説明

噴霧ノズルおよび噴霧ノズル装置並びに噴霧ノズルおよび噴霧ノズル装置を作動させる方法

噴霧ノズルおよび噴霧ノズル装置並びに噴霧ノズルおよび噴霧ノズル装置を作動させる方法。本発明は、出口室または混合室(7)と、該出口室または混合室に開口している少なくとも2つの貫通穴とを備え、貫通穴がそれぞれ流体管と連通している噴霧ノズルに関する。本発明によれば、貫通穴の少なくとも1つは自己清浄可能に構成され、および/または、貫通穴(74)の少なくとも1つを清浄するための装置が設けられている。たとえば、煙道ガス浄化において二流体ノズルを投入するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出口室または混合室と、該出口室または混合室に開口している少なくとも2つの貫通穴とを備え、貫通穴がそれぞれ流体管と連通している噴霧ノズルに関するものである。本発明は、本発明による噴霧ノズルを備えた噴霧ノズル装置、並びに本発明による噴霧ノズルおよび噴霧ノズル装置を作動させる方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
可能な限り微細な連続滴を発生させるため、出口室または混合室と、該出口室または混合室に開口し、それぞれ流体管と連通している少なくとも2つの貫通穴とを備えた噴霧ノズル、特にいわゆる二流体ノズルが使用される。この二流体ノズルの欠点は固形物質が沈積する傾向があり、特に空気供給穴にも沈積する傾向があることである。二流体ノズルを確実に作動させるには、多くの場合、噴霧ノズルが配置されているノズルランスを頻繁に分解する必要がある。従来技術によるノズルはこのようにしてのみ清浄作業が可能である。
【0003】
処理技術、特に煙道ガス浄化技術においては、液体を非常に微細に噴霧ならしめるノズルが使用されることが多い。高圧一流体ノズルばかりでなく、二流体ノズルの使用も増えてきている。二流体ノズルにおいては、圧縮ガス(たとえば圧縮空気)を用いて液体を適度な圧力で噴霧させる。この種の公知の二流体ノズルでは、出口室または混合室に通じる貫通穴内の沈積物により比較的頻繁に作動障害が発生する。また、混合室への液体供給管の峡所もこれに該当し、他方特にほとんどの場合半径方向に配置される、混合室への圧縮空気導入管用の穴も該当する。このためノズルランスを頻繁に分解してノズルを清浄しなければならない。ノズルを組み込んだ設備は、特に煙道ガス浄化用に使用する場合、この目的のために移動できないのが通常であるので、このような必要性は二流体ノズルの使用をかなり制限する。というのは、通常ノズル取り付けフランジに設備内の負圧を作用させて、ノズルランスを分解するために短時間開口させる前記フランジを介して有害ガスが流出しないようにしなければならないからである。さらに、保守作業に大きな時間コストがかかる。保守に伴うノズルランスの分解により設備の機能が阻害されることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、噴霧ノズルの汚染を十分に阻止し、この種の噴霧ノズルおよび噴霧ノズル装置の長期的な、保守の必要のない作動インターバルを得ることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、本発明によれば、出口室または混合室と、該出口室または混合室に開口している少なくとも2つの貫通穴とを備えた噴霧ノズルが設けられ、この場合貫通穴はそれぞれ1つの流体管と連通し、貫通穴の少なくとも1つは自動清浄可能に構成され、および/または、貫通穴の少なくとも1つを清浄するための装置が設けられている。
【0006】
本発明による噴霧ノズルを用いると、貫通穴が自己清浄可能に構成され、或いは、貫通穴の少なくも1つを清浄するための補助装置が設けられていることにより、貫通穴での沈積物の発生が阻止される。自己清浄は噴霧作動中に行ない、補助装置は噴霧作動中または清浄作動中に貫通穴に沈積物が沈積するとこれを除去する。
【0007】
本発明の他の構成では、貫通穴の少なくとも1つは、出口室または混合室とは逆の側に、面取りされ先細りになっている横断面を有し、該横断面は、流体流が混合室への開口部まで流動剥離なしに貫通穴を通過するように面取りされ先細りになっている。
【0008】
このようにすると、流体流によって発生する壁剪断応力が混合室の方向において貫通穴の穴壁に連続的に作用するので、貫通穴での沈積物の発生が阻止される。このような壁剪断応力は貫通穴への流体の逆流を阻止するので、沈積物の形成が十分に防止される。
【0009】
本発明の他の構成では、貫通穴は混合室とは逆の側でノズル状に面取りされている。
【0010】
このようにして、流体流が貫通穴の壁から剥離するのが確実に阻止される。
【0011】
本発明の他の構成では、流体管の少なくとも1つは混合室への液体供給管として形成され、液体入口穴として形成された少なくとも1つの貫通穴の領域に、液体入口穴を清浄するための可動なプランジャーが設けられている。
【0012】
このようなプランジャーは、沈積物が沈積するとこれを再び剥離させるのを確実に保証することができる。プランジャーは磁歪により、或いは液圧方式で移動させることができる。
【0013】
本発明の他の構成では、プランジャーは液体入口穴の上流側に配置され、且つ液体入口穴側の端部においてテーパ状または切頭円錐状に形成されている。
【0014】
このような構成により、確実な清浄作用が達成される。
【0015】
本発明の他の構成では、プランジャーは、その長手方向が流動方向に対し平行になるように液体入口穴への供給管内に配置され、且つ両端部において先細りに形成されている。
【0016】
このようにして、プランジャーを流動上好都合に構成することができ、プランジャーによって液体供給管内に生じる流動抵抗を小さくさせることができる。
【0017】
有利には、プランジャーのテーパ状または切頭円錐状の端部が、液体入口穴の、流動方向において先細りになっている入口領域に整合している。
【0018】
本発明の他の構成では、流体管の1つは液体供給管として形成され、該液体供給管内にある液体に圧力衝撃を印加させるための手段が設けられている。
【0019】
圧力衝撃の印加も貫通穴を清浄するために使用することができる。この場合、機械的な装置を貫通穴に挿入する必要がなく、噴霧作動中も圧力衝撃を印加することができるので有利である。有利には、超音波範囲の周波数を持った圧力衝撃を印加させるのがよい。このようにして、沈積物が沈積するとこれを粉砕し、ノズルの混合室を介して搬出することができる。ある意味では、これによって生じる清浄作用は腎臓結石の超音波粉砕と比較できる。
【0020】
本発明の他の構成では、流体管の1つは混合室への圧縮ガス供給管として形成され、圧縮ガス入口穴として形成される少なくとも1つの貫通穴の上流側に、研磨作用のある塵埃を圧縮ガス供給管内へ装入するための手段が設けられている。
【0021】
研磨作用のある塵埃を用いることで、沈積物を侵食的に除去できる。この場合、研磨作用のある微塵の硬度はノズルの材料の硬度よりもかなり小さくなければならない。
【0022】
本発明の他の構成では、流体管の1つは混合室への圧縮ガス供給管として形成され、圧縮ガス入口穴として形成される少なくとも1つの貫通穴の上流側に、清浄液を圧縮ガス供給管内へ装入するための手段が設けられている。
【0023】
このような清浄液はたとえば脱塩水であることができ、圧縮ガスは清浄液の霧状滴で付勢される。この場合、清浄液を化学物質で付勢して、貫通穴内にある沈殿物の溶解プロセスを助長するのが有益である。噴霧空気に清浄液を不断に付与する必要はなく、むしろ多くの場合、間欠的な付勢でも十分である。場合によっては別個の噴霧室を設けて、清浄液を圧縮ガス供給管内へ導入する前に小さな滴に分解させてもよい。
【0024】
本発明の他の構成では、流体管の1つは混合室への圧縮ガス供給管として形成され、圧縮ガス入口穴として形成される少なくとも1つの貫通穴の上流側に、少なくとも1つの圧縮ガス入口穴を通じて供給された圧縮ガスの圧力で圧縮することのできる海綿状または発泡剤状の粒子を圧縮ガス供給管に装入するための手段が設けられている。
【0025】
このような、たとえば球形の海綿状または発泡剤状の粒子により、沈積物または閉塞物を除去または阻止することができる。通常は複数個の圧縮ガス入口穴が設けられ、この場合清浄粒子は確率論的法則性にしたがってすべての貫通穴を通じて圧縮される。
【0026】
本発明の他の構成では、流体管の1つは混合室への圧縮ガス供給管として形成され、圧縮ガス入口穴として形成される少なくとも1つの貫通穴の上流側に、水蒸気を圧縮ガス供給管に装入するための手段が設けられている。
【0027】
水蒸気を装入するだけで十分な清浄効果が生じる。
【0028】
本発明の他の構成では、流体管の1つは液体供給管として形成され、液体入口穴として形成された貫通穴が峡所を有し、峡所の長さと径との比が1よりも大きく、特に1.5よりも大きい。液体入口穴内の沈積物により、混合室内に侵入する液体流は側方へ偏向する。峡所のサイズを適宜選定することにより、沈着物が付着板片の形状で峡所前方に集積したときに液体流自身は混合室内に十分中心対称に導入される。
【0029】
本発明の他の構成では、流体管の1つは混合室への液体供給管として形成され、且つ流体管の1つが混合室への圧縮ガス供給管として形成され、圧縮ガス供給管は混合室を少なくとも部分的に環状に取り囲み、圧縮ガス入口穴として形成された複数個の貫通穴は噴霧ノズルの中心軸線に関し混合室に対して実質的に半径方向に配置されている。
【0030】
このような構成により非常に微細な滴を生成させることができ、本発明による処置とともにこの種の二流体ノズルの汚染を十分に阻止することができる。
【0031】
本発明の基礎になっている問題は、本発明による噴霧ノズルの作動方法によっても解決される。この作動方法では、清浄流体または清浄粒子を、圧縮ガス入口穴として形成された、混合室への少なくとも1つの貫通穴の上流側において、圧縮ガス供給管として形成された流体管に装入するステップが設けられている。
【0032】
清浄流体または清浄粒子を装入することにより、噴霧ノズルの貫通穴内に沈積物が生じるとこれを確実に除去することができ、たとえば噴霧流とともに搬出させることができる。たとえば水蒸気、化学作用のある清浄液、または研磨作用のある微塵は、少なくとも1つの貫通穴の上流側に走入することができる。これとは択一的にまたはこれに加えて、海綿状または発泡剤状の清浄粒子を少なくとも1つの貫通穴の上流側に装入してもよい。この場合、海綿状または発泡剤状の清浄粒子は圧縮ガスの圧力で混合室への圧縮ガス入口穴によって圧縮される。
【0033】
本発明の他の構成では、混合室への液体入口穴として形成された少なくとも1つの貫通穴の上流側において、液体供給管として形成された流体管の中にある噴霧されるべき液体に圧力衝撃を印加する。
【0034】
このような圧力衝撃により、貫通穴内の汚染物または沈積物を同様に確実に剥離させることができる。たとえば超音波範囲の周波数を持つ圧力衝撃を印加して、貫通穴内の沈積物またはノズルの他の粒子を粉砕することができる。
【0035】
本発明の基礎になっている問題は、本発明による噴霧ノズルを備えた噴霧装置によっても解決される。この噴霧装置では、清浄作動時に流体管の少なくとも1つおよび付属の貫通穴において混合室または出口室の流体を流体管へ流動させるための手段が設けられている。
【0036】
混合室または出口室から流体管へ流体が流動することにより清浄効果が達成される。噴霧されるべき流体はたとえば液体または液状の固形物質懸濁液であってよい。本発明による噴霧ノズル装置は二流体ノズルとともに使用でき、或いは、出口室に流入する流体の一部がノズルから流出するのではなく、戻し管へ戻るようにしたいわゆる一流体ノズルとともにも使用できる。一流体戻しノズルの場合、極端な場合には、戻し量と供給量が同じであり、その結果ガス室内に流体は噴射されない。この作用は清浄作動のために利用できる。特に二流体ノズルの場合には、混合室と液体供給管または場合によってはその上流側に配置されるフィルタとの間で、噴霧作動とは逆の流動方向を設定する。清浄作動で噴霧作動とは逆の流動方向に逆転させることにより、通常は沈積物または閉塞物を確実に除去することができる。
【0037】
本発明の他の構成では、流体管は、混合室への圧縮ガス供給管と、混合室への液体供給管とを有し、前記手段が清浄作動時に流体を混合室から液体入口穴を通って液体供給管へ流動させる。
【0038】
このようにして清浄作動で液体入口穴を確実に清浄できる。
【0039】
本発明の他の構成では、液体供給管として形成された流体管は、少なくとも1つの遮断弁と、液体供給方向にて遮断弁の下流側にある少なくとも1つのクリーニングバルブとを有している。
【0040】
クリーニングバルブを開弁させた後、噴霧作動とは逆方向に流動する流体流はクリーニングバルブによって排出され、その結果汚染物または沈積物があれば噴霧装置から搬出させることができる。
【0041】
本発明の他の構成では、クリーニングバルブにより液体供給管と連通可能な負圧源が設けられている。
【0042】
このようにして液体供給管内での逆流を増幅させることができ、他方たとえば適当な大きさの負圧を印加させることにより、清浄作動時に液体または圧縮ガスがノズルの開口先端から処理環境に流出することも阻止できる。
【0043】
本発明の他の構成では、クリーニングバルブにより液体供給管と連通可能なエルトリエーション容器が設けられている。
【0044】
エルトリエーション容器に沈積物を捕集することができる。
【0045】
本発明の他の構成では、液体供給管に直列に接続され、フィルタインサートの上流側および下流側にそれぞれフィルタ室を備えたフィルタ装置が設けられ、両フィルタ室がそれぞれ1つのクリーニングバルブによりエルトリエーション管と連通可能である。
【0046】
このようにして、清浄作動中のフィルタ装置も流動方向を逆転させて清浄することができる。清浄作動中には、剥離した沈積物が噴霧作動中に下流側にあるフィルタ室に集積する。正常な噴霧作動中には、供給された噴霧されるべき液体の汚染物は上流側にあるフィルタ室に集積する。清浄作動中に両フィルタ室を空にさせることができ、エルトリエーションパイプを介してたとえばエルトリエーション容器と連通させることができる。
【0047】
本発明の他の構成では、流体管の1つは圧縮ガス供給管として形成され、清浄液を圧縮ガス供給管に装入するための手段が設けられている。
【0048】
本発明の他の構成では、清浄液の捕集容器と、清浄液を捕集容器から圧縮ガス供給管へ搬送するための手段とが設けられている。
【0049】
このようにして、たとえば清浄液の清浄効果が消失するまでの間、清浄液を本発明による噴霧装置内で循環させることができる。このようにして本発明による噴霧装置の非常に経済的な作動が可能である。
【0050】
本発明の他の構成では、噴霧作動時に清浄液を捕集容器から液体供給管へ混入させるための手段が設けられている。
【0051】
このようにして、正常作動のために使用される清浄液はまず捕集容器に捕集され、その後噴霧作動中に再び噴霧されるべき液体に加えられるので、本発明による噴霧装置の、汚水を発生させない作動を達成させることができる。前記混入は、清浄液が噴霧作動中にその効果がなくなるまで希薄になって噴霧ノズルから搬出されるように行なうことができる。捕集容器としては、既存のエルトリエーション容器を使用することができる。
【0052】
本発明の基礎になっている問題は、本発明による噴霧装置を作動させる方法によっても解決される。この方法では、少なくとも、流体管の1つの、混合室または出口室への開口部の領域において、清浄作動での流体流動方向を噴霧作動時とは逆転させるステップが設けられている。
【0053】
このようにして、噴霧作動中に貫通穴の前方にある汚染物を清浄作動中に確実に逆方向へ噴出させることができる。
【0054】
本発明の他の構成では、噴霧ノズルの1つの流体管が混合室に開口する液体供給管として形成され、他の流体管が混合室に開口する圧縮ガス供給管として形成され、以下のステップが設けられている。
【0055】
清浄作動時に、液体供給管内に設けた遮断弁を用いて液体の供給を遮断し、液体供給方向にて遮断弁の下流側にある少なくとも1つのクリーニングバルブを開弁させ、清浄流体流を、圧縮ガス供給管と混合室とを介して、クリーニングバルブへ至る液体供給管内へ導入する。
【0056】
この処置により、清浄液は混合室を噴霧作動時とは逆の方向に横断し、その結果閉塞物または汚染物を貫通穴から除去することができる。この場合、清浄流体は噴霧作動中に使用する圧縮ガスであってよい。
【0057】
本発明の他の構成では、清浄作動中にクリーニングバルブに負圧を印加する。
【0058】
このようにして、一方では清浄作動中に流動逆転を支援することができ、他方清浄作動中に清浄流体を噴霧ノズルから流出するのを阻止することができる。
【0059】
本発明の他の構成では、清浄流体は圧縮ガスと清浄液との混合物である。これとは択一的に、清浄流体は清浄液のみから成っていてもよい。さらに、清浄作動中に周囲ガスをノズル開口先端を通じて吸い込んで、清浄流体が周囲ガスを含むようにしてよい。たとえば、処理環境から供給される煙道ガスの性質が沈積物の剥離を阻害しないようであれば、煙道ガスを吸い込んでよい。
【0060】
本発明の他の構成では、清浄流体をクリーニングバルブから圧縮ガス供給管に供給し、混合室と液体供給管とにより再びクリーニングバルブへ循環させる。
【0061】
このようにして、清浄流体を何度も使用することができる。清浄流体は清浄作動中に捕集容器に捕集することができ、そして汚水の出ない作動を達成させるため、噴霧作動中に再び捕集容器から液体供給管に混入させることができる。
【0062】
本発明の他の構成および利点は、図面を用いた、本発明の有利な実施形態に関わる以下の説明から明らかである。なお、図示した異なる実施形態の個々の構成は、本発明の範囲を逸脱しなければ互いに組み合わせてよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
図1は従来技術による公知の二流体ノズルの構成を示す概略断面図である。噴霧されるべき液体1は、管2を介して、十分に中心対称の二流体ノズル3に供給され、他方圧縮ガス17は穴5を介して外側の環状空間6から混合室7へ吹き込まれる。図示したノズルの場合、液体用の供給管2は圧縮ガス供給用の管4の内部で案内されている。しかしながらこれは必ずしも強制的なものではない。噴霧ガスと滴とから成る二流体混合物9は、ノズル開口先端8を介して比較的高速度で混合室7を離れる。
【0064】
噴霧ガスはほとんどの場合圧縮空気から成っているので、以下では、簡単のために空気についてのみ述べることにする。
【0065】
公知の二流体ノズル3の場合、図2に認められるような沈積物11と15により比較的頻繁に作動不良が生じる。これは液体が混合室7へ侵入する穴に峡所10があるためであるが、しかし特に圧縮ガスまたは圧縮空気を混合室7へ導入するための半径方向の貫通穴のためでもある。図2はこのような事情を説明するための部分拡大図である。このように沈積物11,15が生じると、ノズルランスを頻繁に分解したり、ノズルを清浄する必要がある。しかし、ノズルを組み込んだ設備、たとえば煙道ガス浄化設備は、通常移動させることができないので、このような必要性は二流体ノズルの使用をかなり制限する。というのは、ノズルランスを分解するために短時間開口せしめられるノズル取り付けフランジを介して有害ガスが流出しないように前記フランジに通常は設備内の負圧が支配しなければならないからである。さらに、保守作業にかなりの時間コストが生じる。また、保守のためにノズルランスを分解することにより設備の機能が阻害されることがある。
【0066】
公知の噴霧ノズルおよび特に公知の二流体ノズル3の場合、圧縮ガス用の貫通穴5は環状室6から混合室7への移行部において鋭稜に実施されている。その結果、図3に図示したように、空気流は貫通穴5の入口エッジ12において剥離領域13を形成し、剥離領域13は混合室7まで延在することがある。噴霧されるべき液体は、矢印14によって示唆したように、空気の流動方向とは逆方向にこの環状の剥離領域13内へ逆流することがあり、ここですでに図2に図示したような乾燥沈積物11を形成する。この乾燥沈積物11は空気流量を低下させ、ノズルを規則的に清浄しなければならなくなる。
【0067】
噴霧されるべき液体を混合室7へ供給するための貫通穴にも、通常は図1および図2に図示したような峡所10が存在する。ここにも沈積物15が発生することがあり、特に液体供給管の壁付着物から剥離した板片が発生する。これらの板片15が、液体供給管の内径部から峡所10への移行部の、たとえば切頭円錐状の狭隘部に特に蓄積する。
【0068】
図4は本発明による二流体ノズル60の第1実施形態を示している。図4に認められるように、圧縮ガスまたは圧縮空気用の貫通穴5は、混合室7を部分的に取り囲む環状室を形成している圧縮ガス供給管の側に、面取り部16を備えている。したがって、図3の図示とは異なり、入口エッジ12は鋭稜に実施されておらず、面取りされており、その結果混合室7内へ圧縮ガスを供給するための貫通穴5の横断面は、混合室7とは逆の側を起点として先細りになっている。前記面取り部16により、空気流はもはや穴壁から剥離しない。むしろ、本発明にしたがってノズル状に成形された貫通穴5内には、空気流によって発生する壁剪断応力が混合室7へ向かう方向で穴壁に対し作用する。この壁剪断応力は混合室7から貫通穴5内への液体の逆流を阻止するので、液体の乾燥蒸発残滓物による付着物の形成が十分に阻止される。
【0069】
図4に認められるように、本発明による二流体ノズル60は中心軸線61に関し軸対称に構成されている。液体供給管62はノズル本体の中心を通るように案内されており、切頭円錐状の先細り部63と筒状の狭隘個所10の付近で混合室7に開口している。したがって、液体供給管62から供給される噴霧されるべき液体は混合室7の中心に局限される。混合室7には、流出方向に切頭円錐状の狭窄部64が接続しており、狭窄部64は切頭円錐状に拡大している漏斗状出口65に移行している。圧縮ガス供給管4は環状管路として形成され、液体供給管62を取り囲んでいるとともに、さらに延長されて混合室7を部分的に取り囲んでいる。筒状の混合室7の側壁には複数個の貫通穴5が半径方向に配置され、すでに述べたように、これらの貫通穴5を通じて圧縮ガスが圧縮ガス供給管4から混合室内へ到達する。混合室7に侵入した噴流液は同様に混合室7に侵入した圧縮ガスと混合室内部で混合され、その結果漏斗状出口65から微細な連続滴をもつ噴霧流が噴出する。
【0070】
しかしながら、圧縮ガス用の貫通穴5のノズル状の面取り部16をもってしても、貫通穴5内の沈積を必ずしも回避することはできない。これは、侵入する圧縮ガス(たとえば空気)が少ないながらも微塵を含んでいるからである。微塵は半径方向に配置されている貫通穴5の壁に沈積して、ここである種の毛細ポンプを形成することがある。すなわち、毛細状の塵埃層内で液体が混合室7から噴霧空気の流動方向とは逆方向に吸い込まれて、つまり貫通穴5を通じて侵入する圧縮ガスに抗して径方向の貫通穴5に吸い込まれて逆流することがある。このために時間とともに付着物層が厚くなる。空気供給用の貫通穴5内へ一時的に逆流する結果、非定常的噴霧プロセスの間に付着物が貫通穴5内にさらに形成される。しかも、図1ないし図3に図示した、鋭い入口エッジ12を有している従来技術による公知の二流体ノズルでは、付着物は環状室6内にも固着するが、環状室6は本来空気のみが貫流すべきものである。
【0071】
貫通穴5内でのこのような沈積を回避するため、或いは、沈積物を発生後に除去するため、本発明によれば、噴霧液に清浄液21が添加され、有利には脱塩水が添加される。清浄液21は、図4に図示したノズル66を介して、貫通穴5の上流側で圧縮ガス管4内へ導入される。清浄液21を混合室7の付近で圧縮ガス供給管4に導入させてもよい。また、清浄液21の霧状滴による圧縮ガス(たとえば空気)の付勢を、混合室7からより大きな間隔をもった部位で行なってもよい。清浄液21は、圧縮ガス管4内の高速度の噴霧空気により、ほとんどの場合半径方向に配置される(しかしこれは強制的なものではない)貫通穴5により圧縮され、このようにして貫通穴5は付着物から解放される。貫通穴5内の付着物の種類に応じては、清浄液21を化学物質で付勢し、該化学物質で貫通穴5内の沈積物11の溶解プロセスを支援するのが有用である。この場合には、噴霧空気に持続的に清浄液21を添加する必要はない。むしろ、多くの場合、間歇的な付勢でも十分である。
【0072】
有利には、清浄液21を図4に概略的に図示した別個の噴霧室67内で小さな滴に分解させて、半径方向の貫通穴5を空気・霧状滴・流動物で付勢するのがよい。
【0073】
また、たとえばノズル68を用いて水蒸気18を吹き込ませることにより噴霧空気を湿潤させ、或いは、水蒸気で飽和させても十分である。水蒸気ノズル68も同様に環状の圧縮空気供給管4内に配置されていてよい。貫通穴5内で加速された圧縮空気が混合室7内へ向けて膨張すると、水蒸気の温度が降下し、よって水蒸気が再凝結する。これは主に流動境界層外側の流動で発生するが、通常のプラントル数の場合、小規模ながら貫通穴5の壁19でも発生する。多くの場合、再凝結による穴壁の湿潤は十分な清浄効果を生じさせることができる。
【0074】
図4の二流体ノズル60では、液体が混合室7内へ侵入する穴の峡所10前方の領域で付着物板片を除去する他の可能性が示唆されている。このため、図4の図示では、電圧を印加できるように液体供給管62内に設けられるリードバルブ69が概略的に図示されている。リードバルブ69を用いると、液体供給管62内で噴霧されるべき液体に対して、沈積物または付着物板片を粉砕させるような圧力衝撃を、特に液体が混合室7内へ侵入する穴の先細り部63および峡所10の領域で印加させることが可能である。これは、ある意味では、腎臓結石の超音波粉砕と比較できる。
【0075】
リードバルブ69の代わりに、適当な超音波変換器を備えた超音波発生器を使用してもよい。超音波発生器は超音波範囲内で圧力衝撃を印加させ、液体供給管62と特に先細り部63および峡所10とを清浄させる用を成す。
【0076】
本発明による二流体ノズル70の他の実施形態が図5の概略断面図で示してある。この二流体ノズル70は幅広部分においては図4の二流体ノズル60と同一の構成を有しているので、図4の二流体ノズル60に対し異なっている構成要素のみを詳細に説明することにする。
【0077】
水蒸気18または清浄液21を導入する代わりに、或いは、これに加えて、図5に概略的に図示したように、圧縮ガス供給管4内の噴霧空気を小さな発泡剤球体72で付勢することができる。発泡剤球体72は圧縮ガス供給管4内に導入され、その後確率論的法則性にしたがって複数個の貫通穴5により交互に圧縮される。これにより貫通穴5を付着物から解放させることができる。これに比較しうる方法は、従来長い復水器管を清浄するためにのみ適用されていたにすぎない。発泡剤球体72の導入は、清浄液21を補助的に添加してもしなくても適用することができる。
【0078】
同様に、水蒸気18または清浄液21を導入する代わりに、或いは、これに加えて、噴霧空気を研磨作用のある微塵74で付勢してもよい。微塵74は貫通穴5内で同様に付着物を侵食的に剥離させる。このような研磨作用のある微塵74の導入態様を、図5では概略的に図示してある。なお、研磨作用のある微塵74の硬度はノズル素材の硬度よりも著しく小さくなければならない。その結果実質的に付着物のみが除去され、たとえば穴壁は除去されない。
【0079】
噴霧空気を供給するための半径方向の貫通穴が付着物の形成により塞がれるばかりでなく、図2に図示したように、峡所10を持った液体供給用の貫通穴76も特に液体供給管2からの付着物板片15により塞がれることがあるので、図5の二流体ノズル70の場合、液体入口穴76に対しても清浄機構が設けられている。液体入口穴76を清浄するため、図5に概略的に図示したプランジャー20を用いる。プランジャー20はたとえば磁歪により、或いは液圧方式で、図5に示唆した二重矢印に沿って移動することができる。プランジャー20が液体入口穴の切頭円錐状の狭隘部73に衝突するように移動することにより、前記板片が粉砕され、混合室7を介してノズル70から搬出させることができる。
【0080】
図5に認められるように、プランジャー20は円筒状の本体を有し、その両端部においてテーパ状に先細りになっている。プランジャー20はその長手軸線が流動方向に平行になるように且つノズル70の中心軸線71に対し同心になるように配置されている。プランジャー20の、流動方向に見て混合室7側の切頭円錐状の先細り部は、液体入口穴76の先細り部73に整合している。このようにしてプランジャー20は先細り部73の領域において面当接し、これにより、そこに付着物板片があればこれを粉砕することができる。プランジャー20の両端部を先細りに構成し、且つプランジャー20の長手軸線が流動方向に対し平行になるように配置することにより、流動抵抗が小さくなり、したがって液体供給管2内での圧力損が少なくなる。この場合、プランジャー20は、液体供給管2に比べて拡大された横断面を有し且つ流動方向に見て混合室の方向で液体入口穴76の先細り部73と峡所10とにより画成されるプランジャー室75の内部に可動に配置されている。
【0081】
図6は本発明による図5の二流体ノズル70の部分拡大図である。液体入口穴76の領域には板片状の沈積物15が認められる。この沈積物15は峡所10前方の先細り部73の領域で沈積したものである。これらの沈積物は、通常、空気貫通穴5に生じる沈積物とは異なり、液体入口穴76自体にて形成されたものではなく、大部分は液体供給用の拡張された配管系内部とノズルランス自体の内部との双方で生じたものである。薄片形状のこの種の沈積物は振動または熱応力により剥離させることができる。その後液体流によって連れ去られ、液体入口穴76が対応するサイズであれば、特に峡所10において薄片15により横断面を閉塞させる。これにより液体の流量が許容しがたいほどに絞られるばかりでなく、さらには混合室7内での速度分布に不具合が生じる。というのは、前記板片15は小さなデフレクタのごとく作用して液体流を側方へ偏向させ、その結果液体流が混合室7内へ中心対称に流入しなくなるからである。それ故、本発明者の研究によれば、峡所10の長さlと径dとの比を1よりも大きく、特に1.5よりも大きく選定するのが非常に有利である。このようにして、付着物板片15が峡所10前方に集積したとしても、液体流は液体入口穴74から混合室7内へ十分に中心対称に導入される。
【0082】
上述した二流体ノズルおよびその作動方法により、二流体ノズルの検査・保守コストを最小限に低減させることができ、長時間の作動にわたって最適な噴霧を保証することができる。
【0083】
図7の概略図には、有利な実施形態による本発明の噴霧装置80が図示されている。従来では、二流体ノズルを、湿式煙道ガス浄化設備で生じる懸濁液を蒸発させて濃縮するために使用されることが多かった。したがって、汚水を生じさせない方法を提供することが可能であった。しかしながら、最近では、二流体ノズルを備えたこの種の設備で煙道ガス自体を浄化することも増えてきている。このためには、噴霧されるべき液体1を吸収剤(たとえば石灰乳)で濃化して、二酸化硫黄および塩化水素のような酸形成物を装入できるようにしなければならない。煙道ガス浄化方法において有利な石灰乳の濃度はたとえば10%であるが、この濃度であると、配管、ノズルランス、ノズルが汚染するリスクがかなり高くなり、その結果沈積物が発生することがある。
【0084】
このような沈積物は噴霧をほとんど許容しがたいほどに阻害させ、その結果堆積物のないノズルの場合に比べて著しく大きな滴が発生する。大きな滴は、有害物質吸着面積が小さいので、煙道ガス浄化方法にとって不利であるばかりか、かなりの蒸発時間を要し、したがって迅速に蒸発させることはできない。よって、下流側に設けられる構成要素(たとえば繊維フィルタ或いはファン)の目詰まりまたは堆積物の付着のリスクがある。それ故、ノズルランスおよびノズル内に沈積物が沈積すると、ノズルランスおよびノズルを頻繁に分解して清浄しなければならない。ノズルが組み込まれている設備は通常、ノズルを清浄するために移動させることができないので、このような強制的な清浄は二流体ノズルの使用をかなり制限している。したがって、たとえばノズル取り付けフランジに通常は設備内の負圧を生じさせて、有害ガスがノズルランスを分解するために短時間開口する前記フランジを介して流出しないようにしなければならず、或いは、高コストの流量制御ゲートを取り付けねばならない。さらに、保守作業に大きな時間コストを要する。しかも、保守に伴うノズルランスの分解により設備の機能が損なわれることがある。図7に図示した本発明による噴霧装置とその作動方法とにより、ノズルランスおよび液体供給管の一部分の清浄を達成することができる。
【0085】
すでに述べたように、二流体ノズル自体内での沈殿により生じた付着物以外に、ノズルランスへの供給管およびノズルランス自体から板片が剥離することによる横断面の閉塞も発生する。ノズルランスへの供給管からの剥離は粗フィルタを用いて公知の態様で削減することができる。なお、このフィルタのメッシュ幅は混合室への液体導入部位において最も狭くなっている横断面よりも小さくなければならない。
【0086】
しかしながら、ノズルランス自体にも沈積物が沈積し、その結果薄板状に剥離するので、従来技術によれば、噴霧障害を避けるには、混合室直前の部位に位置するように他のフィルタを二流体ノズルに組み込まなければならない。本発明によれば、たとえば図5を用いて説明したように、混合室への液体入口において沈積物を粉砕させることができる。二流体ノズル付近にフィルタを収納するにはスペースが十分ではない。さらに、この種のフィルタは時折清浄しなければならない。この場合もノズルランスの分解が必要であるが、これは避けるべきである。
【0087】
図7の噴霧装置を用いると、ノズルランスおよびノズルの、付着物が付着する恐れのある領域を、間歇的に清浄することができ、しかもこのためにノズルランスを分解する必要がない。これは、本発明によれば、ノズルランスへの供給管のなかに配置される粒子セパレータに沈積している浮動性沈積物を逆洗することと関連して、ノズルへの液体供給部において流動方向を逆転することによって達成される。この清浄プロセスは化学的に有効な清浄液によりさらに改善させることができる。
【0088】
図7の図示では、従来技術に従って、二流体ノズルランス117は、噴射されるべき液体のための接続フランジ118と、噴霧を生じさせる圧縮ガスのための接続フランジ119とを備えている。
【0089】
液体供給管125内には、両面作用の、メッシュ幅の大きなフィルタ120が組み込まれている。液体メインバルブ121により、ノズルランス117への液体供給量を調整または遮断させることができる。フィルタ120内で析出した粒子を除去するため、クリーニングバルブ122,123とエルトリエーションバルブ124とをエルトリエーション容器126に対し開弁させることができる。ポンプ128と負圧弁127とを用いてエルトリエーション容器を負圧にもたらすことができる。エルトリエーション容器126内には固形物質または濃化スラッジ134とエルトリエーション液132とが集積する。濃化スラッジ134はドレンバルブ135を介して搬出でき、他方、清浄添加物、すなわち使用する清浄液を含んでいるエルトリエーション液132は管133を介して循環させることができる。ポンプ154を用いて、使用する清浄液を大部分含んでいるエルトリエーション液132を貯留容器内へ搬送させることができ、したがって清浄目的で再度使用することができる。複数個の二流体ノズルランス117を並列に接続する場合には、エルトリエーション容器126はスラッジおよび清浄液を受容するための中央ユニットとして使用できる。この点を、参照符号129,130,131を付した供給管により示唆した。
【0090】
液体を噴霧させるための圧縮ガス115はコンプレッサ136により提供され、圧縮ガスメインバルブ137を介して圧縮ガス供給管138へ供給される。ここで、部位139においても、容器142と143に貯留されている清浄液140と141の供給を行なうことができる。これら清浄液を圧縮ガス内部へ供給するには、貯留部142と143内部の圧力は圧縮ガスの圧力よりもいくぶん高くなければならない。それ故、バルブ144と145とを介して容器を付勢する圧縮ガス付勢部148が設けられている。清浄液はバルブ146と147とを介して選択的に圧縮ガス管138に供給することができる。清浄液は圧縮ガス流によって引き裂かれ、圧縮ガス用の貫通穴5を介してまず混合室7内へ送入される。
【0091】
すでに述べたように、エルトリエーション液132は循環させることができ、この場合たとえばポンプ154により容器142,143内へ搬送する。
【0092】
したがって、噴霧作動においては、噴霧されるべき液体1を、液体メインバルブ121を開いた状態で液体供給管125によりノズルランス117へ搬送させる。同時に、コンプレッサ136を介して周囲空気115がバルブ137により管138とノズルランス117の圧縮ガス供給管4とへ達する。噴霧作動においては、通常供給部位139を介して清浄液は供給されない。圧縮ガスは混合室7を少なくとも一部取り囲んでいる環状室6内へ達し、貫通穴5を通じて混合室7内へ到達する。噴霧されるべき液体は液体入口穴の峡所10を通じて混合室7に中心対称に流れ込む。他の峡所114は混合室7をノズル開口先端8に対し閉鎖させている。峡所114の後には漏斗状出口が接続しており、その結果ノズル開口先端8を介して噴霧流が処理対象周囲116へ流出する。
【0093】
清浄作動を調整するため、まず液体メインバルブ121をオフにし、クリーニングバルブ122,123,124を開弁させる。圧縮ガスの供給はそのまま維持し、供給部位139を介して清浄液を容器142,143から供給させる。その結果圧縮ガス供給管4内には、清浄液と圧縮ガス、特に周囲空気115とから成る混合物が存在する。液体メインバルブ121がオフでクリーニングバルブ122,123,124が開弁しているので、圧縮ガスの少なくとも一部は清浄液とともに混合室7を介してランスパイプ2と供給管125とを介してフィルタ120へ搬送され、ここからエルトリエーション容器126内へ搬出される。清浄流体の一部、すなわち圧縮ガスと清浄液とランスパイプ2内にある噴霧されるべき液体の残留物とから成る清浄流体の一部は、フィルタディスク149を後方へ貫流し、よってフィルタディスク149も洗浄される。必要な場合には、クリーニングバルブ132を一時的に絞って、清浄流体を増幅させてフィルタディスク149を貫流させてもよい。
【0094】
このように、清浄作動においては、噴霧作動に対し、液体供給管とランスパイプ2とフィルタへの供給管125とにおいて流動を逆転させる。これにより峡所10の閉塞物を確実に排出させ、フィルタ120を介してエルトリエーション容器126内へ搬出させることができる。この場合、液体供給管内の液体は、流入する噴射空気により混合室7内に発生した過圧だけでフィルタへ逆送させることができる。
【0095】
混合室7に流入する圧縮ガスは、清浄作動時に基本的には2つの開口部を介して混合室7から流出することができ、すなわち混合室7の比較的大きな峡所114を介してガス室116のほうへ流出することができ、或いは、峡所10を介して液体供給管へ、すなわちランスパイプ2へ流出し、その後フィルタ120またはエルトリエーション容器26のほうへ流出することができる。本発明者の研究によると、フィルタ20へ流動する噴霧空気の動圧は、峡所10の領域にある板片状の沈積物を、液体供給管内およびランスパイプ2内にまだある液体1とともにフィルタ120へ戻すために通常は十分であることが明らかになった。エルトリエーション容器126に負圧を印加することによりこの清浄空気流を増幅させることができ、これは、すでに述べたように、バルブ127を開弁させ且つポンプ28を作動させることにより行なう。
【0096】
清浄効果は清浄流体に対し圧力衝撃を加えることによって増幅させることができる。このため、混合室7とエルトリエーション容器126との間にあるバルブの1つはリードバルブとして実施されていてよい。
【0097】
しかしながら、浮動性沈積物をエルトリエーション部へ逆送させるばかりでなく、ノズルランス117内にある固着性の付着物をノズルおよび液体供給管の壁から剥離させるには、前述したように噴霧空気を清浄液で付勢させる必要がある。このため、たとえば制御可能な容器142,143内に貯留されている酸性物またはアルカリ液が適当である。複数個のノズルランスを並列に接続する場合には、基本的にはエルトリエーション部126の場合と同様に、中央に清浄液を供給するようにしてもよい。
【0098】
清浄液を圧縮ガス供給管内へ供給することで行なう清浄作動の間、清浄液をノズル開口先端8から流出させることもできる。これは、通常、ノズルの開口領域にある付着物をも剥離させるために望ましい。ノズル開口先端8を介してガス室116に侵入するこの清浄液も、滴が適宜噴射されるので、下流側に接続されている構成要素に対し危険がないように微細に噴霧させる。これ以外にも、本発明によれば、ノズル開口先端8を介して流出する清浄流体の部分流は、エルトリエーション容器126に十分な負圧を印加させることにより、任意の程度に減圧させることができる。必要な場合には、噴霧空気を適宜減圧させてもよい。
【0099】
噴霧装置80を作動させるための方法の1実施形態では、エルトリエーション容器126内の負圧を十分強く低下させることにより、ガスをノズル開口先端8を介して液体供給管とランスパイプ2とノズルランス117への供給管125とを通じて吸い込むことができる。ただし、これは、ガス室116内のガスの組成が適当であって、たとえば煙道ガスの組成が適当であって不具合が生じない場合に限られる。図示していないが、二流体ノズルランスには、噴霧される液体および圧縮ガスが頻繁に供給されるばかりでなく、二流体ノズルランスを同心に取り囲んでいる管内で案内される被覆空気も供給される。この被覆空気は作動時にノズル開口先端8を取り囲むものである。したがってこの場合には、清浄作動中にガスを逆吸引する際、たとえば煙道ガスをノズルランスを介して逆吸引させる必要はない。むしろ、逆吸引されるガスは中性の被覆ガスから成ることができる。したがって、被覆空気を逆吸引すれば、清浄液を煙道ガス内へ到達させずに、ノズルとノズルランストを清浄することが可能である。ガス室16内に常に煙道ガスがあるとは限らない。食品処理技術においては、食品と接触している設備部品に清浄液を到達させないことに強い関心がある。
【0100】
すでに述べたように、エルトリエーション容器126内でエルトリエーション液132の大部分を占めている清浄液は、その吸着力が経済的な観点から消失するまで、配管133とポンプ154とを介して循環させることができる。それ故、この限りにおいては、ノズル開口先端8を介して清浄液をガス室116内へ吹き込むことができ、これは方法にとっては有益であり、或いは、ノズル開口先端8の清浄にとっては必要である。
【0101】
これとは択一的に、清浄作動中にエルトリエーション容器126に適当な負圧を印加し圧縮ガス弁137を閉じることにより、清浄液のみを吸い込むようにしてもよい。この場合清浄流体は清浄液のみから成り、噴射装置80は清浄液を噴射することが可能である。この場合清浄液は圧縮ガスに供給されず、圧縮ガスは完全に遮断され、その結果圧縮ガス側は清浄液だけで付勢される。エルトリエーション部から負圧を印加すると、清浄液は同様に空気供給穴5と混合室7とを介して後方へ搬送され、液体供給用のランスパイプ2を通ってフィルタ120へ搬送される。その際、ある程度ガスをガス室116からノズル開口先端8を介して逆吸引させてもよい。
【0102】
汚水を発生させない処理を提供できるようにするには、最終的に、大部分清浄液からなっているエルトリエーション液132も蒸発させて濃縮させる必要がある。これは、噴射作動中にエルトリエーション液132を主液流1に混入させることにより行なうことができる。主液流1内へのエルトリエーション液132の配量は、エルトリエーション液132を希薄化させて無効にし、ノズル開口先端8から流出させるように行なうのが合目的である。図7の図示では、エルトリエーション液は管133を介して取り出され、ポンプ154と破線で示した供給管81とを用いて、噴霧されるべき液体1に混入される。極端な汚染と沈積物がある場合には、実質的に清浄液のみが混合室7へ搬送されて徹底的な清浄を行なえる程度の量の清浄液を供給管81を用いて供給するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】従来技術による二流体ノズルの断面図である。
【図2】図1の二流体ノズルの断面図の部分拡大図である。
【図3】図1の断面図の他の拡大部分図である。
【図4】本発明による二流体ノズルの第1実施形態の図である。
【図5】本発明による二流体ノズルの第2実施形態の断面図である。
【図6】図5の断面図の部分拡大図である。
【図7】本発明による噴霧ノズル装置の概略図である。
【符号の説明】
【0104】
1 噴霧されるべき液体
2 液体の供給管
3 二流体ノズル
4 圧縮ガスの供給管
5 圧縮ガスの貫通穴
6 外側の環状空間または環状室
7 混合室
8 ノズル開口先端
9 圧縮ガスと液滴とから成る二流体混合物
10 液体の貫通穴(峡所)
11 固形物質沈積物
12 鋭稜な貫通穴
13 剥離領域
14 剥離領域へ流れる液体
15 液体供給管の峡所にある沈積物
16 圧縮ガスの貫通穴にある面取り部
17 圧縮ガス
18 水蒸気
19 穴5の壁
20 プランジャー
21 清浄液
60 二流体ノズル
61 中心軸線
62 液体供給管
63 液体供給管の先細り部
64 混合室の狭窄部
65 漏斗状出口
66 清浄液用ノズル
67 噴霧室
68 水蒸気用ノズル
69 リードバルブ
70 二流体ノズル
71 中心軸線
72 発泡剤球体
73 液体供給管の先細り部
74 微塵
75 プランジャー室
76 液体入口穴
80 噴霧装置
81 供給管
114 混合室出口の峡所
115 圧縮ガス
116 噴霧されるガス室
117 二流体ノズルランス
118 噴霧されるべき液体用ノズルランスの接続フランジ
119 圧縮ガス用ノズルランスの接続フランジ
120 フィルタケース
121 液体メインバルブ
122 排流側のエルトリエーションバルブ
123 供給側のエルトリエーションバルブ
124 メインエルトリエーションバルブ
125 フィルタからノズルランスへの液体供給管
126 エルトリエーション容器
127 エルトリエーション容器に設けた負圧弁
128 エルトリエーション容器に設けた真空ポンプ
129 フィルタと並列に接続されるノズルランスの供給管
130 フィルタと並列に接続されるノズルランスの供給管
131 フィルタと並列に接続されるノズルランスの供給管
132 エルトリエーション容器内の上澄み液
133 清浄液用循環管
134 濃化スラッジと粒子
135 濃化スラッジと粒子の搬出機構
136 圧縮ガス用コンプレッサ
137 圧縮ガスメインバルブ
138 ノズルランス用圧縮ガス供給管
139 清浄液供給部位
140 清浄液(たとえば酸)
141 清浄液(たとえばアルカリ液)
142 清浄液用貯留容器
143 清浄液用貯留容器
144 貯留容器142に設けた圧縮空気遮断弁
145 貯留容器143に設けた圧縮空気遮断弁
146 清浄液供給用バルブ
147 清浄液供給用バルブ
148 圧縮空気または圧縮ガス
149 粗メッシュのスクリーンまたはフィルタ120の穴付き板
150 液体メインバルブとフィルタとの間の清浄液供給管
151 フィルタ20前方の、清浄液を直接供給するためのメインバルブ
152 貯留容器143から直接供給するためのバルブ
153 容器142から直接供給するためのバルブ
154 エルトリエーション容器から清浄液を循環させるためのポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出口室または混合室(7)と、該出口室または混合室(7)に開口している少なくとも2つの貫通穴とを備え、貫通穴がそれぞれ流体管と連通している噴霧ノズルにおいて、貫通穴(5)の少なくとも1つが自己清浄可能に構成され、および/または、貫通穴の少なくとも1つを清浄するための装置(74)が設けられていることを特徴とする噴霧ノズル。
【請求項2】
貫通穴(5)の少なくとも1つが、出口室または混合室(7)とは逆の側に、面取りされ先細りになっている横断面を有し、該横断面は、流体流が混合室への開口部まで流動剥離なしに貫通穴(5)を通過するように面取りされ先細りになっていることを特徴とする、請求項1に記載の噴霧ノズル。
【請求項3】
貫通穴(5)が混合室(7)とは逆の側でノズル状に面取りされていることを特徴とする、請求項2に記載の噴霧ノズル。
【請求項4】
流体管の少なくとも1つが混合室(7)への液体供給管として形成され、液体入口穴(76)として形成された少なくとも1つの貫通穴の領域に、液体入口穴(76)を清浄するための可動なプランジャー(20)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の噴霧ノズル。
【請求項5】
プランジャー(20)が液体入口穴(76)の上流側に配置され、且つ液体入口穴(76)側の端部においてテーパ状または切頭円錐状に形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の噴霧ノズル。
【請求項6】
プランジャー(20)のテーパ状または切頭円錐状の端部が、液体入口穴(76)の、流動方向において先細りになっている入口領域(73)に整合していることを特徴とする、請求項5に記載の噴霧ノズル。
【請求項7】
プランジャー(20)は、その長手方向が流動方向に対し平行になるように液体入口穴(76)への供給管内に配置され、且つ両端部において先細りに形成されていることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一つに記載の噴霧ノズル。
【請求項8】
流体管の1つが液体供給管(62)として形成され、該液体供給管内にある液体に圧力衝撃を印加させるための手段(69)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の噴霧ノズル。
【請求項9】
前記手段が超音波範囲の周波数を持った圧力衝撃を印加させるために適していることを特徴とする、請求項8に記載の噴霧ノズル。
【請求項10】
流体管の1つが混合室(7)への圧縮ガス供給管(4)として形成され、圧縮ガス入口穴として形成される少なくとも1つの貫通穴(5)の上流側に、研磨作用のある塵埃(74)を圧縮ガス供給管(4)内へ装入するための手段が設けられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の噴霧ノズル。
【請求項11】
流体管の1つが混合室(7)への圧縮ガス供給管(4)として形成され、圧縮ガス入口穴として形成される少なくとも1つの貫通穴(5)の上流側に、清浄液(21)を圧縮ガス供給管(4)内へ装入するための手段(66)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の噴霧ノズル。
【請求項12】
流体管の1つが混合室(7)への圧縮ガス供給管(4)として形成され、圧縮ガス入口穴として形成される少なくとも1つの貫通穴(5)の上流側に、少なくとも1つの圧縮ガス入口穴を通じて供給された圧縮ガスの圧力で圧縮することのできる海綿状または発泡剤状の粒子(72)を圧縮ガス供給管(4)に装入するための手段が設けられていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一つに記載の噴霧ノズル。
【請求項13】
流体管の1つが混合室(7)への圧縮ガス供給管(4)として形成され、圧縮ガス入口穴として形成される少なくとも1つの貫通穴(5)の上流側に、水蒸気(18)を圧縮ガス供給管に装入するための手段(68)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一つに記載の噴霧ノズル。
【請求項14】
流体管の1つが液体供給管として形成され、液体入口穴(76)として形成された貫通穴が峡所(10)を有し、峡所(10)の長さ(l)と径(d)との比が1よりも大きく、特に1.5よりも大きいことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一つに記載の噴霧ノズル。
【請求項15】
流体管の1つが混合室(7)への液体供給管として形成され、且つ流体管の1つが混合室(7)への圧縮ガス供給管(4)として形成され、圧縮ガス供給管(4)が混合室(7)を少なくとも部分的に環状に取り囲み、圧縮ガス入口穴として形成された複数個の貫通穴(5)が噴霧ノズルの中心軸線(61;71)に関し混合室(7)に対して実質的に半径方向に配置されていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一つに記載の噴霧ノズル。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一つに記載の噴霧ノズルの作動方法において、清浄流体または清浄粒子(72)を、圧縮ガス入口穴として形成された、混合室(7)への少なくとも1つの貫通穴(5)の上流側において、圧縮ガス供給管(4)として形成された流体管に装入することを特徴とする方法。
【請求項17】
少なくとも1つの圧縮ガス入口穴の上流側において水蒸気(18)を装入することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの圧縮ガス入口穴の上流側において清浄液(21)を装入することを特徴とする、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの圧縮ガス入口穴の上流側において研磨作用のある塵埃(74)を装入することを特徴とする、請求項16〜18のいずれか一つに記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの圧縮ガス入口穴の上流側において、圧縮ガスの圧力で少なくとも1つの圧縮ガス入口穴によって圧縮される海綿状または発泡剤状粒子(72)を装入することを特徴とする、請求項16〜19のいずれか一つに記載の方法。
【請求項21】
混合室(7)への液体入口穴として形成された少なくとも1つの貫通穴の上流側において、液体供給管(62)として形成された流体管の中にある噴霧されるべき液体に圧力衝撃を印加することを特徴とする、請求項16〜20のいずれか一つに記載の方法。
【請求項22】
超音波範囲の圧力衝撃を印加することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
請求項1〜15のいずれか一つに記載の噴霧ノズルを備えた噴霧装置であって、噴霧ノズルが、混合室または出口室(7)と、該混合室または出口室に開口している少なくとも2つの流体管とを有している噴霧装置において、清浄作動時に流体管の少なくとも1つおよび付属の貫通穴において混合室または出口室(7)の流体を流体管へ流動させるための手段が設けられていることを特徴とする噴霧装置。
【請求項24】
流体管が、混合室(7)への圧縮ガス供給管(4)と、混合室(7)への液体供給管(2)とを有し、前記手段が清浄作動時に流体を混合室(7)から液体入口穴を通って液体供給管(2)へ流動させることを特徴とする、請求項23に記載の噴霧装置。
【請求項25】
液体供給管(2)として形成された流体管が、少なくとも1つの遮断弁(121)と、液体供給方向にて遮断弁(121)の下流側にある少なくとも1つのクリーニングバルブ(122,123,124)とを有していることを特徴とする、請求項23または24に記載の噴霧装置。
【請求項26】
少なくとも1つのクリーニングバルブ(122,123,124)により液体供給管(2)と連通可能な負圧源(128)が設けられていることを特徴とする、請求項25に記載の噴霧装置。
【請求項27】
少なくとも1つのクリーニングバルブ(122,123,124)により液体供給管(2)と連通可能なエルトリエーション容器(126)が設けられていることを特徴とする、請求項25または26に記載の噴霧装置。
【請求項28】
液体供給管(2)に直列に接続され、フィルタインサート(149)の上流側および下流側にそれぞれフィルタ室を備えたフィルタ装置(120)が設けられ、両フィルタ室がそれぞれ1つのクリーニングバルブ(122,123)によりエルトリエーション管と連通可能であることを特徴とする、請求項25〜27のいずれか一つに記載の噴霧装置。
【請求項29】
流体管の1つが圧縮ガス供給管(4)として形成され、清浄液を圧縮ガス供給管(4)に装入するための手段が設けられていることを特徴とする、請求項23〜28のいずれか一つに記載の噴霧装置。
【請求項30】
清浄液の捕集容器と、清浄液を捕集容器から圧縮ガス供給管(4)へ搬送するための手段(133,154)とが設けられていることを特徴とする、請求項29に記載の噴霧装置。
【請求項31】
噴霧作動時に清浄液を捕集容器から液体供給管へ混入させるための手段が設けられていることを特徴とする、請求項29または30に記載の噴霧装置。
【請求項32】
請求項23〜31のいずれか一つに記載の噴霧装置を作動させる方法であって、混合室または出口室(7)を備えた噴霧ノズルと、混合室または出口室に開口している少なくとも2つの流体管とを備えた噴霧装置を作動させる方法において、少なくとも、流体管の1つの、混合室または出口室(7)への開口部の領域において、清浄作動での流体流動方向を噴霧作動時とは逆転させることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法であって、噴霧ノズルの1つの流体管が混合室(7)に開口する液体供給管(2)として形成され、他の流体管が混合室(7)に開口する圧縮ガス供給管(4)として形成されている方法において、
−清浄作動時に、液体供給管(2)内に設けた遮断弁(121)を用いて液体の供給を遮断し、液体供給方向にて遮断弁(21)の下流側にある少なくとも1つのクリーニングバルブ(122,123,124)を開弁させるステップと、
−清浄流体流を、圧縮ガス供給管(4)と混合室(7)とを介して、クリーニングバルブ(122,123,124)へ至る液体供給管(2)内へ導入するステップと、
を特徴とする方法。
【請求項34】
清浄流体が噴霧作動中に使用する圧縮ガスであることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
清浄作動中にクリーニングバルブ(122,123,124)に負圧を印加することを特徴とする、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
清浄作動中に清浄液を圧縮ガス供給管(4)内へ装入して、清浄流体を圧縮ガスと清浄液との混合物にすることを特徴とする、請求項33〜35のいずれか一つに記載の方法。
【請求項37】
清浄流体が清浄液のみから成っていることを特徴とする、請求項33〜36のいずれか一つに記載の方法。
【請求項38】
清浄作動中に周囲ガスをノズル開口先端(8)を通じて吸い込んで、清浄流体が周囲ガスを含むようにすることを特徴とする、請求項32〜37のいずれか一つに記載の方法。
【請求項39】
清浄流体をクリーニングバルブから圧縮ガス供給管(4)に供給し、混合室(7)と液体供給管(2)とにより再びクリーニングバルブ(122,123,124)へ循環させることを特徴とする、請求項33〜38のいずれか一つに記載の方法。
【請求項40】
清浄作動中に捕集容器で清浄流体を捕集することを特徴とする、請求項33〜39のいずれか一つに記載の方法。
【請求項41】
噴霧作動時に清浄流体を捕集容器から液体供給管(2)に混入させることを特徴とする、請求項40に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−540079(P2008−540079A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509388(P2008−509388)
【出願日】平成18年5月5日(2006.5.5)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004220
【国際公開番号】WO2006/119923
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(507367390)
【Fターム(参考)】