説明

噴霧デバイス

【課題】加圧容器内に保持された香料、害虫駆除組成、及び又は消毒組成を噴霧するための噴霧デバイスを提供する。
【解決手段】本発明の噴霧デバイスは、容器受け部分(13)と、交換部分(10)とを含み、交換部分(10)は、ソレノイドスイッチを組込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴霧デバイスに関し、特に限定されないが、噴霧デバイス用の交換手段に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の噴霧デバイスは、典型的には、可動アームの下の位置に保持される噴霧剤容器を有する。可動アームは、タイマー及びモーターによって制御され、それにより設定された時間間隔で、アームが動いて噴霧剤容器の出口弁を押し下げ、材料の噴霧を噴霧剤容器から噴出させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
噴霧剤容器の起動を確実にするために、アームの運動を比較的大きな力で行なわなければならないという欠点がこの種のデバイスにある。しかしながら、公差をしっかりと管理しないと、噴霧剤容器の出力心棒のほんの少しの側方運動は、移動しているアームによって与えられた力により噴霧剤容器に損傷をもたらすことがある。噴霧剤容器の心棒が破損して噴霧デバイスの故障をもたらすことがある。
【0004】
本発明の目的は、上記の欠点を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、加圧容器内に保持された香料、害虫駆除組成、及び又は消毒組成を噴霧するための噴霧デバイスであり、容器受け部分と、交換部分とを含み、交換部分に、ソレノイドスイッチが組込まれた噴霧デバイスを提供する。
【0006】
有利には、上記の材料の噴霧デバイスを制御するためのソレノイドスイッチの使用は、従来技術のデバイスと比較して優れた出力制御をもたらす。
【0007】
ソレノイドスイッチは、弾性付勢体を組込んでもよし、この弾性付勢体は、コイルばねであるのがよく、延びた、非圧縮形態のときに、好ましくは円錐形の、好ましくは裁頭円錐形のばね、であるのがよい。好ましくは、ばねは、圧縮形態のときに螺旋形をとり、圧縮されたときに、好ましくはばねの単一巻の深さを有する。
【0008】
有利には、円錐形のばねの使用は、弾性付勢体が付勢するソレノイドの電機子の自動芯出しを可能にする。また、円錐形のばねは、有利には薄いパッケージに圧縮して、ソレノイド磁界回路の空隙を最小にすることができる。
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、従って、加圧容器内に保持された香料、害虫駆除組成、及び又は消毒組成を噴霧するための噴霧デバイスであって、容器受け部分と、交換部分とを含み、交換部分は、延びた、非圧縮形態のときに裁頭円錐形をなすコイルばねを組込み、且つばねが付勢するソレノイドの電機子に関して自動芯出しすることができるようになったソレノイドスイッチを組込む、噴霧デバイスを提供する。
【0010】
好ましくは、コイルばねは、電機子の凹部内に位置し、凹部は、圧縮されたときに弾性付勢体のほぼ厚さの深さを有する。
【0011】
好ましくは、凹部は、電機子の端に位置している。
【0012】
ソレノイドは、ボビン素子を組込むのがよく、ボビン素子の上または回りにソレノイドのコイルが巻かれる。ボビンは、ソレノイドの磁気回路がその上に配置されてもよいような枠を提供する。
【0013】
有利には、ボビンは、その入口端及び出口端だけに開口を有する、漏れが無い設計を提供する。また、ボビンは、ソレノイドの他の部分が固定される枠を形成する。
【0014】
好ましくは、ボビン及び磁気回路は、その間に、好ましくはスリーブの出口開口の回りに位置するシールを有する。シールは、好ましくは、交換部分の組立中、変形可能であるか或いは変形することができるようになっている。好ましくは、シールは、交換部分の組立中、変形される。好ましくは、シールは、ボビンの流れチャネルからの流体の放出を阻止することができるようになっていて、該流れチャネルは、好ましくは、ソレノイドの電機子とボビンの内側との間にある。
【0015】
磁気回路は、少なくとも第1の部分及び第2の部分を含んでいてもよい。磁気回路の第1の部分は、U字形であってもよく、断面が全体的に正方形であるのが好ましい。第1の部分は、交換部分の出口開口を有していてもよい。磁気回路の第2の部分は、U字形の第1の部分を閉じることができるようになっている全体的に平らな端部分であるのがよい。磁気回路の第2の部分は、好ましくは、開口、好ましくは、中央開口を有する。好ましくは、電機子は、該開口の中に突出する。好ましくは、開口は、ボビンの一部分を受け入れる。好ましくは、第2の部分は、第1の部分よりも厚い。
【0016】
有利には、第2の部分の厚みは、磁気回路のリラクタンスを減じる。
【0017】
第2の部分は、圧着部分により第1の部分に固定されてもよく、圧着部分は、第1の部分の一部分であってもよい。
【0018】
第1の部分は、好ましくは、流れ案内部案内部を出口開口の近くに有する。流れ案内部は、溝であってもよく、その溝は、開口から離れるように延び、好ましくは、流体を開口に向って案内するために、好ましくは、開口の両側から離れるように延びるのがよい。流れ案内部は、調整可能であるのがよく、ねじを相互に嵌合することによって第1の部分に固定されている流れ案内部であるのがよい。調整は、出力噴霧を、例えば、デバイスの噴霧コーンを広げるか又は狭めるように調整することによって行われてもよい。
【0019】
ボビンは、好ましくは、ボビンの流れチャネルへの入口開口を有している。入口開口は、好ましくは、その隆起部分のところで流れチャネルに入る。隆起部分は、好ましくは、シール素子を受け入れることができるようになっている。有利には、隆起部分は、シール素子を支持することができる狭まった断面領域を提供する。好ましくは、シール素子は、浮動シール素子である。好ましくは、シール素子は、電機子と隆起プラットフォーム部分との間に保持される。
【0020】
容器受け部分は、好ましくは、ボビンに受け入れられるか又はボビンの上に配置され、好ましくは、少なくとも、容器受け部分の素子は、ボビンを取り囲む。好ましくは、容器受け部分は、ボビンと実質的に同軸上にある。容器受け部分は、ソレノイドスイッチを、材料容器を挿入するか又は取り外す使用者の操作から隔絶上で有利である。
【0021】
好ましくは、シール素子は、最大で約10バール、好ましくは約11バール、好ましくは12バール、好ましくは13バールまでの圧力において、流れチャネルをシールすることができるようになっている。
【0022】
好ましくは、電機子は、約0.1mm(ミリメートル)から0.6mmまで、好ましくは約0.18mmから0.45mmまで移動することができるようになっている。
【0023】
好ましくは、交換デバイスは、約15cP(センチポアズ)未満、好ましくは約13cP未満、好ましくは約11cP未満、好ましくは約10cP以下の粘度を有する流体で機能することができるようになっている。
【0024】
好ましくは、コイルは、約100乃至300の巻数を有し、好ましくは、約250乃至500AT(アンペア回数)、好ましくは300乃至450ATのアンペア回数値を有する。
【0025】
好ましくは、使用中、コイルを通過すべき最大電流は、約3A(アンペア)、好ましくは約2A未満である。
【0026】
好ましくは、電機子は、約7ms(ミリ秒)、好ましくは約5ms、より好ましくは3msの応答時間を有する。
【0027】
本発明の他の形態によれば、加圧容器内に保持された香料、害虫駆除組成、及び又は消毒組成を噴霧するための噴霧デバイスであって、容器受け部分と、交換部分とを含み、交換部分は、ソレノイドの磁気回路がその上又はその回りに配置されるボビン素子を有するソレノイドスイッチを含む、噴霧デバイスを提供する。
【0028】
本発明の他の形態によれば、加圧容器内に保持された香料、害虫駆除組成、及び又は消毒組成を噴霧するための噴霧デバイスであって、容器受け部分と、交換部分とを含み、交換部分は、その中にソレノイドの磁気電機子を保持するボビン素子を有するソレノイドスイッチを含み、シール素子が電機子とボビンの入口部分との間に保持される、噴霧デバイスを提供する。
【0029】
ここに記述した特徴の全ては、いかなる組合せで、上記形態のどれと組合せてもよい。
【0030】
本発明のより良い理解のために、且つどのように本発明の実施形態が実施されるのかを示すために、一例として添付した図式的な図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に説明するように、噴霧デバイスの交換部分10は、ソレノイドスイッチからなる。噴霧剤容器14の出口心棒12(図4参照)を交換部分10の下部開口16で受け入れる。弁心棒12は、Oリング18及び面シール素子20により密封される。Oリング18及び面シール素子20は、スペーサ22によって分けられる。面シール素子20は、噴霧剤容器14からの材料が通り抜ける開口24を有する。面シール素子20は、チャンバ26までの通路を与え、チャンバ26は、入口小小穴28にテーパされる。入口小穴28は、一次シール素子30によって密封され、一次シール素子30は、移動可能な磁気電機子32によって入口小穴28と密封係合状態に保持される。
【0032】
プラスチックボビン34は、以下に説明するような多数の素子がその上に配置される枠を提供する。プラスチックボビン34は、チャンバ26及び入口小穴28を形成する。以下に説明するように、入口小穴28は、隆起プラットフォーム部分36を通って延びる。
【0033】
移動可能な磁気電機子32は、プラスチックボビン34内に配置され且つ以下に説明するように図1の矢印Aの方向で上下に移動することができる。また、プラスチックボビン34は、場所をソレノイドの一部を形成する銅巻線38に提供する。ソレノイド用の磁気回路は、プラスチックボビン34の外側に配置される上部鉄枠40aと、上部鉄枠14に接触する下部鉄枠40bと、によって構成される。鉄圧着部分40cは、上部鉄枠40aの一部であり、且つ上部鉄枠40a及び下部鉄枠40bと交換部分10の残りの部分とを一緒に保持する役割をする。
【0034】
一般に、交換部分10は、流体の噴霧を制御するための蓄電池駆動式ソレノイドバルブである。交換部分10は、例えば、噴霧剤容器からの流体放出を制御するように設計され、噴霧剤容器は、予め加圧され且つ連続式放出弁が装着される。
【0035】
交換部分10は、磁気回路が電気コイル巻線38を通して蓄電池(図示せず)によって電源供給される、インタクトボビンハウジングと、噴霧剤インターフェイスチャンバ素子13と、からなる。ボビン34は、交換部分10の骨格を形成し、また、噴霧剤容器14から交換部分10の出口42までの流体輸送用チャネルを提供する。銅コイル(電気巻線)38は、磁気通電をもたらすようにボビン34の回りに巻かれる。上部鉄枠40a及び下部鉄枠40bは、磁気回路を完成するようにプラスチックボビン34に取付けられる。ボビン34の底部には、小穴28があり、小穴28は、噴霧剤インターフェイスチャンバ26とボビンハウジング34との間に連結チャネルを提供する。
【0036】
一次シール素子30は、小穴28と移動可能磁気電機子32との間に平坦な浮動シールを形成し、平坦な浮動シールは、プランジャを形成する。一次シール素子30は、能動的な小穴シール素子を供給する。上部鉄枠40aの中心には、出口穴42が流体を周囲空気中に放出するために配置される。
【0037】
交換デバイスのベースに戻ると、より詳細には、開口16は、噴霧剤インターフェイスチャンバ素子13の一部分であり且つ噴霧剤容器14の心棒12をより良好に受け入れるために多少裾が広がった開口を備えた円筒形を有する。心棒12は、開口16の端に面シール素子20を有する面シールと、またOリング18を有するOリングシールとにより、交換部分10を密封し、心棒12は、開口円筒16の内面から多少内向きに突出する。これらシールの両方は、噴霧剤容器14の内容物が漏れるのを防ぐために設けられている。
【0038】
インターフェイスチャンバは、プラスチック素子13により形成され、プラスチック素子13は、ボビン34からインターフェイスチャンバ素子13を通って突出するペグ15(図2及び図3を参照)を用いて超音波溶着によりボビン34に固定される。突出は、インターフェイスチャンバ素子13の正方形頂部の各角に配置されている。向い合う対角線上の角のペグ15の二つは、他の二つのペグよりも大きく且つインターフェイスチャンバ素子13及びボビン34の容易な位置決めのために設けられている。溶着によって下部鉄枠40bがボビン34と下部インターフェイス素子13との間に確実に固定される。上部鉄枠40a及び下部鉄枠40bは、例えば、図2に示すように、圧力を鉄圧着部分40cの外縁に圧力をかけることよって、上述したように圧着により互いに接合される。
【0039】
使用において、交換部分は、噴霧剤容器14に固定され、上述したようにその心棒12は、開口16に受け入れられている受け入れる。噴霧剤容器14は、連続放出式の弁を有し、心棒12が交換部分10によって押し下げられて、噴霧剤容器14からの材料が自由に噴霧剤容器14を離れ、チャンバ26の中へ、一次シール素子30まで達する。噴霧剤容器14から及び開口16の外への材料の漏れは、Oリング18及び面シール素子20によって阻止される。面シール素子20の開口24によって、噴霧剤容器14からの材料が、チャンバ26の中へ、更に入口小穴28に沿って、一次シール素子30まで通ることが可能となる。これは、噴霧剤容器14の弁ではなく、交換部分10が放出を完全に制御するという利点を有する。
【0040】
一次シール素子30は、図4に示すように、移動可能磁気電機子32からの圧力により隆起プラットフォーム部分36に、下向きに付勢され、次いで、移動可能磁気電機子32は、以下に詳述するように、ばね44によって下向きに付勢される。この構成は、電源がコイル巻線38に供給されないときに存在する。
【0041】
流体放出が噴霧剤容器14から要求される場合には、電流がコイル38に供給され、可動磁気電機子32が磁気誘導によって移動し、それによって図5に示す構成になる。コイルの電流の方向は、電源が供給される場合に可動磁気電機子32を開口42に向けて上方に移動させるように選択される。かくして、一次シール素子30は、小穴28から離れるように自由に移動し、それによってチャンバ26からの加圧流体が、磁気電機子32が配置されているキャビティを通り、磁気電機子32の側面の回り、更に開口42に向って通り、そこから周囲の外気へ出る。交換部分10の更なる特徴をいま詳細に説明する。
【0042】
上記磁気回路は、U字形である上部鉄枠40aから形成される。上部鉄枠40aは、圧着部分40c(図2を参照)を受け入れるための切欠き以外は、全体的に正方形である平坦な下部鉄枠40bと合体されている。下部鉄枠は、プラスチックボビン34の一部分を受け入れる中央開口を有する。移動可能な磁気電機子32は、磁気回路を完了するために、下部鉄枠40bの開口に突出する。下部鉄枠40bは、二つの上部鉄枠40a及び下部鉄枠40bと磁気電機子32との間のリラクタンスを最小にするように上部鉄枠40aよりも厚くなるように設計される。下部鉄枠40bの中央開口は、下部鉄枠40bと磁気電機子32との間で一様な磁束結合を可能にするように円形である。
【0043】
磁気電機子32が側面の上を出口42まで通る流体を有するものとして、交換部分の磁気材料は、交換部分10を通る薬品に適合することを確保するように選択される。また、材料は、十分な相対浸透率と共に機械的強度及び安定性を有していなければならない。使用される磁気材料は、上部鉄枠40a、下部鉄枠40b、圧着部分40cについてニッケルで被覆された軟鉄であり、電機子32については、磁気等級ステンレス鋼である。
【0044】
電機子32と上部鉄枠40aの内部面との間の間隙を最小にするため、磁気電機子32の上部面は、ばね44を受け入れるために中央凹部43を有する。
【0045】
巻線コイルの材料を選択するのに用いた設計の特性は、標準アルカリ蓄電池によって駆動可能であるべく、十分な電磁力を電機子32に供給し且つ蓄電池の十分な寿命を可能にすることであった。また、巻線は、十分に速い応答時間を供給し且つ大きさが小さくなければならない。考慮した設計選択の範囲は、約150乃至250の巻数を有する、29又は30のゲージワイヤを用いることであった。これは、2amps(アンペア)未満の最大電流及び5ms(ミリ秒)未満の応答時間を有する、300乃至450間のアンペア回数値をもたらす。典型的には、AA形(単2)蓄電池を用いる。
【0046】
上部鉄枠40aは、上述したように、流れ案内チャネルを有するチャネルによって、材料が噴霧剤容器14から電機子32の頂部の回りへ、ばね44の上或いは中、更に出口開口42を通って流れることができる。
【0047】
ばね44は、圧縮されないときに円錐形であり、また圧縮されたときに電機子32内の凹部43内に嵌め込まれる螺旋形を形成する。円錐設計の利益は、圧縮されたときに、ばねが一巻きの深さだけを有することであり、その結果、最小の追加の高さしか追加することにならない。これによって、小さな凹部の使用が可能となり、小さな凹部は、大きな凹部と比較して磁気回路の合計リラクタンスに最小限の追加だけを加えるのに役立つ。ばねの直径は、電機子32の直径よりも小さく作られ、より優れた磁気回路を更に供給する。ばね44は、電機子32の軸方向へだけの運動をもたらし且つ円錐形は、電機子32の流動的な径方向運動を最小にする自動芯出しばねを供給する。凹部43の大きさが最小にされて、噴霧剤容器14からの流体の望ましくない保持について小さい場所だけを可能にするのに役立つ。しかしながら、保持は、ある利点を有し、その利点は、維持された流体が蒸発し且つ芳香空気効能の飽和ポケットを残して、次に起動されたときにデバイスの初期ブースト出力があるということになる。
【0048】
ばね44は、100乃至150gm(グラム)の範囲の力を供給し、ばね44の時定数を考慮に入れたときに、例えば、上記で参照した5mm(ミリメートル)未満のような、短い応答時間内に、電機子32をばねの力に対抗して上方に押し上げるために約300グラムの力を必要とする。ばねの深さは、完全に圧縮されたときに約2mm(ミリメートル)である。
【0049】
上記したように、ばね44の力は、電機子32を下方に付勢して、一次シール素子30を、下方に、円錐台形である隆起プラットフォーム部分36に、押し付ける。隆起プラットフォーム部分36を有することの利益は、一次シール素子30が、密封すべき、より小さな表面領域をもたらすことである。これは、ばねからより小さな力を必要とする、なぜならばより小さな領域が効果的に密封されるからである。隆起プラットフォーム部分36への一次シールの密封圧力は、最大で13バールであることが有利であることを見出した。これは、様々な種類の噴霧剤容器14の全適用圧力範囲に対して有効な密封を確実にする利益を有する。また、噴霧剤が過熱されたときに安全機構を提供する。例えば、噴霧剤は、一次シール素子30の圧力が15バールを越えたときに破裂するかもしれないが、しかし、勿論、破裂は、13バール以上の超過圧力を排出する本発明のデバイスでは発生しない。更に、必要とされる約300グラムの力が供給されるならば、弁開放を達成するための最小電力が必要になる。また、上述した設計で達成することができる有利に高い密封圧力が供給されるならば、隆起プラットフォーム部分36は、デバイスが蓄電池によって電力供給されることを可能にする。
【0050】
一次シール素子30は、電機子32の底部とプラスチックボビン34の一部分を形成する隆起プラットフォーム部分35との間に浮動するように設計される。浮動設計は、噴霧剤容器14で用いられる化学推進剤と接触したときに、一次シール素子30が、3次元に、膨らむ、という事実の点から有利である。任意には、もたらされた変形は、一次シール素子30の曲げの原因にならないかもしれない、なぜならば、一次シール素子30に向うプラスチックボビンの任意の突出が存在するからである。突出及びその間の対応する間隙の存在は、一次シール素子の突出間の間隙への伸張を可能にする。
【0051】
一次素子30の厚さは、最大変形、シールのための必要圧縮率、製造許容誤差範囲、及び電機子32について許された運動量によって規定された許可最大空隙に基づき選択される。空隙は、一次シール素子30の底部で測った0.18mm(ミリメートル)乃至0.45mmの間の大きさを有する。この空隙は、電機子の移動量を規定する。上記大きさ間の空隙を有することの利益は、噴霧剤容器14からの十分な量の流体の信頼できる輸送を可能にし、受け入れ可能なシール伸張及び圧縮特性を可能にし、デバイスを蓄電池によって容易に電力供給できる十分に少ない量の運動を有し、且つタイミングによる一貫した噴霧を可能にする、なぜならば少ない量の移動が、より管理可能な応答時間を有するからである。
【0052】
入口小穴28は、以下のパラメータに基づき設計される:噴霧剤圧力、これは典型的には、一次シール素子からの必要な密封力に対して、3バールと10バールとの間である。密封硬度は、ばね44によって供給される力に対して、シール素子30の圧縮率に基づき考慮に入れなければならない。更に、密封許容誤差範囲を、一次シール素子30の厚さに対して、(上記したような化学的攻撃の下で)必然の伸張として、考慮に入れなければならない。そして、そのばね力に対抗して作用するための必要電力に対するばね44からのばね力。
【0053】
インターフェイスチャンバ13は、噴霧剤容器14との交換部分10のインターフェイスのためにボビン34から分離する素子を提供する。これは、ボビン34が、噴霧剤容器14の挿入によって影響を及ぼされるその動作を有していないという利益をもたらす。また、組立体は、さらに単純である。その結果、上記した空隙の安定性が維持される。更に、超音波溶着及び配置ピン15を用いている、交換部分10の統合のための便利でかつ信頼性がある手段を達成する。配置ピン15は、ボビン34の底部の4つの角に配置され且つ噴霧剤インターフェイスチャンバ素子13の対応する開口に受け入れられる。突出は重要ではないが、ピン15は、図1において噴霧剤インターフェイスチャンバ素子13から突出するように見える。ピン15は、対向する角に二つのピンを有するように配置され、他の角の二つのピンよりも多少大きい直径を有する。これは、有利には、噴霧剤インターフェイスチャンバ素子13をボビン34に関して正確に配置させる。
【0054】
上下続きのプラスチックボビン34の提供は、漏れ無し設計の利益を有する、なぜならばボビンからの唯一の出口は、材料の出口が行われるその上部端、或いは材料が小穴38を通り抜ける下部端にあるからである。また、単一ピースのボビン34を有することは、製造を容易にしかつ安くする。プラスチックボビン34の上部側には、ボビン34の頂部面の回りのリングの形式の、押しつぶし可能なシール素子が提供される。押しつぶし可能なシール素子は、噴霧剤容器からの材料が、横向きに、コイル38が配置されたエリアの中に漏れるのを防ぐために上部鉄枠40aの上部部分の内側面を押しつぶす。
【0055】
ボビン34に用いた材料は、POM(ポリオキシメチレン)、(ガラス充填材及びPPS(ポリフェニレンサルファイド)を有するか又は有していない)PA(ポリアミド)であり、その全てが当業者に容易に入手可能である。これらの材料は、機械的強度を維持し且つ噴霧剤容器に含まれることがありそうな反応促進剤、等、の攻撃によるそれらの変形は、許容範囲内である。更なら基準は、温度安定性、高湿度環境における寸法形状及び強度安定性、並びに、小穴28の製品についての滑らかな仕上げ及び成型可能性を含む。
【0056】
一次シール素子30について、ブナ(Buna)(登録商標)、ヴァイトン(Viton)(登録商標)、シリコン及びネオプレン(Neoprene)のような材料が用いられた。設計基準は、一次シール素子30を通りそうな薬品との適合性、化学的攻撃による硬度及び硬度変化、力圧縮率関係、化学的攻撃による最大寸法形状変化、繰返し衝撃による疲労特徴、並びに温度安定性を含む。材料の硬度は、シュアースケールで60乃至80度の範囲のA等級材料として選択される。
【0057】
出口開口42は、空隙の大きさを減じるか或いは増すためにストッパをそれぞれ締めたり緩めたりすることによって空隙の調整を可能にするように上部鉄枠40にねじ締めすることができるねじ式ストッパの形で提供されるのがよい。
【0058】
ここに説明した交換部分10は、典型的には圧縮された容器内の材料に用いられるためであり、容器内の材料は、香料、害虫駆除組成、消毒組成、等であるのがよい。
【0059】
注意は、この出願に関するこの明細書と同時に或いはそれに先駆けて出願され、且つこの明細書による一般閲覧に対して公開された全ての論文及び文献に向けられ、且つ全ての係る論文及び文献の記載内容がここに援用される。
【0060】
(いかなる添付した特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)この明細書に開示された特徴の全て、及び又はそのように開示されたいかなる方法又は工程の段階の全ては、少なくとも係る特徴及び又は段階のあるものが相互に排除される組合せを除いて、いかなる組合せで組合せてもよい。
【0061】
(いかなる添付した特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)この明細書に開示された各特徴は、明示的に別段の定めをした場合を除き、同じ、同等、或いは類似する目的のために役割をする代替の特徴によって置き換えてもよい。かくして、明示的に別段の定めをした場合を除き、開示された各特徴は、同等及び類似する特徴の包括的なシリーズのほんの一例である。
【0062】
本発明は、上述した実施形態の詳細に限定されない。本発明は、(いかなる添付した特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)この明細書に開示された特徴のいかなる新規なもの、或いはいかなる新規な組合せ、或いはそのように開示されたいかなる方法又は工程の段階のいかなる新規なもの、或いはいかなる新規な組合せにまで及ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、噴霧デバイスの交換部分の概略断面斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す交換部分の枠及びボビン部分の概略側面図である。
【図3】図3は、図2に示す枠及びボビン部分の概略正面図である。
【図4】図4は、閉じた位置の、且つ噴霧剤容器がそれに取付けられた交換部分の概略断面図である。
【図5】図5は、開いた位置の交換部分の概略側面図である。
【符号の説明】
【0064】
10 交換部分
12 出口ステム
13 インターフェイスチャンバ素子
14 噴霧剤容器
15 ペグ
16 下方開口
20 面シール素子
23
24 開口
26 チャンバ
28 入口小穴
30 一次シール素子
32 磁気電機子
34 プラスチックボビン
36 隆起プラットフォーム部分
38 電機子コイル巻線
40a 上部鉄枠
40b 下部鉄枠
40c 鉄圧着部分
42 出口穴
43 中央凹部
44 ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧容器内に保持された香料、害虫駆除組成、及び又は消毒組成を噴霧するための噴霧デバイスであり、容器受け部分と、交換部分とを含み、交換部分は、延びた、圧縮されていない形態のときに裁頭円錐形をなすコイルばねを組込み、且つばねが付勢するソレノイドの電機子に関して自動芯出しするようになったソレノイドスイッチを組込むことを特徴とする噴霧デバイス。
【請求項2】
上記コイルばねは、圧縮されている形態のときに螺旋形をとる、請求項1に記載の噴霧デバイス。
【請求項3】
上記コイルばねは、圧縮されているときに、ばねの単一巻の深さを有する、請求項2に記載のスプレーデバイス。
【請求項4】
上記コイルばねは、上記電機子の凹部内に位置する、請求項1ないし3のいずれかに記載の噴霧デバイス。
【請求項5】
上記凹部は、圧縮されているときの上記コイルばねの厚さにほぼ等しい深さを有する、請求項4に記載の噴霧デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−511271(P2009−511271A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536109(P2008−536109)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003804
【国際公開番号】WO2007/045827
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(501164056)レキット ベンキサー (ユーケイ) リミテッド (30)
【Fターム(参考)】