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回動操作型電気部品
説明

回動操作型電気部品

【課題】捩じりコイルばねを用いた従来の自己復帰型の電気部品に対して、回動操作の径方向の小型化が可能な自己復帰型の回動操作型電気部品を提供する。
【解決手段】操作部材1と、鍔状部T3を有し操作部材1とともに回動動作する軸部材3と、軸部材3の軸線方向へ移動可能な駆動体4と、駆動体4と対向配置されたカム部材5と、軸部材3の回動動作を検出する回動検出手段7と、駆動体4をカム部材5側へ付勢する圧縮コイルばね6とを備え、回動操作の初期状態から操作部材1が所定角度に回動操作されると、駆動体4の摺動部4qがカム部材5の案内面5p上をカム部材5の凹部5rから離れる方向へ相対的に摺動することにより、駆動体4が初期状態から鍔状部T3側へ移動して圧縮コイルばね6を圧縮し、回動操作が解除された際には、圧縮コイルばね6の付勢力により、駆動体4をカム部材5側に押し戻し初期状態に復帰させるようにしたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばビデオカメラや携帯電話機などの携帯機器等に備えられ、回転操作を伴う電気部品に関し、特に、操作後に操作部が元の位置に戻る自己復帰型のスイッチ或いは可変抵抗等の回動操作型電気部品に関する。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器の高機能化に伴い、一般的な押込操作を伴う電気部品に加え、ビデオカメラや携帯電話機などの携帯機器等では、回転操作を伴う電気部品が一般的に用いられるようになってきた。特に、操作の使い勝手の良さから、操作後に操作部が元の位置に戻る自己復帰型のスイッチ或いは可変抵抗等の電気部品が良く用いられている。
【0003】
この自己復帰型の電気部品の従来技術として、文献特許では、図14に示すように、ウエハ901に回転可能に保持された操作体902を備えた複合操作型電気部品900が提案されている。図14に示す複合操作型電気部品900は、回転検出用及び押込検出用の各固定接点を有するウエハ901と、このウエハ901に回転可能かつ押込可能に保持された操作体902と、この操作体902の下面に固定された導電性弾性板からなる摺動子903と、中央の巻回部904aの両端から一対の腕部904b,904cが突出する捩じりコイルばね904と、ウエハ901内に配置されたクリック板905と、ウエハ901の上部開口を覆うふた部材906とから主として構成されている。
【0004】
そして、この複合操作型電気部品900は、操作体902の操作部918を例えば反時計方向LDに回転操作すると、操作体902に連動して摺動子903も支軸909を中心にして回転し、摺動子903の可動接点927aが回転検出用の一方の固定接点(図示していない)に接触し、スイッチがオンとなる。このとき、捩じりコイルばね904の一方の腕部904bはウエハ901の係合段部908aに係止され、他の腕部904cは操作体902の係合溝923の端部により回転方向に押圧されて、これら腕部904b,904cが閉じる方向に圧縮されることにより、操作体902に対してセンタ位置への復帰力が付与される。そして、操作部918を手放すと、操作体902は捩じりコイルばね904の付勢力で時計方向RDに回転してセンタ位置まで自動的に戻るようになる。このようにして、捩じりコイルばね904を用いることにより、簡単な構成で操作部918が元の位置に戻る自己復帰型のスイッチが得られるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−274830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来例のような捩じりコイルばね904を用いた方式の電気部品は、簡単な構成で操作部を自己復帰させられるが、操作部918の回動操作の軸線方向と直交する方向が電子機器の厚み方向に沿うように、電気部品が電子機器に配置される場合、捩じりコイルばね904の巻回部904aの大きさと捩じりコイルばね904の腕部904b及び腕部904cの大きさも加わり、電子機器の厚みが厚くなってしまうと言う課題があった。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するもので、回動操作の径方向の小型化が可能な自己復帰型の回動操作型電気部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するために、本発明の回動操作型電気部品は、回動操作される操作部材と、鍔状部を有し前記操作部材とともに回動動作する軸部材と、前記軸部材が挿通される貫通部を有し、当該軸部材の軸線方向へ移動可能であるとともに、前記軸部材の回動動作に伴って回動動作する駆動体と、前記駆動体の一方側と対向配置されたカム部材と、前記軸部材の回動動作を検出する回動検出手段と、前記軸部材に挿通された状態で、前記鍔状部と前記駆動体の他方側との間に設けられ、前記駆動体を前記カム部材側へ付勢する圧縮コイルばねとを備え、対向配置された前記カム部材と前記駆動体とのいずれか一方には凹部とこの凹部に繋がって傾斜するように形成された案内面が設けられるとともに、いずれか他方には前記案内面を相対的に摺動する摺動部が設けられており、前記操作部材の回動操作の初期状態から、前記操作部材が所定角度に回動操作されると、前記軸部材が回動動作するとともに前記摺動部が前記案内面上を前記凹部から離れる方向へ相対的に摺動することにより、前記駆動体が前記鍔状部側へ移動して前記圧縮コイルばねを圧縮し、回動操作が解除された際には、前記圧縮コイルばねの付勢力により、前記駆動体を介して前記操作部材を初期状態に復帰させるようにしたことを特徴としている。
【0009】
これによれば、本発明の回動操作型電気部品は、操作部材の回動操作の初期状態から操作部材が所定角度に回動操作されると、摺動部が案内面上を凹部から離れる方向へ相対的に摺動することにより、駆動体が初期状態から回動動作を伴って鍔状部側へ移動して圧縮コイルばねを圧縮し、回動操作が解除された際には、圧縮コイルばねの付勢力により、駆動体を初期状態に復帰させるようにしたので、対向配置された駆動体とカム部材、及び圧縮コイルばねの連動作用により、駆動体と連動した軸部材を回動操作の初期状態にまで戻すことができる。このため、軸部材と連動した操作部材を回動操作の初期状態にまで戻すことができる。このことにより、小さい径の圧縮コイルばねと駆動体及びカム部材を用いることで、軸部材とともに回動動作する操作部材を自己復帰させることができ、捩じりコイルばねを用いて構成した場合と比較し、回動操作の径方向の小型化を図ることができる。したがって、回動操作の径方向の小型化が可能な自己復帰型の回動操作型電気部品を提供できる。
【0010】
また、本発明の回動操作型電気部品は、前記駆動体の前記貫通部が非円形状の孔からなるとともに、前記駆動体が挿通される前記軸部材の鍔状部の一方側には非円形状の第1の軸部が形成されており、前記第1の軸部が前記貫通部に係合状態で挿通されることで、前記駆動体は、前記軸部材に対して軸線方向へは移動可能で、周方向には回動移動が規制されていて、前記駆動体に前記軸部材の回動動作が伝達されることを特徴としている。
【0011】
これによれば、駆動体に設けられた非円形状の貫通部に、軸部材の鍔状部の一方側に形成された非円形状の第1の軸部が係合状態で挿通される構成にしたので、駆動体が、軸部材に対して軸線方向へは移動可能で、周方向には回動移動が規制されるようになる。このため、軸部材の回動動作が駆動体の軸線方向への移動動作として伝達され、駆動体と軸部材の鍔状部との間に配置された圧縮コイルばねを圧縮させる構成を簡単にできる。このことにより、簡単な構成で自己復帰型の回動操作型電気部品を作製することができる。
【0012】
また、本発明の回動操作型電気部品は、前記操作部材が筒状部を有し、前記筒状部の一端側には、前記軸部材の前記鍔状部を挿通可能な開口が設けられているとともに、前記筒状部の他端側には、非円形状の貫通孔が形成されており、前記軸部材には、前記鍔状部を挟んで前記第1の軸部とは反対側に位置する他方側に非円形状の第2の軸部が設けられ、前記開口側から前記軸部材が前記筒状部及び前記貫通孔に挿通され、前記貫通孔と前記軸部材の前記第2の軸部とが嵌合することにより、前記軸部材に前記操作部材の回動動作が伝達されることを特徴としている。
【0013】
これによれば、操作部材の筒状部の他端側に設けられた非円形状の貫通孔に、軸部材の鍔状部の他方側に形成された非円形状の第2の軸部が嵌合される構成にしたので、操作部材の回動動作が軸部材に伝達されるようになる。このことにより、操作部材の回動動作を軸部材に伝達させる構成を簡単に得ることができ、簡単な構成で自己復帰型の回動操作型電気部品を作製することができる。
【0014】
また、本発明の回動操作型電気部品は、前記駆動体が、前記圧縮コイルばねを前記鍔状部との間に挟持した状態で、前記操作部材の筒状部に収納されており、前記圧縮コイルばねの巻径が前記駆動体及び前記鍔状部の外形よりも小さく設定されているとともに、前記駆動体と前記筒状部との間のクリアランス及び前記鍔状部と前記筒状部との間のクリアランスのそれぞれが、前記圧縮コイルばねを構成する線材の太さよりも小さいことを特徴としている。
【0015】
これによれば、駆動体が圧縮コイルばねを鍔状部との間に挟持した状態で、操作部材の筒状部に収納されているので、組み立て時において圧縮コイルばねを不所望に変形させてしまうことを防止できる。また、圧縮コイルばねの巻径が駆動体及び鍔状部の外形よりも小さく設定されているので、回動操作時において圧縮コイルばねを筒状部内で確実に圧縮させることができる。また、駆動体と筒状部との間のクリアランス及び鍔状部と筒状部との間のクリアランスのそれぞれが、圧縮コイルばねを構成する線材の太さよりも小さいので、圧縮コイルばねが駆動体或いは鍔状部と筒状部との間に挟まることはなく、回動操作時において圧縮コイルばねを筒状部内で確実に圧縮させることができる。以上のことにより、駆動体と軸部材の鍔状部との間に配置された圧縮コイルばねを確実に圧縮させることができ、簡単な構成で自己復帰型の回動操作型電気部品を作製することができる。
【0016】
また、本発明の回動操作型電気部品は、前記カム部材に前記案内面が設けられているとともに、前記駆動体に前記摺動部が設けられており、前記摺動部は前記案内面と面接触する被案内面で構成され、前記カム部材の少なくとも前記案内面が形成された部分が、前記操作部材の前記筒状部内に配設されていることを特徴としている。
【0017】
これによれば、カム部材に設けられた案内面と駆動体の摺動部に設けられた被案内面とが面接触する構成にしたので、操作部材の回動操作に伴う案内面と摺動部との摺動を確実に行うことができる。また、案内面及び被案内面が形成された部分が、操作部材の筒状部内に配設されているので、摺動する部分にゴミ等の異物が付着せず、案内面と摺動部との摺動を安定して行うことができる。以上のことにより、操作部材の回動操作を確実にしかも安定して行うことができ、自己復帰型の回動操作型電気部品の長寿命化を図ることができる。
【0018】
また、本発明の回動操作型電気部品は、弾性を有する枠体からなり、前記軸部材を回動動作可能に保持する保持部材を有し、前記枠体の両端側には、前記軸部材が挿通される第1の開口部と第2の開口部を有し、前記軸部材の一端部を第1の開口部に挿通するとともに、前記軸部材の他端部を第2の開口部に挿通したことを特徴としている。
【0019】
これによれば、弾性を有する枠体の両端に有した第1の開口部と第2の開口部とに、軸部材の一端部と他端部とを挿通し、軸部材を回動動作可能に保持した保持部材にしたので、操作部材及び駆動体とともに回動動作する軸部材を回動動作可能にさせる構成を簡単にすることができる。このことにより、簡単な構成で自己復帰型の回動操作型電気部品を作製することができる。
【0020】
また、本発明の回動操作型電気部品は、前記回動検出手段が、基体と、前記基体に設けられた第1の固定接点及び第2の固定接点と、前記第1の固定接点及び前記第2の固定接点と接離可能な摺動子とを有し、前記摺動子が、前記軸部材とともに回動動作し、前記操作部材の回動操作の初期状態から回動操作が行われた際に、前記摺動子が、前記操作部材の一方向への回動動作で前記第1の固定接点と接し、前記操作部材の他方向への回動動作で前記第2の固定接点と接することを特徴としている。
【0021】
これによれば、回動検出手段に第1の固定接点と第2の固定接点と摺動子とを用い、軸部材とともに回動動作する摺動子が、操作部材の回動操作の初期状態から回動操作が行われた際に、操作部材の一方側への回動動作で第1の固定接点と接し、操作部材の他方側への回動動作で第2の固定接点と接するようにしたので、操作部材の2方向の回動動作を検出できるようになる。このことにより、簡単な構成で2方向の回動動作を検出できる回動操作型電気部品を作製することができる。
【0022】
また、本発明の回動操作型電気部品は、前記操作部材が、回動操作される凸状の操作部を有し、該操作部を突出させる開口部を有するとともに、前記操作部材を覆うカバーを備え、前記操作部材を回動操作した際に、当該操作部材の回動角度を規制する規制部を前記カバーに設けたことを特徴としている。
【0023】
これによれば、操作部材の凸状の操作部を突出させる開口部を有したカバーを備え、カバーの開口部に操作部材の回動角度を規制する規制部を設けた構成としたので、操作部の回動操作が行われた際に、操作部の一方側への操作で開口部の一端に操作部が当接し、操作部の他方側への操作で開口部の他端に操作部が当接するようになる。このため、操作部材の回動動作範囲を開口部の大きさで決めることができる。このことにより、操作部材の回動動作の行き過ぎで、初期状態に戻る不具合の発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の回動操作型電気部品は、操作部材の回動操作の初期状態から操作部材が所定角度に回動操作されると、摺動部が案内面上を凹部から離れる方向へ相対的に摺動することにより、駆動体が初期状態から回動動作を伴って鍔状部側へ移動して圧縮コイルばねを圧縮し、回動操作が解除された際には、圧縮コイルばねの付勢力により、駆動体を初期状態に復帰させるようにしたので、対向配置された駆動体とカム部材、及び圧縮コイルばねの連動作用により、駆動体と連動した軸部材を回動操作の初期状態にまで戻すことができる。このため、軸部材と連動した操作部材を回動操作の初期状態にまで戻すことができる。このことにより、小さい径の圧縮コイルばねと駆動体及びカム部材を用いることで、軸部材とともに回動動作する操作部材を自己復帰させることができ、捩じりコイルばねを用いて構成した場合と比較し、回動操作の径方向の小型化を図ることができる。
【0025】
したがって、本発明の回動操作型電気部品は、回動操作の径方向の小型化が可能な自己復帰型の回動操作型電気部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図2(a)は、回動操作型電気部品の斜視図であり、図2(b)は、図2(a)に示すX1側から見た回動操作型電気部品の正面図であり、図2(c)は、図2(a)に示すY1側から見た回動操作型電気部品の側面図である。なお、説明を容易にするため、カバーを省略している。
【図3】本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図3(a)は、図1に示す側から見た操作部材の斜視図であり、図3(b)は、反対側から見た操作部材の斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図4(a)は、図1に示す側から見た軸部材の斜視図であり、図4(b)は、反対側から見た軸部材の斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図2(a)に示す操作部材及び軸部材のみの斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示す図を反対側から見た斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図6(a)は、図1に示す側から見た駆動体及びカム部材の斜視図であり、図6(b)は、図6(a)に示す図を反対側から見た斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図7(a)は、図2(a)に示す図から保持部材及び回動検出手段の基体を省略した斜視図であり、図7(b)は、図7(a)から操作部材及び回動検出手段を省略した斜視図であり、図7(c)は、図7(b)からカム部材を省略した斜視図である。
【図8】本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図8(a)は、回動検出手段の斜視図であり、図8(b)は、図8(a)から回転板を省略した斜視図であり、図8(c)は、図8(b)から摺動子を省略した斜視図である。
【図9】本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図9(a)は、図8(a)に示す側から見た回動検出手段の分解斜視図であり、図9(b)は、反対側から見た回動検出手段の分解斜視図である。
【図10】本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品の動作を説明する図であって、図10(a)は、回動動作の初期状態の回動操作型電気部品の斜視図であり、図10(b)は、回動動作が行われた回動操作型電気部品の斜視図であり、図10(c)は、図10(b)より更に回動動作が行われた回動操作型電気部品の斜視図である。
【図11】本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品の動作を説明する図であって、図11(a)は、図10(a)に示すカバー及び操作部材を省略し、更に基体を省略した斜視図であり、図11(b)は、図10(b)に示すカバー及び操作部材を省略し、更に基体を省略した斜視図であり、図11(c)は、図10(c)に示すカバー及び操作部材を省略し、更に基体を省略した斜視図である。
【図12】本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品の動作を説明する図であって、図12(a)は、図10(a)に示す回動動作の初期状態の回動検出手段部分の側面図であり、図12(b)は、図10(b)に示す回動動作が行われた際の回動検出手段部分の側面図であり、図12(c)は、図10(c)に示す回動動作が行われた際の回動検出手段部分の側面図である。なお、説明を容易にするため、カバー、保持部材及び回動検出手段の回転板を省略している。
【図13】本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品の変形例を説明する図であって、図13(a)は、変形例1の駆動体及びカム部材の斜視図であり、図13(b)は、変形例2の駆動体及びカム部材の斜視図である。
【図14】従来技術における複合操作型電気部品を説明する分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品101を説明する構成図である。図2は、本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図2(a)は、回動操作型電気部品101の斜視図であり、図2(b)は、図2(a)に示すX1側から見た回動操作型電気部品101の正面図であり、図2(c)は、図2(a)に示すY1側から見た回動操作型電気部品101の側面図である。なお、説明を容易にするため、カバー2を省略している。図3は、本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図3(a)は、図1に示す側から見た操作部材1の斜視図であり、図3(b)は、反対側から見た操作部材1の斜視図である。図4は、本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図4(a)は、図1に示す側から見た軸部材3の斜視図であり、図4(b)は、反対側から見た軸部材3の斜視図である。図5は、本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図5(a)は、図2(a)に示す操作部材1及び軸部材3のみの斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示す図を反対側から見た斜視図である。図6は、本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図6(a)は、図1に示す側から見た駆動体4及びカム部材5の斜視図であり、図6(b)は、図6(a)に示す図を反対側から見た斜視図である。図7は、本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図7(a)は、図2(a)に示す図から保持部材8及び回動検出手段7の基体97を省略した斜視図であり、図7(b)は、図7(a)から操作部材1及び回動検出手段7を省略した斜視図であり、図7(c)は、図7(b)からカム部材5を省略した斜視図である。図8は、本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図8(a)は、回動検出手段7の斜視図であり、図8(b)は、図8(a)から回転板77を省略した斜視図であり、図8(c)は、図8(b)から摺動子57を省略した斜視図である。図9は、本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品を説明する図であって、図9(a)は、図8(a)に示す側から見た回動検出手段7の分解斜視図であり、図9(b)は、反対側から見た回動検出手段7の分解斜視図である
【0029】
本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品101は、図1または図2に示すように、回動操作される操作部材1と、操作部材1とともに回動動作し鍔状部T3を有した軸部材3と、軸部材3の回動動作に伴って回動動作するとともに軸部材3の軸線方向に往復動作する駆動体4と、駆動体4と対向配置されたカム部材5と、駆動体4をカム部材5側へ付勢する圧縮コイルばね6と、軸部材3の回動動作を検出する回動検出手段7とを備えて構成される。他に、軸部材3を回動動作可能に保持する保持部材8と操作部材1の一部を覆うカバー2とを備えている。
【0030】
操作部材1は、図1ないし図3及び図5に示すように、ユーザによって回動操作される凸状の操作部11と、略円筒形の筒状部31とを有しており、ABS、PET、PBT、LCP等の合成樹脂素材を用いて、射出成形等で作製している。また、筒状部31の一端側には、円形状の開口31kが設けられているとともに、筒状部31の他端側には、非円形状の貫通孔31hが形成されている。この開口31kは、軸部材3の鍔状部T3を挿通可能な口径を有しており、この筒状部31には、軸部材3が開口31k側から挿通されて収納される。
【0031】
軸部材3は、図1、図4及び図5に示すように、軸部J3と鍔状部T3とから形成され、ABS、PET、PBT、LCP等の合成樹脂素材を射出成形等により、一体で成形し作製されている。また、軸部材3の軸部J3には、鍔状部T3の一方側には非円形状の第1の軸部13が設けられているとともに、鍔状部T3を挟んで第1の軸部13とは反対側に位置する他方側に非円形状の第2の軸部23が設けられている。他に、第1の軸部13と繋がって設けられた円形状の第3の軸部33と、第3の軸部33と繋がって設けられた非円形状の第4の軸部43と、第2の軸部23と繋がって設けられた円形状の第5の軸部53とが設けられている。そして、軸部材3を開口31k側から筒状部31に挿通して、更に非円形状の貫通孔31hに挿通すると、図5に示すように、軸部材3の第2の軸部23と貫通孔31hとが嵌合するようになる。このため、ユーザによって回動操作が行われると、操作部材1の回動動作が軸部材3に伝達される。このことにより、操作部材1の回動動作を軸部材3に伝達させる構成を簡単に得ることができる。
【0032】
駆動体4は、図1及び図6に示すように、中心部に貫通部4sを有した円筒状の形状をしており、この貫通部4sに軸部材3が挿通された際には、図7(c)に示すように、図4に示す軸部材3の非円形状の第1の軸部13が非円形状の孔からなる貫通部4sに係合状態で配置される。そして、この係合により、軸部材3の周方向の回動移動にともなって、駆動体4が回動移動するので、軸部材3の回動動作が伝達されるようになる。しかし、この係合は、軸部材3に対しての軸線方向へは規制されていないので、駆動体4の軸線方向への移動は可能である。
【0033】
カム部材5は、図1、図6及び図7に示すように、中心部に円形状の貫通穴5sを有した形状をしており、駆動体4の一方側と対向配置されている。この貫通穴5sに軸部材3が挿通された際には、図7(b)に示すように、図4に示す軸部材3の円形状の第3の軸部33が円形状の貫通穴5sに回動可能な状態で配置される。また、カム部材5は、図6(a)に示すように、駆動体4の反対側には周囲の両側を切り欠いた溝部5mを有しており、この溝部5mが後述する回動検出手段7の基体97のカム部材5側に設けられた嵌合凸部97t(図9に示す)と嵌合することにより、カム部材5を固定するとともに、カム部材5の回動動作が規制されている。
【0034】
カム部材5には、駆動体4と対向配置された側に凹部5rが設けられ、この凹部5rに繋がって傾斜するように形成された案内面5pが設けられている。また、駆動体4には、カム部材5と対向配置された側に案内面5pを相対的に摺動する摺動部4qが設けられている。特に、本発明の第1実施形態の摺動部4qは、案内面5pと面接触する被案内面4pで構成されている。
【0035】
また、図7に示すように、駆動体4は、圧縮コイルばね6を軸部材3の鍔状部T3との間に挟持した状態で配置され、カム部材5及び圧縮コイルばね6とともに操作部材1の筒状部31に収納されている。このため、案内面5p及び被案内面4pが形成された部分は、操作部材1の筒状部31内に配設されている。このことにより、摺動する部分にゴミ等の異物が付着せず、案内面5pと摺動部4qとの摺動を安定して行うことができる。
【0036】
圧縮コイルばね6は、金属製の線材から作製され、図7に示すように、圧縮コイルばね6に軸部材3が挿通されて組み込まれた際には、軸部材3の鍔状部T3と駆動体4の他方側との間に狭持され、軸部材3の第1の軸部13に挿通された状態で配置される。また、圧縮コイルばね6の巻径は、駆動体4及び鍔状部T3の外形寸法(外径)よりも小さく設定されているので、圧縮コイルばね6を駆動体4と鍔状部T3との間に確実に挟持することができ、回動操作時において、圧縮コイルばね6を筒状部31内で確実に圧縮させることができる。更に、図示はしていないが、駆動体4の外形寸法(外径)と筒状部31の内形寸法(内径)との間のクリアランスや鍔状部T3の外形寸法(外径)と筒状部31の内形寸法(内径)との間のクリアランスのそれぞれが、圧縮コイルばね6を構成する線材の太さよりも小さくしている。このため、操作部材1の回動操作時において、圧縮コイルばね6が駆動体4或いは鍔状部T3と筒状部31との間に挟まることがない。
【0037】
回動検出手段7は、図1、図7(a)、図8及び図9に示すように、基体97と、基体97に設けられた第1の固定接点17及び第2の固定接点27と、第1の固定接点17及び第2の固定接点27と接離可能な摺動子57とを有し、他に、摺動子57が固定された回転板77と、基体97に設けられたコモン固定接点37とを備えて構成される。
【0038】
基体97は、図8及び図9に示すように、第1の固定接点17、第2の固定接点27及びコモン固定接点37を埋設した基部97kと、前述したカム部材5側に設けられた嵌合凸部97tと、摺動子57及び回転板77を収納する収納部97nと、カム部材5の一部を収容する収容部97sと、収納部97n及び収容部97sを形成する基体ケース97cとを備えて構成される。また、回動検出手段7に軸部材3が挿通されて組み込まれた際には、図4に示す軸部材3の第3の軸部33が配置される円形状の孔97hが基部97kに設けられている。基体97は、絶縁性であるABS、PET、PBT、LCP等の合成樹脂素材を用い、基部97kに上記複数の固定接点をインサート成形して作製している。
【0039】
第1の固定接点17、第2の固定接点27及びコモン固定接点37は、図8及び図9に示すように、基部97kに埋設して設けられ、摺動子57と接離可能にするため、基部97kの摺動子57側の表面を露出させている。また、第1の固定接点17、第2の固定接点27及びコモン固定接点37は、導電性金属板から作製されており、オン・オフの情報を伝達するため、接続端子部17K、接続端子部27K及び接続端子部37Kは、電子機器の回路基板等に接続される。導電性金属板は、銅や鉄もしくはそれらを主成分とした合金等を用い、表面にニッケルや銀等のめっきが施してある。
【0040】
摺動子57は、図9に示すように、弾性を有する金属板が折り曲げられて構成された環状の導電性金属板であり、突設部57t及び突設部57vの2つと、2つの穴57hとを有している。突設部57tは、コモン固定接点37と常に接触しており、ユーザによって回動操作が行われた際には、突設部57vは、第1の固定接点17または第2の固定接点27と接離するようになる。穴57hは、図9(b)に示す回転板77の凸部77tと嵌合し、摺動子57が回転板77に固定されるようになる。場合によっては、この凸部77tを熱等でつぶしてかしめても良い。また、第1の固定接点17、第2の固定接点27及びコモン固定接点37と同様に、導電性金属板は、銅や鉄もしくはそれらを主成分とした合金等を用い、表面にニッケルや銀等のめっきが施してある。
【0041】
回転板77は、図7(a)、図8(a)及び図9に示すように、円板形状に作製され、中央部には、非円形状の貫通穴77hを有している。この非円形状の貫通穴77hは、回動検出手段7に軸部材3が挿通されて組み込まれた際には、図4に示す軸部材3の第4の軸部43が配置されて、軸部材3の第4の軸部43と係合される。このため、軸部材3の回動動作が行われると、回転板77が回動動作し、回転板77に固定された摺動子57と上記複数の固定接点とで、軸部材3の回動動作を検出するようにできる。
【0042】
保持部材8は、弾性を有する金属製の枠体からなり、図1に示すように、枠体の両端側には、軸部材3が挿通される第1の開口部8kと、軸部材3が挿通され周辺が凸状に曲げられた第2の開口部8hを有し、図2に示すように、第1の開口部8kは、図4に示す軸部材3の第4の軸部43が挿通され、第2の開口部8hは、図4に示す軸部材3の第5の軸部53が挿通される。保持部材8は、軸部材3の回動動作が行われると、軸部材3を回動動作可能に保持する機能を有している。
【0043】
カバー2は、ABS、PET、PBT、LCP等の合成樹脂素材を用いて、射出成形等で作製され、図1に示すように、操作部11を突出させる開口部2kを有するとともに、図示はしていないが、操作部材1を覆うように形成され、上述した構成部品を収納するように箱状の形状をしている。なお、このカバー2は、搭載する電子機器の筐体で代用しても良い。
【0044】
次に、上記構成部品の組立方法の一例について説明する。
先ず、軸部材3の第2の軸部23側を操作部材1の開口31k側から筒状部31に挿入し、更に、軸部材3の第2の軸部23と貫通孔31hが嵌合するまで、軸部材3を筒状部31に挿通する。このことにより、操作部材1の回動動作を軸部材3に伝達させる構成を簡単に得ることができる。
【0045】
次に、圧縮コイルばね6を軸部材3に挿通するとともに、操作部材1の開口31k側から筒状部31に圧縮コイルばね6を挿入し、更に、駆動体4の貫通部4sを軸部材3に挿通するとともに、操作部材1の開口31k側から筒状部31に駆動体4を挿入する。これにより、駆動体4が圧縮コイルばね6を鍔状部T3との間に挟持した状態で、操作部材1の筒状部31に収納されているので、組み立て時において、圧縮コイルばね6を不所望に変形させてしまうことを防止できる。また、駆動体4が組み込まれた際には、駆動体4は、軸部材3の非円形状の第1の軸部13と駆動体4の貫通部4sとが係合状態で配置されるようになる。
【0046】
次に、カム部材5の貫通穴5sを軸部材3に挿通して、軸部材3の第3の軸部33の位置にカム部材5を配置する。カム部材5が組み込まれた際には、駆動体4の被案内面4pとカム部材5の案内面5pとが面接触する回転角度で配置される。
【0047】
次に、回動検出手段7の孔97h及び貫通穴77hを軸部材3に挿通するとともに、回動検出手段7の嵌合凸部97tとカム部材5の溝部5mとが嵌合するように、回動検出手段7を軸部材及びカム部材5に組み込む。回動検出手段7が組み込まれた際には、回動検出手段7の回転板77は、軸部材3の非円形状の第4の軸部43と回転板77の貫通穴77hとが係合状態で配置されるようになる。
【0048】
最後に、保持部材8の両端側を広げながら、軸部材3の第4の軸部43を第1の開口部8kに挿通するとともに、軸部材3の第5の軸部53を第2の開口部8hに挿通する。これにより、回動検出手段7及びカム部材5と軸部材3の鍔状部T3との間に、駆動体4及び圧縮コイルばね6を挟持するとともに、軸部材3を回動動作可能に保持できる。このことにより、操作部材1及び駆動体4とともに回動動作する軸部材3を回動動作可能にさせる構成を簡単にすることができる。なお、保持部材8の第1の開口部8k及び第2の開口部8hに軸部材3を挿通することで、軸部材3を回動動作可能に保持するように構成したが、第1の開口部8kの替わりに、基体97の基部97kに設けられた孔97hに軸部材3を主に受け止めさせ、基体97を介して軸部材3を保持する構成にしても良い。このことにより、基部97kの板厚で軸部材3の回動動作を受け止めるので、より板厚の薄い第1の開口部8kと比較して、より安定的に軸部材3を回動動作可能に保持することができる。
【0049】
次に、上記構成の回動操作型電気部品101の動作の一例について説明する。図10は、本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品の動作を説明する図であって、図10(a)は、回動動作の初期状態の回動操作型電気部品101の斜視図であり、図10(b)は、回動動作が行われた回動操作型電気部品101の斜視図であり、図10(c)は、図10(b)より更に回動動作が行われた回動操作型電気部品101の斜視図である。図11は、本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品の動作を説明する図であって、図11(a)は、図10(a)に示すカバー2及び操作部材1を省略し、更に回動検出手段7の基体97を省略した斜視図であり、図11(b)は、図10(b)に示すカバー2及び操作部材1を省略し、更に回動検出手段7の基体97を省略した斜視図であり、図11(c)は、図10(c)に示すカバー2及び操作部材1を省略し、更に回動検出手段7の基体97を省略した斜視図である。図12は、本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品の動作を説明する図であって、図12(a)は、図10(a)に示す回動動作の初期状態の回動検出手段7部分の側面図であり(図2(a)に示すY2側から見た図)、図12(b)は、図10(b)に示す回動動作が行われた際の回動検出手段7部分の側面図であり、図12(c)は、図10(c)に示す回動動作が行われた際の回動検出手段7部分の側面図である。なお、説明を容易にするため、カバー2、保持部材8及び回動検出手段7の回転板77を省略している。
【0050】
先ず、図10(a)に示す操作部材1の回動操作の初期状態から、操作部材1が回動一方向KD1に所定角度に回動操作されると、図10(b)に示す状態になる。その際には、軸部材3が図11(a)に示す初期状態から回動動作するとともに、駆動体4の摺動部4q(ここでは被案内面4p)がカム部材5の案内面5p上を凹部5rから離れる方向へ相対的に摺動する。これにより、駆動体4が図11(a)に示す初期状態から回動動作を伴って鍔状部T3側へ移動して、圧縮コイルばね6を圧縮するようになる。これは、駆動体4に設けられた非円形状の貫通部4sに、軸部材3の非円形状の第1の軸部13が係合状態で挿通される構成にしたので、駆動体4が、軸部材3に対して軸線方向へは移動可能で、周方向には回動移動が規制されるようにしているためである。このことにより、軸部材3の回動動作が駆動体4の軸線方向への移動動作として伝達され、駆動体4と軸部材3の鍔状部T3との間に配置された圧縮コイルばね6を圧縮させる構成を簡単にできる。また、摺動部4qをカム部材5に設けられた案内面5pと面接触する被案内面4pとする構成にしたので、操作部材1の回動操作に伴う案内面5pと摺動部4qとの摺動を確実に行うことができる。
【0051】
さらに、案内面5pと被案内面4pとが、軸部材3の周方向に対してそれぞれ等角度の間隔で設けられ、しかも一対ずつ対向して2箇所設けられている。このため、2箇所の対向する案内面5pと被案内面4pとが摺動するので、操作部材1の回動操作に伴う案内面5pと摺動部4qとの摺動をより確実に安定して行うことができる。
【0052】
また、図12(a)に示す初期状態では、摺動子57の突設部57tは、コモン固定接点37と接触しており、突設部57vは、第1の固定接点17及び第2の固定接点27と接触しておらず、スイッチがオフ状態となっている。そして、操作部材1が回動一方向KD1に所定角度に回動操作されると、摺動子57が、軸部材3とともに回動動作し、図12(b)に示すように、摺動子57の突設部57vが第1の固定接点17と接するようになる。このため、摺動子57と第1の固定接点17とが導通し、コモン固定接点37と摺動子57と第1の固定接点17とを導通経路として接続端子部37Kと接続端子部17Kとが導通されて、スイッチがオン状態となる。
【0053】
また、図示はしないが、図10(a)に示す初期状態から、操作部材1が回動他方向KD2に所定角度に回動操作されると、同様にして、摺動子57が軸部材3とともに回動動作し、摺動子57の突設部57vが第2の固定接点27と接するようになる。このため、摺動子57と第2の固定接点27とが導通し、コモン固定接点37と摺動子57と第2の固定接点27とを導通経路として接続端子部37Kと接続端子部27Kとが導通されて、スイッチがオン状態となる。このことにより、操作部材1の2方向の回動動作を検出できるようになる。
【0054】
次に、図12(b)に示す回動状態から、操作部材1を回動一方向KD1に更に回動操作すると、操作部材1がカバー2の開口部2kの縁部12e(図10(a)に示す)に当接し、操作部材1の回動動作が止められ、図10(c)、図11(c)及び図12(c)の状態となる。すなわち、カバー2の開口部2kの一方側に設けられた縁部12eが、操作部材1の回動角度を規制する規制部となっている。また、操作部材1を回動他方向KD2に回動操作した場合は、操作部材1の回動角度を規制する規制部は、カバー2の開口部2kの他方側に設けられた縁部22eとなる。
【0055】
これにより、図11(c)に示すように、駆動体4の山部分とカム部材5の山部分をお互い超えることなく摺動が止まり、駆動体4が再びカム部材5側に戻ることを防止するとともに、図12(c)に示すように、摺動子57と第1の固定接点17及びコモン固定接点37とが離れて、再びオフ状態になることを防止している。このことにより、操作部材1の回動動作の行き過ぎで、初期状態に戻る不具合の発生を防止することができる。
【0056】
最後に、回動操作が解除された際には、駆動体4は、圧縮コイルばね6の付勢力により、カム部材5側に押し戻され初期状態に復帰する(図11(a)に示す)。これに伴って、駆動体4とともに回動動作する軸部材3が初期状態に復帰するので、操作部材1も初期状態に復帰する(図10(a)に示す)。このようにして、対向配置された駆動体4とカム部材5、及び圧縮コイルばね6の連動作用により、駆動体4と連動した軸部材3を回動操作の初期状態にまで戻し、軸部材3と連動した操作部材1を回動操作の初期状態にまで戻すことができる。このことにより、小さい径の圧縮コイルばね6と駆動体4及びカム部材5を用いることで、軸部材3とともに回動動作する操作部材1を自己復帰させることができ、捩じりコイルばねを用いて構成した場合と比較し、回動操作の径方向の小型化を図ることができる。
【0057】
以上により、本発明の回動操作型電気部品101は、操作部材1の回動操作の初期状態から操作部材1が所定角度に回動操作されると、摺動部4qが案内面5p上を凹部5rから離れる方向へ相対的に摺動することにより、駆動体4が初期状態から回動動作を伴って鍔状部T3側へ移動して圧縮コイルばね6を圧縮し、回動操作が解除された際には、圧縮コイルばね6の付勢力により、駆動体4を初期状態に復帰させるようにしたので、対向配置された駆動体4とカム部材5、及び圧縮コイルばね6の連動作用により、駆動体4と連動した軸部材3を回動操作の初期状態にまで戻すことができる。このため、軸部材3と連動した操作部材1を回動操作の初期状態にまで戻すことができる。このことにより、小さい径の圧縮コイルばね6と駆動体4及びカム部材5を用いることで、軸部材3とともに回動動作する操作部材1を自己復帰させることができ、捩じりコイルばねを用いて構成した場合と比較し、回動操作の径方向の小型化を図ることができる。したがって、回動操作の径方向の小型化が可能な自己復帰型の回動操作型電気部品101を提供できる。
【0058】
また、駆動体4に設けられた非円形状の貫通部4sに、軸部材3の鍔状部T3の一方側に形成された非円形状の第1の軸部13が係合状態で挿通される構成にしたので、駆動体4が、軸部材3に対して軸線方向へは移動可能で、周方向には回動移動が規制されるようになる。このため、軸部材3の回動動作が駆動体4の軸線方向への移動動作として伝達され、駆動体4と軸部材3の鍔状部T3との間に配置された圧縮コイルばね6を圧縮させる構成を簡単にできる。このことにより、簡単な構成で自己復帰型の回動操作型電気部品101を作製することができる。
【0059】
また、操作部材1の筒状部31の一端側に設けられた非円形状の貫通孔31hに、軸部材3の鍔状部T3の他方側に形成された非円形状の第2の軸部23が嵌合される構成にしたので、操作部材1の回動動作が軸部材3に伝達されるようになる。このことにより、操作部材1の回動動作を軸部材3に伝達させる構成を簡単に得ることができ、簡単な構成で自己復帰型の回動操作型電気部品101を作製することができる。
【0060】
また、駆動体4が圧縮コイルばね6を鍔状部T3との間に挟持した状態で、操作部材1の筒状部31に収納されているので、組み立て時において圧縮コイルばね6を不所望に変形させてしまうことを防止できる。また、圧縮コイルばね6の巻径が駆動体4及び鍔状部T3の外形よりも小さく設定されているので、回動操作時において圧縮コイルばね6を筒状部31内で確実に圧縮させることができる。また、駆動体4と筒状部31との間のクリアランス及び鍔状部T3と筒状部31との間のクリアランスのそれぞれが、圧縮コイルばね6を構成する線材の太さよりも小さいので、圧縮コイルばね6が駆動体4或いは鍔状部T3と筒状部31との間に挟まることはなく、回動操作時において圧縮コイルばね6を筒状部31内で確実に圧縮させることができる。以上のことにより、駆動体4と軸部材3の鍔状部T3との間に配置された圧縮コイルばね6を確実に圧縮させることができ、簡単な構成で自己復帰型の回動操作型電気部品101を作製することができる。
【0061】
また、カム部材5に設けられた案内面5pと駆動体4の摺動部4qに設けられた被案内面4pとが面接触する構成にしたので、操作部材1の回動操作に伴う案内面5pと摺動部4qとの摺動を確実に行うことができる。また、案内面5p及び被案内面4pが形成された部分が、操作部材1の筒状部31内に配設されているので、摺動する部分にゴミ等の異物が付着せず、案内面5pと摺動部4qとの摺動を安定して行うことができる。以上のことにより、操作部材1の回動操作を確実にしかも安定して行うことができ、自己復帰型の回動操作型電気部品101の長寿命化を図ることができる。
【0062】
また、弾性を有する枠体の両端に有した第1の開口部8kと第2の開口部8hとに、軸部材3の一端部と他端部とを挿通し、軸部材3を回動動作可能に保持した保持部材8にしたので、操作部材1及び駆動体4とともに回動動作する軸部材3を回動動作可能にさせる構成を簡単にすることができる。このことにより、簡単な構成で自己復帰型の回動操作型電気部品101を作製することができる。
【0063】
また、回動検出手段7に第1の固定接点17と第2の固定接点27と摺動子57とを用い、軸部材3とともに回動動作する摺動子57が、操作部材1の回動操作の初期状態から回動操作が行われた際に、操作部材1の一方側への回動動作で第1の固定接点17と接し、操作部材1の他方側への回動動作で第2の固定接点27と接するようにしたので、操作部材1の2方向の回動動作を検出できるようになる。このことにより、簡単な構成で2方向の回動動作を検出できる回動操作型電気部品101を作製することができる。
【0064】
また、操作部材1の凸状の操作部11を突出させる開口部2kを有したカバー2を備え、カバー2の開口部2kに操作部材1の回動角度を規制する規制部を設けた構成としたので、操作部11の回動操作が行われた際に、操作部11の一方側への操作で開口部2kの一端に操作部11が当接し、操作部11の他方側への操作で開口部2kの他端に操作部11が当接するようになる。このため、操作部材1の回動動作範囲を開口部2kの大きさで決めることができる。このことにより、操作部材1の回動動作の行き過ぎで、初期状態に戻る不具合の発生を防止することができる。
【0065】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0066】
図13は、本発明の第1実施形態の回動操作型電気部品の変形例を説明する図であって、図13(a)は、変形例1の駆動体C14及びカム部材5の斜視図であり、図13(b)は、変形例2の駆動体C24及びカム部材C25の斜視図である。
【0067】
<変形例1>
上記第1実施形態では、図6、図11に示すように、駆動体4とカム部材5との対向する形状が凹凸形状であり、摺動部4qが案内面5pと面接触する被案内面4pで構成され、被案内面4pが案内面5pを摺動する構成であったが、図13(a)に示すように、駆動体C14の摺動部C14qが凸状の形状であって、この凸状の摺動部C14qが案内面5pを摺動する構成であっても良い。
【0068】
<変形例2>
上記第1実施形態では、図6、図11に示すように、カム部材5の凹部5rに案内面5pを設け、駆動体4の被案内面4pが案内面5pを摺動する構成したが、図13(b)に示すように、駆動体C24の凹部C24rに案内面C24pを設け、カム部材C25の被案内面C25pが案内面C24pを摺動する構成にしても良い。
【0069】
<変形例3>
上記第1実施形態では、回動検出手段7に摺動子57及び複数の固定接点(17、27、37)を用いてスイッチ装置を構成したが、回動検出手段に摺動子及び抵抗を用いて可変抵抗装置を構成しても良い。また、それらを組み合わせても良い。
【0070】
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。例えば、上記第1実施形態においては、操作部材1と軸部材3とを別部材で構成し、嵌合させることにより、操作部材1と軸部材3とを一体化させているが、両者を一部材で構成しても良い。この場合には、貫通孔31hが形成された操作部材の内底面が軸部材に備えられる鍔状部となる。
【符号の説明】
【0071】
1 操作部材
11 操作部
31 筒状部
31h 貫通孔
31k 開口
2 カバー
2k 開口部
12e、22e 縁部(規制部)
3 軸部材
13 第1の軸部
23 第2の軸部
T3 鍔状部
4、C14、C24 駆動体
4q、C14q 摺動部
4p、C25p 被案内面
4s 貫通部
5、C25 カム部材
5r、C24r 凹部
5p、C24p 案内面
6 圧縮コイルばね
7 回動検出手段
17 第1の固定接点
27 第2の固定接点
57 摺動子
97 基体
8 保持部材
8k 第1の開口部
8h 第2の開口部
101 回動操作型電気部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動操作される操作部材と、
鍔状部を有し前記操作部材とともに回動動作する軸部材と、
前記軸部材が挿通される貫通部を有し、当該軸部材の軸線方向へ移動可能であるとともに、前記軸部材の回動動作に伴って回動動作する駆動体と、
前記駆動体の一方側と対向配置されたカム部材と、
前記軸部材の回動動作を検出する回動検出手段と、
前記軸部材に挿通された状態で、前記鍔状部と前記駆動体の他方側との間に設けられ、前記駆動体を前記カム部材側へ付勢する圧縮コイルばねとを備え、
対向配置された前記カム部材と前記駆動体とのいずれか一方には凹部とこの凹部に繋がって傾斜するように形成された案内面が設けられるとともに、いずれか他方には前記案内面を相対的に摺動する摺動部が設けられており、
前記操作部材の回動操作の初期状態から、前記操作部材が所定角度に回動操作されると、前記軸部材が回動動作するとともに前記摺動部が前記案内面上を前記凹部から離れる方向へ相対的に摺動することにより、前記駆動体が前記鍔状部側へ移動して前記圧縮コイルばねを圧縮し、
回動操作が解除された際には、前記圧縮コイルばねの付勢力により、前記駆動体を介して前記操作部材を初期状態に復帰させるようにしたことを特徴とする回動操作型電気部品。
【請求項2】
前記駆動体の前記貫通部は非円形状の孔からなるとともに、前記駆動体が挿通される前記軸部材の鍔状部の一方側には非円形状の第1の軸部が形成されており、
前記第1の軸部が前記貫通部に係合状態で挿通されることで、前記駆動体は、前記軸部材に対して軸線方向へは移動可能で、周方向には回動移動が規制されていて、前記駆動体に前記軸部材の回動動作が伝達されることを特徴とする請求項1に記載の回動操作型電気部品。
【請求項3】
前記操作部材が筒状部を有し、前記筒状部の一端側には、前記軸部材の前記鍔状部を挿通可能な開口が設けられているとともに、前記筒状部の他端側には、非円形状の貫通孔が形成されており、
前記軸部材には、前記鍔状部を挟んで前記第1の軸部とは反対側に位置する他方側に非円形状の第2の軸部が設けられ、前記開口側から前記軸部材が前記筒状部及び前記貫通孔に挿通され、前記貫通孔と前記軸部材の前記第2の軸部とが嵌合することにより、前記軸部材に前記操作部材の回動動作が伝達されることを特徴とする請求項2に記載の回動操作型電気部品。
【請求項4】
前記駆動体は、前記圧縮コイルばねを前記鍔状部との間に挟持した状態で、前記操作部材の筒状部に収納されており、前記圧縮コイルばねの巻径が前記駆動体及び前記鍔状部の外形よりも小さく設定されているとともに、前記駆動体と前記筒状部との間のクリアランス及び前記鍔状部と前記筒状部との間のクリアランスのそれぞれが、前記圧縮コイルばねを構成する線材の太さよりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の回動操作型電気部品。
【請求項5】
前記カム部材に前記案内面が設けられているとともに、前記駆動体に前記摺動部が設けられており、前記摺動部は前記案内面と面接触する被案内面で構成され、前記カム部材の少なくとも前記案内面が形成された部分は、前記操作部材の前記筒状部内に配設されていることを特徴とする請求項4に記載の回動操作型電気部品。
【請求項6】
弾性を有する枠体からなり、前記軸部材を回動動作可能に保持する保持部材を有し、
前記枠体の両端側には、前記軸部材が挿通される第1の開口部と第2の開口部を有し、
前記軸部材の一端部を第1の開口部に挿通するとともに、前記軸部材の他端部を第2の開口部に挿通したことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の回動操作型電気部品。
【請求項7】
前記回動検出手段は、基体と、前記基体に設けられた第1の固定接点及び第2の固定接点と、前記第1の固定接点及び前記第2の固定接点と接離可能な摺動子とを有し、
前記摺動子は、前記軸部材とともに回動動作し、
前記操作部材の回動操作の初期状態から回動操作が行われた際に、前記摺動子は、前記操作部材の一方向への回動動作で前記第1の固定接点と接し、前記操作部材の他方向への回動動作で前記第2の固定接点と接することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の回動操作型電気部品。
【請求項8】
前記操作部材は、回動操作される凸状の操作部を有し、
該操作部を突出させる開口部を有するとともに、前記操作部材を覆うカバーを備え、前記操作部材を回動操作した際に、当該操作部材の回動角度を規制する規制部を前記カバーに設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の回動操作型電気部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−114971(P2013−114971A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261707(P2011−261707)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】