説明

噴流浴システム

【課題】「エア有りブロー運転」を開始する際に、音の発生原因となる空気配管内に残留した水を排除する噴流浴システムを提供する。
【解決手段】浴槽と、ポンプと、導水配管部と、ノズルと、ブロー配管部と、ブロー配管部またはノズルへのエア供給とエア非供給とを切り替え可能な開閉弁と、開閉弁の上流側に接続され、大気中のエアを開閉弁に導く第1のエア配管部と、開閉弁の下流側と、ブロー配管部またはノズルと、が接続部により接続され、大気中のエアを開閉弁を介してブロー配管部またはノズルに導く、第2のエア配管部と、ポンプを制御する制御部と、を備え、制御部は、開閉弁を開いた状態で、ポンプを駆動させるエア有りブロー運転を開始する際に、ポンプを定格運転で駆動させる前に、定格運転時の回転数より高い回転数で駆動させるを備えたことを特徴とする噴流浴システムが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽内に気泡入り噴流を噴出させる構成を有する噴流浴システムに関する。
【背景技術】
【0002】
浴槽水を循環させるなどして、この浴槽水に気泡を混入させた噴流を浴槽内の使用者の人体表面に当て、マッサージ効果等を与える浴槽気泡噴出装置がある(例えば、特許文献1および2)。このような装置は、一般的に空気を供給する空気配管を備え、空気を浴槽水に混入させて噴流を噴出する運転(説明の便宜上、「エア有りブロー運転」と称する)と、空気を浴槽水に混入させずに噴流を噴出する運転(説明の便宜上、「エア無しブロー運転」と称する)と、を選択できる場合がある。
【0003】
この場合、「エア有りブロー運転」の際には空気を浴槽水に混入させるため、例えば「ゴォー」や「ブォー」などといった、いわゆる空気を「ちぎる音」が空気配管から発生する。そのため、「エア有りブロー運転」の運転中には、ある程度の音が発生する。
【0004】
しかしながら、空気配管内に水が溜まった状態で「エア有りブロー運転」を行うと、更に大きな騒音が長い時間発生する場合がある。その音の発生原因はエア配管とブロー配管の合流部のエアを巻き込む音に加えて、エア配管内に残留していた水を空気が巻き込んでいる音も発生しているためである。
【特許文献1】特開2005−230041号公報
【特許文献2】特開2007−75197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、「エア有りブロー運転」を開始する際に、音の発生原因となる空気配管内に残留した水を排除する噴流浴システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、浴槽水を貯留すると共に、前記浴槽水を吸い込む吸込口を有する浴槽と、前記吸込口から浴槽水を吸入し加圧して吐出するポンプと、前記吸込口から吸入した浴槽水を前記ポンプに導く導水配管部と、前記ポンプから吐出された浴槽水を前記浴槽の内部に噴出可能なノズルと、前記ポンプから吐出された浴槽水を前記ノズルに導くブロー配管部と、前記ブロー配管部または前記ノズルへのエア供給とエア非供給とを切り替え可能な開閉弁と、前記開閉弁の上流側に接続され、大気中のエアを前記開閉弁に導く第1のエア配管部と、前記開閉弁の下流側と、前記ブロー配管部または前記ノズルと、が接続部により接続され、大気中のエアを前記開閉弁を介して前記ブロー配管部または前記ノズルに導く、第2のエア配管部と、前記ポンプを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記開閉弁を開いた状態で、エア有りブロー運転を開始する際に、前記ポンプを定格運転で駆動させる前に、前記定格運転時の回転数より高い回転数で駆動させるように制御することを特徴とする噴流浴システムが提供される。
【0007】
また、本発明の他の一態様によれば、浴槽水を貯留すると共に、前記浴槽水を吸い込む吸込口を有する浴槽と、前記吸込口から浴槽水を吸入し加圧して吐出するポンプと、前記吸込口から吸入した浴槽水を前記ポンプに導く導水配管部と、前記ポンプから吐出された浴槽水を前記浴槽の内部に噴出可能なノズルと、前記ポンプから吐出された浴槽水を前記ノズルに導くブロー配管部と、前記ブロー配管部または前記ノズルへのエア供給とエア非供給とを切り替え可能な開閉弁と、前記開閉弁よりも下流側に設けられ、前記ノズルまたは前記ブロー配管部側から前記開閉弁側への前記浴槽水の侵入を防止する逆止弁と、前記逆止弁の上流側に接続され、大気中のエアを前記開閉弁に導く第3のエア配管部と、前記逆止弁の下流側と、前記ブロー配管部または前記ノズルと、が接続部により接続され、大気中のエアを前記逆止弁を介して前記ブロー配管部または前記ノズルに導く、第4のエア配管部と、前記ポンプを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記開閉弁を開いた状態で、エア有りブロー運転を開始する際に、前記ポンプを定格運転で駆動させる前に、前記定格運転時の回転数より高い回転数で駆動させるように制御することを特徴とする噴流浴システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様によれば、「エア有りブロー運転」を開始する際に、音の発生原因となる空気配管内に残留した水を排除する噴流浴システムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、浴槽水を貯留すると共に、前記浴槽水を吸い込む吸込口を有する浴槽と、前記吸込口から浴槽水を吸入し加圧して吐出するポンプと、前記吸込口から吸入した浴槽水を前記ポンプに導く導水配管部と、前記ポンプから吐出された浴槽水を前記浴槽の内部に噴出可能なノズルと、前記ポンプから吐出された浴槽水を前記ノズルに導くブロー配管部と、前記ブロー配管部または前記ノズルへのエア供給とエア非供給とを切り替え可能な開閉弁と、前記開閉弁の上流側に接続され、大気中のエアを前記開閉弁に導く第1のエア配管部と、前記開閉弁の下流側と、前記ブロー配管部または前記ノズルと、が接続部により接続され、大気中のエアを前記開閉弁を介して前記ブロー配管部または前記ノズルに導く、第2のエア配管部と、前記ポンプを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記開閉弁を開いた状態で、エア有りブロー運転を開始する際に、前記ポンプを定格運転で駆動させる前に、前記定格運転時の回転数より高い回転数で駆動させるように制御することを特徴とする噴流浴システムである。
この噴流浴システムによれば、制御部が、開閉弁を開いた状態で、ポンプを駆動させる「エア有りブロー運転」を開始する際に、定格運転時の回転数より高い回転数で駆動させた後に、ポンプを定格運転で駆動させるようにしている。そのため、「エア有りブロー運転」を開始する際に、音の発生原因となる空気配管内に溜まった水をブロー配管部に一気に排除するすることができる。従って、大きな騒音が長い時間、発生するおそれがない。
【0010】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記第1のエア配管部よりも、前記第2のエア配管部の経路が短くなるように、前記開閉弁が配設されていることを特徴とする噴流浴システムである。
この噴流浴システムによれば、開閉弁よりも下流側の配管部、すなわち第2のエア配管部の長さを短く設定できるため、第2のエア配管部内に溜まる水をより抑制することができる。
【0011】
また、第3の発明は、浴槽水を貯留すると共に、前記浴槽水を吸い込む吸込口を有する浴槽と、前記吸込口から浴槽水を吸入し加圧して吐出するポンプと、前記吸込口から吸入した浴槽水を前記ポンプに導く導水配管部と、前記ポンプから吐出された浴槽水を前記浴槽の内部に噴出可能なノズルと、前記ポンプから吐出された浴槽水を前記ノズルに導くブロー配管部と、前記ブロー配管部または前記ノズルへのエア供給とエア非供給とを切り替え可能な開閉弁と、前記開閉弁よりも下流側に設けられ、前記ノズルまたは前記ブロー配管部側から前記開閉弁側への前記浴槽水の侵入を防止する逆止弁と、前記逆止弁の上流側に接続され、大気中のエアを前記開閉弁に導く第3のエア配管部と、前記逆止弁の下流側と、前記ブロー配管部または前記ノズルと、が接続部により接続され、大気中のエアを前記逆止弁を介して前記ブロー配管部または前記ノズルに導く、第4のエア配管部と、前記ポンプを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記開閉弁を開いた状態で、エア有りブロー運転を開始する際に、前記ポンプを定格運転で駆動させる前に、前記定格運転時の回転数より高い回転数で駆動させるように制御することを特徴とする噴流浴システムである。
この噴流浴システムによれば、制御部が開閉弁を開いた状態で、ポンプを駆動させる「エア有りブロー運転」を開始する際に、ポンプを定格運転時の回転数より高い回転数で駆動させた後に、定格運転で駆動させている。そのため、「エア有りブロー運転」を開始する際に、音の発生原因となる空気配管内に溜まった水をブロー配管部に一気に排除することができる。従って、大きな騒音が長時間にわたって発生するおそれがない。
【0012】
また、第4の発明は、第3の発明において、前記第3のエア配管部よりも、前記第4のエア配管部の経路が短くなるように、前記逆止弁が配設されていることを特徴とする噴流浴システムである。
この噴流浴システムによれば、逆止弁よりも下流側の配管部、すなわち第2のエア配管部の長さを短く設定できるため、第2のエア配管部内に溜まる水をより抑制することができる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる噴流浴システムの構成を表す概略図である。
また、図2は、本実施形態にかかる噴流浴システムを平面方向から見た模式図である。 また、図3は、本実施形態にかかる噴流浴システムを側面方向から見た模式図である。
【0014】
本実施形態に係る噴流浴システムは、主として、浴槽1と、浴槽1内の浴槽水を吸入しノズル12、16から再び浴槽水中に噴出させるための噴流噴出部と、ノズル12、16から噴出される噴流に気泡を混入可能にするエア供給部と、を備える。
【0015】
まず、噴流噴出部について、図面を参照しつつ説明する。
浴槽1は、浴槽水を貯留すると共に、貯留された浴槽水を吸い込むための吸込口5を有する。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。吸込口5は浴槽1における長辺側浴槽壁に形成され、吸込口5は導水配管部6を介してポンプ7の吸入口に接続されている。ポンプ7が駆動されると、浴槽1内に貯留された浴槽水は吸込口5から導水配管部6へと吸い込まれる。
【0016】
対向する一対の長辺側浴槽壁と、対向する一対の短辺側浴槽壁と、を有する通常の浴槽を考えた場合、一般に、入浴者は、一対の短辺側浴槽壁の一方に背をもたれかけて他方の短辺側浴槽壁に足を向けた姿勢で入浴するため、吸込口5を短辺側浴槽壁に形成した場合には、入浴者の背中や足裏で吸込口5がふさがれポンプ7に過剰の負荷がかかることが懸念される。したがって、吸込口5は、入浴者の身体の一部等によってふさがれにくい長辺側浴槽壁に形成するのが望ましい。
【0017】
ポンプ7の吐出口には吐出管路部8が接続され、その吐出管路部8には、本実施形態における切替弁としての三方弁9を介して2系統の噴流供給系統が接続されている。これら2系統の噴流供給系統は吐出管路部8に対して2つに分岐して設けられ、各系統は他の系統とはつながっておらずそれぞれ独立して噴流噴出動作を行うことができる。
【0018】
第1の噴流供給系統は、三方弁9を介して吐出管路部8に接続された第1のブロー配管部11と、ポンプ7から吐出されて吐出管路部8及び第1のブロー配管部11に導かれた加圧浴槽水を浴槽1の内部に噴出可能な第1のノズル12と、を有する。第1のブロー配管部11は、その下流側が2つに分岐しており、その分岐先にそれぞれ第1のノズル12が接続されている。
【0019】
第2の噴流供給系統は、三方弁9を介して吐出管路部8に接続された第2のブロー配管部15と、ポンプ7から吐出されて吐出管路部8及び第2のブロー配管部15に導かれた加圧浴槽水を浴槽1の内部に噴出可能な第2のノズル16と、を有する。第2のブロー配管部15は、その下流側が2つに分岐しており、その分岐先にそれぞれ第2のノズル16が接続されている。
【0020】
なお、各系統が有するノズルは1つでもよく、その場合各ブロー配管部11、15は先を分岐させる必要はない。あるいは、各系統は3つ以上のノズルをそれぞれ有していてもよい。本実施形態では、例えば2つの第1のノズル12が一方の短辺側浴槽壁2aに取り付けられ、その短辺側浴槽壁2aに対向する他方の短辺側浴槽壁2bには例えば2つの第2のノズル16が取り付けられている。
【0021】
ポンプ7および三方弁9は、使用者による操作部22の操作を受けて、制御部21からの信号に基づいて制御される。使用者の操作による制御信号に基づいて第1のノズル12から噴流を噴出させるときには、三方弁9は、ポンプ7の吐出口に接続された吐出管路部8と、第1のノズル12に接続された第1のブロー配管部11と、を連通させ、第2のノズル16に接続された第2のブロー配管部15と、吐出管路部8と、を遮断する「第1の位置」に切り替わる。そして、吸込口5から吸い込まれポンプ7により加圧された加圧浴槽水は、第1のブロー配管部11を導かれて、第1のノズル12から浴槽水中に噴出される。
【0022】
一方、使用者の操作による制御信号に基づいて第2のノズル16から噴流を噴出させるときには、三方弁9は、吐出管路部8と、第2のノズル16に接続された第2のブロー配管部15と、を連通させ、第1のノズル12に接続された第1のブロー配管部11と、吐出管路部8と、を遮断する「第2の位置」に切り替わる。そして、吸込口5から吸い込まれポンプ7により加圧された加圧浴槽水は、第2のブロー配管部15を導かれて、第2のノズル16から浴槽水中に噴出される。
【0023】
すなわち、ポンプ7の駆動時、第1のノズル12を有する第1の噴流供給系統と、第2のノズル16を有する第2の噴流供給系統と、は同時にはポンプ7の吐出側に連通せず、いずれか1つの系統のみがポンプ7の吐出側に連通して、第1のノズル12と第2のノズル16とのいずれか一方のみから噴流が噴出される。
【0024】
次に、エア供給部について、図面を参照しつつ説明する。
浴槽1の内槽の上縁部の周囲に設けられた浴槽リム3において、吸込口5が形成された長辺側浴槽壁と、第1のノズル12が設けられた短辺側浴槽壁2aと、の角部近傍にエア取り込み口41が形成されている。
【0025】
エア取り込み口41には第1のエア配管部32が接続され、その第1のエア配管部32にはエア流路を開閉する開閉弁31を介して、第2のエア配管部35が接続されている。また、第1のエア配管部32は、エア取り込み口41を介して大気に連通している。第2のエア配管部35は下流側において2つに分岐され、2つの第2のブロー配管部15のそれぞれに接続されている。なお、第2のエア配管部35は、2つの第2のノズル16のそれぞれに接続されていてもよい。また、開閉弁31は、例えば電磁弁などの電気的駆動式の開閉弁であってもよいし、手動的駆動式の開閉弁であってもよい。
【0026】
上記の第2のエア配管部35に水が溜まるおそれがある。空気配管35に水が溜まった状態で「エア有りブロー運転」を行うと、大きな騒音が発生する場合がある。その音の発生原因はエア配管とブロー配管の合流部のエアを巻き込む音に加えて、エア配管内の空気が水を巻き込んでいる音も発生しているためである。
【0027】
開閉弁31は、使用者による操作部22の操作を受けて、制御部21からの信号に基づいて制御される。そして、その制御信号に基づいて開閉弁31を開くことで、浴槽リム3に設けたエア取り込み口41と、第1のエア配管部32と、第2のエア配管部35と、を介して第2のブロー配管部15または第2のノズル16内に大気中のエアを混入させ、気泡入り噴流を噴出させることができる。これによれば、第2のノズル16が取り付けられた短辺側浴槽壁2bに体の前面側を向け、反対側の短辺側浴槽壁2aに背をもたれかけた入浴者に対して流量の多いパワフルな噴流が噴出され、入浴者の例えば下肢などを局所的に刺激できる。
【0028】
一方、使用者の操作による制御信号に基づいて、開閉弁31を閉じることもできる。その結果、第2のブロー配管部15または第2のノズル16内へのエアの供給は遮断され、第2のノズル16からは気泡なしの噴流が噴出される。これによれば、第2のノズル16が取り付けられた短辺側浴槽壁2bに体の前面側を向け、反対側の短辺側浴槽壁2aに背をもたれかけた入浴者は、水の流れでやさしく体を包まれる感じを体感でき、心をリラックスできる。
【0029】
エア取り込み口41には第3のエア配管部37がさらに接続され、その第3のエア配管部の一端(下流端)は吸込口5に接続されている。また、第3のエア配管部37は、エア取り込み口41を介して大気に連通している。例えば、吸込口5が入浴者の体の一部や髪の毛などによって閉塞され、吸込口5の内部の負圧が高まると、エジェクター効果によりその内部にエア取り込み口41および第3のエア配管部37を介してエアが取り込まれる。その結果、ポンプ7はそのエアを吸い込むことで能力が低下または停止する。これにより、浴槽水が吸い込まれない状況でのポンプ7の無駄な駆動を回避でき、また、吸込口5における吸引力が弱まり、入浴者の体の一部や髪の毛などをその吸込口5から容易に離すことができる。
【0030】
本発明の第1の実施の形態によれば、制御部が開閉弁31を開いた状態でポンプ7を駆動させる「エア有りブロー運転」を開始する際に、定格運転時の回転数より高い回転数で駆動させた後に、ポンプを定格運転で駆動させるようにしている。「定格運転」とは、使用者の操作による予め設定された制御信号に基づいて、吸込口5から吸い込まれた浴槽水をポンプ7により加圧させ、第2のノズル16から噴流を噴出させる通常運転をいう。また、「ポンプを定格運転時の回転数より高い回転数で駆動させる」とは、通常運転の場合におけるポンプ7の回転数よりも高くすることである。そうすることによって、「エア有りブロー運転」を開始する際に、音の発生原因となる空気配管内に溜まった水をブロー配管部に一気に排除するすることができる。従って、大きな騒音が長い時間、発生するおそれがない。
【0031】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図4は、本発明の第2の実施の形態にかかる噴流浴システムの構成を表す概略図である。
本実施形態にかかる噴流浴システムにおいて、第3のエア配管部37はエア取り込み口41から開閉弁31を介して逆止弁43までの配管をいい、第4のエア配管部38は逆止弁43から第2のブロー配管部15までの配管をいう。これは、図1に表した噴流浴システムにおける第2のエア配管部35の途中に、逆止弁43が介在していると考えることもできる。逆止弁43は、第2のノズル16から第4のエア配管部38を介して、上流側の第3のエア配管部37へ湯水が侵入することを防止する。そのため、逆止弁43よりも上流側の第3のエア配管部37内には、垢などの汚れが付着堆積しにくい。その他の構成については、図1に関して前述した噴流浴システムの構成と同様である。
【0032】
上記の第4のエア配管部38に水が溜まるおそれがある。第4のエア配管部38に水が溜まった状態で「エア有りブロー運転」を行うと、大きな騒音が発生する場合がある。その音の発生原因はエア配管とブロー配管の合流部のエアを巻き込む音に加えて、エア配管内に残留していた水を空気が巻き込んでいる音も発生しているためである。
【0033】
本発明の第2の実施の形態によれば、制御部が開閉弁31を開いた状態でポンプ7を駆動させる「エア有りブロー運転」を開始する際に、定格運転時の回転数より高い回転数で駆動させた後に、ポンプを定格運転で駆動させるようにしている。「定格運転」とは、使用者の操作による予め設定された制御信号に基づいて、吸込口5から吸い込まれた浴槽水をポンプ7により加圧させ、第2のノズル16から噴流を噴出させる通常運転をいう。また、「ポンプを定格運転時の回転数より高い回転数で駆動させる」とは、通常運転の場合におけるポンプ7の回転数よりも高くすることである。そうすることによって、「エア有りブロー運転」を開始する際に、音の発生原因となる空気配管内に溜まった水をブロー配管部に一気に排除するすることができる。従って、大きな騒音が長い時間、発生するおそれがない。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、噴流噴出部やエア供給部などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などやエア取り込み口やブロー配管部の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる噴流浴システムの構成を表す概略図である。
【図2】本実施形態にかかる噴流浴システムを平面方向から見た模式図である。
【図3】本実施形態にかかる噴流浴システムを側面方向から見た模式図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態にかかる噴流浴システムの構成を表す概略図である。
【符号の説明】
【0036】
1浴槽、 2a短辺側浴槽壁、 2b短辺側浴槽壁、 3浴槽リム、 5吸込口、 6導水配管部、 7ポンプ、 8吐出管路部、 9三方弁、 11第1のブロー配管部、 12第1のノズル、 15第2のブロー配管部、 16第2のノズル、 21制御部、 22操作部、 31開閉弁、 32第1のエア配管部、 35第2のエア配管部、 37第3のエア配管部、 38第4のエア配管部、 41エア取り込み口、 43逆止弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽水を貯留すると共に、前記浴槽水を吸い込む吸込口を有する浴槽と、
前記吸込口から浴槽水を吸入し加圧して吐出するポンプと、
前記吸込口から吸入した浴槽水を前記ポンプに導く導水配管部と、
前記ポンプから吐出された浴槽水を前記浴槽の内部に噴出可能なノズルと、
前記ポンプから吐出された浴槽水を前記ノズルに導くブロー配管部と、
前記ブロー配管部または前記ノズルへのエア供給とエア非供給とを切り替え可能な開閉弁と、
前記開閉弁の上流側に接続され、大気中のエアを前記開閉弁に導く第1のエア配管部と、
前記開閉弁の下流側と、前記ブロー配管部または前記ノズルと、が接続部により接続され、大気中のエアを前記開閉弁を介して前記ブロー配管部または前記ノズルに導く、第2のエア配管部と、
前記ポンプを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記開閉弁を開いた状態で、エア有りブロー運転を開始する際に、前記ポンプを定格運転で駆動させる前に、前記定格運転時の回転数より高い回転数で駆動させるように制御する
ことを特徴とする噴流浴システム。
【請求項2】
前記第1のエア配管部よりも、前記第2のエア配管部の経路が短くなるように、前記開閉弁が配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の噴流浴システム。
【請求項3】
浴槽水を貯留すると共に、前記浴槽水を吸い込む吸込口を有する浴槽と、
前記吸込口から浴槽水を吸入し加圧して吐出するポンプと、
前記吸込口から吸入した浴槽水を前記ポンプに導く導水配管部と、
前記ポンプから吐出された浴槽水を前記浴槽の内部に噴出可能なノズルと、
前記ポンプから吐出された浴槽水を前記ノズルに導くブロー配管部と、
前記ブロー配管部または前記ノズルへのエア供給とエア非供給とを切り替え可能な開閉弁と、
前記開閉弁よりも下流側に設けられ、前記ノズルまたは前記ブロー配管部側から前記開閉弁側への前記浴槽水の侵入を防止する逆止弁と、
前記逆止弁の上流側に接続され、大気中のエアを前記開閉弁に導く第3のエア配管部と、
前記逆止弁の下流側と、前記ブロー配管部または前記ノズルと、が接続部により接続され、大気中のエアを前記逆止弁を介して前記ブロー配管部または前記ノズルに導く、第4のエア配管部と、
前記ポンプを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記開閉弁を開いた状態で、エア有りブロー運転を開始する際に、前記ポンプを定格運転で駆動させる前に、前記定格運転時の回転数より高い回転数で駆動させるように制御する
ことを特徴とする噴流浴システム。
【請求項4】
前記第3のエア配管部よりも、前記第4のエア配管部の経路が短くなるように、前記逆止弁が配設されている
ことを特徴とする請求項3に記載の噴流浴システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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