説明

噴霧用液体芳香剤組成物

【課題】秋季〜冬季のような周囲環境の水分が少ない場合でも、より香りを強く感じさせることができる噴霧用液体芳香剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)特定のケイ酸エステル、(b)特定のアミンオキシド及び水を含有し、(b)成分の含有量が0.01〜2質量%であり、(b)/(a)の質量比が1〜100である噴霧用液体芳香剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴霧用液体芳香剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
香りを持続させる技術として、特許文献1及び特許文献2には、ケイ酸エステルを使用した技術が開示されている。特許文献3にはケイ酸エステルが付着した衣料に水を接触させることで、香りの強さを増大させる使用方法が開示されている。特許文献3に記載のように、ケイ酸エステルは水と接触することで、加水分解しアルコール香料を放出することができる。ケイ酸エステルの加水分解は、大気中に存在する水分によっても徐々に引き起こされる。従って、水等のキャリアーを用いてケイ酸エステルを衣料に付着させ、乾燥した後においても、大気中の水分でケイ酸エステルが加水分解し、長期間にわたり香料アルコールを放出することが出来る。また、特許文献2の段落0044には、洗濯洗剤/洗浄剤組成物が含有する代表的な成分として界面活性剤が記載されている。同文献の段落0060には非イオン界面活性剤の例としてアミンオキシドが記載されているが、これは洗剤や洗浄剤組成物に配合する一般的な成分としての例示にすぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−256818号公報
【特許文献2】特表2003−526644号公報
【特許文献3】特開2010−133073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
日本や東南アジアなどの、湿度の高い夏季においては、大気中に含まれる水の量が多い為に、衣類に付着したケイ酸エステルの加水分解が起こり易く、アルコール香料が放出されやすい。それ故にアルコール香料由来の香りが適度に感じられる。一方、秋季〜冬季にかけては、夏季に比べて、大気が乾燥しやすい為に、大気中に含まれる水の量が少ない。冬季〜春季にかけては冬季よりも、衣料に付着したケイ酸エステルの加水分解が起こりにくい。その為に、アルコール香料由来の香りは夏季よりも長く持続しやすいが、香りの強さが夏季よりも弱く感じる場合が多い。従って、秋季〜冬季においても、より香りを強く感じさせる技術的要望が存在することを新たに見出した。
【0005】
本発明の課題は、秋季〜冬季のような周囲環境の水分が少ない場合でも、より香りを強く感じさせることができる噴霧用液体芳香剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記(a)成分、(b)成分及び水を含有し、(b)成分の含有量が0.01〜2質量%であり、(a)成分と(b)成分の質量比が(b)成分/(a)成分=1〜100である噴霧用液体芳香剤組成物に関する。
(a)成分:下記一般式(a1)で表されるケイ酸エステル
【0007】
【化1】

【0008】
〔式中、Xは−OH、−R1a、−OR2a又は−OR3aであり、YはX又は−OSi(X)3であり、R1aは炭素数1〜22の炭化水素基、R2aは分子内に炭素数6〜22の炭素原子を有する香料アルコールからヒドロキシ基を1つ除いた残基、R3aは炭素数1〜5の炭化水素基又はベンジル基、nは0〜5の数である。複数個のX及びYはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、一分子中に−OR2aを少なくとも1つ有する。〕
(b)成分:下記一般式(b1)及び(b2)から選ばれるアミンオキシド
【0009】
【化2】

【0010】
〔式中、R1bは炭素数8〜16の炭化水素基であり、R2b及びR3bはそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基及び炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、R4bは炭素数2〜3のアルキレン基であり、Zは−CONH−又は−COO−である。〕
【0011】
また、本発明は、上記本発明の噴霧用液体芳香剤組成物を、繊維製品に噴霧し付着させる、繊維製品への香りの賦与方法に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、日本や東南アジアなどの、秋季〜冬季のような周囲環境の水分が少ない場合でも、より香りを強く感じさせることができる噴霧用液体芳香剤組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[(a)成分]
本発明の(a)成分は、下記一般式(a1)で表されるケイ酸エステルである。一般式(a1)で表されるケイ酸エステルは、1種又は2種以上が用いられる。
【0014】
【化3】

【0015】
〔式中、Xは−OH、−R1a、−OR2a又は−OR3aであり、YはX又は−OSi(X)3であり、R1aは炭素数1〜22の炭化水素基、R2aは分子内に炭素数6〜22の炭素原子を有する香料アルコールからヒドロキシ基を1つ除いた残基、R3aは炭素数1〜5の炭化水素基又はベンジル基、nは0〜5の数である。複数個のX及びYはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、一分子中に−OR2aを少なくとも1つ有する。〕
【0016】
1aは置換基として炭素数1〜22の脂肪族炭化水素基を示すが、製造の容易性の観点から、炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、炭素数1〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましい。nが0の場合には、組成物への配合の容易性の観点から、炭素数1〜8の炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基が更に好ましい。また、nが1〜5の場合には、組成物への配合の容易性の観点から、メチル基又はベンジル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
【0017】
2aは、分子内に炭素数6〜22の炭素原子を有する香料アルコールからヒドロキシ基を1つ除いた残基である。本明細書において香料アルコールとは、香料として用いられるアルコールを意味する。具体的な香料アルコールとしては、「香料と調香の基礎知識」(産業図書株式会社、中島基貴編著、2005年4月20日第4刷)に記載される、脂肪族アルコール、テルペン又はセスキテルペン系アルコール、脂環式アルコール、芳香族アルコール及び合成サンダル(サンダルウッド様の香りを有する合成された香料アルコール)から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
【0018】
本発明における香りの強さとは、一般式(a1)の化合物が加水分解することで生成する、香料アルコール(R2aOH)由来の香りの強さを意味する。
【0019】
本発明において、R2aは、分子内に炭素数6〜22の炭素原子を有する香料アルコールからヒドロキシ基を1つ除いた残基である。湿度が低い条件下においても香りを強く香らせる観点から、R2aの由来となる、分子内に炭素数6〜22の炭素原子を有する香料アルコール(R2aOH)は、炭素数10〜14の香料アルコールが好ましく、より好ましくは炭素数10〜12の香料アルコールである。具体的には、炭素数10〜11の脂肪族アルコール、炭素数10のテルペン系アルコール、炭素数10の脂環式アルコール、炭素数10〜12の芳香族アルコール及び炭素数13〜14の合成サンダルから選ばれる香料アルコールが好ましい。
【0020】
炭素数10〜11の脂肪族アルコールとしては、9−デセノール、4−メチル−3−デセン−5−オール又は10−ウンデセノールが挙げられる。
【0021】
炭素数10のテルペン系アルコールとしては、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オール、3,7−ジメチル−トランス−2,6−オクタジエン−1−オール、3,7−ジメチル−シス−2,6−オクタジエン−1−オール、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール、2−メチル−6−メチレン−7−オクテン−2−オール、2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−オール、3,7−ジメチルオクタノール、3,7−ジメチルオクタン−3−オール、2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オール、3,7−ジメチル−4,6−オクタジエン−3−オール、p−メンタン−8−オール、1−p−メンテン−4−オール、p−メンタン−3−オール、1,7,7−トリメチル−ビシクロ[1,2,2−]ヘプタン−2−オール又はp−メンス−8−エン−3−オールが挙げられる。
【0022】
炭素数10〜12の脂環式アルコールとしては、4−イソプロピルシクロヘキサンメタノール、1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、p−t−ブチルシクロヘキサノール又はo−t−ブチルシクロヘキサノールが挙げられる。
【0023】
炭素数10〜12の芳香族アルコールとしては、1−フェニル−2−メチル−2−プロパノール、2−プロピル−5−メチルフェノール、2−メチル−5−イソプロピルフェノール、2−メトキシ−4−アリールフェノール、2−メトキシ−4−(1−プロペニル)−フェノール、4−フェニル−2−メチル−2−ブタノール、5−プロペニル−2−エトキシフェノール、1−フェニル−3−メチル−3−ペンタノール又は3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノールが挙げられる。
【0024】
炭素数13〜14の合成サンダルとしては、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−ブタン−1−オール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−ペンタン−2−オール又は2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オールが挙げられる。
【0025】
本発明において、湿度が低い条件下においても香りを強く香らせる観点から、分子内に炭素数6〜22の炭素原子を有する香料アルコールは炭素数10のテルペン系アルコール、炭素数10〜12の芳香族アルコール並びに炭素数13〜14の合成サンダルから選ばれる香料アルコールが好ましい。更に炭素数10のテルペン系アルコール、及び炭素数13〜14の合成サンダルから選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
【0026】
3aは、ケイ酸エステルの製造の容易性の観点から、メチル基、エチル基又はベンジル基が好ましい。分子内にR3aが複数存在する場合には、各々のR3aは同一であっても異なっていても良い。
【0027】
一般式(a1)において、nは0〜5の数であり、湿度が低い条件においても香りを強く香らせる点で、0〜3の数が好ましく、0の数がより好ましい。
【0028】
一般式(a1)において、nが0のケイ酸エステル〔以下、(a11)成分という〕場合には、湿度が低い条件においても香りを強く香らせる点から、4個のXのうち2〜4個、好ましくは3又は4個が−OR2aであり、残りが−OR2aである化合物が好適である。
【0029】
nが0の場合の好ましい化合物〔(a11)成分〕としては、下記式(a11−1)又は(a11−2)で表される化合物が挙げられる。
【0030】
【化4】

【0031】
〔式中、R2a及びR3aは前記と同じ意味を示す。〕
【0032】
一般式(a1)において、nが1〜5のケイ酸エステル〔以下、(a12)成分という〕の場合には、製造の容易性の観点から、噴霧用液体芳香剤組成物中に含まれる全ての(a)成分中のX及びYの合計の数に対して、1/5以上、好ましくは1/2以上が−OR2aであり、残りが−OR3aである化合物が好適であり、全てのX及びYが−OR2aである化合物がより好ましい。
【0033】
nが1〜5の場合の好ましい化合物〔(a12)成分〕としては、下記式(a12−1)又は(a12−2)で表される化合物が挙げられる。
【0034】
【化5】

【0035】
〔式中、R2a及びR3aは前記と同じ意味を示す。mは1〜5の数を示し、Tは、−OR2a又は−OR3aを示す。〕
【0036】
香りの持続性の観点から、mとしては、1〜4が好ましく、1〜2がより好ましく、湿度が低い条件下も香りを強く香らせる観点から、mは1が更に好ましい。
【0037】
一般式(a1)で表される化合物は、特許文献3の段落0029〜0041などに記載されている方法で入手することができる。
【0038】
上記一般式(a1)において、nが0のケイ酸エステル〔(a11)成分〕とnが1〜5のケイ酸エステル〔(a12)成分〕を併用して用いることもできる。噴霧用液体芳香剤組成物中の(a11)成分と(a12)成分の割合は、質量比で(a11)成分/(a12)成分=1〜200が好ましく、2〜110がより好ましく、3〜100が更に好ましい。
【0039】
[(b)成分]
本発明の(b)成分は、下記一般式(b1)及び(b2)から選ばれるアミンオキシドである。
【0040】
【化6】

【0041】
〔式中、R1bは炭素数8〜16の炭化水素基であり、R2b及びR3bはそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基及び炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、R4bは炭素数2〜3のアルキレン基であり、Zは−CONH−又は−COO−である。〕
【0042】
(b)成分は、(a)成分と水と共に、噴霧等により衣類などの対象物に付着させる。これにより、本発明では、周囲環境の水分が少ない場合でも、より香りを強く感じさせることができる。その理由は必ずしも明らかではないが、次のように推察される。すなわち、対象物に付着した後に乾燥しても、(b)成分の親水基であるアミンオキシド基の回りに水が保持される。それ故に、大気中に含まれる水分が少ない、例えば秋季〜冬季の乾燥した環境下においても、(a)成分の周りに一定量の水分が存在するため、(a)成分の加水分解が適度に進行するものと考えられる。
【0043】
一般式(b1)及び一般式(b2)において、R1bとしては、香りの持続性の点から、炭素数10〜16の炭化水素基が好ましく、炭素数11〜14がより好ましい。また、R1bの炭化水素基はアルキル基が好ましい。R2b及びR3bとしては、メチル基及びエチル基から選ばれる基が好ましい。R4bとしては、エチレン基又はプロピレン基が好ましい。Zとしては、香りの持続性の点で−CONH−が好ましい。(b)成分は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0044】
香りの持続性の点から、好ましい化合物は、N−(1−ドデシル)−N,N−ジメチルアミンオキシド、N−(1−テトラデシル)−N,N−ジメチルアミンオキシド、N−〔3−(1−ウンデカノイルアミノ)プロピル〕−N,N−ジメチルアミンオキシド及びN−〔3−(1−トリデカノイルアミノ)プロピル〕−N,N−ジメチルアミンオキシドから選ばれる化合物であり、より好ましくはN−(1−ドデシル)−N,N−ジメチルアミンオキシド及びN−〔3−(1−ウンデカノイルアミノ)プロピル〕−N,N−ジメチルアミンオキシドから選ばれる化合物であり、更に好ましくはN−〔3−(1−ウンデカノイルアミノ)プロピル〕−N,N−ジメチルアミンオキシドである。
【0045】
[噴霧用液体芳香剤組成物]
本発明の噴霧用液体芳香剤組成物中の(a)成分、(b)成分の含有量は、使用形態、繊維製品の種類、香らせる香りの強さの程度などによって適宜調整することができる。
【0046】
本発明の噴霧用液体芳香剤組成物中の(a)成分の含有量は、香りの持続性の点で、0.0001質量%以上が好ましく、また、衣類から香る香りが強すぎない点で0.1質量%以下が好ましい。0.0001〜0.1質量%がより好ましく、0.003〜0.08質量%が更に好ましく、0.005〜0.05質量%がより更に好ましい。
【0047】
本発明の噴霧用液体芳香剤組成物中の(b)成分の含有量は0.01〜2質量%であり、湿度の低い条件での香りでより香らせる点で、0.02〜1.5質量%が好ましく、0.03〜0.8質量%がより好ましい。
【0048】
本発明では、湿度の低い条件での香りでより香らせる点で、(a)成分と(b)成分の質量比が(b)成分/(a)成分=1〜100であり、この範囲となるように(b)成分の組成物中の含有量を調整する。(b)成分/(a)成分の質量比は、湿度の低い条件での香りでより香らせる点で、好ましくは2〜90、より好ましくは3〜70、更に好ましくは5〜50である。
【0049】
本発明の組成物は、(c)成分として、分子内に炭素数8〜10の炭化水素基を2個有する第4級アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤、中でも下記一般式(c1)で表される4級アンモニウム塩を含有することが好ましい。(c)成分は、秋季〜冬季などの湿度が低い条件でも、対象物に付着した(a)成分であるケイ酸エステルの加水分解を、より促進させる点で好ましい。
【0050】
【化7】

【0051】
〔式中、R1c、R2c、R3c、R4cのうち、2個が炭素数8〜10の炭化水素基であり、残りが炭素数1〜3のアルキル基及び炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、Q-は陰イオン基である。〕
【0052】
秋季〜冬季などの湿度が低い条件でも、対象物に付着した(a)成分であるケイ酸エステルの加水分解を、より促進させる点から、前記炭素数8〜10の炭化水素基は、アルキル基が好ましく、なかでも炭素数10のアルキル基が好ましい。炭素数10のアルキル基の具体例としては1−デシル基が好ましい。炭素数1〜3のアルキル基の好ましい基としては、メチル基及びエチル基から選ばれる基が好ましい。炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基の好ましい基は2−ヒドロキシエチル基が好ましい。Q-の陰イオン基として好ましくは、塩素イオン、メチル硫酸イオン及びエチル硫酸イオンから選ばれる基が好ましい。
【0053】
より好ましい化合物としては、N,N−ジ(1−デシル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド及びN,N−ジ(1−デシル)−N,N−ジメチルアンモニウムエチルサルフェートから選ばれる化合物が好ましく、もっとも好ましくは、N,N−ジ(1−デシル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリドである。
【0054】
組成物中の(c)成分の含有量は、(a)成分と(c)成分の質量比が(c)成分/(a)成分で2〜150となる量であることが、湿度の低い条件でより強い香りを発現させる点で好ましい。(c)成分/(a)成分の質量比は、より好ましくは3〜130、更に好ましくは5〜120、より更に好ましくは10〜110である。
【0055】
本発明の噴霧用液体芳香剤組成物において、(a)成分及び(b)成分以外の残部は水とすることができる。使用する水は、蒸留水やイオン交換水等からイオン成分を除去したものが好ましい。組成物中の水の含有量は、噴霧のし易さの観点から、70質量%以上が好ましく、70〜99.9質量%がより好ましく、80〜99.9質量%が更に好ましい。
【0056】
また必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、更に、(b)成分、(c)成分以外の界面活性剤、溶剤、硫酸ナトリウム等の塩、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、染料、顔料、紫外線吸収剤等の他の成分を添加することができる。
【0057】
界面活性剤〔以下、(d)成分という〕としては、前記(b)成分を除く非イオン性界面活性剤が好ましく、下記一般式(d1)で表される化合物が、配合安定性の点から、より好ましい。
1d−D−[(EO)s/(PO)t]−R2d (d1)
〔式(d1)中、R1dは、炭素数10〜22の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数12〜16の炭化水素基、より好ましくは炭素数12〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R2dは、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基であり、Dは−O−又は−COO−のいずれかであり、EOは、オキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基であり、(EO)と(PO)はランダム付加でもブロック付加でもいずれでもよく、(EO)と(PO)の付加順序は問わない。s及びtは平均付加モル数であり、sは4〜30の数、好ましくは5〜25の数、tは2以下の数、好ましくは0の数である。秋季〜冬季などの湿度が低い条件でも、対象物に付着した(a)成分であるケイ酸エステルの加水分解をより促進させる点で、s+tの合計は5〜20の数が好ましく、5〜15の数がより好ましい。〕
【0058】
組成物の配合性の観点から、一般式(d1)で表される化合物のR1dは、好ましくは炭素数10〜16、更に好ましくは炭素数10〜14のアルキル基又はアルケニル基であり、R2dは、好ましくは水素原子、又は炭素数1〜2のアルキル基、より好ましくは水素原子又はメチル基、更に好ましくは水素原子である。
【0059】
一般式(d1)で表される化合物としては、秋季〜冬季などの湿度が低い条件でも、対象物に付着した(a)成分であるケイ酸エステルの加水分解をより促進させる点で、ポリオキシエチレン(s=6〜12)−1−ドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(s=5〜12)モノアルキル(炭素数12〜14の2級の炭化水素基)エーテル、ラウリン酸ポリオキシチレン(s=6〜13)メチルエーテルから選ばれる1種以上が好ましい。
【0060】
(d)成分の組成物中の含有量は、好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.02〜0.5質量%、更に好ましくは0.03〜0.2質量%である。
【0061】
溶剤〔以下、(e)成分という〕としては、炭素数2〜4の1価アルコール(例えば、エタノール等)、2〜6価で1分子の総炭素数が2〜12の多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール等)、又は前記アルコールのアルキル(炭素数1〜6)のエーテル誘導体が挙げられる。これらの中では、保存安定性の点から、エタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールが好ましい。(e)成分の組成物中の含有量は0.05〜10質量%とすることができる。エタノールを含有する場合には、3〜9質量%が好ましく、4〜8質量%がより好ましい。ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールを含有する場合には、0.1〜2質量%が好ましく、0.2〜1質量%がより好ましい。
【0062】
本発明の噴霧用液体芳香剤組成物の25℃におけるpHは、該組成物中での(a)成分の加水分解安定性の観点から、6〜8であることが好ましく、6.5〜8がより好ましい。pHは下記の方法で測定される。
【0063】
<pHの測定方法>
pHの測定で使用したpH測定装置及びpH標準液を下記に示す。
〔pH標準液〕
堀場製作所(株)製pH標準液を用いる。
・pH標準液100−7(中性りん酸塩標準液、精度;±0.02pH)
・pH標準液100−9(ホウ酸塩標準液、精度;±0.02pH)
〔pH測定装置〕
・株式会社堀場製作所製のpHメータ「D−52S」
・pH電極:6367−10D
【0064】
pH測定装置は測定の1時間前に電源を入れる。未使用のpH電極を用い、電極を予め25℃±0.2℃のイオン交換水に24時間浸しておいたものを使用する。ゼロ校正とスパン校正は、以下に記載のpH標準液を用いて、25℃におけるpHの指示値が、標準pH±0.02になるまで繰り返し校正を行う。
【0065】
噴霧用液体芳香剤組成物200gを200mL容量のガラス製トールビーカーに入れ、食品包装用ラップフィルム〔例えば、サランラップ(登録商標)〕で封をし、ウォーターバス中で、噴霧用液体芳香剤組成物の温度が25±0.2℃になるように調整する。校正後にpH電極に25℃のイオン交換水200mLをかけて洗浄後、各噴霧用液体芳香剤組成物を3回繰り返し測定する。得られた3回の測定値の平均値をpH測定値とする。
【0066】
本発明の噴霧用液体芳香剤組成物の25℃における粘度は、スプレー容器での噴霧適性の観点から、15mPa・s以下が好ましく、より好ましくは1〜10mPa・s、更に好ましくは1〜5mPa・sである。本発明の噴霧用液体芳香剤組成物において、25℃における粘度が15mPa・s以下であると噴霧パターンが適正となる。粘度は、東京計器株式会社製、B型粘度計(モデル形式BM)に、No.1のローターを取り付け、噴霧用液体芳香剤組成物を200mL容量のガラス製トールビーカーに充填し、ウォーターバスにて25±0.3℃に調製し、ローターの回転数を60r/minに設定し、測定を始めてから60秒後の指示値である。
【0067】
本発明の噴霧用液体芳香剤組成物は、適切な噴霧器を用いて衣類等の対象物に適用される。噴霧器としては、特に限定はなく、市販の小型ガラス製(又はポリプロピレン製)のスプレー容器(例えば、市販のスプレーバイアル等)やトリガー式噴霧器などを用いることができる。噴霧器からの噴霧量は1回の噴霧操作で本発明の噴霧用液体芳香剤組成物を0.01〜2.0g、好ましくは0.05〜1.5g、更に好ましくは0.1〜1.0g噴出するものが良好である。本発明で使用できるスプレーバイアルとしては、例えばマルエム製スプレーバイアルが挙げられる。またトリガー式噴霧器としては、噴霧の均一性の観点から、実開平4−37554号公報に開示されているような蓄圧式トリガーがより好適である。噴霧特性としては、地面に垂直に置いた対象物に15cm離れた場所からスプレーしたときの液のかかる面積が10〜800cm2、好ましくは100〜800cm2、更に好ましくは150〜600cm2となるトリガー式噴霧器が好適である。
【0068】
本発明の噴霧用液体芳香剤組成物は、繊維製品用として好適であり、かかる噴霧用液体芳香剤組成物は、噴霧により繊維製品に付着させて、対象物に香りを付与することが出来る。繊維製品としては、スーツ、セーター等の衣類、カーテン、ソファー等が挙げられる。
【0069】
本発明の噴霧用液体芳香剤組成物を用いた繊維製品への香りの賦与方法では、繊維製品に対して、対象物0.1m2当たり、好ましくは1〜30g、より好ましくは3〜25g、特に好ましくは5〜20gの割合で本発明の組成物を、噴霧により付着させることが好ましい。
【0070】
噴霧し乾燥する時の環境(大気)の温度及び湿度は、0〜25℃、好ましくは10〜23℃で且つ、相対湿度が10〜40%RH、好ましくは15〜35%RHの条件下で、繊維製品に対して噴霧し、次いで乾燥させることが、本願の効果をより享受できる点で好ましい。
【0071】
噴霧する時の、噴霧用液体芳香剤組成物は液滴の状態で噴霧することが、均一に噴霧できる点で好ましい。噴射口から噴射方向に10cm離れた地点における噴霧液滴の平均粒径が10〜200μmとなり、噴射口から噴射方向に15cm離れた地点における粒径200μmを超える液滴の数が噴霧液滴の総数の1%以下となり、噴射口から噴射方向に10cm離れた地点における粒径10μm未満の液滴の数が噴霧液滴の総数の1%以下となる噴霧手段を備えたものが好ましい。噴霧液滴の粒子径分布は体積平均粒子径であり、例えば、レーザー回折式粒度分布計(日本電子株式会社製)により測定することができる。
【0072】
本発明の噴霧用液体芳香剤組成物をスプレー容器に充填してスプレー式芳香剤物品を得ることができる。本発明のスプレー式芳香剤は、本発明の噴霧用液体芳香剤組成物と、スプレー容器とを含んで構成される物品である。本発明の噴霧用液体芳香剤組成物は水を含有するミストタイプであり、これをスプレー容器に充填し、一回の噴霧量を0.1〜3mlに調整したものが好ましい。また、前記範囲の噴霧量(g)で噴出するものであってもよい。使用するスプレー容器としては、トリガースプレー容器(直圧あるいは蓄圧型)やディスペンサータイプのポンプスプレー容器、耐圧容器を具備したエアゾールスプレー容器等が挙げられる。性能を効果的に発現するために、トリガー式スプレーヤーあるいはエアゾールスプレーヤーを具備するスプレー容器が好ましく、本発明においては、耐久性や布付着性の点から、トリガー式スプレーヤーを具備するスプレー容器がより好ましい。
【0073】
スプレー容器としては、噴射口から噴射方向に10cm離れた地点における噴霧液滴の平均粒径が10〜200μmとなり、噴射口から噴射方向に15cm離れた地点における粒径200μmを超える液滴の数が噴霧液滴の総数の1%以下となり、噴射口から噴射方向に10cm離れた地点における粒径10μm未満の液滴の数が噴霧液滴の総数の1%以下となる噴霧手段を備えたものが好ましい。噴霧液滴の粒子径分布は体積平均粒子径であり、例えば、レーザー回折式粒度分布計(日本電子株式会社製)により測定することができる。
【実施例】
【0074】
実施例及び比較例で用いた各配合成分をまとめて以下に示す。なお、表1では、(b’)成分を(b)成分として(b)成分/(a)成分の質量比を示した。
(a)成分
・a−1:下記合成例1で得られたケイ酸エステル(原料として用いたゲラニオールの炭素数は10)
・a−2:下記合成例2で得られたケイ酸エステル(原料として用いたゲラニオールの炭素数は10)
・a−3:下記合成例3で得られたケイ酸エステル(原料として用いたサンダルマイソールコアの炭素数は13)
・a−4:下記合成例4で得られたケイ酸エステル(原料として用いたフェニルエチルアルコールの炭素数は8)
(b)成分
・b−1:N−(3−ラウラミドプロピル)−N,N−ジメチルアミンオキシド
・b−2:N−ラウリル−N,N−ジメチルアミンオキシド
(b’)成分〔(b)成分の比較化合物〕
・b’−1:N−(1−ヘキシル)−N,N−ジメチルアミンオキシド
(c)成分
・c−1:N,N−ジデシル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド
(d)成分
・d−1:1−ドデシルアルコールにエチレンオキシドが平均で9モル付加したノニオン界面活性剤
・d−2:1−ドデシルアルコールにエチレンオキシドが平均で20モル付加したノニオン界面活性剤
(e)成分
・e−1:エタノール
【0075】
合成例1:ケイ酸エステル(a−1)の合成
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン145.92gと水酸化カリウム0.48g、イオン交換水0.8mLを入れ、窒素気流下120〜125℃、33kPa〜101kPa(常圧)で約37時間反応を行った。この間イオン交換水を0.8mL追加した。反応後、33kPaで更に2時間反応させた後、冷却、濾過を行い、134.58gのエトキシシランの縮合物を淡黄色液体として得た。
【0076】
続いて、100mLの四つ口フラスコに先のテトラエトキシシラン縮合物25.00gとゲラニオール(沸点230℃、logP値2.77)62.93g(0.41mol)、4.8%水酸化ナトリウム水溶液0.17gを入れ、エタノールを留出させながら95〜119℃でさらに2時間攪拌した。2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら116〜119℃でさらに3時間攪拌した。3時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ポリ(ゲラニルオキシ)シロキサン(式(a1)において、X=Y=−OR2aで、R2aがゲラニオールから水酸基を除いた残基、nが平均4の化合物である)を含む65.39gの淡黄色油状物を得た。
【0077】
合成例2::ケイ酸エステル(a−2)の合成
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン35.45g(0.17mol)、ゲラニオール100.26g(0.65mol)、2.8%ナトリウムメトキシドメタノール溶液1.34mLを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら118〜120℃で約2時間攪拌した。2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら112〜119℃でさらに3時間攪拌した。3時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、テトラキス(ゲラニルオキシ)シラン(式(a1)において、X=−OR2aで、R2aがゲラニオールから水酸基を除いた残基、nが0の化合物である)を含む薄茶色油状物を得た。
【0078】
合成例3:ケイ酸エステル(a−3)の合成
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン37.51g(0.18mol)、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール)(「サンダルマイソールコア」、124.4g(0.16mol)、2.8%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.69mLを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら109〜120℃で約2.5時間攪拌した。2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら約120℃でさらに4時間攪拌した。4時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い薄茶色油状物のケイ酸エステル化合物(a−3)(式(a1)において、X=−OR2aで、R2aがサンダルマイソールコアから水酸基を除いた残基、nが0の化合物である)を得た。
【0079】
合成例4:ケイ酸エステル(a−4)の合成
ゲラニオールの代わりにフェニルエチルアルコールを79.41g(0.65mol)用いる以外は合成例2と同様にして、テトラキス(フェニルエチルオキシ)シラン(式(a1)において、X=−OR2aで、R2aがフェニルエチルアルコールから水酸基を除いた残基、nが0の化合物である)を含む薄茶色油状物を得た。
【0080】
実施例1〜14及び比較例1〜4
<噴霧用液体芳香剤組成物の調製>
(1)評価組成物の調製
表1に示す配合成分を用い、表1に示す組成の噴霧用液体芳香剤組成物(評価組成物)を調製した。組成物のpH(測定方法は前述の通り)は、1規定の塩酸又は1/10規定の水酸化ナトリウム水溶液で調整した。
(2)基準組成物の調製
表1に示す配合成分を用い、各配合例において、(b)成分又は(b’)成分を含まない(その分を水に置き換える)噴霧用液体芳香剤組成物(基準組成物)を調製した。基準組成物のpH(測定方法は前述の通り)は、表1の対応する評価組成物と同じpHとなるように、1規定の塩酸又は1/10規定の水酸化ナトリウム水溶液で調整した。
【0081】
<噴霧用液体芳香剤組成物による処理方法>
(1)前処理した綿メリヤス布の調製方法
あらかじめ、市販の弱アルカリ性洗剤(花王(株)アタック高活性バイオEX(登録商標)、2009年発売品)を用いて、綿メリヤス布(染色試材株式会社谷頭商店製、シルテック加工なし、50cm×60cmに裁断)10枚を日立全自動洗濯機NW−6CYで5回洗浄を繰り返し、室内乾燥することによって、過分の薬剤を除去した(洗剤濃度0.0667質量%、水道水47L使用、水温20℃、洗浄10分、ため濯ぎ2回)。更に、それを3cm×3cmの正方形に裁断したものを試験布として用いた。
【0082】
(2)綿メリヤス布への組成物の処理
<評価サンプル>
マルエム製スプレーバイアル(No.6)に、評価組成物である表1に記載の噴霧用液体芳香剤組成物を入れた。試験布1枚(3cm×3cm、正方形)あたりに0.15g噴霧し、60メッシュのステンレス製の金網の上に載せて、20℃、30%RHの環境可変室下で72時間放置した。試験布は1組成当たり10枚調製した。
<基準サンプル>
マルエム製スプレーバイアル(No.6)に、基準組成物である噴霧用液体芳香剤組成物を入れた。試験布1枚(3cm×3cm、正方形)あたりに0.15g噴霧し、60メッシュのステンレス製の金網の上に載せて、20℃、30%RHの環境可変室で72時間放置した。試験布は1組成当たり10枚調製した。
【0083】
<香りの強度の評価>
前記条件で72時間放置後、直ちに評価サンプルと基準サンプルの香りの強度を同じパネラーが対比(周囲温度は25℃、周囲湿度は40%RH)して、下記基準で評価した。1組成当たり10枚調製した評価サンプルと基準サンプルの試験布を、それぞれ10枚重ねて対比評価を行った。10人のパネラー(20代女性5人、20代男性5人の計10人)の平均点を求めた。平均点は、0.3点以上が合格であり、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.7以上である。
評価基準:
0…評価サンプルと、基準サンプルの香りの強さが、同等に感じられる。
1…評価サンプルの方が、基準サンプルよりも、香りの強さが強く感じる。
【0084】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)成分、(b)成分及び水を含有し、(b)成分の含有量が0.01〜2質量%であり、(a)成分と(b)成分の質量比が(b)成分/(a)成分=1〜100である噴霧用液体芳香剤組成物。
(a)成分:下記一般式(a1)で表されるケイ酸エステル
【化1】


〔式中、Xは−OH、−R1a、−OR2a又は−OR3aであり、YはX又は−OSi(X)3であり、R1aは炭素数1〜22の炭化水素基、R2aは分子内に炭素数6〜22の炭素原子を有する香料アルコールからヒドロキシ基を1つ除いた残基、R3aは炭素数1〜5の炭化水素基又はベンジル基、nは0〜5の数である。複数個のX及びYはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、一分子中に−OR2aを少なくとも1つ有する。〕
(b)成分:下記一般式(b1)及び(b2)から選ばれるアミンオキシド
【化2】


〔式中、R1bは炭素数8〜16の炭化水素基であり、R2b及びR3bはそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基及び炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、R4bは炭素数2〜3のアルキレン基であり、Zは−CONH−又は−COO−である。〕
【請求項2】
更に(c)成分として、分子内に炭素数8〜10の炭化水素基を2個有する第4級アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤を、(c)成分と(a)成分の質量比で(c)成分/(a)成分=2〜150で含有する、請求項1に記載の噴霧用液体芳香剤組成物。
【請求項3】
前記請求項1又は2記載の噴霧用液体芳香剤組成物を、繊維製品に噴霧し付着させる、繊維製品への香りの賦与方法。

【公開番号】特開2013−43045(P2013−43045A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184639(P2011−184639)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】