説明

噴霧試験用ミストマイザー

【課題】本発明は、噴霧試験に用いるミストマイザーの構成を簡略化すること、噴霧用ミストマイザーの使い勝手を向上させること、噴霧用ミストマイザーの噴霧性能を向上させることなどを目的としている。
【解決手段】このため、噴霧試験に用いるミストマイザーにおいて、ミストマイザーの本体となるケーシングを設け、ケーシング内に圧縮された空気を導く風路を設け、ケーシングの風路下流端に噴出口を設け、噴出口に指向するようにケーシングに装着した液管を設け、風路下流側の内周面と液管の外周面との間に空気流路を現出させ、空気流路によって液管の出口部位の液ノズルを包囲するとともに、風路下流側の内周面と液管の外周面とには空気流路内の空気の整流を行う案内溝手段を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は噴霧試験に用いるミストマイザーに係り、特にミストマイザーの構成を簡略化し、ミストマイザーの調整などの使い勝手の向上を図るとともに、ミストマイザーの噴霧を整流し、かつ直進性を良好として噴霧性能の向上をも図るミストマイザーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ミストマイザーは、液体を霧状に噴霧する機能を有するものであり、例えば、塩水噴霧試験などに使用される。
また、前記ミストマイザーにおいては、流体力学の効果の1つであるベンチュリ効果を利用しているものがある。
このベンチュリ効果とは、流体の流れの断面積を狭めて流速を増加させ、圧力が低い部分が作り出される現象を指し、流量を一定にした場合のベルヌーイの定理から導き出される。
そして、このベンチュリ効果は、上記のミストマイザーのみでなく、流量測定用のベンチュリメータや車両のエンジンのキャブレターなどにも応用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−224592号公報
【特許文献2】特開2003−175344号公報
【特許文献3】特開2008−76051号公報
【特許文献4】特開2009−279548号公報
【非特許文献1】JIS Z 2371
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のミストマイザーにおいては、図5に示す如く、圧縮された空気を噴出する空気ノズル101と液管の液ノズル102とを直交する状態に配置したものがある。
この場合、前記空気ノズル101による噴霧の中心Cが前記液ノズル102の影響を受けることとなり、図5に示す如く、空気ノズル101の噴霧の中心Cが液ノズル102側に傾いてしまうため、直進性が保てず噴霧採取量分布の調整時に手間取ってしまい、使い勝手が悪いという不都合がある。
また、前記空気ノズル101と前記液ノズル102とを直交する状態に配置する構成においては、空気ノズル101と液ノズル102との相対位置で噴霧量や噴霧方向が決定されてしまうため、噴霧の直進性を出すためには寸法精度の細かな非常に難しい取付作業を必要とするという不都合がある。
更に、前記空気ノズル101や前記液ノズル102は、一般的にガラス製材料によって形成されることとなるため、ガラス加工技師の技量に空気ノズル101や液ノズル102からの噴出性能が左右されてしまい、空気ノズル101や液ノズル102の量産化が困難であるという不都合がある。
【0005】
また、特許文献1や特許文献2に開示されるノズルにおいては、上流側から下流側へと流れる空気の流れに回転が付与されて噴霧が回転流となる。
【0006】
非特許文献1に開示される噴霧試験では、噴霧は自由落下を原則とすると記載しているが、噴霧が回転流であると、噴霧塔などを用いた場合であっても、噴霧は自由落下しないという不都合がある。
【0007】
また、噴霧が回転流であると試験槽内で乱流状態となり、噴霧が噴霧試験機の試験槽内の全体に行き渡らなくなってしまうという不都合がある。
【0008】
しかも、特許文献1や特許文献2に開示されるノズルでは噴霧試験で用いるために上向きもしくは横向きに使用した場合においては、噴出口近傍のケーシング上に液体が溜まってしまう構造となっている。
この結果、噴出口近傍に溜まった液体が再度吹き上げられてしまうため、再度吹き上げられた液体はミストマイザーの液ノズルから出た噴霧に混入し、噴霧分布にばらつきが生じる原因となり、噴霧試験の再現性が悪化するという不都合がある。
【0009】
更に、特許文献3に開示される従来のミストマイザーにおいては、液管の途中部位から斜め前方に向かってエア管が合流し、液体を噴霧するものもある。
しかし、エア管が液管の途中部位から斜め前方に向かって合流するため、エアの流れが均一となっておらず、均一な液体の噴霧を行うことができないという不都合がある。
【0010】
更にまた、噴出口近傍に液体が溜まることを解消するために、噴出口の端面を内側に傾斜するように切除した方策も考えられる。
しかし、噴出口の端面を内側に傾斜するように切除すると、噴出口から液体が噴霧される際に、過度の噴霧が拡散してしまうという不都合があり、改善が望まれていた。
【0011】
この発明の目的は、ミストマイザーの構成を簡略化すること、ミストマイザーの使い勝手を向上させること、ミストマイザーの噴霧を整流し、かつ直進性を良好として噴霧性能を向上させることなどある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、噴霧試験に用いるミストマイザーにおいて、このミストマイザーの本体となるケーシングを設け、このケーシング内に圧縮された空気を導く風路を設け、前記ケーシングの風路下流端に噴出口を設け、この噴出口に指向するように前記ケーシングに装着した液管を設け、前記風路下流側の内周面と前記液管の外周面との間に空気流路を現出させ、この空気流路によって前記液管の出口部位の液ノズルを包囲するとともに、前記風路下流側の内周面と前記液管の外周面とには前記空気流路内の空気の整流を行う案内溝手段を設けたことを特徴とする。
また、前記案内溝手段は、前記風路下流側の内周面に上流側から下流側に指向するように形成される第1溝部と、前記液管の外周面に上流側から下流側に指向するように形成される第2溝部とからなることを特徴とする。
更に、前記ケーシングの上面に形成した前記噴出口においては、下流側端部を上方向に突出させた水切り部を備え、この水切り部は、下流側端部を上方向に突出させた水切り用高さを有するとともに、この突出部位を麓部から頂部に向かって漸次径寸法を減少させた水切り用幅を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上詳細に説明した如くこの発明によれば、噴霧試験用ミストマイザーにおいて、ミストマイザーの本体となるケーシングを設け、ケーシング内に圧縮された空気を導く風路を設け、ケーシングの風路下流端に噴出口を設け、噴出口に指向するようにケーシングに装着した液管を設け、風路下流側の内周面と液管の外周面との間に空気流路を現出させ、空気流路によって液管の出口部位の液ノズルを包囲するとともに、風路下流側の内周面と液管の外周面とには空気流路内の空気の整流を行う案内溝手段を設けた。
【0014】
従って、前記ミストマイザーの構成を簡略化することができ、ミストマイザーの製作が容易となってコストを低減し得て、経済的に有利である。
また、前記ミストマイザーの構成の簡略化に伴って、熟練を要さずとも、液ノズルを上下動させるだけの簡単な調整作業でミストマイザーの噴霧量調整を容易に行うことができ、ミストマイザーの使い勝手を向上し得る。
【0015】
更に、前記ミストマイザーの空気流路によって液管の出口部位の液ノズルを包囲する構成によって、圧縮された空気が液ノズルの中心を包み込むように流れることとなり、噴霧の流れが液ノズルと同軸の中心を持って噴霧の直進性を増加させることにより、ミストマイザーの噴霧性能を向上させることができ、より均一な噴霧が可能となり、例えば噴霧試験を行った際には、噴霧試験の安定性を増加させることができる。
【0016】
更にまた、前記風路下流側の内周面と液管の外周面とに設けた前記案内溝手段によって、空気流路内の空気を整流にすることができ、噴霧試験における噴霧試験機の試験槽内の噴霧採取量分布をより均一とし得るものである。
【0017】
そして、ミストマイザーの噴霧が整流となり、かつ直進性が良好となることによって、噴霧試験において噴霧が試験槽内を移動して試料片に自由落下し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1はミストマイザーの案内溝手段の一部切欠き拡大組立斜視図である。(実施例)
【図2】図2はミストマイザーの概略断面図である。(実施例)
【図3】図3はミストマイザーの空気流路部分の要部拡大断面図である。(実施例)
【図4】図4はこの発明の第2実施例を示すミストマイザーを噴霧試験機による噴霧試験時に噴霧塔内に設置した状態の概略説明図である。(実施例)
【図5】図5はこの発明の従来技術を示す圧縮された空気を噴出する空気ノズルと液管の液ノズルとを直交する状態に配置したミストマイザーの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
図1〜図3はこの発明のミストマイザーの構造を示すものである。
図2において、1はミストマイザーである。
このミストマイザー1は、ベンチュリ効果を利用して液体を噴霧するものである。
このとき、前記ミストマイザー1は、このミストマイザー1の本体となるケーシング2を設け、このケーシング2内に圧縮された空気を導く風路3を設け、前記ケーシング2の風路3下流端に噴出口4を設けている。
また、この噴出口4に指向するように前記ケーシング2に装着した液管5を設け、前記風路3下流側の内周面3bと前記液管5の外周面5aとの間に空気流路6を現出させ、この空気流路6によって前記液管5の出口部位の液ノズル7を包囲する。
【0021】
詳述すれば、前記ミストマイザー1は、図2に示す如く、金属製や合成樹脂製などの材料によって形成される前記ケーシング2を有している。
そして、このケーシング2の内部に圧縮された空気を導く風路3を形成する。
この風路3は、上流側端部となる空気入口9を図2のケーシング2の左側部位に形成するとともに、下流側端部となる前記噴出口4を図2のケーシング2の上面2tに形成している。
このとき、前記風路3は、図2及び図3に示す如く、空気入口9に連絡する第1風路3−1と、この第1風路3−1の下流端、かつ前記噴出口4の下方において拡張する拡張室として機能する大なる容積を有する第2風路3−2と、この第2風路3−2の上部において前記噴出口4に向かって漸次開口径の減少する逆テーパ形状の第3風路3−3と、この第3風路3−3から前記第1風路3−1よりも小径かつ均一径を有し、前記噴出口4に連絡する第4風路3−4とを備えている。
【0022】
また、前記ミストマイザー1は、図2に示す如く、前記ケーシング2の上面2tに形成した前記噴出口4に指向するように、つまり下方向から上方向に向かってケーシング2に前記液管5を装着する。
このとき、この液管5は、図2に示す如く、前記ケーシング2に挿入した際に、上下2段のOリング10、11を介して密封するとともに、ケーシング2の右側から挿入する止めビス12によって固定する。
なお、この止めビス12は、緩めて固定を解除することよって、前記液管5の液ノズル7の高さ位置を調整することが可能である。
そして、前記風路3下流側の内周面3bと前記液管5の外周面5aとの間に、前記液管5の出口部位の液ノズル7を包囲するように前記空気流路6を現出させる。
この空気流路6は、逆テーパ形状の第3風路3−3と液管5の逆テーパ形状の外周面5aとによって漸次流路面積が減少するように現出される第1空気流路6−1と、この第1空気流路6−1の下流側に位置し、前記第4風路3−4と液管5の出口部位の液ノズル7とによって現出される第2空気流路6−2とを備える。
【0023】
更に、前記風路3下流側の内周面3bと前記液管5の外周面5aとには、前記空気流路6の第2空気流路6−2内の空気の整流を行う前記案内溝手段8を設ける。
この案内溝手段8は、図1に示す如く、前記風路3下流側の内周面3bに上流側から下流側に指向するように形成される第1溝部13と、前記液管5の外周面5aに上流側から下流側に指向するように形成される第2溝部14とからなる。
このとき、これらの第1及び第2溝部13、14は、図1に示す如く、前記第2空気流路6−2の流れ方向に沿って上流側から下流側に向かって直線状に形成する。
また、前記案内溝手段8の第1及び第2溝部13、14の形成に際しては、空気の流れ方向、つまり上流側から下流側に向かって同一溝幅とする方策や、空気の流速を増加させるために、上流側から下流側に向かって溝幅を漸次減少させる方策などを採用することが可能である。
【0024】
前記ケーシング2の上面2tに形成した前記噴出口4においては、図3に示す如く、下流側端部を上方向に突出させた水切り部15を備えている。
この水切り部15は、下流側端部を上方向に突出させた水切り用高さhを有するとともに、この突出部位を麓部から頂部に向かって漸次径寸法を減少させた水切り用幅wを有している。
【0025】
次に作用を説明する。
【0026】
前記ミストマイザー1のケーシング2内の風路3に圧縮された空気が空気入口9から導入されると、この空気入口9に連絡する風路3の第1風路3−1を介して、空気が風路3の第2風路3−2に流入する。
このとき、この第2風路3−2は、拡張室として機能する大なる容積を有しているため、空気の流速は一旦減少する。
そして、この第2風路3−2内の空気は、逆テーパ形状の第3風路3−3を経て、第4風路3−4から前記ケーシング2の外部に吐出される。
【0027】
また、上述の第3風路3−3を通過する空気においては、前記風路3下流側の内周面3bと前記液管5の外周面5aとの間に現出させた前記空気流路6を通過するため、逆テーパ形状の第3風路3−3と液管5の逆テーパ形状の外周面5aとによって漸次流路面積が減少するように現出される第1空気流路6−1によって空気の流速が増加する。
そして、流速の増加した空気は、第1空気流路6−1から前記第4風路3−4と液管5の出口部位の液ノズル7とによって現出される第2空気流路6−2を経て、前記ケーシング2の外部に吐出される。
このとき、前記空気流路6の第2空気流路6−2が前記液管5の出口部位の液ノズル7を包囲しているため、流速の増加した空気のベンチュリ効果によって、前記液管5内の液体が液ノズル7を介して吸い上げられ、前記噴出口4からの噴霧が行われる。
【0028】
更に、前記風路3下流側の内周面3bと前記液管5の外周面5aとの間に、前記風路3下流側の内周面3bに上流側から下流側に指向するように形成される第1溝部13と、前記液管5の外周面5aに上流側から下流側に指向するように形成される第2溝部14とからなる前記案内溝手段8を設けたことによって、この案内溝手段8の第1、第2溝部13、14によって通過する空気を上流側から下流側へと確実に案内し、空気を整流にする。
【0029】
更にまた、下流側端部を上方向に突出させた水切り用高さhと突出部位を麓部から頂部に向かって漸次径寸法を減少させた水切り用幅wとを有する前記水切り部15を、前記ケーシング2の上面2tに形成した前記噴出口4に設けたことによって、前記水切り部15が噴出口4近傍の液体を水切り用高さhと水切り用幅wとを利用して噴出口4の麓部側に離間させ、噴出口4近傍の液体が再度吹き上げられることを阻止し、均一、かつ微細な噴霧の実現に寄与している。
【0030】
これにより、液体を噴霧する前記ミストマイザー1において、このミストマイザー1の本体となるケーシング2を設け、このケーシング2内に圧縮された空気を導く風路3を設け、前記ケーシング2の風路3下流端に噴出口4を設け、この噴出口4に指向するように前記ケーシング2に装着した液管5を設け、前記風路3下流側の内周面3bと前記液管5の外周面5aとの間に空気流路6を現出させ、この空気流路6によって前記液管5の出口部位の液ノズル7を包囲するとともに、前記風路3下流側の内周面3bと前記液管5の外周面5aとには前記空気流路6内の空気の整流を行う案内溝手段8を設けた。
従って、前記ミストマイザー1の構成を簡略化することができ、ミストマイザー1の製作が容易となってコストを低減し得て、経済的に有利である。
【0031】
また、前記ミストマイザー1の構成の簡略化に伴って、熟練を要さずとも、前記止めビス12による固定を解除して液ノズル7を上下動させるだけの簡単な調整作業でミストマイザー1の噴霧量調整を容易に行うことができ、ミストマイザー1の使い勝手を向上し得る。
【0032】
また、前記ミストマイザー1の空気流路6によって液管5の出口部位の液ノズル7を包囲する構成によって、圧縮された空気が液ノズル7の中心を包み込むように流れることとなり、噴霧の流れが液ノズル7と同軸の中心を持って噴霧の直進性を増加させることができる。
【0033】
また、前記風路3下流側の内周面3bと液管5の外周面5aとに設けた前記案内溝手段8によって、空気流路6内の空気を整流にすることができる。
【0034】
これにより、整流した直進性のある噴霧を行うことができるので、ミストマイザー1の噴霧性能を向上させることができ、より均一な噴霧が可能となり、例えば噴霧試験を行った際には、噴霧試験の安定性を増加させることができる。更に、噴霧試験における噴霧試験機の試験槽内の噴霧採取量分布をより均一とし得るものである。
【0035】
また、前記案内溝手段8は、前記風路3下流側の内周面3bに上流側から下流側に指向するように形成される第1溝部13と、前記液管5の外周面5aに上流側から下流側に指向するように形成される第2溝部14とからなる。
従って、前記案内溝手段8を設けたことによって、この案内溝手段8の第1、第2溝部13、14によって通過する空気を確実に案内し、空気を整流し噴霧の直進性を良好とすることができる。
【0036】
更に、前記ミストマイザー1の噴出口4に水切り部15を設けたことにより、噴出口4付近に液体が付着することがなく、液体が再度吹き上げられてしまうという不具合を確実に解消し得る。
【0037】
前記ミストマイザー1は、塩水などの液体を試験片に噴霧して試験する噴霧試験機に用いる。
以下に噴霧試験の実施の形態の一例を示す。図4はミストマイザーを噴霧塔内に設置した状態を示すものである。
【0038】
ミストマイザー1は噴霧塔21内に設置され、噴霧塔21下部の溶液溜23から液体を吸い上げて噴霧塔21上部から試験槽内全体に液体を噴霧する。試験槽内に設置された試験片には例えば自動車や建築材等の金属材料やメッキ、塗膜、プラスチック等が挙げられる。試験槽内中央に噴霧塔21を配し、槽内の試験片保持器に試験片を並べ、一定の条件で噴霧塔21から液体を槽内全体に噴霧させ、噴霧が均一に試験片に降り注ぐようにして試験を行う。
【0039】
すなわち、噴霧塔21は、図4に示す如く、溶液溜23と、この溶液溜23の上面に立設する筒体22とからなる。
そして、溶液溜23上面、かつ前記筒体22内に前記ミストマイザー1のケーシング2を設置し、このケーシング2から溶液溜23内に液導入管5を垂下させている。
このとき、溶液溜23の内部には、噴霧されるための液体が貯留される。
また、筒体22は、図4に示す如く、溶液溜23上面から上方向に延びている。
そして、ミストマイザー1のケーシング2の風路には圧縮された空気を供給する空気導入管24を接続する。
更に、前記筒体22の最高高さ位置においては、図4に示す如く、噴霧量を調整し、噴霧を所定方向に案内する噴霧量調整器26を取り付けている。
【0040】
さすれば、前記ミストマイザー1を噴霧塔21に取り付けて噴霧試験を行うことができ、整流した直進性のある噴霧を行うミストマイザー1の噴霧性能によって、より均一な噴霧を行って噴霧試験の安定性を増加させることができる。
また、噴霧試験における試験槽内の噴霧採取量分布をより均一とし得るものである。
【符号の説明】
【0041】
1 噴霧用ミストマイザー
2 ケーシング
2t 上面
3 風路
3b 内周面
3−1 第1風路
3−2 第2風路
3−3 第3風路
3−4 第4風路
4 噴出口
5 液管
5a 外周面
6 空気流路
6−1 第1空気流路
6−2 第2空気流路
7 液ノズル
8 案内溝手段
9 空気入口
10、11 2段のOリング
12 止めビス
13 第1溝部
14 第2溝部
15 水切り部
h 水切り用高さ
w 水切り用幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧試験に用いるミストマイザーにおいて、このミストマイザーの本体となるケーシングを設け、このケーシング内に圧縮された空気を導く風路を設け、前記ケーシングの風路下流端に噴出口を設け、この噴出口に指向するように前記ケーシングに装着した液管を設け、前記風路下流側の内周面と前記液管の外周面との間に空気流路を現出させ、この空気流路によって前記液管の出口部位の液ノズルを包囲するとともに、前記風路下流側の内周面と前記液管の外周面とには前記空気流路内の空気の整流を行う案内溝手段を設けたことを特徴とする噴霧試験用ミストマイザー。
【請求項2】
前記案内溝手段は、前記風路下流側の内周面に上流側から下流側に指向するように形成される第1溝部と、前記液管の外周面に上流側から下流側に指向するように形成される第2溝部とからなることを特徴とする請求項1に記載の噴霧試験用ミストマイザー。
【請求項3】
前記ケーシングの上面に形成した前記噴出口においては、下流側端部を上方向に突出させた水切り部を備え、この水切り部は、下流側端部を上方向に突出させた水切り用高さを有するとともに、この突出部位を麓部から頂部に向かって漸次径寸法を減少させた水切り用幅を有することを特徴とする請求項1に記載の噴霧試験用ミストマイザー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−196893(P2011−196893A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65551(P2010−65551)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000107583)スガ試験機株式会社 (28)
【Fターム(参考)】