説明

噴霧式美肌装置

【課題】単にミストを肌に噴射しているだけなので、肌に対してミストがほとんど浸透せず、実効性の高いスキンケアを行うことができないという課題を解決する噴霧式美肌装置を提供する。
【解決手段】美容液を貯蔵する液体貯蔵部と、液体貯蔵部の美容液を霧化したミストを肌に噴出するミストプレート6と、ミストプレート6からミストが噴出される肌に対し、ミストMの浸透を促進するLED光を発するLED7とを備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、美容液などを霧化したミストを肌に噴射してスキンケアを行う噴霧式美肌装置の分野に係るものである。
【背景技術】
【0002】
美容液などを霧化して微細なミストを生成し、このミストを使用者の肌に噴射する噴霧式美肌装置が例えば特許文献1に開示されている。噴霧式美肌装置から噴射されたミストの美肌成分により、肌の保湿や細胞組織の活性化などといった種々のスキンケアが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3161123号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の噴霧式美肌装置は、単にミストを肌に噴射しているだけなので、肌に対してミストがほとんど浸透せず、実効性の高いスキンケアを行うことができないという課題があった。
【0005】
例えば、保湿力に優れ肌の弾力を保つコラーゲンの合成に必須のビタミンCを美容液に配合し、このビタミンC配合美容液のミストを肌に噴射してコラーゲン合成を促進しようとしても、水溶性で酸化しやすいビタミンCは皮膚の表皮にわずかに浸透するのみで、コラーゲンが合成される真皮にはほとんど浸透しない。このように、従来の噴霧式美肌装置を使ったスキンケアはさほど効果を挙げられなかった。
【0006】
この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、肌に対してミストの浸透を促進し、実効性の高いスキンケアを行うことが可能な噴霧式美肌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る噴霧式美肌装置は、液体を貯蔵する貯液手段と、この貯液手段の液体を霧化したミストを肌に噴出する噴霧手段と、この噴霧手段からミストが噴出される肌に対し、ミストの浸透を促進する浸透促進手段とを備えるようにしたものである。
【0008】
貯液手段は、肌にとって有効な美肌成分が配合された美容液を貯蔵するようにしたものである。
【0009】
噴霧手段は、一方の面から他方の面へ通じる微細孔が多数形成されるとともに、一方の面に対し貯液手段から液体が供給される多孔板と、微細孔が通じる方向へ多孔板を振動させる振動素子とを備えるようにしたものである。
【0010】
浸透促進手段は、噴霧手段からミストが噴出される肌に対し、ミストの浸透を促進する光を発する発光ダイオードとするようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、この発明によれば、液体を貯蔵する貯液手段と、この貯液手段の液体を霧化したミストを肌に噴出する噴霧手段と、この噴霧手段からミストが噴出される肌に対し、ミストの浸透を促進する浸透促進手段とを備えるようにしたので、浸透促進手段の浸透促進作用により肌の奥深くまでミストを浸透させられるようになり、実効性の高いスキンケアを行うことができるという効果が得られる。
【0012】
貯液手段は、肌にとって有効な美肌成分が配合された美容液を貯蔵するようにしたので、肌にとって有効な美肌成分を持つミストが噴霧手段から肌に噴射されるようになり、種々のスキンケアに必要な美肌成分を肌に与えることができるという効果が得られる。
【0013】
噴霧手段は、一方の面から他方の面へ通じる微細孔が多数形成されるとともに、一方の面に対し貯液手段から液体が供給される多孔板と、微細孔が通じる方向へ多孔板を振動させる振動素子とを備えるようにしたので、微細孔が通じる方向へ振動素子が多孔板を振動させることにより、多孔板の一方の面に供給される液体が多数の微細孔を介して他方の面からミストとなって噴出するようになり、簡単な構成でミストを生成できるという効果が得られる。
【0014】
浸透促進手段は、噴霧手段からミストが噴出される肌に対し、ミストの浸透を促進する光を発する発光ダイオードとするようにしたので、浸透促進作用を持った光を発光ダイオードから発することにより、肌の奥深くまでミストを浸透させられるようになり、実効性の高いスキンケアを行うことができるという効果が得られ、浸透促進手段の省電力化・長寿命化を実現できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明に係る噴霧式美肌装置の外観を示す図である。
【図2】この発明に係る噴霧式美肌装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図3】この発明に係る噴霧式美肌装置の使用方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図面では、同一の構成または相当する構成については同一の符号を付す。
図1はこの発明に係る噴霧式美肌装置の構成を示す図であり、(a)はキャップ装着した状態、(b)は下面、(c)は液体注入口、(d)はキャップを外した状態を図示している。
【0017】
図1において、1は噴霧式美肌装置、2はUSB(※1)差込口、3Lは電源ランプ、3Sは電源スイッチ、3Mはミストスイッチ、3Pはフォトスイッチ、4はキャップ、5は液体注入口、6はミストを肌に噴出する噴霧手段のミストプレート、7はミストプレート6の周囲に設けられた浸透促進手段のLED(※2),8はスライドカバーである。
【0018】
(※1)USB……Universal Serial Bus[英]の略。
(※2)LED……発光ダイオード。Light Emitting Diode[英]の略。
【0019】
図2はこの発明に係る噴霧式美肌装置の機能ブロック構成を示す図である。図2において、21はAC/DC変換用のアダプター、22は充電池、23は充電制御部、24はCPU制御部、3は電源ランプ3L・電源スイッチ3S・ミストスイッチ3M・フォトスイッチ3Pからなるスイッチ・LED部、25は微弱信号を発振する発振回路、26は振動素子6Vを駆動する駆動回路、27はLED7を駆動するLED駆動回路、28は美容液などを貯蔵する貯液手段の液体貯蔵部である。
【0020】
次に使用方法について説明する。
アダプター21をUSB差込口2に差込んでコンセントにつなげると、スイッチ・LED部3の電源ランプ3Lが赤く点灯し、充電制御部23が充電池22の充電を開始する。その後、十分に時間が経過し充電池22から温度情報や満充電フラグが送られてくると、電源ランプ3Lが消灯し、充電制御部23は充電池22の充電を完了する。
【0021】
充電が済むと、キャップ4を取り外し、液体注入口5から美容液を注入して液体貯蔵部28に貯蔵し、キャップ4を装着する。コラーゲンの合成に必須のビタミンCや、抗酸化作用を持ち肌の老化を防止するビタミンEなど、肌にとって有効な美肌成分を配合した美容液を注入することにより、これらの美肌成分を持ったミストが噴霧式美肌装置1で生成され、種々のスキンケアに必要な美肌成分が肌に与えられる。
【0022】
美容液の注入に続いてスライドカバー8を下げると、ミストプレート6とLED7とが現れる。噴霧式美肌装置1では、スライドカバー8を閉じた状態では電源ONとならず、また、30秒間なにも操作されないと自動的に電源OFFとなるように、CPU制御部24が制御している。
【0023】
スライドカバー8を下げ電源スイッチ3Sを押すと電源ONとなり、電源ランプ3Lが青く点灯し、充電池22から電力が供給される。そしてフォトスイッチ3Pを押し、さらにミストスイッチ3Mを押すと、CPU制御部24はLED駆動回路27によりLED7を発光させるとともに、発振回路25に微弱信号を発振させて駆動回路26により増幅し、振動素子6Vを駆動する。
【0024】
ミストプレート6は一方の面から他方の面へ通じる微細孔が多数形成された多孔板であって、一方の面には、液体貯蔵部28の美容液が不図示の吸液部材を介して供給されている。振動素子6Vは、駆動回路26により駆動されると、微細孔の通じる板厚方向へミストプレート6を振動させるので、液体貯蔵部28の吸液部材からミストプレート6の一方の面に供給される美容液は、微細孔を通って他方の面からミストとなって噴射する。このように、簡単な構成によりミストを生成している。なお、この方法以外にも、美容液を湯気にしてミストとしても良い。
【0025】
こうしてLED7が光を発しミストプレート6がミストを噴射し始めると、例えば図3に示すように顔Fの全体に対し、噴霧式美肌装置1を手に持って10cmぐらい離し円を描くようにゆっくりと動かす。ミストプレート6の周囲にLED7を設けることにより、単にミストプレート6から肌にミストMが噴射されるだけでなく、ミストMが噴出される顔Fに対しLED光Pも照射されるようになる。
【0026】
LED光Pは、顔Fなどの肌に対して、ミストMの浸透を促進する働きを持つことが知られている。したがって、このLED光Pの持つ浸透促進作用により、ミストMに含まれるビタミンCなどの美肌成分が顔Fの真皮の奥深くまで浸透し、コラーゲンの合成その他のスキンケアに有効に用いられるようになり、実効性の高いスキンケアが実現される。
【0027】
なお、LED光Pとしては、赤・黄・青など種々の色を選択することができる。例えば、赤色LED光は皮膚深部のシミ除去・肌の赤みの改善・血行促進効果・スリミングケアなどに、黄色LED光は皮膚表面のシミ除去・老化肌やトラブル肌の改善などに、青色LED光は赤ら顔や赤アザの改善・リンパドレナージュ作用や血液循環作用の増大・ストレスや緊張の緩和などに適している。また、肌に対してミストMの浸透を促進するものであれば、LED7以外の浸透促進手段であっても噴霧式美肌装置1に適用して良い。
【符号の説明】
【0028】
1 噴霧式美肌装置、2 USB差込口、3 スイッチ・LED部、3L 電源ランプ、3S 電源スイッチ、3M ミストスイッチ、3P フォトスイッチ、4 キャップ、5 液体注入口、6 ミストプレート、7 LED,8 スライドカバー、21 アダプター、22 充電池、23 充電制御部、24 CPU制御部、25 発振回路、26 駆動回路、27 LED駆動回路、28 液体貯蔵部、M ミスト、P LED光、F 顔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯蔵する貯液手段と、
この貯液手段の液体を霧化したミストを肌に噴出する噴霧手段と、
この噴霧手段からミストが噴出される肌に対し、上記ミストの浸透を促進する浸透促進手段とを備えることを特徴とする噴霧式美肌装置。
【請求項2】
貯液手段は、肌にとって有効な美肌成分が配合された美容液を貯蔵することを特徴とする請求項1記載の噴霧式美肌装置。
【請求項3】
噴霧手段は、一方の面から他方の面へ通じる微細孔が多数形成されるとともに、上記一方の面に対し貯液手段から液体が供給される多孔板と、
上記微細孔が通じる方向へ上記多孔板を振動させる振動素子とを備えることを特徴とする請求項1記載の噴霧式美肌装置。
【請求項4】
浸透促進手段は、噴霧手段からミストが噴出される肌に対し、ミストの浸透を促進する光を発する発光ダイオードとすることを特徴とする請求項1記載の噴霧式美肌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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