説明

噴霧ノズル装置及びその接続構造

【課題】複数の噴霧ノズルを並設しても、被噴霧体に対して噴霧ノズルのスリット状吐出孔を簡便な操作で確実に平行に配設可能な噴霧ノズル装置とその接続構造を提供する。
【解決手段】噴霧ノズル装置において、水と空気とを混合するための混合ユニット5と連結管11との第1の連結部C1が、周方向に角度180°ずれた位置(対向位置)で軸方向に延びて形成された2つの位置決め用キー機構を備え、連結管11と噴霧ノズル31との第2の連結部C2が、前記第1の連結部C1の少なくとも1つのキー機構を基準として周方向に角度90°ずれた複数の位置で軸方向に延びて形成された複数のキー機構を備えており、第1及び第2の連結部C1,C2はそれぞれ締結部材16,38で締結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気液混合流体を噴霧するのに有用な噴霧ノズル(又は二流体ノズル)装置及びその接続構造、特に熱間圧延や連続鋳造過程での鋳片(又は鋼材)の二次冷却ゾーンにおいて、幅方向に併設して気液混合ミストを噴霧するのに有用な噴霧ノズル装置及びその接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
連続鋳造過程での鋳片(又は鋼材)の冷却ゾーンには、水と空気との気液混合ミストを噴霧して鋳片(又は鋼材)を冷却するための噴霧ノズル(又は二流体ノズル)が使用されている。前記冷却ゾーンでは、通常、連続的に引き抜かれて供給される鋳片の幅方向に沿って複数の噴霧ノズルが鋳片(又は鋼材)の搬送路に並設され、鋳片の幅全体に亘り冷却している。また、単一の噴霧ノズルにおいて、噴霧流量には分布があり、通常、幅方向の中央部に比べて両端部の噴霧流量は少ない。そのため、複数の噴霧ノズルで鋳片を幅方向に亘って均一に冷却するため、隣接する複数の噴霧ノズルの噴霧パターン(噴霧域)の幅方向の両端部をオーバーラップさせた状態で複数の気液混合噴霧ノズルを鋳片の幅方向に並べ、噴霧領域を鋳片の幅方向に一致させる必要がある。このような噴霧ノズルとして、一条又は二条のスリット状吐出孔を備えた噴霧ノズルが使用されている(特開2008−168167号公報、特開2003−93926号公報、特開平7−164121号公報などを参照)。
【0003】
特公平4−10386号公報(特許文献1)には、エア供給管と液供給管とを混合アダプタを介して気液供給管に接続し、この気液供給管の先端に取り付けたノズルから気液を噴霧する装置において、前記混合アダプタが特定の流路を有する気液噴霧装置が開示されている。この文献には、混合アダプタと気液供給管とノズルとの接続方法については直接的に記載されていないが、一般には、溶接又はねじ込み方式が利用されている。
【0004】
特開2001−259483号公報(特許文献2)には、ノズル本体とノズルチップとを備える噴射ノズルアセンブリであって、前記ノズルチップは、前記ノズル本体に対する回転に伴って前記ノズル本体から着脱可能であり、前記ノズルチップは、扁平噴射パターンの放出に適応した細長い吐出オリフィスを有しており、前記ノズル本体は外側に延びる半径方向の張出部を有しており、この張出部は、前記細長い吐出オリフィスの長軸と半径方向に整列して配置された噴射ノズルアセンブリが開示されている。このノズルアセンブリは、前記吐出オリフィスの方向を直接に目視することなく、吐出オリフィスの長軸を指標として、ノズル本体に複数のノズルチップを所定方向に配列できる。さらに、特許文献2には、前記ノズルチップを前記ノズル本体に取り付けるため、前記ノズルチップが半径方向の外側に延びるロック要素を有しており、前記張出部及び前記ロック要素が、互いに円周方向に90度ずれていることも記載されている。
【0005】
しかし、混合アダプタに接続された気液供給管の先端に噴霧ノズルを接続し、これらの噴射ノズルを鋳片の幅方向に並べても、複数の噴霧ノズルにより鋳片を均一に冷却することが困難である。すなわち、混合アダプタに対して気液供給管が周方向にずれて装着されたり、気液供給管に対して噴霧ノズルが周方向にずれて装着されると、鋳片の面(又は鋳片の搬送面)に対して噴霧ノズルのスリット状吐出孔が傾斜し、鋳片に対する噴霧流量の分布が変化する。そのため、鋳片の面(又は鋳片の搬送面)に対して噴霧ノズルのスリット状吐出孔の長軸を平行に噴霧ノズルを装着する必要があるものの、1つの噴霧ノズルについて複数の接続又は装着部位(又は関節接続部位)が存在するため、鋳片の面に対して噴霧ノズルを所定の向きに(スリット状吐出孔の長軸を平行に)位置させることが困難である。特に、複数の噴霧ノズルを並設する場合には、それぞれの噴霧ノズルについて、噴霧ノズルの向きを調整する必要があり、調整作業が極めて煩雑である。また、混合アダプタ、気液供給管及び/又は噴霧ノズルの交換又は補修作業も煩雑化する。
【0006】
このように、被噴霧体又は噴霧域を均一な流量分布で噴霧するためには、噴霧ノズルの回転方向の向きを調整し、噴霧域又は被噴霧体に対して噴霧ノズルの吐出孔の長軸方向を平行にする必要がある。しかし、前記のように、被噴霧体(又は被噴霧域)に対する噴霧ノズルの向きを簡便かつ容易に調整することが困難である。特に、複数の噴霧ノズルを並設し、噴霧パターン(噴霧域)の両端部をオーバーラップさせて、均一な噴霧流量で被噴霧体(又は被噴霧域)に気液混合ミストを噴霧することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平4−10386号公報(特許請求の範囲、図2)
【特許文献2】特開2001−259483号公報(特許請求の範囲、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、被噴霧体(又は被噴霧域)に対する噴霧ノズルの向きを簡便かつ容易に調整できる噴霧ノズル装置及び噴霧ノズル装置の接続構造を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、複数の噴霧ノズルを並設しても、被噴霧体(又は被噴霧域)に対して噴霧ノズルのスリット状吐出孔を簡便な操作で確実に平行に対峙して配設可能な噴霧ノズル装置及び噴霧ノズル装置の接続構造を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、複数の噴霧ノズルを配設していても、交換又は補修が容易であるとともに、交換又は補修時間を大幅に短縮可能な噴霧ノズル装置及び噴霧ノズル装置の接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、気液混合ユニットと中空連結管との第1の連結部、前記連結管とスリット状吐出孔を有する噴霧ノズルとの第2の連結部とを備えた装置において、各連結部の一方の部材の内壁に軸方向に延びるキー溝を形成し、他方の部材の内壁に、前記キー溝に装着可能な凸条を形成してキー機構を構成すると、複数の噴霧ノズルを並設しても、簡便な操作で確実に気液混合ユニットに対して周方向の噴霧ノズルの向きを位置決めでき、被噴霧体(又は被噴霧域)に対して噴霧ノズルのスリット状吐出孔を平行に配設できることを見いだし、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明の噴霧ノズル装置は、連結管(又は気液供給管)を介して、液体と気体とを混合するための混合ユニット(又は気液混合ユニット)と、この混合ユニットで混合された気液混合流体を噴霧するための噴霧ノズルとが連結された噴霧ノズル装置であって、混合ユニットと連結管との第1の連結部、および連結管とノズルチップとの第2の連結部にそれぞれ形成された位置決め用キー機構と、前記第1及び第2の連結部をそれぞれ締結するための締結部材とを備えている。このような装置では、第1及び第2の連結部のキー機構を利用して、混合ユニットに対する噴霧ノズルの周方向の位置(角度)を簡便かつ確実に位置決めでき、締結部材により位置決めを固定化できる。なお、混合ユニットは、通常、鋳片の冷却面(又は鋳片の搬送面)などの被噴霧体(又は噴霧域)に対して所定の角度(又は姿勢)で固定して配置されている。
【0013】
前記噴霧ノズル装置において、キー機構は、連結部を構成する一方の部材の内壁の軸方向に延びるキー溝と、他方の部材の内壁に形成され、かつ前記キー溝に装着可能な凸条とで構成してもよい。このようなキー機構を利用すると、連結部の一方の部材のキー溝に対して他方の部材の凸条を挿入又は装着することにより簡便かつ確実に位置決めできる。
【0014】
前記締結部材は、一方の部材と係合可能であり、かつ他方の部材に形成された螺旋溝に螺合可能なキャップナットで構成してもよい。このようなキャップナットを利用すると、連結部の一方の部材と係合した状態で連結部の他方の部材と螺合でき、連結部の両部材を緊密かつ強固に連結できる。
【0015】
さらに、第1及び第2の連結部のうち少なくとも一方の連結部に、互いに円周方向に角度90°ずれて複数の位置決め用キー機構を形成してもよい。このような複数のキー機構を利用すると、連結管(又は混合ユニット)に対して噴霧ノズルの向きを間違って連結しても、連結を解除して噴霧ノズルの向きを90°変えて連結管に装着又は連結するという簡単な操作で、連結管(又は混合ユニット)に対して噴霧ノズルを適正な向きに調整できる。
【0016】
より具体的には、本発明の噴霧ノズル装置は、例えば、水と空気とを混合するための混合ユニットと、この混合ユニットで混合された流体の流路を有する連結管と、この連結管の先端部に装着され、かつスリット状吐出孔を有する噴霧ノズルとを備えており、前記混合ユニットと連結管との第1の連結部が、周方向に角度180°ずれた位置(対向位置)で軸方向に延びて形成された2つの位置決め用キー機構を備え、前記連結管と噴霧ノズルとの第2の連結部が、前記第1の連結部の少なくとも1つのキー機構を基準として周方向に角度90°ずれた複数の位置で軸方向に延びて形成された複数のキー機構を備えていてもよい。
【0017】
本発明は、連結管を介して、液体と気体とを混合するための混合ユニットと、この混合ユニットで混合された気液混合流体を噴霧するための噴霧ノズルとが連結された噴霧ノズル装置の接続構造であって、前記混合ユニットと連結管との第1の連結部、および連結管とノズルチップとの第2の連結部にそれぞれ形成された位置決め用キー機構と、これらのキー機構により周方向の位置が位置決めされた状態で前記第1及び第2の連結部をそれぞれ締結するための締結部材とで構成されている噴霧ノズル装置の接続構造も包含する。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、キー機構を利用して被噴霧体(又は被噴霧域)に対する噴霧ノズルの向きを簡便かつ容易に調整できる。また、複数の噴霧ノズルを並設しても、被噴霧体(又は被噴霧域)に対して噴霧ノズルのスリット状吐出孔を簡便な操作で確実に平行に対峙させて配設可能である。さらに、キー機構を利用して連結可能であるため、複数の噴霧ノズルを配設していても、交換又は補修が容易であるとともに、交換又は補修時間を大幅に短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は本発明の噴霧ノズル装置の配設状態を説明するための概略図である。
【図2】図2は図1の噴霧ノズル装置を示す概略側面図である。
【図3】図3は図1の噴霧ノズルを示す概略正面図である。
【図4】図4は第1の連結部の形態を説明するための概略分解斜視図である。
【図5】図5は第1の連結部の形態を示す概略断面図である。
【図6】図6は第2の連結部の形態を説明するための概略分解斜視図である。
【図7】図7は第2の連結部の形態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。図1は本発明の噴霧ノズル装置の配設状態を説明するための概略図であり、図2は図1の噴霧ノズル装置を示す概略側面図であり、図3は図1の噴霧ノズルを示す概略正面図である。
【0021】
噴霧ノズル装置は、流量及び/又は圧力調整機構を備えた水供給管1と接続するためのソケット部(水ポート部)3aと、圧力調整機構を備えた空気供給管2と接続するためのソケット部(空気ポート部)3bとを有し、水と空気とが衝突混合して気液混合流体を形成するための気液混合室4を備えた混合ユニット(又は気液混合アダプタ)5と、この混合ユニットで混合された流体を噴霧ノズル31に供給するための流路を備えた連結管(又は気液供給管)11と、この連結管の先端部に取り付けられ、前記連結管11から供給された気液混合流体をスリット状又は長細い楕円形状の吐出孔33から噴霧するための噴霧ノズル31とを備えている。
【0022】
なお、この例の噴霧ノズル31は、図3に示されるように、筒状のノズル本体32と、軸芯を避けてノズル本体の先端に形成されたスリット状吐出口33と、これらの吐出口の上流側に形成され、前記連結管11の流路と連通する流路24とを備えている。ノズル本体32の流路24の形態は特に制限されず、前記噴霧ノズルの構造については、特開2008−168167号公報などを参照できる。例えば、ノズル本体32の流路24の形態は、スリット状吐出口33の上流側において前記ノズル本体32の軸線方向に対して直交するとともに、前記スリット状吐出口33の延びる方向に対して直交する方向に形成された円筒状の第1の流路と、この第1の流路の上流側で、ノズル本体1の軸芯方向に形成され、かつ流路幅が狭まった円筒状の第2の流路と、この第2の流路の上流側で、第2の流路と同軸にノズル本体32の軸芯方向に形成され、かつ第2の流路よりも流路幅が大きな円筒状の第3の流路などで構成してもよい。また、流路壁には、軸方向に延びる切り欠き凹溝を形成してもよく、上流からの流体が衝突可能な衝突壁(又は段部)を形成してもよい。
【0023】
なお、この例では、混合ユニット5は四角柱状ブロックの形態を有しており、図1に示すように、複数の混合ユニット5の各ソケット部3a,3bには、前記水供給管1及び空気供給管2から分岐した分岐管がそれぞれ接続されている。
【0024】
このような複数の噴霧ノズル31を並列に配設する噴霧ノズル装置では、噴霧域に対する各噴霧ノズル31の角度(向き)が変化し、噴霧域を均一な噴霧液量で噴霧できない場合がある。
【0025】
そこで、この例では、図4(第1の連結部の形態を説明するための概略分解斜視図)及び図5(第1の連結部の形態を示す概略断面図)に示すように、前記混合ユニット5と連結管(気液供給管)11とを連結する第1の連結部C1は、周方向に角度180°ずれた位置(対向位置)で軸方向に延びて形成された2つの位置決め用キー機構を備えている。より詳細には、混合ユニット5は気液混合室4と連通した円筒状の第1のアダプタ6を備えており、このアダプタ6の先端部で対向する部位には、断面半月状の突起部(キー部)7が軸方向に延出して形成されているとともに、第1のアダプタ6の端面の内周部には、装着段部(内周壁端部が切り欠かれた凹部又は受け部)8が形成され、第1のアダプタ6の周面には螺旋溝9が形成されている。
【0026】
一方、連結管(気液供給管)11の一方の端部にも、連結管11の流路と通じる筒状の第2のアダプタ12が形成されており、この第2のアダプタ12は、外周部のうち前記第1のアダプタ6の突起部(キー部)7に対応する対向部位に形成された切り欠き部(キー溝部)13と、内周部に形成され、前記第1のアダプタ6の装着段部(受け部)8に装着可能なリング状突出部14と、外周面に形成されたリング状凸部(被係止部)15とを備えている。
【0027】
さらに、第1の連結部C1を締結するためのキャップナット16には、第2のアダプタ12のリング状凸部(被係止部)15との係合部17が形成されている。すなわち、第2のアダプタ12側のキャップナット16の内周面には、第2のアダプタ12の外周面のリング状凸部(被係止部)15と係合可能な係合段部17が形成され、第1のアダプタ6側のキャップナット16の内周面には、前記第1のアダプタ6の螺旋溝9に螺合可能な螺合部18が形成されている。なお、この例では、キャップナット16の内周面の係合段部17から第1のアダプタ6に向かって螺旋溝が形成され螺合部18を形成している。
【0028】
このような第1のアダプタ6の突起部(キー部)7と第2のアダプタ12の切り欠き部(キー溝部)12とで第1のキー機構又はキー構造(7,13)を形成すると、混合ユニット5に対して周方向の所定位置で連結管11を確実かつ正確に位置決めできる。しかも、第1のキー機構又はキー構造(7,13)を利用して位置決めした状態で、キャップナット16を連結管11と係合しつつキャップナット16を第1のアダプタ6の螺旋溝に螺合することにより、第1のアダプタ6及び第2のアダプタ12を介して混合ユニット5と連結管11とを緊密かつ強固に締結できる。
【0029】
図6(第2の連結部の形態を説明するための概略分解斜視図)及び図7(第2の連結部の形態を示す概略断面図)に示すように、前記連結管11の他方の端部はアダプタ22を介して噴霧ノズル31と連結可能である。すなわち、連結管11の他方の端部には第3のアダプタ22が形成されており、この第3のアダプタ22は、開口部から突出したリング状装着部(リング状突出部)24と、この装着部の外周部に、周方向に角度90°ずれた複数の位置で軸方向に延びて形成された溝部(キー溝部)23と、外周面に形成されたリング状凸部(被係止部)25とを備えている。なお、この例では、装着部24の外周部に形成された4つの溝部(キー溝部)23は、第1のアダプタ6の突起部(キー部)7又は第2のアダプタ12の切り欠き部(キー溝部)13を基準として、周方向の角度45°の位置に形成されている。
【0030】
噴霧ノズル31の装着部34の内周壁には、第3のアダプタ22のリング状装着部(リング状突出部)24が装着可能な円筒状受け部35が形成され、装着部34の外周面には、ネジ部36が形成されているとともに、受け部35の内壁には、前記第3のアダプタ22の4つの溝部(キー溝部)23に対応して軸方向に延びる4つの凸条(キー部)37が形成されている。なお、第3のアダプタ22のリング状装着部(リング状突出部)24は噴霧ノズル31の前記受け部35の後部壁(段部壁)と突き合わせ可能である。
【0031】
そして、第3のアダプタ22と噴霧ノズル31の装着部34との第2の連結部C2は、キャップナット38により緊密に締結可能である。すなわち、第2の連結部C2を締結するためのキャップナット38の内周面には、第3のアダプタ22の外周面に形成されたリング状凸部(被係止部)25と係合可能な係合部(又は係合段部)39と、前記噴霧ノズル31の装着部34のネジ部36に螺合可能な螺合部40とが形成されている。
【0032】
このような第3のアダプタ22の溝部(キー溝部)23と噴霧ノズル31の装着部34の凸条(キー部)37とで第2のキー機構又はキー構造(23,37)を形成すると、連結管11を介して、混合ユニット5に対して周方向の所定位置で噴霧ノズル31を確実かつ正確に位置決めできる。しかも、第2のキー機構又はキー構造(23,37)を利用して位置決めした状態で、キャップナット38を連結管11のアダプタと係合しつつキャップナット38を噴霧ノズル31の装着部34のネジ部36に螺合することにより、第3のアダプタ22を介して連結管11と噴霧ノズル31とを緊密かつ強固に締結できる。
【0033】
特に、混合ユニット5が通常適正な角度(例えば、水平な角度)で取り付け又は固定されているため、第1のキー機構(7,13)を利用して混合ユニット5に対して連結管11を位置決めできるとともに、第2のキー機構(23,37)を利用して噴霧ノズル31を周方向に位置決めできるため、噴霧域又は噴霧体に対して、噴霧ノズル31の回転方向の向きを容易に調整できるだけでなく、連結管11及び噴霧ノズル31を容易に交換でき、交換又は補修時間を大幅に短縮できる。さらに、第1のアダプタ6のキー機構(7,13)を基準として、周方向の角度45°の位置(互いに周方向に角度90°ずれた4つの位置)に4つのキー機構(23,37)が形成されているため、混合ユニット5を誤って90°回転させて固定したとしても、互いに円周方向に90°ずれた位置に形成した位置決め用キー機構(23,37)を利用して、噴霧ノズルを90°回転させた位置に容易に調整できる。そのため、噴霧ノズル31による噴霧パターンの幅方向を鋳片の幅方向に一致させて、複数の噴霧ノズル31の噴霧パターン(噴霧域)の両端部をオーバーラップさせて、均一な噴霧流量で鋳片を冷却できる。
【0034】
なお、噴霧ノズル装置は、混合ユニット(又は気液混合アダプタ)と連結管(連結管又は気液供給管)と噴霧ノズルとを備えていればよく、混合ユニット、連結管及び噴霧ノズルの構造は特に制限されない。例えば、混合ユニットは、液体(特に、水)と気体(特に、空気)とを混合可能であればよく、混合ユニットの気液混合室及び流路の構造は、気液を混合する単一の混合室であってもよく、気液を順次混合する複数の混合室であってもよい。また、流路は、液体(特に、水)と気体(特に、空気)とを混合室に導く流路であればよく、混合室に対して、液体流路と気体流路とが斜め方向に交差してもよく、気液の衝突効率を高めるため、液体流路と気体流路とが対向又は対峙していてもよい。また、混合ユニットの形状は、例えば、直方体などのブロック状に限らず、種々の形態が採用でき、噴霧域(又は被噴霧体)に対して平行(又はほぼ平行)に混合ユニットを配置するには、平坦面を有する混合ユニットを用い、この平坦面を噴霧域(又は被噴霧体)に対する角度の指標としてもよい。なお、複数の混合ユニットは、通常、噴霧ノズル装置の所定の取付部位(取り付け位置)に適正に連結又は固定されており、前記のように、鋳片の冷却面などの被噴霧体(又は噴霧域)に対して所定の角度(又は姿勢、例えば、平行な角度)で固定して並列に配置されている場合が多い。
【0035】
連結管は、混合ユニットで混合された混合流体を噴霧ノズルに供給するための流路を備えていればよく、通常、管体で構成できる。噴霧ノズルは連結管(特に、連結管の先端部)に装着され、混合ユニットで混合された気液混合流体を噴霧可能であればよく、噴霧ノズルの構造は、矩形状噴霧パターン、円形状噴霧パターン、楕円形状噴霧パターン、線状噴霧パターンなどの種々の噴霧パターンを形成できる噴霧ノズルが採用できる。また、気液混合流体を噴霧する噴霧ノズルの吐出孔は、円形状などであってもよく、噴霧域を幅方向に拡大するため、楕円形状(長細い楕円状)又はスリット状吐出孔(例えば、一条又は二条の吐出孔)であってもよい。噴霧ノズルは、通常、楕円形状(長細い楕円形状など)又はスリット状吐出孔を有し、矩形状噴霧パターン、楕円形状噴霧パターンを形成する場合が多い。なお、二条の吐出口は、互いに平行に向いていてもよく、ノズル本体の先端部の前方域又は衝突混合域で各吐出口からの流体を衝突混合させるため、ノズル本体の軸芯線の方向(前記前方域又は衝突混合域)に向いていてもよい。
【0036】
本発明は単一の噴霧ノズルに対しても適用できるが、幅方向に均一な噴霧流量で噴霧する複数の噴霧ノズルに適用するのが好ましい。特に、幅方向に広がりを有する噴霧パターン(噴霧域)を形成する噴霧ノズルを、被噴霧体(又は噴霧域)の幅方向に並設させ、隣接する噴霧ノズルの噴霧パターン(噴霧域)の幅方向の両側部をオーバーラップさせながら、幅方向の全体に亘り均一な流量で噴霧するのが好ましい。
【0037】
第1の連結部C1及び第2の連結部C2において、一方の部材(若しくはそのアダプタ)と他方の部材(若しくはそのアダプタ)とは、互いに端面が単に突き合わせ可能であってもよいが、連結又は接続操作を補助するため、互いに装着可能な装着部(例えば、一方の部材の内周壁の開口端部に形成され、他方の部材の開口端部が装着可能な切り欠き部又は受け部、一方の部材の内周壁の開口端部に形成された環状凹部と他方の部材の内周壁の開口端部に形成された環状凸部など)を有するのが好ましい。前記の例では、第1の連結部C1において、第1の部材(混合ユニット又はその第1のアダプタ)に装着段部(受け部)8が形成され、第2の部材(連結管の一方の端部又はその第2のアダプタ)にリング状突出部(装着凸部)14が形成されているが、第1の部材に装着凸部を形成し、第2の部材に装着凹部(受け部)を形成してもよい。また、第2の連結部C2において、第2の部材(連結管の他方の端部又は第3のアダプタ)にリング状装着部(凸部)24が形成され、第3の部材(噴霧ノズル又はその装着部)に円筒状受け部(凹部)35が形成されているが、第2の部材に装着凹部(受け部)を形成し、第3の部材に装着凸部を形成してもよい。
【0038】
第1及び第2の連結部を形成する両部材(混合ユニット又は噴霧ノズルと連結管)にはアダプタは必ずしも必要ではなく、隣接する両部材の端部をアダプタ構造に形成してもよい。また、噴霧ノズルにもアダプタを装着(又は形成)してもよい。アダプタ及び締結部材の構造は、前記のように、キャップナットと関連して螺旋溝(又はネジ部)と係合部とを備えていてもよく、締結部材との関係で、隣接する両部材を軸方向に引き締め、かつ両部材の連結部の外周部を覆って締結可能である場合が多い。また、締結部材は、連結部を構成する一方の部材と係合可能であり、かつ他方の部材の外周面に形成された螺旋溝(又はネジ部)に螺合可能な螺合部を備えたキャップナットで構成する場合が多い。なお、部材の被係合部に対する締結部材の係合部は中空締結部材の内周壁に形成してもよく、締結部材の端部に形成してもよく、係合部は、段部(切り欠き段部)、爪部などで形成してもよい。
【0039】
前記の例では、第1の連結部C1において、第1の部材(混合ユニット又はその第1のアダプタ)に螺旋溝9が形成され、第2の部材(連結管又はその第2のアダプタ)にリング状凸部(被係止部)15が形成されているが、第1の部材にキャップナットとの被係止部を形成し、第2の部材に螺旋溝又はネジ部を形成してもよい。また、第2の連結部C2において、第2の部材(連結管の他方の端部又は第3のアダプタ)にリング状凸部(被係止部)25が形成され、第3の部材(噴霧ノズル又はその装着部)にネジ部36が形成されているが、第2の部材にネジ部又は螺旋溝を形成し、第3の部材にキャップナットとの被係止部を形成してもよい。
【0040】
本発明の噴霧ノズル装置及びその接続構造では、前記混合ユニットと連結管との第1の連結部、および連結管とノズルチップとの第2の連結部にそれぞれ形成された位置決め用キー機構が形成されているため、これらのキー機構により周方向の位置が位置決めされた状態で締結部材により前記第1及び第2の連結部をそれぞれ締結することにより、噴霧ノズル装置を形成できる。すなわち、第1の連結部及び第2の連結部の位置決め用キー機構を利用することにより、噴霧ノズル装置の組立が容易であるとともに、連結管や噴霧ノズルチップを容易に交換でき、交換又は補修作業効率を向上できる。また、混合ユニットに対する噴霧ノズルの姿勢(回転方向の向き)を容易に確実かつ正確に調整できる。より詳細には、第1の連結部での第1のキー機構により一次的に混合ユニットに対する噴霧ノズルの姿勢(周方向の角度位置)が左右されるため、第1のキー機構により混合ユニットに対する連結管の姿勢(周方向の角度位置)を確実に確保できれば、第2のキー機構を利用して混合ユニットに対する噴霧ノズルの姿勢(周方向の角度位置)を確実かつ正確に調整できる。すなわち、第1のキー機構と関連づけて第2のキー機構の周方向の角度位置を設定することにより、第1のキー機構により混合ユニットに対する連結管の姿勢を制御でき、第2のキー機構により連結管(ひいては混合ユニット)に対する噴霧ノズルの姿勢を確実に調整して制御できる。
【0041】
位置決め用キー機構は、第1の連結部及び第2の連結部の双方に形成すればよく、各連結部に少なくとも1つのキー機構を形成すればよい。第1及び第2の連結部の少なくとも一方の連結部において、普遍的に位置決めするため、位置決め用キー機構は周方向に非規則的な間隔で形成してもよいが、通常、第1及び第2の連結部において、周方向での位置決めを容易にするため、周方向に等間隔で複数のキー機構を形成する場合が多い。複数のキー機構の周方向の間隔は適当に選択でき、部材の姿勢の調整作業効率などの点から、30°、45°又はこれらの角度の倍数の角度、例えば、30°、45°、90°、120°、180°などである場合が多い。また、第2の連結部のキー機構の周方向の角度位置は第1の連結部のキー機構の周方向の角度位置と関連づけられているのが好ましく、例えば、第1の連結部の少なくとも1つのキー機構を基準として、周方向の同じ角度位置、又は周方向に所定の角度(例えば、40°又は90°)ずれた位置に第2の連結部のキー機構を形成してもよい。
【0042】
好ましい態様では、第1の連結部では、複数の角度位置(例えば、角度90°、120°又は180°ずれた位置などの2〜4つの角度位置)、特に、周方向に角度180°ずれた位置(対向位置)で軸方向に延びて形成された2つの位置決め用キー機構が形成され、第2の連結部では、第1の連結部の第1のキー機構の角度位置と関連づけて、周方向に所定の角度(例えば、第1のキー機構の角度位置から45°、90°、特に90°)ずれた位置で軸方向に延びて形成された複数のキー機構(例えば、4又は8つのキー機構、特に4つのキー機構)を備えている。このような形態のキー機構は、スリット状吐出孔を備えた噴霧ノズルの姿勢(角度位置)を調整するのに有用である。すなわち、第1の連結部ではスリット状吐出孔の長軸と関連づけてキー機構を形成することにより、混合ユニットに対して連結管を正確な角度で連結できる。一方、連結管に対して噴霧ノズルは、正確な角度(又は姿勢)で連結する場合もあれば、誤って異なる角度(又は姿勢)で連結する場合もある。このような誤った角度で連結しても、第2の連結部の第2のキー機構を利用すると、複数のキー機構が周方向に所定の角度位置に形成されているため、第2のキー機構を解除して所定角度だけ噴霧ノズルを回転させ、第2のキー機構を利用して連結することにより、噴霧ノズルを適正な角度又は姿勢に調整できる。そのため、複数の噴霧ノズルを並設して気液混合ミストを噴霧する装置において、隣接する噴霧ノズルの噴霧パターン(又は噴霧域)において噴霧流量の少ない両端部(又は両側部)をオーバーラップさせて均一な噴霧流量で被噴霧体(噴霧域)を噴霧できる。
【0043】
特に、混合ユニットが、通常、適正な位置関係(例えば、第1のキー機構が垂直方向又は水平方向で対向する角度180°の位置関係などの所定角度の姿勢)で既に固定されているため、混合ユニットに対して連結管を適正な角度(例えば、上記180°の角度位置)で連結できる。また、第1の連結部(混合ユニット及び連結管)の第1のキー機構の角度位置と関連づけて、第2の連結部(連結管及び噴霧ノズル)の第2のキー機構が所定の角度位置(例えば、第1のキー機構の180°の角度位置に対して角度90°ずれた角度位置)に形成されているため、誤った角度で噴霧ノズルを連結しても、第2のキー機構を解除して所定角度(例えば、90°の角度)だけ噴霧ノズルを回転させ、第2のキー機構を利用して連結することにより、噴霧ノズルを適正な角度又は姿勢に調整できる。
【0044】
キー機構は、キー溝とキーとで構成でき、キーは連結部を構成する部材と遊離していてもよく、一体化していてもよい。例えば、連結部を構成する一方の部材のキー溝を形成し、両部材の連結に際して前記キー溝に、両部材と遊離したキーを装着して両部材を連結してもよく、連結部を構成する双方の部材の周方向の同じ角度位置にキー溝を形成し、このキー溝に両部材と遊離したキーを装着して両部材を連結してもよい。好ましい態様では、連結部を構成する一方の部材の内壁の軸方向に延びるキー溝と、他方の部材の内壁に形成され、かつ前記キー溝に装着又は挿入可能な凸条(又は凸部)とで構成できる。前記の例では、第1の連結部C1において、第1の部材(混合ユニット又はその第1のアダプタ)に突起部(キー部)が形成され、第2の部材(連結管の一方の端部又はその第2のアダプタ)に切り欠き部(キー溝部)が形成されているが、第1の部材にキー溝を形成し、第2の部材にキー部を形成してもよい。また、第2の連結部において、第2の部材(連結管の他方の端部又はその第3のアダプタ)に溝部(キー溝部)が形成され、第3の部材(噴霧ノズル又はその装着部)に凸条(キー部)が形成されているが、第2の部材のキー部を形成し、第3の部材にキー溝を形成してもよい。
【0045】
なお、キー溝の長さ及び深さ(凸条又は凸部の長さ及び厚み)は、一方の部材に対して他方の部材が周方向へ回転するのを規制できる長さ及び深さであればよく、前記図に示すように、必ずしも長細い形態である必要はない。また、前記のように、一方の部材にキー溝を形成し、他方の部材のキー部を形成してもよく、必要であれば、一方の部材及び他方の部材の双方の部材に、それぞれキー溝とキー部とを形成してもよい。キー溝の断面形状は、V字状、U字状、コ字状などであってもよい。
【0046】
本発明では、用途に応じて、種々の液体と種々の気体とを混合して噴霧ノズルから混合ミストを噴霧してもよいが、通常、液体として水を用い、気体として空気を用いる場合が多い。気体の圧力は、通常、0.01〜1MPa(例えば、0.02〜0.8MPa)、好ましくは0.03〜0.7MPa程度である。液体は、通常、加圧液体(又は高圧液)として供給され、圧力は、0.01〜2MPa、好ましくは0.02〜1.5MPa、さらに好ましくは0.03〜1MPa程度であってもよい。気体と液体との流量比(体積割合)は、例えば、気体/液体(気液体積比)=3〜500、好ましくは5〜400、さらに好ましくは7〜300(例えば、10〜250)程度であってもよい。なお、気液混合ミストは、噴霧ノズルから下方に噴射又は噴霧してもよく、被噴霧体の位置に応じて、斜め方向や上方へ噴射又は噴霧してもよい。
【実施例】
【0047】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0048】
図2、図3に示す一条のスリット状(又は長細楕円形状)吐出口を備えたスプレーノズル装置2本を準備した。この2本のスプレーノズル装置は、図1に示すように、吐出口の長軸方向を一致させ、ノズルピッチ200mmの条件で配列した。なお、図2の第1の連結部には、左右(水平方向)の対向部に角度180°で2つのキー機構が形成され、第2の連結部には、第1の連結部のキー機構から周方向に角度45°離れた位置(上下斜め方向の位置)に4つのキー機構が形成され、これらの角度位置で2つの噴霧ノズルの吐出口が長軸方向を揃えて、噴霧域に平行に向いている。そして、上記の形態でノズル装置を配列した後、各ノズル装置に、それぞれ水量20L/分(圧力0.54MPa)、空気量10m/hr(圧力0.27MPa)の条件で流体を供給し、吐出口から噴射したところ、噴射距離150mmにおいて、噴霧の幅方向(吐出口の長軸方向)の水量密度分布が均等な噴霧パターンが得られた。
【0049】
一方、上記の配列形態の一方のノズル装置について第2の連結部を解体し、第2の連結部のキー機構を適正角度位置から意図的に角度90°回転させてスプレーノズル装置を再構築して、上記と同様にして噴霧したところ、幅方向(吐出口の長軸方向)に拡がった噴霧パターンと厚み方向(吐出口の短軸方向)に拡がった噴霧パターンとが形成された。そこで、第2の連結部を解体し、噴霧ノズルをさらに90°回転させた角度位置でキー機構により位置決めし、スプレーノズル装置を再構築して、上記と同様にして噴霧したところ、上記と同様に均一な噴霧パターンが得られた。
【0050】
なお、適正な角度位置で姿勢が制御されたスプレーノズル装置では、それぞれの噴霧ノズルの吐出口の方向(長軸方向)が一致しており、噴霧の幅方向(吐出口の長軸方向)の水量密度分布測定したところ、均等分布の再現性が得られ、交換や保守点検が容易であることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の噴霧ノズル装置は、種々の用途、例えば、被噴霧体又は被冷却体(連続鋳造装置の二次冷却帯での鋼材、熱間圧延の鋼材などの加熱体)の冷却、被処理体の洗浄などに利用できる。特に、連続鋳造装置の二次冷却帯において並設されたロール間に配設し、鋳片の全面に気液混合ミスト(冷却ミスト)を噴射して均一に冷却するのに適している。
【符号の説明】
【0052】
1…水供給管1
2…空気供給管2
5…混合ユニット5
6…第1のアダプタ
7…突起部(キー部)
8…装着段部
9…螺旋溝
11…連結管(気液供給管)
12…第2のアダプタ
13…切り欠き部(キー溝部)
14…リング状突出部
15…リング状凸部(係止部)
16…キャップナット
17…係合段部
18…螺合部
22…第3のアダプタ
23…溝部(キー溝部)
24…リング状装着部(リング状突出部)
25…リング状凸部(被係止部)
31…噴霧ノズル
32…ノズル本体
33…スリット状吐出口
34…装着部
35…円筒状受け部
36…ネジ部
37…凸条(キー部)
38…キャップナット
39…係合部(又は係合段部)
40…螺合部
C1…第1の連結部
C2…第2の連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結管を介して、液体と気体とを混合するための混合ユニットと、この混合ユニットで混合された気液混合流体を噴霧するための噴霧ノズルとが連結された噴霧ノズル装置であって、混合ユニットと連結管との第1の連結部、および連結管とノズルチップとの第2の連結部にそれぞれ形成された位置決め用キー機構と、前記第1及び第2の連結部をそれぞれ締結するための締結部材とを備えている噴霧ノズル装置。
【請求項2】
キー機構が、連結部を構成する一方の部材の内壁の軸方向に延びるキー溝と、他方の部材の内壁に形成され、かつ前記キー溝に装着可能な凸条とで構成されている請求項1記載の噴霧ノズル装置。
【請求項3】
締結部材が、一方の部材と係合可能であり、かつ他方の部材に形成された螺旋溝に螺合可能なキャップナットで構成されている請求項1又は2記載の噴霧ノズル装置。
【請求項4】
第1及び第2の連結部のうち少なくとも一方の連結部に、互いに円周方向に角度90°ずれて複数の位置決め用キー機構が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の噴霧ノズル装置。
【請求項5】
水と空気とを混合するための混合ユニットと、この混合ユニットで混合された流体の流路を有する連結管と、この連結管の先端部に装着され、かつスリット状吐出孔を有する噴霧ノズルとを備えており、前記混合ユニットと連結管との第1の連結部が、周方向に角度180°ずれた位置(対向位置)で軸方向に延びて形成された2つの位置決め用キー機構を備え、前記連結管と噴霧ノズルとの第2の連結部が、前記第1の連結部の少なくとも1つのキー機構を基準として周方向に角度90°ずれた複数の位置で軸方向に延びて形成された複数のキー機構を備えている請求項1〜4のいずれかに記載の噴霧ノズル装置。
【請求項6】
連結管を介して、液体と気体とを混合するための混合ユニットと、この混合ユニットで混合された気液混合流体を噴霧するための噴霧ノズルとが連結された噴霧ノズル装置の接続構造であって、前記混合ユニットと連結管との第1の連結部、および連結管とノズルチップとの第2の連結部にそれぞれ形成された位置決め用キー機構と、これらのキー機構により周方向の位置が位置決めされた状態で前記第1及び第2の連結部をそれぞれ締結するための締結部材とで構成されている噴霧ノズル装置の接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−5353(P2011−5353A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148385(P2009−148385)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000142023)株式会社共立合金製作所 (24)
【Fターム(参考)】