの前記抽出手段は、選択された対抗商品に対抗する対抗商品をさらに抽出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の商品購入システム。
【請求項5】
前記顧客端末装置の前記表示手段は、前記選択商品以外の対抗商品を表示することを特徴とする請求項4に記載の商品購入システム。
【請求項6】
コンピュータネットワークを通じた顧客端末装置およびサーバコンピュータ間の通信を用いて、商品またはサービス(以下「商品」という)の選択および選択された商品の購入要求の送信をおこなう商品購入システムに用いる顧客端末装置であって、
前記サーバコンピュータから送信された商品に関する情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された情報にかかる商品を表示する表示手段と、
前記表示手段によって表示された商品の中から所望の商品の選択を受け付ける選択手段と、
前記選択手段によって選択された選択商品に関する情報を前記サーバコンピュータに送信する送信手段と、
を備え、
前記受信手段は、前記選択商品に関する情報を前記サーバコンピュータに送信した結果前記サーバコンピュータから送信された前記選択商品に対して、機能、性能および価格の少なくともいずれか一つが類似する対抗商品に関する情報を受信し、
前記表示手段は、前記受信手段によって受信された情報にかかる対抗商品を前記選択商品とともにまたは前記選択商品に代えて表示することを特徴とする顧客端末装置。
【請求項7】
コンピュータネットワークを通じた顧客端末装置およびサーバコンピュータ間の通信を用いて、商品またはサービス(以下「商品」という)の選択および選択された商品の購入要求の送信をおこなう商品購入システムに用いるサーバコンピュータであって、
前記顧客端末装置において選択された所望の商品に関する情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された情報に基づいて、前記選択商品に対して、機能、性能および価格の少なくともいずれか一つが類似する対抗商品を所定の商品群の中から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された対抗商品に関する情報を前記顧客端末装置へ送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とするサーバコンピュータ。
【請求項8】
コンピュータネットワークを通じた顧客端末装置およびサーバコンピュータ間の通信を用いて、商品またはサービス(以下「商品」という)の選択および選択された商品の購入要求の送信をおこなう商品購入方法であって、
前記顧客端末装置に実行させる、
前記サーバコンピュータから送信された商品に関する情報を受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された情報にかかる商品を表示する表示工程と、
前記表示工程によって表示された商品の中から所望の商品の選択を受け付ける選択工程と、
前記選択工程によって選択された選択商品に関する情報を前記サーバコンピュータに送信する選択商品送信工程と、
前記サーバコンピュータに実行させる、
前記選択商品送信工程によって送信された選択商品に関する情報を受信する選択商品受信工程と、
前記選択商品受信工程によって受信された情報に基づいて、前記選択商品に対して、機能、性能および価格の少なくともいずれか一つが類似する対抗商品を所定の商品群の中から抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された対抗商品に関する情報を前記顧客端末装置へ送信する対抗商品送信工程と、
を含み、
さらに前記顧客端末装置に実行させる、
前記対抗商品送信工程によって送信された対抗商品に関する情報を受信する対抗商品受信工程と、
前記対抗商品受信工程によって受信された情報にかかる対抗商品を前記選択商品とともにまたは前記選択商品に代えて表示する対抗商品表示工程と、
を含んだことを特徴とする商品購入方法。
【請求項9】
コンピュータネットワークを通じた顧客端末装置およびサーバコンピュータ間の通信を用いて、商品またはサービス(以下「商品」という)の選択および選択された商品の購入要求の送信をおこなう商品購入システムに実行させる商品購入プログラムであって、
前記顧客端末装置に、
前記サーバコンピュータから送信された商品に関する情報を受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された情報にかかる商品を表示する表示工程と、
前記表示工程によって表示された商品の中から所望の商品の選択を受け付ける選択工程と、
前記選択工程によって選択された選択商品に関する情報を前記サーバコンピュータに送信する選択商品送信工程と、を実行させ、
前記サーバコンピュータに、
前記選択商品送信工程によって送信された選択商品に関する情報を受信する選択商品受信工程と、
前記選択商品受信工程によって受信された情報に基づいて、前記選択商品に対して、機能、性能および価格の少なくともいずれか一つが類似する対抗商品を所定の商品群の中から抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された対抗商品に関する情報を前記顧客端末装置へ送信する対抗商品送信工程と、を実行させ、
さらに前記顧客端末装置に、
前記対抗商品送信工程によって送信された対抗商品に関する情報を受信する対抗商品受信工程と、
前記対抗商品受信工程によって受信された情報にかかる対抗商品を前記選択商品とともにまたは前記選択商品に代えて表示する対抗商品表示工程と、
を実行させることを特徴とする商品購入プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−181415(P2009−181415A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20862(P2008−20862)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(594103301)三井住友カード株式会社 (39)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)