説明

噴霧状薬剤を用いる、複数の対象者の治療を遠隔から監視及び/又は管理するシステム及び方法

複数の対象者の治療計画が遠隔から監視/管理される。該治療計画には、噴霧状薬剤の受け入れが含まれる。これにより、介護提供者、調査員、管理者及び/又は他のユーザのようなユーザは、集中化されたアクセス手段により、複数の対象者の治療計画を監視及び/又は管理することができる。これにより、ユーザ及び/又は対象者の物理的距離についての要求を減らし、個々の治療計画を管理及び/又は監視するために、ユーザに課された管理上の重荷を緩和し、かつ/又は従来のシステムへの他の拡張を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の対象者(subject)の治療の遠隔からの監視及び/又は管理に関する。該治療には、噴霧状薬剤の送達が含まれる。
【背景技術】
【0002】
噴霧状薬剤を対象者に送達するよう構成される、薬物送達装置が知られている。一般的に、対象者は、治療の間、適切に吸入するために訓練されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この訓練は、通常、臨床の場で行われ、対象者が自宅で行うことができない。さらに、自宅で行う治療は、一般的に、対象者が再び訓練されるべきかどうかを決定するため、介護人及び/又は調査員によってリアルタイムに、あるいはほぼリアルタイムに、監視されていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態は、複数の対象者の治療を遠隔から監視するよう構成されるシステムに関する。前記治療は、噴霧状薬剤の送達を含む。一つの実施形態において、前記システムは、コンピュータプログラムモジュールを実行するよう構成される一つ以上のプロセッサを有するサーバを含み、該コンピュータプログラムモジュールは、情報取得モジュールと、閾値モジュールと、監視モジュールを有する。前記情報取得モジュールは、通信ネットワークを通じて、複数の対象者の治療情報を取得するよう構成される。前記複数の対象者は、少なくとも第一の対象者と第二の対象者を含む。所定の対象者の治療情報は、該所定の対象者の呼吸容量に関する情報と、前記噴霧状薬剤の送達の間の、前記所定の対象者の呼吸についての一つ以上の呼吸パラメータを伝える情報を含む。前記閾値モジュールは、前記情報取得モジュールによって取得された前記第一の対象者の前記呼吸容量に関する情報に基づいて、前記第一の対象者の最初の呼吸パラメータの一つ以上の閾値を設定し、さらに、前記情報取得モジュールによって取得された前記第二の対象者の前記呼吸容量に関する情報に基づいて、前記第二の対象者の最初の呼吸パラメータの一つ以上の閾値を設定するよう構成される。前記監視モジュールは、前記第一の対象者の前記治療情報により伝えられる、噴霧状薬剤の送達の間の、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータを、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値と比較することにより、前記第一の対象者が受ける前記治療を監視し、さらに、前記第二の対象者の前記治療情報により伝えられる、噴霧状薬剤の送達の間の、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータを、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値と比較することにより、前記第二の対象者が受ける前記治療を監視するよう構成される。
【0005】
本発明の別の実施形態は、複数の対象者の治療を遠隔から監視する、コンピュータで実行される方法に関する。前記治療は、噴霧状薬剤の送達を含む。さらに、前記方法は、一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するよう構成される一つ以上のプロセッサを含むサーバにより実装される。一つの実施形態において、前記方法は、通信ネットワークを通じて、複数の対象者の治療情報を取得するために、前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する段階を有する。前記複数の対象者は、少なくとも第一の対象者と第二の対象者を含む。既知の対象者の治療情報は、前記既知の対象者の呼吸容量に関する情報と、噴霧状薬剤の送達中に、前記既知の対象者の対象者の呼吸についての一つ以上の呼吸パラメータを伝える情報を含む。さらに、前記方法は、前記第一の対象者の前記呼吸容量に関する、取得された前記情報に基づいて、前記第一の対象者の最初の呼吸パラメータの一つ以上の閾値を設定するために、前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する段階と、前記第二の対象者の前記呼吸容量に関する、取得された前記情報に基づいて、前記第二の対象者の最初の呼吸パラメータの一つ以上の閾値を設定するために、前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する段階と、前記第一の対象者の前記治療情報により伝えられる、噴霧状薬剤の送達の間の、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータを、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値と比較することにより、前記第一の対象者が受ける治療を監視するために、前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する段階と、前記第二の対象者の前記治療情報により伝えられる、噴霧状薬剤の送達の間の、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータを、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値と比較することにより、前記第二の対象者が受ける治療を監視するために、前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する段階と、を有する。
【0006】
本発明の別の実施形態は、複数の対象者の治療を遠隔から監視するよう構成されるシステムに関する。前記治療は、噴霧状薬剤の送達を含む。一つの実施形態において、前記システムは、通信ネットワークを通じて、複数の対象者の治療情報を取得する手段を有する。前記複数の対象者は、第一の対象者と第二の対象者を含む。既知の対象者の治療情報は、前記既知の対象者の呼吸容量に関する情報と、噴霧状薬剤の送達中に、前記既知の対象者の対象者の呼吸についての一つ以上の呼吸パラメータを伝える情報を含む。さらに、前記システムは、前記第一の対象者の前記呼吸容量に関する、取得された前記情報に基づいて、前記第一の対象者の最初の呼吸パラメータの一つ以上の閾値を設定する手段と、前記第二の対象者の前記呼吸容量に関する、取得された前記情報に基づいて、前記第二の対象者の最初の呼吸パラメータの一つ以上の閾値を設定する手段と、前記第一の対象者の前記治療情報により伝えられる、噴霧状薬剤の送達の間の、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータを、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値と比較することにより、前記第一の対象者が受ける治療を監視する手段と、前記第二の対象者の前記治療情報により伝えられる、噴霧状薬剤の送達の間の、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータを、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値と比較することにより、前記第二の対象者が受ける治療を監視する手段と、を有する。
【0007】
本発明、実施方法、関連する構造の要素の機能、部品の組み合わせ、及び製品の経済性についての、これらの目的及び他の目的、特徴並びに特性は、添付される図面への言及と共に、以下の説明と添付されるクレームを検討することにより、より明らかとなる。なお、いくつかの図面において、同じ参照番号は対応する部品を示す。本発明の一実施形態において、図示される構造上の構成要素は、縮小して描かれている。しかしながら、図面は、図示及び説明のためだけに存在し、発明を限定するためのものではないことが、明確に理解されるべきである。さらに、本開示書のあらゆる一つの実施形態において示され、又は説明される構造上の特徴は、他の実施形態においても同様に用いられ得ることが理解されるべきである。しかしながら、図面は、図示及び説明のためだけに存在し、発明を制限する定義であるように意図されていないことが、明確に理解されるべきである。当該明細書及びクレームで用いられるように、「一つの(a)」「一つの(an)」及び「その/前記(the)」の単数形は、文脈が明示的にそうでないものと指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一つ以上の実施形態による、複数の対象者の治療計画を遠隔から監視及び/又は管理するよう構成されるシステムを表す図。
【図2】本発明の一つ以上の実施形態による、5つの別個の治療のセッションのそれぞれにおける、一連の呼吸を通じた、対象者の目標吸入時間と実吸入時間(例えば、目標吸入時間+応答時間)をプロットした図。
【図3】本発明の一つ以上の実施形態による、クライアントコンピュータプラットフォームのディスプレイ上に表示されるグラフィカルユーザインターフェースを表す図。
【図4】本発明の一つ以上の実施形態による、クライアントコンピュータプラットフォームのディスプレイ上に表示されるグラフィカルユーザインターフェースを表す図。
【図5】本発明の一つ以上の実施形態による、クライアントコンピュータプラットフォームのディスプレイ上に表示されるグラフィカルユーザインターフェースを表す図。
【図6】本発明の一つ以上の実施形態による、クライアントコンピュータプラットフォームのディスプレイ上に表示されるグラフィカルユーザインターフェースを表す図。
【図7】本発明の一つ以上の実施形態による、クライアントコンピュータプラットフォームのディスプレイ上に表示されるグラフィカルユーザインターフェースを表す図。
【図8】本発明の一つ以上の実施形態による、クライアントコンピュータプラットフォームのディスプレイ上に表示されるグラフィカルユーザインターフェースを表す図。
【図9】本発明の一つ以上の実施形態による、クライアントコンピュータプラットフォームのディスプレイ上に表示されるグラフィカルユーザインターフェースを表す図。
【図10】本発明の一つ以上の実施形態による、クライアントコンピュータプラットフォームのディスプレイ上に表示されるグラフィカルユーザインターフェースを表す図。
【図11】本発明の一つ以上の実施形態による、複数の対象者の治療計画を遠隔から監視及び/又は管理する方法のフローチャートを表す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、複数の対象者の治療計画を遠隔から監視及び/又は管理するよう構成されるシステム10を表す。ここで、治療計画は、噴霧状薬剤の受け入れを含む。システム10により、医療提供者、調査者、医療管理者のようなユーザ及び/又は他のユーザは、集中化されたアクセスポイントを通じて、複数の対象者の治療計画を監視及び/又は管理することができる。これにより、ユーザ及び/若しくは対象者の近さについての物理的な要求が縮小し、個別の医療計画を管理及び/若しくは監視するためにユーザに課せられた管理上の重荷を軽減し、並びに/又は従来のシステムについて他の拡張を提供する。一つの実施形態において、システム10は、複数の薬物送達装置12、複数の対象者に関連する複数のクライアントコンピュータプラットフォーム14、サーバ16、システム10の一人以上のユーザに関連する一つ以上のクライアントコンピュータプラットフォーム20及び/又は他の部品を含む。
【0010】
薬物送達装置12は、対象者へ噴霧状薬剤を送達するよう構成される。例えば、薬物送達装置12は、噴霧器、計量吸入器、計量吸入スペーサ、乾燥粉末吸入器及び/又は噴霧状薬剤を送達できる他の装置を一つ以上含み得る。一つ以上の薬物送達装置12は、臨床の場で、あるいは家庭の場で、あるいは両方で使用するために構成され得る。一般的に、薬物送達装置12の既知の一つは、特定の対象者と関連付けられたものとみなされ、薬物送達装置12の既知の一つから生じる医療情報は、関連付けられた対象者と関連すると考えられる。しかしながら、このように制限されない。
【0011】
クライアントコンピュータプラットフォーム14は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ネットブック、スマートフォン及び/又は他のクライアントコンピュータプラットフォームを一つ以上含み得る。クライアントコンピュータプラットフォーム14は、一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するよう構成される一つ以上のプロセッサを含み得る。クライアントコンピュータプラットフォーム14の一つ以上のプロセッサで実行される一つ以上のコンピュータプログラムモジュールの少なくともいくつかは、本開示書による機能をクライアントコンピュータプラットフォーム14へ提供するソフトウェアアプリケーションと関連するソフトウェアモジュールを含む。これらのソフトウェアモジュールは、クライアントコンピュータプラットフォーム14の一つ以上のプロセッサへアクセス可能な電子記憶媒体に保管される。
【0012】
それぞれのクライアントコンピュータプラットフォーム14は、対応する薬物送達装置12の一つと、該装置からの情報を取得し、及び/又は該装置へ命令若しくは他の通信を提供するために、少なくとも断続的に、通信で接続される。この通信は、例えば、無線接続(例えば、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、赤外線、WiMax及び/又は他の無線接続)及び/又は有線接続(例えば、USB、FireWire(登録商標)等)を用いて達成され得る。これらの通信は、対応する薬物送達装置12が(例えば無線媒体を用いて)現時点でリンクされているクライアントコンピュータプラットフォーム14による決定によって引き起こされ、かつ、クライアントコンピュータプラットフォーム14上で、(実行されている他のプロセス及び/又はアプリケーションを実質的に阻害することなく)バックグラウンドで実行される、相対的に短いデータのアップロード(例えば、「同期」)を含む。一つの実施形態において、クライアントコンピュータプラットフォーム14と薬物送達装置12との間の通信は、より専用のセッションを含む。該セッションにおいて、クライアントコンピュータプラットフォーム14で実行されるプロセスは、高い優先度を与えられ、かつ/又は、クライアントコンピュータプラットフォーム14と関連するディスプレイの少なくとも一部は、リアルタイムに、若しくはほぼリアルタイムに、薬物送達装置12の使用及び/又は機能と関連するグラフィカルユーザインターフェースを提供する。
【0013】
クライアントコンピュータプラットフォーム14で薬物送達装置12から受信される情報は、例えば、治療情報のダウンロードを含み得る。治療情報は、例えば、以下を含む。
・一つ以上の治療のセッションの間の、一つ以上の噴霧器の総作動時間
・一つ以上の治療のセッションの間に、対象者が吸入に費やした総時間
・一つ以上の治療のセッションの間に、対象者が吐き出すことに費やした総時間
・薬物送達装置12が治療中に動作したパワーレベルに関する情報
・一つ以上の治療のセッションの間の呼吸パラメータ(例えば、最大流量、一回換気量、呼吸回数、呼吸のタイミング及び/頻度等)及び/又は
・他の治療情報
【0014】
薬物送達装置12及び/又はクライアントコンピュータプラットフォームは、対象者の呼吸の一つ以上のパラメータを評価するよう構成される。例えば、クライアントコンピュータプラットフォーム14及び/又は薬物送達装置12は、対象者の呼吸容量を評価するよう構成され得る。呼吸容量の評価は、あらゆる様々な異なる技術によってなされ得る。本開示書で用いられるように、呼吸容量は、通常の周期的な呼気の終わりから最大肺活量までに測定される吸入量を指す。
【0015】
薬物送達装置12及び/又はクライアントコンピュータプラットフォーム14による呼吸容量の評価は、対象者への薬剤の送達の間に、薬物送達装置12によってなされる評価を含んでもよい。例えば、米国特許出願第10/535,597号において、薬物送達装置が、対象者の呼吸容量を評価する技術が記載されている。該明細書は、この参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。この技術により、噴霧状薬剤を送達する、薬物送達装置12からの対象者の吸入は、ほぼ20l/minに制御され、対象者は、薬剤送達装置12から、目標の吸入時間に達したことを示す信号を受けるまで吸入する。この吸入時間は、対象者の呼吸容量の約80パーセント程度の、安定した割合の吸入(例えば、約20l/min)をもたらすように意図されている。
【0016】
医療のセッションの開始時には、目標の吸入時間は、所定の時間(例えば、以前の医療のセッションに基づいて決定されるか、装置のデフォルトか、介護人及び/又は対象者によって設定される設定か、等)である。目標の吸入時間に到達したことを示す信号を対象者へ伝えるときには、薬物送達装置12は、信号が生成されてから実際に吸入が停止するまでの、対象者の応答時間を測定する。この応答時間は、対象者の吸入が、対象者の呼吸容量より相当小さい場合には、相対的に長くなる傾向がある。また、応答時間は、目標の吸入時間が、対象者の呼吸容量に近くなるにつれて、短くなる傾向がある。測定された応答時間に基づいて、呼吸容量の見積もりがなされ得る。一つの実施形態において、目標の吸入時間は、個別の医療のセッションの間に、薬物送達装置12により、測定された応答時間に基づいて、動的に調整される。測定された応答時間及び/又は応答時間から決定される目標の吸入時間は、薬物送達装置12からクライアントコンピューティングプラットフォーム14へ送信される。例示する目的で、図2は、5つの個別の治療のセッションのそれぞれの、一連の呼吸を通じた、対象者の目標の吸入時間と実際の吸入時間(例えば、目標の吸入時間+応答時間)のプロットを示す。
【0017】
図1に戻ると、薬物送達装置12及び/又はクライアントコンピュータプラットフォーム14による呼吸容量の評価は、噴霧状薬剤の送達から独立して、薬物送達装置12及び/又はクライアントコンピュータプラットフォーム14によってなされる、呼吸容量の評価を含み得る。例えば、一つの実施形態において、薬物送達装置12とクライアントコンピュータプラットフォーム14は、一つ以上の訓練のセッションの間に、対象者の呼吸容量を評価するために協働する。該セッションにおいて、対象者は、治療中の効率的な呼吸方法について学習する。この実施形態において、訓練のセッションの間に、薬物送達装置12とクライアントコンピュータプラットフォーム14は、通信でリンクすることができ、薬物送達装置12の呼吸パラメータの測定は、リアルタイム又はほぼリアルタイムにクライアントコンピュータプラットフォーム14へ伝えられ得る。これにより、対象者に現在の呼吸に関するフィードバックを与える、グラフィカルユーザインターフェースが対象者へ提供され得る。
【0018】
限定ではない例示する目的で、図3は、クライアントコンピュータプラットフォームのディスプレイに表示されるグラフィカルユーザインターフェース22を表す。該クライアントコンピュータプラットフォームは、図1で示され、本開示書で説明されるクライアントコンピュータプラットフォーム14と同一又は同様である。グラフィカルユーザインターフェース22を表示するクライアントコンピュータプラットフォームは、薬物送達装置と動作可能なように接続される。該クライアントコンピュータプラットフォームは、図1で示され、本開示書で説明されるクライアントコンピュータプラットフォーム14と同一又は同様である。図3からわかるように、グラフィカルユーザインターフェース22は、吸入時間表示オブジェクト24及び吸入流量表示オブジェクト26を含む。
【0019】
図3に示される実施形態において、吸入時間表示オブジェクト24は、「空の」矩形28を含む。訓練の吸入の開始時に、矩形28の片側を形成する色付けされた部分30は、矩形28にわたって拡がり始める。目標の吸入時間において、色が付された部分30が完全に矩形28を埋めるように、色付けされた部分30が大きくなる割合は、目標の吸入時間に対応している。目標の吸入時間は予め定められ、一つ以上の前回の訓練の吸入に基づいて動的に調整され、かつ/又は対象者によって手動で設定され得る(例えば、図3で示されるように)。
【0020】
適切な吸入流量に関して対象者を訓練するために、呼吸流量表示オブジェクト26が、望ましい流量の下限32と望ましい流量の上限34を有するゲージとして、表示される。対象者は、薬物送達装置を通じて吸入するため、前記ゲージは、現在の流量に対応するレベルまで、少なくとも部分的に色付けされる。対象者は、吸入の持続時間中(例えば、目標の吸入時間全体)は、望ましい流量の下限32と望ましい流量の上限34との間の流量を保つよう促される。
【0021】
一回の訓練のセッションの間に、グラフィカルユーザインターフェース22は、対象者に、所定の回数の訓練の吸入を行うよう促す。これらの訓練の吸入の間に、治療情報が、薬物送達装置によって取得される。この治療情報は、目標の吸入時間、瞬間流量、最大流量、体積、理想の吸入流量時の時間、実際の吸入時間及び/又は訓練の吸入に関する他の情報を含む。薬物送達装置及び/又はクライアントコンピュータプラットフォームは、治療情報から、呼吸容量のような対象者の呼吸に関する追加の測定基準を決定し得る。
【0022】
図4−8は、一つの実施形態において、対象者へ治療中の吸入方法を指示するために、グラフィカルユーザインターフェース22がどのように実装されるかを示す。図4は、指示ダイアログボックス35とともに対象者へ提供される、グラフィカルユーザインターフェース22の表示である。指示ダイアログボックス35は、訓練のセッションの主題の概要を対象者へ提供するための、指示の初期セットを提供する。図4で説明される実施形態において、前記指示は、対象者が、所定の回数(例えば、10回)の吸入のために、薬物送達装置(例えば、図1において示され、本開示書で説明される薬物送達装置12と同様又は同一)の中へ呼吸すべきであることを示す。前記指示は、それぞれの吸入の間に、吸入流量表示オブジェクト26が望ましい流量の下限32と望ましい流量の上限34との間で保たれるよう、対象者が吸入の流量を維持するよう試みるべきであることをさらに示す。
【0023】
一つの実施形態において、薬物送達装置は、選択的に取り除かれ、置換され得る、一つ以上の部品(例えば、マウスピース、スペーサ、薬剤キャニスタ等)を有する。このことは、異なる種類の薬剤の送達、異なる用量及び/又は同一の薬物送達装置を用いる治療のセッションの間の他の区別を容易にし得る。薬物送達装置は、現在の設定を自動的に検出することができ、かつ/又は対象者は、訓練のセッションのために薬物送達装置を設定するよう促され得る。例えば、図5において示されるグラフィカルユーザインターフェース22の画面において、指示ダイアログボックス35は、訓練のセッションのために、対象者へ、特定の種類のマウスピース(すなわち、TIMマウスピース)を薬物送達装置へ接続するための指示を提示する。
【0024】
図6は、訓練のセッションの最初の吸入が開始されたが、対象者の吸入の流量が、吸入流量表示オブジェクト26の、望ましい流量の下限32と望ましい流量の上限34との間までまだ上昇していない、グラフィカルユーザインターフェース22の画面を表す。そのように、最初の呼吸に対応する吸入時間表示オブジェクト24において、矩形28は、何ら色づけされていない(吸入に費やされる時間を示す)。
【0025】
図7は、最初の吸入の間の対象者の吸入流量により、吸入流量表示オブジェクト26が、望ましい流量の下限32と望ましい流量の上限34との間まで上昇した、グラフィカルユーザインターフェース22の画面を表す。結果として、吸入時間表示オブジェクト24の矩形28は、色付けされた部分30により、埋められ始める。これは、吸入流量が、望ましい流量の下限32と望ましい流量の上限34との間であった総時間を示している。
【0026】
図7からわかるように、グラフィカルユーザインターフェース22は、訓練のセッション中の別個の吸入に対応する、複数の吸入時間表示オブジェクト24を含む。対象者が最初の吸入を終えるように、最初の吸入に関して図6、7で上述した処理は、それぞれの後続の吸入と、訓練のセッションのコースのための対応する吸入時間表示オブジェクト24のために、繰り返され得る。図8は、訓練のセッションが完了(吸入時間表示オブジェクト24の中の吸入の長さの表示を参照)し、指示ダイアログボックス35が対象者に訓練のセッションが終了したことを指示する、グラフィカルユーザインターフェース22の画面を表す。
【0027】
図3−8において説明された、治療中の呼吸方法に関する対象者への指示の提供のためのあらゆる固有の実施形態は、限定を意図されていないことが理解されるであろう。図3−8において説明された、グラフィカルユーザインターフェースにおいて表示される情報及び/又は治療中の呼吸方法の対象者の訓練に関連する他の情報は、本開示書の範囲から逸脱することなく、異なる形式のグラフィカルユーザインターフェースにおいて、ユーザへ提供され得る。
【0028】
同様に、訓練のセッションは、対象者の呼吸容量に関する情報を決定するために、上で説明されたものとは異なるように設計され得る。限定ではなく例示する目的で、単に対象者を可能な限り呼吸させるより、グラフィカルユーザインターフェース(又は他のユーザインターフェース)が、対象者へ、現在の吸入を終了するよう信号を伝えてもよい。上述したように、対象者がそのような信号(訓練のセッションの間、あるいは治療の送達の間に伝えられたかどうか)に反応するのにかかる時間により、対象者の呼吸容量の決定が可能になり得る。
【0029】
図1に戻り、クライアントコンピュータプラットフォーム14は、サーバ16と通信でリンクする。クライアントコンピュータプラットフォーム14とサーバ16との間の通信は、ネットワークを介して実現され得る。このネットワークは、例えば、インターネット並びに/又は診療所(又は診療所の組)、病院(又は病院の組)、研究所及び/若しくは他の団体と関連するイントラネットを含み得る。
【0030】
サーバ16は、クライアントコンピュータプラットフォームで実行される複数のクライアントアプリケーションへ情報を提供するよう構成される、一つ以上のコンピュータプラットフォームを含む。限定ではなく例示する目的で、サーバ16は、Webサーバを含み得る。一つの実施形態において、サーバ16は、コンテンツをホストし、提供することに関連するコンピュータモジュールを単独で実行する、専用のサーバプラットフォームである。一つの実施形態において、サーバ16は、本開示書で議論したサーバ機能に見合った他の種類の処理を実行するコンピュータプラットフォームで実現される。この実施形態において、サーバ16は、サーバ機能を実行するよう構成される、パーソナルデスクトップコンピュータ又はラップトップコンピュータのようなコンピュータプラットフォームにおいて実現され得る。サーバ16は、図1において、実際に物理的に分離した部品として説明されているが、一つの実施形態において、サーバ16は、クライアントコンピュータプラットフォーム14及び20へ、通信ネットワークを通じてアクセス可能な仮想サーバである。
【0031】
図1からわかるように、サーバ16は、プロセッサ36を有する。プロセッサ36は、サーバ16において、情報を処理する能力を提供するように構成される。そのように、プロセッサ36は、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するために設計されたデジタル回路、情報を処理するために設計されたアナログ回路、状態機械及び/又は電子的に情報を処理する他のメカニズムを一つ以上有し得る。プロセッサ36は、図1において、単一の構成要素として示されているが、これは単に説明を目的とするためである。いくつかの実施形態において、プロセッサ36は、複数の処理ユニットを含み得る。これらの処理ユニットは、物理的に同一の装置の中に配置され得る。あるいは、プロセッサ36は、本開示書による機能をサーバ16へ提供するために協調して動作する複数の装置(例えば、複数のサーバ)の処理機能を表し得る。
【0032】
プロセッサ36は、一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するよう構成される。一つ以上のコンピュータプログラムモジュールは、情報取得モジュール38、ユーザモジュール40、対象者モジュール42、閾値モジュール44、監視モジュール46、ユーザインターフェースモジュール48、通信モジュール50、警告モジュール52、治療調整モジュール54及び/又は他のモジュールを一つ以上有し得る。プロセッサ36は、ソフトウェア;ハードウェア;ファームウェア;ソフトウェア、ハードウェア及び/若しくはファームウェアのいくつかの組み合わせ;並びに/又はプロセッサ36に関する処理機能を構成するための他のメカニズムによって、モジュール38、40、42、44、48、50、52及び/又は54を実行するよう構成され得る。
【0033】
モジュール38、40、42、44、48、50、52及び54は、図1において、単一の処理ユニットの中に共同して配置されるものとして図示されているが、プロセッサ36が複数の処理ユニットを有する実装において、一つ以上のモジュール38、40、42、44、48、50、52及び/又は54は、他のモジュールから離れて配置され得る。異なるモジュール38、40、42、44、48、50、52及び/又は54によって提供される機能の説明は、例示する目的のために以下で説明されるが、これに限定されず、あらゆるモジュール38、40、42、44、48、50、52及び/又は54は、多かれ少なかれ、説明される以上の機能を提供し得る。例えば、一つ以上のモジュール38、40、42、44、48、50、52及び/又は54は、除外され得る。また、その機能のいくつか、あるいは全ては、他のモジュール38、40、42、44、48、50、52及び/又は54のうちの一つによって提供され得る。別の例として、プロセッサ36は、モジュール38、40、42、44、48、50、52及び/又は54のために、以下の説明による機能のいくつか又は全てを実行し得る、一つ以上の追加のモジュールを実行するよう構成され得る。
【0034】
情報取得モジュール38は、薬物送達装置12を含む、複数の薬物送達装置から、治療情報を取得するよう構成される。一つの実施形態において、これは、それぞれ薬物送達装置12からクライアントコンピュータプラットフォーム14へ転送された治療情報を受信するために、クライアントコンピュータプラットフォーム14と通信することを含む。情報取得モジュール38によってクライアントコンピュータプラットフォーム14から取得された治療情報は、サーバ16とクライアントコンピュータプラットフォーム14を接続する通信ネットワークを通じて、情報取得モジュール38によって受信される。通信ネットワークを通じたクライアントコンピュータプラットフォーム14から情報取得モジュール38への治療情報の転送は、自動的に開始されるか(クライアントコンピュータプラットフォーム14により薬物送達装置12から追加の治療情報が取得された後、所定の間隔ごと、等)、あるいは対象者によるクライアントコンピュータプラットフォーム14への命令の入力によって手動で開始され得る。
【0035】
ユーザモジュール40は、サーバ16によって薬物送達装置12から取得される医療情報へのアクセスとともに提供される、一つ以上のユーザのユーザプロファイルを管理するよう構成される。本開示書で用いられるように、「ユーザ」の語は、薬物送達装置12を用いる複数の対象者と関連する医療情報へのアクセスを提供されるべき、介護人、調査員、管理者及び/又は他の個人を含み得る。ユーザプロファイルは、
ユーザを識別し、かつ/若しくは特定のユーザプロファイルと関連付けることが可能な識別情報(例えば、ユーザID等)、
ユーザをサーバ16に認証させることが可能な認証情報(例えば、ログイン、パスワード等)、
ユーザと関連する構成プリファレンス、及び/又は
個別のユーザに関連する他の情報
の一つ以上を含み得る。
【0036】
二つの薬物送達装置12は、サーバ16が医療情報を受信する唯一の薬物送達装置ではないことが理解されるだろう。例えば、図1において、追加の薬物送達装置(図示されない)が、サーバ16と通信によって(例えば、対応するクライアントコンピュータプラットフォームを用いて)さらに接続され得る。一つの実施形態において、ユーザモジュール40により管理されるユーザプロファイルに含まれる個々のユーザに関する情報は、個々のユーザがアクセスを得られるべき薬物送達装置はどれかを示す、アクセス権を含む。該アクセス権は、所定のユーザへどのアクセスが与えられるべきかを示す、治療情報の特定の種別さえも示し得る(例えば、能力効率又は装置の有効性に関する情報であるが、対象者の呼吸能力、治療及び/又は順守に関連する情報ではない)。
【0037】
対象者モジュール42は、治療情報が情報取得モジュール38によって取得される、対象者に対応する複数の対象者プロファイルを管理するよう構成される。所定の対象者に対応する対象者プロファイルは、対象者を識別する識別情報(例えば、名前、患者番号又は対象者番号)及び所定の対象者のために取得される治療情報を一つ以上含む。所定の対象者に対応する対象者プロファイルは、どのユーザが、所定の対象者と関連する治療情報へのアクセスを受け取るべきかに関する情報を含み得る。
【0038】
閾値モジュール44は、薬物送達装置12から噴霧状薬剤を受けている間の、患者の個別の最初の呼吸パラメータ及び/又は他の呼吸パラメータのための、一つ以上の閾値を設定するよう構成される。限定ではなく例示する目的で、最初の呼吸パラメータは、吸入時間、推定呼吸容量、吸入量、吸入流量、呼吸期間若しくは頻度、及び/又は呼吸パラメータを一つ以上含み得る。所定の対象者の最初の呼吸パラメータの一つ以上の閾値は、情報取得モジュール38によって所定の対象者に対応する薬物送達装置12から受信される治療情報に基づいて決定される。
【0039】
一つの実施形態において、最初の呼吸パラメータは、吸入の持続時間に関する。例えば、最初の呼吸パラメータは、
単一の治療のセッションの間、若しくは治療のセッションのグループの間の吸入持続時間の平均若しくは中央値、
単一の治療のセッションの間、若しくは治療のセッションのグループの間に吸入に費やされた総時間、
単一の治療のセッションの間、若しくは治療のセッションのグループの間に治療情報から推定される呼吸容量、及び/又は
吸入の持続時間に関連する他のパラメータ
であり得る。この実施形態における最初の呼吸パラメータの一つ以上の閾値は、情報取得モジュール38により取得される呼吸容量に関連する情報に基づいて決定される。例えば、訓練のセッション(例えば、図3−8に関連して上で説明される訓練のセッション)の間の対象者の能力に基づいて決定される、基準の呼吸容量に基づいて、一つ以上の閾値が決定され得る。このことは、基準の呼吸容量の割合で、吸入の持続時間の一つ以上の閾値を設定することを含む。限定ではない例として、第一の閾値は、基準の呼吸容量の80%又はほぼ80%に設定され、かつ/又は第二の閾値は、基準の呼吸容量の50%又はほぼ50%に設定され得る。さらなる閾値又は代わりの閾値が、他の割合のレベル(例えば、75%、70%、65%、60%、55%等)又はその近傍に設定され得る。
【0040】
監視モジュール46は、治療のセッションの間の、最初の呼吸パラメータと、閾値モジュール44によって設定された一つ以上の閾値とを比較することにより、第一の対象者が受ける治療を監視するよう構成される。例えば、最初の呼吸パラメータが、吸入の持続時間が第一の閾値を上回って保持されていることを示す場合には、治療が有効であることを示し、対象者は呼吸容量に達しているか、少なくとも呼吸容量を維持していることを示し得る。最初の呼吸パラメータが、吸入の持続時間が低下し、第一の閾値を下回って低下していることを示す場合には、一つ以上の以下のことを示し得る。
(i)治療が予定された効果を有さず、対象者は呼吸容量を失っている
(ii)対象者が治療のセッションの間に適切に呼吸しておらず、再訓練されるべきである(例えば、図3−8に関して上で説明される訓練のセッションを通じて) 又は
(iii)対象者によって用いられる薬物送達装置は適切に機能しておらず、修理及び/若しくは交換が必要である可能性がある
最初の呼吸パラメータが、吸入の持続時間が低下し、第二の閾値を下回って低下していることを示す場合には、最初の呼吸パラメータが、吸入の持続時間が第一の閾値より低下したことを示す以上に、より急を要する生理的劣化を示し得る。第二の閾値を下回った場合には、一つ以上の以下のことが開始されることが必須であり得る。
(i)追加の治療及び/又は診断
(ii)対象者の再訓練(例えば、図3−8に関して上で説明される訓練のセッションを通じて)に続く治療のセッションの間の能力の改善
(iii)対象者によって実現される薬物送達装置の点検及び/又は交換
【0041】
もっぱら、閾値モジュール44により決定される閾値との比較に基づいて、対象者の吸入の持続時間を監視する監視モジュール46についての上の説明は、限定することを意図されていないことが理解されるだろう。本開示書の範囲から逸脱することなく、治療の有効性、対象者の健康、薬物送達装置のメンテナンス及び/又は対象者が受ける治療の態様を監視するために、治療のセッションの間の対象者の、最初の呼吸パラメータ及び/又は他の呼吸パラメータに関し、他の種別の評価が実行され得る。
【0042】
ユーザインターフェースモジュール48は、ユーザが選択的に、情報取得モジュール38により取得された治療情報、閾値モジュール44により決定された閾値に関する情報、対象者の治療を監視する場合に監視モジュール48により生成される情報、及び/又は他の情報を表示できるようにするためのユーザインターフェースの定義を生成するよう構成される。これは、ユーザが、特定の対象者又は対象者の組を選択することを可能にすることを含み、さらに、その選択に基づいて、その対象者又は対象者の組に関連する情報を表示することを可能にする。ユーザインターフェースモジュール48により生成された定義によって定義されるユーザインターフェースにより、ユーザは、情報の種類、治療情報に基づく分析、選択された情報及び/又は分析の特定の表示をさらに選択することができ、さらに、選択された情報の種類及び/又は選択された画面における分析を表示することができる。
【0043】
一つの実施形態において、ユーザインターフェースモジュール48により生成されるユーザインターフェースの定義は、クライアントコンピュータプラットフォームにおいてWebブラウザに表示可能なWebページの定義を含む。Webページの定義は、例えば、HTML、dHTML、XML、JAVA(登録商標)、Flash(登録商標)及び/又はWebブラウザにより読み取りが可能な他の形式でエンコードされた情報を含み得る。一つの実施形態において、ユーザインターフェースモジュール48により生成されるユーザインターフェースの定義は、より特化したクライアント側のアプリケーションのために生成される。例えば、クライアント側のアプリケーションは、治療情報を選択的に表示する表示をあらかじめ含み得る。そして、ユーザインターフェースモジュール48により生成されるユーザインターフェースの定義は、クライアント側のアプリケーションにより提供される所定の表示の中で表示可能な治療情報の、単なる値を含み得る。この実施形態において、クライアント側のアプリケーションは、ユーザインターフェースの定義に含まれる治療情報の値を受信する。該ユーザインターフェースは、いくつかの値又は全ての値を(適切に)、表示の対応する部分へと挿入する。
【0044】
図9は、説明のために、治療計画に対する対象者の順守に関する治療情報を含む、ユーザインターフェースモジュール48により定義されるユーザインターフェースの表示を表す。これは、「治療の表示」と呼ばれ得る。図9からわかるように、治療の表示は、ユーザに、対象者又は対象者のグループが受けた治療の頻度及び/若しくは時間についての情報、並びに/又は他の情報を提供する。
【0045】
図10は、同様に、ユーザインターフェースモジュール48により定義されるユーザインターフェースの実施例を表す。ユーザインターフェースは、対象者又は対象者のグループにより用いられる薬物送達装置の動作に関連する治療情報をユーザへ提供する表示を含む。この表示は、「装置の表示」と呼ばれ得る。装置の表示は、薬物送達装置の動作を定量化する測定基準に関する情報を含む。
【0046】
ユーザインターフェースに含まれ得る他の表示は、処方箋の表示、記録の表示、対象者のグループ分けの表示、呼吸容量の表示及び/又は他の表示を一つ以上含んでもよい。処方箋の表示は、対象者又は対象者のグループのために処方された治療計画に関する情報を含む。記録の表示は、装置の使用の履歴及び/又は対象者若しくは対象者のグループの呼吸機能に関する情報を含む。対象者のグループ分けの表示により、ユーザは、対象者のグループ分けを表示し、生成し、かつ/又は操作することができる。対象者のグループ分けとは、一つ以上の、人口学的情報(例えば、年齢、民族性、地理的な位置、教育、社会経済分類及び/若しくは他の軸工学的情報)、医療状態、受けている治療、処方されている治療計画、呼吸容量並びに/又は他の情報に基づいてなされ得る。このグループ分けは、ユーザによって手動でなされ、かつ/又はサーバ16によって自動でなされ得る。
【0047】
図1を参照すると、一つの実施形態において、ユーザインターフェースモジュール48により定義されるユーザインターフェースにより、ユーザは、閾値モジュール44により定義される閾値とやりとりする(interact)ことができる。このやりとり(interaction)は、対象者ごとに発生し、対象者のグループ若しくは組を通して発生し、かつ/又はユーザがアクセスする全ての対象者のために発生し得る。ユーザインターフェースによりユーザへ提供される、その双方向性(interactivity)は、閾値の設定される呼吸容量の割合を入力し、若しくは調整する能力、閾値の数を入力し、若しくは調整する能力、及び/又は他の双方向性の機能を含む。
【0048】
通信モジュール50は、ユーザインターフェースモジュール48により生成されるユーザインターフェースの定義をユーザへ提供するよう構成される。一つの実施形態において、このことは、通信モジュール48が、ユーザインターフェースを、ユーザに関連付けられるクライアントコンピュータプラットフォーム20へ提供することによって、実現される。クライアントコンピュータプラットフォーム20は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ネットブック、スマートフォン及び/又は他のクライアントコンピュータプラットフォームを一つ以上含み得る。通信モジュール50は、ネットワークを通じてクライアントコンピュータプラットフォームへユーザインターフェースを提供し得る。このネットワークは、インターネット及び/又は診療所(若しくは診療所の組)、病院(若しくは病院の組)又は他の団体と関連付けられたイントラネットを含み得る。定義されたユーザインターフェースを表示する目的で、クライアントコンピュータプラットフォーム20は、通信モジュール20からの通信に基づいてユーザインターフェースを描画するための、Webブラウザのような多用途のクライアントアプリケーションを実装し得る。上述したように、一つの実施形態において、Webブラウザのような多目的のクライアントアプリケーションではなく、クライアントコンピュータプラットフォーム20は、通信モジュール50により定義されるユーザインターフェースを表示するために特別に設計されたクライアントアプリケーションを実行してもよい。
【0049】
一つの実施形態において、ユーザインターフェースモジュール48により定義されるユーザインターフェースにより、ユーザは、対象者又は対象者のグループ向けの情報を入力することができる。この情報は、通信モジュール48によって、対象者又は対象者のグループへ分配される。その情報は、薬物送達装置を通じて(例えば、クライアントコンピュータプラットフォーム14経由で、薬物送達装置12を通じて)、対象者若しくは対象者のグループと関連付けられた一つ以上のクライアントコンピュータ装置を通じて、及び/又は対象者若しくは対象者のグループと関連付けられた他の通信装置を通じて、対象者又は対象者のグループへ分配され得る。これらの情報は、ユーザにより、以下のことを示す情報の所定の組から選択されるメッセージを含み得る。
対象者若しくは対象者のグループが薬物送達装置に関連してとるべき行動
対象者若しくは対象者のグループに対して処方された治療計画のためのなされるべき調整
対象者若しくは対象者のグループが治療の間の呼吸のためになすべき調整
訓練のセッションへの参加の促進、訓練のセッションの自動的な開始をもたらす情報 及び/又は
他のメッセージ
ユーザインターフェースは、監視モジュール46により実行される分析に基づいた(例えば、治療の値゛の呼吸パラメータの閾値との比較に基づいた)、対象者への送信のために、ユーザへ情報の組を提供し得る。
【0050】
一つの実施形態において、通信モジュール50により、対象者は、ユーザへ情報をさらに返信することができる。例えば、通信モジュール50は、対象者により薬物送達装置12及び/又はクライアントコンピュータプラットフォーム14へ入力された情報を受信するよう構成され、さらに、そのような情報を適切なユーザへ(例えば、クライアントコンピュータプラットフォームを介して)提供するよう構成される。このような通信は、ユーザから受信される情報への返答であるか、あるいは対象者によって引き起こされ得る。
【0051】
警告モジュール52は、情報取得モジュール38により取得される治療情報に関連する警告をユーザへ生成するよう構成される。例えば、警告モジュール52は、所定の対象者の最初の呼吸パラメータが、閾値モジュール44により定められる閾値のセットを超えた(breach)ことに応じて、ユーザへ警告を生成するよう構成され得る。この例において、閾値の超過は、監視モジュール46により決定され得る。さらに、警告モジュール52による警告の生成は、この決定への応答であり得る。警告モジュール52により生成される警告は、ユーザインターフェースモジュール48により定義されるユーザインターフェースを通じてユーザへ提供され、通信モジュール50を通じて対象者へ伝えられ得る。一つの実施形態において、警告モジュール52により生成される警告は、通信モジュール50により、ユーザインターフェースモジュール48により他のユーザインターフェースが定義される、通信媒体を介して、対象者へ伝えられる。例えば、通信モジュール50は、一つ以上の、SMS及び/若しくはテキストメッセージ、電子メール、他のテキストベースの通信、ボイスメール、自動化された電話並びに/又は他の通信媒体を通じて、警告を対象者へ送信し得る。
【0052】
治療調整モジュール54は、個々の対象者へ処方された治療計画についての一つ以上のパラメータを調整するよう構成され得る。そのような調整は、薬物の用量、薬物の配合、治療のセッションの時間、治療のセッションの頻度及び/又は他のパラメータへの調整を含み得る。これらの調整は、監視モジュール46により実行され、かつ/又はユーザにより手動で実行される分析に基づいて、自動的になされ得る。ユーザは、ユーザインターフェースモジュール48により定義されるユーザインターフェースを用いて、所定の対象者の治療計画についての一つ以上のパラメータを手動で調整することができる。所定の対象者の治療計画のパラメータへの調整は、通信モジュール50により、薬物送達装置12及び/又はクライアントコンピュータプラットフォーム14を通じて、所定の対象者へ伝えられる。
【0053】
図11は、複数の患者の治療を監視及び/又は管理する方法56を表す。該治療は、薬物送達装置を用いた噴霧状薬剤の送達を含む。例示する目的で、方法56の動作を以下で説明する。いくつかの実施形態において、方法56は、説明されない、一つ以上の追加の動作とともに達成でき、かつ/又は議論される一つ以上の動作なしに達成できる。さらに、図11及び以下において説明される方法56の動作の順序は、限定することを意図されていない。
【0054】
いくつかの実施形態において、方法56は、一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するよう構成される,一つ以上のプロセッサ(例えば、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するために設計されたデジタル回路、情報を処理するために設計されたアナログ回路、状態機械及び/又は情報を電子的に処理するために他のメカニズム)を含むサーバにより実装され得る。一つ以上のプロセッサは、電子記憶媒体に電子的に保管される命令に応じた、方法56の動作の一部又は全てを実行する、一つ以上の装置を含んでもよい。一つ以上のプロセッサは、方法56の一つ以上の動作の実行のために特に設計される、ハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアを通じて構成される、一つ以上の装置を含んでもよい。
【0055】
動作58において、複数の対象者のために、治療情報が取得される。複数の対象者の治療情報は、個々の対象者の呼吸容量と、噴霧状薬剤を送達している間の、個々の対象者の一つ以上の呼吸パラメータに関する情報を含む。一つの実施形態において、動作58は、(図1に示され、上述された)情報取得モジュール38(図1に示され、上述された)と同一又は同様の情報取得モジュールにより提供される。
【0056】
動作60において、動作58で取得された対象者の呼吸容量に関する情報に基づいて、個々の対象者の最初の呼吸パラメータのために、一つ以上の閾値が設定される。一つの実施形態において、動作60は、(図1に示され、上述された)閾値モジュール44と同一又は同様の閾値モジュール44により実行される。
【0057】
動作62において、個々の対象者の治療が監視される。個々の対象者の治療は、動作60で設定された閾値を、動作58で取得された、噴霧状薬剤を送達している間の、対象者の一つ以上の呼吸パラメータと比較することにより、監視され得る。一つの実施形態において、動作62は、(図1に示され、上述された)監視モジュール46と同一又は同様の監視モジュールにより実行される。
【0058】
動作64において、動作62で実行された対象者の治療の監視に基づいて、一つ以上の警告がユーザへ生成される。一つ以上の警告は、噴霧状薬剤の送達の間に一以上の対象者の呼吸パラメータが、動作60において設定された一つ以上の閾値に違反することに応じて、生成され得る。一つの実施形態において、動作64は、(図1に示され、上述された)警告モジュール52と同一又は同様の警告モジュールにより実行される。
【0059】
動作66において、ユーザインターフェースが定義され、ユーザへ提供される。ユーザインターフェースにより、ユーザは、個々の対象者及び/又は対象者のグループのために、治療情報と、動作60で設定された一つ以上の閾値を、選択的に表示することができる。一つの実施形態において、動作66は、それぞれ(図1に示され、上述された)ユーザインターフェースモジュール48と通信モジュール50と同一又は同様のユーザインターフェースモジュールと通信モジュールにより実行される。
【0060】
動作68において、一以上の対象者に処方された、治療計画についての一つ以上のパラメータが調整される。所定の治療計画のパラメータは、所定の治療計画に対応するユーザのために、動作58で取得された治療情報、及び/又は所定の治療計画に対応するユーザのために、動作60で設定された閾値に基づいて、調整され得る。動作68でなされる治療計画についてのパラメータの調整は、(例えば、動作62において実行される監視に基づいて)自動的になされ、かつ/又は(ユーザによって、動作66で定義され提供されるユーザインターフェースを介して入力されて)手動でなされ得る。一つの実施形態において、動作68は、(図1に示され、上述された)治療調整モジュール54と同一又は同様の治療調整モジュールにより実行される。
【0061】
本発明は、現時点で最も実用的で好ましいとみなされる実施形態に基づいて、説明を目的として詳細に説明された。しかし、そのような詳細は、単に説明の目的のためになされたものに過ぎず、本発明は開示される実施形態に限定されないことが理解されるべきである。一方で、本発明は、添付されるクレームの精神と範囲内の、改良物及び均等物を含むことが意図されている。例えば、本発明は、あらゆる実施形態の一つ以上の特徴が、可能な限り、あらゆる他の実施形態の一つ以上の特徴と組み合わせられ得ることを考慮することが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象者の、噴霧状薬剤の送達を含む治療を遠隔から監視するよう構成されるシステムであって:
コンピュータプログラムモジュールを実行するよう構成される一つ以上のプロセッサを有するサーバであって、該コンピュータプログラムモジュールは:
通信ネットワークを通じて、複数の対象者の治療情報を取得するよう構成される情報取得モジュールであって、
前記複数の対象者は、少なくとも第一の対象者と第二の対象者を含み、
所定の対象者の治療情報は、該所定の対象者の呼吸容量に関する情報と、前記噴霧状薬剤の送達の間の、前記所定の対象者の呼吸についての一つ以上の呼吸パラメータを伝える情報を含む、情報取得モジュールと;
閾値モジュールであって、
前記情報取得モジュールによって取得された前記第一の対象者の前記呼吸容量に関する情報に基づいて、前記第一の対象者の最初の呼吸パラメータの一つ以上の閾値を設定し、さらに、
前記情報取得モジュールによって取得された前記第二の対象者の前記呼吸容量に関する情報に基づいて、前記第二の対象者の最初の呼吸パラメータの一つ以上の閾値を設定するよう構成される、閾値モジュールと;
監視モジュールであって、
前記第一の対象者の前記治療情報により伝えられる、噴霧状薬剤の送達の間の、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータを、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値と比較することにより、前記第一の対象者が受ける前記治療を監視し、さらに、
前記第二の対象者の前記治療情報により伝えられる、噴霧状薬剤の送達の間の、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータを、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値と比較することにより、前記第二の対象者が受ける前記治療を監視するよう構成される、監視モジュールと;
を有する、サーバを有する、システム。
【請求項2】
前記一つ以上のプロセッサが実行するよう構成される前記コンピュータプログラムモジュールは、
ユーザが、治療情報及び前記第一の対象者と前記第二の対象者のそれぞれのための前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値を選択的に表示できるようにするユーザインターフェースの定義を生成するよう構成されるユーザインターフェースモジュール
をさらに有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ユーザのための前記ユーザインターフェースモジュールにより生成される前記定義によって定義される前記ユーザインターフェースは、
前記ユーザへ、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値の少なくとも一つを調整する能力を提供し、さらに、
前記ユーザへ、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値の少なくとも一つを調整する能力を提供する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ユーザのための前記ユーザインターフェースモジュールにより生成される前記定義によって定義される前記ユーザインターフェースは、前記ユーザへ、前記第一の対象者の治療計画への調整を入力する能力を提供し、さらに、前記第二の対象者の治療計画への調整を入力する能力を提供し、
前記一つ以上のプロセッサが実行するよう構成される前記コンピュータプログラムモジュールは、通信ネットワークを通じて、前記第一の対象者又は前記第二の対象者の前記治療計画へのあらゆる調整を、前記第一の対象者又は前記第二の対象者のうちの適切な一つへ伝えるよう構成される通信モジュール
をさらに有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記一つ以上のプロセッサが実行するよう構成される前記コンピュータプログラムモジュールは、
警告モジュールであって:
(i)前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータが、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値の少なくとも一つを超えたことに応じて、前記ユーザへ警告を生成するよう構成され、さらに
(ii)前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータが、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値の少なくとも一つを超えたことに応じて、前記ユーザへ警告を生成するよう構成される、警告モジュール
をさらに有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
複数の対象者の、噴霧状薬剤の送達を含む治療を遠隔から監視する、コンピュータで実行される方法であって、当該方法は一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するよう構成される一つ以上のプロセッサを有するサーバによって実行され、当該方法は:
通信ネットワークを通じて、複数の対象者の治療情報を取得するために、前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する段階であって、
前記複数の対象者は、少なくとも第一の対象者と第二の対象者を含み、
所定の対象者の治療情報は、該所定の対象者の呼吸容量に関する情報と、前記噴霧状薬剤の送達の間の、前記所定の対象者の呼吸についての一つ以上の呼吸パラメータを伝える情報を含む、段階と;
前記第一の対象者の前記呼吸容量に関する、取得された前記情報に基づいて、前記第一の対象者の最初の呼吸パラメータの一つ以上の閾値を設定するために、前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する段階と;
前記第二の対象者の前記呼吸容量に関する、取得された前記情報に基づいて、前記第二の対象者の最初の呼吸パラメータの一つ以上の閾値を設定するために、前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する段階と;
前記第一の対象者の前記治療情報により伝えられる、噴霧状薬剤の送達の間の、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータを、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値と比較することにより、前記第一の対象者が受ける前記治療を監視するために、前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する段階と;
前記第二の対象者の前記治療情報により伝えられる、噴霧状薬剤の送達の間の、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータを、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値と比較することにより、前記第二の対象者が受ける前記治療を監視するために、前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する段階と;
を有する、方法。
【請求項7】
ユーザが、治療情報及び前記第一の対象者と前記第二の対象者のそれぞれのための前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値を選択的に表示できるようにするユーザインターフェースの定義を生成するために、前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する段階
をさらに有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記定義によって定義される前記ユーザインターフェースは、
前記ユーザへ、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値の少なくとも一つを調整する能力を提供し、さらに、
前記ユーザへ、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値の少なくとも一つを調整する能力を提供するよう構成される、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記定義によって定義される前記ユーザインターフェースは、前記ユーザへ、前記第一の対象者の治療計画への調整を入力する能力を提供し、さらに、前記第二の対象者の治療計画への調整を入力する能力を提供するよう構成され、
通信ネットワークを通じて、前記第一の対象者又は前記第二の対象者の前記治療計画へのあらゆる調整を、前記第一の対象者又は前記第二の対象者のうちの適切な一つへ伝えるために、前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する段階
をさらに有する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータが、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値の少なくとも一つを超えたことに応じて、前記ユーザへ警告を生成するために、前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する段階と、
前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータが、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値の少なくとも一つを超えたことに応じて、前記ユーザへ警告を生成するために、前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する段階と、
をさらに有する、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
複数の対象者の、噴霧状薬剤の送達を含む治療を遠隔から監視するよう構成されるシステムであって:
通信ネットワークを通じて、複数の対象者の治療情報を取得するための手段であって、
前記複数の対象者は、少なくとも第一の対象者と第二の対象者を含み、
所定の対象者の治療情報は、該所定の対象者の呼吸容量に関する情報と、前記噴霧状薬剤の送達の間の、前記所定の対象者の呼吸についての一つ以上の呼吸パラメータを伝える情報を含む、手段と;
前記第一の対象者の前記呼吸容量に関する、取得された前記情報に基づいて、前記第一の対象者の最初の呼吸パラメータの一つ以上の閾値を設定する手段と;
前記第二の対象者の前記呼吸容量に関する、取得された前記情報に基づいて、前記第二の対象者の最初の呼吸パラメータの一つ以上の閾値を設定する手段と;
前記第一の対象者の前記治療情報により伝えられる、噴霧状薬剤の送達の間の、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータを、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値と比較することにより、前記第一の対象者が受ける前記治療を監視する手段と;
前記第二の対象者の前記治療情報により伝えられる、噴霧状薬剤の送達の間の、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータを、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値と比較することにより、前記第二の対象者が受ける前記治療を監視する手段と;
を有する、システム。
【請求項12】
ユーザが、治療情報及び前記第一の対象者と前記第二の対象者のそれぞれのための前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値を選択的に表示できるようにするユーザインターフェースの定義を生成する手段
をさらに有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
ユーザインターフェースを定義する前記定義は、
前記ユーザへ、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値の少なくとも一つを調整する能力を提供し、さらに、
前記ユーザへ、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値の少なくとも一つを調整する能力を提供するよう構成される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
ユーザインターフェースを定義する前記定義は、前記ユーザへ、前記第一の対象者の治療計画への調整を入力する能力を提供し、さらに、前記第二の対象者の治療計画への調整を入力する能力を提供するよう構成され、
通信ネットワークを通じて、前記第一の対象者又は前記第二の対象者の前記治療計画へのあらゆる調整を、前記第一の対象者又は前記第二の対象者のうちの適切な一つへ伝える手段
をさらに有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータが、前記第一の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値の少なくとも一つを超えたことに応じて、前記ユーザへ警告を生成する手段と、
前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータが、前記第二の対象者の前記最初の呼吸パラメータの前記一つ以上の閾値の少なくとも一つを超えたことに応じて、前記ユーザへ警告を生成する手段と、
をさらに有する、請求項11に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−501566(P2013−501566A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524307(P2012−524307)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053206
【国際公開番号】WO2011/021118
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】