説明

問診回答解析結果表示システム、問診回答解析システム及び問診回答解析方法

【課題】問診回答提供システムにおいて、解析要求者が所要受診者の問診回答を解析する際の作業効率を向上し、受診者に対する医療の質の均一化を図り、解析要求者の職種及び使用端末の利用目的にマッチした、所要患者の問診項目の解析結果を提供。
【解決手段】問診回答解析システムは、解析要求端末から解析要求情報を受信する手段と、解析対象問診項目DBに格納された問診項目のうち解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した解析対象問診項目を選択する手段と、問診回答DBに保管された複数受診者の問診回答のうち解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した問診回答を選択する手段と、解析対象問診項目選択手段で選択した解析対象問診項目の各項目に、問診回答選択手段で選択した問診回答の各問診項目に対する回答をそれぞれあてはめて問診解析を実施し、問診回答解析結果を解析要求端末に提供する手段とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
健康診断センタにおいて収集された複数受診者の問診回答を管理し、所要受信者の問診回答を提供する技術に係り、特に、所要受信者の問診回答に解析を加えてその解析結果を提供する問診回答解析結果表示システム、問診回答解析システム及び問診回答解析方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くの会社、学校、事務所等の従事者に対し、健康診断事業者の施設で定期的に健康診断が行なわれている。この健康診断に際し、健康診断の受診者は、種々の問診項目についての回答を行なう。種々の問診項目についての回答は、OCR(Optical Character Reader)用紙やマークシート用紙に記入することで行なわれる。
【0003】
OCR用紙やマークシート用紙に記入された受診者の問診回答はデータベース化され、医療従事者(医師、技師、保健士又は看護士等)が所要受診者の問診回答の表示要求をネットワークを介したPC(Personal Computer)から実行する。このPCの画面上に表示された所要受診者の問診回答を参照して、医療従事者各人で問診回答の解釈・判断を行なっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−245176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムにおいては、一般の受診者あるいは患者を想定して設計され、受診者あるいは患者の利便性のみが考慮されており、医療従事者の業務を支援することは考慮されていなかった。そのため、健康診断センタ等の医療機関では医療従事者各人が、表示された所要受診者の問診回答を参照して問診回答の解釈・判断を行なっている。この場合、医療従事者各人の知識に基づいて問診回答の解釈・判断を行なっているので、作業効率が悪かった。
【0005】
加えて、医療従事者の知識に基づいて解釈・判断が行なわれると、診断する医療従事者各人の能力や経験の違いが診断結果に影響を与えるため、医療の質の不均一が問題視されていた。そのため、同一施設で医療を受診しても、診断される医療従事者によっては結果が異なると言う事象が発生することになる。特に、問診回答の解釈・判断にあたっては、複数の問診項目の結果を総合的に判断する必要があり、医療従事者の技量の違いが顕著に現れる分野の一つであるとされている。
【0006】
また、健康診断センタでは、医療従事者に対して、受診者の様々な検査や面接による情報提供が行なわれる。よって、医療従事者の職種による利用目的に合わせた問診解析の提供が必要であるが、従来のシステムの応用では実現できない。医師に対して解析結果を提供する場合であっても、利用目的が消化器の検査であるのか、呼吸器の検査であるのかによって、必要とする問診情報は当然異なる。ましてや、職種が異なる場合には、注目すべき問診情報が異なることは自明である。
【0007】
例えば、医療従事者のうち職種が医師の場合には、所要患者の問診回答から検査実施時の注意点や、疑われる疾患名、注目すべき検査項目が注目すべき点である一方、保健指導を行なう保健士の場合には、疑われる疾患名、生活上の注意点などの指導ポイントが注目すべき点となる。
【0008】
また、職種が医師であり、胃内視鏡検査と受診者面接を担当している場合、端末分類コードは胃内視鏡検査を行なう場合には胃内視鏡室、面接を行なう時には面接室となるので、同一医師であっても胃内視鏡室にいる場合と面接室にいる場合とで、異なった解析手法が適用されることが望まれる。
【0009】
本発明は、解析要求者が所要受診者の問診回答を解析する際の作業効率を向上することができる問診回答解析結果表示システム、問診回答解析システム及び問診回答解析方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、受診者に対する医療の質の均一化を図ることができる問診回答解析結果表示システム、問診回答解析システム及び問診回答解析方法を提供することにある。
【0011】
さらに、本発明の第3の目的は、解析要求者の職種及び使用端末の位置(利用目的)のにマッチした、所要患者の問診項目の解析結果を提供できる問診回答解析結果表示システム、問診回答解析システム及び問診回答解析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る問診回答解析システムは、上述した課題を解決するために、種々の問診項目について回答した受診者の問診回答を複数受診者について収集して前記複数受診者の問診回答として保管する問診回答データベースと、所要受診者の問診回答ついての表示要求を実行したり前記所要受診者の問診回答を表示したりできる端末とを有する問診回答表示システムにおいて、解析要求が実行された解析要求端末から、解析要求情報を受信する解析要求受信手段と、前記種々の問診項目のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した解析対象問診項目を選択する解析対象問診項目選択手段と、前記問診回答データベースに保管された前記複数受診者の問診回答のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した問診回答を選択する問診回答選択手段と、前記解析対象問診項目選択手段で選択した解析対象問診項目の各項目に、前記問診回答選択手段で選択した問診回答の各問診項目に対する回答をそれぞれあてはめて問診解析を実施し、その問診回答解析結果を取得する問診回答解析結果取得手段と、前記問診回答解析結果を前記解析要求端末に提供する問診回答解析結果送信手段とを設けた。
【0013】
また、本発明に係る問診回答解析結果表示システムは、種々の問診項目について回答した受診者の問診回答を複数受診者について収集して前記複数受診者の問診回答として保管する問診回答データベースと、所要受診者の問診回答ついての表示要求を実行したり前記所要受診者の問診回答を表示したりできる端末とを有する問診回答表示システムにおいて、問診ページを表示したり受診者が種々の問診項目に対する回答を入力したりできる受診者端末と、前記受診者端末に問診ページを提供し前記受診者端末から受信される複数受診者の問診結果を保管するサーバと、前記サーバに保管された複数受診者の問診結果のうち、所要受診者の問診回答についての解析要求を実行したり問診回答解析結果表示画面を表示したりする解析要求端末と、解析要求が実行された前記解析要求端末から、解析要求情報を受信する解析要求受信手段と、前記種々の問診項目のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した解析対象問診項目を選択する解析対象問診項目選択手段と、前記問診回答データベースに保管された前記複数受診者の問診回答のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した問診回答を選択する問診回答選択手段と、前記解析対象問診項目選択手段で選択した解析対象問診項目の各項目に、前記問診回答選択手段で選択した問診回答の各問診項目に対する回答をそれぞれあてはめて問診解析を実施し、その問診回答解析結果を取得する問診回答解析結果取得手段と、前記問診回答解析結果を前記解析要求端末に提供する問診回答解析結果送信手段とを設けた。
【0014】
さらに、本発明に係る問診回答解析結果表示システムは、種々の問診項目について回答した受診者の問診回答を複数受診者について収集して前記複数受診者の問診回答として保管する問診回答データベースと、所要受診者の問診回答ついての表示要求を実行したり前記所要受診者の問診回答を表示したりできる端末とを有する問診回答表示システムにおいて、問診ページを表示したり受診者が種々の問診項目に対する回答を入力したりできる受診者端末と、前記受診者端末に問診ページを提供し前記受診者端末から受信される複数受診者の問診結果を保管するサーバと、前記サーバに保管された複数受診者の問診結果のうち、所要受診者の問診回答についての解析要求を実行したり問診回答解析結果表示画面を表示したりする解析要求端末とを備え、前記サーバに、解析要求が実行された前記解析要求端末から、解析要求情報を受信する解析要求受信手段と、前記種々の問診項目のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した解析対象問診項目を選択する解析対象問診項目選択手段と、前記問診回答データベースに保管された前記複数受診者の問診回答のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した問診回答を選択する問診回答選択手段と前記解析対象問診項目選択手段で選択した解析対象問診項目の各項目に、前記問診回答選択手段で選択した問診回答の各問診項目に対する回答をそれぞれあてはめて問診解析を実施し、その問診回答解析結果を取得する問診回答解析結果取得手段と、前記問診回答解析結果を前記解析要求端末に提供する問診回答解析結果送信手段とを設けた。
【0015】
加えて、本発明に係る問診回答解析結果表示システムは、種々の問診項目について回答した受診者の問診回答を複数受診者について収集して前記複数受診者の問診回答として保管する問診回答データベースと、所要受診者の問診回答ついての表示要求を実行したり前記所要受診者の問診回答を表示したりできる端末とを有する問診回答表示システムにおいて、前記種々の問診項目に従って受診者が記入した記述式の問診回答用紙から受診者の問診回答を読み込む問診回答読込手段と、前記問診回答読込手段から問診回答を取り込む問診回答取込手段と、前記問診回答取込手段から入力した問診回答を保管する問診回答解析システムと、前記問診回答解析システムに保管された複数受診者の問診結果のうち、所要受診者の問診回答についての解析要求を実行したり問診回答解析結果表示画面を表示したりする解析要求端末とを設け、前記問診回答解析システムに、解析要求が実行された前記解析要求端末から、解析要求情報を受信する解析要求受信手段と、前記種々の問診項目のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した解析対象問診項目を選択する解析対象問診項目選択手段と、前記問診回答データベースに保管された前記複数受診者の問診回答のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した問診回答を選択する問診回答選択手段と、前記解析対象問診項目選択手段で選択した解析対象問診項目の各項目に、前記問診回答選択手段で選択した問診回答の各問診項目に対する回答をそれぞれあてはめて問診解析を実施し、その問診回答解析結果を取得する問診回答解析結果取得手段と、前記問診回答解析結果を前記解析要求端末に提供する問診回答解析結果送信手段とを設けた。
【0016】
本発明に係る問診回答解析方法は、上述した課題を解決するために、種々の問診項目について回答した受診者の問診回答を複数受診者について収集して前記複数受診者の問診回答として保管し、前記複数受診者の問診回答のうち、所要受診者の問診回答を表示する問診回答表示方法において、ネットワーク上のコンピュータから解析要求情報が受信される解析要求情報受信工程と、前記種々の問診項目のうち、前記解析要求情報に対応した解析対象問診項目が選択される解析対象問診項目選択工程と、前記複数受診者の問診回答のうち、前記解析要求情報に含まれる受診者識別情報に対応した問診回答が選択される受診者選択工程と、解析対象問診項目選択工程にて選択された解析対象問診項目の各項目に、受診者選択工程にて選択された問診回答の各問診項目に対する回答があてはめられて問診回答解析結果が取得される問診回答解析結果取得工程と、前記問診回答解析結果が前記コンピュータに提供される問診回答解析結果送信工程とを有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る問診回答解析結果表示システム、問診回答解析システム及び問診回答解析方法によると、解析要求者が所要受診者の問診回答を解析する際の作業効率を向上することができる。
【0018】
また、本発明に係る問診回答解析結果表示システム、問診回答解析システム及び問診回答解析方法によると、受診者に対する医療の質の均一化を図ることができる。
【0019】
さらに、本発明に係る問診回答解析結果表示システム、問診回答解析システム及び問診回答解析方法によると、解析要求者の職種及び使用端末の位置(利用目的)にマッチした、所要患者の問診項目の解析結果を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る問診回答解析結果表示システム、問診回答解析システム及び問診回答解析方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る問診回答解析結果表示システムの第1実施の形態を示す概略図である。
【0022】
図1は、問診回答解析結果表示システム10を示し、この問診回答解析結果表示システム10には、問診ページを表示したり受診者が種々の問診項目に対する回答を入力したりできる受診者端末11(受診者端末11a,11b,11c,…)と、この受診者端末11に問診ページを提供し受診者端末11から複数受診者の問診結果を受診して保管するサーバ12と、このサーバ12に保管された複数受診者の問診結果のうち、所要受診者の問診回答についての解析要求を解析要求者が実行したり問診回答解析結果表示画面を表示したりできる解析要求端末13とが備えられる。
【0023】
受診者端末11及びサーバ12は、ネットワーク、例えばインターネット、でデータ通信可能に接続されている。サーバ12及び解析要求端末13は、医療機関、例えば健康診断事業者の施設(以下、「健康診断センタ」という。)内のネットワークであるLAN(Local Area Network)15でデータ通信可能に接続されている。
【0024】
受診者端末11は、PC(Personal Computer)、携帯電話及びPDA(Personal Digital Assistance)等のコンピュータで構成される。受診者端末11のうち、例えば、受診者端末11aは家庭に、受診者端末11bは会社に、受診者端末11cは健康診断センタにそれぞれ設置されているものとする。以下、受診者端末11として、受診者端末11aを用いて説明するが、特に、受診者端末11aに限定されるものではない。
【0025】
サーバ12は、例えば、Webブラウザ等のクライアントコンピュータである受診者端末11aからの問診ページ要求に応じて問診ページを作成して、この問診ページを、インターネット14を介して受診者端末11aに送信するWebサーバとする。サーバ12には、インターネット14を介して受診者端末11aからの問診ページ要求を受付ける問診ページ要求受付手段21と、この問診ページ要求受付手段21で受付けた問診ページ要求によって問診項目DB22から問診項目を読み込んで問診ページを作成する問診ページ作成手段23と、インターネット14を介して受診者端末11aに問診ページを送信する問診ページ送信手段24と、問診ページの問診項目毎に受診者によって回答が入力され、問診回答として受診者端末11aからインターネット14を介して取り込む問診回答取込手段25と、問診回答解析システム30とが設けられており、サーバ12内の問診回答解析システム30は、問診回答解析結果表示システム10のサブシステムとして位置づけられる。
【0026】
なお、図1に示された問診回答解析結果表示システム10では、サーバ12内に問診回答解析システム30を設けるように構成したが、サーバ12から問診回答解析システム30を独立させ、双方を、LAN15を介してデータ通信可能に接続してもよい。
【0027】
図2は、本発明に係る問診回答解析システム30の構成と解析要求端末13とを示す概略図である。
【0028】
図2は、問診回答解析システム30と、健康診断センタ内の多様な位置に設置された解析要求端末13(解析要求端末13a,13b,13c,…)とを示し、この解析要求端末13は、PC等のコンピュータで構成される。解析要求端末13のうち、例えば、解析要求端末13aは胃内視鏡検査室に、解析要求端末13bは胃X線検査室に、また、解析要求端末13cは面接室にそれぞれ設置されているものとする。以下、解析要求端末13として、胃内視鏡検査室に設置された解析要求端末13aを用いて説明するが、特に、解析要求端末13aに限定されるものではない。
【0029】
解析要求が実行された解析要求端末13aから送信される解析要求情報は、解析要求端末13aのLAN15へのログインを行なった解析要求者(解析要求者a,b又はc等)に関する解析要求者識別情報、ログインを行なった解析要求者の職種(医師、技師、保健士又は看護士等)に関する解析要求者職種識別情報、ログインされた解析要求端末13aに関する解析要求端末識別情報、及び、所要受診者(受診者A,B又はC等)に関する受診者識別情報を少なくとも有している。なお、解析要求情報に、問診に対する受診者の回答日に関する回答日情報や、受診者の健康診断受診日に関する健康診断受診日情報等を有してもよい。
【0030】
解析要求者識別情報は、解析要求者を一意に識別する識別子であり、例えば解析要求者の職員コードが使われる。解析要求者職種識別情報は、解析要求者の職種を一意に識別する識別子であり、例えば解析要求者の職種コードが使われる。解析要求端末識別情報は、解析要求端末13aを一意に識別する識別子であり、文字列や数値等のコードが使われる。受診者識別情報は、受診者を一意に識別する識別子であり、例えば受診者ID(IDentification)が使われる。
【0031】
問診回答解析システム30には、解析要求端末13aからLAN15を介して解析要求情報を受信する解析要求受信手段31と、この解析要求受信手段31で受信した解析要求情報に含まれる解析要求者職種識別情報及び解析要求端末識別情報の組み合わせに対応した解析対象問診項目、及び、同じく解析要求情報に含まれる受診者識別情報に対応した問診回答とをそれぞれ選択する選択手段34と、この選択手段34で選択した解析対象問診項目の各項目に、選択手段34で選択した問診回答の各問診項目に対する回答(Yes又はNo)をそれぞれあてはめて問診回答解析を実施し、その問診回答解析結果を取得する問診回答解析結果取得手段35と、問診回答解析結果を、LAN15を介して解析要求端末13aに提供する問診回答解析結果送信手段36とが設けられる。問診回答解析結果送信手段36は、解析要求端末13aに問診回答解析結果表示画面を表示させる機能を有する。
【0032】
また、選択手段34には、種々の問診項目のうち、解析要求情報に含まれる解析要求者職種識別情報及び解析要求端末情報の組み合わせに対応した解析対象問診項目を選択する解析対象問診項目選択手段34aと、複数受診者の問診回答のうち、解析要求情報に含まれる受診者識別情報に対応した問診回答を選択する問診回答選択手段34bとがそれぞれ具備される。
【0033】
問診回答解析システム30には、解析要求者職種及び解析要求端末の組み合わせによって設定された、解析要求者職種及び解析要求端末の組み合わせと解析対象問診項目との対応テーブルを格納する解析対象問診項目DB(Data Base)38が備えられる。選択手段34の解析対象問診項目選択手段34aは、解析対象問診項目DB38に格納する対応テーブルから、解析要求者職種識別情報及び解析要求端末識別情報の組み合わせに対応する解析対象問診項目を選択する。
【0034】
図3は、解析対象問診項目DB38に格納された、解析要求者職種及び解析要求端末の組み合わせと解析対象問診項目との対応テーブルの一例を示す図である。
【0035】
図3は、解析対象問診項目DB38に格納された、第1分類である解析要求者職種{医師、技師、保健士、看護士、…}と、第2分類である解析要求端末{解析要求端末13a(胃内視鏡検査室)、解析要求端末13b(胃X線検査室)、解析要求端末13c(面接室)、…}との組み合わせによって設定された解析対象問診項目を示すものである。なお、図3に示された解析対象問診項目DB38では、問診項目として問診項目[1]乃至[5]の5種を示したが、問診項目は5種に限定されるものではない。
【0036】
例えば、解析要求者職種が医師、解析要求端末が解析要求端末13aの場合、図3に示された解析対象問診項目DB38では、解析対象問診項目として問診項目[1],[3],[4],[5]が、解析対象外の問診項目として問診項目[2]がそれぞれ設定されている。
【0037】
ここで、問診項目は、例えば、「時々お腹が痛い」、「お腹がはる」、「食後の胃に痛みがある」及び「睡眠中、息苦しく感じたことがある」といった受診者に対する具体的な質問で構成されている。解析対象問診項目DB38で、解析要求者職種及び解析要求端末の組み合わせによってどの問診項目を解析対象とするかを予め設定しておくことで、例えば、消化器の疾患を解析する場合には、「食後の胃の痛み」のような消化器に関する問診項目を解析対象とする一方、泌尿器疾患に関する問診項目を解析対象外として定義することができる。
【0038】
また、図2に示された問診回答解析システム30には、問診を受けた複数受診者と問診回答との対応テーブルを保管する問診回答DB39が備えられる。選択手段34の問診回答選択手段34bは、問診回答DB39で保管する対応テーブルから、受診者識別情報に対応する問診回答を選択する。
【0039】
図4は、問診回答DB39に保管される、受診者と問診回答との対応テーブルの一例を示す図である。
【0040】
図4は、家庭に設置された受診者端末11a(図1に示す)を用いて問診を受けた複数受診者{受診者A,B,C,…}の問診回答を保管する問診回答DB39を示すものである。問診回答DB39には、複数受診者とその受診者毎の問診回答(各問診項目に対する回答)との対応テーブルが保管される。なお、図4に示された問診回答DB39では、問診項目として問診項目[1]乃至[5]の5種を示したが、問診項目は5種に限定されるものではない。
【0041】
例えば、受診者Cは、問診項目[1],[2],[5]ではYesと、問診項目[3],[4]ではNoと回答している。
【0042】
続いて、問診回答解析システム30を有する問診回答解析結果表示システム10を用いた問診回答解析方法について、図5に示されたフローチャートを用いて説明する。
【0043】
まず、図1に示された問診回答解析結果表示システム10において、受診者は、インターネット14を介して、家庭に設置された受診者端末11aに表示されるWebブラウザから予め指定されたURL(Uniform Resource Locator)にアクセスする。受診者は、インターネット14を介して健康診断センタのホームページにアクセスすることができ、ホームページから問診ページ要求を行なう。受診者からの問診ページ要求は、問診ページ要求受付手段21により受付けられ、問診ページ作成手段23に送られる。問診ページ作成手段23では、問診ページ要求によって問診項目DB22から問診項目を読み込まれ問診ページが作成される。
【0044】
問診ページ作成手段23で作成された問診ページは、インターネット14を介して問診ページ送信手段24から受診者端末11aに送信され、受診者端末11aに表示される。受診者端末11aに表示された問診ページを用いて、受診者が問診項目毎に回答を入力する。
【0045】
問診項目毎に回答が入力された受診者の問診回答は、インターネット14を介して受診者端末11から送信され、サーバ12の問診回答取込手段25で受信される。受信された問診回答は、問診回答取込手段25で受診者属性情報と関連付けられる。
【0046】
受診者属性情報と関連付けられた問診回答は、問診回答解析システム30の問診回答DB39(図2に示す)に送られ、この問診回答DB39で保管される。問診回答DB39には、受診者端末11aを用いて種々の問診項目について回答した複数受診者{受診者A,B,C,…}の問診回答が保管される。
【0047】
次いで、解析要求者が、図2に示された解析要求端末13aをLAN15にログインする。ログインされた解析要求端末13aを解析要求者が操作し、所要受診者の問診回答についての解析要求を実行する。以下、職種が医師である解析要求者aが解析要求端末13aを操作し、所要受診者としての受診者Cに関する問診解析結果を取得する場合について説明する。しかし、本発明は、特に、解析要求者aが解析要求端末13aを操作し、受診者Cに関する問診解析結果を取得する場合に限定されるものではない。
【0048】
解析要求が実行された解析要求端末13aから、解析要求情報がLAN15を介して問診回答解析システム30に入力される。解析要求情報は、ログインを行なった解析要求者aに関する解析要求者識別情報と、ログインを行なった解析要求者aの職種に関する解析要求者職種識別情報と、ログインされた解析要求端末13aに関する解析要求端末識別情報と、受診者Cに関する受診者識別情報とを少なくとも有している。解析要求情報は、問診回答解析システム30の解析要求受信手段31で受信される(ステップS1)。
【0049】
解析要求情報は解析要求受信手段31から選択手段34に送られ、この選択手段34の解析対象問診項目選択手段34aでは、解析対象問診項目DB38に格納する解析要求者職種及び解析要求端末の組み合わせによって設定された解析対象問診項目から、解析要求情報に含まれる解析要求者職種識別情報及び解析要求端末識別情報の組み合わせに対応した解析対象問診項目が選択される(ステップS2)。
【0050】
職種が医師である解析要求者aが、解析要求端末13aを操作し、受診者Cに関する問診解析結果を取得する場合、解析対象問診項目選択手段34aでは、図3に示された解析対象問診項目DB38から、医師及び解析要求端末13aの組み合わせに対応した解析対象問診項目[1],[3],[4],[5]が選択される。
【0051】
次いで、図2に示された問診回答解析システム30に設けた選択手段34の問診回答選択手段34bでは、問診回答DB39で保管する受診者毎の問診回答から、解析要求情報に含まれる受診者識別情報に対応した問診回答が選択される(ステップS3)。
【0052】
職種が医師である解析要求者aが、解析要求端末13aを操作し、受診者Cに関する問診解析結果を取得する場合、問診回答選択手段34bでは、図4に示された問診回答DB39から、受診者Cに対応した問診回答が選択される。選択された受診者Cの問診回答は、問診項目[1],[2],[5]がYes、問診項目[3],[4]がNoである。
【0053】
なお、上記説明では、最初にステップS2にて解析対象問診項目DB38から解析対象問診項目を選択し、後にステップS3にて問診回答DB39から問診回答を選択したが、最初にステップS3にて問診回答を選択し、後にステップS2にて解析対象問診項目を選択しても構わない。
【0054】
次いで、図2に示された問診回答解析システム30では、ステップS2にて選択された解析対象問診項目と、ステップS3にて選択された問診回答とが選択手段24から問診回答解析結果取得手段35に送られる。問診回答解析結果取得手段35では、ステップS2にて選択された解析対象問診項目の各項目に、ステップS3にて選択された問診回答の各問診項目に対する回答があてはめられて問診解析が実施され、問診解析結果が取得される(ステップS4)。
【0055】
図6は、問診回答解析結果の一例を示す図である。
【0056】
ステップS2にて選択された解析対象問診項目と、ステップS3にて選択された問診回答によって取得された問診回答解析結果を示すものである。ステップS2にて医師及び解析要求端末13aの組み合わせに対応する解析対象問診項目が選択される。ステップS3にて受診者Cに対応する問診回答が選択される。図6は、解析対象問診項目として設定された解析対象問診項目[1],[5]にYesの回答が、解析対象問診項目[3],[4]にNoの回答がそれぞれあてはめられて取得される問診回答解析結果を示す。
【0057】
なお、図6に示された問診回答解析結果では、選択手段34で解析対象外問診項目とされた問診項目[2]を省いて示している。
【0058】
ここで、図2に示された問診回答解析システム30に、各解析対象問診項目に対する回答の組み合わせとメッセージ識別子との対応テーブルを格納するメッセージDB37を具備してもよい。問診回答解析結果取得手段35では、ステップS4にて取得された問診回答解析結果における、各解析対象問診項目に対する回答の組み合わせから定まるメッセージ識別子をメッセージDB37から選択し、そのメッセージ識別子が問診回答解析結果に付加される。
【0059】
図7は、メッセージDB37に格納された、各解析対象問診項目に対する回答の組み合わせとメッセージ識別子との対応テーブルの一例を示す図である。
【0060】
図7に示された各メッセージ識別子は、各解析対象問診項目に対する回答の組み合わせによって設定され、例えば、少なくとも解析対象問診項目[1],[2],[3],[4],[5]の回答がYesの場合にはMSG1のメッセージ識別子が、少なくとも解析対象問診項目[1],[4],[5]の回答がYesの場合にはMSG2のメッセージ識別子が、また、少なくとも解析対象問診項目[1],[5]の回答がYesの場合にはMSG3のメッセージ識別子がそれぞれ選択されるように設定されている。ここで、例えば、MSG1は「×××(疾患名)の疑いあり」というメッセージの情報と、MSG2は「△△△の指導」というメッセージの情報と、また、MSG3は「○○○(疾患名)の疑いあり」というメッセージの情報とそれぞれ対応付けられている。
【0061】
また、問診回答解析結果における各解析対象問診項目に対する回答の組み合わせによっては、1つの問診回答解析結果から複数のメッセージ識別子が選択される場合がある。例えば、問診回答解析結果によって解析対象問診項目[1],[4],[5]の回答がYesの場合、図7に示された対応テーブルからMSG2,3のメーセージ識別子が選択される。その場合、選択された複数のメッセージ識別子の表示順位を確定するために、それぞれのメッセージ識別子に表示優先順位(表示優先順位<1>,<2>,<3>,…)が与えられている。
【0062】
図2に示された問診回答解析システム30の問診回答解析結果取得手段35では、図6に示された問診回答解析結果を取得した場合、解析対象問診項目[1],[5]の回答がYesであるので、図7に示された対応テーブルからMSG3のメッセージ識別子及び表示優先順位<3>が選択される。問診回答解析結果取得手段35では、ステップS4にて作成された問診回答解析結果に、メッセージDB37から選択されたMSG3及び表示優先順位<3>が付加される。
【0063】
ステップS4にて作成された問診回答解析結果は、問診回答解析結果取得手段35から問診回答解析結果送信手段36に送られ、この問診回答解析結果送信手段36からLAN15を介して解析要求端末13aに提供される(ステップS5)。問診回答解析結果送信手段36は、問診回答解析結果から作成される問診回答解析結果表示画面を解析要求端末13aに表示させる。
【0064】
図8は、解析要求端末13aに表示される問診回答解析結果表示画面の一例を示す図である。
【0065】
図8は、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)で記述されたページによって構成された問診回答解析結果表示画面を示す。
【0066】
図8に示された問診回答解析結果表示画面には、解析要求情報に含まれる解析要求者職種識別情報から職種コード及び職種が表示され、解析要求情報に含まれる解析要求者識別情報から解析要求者氏名が表示され、解析要求情報に含まれる解析要求端末識別情報から端末コード及び端末位置が表示され、また、解析要求情報に含まれる受診者識別情報から受診者ID及び受診者氏名が表示される。
【0067】
職種が医師である解析要求者aが解析要求端末13aを操作し、受診者Cについての解析要求情報を問診回答解析システム30に入力した場合、図8に示された問診回答解析結果表示画面の職種コードの欄には医師の職種コードを示す『01』、職種の欄には『医師』がそれぞれ表示され、解析要求者氏名の欄には『解析要求者a』が表示される。問診回答解析結果表示画面の端末コードの欄には、解析要求端末13aの端末コードを示す『101』が、端末位置の欄には『解析要求端末13a(胃内視鏡検査室)』がそれぞれ表示される。また、問診回答解析結果表示画面の受診者IDの欄には受診者Cの受診者IDを示す『290389』が、受診者氏名の欄には『受診者C』がそれぞれ表示される。
【0068】
さらに、図8に示された問診回答解析結果表示画面には、ステップS4で取得した問診回答解析結果が表示される。問診回答解析結果表示画面の問診項目の欄には、問診回答解析結果の回答がYesである解析対象問診項目が表示される。例えば、図6に示された問診回答解析結果の場合、問診回答解析結果表示画面の問診項目の欄には『解析対象問診項目[1],[5](受診者に対する具体的な質問を含む)』が表示される。なお、図8に示した問診回答解析結果表示画面の問診項目の欄に、問診回答解析結果の回答がYesである解析対象問診項目のみを表示するようにしたが、この場合に限定されない。問診回答解析結果の回答に因らず、問診項目の欄に『解析対象問診項目[1],[3],[4],[5]』を表示させ、各解析対象問診項目にその回答(Yes/No)を付記することで、各解析対象問診項目に対する回答を区別する。
【0069】
問診回答解析結果にメッセージ識別子及び表示優先順位が付加されている場合、そのメッセージ識別子が示すメッセージが問診回答解析結果表示画面に表示される。例えば、図6に示された問診回答解析結果及び図7に示された対応テーブルから、MSG3のメッセージ識別子が選択された場合、問診回答解析結果表示画面のメッセージの欄にメッセージ識別子MSG3が示すメッセージである『○○○の疑いあり』が表示される。解析要求者が医師の場合には、問診回答解析結果から検査実施時の注意点、疑われる疾患名又は注目すべき検査項目等がメッセージとして表示される。また、解析要求者が保健指導を行なう保健士の場合には、疑われる疾患名、生活上の注意点等の指導ポイントがメッセージとして表示される。
【0070】
また、問診回答解析結果表示画面上でマウスポインタが移動され、そのマウスポインタがメッセージの欄の『○○○の疑いあり』のコンポーネント上に入った場合、図7に示されたMSG3のメッセージ識別子に対応し、関連する問診項目又は問診項目とその回答がコメントとして表示されるようになっている。例えば、MSG3のメッセージ識別子に対応し、関連する問診項目は問診項目[1],[5]であるので、問診項目[1]である『時々お腹が痛い』と、問診項目[5]である『睡眠中、息苦しく感じたことがある』とがコメントとして表示される。なお、マウスポインタがメッセージの欄の『○○○の疑いあり』のコンポーネント上から出た場合、非表示となる。
【0071】
また、問診回答解析システム30の問診回答解析結果取得手段35で、1つの問診回答解析結果から複数のメッセージ識別子が選択された場合、メッセージ識別子に与えられた表示優先順位の若い順に、問診回答解析結果表示画面のメッセージの欄に複数のメッセージ識別子が表示されるものとする。
【0072】
なお、本発明に係る問診回答解析システム30では、解析対象問診項目DB38に、解析要求者職種及び解析要求端末の組み合わせと解析対象問診項目との対応テーブルを格納した。しかし、その場合に限定されず、例えば、解析対象問診項目DB38に、解析要求者及び解析要求端末の組み合わせと解析対象問診項目との対応テーブルを格納し、この対応テーブルから、解析要求者識別情報及び解析要求端末識別情報の組み合わせに対応する解析対象問診項目を選択するようにしてもよい。また、例えば、解析対象問診項目DB38に、解析要求者職種と解析対象問診項目との対応テーブルを格納し、この対応テーブルから、解析要求者職種識別情報に対応する解析対象問診項目を選択するようにしてもよい。さらに、例えば、解析対象問診項目DB38に、解析要求者と解析対象問診項目との対応テーブルを格納し、この対応テーブルから、解析要求者識別情報に対応する解析対象問診項目を選択するようにしてもよい。
【0073】
図2に示された問診回答解析システム30を有する問診回答解析結果表示システム10によると、解析要求者の利用目的に合わせた問診回答解析結果を提供することが可能となる。よって、解析要求者が所要受診者の問診回答を解析する際の作業効率を向上することができる。
【0074】
また、図2に示された問診回答解析システム30を有する問診回答解析結果表示システム10によると、解析要求者の属性毎に予め設定された解析対象問診項目から取得した問診回答解析結果を基に医療行為を行なうことができ、医療経験豊富な解析要求者から医療経験が不十分な解析要求者に至るまで、解析要求者の属性毎に同質の医療を受診者に提供することが可能となる。よって、受診者に対する医療の質の均一化を図ることができる。
【0075】
さらに、図2に示された問診回答解析システム30を有する問診回答解析結果表示システム10によると、解析要求者識別情報及び解析要求端末の組み合わせによって解析対象問診項目を選択することが可能となる。よって、解析要求者の職種及び使用端末の位置(利用目的)にマッチした、所要患者の問診項目の解析結果を提供できる。
【0076】
図9は、本発明に係る問診回答解析結果表示システム及び問診回答解析システムの第2実施の形態を示す概略図である。
【0077】
図9は、記述式の問診回答用紙から問診回答を読み込む問診回答読込手段、例えばOCR(Optical Character Reader)、を利用した問診回答解析結果表示システム10Aを示すものである。この問診回答解析結果表示システム10Aは、問診項目に従って受診者が記入したOCR用紙から受診者の問診回答を読み込むOCR41と、このOCR41から問診回答を取り込む問診回答取込手段42と、図2に示された問診回答解析システム30と、解析要求端末13とを有する。OCR41、問診回答取込手段42、問診回答解析システム30及び解析要求端末13は健康診断センタ内のLAN15でデータ通信可能に接続されており、問診回答解析システム30は、問診回答解析結果表示システム10Aのサブシステムとして位置づけられる。
【0078】
続いて、問診回答解析結果表示システム10Aの動作について説明する。
【0079】
問診回答解析結果表示システム10Aにおいて、受診者は、OCR用紙に、問診項目に対する回答を記入する。OCR41は、OCR41に前もって記憶されたパターンとの照合によりOCR用紙に記入された文字を特定して、OCR用紙から受診者の問診回答を読み込む。OCR41で読み込まれた問診回答は、OCR41からLAN15を介して送信され、問診回答取込手段42で受信される。受信された問診回答は、問診回答取込手段42で受診者属性情報と関連付けられる。受診者属性情報と関連付けられた問診回答は、LAN15を介して問診回答解析システム30の問診回答DB(図2に図示)に送られ、この問診回答DBで保管される。問診回答DBには、OCR用紙を用いて種々の問診項目について回答した複数受診者{受診者A,B,C,…}の問診回答が保管される。
【0080】
次いで、問診回答解析システム30を用いた問診回答解析方法について、図5に示されたフローチャートで説明したように動作する。
【0081】
なお、図9に示された問診回答解析結果表示システム10Aでは、記述式の問診回答用紙としてOCR用紙を、記述式の問診回答用紙から問診回答を読み込む問診回答読込手段としてOCR41を用いたが、それらを用いる場合に限定されるものではなく、例えば、記述式の問診回答用紙としてマークシート用紙を、記述式の問診回答用紙から問診回答を読み込む問診回答読込手段としてマークシート用紙読込装置を用いてもよい。
【0082】
図2に示された問診回答解析システム30を有する問診回答解析結果表示システム10Aによると、解析要求者の利用目的に合わせた問診回答解析結果を提供することが可能となる。よって、解析要求者が所要受診者の問診回答を解析する際の作業効率を向上することができる。
【0083】
また、図2に示された問診回答解析システム30を有する問診回答解析結果表示システム10Aによると、解析要求者の属性毎に予め設定された解析対象問診項目から取得した問診回答解析結果を基に医療行為を行なうことができ、医療経験豊富な解析要求者から医療経験が不十分な解析要求者に至るまで、解析要求者の属性毎に同質の医療を受診者に提供することが可能となる。よって、受診者に対する医療の質の均一化を図ることができる。
【0084】
さらに、図2に示された問診回答解析システム30を有する問診回答解析結果表示システム10Aによると、解析要求者識別情報及び解析要求端末の組み合わせによって解析対象問診項目を選択することが可能となる。よって、解析要求者の職種及び使用端末の位置(利用目的)にマッチした、所要患者の問診項目の解析結果を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係る問診回答解析結果表示システム及び問診回答解析システムの第1実施の形態を示す概略図。
【図2】本発明に係る問診回答解析システムの構成と解析要求端末とを示す概略図。
【図3】解析対象問診項目DBに格納された、解析要求者職種及び解析要求端末の組み合わせと解析対象問診項目との対応テーブルの一例を示す図。
【図4】問診回答DBに格納された、受診者と問診回答との対応テーブルの一例を示す図。
【図5】本発明に係る問診回答解析方法を示すフローチャート。
【図6】問診回答解析結果の一例を示す図。
【図7】メッセージDBに格納された、各解析対象問診項目に対する回答の組み合わせとメッセージ識別子との対応テーブルの一例を示す図。
【図8】解析要求端末に表示される問診回答解析結果表示画面の一例を示す図。
【図9】本発明に係る問診回答解析結果表示システム及び問診回答解析システムの第2実施の形態を示す概略図。
【符号の説明】
【0086】
10,10A 問診回答解析結果表示システム
11,11a,11b,11c 受診者端末
12 サーバ
13,13a,13b,13c 解析要求者端末
15 LAN
21 問診ページ要求受付手段
22 問診項目DB
23 問診ページ作成手段
24 問診ページ送信手段
25 問診回答取込手段
30 問診回答解析システム
31 解析要求受信手段
34a 解析対象問診項目選択手段
34b 問診回答選択手段
35 問診回答解析結果取得手段
36 問診回答解析結果送信手段
37 メッセージDB
41 OCR

【特許請求の範囲】
【請求項1】
種々の問診項目について回答した受診者の問診回答を複数受診者について収集して前記複数受診者の問診回答として保管する問診回答データベースと、所要受診者の問診回答ついての表示要求を実行したり前記所要受診者の問診回答を表示したりできる端末とを有する問診回答表示システムにおいて、
解析要求が実行された解析要求端末から、解析要求情報を受信する解析要求受信手段と、
前記種々の問診項目のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した解析対象問診項目を選択する解析対象問診項目選択手段と、
前記問診回答データベースに保管された前記複数受診者の問診回答のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した問診回答を選択する問診回答選択手段と、
前記解析対象問診項目選択手段で選択した解析対象問診項目の各項目に、前記問診回答選択手段で選択した問診回答の各問診項目に対する回答をそれぞれあてはめて問診解析を実施し、その問診回答解析結果を取得する問診回答解析結果取得手段と、
前記問診回答解析結果を前記解析要求端末に提供する問診回答解析結果送信手段とを設けたことを特徴とする問診回答解析システム。
【請求項2】
前記解析要求情報と前記解析対象問診項目との対応テーブルを格納する解析対象問診項目データベースを備えたことを特徴とする請求項1に記載の問診回答解析システム。
【請求項3】
前記解析要求情報に含まれる解析要求者職種識別情報及び解析要求端末識別情報の組み合わせと、前記解析対象問診項目との対応テーブルを格納する解析対象問診項目データベースを備えたことを特徴とする請求項1に記載の問診回答解析システム。
【請求項4】
前記解析対象問診項目の各項目に対する回答の組み合わせとメッセージとの対応テーブルを格納するメッセージデータベースを具備し、前記問診回答解析結果取得手段は、前記メッセージデータベースから対応するメッセージを取得して、そのメッセージを前記問診回答解析結果に付加することを特徴とする請求項1に記載の問診回答解析システム。
【請求項5】
種々の問診項目について回答した受診者の問診回答を複数受診者について収集して前記複数受診者の問診回答として保管する問診回答データベースと、所要受診者の問診回答ついての表示要求を実行したり前記所要受診者の問診回答を表示したりできる端末とを有する問診回答表示システムにおいて、
問診ページを表示したり受診者が種々の問診項目に対する回答を入力したりできる受診者端末と、
前記受診者端末に問診ページを提供し前記受診者端末から受信される複数受診者の問診結果を保管するサーバと、
前記サーバに保管された複数受診者の問診結果のうち、所要受診者の問診回答についての解析要求を実行したり問診回答解析結果表示画面を表示したりする解析要求端末と、
解析要求が実行された前記解析要求端末から、解析要求情報を受信する解析要求受信手段と、
前記種々の問診項目のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した解析対象問診項目を選択する解析対象問診項目選択手段と、
前記問診回答データベースに保管された前記複数受診者の問診回答のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した問診回答を選択する問診回答選択手段と、
前記解析対象問診項目選択手段で選択した解析対象問診項目の各項目に、前記問診回答選択手段で選択した問診回答の各問診項目に対する回答をそれぞれあてはめて問診解析を実施し、その問診回答解析結果を取得する問診回答解析結果取得手段と、
前記問診回答解析結果を前記解析要求端末に提供する問診回答解析結果送信手段とを設けたことを特徴とする問診回答解析結果表示システム。
【請求項6】
種々の問診項目について回答した受診者の問診回答を複数受診者について収集して前記複数受診者の問診回答として保管する問診回答データベースと、所要受診者の問診回答ついての表示要求を実行したり前記所要受診者の問診回答を表示したりできる端末とを有する問診回答表示システムにおいて、
問診ページを表示したり受診者が種々の問診項目に対する回答を入力したりできる受診者端末と、
前記受診者端末に問診ページを提供し前記受診者端末から受信される複数受診者の問診結果を保管するサーバと、
前記サーバに保管された複数受診者の問診結果のうち、所要受診者の問診回答についての解析要求を実行したり問診回答解析結果表示画面を表示したりする解析要求端末とを備え、
前記サーバに、
解析要求が実行された前記解析要求端末から、解析要求情報を受信する解析要求受信手段と、
前記種々の問診項目のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した解析対象問診項目を選択する解析対象問診項目選択手段と、
前記問診回答データベースに保管された前記複数受診者の問診回答のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した問診回答を選択する問診回答選択手段と、
前記解析対象問診項目選択手段で選択した解析対象問診項目の各項目に、前記問診回答選択手段で選択した問診回答の各問診項目に対する回答をそれぞれあてはめて問診解析を実施し、その問診回答解析結果を取得する問診回答解析結果取得手段と、
前記問診回答解析結果を前記解析要求端末に提供する問診回答解析結果送信手段とを設けたことを特徴とする問診回答解析結果表示システム。
【請求項7】
前記サーバを、Webブラウザ等のクライアントコンピュータである前記受診者端末からの問診ページ要求に応じて問診ページを作成して、この問診ページを、ネットワークを介して前記受診者端末に送信するWebサーバとしたことを特徴とする請求項5又は6に記載の問診回答解析結果表示システム。
【請求項8】
種々の問診項目について回答した受診者の問診回答を複数受診者について収集して前記複数受診者の問診回答として保管する問診回答データベースと、所要受診者の問診回答ついての表示要求を実行したり前記所要受診者の問診回答を表示したりできる端末とを有する問診回答表示システムにおいて、
前記種々の問診項目に従って受診者が記入した記述式の問診回答用紙から受診者の問診回答を読み込む問診回答読込手段と、
前記問診回答読込手段から問診回答を取り込む問診回答取込手段と、
前記問診回答取込手段から入力した問診回答を保管する問診回答解析システムと、
前記問診回答解析システムに保管された複数受診者の問診結果のうち、所要受診者の問診回答についての解析要求を実行したり問診回答解析結果表示画面を表示したりする解析要求端末とを設け、
前記問診回答解析システムに、
解析要求が実行された前記解析要求端末から、解析要求情報を受信する解析要求受信手段と、
前記種々の問診項目のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した解析対象問診項目を選択する解析対象問診項目選択手段と、
前記問診回答データベースに保管された前記複数受診者の問診回答のうち、前記解析要求受信手段で受信した解析要求情報に対応した問診回答を選択する問診回答選択手段と、
前記解析対象問診項目選択手段で選択した解析対象問診項目の各項目に、前記問診回答選択手段で選択した問診回答の各問診項目に対する回答をそれぞれあてはめて問診解析を実施し、その問診回答解析結果を取得する問診回答解析結果取得手段と、
前記問診回答解析結果を前記解析要求端末に提供する問診回答解析結果送信手段とを設けたことを特徴とする問診回答解析結果表示システム。
【請求項9】
前記問診解答用紙としてOCR用紙を、前記問診回答読込手段としてOCRを利用したことを特徴とする請求項8に記載の問診回答解析結果表示システム。
【請求項10】
前記問診解答用紙としてマークシート用紙を、前記問診回答読込手段としてマークシート用紙読込装置を利用したことを特徴とする請求項8に記載の問診回答解析結果表示システム。
【請求項11】
前記解析要求情報と前記解析対象問診項目との対応テーブルを格納する解析対象問診項目データベースが備えられたことを特徴とする請求項5,6及び8のうちいずれか1項に記載の問診回答解析結果表示システム。
【請求項12】
前記解析要求情報に含まれる解析要求者職種識別情報及び解析要求端末識別情報の組み合わせと、前記解析対象問診項目との対応テーブルを格納する解析対象問診項目データベースが備えられたことを特徴とする請求項5,6及び8のうちいずれか1項に記載の問診回答解析結果表示システム。
【請求項13】
前記解析対象問診項目の各項目に対する回答の組み合わせとメッセージとの対応テーブルを格納するメッセージデータベースを具備し、前記問診回答解析結果取得手段は、前記メッセージデータベースから対応するメッセージを取得して、そのメッセージを前記問診回答解析結果に付加することを特徴とする請求項5,6及び8のうちいずれか1項に記載の問診回答解析結果表示システム。
【請求項14】
種々の問診項目について回答した受診者の問診回答を複数受診者について収集して前記複数受診者の問診回答として保管し、前記複数受診者の問診回答のうち、所要受診者の問診回答を表示する問診回答表示方法において、
ネットワーク上のコンピュータから解析要求情報が受信される解析要求情報受信工程と、
前記種々の問診項目のうち、前記解析要求情報に対応した解析対象問診項目が選択される解析対象問診項目選択工程と、
前記複数受診者の問診回答のうち、前記解析要求情報に含まれる受診者識別情報に対応した問診回答が選択される受診者選択工程と、
解析対象問診項目選択工程にて選択された解析対象問診項目の各項目に、受診者選択工程にて選択された問診回答の各問診項目に対する回答があてはめられて問診回答解析結果が取得される問診回答解析結果取得工程と、
前記問診回答解析結果が前記コンピュータに提供される問診回答解析結果送信工程とを有することを特徴とする問診回答解析方法。
【請求項15】
前記解析対象問診項目選択工程では、前記解析要求情報に含まれる解析要求者職種識別情報及び解析端末識別情報の組み合わせに対応した解析対象問診項目が選択されることを特徴とする請求項14に記載の問診回答解析方法。
【請求項16】
前記問診回答解析結果を問診回答解析結果表示画面として前記解析要求端末に表示させることを特徴とする請求項14に記載の問診回答解析方法。
【請求項17】
前記問診回答解析結果表示画面上で、マウスポインタがコンポーネント上に入った場合、該当するコメントが表示されることを特徴とする請求項16に記載の問診回答解析方法。
【請求項18】
前記問診回答解析結果における、各解析対象問診項目に対する回答の組み合わせから定まるメッセージ識別子が、前記問診回答解析結果に付加されることを特徴とする請求項14に記載の問診回答解析方法。
【請求項19】
前記メッセージ識別子に、表示優先順位が与えられることを特徴とする請求項18に記載の問診回答解析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−277075(P2006−277075A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−92366(P2005−92366)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】