説明

噴霧装置

【課題】目的空間に霧を散布することができる噴霧装置であって、かつ、噴霧による液ダレ現象を防ぐことができる技術を提供する。
【解決手段】気流Bと共に霧Mを噴霧できる装置1であって、前記気流Bが放出される風洞部4及び風洞部5と、該風洞部5を構成する排風開口部3の直径範囲内に配設された噴霧ノズル2と、を少なくとも備える噴霧装置1を提供する。とくに、純水又は超純水を噴霧した場合であっても、噴霧ノズル2からのいわゆる液ダレ現象を有効に防止することが可能な噴霧装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の噴霧技術に関する。より詳しくは、霧を気流とともに放出することによって、空間の温度又は/及び湿度を変化させることのできる噴霧装置であって、かつ、噴霧ノズルからの液ダレ現象を防止できる噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を噴霧する技術は、加湿、降温、消臭・脱臭、除菌・殺菌、リラクゼーション等を目的として幅広く用いられている。最近では、駅、公園、商店街、デパートの屋上等の野外に設置され、オープン空間の冷却に効果を発揮している例もある。
【0003】
野外に設置される場合の具体例として、建設現場で用いる噴霧装置が提案されている。具体的には、噴霧装置と送風機を用いて、仮設屋根を設けた建設現場に向かって霧を噴霧することにより、目的とする建設現場の作業空間を降温する噴霧冷却システムと噴霧冷却方法が開示されている(特許文献1)。
【0004】
また、熱交換媒体と冷却流体との間で熱交換を行う熱交換装置であって、冷却流体を噴霧して熱交換媒体との間で熱交換を行う熱交換装置と、それを有する熱交換システムが開示されている(特許文献2)。ここでは、空間を冷却することのみを目的としており、空間の温度及び湿度を調節可能である本発明とはその効果において異なる技術である。
【0005】
霧を噴霧することにより目的空間の環境を調節することが可能な噴霧技術は、従来の空気調和技術に比べてエネルギー効率がよく、かつ、二酸化炭素の排出量が少ないことが知られている。そのため、近年のエネルギー問題及び地球温暖化の問題に対処するために、噴霧技術を用いた新しい空気調和技術が注目されている。
【0006】
【特許文献1】特開2008−127804号公報
【特許文献2】特開2008−089291号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の噴霧技術は、主に水道水を噴霧するための技術として開発されているが、目的の空間によっては、純水又は超純水、滅菌水等を噴霧することが求められている。例えば、高い空気清浄度の確保が必要である医療施設や、精密機械の製造工場、クリーンルーム等、環境条件が厳しく要求される空間において、純水及び超純水等を噴霧するときに適する噴霧技術が求められている。
【0008】
しかしながら、従来一般の噴霧装置では、噴霧ノズルの噴霧口周辺に霧が液滴化して、下方に落下する、いわゆる液ダレ現象が発生するため、室内、とりわけ上記のような厳格な環境条件が設定される空間に純水及び超純水を噴霧する場合には、室内の床面や機器類を濡らしてしまうという問題が生じる。
【0009】
そこで、本発明は、噴霧した霧を気流とともに放出することによって、空間の温度又は/及び湿度を変化させることのできる噴霧装置であって、かつ、純水又は超純水等の液体を噴霧ノズルから噴霧した場合にも液ダレ現象を防止できる噴霧装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、液体として純水又は超純水を用いた場合に形成される霧が噴霧ノズル周辺を濡らし、それが結果的に液滴となって落下する、いわゆる「液ダレ現象」の防止技術について鋭意研究した。その研究の結果、噴霧ノズルから放出された霧の一部が放出直後に噴霧装置の方へ逆流する現象(以下、「霧の戻り現象」という。)が観察された。この霧の戻り現象は、噴霧帯電(噴出帯電)が主な原因であることが予想された。噴霧帯電は、微小な液滴である霧が帯電することをいい、比較的大きなものは正極に帯電し、小さなものは負極に帯電し、霧状化する水に不純物が混在しないほど噴霧帯電が強く生じる。実際に液ダレが発生している最中に噴霧ノズル周辺の電圧を測定すると、数ボルトの電圧が発生していることがわかった。つまり、霧を噴霧する場合に生じる霧の戻り現象は、噴霧時に帯電した霧が、噴霧時に噴霧ノズル周辺に生じた電圧に反応して、噴霧ノズル方向へ引き寄せられることよって発生するものと推測された。
上記研究成果を踏まえ、本発明では、純粋又は超純水を用いた場合に顕著に現れる霧の戻り現象を有効に防ぐことが可能な噴霧技術を提供する。より具体的には、気流と共に霧を噴霧できる装置であって、前記気流が放出される風洞部と、該風洞部を構成する排風開口部の直径範囲内に配設された噴霧ノズルと、を少なくとも備える噴霧装置を提供する。本噴霧装置では、気流の通り道となる排風開口部の直径範囲内に噴霧ノズルを配設しておくことによって、該気流の作用によって、噴霧ノズルから噴出された霧を前方に吹き飛ばして、「霧の戻り」が起こらないようにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、加圧した液体を室内空間に噴霧することができる噴霧装置であって、液体として純水又は及び超純水等を噴霧する場合にも液ダレ現象を防止することができる噴霧技術を提供することができる。
【0012】
より具体的には、噴霧した霧の一部が、噴霧方向とは逆方向に戻る前に目的空間に向かって拡散させることができる技術を提供する。これにより、噴霧ノズル周辺に液滴が生じることを防ぐことができる。特に、これまで液ダレが発生し易かった純度の極めて高い純水、超純水などの液体を噴霧する場合でも、本噴霧装置を用いることにより、液ダレを有効に防止することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る噴霧装置及び液ダレ現象防止技術について説明する。なお、添付図面に示された各実施形態は、本発明に係わる代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0014】
本発明では、噴霧ノズルから、純水又は超純水を噴霧した場合に生じる液ダレを防止するために、風洞部の前端部に位置する気流放出口(以下、「排風開口部」)の直径範囲内に噴霧ノズルを配設する構成を採用した。以下に、その詳細を説明する。
【0015】
まず、図1は、本発明に係る噴霧装置の一実施形態例の外観側面図である。
【0016】
図1中において符号1で示された噴霧装置(以下、単に「装置」)は、該装置1の前方側に配置された複数の噴霧ノズル(噴霧手段)2,2,2・・からそれぞれ霧Mを噴出することによって、目的空間の温度又は湿度等を変化させるために用いられる。
【0017】
本装置1を使用して空間の温度又は湿度を変化させる目的は特に限定されない。該目的について例示をすれば、比較的広い室内空間の温度を効率的に低下させる目的、恒温状態を維持することが必要不可欠な施設(病院、研究所等)内の温度環境を整える目的、開閉の多い建物のロビーや駅構内等の温度を調節する目的などさまざまである。
【0018】
ここで、本装置1は、所定の目的空間に向けて微小な霧Mを噴き出すための噴霧ノズル2と、該噴霧ノズル2から噴き出された霧Mを周辺に拡散し得る気流Bを形成するために気流形成手段と、を少なくとも備えている。
【0019】
まず、噴霧ノズル2は、前記気流Bの排風開口部の直径範囲内に、所定の間隔で配設しておくようにし、これによって気流Bによる霧Mの拡散等を効果的に行うようにする。なお、図1における符号3は、装置1全面の中央に開口する前記排風開口部を示している。
【0020】
噴霧ノズル2,2,2・・の数は、特に限定されず、目的、用途、空間のサイズ、設置環境などに応じて、適宜選択すればよい。図1では、便宜上、四つの噴霧ノズルが配置された例が示されている。
【0021】
また、噴霧ノズル2の種類、材質、構造などについても特に限定されない。例えば、一流体ノズルでもあっても、二流体ノズルであってもよい。なお、図1では、噴霧ノズル2として、図示しないプランジャーポンプ等により加圧された高圧水Wを噴き出す一流体ノズルが採用された実施形態の一例が示されている。
【0022】
各噴霧ノズル2から噴出される霧Mは、微小な水滴の集合とも言えるが、該水滴の平均粒径を制御することは、本発明においても重要な技術要素である。その理由は、前記平均粒径が大きいと、蒸発(気化)に時間がかかって温度又は湿度が変化する効率が悪くなるばかりか、霧Mの拡散範囲も狭まって範囲が制限されてしまう。さらに、前記平均粒径が大きいと、霧Mが蒸発しきれずに残り、床、壁面、家具、機器類などの表面を濡らしてしまう可能性が高まり、好ましくないからである。そこで、本装置1では、上記理由から、霧Mを構成する水滴の平均粒径を、数十ミクロン以下、より好適には数ミクロンレベルに制御するのが望ましい。
【0023】
各噴霧ノズル2に供給される水(液体)Wについては、水道水でもよいが、用途に応じて、殺菌水、精製水、硬水、軟水、純水、超純水などを自由に使用することができる。特に、純水や超純水を使用すると、高度な衛生又は清浄な環境を維持しながら降温又は加湿をすることができる。
【0024】
ここで「純水」とは、水から物理的又は化学的な処理によって不純物を除去した純度の高い水のことをさす。不純物とは、カルシウム、炭酸ガスなどイオンの状態で溶解している塩類、残留塩素等をさす。ここでいう「純水」は、脱イオン水、蒸留水等と同義である。
【0025】
ここでいう「超純水」とは、産業界において用いられる用語で、不純物を含まない極めて純度の高い水のことをさす。ここでいう不純物とは、純水を定義するときよりも厳格に規定され、純水の製造では対象外だった不溶性粒子、気体、微生物等を含んでいる。ここでいう「超純水」には、ミリQ等を含む。
【0026】
純水又は超純水を液体Wとして噴霧ノズル2から噴霧した場合、水道水を液体Wとして噴霧した場合とに比べて、明らかに液ダレが生じ易いことが分かっている。そこで、この液ダレを防止するために、本発明は気流を有効に活用する。
【0027】
本発明における気流形成手段は、装置1内に導入された空気Aから目的空間に向かって送り出される空気流を形成する気流形成部Fと、該気流形成部Fを構成するファンを駆動するモーター6と、から少なくとも構成されている。
【0028】
装置1の周辺に存在する空気Aを、気流形成部Fによって形成される負圧作用によって、装置1の後方側に配置された風洞部4内へ取り込み(引き込み)、続いて、風洞部4内へ取り込んだ該空気Aを気流形成部Fへ送り込んで装置前方(噴霧ノズル2側)に向かって流れる気流Bを形成する。なお、気流形成部Fの具体的な気流形成手段は、特に狭く限定されないが、一例を挙げれば、軸流ファン、シロッコファンなどを採用することが可能である。
【0029】
気流Bは、気流形成部Fの前方側に位置する風洞部5を通過して、さらにその前方に開口する排風開口部3から放出される。このとき、気流Bの放出と同時に、排風開口部3の周辺に配設された噴霧ノズル2,2,2・・・・群からは、微小な霧Mを噴出することができる(図1参照)。
【0030】
この気流Bの作用によって、排風開口部3の直径範囲内に配置された各噴霧ノズル2,2・・・から噴出された霧Mは、速やかに周辺に拡散する。また、この気流Bの作用によって、噴霧ノズル2の方向へ霧Mが戻る現象(霧の戻り現象)を抑制することもできる。つまり、気流Bは、一旦噴出された霧Mを噴霧ノズル2側に戻らせることないように、装置1の前方へ吹き飛ばすことができる。
【0031】
ここで、本装置1に設けられている風洞部4、5は、消音機能を発揮するように工夫された外壁構造を持つ構成が好適である。本装置1は、例えば、病院や福祉施設などの室内に設定することも想定しているので、気流によって生じる音を低減することが望ましいからである。消音機能を発揮せしめる外壁構造については、特に限定されないが、例えば、ホルムヘルツ共鳴原理を利用し得る構造などを採用できる。
【0032】
その他、図1に示された符号について説明すると、符号7は、装置1の角度を調整するためのレバーであり、符号8は、水圧や風力を調整するための制御部(電源BOXを含む。)及びスイッチ等の操作部である。
【0033】
前記レバー部7によって調節される噴霧角度は、特に限定されるものではないが、地面に対して水平方向を0度とした場合に、少なくとも0度〜60度上方を含むものとする。
【0034】
噴霧される液体Wは、装置1の前方側に配設された各噴霧ノズル2に向けて加圧・送液されることで、各噴霧ノズル2からそれぞれ微細な霧Mとなって噴出される。ここで、高圧水を形成するポンプ群は、その材質、数等特に限定されることはなく、噴霧装置1と高圧水を形成するポンプ群を一体化することも可能である。
【0035】
ここで、液体Wを各噴霧ノズル2,2,2・・・へ送り込む配管構成については、特に狭く限定されないが、気流Bの流れを損なわない(妨げない)配管構成が特に好ましい。一例を挙げると、図2に示すような配管構成を好適に採用し得る。なお、図2は、装置1の排風開口部3を前方正面からみた図である。
【0036】
図2中の符号9は、風洞部5のより後方に位置する高圧ポンプによって送り出されてきた所定の液体Wが通過する送液路を示しており、この送液路9は、略円筒形をなす風洞部5の中心位置に、前後方向にわたって延設されている。また、図2中の符号10は、前記送液路9から前方視、放射状を呈する分岐送液路であり、本実施形態では、計6本の分岐送液路10が計6個のノズル2にそれぞれ連結された構成となっている。
【0037】
図2中の符号11は、分岐送液路10,10間に形成される中空部(空間)を示している。本実施形態例では、風洞部5を前方側から視ると、中空部11が計6箇所観察される(図2再参照)。この空洞部11を通過して気流Bは、風洞部5の後方側から排風開口部3へ至り、さらに外部へ吹き出されていく。
【0038】
このように、図2に示すような分岐された送液路構成を採用すれば、風洞部5の排風開口部3の直径範囲内に噴霧ノズル2等を配設した場合であっても、気流Bの流れを極端に損なうこと(妨げること)なく、排風開口部3から円滑に放出することが可能となる。
【0039】
図3は、本発明に係る排風開口部3近傍における噴霧ノズル2の配置構成に係わる実施形態例を二つ示す図である。
【0040】
まず、図3(a)は、噴霧ノズル2の噴き出し口21が、排風開口部3の前端よりもやや前方に位置し、かつ、排風開口部3の直径(即ち、内口径R、図2も参照)範囲内に配置された実施形態例を示している。
【0041】
この図3(a)における符号Cは、排風開口部3を底円として、排風開口部3の前方に形成され得る円柱状の空間を示している。本発明において、噴霧ノズル2が排風開口部3の直径R範囲内に配置される構成とは、噴霧ノズル2がこの円柱状の空間Cの領域内に配置される構成も含む。
【0042】
この図3(a)に示すよう噴霧ノズル2の配置構成を採用すると、目的空間に対して効率よく霧Mを拡散することができるとともに、気流Bの作用によって、霧Mを前方に吹き飛ばし、霧Mの戻り現象を効果的に防止することができる。また、このような噴霧ノズル2の配置構成では、噴霧ノズル2が、排風開口部3の前方に突出した状態になるから、噴霧ノズル2に何らかの不具合が生じた場合に、交換、修理等がし易いという利点もある。
【0043】
次に、図3(b)には、本発明における噴霧ノズル2の配置構成に係わる第2の実施形態例が示されている。この実施形態例では、噴霧ノズル2の噴き出し口21が、排風開口部3の前端部より後方に位置し、風洞部5内部に収まって配設されている。
【0044】
このような噴霧ノズル2の配置形態であっても、該噴霧ノズル2から噴き出された霧Mは、後方からの気流Bによって風洞部5内から装置1の前方へ吹き飛ばされ、目的空間に対して効率よく拡散されるとともに、霧の戻り現象を効果的に抑制し、液ダレ現象を有効に防止することができる。
【0045】
また、図3(b)に示された実施形態例を採用すれば、万が一、何らかの原因により、前記噴霧ノズル2からの液ダレが生じた場合でも、風洞部5の内側(壁面等)に水滴(液滴)を受け止めて、床面等に対する液ダレを物理的に防止することが可能である。例えば、前記風洞部5を構成する内壁面の最下方位置に適当なサイズの溝(図示せず。)を設けておくと、この溝を通流させて、噴霧ノズル2から液ダレしてきた液体Wを所定箇所に回収することも可能である。
【0046】
ここで、本装置1では、各噴霧ノズル2を排風開口部3の近傍に配置しておくのがより望ましい。つまり、噴霧ノズル2及び吹き出し口21の配置位置は、風洞部5内部空間及び円柱状の空間C(図3(a)参照)に至る範囲内、即ち、排風開口部3の直径範囲内にあるだけでなく、より好適には、排風開口部3に近接した位置を選択することが望ましい。
【0047】
この観点において、図3(a)や図3(b)に示すような実施形態例に加え、噴霧ノズル2の噴き出し口21が排風開口部3の前端面と一致するような配置構成を採用することも可能である。
【0048】
図4には、本発明に係る装置1の排風開口部3及び風洞部5に関するその他の実施形態例を示す図である。
【0049】
図4に示した符号51は、風洞部5の内壁を示している。図4では、風洞部内壁51の内径が、風洞部5の後方から排風開口部3にかけてより小さくなるような構造(以下、「先細空洞構造」と称する。)が示されている。
【0050】
前述のように、流体の流速は、断面積が一定である場合には一定となる。しかし、図4に示したような、先細空洞構造を採用した場合では、風洞部5の内径よりも排風開口部3の内径が小さくなることから(図4においてr1>r2)、気流Bの流速(風速)が排風開口部3近傍において高まるという効果を得ることが可能となる。この先細空洞構造による風速増強効果を利用すれば、噴霧ノズル周辺における風速をより高めることができるので、噴霧ノズル2から噴き出された霧Mが該噴霧ノズル2側に戻ってしまう現象、ひいては液ダレ現象をより有効に防止することができる。
【0051】
本噴霧装置1を用いることにより、液体Wが純水又は超純水であっても、全ての霧Mを噴霧方向(装置1前方)へと放出することが可能であり、霧Mの集合体が、噴霧ノズル2を濡らすことによって生じる液滴を防ぎ、その結果、噴霧ノズル2からの液ダレを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係る噴霧装置を用いることにより、液体を加圧することにより生じる霧を効率的に噴霧し、目的の空間へ拡散させることが可能である。具体的には、オフィス、オフィスロビー、駅構内、空港内、イベント会場、コンサートホール、病院、研究所等の比較的広い室内空間の温度又は/及び湿度を目的に応じて変化させることができる。当該噴霧装置は、微小な霧を気流にのせて噴霧させることができ、室内に設置した場合にも水滴を生じない工夫がされており、室内を濡らすことなく、霧を噴霧させることができる技術として有効利用できる。
【0053】
また、本発明における噴霧装置は、純水及び超純水等の水質の水に関しても水道水と同様に噴霧することが可能であり、液ダレ現象を防止できる。このため、本噴霧装置は、従来型の噴霧装置では設置が難しかった、室内空間(例えば、クリーンルーム等)に設置することも可能となる。
【0054】
さらに、本装置は、地球温暖化等の環境問題の改善が求められる現在、二酸化炭素排出量を削減できる噴霧手段として、新しい室内空気調和設備として利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る噴霧装置の実施形態例の外観簡略図である。
【図2】本噴霧装置の風洞部前方に位置する排風開口部を前方からみた正面図である。
【図3】本発明に係る噴霧装置の噴霧ノズルの配置構成に係わる実施形態例を二つ示す概念図である。
【図4】本発明に係る装置の排風開口部及び風洞部に関するその他の実施形態例を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1 噴霧装置(略、装置)
2 噴霧ノズル
3 排風開口部
4、5 風洞部
21 (噴霧ノズル2の)噴き出し口
51 (風洞部5の)内壁
B 気流
M 霧
W 液体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流と共に霧を噴霧できる装置であって、
前記気流が放出される風洞部と、
前記風洞部を構成する排風開口部の直径範囲内に配設された噴霧ノズルと、
を少なくとも備える噴霧装置。
【請求項2】
前記噴霧ノズルから、純水又は超純水を噴霧することを特徴とする請求項1記載の噴霧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−63960(P2010−63960A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230721(P2008−230721)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000240293)
【Fターム(参考)】