説明

営業管理システム

【課題】営業担当者の活動状態について、数値による表示が可能な客観的なデータを、グラフ上に経時的に表示し、瞬時に案件ごとの進捗状況と競合上のリスクを把握でき、営業活動のプライオリティ付けを可能ならしめる営業管理システムを提供する。
【解決手段】コンピュータを用いて、自社の顧客に対するプロジェクト案件に関し、自社の営業進度と競合他社の営業進度を二軸とする二次元グラフによって営業状態を表し、顧客のニーズに関するポテンシャルと顧客反応を二軸とする二次元グラフによって営業対象としての顧客の状態を表すことを特徴とする営業管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを用いて、自社の営業進捗状態を、競合他社との関係、対象顧客の状態等との関連において、容易にかつ的確に把握、判断、分析可能な営業管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
営業管理者によるプロジェクト案件ごとの営業状況の把握は、個々の営業担当者が主観的な判断のもとに時間をかけて記述した営業日報などの報告文書を読むか、あるいは営業担当者本人からの口述報告を受けるのが一般的である。
【0003】
上記のような従来の方法では、例えば営業管理者がグループ全体で進行中のプロジェクト案件(以下、商談案件と言うこともある。)について、営業活動の優先順位を効率良く的確に把握、判断、管理することは困難である。また、順位付けができたとしても、口頭や文章による記述であり、数値による客観的なデータではないため、その正確性にも問題がある。
【0004】
従来から、営業支援や顧客維持に関して、コンピュータソフトにより各種データや情報を集約するシステムは知られているが、これらはいずれも、営業担当者が口頭や文章による記述に表していたものを単にそのまままとめて表など表すものにすぎない(例えば、非特許文献1)。すなわち、これまで、営業状態自体を直接分析したり、営業進度や競合状況を客観的かつ定量化可能なデータとして表したりすることが可能なコンピュータソフトは知られていない。
【非特許文献1】「営業支援・顧客維持システム」,長尾一洋、村上勝彦、本道純一著、(株)中央経済社、平成14年10月25日発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明の課題は、営業担当者の活動状態について、数値による表示が可能な客観的なデータを、グラフ上に経時的に表示し、瞬時に案件ごとの進捗状況と競合上のリスクを把握でき、営業活動のプライオリティ付けを可能ならしめる、基本的に全く新規な営業管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る営業管理システムは、コンピュータを用いて、自社の顧客に対するプロジェクト案件に関し、自社の営業進度と競合他社の営業進度を二軸とする二次元グラフによって営業状態を表すことを特徴とするシステムからなる(以下、「第1のシステム」と言うこともある。)。
【0007】
この営業管理システムにおいては、例えば、縦軸、横軸の二軸に自社営業の進捗状況「営業進度」と競合他社の進捗状況「競合状況」を表す進度レベルを、営業管理手法に従い予め設定する。その中に商談(コール)ごとの状況をプロットすることにより、正確に営業的な位置を把握することが可能になる。
【0008】
また、本発明に係る営業管理システムは、コンピュータを用いて、顧客のニーズに関するポテンシャルと顧客反応を二軸とする二次元グラフによって営業対象としての顧客の状態を表すことを特徴とするシステムからなる(以下、「第2のシステム」と言うこともある。)。
【0009】
この営業管理システムにおいては、例えば、縦軸、横軸の二軸に顧客サーベイの結果推測されるポテンシャルレベルと、顧客自身の認識、反応を表す顧客反応レベルとを営業管理手法に従い予め設定する。その中に商談ごとに観測される状況をプロットすることで顧客ごとの重要度レベルを把握することが可能になる。
【0010】
さらに、本発明は、上記第1、第2のシステムを併せ持つ営業管理システムについても提供する。すなわち、本発明に係る営業管理システムは、コンピュータを用いて、顧客のニーズに関するポテンシャルと顧客反応を二軸とするポテンシャル二次元グラフによって営業対象としての顧客の状態を表すとともに、自社の顧客に対するプロジェクト案件に関し、自社の営業進度と競合他社の営業進度を二軸とする営業進度二次元グラフによって営業状態を表すことを特徴とするシステムからなる。
【0011】
この営業管理システムにより、顧客の正確な優先順位と他社競合状況のリスクをともに把握して、戦略的かつ総合的に考慮した最適な営業活動が可能になる。
【0012】
上記二次元グラフ上には、各時点での状態を位置づける点がプロットされ、各点に経時ランクが付されている構成とすることができる。例えば、上記営業進度二次元グラフに顧客との初回コンタクト(1回目のコール)より順を追って経時的にプロット(例えば、経時的に順に番号を付してプロット)していくことにより、案件ごとの進捗状況が、自社営業の進度レベルと合計コール回数表示(上記順に付された番号に対応)により瞬時に把握できるようになる。
【0013】
また、上記営業進度二次元グラフに、自社と競合他社との営業進度関係について、勝ち状況領域と負け状況領域とが表示されている構成とすることができる。例えば、上記営業進度二次元グラフに個々の営業組織(個人、グループの両方を含む)の営業管理手法に従い、勝ち状況領域と負け状況領域とを設定する。これらの領域は、予め定義された二軸間の自社営業進度と競合他社営業進度の均衡状態(均衡線)を境界として設定される。画面表示上は、色分けしておくと便利であり、勝ち状況領域と負け状況領域いずれの領域内に位置しているかが一目で判断できるようになる。
【0014】
営業進度二次元グラフに表示されている勝ち状況領域にあるプロジェクト案件について、営業進度のレベルにより、プロジェクト案件ごとの成約確度の順位付けを行うようにすることができる。すなわち、勝ち状況領域にある商談案件(プロジェクト案件)は、成約確度が高いと判断されるだけでなく、その営業進度レベルにより成約確度の順位付けが可能となる。
【0015】
一方、上記営業進度二次元グラフに表示されている負け状況領域にあるプロジェクト案件については、注意プロジェクト案件として表示することが可能である。この注意プロジェクト案件としての表示は、上記営業進度二次元グラフに直接表示してもよく、別途、案件一覧表を表示し、各案件ごとに勝ち状況領域にあるか負け状況領域にあるかの表示を行うようにしてもよい。すなわち、この負け状況領域にプロットされた商談案件(プロジェクト案件)は、競合他社の営業活動に比較し負けている「負け状況」として成約確度の低い注意案件と判断されるのである。したがって、重点フォロー案件として注意を促すことができる。
【0016】
また、上記ポテンシャル二次元グラフの表示されたポテンシャルのレベルにより、プロジェクト案件について対象顧客ごとの優先度の順位付けが行われる構成とすることができる。すなわち、上記ポテンシャル二次元グラフにおいて営業活動による客観的調査により、顧客反応とは関係なく、顧客としてのポテンシャルが表示されるレベルによる順位により、上記優先度の順位付けが可能になる。
【0017】
また、上記営業進度二次元グラフを用いて、平均コール回数、平均競合他社営業進度、前記負け状況領域にある注意プロジェクト案件発生件数、該注意プロジェクト案件の発生割合、注意プロジェクト案件の最多発生進度ランク件数、注意プロジェクト案件の最多発生進度ランク件数の割合の少なくとも一つ以上の実績結果(数値データ)を求め、それに基づいて特定営業担当者の営業活動パターンを分析することが可能である。
【0018】
この場合、特定営業担当者の持つ複数案件についての営業活動パターンの平均を求め、その平均営業活動パターンを表す前記営業進度二次元グラフを作成することができる。すなわち、上記数値データに基づき、特定営業担当者の平均的な営業実績パターンとして、上記同様の営業進度二次元グラフを作成し「勝ちパターン」、「負けパターン」の営業活動分析と活動内容の改善に使用することが可能である。
【0019】
また、所定のグループの全営業担当者の前記営業活動パターンの分析を行い、そのグループ全体の平均営業活動パターンを表す前記営業進度二次元グラフを作成することもでき、グループ全体としての営業分析と活動内容の改善に使用することが可能である。
【0020】
また、上記ポテンシャル二次元グラフを用いて、平均コール回数、最高位ポテンシャルレベル到達までの平均コール回数、平均顧客反応レベルの少なくとも一つ以上の実績結果を求め、それに基づいて特定営業担当者の営業活動パターンを分析することができる。すなわち、ポテンシャル二次元グラフの構成要素である「平均コール回数、最高位ポテンシャルレベル到達までの平均コール回数、平均顧客反応レベル」の数値データを用いて特定の営業担当者の顧客サーベイ活動のパターンの分析を行うのである。
【0021】
この場合においても、特定営業担当者の持つ複数案件についての営業活動パターンの平均を求め、その平均営業活動パターンを表す前記ポテンシャル二次元グラフを作成することができる。すなわち、上記数値データに基づき、特定営業担当者ごとの平均的な顧客サーベイ活動のパターンとして、上記同様のポテンシャル二次元グラフを作成し、顧客サーベイ活動の分析と活動内容の改善に使用することが可能である。
【0022】
また、所定のグループの全営業担当者の前記営業活動パターンの分析を行い、そのグループ全体の平均営業活動パターンを表す前記ポテンシャル二次元グラフを作成することもでき、グループ全体としての顧客サーベイ活動の分析と活動内容の改善に使用することが可能である。
【発明の効果】
【0023】
このように、本発明に係る営業管理システムによれば、前記第1のシステムにより、競合他社との関連において、自社の営業活動の進度を客観的にかつ正確に把握することが可能になり、前記第2のシステムにより、顧客ごとの重要度レベルを把握することが可能になり、これら第1、第2のシステムを併せ持つことにより、顧客の正確な優先順位と他社競合状況のリスクをともに把握して、戦略的かつ総合的に考慮した最適な営業活動を行うことが可能になる。
【0024】
また、営業進度を営業進度二次元グラフに経時的なプロットとして表示していくことにより、案件ごとの自社の営業進度レベルと競合他社との関連、営業進捗状況が瞬時に一目で把握できるようになる。
【0025】
さらに、営業進度二次元グラフに、自社と競合他社との営業進度関係について、勝ち状況領域と負け状況領域とを区画して表示することにより、現状の進捗位置はもちろん、過去の経緯や将来予測についても的確に把握できるようになり、状況を一目で判断できるようになるとともに、最適な営業管理を推進できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明における営業進度二次元グラフおよびポテンシャル二次元グラフ作成のためのプロジェクト案件の設定、登録はメインコンピュータ(パソコンやネットワーク上のサーバ)で行われ、それらに関する入力すべきデータとしては、各営業担当者からの、営業活動情報、営業進捗情報、他社状況情報、顧客状態情報等が、各種モバイル機器や通信システムを介して集計され、上記メインコンピュータに送られる。ここまでは、通常一般の手段を利用できる。
【0027】
本発明においては、集められたデータがメインコンピュータで次のように処理される。図1は、本発明の一実施態様に係る営業管理システムにおける営業進度二次元グラフの一例を示している。図1において、1は営業進度二次元グラフを示しており、営業進度二次元グラフ1は、自社の顧客に対するプロジェクト案件に関し、自社の営業進度2を縦軸、競合他社の営業進度3(競合状況)を横軸とする二軸で表した二次元グラフによって営業状態を表すものである。本実施態様では、自社の営業進度2が、担当者コール開始のスタート条件から契約の成約までの各項目に対応させて9ランク(ランク0を除く)で表されており、競合他社の営業進度3が、競合把握のスタート条件から他社への契約の決定(成約)までの各項目に対応させて6ランク(ランク0を除く)で表されている。これら縦軸、横軸の各項目分けおよびランク付けは、図1に示されたものに限定されず、項目、ランク数とも任意に設定可能である。
【0028】
図1に表した例は、現実の営業進捗状況が、自社と競合他社との間で拮抗しているケースを例示したものであり、各時点での状態を位置づける点4が、経時ランク付けが付された点4として表示されている。本例では、経時ランクは、コール回数に対応させてあり、現状、このプロジェクト案件の顧客に対してコール数8回まで商談が進んだ状況を示している。
【0029】
上記プロットされた経時ランク付けされた各点4により(点4を結ぶ線により)、営業進度二次元グラフ1は、各点4より左上側の領域5と右下側の領域6とに区画される。左上側の領域5は、競合他社の営業進度に対し、相対的に自社の営業進度の方が進んでいる領域と判断でき、勝ち状況領域を表している。右下側の領域6は、自社の営業進度に対し、相対的に競合他社の営業進度の方が進んでいる領域と判断でき、負け状況領域を表している。
【0030】
このような営業進度二次元グラフ1により、そのプロジェクト案件に関する自社の営業状態を一目で把握、判断することが可能になる。負け状況領域6内に位置している場合には、デモンストレーションや差別化強調等の営業努力を行うことにより、勝ち状況領域5へ移行させることが可能である等の判断に用いることができる。また、実際にそのような営業努力を行った結果、営業状況が改善されたか否かも、プロット位置で即時に判断できる。営業状況が顧客と自社との成約に至った場合には、もちろんそのプロジェクト案件は成功(クロージング)であり、この営業進度二次元グラフ1の役目は一旦終了となる。
【0031】
自社、競合他社ともに成約に至らない途中段階で、負け状況領域6内に位置している場合には、例えば、注意プロジェクト案件として表示され、何らかの改善が必要であると判断される。この注意プロジェクト案件の表示は、図1に表した営業進度二次元グラフ1の場合には、負け状況領域6内に位置していることで、そのこととその位置が一目で把握できるが、別途、プロジェクト案件のリスト(表)をコンピュータで表示できるようにし、案件ごとに注意プロジェクト案件であるか、契約可能性のある勝ち状況領域5に位置している案件であるかをプロジェクト案件ごとに表示するようにしてもよい。
【0032】
勝ち状況領域5にあるプロジェクト案件については、営業進度のレベル(上記1〜9のランク)により、プロジェクト案件ごとの成約確度の順位付けを行うこともできる。このようにすれば、グループ全体や事業部門全体の営業状況を総括的に把握することが可能になる。また、任意の営業進度レベル以上(例えば、進度7ランク以上)の商談案件を集計することにより、売上を予測することもできる。
【0033】
また、上記のような営業進度二次元グラフ1により、プロジェクト案件ごとの営業傾向、特定営業担当者の進め方の傾向を把握、分析することもできる。例えば、ある特定営業担当者については、初期のうちは負け状況領域6内に位置していることが多いが、後期に頑張って勝ち状況領域5に移行することが多く、結果として成約に至る場合が多い等の傾向や、その逆の傾向の把握、分析を行うことが可能である。
【0034】
例えば、前述したように、複数のプロジェクト案件について、上記営業進度二次元グラフ1を用いて、平均コール回数(例えば、成約に至るまでの平均コール回数)、平均競合他社営業進度、前記負け状況領域にある注意プロジェクト案件発生件数、該注意プロジェクト案件の発生割合、注意プロジェクト案件の最多発生進度ランク件数、注意プロジェクト案件の最多発生進度ランク件数の割合の少なくとも一つ以上の実績結果(数値データ)を求め、それに基づいて特定営業担当者の営業活動パターンを分析することが可能である。そして、この場合、特定営業担当者の持つ複数案件についての営業活動パターンの平均を求め、その平均営業活動パターンを表す前記営業進度二次元グラフを作成することができる。つまり、上記数値データに基づき、特定営業担当者の平均的な営業実績パターンとして、上記同様の営業進度二次元グラフを作成し「勝ちパターン」、「負けパターン」の営業活動分析と活動内容の改善に使用することが可能である。
【0035】
また、所定のグループや、ある事業部門全体の全営業担当者の前記営業活動パターンの分析を行い、そのグループ全体の平均営業活動パターンを表す前記営業進度二次元グラフを作成することもでき、グループや事業部門全体としての営業活動の分析と活動内容の改善に使用することが可能である。
【0036】
図2は、本発明の一実施態様に係る営業管理システムにおける顧客のポテンシャル二次元グラフの一例を示している。図2において、11はポテンシャル二次元グラフを示しており、ポテンシャル二次元グラフ11は、顧客ニーズに関するポテンシャル12を縦軸、顧客反応13を横軸とする二軸で表した二次元グラフによって顧客の状態を表すものである。本実施態様では、顧客ニーズに関するポテンシャル12が、ニーズなしのスタート条件から予算化・稟議申請までの各項目に対応させて6ランク(ランク0を除く)で表されており、顧客反応13が、関心なしのスタート条件から予算申請までの各項目に対応させて6ランク(ランク0を除く)で表されている。これら縦軸、横軸の各項目分けおよびランク付けは、図2に示されたものに限定されず、項目、ランク数とも任意に設定可能である。
【0037】
図2に表したポテンシャル二次元グラフ11においても、各時点での顧客の状態を位置づける点14が、経時ランク付けが付された点14として表示されている。本例では、経時ランクは、プロジェクト案件の顧客の状態の進捗状況を数字付きのプロットで表されており、本例では、ランク6にて、顧客において予算化・稟議申請まで進んだ状況を示している。
【0038】
自社で捉えた顧客ニーズに関するポテンシャル12と、実際の顧客反応13が、マッチングするのが望ましい状態であり、かつ、それらのランクの好ましい上昇が早期に達成されるのが望ましい状態である。
【0039】
また、前述したように、上記ポテンシャル二次元グラフ11を用いて、平均コール回数、最高位ポテンシャルレベル到達までの平均コール回数、平均顧客反応レベルの少なくとも一つ以上の実績結果を求め、それに基づいて特定営業担当者の営業活動パターンを分析することができる。このときのポテンシャル二次元グラフの構成要素となる「平均コール回数、最高位ポテンシャルレベル到達までの平均コール回数、平均顧客反応レベル」の数値データを用いて特定の営業担当者の顧客サーベイ活動のパターンの分析を行うことができる。
【0040】
そしてこの場合においても、前記営業進度二次元グラフの場合と同様、特定営業担当者の持つ複数案件についての営業活動パターンの平均を求め、その平均営業活動パターンを表すポテンシャル二次元グラフを作成することができる。つまり、上記数値データに基づき、特定営業担当者ごとの平均的な顧客サーベイ活動のパターンとして、上記同様のポテンシャル二次元グラフを作成し、顧客サーベイ活動の分析と活動内容の改善に使用することが可能である。
【0041】
また、所定のグループや、ある事業部門全体の全営業担当者の前記営業活動パターンの分析を行い、そのグループ全体の平均営業活動パターンを表す前記ポテンシャル二次元グラフを作成することもでき、グループ全体や事業部門全体としての顧客サーベイ活動の分析と活動内容の改善に使用することが可能である。
【0042】
上述した営業進度二次元グラフ1とポテンシャル二次元グラフ11とは、営業活動全体において密接に関連している。すなわち、ポテンシャル二次元グラフ11により、顧客の状態を的確に把握、判断できると、その状態に関連させて、営業進度二次元グラフ1における営業進度の改善をはかることが可能となる。したがって、営業進度二次元グラフ1とポテンシャル二次元グラフ11の両方を用いることにより、それらから顧客の正確な優先順位と他社競合状況に関するリスクをともに的確に把握して、戦略的かつ総合的に考慮した最適な営業活動を行うことが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係る営業管理システムは、あらゆる分野の営業に適用でき、営業状況自体を的確に把握、判断して、営業実績の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施態様に係る営業管理システムにおける営業進度二次元グラフの一例である。
【図2】本発明の一実施態様に係る営業管理システムにおけるポテンシャル二次元グラフの一例である。
【符号の説明】
【0045】
1 営業進度二次元グラフ
2 自社の営業進度
3 競合他社の営業進度(競合状況)
4 経時ランク付けされた点
5 勝ち状況領域
6 負け状況領域
11 ポテンシャル二次元グラフ
12 顧客ニーズに関するポテンシャル
13 顧客反応
14 各時点での顧客の状態を位置づける点
15、16 顧客状態に関する領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを用いて、自社の顧客に対するプロジェクト案件に関し、自社の営業進度と競合他社の営業進度を二軸とする二次元グラフによって営業状態を表すことを特徴とする営業管理システム。
【請求項2】
コンピュータを用いて、顧客のニーズに関するポテンシャルと顧客反応を二軸とする二次元グラフによって営業対象としての顧客の状態を表すことを特徴とする営業管理システム。
【請求項3】
コンピュータを用いて、顧客のニーズに関するポテンシャルと顧客反応を二軸とするポテンシャル二次元グラフによって営業対象としての顧客の状態を表すとともに、自社の顧客に対するプロジェクト案件に関し、自社の営業進度と競合他社の営業進度を二軸とする営業進度二次元グラフによって営業状態を表すことを特徴とする営業管理システム。
【請求項4】
前記二次元グラフ上に、各時点での状態を位置づける点がプロットされ、各点に経時ランクが付されている、請求項1〜3のいずれかに記載の営業管理システム。
【請求項5】
前記営業進度二次元グラフに、自社と競合他社との営業進度関係について、勝ち状況領域と負け状況領域とが表示されている、請求項1、3、4のいずれかに記載の営業管理システム。
【請求項6】
前記営業進度二次元グラフに表示されている勝ち状況領域にあるプロジェクト案件について、営業進度のレベルにより、プロジェクト案件ごとの成約確度の順位付けが行われる、請求項5の営業管理システム。
【請求項7】
前記営業進度二次元グラフに表示されている負け状況領域にあるプロジェクト案件について、注意プロジェクト案件として表示される、請求項5の営業管理システム。
【請求項8】
前記ポテンシャル二次元グラフの表示されたポテンシャルのレベルにより、プロジェクト案件について対象顧客ごとの優先度の順位付けが行われる、請求項2〜4のいずれかに記載の営業管理システム。
【請求項9】
前記営業進度二次元グラフを用いて、平均コール回数、平均競合他社営業進度、前記負け状況領域にある注意プロジェクト案件発生件数、該注意プロジェクト案件の発生割合、注意プロジェクト案件の最多発生進度ランク件数、注意プロジェクト案件の最多発生進度ランク件数の割合の少なくとも一つ以上の実績結果が求められ、それに基づいて特定営業担当者の営業活動パターンが分析される、請求項4〜7のいずれかに記載の営業管理システム。
【請求項10】
特定営業担当者の持つ複数案件についての営業活動パターンの平均が求められ、その平均営業活動パターンを表す前記営業進度二次元グラフが作成される、請求項9の営業管理システム。
【請求項11】
所定のグループの全営業担当者の前記営業活動パターンの分析が行われ、そのグループ全体の平均営業活動パターンを表す前記営業進度二次元グラフが作成される、請求項9または10の営業管理システム。
【請求項12】
前記ポテンシャル二次元グラフを用いて、平均コール回数、最高位ポテンシャルレベル到達までの平均コール回数、平均顧客反応レベルの少なくとも一つ以上の実績結果が求められ、それに基づいて特定営業担当者の営業活動パターンが分析される、請求項2〜4、8のいずれかに記載の営業管理システム。
【請求項13】
特定営業担当者の持つ複数案件についての営業活動パターンの平均が求められ、その平均営業活動パターンを表す前記ポテンシャル二次元グラフが作成される、請求項12の営業管理システム。
【請求項14】
所定のグループの全営業担当者の前記営業活動パターンの分析が行われ、そのグループ全体の平均営業活動パターンを表す前記ポテンシャル二次元グラフが作成される、請求項12または13の営業管理システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−209184(P2006−209184A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−16502(P2005−16502)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(301022828)アクアマイクロ株式会社 (1)