説明

喘息治療支援システム

【課題】吸入器の使用情報を吸入器から離れた場所において確認できるシステムを提供すること。
【解決手段】本発明の喘息治療支援システム1は、送信装置101、管理サーバ102および表示装置103を備え、吸入器の使用に関する情報を、送信装置101から管理サーバ102を介して表示装置103に送信するシステムであって、送信装置101が、吸入器の操作を検出して吸入器の作動情報を出力する検出手段11と作動情報に基づいて吸入器の使用回数情報を算出する使用回数算出手段14と使用回数情報を管理サーバ102に送信する送信手段12とを備え、管理サーバ102が、使用回数情報を受信する受信手段22と使用回数情報を記憶する記憶手段25と上記使用回数情報を表示装置103に送信する送信手段22とを備え、表示装置103が、使用回数情報を受信する受信手段32と使用回数情報を表示する表示手段31とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喘息治療における吸入器の適切な使用を支援するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
喘息の治療において、気管支拡張剤およびステロイド剤などを、吸入器を用いて吸入することによって患部に作用させて、炎症の軽減および発作の予防を図ることが基本である。炎症の軽減および発作の予防を目的としていることから喘息患者は、小型の吸入器を常時、携行して定期的に吸入することが一般的である。小児喘息患者でも使用が容易な吸入器がすでに普及している。
【0003】
喘息の治療計画を適切に立てるためには、薬剤の投与量および薬剤の使用頻度を正確に把握し、かつ医師による定期的な診察を受けることが必要になる。ここで、小児などが吸入器を使用する場合には、適切な喘息の治療計画に沿った吸入器の使用に関する管理が不十分になるおそれがある。例えば、薬剤の残量を正確に把握できないこと、吸入器の使用方法が不適切なために所望の作用が得られていないこと、使用回数を誤って記憶することなどである。このように患者自身が吸入器の使用を十分に管理できない場合、保護者などが患者に代わって管理することが好ましいが、患者自身の認識の他に記録などが残るわけではなく、吸入器の使用を適切に管理することが困難であった。
【0004】
そこで、吸入器の使用回数をカウントして表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。このような技術によって、例えば、吸入器の使用回数および薬剤の残量を正確に把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2006/004498号パンフレット(2006年1月12日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記技術は、吸入器の使用回数をカウントして表示するだけであるために、以下のような問題を生じる。
【0007】
患者が表示された使用回数を見忘れてしまうと、薬剤の残量が少なくなっているにもかかわらず、それに気が付かないおそれがある。また、患者以外の人間が使用回数を確認できるのは、患者とその人間とが一緒にいるときに限られるので、定期的に表示を確認することが困難な上に手間がかかる。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸入器の使用に関する情報を吸入器から離れた場所において確認できるシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の喘息治療支援システムは、
送信装置、管理サーバおよび表示装置を備えており、吸入器の使用に関する情報を、上記送信装置から上記管理サーバを介して上記表示装置に送信する喘息治療支援システムであって、
上記送信装置が、
ユーザによる上記吸入器の操作を検出することによって、上記吸入器の作動を表す作動情報を出力する検出手段と、
上記作動情報に基づいて上記吸入器の使用回数を表す使用回数情報を算出する使用回数算出手段と、
上記使用回数情報を上記管理サーバに送信する送信手段と
を備えており、
上記管理サーバが、
上記送信装置からの上記使用回数情報を受信する受信手段と、
上記使用回数情報を記憶する記憶手段と、
上記使用回数情報を上記表示装置に送信する送信手段と
を備えており、
上記表示装置が、
上記管理サーバからの上記使用回数情報を受信する受信手段と、
上記使用回数情報を表示する表示手段と
を備えている。
【0010】
上記構成によれば、送信装置からの吸入器の使用回数を、当該送信装置とは異なる表示装置において表示することができる。よって、送信装置から離れた場所にある表示装置において、吸入器の使用回数を表示可能である。つまり、送信装置から離れた場所において吸入器の使用回数を把握できるので、吸入器のユーザ以外にも使用回数の確認が容易である。使用回数の確認が容易であるので、使用回数の確認漏れの頻度を低減し得る。
【0011】
また、本発明の喘息治療支援システムにおいて、
上記管理サーバの上記送信手段が、上記送信装置からの上記使用回数情報を受信した際に、上記使用回数情報を上記表示装置に自動送信してもよい。
【0012】
上記構成によれば、送信装置から離れた場所において、吸入器の使用回数をユーザに対してリアルタイムに伝えることができる。
【0013】
また、本発明の喘息治療支援システムにおいて、
上記表示装置が、上記使用回数情報の送信指示を上記管理サーバに送信する送信手段をさらに備えており、
上記管理サーバが、上記送信指示を受信する送信指示受信手段をさらに備えており、上記管理サーバの上記送信手段が、上記送信指示受信手段による上記送信指示の受信に基づいて、上記使用回数情報を上記表示装置に送信してもよい。
【0014】
上記構成によれば、所望のタイミングにおいて吸入器の使用回数をユーザに伝えることができる。
【0015】
また、本発明の喘息治療支援システムにおいて、
上記送信装置が、上記検出手段からの上記作動情報の出力に基づいて、上記吸入器の使用時刻を表す使用時刻情報を生成する使用時刻情報生成手段をさらに備えており、上記送信装置の上記送信手段が、上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記管理サーバに送信し、
上記管理サーバの上記受信手段が、上記送信装置からの上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記管理サーバの上記記憶手段が、上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を記憶し、上記管理サーバの上記送信手段が上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記表示装置に送信し、
上記表示装置の上記受信手段が、上記管理サーバからの上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記表示装置の上記表示手段が、上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を表示することが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、使用回数に加えて使用時刻をユーザに伝えることができる。したがって、例えば、適切な時刻に吸入器が使用された否か、吸入器の使用状況に普段とは違った点がないか否かなどを判断し得る、喘息の治療に有用な情報をユーザに提供し得る。
【0017】
また、本発明の喘息治療支援システムにおいて、
上記送信装置が、上記検出手段からの上記作動情報の出力に基づいて、上記吸入器の使用位置を表す使用位置情報を取得する使用位置情報取得手段をさらに備えており、上記送信装置の上記送信手段が、上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記管理サーバに送信し、
上記管理サーバの上記受信手段が、上記送信装置からの上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記管理サーバの上記記憶手段が、上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を記憶し、上記管理サーバの上記送信手段が上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記表示装置に送信し、
上記表示装置の上記受信手段が、上記管理サーバからの上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記表示装置の上記表示手段が、上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を表示することが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、使用回数に加えて使用位置をユーザに伝えることができる。したがって、例えば、吸入器が使用された位置(場所)が、普段と異なっていないかなどを判断し得る、喘息の治療に有用な情報をユーザに提供し得る。
【0019】
また、本発明の喘息治療支援システムにおいて、
上記送信装置が、上記検出手段からの上記作動情報の入力に基づいて、上記吸入器の使用時刻を表す使用時刻情報を生成する使用時刻情報生成手段と、上記検出手段からの上記作動情報の出力に基づいて、上記吸入器の使用位置を表す使用位置情報を取得する使用位置情報取得手段とをさらに備えており、上記送信装置の上記送信手段が、上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用位置情報を上記管理サーバに送信し、
上記管理サーバの上記受信手段が、上記送信装置からの上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記管理サーバの上記記憶手段が、上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を記憶し、上記管理サーバの上記送信手段が上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記情報表示装置に送信し、
上記情報表示装置の上記受信手段が上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記表示手段が上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を表示することが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、使用回数に加えて使用時刻および使用位置をユーザに伝えることができる。したがって、吸入器の使用回数、使用時刻および使用位置に基づいて、吸入器が適切に使用されているか否か、吸入器の使用状況に普段と変わった点があるか否かなどを判断し得る、喘息の治療に有用な情報をユーザに提供し得る。
【0021】
また、本発明の喘息治療支援システムにおいて、
携帯端末装置をさらに備えている喘息治療支援システムであって、
上記送信装置の上記送信手段が、上記携帯端末装置に上記使用回数情報を送信し、
上記携帯端末装置が、上記送信装置からの上記使用回数情報を受信する受信手段と、上記使用回数情報の受信に基づいて、上記吸入器の使用時刻を表す使用時刻情報を生成する使用時刻情報生成手段と、上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記管理サーバに送信する送信手段とを備えており、
上記管理サーバの上記受信手段が、上記送信装置からの上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記管理サーバの上記記憶手段が、上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を記憶し、上記管理サーバの上記送信手段が上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記表示装置に送信し、
上記表示装置の上記受信手段が、上記管理サーバからの上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記表示装置の上記表示手段が、上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を表示することが好ましい。
【0022】
上記構成によれば、送信装置は、使用回数情報のみを送信できればよいので、小型化および低消費電力を実現可能である。また、上述のように、喘息の治療に有用な情報をユーザに提供し得る。
【0023】
また、本発明の喘息治療支援システムにおいて、
携帯端末装置をさらに備えている喘息治療支援システムであって、
上記送信装置の上記送信手段が、上記携帯端末装置に上記使用回数情報を送信し、
上記携帯端末装置が、上記送信装置からの上記使用回数情報を受信する受信手段と、上記使用回数情報の受信に基づいて、上記吸入器の使用位置を表す使用位置情報を取得する使用位置情報取得手段と、上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記管理サーバに送信する送信手段とを備えており、
上記管理サーバの上記受信手段が、上記送信装置からの上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記管理サーバの上記記憶手段が、上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を記憶し、上記管理サーバの上記送信手段が上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記表示装置に送信し、
上記表示装置の上記受信手段が、上記管理サーバからの上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記表示装置の上記表示手段が、上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を表示することが好ましい。
【0024】
上記構成によれば、送信装置は、使用回数情報のみを送信できればよいので、小型化および低消費電力を実現可能である。また、上述のように、喘息の治療に有用な情報をユーザに提供し得る。
【0025】
また、本発明の喘息治療支援システムにおいて、
携帯端末装置をさらに備える喘息治療支援システムであって、
上記送信装置の上記送信手段が、上記携帯端末装置に上記使用回数情報を送信し、
上記携帯端末装置が、上記送信装置からの上記使用回数情報を受信する受信手段と、上記使用回数情報の受信に基づいて、上記吸入器の使用時刻を表す使用時刻情報を生成する使用時刻情報生成手段と、上記使用回数情報の受信に基づいて、上記吸入器の使用位置を表す使用位置情報を取得する使用位置情報取得手段と、上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記管理サーバに送信する送信手段とを備えており、
上記管理サーバの上記受信手段が、上記携帯端末装置からの上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記管理サーバの上記記憶手段が、上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を記憶し、上記管理サーバの上記送信手段が上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記情報表示装置に送信し、
上記情報表示装置の上記受信手段が上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記表示手段が上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を表示することが好ましい。
【0026】
上記構成によれば、送信装置は、使用回数情報のみを送信できればよいので、小型化および低消費電力を実現可能である。また、上述のように、喘息の治療に有用な情報をユーザに提供し得る。
【0027】
また、本発明の喘息治療支援システムにおいて、
上記管理サーバが、上記記憶手段に記憶されている上記使用回数情報および上記使用時刻情報に基づいて、上記吸入器の使用履歴を表す使用履歴情報を生成する使用履歴情報生成手段と、上記使用履歴情報を上記表示装置に送信する使用履歴情報送信手段とをさらに備えており、
上記表示装置が、上記管理サーバからの上記使用履歴情報を受信する使用履歴情報受信手段をさらに備えており、上記表示手段が上記使用履歴情報を表示することが好ましい。
【0028】
上記構成によれば、使用回数および使用時刻の履歴をユーザに提供することができる。したがって、例えば、吸入器の使用頻度が高い(低い)時間帯および季節などの統計的な情報を上記履歴から把握することができる。よって、喘息の治療にさらに有用な情報をユーザに提供し得る。
【0029】
また、本発明の喘息治療支援システムにおいて、
上記管理サーバが、上記記憶手段に記憶されている上記使用回数情報および上記使用位置情報に基づいて、上記吸入器の使用履歴を表す使用履歴情報を生成する使用履歴情報生成手段と、上記使用履歴情報を上記表示装置に送信する使用履歴情報送信手段とをさらに備えており、
上記表示装置が、上記管理サーバからの上記使用履歴情報を受信する使用履歴情報受信手段をさらに備えており、上記表示手段が上記使用履歴情報を表示することが好ましい。
【0030】
上記構成によれば、使用回数および使用位置の履歴をユーザに提供することができる。したがって、例えば、使用頻度の高い位置(場所)などの統計的な情報を上記履歴から把握することができる。よって、喘息の治療にさらに有用な情報をユーザに提供し得る。
【0031】
また、本発明の喘息治療支援システムにおいて、
上記管理サーバが、上記記憶手段に記憶されている上記使用回数情報、上記使用時刻情報および上記使用位置情報に基づいて、上記吸入器の使用履歴を表す使用履歴情報を生成する使用履歴情報生成手段と、上記使用履歴情報を上記表示装置に送信する使用履歴情報送信手段とをさらに備えており、
上記表示装置が、上記管理サーバからの上記使用履歴情報を受信する使用履歴情報受信手段をさらに備えており、上記表示手段が上記使用履歴情報を表示することが好ましい。
【0032】
上記構成によれば、使用回数、使用時刻および使用位置の履歴をユーザに提供することができる。したがって、多角的な観点から得られる統計的な情報を上記履歴から把握することができる。よって、喘息の治療にさらに有用な情報をユーザに提供し得る。
【0033】
また、本発明の喘息治療支援システムにおいて、
上記使用履歴情報が、上記吸入器の使用に関するアドバイス、グラフまたは地図であってもよい。
【発明の効果】
【0034】
以上のように、本発明の喘息治療支援システムは、吸入器の使用に関する有用な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態に係る喘息治療支援システムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る喘息治療支援システムの構成を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る送信装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る管理サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る表示装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る管理サーバの図4とは異なる処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る表示装置の図5とは異なる処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施形態に係る喘息治療支援システムの要部構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る送信装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施形態に係る管理サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の他の実施形態に係る表示装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施形態に係る喘息治療システムの要部構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係る携帯端末装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明の他の実施形態に係る管理サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】本発明の他の実施形態に係る表示装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】(a)は、使用履歴の表示例を示す図であり、(b)は、使用履歴の他の表示例を示す図であり、(c)は、使用履歴の他の表示例を示す図であり、(d)は、使用履歴の他の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
〔実施形態1〕
本発明に係る第1の実施形態について、図1〜図7を参照して以下に説明する。
【0037】
(喘息治療支援システム1)
本実施形態に係る喘息治療支援システム1について、図1を参照して以下に説明する。図1は、一実施形態に係る喘息治療支援システム1の要部構成を示すブロック図である。図1に示すように、喘息治療支援システム1は、送信装置101、管理サーバ102および表示装置103を備えている。3つの装置は、ネットワーク90を介して接続されている。本実施形態において、エアゾール型(加圧式定量噴霧型)の携帯用吸入器の使用状況を送信、管理および表示に適した喘息治療支援システム1を例にして説明する。
【0038】
(送信装置101)
図1に示すように、送信装置101は、押下動作検出部(送信装置の検出手段)11、通信部(送信手段)12、制御部13、押下回数カウント部(使用回数算出手段)14および記憶部15を備えている。各部材の詳細については後述する。
【0039】
(管理サーバ102)
図1に示すように、管理サーバ102は、コンテンツ生成部21、通信部(管理サーバの受信手段、送信手段)22、制御部23およびデータベース(記憶手段)25を備えている。本実施形態において、通信部22は、送信装置101からの情報を受信する構成、および表示装置103に情報を送信する構成、および表示装置103からの指示を受信する構成(送信指示受信手段)を兼ねている。各部材の詳細については後述する。
【0040】
(表示装置103)
図1に示すように、表示装置103は、表示部(表示手段)31、通信部(表示装置の受信手段)32、制御部33、入力部34および記憶部35を備えている。本実施形態において、管理サーバ102からの情報を受信する構成、および管理サーバ102に指示を送信する構成を兼ねている。各部材の詳細については後述する。
【0041】
(喘息治療支援システム1の概要)
本実施形態に係る喘息治療支援システム1の概要について、図2を参照して以下に説明する。図2は、一実施形態に係る喘息治療支援システム1の構成を示す模式図である。図2に示すように、吸入器111に取り付けられた送信装置101が、ユーザの指112による薬剤入りの缶111aの操作を検出する。送信装置101は、検出した結果に基づいて吸入器111の使用回数情報を算出して、管理サーバ102に送信する。管理サーバ102は、受信した使用回数情報を記憶し、かつ表示装置103に送信する。表示装置103は、受信した使用回数情報を表示する。ここで、表示装置103は、携帯端末装置103aまたは計算機103bであり得る。また、上述のように吸入器111は、エアゾール型の吸入器111である。エアゾール型の吸入器111は、ステロイドなどの薬剤入りの缶111aをセットして缶111aの上部が指112によって押されることによって、内部の薬剤が霧状に噴射される。よって、送信装置101を缶111aの上部に取り付けることによって、ユーザによる吸入器111の操作を検出可能である。
【0042】
これによって、管理サーバ102を介して送信された送信装置101からの吸入器111の使用回数を、送信装置101とは異なる表示装置103において表示することができる。よって、送信装置101から離れた場所にある表示装置103において、吸入器111の使用回数を表示可能である。つまり、送信装置101から離れた場所において吸入器111の使用回数を把握できるので、吸入器111のユーザ以外にも使用回数の確認が容易である。使用回数の確認が容易であるので、使用回数の確認漏れの頻度を低減し得る。
【0043】
(使用情報提供処理の詳細)
喘息治療支援システム1における吸入器の使用情報提供処理の詳細について、図3〜図5を参照して以下に説明する。図3は、一実施形態に係る送信装置101の処理の流れを示すフローチャートである。図4は、一実施形態に係る管理サーバ102の処理の流れを示すフローチャートである。図5は、一実施形態に係る表示装置103の処理の流れを示すフローチャートである。
【0044】
(送信装置101の処理の詳細)
図3に示すように、押下動作検出部11は、ユーザによる吸入器111の操作(押下動作)を検出すると(Yes)、吸入器111の作動を表す作動情報を生成して当該情報を押下回数カウント部14に出力する(S101)。押下動作検出部11は、ユーザによる吸入器111の操作が検出されなければ(No)、待機状態を継続する。
【0045】
押下回数カウント部14は、作動情報が入力されると、記憶部15に記憶されている使用回数情報を取得する。押下回数カウント部14は、記憶部15から取得した使用回数情報によって表される値(使用回数)に1を加算して、新たな使用回数情報を生成する。押下回数カウント部14は、新たな使用回数情報を制御部13に出力する。制御部13は、新たな使用回数情報が入力されると、送信装置101を特定する送信装置識別情報を記憶部15から取得する(S102)。制御部13は、新たな使用回数情報および送信装置識別情報を通信部12に出力する。ここで、送信装置識別情報は、例えば、送信装置101を特定するIDなどである。
【0046】
通信部12は、新たな使用回数情報および送信装置識別情報が入力されると、管理サーバ102に使用回数情報および送信装置識別情報を送信する(S103)。また、制御部13は、新たな使用回数情報を記憶部15に出力して、記憶部15に記憶されている使用回数情報に、新たな使用回数情報を上書きする(S104)。
【0047】
(管理サーバ102の処理の詳細)
図4に示すように、制御部23は、送信時刻設定の有無を判定する(S111)。ここで、データベース25には表示装置ごとに設定された送信時刻設定情報があらかじめ記録されている。制御部23は、この送信時刻設定情報に基づいて送信時刻設定の有無を判定する。送信時刻設定情報の詳細については後述する。制御部23が「無」(No)と判定すると、送信装置101からの情報または表示装置103からの指示を待つ待機状態になる。制御部23による判定が「有」(Yes)の場合については後述する。
【0048】
通信部22は、情報(または指示)を受信すると(Yes)、当該情報を制御部23に出力する(S113)。情報が未受信(No)の場合、通信部22は待機状態を継続する。
【0049】
制御部23は、情報が入力されると、その内容を判定する(S114)。制御部23は、その内容が送信装置101からの使用回数情報である(Yes)と判定した場合、使用回数情報とともに送信された送信装置識別情報に基づいて、情報の送信元である送信装置101を特定する。そして、制御部23は、送信装置101からの情報を送信すべき表示装置103を、データベース25に記録されている上記送信装置識別情報と関連付けられた表示装置識別情報に基づいて特定する(S115)。制御部23は、上記使用回数情報を、送信装置識別情報および表示装置識別情報と関連付けてデータベース25に記録する(S116)。制御部23がその内容を送信装置101からの使用回数情報ではないと判定した場合(No)については後述する。
【0050】
制御部23は、表示装置識別情報と関連付けられている自動送信設定の有無を判定する(S117)。制御部23が「有」と判定した場合(Yes)、上記使用回数情報をコンテンツ生成部21に出力する。コンテンツ生成部21は、データベース25から表示装置103に対する送信形式を取得して、上記使用回数情報を含むコンテンツを生成する。コンテンツ生成部21は、上記使用回数情報を含むコンテンツを通信部22に出力する。通信部22は、上記使用回数情報を含むコンテンツを表示装置103に送信する(S118)。制御部23が「無」と判定した場合(No)、管理サーバ102の処理が終了する。ここで、上記送信形式は、例えばメールの形式である。よって、この場合、コンテンツ生成部21は上記使用回数情報を含むメールを生成し、通信部22は当該メールを表示装置103に送信する。
【0051】
次に、S111において制御部23による判定が「有」(Yes)の場合、制御部23は、現在の時刻が設定時刻であるか否かをさらに判定する(S112)。制御部23が設定時刻である(Yes)と判定した場合、上述のS115の処理が行われる。表示装置103の特定は、上記送信時刻設定情報と関連付けられた表示装置識別情報に基づいて行われる。続いて制御部23は、当該表示装置識別情報と関連付けられている使用回数情報をデータベース25から取得する(S116)。S117以降の処理は、上述の通りである。なお、制御部23が設定時刻ではない(No)と判定した場合、送信装置101からの情報または表示装置103からの指示を待つ待機状態になる。
【0052】
次に、S114において制御部23がその内容を送信装置101からの使用回数情報ではない(No)と判定した場合、当該内容は、表示装置103からの使用回数情報送信指示を判定される。この場合、制御部23は、送信元の表示装置103に対する表示装置識別情報の入力要求の送信指示を通信部22に出力する。通信部は、当該送信指示に基づいて、表示装置識別情報の入力要求を表示装置103に送信する(S119)。
【0053】
通信部22は、表示装置103からの表示装置識別情報を受信する(S120)と、この表示装置識別情報を制御部23に出力する。制御部23は、この表示装置識別情報と一致する表示装置識別情報がデータベース25に記録されているか否かを判定する(S121)。制御部23がデータベース25に一致する表示装置識別情報が記録されている(Yes)と判定した場合、制御部23は当該表示装置識別情報に基づいて、送信すべき使用回数情報および表示装置103を特定する(S122)。制御部23は、データベース25から特定した使用回数情報を取得する(S123)。制御部23は、取得した使用回数情報をコンテンツ生成部21に出力する。コンテンツ生成部21は、データベース25から表示装置103に対する送信形式を取得して、上記使用回数情報を含むコンテンツを生成する。ここで、当該表示形式は、例えばワールドワイドウェブ(www)から取得して、端末装置によって表示可能な形式である。よって、この場合、コンテンツ生成部21は、例えばhtml形式にしたがって、上記使用回数情報を含むコンテンツを生成する。また、当該表示形式はメールであり得るので、コンテンツ生成部21は上記使用回数情報を含むメールを生成してもよい。
【0054】
S121において制御部23がデータベース25に一致する表示装置識別情報が記録されていない(No)と判定した場合、制御部23はエラー情報の送信指示を通信部22に出力する。通信部22は、出力された指示に基づいて、表示装置103にエラー情報を送信する。これによって、管理サーバ102は処理を終了する。ここで、エラー情報は、例えば、管理サーバ102に送信された表示装置識別情報が誤りであり、表示装置103からの指示が完了されずに中断されることを表す情報である。
【0055】
(表示装置103の処理の詳細)
図5に示すように、通信部32が情報を受信するか、または入力部34に指示が入力される(Yes)と、情報または指示が制御部33に出力される(S131)。制御部33は出力された情報または指示の内容を判定する(S132)。制御部33は、その内容が使用回数情報である(Yes)と判定した場合、表示部31に使用回数情報を出力する。表示部31は出力された使用回数情報を表示する(S133)。これによって、表示装置103の処理が終了する。なお、通信部32が情報を未受信であるか、または入力部34に指示が入力されていない(No)場合、表示装置103は待機状態を継続する。
【0056】
次にS132において制御部33が情報または指示の内容を使用回数情報ではない(No)と判定した場合、制御部33は、その内容が入力部34への使用回数情報の送信指示であるか否かを判定する(S134)。制御部33がその内容が入力部34への使用回数情報の送信指示である(Yes)と判定した場合、制御部33は、管理サーバ102への使用回数情報送信指示を通信部32に出力する。通信部32は、使用回数情報送信指示を管理サーバ102送信する(S135)。S134において制御部33がNoと判定した場合については後述する。
【0057】
通信部32が管理サーバ102から情報を受信すると、その情報を制御部33に出力する。制御部33は、情報の内容が表示装置識別情報の入力要求であるか否かを判定する(S136)。制御部33は、その内容が表示装置識別情報の入力要求である(Yes)と判定した場合、表示装置識別情報の入力要求を表示部31に出力する。表示部31は、表示装置識別情報の入力要求を表示する(S137)。入力部34に表示装置識別情報が入力される(Yes)と、入力部34は表示装置識別情報を制御部33に出力する(S138)。制御部33は表示装置識別情報の管理サーバ102への送信を通信部32に指示する。通信部32は表示装置識別情報を管理サーバ102に送信する(S139)。S138において入力部34に対して表示装置識別情報が未入力であれば(No)、表示装置103は入力待ちの状態を継続する。
【0058】
通信部32が管理サーバ102から情報を受信すると、その情報を制御部33に出力する。制御部33は、情報の内容が使用回数情報であるか否かを判定する(S140)。制御部33が情報の内容を使用回数情報である(Yes)と判定した場合、上述のようにS133において使用回数情報が表示部31によって表示される。制御部33が情報の内容をエラー情報である(No)と判定した場合、制御部33はエラー情報を表示部31に出力する。表示部31は制御部33からの出力に基づいてエラー情報を表示する(S141)。
【0059】
次にS134において制御部33が情報の内容が使用情報の送信指示ではない(No)と判定した場合、上述のS136において制御部33が情報のさらなる判定を行う。S136において制御部33が情報の内容を表示装置識別情報の入力要求ではない(No)と判定した場合、制御部33は表示部31にエラー情報の表示を指示する。上述のように表示部31は制御部33の指示に基づいてエラー情報を表示する。
【0060】
(本実施形態の作用・効果)
以上のように、吸入器111に取り付けられた送信装置101が、ユーザの指112による薬剤収納部111aの操作を検出する。送信装置101は、検出した結果に基づいて吸入器111の使用回数情報を算出して、管理サーバ102に送信する。管理サーバ102は、受信した使用回数情報を記憶し、かつ表示装置103に送信する。表示装置103は、受信した使用回数情報を表示する。ここで、表示装置103は、携帯端末装置103aまたは計算機103bであり得る。
【0061】
これによって、管理サーバ102を介して送信された送信装置101からの吸入器111の使用回数を、送信装置101とは異なる表示装置103において表示することができる。よって、送信装置101から離れた場所にある表示装置103において、吸入器111の使用回数を表示可能である。つまり、送信装置101から離れた場所において吸入器111の使用回数を把握できるので、吸入器111のユーザ以外にも使用回数の確認が容易である。使用回数の確認が容易であるので、使用回数の確認漏れの頻度を低減し得る。
【0062】
(喘息治療支援システム1における他の処理)
喘息治療支援システム1における他の処理の詳細について、図6および図7を参照して以下に説明する。図6は、一実施形態に係る管理サーバ102の送信設定処理の流れを示すフローチャートである。図7は、一実施形態に係る表示装置103の送信設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0063】
(管理サーバ102における送信設定処理の詳細)
図6に示すように、通信部22は、表示装置103からの自動送信設定指示を受信する(Yes)と、自動送信設定指示を制御部23に出力する(S151)。表示装置103からの自動送信設定指示を未受信(No)の場合、管理サーバ102は待機状態を継続する。制御部23は、自動送信設定指示を受けると、表示装置103に対する表示装置識別情報の入力要求の送信を通信部22に指示する。通信部22は、当該指示にしたがって、表示装置103に表示装置識別情報の入力要求を送信する(S152)。
【0064】
通信部22は、表示装置103からの表示装置識別情報を受信する(S153)と、表示装置識別情報を制御部23に出力する。制御部23は、受信した表示装置識別情報がデータベース25に記憶されているか否かを判定する(S154)。受信した表示装置識別情報がデータベース25に記憶されている(Yes)場合、制御部23は、自動送信設定情報の要求の送信を通信部22に指示する。通信部22は、自動送信設定情報の要求を表示装置103に送信する(S155)。ここで、自動送信設定情報は、例えば、管理サーバ102による使用回数情報の受信時に使用回数情報を表示装置103に自動送信するか否か、ある時刻になるとデータベース25に記録されている使用回数情報を表示装置103に自動送信するか否か、自動送信時の送信先、またはこれらの組み合わせを設定する情報である。
【0065】
通信部22は、表示装置103からの自動送信設定情報を受信する(S156)と、自動送信設定情報を制御部23に出力する。制御部23は、表示装置識別情報と関連付けて自動送信設定情報をデータベース25に記録するか、または上書きする(S157)。
【0066】
ここで、受信した表示装置識別情報がデータベース25に記憶されていない(No)場合、制御部23は、エラー情報の送信を通信部22に指示する。通信部22は、表示装置103にエラー情報を送信する(S158)。
【0067】
(表示装置103における送信設定処理の詳細)
図7に示すように、入力部34は、ユーザから自動送信設定指示の入力を受ける(Yes)と、制御部33に自動送信設定指示を出力する(S161)。制御部33は、管理サーバ102に対する自動送信設定指示の送信を通信部32に指示する。通信部32は、自動送信設定指示を管理サーバ102に送信する(S162)。S161において、ユーザから自動送信設定指示の入力を受けていない(No)場合、表示装置103は待機状態を継続する。
【0068】
通信部32は、表示装置識別情報の入力要求を管理サーバ102から受信する(S163)と、表示装置識別情報の入力要求を制御部33に出力する。制御部33は、表示部31に表示装置識別情報の入力要求の表示を指示する。表示部31は、表示装置識別情報の入力要求を表示する(S164)。
【0069】
入力部34は、ユーザから表示装置識別情報の入力を受ける(Yes)と、制御部33に表示装置識別情報を出力する(S165)。制御部33は、表示装置識別情報の出力を受けると、管理サーバ102に対する表示装置識別情報の送信を通信部32に指示する。通信部32は、管理サーバ102に表示装置識別情報を送信する(S166)。S165において、ユーザから表示装置識別情報の入力を受けていない(No)場合、表示装置103は待機状態を継続する。
【0070】
通信部32は、自動送信設定情報の要求を受信する(Yes)と、制御部33に自動送信設定情報の要求を出力する(S167)。制御部33は、自動送信設定情報の要求の出力を受けると、表示部31に自動送信設定情報の要求を送る。表示部31は、自動送信設定情報の要求を表示する(S168)。
【0071】
入力部34は、ユーザから自動送信設定情報の入力を受ける(Yes)と、制御部33に自動送信設定情報を出力する(S169)。制御部33は、自動送信設定情報の出力を受けると、管理サーバ102に対する自動送信設定情報の送信を通信部32に指示する。通信部32は、管理サーバ102に自動送信設定情報を送信する(S170)。S169において、ユーザから表示装置識別情報の入力を受けていない(No)場合、表示装置103は待機状態を継続する。
【0072】
なお、S167において、通信部32がエラー情報を受信した(No)場合、制御部33にエラー情報が出力される。制御部33は、表示部31にエラー情報を出力してその表示を表示部31に指示する。表示部31はエラー情報を表示して(S171)、表示装置103は処理を終了する。
【0073】
以上のような設定を行うことによって、本発明に係る喘息治療支援システム1は、ユーザが所望する種々のタイミングにおいて、吸入器の使用回数情報を介してユーザに提供可能である。
【0074】
(送信装置101から管理サーバ102への送信処理)
上述のように、送信装置101と管理サーバ102とは、ネットワーク90を介して接続されている。例えば、送信装置101から管理サーバ102に使用回数情報を送信する場合、送信装置101は、無線通信を介してその付近にある基地局などに使用回数情報を送信する。そして、使用回数情報を受信した基地局から管理サーバ102に有線通信を介して送信される。このようにして、送信装置101は、離れた場所にある管理サーバ102に対して使用回数情報を送信可能に構成されている。
【0075】
なお、送信装置101から管理サーバ102に使用回数情報を送信する場合、送信装置101の送信位置などが原因して、適切に送信完了できないことがあり得る。このような場合、送信装置101は、適切に送信が完了するまで、管理サーバ102に使用回数情報を再送信する。再送信の回数が所定の回数(例えば、10回など)に達したとき、所定の時間(例えば、5、10分間など)をおいて送信装置101は、管理サーバ102に対する使用回数情報の再送信を再開する。
【0076】
(ユーザによる吸入器の操作の検出)
本実施形態において、送信装置101は、上述のようにユーザによるエアゾール型の吸入器111の操作(押下動作)を検出している。ここで、送信装置101における押下動作検出部11を、吸入器のユーザによる他の動作を検出可能な従来公知の構成に変更するよって、エアゾール型以外の吸入器に対して本発明の喘息治療支援システム1を適用可能である。
【0077】
エアゾール型以外の吸入器としては、例えばドライパウダー型の吸入器が挙げられる。ドライパウダー型の吸入器は、粉末状の薬剤を吸入器のユーザの吸気によって能動的に吸入する吸入器である。一般的なドライパウダー型の吸入器は、薬剤が納められたパッケージを開封する(蓋を取り外すか、または蓋に孔を開ける)ことによって、吸入可能になる。そこで、例えば、吸入器のユーザによる吸入器内のパッケージを開封する動作を検出することによって、送信装置101は使用回数情報を算出可能である。
【0078】
〔実施形態2〕
本発明に係る第2の実施形態について、図8〜図13を参照して以下に説明する。
【0079】
(喘息治療支援システム1’)
本実施形態に係る喘息治療支援システム1’について、図8を参照して以下に説明する。図8は、一実施形態に係る喘息治療支援システム1’の要部構成を示すブロック図である。図8に示すように、喘息治療支援システム1’は、送信装置101’、管理サーバ102、表示装置103および位置情報通知装置104を備えている。4つの装置は、通信ネットワーク90を介して接続されている。本実施形態に係る喘息治療支援システム1’は、送信装置101’および位置情報通知装置104を備えている点について、第1の実施形態と異なっている。このため、管理サーバ102および表示装置103の構成については省略する。
【0080】
(送信装置101’)
図8に示すように、送信装置101’は、上述の送信装置101の構成に加えて、使用時刻情報生成部(送信装置の使用時刻情報生成手段)16および使用位置情報取得部(送信装置の使用位置情報取得手段)17をさらに備えている。使用時刻情報生成部16および使用位置情報取得部17における処理の詳細については後述する。
【0081】
(使用情報提供処理の詳細)
使用情報提供処理の詳細について図9〜図11を参照して以下に説明する。図9は、本実施形態に係る送信装置の処理の流れを示すフローチャートである。図10は、本実施形態に係る管理サーバの処理の流れを示すフローチャートである。図11は、本実施形態に係る表示装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【0082】
図9に示されている処理のうち、S201およびS204は、図3のS101およびS104と同じ処理である。また、図10に示されている処理のうち、S211〜S215、S217、S219〜S221およびS224は、図4のS111〜S115、S117、S119〜S121およびS124と同じ処理である。また、図11に示されている処理のうち、S231〜S232およびS234〜241は、図5のS131〜132およびS134〜141と同じ処理である。よって、ここでは、S202〜203、S216、S218、S222〜S223およびS233についてのみ処理の詳細を説明する。
【0083】
(送信装置101’の処理の詳細)
図9に示すように、S201の処理に基づいて、吸入器111の作動を表す作動情報を生成して当該情報を押下回数カウント部14、使用時刻情報生成部16および使用位置情報取得部17に出力する。
【0084】
作動情報の出力に基づいて、押下回数カウント部14は、上述のように使用回数情報を算出し、使用時刻情報生成部16は、現在の時刻を吸入器111の使用時刻情報として生成し、使用位置情報取得部17は、位置情報通知装置104から現在地を表す使用位置情報を吸入器111の使用位置として取得する(S202)。そして、押下回数カウント部14は使用回数情報を制御部13に出力し、使用時刻情報生成部16は使用時刻情報を制御部13に出力し、使用位置情報取得部17は使用位置情報を制御部13に出力する。
【0085】
ここで、使用時刻情報生成部16は、例えば、継続的に時刻を計っており、作動情報の出力時の時刻を特定することによって、使用時刻情報を生成する。また例えば、使用時刻情報生成部16は、作動情報の出力に基づいて、通信部12を介して外部から時刻情報を取得することによって、使用時刻情報を生成する。また、使用位置情報取得部17は、作動情報の出力に基づいて、通信部12を介して位置情報通知装置104から使用位置情報を取得する。位置情報通知装置104は、例えば、全地球測位システム(GPS:global positioning system)を構成する衛星、または基地局などである。よって、使用位置情報取得部17は、位置情報通知装置104が衛星である場合、衛星からの信号に基づいて使用位置情報を生成し、位置情報通知装置104が基地局である場合、基地局から取得した位置情報を直接利用する。
【0086】
制御部13は、出力された使用回数情報を、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けて、通信部12に出力する。この出力に基づいて、通信部12は、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報を、管理サーバ102に送信する(S203)。そして、S204を経て送信装置101は処理を終了する。
【0087】
(管理サーバ102の処理の詳細)
図10に示すように、S211〜S215の処理に基づいて、制御部23は、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報をデータベース25に記録する。S217を経て制御部23は、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報を通信部22に出力する。この出力に基づいて、通信部22は、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報を表示装置103に送信する(S218)。
【0088】
また、S214から分岐する処理として、S211〜S214およびS219〜S221の処理に基づいて、制御部23は、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報、ならびに送信先の表示装置103を特定する(S222)。そして、制御部23は、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報をデータベース25から取得して、通信部22に出力する。通信部22は、S218の処理を実行する。
【0089】
(表示装置103の処理の詳細)
図11に示すように、表示部31は、S231〜S232の処理に基づいて、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報を表示する。
【0090】
また、S232から分岐する処理として、S231〜S232およびS239の処理に基づいて、通信部32は、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報を受信する(S240)。通信部32は、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報を制御部33に出力する。制御部33は、表示部31に使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報を出力して、これらの表示を指示する。この指示に基づいてS233の処理が実行されて、表示装置103は処理を終了する。
【0091】
(本実施形態の作用・効果)
以上のように、本実施形態に係る喘息治療支援システム1’は、吸入器111の使用回数情報に、使用時刻情報および使用位置情報を付加してユーザに提供する。これによって、使用回数だけでは判断できない、喘息の治療に有用な種々の情報をユーザに提供可能である。例えば、ユーザは、治療計画に沿った適切な時刻に吸入器111が使用されたか否かを判断できる。また例えば、ユーザは、吸入器111の使用時刻が普段と異なっているか否かを判断できる。また例えば、ユーザは、吸入器が使用された位置(場所)が、普段と異なっていないかを判断できる。
【0092】
(送信装置101’の他の構成)
本実施形態において、送信装置101’は、使用時刻情報生成部16および使用位置情報取得部17を備えている。しかし、送信装置101’は、使用時刻情報生成部16または使用位置情報取得部17のいずれか一方を備えている構成であり得る。いずれの場合であっても、吸入器111の使用回数のみをユーザに提供する場合と比べて、喘息の治療に有用な情報をユーザに提供することができる。
【0093】
(使用時刻情報および使用位置情報の取得の変形例)
送信装置101’によって使用時刻情報および使用位置情報を取得する構成は、本発明に係る喘息治療支援システムの一構成例に過ぎない。送信装置101’を用いることなく、使用時刻情報および使用位置情報をさらに提供する喘息治療支援システム1’’について、図12を参照して説明する。図12は、本実施形態に係る変形例の喘息治療支援システム1’’の要部構成を示すブロック図である。
【0094】
図12に示すように、変形例の喘息治療支援システム1’’は、送信装置101、携帯端末装置105、管理サーバ102、表示装置103および位置情報通知装置104を備えている。送信装置101および携帯端末装置105は、無線通信ネットワーク91によって接続されている。また、携帯端末装置105、管理サーバ102、表示装置103および位置情報通知装置104は、ネットワーク90によって接続されている。喘息治療支援システム1’’は、送信装置101が携帯端末装置105を介して管理サーバ102に接続されている点について、第1の実施形態と異なっている。このため、送信装置101、管理サーバ102および表示装置103の構成については省略する。
【0095】
(携帯端末装置105)
図12に示すように、携帯端末装置105は、使用時刻情報生成部(携帯端末装置の使用時刻情報生成手段)51、通信部52、制御部53、使用位置情報取得部(携帯端末装置の使用位置情報取得手段)54、記憶部55および表示部56を備えている。携帯端末装置105は、例えば、吸入器111のユーザが携行する携帯電話機などである。各部材の処理の詳細については後述する。
【0096】
(使用情報提供処理の変形例の詳細)
使用情報提供処理の変形例の詳細について図13を参照して以下に説明する。図13は、携帯端末装置105の処理の流れを示すフローチャートである。
【0097】
(送信装置101の処理の詳細)
図12に示すように、本実施形態の送信装置101は、無線通信ネットワーク91を介して携帯端末装置105に接続されている。したがって、図3のS103において通信部12が使用回数情報および送信装置識別情報を、管理サーバ102ではなく携帯端末装置105に送信する点についてのみ、第1の実施形態と異なる。よって他の処理の詳細は省略する。
【0098】
(携帯端末装置105の処理の詳細)
図13に示すように、通信部52は、送信装置101から使用回数情報および送信装置識別情報を受信する(Yes)と、制御部53に使用回数情報および送信装置識別情報を出力する(S301)。送信装置101から使用回数情報および送信装置識別情報を受信していない(No)場合、携帯端末装置105は待機状態を継続する。
【0099】
制御部53は、通信部52の出力に基づいて、使用時刻情報生成部51に使用時刻情報の生成を指示し、かつ使用位置情報取得部54に使用位置情報の取得を指示する。これらの指示に基づいて、使用時刻情報生成部51は使用時刻情報を生成し、かつ使用位置情報取得部54は位置情報通知装置104から使用位置情報を取得する(S202)。使用時刻情報の生成および使用位置情報の取得の詳細は、図9のS202における処理と同様である。
【0100】
使用時刻情報生成部51および使用位置情報取得部54は、それぞれが生成または取得した使用時刻情報および使用位置情報を制御部53に出力する。この出力に基づいて、制御部53は、使用回数情報に使用時刻情報および使用位置情報を関連付ける。そして、制御部53は、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報、および送信装置識別情報を通信部52に出力する。この出力に基づいて、通信部52は、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報、および送信装置識別情報を管理サーバ102に送信する(S303)。ここで、通信部52は、例えば、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報、および送信装置識別情報を、これらの情報を含むメールとして管理サーバ102に送信する。
【0101】
(管理サーバ102の処理の詳細)
図12に示されるように、本実施形態の管理サーバ102は、ネットワーク90を介して携帯端末装置105に接続されている。したがって、図10のS214において通信部22が、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報、および送信装置識別情報を、送信装置101’ではなく携帯端末装置105から受信する点についてのみ、喘息治療支援システム1’と異なる。よって他の処理の詳細は省略する。
【0102】
(変形例の作用・効果)
以上のように、変形例の喘息治療支援システム1’’は、吸入器111の使用時刻情報および使用位置情報を、送信装置101とは別の携帯端末装置105によって生成・取得する。このため、送信装置101は、使用回数情報のみを算出すればよいので、装置の小型化および省電力化を実現できる。
【0103】
(携帯端末装置105の他の構成)
上述のように、携帯端末装置105は、記憶部55および表示部56を備えている。よって、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報を記憶部55に記憶して、表示部56によって表示することができる。つまり、吸入器111のユーザおよび表示装置103のユーザの両方によって、使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報を確認することができる。このため、(使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた)使用回数情報の確認漏れをより一層、防止することができる。
【0104】
(提供する情報の応用例)
上述のような使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報の提供は、喘息治療支援システム1’’による使用情報提供処理の一例に過ぎない。例えば、管理サーバ102において、管理サーバ102のデータベース25に記憶された使用時刻情報および使用位置情報と関連付けられた使用回数情報に基づいて、コンテンツ生成部(使用履歴情報生成部)21が吸入器111の使用履歴情報を生成して、ユーザに提供してもよい。このような場合の管理サーバ102および表示装置103の処理の詳細について、図14〜図16を参照して以下に説明する。
【0105】
図14は、応用例に係る管理サーバの処理の流れを示すフローチャートである。図15は、応用例に係る表示装置の処理の流れを示すフローチャートである。図16の(a)は、使用履歴の表示例を示す図であり、(b)は、使用履歴の他の表示例を示す図であり、(c)は、使用履歴の他の表示例を示す図であり、(d)は、使用履歴の他の表示例を示す図である。
【0106】
図14における処理のうち、S401〜S406、S408、S409〜S414およびS416は、図10のS211〜S216、S217およびS219〜S224と同じ処理である。図15における処理のうち、S421〜S422、S424〜S429およびS431は、図11のS231〜S232、S234〜S239およびS241と同じ処理である。よって、以下において、S405〜S407、S415、S423およびS430の詳細についてのみ説明する。
【0107】
(管理サーバ102の処理の詳細)
図14に示すように、S401〜S406の処理に基づいて、制御部23は、使用回数情報、使用時刻情報および使用位置情報をコンテンツ生成部21に出力する。この出力に基づいて、コンテンツ生成部21は、使用回数情報、使用時刻情報および使用位置情報に基づいて、吸入器111の使用履歴情報を生成する(S407)。ここで、当該使用履歴情報は、例えば、過去の使用回数情報、使用時刻情報および使用位置情報から作成された図、表またはグラフのデータを添付したメールなどである。S408を経てコンテンツ生成部21は、通信部22に使用履歴情報を出力する。この出力に基づいて、通信部22は、表示装置103に使用履歴情報を送信する。
【0108】
また、S404から分岐する処理として、S401〜404およびS410〜414の処理に基づいて、制御部23は、使用回数情報、使用時刻情報および使用位置情報をコンテンツ生成部21に出力する。この出力に基づいて、コンテンツ生成部21は、使用回数情報、使用時刻情報および使用位置情報に基づいて、吸入器111の使用履歴情報を生成する(S415)。ここで、当該使用履歴情報は、例えば、過去の使用回数情報、使用時刻情報および使用位置情報から作成された図、表またはグラフのデータを添付したメールなどである。また、当該使用履歴情報は、例えば、過去の使用回数情報、使用時刻情報および使用位置情報から作成された図、表またはグラフをウェブページ上において表示可能なデータである。S415の後、S409において上記使用履歴情報が、通信部22によって表示装置103に送信される。
【0109】
(表示装置103の処理の詳細)
図15に示すように、S421〜S422の処理に基づいて、表示部31は、使用履歴情報を表示する(S423)。
【0110】
このとき、表示部31は、例えば、図16(a)に示すように、吸入器111の使用回数、使用時刻および使用位置の情報をまとめて表示する。また、表示部31は、例えば、図6(b)および(c)に示すように、使用回数と使用時刻(使用時期)とを組み合わせたグラフを表示する。また、表示部31は、例えば、図6(d)に示すように、使用回数と使用位置(使用場所)とを組み合わせた図を表示する。ここで、使用履歴情報は、例えば、メールなどに添付されたデータを含んでいる。
【0111】
また、S422から分岐する処理として、S421〜S422およびS424〜S429の処理に基づいて、通信部32は、使用履歴情報を受信する(S430)と、制御部33に使用履歴情報を出力する。この出力に基づいて、制御部33は表示部31に使用履歴情報を出力する。S423において表示部31は図16(a)〜(d)に示すような表示を行う。ここで、使用履歴情報は、例えば、ウェブページ上において表示可能なデータであり、表示部31はウェブページとして図16(a)〜(d)のような表示を行う。
【0112】
(変形例の作用・効果)
以上のように、喘息治療支援システム1’’は、使用回数情報、使用時刻情報および使用位置情報に基づいた吸入器111の使用履歴情報をユーザに提供することができる。よって、ユーザは、吸入器111の使用状況を過去に遡って統計的に把握することができる。つまり、ユーザは、吸入器111の使用が適切か否かを容易に判断できる。
【0113】
(使用履歴情報の生成の変形例)
ここでは、管理サーバ102におけるコンテンツ生成部21は、使用回数情報、使用時刻情報および使用位置情報に基づいて、使用履歴情報を生成する例を説明した。しかし、コンテンツ生成部21は、使用回数情報と使用時刻情報との組み合わせ、または使用位置情報との組み合わせに基づいて、使用履歴情報を生成してもよい。つまり、コンテンツ生成部21は、表示装置103の表示部31において図16(b)〜(d)のいずれかのように表示される使用履歴情報のみを生成してもよい。
【0114】
また、コンテンツ生成部21において生成される使用履歴情報の種類は、表示装置103のユーザによってあらかじめ設定されていても、管理サーバ102が適宜選択してもよい。生成される使用履歴情報の種類を設定する処理は、図6および図7を参照して説明した、送信設定処理と同様の流れによって実行され得る。
【0115】
(その他の構成)
なお、本発明は以下の構成によっても実現できる。
【0116】
(第1の構成)
吸入器に取り付けるための取り付け機構を備え、
吸入器の使用回数をカウントする押下回数カウント部、
該押下回数を含む吸入器使用状況を通信により送信する無線通信部
を備えた吸入器使用状況通知装置と、
該通知装置から通知された吸入器使用状況を記憶するデータベース、
該情報をメール乃至はwwwページにより提供する情報提供部
を備えた管理サーバと
から構成される喘息治療支援システム。
【0117】
(第2の構成)
吸入器使用状況通知装置内に、
使用時刻を計測する計時部、
使用位置情報を計測する使用位置計測部を備え、
吸入器使用状況通知装置から使用回数、使用時刻、使用位置情報を管理サーバへと通知する事を特徴とする第1の構成に係る喘息治療支援システム。
【0118】
(第3の構成)
使用時刻を計測する計時部、
使用位置情報を計測する使用位置計測部を備えた携帯端末であって、
吸入器使用状況通知装置から吸入器の使用回数を受信し、
使用時刻、使用位置情報を付加して管理サーバへと通知する機能を備えた携帯端末を用いる事を特徴とする第1の構成に係る喘息治療支援システム。
【0119】
(第4の構成)
管理サーバにおいて吸入器の使用回数、使用時刻、使用位置情報を管理し、
該情報の履歴からアドバイス乃至はグラフ乃至は地図情報を作成して提供する事を特徴とする第1〜第3の構成に係る喘息治療支援システム。
【0120】
(プログラムおよび記録媒体)
送信装置101、管理サーバ102および表示装置103に含まれている各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成すればよい。または、次のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0121】
すなわち、送信装置101、管理サーバ102および表示装置103は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、このプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを実行可能な形式に展開するRAM(Random Access Memory)、および上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)を備えている。この構成により、本発明の目的は、所定の記録媒体によっても、達成できる。
【0122】
この記録媒体は、上述した機能を実現するソフトウェアである送信装置101、管理サーバ102および表示装置103のプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録していればよい。送信装置101、管理サーバ102および表示装置103に、この記録媒体を供給する。これにより、コンピュータとしての送信装置101、管理サーバ102および表示装置103(またはCPUやMPU)が、供給された記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し、実行すればよい。
【0123】
プログラムコードを送信装置101、管理サーバ102および表示装置103に供給する記録媒体は、特定の構造または種類のものに限定されない。すなわちこの記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
【0124】
また、送信装置101、管理サーバ102および表示装置103を通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介して送信装置101、管理サーバ102および表示装置103に供給する。この通信ネットワークは送信装置101、管理サーバ102および表示装置103にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類または形態に限定されない。たとえばインターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
【0125】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。たとえばIEEE1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、喘息治療用の吸入器の使用状況をユーザに提供するシステムとして有用である。
【符号の説明】
【0127】
1 喘息治療支援システム
1’ 喘息治療支援システム
1’’ 喘息治療支援システム
11 押下動作検出部(検出手段)
12 通信部(送信装置の送信手段)
13 制御部
14 押下回数カウント部(使用回数算出手段)
15 記憶部
16 使用時刻情報生成部(送信装置の使用時刻情報生成手段)
17 使用位置情報取得部(送信装置の使用位置情報取得手段)
21 コンテンツ生成部(使用履歴情報生成手段)
22 通信部(管理サーバの送信手段、受信手段)
23 制御部
25 データベース(記憶手段)
31 表示部(表示装置の表示手段)
32 通信部(表示装置の送信手段、受信手段)
33 制御部
34 入力部
35 記憶部
51 使用時刻情報生成部(携帯端末装置の使用時刻情報生成手段)
52 通信部
53 制御部
54 使用位置情報取得部(携帯端末装置の使用位置情報生成手段)
55 記憶部
56 表示部
90 ネットワーク
91 無線通信ネットワーク
101 送信装置
101’ 送信装置
102 管理サーバ
103 表示装置
103a 携帯端末装置
103b 計算機
104 位置情報通知装置
105 携帯端末装置
111 吸入器
111a 缶
112 指

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信装置、管理サーバおよび表示装置を備えており、吸入器の使用に関する情報を、上記送信装置から上記管理サーバを介して上記表示装置に送信する喘息治療支援システムであって、
上記送信装置が、
ユーザによる上記吸入器の操作を検出することによって、上記吸入器の作動を表す作動情報を出力する検出手段と、
上記作動情報に基づいて上記吸入器の使用回数を表す使用回数情報を算出する使用回数算出手段と、
上記使用回数情報を上記管理サーバに送信する送信手段と
を備えており、
上記管理サーバが、
上記送信装置からの上記使用回数情報を受信する受信手段と、
上記使用回数情報を記憶する記憶手段と、
上記使用回数情報を上記表示装置に送信する送信手段と
を備えており、
上記表示装置が、
上記管理サーバからの上記使用回数情報を受信する受信手段と、
上記使用回数情報を表示する表示手段と
を備えていることを特徴とする喘息治療支援システム。
【請求項2】
上記管理サーバの上記送信手段が、上記送信装置からの上記使用回数情報を受信した際に、上記使用回数情報を上記表示装置に自動送信することを特徴とする請求項1に記載の喘息治療支援システム。
【請求項3】
上記表示装置が、上記使用回数情報の送信指示を上記管理サーバに送信する送信手段をさらに備えており、
上記管理サーバが、上記送信指示を受信する送信指示受信手段をさらに備えており、上記管理サーバの上記送信手段が、上記送信指示受信手段による上記送信指示の受信に基づいて、上記使用回数情報を上記表示装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の喘息治療支援システム。
【請求項4】
上記送信装置が、上記検出手段からの上記作動情報の出力に基づいて、上記吸入器の使用時刻を表す使用時刻情報を生成する使用時刻情報生成手段をさらに備えており、上記送信装置の上記送信手段が、上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記管理サーバに送信し、
上記管理サーバの上記受信手段が、上記送信装置からの上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記管理サーバの上記記憶手段が、上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を記憶し、上記管理サーバの上記送信手段が上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記表示装置に送信し、
上記表示装置の上記受信手段が、上記管理サーバからの上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記表示装置の上記表示手段が、上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の喘息治療支援システム。
【請求項5】
上記送信装置が、上記検出手段からの上記作動情報の出力に基づいて、上記吸入器の使用位置を表す使用位置情報を取得する使用位置情報取得手段をさらに備えており、上記送信装置の上記送信手段が、上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記管理サーバに送信し、
上記管理サーバの上記受信手段が、上記送信装置からの上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記管理サーバの上記記憶手段が、上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を記憶し、上記管理サーバの上記送信手段が上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記表示装置に送信し、
上記表示装置の上記受信手段が、上記管理サーバからの上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記表示装置の上記表示手段が、上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の喘息治療支援システム。
【請求項6】
上記送信装置が、上記検出手段からの上記作動情報の入力に基づいて、上記吸入器の使用時刻を表す使用時刻情報を生成する使用時刻情報生成手段と、上記検出手段からの上記作動情報の出力に基づいて、上記吸入器の使用位置を表す使用位置情報を取得する使用位置情報取得手段とをさらに備えており、上記送信装置の上記送信手段が、上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用位置情報を上記管理サーバに送信し、
上記管理サーバの上記受信手段が、上記送信装置からの上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記管理サーバの上記記憶手段が、上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を記憶し、上記管理サーバの上記送信手段が上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記表示装置に送信し、
上記表示装置の上記受信手段が上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記表示手段が上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の喘息治療支援システム。
【請求項7】
携帯端末装置をさらに備えている喘息治療支援システムであって、
上記送信装置の上記送信手段が、上記携帯端末装置に上記使用回数情報を送信し、
上記携帯端末装置が、上記送信装置からの上記使用回数情報を受信する受信手段と、上記使用回数情報の受信に基づいて、上記吸入器の使用時刻を表す使用時刻情報を生成する使用時刻情報生成手段と、上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記管理サーバに送信する送信手段とを備えており、
上記管理サーバの上記受信手段が、上記送信装置からの上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記管理サーバの上記記憶手段が、上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を記憶し、上記管理サーバの上記送信手段が上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記表示装置に送信し、
上記表示装置の上記受信手段が、上記管理サーバからの上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記表示装置の上記表示手段が、上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の喘息治療支援システム。
【請求項8】
携帯端末装置をさらに備えている喘息治療支援システムであって、
上記送信装置の上記送信手段が、上記携帯端末装置に上記使用回数情報を送信し、
上記携帯端末装置が、上記送信装置からの上記使用回数情報を受信する受信手段と、上記使用回数情報の受信に基づいて、上記吸入器の使用位置を表す使用位置情報を取得する使用位置情報取得手段と、上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記管理サーバに送信する送信手段とを備えており、
上記管理サーバの上記受信手段が、上記送信装置からの上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記管理サーバの上記記憶手段が、上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を記憶し、上記管理サーバの上記送信手段が上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記表示装置に送信し、
上記表示装置の上記受信手段が、上記管理サーバからの上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記表示装置の上記表示手段が、上記使用位置情報と関連付けられた上記使用回数情報を表示することを特徴とする請求項1〜3および5のいずれか1項に記載の喘息治療支援システム。
【請求項9】
携帯端末装置をさらに備える喘息治療支援システムであって、
上記送信装置の上記送信手段が、上記携帯端末装置に上記使用回数情報を送信し、
上記携帯端末装置が、上記送信装置からの上記使用回数情報を受信する受信手段と、上記使用回数情報の受信に基づいて、上記吸入器の使用時刻を表す使用時刻情報を生成する使用時刻情報生成手段と、上記使用回数情報の受信に基づいて、上記吸入器の使用位置を表す使用位置情報を取得する使用位置情報取得手段と、上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記管理サーバに送信する送信手段とを備えており、
上記管理サーバの上記受信手段が、上記携帯端末装置からの上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記管理サーバの上記記憶手段が、上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を記憶し、上記管理サーバの上記送信手段が上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を上記表示装置に送信し、
上記表示装置の上記受信手段が上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を受信し、上記表示手段が上記使用回数情報および上記使用時刻情報と関連付けられた上記使用回数情報を表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の喘息治療支援システム。
【請求項10】
上記管理サーバが、上記記憶手段に記憶されている上記使用回数情報および上記使用時刻情報に基づいて、上記吸入器の使用履歴を表す使用履歴情報を生成する使用履歴情報生成手段と、上記使用履歴情報を上記表示装置に送信する使用履歴情報送信手段とをさらに備えており、
上記表示装置が、上記管理サーバからの上記使用履歴情報を受信する使用履歴情報受信手段をさらに備えており、上記表示手段が上記使用履歴情報を表示することを特徴とする請求項4または7に記載の喘息治療支援システム。
【請求項11】
上記管理サーバが、上記記憶手段に記憶されている上記使用回数情報および上記使用位置情報に基づいて、上記吸入器の使用履歴を表す使用履歴情報を生成する使用履歴情報生成手段と、上記使用履歴情報を上記表示装置に送信する使用履歴情報送信手段とをさらに備えており、
上記表示装置が、上記管理サーバからの上記使用履歴情報を受信する使用履歴情報受信手段をさらに備えており、上記表示手段が上記使用履歴情報を表示することを特徴とする請求項5または8に記載の喘息治療支援システム。
【請求項12】
上記管理サーバが、上記記憶手段に記憶されている上記使用回数情報、上記使用時刻情報および上記使用位置情報に基づいて、上記吸入器の使用履歴を表す使用履歴情報を生成する使用履歴情報生成手段と、上記使用履歴情報を上記表示装置に送信する使用履歴情報送信手段とをさらに備えており、
上記表示装置が、上記管理サーバからの上記使用履歴情報を受信する使用履歴情報受信手段をさらに備えており、上記表示手段が上記使用履歴情報を表示することを特徴とする請求項6または9に記載の喘息治療支援システム。
【請求項13】
上記使用履歴情報が、上記吸入器の使用に関するアドバイス、グラフまたは地図であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の喘息治療支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−92418(P2011−92418A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249285(P2009−249285)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)