説明

問題出題装置及び問題出題方法

【課題】ユーザの現在位置からランドマークが見えるときに、ランドマークに関連する問題を出題する問題出題装置及び方法を提供する。
【解決手段】ランドマークを含む地図データ記憶部と、前記ランドマークに関する問題を記憶する問題記憶部と、現在位置を検出する現在位置検出部と、前記地図データ記憶部より、前記現在位置を含む地図データを抽出する地図データ抽出部と、前記地図データより前記現在位置の付近に存在するランドマークを選択するランドマーク選択部と、前記現在位置から前記ランドマークが見えるか否か判定する判定部と、前記判定部がライドマークを見えると判定した場合に、ランドマークに関する問題を前記問題記憶部より抽出して出力する出力部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、問題出題装置及び問題出題方法に関し、特に現在位置においてランドマークが見える場合に、そのランドマークに関する問題を出題する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等に乗っている場合に、渋滞中や待ち時間のような空き時間を有効利用するシステムが、例えば特許文献1及び2に開示されている。
特許文献1は、クイズや問題を記憶するサーバを備えた通信センターと、自動車に備えたカーナビゲーション装置が通信し、カーナビゲーション装置によって通信センターから所望の問題データをダウンロードして出力し、解答データを通信センターに送信するシステムである。この特許文献1のシステムは、カーナビゲーション装置に問題データを出力する開始時刻を予め設定しておき、その時刻になると自動的にクイズ/学習モ−ドに切り替わるものである。
また、特許文献2は、ナビゲーション装置であり、現在位置情報及びナビゲーション用地図データに基づき、現在位置情報に関連する問題データを出題するものである。特に、地図データにおけるランドマークを予め定め、そのランドマークから所定範囲内に入ったことを検出したとき、問題データを出題するものである。
【特許文献1】特許第3956713号公報
【特許文献2】特開2007−2486574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、特許文献1は、カーナビゲーション装置を使用してクイズや問題を出題するものであるが、ランドマークに関する問題を出題するものではない。また、問題データを出力する時刻を予め設定し、その時刻になると自動的にクイズ/学習モードに切り替わるが、設定した時刻にランドマークが見えるか否かは判定していない。また特許文献2は、ユーザがランドマークから所定範囲に入ったことを検出して問題データを出題するが、ランドマークに関する問題を出題するものではない。また、特許文献1および2は、ユーザが利用する移動手段の種類および移動手段が走行中であるか、停止中であるかを判断していない。
しかしながら、現在位置からランドマークが見えるか否かによって、ランドマークに関する問題に対するユーザの興味は異なり、また、ランドマークが見えるか否かによって、問題に解答できる場合と、解答できない場合がある。また、ユーザとランドマークの間に、ビルや山、丘のような障害物があり、ユーザがランドマークを見えないときに、ランドマークに関する問題が出題されても解答が出来なかったり、興味をもてなかったりする。
【0004】
即ち、図13に示すように、ユーザが自動車Aに乗っており、現在位置(1)から矢印方向に進行している場合に、この地域のランドマークとしての城Bは、ユーザの現在位置(1)とランドマーク(城)の間に、南都山と言う障害物Cがあり、ユーザの現在位置(1)からはランドマークBは見えない。このようにランドマークBが見えない状態のときに、ランドマークBに関する問題を出題されると、ユーザはランドマークBを探さなければならず、問題に興味を持てないし、解答ができない。また無理にランドマークBを探すために不注意になる場合がある。従って、現在位置(1)では出題しないのが望ましい。
自動車Aに搭載したナビゲーション装置は図13に点線で示すようにルート検索した結果を有し、ユーザはこの探索ルートに従って運転する。自動車Aが移動位置(2)に移動するまでは、障害物CのためにランドマークBは見えないが、自動車Aが移動位置(3)から移動位置(4)まで移動する間は、ユーザとランドマークBの間に障害物がなく、しかもランドマークBはユーザの移動方向の正面前方に見える。移動地点(4)は、ランドマークBに最も接近し、また前方に見ることができる。このため、移動位置(3)から移動位置(4)までは、脇見運転することなく、ランドマークBを見ながら運転できる。従って、移動位置(3)から移動位置(4)の間に、問題を出題すると、ユーザは比較的安全に、しかもランドマークBについて興味を持って問題に対して解答することができる。そして、自動車Aが移動位置(4)から移動位置(5)の間では、ユーザは自動車Aの右側方向にランドマークBを見ることになる。このため、ユーザは脇見運転をすることになり、安全性の観点からは不適切なタイミングとなる。このため、ランドマークBをあまり見ずに解答できるような問題を出題する必要がある。
本発明は、以上のような問題に鑑みて、ユーザの現在位置からランドマークが見えるときに、ランドマークに関連する問題を出題する問題出題装置及び方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の問題出題装置は、ランドマーク情報を含む地図データを記憶する地図データ記憶部と、前記ランドマークに関する問題情報を記憶する問題記憶部と、前記地図データ記憶部より、所望位置を含む地図データを抽出する地図データ抽出部と、前記地図データより前記所望位置の付近に存在するランドマークを選択するランドマーク選択部と、前記所望位置と前記ランドマークの間に障害物があるか否か判定する判定部と、前記判定部が前記障害物がないと判定した場合に、ランドマークに関する問題情報を前記問題記憶部より抽出して出力する出力部とを備えることを特徴とする。
【0006】
ここで、ランドマークとは、その地域において目標となるような対象物を指し、自然物または人工的な目標物である。例えば、その地域の名所(例えば、シンボルタワー、有名建築物、駅、橋などの建築物、および山、丘、谷、川、湖、池のような自然物、あるいは有名人の生家、旧家などの名所)、旧跡(例えば、神社、仏閣、歴史的遺跡など)、公共施設(例えば、役所、学校、公園、ホールなど)、およびガソリンスタンド、商店、コンビニエンスストア、サービスエリアのような休憩所、料理店、ホテル、旅館などである。これらの外に、ユーザが任意に設定したランドマークであってもよい。
また、問題とは、地図、歴史、国語、社会、歴史、理科、数学、音楽、英語を含む外国語、政治、経済、法律などどのような分野の問題またはクイズでもよく、全ての問題またはクイズを含む。また、ランドマークの外観、構造、形状、歴史および事件に関する問題も含む。中でもユーザの現在位置および進行方向に存在するランドマークに関する問題は本発明の装置に有効に利用される。このような問題以外に、上記各分野の学習内容であってもかまわない。本発明では学習内容も含めて問題と称する。従って、本発明の問題出題装置は学習機器としても使用することができる。
そして、地図データ記憶部より抽出する地図データは、所望位置の付近に存在するランドマークを含む地図範囲である。従って、ランドマークが大きくて、遠い場合はそのランドマークを含むように広範囲の地図データを抽出する。しかし、ランドマークが近くにある場合は、少なくともそのランドマークを含むような近い範囲の地図データを抽出する。
上記障害物が所望位置とランドマークの間に存在する場合は、見通すことができず、ランドマークは見えないと判断され、上記障害物が所望位置とランドマークの間に存在しない場合は、見通すことができて、ランドマークは見えると判断される。
このような構成の本発明の装置によれば、所望位置とランドマークの間に障害物がなく、見通すことができる場合に、そのランドマークに関する問題が出題されるので、ユーザが興味を持つ問題が出題され、ユーザは問題に興味を持って解答することができる。
【0007】
本発明は、別の観点によれば、問題出題方法であり、上記課題を解決するため、ランドマーク情報を含む地図データを記憶する地図データ記憶部と、前記ランドマークに関する問題情報を記憶する問題記憶部を備え、コンピュータによって前記地図データ記憶部より、所望位置を含む地図データを抽出する地図データ抽出ステップと、前記地図データより前記所望位置の付近に存在するランドマークを選択するランドマーク選択ステップと、前記所望位置と前記ランドマークの間に障害物があるか否か判定する判定ステップと、前記判定ステップで、障害物がないと判定した場合に、ランドマークに関する問題情報を前記問題記憶部より抽出して出力する出力ステップとを実行することを特徴とする。
これにより、所望位置とランドマークの間に障害物がなく、見通すことができる場合に、そのランドマークに関する問題が出題されるので、ユーザが興味を持つ問題が出題され、ユーザは問題に興味を持って解答することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所望位置付近に存在するランドマークに関連する問題を、ユーザがランドマークを見えるときに出題する問題出題装置及び方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は本発明の問題出題装置の構成を示すブロック図である。
本発明の問題出題装置10は、例えば、車載用のナビゲーション装置、携帯用ナビゲーション装置、携帯電話に組み込まれたナビゲーション装置、モバイル機器に組み込まれたナビゲーション装置が利用され、このような装置に組み込まれて、通勤、通学の途上で使用される。或いは、単独の問題出題装置として製品化され、通勤、通学の途上で使用される。勿論、通勤、通学の途上以外に、室内、屋外で使用してもかまわない。本発明の問題出題装置は、ユーザに興味を持たせ、問題を回答する遊戯具として使用される以外に、地図、歴史、国語、社会、理科、数学、音楽、英語、政治、経済、法律などの学習機器として使用することができる。
【0010】
本発明の問題出題装置は、入力部1と、出力部2と、制御部3と、ROM4と、RAM5を備える。更に、GPS6、センサー部7及び問題作成部8を備えて構成される。入力部1、出力部2、制御部3、ROM4、RAM5、GPS6、センサー部7は、ナビゲーション装置と共通使用することが可能である。
上記入力部1は、キーボード部11と音声入力部12を有する。キーボード部11は、本発明の問題出題装置1に指示、命令を与え、また解答を入力する部分であり、ひらがなキー、アルファベットキー、カーソルキーなどを有するキーボード部11aを備える。キーボードに代えて、或いはキーボードとともに、マウスやタッチパネル11bを備えてもよい。このような入力部は使用機器によって適宜選択的に備えられる。
音声入力部12は、本発明の問題出題装置1にユーザが音声によって指示、命令を入力し、また解答を入力する部分である。従って、マイク12a、音声認識装置12bを備える。本発明の問題出題装置が個人使用である場合または使用者が特定できる場合は、特定話者認識装置でもよい。ユーザが特定できない場合は、不特定話者認識装置を使用する。
本発明の問題出題装置が外国語学習機として使用される場合は、入力部に翻訳部13を備え、問題の解答を入力する際に、外国語、例えば英語、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語で音声入力し、それを日本語に翻訳して本発明の問題出題装置に入力する。あるいはキーボードから外国語、例えば英語、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語で入力し、それを日本語に翻訳して本発明の問題出題装置に入力する。本発明の問題出題装置が外国仕様である場合は、当該外国の言語に翻訳して入力する。
【0011】
出力部2は、表示部21と、音声出力部22を備える。表示部21は、代表的には液晶表示装置21aが使用されるが、プラズマ表示装置、有機EL表示装置のような薄型表示装置によっても構成することができる。表示部21は、ナビゲーション装置として使用する場合は、ナビゲーションのための表示を行い、問題出題装置として使用する場合は、問題を表示し、或いは解答を表示する。または正解率を表示する。
音声出力部22は、スピーカ22aよりなり、ナビゲーション装置として使用する場合は、ナビゲーションのための道案内をする。また本発明の問題出題装置として使用する場合は、問題、または解答を音声出力する。本発明の問題出題装置1がデジタルデータを処理する回路によって構成される場合は、音声出力部22は音声合成装置22bまたはデジタルーアナログ変換器を備えることが望ましい。
本発明の問題出題装置が外国語学習機として使用される場合は、出力部に翻訳部23を備え、問題を出題する際に、外国語、例えば英語、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語に翻訳して音声で、または表示部に表示して出力する。本発明の問題出題装置が外国仕様である場合は、当該外国の言語に翻訳して出力する。
【0012】
制御部3は、本発明の問題出題装置の全体動作を制御する部分であり、CPU31よりなる。CPU31は、ROMに格納されたオペレーションシステム、アプリケーションプログラムを読み取り、プログラムに記憶された順序に従って各部分を制御することより、本発明の問題出題装置の機能を実行する。ここでは本発明の問題出題装置を中心にして説明するが、ナビゲーション装置用のプログラムを所有し、ナビゲーション装置の動作を制御する場合もある。本発明の実施形態はプログラムを読み取り、プログラムに従って動作し、本発明の問題出題装置および問題出題方法を実現するが、各機能部分を論理回路ICによって構成することも可能である。
【0013】
ROM4は、半導体ROMやハードディスクよりなり、問題データ記憶部41、学習書、辞書データ記憶部42、地図データ記憶部43、ナビゲーションデータ記憶部44、オペレーションシステム、アプリケーションプログラム記憶部(図示しない)を有する。
問題データ記憶部41は、本発明の問題出題装置が出題する問題データを記憶する記憶部である。問題データはフラッシュメモリなどにより追加可能にすることが望ましい。また通信手段(図示しない)を備え、外部ネットワークより問題を取得して追加するようにしてもよい。また、問題とは、地図、歴史、国語、社会、理科、数学、音楽、英語、政治、経済、法律などどのような分野の問題またはクイズでもよく、全ての問題またはクイズを含む。中でもユーザの現在位値に関する問題およびランドマークに関する問題は本発明の装置に有効に利用される。問題以外に、上記各分野の学習内容であってもかまわない。本発明では学習内容も含めて問題を称する。以上のような問題は常に全部が必要ではなく、上記分野の一部の問題を記憶するだけでもよい。これら問題は、ユーザが存在する現在地域、ユーザの移動方向に対応して分類または検索可能にしておく。また、ユーザが使用する移動手段の種類に対応して分類または検索可能にしておく。更に、移動手段が移動中或いは停止中に応じて分類または検索可能にしておく。
【0014】
問題データ記憶部41は、上記問題データを記憶するとともに、問題に対する解答を記憶する。そして、制御部3は、予め用意した解答と、出題した問題に対するユーザの解答を比較して、その解答の正誤を判定し、その判定結果を出力部に出力する。また解答の正誤を蓄積して、正解率を出力する。
学習書、辞書データ記憶部42は、上記のような問題を出題及び解答を用意するために、地図、歴史、国語、社会、理科、数学、音楽、英語、政治、経済、法律などあらゆる分野の学習書、辞書、百科事典、地図を記憶する。これら学習書、辞書の記載内容は、ユーザの現在位置、ユーザが使用する移動手段の種類に対応して分類または検索可能にしておく。また移動手段が移動中或いは停止中に応じて分類または検索可能にしておく。
【0015】
また地図データ記憶部43は、少なくともユーザの移動範囲の地図データを記憶する。さらには日本地図データ、道路地図データ、鉄道地図データ、飲食店地図データ、ランドマークデータなどを格納している。これら地図データは、フラッシュメモリなどにより、または通信手段によって外部ネットワークより問題を取得して追加可能にすることが望ましい。特に、本発明ではランドマーク情報を記憶している必要がある。ここで、ランドマークとは、一般的に用いられる意味と同様であり、その地域において目標となるような対象物であり、例えば、その地域の名所(例えば、シンボルタワー、有名建築物、駅、橋などの建築物、および山、丘、谷、川、湖、池のような自然物、あるいは有名人の生家、旧家などの名所)、旧跡(例えば、神社、仏閣、歴史的遺跡など)、公共施設(例えば、役所、公園、学校、ホールなど)、およびガソリンスタンド、コンビニエンスストア、サービスエリアのような休憩所、料理店、ホテル、旅館などである。これらの外に、ユーザが任意に、知人宅のような特定の建物、工場、または山、丘、谷、橋、自然物のランドマークを設定可能にするとよい。更に、ランドマークは、南北方向長さ、東西方向長さ、高さ、形状を含む3次元データが記憶される。また、ユーザの興味に合わせて、ランドマークに関する外観、構造、形状、歴史、または事件を記憶する。
【0016】
本発明において、地図データ記憶部43に記憶される地図データは、3次元地図データであり、少なくともランドマーク付近の山、丘等の地形およびビルなどの建築物は、南北方向長さ、東西方向長さ、高さ、形状を含む3次元データを記憶する。そして、ユーザの現在位置と、ランドマークの間にある建物、山、丘のような障害物を通してランドマークが見えるか、見えないか判定可能な地図である。
このような3次元地図データとしては、国土地理院の「数値地図5mメッシュ」または「数値地図50mメッシュ」等のデータがある。例えば「数値地図5mメッシュ」の場合、5m間隔のメッシュがあり、その交点あるいは四角形の中心に、緯度と経度の3次元情報を持たせている。3次元情報を持つポイントを図2のように結ぶことにより、地表を三角形の集合として表現できる。実際には標高データの値があるので、立体的になる。これにより、地表の3次元情報を三角形ポリゴンとして表現できることになる。このような三角形ポリゴンはリアルタイム3次元コンピュータグラフィックで多く使用されている。
【0017】
建築物のデータは、最も簡単には、図3に示すように、12個の三角形ポリゴンで直方体として表現される。建築物らしく見せるために、多くの場合、各面にテクスチャ画像を張り付けられる。三角形ポリゴンの各頂点は緯度、経度、高さの配列で表現され、各ポリゴンは3つの頂点座標で表現される。高さについては、標高そのものを数値で表現する方法と、建築物の高さをデータとして持つものがある。建築物の高さをデータとして持つ場合でも、地形データと組合せて標高の数値に変換することが可能である。
実際に建築物を3次元表現する場合、図3のような直方体だけではなく、建築物をより複雑な形状の多面体としてモデリングされており、より多くの三角形ポリゴンで表現されている。
上記3次元地図データおよび建築物のデータは、現在、2次元地図データをベースにして、航空写真、実測した測量データに基づいてデータ化されている。
【0018】
3次元地図データを利用した特許として、例えば特開2007-279428号公報及び特開2000-22187号公報がある。特開2007-279428号公報は、自車位置を中心として600m×600mの範囲内にある底面データをDVD−ROMに記憶されている地図データから読み出して、RAMに一時記憶し、読み出した底面データの中から鳥瞰図表示の道路地図の表示範囲である台形領域に少なくとも一部が含まれる底面データを検出し、検出した底面データに関連付けられた構造物をDVD−ROMの地図データに格納されているポリゴンデータおよびテクスチャデータを読み込んで立体的に描画し、描画データを作成する。そして、作成した描画データを画像メモリに格納し、この画像データを使用して構造物が立体的に描かれた道路地図を表示モニタに表示するものである。より具体的には、平面地図データおよび立体物データを含む地図データに基づいて、表示モニタに立体地図を表示する立体地図表示装置において、前記表示モニタに表示される立体地図に対応する平面地図上の領域(立体表示領域と呼ぶ)を前記平面地図データ上で特定し、前記立体表示領域に少なくとも一部が重なる前記立体物データを抽出し、抽出した前記立体物データに基づいて前記立体物を描画し、そして描画した立体物を表示するものである。
【0019】
また特開2000-22187号公報は、現在位置検出部、マップマッチ処理部で算出された現在位置Pに基づいて、視点設定部では現在位置の後方上空に視点位置Vを算出し、データ読込部は地図データベースから現在位置P周辺に存在する構造物等の地図データMを読み込み、表示変換部は視点位置Vと地図データMの各地図要素との距離あるいは高度差を算出し、例えば視点近く、つまり視点から所定距離L以内の地図要素を詳細形状、視点より遠方、つまり視点から所定距離以上の地図要素を簡易形状に変換し、表示処理部は表示変換部312から渡された地図要素毎の描画モードに基づいて地図要素を描画展開するものである。具体的には、移動体の位置あるいはユーザが指定した位置に対応して設定された表示領域内の地図情報を地図データベースから読み込み、当該地図情報を用いて、予め設定された視点から眺めた透視地図を生成し、当該透視地図に対応する景観を表示画面上に表示する立体地図表示方法において、前記視点から前記地図情報に含まれる地図要素までの水平距離、直線距離および高度差のうちのいずれかに応じて、該地図要素の表示形態を変更する表示形態変更手順を含むものである。
【0020】
上記の公知技術により、ユーザの近くにある障害物は大きく見え、遠くにある障害物は小さく見えるような処理が実施される。また、ユーザとランドマークの間に複数の障害物がある場合は、これら複数の障害物を通してランドマークが見えるか、見えないか判定される。更に、ユーザがバスに乗っている場合と、徒歩である場合のように、また、高速道路上を走行中と、一般道路を走行中のように、あるいはビルの高層階にいる場合のように、或いは山や丘にいるように、目線の高さが異なる場合には、目線の高さを考慮して、ランドマークが見えるか否か判定する処理が実施され、ランドマークが見えるか、見えないか判定される。
このような判定は、手前にあるポリゴンだけを表示して、奥にあるポリゴンは表示しない手法により実現することが可能であり、例えば、陰面消去のアルゴリズムとして、Z−バッファ法、レイトレーシング、スキャンライン法などの様々な方法が存在する。従って、本発明ではランドマークと障害物をポリゴンの集合体として取り扱うことができ、陰面消去のアルゴリズムを使用することにより、ランドマークが障害物によって見えるか、見えないかを判定することができる。
【0021】
本発明の問題出題装置では、ユーザの現在位置における全周囲、左右方向、前方方向のように地図データの見える範囲を制限する。また、ユーザの移動速度、例えば、自動車、電車と、自転車と、徒歩のように移動手段の種類に応じて、或いは移動速度に応じて地図データの見える角度範囲を制限する。即ち、自動車と自転車、または移動速度に応じて、地図の見える角度範囲を変更したり、地図の縮尺を変更したり、見える文字の大きさを変更したりする。例えば、速度に反比例して視野角度を制限する。即ち、歩行中のように時速4km/h程度ではユーザの進行方向を中心にして視野角は90度、自転車に乗車中のように時速10km/h程度では進行方向を中心にして視野角は60度、一般道路を自動車で走行中のように時速40km/h程度では進行方向を中心にして視野角は30度、高速道路を自動車で走行中のように時速60km/h以上では進行方向を中心にして視野角は15度のように変更する。また速度に比例するように、速度が大きいときは使用する地図の縮尺を大きくする。また速度に比例するように、速度が大きいときはして地図データ表示された大きい文字データを取得する。
アプリケーションプログラム記憶部に記憶されたアプリケーションプログラムは、本発明の問題出題装置を動作させるためのプログラムであり、CPU3が読み取って、プログラムに従って順次動作を行う。
ナビゲーションデータ記憶部44は、地図データ記憶部43と、GPS6によって、設定したルートを記憶し、また走行に従ってナビゲーションデータ(走行履歴)を随時作成し、記憶する。
【0022】
RAM5は、本発明の問題出題装置が作業エリアとして使用する部分である。例えば、問題データを保持したり、解答データを保持したり、出題に対する解答とユーザからの解答を照合したりする。また、本発明の装置は、設定された所定時間と、設定されたルートから所定時間後の到達位置を予測し、その到達位置を記憶する。そして、その到達位置のランドマークを記憶する。更に、地図データ記憶部43に記憶された地図データを用いて、ユーザの現在位置、または所定時間後の到達位置からランドマークが見えるか否かを判定する。
GPS6は、公知のものであり、移動手段の緯度、経度及び高度などを含む現在位置情報を取得する。高度に関するデータは、気圧を測定することにより取得することができる。
センサー部7は、加速度センサー71、地磁気を検出する方位センサー72、速度センサー73、走行距離センサー74などである。これらは公知のものを使用することができる。更に本発明は例えば、気圧計よりなる高度センサー75を備える。通常、高度が上昇すれば、気圧が減少する。このような現象を利用して高度を計測することが可能である。このような気圧を測定して高度を測定する製品は公知であり、製品機種により、バーグラフにより高度の数位を表示するもの、一定時間ごとに高度データを表示するもの、直前の取得データと現在の測定データの差をグラフィック表示するものなどがある。これら製品の注意点は、表示高度データは海抜0メートルを基準としているのではなく、測定開始時点からの高度を表示する相対高度計であること、及び時々刻々変化する気圧により高度の測定誤差を生じる点である。このため高度値は、山に表示された標高点表示に合わせて再調整(キャブレーション)が必要である。
【0023】
本発明の問題出題装置は、次のようにして使用される。
本発明の問題出題装置が車載用ナビゲーション装置、携帯用ナビゲーション装置、携帯電話ナビゲーション装置、モバイル機器ナビゲーション装置を利用して構成されている場合、通常のナビゲーション装置として使用することができる。従って、通常のナビゲーション装置のように、目的地を入力すると、出発地から目的地までのルートが探索され、GPS6で現在位置を検出する度に、ルート順に音声および画面により道案内が行われる。また、現在位置付近に存在するガソリンスタンド、サービスエリア、休憩所、飲食店などを探索し表示することが可能である。このようなナビゲーションシステムは公知であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0024】
本発明の問題出題装置を使用する場合は、まず、センサー部7に備えられた加速度センサー71を用いることにより、ユーザが使用している移動手段を検出する。又はGPS6及び地図データ記憶部43を用いることにより、道路上か、鉄道線路上かのような移動場所、移動速度を検出し、移動手段の種類、即ち、ユーザが自動車を運転しているか、自動車に乗っているか、電車に乗っているか自転車に乗っているか、徒歩であるかを検出する。またはユーザがキーボード、マウス、タッチパネルを使用して、自動車を運転しているか、自動車に乗っているか、電車に乗っているか、自転車に乗っているか、徒歩であるかを本発明の問題出題装置に入力する。このように、センサー部7によって、またはユーザの入力によって、ユーザが利用する移動手段の種類を決定する。
バイク、市電、ロープウエイなどその他の乗物は、適宜必要に応じて分類すればよく、本発明は、自動車、電車、自転車及び徒歩に限定されないし、これら全部でなくてもよい。
入力方法は、表示部21に「自動車運転」「自動車乗車」「電車」「自転車」「徒歩」「その他」のようなボタンを表示し、このボタンにマウスまたはキーボードを使用して、カーソルを合わせ、クリックすることにより入力する。またはタッチパネルを使用して、タッチパネルにユーザが接触することにより入力する。或いは、自動車運転、自動車乗車、電車、自転車、徒歩、その他をキーボードより入力する。
【0025】
次に、ユーザが自動車に乗っていることを検出した場合、または自動車に乗っていると入力することにより、自動車乗車であることが決定された場合、ユーザは自動車を運転しながら道路の前方に注意しているので、ユーザの現在位置において、ユーザの進行方向前方を見ることが可能である。従って、本発明の問題出題装置はユーザの現在位置の付近に存在するランドマークの中からある特定のランドマークを選択し、そのランドマークに関する問題データを抽出し、これを出題する。しかし、自動車の運転が散漫にならないように進行方向前方に存在するランドマークを選択し、そのランドマークに関する問題を出題する必要がある。ランドマークを選択する場合、選択順は、例えば、ユーザ現在位置から近い順、 ユーザの関心度の大きさ順、有名度の順、地図データに表示された文字の大きさの順、対象物の面積の大きさ順のような順番である。このような順は、2つ以上を組合せて選択順を決めてもよい。
【0026】
また、ランドマークの選択はユーザが利用している移動手段の種類に応じて変化させる。これは、移動手段の種類及び走行速度により、危険度が異なり、またランドマークの探しやすさが異なるためである。即ち、自動車運転中の場合は前方に存在するランドマークを選択する。列車乗車中の場合は左右両側に存在するランドマークを選択する。徒歩にて歩行中である場合は、前後左右、つまり全周囲に存在するランドマークを選択する。図4はこの様子を表1として示し、表1の第1段目にランドマークが進行方向に対して存在する方向(前方、側方、後方)と、自動車運転中、列車乗車中、歩行中の関係でランドマークを選択する場合を○印で示している。
【0027】
次に、ユーザとランドマークの間に障害物がある時とない時を、表1の2段目に、自動車運転中、列車乗車中、歩行中に分けて、ランドマークを選択するか否かを示している。つまり、自動車運転中及び列車乗車中は、ユーザとランドマークの間に障害物があってもそのランドマークを選択する。しかし、歩行中である場合は、障害物がないときだけランドマークを選択する。これは、自動車運転中及び列車乗車中の場合、一定の速度で移動中であると考えられるので、所定時間後にはランドマークを見ることができると思われるからである。しかし、歩行中の場合は、一定速度で歩行していると予測できないので、障害物がある場合は、ランドマークの選択を行わない。
更に、ランドマークの見え方、つまりランドマークの上の方だけが見えるか、前方にほぼ全部が見えるかによって、自動車運転中、列車乗車中、歩行中に分けて、ランドマークを選択するか否かを表1の3段目に示している。ランドマークが上の方に見えるときは、自動車運転及び列車乗車中中はランドマークを選択しないが、前方に見えるときはランドマークを選択する。しかし、歩行中は、ランドマークが上の方及び前方のいずれに見える場合もランドマークを選択する。
【0028】
また、移動手段の移動速度によってもランドマークの選択を変更する。表1の4段目には、自動車運転中は速度が速い時はランドマークを選択しないが、速度が遅い時はランドマークを選択することを示している。このときに速度は、高速道路を走行中と、一般道を走行中とでは選択する速度を変える。即ち、高速道路を走行中は、60km/h以上を速いとし、一般道では30km/h以上を速いとする。このように、所定速度以上で走行している場合は、危険が多いので、ランドマークを選択せず、問題を出題しないようにする。列車乗車中及び歩行中の場合は、速度に関わらず危険が少ないので、ランドマークを選択する。
また、ユーザが移動している場合に、ランドマークが見える位置までの距離または時間によって、ランドマークの選択を変化させることを表1の5段目に示している。つまり、ランドマークが見える位置までの距離または時間がある時は、自動車運転中はランドマークを選択する。しかし、ランドマークが見える位置までの距離または時間がないときはランドマークを選択しない。これは距離または時間がないため自動車が通過してしまい、ユーザがランドマークを見逃すことがあるからである。しかし、列車乗車中及び歩行中の場合は、速度に関わらず危険が少ないので、ランドマークを選択する。
更に、表1の6段目に交差点または交通信号までの距離または時間によって、ランドマークの選択を変化させることを示している。つまり、交差点または交通信号までの距離または時間がある時は、自動車運転中、列車乗車中、歩行中共にランドマークを選択するが、交差点または交通信号までの距離または時間がない時は、自動車運転中はランドマークを選択せず、列車乗車中、歩行中はランドマークを選択する。これにより、自動車運転中に、走行中の道路の先に交差点または交通信号がある場合、右折あるいは左折または停車などの運転操作やそのための判断の妨げとならないよう、出題を控えて危険をなくす。
【0029】
以上には、ユーザが移動中にランドマークを選択するかどうかを説明したが、次に、ナビゲーション装置を利用して、予め目的地までの走行ルートを探索し、ルートを設定している場合について、図5に示す表2を使用して説明する。このように、事前にルート探索し、ルート設定していることにより、より良いタイミングでランドマークを選択し、ランドマークに関する問題を出題することができる。例えば、自動車の走行方向の前方にランドマークが存在する場合は、表2の1段目に示すように、そのランドマークを選択する。しかし、ランドマークが走行方向の側方又は後方に見える場合は、ランドマークを選択しない。また、ユーザとランドマークの間に障害物がある場合は、ランドマークを選択する。しかし、ユーザとランドマークの間に障害物がある場合は、ランドマークが見える状態になったとき、ランドマークに関する問題を出題する。障害物がない場合は、直ちにランドマークに関する問題を出題する。
【0030】
次に、ランドマークの上方だけが見える場合は、表2の3段目に示すように、ランドマークを選択しない。これはユーザがランドマークを見逃すことがあるからである。ランドマークが前方にほぼ全部見えるときは、ランドマークを選択する。またランドマークが見えている時間が長い場合は、表2の4段目に示すように、そのランドマークを選択するが、短い時はそのランドマークは選択しない。またランドマークまでの距離が最接近している場合は、そのランドマークを選択するが、短い時はそのランドマークは選択しない。ここで、最接近とは、ユーザとランドマークの間に障害物がなく、ランドマークのほぼ全体が前方に見え、かつランドマークが見える時間が長いことを指している。
また、高速道路を走行している場合で、速度が所定速度以下である場合は、表2の6段目に示すように、ランドマークを選択する。しかし一般道を走行中は危険が多いので、ランドマークを選択しない。そして、有料道路を走行中に、降りる料金所までの距離又は時間がある時は、表2の7段目に示すように、ランドマークを選択するが、距離又は時間がないときは、安全運転を配慮してランドマークを選択しない。
【0031】
以上は、ユーザが利用する移動手段に応じて問題を出題する場合を説明したが、実際のユーザでなく仮想的にユーザの分身(即ち、アパター)を設定し、そのアパターが利用する移動手段を仮想的に設定して、また仮想的な現在位置を設定することにより、以上に説明した通りに問題を出題することができる。また、ユーザが特定の現在位置を入力して、その現在位置に関する問題を出題することができる。従って、本発明の問題出題装置は、移動手段を必要とするものではないし、またGPSのような現在位置を検出する手段を必要とするものでなく、さらに、ユーザが移動中または移動停止中の場合だけでなく、一定位置に留まって移動しない場合にも使用可能である。
【0032】
自動車運転中の例についてより具体的に説明する。この説明において、自動車の走行速度は道路規則の規制速度以下であるとする。
例1;図6に示すように、左側の三角の塔がランドマークR1として選択され、自動車TとランドマークR1の間に障害物S1として建物がある場合を説明する。
(出題1a)この塔を建てたのは誰でしょうか?
(出題2a)この塔は何色ですか?
このような状態で、自動車のフロントグラスGから図7(a)のように、ランドマークR1として三角の塔が前方に見え、かつランドマークR1と自動車Tとの間に障害物S1の屋根が見えているとする。この場合、障害物S1が見えているが、三角の塔も大部分が見えているので、上記出題1および出題2は問題として出題される。
【0033】
しかし、図7(a)と同じ状況であるが、図7(b)に示すように、現在走行中の道路のすぐ先に信号Uがあることが地図データから分かった場合、自動車運転手は信号の状態を判断し、信号を通過するか、または減速あるいは停車などの運転操作が必要かなどの運転動作の妨げになる恐れがあり危険なので、上記出題1および出題2は問題として出題されない。
また、図7(c)に示すように、ランドマークR1としての三角の塔は、障害物S1によってほとんど隠れて見えない場合、この時点では上記出題1および出題2は問題として出題されない。しかし、ナビゲータの探索ルートに沿って250m進めば、障害物S1はランドマークR1から離れて、ランドマークRが見えることが明らかである場合、上記出題1および出題2が問題として出題される。
次に、図7(d)に示すように、自動車のフロントグラスG内にはランドマークR1としての三角の塔が障害物S1によって隠れ、屋根の一部しか見えない。また自動車が進行方向に進んでもランドマークRは見えない場合、上記出題1および出題2が問題として出題されない。
【0034】
列車乗車中の例についてより具体的に説明する。
例1;図8に示すように、左側の南都古墳がランドマークR2として選択され、列車とランドマークR2の間に障害物S2として建物がある場合を説明する。この場合、古墳が作られた時代も取得されているとする。
(出題1b)この古墳が造られたのは何時代でしょう?
このような状態で、列車の車窓G2から図9(a)のように、ランドマークR2として古墳が見えているとする。この場合、障害物S2も見えているが、古墳の大部分が見えているので、上記出題1bは問題として出題される。
しかし、図9(b)に示すように、ランドマークR2としての古墳は、障害物S2によってほとんど隠れて見えない場合、この時点では上記出題1bは問題として出題されない。しかし、列車が現在の走行速度で線路上を走行した場合、1分後に古墳が見え、かつ障害物S2がなくなることが計算できる場合、古墳をランドマークとして選択し、上記出題1bが問題として出題される。
【0035】
歩行中の例について説明する。
例1;図10に示すように、左側に南都寺がランドマークR3として選択され、歩行者とランドマークR3の間に建物のような障害物S3がある場合を説明する。この場合、寺の名前も取得されているとする。
(出題1c)この寺の名前は何でしょう?
このような状態で、歩行者は図10(a)のように、ランドマークR3として寺が見え、また障害物S3が見えているとする。この場合、障害物S3も見えているが、寺の大部分が見えているので、「北北東300mにお寺が見えます。」と案内し、上記出題1cが問題として出題される。歩行者は、移動速度が遅く、また地図データの道路や線路等の決められたルートに沿って移動するとは限らないので、進行方向を予測できない。そのため、自動車乗車中または列車乗車中などでランドマークの方向を指示したように、「前方」または「左側」のように方向を指示することができない。そのため、歩行者に対しては方角によってランドマークを指示する。
図10(b)に示すように、ランドマークR3としての寺は、障害物S3によってほとんど隠れて見えない場合、この時点では上記出題1cは問題として出題しない。歩行者が100m先へ進むと、障害物S3を避けて寺を見ることができるが、歩行者がどの方向へ、どの程度の速度で移動するかは予測できないので、上記出題1cが問題として出題しない。
【0036】
以上のような使用方法は、図12に示す本発明の問題出題装置のフローチャート図のように動作することにより実現される。
本発明の問題出題装置は、ナビゲーション装置を利用して構成されているので、まず、ナビゲーション装置が起動される。ステップS1ではユーザが目的地を設定し、ステップS2でルートを検索する。次にステップS3でGPS6が現在の位置情報を取得する。このようなステップS1〜S3の処理は、通常のナビゲーション装置と同様である。
通常のナビゲーション装置を使用しない場合は、ステップS1及びS2をパスして、ステップS3から動作が開始される。現在の位置情報には緯度、経度、高度が含まれる。次にステップS4で、上記ステップS2のルート設定があるか否か判定する。ルート設定がある場合は、ステップS5で目的地までの地図情報を地図データ記憶部43から取得して、次のステップS6に進む。つまり、ユーザが道路を走行しているか、鉄道線路上を走行しているかを判別する。道路を走行している場合は、更に高速道路か、一般道路か判断し、ユーザが自動車を利用しているか、自転車を利用しているか判断する。また、鉄道線路上を走行している場合は、電車乗車中であると判断する。このようにして、ユーザが利用している移動手段の種類を判別する。
ルート設定がない場合は、そのまま次のステップS6に進む。ステップS6は加速度センサー71の検出出力よりユーザが利用している移動手段を決定する。つまり、加速度センサーの振動の大きさ、速さから自動車乗車中か、電車乗車中か、自転車乗車中か、歩行中か判断する。
【0037】
このようにして移動手段を決定することにより、ステップS7では、自動車乗車中用、電車乗車中用、自転車乗車中用、歩行中用のように、移動手段の種類に対応する問題を問題データ記憶部41より検索または分類より取り出して設定する。そして、ステップS8ではユーザの現在位置の付近に存在するランドマークを選択する。ランドマークの選択順は、現在位置から近い順、ユーザの関心度の大きさ順、有名度の順、地図データに表示された文字の大きさの順、対象物の面積の大きさ順のような順番であり、このような順を2つ以上組合せて選択順を決めてもよい。選択したランドマークついて、そのランドマークに最接近する位置までの距離を地図データ上のルートを辿り、その距離を積算して求める。ステップS9ではランドマークを見ることができる時刻をランドマークが見える距離と走行速度とから時間を計算する。即ち、距離÷速度=時間を計算する。次に、ステップS10ではGPS6及び/又は高度センサー75を使用してユーザの目線の高さを測定する。
【0038】
以上のようにして、ランドマークに最接近する位置、ランドマークが見える時間、目線の高さを求め、ステップS11ではランドマークが前方にあるか否か判断する。前方に見える場合はステップS12に進むが、前方に見えない場合は、ステップS10に戻る。またステップS12ではランドマークが前方に見えるか上の方が見えるか判断する。前方に見える場合は次にステップS13に進むが、上の方に見える場合は、ステップS10に戻る。また、移動手段の移動速度が所定の速度より速いか遅いかを判断する。速いときはステップS10に戻る。遅い時はステップS14に進み、ステップS14では、交差点または信号までの距離又は時間があるか否か判断する。距離又は時間がないときはステップS10に戻る。距離又は時間がある時は、ステップS15に進み、ランドマークとの間に障害物があるか否か判断する。障害物がなければ、ステップS16で、ランドマークに関する問題を出題する。しかし、障害物がある時はランドマークに関連しない問題を出題する。
【0039】
以上には、本発明の問題出題装置が移動手段の種類に応じて問題が抽出され、出題される場合及び移動手段にかかわらず出題されることを説明した。次に出題された問題にユーザが解答する場合を説明する。
問題出題装置から問題が出題されると、ユーザは解答をキーボード、マウス、タッチパネルを利用して入力する。または自動車の運転中のように表示部を見ながらキーボード、マウス、タッチパネルを操作できない場合は、音声によって解答を入力する。入力された解答は、問題データ記憶部41に問題とともに記憶された解答と照合され、正誤を判定する。その判定結果は出力部2より出力される。移動手段が自動車、電車、自転車である場合は、音声出力され、自動車、電車、自転車が停止中である場合は、表示部21にも表示される。移動手段が徒歩である場合は、表示部21だけに出力してもよい。
このようにして、正誤を判定した結果は蓄積され、必要に応じて正解率が計算される。そして、必要に応じて正解率を出力する。ユーザが複数である場合は、ユーザごとに分けて正解率を計算するとよい。
【0040】
以上には、問題データ記憶部に問題データを記憶し、これを分類または検索することによってユーザの移動手段に応じた問題を抽出する場合を説明したが、以下のようにして、問題を作成することができる。そして、作成された問題は、問題データ記憶部41に記憶されている問題データとともに使用される。
例えば、場所名または地域名、建物名、自然物名を、穴あきデータとして問題作成部に格納しておき、この穴あきデータにGPSと地図データから検出した場所名データまたは地域名データを埋めることにより、問題データを作成する。または第1に設定した場所または時刻から、第2に設定した場所または時刻までの右折または左折した回数を、GPSと地図データから得られるナビゲーションデータから計数し、この計数値を穴あきデータに埋めることにより、問題データを作成する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の問題出題装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に使用される3次元地形データを説明する図である。
【図3】本発明に使用される建築物データを説明する図である。
【図4】本発明の問題出題装置において、ランドマークの選択はユーザが利用している移動手段の種類に応じて変化させることを説明する図である。
【図5】本発明の問題出題装置において、予め走行ルートを探索している場合に、ランドマークの選択を変化させることを説明する図である。
【図6】本発明の問題出題装置において、自動車運転中に見えるランドマークと障害物の関係を説明する図である。
【図7】本発明の問題出題装置において、自動車運転中にランドマークと障害物の関係により、問題を出題するかどうかを説明する図である。
【図8】本発明の問題出題装置において、列車乗車中に見えるランドマークと障害物の関係を説明する図である。
【図9】本発明の問題出題装置において、列車乗車中にランドマークと障害物の関係により、問題を出題するかどうかを説明する図である。
【図10】本発明の問題出題装置において、歩行者が見るランドマークと障害物の関係を説明する図である。
【図11】本発明の問題出題装置において、歩行中にランドマークと障害物の関係により、問題を出題するかどうかを説明する図である。
【図12】本発明の問題出題装置のフローチャート図である。
【図13】従来例として、探索ルートを走行している場合にランドマークと障害物の位置関係を説明する図である。
【符号の説明】
【0042】
1 入力部
2 出力部
3 制御部
4 ROM
5 RAM
6 GPS
7 センサー部
8 問題作成部
11 キーボード
12 音声入力部
21 表示部
22 音声出力部
41 問題データ記憶部
42 地図データ記憶部
71 加速度センサー
72 方位センサー
73 距離センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランドマーク情報を含む地図データを記憶する地図データ記憶部と、
前記ランドマークに関する問題情報を記憶する問題記憶部と、
前記地図データ記憶部より、所望位置を含む地図データを抽出する地図データ抽出部と、
前記地図データより前記所望位置の付近に存在するランドマークを選択するランドマーク選択部と、
前記所望位置と前記ランドマークの間に障害物があるか否か判定する判定部と、
前記判定部が前記障害物がないと判定した場合に、ランドマークに関する問題情報を前記問題記憶部より抽出して出力する出力部と
を備えることを特徴とする問題出題装置。
【請求項2】
更に、前記所望位置から所定時間経過後の到達位置を算出する到達位置算出部を備え、前記ランドマーク選択部は、前記到達位置付近に存在するランドマークを選択し、前記判定部は前記到達位置から前記ランドマークが見えるか否か判定する請求項1に記載の問題出題装置。
【請求項3】
更に、ユーザが利用する移動手段の種類を決定する移動手段決定部を備え、前記問題記憶部は少なくとも前記移動手段の種類に対応する問題情報を記憶し、前記移動手段の種類に対応して、前記ランドマークに関する問題情報を抽出して出力する請求項1または2に記載の問題出題装置。
【請求項4】
ランドマーク情報を含む地図データを記憶する地図データ記憶部と、前記ランドマークに関する問題情報を記憶する問題記憶部を備え、
コンピュータによって、
前記地図データ記憶部より、所望位置を含む地図データを抽出する地図データ抽出ステップと、
前記地図データより前記所望位置の付近に存在するランドマークを選択するランドマーク選択ステップと、
前記所望位置と前記ランドマークの間に障害物があるか否か判定する判定ステップと、
前記判定ステップで、障害物がないと判定した場合に、ランドマークに関する問題情報を前記問題記憶部より抽出して出力する出力ステップと
を実行することを特徴とする問題出題方法。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図12】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−96980(P2010−96980A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267553(P2008−267553)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】