説明

喇叭形管状器具用ラック

【課題】耳鏡等の喇叭形管状器具を洗浄するための喇叭形管状器具用ラックを提供する。
【解決手段】耳鏡等の管の先端側が外側に拡がった喇叭形をした喇叭形管状器具30を上側及び下側の少なくとも一方から洗浄水を噴射するようにした洗浄機10の洗浄槽11に収容するための喇叭形管状器具用ラック20であり、喇叭形管状器具用ラック20は喇叭形管状器具30の先端側が上側となるように起立させた状態にて喇叭形管状器具30の周方向の対向する両側にてその先端部の拡径部30aの下面を当接支持する線材よりなる一対の支持部21c,21cを有する下側枠体21と、喇叭形管状器具30の上側に設けられて洗浄水の通過を許容しつつ耳鏡30の上側への移動を規制するための規制部22cを有した上側枠体22とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄機の洗浄槽に耳鏡等の喇叭形管状器具を収容するための喇叭形管状器具用ラックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、医療用器具を洗浄することを目的とした洗浄機が開示されている。この洗浄機は医療用器具を収容する洗浄室を備えており、洗浄室の上部及び下部には洗浄水を下側及び上側に噴射する噴射ノズルが回転可能に取り付けられている。洗浄室に収容された医療用器具は上下の噴射ノズルから噴射される洗浄水により洗浄される。ところで、医療用器具の一つには耳の検査、診断または治療を行う際に耳腔に挿入する耳鏡があり、この耳鏡は管の先端側が外側に拡がった喇叭形をしている。この喇叭形管状器具である耳鏡を洗浄機を用いて洗浄するときには、網状の籠に多数の耳鏡を入れて洗浄室に収容し、上下の噴射ノズルから洗浄水を噴射させて洗浄する。しかし、網状の籠に多数の耳鏡を入れて洗浄したときには、一部の耳鏡の管内が十分に洗浄されなく、また、耳鏡同士が重なり合う部分の汚れを落とすことができないことがあった。また、一部の耳鏡が下側の噴射ノズルから噴射される洗浄水によって網状の籠から飛ばされて洗浄室の下部に落下し、落下した耳鏡が洗浄水に浸かった状態となって十分に洗浄されないことがあった。
【0003】
このような管状の医療用器具を洗浄する際の問題を解決する洗浄機の一例が特許文献2に記載されている。この洗浄機は洗浄槽内に吸引嘴管を一度に10本接続可能なカートリッジを備えており、このカートリッジには吸引嘴管を接続するための吸引口に洗浄水を吸引するための吸引経路が接続されている。吸引経路にはこれを開閉するバルブが介装されており、この吸引経路は吸引ポンプにより負圧にされる吸引タンクに接続されている。この洗浄機により吸引嘴管を洗浄するときには、先ず各吸引口に吸引嘴管を接続し、吸引タンクを吸引ポンプにより負圧とした状態で、洗浄槽内に貯留した洗浄液により吸引嘴管の外部を洗浄し、これに並行してバルブを開放することにより、洗浄槽と吸引タンクとの圧力差によって急激に洗浄槽から吸引タンクに移動する洗浄水によって吸引嘴管の内部を洗浄する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−177423号公報
【特許文献2】特開2010−115223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1の洗浄機においては、洗浄槽内に他種類の医療用器具を収容して洗浄できるので汎用性が高いが、上述したように、喇叭形管状器具として多数の耳鏡を洗浄する際に、例えば網状の籠に多数の耳鏡を収容して洗浄しているために、一部の耳鏡の管内が十分に洗浄されなく、また、耳鏡同士が重なり合う部分の汚れを落とすことができないことがあった。また、特許文献2の洗浄機においては、カートリッジの吸引口に吸引嘴管を接続し、洗浄槽内に貯留した洗浄液により吸引嘴管の外部を洗浄し、これに並行してバルブを開放することにより、洗浄槽と吸引タンクとの圧力差によって急激に洗浄槽から吸引タンクに移動する洗浄水によって吸引嘴管の内部を洗浄している。しかし、この洗浄機では、管状の医療用器具しか洗浄できなく、他の医療用器具を洗浄できなくて汎用性が低い問題があった。また、この洗浄機は、吸引ポンプ、吸引タンク及びバルブなどの部品が多く、コストが高くなる問題があった。さらに、この洗浄機で吸引嘴管を洗浄するときには、各吸引嘴管を吸引口に一つずつ差し込んで接続及び取り外しをしなければならなく、洗浄作業が面倒であった。本発明はこれらの問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するため、管の先端側が外側に拡がった喇叭形をした喇叭形管状器具を上側及び下側から洗浄水を噴射するようにした洗浄機の洗浄槽に収容するためのラックであり、喇叭形管状器具の先端側が上側となるように起立させた状態にて喇叭形管状器具の周方向の対向する両側にてその先端部の拡径部の下面を当接支持する線材よりなる一対の支持部を有する下側枠体と、喇叭形管状器具の上側に着脱可能に設けられて洗浄水の通過を許容しつつ喇叭形管状器具の上側への移動を規制するための規制部を有した上側枠体とを備えたことを特徴とする喇叭形管状器具用ラックを提供するものである。
【0007】
上記のように構成した喇叭形管状器具用ラックにおいては、喇叭形管状器具の先端側が上側となるように起立させた状態にて喇叭形管状器具の周方向の対向する両側にてその先端部の拡径部の下面を当接支持する線材よりなる一対の支持部を有する下側枠体と、喇叭形管状器具の上側に着脱可能に設けられて洗浄水の通過を許容しつつ喇叭形管状器具の上側への移動を規制するための規制部を有した上側枠体とを備えたので、喇叭形管状器具は下側枠体に起立させた状態で支持され、喇叭形管状器具の外周面及び管内は他の喇叭形管状器具と重なり合うことなく上側及び下側から噴射される洗浄水によって洗浄される。また、下側枠体に支持された喇叭形管状器具の上側には上側枠体の規制部が配置されているので、喇叭形管状器具が下側から噴射された洗浄水により飛ばされることがない。また、喇叭形管状器具は周方向の対向する両側にてその先端部の拡径部の下面を線材よりなる一対の支持部に当接支持させたので、喇叭形管状器具の支持部に対する接触面を小さくでき、喇叭形管状器具の汚れ残しを小さくできる。
【0008】
上記のように構成した喇叭形管状器具用ラックの一実施形態として、規制部には喇叭形管状器具の拡径部の上側に位置する規制用の線材を用いてもよい。また、喇叭形管状器具用ラックの他の実施形態として、規制部には網部材を用いてもよい。
【0009】
上記のように構成した喇叭形管状器具用ラックにおいては、一対の支持部は複数の喇叭形管状器具を連続して配置可能な長さとし、この一対の支持部を喇叭形管状器具を連続して配置した方向と水平方向に交差する方向に複数組設けるのが好ましく、このようにしたときには、複数の喇叭形管状器具を効率よく洗浄することができる。
【0010】
上記のように構成した喇叭形管状器具用ラックにおいては、上側枠体は下側枠体の一側部に水平軸線回りに回動可能に支持されるようにしてもよく、このようにしたときには、下側枠体または上側枠体だけを紛失することがない。また、喇叭形管状器具用ラックを持ち運ぶときに、喇叭形管状器具を収容した下側枠体だけを誤って落下させることがない。
【0011】
上記のように構成した喇叭形管状器具用ラックにおいては、上側枠体は下側枠体に対して水平方向に移動可能に連結する連結具を備えるようにしてもよく、このようにしたときには、下側枠体または上側枠体だけを紛失することがない。また、喇叭形管状器具用ラックを持ち運ぶときに、喇叭形管状器具を収容した下側枠体だけを誤って落下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による喇叭形管状器具用ラックの一実施形態である耳鏡ラックを用いて耳鏡を洗浄する洗浄機の側面から見た概略図である。
【図2】器具収容ラックの斜視図である。
【図3】本発明の喇叭形管状器具用の一実施形態である耳鏡ラックの斜視図である。
【図4】耳鏡ラックに耳鏡を収容した状態での一部縦断面図である。
【図5】本発明の耳鏡ラックの他の実施形態の斜視図である。
【図6】本発明の耳鏡ラックの他の実施形態の斜視図である。
【図7】本発明の耳鏡ラックの他の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明による喇叭形管状器具用ラックの一実施形態として耳鏡ラックをこれを用いて洗浄する洗浄機とともに図面を参照して説明する。洗浄機10は、主として医療用器具を洗浄するためのものであり、図1に示すように、医療用器具を収容して下部に洗浄水を貯える貯水部12を有した洗浄槽11と、貯水部12に湯よりなる洗浄水を供給する給湯管13と、洗浄槽11内に収容した医療用器具に貯水部12の洗浄水を噴射する洗浄ノズル15,16と、貯水部12の洗浄水を洗浄ノズル15,16に送出する洗浄ポンプ18とを備えている。洗浄槽11の後壁上部には湯よりなる洗浄水を供給するための給湯口11aが形成されている。給湯口11aには給湯管13が接続されており、給湯管13は給湯器14等の給湯源に接続されている。給湯管13には給湯弁13aが介装されており、給湯器14の湯は給湯弁13aの開放により給湯管13を通って洗浄槽11の貯水部12に供給される。
【0014】
図1に示すように、洗浄槽11内の上面及び下面には下側及び上側に向けて洗浄水を噴射する洗浄ノズル15,16が回転可能に支持されており、これら洗浄ノズル15,16には洗浄槽11の下部の貯水部12から導出した循環パイプ17が接続されている。循環パイプ17には貯水部12の洗浄水を洗浄ノズル15,16に送出する洗浄ポンプ18が介装されている。洗浄ポンプ18を作動させると、貯水部12内の洗浄水は循環パイプ17を介して洗浄ノズル15,16に送られ、洗浄ノズル15,16は洗浄水の噴出反力により回転しながら洗浄水を医療用器具に向けて噴射する。なお、医療用器具に噴射された洗浄水は落下して貯水部12に還流する。
【0015】
図1及び図2に示すように、洗浄槽11内には医療用器具を並べるための器具収容ラック19が出し入れ可能に収容されている。器具収容ラック19は上面が開口する箱形をしており、器具収容ラック19の底面は洗浄水を通過させるために格子状に形成されている。この器具収容ラック19は管の先端側が拡がった喇叭形をした耳鏡30を起立させた状態で洗浄槽11内に収容させるための耳鏡ラック20が収容可能となっている。
【0016】
図3及び図4に示すように、耳鏡ラック20は、管の先端側が外側に拡がった喇叭形をした喇叭形管状器具である耳鏡30を収容するものであり、耳鏡30の先端側の外側に拡がった拡径部30aが上側となるように起立させた状態で支持する下側枠体21と、下側枠体21に支持させた耳鏡30が下側から噴射される洗浄水により飛ばされないようにするための上側枠体22とを備えている。下側枠体21は、ステンレス製のワイヤ(線材)を略矩形状に折り曲げ加工して起立させた前後一対の脚部21a,21aと、これら一対の脚部21a,21aの4つの各角部を互いに連結する同ワイヤによりなる4本の連結部21bと、上側の左右の連結部21b,21bとの間に耳鏡30を支持するための同ワイヤよりなる10本の支持部21cが架設されたものである。下側枠体21の各支持部21cは前後一対にして耳鏡30を支持するものであり、前後一対の支持部21c,21cの間隔は耳鏡30の拡径部30aの最も大きい部分の直径より少し狭い長さとなっている。前後一対の支持部21c,21cは耳鏡30の周方向の対向する両側にて先端側の拡径部30aの下面を当接支持する。この実施形態の下側枠体21は、10本の支持部21cにより前後方向に5つの耳鏡30を配置可能となっており、支持部21cの長手方向に沿って5つの耳鏡30を配置可能となっている。
【0017】
上側枠体22は、下側枠体21の左右両側にてステンレス製のワイヤ(線材)を略矩形状に折り曲げ加工して起立させた左右一対の脚部22aと、これら左右一対の脚部22a、22aの上端に固着されて下側枠体21の上側を覆う同ワイヤを略矩形状に折り曲げ加工した枠部22bと、下側枠体21の支持部21cに支持された各耳鏡30の上側となる位置にて枠部22bの左右両側部に固着された5本の規制部22cとからなる。上側枠体22の各規制部22cは、前後一対の支持部21c,21cに支持された各耳鏡30の上側となる位置に設けられており、下側枠体21の支持部21cに支持された各耳鏡30が下側から噴射された洗浄水により上側に飛ばされるのを防ぐためのものである。各規制部22cはワイヤよりなるので、各耳鏡30の上側に飛ばされるのを防ぎながら、各耳鏡30の管内への洗浄水の通過を可能としている。
【0018】
耳鏡30を耳鏡ラック20に並べて収容するときには、下側枠体21から上側枠体22を取り外し、下側枠体21の一対の支持部21c,21cの間に耳鏡30の径の細い側の基端を挿入し、耳鏡30の先端側の拡径部30aの下面を一対の支持部21c,21に当接支持させる。その次に、耳鏡30を収容した下側枠体21の上側に上側枠体22を覆い被せる。この耳鏡ラック20を器具収容ラック19に収容した状態にして洗浄槽11に収容する。
【0019】
このように、耳鏡30は耳鏡ラック20の下側枠体21に起立させた状態で支持されるので、耳鏡30の外周面及び管内は他の耳鏡30と重なり合うことなく上側及び下側の洗浄ノズル15,16から噴射される洗浄水によって洗浄される。また、下側枠体21に支持された耳鏡30の上側には上側枠体22の規制部22cが配置されているので、耳鏡30が下側の洗浄ノズル15から噴射された洗浄水により飛ばされることがない。また、耳鏡30は周方向の対向する両側にてその先端部の拡径部30aの下面を線材よりなる一対の支持部21c,21cに当接支持させたので、耳鏡30の支持部21cに対する接触面を小さくでき、耳鏡30の汚れ残しを小さくできる。
【0020】
上記の洗浄機10においては、洗浄槽11内に収容された器具収容ラック19は下側の洗浄ノズル16に近い位置に配置されている。また、このような洗浄機10では、上下の洗浄ノズル15,16のうち下側の洗浄ノズル16の水流を強めに設定したものが多い。このように、洗浄槽11内に耳鏡ラック20を用いて収容される耳鏡30は下側から多く洗浄水が噴射される。耳鏡30は耳腔に挿入される基端側の外周面に最も汚れが付着しやすいが、洗浄槽11内に耳鏡ラック20を用いて収容された耳鏡30は先端側が上側となるように起立させた状態にて支持部21c、21cに支持されたので、耳鏡30の基端側が下側の洗浄ノズル16に近くとなり、耳鏡30の基端側の外周面は先端側の拡径部30aに遮られることなく下側からの洗浄ノズル16から噴射される洗浄水により洗浄されることになる。
【0021】
また、図4(a)に示した耳鏡30の一例は、管の先端側が外側に拡がった喇叭形をしていて、先端の外端を外側に延出させたものであるが、図4(b)に示した耳鏡30の他の例は、管の先端側が外側に拡がった喇叭形をし、先端の外端を基端側に向けて湾曲させてからさらに先端側に折り曲げたものである。図4(b)に示した耳鏡30を先端側を下側にして洗浄すると、耳鏡30の先端の外端を基端側に向けて湾曲させた部分に洗浄水が溜まって残り不衛生となることがあるが、本発明の耳鏡ラック20を用いて図4(b)に示した耳鏡30を先端側を上側となるように収容して洗浄したときには、耳鏡30の先端の外側を基端側に向けて湾曲させた部分に洗浄水が溜まって残ることがない。
【0022】
また、耳鏡ラック20の下側枠体21の一対の支持部21c,21cは5つ(複数)の耳鏡30を連続して配置可能な長さであり、この一対の支持部21c,21cを耳鏡30を連続して配置した方向と水平方向に交差する方向に5組(複数組)としたので、複数の耳鏡30を効率よく洗浄することができる。また、この耳鏡ラック20に耳鏡30を整列させたときに、洗浄した耳鏡の数量の管理が容易となる。
【0023】
このように構成した耳鏡ラック20の他の実施形態について説明する。先ず、図5に示す耳鏡ラック20Aは、図3に示した耳鏡ラック20において、下側枠体21と上側枠体22とを前後方向にスライド移動可能となるようにした。この実施形態の耳鏡ラック20Aは、下側枠体21の下側の連結部21bと上側枠体22の脚部22aの下部と前後方向に摺動自在に連結する連結具23を備えており、連結具23は筒形状をした周方向の一部が欠けた形状をした弾性力ある樹脂部材よりなる。上側枠体22と下側枠体21とを連結するときには、連結具23の周方向の欠けた部分を弾性力に抗して開いて、下側枠体21の下側の連結部21bと上側枠体22の脚部22aの下部とを覆うように連結具23を取り付ける。このようにした耳鏡ラック20Aにおいては、上述した効果に加え、下側枠体21または上側枠体22だけを紛失することがない。また、耳鏡ラック20Aを持ち運ぶときに、耳鏡30を収容した下側枠体21だけを誤って落下させることがない。
【0024】
図6に示す他の実施形態の耳鏡ラック20Bは、図3に示した耳鏡ラック20において、上側枠体22の枠部22bに架設したワイヤよりなる規制部22cに代えて、枠部22b内にステンレス製の網材よりなる規制部22Bcを設けたものである(図5では網材の一部のみを記しているが、網材よりなる規制部22Bcは枠部22b内の全体に設けられている)。このように構成した耳鏡ラック20Bにおいては、規制部22Bcは網材よりなるので、ワイヤによる規制部22cと同様に、各耳鏡30の上側に飛ばされるのを防ぎながら、各耳鏡30の管内への洗浄水の通過を可能としている。
【0025】
また、図7に示す他の実施形態の耳鏡ラック20Cは、図3に示した耳鏡ラック20において、上側枠体22を下側枠体21から取り外し可能としたものに代えて、上側枠体22Cを水平軸線回りに回動自在に下側枠体21に支持させている。上側枠体22Cの枠部22Cbは、左端部が下側枠体21の左側上部の連結部21bに水平軸線回りに回動自在に連結されている。このようにした耳鏡ラック20Cにおいては、上述した効果に加え、下側枠体21または上側枠体22Cだけを紛失することがない。また、耳鏡ラック20Cを持ち運ぶときに、耳鏡30を収容した下側枠体21だけを誤って落下させることがない。
【0026】
上記の各実施形態の耳鏡ラック20〜20Cは主としてステンレス製のワイヤ(線材)を折り曲げ加工及び溶接等により固着したものであるが、本発明はこれに限られるものでなく、洗剤及び高温の洗浄水によって変形及び腐食しない樹脂材料による線材を用いても同様の作用効果を得ることができる。
【0027】
上記の各実施形態については、管の先端側が外側に拡がった喇叭形をした喇叭形管状器具として耳鏡30を収容する耳鏡ラック20〜20Cについて説明したが、本発明はこれに限られるものでなく、他に漏斗等の管の先端側が外側に拡がった喇叭形をした喇叭形管状器具を収容するためのラックであっても上述したのと同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0028】
20,20A,20B,20C…喇叭形管状器具用ラック(耳鏡ラック)、21、…下側枠体、21c…支持部、22,22B,22C…上側枠体、22c,22Bc…規制部、23…連結部材、30…喇叭形管状器具(耳鏡)、30a…拡径部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管の先端側が外側に拡がった喇叭形をした喇叭形管状器具を上側及び下側から洗浄水を噴射するようにした洗浄機の洗浄槽に収容するためのラックであり、
前記喇叭形管状器具の先端側が上側となるように起立させた状態にて前記喇叭形管状器具の周方向の対向する両側にてその先端部の拡径部の下面を当接支持する線材よりなる一対の支持部を有する下側枠体と、前記喇叭形管状器具の上側に設けられて洗浄水の通過を許容しつつ前記喇叭形管状器具の上側への移動を規制するための規制部を有した上側枠体とを備えたことを特徴とする喇叭形管状器具用ラック。
【請求項2】
請求項1に記載の喇叭形管状器具用ラックにおいて、
前記規制部には前記喇叭形管状器具の拡径部の上側に位置する線材を用いたことを特徴とする喇叭形管状器具用ラック。
【請求項3】
請求項1に記載の喇叭形管状器具用ラックにおいて、
前記規制部には網部材を用いたことを特徴とする喇叭形管状器具用ラック。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の喇叭形管状器具用ラックにおいて、
前記一対の支持部は複数の喇叭形管状器具を連続して配置可能な長さとし、この一対の支持部を前記喇叭形管状器具を連続して配置した方向と水平方向に交差する方向に複数組設けたことを特徴とする喇叭形管状器具用ラック。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の喇叭形管状器具用ラックにおいて、
前記上側枠体は前記下側枠体の一側部に水平軸線回りに回動可能に支持されたことを特徴とする喇叭形管状器具用ラック。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか1項に記載の喇叭形管状器具用ラックにおいて、
前記上側枠体と前記下側枠体とを水平方向に移動可能に連結する連結具を備えたことを特徴とする喇叭形管状器具用ラック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−94492(P2013−94492A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241407(P2011−241407)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000194893)ホシザキ電機株式会社 (989)
【Fターム(参考)】