説明

営業店端末の管理方法

【構成】 各営業店には、行員用端末21、店内自動化機器22、店外自動化機器23等の営業店端末を一括して管理する端末管理手段1が備えられている。また、端末管理手段1を介して複数の営業店端末を管理するための営業店管理手段2が設けられている。このため、例えば、行員用端末21における取引量の集計や店内自動化機器22および店外自動化機器23のメンテナンス等は端末管理手段1によって行われる。
【効果】 複数の営業店端末の現金量の集計等が容易に行える。また、自動化機器の管理が、その自動化機器の場所まで行かずに行える。更に、複数の営業店端末を一括して管理できることから、各端末に対応した現金格納量を設定することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金融機関の営業店における行員用端末や自動化機器等からなる営業店端末の管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、銀行等の金融機関の営業店には、その店内に行員用端末が複数台設けられ、また、店内および店外には自動取引装置(ATM)や現金自動支払機(CD)等の自動化機器が多数設けられている。図2に、従来の営業店端末の管理方法を実施するための管理システムを示す。図のシステムは、ホスト100と営業店システム200とからなる。ホスト100は、複数の営業店の種々の管理を統轄して行う装置である。営業店システム200は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)に接続された営業店端末としての行員用端末201、店内自動化機器202および店外自動化機器203と、営業店のローカル・エリア・ネットワークを専用回線300を介してホスト100と通信するための通信制御装置204とからなる。
【0003】このように構成された管理システムにおいて、これらの営業店端末(行員用端末201、店内自動化機器202、店外自動化機器203)の管理は、各端末毎に行っていた。即ち、■端末の取引カウンタ(取引金額、件数)の集計■端末の障害内容の出力■端末の取引履歴の検索・出力を、各行員用端末201、各店内自動化機器202、各店外自動化機器203のいずれにおいても各装置毎に行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の管理方法では以下の問題点があった。
■営業店内全体の管理がリアルタイムで行えなかった。即ち、営業店全体の資金量を把握するには、その営業店における全端末のカウンタを出力し(精査という)、その出力帳票を持ち寄って合計する必要があった。
■店外自動化機器203の管理が困難であった。従来では、店外自動化機器203の状況を店内の装置から管理(照会やデータの統計等)することができず、店外自動化機器203の状況を知るためには、その設置場所まで行くしかなかった。その結果、複数の店外自動化機器203を統一的に把握することもできなかった。
【0005】■サンデーバンキングの対応が柔軟に行えなかった。自動化機器の休日稼働中の障害等を管理(例えば、後日、休日稼働中に障害が発生したか否かを調べる等の管理)するには、その自動化機器単位で、ジャーナル検索あるいはホスト情報によるしかなかったが、その間は、その端末は取扱中止となってしまう。
■自動化機器の取引内容のメンテナンスが面倒であった。自動化機器の取引内容の変更(例えば、振込取引の可/否)を行うためには、該当装置の場所まで行って設定する必要があった。
■全営業店の管理がリアルタイムでできなかった。上記のように、営業店内の管理自体がリアルタイムにできないのに、全営業店の管理は困難であった。
【0006】本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、営業店端末を一元的に管理することができる営業店端末の管理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明における営業店端末の管理方法は、各営業店に設けられ、各営業店毎の複数の営業店端末を管理する端末管理手段と、前記端末管理手段を介して、前記複数の営業店端末を管理する営業店管理手段とを備え、前記端末管理手段と、前記営業店管理手段とは、前記営業店とホストとを接続するネットワークを介して通信することを特徴とするものである。第2の発明における営業店端末の管理方法は、各営業店に設けられ、各営業店毎の複数の営業店端末を管理する端末管理手段と、前記端末管理手段を介して、前記複数の営業店端末を管理する営業店管理手段とを備え、前記端末管理手段と、前記営業店管理手段とは、前記営業店とホストとを接続するネットワークとは別のネットワークを介して通信することを特徴とするものである。
【0008】
【作用】本発明の営業店端末の管理方法においては、各営業店には、行員用端末、店内自動化機器、店外自動化機器等の営業店端末を一括して管理する端末管理手段が備えられている。また、端末管理手段を介して複数の営業店端末を管理するための営業店管理手段が設けられている。このため、例えば、行員用端末における取引量の集計や店内自動化機器および店外自動化機器のメンテナンス等は端末管理手段によって行われる。従って、複数の営業店端末の現金量の集計等が容易に行える。また、自動化機器の管理が、その自動化機器の場所まで行かずに行える。更に、複数の営業店端末を一括して管理できることから、各端末に対応した現金格納量を設定することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の営業店端末の管理方法を実施するための第1の実施例を示すブロック図である。図のシステムは、ホスト10と、営業店システム20とからなり、これらホスト10と営業店システム20との関係は従来と同様である。営業店システム20は、従来と同様に、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)に接続された営業店端末としての行員用端末21、店内自動化機器22および店外自動化機器23が接続されていると共に、本実施例の特徴点である端末管理手段(以下、照会端末という)1が接続されている。この照会端末1は、マイクロコンピュータ等で構成され、LANを介して各行員用端末21、各店内自動化機器22、各店外自動化機器23の管理(各端末への照会およびデータの統計等)を行う装置である。また、営業店のLANは通信制御装置24から専用回線30を介してホスト10と接続されている。
【0010】ホスト10には、営業店管理手段(以下、センタ用照会端末という)2が、通信制御装置3およびセンタ側ネットワーク4を介して接続されている。このセンタ用照会端末2は、マイクロコンピュータ等からなり、各営業店の照会端末1のデータを必要に応じて照会し、かつ、その統計等の処理を行うよう構成されている。
【0011】また、上記照会端末1およびセンタ用照会端末2は、照会結果等を出力するためのディスプレイおよびプリンタを備えている。
【0012】次に、上記構成のシステムにおける営業店端末の管理方法を説明する。図3は、営業店における現在在高を把握する方法を示す説明図である。先ず、照会端末1において、現在在高照会画面を表示させ、これを実行する(ステップS1)。尚、ここで現在在高とは、その時点における各端末の現金の金額を指す。これにより、照会端末1は最初に行員用端末21にカウンタリード依頼を行う(ステップS2)。行員用端末21は、カウンタリード依頼を受けると、その時点の取引カウンタ(取扱金額、件数等)をリードし(ステップS3)、照会端末1に、そのリードデータを回答する(ステップS4)。回答を受け取った照会端末1は、その回答結果を退避しておく(ステップS5)。そして、このような照会処理が全部の行員用端末1に対して行われたか否かを判定し(ステップS6)、終了していない場合は、上記ステップS2〜ステップS6の処理を繰り返し行う。
【0013】行員用端末21に対する照会処理が終了すると、照会端末1は、次に店内自動化機器22および店外自動化機器23(以下、これらを含めて自動化機器22、23として説明する)に対してカウンタリード依頼を行う(ステップS7)。その後は、上記の行員用端末21に対する照会処理と同様に、そのカウンタリード依頼によって、自動化機器22、23がカウンタ(取扱金額、件数等)をリードし(ステップS8)、それを回答する(ステップS9)。照会端末1は、この回答結果を退避させ(ステップS10)、これを全ての自動化機器22、23が終了するまで行う(ステップS11)。全ての自動化機器22、23の照会処理が終了すると、照会端末1は、行員用端末21および自動化機器22、23におけるカウンタ値や、必要に応じて全行員用端末21の現在在高、全自動化機器22、23の現在在高等を演算してディスプレイに表示あるいはプリンタに出力する(ステップS12)。
【0014】図4は、営業店端末の管理方法における自動化機器のメンテナンス処理の説明図である。ここで、自動化機器22、23のメンテナンス内容としては、限度額変更、振込ファイルの変更、取引制限等がある。先ず、照会端末1は、自動化機器メンテナンス画面を表示させ、実行する(ステップS1)。これにより、照会端末1は、該当する自動化機器22、23に対し、メンテナンス依頼を行い(ステップS2)、依頼を受けた自動化機器22、23は、その依頼内容に従って設定を行う(ステップS3)。そして、自動化機器22、23は、設定の結果を照会端末1に対して回答し(ステップS4)、この回答を受けた照会端末1は、その内容をディスプレイ等に出力する(ステップS5)。
【0015】図5は、営業店端末の管理方法における自動化機器の障害発生時の通知処理の説明図である。自動化機器22、23において、何らかの障害が発生した場合(ステップS1)、自動化機器22、23は、照会端末1に対し直ちにその通知を行う(ステップS2)。照会端末1は、この通知を受けるとディスプレイに表示等の出力を行う(ステップS3)。即ち、自動化機器22、23において、障害が発生した場合は、照会端末1に対し、非同期に通知を行う。
【0016】また、上記の自動化機器22、23の障害発生通知と同様の制御により、自動化機器22、23における装置内現金のニヤエンド発生通知を行うことができる。図6は、このニヤエンド発生通知処理の説明図である。即ち、自動化機器22、23において、収納されている紙幣や硬貨が残り少なくなった場合、自動化機器22、23は、現金のニヤエンド通知を行う。先ず、自動化機器22、23でニヤエンドが発生すると(ステップS1)、自動化機器22、23は、上述した障害発生時と同様に、照会端末1に対し、非同期にそのニヤエンド通知を行う(ステップS2)。照会端末1は、この通知を受けると、即座にディスプレイに表示等の出力処理を行う(ステップS3)。
【0017】図7は、営業店端末の管理方法における自動化機器の取引履歴・障害属性情報を照会する場合の処理を示す。この場合、照会端末1から自動化機器22、23への制御処理は、図4に示したメンテナンス処理と同様であるが、次情報がある場合は、この処理を繰り返すものである。即ち、照会端末1は、先ず、自動化機器の取引履歴・障害情報照会画面を表示させ、これを実行する(ステップS1)。これによりステップS2で、取引履歴・障害情報依頼が行われると、自動化機器22、23は、取引履歴・障害情報検索を行い(ステップS3)、その結果を照会端末1に回答する(ステップS4)。そして、この回答結果を、ディスプレイでの表示またはプリンタによる印刷出力の形で出力する(ステップS5)。その後、他にも取引履歴・障害情報依頼の項目があるかどうかを判断し(ステップS6)、他の項目があった場合は、ステップS2の依頼処理に戻り、上記の処理を繰り返す。
【0018】図8は、照会端末1からセンタ用照会端末2に在高データを送信する場合の説明図である。即ち、照会端末1は、その営業店における各端末の現在在高を集計し(ステップS1)、この現在在高データをセンタ用照会端末2に送信する(ステップS2)。センタ用照会端末2では、このような営業店別の現在在高をディスプレイに表示あるいはプリンタで印刷する(ステップS3)。従って、各営業店別の現在在高が容易に把握することができる。また、センタ用照会端末2から照会端末1への照会依頼によって、随時各営業店の照会端末1の照会も行うことができる。
【0019】このように、上記実施例の営業店端末の管理方法では、照会端末1により、その時点における各端末の現在在高等の状況を知ることができると共に、センタ用照会端末2により、全営業店の状況も管理することができる。また、自動化機器22、23の障害発生時は、その情報が照会端末1に通知されるため、例えば、休日運用中の障害発生でも、休日後、照会端末1のデータを参照することによって、どのような障害が発生したか等を容易に把握することができ、しかも、そのために自動化機器22、23を取引停止等にする必要もない。更に、自動化機器22、23のメンテナンスも店内の照会端末1によって行うことができる。
【0020】次に、営業店側の照会端末とセンタ用照会端末とを、ホストと営業店との通信回線とは別回線で接続するようにした第2の実施例を説明する。図9は、第2の実施例による管理システムの構成図である。図のシステムにおいて、ホスト10およびこのホスト10と営業店システム40を接続するための専用回線30の構成は、上記第1の実施例と同様である。また、営業店システム40における行員用端末41、店内自動化機器22、店外自動化機器43が、それぞれローカル・エリア・ネットワークに接続され、更にこのローカル・エリア・ネットワークが通信制御装置44を介して専用回線30に接続されている構成も、上記第1の実施例と同様である。
【0021】一方、この第2の実施例においては、照会端末5と各端末、即ち、行員用端末41、店内自動化機器42および店外自動化機器43とは、ローカル・エリア・ネットワークを介してではなく、例えばシリアルインタフェースのような汎用性のあるI/O装置(例えば、自動化機器42、43ではモニタ用のI/O装置)を介して接続されている。また、照会端末5とセンタ用照会端末6とは、ホスト10と営業店システム40とを接続する専用回線30ではなく、これとは別の通信回線7を介して行われている。ここで、通信回線7は、専用回線あるいは通信量が少ない場合は公衆回線を用いることも可能である。
【0022】また、このような構成における営業店端末の管理方法は、上述した第1の実施例と同様に行われる。即ち、営業店における現在在高を把握する方法、自動化機器のメンテナンス処理、自動化機器の障害発生およびニヤエンド発生時の処理、自動化機器の取引履歴・障害属性情報の照会、照会端末5からセンタ用照会端末6への在高データの送信処理は第1の実施例と同様に行われるため、ここでの説明は省略する。
【0023】このように、第2の実施例では、照会端末5とセンタ用照会端末6とは、ホスト10と営業店システム40とのネットワークとは、別のネットワークで接続されているため、例えばホストダウン時等でも、別のネットワーク、即ち、通信回線7を介して各営業店毎の管理が可能となる。また、営業店の各端末と照会端末5とは汎用性のあるI/O装置で接続されているため、同一の営業店に異なる機種の自動化機器が設置されている場合でも、容易に対応することができる。即ち、自動化機器42、43では、LANに接続する場合、そのLANのためのインタフェースを必要とするが、モニタ用のI/O装置であれば機種が異なっても共通であるため、照会端末5等と容易に接続することが可能であるからである。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の営業店端末の管理方法によれば、営業店の端末を管理する端末管理手段と、この端末管理手段を介して各営業店の端末を管理する営業店管理手段とを備えたので、各営業店の端末を一括して管理することが可能となり、また、自動化機器における休日運用中の障害も後日に容易に把握することができる。更に、店外に設置した自動化機器であっても、そのメンテナンスが端末管理手段により一括して行うことが可能である。また、営業店管理手段により全営業店の端末管理が可能であるため、例えば、全営業店端末の現金管理を営業店管理手段で行い、各営業店端末の取引量に応じて各端末毎の現金保管量を設定する等の管理も行うことができる。
【0025】そして、特に第2の発明においては、端末管理手段と営業店管理手段とは、ホストと営業店とのネットワークとは別のネットワークにより接続されているため、ホストダウン時等でも、この別ネットワークを用いて営業店端末の管理が可能である等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の営業店端末の管理方法を実施するための第1の実施例のシステム構成図である。
【図2】従来の営業店端末の管理方法を実施するためのシステム構成図である。
【図3】本発明の営業店端末の管理方法における現在在高の管理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の営業店端末の管理方法における自動化機器のメンテナンス処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の営業店端末の管理方法における自動化機器の障害発生時の通知処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の営業店端末の管理方法における自動化機器のニヤエンド発生時の通知処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の営業店端末の管理方法における自動化機器の取引履歴・障害属性情報の照会処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の営業店端末の管理方法における営業店在高データの送信処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の営業店端末の管理方法を実施するための第2の実施例のシステム構成図である。
【符号の説明】
1、5 端末管理手段(照会端末)
2、6 営業店管理手段(センタ用照会端末)
7 通信回線
10 ホスト
20、40 営業店システム
21、41 行員用端末(営業店端末)
22、42 店内自動化機器(営業店端末)
23、43 店外自動化機器(営業店端末)
30 専用回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】 各営業店に設けられ、各営業店毎の複数の営業店端末を管理する端末管理手段と、前記端末管理手段を介して、前記複数の営業店端末を管理する営業店管理手段とを備え、前記端末管理手段と、前記営業店管理手段とは、前記営業店とホストとを接続するネットワークを介して通信することを特徴とする営業店端末の管理方法。
【請求項2】 各営業店に設けられ、各営業店毎の複数の営業店端末を管理する端末管理手段と、前記端末管理手段を介して、前記複数の営業店端末を管理する営業店管理手段とを備え、前記端末管理手段と、前記営業店管理手段とは、前記営業店とホストとを接続するネットワークとは別のネットワークを介して通信することを特徴とする営業店端末の管理方法。

【図4】
image rotate


【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図8】
image rotate


【図7】
image rotate


【図9】
image rotate