説明

喘息および炎症性気道疾患の治療におけるリポキシンおよびアスピリン誘発リポキシンおよびそれらの安定な類似物

【課題】気道の炎症を減らすだけでなく、アレルゲン感作およびエアロゾル攻撃に応じた応答性亢進も少なくするリポキシン(LX)を提供すること。
【解決手段】気道または肺の障害を処置または予防する方法であって、この方法は、気道または肺の障害を処置または予防する必要のある被験体に、本発明のリポキシン類似物およびそれらの薬学的に受容可能な塩の治療有効量を投与して、それにより、この被験体における気道または肺の障害を処置または予防する工程を包含する、方法。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(連邦政府が後援した研究に関する記載)
本発明に至る研究は、一部、National Institutes of Health(NIH)の助成GM−38765、P01−DE13499およびK08 HL03788の援助を受けた。従って、米国政府は、本発明の一定の権利を有し得る。
【0002】
(関連出願)
本願は、米国仮特許出願第60/338,862号(これは、2001年11月6日に出願され、「Lipoxins and Aspirin−Triggered Lipoxins and Their Stable Analogs in the Treatment of Asthma and Inflammatory Airway Diseases」の表題である)および米国仮特許出願第60/391,049号(これは、2001年6月24日に出願され、「Lipoxins and Aspirin−Triggered Lipoxins and Their Stable Analogs in the Treatment of Asthma and Inflammatory Airway Diseases」の表題である)から優先権を主張しており、これらの内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0003】
(背景)
喘息は、気道の応答性亢進および慢性的な気道の炎症に特徴がある。喘息患者では、多数の好酸球およびTリンパ球が気管支周辺組織に浸潤して、肺に入り、システイニルロイコトリエン(CysLT’s)およびT2サイトカインを生じる能力が高まる1、3、4。CysLT’sは、実験モデルおよび喘息患者の両方において、喘息体質に関連している5、6。T2サイトカインの多くの作用の1つには、ロイコトリエンおよびリポキシン(LX’s)を含むエイコサノイドに対する生合成酵素の発現を上方制御することがある7、8
【0004】
LX’sは、構造および機能が異なる別種のエイコサノイドであり、それらの生合成は、一時的に、他のエイコサノイドの形成および影響から分離されている。LX’sは、気道を含めたヒトの組織で生成される。LX’sは、独特の対抗調節作用を持っており、これは、CysLTが媒介する血管応答を阻止し11、そしてサイトカインが駆動する急性の炎症の回復を促進する。ヒトの細胞のインビトロで投与するかまたはマウスの系にインビボで投与するとき、少なくとも2種類のレセプタ、すなわち、CysLT1レセプタおよびLXAレセプタ(これは、ALXと命名されている)は、LX’sと相互作用して、それらの作用を媒介できる12、13。喘息におけるLX’sの役割は、適切な実験動物モデルでは、未だに、直接的には評価されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
喘息の世界的な流行が引き続いて高まっており、何百万という人々の日常生活に影響を及ぼしているが、治療は、理想とはほど遠い。現在の治療法に対する臨床応答(例えば、コルチコステロイドおよびロイコトリエンモディファイヤーの吸入)は、異質であり19、最適な治療でさえも、処置が施されていない疾患の負担は、相当なものである。
【0006】
さらに、外因性コルチコステロイドには、重大な毒性があるという証拠があるので、喘息および他のアレルギー性疾病の新しい抗炎症戦略が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要旨)
驚くべきことに、本発明のリポキシン(LX’s)(下記)は、気道の炎症を減らすだけでなく、アレルゲン感作およびエアロゾル攻撃に応じた応答性亢進も少なくする。結果的に、本明細書中で開示されたリポキシンは、喘息およびそれに関連した気道および呼吸器の炎症障害を治療および/または予防するのに有用である。
【0008】
本発明は、喘息、それに関連した気道および呼吸器の炎症障害に付随した病気を治療または予防する方法に関する。これらの方法は、被験体に、下記の式を有するリポキシン類似物の有効量を投与して、その結果、喘息またはそれに関連した気道または呼吸器の炎症障害を治療する工程を包含する。
【0009】
上で確認した病気の治療で有用な例示的な化合物には、以下およびそれらの薬学的に受容可能な塩が挙げられる:
【0010】
【化7−1】

【0011】
【化7−2】

【0012】
【化7−3】

【0013】
【化7−4】

【0014】
ここで、Xは、もし存在するなら、R、ORまたはSRである;
ここで、Rは、もし存在するなら、以下である:
(i)水素原子;
(ii)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(iii)3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(iv)7個〜12個の炭素原子を有するアラルキル;
(v)フェニル;
(vi)以下の置換フェニル
【0015】
【化8】

【0016】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子であり、直鎖または分枝であり得る;
(vii)検出可能標識分子;または
(viii)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝鎖アルケニル;
ここで、Qは、もし存在するなら、(C=O)、SOまたは(CN)であるが、但し、QがCNのとき、Xは、存在しない;
ここで、Q(もし存在するなら)およびQ(もし存在するなら)は、それぞれ独立して、O、SまたはNHである;
ここで、R(もし存在するなら)およびR(もし存在するなら)の一方は、水素原子であり、他方は、以下である:
(a)H;
(b)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(c)3個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するシクロアルキル;
(d)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルケニルであって、該アルケニルは、直鎖または分枝であり得る;あるいは
(e)Rであって、ここで、Qは、−O−または−S−である;ここで、Rは、0個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキレンであって、該アルキレンは、直鎖または分枝であり得、ここで、Rは、0個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得るが、但し、Rが0のとき、Rは、水素原子である;
ここで、Rは、もし存在するなら、以下である:
(a)H;
(b)1個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、もし存在するなら、以下である:
【0017】
【化9】

【0018】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルまたは置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基から選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Yは、もし存在するなら、−OH、メチル、−SH、2個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝アルキル、1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルコキシ、またはCHであり、ここで、a+b=3、a=0〜3、b=0〜3であり、そしてZは、シアノ、ニトロまたはハロゲンである;
ここで、Rは、もし存在するなら、以下である:
(a)H;
(b)1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝アルキル;
ここで、Tは、もし存在するなら、OまたはSである。
【0019】
ある実施形態では、本発明の方法は、インビトロまたはインビボで実行される。
【0020】
別の局面では、本発明は、被験体における本明細書中で記述した活性または病気を治療する包装医薬組成物に関する。この包装医薬組成物は、容器および使用説明書を含み、該容器は、下記の式の1つを有する少なくとも1種のリポキシン化合物の治療有効量を保持し、そして該使用説明書は、該被験体における活性または病気を治療する該リポキシン化合物を使用する。
【0021】
具体的には、本発明は、以下を提供する:
(項目1)
気道または肺の障害を処置または予防する方法であって、該方法は、気道または肺の障害を処置または予防する必要のある被験体に、次式を有するリポキシン類似物およびそれらの薬学的に受容可能な塩の治療有効量を投与して、それにより、該被験体における気道または肺の障害を処置または予防する工程を包含する:
【0022】
【化1】

【0023】
ここで、Xは、R、ORまたはSRである;
ここで、Rは、以下である:
(i)水素原子;
(ii)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(iii)3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(iv)7個〜12個の炭素原子を有するアラルキル;
(v)フェニル;
(vi)以下の置換フェニル
【0024】
【化2】

【0025】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
(vii)検出可能標識分子;または
(viii)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝鎖アルケニル;
ここで、Qは、(C=O)、SOまたは(CN)であるが、但し、QがCNのとき、Xは、存在しない;
ここで、QおよびQは、それぞれ独立して、O、SまたはNHである;
ここで、RおよびRの一方は、水素原子であり、他方は、以下である:
(a)H;
(b)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(c)3個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するシクロアルキル;
(d)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルケニルであって、該アルケニルは、直鎖または分枝であり得る;または
(e)Rであって、ここで、Qは、−O−または−S−である;ここで、Rは、0個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキレンであって、該アルキレンは、直鎖または分枝であり得、ここで、Rは、0個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得るが、但し、Rが0のとき、Rは、水素原子である;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
【0026】
【化3】

【0027】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルあるいは置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基から選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Yは、−OH、メチル、−SH、2個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝アルキル、1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルコキシ、またはCHであり、ここで、a+b=3、a=0〜3、b=0〜3であり、そしてZは、シアノ、ニトロまたはハロゲンである;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝アルキル;
ここで、Tは、OまたはSである、
方法。
(項目2)
前記気道の前記障害が、慢性気管支炎である、請求項1に記載の方法。
(項目3)
前記気道の前記障害が、気管支拡張症である、請求項1に記載の方法。
(項目4)
前記気道の前記障害が、好酸球性肺疾患である、請求項1に記載の方法。
(項目5)
前記気道の前記障害が、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症である、請求項1に記載の方法。
(項目6)
前記気道の前記障害が、気道のアレルギー性炎症である、請求項1に記載の方法。
(項目7)
前記気道の前記障害が、細気管支炎である、請求項1に記載の方法。
(項目8)
前記気道の前記障害が、閉塞性細気管支炎である、請求項1に記載の方法。
(項目9)
前記気道の前記障害が、器質化肺炎を伴う閉塞性細気管支炎である、請求項1に記載の方法。
(項目10)
前記気道の前記障害が、好酸球性肉芽腫である、請求項1に記載の方法。
(項目11)
前記気道の前記障害が、ヴェグナー肉芽腫症である、請求項1に記載の方法。
(項目12)
前記気道の前記障害が、サルコイドーシスである、請求項1に記載の方法。
(項目13)
前記気道の前記障害が、過敏性肺炎である、請求項1に記載の方法。
(項目14)
前記気道の前記障害が、特発性肺線維症である、請求項1に記載の方法。
(項目15)
前記気道の前記障害が、結合組織病の肺症状発現である、請求項1に記載の方法。
(項目16)
前記気道の前記障害が、急性または慢性肺傷害である、請求項1に記載の方法。
(項目17)
前記気道の前記障害が、成人呼吸窮迫症候群である、請求項1に記載の方法。
(項目18)
前記気道の前記障害が、寄生虫感染に付随した肺傷害である、請求項1に記載の方法。
(項目19)
前記気道の前記障害が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項1に記載の方法。
(項目20)
前記気道の前記障害が、アスピリン不耐性喘息である、請求項1に記載の方法。
(項目21)
前記肺または組織の好酸球媒介炎症が、阻止または予防される、請求項1に記載の方法。
(項目22)
被験体における気道または肺の障害を処置または予防する包装医薬組成物であって、該医薬組成物は、容器および使用説明書を含み、該容器は、次式を有する少なくとも1種のリポキシン類似物およびそれらの薬学的に受容可能な塩の有効量を保持し、そして該使用説明書は、該被験体における気道または肺の障害を処置または予防する:
【0028】
【化4】

【0029】
ここで、Xは、R、ORまたはSRである;
ここで、Rは、以下である:
(i)水素原子;
(ii)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(iii)3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(iv)7個〜12個の炭素原子を有するアラルキル;
(v)フェニル;
(vi)以下の置換フェニル
【0030】
【化5】

【0031】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
(vii)検出可能標識分子;または
(viii)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝鎖アルケニル;
ここで、Qは、(C=O)、SOまたは(CN)であるが、但し、QがCNのとき、Xは、存在しない;
ここで、QおよびQは、それぞれ独立して、O、SまたはNHである;
ここで、RおよびRの一方は、水素原子であり、他方は、以下である:
(a)H;
(b)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(c)3個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するシクロアルキル;
(d)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルケニルであって、該アルケニルは、直鎖または分枝であり得る;または
(e)Rであって、ここで、Qは、−O−または−S−である;ここで、Rは、0個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキレンであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得、ここで、Rは、0個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキレンであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得るが、但し、Rが0のとき、Rは、水素原子である;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
【0032】
【化6】

【0033】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルあるいは置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基から選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Yは、−OH、メチル、−SH、2個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝アルキル、1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルコキシ、またはCHであり、ここで、a+b=3、a=0〜3、b=0〜3であり、そしてZは、シアノ、ニトロまたはハロゲンである;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝アルキル;
ここで、Tは、OまたはSである、
組成物。
(項目23)
前記気道の前記障害が、慢性気管支炎である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目24)
前記気道の前記障害が、気管支拡張症である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目25)
前記気道の前記障害が、好酸球性肺疾患である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目26)
前記気道の前記障害が、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目27)
前記気道の前記障害が、気道のアレルギー性炎症である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目28)
前記気道の前記障害が、細気管支炎である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目29)
前記気道の前記障害が、閉塞性細気管支炎である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目30)
前記気道の前記障害が、器質化肺炎を伴う閉塞性細気管支炎である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目31)
前記気道の前記障害が、好酸球性肉芽腫である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目32)
前記気道の前記障害が、ヴェグナー肉芽腫症である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目33)
前記気道の前記障害が、サルコイドーシスである、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目34)
前記気道の前記障害が、過敏性肺炎である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目35)
前記気道の前記障害が、特発性肺線維症である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目36)
前記気道の前記障害が、結合組織病の肺症状発現である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目37)
前記気道の前記障害が、急性または慢性肺傷害である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目38)
前記気道の前記障害が、成人呼吸窮迫症候群である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目39)
前記気道の前記障害が、寄生虫感染に付随した肺傷害である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目40)
前記気道の前記障害が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目41)
前記気道の前記障害が、アスピリン不耐性喘息である、請求項22に記載の包装医薬品。
(項目42)
前記肺または組織の好酸球媒介炎症が、阻止または予防される、請求項22に記載の包装医薬品。
【発明の効果】
【0034】
本発明のリポキシン(LX’s)(下記)により、気道の炎症を減らすだけでなく、アレルゲン感作およびエアロゾル攻撃に応じた応答性亢進も少なくなる。結果的に、本明細書中で開示されたリポキシンは、喘息およびそれに関連した気道および呼吸器の炎症障害を治療および/または予防するのに有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
(詳細な説明)
本発明の特徴および他の詳細は、今ここで、さらに詳細に記述され、請求項で指摘されている。本発明の特定の実施形態は、例として示されており、本発明を限定するものではないことが分かる。本発明の主な特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の実施形態で使用できる。
【0036】
喘息の有病率は、増加し続け、その最適な処置は、チャレンジすべき課題のままである。本発明は、マウス喘息モデルを使用する、肺炎症におけるリポキシンAおよびその白血球レセプターの作用を包含する方法に関する。アレルゲンチャレンジは、リポキシンAの気道生合成を開始し、そのレセプターの発現を増加した。リポキシンAの安定なアナログの投与は、白血球の動員の減少ならびに媒介物質(インターロイキン5、インターロイキン13、エオタキシン、プロスタノイドおよびシステイニルロイコトリエンを含む)レベルの減少により示されるように、気道過剰応答性と肺炎症との両方をブロックした。さらに、マウス白血球におけるヒトリポキシンAレセプターのトランスジェニック発現は、肺炎症およびエイコサノイド開始好酸球組織浸潤の両方の有意な阻害をもたらした。リポキシンAの安定アナログによる気道過剰応答性およびアレルギー性気道炎症の阻害は、気道応答におけるリポキシンA系およびその白血球レセプターについての独特な対抗制御プロフィールを強調し、そしてリポキシンおよび関連経路が、ヒト喘息における考慮事項について新規な多面的治療アプローチを提示することを示唆する。
【0037】
リポキシンA(LXA)は、炎症応答の間にアラキドン酸から迅速に生成され、ロイコトリエン(LT)とは異なり、LXAおよびその安定なアナログは、急性滲出性炎症の回復を促進する抗炎症特性を保有する。本発明は、LXAがまた、喘息の特徴的特徴である気道炎症および気管支反応性も調節することを、示す。オボアルブミン(OVA)感作からの気管支肺胞洗浄液(BAL)およびエアロゾル中の高レベルのシステイニルLTおよびプロスタグランジンE(PGE)の両方が、チャレンジしたマウスにおいて見出された。LXAもまた、これらの同じサンプルにおいて同定されたが、LTおよびPGよりも、それぞれ、1〜2対数桁低い濃度(15.01±3.26pg/ml、平均±平均値標準誤差、n=5)であった。LXAの安定なアナログ(その11,12アセチレンバージョンを含む)がOVAエアロゾルチャレンジの1〜2時間前に投与された場合、組織の好酸球、好中球、リンパ球および脈管損傷の顕著な減少が、観察された。このLXアナログはまた、OVA感作しチャレンジした動物において、IL−5、IL−13、およびエオタキシンの濃度の減少をもたらしたが、IL−12の濃度もTNFの濃度も減少しなかった。脂質媒介物質形成もまた、LXアナログ投与によって、PGEレベルおよびシステイニルLTレベルとして選択的にダウンレギュレートされたが、LTBは、減少されなかった。炎症応答に加えて、LXアナログの投与は、メタコリンに応答する気管支収縮を有意に阻害し、ED200は、チャレンジしていないマウスと類似した。LXAはcysLT1レセプターと相互作用し得るので、LX投与単独が、インビボで気道過剰反応を促進することが測定され、コントロールマウスと比較して、ED200の有意な差異は存在しなかった。LXAは、好酸球組織浸潤の強力な阻害を示したので、次に、アゴニスト開始好酸球蓄積に対するそのレセプター(ALXR)の過剰発現の影響を決定した。LTBおよびPGEをマウス耳皮膚に適用した13時間後、パンチ生検を、組織学と、好酸球ペルオキシダーゼ活性の定量とのために得た。同腹仔コントロール動物と被殻して、ALXRの発現増加は、2つの別個のトランスジェニック系統において、好酸球浸潤を顕著に阻害した。まとめると、これらの知見は、安定なアナログの利用を介するLXAバイオアベイラビリティの増加およびALXR発現増加の両方が、インビボにて、気道炎症および好酸球応答の強力な阻害を媒介することを示す。従って、本発明は、リポキシン、アスピリン誘導リポキシン、およびそれらの構造アナログについて、気道炎症、喘息、および関連障害における新規な使用を報告する。
【0038】
(抗原開始起動炎症の間のエイコサノイド形成)
オボアルブミン(OVA、10μg i.p.)に対する全身感作の後、雄Balb/cマウス(5〜7週齢)を、4日間連続してエアロゾル化OVA(6%、25分間)に曝した。最後のエアロゾルの24時間後、静脈内メタコリンに対する気管支応答性を、(参考文献14、15におけるように)決定し、気管支肺胞洗浄を実施し、組織を顕微観察のために収集した。そのように処理した動物は、メタコリンに対する気道過剰応答性および炎症(下記参照)(白血球浸潤、ならびにサイトカイン、ケモカインおよび生理活性液の生成を含む)の両方を示す。アレルゲン感作およびエアロゾルチャレンジの後、気管支肺胞洗浄液(BAL)において、高レベルのCysLT(139.0+/−27.3pg CysLT/ml、平均+/−平均値標準誤差、n=9)およびPGE(1117.7+/−103.8pg PGE/ml、平均+/−平均値標準誤差、n=5)の両方(表1)が、同定された。これらの同じBAL液において、LXAもまた、LTB(6.4±2.3pg LTB/ml、平均+/−平均値標準誤差、n=9)と同様のレベルにて存在した(15.0+/−3.3pg LXA/ml、平均+/−平均値標準誤差、n=5)が、CysLTおよびPGEよりも、それぞれ10分の1〜100分の1低い濃度であった(表1)。LXAは、非免疫マウス由来の無細胞BAL上清において検出されなかった。
【0039】
(リポキシンAは、メタコリンに対する気道過剰応答性を妨げる)
LXAがOVA誘導性気道過剰応答性からマウスを保護するか否かを決定するために、10μg/マウス(i.v.)のLXAアナログ(LXa)を投与した。このLXAアナログ(LXa)は、代謝不活化に耐性であり、そしてマウス腹側空気嚢において好中球蓄積および浸出液形成をブロックする7、16。OVAチャレンジの少なくとも60分間前に投与した場合、LXaは、メタコリンに応答する気管支収縮を、用量依存性様式で有意に阻害した(図1aおよびb)。LXa(10μg)を投与されたマウスについてのメタコリンに対するED200は、感作はしたがOVAでチャレンジしていないコントロールマウスの応答に近似した(図1b)。有害な生理学的影響も挙動的影響も、LXa処理マウスにおいて明らかではなかった。LXa投与単独は、インビボで気道過剰反応性を促進し、コントロールマウスと比較してED200に有意な差異がないこと(図1b)が、見出された。
【0040】
(リポキシンAは、アレルギー性肺炎症の重要なパラメーターを阻害する)
OVAアレルギーマウスにおける気道過剰応答性を鈍らせることに加えて、LXaの投与は、白血球浸潤、特に、組織の好酸球およびリンパ球ならびに脈管損傷を有意に減少した(図2)。BALにおいて、全白血球、好酸球、およびリンパ球が、用量依存性様式で急激に減少した(図3a)。LXaはまた、T2サイトカインIL−5、IL−13、ならびにエオタキシンの減少を、OVA感作しチャレンジした動物からのBAL液においてもたらした(図3b)。阻害は選択であるようであった。なぜなら、IL−12およびTNFのレベルは、同じBAL液サンプルにおいて決定した場合に、同様には減少しなかったからである(図3b)。LXaはまた、脂質媒介物質のレベルを調節した。なぜなら、PGEおよびCysLTの両方が、これらのマウスにおいて減少したが、LTBは減少しなかったからである(図3cおよびd)。これらの結果は、LXA模倣物の投与は、アレルギー性肺炎症(白血球浸潤を含む)の生成および気道病態生理における目的の特異的媒介物質(重要なサイトカインおよびエイコサノイドを含む)の形成を、有意に阻害し得る。
【0041】
(ヒトLXAレセプターの発現は、肺炎症を弱める)
アレルゲン感作およびOVAによるチャレンジは、インサイチュハイブリダイゼーションを用いて観察した浸潤性白血球および気道上皮細胞において、LXAレセプター(ALX)発現を増加した(図4)。OVAアレルギー性肺炎症および気道反応性がALXによる調節を受けやすいか否かを評価するために、CD11bプロモーターを使用してその白血球上にヒトALXを発現するトランスジェニックマウスの応答(方法を参照のこと)を、評価した。OVA感作およびエアロゾルチャレンジの後、ヒトALXトランスジェニック動物(ALX−tg)は、年齢および性別が一致する同腹仔コントロール(非tg)と比較した場合に、気道および脈管の損傷の減少を提示した。白血球浸潤物の明らかな減少が、気管支周囲空間および脈管周囲空間において観察された(図5a)。アレルゲンチャレンジしたALX−tgマウス由来のBALもまた、全白血球数、好酸球数、およびリンパ球数の減少を有し、それぞれ、63%、68%、および85%阻害された(図5b)。いくつかの重要な炎症促進ペプチドおよび脂質媒介物質のレベルもまた、ALX−tgマウスにおいて減少した。これらは、IL−13(77%阻害)、IL−5(71%阻害)およびCysLT(74%阻害)を含む(図5c)。さらに、ALX−tg動物におけるアレルゲン感作は、全血清IgEレベルによりモニターすると、鈍くなった(図5d)。OVA感作しチャレンジしたALX−tgマウスにおけるアレルギー性炎症の阻害にも関わらず、気道過剰応答性の有意な差異は、年齢および性別が一致する同腹仔と比較した場合に、観察されなかった(ピークPenhは、8.37±1.89(ALX−tg)および8.25±1.90(非tg)であり、平均+/−標準誤差、n=6であった)。
【0042】
(ヒトLXAレセプターの発現は、マウス好酸球組織浸潤を阻害する)
アレルギー性ALX−tgマウス肺において減少した組織白血球および炎症促進媒介物質の両方のレベルについて(図5)、インビボにおけるマウス好酸球動員に対するヒトALX発現の直接的影響を、試験した。マウス耳皮膚に対するLTB(1μg)およびPGE(1μg)の局所適用の後、6mm皮膚パンチ生検中に存在する好酸球ペルオキシダーゼ(EPO)活性により定量される、好酸球組織浸潤の有意な増加が存在した(図6)。同腹仔非tgコントロールと比較して、ヒトALXの発現は、2つの別個のマウストランスジェニック系統由来の耳皮膚組織において動員された好酸球の数を顕著に減少した(図6)。留意すべきことに、内因性LXAを、炎症した耳から回収した。それは、ALX−tg動物と非tg動物との間に有意に異なるレベルを伴わなかった(それぞれ、16.0+/−1.5pg/mgタンパク質および11.5+/−1.9pg/mgタンパク質)。白血球上でのヒトLTBレセプターの発現増加(CD11bプロモーターも使用した)は、非tg同腹仔コントロールと同様の大きさの好酸球浸潤を、このモデルにおいてもたらした。10μg程度の少ないLXaをマウス耳に局所投与すると、非tgマウスならびにLTB4レセプターの発現が増加したマウスの両方において、エイコサノイド刺激皮膚EPO活性を阻害した(図6)。まとめると、これらの知見は、LXA−ALX相互作用が、インビボで好酸球応答の強力な阻害を媒介し得ることを示す。
【0043】
(感作プロトコルおよびチャレンジプロトコル)
5週齢〜6週齢の雄FVB(Charles River Laboratories,Wilmington,Massachusetts)マウスを、ウイルス抗体を含まない条件下で、分離ケージ中に飼育した。Harvard Medical Area IRBの承認(Protocol #02570)の後、マウスを、オボアルブミン(OVA)(Grade III;Sigma Chemical Co.,St.Louis,Missouri)(10mg)+アジュバントとしての1mg水酸化アルミニウム(ALUM)(J.T.Baker Chmical Co.;Philipsburg,New Jersey)を、0.2ml PBS中にて、0日目および7日目に腹腔内注射することによって感作した。14日目、15日目、16日目、および17日目に、そのマウスに、LXAのアナログ(15−エピ,16−パラフルオロフェノキシ−LXA−メチルエステル)(10mg、21.7nmol)、モンテルカスト(13mg、21.7nmol)またはPBSを、1.6mM CaClおよび1.6mM MgCl(0.1ml)とともに、PBSまたは6% OVAのいずれかを含むエアロゾルチャレンジの少なくとも1時間前に、1日当たり25分間かけて静脈内注射することによって、投与した。18日目に、最後のエアロゾルチャレンジの24時間後に、両側性気管支肺胞(BAL)(1ml PBS+0.6mM EDTAの2アリコート)を、実施した。BAL液を遠心分離(2000g、10分間)し、細胞を、HBSS中に再懸濁し、血球計により数え、細胞遠心機(STATspin)(265g)によって、顕微鏡スライド上に濃縮した。細胞を、Wright−Giemsa染色(Sigma Chemical Co.)を用いて染色して、白血球差を(>200細胞を計数した後に)決定した。
【0044】
図7は、慢性喘息を処置するために使用される市販の薬物(モンテルカスト(Montelukast))と比較した、15−エピ,16−パラフルオロフェノキシ−LXA−メチルエステルによるアレルギー性気道炎症の調節を示す。モンテルカスト(Montelukast)は、ロイコトリエンアンタゴニストであり、米国特許第5,565,473号の主題である。この米国特許の内容は、その全体が本明細書中で援用される。図7は、LXAメチルエステルが、リンパ球減少に関してモンテルカスト(Montelukast)よりも申し分なく有効であることを提供する。
【0045】
これらの研究の結果として、LXAアナログは、マウス喘息モデルにおいて、アレルゲン感作およびエアロゾルチャレンジに応答する気道過剰応答性および炎症の両方を阻害する。これらのモデルは、ヒトおよび他の哺乳動物と相関しており、これらにおける確認のための受け入れられているモデルである。
【0046】
ヒト喘息における最近の臨床試験の結果は、気道炎症と気管支過剰応答性との間の関係に関する長期間保持されていた見解に挑戦した20,21が、本発明は、LXaが、実験的喘息モデルにおいてこれらの重要な喘息表現型の両方を防いだことを提供する。このことは、要約すると、有益な気道応答を生じるようである、インビボでの多面的影響を提示する。
【0047】
内因性LXAのこの長期作用性の安定なアナログ模倣物をOVAエアロゾルの前に投与した場合、メタコリンに対する気道過剰応答性および炎症のいくつかの尺度が、顕著に減少した。実際、薬理学的レベルのLXAは、チャレンジに対する気道平滑筋応答に対して直接的効果を有した。なぜなら、ヒト喘息患者に投与されるネイティブLXA自体が、LTC刺激性気道過剰応答性を阻害し22、そしてインビトロで気道平滑筋のLTD開始収縮をブロックする23からである。LXAアナログの同族高親和性レセプター(ALX)に対するLXAアナログの作用に加えて、LXAおよび本アナログ(アスピリン誘発性15エピマーLXAバイオテンプレートをもとに構築された;本明細書中でLXaと示される)は、LTD認識部位での高親和性での結合について競合し、インビトロでチャイニーズハムスター卵巣細胞において発現された組換えcysLT1レセプター12にて競合する。記録されたアレルギー性媒介物質におけるLX媒介性減少もまた、メタコリンに対する気道過剰応答性の発症からの観察された保護を一部担う。これに関して、組換えIL−4およびIL−13は、炎症細胞の動員も粘液生成も伴わずに、数時間以内に気道過剰応答性を誘導し24、IL−13は、インビトロでヒト気道平滑筋βアドレナリン作用性応答を減少し25、IL−5およびエオタキシンは、CysLTの生成を増加する26,27。これらは、強力な気管支収縮因子である28。まとめると、これらの知見は、局所的微小環境内で生成される内因性LXが、インビボにて複数の作用部位を介して気道過剰応答性を一時的に調節し減少して、この喘息表現型の発生において重要であると現在考えられている経路を、すなわち、白血球、上皮、および平滑筋に対するIL−5媒介性作用、IL−13媒介性作用およびCysLT媒介性作用を介して、対抗調節し得ることを示す。
【0048】
肺好酸球もまた、LXaを投与されたマウスにおいて急激に減少した。喘息における肺への好酸球動員は、主に、T2リンパ球活性化の結果である。この好酸球動員は、BAL液におけるT2サイトカインレベルの低下により示されるようにLXaにより減少し、そしてBAL液および肺組織の両方においてリンパ球の数を減少した。LXAは、ウロキナーゼプラスミノゲンアクチベーターレセプター(強力なリンパ球化学誘引物質29)とのALXの結合について競合することによって、リンパ球動員を阻害し得る。さらに、LXAは、好酸球化学走性を直接阻害し30、その安定なアナログ模倣物のうちのいくつかは、寄生動物モデルにおいて、インビボでエオタキシン形成をブロックし31、アレルゲン媒介性胸膜炎症の回復を促進する32。内因性LX生成は、微生物免疫の状況におけるIL−12よびIL−12生成に対する脾臓樹状細胞応答性を無効にする。アレルゲンチャレンジの間のLXa投与は、BAL液におけるIL−12レベルを有意には変化しなかった。このことは、樹状細胞の下流のアレルギー性炎症における別個のLXA作用部位を示唆する。まとめると、本発明は、インビボにおいて、喘息病理生理学を特徴付けるプロセスである、T2リンパ球および好酸球動員の両方についてのLXaおよびリポキシンアナログによる強力な阻害を提供する。さらに、LXaおよびリポキシンアナログがこれらの炎症応答を阻害する能力は、内因性LX生成が、健康において、気道およびアレルギー性炎症における中心的調節事象として役立つ可能性を引き起こす。
【0049】
LXは、アレルゲン誘導性気道炎症の間に内因的に生成された。回復したLXAの量は、LTBのレベルと同様であったが、これらのエイコサノイドの両方の量は、アレルゲンチャレンジマウスのBALにおけるCysLTまたはPGEのいずれよりも実質的に低かった。急性炎症応答の間の空間的分析および時間的分析は、回復した最大LXレベルが、LTまたはPGと比較して発生が遅延され、回復(すなわち、炎症の開始ではなく浸出液の減少)と同時であることを示す。従って、このモデルにおいて決定したアレルゲンチャレンジ後に内因的に生成したLXの局所レベルは、サンプル獲得の間隔を反映するだけではなく、BAL中に存在する媒介物質の細胞起源および肺における細胞生成物質に対する他の空間的関係をも反映する。
【0050】
LXAは、ALXと相互作用して、回復を促進する白血球選択的効果を媒介する7,8。本発明において、アレルギー性肺炎症は、マウス白血球におけるヒトALXの発現によって劇的に阻害され、血清中の全IgE、白血球組織浸潤、ならびにサイトカインおよび脂質媒介物質形成の顕著な減少をもたらした。留意すべきことに、メタコリンに対する気管支過剰応答性の並行減少は、ALX−tgマウスにおいては観察されなかった。炎症からの気道反応性の分離または解離自体は、最近の臨床試験において明らかにされ20,21、そしてCD11bプロモーターを発現する細胞(すなわち、白血球)および気道の非常在組織にhALX導入遺伝子の発現が制限されたことから生じ得た。興味深いことに、LXaを投与されたALX−tgマウスおよび非tgマウスは、IL−13およびCysLTの同様の減少を有した。これらの知見は、静脈内投与後の気管支過剰応答性のLXa媒介阻害についての機構が、別個であり、かつLXaと組換えCysLT1レセプターとの間の最近確立された直接的相互作用12におそらく付随したことを、示唆する。これらの本発明はまた、安定な模倣物(LXa)を介して薬理的に与えられるリガンドの増加またはレセプター(ALX)発現の増加が、アレルギー性肺炎症を予防し得ることも提供する。LX経路の内因性調節因子の解明は、さらに、炎症性肺疾患におけるその役割に対する洞察を提供する。これらに沿って、ヒトアスピリン非許容性喘息個体由来の全血は、アスピリン許容性喘息患者または健常個体と比較して減少したLX生合成能力を生じ34、このことは、部分的には、アスピリン非許容性喘息を有する患者におけるより長期間かつ重篤な臨床経過を説明すると考えられる。
【0051】
本発明は、気道過剰応答性および喘息性炎症におけるLX模倣物(本発明のリポキシンアナログ)の直接の防御的役割および調節的役割を提供する。LX模倣物がこれらの重要な喘息表現型の両方をインビボで阻害する能力を考慮すると、LX模倣物は、喘息に対する新規な処置および治療のアプローチを示す。喘息を制御するために1種類の気道媒介物質の作用を阻害するのではなく、LX(リポキシン)およびそれらの安定なアナログが、複数の機構を介して炎症の回復を促進する。その機構としては、白血球(好酸球およびリ
ンパ球)の動員および活性化の阻害;サイトカインおよびケモカインの生成;ならびに本明細書中で記載されるような、炎症促進性脂質媒介物質の生合成;ならびにアポトーシス性白血球の非炎症性クリアランスの刺激35、浮腫形成の阻止32、ならびに好中球輸送および機能的応答の阻害16が挙げられる。留意すべきことには、LX安定アナログは、コルチコステロイド13と同様の効力によって、インビボで好中球応答を阻害する。まとめると、本発明は、LXaのインビボ作用のプロフィールを提供し、これは、LX模倣物および関連化合物が、ヒト喘息患者の選択的集団における気道過剰応答性および肺炎症の処置に対する新規な治療アプローチを提供し得ることを、示す。
【0052】
本発明は、LXおよび本明細書中に記載されるそのアナログが、アレルゲン媒介性肺炎症および気道過剰応答性を潜在的に阻害する能力を驚くべきことに発見し、これらの化合物についての新規な多面的防御作用を確立する。さらに、これらの結果は、LX系(LXおよびALXを含む)が、喘息および関連する肺障害において目的にアレルギーおよび肺炎症を調節することにおいて、以前には認識されていなかった中心的な役割を果すことを示す。
【0053】
本発明のリポキシンアナログは、気道炎症、喘息、ならびに気道および肺の関連障害の処置および予防において有用である。この関連障害は、例えば、慢性気管支炎、気管支拡張症、好酸球性肺疾患(寄生生物感染、特発性好酸球性肺炎、およびチャーグ−ストラウス脈管炎を含む)、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、気道のアレルギー性炎症(鼻炎および静脈洞炎を含む)、細気管支炎、閉塞性細気管支炎、器質化肺炎を伴う閉塞性細気管支炎、好酸球性肉芽腫、ヴェーゲナー肉芽腫症、サルコイドーシス、過敏性肺臓炎、特発性肺線維症、結合組織疾患の肺症状発現、急性肺損傷または慢性肺損傷、成人呼吸促進症候群、および肺の他のいくつかの非感染性炎症障害である。
【0054】
さらに、本発明のリポキシンおよびリポキシンアナログは、組織損傷の肺移植のための物質の保存、寄生生物感染に関連する肺損傷、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(リポキシンおよびリポキシンアナログは、この疾患における浸潤性炎症細胞からの肺損傷を減少する)、アスピリン非許容性喘息、慢性炎症に起因する気道の破壊および機能喪失、敗血症性ショックの結果としての肺損傷、ならびに手術室誘導性肺症候群(operating
room−induced pumped lung syndrome)の結果としての肺損傷(肺の第二器官再灌流損傷(second−organ reperfusion injury)として公知)の阻害および/もしくは処置および/もしくは予防において、有用である。
【0055】
例えば、本発明のリポキシンアナログは、肺または組織の好酸球媒介性炎症;肺の好中球媒介性炎症;肺のリンパ球媒介性炎症;サイトカインおよびケモカイン(インターロイキン5、インターロイキン13、およびエオタキシンを含む)の生成;脂質媒介物質(プロスタグランジンEおよびシステイニルロイコトリエンを含む)の生成;気道過剰応答性;ならびに気道および脈管の炎症の、阻害、処置、および/または予防において有用である。
【0056】
これらのリポキシンは、リポキシゲナーゼ相互作用産物であるか、またはそのような産物に基づく。定義により、これらのリポキシンは、この種類の化合物における定義的特徴としての構造および3つのアルコール基を含む、共役テトラエンを含む。リポキシゲナーゼ/リポキシゲナーゼ相互作用は、細胞−細胞相互作用の間にもたらされ、15−リポキシゲナーゼ保有細胞または12−リポキシゲナーゼ保有細胞のいずれかとインビボで相互作用してリポキシンを生成し得る、5−リポキシゲナーゼ保有細胞により例証される。C15位置での立体化学は、S配置である。より最近には、アスピリンおよび非ステロイド性抗炎症薬物により阻害されプロスタノイドの生成にも関与する、シクロオキシゲナーゼが、新規な種類のテトラエン含有化合物の生成において役割を果し得る。このテトラエン含有化合物は、単離されて構造が明らかである(すなわち、15エピマー)形態のリポキシンであることが、発見された。
【0057】
驚くべきことに、独特な酵素的裂け目を有するシクロオキシゲナーゼ2(シクロオキシゲナーゼのアイソフォーム)の発見により、アスピリンによりその酵素のアセチル化が、プロスタグランジンの生成を阻害するだけではなく、そのアセチル化形態のCOX−2がアラキドン酸を転換して15RHETEを生成する継続的活性をもたらすことが、発見された。15RHETEは、好中球によって15−エピリポキシンへと転換される、生合成前駆体である。また、これらの化合物は、独特な生合成経路(すなわち、アスピリンによるシクロオキシゲナーゼ2のアセチル化、および天然リポキシンの作用を模倣する内因性媒介物質へのアラキドン酸の転換)により生成される細胞−細胞相互作用産物である。
【0058】
これらは、「アスピリン誘導性15−エピリポトキシン」、すなわち、C15位置のアルコール基とR配置とを保有するリポキシンと、呼ばれているものである。これらの2つの生化学的経路(すなわち、LO−LO相互作用 対 シクロオキシゲナーゼ2およびLOの相互作用)の間の区別は、これらの化合物の局所的媒介物質の役割に関して、いくつかの干渉作用を提供し、これらがインビボにおいて炎症促進プロセスを調節/下方調節するための内因性生物因子として有効であり得る。これらの構造に基づくアナログの設計および開発は、現在、同様の生物学的作用を有し、天然リポキシンの模倣物として役立つようである。しかし、遠くない将来、アスピリンCOX−2誘発性経路が、独特な作用プロフィール(すなわち、天然リポキシンに対して15−エピリポキシンに特異的な作用)を有し得ることが、明らかとなり得る。これらの2つの特徴の間に障壁を設定することは、化学構造を反映するだけではなく、その生合成的起源、ならびにヒトおよび哺乳動物の生物学および薬理学における可能な役割もまた、反映する。
【0059】
1実施形態では、本発明で有用なリポキシン類似物は、式(I)およびそれらの薬学的に受容可能な塩を有する:
【0060】
【化10】

【0061】
ここで、Xは、R、ORまたはSRである;
ここで、Rは、以下である:
(i)水素原子;
(ii)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(iii)3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(iv)7個〜12個の炭素原子を有するアラルキル;
(v)フェニル;
(vi)以下の置換フェニル
【0062】
【化11】

【0063】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、−NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
(vii)検出可能標識分子;または
(viii)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝鎖アルケニル;
ここで、Qは、(C=O)、SOまたは(CN)であるが、但し、QがCNのとき、Xは、存在しない;
ここで、QおよびQは、それぞれ独立して、O、SまたはNHである;
ここで、RおよびRの一方は、水素原子であり、他方は、以下である:
(a)H;
(b)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(c)3個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するシクロアルキル;
(d)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルケニルであって、該アルケニルは、直鎖または分枝であり得る;または
(e)Rであって、ここで、Qは、−O−または−S−である;ここで、Rは、0個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキレンであって、該アルキレンは、直鎖または分枝であり得、ここで、Rは、0個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得るが、但し、Rが0のとき、Rは、水素原子である;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
【0064】
【化12】

【0065】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、−NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルまたは置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基から選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Yは、−OH、メチル、−SH、2個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝アルキル、1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルコキシ、またはCHであり、ここで、a+b=3、a=0〜3、b=0〜3であり、そしてZは、シアノ、ニトロまたはハロゲンである;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝アルキル;
ここで、Tは、OまたはSである。
【0066】
他の実施形態では、本発明で有用な化合物は、式(II)およびそれらの薬学的に受容可能な塩を有する:
【0067】
【化13】

【0068】
ここで、Xは、R、ORまたはSRである;
ここで、Rは、以下である:
(i)水素原子;
(ii)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(iii)3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(iv)7個〜12個の炭素原子を有するアラルキル;
(v)フェニル;
(vi)以下の置換フェニル
【0069】
【化14】

【0070】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、−NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
(vii)検出可能標識分子;または
(viii)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝鎖アルケニル;
ここで、Qは、(C=O)、SOまたは(CN)であるが、但し、QがCNのとき、Xは、存在しない;
ここで、RおよびRの一方は、水素原子であり、他方は、以下である:
(a)H;
(b)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(c)3個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するシクロアルキル;
(d)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルケニルであって、該アルケニルは、直鎖または分枝であり得る;または
(e)Rであって、ここで、Qは、−O−または−S−である;ここで、Rは、0個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキレンであって、該アルキレンは、直鎖または分枝であり得、ここで、Rは、0個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得るが、但し、Rが0のとき、Rは、水素原子である;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
【0071】
【化15】

【0072】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、−NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルまたは置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基から選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Yは、−OH、メチル、−SH、2個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝アルキル、1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルコキシ、またはCHであり、ここで、a+b=3、a=0〜3、b=0〜3であり、そしてZは、シアノ、ニトロまたはハロゲンである;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝アルキル;
ここで、Tは、OまたはSである。
【0073】
本発明はまた、式(III)を有する有用なリポキシン化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩に関する:
【0074】
【化16】

【0075】
ここで、Xは、R、ORまたはSRである;
ここで、Rは、以下である:
(i)水素原子;
(ii)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(iii)3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(iv)7個〜12個の炭素原子を有するアラルキル;
(v)フェニル;
(vi)以下の置換フェニル
【0076】
【化17】

【0077】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、−NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
(vii)検出可能標識分子;または
(viii)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝鎖アルケニル;
ここで、Qは、(C=O)、SOまたは(CN)であるが、但し、QがCNのとき、Xは、存在しない;
ここで、RおよびRの一方は、水素原子であり、他方は、以下である:
(a)H;
(b)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(c)3個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するシクロアルキル;
(d)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルケニルであって、該アルケニルは、直鎖または分枝であり得る;または
(e)Rであって、ここで、Qは、−O−または−S−である;ここで、Rは、0個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキレンであって、該アルキレンは、直鎖または分枝であり得、ここで、Rは、0個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得るが、但し、Rが0のとき、Rは、水素原子である;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
【0078】
【化18】

【0079】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、−NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルまたは置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基から選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子であり、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝アルキル;
ここで、Tは、OまたはSである。
【0080】
本発明はまた、式(IV)を有する有用なリポキシン化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩に関する:
【0081】
【化19】

【0082】
ここで、Xは、R、ORまたはSRである;
ここで、Rは、以下である:
(i)水素原子;
(ii)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(iii)3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(iv)7個〜12個の炭素原子を有するアラルキル;
(v)フェニル;
(vi)以下の置換フェニル
【0083】
【化20】

【0084】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、−NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子であり、直鎖または分枝であり得る;
(vii)検出可能標識分子;または
(viii)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝鎖アルケニル;
ここで、Qは、(C=O)、SOまたは(CN)であるが、但し、QがCNのとき、Xは、存在しない;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
【0085】
【化21】

【0086】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、−NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルまたは置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基から選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝アルキル;
ここで、Tは、OまたはSである。
【0087】
本発明はまた、式(V)を有する有用なリポキシン化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩に関する:
【0088】
【化22】

【0089】
ここで、Xは、R、ORまたはSRである;
ここで、Rは、以下である:
(i)水素原子;
(ii)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(iii)3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(iv)7個〜12個の炭素原子を有するアラルキル;
(v)フェニル;
(vi)以下の置換フェニル
【0090】
【化23】

【0091】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、−NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
(vii)検出可能標識分子;または
(viii)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝鎖アルケニル;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
【0092】
【化24】

【0093】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、−NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルまたは置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基から選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る。
【0094】
ある実施形態では、Xは、ORであり、ここで、Rは、水素原子、1個〜4個の炭素原子を有するアルキル基または薬学的に受容可能な塩であり、Qは、C=Oであり、RおよびRは、もし存在するなら、水素原子であり、Rは、水素原子またはメチルであり、QおよびQは、もし存在するなら、共に、Oであり、Rは、もし存在するなら、水素原子であり、Yは、もし存在するなら、OHであり、Tは、Oであり、そしてRは、置換フェニル、例えば、以下である:
【0095】
【化25】

【0096】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、−NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子であり、直鎖または分枝であり得る。Rについてのある実施形態では、パラ−フルオロフェニルおよび/または非置換フェニル(例えば、15−エピ−16−(パラ−フルオロ)−フェノキシ−LXA、16−(パラ−フルオロ)−フェノキシ−LXA、15−エピ−16−フェノキシ−LXAまたは16−フェノキシ−LXA)が最適である。米国特許第5,441,951号に含まれている化合物は、本発明の特定の局面から除外する。
【0097】
さらに他の局面では、本発明は、上記式を有する化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含有する医薬組成物に関する。1実施形態では、この化合物は、以下である:
【0098】
【化26】

【0099】
ある実施形態では、Yは、ヒドロキシルであり、このヒドロキシルを支える炭素は、RまたはSの立体配置を有することができる。大ていの実施形態では、このヒドロキシル基(例えば、Y)を支えるキラル炭素は、当該技術分野で公知であるように、15−エピ−リポキシンと命名されている。
【0100】
ある実施形態では、R基、R基、Q基およびQ基を支える炭素のキラリティーは、それぞれ独立して、RまたはSのいずれかであり得る。ある実施形態では、QおよびQは、構造II、III、IVまたはVで示されたキラリティーを有する。
【0101】
ある実施形態では、Rは、水素である。他の実施形態では、Rは、水素である。
【0102】
さらに、Rは、置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基であり得、これは、1個と約6個の間の炭素原子、好ましくは、1個と4個の間の炭素原子、最も好ましくは、1個と3個の間の炭素原子、好ましくは、1個または2個の炭素原子を有する。これらの炭素原子は、置換基を有し得、これらには、ハロゲン原子、水酸基またはエーテル基が挙げられる。
【0103】
本発明で有用な化合物は、以下の合成図式により、調製できる:
【0104】
【化27】

【0105】
ここで、X、Ql、Q、Q、R、R、R、R、R、YおよびTは、上で定義したとおりである。各断片を生成するために、当該技術分野で公知の適切な方法が使用できる。例えば、そのアセチレン性断片は、Nicolaou,K.C.ら、(1991)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.30:1100;Nicolaou,K.C.ら、(1989)J.Org.Chem.54:5527;Webber,S.E.ら、(1988)Adv.Exp.Med.Biol.229:61;および米国特許第5,441,951号で述べられている方法により、調製できる。第二断片は、Raduchel,B.and Vorbruggen,H.(1985)Adv.Prostaglandin Thromboxane Leukotriene Res.14:263の方法により、調製できる。
【0106】
他の実施形態では、本発明で有用な化合物は、式(VI)およびそれらの薬学的に受容可能な塩を有する:
【0107】
【化28】

【0108】
ここで、Xは、R、ORまたはSRである;
ここで、Rは、以下である:
(i)水素原子;
(ii)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(iii)3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(iv)7個〜12個の炭素原子を有するアラルキル;
(v)フェニル;
(vi)以下の置換フェニル
【0109】
【化29】

【0110】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
(vii)検出可能標識分子;あるいは
(viii)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝鎖アルケニル;
ここで、Qは、(C=O)、SOまたは(CN)であるが、但し、QがCNのとき、Xは、存在しない;
ここで、QおよびQは、それぞれ独立して、O、SまたはNHである;
ここで、RおよびRの一方は、水素原子であり、他方は、以下である:
(a)H;
(b)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(c)3個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するシクロアルキル;
(d)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルケニルであって、該アルケニルは、直鎖または分枝であり得る;あるいは
(e)Rであって、ここで、Qは、−O−または−S−である;ここで、Rは、0個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキレンであって、該アルキレンは、直鎖または分枝であり得、ここで、Rは、0個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得るが、但し、Rが0のとき、Rは、水素原子である;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
【0111】
【化30】

【0112】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルあるいは置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基から選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Yは、−OH、メチル、−SH、2個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝のアルキル、1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルコキシ、またはCHであり、ここで、a+b=3、a=0〜3、b=0〜3であり、そしてZは、シアノ、ニトロまたはハロゲンである;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝のアルキル;
ここで、Tは、OまたはSである。
【0113】
本明細書全体にわたって記述したリポキシン化合物のアセチレン性部分の記載は、便宜なように描かれており、結合角度の実際の表示ではないことが理解できるはずである。
【0114】
他の実施形態では、本発明で有用な化合物は、式(VII)およびそれらの薬学的に受容可能な塩を有する:
【0115】
【化31】

【0116】
ここで、Xは、R、ORまたはSRである;
ここで、Rは、以下である:
(i)水素原子;
(ii)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(iii)3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(iv)7個〜12個の炭素原子を有するアラルキル;
(v)フェニル;
(vi)以下の置換フェニル
【0117】
【化32】

【0118】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
(vii)検出可能標識分子;または
(viii)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝鎖のアルケニル;
ここで、Qは、(C=O)、SOまたは(CN)であるが、但し、QがCNのとき、Xは、存在しない;
ここで、RおよびRの一方は、水素原子であり、他方は、以下である:
(a)H;
(b)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(c)3個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するシクロアルキル;
(d)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルケニルであって、該アルケニルは、直鎖または分枝であり得る;または
(e)Rであって、ここで、Qは、−O−または−S−である;ここで、Rは、0個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキレンであって、該アルキレンは、直鎖または分枝であり得、ここで、Rは、0個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得るが、但し、Rが0のとき、Rは、水素原子である;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
【0119】
【化33】

【0120】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルあるいは置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基から選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Yは、−OH、メチル、−SH、2個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝のアルキル、1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルコキシ、またはCHであり、ここで、a+b=3、a=0〜3、b=0〜3であり、そしてZは、シアノ、ニトロまたはハロゲンである;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝のアルキル;
ここで、Tは、OまたはSである。
【0121】
本発明はまた、式(VIII)を有する有用なリポキシン化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩に関する:
【0122】
【化34】

【0123】
ここで、Xは、R、ORまたはSRである;
ここで、Rは、以下である:
(i)水素原子;
(ii)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(iii)3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(iv)7個〜12個の炭素原子を有するアラルキル;
(v)フェニル;
(vi)以下の置換フェニル
【0124】
【化35】

【0125】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子であり、直鎖または分枝であり得る;
(vii)検出可能標識分子;または
(viii)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝鎖アルケニル;
ここで、Qは、(C=O)、SOまたは(CN)であるが、但し、QがCNのとき、Xは、存在しない;
ここで、RおよびRの一方は、水素原子であり、他方は、以下である:
(a)H;
(b)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(c)3個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するシクロアルキル;
(d)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルケニルであって、該アルケニルは、直鎖または分枝であり得る;あるいは
(e)Rであって、ここで、Qは、−O−または−S−である;ここで、Rは、0個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキレンであって、該アルキレンは、直鎖または分枝であり得、ここで、Rは、0個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得るが、但し、Rが0のとき、Rは、水素原子である;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
【0126】
【化36】

【0127】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルあるいは置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基から選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝のアルキル;
ここで、Tは、OまたはSである。
【0128】
本発明はさらに、式(IX)を有する有用なリポキシン化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩に関する:
【0129】
【化37】

【0130】
ここで、Xは、R、ORまたはSRである;
ここで、Rは、以下である:
(i)水素原子;
(ii)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(iii)3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(iv)7個〜12個の炭素原子を有するアラルキル;
(v)フェニル;
(vi)以下の置換フェニル
【0131】
【化38】

【0132】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
(vii)検出可能標識分子;または
(viii)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝鎖アルケニル;
ここで、Qは、(C=O)、SOまたは(CN)であるが、但し、QがCNのとき、Xは、存在しない;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
【0133】
【化39】

【0134】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルあるいは置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基から選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝のアルキル;
ここで、Tは、OまたはSである。
【0135】
本発明は、さらに、式(X)を有する有用なリポキシン化合物およびそれらの薬学的に受容可能な塩に関する:
【0136】
【化40】

【0137】
ここで、Xは、R、ORまたはSRである;
ここで、Rは、以下である:
(i)水素原子;
(ii)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(iii)3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(iv)7個〜12個の炭素原子を有するアラルキル;
(v)フェニル;
(vi)以下の置換フェニル
【0138】
【化41】

【0139】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
(vii)検出可能標識分子;または
(viii)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝鎖アルケニル;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
【0140】
【化42】

【0141】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルあるいは置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基から選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る。
【0142】
ある実施形態では、Xは、ORであり、ここで、Rは、水素原子、1個〜4個の炭素原子を有するアルキル基または薬学的に受容可能な塩であり、Qは、C=Oであり、RおよびRは、もし存在するなら、水素原子であり、Rは、水素原子またはメチルであり、QおよびQは、もし存在するなら、共に、Oであり、Rは、もし存在するなら、水素原子であり、Yは、もし存在するなら、OHであり、Tは、Oであり、そしてRは、置換フェニル、例えば、以下である:
【0143】
【化43】

【0144】
ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る。Rについてのある実施形態では、パラ−フルオロフェニルおよび/または非置換フェニルアセチレン性リポキシン(例えば、15−エピ−16−(パラ−フルオロ)−フェノキシ−アセチレン性LXA、16−(パラ−フルオロ)−フェノキシ−アセチレン性LXA、15−エピ−16−フェノキシ−アセチレン性LXAまたは16−フェノキシ−アセチレン性LXA)が最適である。米国特許第5,650,435号に含まれている化合物は、本発明の特定の局面から除外する。
【0145】
さらに他の局面では、本発明は、上記式を有する化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含有する医薬組成物に関する。1実施形態では、アセチレン性リポキシンは、以下である:
【0146】
【化44】

【0147】
ある実施形態では、Yは、ヒドロキシであり、このヒドロキシを支える炭素は、RまたはSの立体配置を有することができる。大ていの実施形態では、このヒドロキシ基(例えば、Y)を支えるキラル炭素は、当該技術分野で公知であるように、15−エピ−リポキシンと命名されている。
【0148】
他の実施形態では、このリポキシンアセチレン性類似物は、(XI)または薬学的に受容可能な塩である:
【0149】
【化45】

【0150】
ここで、Rは、低級アルキル基(すなわち、エチル、メチル)、水素原子である。リポキシンアセチレン性類似物XIは、図5および6で証明されているように、優れた抗炎症特性を有していた。
【0151】
ある実施形態では、R基、R基、Q基およびQ基を支える炭素のキラリティーは、それぞれ独立して、RまたはSのいずれかである。ある実施形態では、QおよびQは、構造II、III、IVまたはVで示されたキラリティーを有する。
【0152】
他の実施形態では、Rは、水素である。さらに他の実施形態では、Rは、水素である。
【0153】
さらに、Rは、置換または非置換の分枝または非分枝のアルキル基であり得、これは、1個と約6個の間の炭素原子、好ましくは、1個と4個の間の炭素原子、最も好ましくは、1個と3個の間の炭素原子、好ましくは、1個または2個の炭素原子を有する。これらの炭素原子は、置換基を有し得、これらには、ハロゲン原子、水酸基またはエーテル基が挙げられる。
【0154】
特に、上で確認した呼吸器病に有用なリポキシンおよびリポキシン類似物には、例えば、以下またはそれらの薬学的に受容可能な塩が挙げられる:
【0155】
【化46−1】

【0156】
【化46−2】

【0157】
【化46−3】

【0158】
ここで、Rは、1個〜20個の炭素原子を有する分枝または非分枝のアルキル基、アルキレン基またはアルキニル基(例えば、メチル基またはエチル基)、水素原子である。
【0159】
「リポキシンアナログ」は、「天然のリポキシン」の活性領域のように機能するが、天然のリポキシンとは異なる「代謝変換領域(metabolic transformation region)」を有する「活性領域」を有する化合物を意味するべきである。リポキシンアナログとしては、天然のリポキシンと構造的に類似した化合物、同じレセプター認識部位を共有する化合物、リポキシンと同じかまたは類似したリポキシン代謝変換領域を共有する化合物、およびリポキシンのアナログであると当該分野で認識されている化合物が挙げられる。リポキシンアナログとしては、リポキシンアナログ代謝物が挙げられる。本明細書中で開示される化合物は、1つ以上の不斉中心を含み得る。不斉炭素原子が存在する場合、1つより多くの立体異性体が可能であり、そして全ての可能な異性体形態が、示される構造表現内に含まれることが意図される。必要に応じて、活性な(R)異性体および(S)異性体は、当業者に公知の従来の技術を使用して分離され得る。本発明は、可能なジアステレオマーならびにラセミ体および光学的に分離された異性体を含むことを意図する。
【0160】
用語「対応するリポキシン」および「天然のリポキシン」とは、天然に存在するリポキシンまたはリポキシン代謝物をいう。アナログがリポキシン特異的レセプターに対する活性を有する場合、対応するリポキシンまたは天然のリポキシンは、このレセプターに対する通常のリガンドである。例えば、アナログが、分化HL−60細胞上のLXA特異的レセプターである場合、対応するリポキシンは、LXAである。アナログが、別の化合物(例えば、ロイコトリエンC4および/またはロイコトリエンD4)に対するアンタゴニストとしての活性を有する場合、これは、天然に存在するリポキシンによってアンタゴナイズされ、この天然のリポキシンは、対応するリポキシンである。
【0161】
「活性領域」とは、インビボ細胞相互作用と関連する天然のリポキシンまたはリポキシンアナログの領域を意味するべきである。この活性領域は、細胞リポキシンレセプターまたは高分子もしくは高分子の複合体(酵素およびその補因子を含む)の「認識部位」に結合し得る。本発明のリポキシンAアナログは、天然のリポキシンAのC−C15を含む活性領域を有する。リポキシンBアナログは、天然のリポキシンBのC−C14を含む活性領域を有する。
【0162】
用語「認識部位」またはレセプターは、当該分野で認識され、機能的高分子または高分子の複合体を一般にいうことが意図され、この機能的高分子または高分子の複合体と、特定の群の細胞メッセンジャー(例えば、ホルモン、ロイコトリエンおよびリポキシン)が最初に相互作用しなければならず、その後、これらのメッセンジャーに対する生化学的応答および生理学的応答が開始される。本願で使用される場合、レセプターは、インタクトまたは透過可能な細胞上で、または器官を含む組織中で、単離され得る。レセプターは、生きた被験体由来であり得るかまたは生きた被験体中に存在し得るか、あるいはこれはクローニングされ得る。レセプターは、通常、存在し得るか、またはこれは疾患状態によって、損傷によって、または人工的手段によって誘導され得る。本発明の化合物は、認識部位の天然の基質について、可逆的に、非可逆的に、競合的に、非競合的に、または不競合的に結合し得る。
【0163】
用語「代謝変換領域」は、一般に、リポキシン、リポキシン代謝物またはリポキシンアナログ(リポキシンアナログ代謝物を含む)の、酵素または酵素とその補因子が、その酵素または酵素と補因子が通常リポキシンに変換される1つ以上の代謝変換を実施することを試みる部分をいうことを意図する。代謝変換領域は、変換に対して感受性であってもなくてもよい。リポキシンの代謝変換領域の非限定的な例は、C−13,14二重結合またはC−15ヒドロキシル基あるいはその両方を含むLXAの部分である。
【0164】
用語「検出可能な標識分子」とは、検出可能な標識分子が結合する化合物またはレセプター認識部位をトレースするか、追跡するかまたは同定するために使用される、蛍光分子、リン光分子および放射標識分子を含むことを意味する。この標識分子は、当該分野で公知のいくつかの方法のいずれかによって検出され得る。
【0165】
用語「標識リポキシンアナログ」は、放射性同位体(例えば、トリチウム(H)、デューテリウム(H)、炭素(14C)であるが、これらに限定されない)で標識されるか、または他に(例えば、蛍光的に)標識された化合物を包含するとさらに理解される。本発明の化合物は、例えば、動力学的結合実験のため、代謝経路および酵素機構のさらなる解明のため、または分析化学の分野で公知の方法による特徴付けのために、標識されるかまたは誘導体化され得る。
【0166】
用語「代謝を阻害する」とは、ネイティブのリポキシンを代謝する酵素の活性のブロッキングまたは低下を意味する。ブロックまたは低下は、共有結合によって、非可逆的結合によって、非可逆的結合の実際的な効果を有する可逆的結合によって、または別のリポキシンアナログ(リポキシンアナログ代謝物、リポキシンまたはリポキシン代謝物を含む)に酵素が通常の様式で作用することを防止する任意の他の手段によって、生じ得る。
【0167】
用語「代謝に抵抗する」とは、リポキシンを代謝する少なくとも1つの酵素による1つ以上の代謝分解変換を受けないことを含むことを意味する。代謝に抵抗するLXAアナログの2つの非限定的な例は、1)15−オキソ形態に酸化され得ない構造、および2)15−オキソ形態に酸化され得るが、13,14−ジヒドロ形態への酵素的還元に対して感受性ではない構造、である。
【0168】
用語「より遅く代謝を受ける」とは、より遅い反応速度を有するか、またはリポキシンを代謝する1つ以上の酵素による一連の代謝変換の完了のためにより長い時間を必要とすることを意味する。より遅い代謝を受けるLXAアナログの非限定的な例は、そのアナログがC−16において構造的に妨害されているため、LXAよりもC−15脱水素についてのより高い遷移状態エネルギーを有する構造である。
【0169】
「組織」との用語は、無傷細胞、血液、血液製剤(例えば、血漿および血清)、骨、関節、筋肉、平滑筋および臓器を含むと解釈される。
【0170】
「ハロゲン」との用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、すなわち、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む意味である。ある局面では、本発明の化合物は、ハロゲン化化合物(例えば、フッ化化合物)を含まない。
【0171】
「被験体」との用語は、気道および肺の炎症、喘息、喘息関連障害、または本明細書全体にわたって一般に開示されている気道および肺の障害(これらに限定されない)が原因または寄与する状態または疾患に罹りやすい生物を含むと解釈される。被験体の例には、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギおよびマウスが挙げられる。被験体との用語は、さらに、遺伝子組換え種を含むと解釈される。
【0172】
本発明の化合物は、医薬品としてヒトおよび哺乳動物に投与するとき、それ自体で、または医薬組成物(これは、例えば、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、0.1〜99.5%(さらに好ましくは、0.5〜90%)の活性成分を含有する)として、投与できる。
【0173】
本明細書中で使用する「薬学的に受容可能なキャリア」との語句は、薬学的に受容可能な物質、組成物または媒体(例えば、液状または固形充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料)であって、本発明の化合物を、その意図される機能を果たすことができるように、被験体内またはそこに運搬または輸送することに関与しているものを意味する。典型的には、このような化合物は、ある器官または身体部分から他の器官または身体部分へと運搬または輸送される。各キャリアは、処方の他の成分と相溶性であり患者に有害ではないという意味で、「受容可能」でなければならない。薬学的に受容可能なキャリアとして供することができる物質の一部の例には、以下が挙げられる:糖(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース);デンプン(例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース);粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;滑石;賦形剤(例えば、カカオバターおよび坐剤ワックス);オイル(例えば、落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油);グリコール(例えば、プロピレングリコール);ポリオール(例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール);エステル(例えば、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル);寒天;緩衝剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);アルギン酸;発熱物質非含有水;等張性生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;および医薬処方物で使用される他の無毒の相溶性物質。
【0174】
ある実施形態では、本発明の化合物は、1個以上の酸性官能基を含有し得、それゆえ、薬学的に受容可能な塩基と薬学的に受容可能な塩を形成できる。本明細書中で使用する「薬学的に受容可能な塩、エステル、アミドおよびプロドラッグ」との用語は、本発明の化合物のカルボン酸塩、アミノ酸付加塩、エステル、アミドおよびプロドラッグであって、信頼できる医学的判断の範囲内で、過度の毒性刺激、アレルギー応答などなしで、患者の組織と接触して使用するのに適切であり、合理的な利点/危険比で釣り合っており、そして本発明の化合物の意図される用途に有効なものを意味する。「塩」との用語は、本発明の化合物の比較的に非毒性の無機酸付加塩および有機酸付加塩を意味する。これらの塩は、これらの化合物の最終的な単離および精製中に、または、精製した化合物をその遊離塩基形状で適切な有機酸または無機酸と別々に反応させることにより、そして、そのように形成された塩を単離することにより、インサイチュで調製できる。これらには、アルカリ金属およびアルカリ土類金属(例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)をベースにしたカチオンだけでなく、非毒性のアンモニウムカチオン、四級アンモニウムカチオンおよびアミンカチオン(これには、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどが含まれるが、これらに限定されない)が挙げられ得る。(例えば、Berge S.M.,ら、「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.,1977;66:1−19を参照;その内容は、本明細書中で参考として援用されている)。
【0175】
「薬学的に受容可能なエステル」との用語は、本発明の化合物の比較的に非毒性のエステル化生成物を意味する。これらのエステルは、これらの化合物の最終的な単離および精製中にて、インサイチュで、または精製した化合物を、その遊離酸形状またはヒドロキシルで、適切なエステル化剤と別々に反応させることにより、調製できる。カルボン酸は、触媒の存在下にて、アルコールで処理することにより、エステルに変換できる。この用語は、さらに、生理学的な条件下にて溶媒和できる低級炭化水素基(例えば、アルキルエステル、メチルエステル、エチルエステルおよびプロピルエステル)を含むと解釈される。ある実施形態では、このエステルは、メチルエステルではない(例えば、Bergeら(上記)を参照)。
【0176】
湿潤剤、乳化剤および滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)だけでなく、着色剤、離型剤、被覆剤、甘味料、調味料および香料、防腐剤および酸化防止剤もまた、これらの組成物中に存在できる。
【0177】
薬学的に受容可能な酸化防止剤の例には、以下が挙げられる:水可溶性酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン塩酸、硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど);油溶性酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなど);および金属キレート化剤(例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など)。
【0178】
本発明の処方物には、静脈内投与、経口投与、鼻内投与、局所投与、経皮投与、口腔内投与、舌下投与、直腸投与、膣内投与および/または非経口投与に適切なものが挙げられる。これらの処方物は、好都合には、単位剤形で提供され得、そして薬学分野で周知の任意の方法により、調製され得る。単位剤形を生成するためにキャリア物質と配合できる活性成分の量は、一般に、治療効果を生じる化合物の量である。一般に、100%のうち、この量は、約1%〜約99%、好ましくは、約5%〜約70%、最も好ましくは、約10%〜約30%の活性成分の範囲である。
【0179】
これらの処方物または組成物を調製する方法は、本発明の化合物を、このキャリアおよび必要に応じて、1種またはそれ以上の補助成分と会合させる工程を包含する。一般に、これらの処方物は、本発明の化合物を液状キャリアまたは細かく分割した固形キャリアまたはそれらの両方と均一かつ完全に会合させることにより、次いで、必要なら、その生成物を成形することにより、調製される。
【0180】
経口投与に適切な本発明の処方物は、カプセル、カシュ剤、丸薬、錠剤、ロゼンジ(味付け基剤(通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント)を使用する)、散剤、顆粒の形態であるか、または水性液体または非水性液体中の溶液または懸濁液、または水中油形または油中水形乳濁液、またはエリキシル剤またはシロップ、または香錠(不活性基剤(例えば、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシア)を使用する)および/またはうがい薬などであり得、各々は、活性成分として、所定量の本発明の化合物を含有する。本発明の化合物はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして、投与され得る。
【0181】
経口投与用の本発明の固形剤形(カプセル、錠剤、丸薬、糖衣錠、散剤、顆粒など)では、その活性成分は、1種またはそれ以上の薬学的に受容可能なキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二ナトリウム、および/または以下のいずれかと混合される:充填剤または増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸);結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシア);加湿剤(例えば、グリセリン);崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカのデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩および炭酸ナトリウム);溶液緩染剤(retarding agent)(例えば、パラフィン);吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物);湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびグリセリンモノステアレート);吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト粘土);滑沢剤(例えば、滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物);および着色剤。カプセル、錠剤および丸薬の場合、これらの医薬組成物はまた、緩衝剤を含有し得る。類似の形式の固形組成物はまた、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤だけでなく高分子量ポリエチレングリコールなどを使用する軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおいて、充填剤として、使用され得る。
【0182】
錠剤は、必要に応じて、1種またはそれ以上の補助成分と共に、圧縮または成形により、製造され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、グリコール酸ナトリウムデンプンまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤を使用して、調製され得る。成形錠剤は、適切な機械にて、不活性液状希釈剤で湿らせた粉末化化合物の混合物を成形することにより、製造され得る。
【0183】
本発明の医薬組成物の錠剤および他の固形剤形(例えば、糖衣錠、カプセル、丸薬および顆粒)は、必要に応じて、被覆および外殻(例えば、腸溶性被覆、および製薬処方分野で周知の他の被覆)と共に、保存(scored)または調製され得る。それらはまた、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(所望の放出プロフィールを得るために割合を変える際に)、他の高分子マトリックス、リポソームおよび/または微小球体を使用して、その中の活性成分の遅い放出、すなわち、徐放を生じるように、処方され得る。それらは、例えば、細菌保持フィルターで濾過することにより、または使用直前に滅菌固形組成物(これらは、滅菌水、または他のある種の無菌注射可能媒体に溶解できる)の形態で滅菌剤と混合することにより、滅菌され得る。これらの組成物はまた、必要に応じて、不透明化剤を含有し得、活性成分のみを放出する組成物であり得るか、必要に応じて、遅延様式で、優先的に、消化管の一部に存在し得る。使用され得る包埋組成物の例には、高分子物質およびワックスが挙げられる。この活性成分はまた、もし適切なら、1種またはそれ以上の上記賦形剤とのマイクロカプセル化形状であり得る。
【0184】
本発明の化合物を経口投与する液状剤形には、薬学的に受容可能な乳濁液、マイクロ乳濁液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が挙げられる。上記成分に加えて、これらの液状剤形は、当該技術分野で通常使用される不活性希釈剤(例えば、水または他の溶媒)、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、オイル(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセリン、テトラヒドロフラニルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物)を含有し得る。
【0185】
不活性希釈剤のほかに、これらの経口組成物はまた、補助剤、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、調味料、着色剤、香料および防腐剤を含有できる。
【0186】
これらの活性化合物に加えて、懸濁液は、懸濁剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、およびそれらの混合物を含有し得る。
【0187】
直腸投与または膣内投与用の本発明の医薬組成物の処方物は、坐剤として提供され得、これは、1種またはそれ以上の本発明の化合物と、1種またはそれ以上の適切な非刺激性賦形剤またはキャリア(これは、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスまたはサリチル酸塩を含有する)と混合することにより調製され得、室温で固体であるが、体温では、液状となり、従って、直腸腔または膣腔で融けて、この活性成分を放出する。
【0188】
膣内投与に適切な本発明の処方物には、また、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡剤または噴霧処方物が挙げられ、これらは、当該技術分野で公知の適切なキャリアを含有する。
【0189】
本発明の化合物を局所投与または経皮投与する剤形には、散剤、噴霧剤、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が挙げられる。この活性化合物は、無菌条件下にて、薬学的に受容可能なキャリア、および必要であり得る任意の防腐剤、緩衝剤または推進剤と混合され得る。
【0190】
これらの軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性成分に加えて、賦形剤(例えば、動物性脂肪および植物性脂肪、オイル、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物)を含有し得る。
【0191】
散剤および噴霧剤は、本発明の化合物に加えて、賦形剤(例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物)を含有し得る。噴霧剤としては、さらに、通例の推進剤(例えば、クロロフルオロハイドロカーボンおよび揮発性非置換炭化水素(例えば、ブタンおよびプロパン))が挙げられる。
【0192】
経皮パッチは、さらに、本発明の化合物を体内に制御送達するという利点がある。このような剤形は、この化合物を適切な媒体に溶解または分散することにより、製造できる。この化合物が皮膚を横切る流動を高めるために、吸収向上剤もまた、使用できる。このような流動速度は、速度制御膜を提供することにより、またはこの活性化合物を高分子マトリックスまたはゲルに分散することの、いずれかにより、制御できる。
【0193】
眼科処方、眼軟膏、散剤、溶液などもまた、本発明の範囲内であると企図される。
【0194】
非経口投与に適切な本発明の医薬組成物は、以下と組み合わせて、1種またはそれ以上の本発明の化合物を含有する:1種またはそれ以上の薬学的に受容可能な無菌等張性水溶液または非水性溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、または無菌散剤であって、これは、使用直前に、無菌注射可能溶液または分散液に再構成され得、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤、溶質(これは、その処方物を、意図される受容者の血液と等張性にする)または懸濁剤またては増粘剤を含有し得る。
【0195】
本発明の医薬組成物中で使用され得る適切な水性および非水性キャリアの例には、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)およびそれらの適切な混合物、植物油(オリーブ油)、および注射可能有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が挙げられる。適切な流動性は、例えば、被覆物質(例えば、レシチン)を使用することにより、分散液の場合、必要とされる粒径を維持することにより、そして、界面活性剤を使用することにより、維持できる。
【0196】
これらの組成物はまた、補助剤(例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤)を含有し得る。微生物の作用の阻止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸など)を含有させることにより、保証され得る。これらの組成物に等張剤(例えば、糖、塩化ナトリウムなど)を含有させることもまた、望まれ得る。それに加えて、注射可能医薬品形態の長期間にわたる吸収は、吸収を遅らせる試薬(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を含有させることにより、引き起こされ得る。
【0197】
ある場合には、薬剤の効果を長くするために、皮下注射または筋肉内注射からの薬剤の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水溶性に乏しい結晶性物質または非晶質物質の液状懸濁液を使用することにより、達成され得る。次いで、この薬剤の吸収速度は、その溶解速度に依存しており、これは、次いで、結晶サイズおよび結晶形状に依存し得る。あるいは、非経口投与した薬剤形状の遅延吸収は、その薬剤をオイル媒体に溶解または懸濁することにより、達成される。
【0198】
注射可能貯留(depot)形態は、生物分解性重合体(例えば、ポリ乳酸−ポリグリコリド)中にて、対象化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより、製造される。薬剤と重合体との比、および使用する特定の重合体の性質に依存して、その薬剤放出速度は、制御できる。他の生物分解性重合体の例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。貯留注射可能処方はまた、この薬剤をリポソームまたはマイクロ乳濁液(これらは、体組織と相溶性である)に取り込むことにより、調製される。
【0199】
本発明の調製物は、経口的、非経口的、局所的または直腸的に、投与され得る。それらは、もちろん、各投与経路に適切な形態により、投与される。例えば、それらは、錠剤またはカプセル形態で、注射、注入または吸入による注射、吸入、眼ローション、軟膏、坐剤などによる投与により、ローションまたは軟膏により局所的に、また、坐剤により直腸的に、投与される。静脈内注射投与が好ましい。
【0200】
本明細書中で使用する「非経口投与」および「非経口的に投与する」との語句は、通常、注射による経腸投与および局所投与以外の投与様式を意味し、これには、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、関節内、皮膜下、くも膜下、脊髄内および胸骨内への注射および注入が挙げられるが、これらに限定されない。
【0201】
本明細書中で使用する「全身投与」、「全身的に投与する」、「末梢投与」および「末梢的に投与する」との語句は、化合物、薬剤または他の物質の中枢神経系への直接投与以外を意味し、その結果、それは、患者の全身に入り、それゆえ、代謝および他の類似のプロセスを受ける(例えば、皮下投与)。
【0202】
これらの化合物は、治療用に、任意の適切な投与経路により、ヒトおよび動物に投与され得、これには、例えば、経口的に、鼻内的(例えば、噴霧による)、直腸的、膣内的、非経口的、槽内的および局所的(口腔内および舌下を含めて、散剤、軟膏または点眼液により)投与が挙げられる。
【0203】
選択した投与経路にかかわらず、本発明の化合物(これは、適切な水和形態および/または本発明の医薬組成物で、使用され得る)は、当業者に公知の通常の方法により、薬学的に受容可能な剤形に処方される。
【0204】
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投薬量レベルは、特定の患者、組成物および投与様式に対して、その患者に有害となることなく、所望の治療応答を達成するのに有効な活性成分の量を得るために、変えられ得る。
【0205】
選択される投薬量レベルは、種々の要因に依存しており、これには、使用する本発明の特定の化合物、それらのエステル、塩またはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用する特定の化合物の排泄速度、処置の持続時間、使用する特定の化合物と併用される他の薬剤、化合物および/または物質、治療する患者の年齢、性別、体重、状態、一般的な健康状態および病歴、および医学分野で周知の類似の要因が挙げられる。
【0206】
当該分野で通常の技術を有する医師または獣医師は、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定して処方できる。例えば、医師または獣医師は、その医薬組成物で使用される本発明の化合物の用量を、所望の治療効果を得るのに必要な量より少ないレベルで開始でき、所望の効果が達成されるまで、その投薬量を徐々に多くできる。
【0207】
一般に、本発明の化合物の適切な一日用量は、治療効果を生じるのに有効な最低の用量である化合物の量である。このような有効用量は、一般に、上記要因に依存している。一般に、患者に対する本発明の化合物の静脈内用量および皮下用量は、示された鎮痛効果に使用するとき、約0.0001〜約100mg/体重1kg/日、さらに好ましくは、約0.01〜約50mg/体重1kg/日、さらにより好ましくは、約0.1〜約40mg/体重1kg/日の範囲である。例えば、被験体の体重20グラムに対して、約0.01マイクログラムと20マイクログラムの間、約20マイクログラムと100マイクログラムの間および約10マイクログラムと200マイクログラムの間の本発明の化合物が投与される。
【0208】
もし望ましいなら、この活性化合物の有効一日用量は、必要に応じて、単位剤形で、その日全体にわたって、適切な間隔で、別々に投与される2個、3個、4個、5個、6個またはそれ以上の副用量として、投与され得る。
【0209】
吸入による本発明のリポキシン類似物の肺への送達は、本明細書全体を通じて述べた種々の呼吸器状態を治療する重要な方法であり、これには、気管支喘息および慢性閉塞性肺疾患のような一般的な局所状態が挙げられる。これらのリポキシン類似物は、呼吸できる大きさ(直径約10μm未満)の粒子のエアロゾルの形状で、肺に投与できる。このエアロゾル処方物は、液体または乾燥粉末として、存在できる。懸濁液として、液状エアロゾルで適切な粒径を保証するために、粒子は、呼吸できる大きさで調製でき、次いで、推進剤を含有する懸濁液処方物に取り込むことができる。あるいは、処方物は、その処方物の適切な粒径に関する問題を回避するために、溶液形状で調製できる。溶液処方物は、呼吸できる大きさの粒子または小滴を生じる様式で、調剤すべきである。
【0210】
エアロゾル処方物は、一旦、調製すると、計容量弁を備え付けたエアロゾルキャニスターに充填される。この処方物は、その用量を弁から被験体に向けるように適合したアクチュエータによって、調剤される。
【0211】
本発明の処方物は、(i)複数の治療的に有効な用量を提供するのに十分な量の、少なくとも1つのリポキシンアナログ;(ii)処方物の各々を安定化するのに有効な量の、水の添加;(iii)エアロゾルキャニスターからの複数の用量を推進するのに十分な量の、噴霧剤、および(iv)任意のさらなる任意成分(例えば、共溶媒としてのエタノール)、を組合せ、そしてこれらの成分を分散させることによって、調製され得る。これらの成分は、振盪または超音波エネルギーによって、従来のミキサーまたはホモジナイザーを使用して、分散され得る。バルク処方物は、バルブからバルブへの移動方法、圧力充填を使用することによって、または従来の冷却充填方法を使用することによって、より小さな個々のエアロゾルバイアルに移され得る。懸濁エアロゾル処方物において使用される安定化剤が推進剤中で可溶性である必要はない。十分には可溶性でない懸濁エアロゾル処方物は、適切な量で薬物粒子上にコーティングされ得、そしてこのコーティングされた粒子は、次いで、上記のように、処方物に組み込まれ得る。
【0212】
従来のバルブを備えるエアロゾルキャニスター(好ましくは、測定用量バルブ)は、本発明の処方物を送達するために使用され得る。従来のCFC処方物を送達するための測定用量バルブにおいて使用される従来のネオプレンバルブゴムおよびブナバルブゴムは、HFC−134aまたはHFC−277を含有する処方物と共に使用され得る。他の適切な材料としては、ニトリルゴム(例えば、DB−218(American Gasket
and Rubber,Schiller Park,III))またはEPDMゴム(例えば、VistalonTM(Exxon)、RoyaleneTM(UniRoyal)、bunaEP(Bayer))が挙げられる。熱可塑性エラストマー材料(例えば、ELEXOMERTM GERS 1085 NTポリオレフィン(Union Carbide))からの、押出し成形、射出成形または圧縮成形によるダイアフラム様式もまた適切である。
【0213】
本発明の処方物は、コーティングされたかまたはコーティングされていない、陽極処理されたかまたは陽極処理されていない、従来のエアロゾルキャニスター(例えば、アルミニウム、ガラス、ステンレス鋼、ポリエチレンテレフタレートのキャニスター)中に含まれ得る。
【0214】
本発明の処方物は、気管支拡張を行うため、または本明細書全体にわたって記載されるような、吸入による処置に対して感受性の状態(例えば、喘息、慢性閉塞性肺疾患など)を処置するために、経口吸入によって気道および/または肺に送達され得る。
【0215】
本発明の処方物はまた、本明細書全体にわたって記載される呼吸器状態を処置または予
防するために、当該分野で公知の鼻腔吸入によって送達され得る。
【0216】
本発明の化合物は単独で投与され得るが、この化合物を薬学的組成物として投与することが好ましい。
【0217】
本発明は、パッケージング材料を含む製品、およびパッケージング材料内に含まれるリポキシン処方物を特徴とする。この処方物は、少なくとも1つのリポキシンアナログを含み、そしてパッケージング材料は、この処方物が、1つ以上の呼吸器状態を処置するために、このような呼吸器状態を処置または予防するのに有効な量、頻度および持続時間で、被験体に投与され得ることを示すラベルまたはパッケージ挿入物を含む。このような状態は、本明細書中全体にわたって記載され、そして本明細書中に参考として援用される。
【0218】
より詳細には、本発明は、パッケージング材料を含む製品、およびパッケージング材料内に含まれるリポキシン処方物を特徴とする。この処方物は、少なくとも1つのリポキシンアナログを含む。このパッケージング材料は、この処方物が、喘息の被験体に、喘息の症状を処置または予防するのに有効な量、頻度および持続時間で、投与され得ることを示すラベルまたはパッケージ挿入物を含む。
【0219】
(方法)
(感作およびチャレンジのプロトコル)
5〜7週齢の雄性BALB/c(Charles River Laboratories,Wilmington,Massachusetts)または雌性hCD11b−hALX FvBトランスジェニックマウスを、ウイルス抗体を含まない条件下で、隔離ケージ中に収容した。Harvard Medical Area IRB承認(プロトコル#02570)後、マウスを、0日目および7日目に、オボアルブミン(OVA)(Grade III;Sigma Chemical Co.,St.Louis,Missoouri)(10μg)+アジュバントとしての0.2ml PBS中1mg水酸化アルミニウム(ALUM)(J.T.Baker Chemical Co.;Phillipsburg,New Jersey)の腹腔内注射で感作した。14日目、15日目、16日目および17日目に、マウスに、25分/日にわたる、PBSまたは6% OVAのいずれかを含むエアロゾルチャレンジの少なくとも1時間前に、静脈内注射によって、10μg/マウスのLXA(15−エピ,16−パラ−フルオロ−フェノキシ−LXA−メチルエステル、LXa)のアナログ(ref.16)またはPBSを、1.6mM CaClおよび1.6mM MgCl(0.1ml)と共に与えた。このアナログは、迅速な酵素不活化に耐性であるように設計され、そしてアスピリン誘発された15−エピ−LXA(ref.16)(これは、ネイティブのLXAに対してR配置すなわちエピマー(R)で、その炭素15位にアルコールを有する)の構造に基づいた。18日目に、最後のエアロゾルチャレンジの24時間後、静脈内メタコリン(33〜1000μg/kg)に対する気道応答性を測定し、両側性気管支肺胞洗浄(BAL)(2アリコートの1ml PBS+0.6mM EDTA)を実施し、そして組織(全血、肺、縦隔リンパ節および脾臓)を、組織学的分析のために回収した。肺耐性(R)を、密封固定質量血量計を使用して測定した。コントロール値の200%までRを増加させるのに必要なメタコリンの有効用量を、ED200として定義し、そして気道応答性の指標として使用した(refs.14、15におけるように)。気道応答性(Buxco)を評価するために全血血量計を使用して研究したマウスについて、各マウスを、チャンバ中に配置し、そしてボックス圧力/時間波形を分析して、気道閉塞の指標である、増強された休止(enhanced pause)を得た(Penh)。PBSまたはメタコリン(100mg/ml)を、4.5分にわたって、チャンバの入口を通してエアロゾルによって与えた。読み取りを、3分目に開始し、そして12分間続けた。ピークおよび1分平均のPenh値を決定した。血清総IgEレベルを、ELISA(Crystal Chem,Chicago,Illinois)によって決定した。マウスALXのインサイチュハイブリダイゼーションを、Dana−Farber/Harvard Cancer Center Pathology Core Facility(Dr.Massimo Lodaの監督下)の助けを得て、核酸+581〜+1115(GenBank登録番号NM008042)に対応するアンチセンスオリゴヌクレオチドプローブ(長さ534bp)を使用して実施した。
【0220】
(アレルゲンにより開始される呼吸炎症)
炎症メディエーターの測定を、無細胞BAL流体(2000g、10分)中で、高感度かつ特異的なELISAによって、インターロイキン−5(IL−5)、IL−13、エオタキシン(eotaxin)、腫瘍壊死因子(TNFα)(R&D Systems,Minneapolis,Minnesota)、LTB、システイニルLT、PGE(Cayman Chemical Co.,Ann Arbor,Michigan)およびLXA(Neogen,Lexington,Kentucky)について、タンデムで決定した。細胞を、HBSS中に再懸濁し、血球計によって数え上げ、そして細胞遠心分離(STATspin)(265g)によって顕微鏡スライド上に濃縮した。細胞を、Wright−Giemsa染色(Sigma Chemical Co.)で染色して、白血球の差異を決定した(計数後、200細胞以上)。
【0221】
(好酸球組織炎症)
LXa(10μlアセトン中10μg)またはビヒクルコントロールの局所的送達の5分後、PGE(1μg,Cayman Chemical Co.)+LTB(1μg,Cayman Chemical Co.)を、10μlアセトン(これは、迅速に蒸発する)を使用して、雄性マウス(hCD11b−hALX FvBトランスジェニック、hCD11b−hBLT FvBトランスジェニック36、または年齢および性別が一致した非トランスジェニックの同腹仔;4〜5月齢、体重30g)の左右の耳の内側に、局所的に適用した。13〜16時間後、直径6mmの皮膚パンチ生検(Acu−Punch,Fisher Scientific,Pittsburgh,Pensylvania)を得た。サンプルを、メスを用いて微細にスライスし、400μlのリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)(0.5%臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムを含む)中でホモジナイズし、その後、3サイクルの超音波処理および凍結−解凍を行った。粒子状物を、遠心分離(16,000gで20分間)によって除去し、得られた上清を、好酸球ペルオキシダーゼ(EPO)活性について、ref.37のように、アッセイした。簡潔には、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(HPA,Aldrich,Milwaukee,Wisconsin)(100μM)を、NaBr(100μM)の存在下で、部分的に精製されたEPO(約75〜150μgの抽出された耳皮膚タンパク質)に曝露した(37℃で10分間)。EPO活性を、HPAの一臭素化(Br−HPA)によってモニタリングした。Br−HPAを抽出するために、組織サンプルを、内部標準(L−チロシン(環)−d,Cambridge Isotopes,Andover,Massachusetts)を用いてスパイクし、0.1% TFAでの抽出のために、C18 SepPakカートリッジ(Waters,Milford,Massachusetts)に充填し、MeOH:dHO(1:1,v/v)+0.1% TFAで溶出し、減圧下で乾燥させ(回転蒸発)、そしてBSTFA(Pierce,Rockford,Illinois)で(一晩)誘導体化した。トリメチルシリル化HPA、Br−HPAおよびd−チロシンを、GC−MS(GCモデル#6890、MSモデル#5973,Hewlett Packard,San Fernando,California)によって検出した。HPA−TMSは、診断的分子イオン(M=310)および質量断片化で7.01分の保持時間を有し、m/z 295[M−CH],m/z 192[M−COOTMS]およびベースピークm/z 179[M−CHCOOTMS]を含んだ。Br−HPA−TMSは、診断的分子イオン(M=390)および質量断片化で9.30分の保持時間を有し、m/z 375[M−CH],m/z 272[M−COOTMS]およびベースピークm/z 259[M−CHCOOTMS]を含んだ。さらに、Br−HPAの質量分析は、一臭素化種の同位体パターンを実証した。EPO活性を、内部標準の回復(>80%)およびサンプルのタンパク質含量(BioRadタンパク質試薬によって決定される)(BioRad,Hercules,California)についての正規化を考慮して、HPAからBr−HPAへの転換%によって定量した。
【0222】
(表1)
【0223】
【表1】

【0224】
マウスを、OVAに対して感作し、そして4日間連続して6% OVAのエアロゾルで毎日チャレンジした(方法を参照のこと)。BALを、最後のOVAエアロゾルの24時間後に実施した。遠心分離後、エイコサノイドレベルを、無細胞BAL上清と共にELISAを用いて、決定した。値は、二連の決定の平均(pg/ml)である。
【0225】
(参考文献)
【0226】
【表2−1】

【0227】
【表2−2】

【0228】
【表2−3】

【0229】
【表2−4】

【0230】
【表2−5】

【0231】
【表2−6】

【0232】
当業者は、上記の実施形態に基づいて本発明のさらなる特徴および利点を理解する。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲により示される以外、詳細に示され記載されたものによって限定されない。背景の節に含まれるものを含む、本明細書に引用される全ての刊行物および参考文献は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【図面の簡単な説明】
【0233】
本発明は、添付の図面と共に解釈される以下の詳細な説明からより十分に理解される。
【図1】LXaを用いる気道過剰応答性の阻害。OVAで感作してマウスを、OVAエアロゾルチャレンジの前に、LXa(μg)(白丸)またはビヒクル(黒丸)で処置した。気道反応性を、肺抵抗性におけるメタコリン依存性変化(a)およびED200の計算(b)によって決定した。結果を、平均±SEMで表す((a)において、n≧17、そして(b)においてn≧6)。P<0.05(コントロール動物と比較したスチューデントt検定による)。
【図2】LXaで処置したマウスの肺組織病理学。マウスを感作し、そしてLXa(10μg)の非存在下(左欄)または存在下(右欄)で、OVAでエアロゾルチャレンジした。代表的な(n=3)肺組織切片(倍率:×40(a,b)、×100(d)、×200(c,e)および×400(f))を、ホルマリンで固定し、パラフィン包埋した組織から得、調製し、そしてヘマトキシリンよびエオジンで染色した。矢印は、好酸球脈管;br、気管支脈管:vを示す。
【図3】LXaは、気管支肺胞白血球浸潤および炎症メディエータを選択的に阻害する。気管支肺胞洗浄流体を、OVA感作して、チャレンジしたマウスから得た。気管支肺胞洗浄流体中の白血球を、Wright−Giemsa染色の後に、計数しそして同定した(a)。特定のサイトカイン(IL−5、IL−12、IL−13、エオタキシンおよびTNFα)のメディエータプロファイル(b)、およびPGE(c)、LTBおよびcysLT(d)を含む脂質メディエータのメディエータプロファイルを、コントロール動物およびLXa(10μg、i.v.)を受けた動物由来の物質におけるELISAによって決定した。結果を、平均±SEMで表す(n≧6、d≧2)。P<0.05(コントロール動物と比較したスチューデントt検定による)。
【図4】肺におけるマウスALXのインサイチュハイブリダイゼーション。マウスLXAレセプター発現を、OVA感作しそしてエアロゾルチャレンジした(OVA/OVA)マウス肺における、血管周辺白血球富化浸潤(上のパネル)および気道上皮(下のパネル)において検出した(代表的な明視野画像、倍率×400,n=3)。実験(PBS/PBS)および感作プローブコントロールを、比較のために示す。
【図5a】トランスジェニックマウスにおけるヒトALXの発現は、肺炎症を軽減する。ヒトALXトランスジェニックマウスの肺組織病理。非トランスジェニック(左欄)およびヒトALX−TGマウス(右欄)を、感作し、そしてOVAでエアロゾルチャレンジした。例示的(n=6)肺組織切片(倍率:×100(a,b)および×200(c,d))を、ホルマリン固定して、パラフィン包埋した肺組織から得、調製し、そしてヘマトキシリンおよびエオジンで染色した。br、気管支;v、脈管。
【図5b】BAL流体を得、白血球を計数し、そしてWright−Giemsa染色の後に同定した。細胞数における阻害%(b)、ならびに特定のサイトカインおよび脂質メディエータのメディエータプロファイルにおける変化(c)を決定した。血清の全IgEレベルを、OVAまたは緩衝液(PBS)のいずれかで感作/チャレンジしたマウス由来のサンプルにおける免疫アッセイによって決定した(d)。気道反応性を、Penhにおけるメタクロリン(100mg/ml)依存性変化によって決定した(e)。結果を、平均±SEMで表す(n=4、d≧2)。P<0.05(コントロール動物と比較したスチューデントt検定による)。
【図5c】BAL流体を得、白血球を計数し、そしてWright−Giemsa染色の後に同定した。細胞数における阻害%(b)、ならびに特定のサイトカインおよび脂質メディエータのメディエータプロファイルにおける変化(c)を決定した。血清の全IgEレベルを、OVAまたは緩衝液(PBS)のいずれかで感作/チャレンジしたマウス由来のサンプルにおける免疫アッセイによって決定した(d)。気道反応性を、Penhにおけるメタクロリン(100mg/ml)依存性変化によって決定した(e)。結果を、平均±SEMで表す(n=4、d≧2)。P<0.05(コントロール動物と比較したスチューデントt検定による)。
【図5d】BAL流体を得、白血球を計数し、そしてWright−Giemsa染色の後に同定した。細胞数における阻害%(b)、ならびに特定のサイトカインおよび脂質メディエータのメディエータプロファイルにおける変化(c)を決定した。血清の全IgEレベルを、OVAまたは緩衝液(PBS)のいずれかで感作/チャレンジしたマウス由来のサンプルにおける免疫アッセイによって決定した(d)。気道反応性を、Penhにおけるメタクロリン(100mg/ml)依存性変化によって決定した(e)。結果を、平均±SEMで表す(n=4、d≧2)。P<0.05(コントロール動物と比較したスチューデントt検定による)。
【図5e】BAL流体を得、白血球を計数し、そしてWright−Giemsa染色の後に同定した。細胞数における阻害%(b)、ならびに特定のサイトカインおよび脂質メディエータのメディエータプロファイルにおける変化(c)を決定した。血清の全IgEレベルを、OVAまたは緩衝液(PBS)のいずれかで感作/チャレンジしたマウス由来のサンプルにおける免疫アッセイによって決定した(d)。気道反応性を、Penhにおけるメタクロリン(100mg/ml)依存性変化によって決定した(e)。結果を、平均±SEMで表す(n=4、d≧2)。P<0.05(コントロール動物と比較したスチューデントt検定による)。
【図6】トランスジェニックマウスにおけるヒトALXの発現は、好酸球遊走を防止する。LTB(1μg)およびPGE(1μg)を、局所的に、マウス耳皮膚に適用し(13〜16時間)、そして組織生検におけるEPO活性を、HPAの臭素化によって決定した(方法を参照のこと)。値は、局所LXa(10μg/耳)の存在下および非存在下における非tg同腹仔(n=6)またはBLT−tg(n=2)マウスのpmol Br−HPA/μg全タンパク質、ならびに2つの別個のALX−tg系列(n=4)についての平均±SEMを表す。P<0.05(コントロール動物と比較したスチューデントt検定による)。
【図7】慢性喘息を処置するために使用される市販の薬物(Montelukast)と比較した、15−エピ,16−パラ−フルオロ−フェノキシ−LXA−メチルエステルによるアレルギー性気道炎症の調節を示す。このグラフは、LXAメチルエステルが、白血球減少の点において、Montelukastよりも統計的により有効であることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気道または肺の障害を処置または予防する方法であって、該方法は、気道または肺の障害を処置または予防する必要のある被験体に、次式を有するリポキシン類似物およびそれらの薬学的に受容可能な塩の治療有効量を投与して、それにより、該被験体における気道または肺の障害を処置または予防する工程を包含する:
【化1】

ここで、Xは、R、ORまたはSRである;
ここで、Rは、以下である:
(i)水素原子;
(ii)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(iii)3個〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(iv)7個〜12個の炭素原子を有するアラルキル;
(v)フェニル;
(vi)以下の置換フェニル
【化2】

ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルから選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
(vii)検出可能標識分子;または
(viii)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝鎖アルケニル;
ここで、Qは、(C=O)、SOまたは(CN)であるが、但し、QがCNのとき、Xは、存在しない;
ここで、QおよびQは、それぞれ独立して、O、SまたはNHである;
ここで、RおよびRの一方は、水素原子であり、他方は、以下である:
(a)H;
(b)1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
(c)3個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するシクロアルキル;
(d)2個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルケニルであって、該アルケニルは、直鎖または分枝であり得る;または
(e)Rであって、ここで、Qは、−O−または−S−である;ここで、Rは、0個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキレンであって、該アルキレンは、直鎖または分枝であり得、ここで、Rは、0個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得るが、但し、Rが0のとき、Rは、水素原子である;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜6個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルキルであって、該アルキルは、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Rは、以下である:
【化3】

ここで、Z、Zii、Ziii、ZivおよびZは、それぞれ独立して、NO、−CN、−C(=O)−R、−SOH、水素原子、ハロゲン、メチル、−ORおよびヒドロキシルあるいは置換または非置換の分枝または非分枝アルキル基から選択され、ここで、Rは、1個〜8個の炭素原子(これらの数値を含めて)であり、直鎖または分枝であり得る;
ここで、Yは、−OH、メチル、−SH、2個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝アルキル、1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有するアルコキシ、またはCHであり、ここで、a+b=3、a=0〜3、b=0〜3であり、そしてZは、シアノ、ニトロまたはハロゲンである;
ここで、Rは、以下である:
(a)H;
(b)1個〜4個の炭素原子(これらの数値を含めて)を有する直鎖または分枝アルキル;
ここで、Tは、OまたはSである、
方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−63084(P2006−63084A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320216(P2005−320216)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【分割の表示】特願2003−541824(P2003−541824)の分割
【原出願日】平成14年11月6日(2002.11.6)
【出願人】(500471962)ザ ブライハム アンド ウイミンズ ホスピタル, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】