説明

回り縁部のコーナー接合部材の構造並びに回り縁部のコーナー接合部材の取り付け方法

【課題】建物の外壁をなすサイディングと、窓枠等の取付部材との間に使用される回り縁部のコーナー部材であって、施工が容易で、施工時間もかからず、かつ見栄えの良い回り縁部のコーナー部材およびその構造、並びに回り縁部のコーナー部材の取り付け方法を提供する。
【解決手段】回り縁部のコーナー接合部材は、建物の外壁をなすサイディングと、窓枠等の取付部材との間に使用される回り縁部のコーナー接合部材で、回り縁部のサイディング端部覆い板体の外側面を覆うカバー部材1と、このカバー部材1の裏面に取り付けられてサイディング端部覆い板体の内側面に当接する受け部材2とからなり、カバー部材1と受け部材2との間に、サイディング端部覆い板体を受入挟持できる間隙20、21を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物、構造物の外装材、特に外壁に使用される合成樹脂サイディングと、窓枠、扉枠等の取付部材との間に使用される回り縁部のコーナー接合部材、およびその構造、並びに回り縁部のコーナー接合部材の取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂サイディング(以下、サイディングという。)は、耐久性に優れ、塩害による錆や凍結融解によるひび割れもなく、また、目地にコーキングを必要とせず、撥水性、耐衝撃性に優れ、軽量で施工性も良好であることから、建物の長寿命の外装化粧材として、新築もしくは既存壁のリフォームに使用されており、今後伸びが期待されている。
【0003】
このようなサイディングを、建物の外壁に用いた場合、窓枠等の取付部材をサイディングの上に設置して取付けるには、通常、取付部材とサイディングとの間に、合成樹脂製の回り縁部、例えば、J型のチャンネル部材(以下、Jチャンネル部材という。)が用いられる。
このJチャンネル部材は、窓枠取り付け部材の周囲に配置し固定する場合や、縦方向および横方向に配置したJチャンネル部材が直交する場合には、隙間や変形が生じ易く見栄えも悪く施工に手間がかかる。
【0004】
そこで、施工を簡便にし、仕上がり外観を良好なものとするため、Jチャンネル部材同士の直交部分を、受け部材31とカバー材51で覆う取付構造の例も見られる(特許文献1)(図7参照)が、この例では、受け部材31とカバー材51を、ネジを用いて、Jチャンネル部材同士が交差する窓枠のコーナー部分を固定するため、施工に手間がかかり、かつネジ一本で固定しているため、前記ネジを軸として回転する等、施工後の安定が悪く、さらに雨水でネジに錆びが発生したりして、見栄えも悪くなる。
【0005】
本出願人は、上記に鑑み、先にネジ止め等の施工行為を一切必要としない回り縁部のコーナー部材を提案した(特許文献2)。
この発明では、窓枠等の取付部材のコーナー部で、交差状に取付けられたJチャンネル部材のサイディング覆い板体の内側に基板を挿入配置し、この基板にカバー部材をあてがい、基板の突部とカバー部材の突部とを嵌合させるだけで、Jチャンネル部材の交差部への取付け固定ができるという効果が得られたが、施工後にJチャンネル部材に生じた反り等の変形や風圧が原因で、基板の突部とカバー部材の突部の嵌合が外れ、回り縁部のコーナー部材がJチャンネル部材から抜け易いという不都合が生じた。
また、施工時に高所で、基板の突部とカバー部材の突部とを位置合わせして嵌合させるのは容易でなく、施工しずらいという問題も生じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3069635号公報
【特許文献2】特開2006−138131号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、ネジ止め等の作業を一切必要とせず、施工が容易で、施工時間もかからず、かつJチャンネル部材の伸縮、反り等の変形や風圧によってコーナー部材が外れることのない強度性を有し、しかも見栄えの良い回り縁部のコーナー接合部材とその構造、並びに回り縁部のコーナー接合部材の取り付け方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の回り縁部のコーナー接合部材は、建物の外壁をなすサイディングと、窓枠等の取付部材との間に使用される回り縁部のコーナー接合部材であって、回り縁部のサイディング端部覆い板体の外側面を覆うカバー部材と、このカバー部材の裏面に取り付けられて前記サイディング端部覆い板体の内側面に当接する受け部材とからなり、前記カバー部材と前記受け部材との間に、前記サイディング端部覆い板体を受入挟持できる間隙を有することを特徴とする。
また、本発明の回り縁部のコーナー接合部材構造は、前記カバー部材の裏面に設けられた中空突部を受け部材の取付孔に嵌め入れ、さらに、ストッパーピンを前記中空突部に嵌入することによって、カバー部材に受け部材が取り付けられる構造である。
【0009】
さらに、本発明の回り縁部のコーナー接合部材の取り付け方法は、前記した回り縁部のコーナー接合部材を用い、回り縁部のサイディング端部覆い板体の端部に、前記コーナー接合部材のカバー部材と前記受け部材との一方の間隙をあてがい、前記サイディング端部覆い板体の端部を前記間隙に嵌入した後、別の回り縁部のサイディング端部覆い板体の端部を、前記コーナー接合部材のカバー部材と前記受け部材との他方の間隙にあてがい、前記別の回り縁部のサイディング端部覆い板体の端部を前記他方の間隙に嵌入して、二本の回り縁部の接合部をカバーすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、サイディング上に配置して取付けられる窓枠等の取付部材の設置に際し、回り縁部のコーナー接合部分における取付部材の固定施工が簡単かつ短時間で行なえ、さらには施工後の取付強度および安定が良く、見栄えの良い取付けのできる回り縁部のコーナー接合部材とその構造、並びに回り縁部のコーナー接合部材の取り付け方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る回り縁部のコーナー接合部材の一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すコーナー接合部材のカバー部材の平面図である。
【図3】図1に示すコーナー接合部材の受け部材の平面図である。
【図4】図1に示すコーナー接合部材の組立手順を示す模式的な説明図である。
【図5】図2に示すカバー部材の中空突部の模式的な横断面図である。
【図6】図1に示すコーナー接合部材の使用例を示す模式的な部分斜視図である。
【図7】従来の回り縁部のコーナー部材の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る回り縁部のコーナー接合部材の一例を示す裏側からの斜視図であり、図2は、図1に示すコーナー接合部材のカバー部材の平面図であり、図3は、図1に示すコーナー接合部材の受け部材の平面図である。図4は、図1に示すコーナー接合部材の組立手順を示す模式的な説明図であり、図5は、図2に示すカバー部材の中空突部の模式的な拡大横断面図である。図6は、図1に示すコーナー接合部材の使用例を示す模式的な部分斜視図である。
【0013】
図1に示すように、本発明の回り縁部のコーナー接合部材(以下、コーナー接合部材という)は、カバー部材1と、受け部材2とで構成され、Jチャンネル部材25、25'(図6参照)のコーナー接合部の端部に、表側からカバー部材1を、裏側から受け部材2を挟持状に当接固定させて、見栄え良く二つのJチャンネル部材の端部を接合させている。
【0014】
カバー部材1は、図6に示すように、Jチャンネル部材25、25'のコーナー接合部におけるサイディング端部覆い板体26、26'の外側面を見栄え良く覆う部材であって、図2に示すように、縦横二方向へ延びる板体3、4からなり、これらの板体3から4に至る外側の側縁には、立上り状に折曲された係止辺5が連続して一体に形成され、板体3から4に至る内側の側縁には、係止辺5と同方向に折曲された側板6が連続して一体に形成されている。
【0015】
係止辺5と側板6との平行に対峙する部分の内幅は、使用するJチャンネル部材25、25'のサイディング端部覆い板体26、26'の幅とほぼ同じに形成されており、また、側板6の高さは、使用するJチャンネル部材25、25'の底面27、27'の幅方向を充分に覆うことのできる高さとなっている。
【0016】
また、カバー部材1の板体3、4の交差部の中央には、受け部材2を取り付けるための中空突部8が設けられ、その中空突部8の周りには、中空突部8に取り付けた受け部材2の外周縁を、部分的に囲むように接触して位置決め固定するための突条9が形成されている。
【0017】
中空突部8は、図4に示すように、上部がほぼ切頭円錐形の係着部10、下部がほぼ円筒状の基部11を有する茸状であって、中空突部8の外周面には、周方向に間隔をあけて、4本のスリット12が上下方向に形成されている。
【0018】
中空突部8は、その円筒状の基部11の外径が、後述する受け部材2の取付孔16を受け入れることのできる径に形成され、切頭円錐形の係着部10は、その下部の外径が、受け部材2の取付孔16の内径よりもやや大きく形成され、係着部10と基部11との境界にはリング状の下面が形成されている。
また、中空突部8の中空部の筒状内周面には、図5に示すように、間隔をあけて周方向に突起15が設けられている。
【0019】
受け部材2は、カバー部材1の裏面に取り付けられて、Jチャンネル部材25、25'のサイディング端部覆い板体26、26'の内側面に当接する部材であって、図3に示すように、基台7と、基台7の側面から縦横二方向へ延びる板状体13、14とから形成されている。
基台7の中央には、カバー部材1の中空突部8に係着するための取付孔16が設けられている。
【0020】
板状体13、14は、カバー部材1に受け部材2を取り付けた際、カバー部材1の板体3、4と受け部材の板状体13、14とが略平行に、
間隔20、21をあけて保持できるように、基台7の底面から上方の側面より縦横二方向へ延びる構造となっている(図6参照)。
上記間隔20、21は、サイディング端部覆い板体26、26'の厚みとほぼ同じ大きさに形成される。
また、受け部材2の板状体13、14の上面には、長手方向のほぼ中央線上に強度性を向上させるための板状リブ23、24が形成されている。
【0021】
次に、カバー部材1と受け部材2の取り付け構造の一例を、図4に基づいて説明する。
カバー部材1と受け部材2は、ストッパーピン17を使用して一体化される。即ち、受け部材2の基台7に形成された取付孔16に、カバー部材1の中空突部8を嵌め入れた後、ストッパーピン17を前記中空突部8の中空部に嵌入して、受け部材2をカバー部材1に取り付ける。
【0022】
ストッパーピン17は、下方に向けて僅かに縮径する円柱体で、外周面には周方向に係止溝18が設けられている。
カバー部材1への受け部材2の取り付けは、受け部材2の取付孔16にカバー部材1の中空突部8の切頭円錐形の係着部10の頭部をあてがい押すと、中空突部8に設けられたスリット12により分割された中空突部8の各周面が、受け部材2の取付孔16の内周面に押されて集束状に縮小して、取付孔16に係着部10が押し込まれる。
さらに、係着部10を取付孔16内に強く押し込むと、係着部10が取付孔16を貫通し、受け部材2の基台7の上面に突出する。
【0023】
その結果、受け部材2は、中空突部8の円筒状の基部11に係着するとともに、中空突部8の係着部10のリング状の下面によって、受け部材2の取付孔16の周縁部が押さえられた状態となる。
その際、カバー部材1上に受け部材2の基台7の外周に沿うように設けられた突条9により、受け部材2は、カバー部材1上に固定され、カバー部材1の板体3、4と受け部材の板状体13、14とは、略平行に、サイディング端部覆い板体を受入挟持できる間隔20、21をあけて保持される。
【0024】
このようにして、受け部材2がカバー部材1に係着した状態となった後、カバー部材1の中空突部8の頂部から中空部内に、ストッパーピン17を嵌入する。
ストッパーピン17を中空突部8の中空部内に嵌入していくと、ストッパーピン17の楔作用で、中空突部8に設けられたスリット12により分割された中空突部8の各周面が、受け部材2の取付孔16の内周面を押圧していくため、カバー部材1と受け部材2の取り付けが強固になるとともに、嵌入限界に達した時点でストッパーピン17の係止溝18に、中空突部8の中空部の内周面に設けられた突起15が嵌るようになっている。
そのため、カバー部材1に受け部材2を取り付けた後に、ストッパーピン17が抜けて、カバー部材1から受け部材2が外れることがなくなる。
【0025】
本発明を構成するカバー部材および受け部材は、いずれも合成樹脂製であり、これらの合成樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂等が用いられる。
また、用途に応じて紫外線吸収剤、衝撃改質材、安定剤、着色剤等の添加剤を加えることもできる。特に屋外での使用があるため紫外線吸収剤、衝撃改質材を添加することが良い。
【0026】
次に、本発明の接合部材を用いたJチャンネル部材のコーナー部の取り付け方法を図6に基づいて説明する。
まず、Jチャンネル部材25の一方のサイディング端部覆い板体26の端部に、カバー部材1と受け部材2の一方の間隙20をあてがい、Jチャンネル部材25のサイディング端部覆い板体26の端部を、前記間隙20へ矢印方向に嵌入する。
次いで、Jチャンネル部材25'のサイディング端部覆い板体26'の端部を、前記コーナー接合部材のカバー部材1と受け部材2の間隙21にあてがい、そのまま矢印方向に嵌入して取り付ける。
【0027】
その際、カバー部材1の係止辺5と側板6と間は、サイディング端部覆い板体26、26'の幅に形成されているため、サイディング端部覆い板体の端部へのカバー部材1と受け部材2の間隙の嵌入は円滑に行え、二本のJチャンネル部材25、25'の接合が簡単かつ確実に行うことができる。
以上により、カバー部材1と受け部材2とは、交差するJチャンネル部材25、25'のサイディング覆い板体26、26'の双方を挟持した状態で嵌合して、窓枠等の取付部材のコーナー部をカバーするように取付け固定され、施工後に、Jチャンネル部材の伸縮、反り等による変形や風圧によってコーナー部材が外れることのない強度性が得られる。
【0028】
本発明のコーナー接合部材は、Jチャンネル部材のサイディング覆い板体の端部に、本発明のコーナー接合部材のカバー部材と前記受け部材との間隙をあてがい嵌入させるだけの行為で、Jチャンネル部材の交差部への取付け固定ができ、ネジ止め等の施工行為は一切必要としない。
そのため、施工時間の短縮と、コストの削減を図ることができ、見栄えの良い取付けが実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明に係る回り縁部のコーナー接合部材は、サイディングに取付けられるあらゆる備品に応用できるので、今後大幅な伸びが期待されるサイディングの分野における産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0030】
1 カバー部材
2 受け部材
3、4 カバー部材の板体
5 カバー部材の係止辺
6 カバー部材の側板
7 受け部材の基台
8 中空突部
9 突条
10 カバー部材の中空突部の係着部
11 中空突部の基部
12 中空突部のスリット
13、14 受け部材の板状体
15 突起
16 基台の取付孔
17 ストッパーピン
18 係止溝
20、21 受け部材とカバー部材の間隙
23、24 板状リブ
25、25' Jチャンネル部材
26、26' Jチャンネル部材のサイディング端部覆い板体
27、27' Jチャンネル部材の底面
31 受け部材
51 カバー材





【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の外壁をなすサイディングと、窓枠等の取付部材との間に使用される回り縁部のコーナー接合部材であって、回り縁部のサイディング端部覆い板体の外側面を覆うカバー部材と、このカバー部材の裏面に取り付けられて前記サイディング端部覆い板体の内側面に当接する受け部材とからなり、前記カバー部材と前記受け部材との間に、前記サイディング端部覆い板体を受入挟持できる間隙を有している回り縁部のコーナー接合部材の構造であって、
前記カバー部材の裏面に設けられた中空突部を、受け部材の取付孔に嵌め入れ、さらに、ストッパーピンを前記中空突部に嵌入することによって、カバー部材に受け部材が取り付けられる構造を有することを特徴とする回り縁部のコーナー接合部材の構造。
【請求項2】
建物の外壁をなすサイディングと、窓枠等の取付部材との間に使用される回り縁部のコーナー接合部材であって、回り縁部のサイディング端部覆い板体の外側面を覆うカバー部材と、このカバー部材の裏面に取り付けられて前記サイディング端部覆い板体の内側面に当接する受け部材とからなり、前記カバー部材と前記受け部材との間に、前記サイディング端部覆い板体を受入挟持できる間隙を有している回り縁部のコーナー接合部材を用い、
回り縁部のサイディング端部覆い板体の端部に、前記コーナー接合部材のカバー部材と前記受け部材との一方の間隙をあてがい、前記サイディング端部覆い板体の端部を前記間隙に嵌入した後、別の回り縁部のサイディング端部覆い板体の端部を、前記コーナー接合部材のカバー部材と前記受け部材との他方の間隙にあてがい、前記サイディング端部覆い板体の端部を前記他方の間隙に嵌入して、二本の回り縁部の接合部をカバーすることを特徴とする回り縁部のコーナー接合部材の取り付け方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−255332(P2012−255332A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−171721(P2012−171721)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【分割の表示】特願2007−125720(P2007−125720)の分割
【原出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)