説明

四環系キナーゼ阻害剤

本発明は例えば悪性腫瘍における治療剤として有用な新規のキナーゼ阻害剤を提供し、ここで、その化合物は一般式(I):


を有し、X、Y、Z、R、R、R、R、R、及びnは明細書に記載された通りである。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(発明の分野)
本発明は哺乳動物の治療及び/又は予防に有用な有機化合物、特に癌の治療に有用なキナーゼ阻害剤に関する。
【0002】
(発明の背景)
広範囲な研究の主題となっている酵素の重要なクラスは、細胞増殖、遊走、分化、及び代謝に影響を及ぼす細胞性シグナル伝達経路の大部分において関与するプロテインキナーゼである。キナーゼは、例えば環境及び化学的ストレスシグナル(例えば浸透圧ショック、熱ショック、紫外線放射、菌体内毒素)、サイトカイン(例えばインターロイキン-1及び腫瘍壊死因子α)、及び増殖因子(例えば、、トランスフォーミング増殖因子、線維芽細胞増殖因子)のような刺激に応答して、ATPからホスフェート基を除去しタンパク質のセリン、スレオニン及びチロシンアミノ酸残基上のヒドロキシル基をリン酸化するように働く。多くの疾患はプロテインキナーゼ媒介事象によって惹起される異常な細胞性応答に関連している。これらの疾患には、自己免疫疾患、炎症性疾患、骨疾患、代謝疾患、神経性及び神経変性疾患、アレルギー及び喘息、アルツハイマー病及びホルモン関連疾患が含まれる。従って、治療剤として効果的なプロテインキナーゼ阻害剤を見出すために相当な努力が医薬品化学においてなされている。
【0003】
オーロラキナーゼは細胞増殖に必須のセリン/スレオニンキナーゼのファミリーである。三種の既知の哺乳動物ファミリーメンバーのオーロラ-A(オーロラ-2、Aur-2、STK-15とも呼ばれる)、オーロラ-B(オーロラ-1、Aur-1、STK-12とも呼ばれる)及びオーロラ-C(STK-13とも呼ばれる)は、染色体分配、紡錘体機能及び細胞質分裂の原因である高度に相同性のあるタンパク質である。(Bischoff, J.R.及びPlowman, G.D., Trends in Cell Biology 9:454, 1999;Giet R.及びPrigent, C. Journal of Cell Science 112:3591, 1999;Nigg, E. A., Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 2:21, 2001;Adams, R. R. Carmena, M.及びEarnshaw, W.C., Trends in Cell Biology 11:49, 2001)。オーロラキナーゼの発現は休止細胞では低いか検出できず、発現と活性は細胞周期のG2期及び分裂期の間にピークになる。哺乳動物細胞において、オーロラキナーゼに対する提案された基質には、ヒストンH3、染色体凝縮に関与するタンパク質、セントロメアタンパク質A(CENP-A)、ミオシンII制御軽鎖、プロテインホスファターゼ1(PP1)、TPX2が含まれ、これらの全てが細胞分裂に必要とされる。オーロラ-Aは、有糸分裂の間の正確な染色体分配を制御することによって細胞周期において所定の役割を果たし、その誤制御により細胞増殖及び他の異常に至りうる。
【0004】
1997年におけるその発見以来、哺乳動物のオーロラキナーゼファミリーは、遺伝子安定性に対するその効果のために腫瘍形成に密接に関連していた。このキナーゼのレベルが増加した細胞は複数の中心体と多極性を含み、速やかに異数体になる。確かに、乳癌及び胃癌においてオーロラ-A遺伝子座の増幅と染色体の不安定性の間に相関関係が観察されている。(Miyoshi, Y., Iwao, K., Egawa, C.,及びNoguchi, S. Int. J. Cancer 92:370, 2001;Sakakura, C.等 British Journal of Cancer 84:824, 2001)。更に、オーロラ-Aの過剰発現が齧歯類線維芽細胞を形質転換することが知られている(Bischoff, J. R.等 EMBO J. 17:3052, 1998)。
【0005】
オーロラキナーゼは広範囲のヒト腫瘍において過剰発現することが報告されている。オーロラ-Aの発現上昇は、50%を超える結腸直腸癌、卵巣癌及び胃癌において、94%の乳房の浸潤性管腺癌で検出されている。オーロラ-Aの増幅及び/又は過剰発現はまた腎臓腫瘍、子宮頸癌、神経芽細胞腫、メラノーマ、リンパ腫、膀胱腫瘍、膵臓腫瘍及び前立腺腫瘍において報告されている。例えば、オーロラ-A座(20ql3)の増幅はリンパ節転移陰性の乳癌患者に対しての予後不良に相関している(Isola, J. J.等 American Journal of Pathology 147:905, 1995)。オーロラ-Bは、大腸、乳房、肺、メラノーマ、腎臓、卵巣、膵臓、CNS、胃腸管及び白血病を含む多くのヒト腫瘍細胞株において高度に発現している(Tatsuka等1998 58, 4811-4816;Katayama等, Gene 244:1)。また、オーロラ-B酵素のレベルは原発性結腸直腸癌のデューク期の関数として増加することが示されている(Katayama, H.等 Journal of the National Cancer Institute 91:1160, 1999)。オーロラ-Cは、通常は精巣に見出されるのみであるが、高割合の原発性結腸直腸癌及び子宮頸部腺癌及び乳癌細胞を含む様々な腫瘍細胞においてまた過剰発現する(Kimura, M.等, Journal of Biological Chemistry 274:7334, 1999;Takahashi, T.等Jpn. J. Cancer Res. 91:1007-1014, 2000)。
【0006】
オーロラキナーゼの既知の機能に基づいて、その活性の阻害は有糸分裂を乱し、細胞増殖を止める細胞増殖停止に導き、よって広範囲の癌において腫瘍増殖を遅らせる。
【0007】
(発明の概要)
本発明の一側面では、一般式I

[上式中、
X、Y及びZは、独立して、存在しないか、CR4’、NR、S、SO、SO又はOであり;あるいはX及びYは共同してCR=CRであり;あるいはY及びZは共同してCR=CRであり;X、Y及びZの少なくとも一つはNR、S、SO、SO又はOである;
及びRは独立してH又は保護基であり;
は、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、又はアルキル、アシル、アルコキシ又はアルキルチオで、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、チオン、アミノ、カルボキシル及びアルコキシで置換されていてもよいものであり;
は、H、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アルキル、炭素環又は複素環であり、ここで前記アルキル、炭素環及び複素環はハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、炭素環又は複素環で置換されていてもよく、アルキル基の一又は複数のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;
は、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アルキル、炭素環又は複素環であり、ここで前記アルキル、炭素環及び複素環はハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、炭素環又は複素環で置換されていてもよく、アルキル基の一又は複数のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;
及びR’は独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、アルキル、炭素環又は複素環であり、あるいはR及びR4’は共同してオキソ、チオン、炭素環又は複素環を形成し、前記アルキル、炭素環及び複素環は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、炭素環又は複素環で置換されていてもよく、アルキル基の一又は複数のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;
は、H、アルキル、炭素環又は複素環であり、前記アルキルの一又は複数のCH又はCH基は-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-NH-、又は-C(O)-で置換されていてよく;前記アルキル、炭素環及び複素環は、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ置換アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、アミジノ、グアニジノ、置換されていてもよい炭素環又は置換されていてもよい複素環で置換されていてもよく;
nは0から3である]
を有するオーロラキナーゼの新規阻害剤及びその塩及び溶媒和物が提供される。
【0008】
本発明の他の側面では、式Iの化合物と担体、希釈剤又は賦形剤を含有する薬学的組成物が提供される。
本発明の他の側面では、細胞におけるオーロラキナーゼのシグナル伝達を阻害する方法において、前記オーロラキナーゼを式Iの化合物に接触させることを含む方法が提供される。
本発明の他の側面では、オーロラキナーゼのシグナル伝達に関連した哺乳動物の疾患又は症状を治療する方法において、前記哺乳動物に式Iの化合物の有効量を投与することを含む方法が提供される。
【0009】
(好ましい実施態様の詳細な説明)
「アシル」は、RがH、アルキル、炭素環、複素環、炭素環置換アルキル(ここで、アルキル、アルコキシ、炭素環及び複素環はここで定義された通りである)である式-C(O)-Rによって表されるカルボニル含有置換基を意味する。アシル基にはアルカノイル(例えばアセチル)、アロイル(例えばベンゾイル)、及びヘテロアロイルが含まれる。
【0010】
「アルキル」とは、別の定義をしない限りは、12までの炭素原子を有する、分枝状又は非分枝状で飽和又は不飽和(すなわちアルケニル、アルキニル)の脂肪族炭化水素基を意味する。例えば「アルキルアミノ」等、他の用語の一部として使用される場合、アルキル部分は飽和炭化水素鎖でありうるが、不飽和炭化水素炭素鎖、例えば「アルケニルアミノ」及び「アルキニルアミノ」もまた含む。特定のアルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、n-ヘプチル、3-ヘプチル、2-メチルヘキシル等である。「低級アルキル」「C-Cアルキル」及び「1〜4の炭素原子のアルキル」という用語は同義であって、交換可能に使用され、メチル、エチル、1-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、1-ブチル、sec-ブチル又はt-ブチルを意味する。特定しない限りは、置換アルキル基は、同一でも異なっていてもよい1、例えば2、3又は4の置換基を有していてよい。置換基の例は、特に定めない限りは、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、メルカプト、カルボキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミジノ、グアニジノ、尿素、スルホニル、スルフィニル、アミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アミノカルボニル、アシルアミノ、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、炭素環、複素環である。上述した置換アルキル基の例には、限定されるものではないが;シアノメチル、ニトロメチル、ヒドロキシメチル、トリチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、アミノメチル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピル、アルキルオキシカルボニルメチル、アリルオキシカルボニルアミノメチル、カルバモイルオキシメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、t-ブトキシメチル、アセトキシメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、トリフルオロメチル、6-ヒドロキシヘキシル、2,4-ジクロロ(n-ブチル)、2-アミノ(イソ-プロピル)、2-カルバモイルオキシエチル等が含まれる。またアルキル基は、炭素環基で置換されていてもよい。具体例には、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、及びシクロヘキシルメチル基、並びに対応する-エチル、-プロピル、-ブチル、-ペンチル、-ヘキシル基等が含まれる。置換アルキルには、置換メチル基、例えば、「置換C-Cアルキル」基と同じ置換基で置換メチル基が含まれる。置換メチル基の例には、ヒドロキシメチル、保護されたヒドロキシメチル(例えばテトラヒドロピラニルオキシメチル)、アセトキシメチル、カルバモイルオキシメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、カルボキシメチル、ブロモメチル及びヨードメチル等の基が含まれる。
【0011】
「アミジン」は、RがH又はアルキル又はアラルキルである-C(NH)-NHR基を意味する。特定のアミジンは-NH-C(NH)-NH基である。
【0012】
「アミノ」とは、第1級(すなわち-NH )、第2級(すなわち-NRH)及び第3級(すなわち-NRR)アミンを意味する。特定の第2級及び第3級アミンはアルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、アラルキルアミン及びジアラルキルアミンであり、アルキルはここで定義された通りで、置換されていてもよいものである。特定の第2級及び第3級アミンは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、フェニルアミン、ベンジルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン及びジイソプロピルアミンである。
【0013】
ここで使用される場合「アミノ保護基」とは、化合物上の他の官能基に対して反応が行われている間、アミノ基をブロック又は保護するのに通常用いられる基の誘導体を意味する。このような保護基の例には、カルバマート類、アミド類、アルキル及びアリール基、イミン類、並びに除去されて所望のアミン基に再生成することができる多くのN-ヘテロ原子誘導体が含まれる。特定のアミノ保護基はBoc、Fmoc及びCbzである。これらの基のさらなる例は、T. W. Greene及びP. G. M. Wuts, 「Protective Groups in Organic Synthesis」, 第2版, John Wiley & Sons, Inc., New York, NY, 1991, 第7章; E. Haslam,「Protective Groups in Organic Chemistry」, J. G. W. McOmie編, Plenum Press, New York, NY, 1973, 第5章, 及びT.W. Greene, 「Protective Groups in Organic Synthesis」, John Wiley and Sons, New York, NY, 1981に見出される。「保護されたアミノ」なる用語は、上述したアミノ保護基の一つで置換されたアミノ基を意味する。
【0014】
「アリール」とは、単独で又は他の用語の一部として使用される場合、指定の炭素原子数を有するか、又は数が指定されない場合は、14までの炭素原子を有する、縮合又は非縮合の炭素環式芳香族基を意味する。特定のアリール基は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントレニル、ナフタセニル(naphthacenyl)等(Lang's Handbook of Chemistry (Dean, J.A.編)13版, 表7-2[1985]参照)である。特定のアリールはフェニルである。置換フェニル又は置換アリールとは、特定しない限りは、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル(例えばC-Cアルキル)、アルコキシ(例えばC-Cアルコキシ)、ベンジルオキシ、カルボキシ、保護されたカルボキシ、カルボキシメチル、保護されたカルボキシメチル、ヒドロキシメチル、保護されたヒドロキシメチル、アミノメチル、保護されたアミノメチル、トリフルオロメチル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルスルホニルアミノアルキル、アリールスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノアルキル、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又は他の特定された基から選択される1、2、3、4又は5、例えば1−2、1−3又は1−4の置換基で置換されたフェニル基又はアリール基を意味する。これらの置換基における一又は複数のメチン(CH)及び/又はメチレン(CH)基は、ついで上述したようなものと同様の基で置換され得る。「置換フェニル」という用語の例には、限定されるものではないが、モノ-又はジ(ハロ)フェニル基、例えば2-クロロフェニル、2-ブロモフェニル、4-クロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2,5-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、4-ブロモフェニル、3,4-ジブロモフェニル、3-クロロ-4-フルオロフェニル、2-フルオロフェニル等;モノ-又はジ(ヒドロキシ)フェニル基、例えば4-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、2,4-ジヒドロキシフェニル、それらの保護されたヒドロキシ誘導体等;ニトロフェニル基、例えば3-又は4-ニトロフェニル;シアノフェニル基、例えば4-シアノフェニル;モノ-又はジ(低級アルキル)フェニル基、例えば、4-メチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2-メチルフェニル、4-(イソ-プロピル)フェニル、4-エチルフェニル、3-(n-プロピル)フェニル等;モノ又はジ(アルコキシ)フェニル基、例えば3,4-ジメトキシフェニル、3-メトキシ-4-ベンジルオキシフェニル、3-メトキシ-4-(1-クロロメチル)ベンジルオキシ-フェニル、3-エトキシフェニル、4-(イソプロポキシ)フェニル、4-(t-ブトキシ)フェニル、3-エトキシ-4-メトキシフェニル等;3-又は4-トリフルオロメチルフェニル;モノ-又はジカルボキシフェニル又は(保護されたカルボキシ)フェニル基、例えば4-カルボキシフェニル;モノ-又はジ(ヒドロキシメチル)フェニル又は(保護されたヒドロキシメチル)フェニル、例えば3-(保護されたヒドロキシメチル)フェニル又は3,4-ジ(ヒドロキシメチル)フェニル;モノ-又はジ(アミノメチル)フェニル又は(保護されたアミノメチル)フェニル、例えば2-(アミノメチル)フェニル又は2,4-(保護されたアミノメチル)フェニル;あるいはモノ-又はジ(N-(メチルスルホニルアミノ))フェニル、例えば3-(N-メチルスルホニルアミノ))フェニルが含まれる。また、「置換フェニル」という用語は、その置換基が異なっている二置換フェニル基、例えば3-メチル-4-ヒドロキシフェニル、3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル、2-メトキシ-4-ブロモフェニル、4-エチル-2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシ-4-ニトロフェニル、2-ヒドロキシ-4-クロロフェニル等、並びにその置換基が異なっている三置換フェニル基、例えば3-メトキシ-4-ベンジルオキシ-6-メチルスルホニルアミノ、3-メトキシ-4-ベンジルオキシ-6-フェニルスルホニルアミノ、及びその置換基が異なっている四置換フェニル基、例えば3-メトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-フェニルスルホニルアミノを表す。特定の置換フェニル基には、2-クロロフェニル、2-アミノフェニル、2-ブロモフェニル、3-メトキシフェニル、3-エトキシ-フェニル、4-ベンジルオキシフェニル、4-メトキシフェニル、3-エトキシ-4-ベンジルオキシフェニル、3,4-ジエトキシフェニル、3-メトキシ-4-ベンジルオキシフェニル、3-メトキシ-4-(1-クロロメチル)ベンジルオキシ-フェニル、3-メトキシ-4-(1-クロロメチル)ベンジルオキシ-6-メチルスルホニルアミノフェニル基が含まれる。縮合アリール環はまた、置換アルキル基と同様の方式において、ここで特定した任意の、例えば1、2又は3の置換基で置換されていてもよい。
【0015】
「カルボシクリル(Carbocyclyl)」、「カルボサイクリリック(carbocyclylic)」、「炭素環(carbocycle)」及び「カルボシクロ(carbocyclo)」は、単独で及びカルボシクロアルキル基のような複合基中の一部として使用される場合には、飽和又は不飽和で芳香族又は非芳香族であってよい、3〜14の炭素原子、例えば3〜7の炭素原子を有する単環式、二環式、又は三環式の脂肪族環を称する。特定の飽和したカルボサイクリック基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル基である。特定の飽和した炭素環はシクロプロピルである。他の特定の飽和した炭素環はシクロヘキシルである。特定の不飽和炭素環は、芳香族、例えば上述したアリール基、特にフェニル基である。「置換カルボシクリル」、「炭素環」及び「カルボシクロ」なる用語は、「置換アルキル」基と同様の置換基により置換された基を意味する。
【0016】
「カルボキサミド」は基-C(O)NHを意味する。置換「カルボキサミド」は、Rが置換基である基-C(O)NHRを意味する。
【0017】
ここで使用される「カルボキシ保護基」なる用語は、カルボン酸基をブロック又は保護するために一般的に使用されるカルボン酸基のエステル誘導体の一つを意味するもので、反応は化合物の他の官能基で行われる。このようなカルボン酸保護基の例には、4-ニトロベンジル、4-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、2,4,6-トリメトキシベンジル、2,4,6-トリメチルベンジル、ペンタメチルベンジル、3,4-メチレンジオキシベンジル、ベンズヒドリル、4,4'-ジメトキシベンズヒドリル、2,2',4,4'-テトラメトキシベンズヒドリル、アルキル、例えばt-ブチル又はt-アミル、トリチル、4-メトキシトリチル、4,4'-ジメトキシトリチル、4,4',4''-トリメトキシトリチル、2-フェニルプロプ-2-イル、トリメチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、フェナシル、2,2,2-トリクロロエチル、ベータ-(トリメチルシリル)エチル、ベータ-(ジ(n-ブチル)メチルシリル)エチル、p-トルエンスルホニルエチル、4-ニトロベンジルスルホニルエチル、アリル、シンナミル、1-(トリメチルシリルメチル)プロピ-1-エン-3-イル及び類似した部分が含まれる。使用されるカルボキシ-保護基の種は、誘導体化されたカルボン酸が分子の他の位置における続く反応の条件に対して安定であり、分子の残りを壊さないで適切な位置で除去できる限り、重要ではない。特に、レーニーニッケル等の高度に活性化された金属触媒を使用する還元条件又は強い求核性塩基にカルボキシ-保護分子がさらされないことが重要である。(このような過酷な除去条件は、以下に検討するアミノ-保護基及びヒドロキシ-保護基を除去する場合にも避けられるべきである。)好ましいカルボン酸保護基はアリル及びp-ニトロベンジル基である。セファロスポリン、ペニシリン及びペプチド技術において使用される同様のカルボキシ-保護基を、カルボキシ基置換基を保護するために使用することもできる。これらの基の更なる例は、T.W. Greene及びP.G.M. Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」、2nd ed., John Wiley & Sons, Inc., New York, N.Y., 1991, 5章;E. Haslam, 「Protective Groups in Organic Chemistry」、J.G.W. McOmie, Ed., Plenum Press, New York, N.Y., 1973, 5章、及びT.W. Greene, 「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons, New York, N.Y., 1981, 5章に見出される。「保護されたカルボキシ基」という用語は上述したカルボキシル-保護基の一つで置換されたカルボキシ基を意味する。
【0018】
「グアニジン」とは、RがH又はアルキル又はアラルキルである-NH-C(NH)-NHR基を意味する。特定のグアニジンは-NH-C(NH) NH基である。
【0019】
ここで使用される「ヒドロキシ保護基」は、反応が化合物の他の官能基で行われている間に、ヒドロキシ基をブロックし又は保護するために一般的に使用されるヒドロキシ基の誘導体を意味する。このような保護基の例には、テトラヒドロピラニルオキシ、ベンゾイル、アセトキシ、カルバモイルオキシ、ベンジル及びシリルエーテル(例えばTBS、TBDPS)基が含まれる。これらの基の更なる例は、T.W. Greene及びP.G.M. Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」、2版, John Wiley & Sons, Inc., New York, N.Y., 1991, 2-3章;E. Haslam, 「Protective Groups in Organic Chemistry」、J.G.W. McOmie, Ed., Plenum Press, New York, N.Y., 1973, 5章、及びT.W. Greene, 「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons, New York, N.Y., 1981に見出される。「保護されたヒドロキシ」なる用語は、上述のヒドロキシ保護基の一つで置換されたヒドロキシ基を意味する。
【0020】
「ヘテロサイクリック基(heterocyclic group)」、「ヘテロサイクリック(heterocyclic)」、「複素環(heterocycle)」、「ヘテロシクリル(heterocyclyl)」又は「ヘテロシクロ(heterocyclo)」は、単独で及びヘテロシクロアルキル基のような複合基中の一部として使用される場合には、交換可能に使用され、一般に5〜約14の環状原子の、指定の原子数を有する任意の単環式、二環式又は三環式の飽和又は不飽和の芳香族(ヘテロアリール)又は非芳香族環を意味し、ここで環状原子は炭素及び少なくとも一のヘテロ原子(窒素、硫黄又は酸素)、例えば1〜4のヘテロ原子である。典型的には、5員環は0〜2の二重結合を有し、6員又は7員環は0〜3の二重結合を有し、窒素又は硫黄ヘテロ原子は場合によっては酸化されていてもよく(例えばSO、SO<SUB>2</SUB>)、任意の窒素へテロ原子は場合によっては第4級化されていてもよい。特定の非芳香族複素環は、モルホリニル(モルホリノ)、ピロリジニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、2,3-ジヒドロフラニル、2H-ピラニル、テトラヒドロピラニル、チイラニル、チエタニル、テトラヒドロチエタニル、アジリジニル、アゼチジニル、1-メチル-2-ピロリル、ピペラジニル及びピペリジニルである。「ヘテロシクロアルキル」基は、上述したようなアルキル基に共有結合した上述したような複素環基である。硫黄又は酸素原子と1〜3の窒素原子を有する特定の5-員複素環は、チアゾリル、特にチアゾル-2-イル及びチアゾル-2-イル-N-オキシド、チアジアゾリル、特に1,3,4-チアジアゾル-5-イル及び1,2,4-チアジアゾル-5-イル、オキサゾリル、例えばオキサゾル-2-イル、及びオキサジアゾリル、例えば1,3,4-オキサジアゾル-5-イル、及び1,2,4-オキサジアゾル-5-イルである。2〜4の窒素原子を有する特定の5員環複素環には、イミダゾリル、好ましくはイミダゾル-2-イル;トリアゾリル、好ましくは1,3,4-トリアゾル-5-イル;1,2,3-トリアゾル-5イル、1,2,4-トリアゾル-5-イル、及びテトラゾリル、例えば1H-テトラゾル-5-イルが含まれる。特定のベンゾ縮合した5員複素環は、ベンズオキサゾル-2-イル、ベンズチアゾル-2-イル及びベンズイミダゾル-2-イルである。特定の6員複素環は1〜3の窒素原子と場合によっては硫黄又は酸素原子を有し、例えばピリジル、特にピリド-2-イル、ピリド-3-イル、及びピリド-4-イル;ピリミジル、例えばピリミド-2-イル及びピリミド-4-イル;トリアジニル、例えば1,3,4-トリアジン-2-イル、及び1,3,5-トリアジン-4-イル;ピリダジニル、特にピリダジン-3-イル、及びピラジニルである。ピリジン-N-オキシド類、及びピリダジン-N-オキシド類、及びピリジル、ピリミド-2-イル、ピリミド-4-イル、ピリダジニル、及び1,3,4-トリアジン-2-イル基が特定の基である。「置換されていてもよい複素環」のための置換基、例えば先に検討した5員及び6員環系のさらなる例は、W. Druckheimer等の米国特許第4278793号に見出すことができる。特定の実施態様では、このような置換されていてもよい複素環基は、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ置換アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、アミジノ及びグアニジノで置換されている。「置換されていてもよい」とは、複素環が、特定された一又は複数の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいことを意味することが理解されるであろう。同様に、「置換されていてもよい」ここに記載の他の基は、同一でも異なっていてもよい一又は複数の特定の置換基で置換されていてもよい。
【0021】
「ヘテロアリール」は、単独で、またヘテロアラルキル基のような複合基中の部分として使用される場合、指定された原子の数を有する任意の一-、二-又は三環式の芳香族環系を意味し、ここで少なくとも一つの環は、窒素、酸素及び硫黄から選択される1から4のヘテロ原子を含む5員、6員又は7員環であり、特定の実施態様では、少なくとも一つのヘテロ原子は窒素である(Lang's Handbook of Chemistry, 上掲)。上述したヘテロアリール環の任意のものがベンゼン環に縮合している二環式の基も定義に含まれる。特定のヘテロアリールには窒素又は酸素ヘテロ原子が含まれる。次の環系は「ヘテロアリール」なる用語で示される(置換された又は未置換の)ヘテロアリール基の例である:チエニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキザゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアトリアゾリル、オキサトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、チアジニル、オキサジニル、トリアジニル、チアジアジニル、オキサジアジニル、ジチアジニル、ジオキサジニル、オキサチアジニル、テトラジニル、チアトリアジニル、オキサトリアジニル、ジチアジアジニル、イミダゾリニル、ジヒドロピリミジル、テトラヒドロピリミジル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジニル及びプリニル、並びにベンゾ縮合誘導体、例えばベンゾオキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル及びインドリル。特定の「ヘテロアリール」は次のものである:1,3-チアゾール-2-イル、4-(カルボキシメチル)-5-メチル-1,3-チアゾール-2-イル、4-(カルボキシメチル)-5-メチル-1,3-チアゾール-2-イルのナトリウム塩、1,2,4-チアジアゾール-5-イル、3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル、1,3,4-チアゾール-5-イル、2-メチル-1,3,4-トリアゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-1,3,4-トリアゾール-5-イル、2-カルボキシ-4-メチル-1,3,4-トリアゾール-5-イルのナトリウム塩、2-カルボキシ-4-メチル-1,3,4-トリアゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3,4-オキサジアゾール-5-イル、2-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-5-イル、2-(ヒドロキシメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、1,3,4-チアジアゾール-5-イル、2-チオール-1,3,4-チアジアゾール-5-イル、2-(メチルチオ)-1,3,4-チアジアゾール-5-イル、2-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-5-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル、1-(1-(ジメチルアミノ)エチ-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(カルボキシメチル)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(カルボキシメチル)-1H-テトラゾール-5-イルのナトリウム塩、1-(メチルスルホン酸)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(メチルスルホン酸)-1H-テトラゾール-5-イルのナトリウム塩、2-メチル-1H-テトラゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1-メチル-1,2,3-トリアゾール-5-イル、2-メチル-1,2,3-トリアゾール-5-イル、4-メチル-1,2,3-トリアゾール-5-イル、ピリド-2-イル-N-オキシド、6-メトキシ-2-(n-オキシド)-ピリダジ-3-イル、6-ヒドロキシピリダジ-3-イル、1-メチルピリド-2-イル、1-メチルピリド-4-イル、2-ヒドロキシピリミド-4-イル、1,4,5,6-テトラヒドロ-5,6-ジオキソ-4-メチル-アス-トリアジン-3-イル、1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(ホルミルメチル)-5,6-ジオキソ-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-アストリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-アス-トリアジン-3-イルのナトリウム塩、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-2-メチル-アストリアジン-3-イルのナトリウム塩、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ−6-メトキシ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-2,6-ジメチル-アス-トリアジン-3-イル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジン-6-イル及び8-アミノテトラゾロ[1,5-b]ピリダジン-6-イル。「ヘテロアリール」の別の基は次のものを含む;4-(カルボキシメチル)-5-メチル-1,3-チアゾール-2-イル、4-(カルボキシメチル)-5-メチル-1,3-チアゾール-2-イルのナトリウム塩、1,3,4-チアゾール-5-イル、2-メチル-1,3,4-チアゾール-5-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル、1-(1-(ジメチルアミノ)エチ-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(カルボキシメチル)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(カルボキシメチル)-1H-テトラゾール-5-イルのナトリウム塩、1-(メチルスルホン酸)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(メチルスルホン酸)-1H-テトラゾール-5-イルのナトリウム塩、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,4,5,6-テトラヒドロ-5,6-ジオキソ-4-メチル-アス-トリアジン-3-イル、1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-ホルミルメチル)-5,6-ジオキソ-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イルのナトリウム塩、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジン-6-イル、及び8-アミノテトラゾロ[1,5-b]ピリダジン-6-イルが含まれる。ヘテロアリール基は複素環に対して記載したように置換されていてもよい。
【0022】
「阻害剤(インヒビター)」とは、オーロラキナーゼのリン酸化を減少させ又は防止するか、又はオーロラキナーゼのシグナル伝達を減少させ又は防止する化合物を意味する。あるいは、「阻害剤」は、細胞分裂周期のG2期において細胞を停止させる化合物を意味する。
【0023】
「製薬的に許容可能な塩」には、酸及び塩基の付加塩の双方が含まれる。「製薬的に許容可能な酸付加塩」は、フリーの塩基の生物学的効能と性質を保持し、生物学的に又は他の形で所望されないものではない塩を意味するものであり、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸等で生成され、有機酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、アントラニル酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、エンボン酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等の有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族(araliphatic)、複素環式、カルボキシル及びスルホンクラスのものから選択されうる。
【0024】
「製薬的に許容可能な塩基付加塩」には、無機塩基、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩等から誘導されるものが含まれる。特定の塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム塩である。製薬的に許容可能な無毒の有機塩基から誘導される塩には、第1級、第2級及び第3級アミン、自然に生じる置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジエチルアミノエタノール、トリメタミン、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン(hydrabamine)、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペリジン(piperizine)、ピペリジン(piperidine)、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂等が含まれる。特定の非毒性有機塩基はイソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメタミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン及びカフェインである。
【0025】
本発明は、一般式I:

(上式中、X、Y、Z、R、R、R、R、R、及びnはここに記載した通りである)
を有する新規化合物を提供する。
【0026】
X、Y及びZは、独立して、存在しないか、CR4’、NR、S、SO、SO又はOであり;あるいはX及びYは共同してCR=CRであり;あるいはY及びZは共同してCR=CRであり;X、Y及びZの少なくとも一つはNR、S、SO、SO又はOである。存在しないとは、X、Y又はZが存在しないこと、例えば、Yが存在せずにXとZが結合しており、それらが含まれている環が6員を有していることを意味する。特定の実施態様では、XはCR4’であり、YがS、ZがCR4’である。特定の実施態様では、XはCR4’であり、YがNR、ZがCR4’である。特定の実施態様では、XはSであり、YがCR4’、ZがCR4’である。
【0027】
及びRは独立してH又は保護基である。特定の実施態様では、R及びRは同じか異なったアシルオキシ基、例えば-OC(O)R(ここで、Rはアルキル、アリール又はアラルキルである)である。特定の実施態様では、Rはアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、t-ブチル(つまりt-Boc基を形成)である。特定の実施態様では、R及びRは共にt-Bocである。特定の実施態様では、R及びRは共にHである。
【0028】
は、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、又はアルキル、アシル、アルコキシ又はアルキルチオで、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ(=O)、チオン(=S)、アミノ、カルボキシル及びアルコキシで置換されていてもよいものである。特定の実施態様では、RはHである。特定の実施態様では、Rはアルキルである。特定の実施態様では、Rはメチルである。
【0029】
は、H、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アルキル、炭素環又は複素環であり、ここで前記アルキル、炭素環及び複素環はハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、炭素環又は複素環で置換されていてもよく、アルキル基の一又は複数のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよい。CH基は、置き換える基が前の炭素原子と次の水素に結合する末端CH基を含むアルキル鎖に沿って任意の位置で置き換えられることが理解される。例を挙げると、プロピル基中のCH基は次の異なった形式で-O-と置き換えられうる: -O-CH-CH、-CH-O-CH又は-CH-CH-O-H。また、「アルキル基」はRの定義中の基の任意のアルキル部分を指すことも理解される。特定の実施態様では、RはH、又は置換されていてもよいアルキル、炭素環又は複素環であり、ここで置換基はハロゲン、ヒドロキシル、アミノ及びメルカプトであり、上記アルキル基の一又は複数のCH基は場合によっては-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられる。特定の実施態様では、Rは置換されていてもよい炭素環又は複素環である。特定の実施態様では、Rは置換されていてもよいアリール又はヘテロアリール環である。特定の実施態様では、RはH又はアルキルであり、ここで該アルキル部分の一又は複数のCH基は場合によっては-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられる。特定の実施態様では、Rは置換されていてもよいフェニルのようなアリールである。特定の実施態様では、Rは-NH、カルボキシル、2-カルボキシエテニル、カルボキサミド、アミノカルボキサミド、メチルスルホンアミド、1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル、5-アミノ-1H-1、2、4-トリアゾール-3-イル-チオ、3-メルカプト-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル、N-ベンジルオキシカルボキサミド、4-ニトロ-N-ベンジルオキシカルボキサミド、N-ヒドロキシカルボキサミド、N-エトキシカルボキサミド、モルホリノメタノン、4-ヒドロキシピペリジン-1-イルメタノン、ピペリジン-1-イルメタノン、N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)カルボキサミド、3-アミノ-1H-ピラゾール-1-イル又は1H-イミダゾール-2-イルチオ、4-メチルピペラジン-1-イル)メタノンである。特定の実施態様では、RはHである。
【0030】
は、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アルキル、炭素環又は複素環であり、ここで前記アルキル、炭素環及び複素環はハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、炭素環又は複素環で置換されていてもよく、アルキル基の一又は複数のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよい。CH基は、置き換える基が前の炭素原子と次の水素に結合する末端CH基を含むアルキル鎖に沿って任意の位置で置き換えられることが理解される。例を挙げると、プロピル基中のCH基は次の異なった形式で-O-と置き換えられうる: -O-CH-CH、-CH-O-CH又は-CH-CH-O-H。また、「アルキル基」はRの定義中の基の任意のアルキル部分を指すことも理解される。特定の実施態様では、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、炭素環又は複素環で置換されていてもよいアルキルであり、アルキル基の一又は複数のCH基は場合によっては-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられる。特定の実施態様では、Rはアルキルであり、ここでアルキル基の一又は複数のCH基は場合によっては-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられる。特定の実施態様では、Rは、オキソ、チオン、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル又はアミノカルボニルで置換されていてもよいアルキルである。特定の実施態様では、Rは-NH、カルボキシル、2-カルボキシエテニル、カルボキサミド、アミノカルボキサミド、メチルスルホンアミド、1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル、5-アミノ-
1H-1、2、4-トリアゾール-3-イル-チオ、3-メルカプト-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル、N-ベンジルオキシカルボキサミド、4-ニトロ-N-ベンジルオキシカルボキサミド、N-ヒドロキシカルボキサミド、N-エトキシカルボキサミド、モルホリノメタノン、4-ヒドロキシピペリジン-1-イルメタノン、ピペリジン-1-イルメタノン、N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)カルボキサミド、3-アミノ-1H-ピラゾール-1-イル又は1H-イミダゾール-2-イルチオ、4-メチルピペラジン-1-イル)メタノンである。他の特定の実施態様では、Rはメトキシ、メチルスルホニル、1H-イミダゾール-1-イル、1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ、1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-アミノ、3-アミノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル又は1-ヒドロキシ-1-(5-メチルフラン-2-イル)メチルである。
【0031】
及びR’は独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、アルキル、炭素環又は複素環であり、あるいはR及びR4’は共同してオキソ、チオン、炭素環又は複素環を形成し、前記アルキル、炭素環及び複素環は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、炭素環又は複素環で置換されていてもよく、アルキル基の一又は複数のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよい。CH基は、置き換える基が前の炭素原子と次の水素に結合する末端CH基を含むアルキル鎖に沿って任意の位置で置き換えられることが理解される。例を挙げると、プロピル基中のCH基は次の異なった形式で-O-と置き換えられうる: -O-CH-CH、-CH-O-CH又は-CH-CH-O-H。また、「アルキル基」はRの定義中の基の任意のアルキル部分を指すことも理解される。特定の実施態様では、R及びR’は独立して、H、又は置換されていてもよいアルキル、炭素環又は複素環であり、ここで置換基はハロゲン、ヒドロキシル、アミノ及びメルカプトであり、上記アルキル基の一又は複数のCH基は場合によっては-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられる。特定の実施態様では、R及びR’は置換されていてもよい炭素環又は複素環である。特定の実施態様では、R及びR’は置換されていてもよいアリール又はヘテロアリール環である。特定の実施態様では、R及びR’は独立してH又はアルキルであり、ここで該アルキル部分の一又は複数のCH基は場合によっては-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられる。特定の実施態様では、RはHであり、R’はH以外の既に定義された基である。特定の実施態様では、R及びR’は独立してメチルのようなアルキルである。特定の実施態様では、R及びR’は共にHである。
【0032】
は、H、アルキル、炭素環又は複素環であり、前記アルキルの一又は複数のCH又はCH基は-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-NH-、又は-C(O)-で置換されていてよく;前記アルキル、炭素環及び複素環は、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ置換アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、アミジノ、グアニジノ、置換されていてもよい炭素環又は置換されていてもよい複素環で置換されていてもよい。特定の実施態様では、RはH又はアルキルである。特定の実施態様では、RはHである。特定の実施態様では、Rはアルキル、例えばメチル、エチル又はプロピルである。一実施態様では、Rはアルコキシカルボニルである。特定の実施態様では、Rはエチルオキシカルボニルである。
【0033】
nは0から3である。一実施態様では、nは0から2である。一実施態様では、nは0から1である。一実施態様では、nは1である。一実施態様では、nは0である。
【0034】
本発明の化合物は、一又は複数の不斉炭素原子を含みうる。従って、化合物はジアステレオマー、エナンチオマー又はそれらの混合物として存在し得る。化合物の合成は、出発物質又は中間体として、ラセミ化合物、ジアステレオマー又はエナンチオマーを使用することができる。ジアステレオマー化合物はクロマトグラフィー又は結晶化法により分離することができる。同様に、エナンチオマー混合物は、同技術又は当該分野で知られている他の技術を使用して分離することができる。各不斉炭素原子はR又はS配置に存在し、これらの配置の双方が本発明の範囲内である。
【0035】
また本発明は、上述した化合物のプロドラッグも包含する。適切なプロドラッグには、例えば加水分解されて放出されて、生理学的条件下で親化合物を生成する既知のアミノ保護及びカルボキシ保護基が含まれる。特定のクラスのプロドラッグは、アミノ、アミジノ、アミノアルキレンアミノ、イミノアルキレンアミノ又はグアニジノ基の窒素原子が、ヒドロキシ(OH)基、アルキルカルボニル(-CO-R)基、アルコキシカルボニル(-CO-OR)、アシルオキシアルキル-アルコキシカルボニル(-CO-O-R-O-CO-R)基で、Rが一価又は二価の基であり、上述の通りであるもの、又は式-C(O)-O-CP1P2-ハロアルキルを有する基で、P1及びP2は同一か又は異なっており、H、低級アルキル、低級アルコキシ、シアノ、低級ハロアルキル又はアリールであるもので置換された化合物である。特定の実施態様では、窒素原子は、本発明の化合物のアミジノ基の窒素原子の一つである。これらのプロドラッグ化合物は、上述した本発明の化合物と活性化アシル化合物とを反応させ、本発明の化合物中の窒素原子を活性化アシル化合物のカルボニルに結合させることで調製される。適切な活性化カルボニル化合物はカルボニル炭素に結合する良好な離脱基を有しており、アシルハロゲン化物、アシルアミン類、アシルピリジニウム塩、アシルアルコキシド、特にアシルフェノキシド、例えばp-ニトロフェノキシアシル、ジニトロフェノキシアシル、フルオロフェノキシアシル、及びジフルオロフェノキシアシルを含む。反応は一般に発熱反応で、例えば−78から約50℃の低い温度にて不活性溶媒中で行われる。反応は通常は無機塩基、例えば炭酸カリウム又は重炭酸ナトリウム、あるいは有機塩基、例えばピリジン、トリエチルアミン等を含むアミンの存在下で行われる。プロドラッグの調製方法の一つは、1997年4月15日に出願された米国特許出願第08/843369号(PCT国際公開第9846576号に対応)に記載されており、その内容は出典を明示してその全体をここに援用する。
【0036】
式Iの特定の化合物には、次のものが含まれる:

【0037】
合成
本発明の化合物は、商業的に入手可能な出発物質及び試薬から、標準的な有機合成技術を使用して調製される。本発明の化合物の調製に使用される合成手順は、化合物に存在している特定の置換基に依存しており、有機合成において標準とされる種々の保護及び脱保護工程が必要な場合があるが、次の一般スキームには示さない場合があることが理解されるであろう。特定の実施態様では、本発明の化合物は、一般的合成スキーム1に従って調製される。
【0038】

【0039】
スキーム1において、芳香族アミンを酸性条件下で亜硝酸ナトリウムと反応させることによって、ジアゾニウム塩を形成する。ついで、そのジアゾニウム塩を、Japp-Klingemann反応を経由してエノールにカップリングさせて、ヒドラゾンを得て、これが酸性条件下でFischerインドール環化を受け、化合物を生じる。ついで、化合物を塩基及び所望のR含有求電子剤と反応させ、βケトン化合物を得て、これをヒドラジンと反応させてピラゾール含有最終化合物を形成する.適切なR含有求電子剤は無水物((R-CO)O)、ニトリル(R-CO-CN)及び酸ハロゲン化物(R-CO-X)である。
【0040】
XがSであり、Y及びZが独立してCR4’、結合であり又は共同してCR=CRを形成する式Iの化合物は一般的スキーム2に従って調製することができる。

出発化合物をチオ尿素及び三ヨウ化カリウムと反応させた後、所望のブロモ化合物を加えて、基本的な精密検査の後に中間体を得る。ついで、中間体をポリホスフェートエステルと反応させてインドール-ケトンを得、これを所望のR含有求電子剤R-CO-CNと反応させてエノールを得る。最後のピラゾール生成は、エノールをヒドラジンと反応させることにより達成される。
【0041】
有用性
本発明の化合物は、オーロラキナーゼシグナル伝達、特にオーロラキナーゼのリン酸化を阻害する。従って、本発明の化合物は、オーロラキナーゼの異常なシグナル伝達、過剰発現、及び/又は増殖に関連したあらゆる疾患を抑制するのに有用である。あるいは、本発明の化合物は、細胞分裂周期のG2期において細胞を停止するのに有用である。より詳細には、該化合物は、オーロラキナーゼの異常なシグナル伝達、過剰発現、及び/又は増殖に関連した癌の治療に使用することができる。そのような癌型の例には、神経芽細胞種、腸癌腫、例えば直腸癌、大腸癌、家族性大腸腺腫症癌、及び遺伝性非ポリポーシス大腸癌、食道癌、口唇癌、咽頭癌、下咽頭癌、舌癌、唾液腺癌、胃癌、腺癌、甲状腺髄様癌、甲状腺乳頭癌、腎臓癌、腎実質癌、卵巣癌、頸部癌、子宮体癌、子宮内膜癌、絨毛癌、膵癌、前立腺癌、精巣癌、乳癌、尿癌(urinary carcinoma)、黒色腫、脳腫瘍、例えば神経膠芽腫、星細胞腫、髄膜腫、髄芽腫、及び末梢神経外胚葉性腫瘍、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、成人T細胞白血病リンパ腫、肝細胞癌、胆嚢癌、気管支癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫、基底細胞腫、奇形腫、網膜芽細胞腫、脈絡膜黒色腫、精上皮腫、横紋筋肉腫、頭蓋咽頭腫、骨肉腫、軟骨肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、ユーイング肉腫、及び形質細胞腫が含まれる。特に、本発明の化合物は、結腸直腸癌、卵巣癌、胃癌、乳癌(例えば浸潤性導管腺癌)、腎癌、子宮頸癌、メラノーマ、リンパ腫、膀胱癌、膵癌、前立腺癌、肺癌、CNS(例えば神経芽細胞腫)、子宮頸癌及び白血病を治療するのに有用である。
【0042】
本発明の化合物は、放射線療法、又は細胞増殖抑制剤又は抗悪性腫瘍剤による化学療法の前、同時又は後に投与されうる。適切な細胞増殖を抑制する化学療法用化合物には、限定されるものではないが、(i)代謝拮抗剤、例えばシタラビン、フルダラビン、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン(uiridine)、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素又はメトトレキセート;(ii)DNA断片化剤、例えばブレオマイシン、(iii)DNA架橋剤、例えばクロランブシル、シスプラチン、シクロホスファミド又はナイトロジェンマスタード;(iv)挿入剤、例えばアドリアマイシン(ドキソルビシン)又はミトキサントロン;(v)タンパク質合成インヒビター、例えばL-アスパラギナーゼ、シクロヘキシミド、ピューロマイシン又はジフテリア毒素;(vi)トポイソメラーゼI毒素、例えばカンプトテシン又はトポテカン;(vii)トポイソメラーゼII毒素、例えばエトポシド(VP-16)又はテニポシド;(viii)微小管作用剤(microtubule-directed agents)、例えばコルセミド、コルヒチン、パクリタキセル、ビンブラスチン又はビンクリスチン;(ix)キナーゼインヒビター、例えばフラボピリドール(flavopiridol)、スタウロスポリン、STI571(CPG 57148B)又はUCN-01(7-ヒドロキシスタウロスポリン);(x)種々の治験薬、例えばチオプラチン(thioplatin)、PS-341、フェニルブチラート、ET-18-OCH、又はファルネシルトランスフェラーゼインヒビター(L-739749、L-744832);ポリフェノール類、例えばケルセチン、リスベラトロール、ピセタノール、没食子酸エピガロカテキン、テアフラビン、フラバノール、プロシアニジン、ベツリン酸及びその誘導体;(xi)ホルモン類、例えばグルココルチコイド類又はフェンレチニド(fenretinide);(xii)ホルモンアンタゴニスト、例えばタモキシフェン、フェナステリド、又はLHRHアンタゴニストが含まれる。特定の実施態様では、本発明の化合物は、シスプラチン、ドキソルビシン、タキソール、タキソテール、及びマイトマイシンCからなる群から選択される細胞増殖抑制化合物と同時投与される。特定の実施態様では、細胞増殖抑制化合物はドキソルビシンである。
【0043】
本発明で使用可能な他のクラスの活性化合物は、デスレセプターに結合することによりアポトーシスの感受性を増大させ又はアポトーシスを誘導するもの(「デスレセプターアゴニスト」)である。このようなデスレセプターのアゴニストには、デスレセプターリガンド、例えば腫瘍壊死因子a(TNF-α)、腫瘍壊死因子β(TNF-β、リンホトキシン-α)、LT-β(リンホトキシン-β)、TRAIL(Apo2L、DR4リガンド)、CD95(Fas、APO-1)リガンド、TRAMP(DR3、Apo-3)リガンド、DR6リガンド、並びに前記リガンドの何れかの断片及び誘導体が含まれる。一実施態様では、デスレセプターリガンドはTNF-αである。特定の実施態様では、デスレセプターリガンドはApo2L/TRAILである。更に、デスレセプターアゴニストは、デスレセプターに対するアゴニスト抗体、例えば抗CD95抗体、抗TRAIL-R1(DR4)抗体、抗TRAIL-R2(DR5)抗体、抗TRAIL-R3抗体、抗TRAIL-R4抗体、抗DR6抗体、抗TNF-R1抗体、及び抗TRAMP(DR3)抗体、並びに前記抗体の何れかの断片及び誘導体を含む。
【0044】
本発明の化合物は、放射線療法と組合せて使用することができる。「放射線療法」なる用語は、異常増殖の治療に電磁気又は微粒子放射線を使用することを意味する。放射線療法は、標的領域に送達される高線量の放射線により、腫瘍及び正常組織の双方において再生細胞を死亡させるという原理に基づく。線量投与計画は、放射線吸収量(rad)、時間及び分割に関して一般的に定められており、腫瘍学者により注意深く定められなくてはならない。患者が受容する放射線の量は種々の検討材料に依存するが、最も重要な2つの検討材料は、体の他の重要な構造体又は器官に対する腫瘍の位置と、腫瘍の広がり程度である。放射線療法剤の例は、限定されるものではないが、放射線療法において提供され、当該分野で知られている(Hellman、 Principles of Radiation Therapy、 Cancer、 Principles I and Practice of Oncology、 24875 (Devitaら、 4版、 1巻、 1993)。放射線療法における近年の進歩には、3次元原体外照射、強度変調放射線療法(IMRT)、定位的放射線療法及び近接放射療法(組織内照射治療)が含まれ、後者は、インプラントされた「種」として、腫瘍中に直接放射線源が配される。これらの新規な処置法により、より多くの線量の放射線が腫瘍に送達せしめられ、標準的な外照射療法と比較した場合に、それらの効果が増大する原因となっている。
【0045】
β放出核種での電離放射線は、電離粒子(電子)の中程度の線エネルギー付与(LET)及びその中距離(典型的には組織中で数ミリメートル)のために、放射線療法への応用において最も有用であると考えられる。γ線は、より長い距離にわたってより低いレベルの線量を送達させる。α粒子は全く正反対で、非常に高いLET線量を送達させるが、極度に制限された範囲であり、よって、治療される組織の細胞と密接に接触させなければならない。さらに、α放射体は一般的に重金属であり、可能なケミストリーを制約し、処置される領域からの放射性核種の漏出から過度の害をもたらす。処置される腫瘍に依存し、全種類の放射体が本発明の範囲に入ると考えられる。
【0046】
更に、本発明は非電離放射線のタイプ、例えば紫外線(UV)、高エネルギーの可視光線、マイクロ波照射(温熱治療)、赤外線(IR)及びレーザーを包含する。本発明の特定の実施態様では、UV線が適用される。
【0047】
また本発明は、本発明の化合物と治療的に不活性な担体、希釈剤又は賦形剤を含む製薬用組成物又は医薬、並びにそのような組成物及び医薬を調製するために本発明の化合物を使用する方法も含む。典型的には、本発明の方法に使用される式Iの化合物は、周囲温度、適切なpHで、所望する純度にて、生理学的に許容可能な担体、すなわち生薬投与形態に使用される用量及び濃度でレシピエントに無毒な担体と混合することにより製剤化される。製剤のpHは、主として化合物の濃度及び特定の用途に依存するが、約3から約8の範囲のどこかであってよい。pH5の酢酸バッファー中での製剤化が適切な実施態様である。一実施態様では、ここで使用される阻害化合物は滅菌されている。通常、化合物は固体組成物として保存されるが、凍結乾燥製剤又は水溶液も許容可能である。
【0048】
本発明の組成物は、良好な医療プラクティスと一致した様式にて、製剤化され、投与量が決定され、投与されるであろう。ここで考慮される要因には、治療される特定の疾患、治療される特定の哺乳動物、個々の患者の病状、疾患の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び医師に知られている他の要因が含まれる。投与される化合物の「有効量」は、このような考慮により決定され、カスパーゼとのIAPの相互作用を阻害し、アポトーシスを誘導させ、又はアポトーシスシグナルに対して悪性細胞の感受性を増加させるのに必要な最小量である。このような量は、正常細胞、又は全体としての哺乳動物に毒性である量以下である。あるいは、本発明の化合物の「有効量」は癌細胞の増殖を阻害し又は腫瘍増殖を阻害するのに必要とされる量でありうる。一般に、一用量あたりに非経口的に投与される本発明化合物の最初の製薬的有効量は、一日当たり約0.01〜100mg/kg(患者の体重)、例えば約0.1〜20mg/kgの範囲であり、使用される化合物の典型的な最初の範囲は、0.3〜15mg/kg/日である。経口単位用量形態、例えば錠剤及びカプセルは、本発明の化合物を約25〜約1000mg含みうる。
【0049】
本発明の化合物は、経口、局所、経皮、非経口、皮下、腹膜内、肺内、及び鼻孔内、局部的治療に対して所望される場合は病巣内部への投与を含む、任意の適切な手段により投与されうる。非経口的注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹膜内、又は皮下投与が含まれる。適切な経口投与形態の例は、約25mg、50mg、100mg、250mg又は500mgの本発明の化合物に、約90〜30mgの無水ラクトース、約5〜40mgのクロスカルメロースナトリウム、約5〜30mgのポリビニルピロリドン(PVP)K30、及び約1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを配合して含む錠剤である。粉末成分をまず最初に混合し、次にPVP溶液と混合する。得られた組成物を乾燥させ、顆粒化し、ステアリン酸マグネシウムと混合し、一般的な装置を使用して錠剤形態に圧密化する。エアゾール製剤は、リン酸バッファー等の適切なバッファー溶液に、例えば5〜400mgの本発明の化合物を溶解させ、所望するならば、塩類、例えば塩化ナトリウム等のトニシファイヤー(tonicifier)を添加することにより調製することができる。典型的には、溶液は、例えば0.2ミクロンのフィルターを使用して濾過され、不純物及び汚染物が除去される。
【実施例】
【0050】
本発明は、次の実施例を参照することにより、より十分に理解されるであろう。しかしながら、それらは本発明の範囲を限定すると解釈されてはならない。試薬及び溶媒は商業的供給源から得て、受け入れた状態のまま使用した。
ここで使用される略語は以下の通りである:
ACN:アセトニトリル;
Chg:シクロヘキシルグリシン;
DCM:ジクロロメタン;
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン;
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン;
DME:1,2-ジメトキシエタン;
DMF:ジメチルホルムアミド;
DMSO:ジメチルスルホキシド;
EDC:1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;
EEDQ:2-エトキシ-1-エトキシカルボニル-1、2-ジヒドロキノリン;
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分析
HATU:O-(7-アゾベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート;
HOBt:N-ヒドロキシベンゾトリアゾール;
HBTU:2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチル-ウロニウムヘキサフルオロホスファート;
HPLC:高速液体クロマトグラフィー;
NBS:N-ブロモスクシンアミド;
TASF:トリス(ジメチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリカート;
TEA:トリエチルアミン;
TFA:トリフルオロアセタート;
THF:テトラヒドロフラン。
【0051】
実施例1 化合物1の合成

1,5-ビス(カルベトキシ)ペルヒドロアゼピン-4-オン(b): 無水エーテル中の1-カルベトキシピペリジン-4-オン(3.0ml、26.5mmol)の冷溶液(−30℃)に、ジエチルエーテル(2.8ml)中の三フッ化ホウ素エーテル(3.4ml、26.5mmol)の溶液とジエチルエーテル(2.8ml)中のジアゾジカルボン酸エチル(3.6ml、34.5mmol)の溶液を1.5時間かけてシリンジポンプによって同時に加えた。添加が完了したところで、反応混合物を−30℃で更に一時間撹拌した後、室温まで温めた。その反応混合物を30%の炭酸カリウムで洗浄し、有機相をNaSOで乾燥させ、真空濃縮して、次の反応で直接使用される黄色の粗油としてbを得た。
【0052】
d: HO(69ml)中4-メトキシアニリン(1.69g、13.8mmol)及び塩酸(1.72ml)の冷(0℃)溶液に、亜硝酸ナトリウム(0.95g、13.8mmol、0.6M)の水溶液を5分かけて滴下して加えた。得られたジアゾニウム塩(c)の溶液を、HO(35ml)中に1、5-ビス(カルベトキシ)ペルヒドロアゼピン-4-オン(b、13.8mmol)を含む別の反応フラスコにゆっくり加え、0℃にてKOH(0.85g、15.1mmol)で塩基性化した。2−3時間の撹拌後、反応混合物を0.1MのHCl(50ml)で希釈し、EtOAc(3×50ml)で抽出し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空で除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0→ヘキサン中40%EtOAc、勾配溶離)にかけて、ヒドラゾンd(1.1g、25%)を得た。
【0053】
e: 酢酸(6.6ml)及び塩酸(0.3ml)中のヒドラゾンd(1.1g、3.3mmol)の溶液を1.5時間の間、80℃に加熱した。室温まで冷却させたところで、反応混合物をHO(10ml)で希釈し、EtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層をブライン(20ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけて(シリカゲル、0→ヘキサン中50%EtOAc、勾配溶離))、インドール-ケトン(e、200mg、20%)を得た。
【0054】
1: THF(4.0ml)中のインドール-ケトン(e、200mg、0.66mmol)の冷(0℃)溶液に、LHMDS(2.0ml、THF中1.0M)を滴下して加えた。0℃で1時間の撹拌後に、無水酢酸を滴下して加え、反応混合物を、室温まで温めながら3時間撹拌した。その反応混合物をHO(10ml)で希釈し、EtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層をブライン(20ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、fを含んでいる粗残留物をEtOH(3ml)及びヒドラジン(1.5ml)に溶解させ、室温で12時間撹拌した。その反応混合物をHO(10ml)で希釈し、EtOAc(3×20ml)で抽出した。その有機層をブライン(20ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残留物をHPLCにより精製して、最終化合物1(47mg、21%)を得た。
【0055】
実施例2 化合物2の合成

b: 無水エーテル中のテトラヒドロチオピラン-4-オン(5.0g、43.0mmol)の冷溶液(−30℃)に、ジエチルエーテル(4.6ml)中の三フッ化ホウ素エーテル(5.4ml、43.0mmol)の溶液とジエチルエーテル(4.6ml)中のジアゾジカルボン酸エチル(5.8ml、55.9mmol)の溶液を1.5時間かけてシリンジポンプによって同時に加えた。添加が完了したところで、反応混合物を−30℃で更に一時間撹拌した後、室温まで温めた。その反応混合物を30%の炭酸カリウムで洗浄し、有機相をNaSOで乾燥させ、真空濃縮して、次の反応で直接使用される白色固形物としてbを得た。
【0056】
d: HO(215ml)中4-メトキシアニリンc(5.3g、43.0mmol)及び塩酸(5.4ml)の冷(0℃)溶液に、亜硝酸ナトリウム(2.97g、43mmol、0.6M)の水溶液を5分かけて滴下して加えた。得られたジアゾニウム塩の溶液を、HO(108ml)中にb(43mmol)を含む別の反応フラスコにゆっくり加え、0℃にてKOH(2.65g、47.3mmol)で塩基性化した。2−3時間の撹拌後、反応混合物を0.1MのHCl(100ml)で希釈し、EtOAc(3×100ml)で抽出し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空で除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0→ヘキサン中10%EtOAc、勾配溶離)にかけて、ヒドラゾンd(2.0g、18%)を得た。
【0057】
e: 酢酸(15.2ml)及び塩酸(0.7ml)中のヒドラゾンd(2.0g、7.6mmol)の溶液を1.5時間の間、80℃に加熱した。室温まで冷却させたところで、反応混合物をHO(20ml)で希釈し、EtOAc(3×40ml)で抽出した。有機層をブライン(40ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0→ヘキサン中20%EtOAc、勾配溶離)にかけて、インドール-ケトンe(0.588g、31%)を得た。
【0058】
2: THF(1.7ml)中のインドール-ケトンe(85mg、0.34mmol)の冷(−78℃)溶液に、LHMDS(1.0ml、THF中1.0M)を滴下して加えた。0℃で1時間の撹拌後に、ピルボニトリルを滴下して加え、反応混合物を、−78℃で30分撹拌した。その反応混合物をHO(4ml)で希釈し、EtOAc(3×5ml)で抽出した。有機層をブライン(5ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、fを含んでいる粗残留物をEtOH(1.7ml)及びヒドラジン(1.7ml)に溶解させ、室温で12時間撹拌した。その反応混合物をHO(5ml)で希釈し、EtOAc(3×10ml)で抽出した。その有機層をブライン(10ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残留物をHPLCにより精製して、最終化合物2(34mg、35%)を得た。
【0059】
実施例3 化合物8の合成

b: 24時間の間、HO(100ml)中でKI(4.9g、29.5mmol)及びI(5.0g、19.7mmol)を撹拌することによって、0.2Mの三ヨウ化カリウム溶液を調製した。ついで、この三ヨウ化カリウムの新たに調製された混合物を、MeOH(50ml)中の5-ヨードインドールa(4.0g、16.5mmol)及びチオ尿素(1.5g、19.7mmol)の溶液に室温で滴下して加え、30分間撹拌した。濾過後、その溶液を45℃で減圧下でその半分の容積まで濃縮した。この混合物にNaOH水溶液(6.6ml、10N)を加え、95℃にて30分加熱した。室温まで冷却させたところで、ジエチルエーテル(50ml)中のブロモプロピオン酸エチル(2.1ml、16.5mmol)の溶液を室温で反応混合物に加え、45分間、激しく撹拌した。有機相の分離後、水性反応混合物を更にジエチルエーテル(25ml)で抽出した後、ブライン(25ml)での更なる洗浄物と組合せ、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去して、次の反応で直接使用される黄色の油を得た。水酸化リチウム(0.595g、14.2mmol)を、THF、EtOH及びHOの2:2:1混合物(14ml)に溶解させた粗エステル(2.66g、7.09mmol)に加え、2時間の間、50℃に加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を、塩酸水溶液(12ml、1MのHCl)を用いて反応停止させ、ジエチルエーテル(25ml)で抽出し、HO(20ml)、ブライン(20ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、透明な油として酸b(2.33g、95%)を得た。
【0060】
c: CHCl(20ml)中の酸b(1.62g、4.67mmol)の溶液にポリホスフェートエステル(PPE)(20ml)を加え、1.5時間撹拌した。ついで、その溶液を氷水に注ぎ、EtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を更にHO(20ml)、ブライン(20ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0→ヘキサン中50%EtOAc、勾配溶離)にかけて、インドール-ケトンc(0.460g、30%)を黄色の油として得た。
【0061】
d: THF(10ml)中のインドール-ケトンc(1.0g、4.04mmol)の冷(−78℃)溶液に、LHMDS(12.1ml、THF中1.0M)を滴下して加えた。0℃で1時間の撹拌後に、ピルボニトリル(1.44ml、20.2mmol)を滴下して加え、反応混合物を−78℃で30分撹拌した。その反応混合物をHO(10ml)で希釈し、EtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層をブライン(10ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、チオピラノインドールdを含んでいる粗残留物をEtOH(20ml)及びヒドラジン(5ml)に溶解させ、室温で3時間撹拌した。その反応混合物を0.1MのHCl(20ml)で希釈し、EtOAc(3×20ml)で抽出した。その有機層をブライン(20ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0→ヘキサン中85%EtOAc、勾配溶離)にかけ、黄色の油としてピラゾールe(0.460g、30%)を得た。
【0062】
8: ピラゾールe(44mg、0.12mmol)、CuI(1mg、0.006mmol)、メタンスルフィン酸ナトリウム(18mg、0.18mmol)、N,N-ジメチルエチレンジアミン(1.27μl、0.012mmol)の混合物をDMSO(1ml)に溶解させ、マイクロ波によって15分かけて180℃まで加熱した。反応混合物をHO(1ml)で希釈し、EtOAc(3×2ml)で抽出した。有機層をブライン(1ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残留物をHPLCにより精製し、最終生成物8(6.1mg、16%)を得た。
【0063】
実施例4 化合物9の合成

b: 24時間の間、HO(146ml)中でKI(7.25g、43.7mmol)及びI(7.4g、29.1mmol)を撹拌することによって、0.2Mの三ヨウ化カリウム溶液を調製した。ついで、この三ヨウ化カリウムの新たに調製された混合物を、MeOH(73ml)中の5-ヨードインドールa(8.3g、24.0mmol)及びチオ尿素(2.2g、29.0mmol)の溶液に滴下して加え、30分間撹拌した。濾過後、その溶液を45℃で減圧下でその半分の容積まで濃縮した。この混合物にNaOH水溶液(9.6ml、10N)を加え、95℃にて30分加熱した。室温まで冷却させたところで、ジエチルエーテル(50ml)中のブロモ酪酸エチル(4.2ml、29.0mmol)の溶液を室温で反応混合物に加え、45分間、激しく撹拌した。有機相の分離後、水性反応混合物を更にジエチルエーテル(100ml)で抽出した後、ブライン(50ml)での更なる洗浄物と組合せ、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去して、次の反応で直接使用される白色固形物を得た。水酸化リチウム(0.236g、5.64mmol)を、THF、EtOH及びHOの2:2:1混合物(14.2ml)に溶解させた粗エステル(1.10g、2.82mmol)に加え、2時間の間、50℃に加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を、塩酸水溶液(12ml、1MのHCl)を用いて反応停止させ、ジエチルエーテル(25ml)で抽出し、HO(20ml)、ブライン(20ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、透明な油としてb(0.968g、95%)を得た。
【0064】
c: CHCl(20ml)中の酸b(0.968g、2.68mmol)の溶液にポリホスフェートエステル(10ml)を加え、1.5時間撹拌した。ついで、その溶液を氷水に注ぎ、EtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を更にHO(20ml)、ブライン(20ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0→ヘキサン中50%EtOAc、勾配溶離)にかけて、インドール-ケトンc(0.200g、21%)を黄色固形物として得た。
【0065】
d: THF(3ml)中のインドール-ケトンc(0.200g、0.582mmol)の冷(−78℃)溶液に、LHMDS(1.8ml、THF中1.0M)を滴下して加えた。0℃で1時間の撹拌後に、ピルボニトリル(0.200ml、2.91mmol)を滴下して加え、反応混合物を−78℃で30分撹拌した。その反応混合物をHO(5ml)で希釈し、EtOAc(3×5ml)で抽出した。有機層をブライン(5ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、チオピラノインドールdを含んでいる粗残留物をEtOH(3ml)及びヒドラジン(1ml)に溶解させ、室温で3時間撹拌した。その反応混合物を0.1MのHCl(5ml)で希釈し、EtOAc(3×10ml)で抽出した。その有機層をブライン(5ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0→ヘキサン中85%EtOAc、勾配溶離)にかけ、黄色固形物としてピラゾールe(66mg、30%)を得た。
【0066】
9: ピラゾールe(44mg、0.12mmol)、CuI(1mg、0.006mmol)、メタンスルフィン酸ナトリウム(18mg、0.18mmol)、N,N-ジメチルエチレンジアミン(1.27μl、0.012mmol)の混合物をDMSO(1ml)に溶解させ、マイクロ波によって15分かけて180℃まで加熱した。反応混合物をHO(1ml)で希釈し、EtOAc(3×2ml)で抽出した。有機層をブライン(1ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残留物をHPLCにより精製し、最終生成物9(6.1mg、16%)を得た。
【0067】
実施例5 化合物3の合成

3: 化合物aをN下でグリシン(10mg、0.13mmol)、KPO(140mg、0.66mmol)、CuI(10mg、0.026mmol)、イミダゾール(36mg、0.52mmol)と組合せ、1.3mlのDMSOをこの混合物に加えた。反応物を170℃で30分間マイクロ波条件下に配した。反応混合物を濾過しHPLCによって直接精製して、45mgの3を得た。
【0068】
実施例6 化合物4の合成

4: 化合物3を調製するための手順と条件を使用して、化合物a(50mg)を1H-1,2,4-トリアゾール-3-チオールと反応させて10mgの化合物4を得た。
【0069】
実施例7 化合物5及び6の合成

5及び6: 化合物3を調製するための手順と条件を使用して、化合物a(50mg)を1H-1,2,4-トリアゾール-3-アミンと反応させて13mgの化合物5と8mgの化合物6を得た。
【0070】
実施例8 オーロラA及びオーロラBのインビトロキナーゼアッセイ
キナーゼ活性を酵素免疫吸着測定法(ELISA)によって測定した:Maxisorpの384ウェルプレート(Nunc)に、グルタチオン-S-トランスフェラーゼのN末端にヒストンH3の残基1−15を含む組換え融合タンパク質をコートした。ついで、リン酸緩衝生理食塩水中の1mg/mLのI-ブロック溶液(Tropix Inc)でプレートをブロックした。適切な量の変異体Aur A及びBキナーゼを試験化合物と30μMのATPと組み合わせることによってELISAプレートのウェルでキナーゼ反応を行わせた。反応バッファーは1μg/mLのI-ブロックを補填した1×キナーゼバッファー(Cell Signaling Technologies)であった。反応は、25mMのEDTAの添加により45分後に停止させた。洗浄後、抗ホスホ-ヒストンH3(Ser10)6G3mAb(Cell Signaling カタログ番号9706)及びヒツジ抗マウスpAb-HRP(Amershamカタログ番号NA931V)を添加し、ついでTMBでの比色分析を展開し、基質のリン酸化が検出された。
【0071】
実施例9 細胞増殖/生死判別試験
細胞増殖及び/又は細胞生存を阻害する試験化合物の能力を細胞ATPアッセイ(Cell-Titer-Glo, Promega)を使用して推定した。細胞(HCT116、HT29大腸癌細胞株、MCF-7乳癌細胞株)を、10%仔ウシ血清を補填した50:50のDMEM/HamsF-12培地中において適切な密度で384ウェルプレート(Greiner μClear)に播種し、一晩付着させた。試験化合物をDMSOとついで培養培地で連続希釈し、適切な濃度で細胞に加えた。細胞を化合物と共に5日間インキュベートした。細胞数/生存率を、製造者の指示書に従って、Cell-Titer-Glo試薬(Promega)を使用して推定した。
【0072】
実施例10 細胞ホスホヒストン/有糸分裂アッセイ
有糸分裂の進行及びオーロラB依存性ヒストンH3リン酸化を阻害する化合物の効果を自動化顕微鏡及び画像解析によって推定した。HT29大腸癌細胞を、10%仔ウシ血清を補填した50:50のDMEM/HamsF-12培地中において適切な密度で384ウェルプレート(Greiner μClear)に播種し、一晩付着させた。試験化合物をDMSOとついで培養培地で連続希釈し、適切な濃度で細胞に加えた。化合物での16時間のインキュベーション後、細胞を免疫蛍光顕微鏡法のために加工した。細胞を4%のパラホルムアルデヒドで固定した後、ウェルを5%の魚ゼラチン(Sigma)でブロックした後、抗ホスホ-ヒストンH3(Ser10)ウサギポリクローナル抗体(Cell Signaling)及び抗MPM2モノクローナル抗体(Cell Signaling)と共にインキュベートし、ついで、ヤギ抗ウサギ-AlexaFluor555及びヒツジ抗マウスAlexaFluor488(Invitrogen)と共にインキュベートし、Hoechst33342で核対比染色をした。画像をDiscovery-1自動顕微鏡システム(Molecular Devices)を用いて獲得し、MetaMorphソフトウェア(Molecular Devices)を使用して分析し、MPM2に対して及びホスホ-ヒストンH3に対して陽性の細胞スコアの割合を計算した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:

[上式中、
X、Y及びZは、独立して、存在しないか、CR4’、NR、S、SO、SO又はOであり;あるいはX及びYは共同してCR=CRであり;あるいはY及びZは共同してCR=CRであり;X、Y及びZの少なくとも一つはNR、S、SO、SO又はOである;
及びRは独立してH又は保護基であり;
は、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、又はアルキル、アシル、アルコキシ又はアルキルチオで、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、チオン、アミノ、カルボキシル及びアルコキシで置換されていてもよいものであり;
は、H、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アルキル、炭素環又は複素環であり、ここで前記アルキル、炭素環及び複素環はハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、炭素環又は複素環で置換されていてもよく、アルキル基の一又は複数のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;
は、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、アルキル、炭素環又は複素環であり、ここで前記アルキル、炭素環及び複素環はハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボキシル、アルキル、炭素環又は複素環で置換されていてもよく、アルキル基の一又は複数のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;
及びR’は独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、アルキル、炭素環又は複素環であり、あるいはR及びR4’は共同してオキソ、チオン、炭素環又は複素環を形成し、前記アルキル、炭素環及び複素環は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、炭素環又は複素環で置換されていてもよく、アルキル基の一又は複数のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;
は、H、アルキル、炭素環又は複素環であり、前記アルキルの一又は複数のCH又はCH基は-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-NH-、又は-C(O)-で置換されていてよく;前記アルキル、炭素環及び複素環は、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ置換アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、アミジノ、グアニジノ、置換されていてもよい炭素環又は置換されていてもよい複素環で置換されていてもよく;
nは0から3である]
の化合物及びその塩及び溶媒和物。
【請求項2】
XがCR4’であり、YがSであり、ZがCR4’である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
及びR4’がそれぞれHである請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
XがCR4’であり、YがNRであり、ZがCR4’である請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
及びR4’がそれぞれHであり、Rがアルキルオキシカルボニルである請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
XがSであり、YがCR4’であり、ZがCR4’である請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
及びR4’はそれぞれHである請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
及びRは共にHである請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
がアルキルである請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
がメチルである請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
がHである請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
がメトキシ、メチルスルホニル、1H-イミダゾール-1-イル、1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ、1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-アミノ、3-アミノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル又は1-ヒドロキシ-1-(5-メチルフラン-2-イル)メチルである請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
nが1である請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
nが1であり、Rがメトキシ、メチルスルホニル、1H-イミダゾール-1-イル、1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ、1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-アミノ、3-アミノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル又は1-ヒドロキシ-1-(5-メチルフラン-2-イル)メチルである請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
nが1であり;R及びRが共にHであり;Rがアルキルであり;RがHであり;Rがメトキシ、メチルスルホニル、1H-イミダゾール-1-イル、1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ、1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-アミノ、3-アミノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル又は1-ヒドロキシ-1-(5-メチルフラン-2-イル)メチルである請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
XがCR4’であり、YがNRであり、ZがCR4’であり、R及びR4’がそれぞれHであり、Rがアルキルオキシカルボニルである請求項15に記載の化合物。
【請求項17】

からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
細胞におけるオーロラキナーゼのシグナル伝達を阻害する方法において、前記オーロラキナーゼを請求項1に記載の化合物に接触させることを含む方法。
【請求項19】
オーロラキナーゼのシグナル伝達に関連した哺乳動物の疾患又は症状を治療する方法において、前記哺乳動物に請求項1に記載の化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項20】
癌の治療方法において、哺乳動物に請求項1に記載の化合物の有効量を投与することを含む方法。

【公表番号】特表2009−519974(P2009−519974A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545979(P2008−545979)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/062112
【国際公開番号】WO2007/120333
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】