説明

噴霧される薬剤を貯蔵するアンプルを含む吸入療法装置

【課題】本発明は、噴霧室(12)内にエアロゾル又はミスト(21)が提供されるように、好ましくは流体(8)の形態で存在する薬剤を噴霧室(12)の中に噴霧する噴霧器(2)を含む吸入療法装置(1)を提供する。
【解決手段】患者又は使用者は、噴霧器(2)によって作り出されたエアロゾル(21)を噴霧室(12)からマウスピース(13)を経由して吸入することができる。流体を収容するアンプル(100)を保持するアンプルホルダ(3)にアンプル(100)が挿入される。吸入療法装置(1)はまた、流体を収容するアンプル(100)を開封するための開封装置(4)も含む。アンプルホルダ(3)は、好ましくは、開封装置(4)に対して移動可能に配置された第1の部分(31)を含み、それによって、アンプルホルダ内に存在するアンプル(100)を開封装置の方向に移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴霧される薬剤が吸入療法装置に挿入可能なアンプル中に貯蔵される、吸入療法装置に関する。
【背景技術】
【0002】
治療用のエアロゾルは吸入療法装置で発生させられるが、非常に高度な要件を満たさなければならないものがある。前記必要条件は、吸入装置で実施される治療に依る。前記必要条件の1つは、投与精度、即ち、エアロゾルとして提供される薬剤の投与量精度に関する。患者に投与される薬剤の用量が正確に確定されている場合のみ、非常に有効な薬剤を用いた有効な治療を実施可能である。投与量精度に影響を与える基本的条件の1つは、吸入療法装置内に配置される噴霧される流体の量である。
【0003】
所定の充填量を確実にする1つの手法は、製造時に正確に決定した流体量を収容するアンプルであって、かつ吸入療法の治療準備として使用者が装置に配置するアンプルを、吸入療法装置の使用者に提供することである。
【0004】
このようなアンプルを有する吸入療法装置は、国際公開第02/074374A号パンフレットおよび米国特許出願公開第2003/0140921A号明細書に記載されている。アンプルは使用者によって開封された後、アンプルは噴霧装置に設置されたアンプルホルダに上から挿入される。アンプルの挿入後、アンプル内に貯蔵された流体は、噴霧器のエアロゾル発生器に供給される。
【0005】
既知のアンプルの構造には、様々な点で欠点がある。第1に、使用者がアンプルを開封するとき、アンプルの内容物が汚染される可能性がある。第2に、アンプルが療法装置に挿入されるとき、流体を損失する可能性がある。最後に、アンプル内に充填された流体全量の、アンプルから噴霧療法装置のエアロゾル発生器への移動は、高投与量精度に必須の確実性を保障できない。
【発明の概要】
【0006】
前記技術背景に対して、本発明が解決しようとする課題は、前述の欠点がなく、かつより高い投与量精度が達成される、噴霧薬剤を貯蔵するアンプルを含む吸入療法装置を提供することである。
【0007】
本発明の課題は、請求項1の特徴を有する吸入療法装置および/または請求項16の特徴を有するアンプルによって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項から生じる。
【0008】
本発明の吸入療法装置は、噴霧装置に供給される流体を噴霧し、エアロゾルを発生させるための噴霧装置、流体を収容するアンプルを保持するためのアンプルホルダ、および、前記流体を収容するアンプルを開封するための開封手段を含む。本発明は、開封手段とアンプルホルダの第1の部分は互いに対して移動可能となるように配置されており、移動時に開封手段がアンプルホルダ内に配置されたアンプルを開封して、前記アンプル内に収容された流体がネブライザ装置に到達するようになっている。よって、アンプルを吸入療法装置に挿入する前に、もはや使用者がアンプルの開封を実施する必要がなくなる。使用者は、むしろアンプルをアンプルホルダに挿入し、吸入療法装置の一部である開封手段を使用し、開封手段をアンプルホルダに対して移動させることによって前記アンプルを開封することができる。移動は様々な方法ですることができるが、本発明では、通常は吸入療法装置に、より正確には吸入療法装置のアンプルホルダにアンプルを挿入して初めて実施される。
【0009】
この時点で、用語「アンプル」は、中に薬剤を貯蔵できるあらゆるタイプの容器又は液体保持容器(reservoir)と理解されるべきであることを記載しなければならない。アンプルは特定の様々な材料から、例えば、プラスチック、ガラス、金属又は他の好ましい材料などからなってもよい。特に、アンプルは、部分ごとに異なる材料からなってもよい。例えば、ガラスアンプルをプラスチックシールで密封してもよく、又はアンプルの異なる領域を、対応するアンプル領域での使用に応じて選択した、別のプラスチックで製造してもよい。
【0010】
好ましい実施形態では、アンプルホルダは吸入療法装置の蓋に配置されている。これによって、吸入療法装置の閉鎖時に使用者が蓋のアンプルホルダ内にあるアンプルを吸入療法装置に正しく配置すること、および、使用者がまた最小限の数の構成部品、例えば、蓋を有する吸入療法装置を操作するだけでよいことを保障する。
【0011】
別の好ましい実施形態では、流体を収容するアンプルを開封するための開封手段は針として形成されている。適切に形成されている場合、アンプルは複雑な機構を設ける必要なく、この方法で比較的容易に開封することができる。適切に形成されたアンプルの領域、例えばプラスチックで製造された薄肉の密封領域を針で穴あけすることによって開封することができる。
【0012】
別の好ましい実施形態では、吸入療法装置には、噴霧される流体を噴霧装置に供給するための供給手段が更に設けられており、流体は供給手段を通って噴霧装置に到達する。このようにして、特に、開封手段の配置と噴霧装置の配置が異なる場合、噴霧装置を必ずしも開封手段にすぐ隣接して設ける必要はなく、また開封手段から離して設けてもよい。供給手段は導管の役割をするだけでなく、局所的状況に適合するように開封手段の配置と噴霧装置の配置を任意に選択することを可能にする。
【0013】
別の好ましい実施形態では、開封手段は、開封手段の長手方向に少なくとも部分的に延びる導管を含み、流体はこの導管を通ってアンプルから噴霧装置又は供給手段に移動する。特に開封手段が針として形成されている場合、適切に設計されたアンプルが穿刺されると、流体は穿刺後に、針の内側にチャネルとして形成された導管を通って噴霧装置又は供給手段に移動することができる。アンプルを開封するときの密閉の問題をこのようにして容易に解決することができる。
【0014】
別の好ましい実施形態では、開封手段とアンプルホルダの第1の部分は、実質的に直線状、円形、又はらせん状の経路に沿って移動可能である。アンプルが適切に設計されている場合、直線移動により、開封工程の間、アンプル内の薬剤を損失しないようにアンプルと開封手段との間の密閉を維持することができる。実質的に円形の移動は、接線方向の開封運動の場合、又は対応して設計されたアンプルの一部が開封のために剪断される場合、特に有利である。実質的にらせん状の開封移動の場合、実質的に直線状の開封運動と実質的に円形の開封運動を組み合わせることができ、これは、ねじ山を用いて吸入療法装置の蓋を閉鎖する時に特に有利である。実質的に直線状の移動の場合、軸方向の運動は差込閉鎖に使用することができるが、実質的に円形の運動の場合、軸方向の運動に続く回転運動は差込閉鎖に使用することができる。
【0015】
別の好ましい実施形態では、開封手段は、移動時に、開封が意図されているアンプルの壁領域に切り込むように設計されているカッターを有する。この場合も同様に、開封運動中に確実な密閉を達成することができるように、カッターは、それに応じた正確な動作によって実現可能な、実質的に予測可能な開封を可能にする。更に、カッターとアンプルが適切に設計されている場合、アンプルの一部が切り離されるか又は欠けて、偶発的に噴霧装置又は最悪の場合には患者の気道に到達することを防止できるように、開封運動は制御して実施することができる。対応するように設計されたアンプルを開封するのに必要なものに応じて、カッターは実質的に軸方向に、軸方向に垂直に、又は軸方向に対してある角度で設けることができる。
【0016】
別の好ましい実施形態では、開封手段は供給手段と一体的に連結されている。供給手段と一体的又は一部的に連結されている開封手段により、少数の構成部品で、且つ、汚染され易い接合部を用いることなく、吸入療法装置を技術的に簡単に製造することが可能になる。
【0017】
別の好ましい実施形態では、吸入療法装置は、開封手段に当接してアンプルを密封するための密封装置を含む。吸入療法装置に当接するこのようなアンプルの密封によって、必然的に投与量の確度の低下に繋がり、また結果として流体又は薬剤を制御不可能なまま外部に到達させうる、アンプル内に存在する流体又は薬剤の損失を防止することができる。
【0018】
別の好ましい実施形態では、開封手段は、開封手段に当接してアンプルの開口部を密封するように形成されている。このようにして、密封をできるだけ開封手段に近接して設けることができる。アンプル内の流体と接触する吸入療法装置の表面積をできるだけ少なくし、外面への接着により治療に用いられなくなる流体の損失がごく少量になるようにする。Oリング若しくは密封リップ(sealing lip)などの既存の密封要素で、又はアンプルと開封手段の間の精密嵌合によっても密封手段を実現することができる。
【0019】
別の好ましい実施形態では、吸入療法装置は、アンプル内に正圧を作り出し、アンプルを移動した位置に圧搾保持するように設計されている圧搾手段を含む。このようにして、アンプルの開封時に、流体と共にアンプル内に収容されているガス又は空気を漏出させることができる。空気又はガスの漏出後、アンプルが圧搾された状態で吸入療法装置に当接して密閉される場合、および、その後圧搾が停止される場合、アンプル内が負圧になり、流体が既に噴霧装置に到達している場合でも、アンプル内の流体に影響する。供給手段と反対側の噴霧膜の膜側での液滴形成は減少し得ることは判明しているため、流体保持容器内のこのような負圧は、噴霧結果に特に有益な影響を及ぼす。
【0020】
別の好ましい実施形態では、アンプルホルダは圧搾手段を構成し、圧搾手段は、開封中にアンプルを圧搾するように形成されている。このようにして、アンプル内で発生した正圧は開封時に漏出することができる。これは、この手順中にアンプル口が上向きの姿勢に保持される場合、開封時に流体は漏出せずアンプル内のガスだけが漏出するので、特に有利である。その後で密封と圧搾手段からのアンプルの解放時に、アンプル内で負圧を発生させることができる。流体が負圧下にあるとき、特に良好な噴霧結果が得られたため、負圧は噴霧に特に有利であることがこれまでに分かっている。或いは、アンプルホルダの移動可能な部分に対しては固定されていないが、開封手段に対しては固定されているように、圧搾手段を開封手段に設けることもできる。このようにして、アンプルが圧搾手段に押し込まれるとき、圧搾と、続く圧搾からの解放を達成することができる。
【0021】
別の好ましい実施形態では、アンプルホルダの第1の部分は、移動時にのみアンプルと係合するように設計されている。
【0022】
別の好ましい実施形態では、アンプルホルダは、アンプルを保持するように設計されている第2の部分を含む。このようにして、アンプルをアンプルホルダの別の部分、例えば、移動可能ではない別の部分に導入することができる。そのため、使用者はアンプルをアンプルホルダの第2の固定部分に対して操作することができ、アンプルを位置決めするとき、ホルダのこの部分は動かすことができない。このようにして、例えば、吸入療法装置の蓋の可動部分がアンプルの挿入時に後退する場合、とりわけ使用者の焦燥を回避することができる。更に、それによって使用者は、完全な開封と装置の使用の準備に関する知覚可能な反応を得る。
【0023】
別の好ましい実施形態では、アンプルホルダの第1の部分とアンプルホルダの第2の部分は互いに対して移動可能であるように形成されている。そのため、アンプルの第1の領域と第2の領域を移動させて、アンプル内に負圧又は正圧が生じる時に、アンプルの第1の領域に作用するアンプルホルダの第1の部分とアンプルの第2の領域に作用するアンプルホルダの第2の部分を互いに対して動かす。これによって、アンプルホルダに挿入した後、アンプルを予め開封する必要なく、アンプル内に負圧又は正圧が発生するようにアンプルを動かせることを達成することができる。アンプルホルダのこのような設計によって、例えば、頭上の位置でもアンプル内に負圧を発生させ、流体又は薬剤を損失しないようにアンプルを確実に開封且つ密封することが可能になる。
【0024】
本発明のアンプルは、前述のような吸入療法装置に使用されるように設計されている。ここで、アンプルは開封手段で開封されるように設計された第1の領域と、アンプルホルダで保持されるように設計された第2の領域とを含む。このようにして、前述の吸入療法装置に使用可能な、またその設計により、使用者が自分で直接開封する必要がなく、代わりに吸入療法装置の開封手段で開封できる利点があるアンプルが提供される。これによって、使用者がアンプルの開封を自分で直接操作する必要が回避される。これによって、吸入療法装置にアンプルを使用するとき、改善された投与量精度と操作の安全性を保障する。
【0025】
好ましい実施形態では、アンプルは、アンプルを開封手段又は供給手段に当接して密封するように形成されている密封面を有する。これによって、アンプル内に配置された流体又は薬剤がアンプルから偶発的に漏れ、吸入療法に使用できなくなることを回避できる。Oリング又は密封リップなどの顕在する密封要素によって密封面が実現されていてもよい。これらの密封要素はアンプル上に直接形成されていてもよい。或いは、対応して設計されたアンプルの壁領域は、例えば、針で穴あけされるとき、その弾性により密封要素の役割をすることができる。
【0026】
別の好ましい実施形態では、アンプルの第1の領域は、アンプルの第2の領域に対して移動可能となるように配置されている。これによって、例えば、それは更なる噴霧に関して噴霧結果に有利な影響を及ぼす、アンプル内に正圧又は負圧が発生するようにアンプルの容積を拡大又は縮小することが可能になる。
【0027】
別の好ましい実施形態では、アンプルの第1の領域とアンプルの第2の領域は弾性要素又はベローズで結合されている。この方法では、アンプルの第1の領域と第2の領域は、アンプルを開封する必要なく、且つ流体又は薬剤を損失することなく、互いに対して可動である。従って、密封されたアンプルを開封する必要なく、アンプルの容積を拡大又は縮小することができる。
【0028】
別の好ましい実施形態では、アンプルは、アンプルの第2の部分がアンプルホルダの係合時に引張力を吸収するように設計されている。この方法では、移動によりアンプル内に発生した正圧又は負圧を維持するため、互いに対して移動した後、アンプルの第1の領域をアンプルの第2の領域に対する目的位置に保持することが可能である。更に、負圧が発生したアンプルでは、アンプルと開封手段が適切に設計されている場合、アンプルが開封された状態にあるときでも負圧状態を維持することが可能である。よって、流体が負圧下で噴霧装置に供給される場合に噴霧装置による噴霧を起こすことができ、既に前述したように、それによって噴霧装置から特に良好な噴霧結果が得られる。
【0029】
ここで、好ましい実施形態および以下の図を参照して本発明を説明する。しかしながら、本発明は図に示されている特定の実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態による吸入療法装置の図である。
【図2】各段階における開封手段によるアンプルの開封工程の図である。
【図3】アンプル本体および開封領域の設計に関するアンプルの様々な実施形態の図である。
【図4】開封手段でアンプルを開封するための吸入療法装置の一実施形態の図である。
【図5】開封手段に当接するアンプルの封の様々な実施形態の図である。
【図6】本発明の一実施形態によるアンプルの圧搾を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるアンプルの内側での負圧の発生を示す図である。
【図8】本発明の別の実施形態によるアンプルの内側での負圧の発生を示す図である。
【図9】アンプル内で負圧を発生させるためのアンプルの様々な実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明による吸入療法装置1の好ましい実施形態を示す。吸入療法装置1は、噴霧室12内でエアロゾル又はミスト21が提供されるように、好ましくは流体8の形態で提供される薬剤を噴霧室12に噴霧する噴霧装置2を含む。患者又は使用者は、ネブライザ装置2で発生したエアロゾル21を噴霧室12からマウスピース13を介して吸入することができる。明確にするため、吸入療法装置に必要とされることがある吸気弁又は呼気弁の形態の弁は、図1には記載されていない。
【0032】
本明細書に示されている実施形態では、流体8はアンプル100で提供され、本発明では、アンプル100は吸入療法装置に挿入される前は閉じている。アンプル100は、流体を収容するアンプル100を保持するアンプルホルダ3に挿入される。吸入療法装置1は更に、流体を収容したアンプル100の開封を担う開封手段4を含む。アンプルホルダ内に配置されたアンプル100を開封手段の方向に動かすことができるように、アンプルホルダ3は好ましくは開封手段4に対して移動可能であるように配置された第1の部分31を含む。開封手段は、アンプルホルダ3の部分31が移動するとき、開封手段がアンプル100を開封するように構成されている。図1は、アンプルホルダ3の部分31が吸入療法装置1の内側で動くことを示すが、開封手段4が吸入療法装置の内側で動き、アンプルホルダ3の部分31が静止していることもあり得る。
【0033】
1つの可動部分31を有するアンプルホルダ3は、中に流体8が封入されているアンプル100を中に保持するため、好ましくは吸入療法装置の蓋5に配置されている。本発明では、吸入療法装置1から蓋5が取り外されている場合、患者又は使用者は、密封状態のアンプル100をアンプルホルダ3に挿入する。アンプルホルダ3の部分31は、蓋5が吸入療法装置上に配置される場合、アンプル100が開封手段4から適切に離れて位置決めされるような、好ましくはアンプルホルダがアンプル100を保持する第1の位置にある。蓋5が押圧、回転又はねじ運動で閉鎖され、それによってアンプル100が開封手段4で開封される場合、アンプルホルダ3の部分31がアンプル100を開封手段4の方向に動かせるように、アンプルホルダ3の部分31は設計されている。
【0034】
開封手段4は、好ましくはこの目的のためのカッター42を含む。アンプル100がアンプルホルダ3の部分31によって動かされる場合、カッター42はアンプル100の壁領域130に切り込む。アンプル100が好ましくは開封手段4に対して傾かないように、吸入療法装置の蓋5は好ましくはこれらの運動中に適切な装置によって導かれる。アンプル100がアンプルホルダ3の部分31によって開封手段4の方向に動かされた後、更に移動が起こる場合、カッター42はアンプル100の壁領域130に切り込み、この時点でアンプルが開封される。開封手段4のカッター42は、 好ましくは、カッター42がアンプル100の壁領域130を完全には分離せず、アンプル100の壁領域130の少なくとも一部がアンプル100への連結部として残存し、この壁領域130が吸入療法装置1の領域に意図的に到達するように設計され、配置されている。
【0035】
一平面内にカッター42が軸方向に垂直に又は軸方向に対して傾斜して配置されるように、カッター42は好ましくは開封手段4の縁部に配置されている。カッター42は、より良好にアンプルの壁領域130を開封する又は切り込むように、平滑、波形、又は鋸歯状であってもよい。
【0036】
アンプル100内に配置された流体8が噴霧装置に到達できるように、開封手段4は、好ましくは、適切に設計されたアンプル100の目的領域を穿刺できる針として構成されている。
【0037】
吸入療法装置には好ましくは供給手段6が設けられており、アンプル100内に配置された流体8は、供給手段6を経由してアンプル100から噴霧装置2に到達することができ、それによって流体8を噴霧することができる。
【0038】
図1は膜噴霧型の噴霧装置を示すが、圧縮空気/ノズル噴霧型又は超音波噴霧型又は他の既知の噴霧型の噴霧器が使用されてもよく、本発明の対象も使用することができる。
【0039】
開封手段4は好ましくは、長手方向に少なくとも部分的に延長する導管41を含み、アンプル100からの流体8は導管41を経由して噴霧装置2又は供給手段6に到達することができる。本方法により、漏れによる損失なく、開封手段4の内部延長導管41を経由した、流体の噴霧装置2への到達を達成することができる。しかしながら、開封手段4が具体的な内部延長導管41を有さないで、むしろ流体が開封手段4によって露出される他の領域、例えば、開封手段4の外側に設けることができる溝又はスロットに沿って噴霧装置2に到達できるように開封手段4を設計することも想定される。
【0040】
図2は、本発明の好ましい実施形態でのアンプル100の開封工程の詳細を示す。
【0041】
従って図2aは、開封されることが意図されている壁領域130であって、開封手段4と一体になる前の流体を収容するアンプル100の壁領域130を示している。この実施形態では、開封手段4は、導管41の端部に形成されているカッター42を含み、アンプル100内に配置されている流体8は導管41を経由して、図1に示されている噴霧装置に到達する。開封が意図されているアンプル100の壁領域130は、好ましくは少なくとも1つの所定の破断点131を有し、アンプル100は破断点131で特異的に開封される。
【0042】
図2bは、アンプル100が開封手段4と接触した直後の、流体を含有するアンプル100の位置を示す。従って開封手段4のカッター42は、既に所定の破断点131でアンプル100の壁領域130に僅かに切り込んでいるか又は破壊して開封しているが、アンプル100内に配置された流体8は開封手段4の開封チャネル又は導管41への到達には至っていない。開封手段4がしばらくの間アンプル100の既に開封された領域を密封するようにした結果、流体8が偶発的に漏れないように、アンプル100の壁領域130とアンプル100自体の両方とも、また開封手段4も好適に設計されている。好ましくは、アンプル100がほぼ完全に開封および密封されるまで、壁領域130はチャネル又は導管41を露出させない。
【0043】
図2cは、アンプル100の更に改良した開封様式を示している。壁領域130は既に更に大きく切断されているが、壁領域130がまだ開封手段4の導管41を閉鎖する位置にあるため、アンプル100からの流体8は開封手段4の導管41の中に漏れない。アンプルは、好ましくは、この目的のために設けられた密封面143で開封手段4に当接して封を形成する。
【0044】
図2dは、アンプル100内に配置された流体8が導管41を経由して吸入療法装置に到達できるように、既に完全に開封した状態で開封手段4上に配置されているアンプル100を示す。従ってアンプル100の壁領域130は完全に開封されているが、好ましくはアンプル100から分離されていない。従って、密封用に設けられたアンプル表面143は開封手段4で封を形成し、そのため流体が導管41を経由しない限りアンプル100から漏れず、開封手段4とアンプル100の間から漏れないようにする。例えば、排気を導管41からアンプル100の中に導くことでアンプル100からの流体の排出を補助する、アンプル100からの流出を容易にする換気チャネルを設けてもよい。
【0045】
図3は、開封領域130、ならびにアンプルホルダ3注の収容領域およびアンプル100のアンプルホルダ3内の保持領域について異なる、アンプルの様々な実施形態を示す。アンプル100が開封手段4と封を形成するように、所定の運動工程で正確にアンプル100を開封することができるようにする位置決めおよび保持は重要である。
【0046】
図3aは、流体8で充填され、第1の領域110を有するアンプル100を示す。第1の領域110は、開封手段4の方向に移動する時、好ましくはアンプルの壁領域130を開封し、よってアンプル100内に配置された流体8が吸入療法装置に到達するように設計されている。アンプル100は、第2の領域120を更に含む。第2の領域120は、アンプルホルダ3の部分32が挿入後に第2の領域120を把持し、アンプルを保持するように構成されている。図3aに示されている実施形態では、第1の領域110がアンプルホルダ3で締め付けられることによって確実に保持されるように、アンプル100は設計されている。それ以上ガス空間が存在しないように、アンプル100を流体8で完全に充填することができる。
【0047】
図3bは、流体8で部分的にしか充填されておらず、更にまだガス空間180を有するアンプル100を示す。これは、標準的なアンプルサイズから逸脱することなく、薬剤の量を正確に投与することを可能にする。
【0048】
図3bに示すアンプル100は、アンプル100の保持領域120に窪み又は凹部121を含む。窪み又は凹部121は、適切に設計された突起が設けられたアンプルホルダ3に係合することにより、アンプル100がアンプルホルダ3から無意図的に滑り出すことなく確実に保持されることを可能にする。窪み又は凹部は、環状チャネル又は周辺セグメントに限定される凹部であってもよい。アンプルが特定的に開封される所定の破断点131を含むアンプル100の壁領域130は、アンプル領域110に配置されている。流体8がアンプル100から漏れないように、アンプル100が開封手段4で封を形成するように設計されている密封面143は、好ましくはこの開封壁領域130に近接して配置されている。
【0049】
図3cは、図3bに示されているものと類似のアンプルを示すが、窪み121の代わりに、図3cに示されているアンプル100は周囲ビード122又はある一定の領域だけに設けられたビードを有する。このビード122は、本質的に凹部121と同じ目的を有するが、ビードは、アンプルが目的より深くアンプルホルダ3に挿入されることを容易に防止することができる。
【0050】
図3dは、アンプル100が圧搾される場合、アンプル100内に正圧が発生するように、圧搾できる領域111を有するアンプルを示す。アンプル内に充填された流体8は、一般に圧搾不可能であり、圧搾時にアンプルのガス空間180は加圧される。
【0051】
図4は、吸入療法装置の実施形態を示し、ここで、アンプルホルダ3内のアンプル100は、実質的に直線状の経路上を開封手段4の方向に動かされる。この目的のため、アンプルホルダ3の第1の部分31に、例えば、図4に示すように、らせん状に延びる溝35が設けられ、アンプルホルダの第2の部分32に配置されているピン34が溝35中に係合する。図4では、これらのピン34の1つしか見ることができない。アンプルホルダの第2の部分32が第1の部分31に対して捻られるとき、溝35と協働するピン34によって、第1の部分は図4に両矢印(double arrow)で示すように動く。この動きを支持するため、および第1の部分31もまた捻れることを防止するため、図示されている実施形態では、第1の部分31のチャネル33a内で移動可能となるように配置されている棒33が設けられている。この方法によって、アンプルホルダ3の第1の部分31は直線状に動き、この第1の部分に保持されたアンプル100を開封手段4の方向に移動させる。このように直線状に動く場合、開封手段4は、好ましくは動く方向に対して傾斜しているカッター42を含み、よって図2と関連して示されている開封工程が起こることに留意されたい。
【0052】
図4bに示されている別の実施形態では、開封手段4は、動く方向に対して垂直に配置されており、且つ開封手段4の長軸に対して実質的に垂直に延びる平面内にあるオリフィス41を取り囲むカッター42を含む。カッター42を形成するため、開封手段4の壁上領域は、好ましくは図4bに示すように内向き又は円錐形に外向きに傾斜している。この場合、アンプルホルダ3内のアンプル100は開封手段4の方にも直線状に動かされるが、開封手段4が対応して設けられたアンプルの領域に切り込み、かつ密封できるような円運動を重ね合わせている。対応するアンプルホルダの部分の設計により、直線および回転運動を同時に達成することができる。更に、図4の実施形態では、カッター42は好ましくは波形又は鋸歯状である。
【0053】
図5は、開封手段4に当接するアンプル100の様々な形態の密封を示す。
【0054】
図5aは、アンプル100が開封手段4の外面に、好ましくは側面に直接隣接する実施形態を示す。アンプル100と開封手段4の適切な設計により、追加の密封要素又は密封材料の提供を必要とすることなく、開封手段4におけるアンプルの密封をこのようにして達成することができる。従って、好ましい材料の組み合わせは、硬質材料で製造された開封手段とより軟質の材料で製造されたアンプルである。吸入療法装置に当接するアンプルの十分な封を保障するため、アンプルのより軟質の材料が開封手段4の硬質材料に適合できる。
【0055】
図5bは、開封手段4がアンプル100に挿入される場合、アンプル100の内部アンプル側密封面143にかかる力が増加することによって封が改善される、円錐形の延長部を有する開封手段4の一実施形態を示す。開封手段4の円錐状の部分は、開封手段4の装置側密封面43として、アンプル100のアンプル側密封面143に押し当てられ、開封手段4に当接するアンプル開口部の改善された封が達成される。
【0056】
図5cは、例えば、吸入療法装置上に設けることができる別々の密封要素44が、アンプル100に当接して開封手段4を密封する一実施形態を示す。従って、アンプル100のアンプル側密封面143と吸入療法装置の装置側密封面43の両方が、密封要素44に係合する。
【0057】
図5dは、例えば、密封要素を確実に位置決めするために凹部に組み込まれているOリングなどの密封要素44を示す。吸入療法装置の装置側密封面43は、この凹部に配置されている。吸入療法装置、より具体的には開封手段の装置側密封面43とアンプルのアンプル側密封面143の両方が、封を形成するように密封要素44で終端する。図5cおよび図5dに示されている実施形態に加えて、密封要素を損失しないように、密封要素44を吸入療法装置に接着することもできる。あるいは、図5cおよび図5dと幾何学的に類似する構成が得られるように、アンプル上に密封要素44を設けることもできる。例えば、ガラスアンプルの場合、図5aにおけるような嵌合密封又は図5bにおけるような圧縮密封が可能でない場合でも、別々の密封要素44の使用により密封を達成することもできる。
【0058】
図6は、アンプルに圧搾手段11が設けられている本発明の一実施形態を示す。アンプル内に正圧が生じるように、圧搾手段11は、圧搾領域111が対応して設けられているアンプルを圧搾する。アンプル100は、好ましくはこの目的のためにガス空間180を有する。圧搾装置11でアンプル100を圧搾すると、ガス空間180内にアンプルが開封されるとき開封手段4を経由して漏れる正圧が発生する。その後、アンプル100が開封手段4に当接して密封される場合、アンプルの内部は開封手段に当接して密封されるため、圧搾を停止する場合、換気後常圧になるガス空間180内に負圧が生じる。この方法で、アンプル100内の負圧化を達成することができる。前述のように、この方法により膜噴霧器の膜上での液滴形成を防止することができる。アンプルの挿入時にまずアンプルを圧搾し、アンプル内で生じた正圧の消失およびアンプルの密封後に再び圧搾を停止する圧搾手段11を用いることによって、噴霧に好適な負圧がアンプル内に発生する。
【0059】
図7は、アンプルホルダ3および対応して設計されたアンプル100を有する吸入療法装置の別の実施形態を示す。アンプル100はアンプル100のガス空間180内での負圧の発生を可能にする。この実施形態では、流体損失のリスクが減少する。アンプル100の第1の領域110とアンプルの第2の領域120は互いに対して可動となるように配置されており、アンプル100の第1の領域110をアンプル100の第2の領域120に対して動かす時、密閉されたアンプル100内でアンプルのガス空間180内に負圧を発生させることができる。アンプル100の第1の領域とアンプルの第2の領域120は、好ましくは、弾性要素150によって互いに連結されている。
【0060】
図7に示されている実施形態では、アンプルホルダ3の第2の部分32は、アンプルをアンプル100の第2の領域120で保持する。図7aおよび図7bが示すように、アンプルホルダ3の第1の部分31は、アンプルホルダ3の第2の部分32に対して可動となるように形成されている。アンプルホルダ3の第1の部分31がアンプル100の第1の領域110に作用するように第1の部分31が動くと、アンプルの第1の領域110がアンプルの第2の領域120に対して動くように、アンプルホルダ3の第1の部分31は設計されている。従って、アンプル100の2つの領域は互いに対して動かされるが、これは弾性要素150により可能である。アンプル100の第1の領域110が動く時、開封手段4は、図7bに示すようにアンプル100を開封する。
【0061】
アンプルホルダ3の第1の部分31が係合するように、アンプル100の第1の領域110は、好ましくは図7に示すようなカラー160として形成されている。カラー160は、好ましくは図7に斜線で示すようなアンプル本体の直径よりも大きい直径を、少なくとも任意の箇所で有する。この方法では、アンプル100の第1の領域110をアンプル100の第2の領域120に対して動かすために、アンプルホルダ3の第1の部分31がこのカラー160に係合できるように、アンプル100を図7に示すアンプルホルダ3に挿入することができる。カラーの機能を対応する横棒(web)又は他の突起で果たすことができる。
【0062】
図7aは、アンプルホルダ3に挿入されたアンプル100を示し、アンプルホルダ3の第1の部分31は、アンプル100の第1の領域110にまだ係合していない位置にある。この状態では、アンプル、特にアンプル100の第1の領域110は、まだ開封手段4から離れている。アンプルホルダ3の第1の部分31を動かす場合、第1の部分31はアンプル100の第1の領域110に係合し、これをアンプル100の第2の領域120に対して動かす。アンプルホルダ3の第2の部分32は、アンプル100の第2の領域120を保持するので、その動きによってアンプルの容積が拡大するためアンプル100内に負圧が発生する。第1の領域110を第2の領域120と連結させる弾性部分150はこのようにして伸張される。
【0063】
図7に示されている実施形態では、本発明のアンプルホルダ3の第1の部分31は、開封手段4に対して移動可能である。
【0064】
図8は、アンプルホルダ3および対応して設計されたアンプル100を含む吸入療法装置の別の実施形態を示す。アンプル100はアンプル100のガス空間180内における負圧の発生を可能にし、流体損失のリスクを減少させる。
【0065】
図8aは、アンプルホルダ3に挿入されたアンプル100を示す。この状態では、特にアンプル100の第1の領域110において、アンプルはまだ開封手段4から離れている。本発明によれば、アンプルホルダ3の第1の部分31は、この実施形態でも開封手段4に対して移動可能となるように配置されている。そのため、アンプルホルダ3の第1の部分31が移動する時、開封手段4はアンプルホルダ3内のアンプル100を開封する。図8aに示されている位置から図8bに示されている位置に移行する時、この実施形態のアンプルホルダ3の第1の部分31は、それとしっかりと連結されているアンプルホルダ3と一緒に動かされる。このように動く時、開封手段4はアンプル100を開封する。
【0066】
図8a、図8bおよび図8cに示されている実施形態では、アンプルホルダ3の第2の部分32はアンプル100をアンプル100の第2の領域120で保持する。アンプルホルダ3の第2の部分32は、アンプルホルダ3の第1の部分31に対して移動可能となるように形成されている。アンプルホルダ3の第2の部分32がアンプル100の第2の領域120に係合するため、第2の部分32が動くとアンプルの第2の領域120がアンプルの第1の領域110に対して動くように、アンプルホルダ3の第2の部分32は設計されている。その結果、弾性部分150によって、アンプル100の2つの領域は互いに対して動かすことが可能である。アンプルホルダ3の第2の部分32が動くと、第1の部分31はアンプル100の第1の領域110に係合し、および第2の領域120がアンプル100の第1の領域110に対して動く時に、第1の領域110を開封手段4上の位置に保持する。図8cは、アンプルホルダ3の第2の部分32と第1の部分31が互いに対して移動した後の、アンプル100の係合した第2の領域120を有する、アンプルホルダ3の第2の部分32の位置を示す。アンプルホルダ3の第1の部分31がアンプル100の第1の領域110を保持する間、その動作によってアンプルの容積が拡大し、アンプル100内に負圧が発生する。従って、第1の領域110を第2の領域120と連結させる弾性部分150は拡張される。
【0067】
図9は、弾性部分150を有するアンプル100の2つの実施形態を示し、それぞれ休止状態と、拡張又は伸張状態にある。
【0068】
図9aはアンプル100を示し、第1の領域110はベローズ151によって第2の領域120に連結されている。図9bは、アンプル100の第1の領域110が、アンプル100の第2の領域120に対して移動した状態にある図9aのアンプルを示す。図9aと図9bの比較から分かるように、ベローズ151は伸張されている。
【0069】
図9cはアンプル100を示す。ここで、アンプル100の第1の領域110をアンプル100の第2の領域120と連結させる弾性領域150は、伸張可能な材料からなる。図9dに示すように、この領域150は第1の領域110を第2の領域120に対して移動させる時、長さが変化する。
【0070】
図7および図9は、1種類の材料でのアンプル100の一体型構造を示す。しかし、アンプル100の領域110、120、および150を異なる材料、特にプラスチックで製造することもできる。例えば、剛性材料と弾性材料を一緒に成形することによりそれらを一体に接合することによって、異なる剛性と弾性を有する領域はそれにもかかわらず単一の構成単位として形成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧装置(2)と、
流体を収容するアンプル(100)を保持するためのアンプルホルダ(3)と、
前記流体を収容するアンプル(100)を開封するための開封手段(4)と、
を含む吸入療法装置であって、
前記開封手段(4)と前記アンプルホルダ(3)の第1の部分(31)が互いに移動可能なように配置され、移動時に前記開封手段(4)が前記アンプルホルダ(3)内に配置されたアンプル(100)を開封し、前記アンプル(100)内に収容された流体(8)が前記噴霧装置(2)に到達するようになっている、吸入療法装置。
【請求項2】
前記アンプルホルダ(3)が、前記吸入療法装置の蓋(5)に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の吸入療法装置。
【請求項3】
前記流体を収容するアンプル(100)を開封するための前記開封手段(4)が針であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸入療法装置。
【請求項4】
噴霧する流体(8)を前記噴霧装置(2)に供給するための供給手段(6)が更に設けられており、前記流体(8)が前記供給手段(6)により前記噴霧装置(2)に到達することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸入療法装置。
【請求項5】
前記開封手段(4)が、前記開封手段の長手方向に少なくとも部分的に延びる導管(41)を有し、前記アンプル(100)からの前記流体(8)が前記導管(41)を通って前記噴霧装置(2)又は供給手段(6)に到達することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸入療法装置。
【請求項6】
前記開封手段(4)と前記アンプルホルダ(3)の前記第1の部分(31)が、実質的に直線状、円形、又はらせん状の経路に沿って互いに対して移動可能であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸入療法装置。
【請求項7】
前記開封手段が、移動が起こる場合、開封が意図されている前記アンプル(100)の壁領域(130)に切り込むように設計されたカッター(42)を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸入療法装置。
【請求項8】
前記開封手段(4)が、前記供給手段(6)と一体的に連結されていることを特徴とする、請求項4〜7のいずれか1項に記載の吸入療法装置。
【請求項9】
前記吸入療法装置(1)が、前記アンプル(100)を前記開封手段(4)に当接して密封するための密封装置(43)を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸入療法装置。
【請求項10】
前記開封手段(4)が、前記アンプル(100)の開口部を前記開封手段(4)に当接して密封するように設計されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸入療法装置。
【請求項11】
前記吸入療法装置(1)が、前記アンプル(100)内に正圧を発生させて、前記アンプル(100)を移動した位置に圧搾保持するように設計されている圧搾手段(11)を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の吸入療法装置。
【請求項12】
前記アンプルホルダ(3)が前記圧搾手段(11)を含み、開封中、前記圧搾手段(11)が前記アンプル(100)を圧搾するように前記圧搾手段(11)が形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の吸入療法装置。
【請求項13】
前記アンプルホルダ(3)の前記第1の部分(31)は、移動が起こった場合のみ前記アンプル(100)と係合するように設計されていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の吸入療法装置。
【請求項14】
前記アンプルホルダ(3)が、前記アンプル(100)を保持するように設計された第2の部分(32)を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の吸入療法装置。
【請求項15】
前記アンプルホルダ(3)の前記第1の部分(31)と前記第2の部分(32)が、互いに対して可動であるように形成されており、前記アンプル(100)の第1の部分(110)に作用する前記アンプルホルダ(3)の前記第1の部分(31)と前記アンプル(100)の第2の部分(120)に作用する前記アンプルホルダ(3)の前記第2の部分(32)は、移動が起こる場合、前記アンプル(100)内に負圧又は正圧が生じるように、前記アンプル(100)の前記第1の部分(110)と第2の部分(120)を互いに対して動かすことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の吸入療法装置。
【請求項16】
前記アンプル(100)が、前記開封手段(4)で開封されるように設計された第1の領域(110)と、前記アンプルホルダ(3)で保持されるように設計された第2の領域(120)を有することを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の吸入療法装置に使用されるように設計されたアンプル。
【請求項17】
前記アンプル(100)が、前記アンプル(100)を前記開封手段(4)又は前記供給手段(6)に当接して密封するように設計された密封面(143)を含むことを特徴とする、請求項16に記載のアンプル。
【請求項18】
前記アンプル(100)の前記第1の領域(110)が、前記アンプル(100)の前記第2の領域(120)に対して可動であるように配置されていることを特徴とする、請求項16又は17に記載のアンプル。
【請求項19】
前記アンプル(100)の前記第1の領域(110)が、弾性要素(150)又はベローズ(151)で前記アンプル(100)の前記第2の領域(120)と連結されていることを特徴とする、請求項16〜18のいずれか1項に記載のアンプル。
【請求項20】
前記アンプル(100)が、前記アンプルホルダ(3)の係合時に、前記アンプル(100)の前記第2の領域(120)が張力を吸収するように設計されていることを特徴とする、請求項16〜19のいずれか1項に記載のアンプル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−213641(P2012−213641A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−131916(P2012−131916)
【出願日】平成24年6月11日(2012.6.11)
【分割の表示】特願2008−526440(P2008−526440)の分割
【原出願日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【出願人】(508048621)パリ ファーマ ゲーエムベーハー (5)