説明

回収可能な形式での安定なタンパク質保管および安定な核酸保管

本発明は、生体分子の保管のための組成物および方法を提供する。生体分子は、基質への吸収によって保管される。吸収された生体分子は、将来のある時点で基質から溶出または回収することが可能であり、必要に応じて、任意にその後の分析または適用に供することが可能である。保管のための基質に吸収された生体分子はまた、必要に応じて、保存され得る。すなわち、吸収された生体分子は、分解に対して耐性を示すか、または耐性である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2004年5月24日米国特許出願第60/574,274号に対する優先権を主張する。なお、この出願の全体を引用することにより本出願に含める。
【背景技術】
【0002】
(緒言)
タンパクおよび核酸は、その起源、構造、および環境を踏まえて極めて多様な安定性を有することが知られる。あるタンパクは劣悪な環境でも極めて安定であり、例えば、消化酵素、または深海の噴気孔に生育する生物に認められる熱安定性タンパクがそれである。また別のあるもの、例えば、細胞膜タンパクは、溶液においては分単位で測定される半減期を有することがある。多くのタンパクは、中間の安定度を有するので、長期の安定性を維持するためには冷凍保管を必要とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(要旨)
本発明は、少なくとも一部は、回収可能な形で生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸を単独、または組み合わせて)を保管可能にする組成物に基づく。本明細書に記載する通りに保管される生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は、数日、数週、数ヶ月、およびそれよりさらに長い期間、例えば、数年に渡って保管することが可能である。生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は、周囲温度度において、すなわち、冷凍または冷蔵を要することなく保管することが可能である。本発明はまた、少なくとも一部は、分解に耐性を示す形式で存在する保管生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)にも基づく、すなわち、この保管生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は保管中維持される。生体分子は、その後の分析または応用のために生体分子の回収を可能にする保管形式において保管される。例えば、保管ペプチドは、数日、数週、数ヶ月、または数年の保管後に回収し、その後で分析することが可能である。保管ペプチドを90日間50°Cに加熱しても実質的に変性を生ずることはなかった。
【0004】
本発明において、一つの実施態様では、生体分子(例えばペプチドまたは核酸)を含む組成物および溶出可能な多孔性基質、または半多孔性基質(例えば、エラストマー基質)が提供される。この基質において、組成物は、実質的に水分を含まず(例えば、水分含量は、約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または25%質量水分未満である)、かつ、吸収された水分は、多孔性基質または半多孔性基質(例えば、エラストマー基質)から回収することが可能である。一つの局面では、基質に吸着される生体分子はペプチドを含む。別の局面では、基質に吸着される生体分子は核酸を含む。さらに別の局面では、基質に吸着される生体分子はペプチドと核酸を含む。
【0005】
さらに別の実施態様では、溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質(例えば、エラストマー基質)に吸着される生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は、吸収されない生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)に比べて分解に耐性を示す。別の局面では、基質に吸着されるペプチドは、吸収されないペプチドに比べて分解に耐性を示す。別の局面では、基質に吸着される核酸は、吸収されない核酸に比べて分解に耐性を示す。特定の局面では、分解に対する耐性は、ある一定期間にわたり、吸収されない等量の生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)と比較して、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の50〜75%未満、33〜50%未満、25〜33%未満、10〜25%未満、または5〜15%未満の損失を含む。あるいは分解に対する耐性は、一定期間、例えば、5〜10、10〜20、20〜30、30〜50、50〜90、50〜150、150〜365日または数週、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10年、またはそれ以上(例えば、周囲温度、−20℃、4℃、4〜10℃、10〜20℃、20〜30℃、30〜40℃、40〜50℃、50〜60℃、60〜70℃、または70〜80℃において)に渡って、吸収されない等量の生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)と比較して、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の33〜50%、50〜75%、75〜90%、または90〜95%以上の保存を含む。分解は、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)、または生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)断片の1種以上の量を定量する;サイズ分別、および生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)、または生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)断片の相対量を定量する;断片化された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の直接または間接的定量;あるいはリン酸化またはプレニル化(例えば、ペプチド)の量によって評価することが可能である。
【0006】
特定の実施態様では、溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質は、親水性生体適合材料、合成ポリマーまたは天然ポリマー、セルロース、ポリエステル、またはポリウレタンを含む。別の特定実施態様では、溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質は、1/3〜10ポンド/フィートの範囲の密度を有する。さらに別の実施態様では、溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質はエラストマー(弾力)性を有する。エラストマー基質は、非圧縮状態の容量の1/2、1/5、1/10、1/25、1/50、または1/100に圧縮可能な材料、および非圧縮状態の容量の2倍、5倍、10倍、25倍、50倍、または100倍に拡張可能な材料を含む。特定の局面では、溶出可能な弾力性、多孔性基質または半多孔性基質は、開放気泡フォーム、独立気泡フォーム、またはそれらの組み合わせを含む。別の特定局面では、溶出可能な、多孔性または半多孔性、非弾力性基質は、FTA(登録商標)、ラグペーパー、またはイソコード(登録商標)を含む。
【0007】
別の実施態様では、基質は、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を吸収した基質に液体を注ぐことによって、その基質から生体分子の少なくとも一部が溶出または回収されるように構成される。特定の局面では、基質に液体(例えば、水のような水性の液体)を注ぐことによって、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の30〜50%、50〜60%、65〜80%、80〜90%、またはそれ以上が、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質から溶出または回収される。さらに特定的局面では、水性液体は、5.0から9.0の範囲のpH、10から12の範囲のpH、11から12、11から12、11.3から11.8、11.4から11.7の範囲のpH、あるいは約11.4、11.5、11.6、11.7、または11.8のpH、あるいはある安定化されたpHを有する。さらに特定的局面では、pHの安定化は、両性イオンによって、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸(TRIS)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、N−トリス[ヒドロキシメチル]メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、N−[カルボキシメチル]−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−[2−アセトアミド]−2−イミノ二酢酸(ADA)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−[2−ヒドロキシプロパンスルホン酸](HEPPSO)、N−トリス[ヒドロキシメチル]メチルグリシン(TRICINE)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]グリシン(BICINE)、4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ブタンスルホン酸(CABS)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、3−(シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(3−プロパンスルホン酸)(EPPS)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸(PIPES)、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス[ヒドロキシメチル]エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPS)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、3−[(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、エタノールアミン、または3−アミノ−1−プロパンスルホン酸によって実現することが可能である。
【0008】
さらに別の実施態様では、溶出可能な、多孔性または半多孔性、弾力性または非弾力性基質は、添加剤またはその他の処理剤によって処理されるか、または処理されず、ある特定の物質、成分、または構成分を有するか、または実質的に含まない。一つの局面では、溶出可能な、多孔性または半多孔性、弾力性または非弾力性基質は、多価化合物によって処理されないかまたは多価化合物を実質的に含まない(例えば、全質量の約0.25%(重量/重量)未満の量の多価化合物を有する)。別の局面では、溶出可能な、多孔性または半多孔性、弾力性または非弾力性基質は、実質的にガラス、またはガラス繊維を含まない。さらに別の局面では、溶出可能な、多孔性または半多孔性、弾力性または非弾力性基質は、緩衝液(例えば、pH安定化剤)、キレート剤、変性剤、界面活性剤、還元剤、抗酸化剤、プロテアーゼインヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、抗菌剤、または低水分吸収性糖類によって処理される。
【0009】
さらに特定的局面では、pH安定化剤は、pHをpH5.0からpH9.0に維持し、塩化カリウム、クエン酸、フタル酸水素カリウム、ホウ酸、リン酸二水素カリウム、ジエタノールアミン、クエン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、カコジル酸、イミダゾール、および2−アミノ−2−メチル−1−プロパンジオールから任意に選ばれる。さらに特定的局面では、キレート剤は、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、EGTA(エチレングリコール−O,O’−ビス(2−アミノエチル)−N,N,N’,N’−四酢酸)、GEDTA(グリコールエーテルジアミン四酢酸)、HEDTA(N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸)、NTA(ニトリオール三酢酸)、サリチル酸、およびトリエタノールアミンから任意に選ばれる。さらに特定的局面では、変性剤または界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、または両性イオン性界面活性剤であり、SDS、ラウリル硫酸ナトリウム、NP40、トリトンX−100、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、塩化ベンゼトニウム、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、およびN,N−ジメチルデシルアミン−N−オキシドから任意に選ばれる。さらに特定的局面では、還元剤または抗酸化剤はフリーラジカル捕捉剤であり、あるいはDTT(ジチオスレイトール)、ジチオエリスリトール、尿素、尿酸、メルカプトエタノール、ジステイン、ビタミンE、ビタミンC、亜ジチオン酸塩、チオグリコール酸、およびピロ亜硫酸塩から任意に選ばれる。さらに特定的局面では、プロテアーゼインヒビターは、セリンプロテアーゼインヒビターまたはシステインプロテアーゼインヒビターであり、PMSF、PMSF Plus、APMSF、抗トロンビンIII、アマスタチン、アンチパイン、アプロチニン、ベスタチン、ベンザミジン、キモスタチン、カルパインインヒビターIおよびカルパインインヒビターII、E−64、3,4−ジクロロイソクマリン、DFP、エラスタチナル、ロイペプチン、ペプスタチン、1,10−フェナンスロリン、フォスフォラミドン、TIMP−2、TLCK、TPCK、トリプシンインヒビター(大豆または鶏卵の卵白)、ヒルスタチン、アルファ−2−マクログロブリン、4−(2−アミノエチル)−ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸(AEBSF)、およびKunitz型プロテアーゼインヒビターから任意に選ばれる。さらに特定的局面では、抗菌剤は、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、または抗寄生虫剤であり、ベータラクタム類、半合成ペニシリン類、モノバクタム類、カルボキシペネム類、アミノグリコシド類、グリコペプチド類、グルカン合成インヒビター、リンコマイシン類、マクロライド類、ポリペプチド、アリルアミン類、アゾール類、ポリエン類、スルフォナミド類、ピリミジン類、テトラエン類、チオカルバメート類、安息香酸化合物、その複合体および誘導体、リファマイシン類、テトラサイクリン類、逆転写インヒビター、プロテアーゼインヒビター、ジミジンキナーゼインヒビター、糖または糖タンパク合成インヒビター、構造タンパク合成インヒビター、ヌクレオシドアナログ、およびウイルス成熟インヒビターから選択される同類中の成員であり、あるいはペニシリン、セファロスポリン、アンピシリン、アモキシシリン、アズトレオナム、クラブラン酸、イミペネム、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、バンコマイシン、クリンダマイシン、ポリミキシン、エリスロマイシン、バシトラシン、アンホテリシン、ナイスタチン、リファンピシン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、ドキシシリン、クロラムフェニコール、アムロールフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン、ケトコナゾール、フルコナゾール、エルビオール、エコナゾール、エコナキソール、イトラコナゾール、イソコナゾール、イミダゾール、ミコナゾール、スルコナゾール、クロトリマゾール、エニルコナゾール、オキシコナゾール、チオコナゾール、テルコナゾール、ブトコナゾール、チアベンダゾール、ボリコナゾール、サペルコナゾール、セルタコナゾール、フェンチコナゾール、ポサコナゾール、ビフォナゾール、フルトリマゾール、ナイスタチン、ピマリシン、アンホテリシンB、フルシトシン、ナタマイシン、トルナフテート、マフェニド、ダプソン、カスポファンジン、アクトフニコン、グリセオフルビン、ヨウ化カリウム、ゲンチアナバイオレット、シクロピロックス、シクロピロックスオラミン、ハロプロジン、ウンデシレネート、スルファジアジン銀、ウンデシレン酸、ウンデシレンアルカノールアミド、石炭酸フクシン、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ジドブジン(AZT)、スタブジン(d4T)、ラルニブジン(3TC)、ジダノシン(DDI)、ザルシタビン(ddC)、アバカビル、アシクロビル、ペンシクロビル、バラシクロビル、およびガンシクロビルから任意に選ばれる。
【0010】
さらに別の局面では、溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質は、低水分吸収性糖類(L型またはD型)、例えば、非還元性糖(例えば、トレハロース、トレハロースアナログ、例えば、6−アジド−6−デオキシトレハロース、またはトレハロース誘導体、例えば、トレハロース−6−リン酸)、あるいはマロデキストリン、例えば、単糖類(例えば、フコース)、または二糖類によって処理される。さらに特定的局面では、低水分吸収性糖類は、60℃、65℃、70℃、75℃をそれぞれ超えるガラス転移温度を有し、15%未満の吸湿性(25℃、94%推定相対湿度における重量増加%)、10%、5%、または1%未満の吸湿性を有する。さらにより特定的局面では、吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)および低水分吸収性糖類は、約1:0.5から約1:10の分子比または質量比を有する。
【0011】
さらに別の実施態様では、キットを含む本発明の組成物は、ある物質、成分、または抗成分をさらに含む、あるいは排除する。一つの局面では、本発明の組成物は、溶出可能な基質から吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の少なくとも一部を溶出または回収するための水性液体(例えば、水またはアルカリ液)を含む。さらに特定的局面では、吸収されたペプチドの少なくとも一部の溶出または回収するための水性液体は、5.0〜9.0の範囲のpH、10〜12の範囲のpH、11〜12、11〜12、11.3〜11.8、11.4〜11.7の範囲のpH、あるいは約11.4、11.5、11.6、11.7、または11.8のpH、あるいはある安定化されたpHを有する。
【0012】
基質に吸収される生体分子はペプチドまたは核酸を含む。基質に吸収される生体分子はさらに、生物学的サンプル、例えば、全血、血清、血漿、生検細胞または組織、痰、粘液、脳脊髄液、毛髪、尿、大便、および精液を始め、細胞、細菌、ウイルス、酵母、およびマイコプラズマを、必要に応じて任意に分離または精製された状態で含む。基質に吸収される生体サンプルは、被験体、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)から入手されても、または該被験体によって生産されてもよい。サンプルの入手、または生産の行われる特定の被験体は、遺伝的疾患または生理的障害、または遺伝的疾患または生理的障害に対する素因の有無を検証するためにスクリーニングされる被験体;ある疾患または生理的障害、例えば、遺伝的疾患、過剰増殖性障害、免疫障害または微生物感染に罹患する、または罹患する危険性を有する被験体;投獄されたことがある、または投獄の危険性のある被験者を含む。
【0013】
本発明によればさらに、本明細書に記載される組成物を備えるキットが提供される。一つの実施態様では、キットは、基質から吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の少なくとも一部を溶出または回収するためのデバイスを含む。一つの局面では、デバイスは、基質を導入または保持するのに十分な物理的サイズ、開口端部、開放可能な端、取り外し可能な端、およびデバイスにプランジャーを挿入した場合、プランジャーが基質の圧縮を引き起こすのに適切な物理的寸法を有する。さらに特定的局面では、デバイスは、実質的には、図2または図3に示す通りであるか、またはスピンカラムである。別の実施態様では、キットは、基質から吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の少なくとも一部を溶出または回収するための指示を含む。様々な局面において、吸収生体分子は、基質から、優先的または選択的な溶出または回収を受ける。あるいは基質から、複数の生体分子の溶出または回収が望まれる場合は、基質から同時に溶出または回収される。
【0014】
本発明によれば、さらに保管ユニットが提供される。一つの実施態様では、保管ユニットは、複数の区画であって、各区画は、個々の、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質を保持するのに十分な物理的サイズを有し、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を吸収し、かつ、吸収生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出または回収するのに適切な、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質を有する区画、および基質に対して生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を吸収させるための指示書を含む。別の実施態様では、保管ユニットは、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質から吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出または回収するための指示、あるいは溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質から吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出または回収するための水性液体を調製するための指示を含む。さらに別の実施態様では、保管ユニットは、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質から吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出または回収するための水性液体を含む。特定の局面では、保管ユニットは、マルチウェルプレート、例えば、2〜6、6〜12、12〜24、24〜96個、またはそれを超えるウェルを有するプレートであって、該マルチウェルプレートの1個以上のウェルは、約10〜50μl、50〜100μl、100〜250μl、250〜500μl、0.5〜1.0ml、1.0〜2.0ml、2.0〜3.0ml、3.0〜5.0ml、または5.0〜10.0mlの容量を有するプレートである。
【0015】
保管ユニットは複数の組成物を含んでもよい。一つの実施態様では、保管ユニットは複数の区画であって、各区画は、個々の、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質を保持するのに十分な物理的サイズを有する。基質は、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を吸収し、かつ、吸収生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出または回収するのに適切であり、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は、該ユニットの中に含まれる1個以上の基質に吸収される。一つの局面では、保管ユニットは、別々の吸収生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を有する少なくとも2個の基質を含む。
【0016】
本発明では、吸収した、またはまだ吸収していない多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質保管装置が提供される。一つの実施態様では、保管装置は、温度を、約−20℃、4℃、4〜10℃、10〜20℃、20〜30℃、30〜40℃、40〜50℃、50〜60℃、60〜70℃、または70〜80℃に維持することが可能である。
【0017】
本発明によればさらにライブラリーが提供される。一つの実施態様では、ライブラリーは、それぞれが別々の生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)、例えば、別々の吸収生物学的サンプルを基質に吸収させた少なくとも2個の、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質(複数)を含む。様々な特定局面では、ライブラリーは、10〜50、50〜100、100〜500、500〜2500、2500〜10,000、10,000〜50,000、50,000〜250,000種の異なる生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)、例えば、それぞれが、一つの溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収される異なる吸収生物学的サンプルを含む。
【0018】
本発明ではさらに、溶出可能な形態または回収可能な形態として安定化または保護化生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を生産する方法が提供される。一つの実施態様では、方法は、吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の溶出を可能にする、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質を提供すること;生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の基質に対する吸収を可能にする条件下に基質を生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)に接触させること;および必要な場合、接触基質から、水分量を、質量比として約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に下げ、それによって安定化または保存生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出可能な形態または回収可能な形態で生産すること、を含む。別の実施態様では、方法は、低水分吸収性糖類によって処理されるが、ただし、アルコール、グリセロール、スクロース、カラゲーナン、キサンタンゴム、またはペクチンでは処理されない溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質を提供すること;生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の基質に対する吸収を可能にする条件下に基質に接触させること;および必要な場合、接触基質から、水分量を、質量比として約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に下げ、それによって安定化または保護化生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出可能な形態または回収可能な形態で生産すること、を含む。一つの局面では生体分子はペプチドである。別の局面では、生体分子は核酸である。さらに別の局面では、生体分子はペプチドと核酸であり、基質に対するペプチドの吸収は、基質に対する核酸の吸収の前に、と同時に、またはその後に行われる。さらに別の局面では、生体分子は生物学的サンプル、例えば、全血、血清、血漿、生検細胞または組織、痰、粘液、脳脊髄液、尿、大便、または精液を始め、細胞、細菌、ウイルス、酵母、またはマイコプラズマであり、あるいは被験体、例えば哺乳動物(例えば、ヒト)から、必要に応じて任意に分離または精製された状態で得られたものである。
【0019】
本発明では、さらに、溶出可能な、または回収可能な形で生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を保管する方法が提供される。一つの実施態様では、方法は、吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の溶出を可能にする、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質を提供すること;生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の基質に対する吸収を可能にする条件下に基質を生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)に接触させること;および必要な場合、接触基質から、水分量を、質量比として約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に下げ、それによって保管生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出可能な形態または回収可能な形態で生産すること、を含む。別の実施態様では、方法は、低水分吸収性糖類によって処理されるが、ただし、アルコール、グリセロール、スクロース、カラゲーナン、キサンタンゴム、またはペクチンでは処理されない溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質を提供すること;生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の基質に対する吸収を可能にする条件下に基質に接触させること;および必要な場合、接触基質から、水分量を、質量比として約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に下げ、それによって保管生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出可能な形態または回収可能な形態で生産すること、を含む。一つの局面では生体分子はペプチドである。別の局面では、生体分子は核酸である。さらに別の局面では、生体分子はペプチドと核酸であり、基質に対するペプチドの接触は、基質に対する核酸の接触の前に、と同時に、またはその後に行われる。さらに別の局面では、生体分子は生物学的サンプル、例えば、全血、血清、血漿、生検細胞または組織、痰、粘液、脳脊髄液、尿、大便、または精液を始め、細胞、細菌、ウイルス、酵母、またはマイコプラズマであり、あるいは被験体、例えば哺乳動物(例えば、ヒト)から、必要に応じて任意に分離または精製された状態で得られたものである。
【0020】
本発明によれば、さらに、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質に吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出する方法が提供される。一つの実施態様では、方法は、実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質に吸収される生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を提供すること;基質から、吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の少なくとも一部を溶出する条件下に基質を液体で水和すること;該水和基質を攪拌、インキュベート、または圧縮することによって、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質に吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出すること、を含む。一つの局面では生体分子はペプチドである。別の局面では、生体分子は核酸である。さらに別の局面では、生体分子はペプチドと核酸である。さらに別の局面では、生体分子は生物学的サンプル、例えば、全血、血清、血漿、生検細胞または組織、痰、粘液、脳脊髄液、尿、大便、または精液を始め、細胞、細菌、ウイルス、酵母、またはマイコプラズマであり、あるいは被験体、例えば哺乳動物(例えば、ヒト)から、必要に応じて任意に分離または精製された状態で得られたものである。
【0021】
本発明によれば、さらに、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質に吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を回収する方法が提供される。一つの実施態様では、方法は、実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質に吸収される生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を提供すること;基質から、吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の少なくとも一部を溶出する条件下に基質を液体で水和すること;該水和基質を攪拌、インキュベート、または圧縮することによって、基質から、吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の少なくとも一部を溶出すること、および溶出物を収集し、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質に吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を回収すること、を含む。一つの局面では生体分子はペプチドである。別の局面では、生体分子は核酸である。さらに別の局面では、生体分子はペプチドと核酸である。さらに別の局面では、生体分子は生物学的サンプル、例えば、全血、血清、血漿、生検細胞または組織、痰、粘液、脳脊髄液、尿、大便、または精液を始め、細胞、細菌、ウイルス、酵母、またはマイコプラズマであり、あるいは被験体、例えば哺乳動物(例えば、ヒト)から、必要に応じて任意に分離または精製された状態で得られたものである。
【0022】
本発明によればさらに、複数の保管生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を有するライブラリーを生成する方法が提供される。各保管生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は、異なる多孔性基質または半多孔性基質に吸収されていてもよい。
【0023】
一つの実施態様では、方法は、a)第1生物学的サンプルの基質に対する吸収を可能にする条件下に、溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質を、第1生物学的サンプルに接触させること;b)および必要な場合、接触基質から、水分量を、質量比として約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に下げ、それによって第1生物保管サンプルを生産すること;および別の溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質に吸収された第2生物学的サンプルまたは後続サンプルについて、工程a)およびb)を少なくとも1回繰り返し、複数の保管生物学的サンプルを含むライブラリーを生成すること、を含む。一つの局面では、第1または第2のいずれかの吸収生物学的サンプルが、溶出可能なエラストマー基質から回収することが可能である。別の局面では、第1または第2のいずれかの吸収生物学的サンプルが、基質に吸収されない第1または第2生物学的サンプルに比べて、基質吸収後に変性に抵抗する。さらに別の局面では、溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質は弾力的である。さらに別の局面では、第1または第2吸収生物学的サンプルは、必要に応じて任意に分離または精製されるペプチドまたは核酸を含む。
【0024】
本発明によれば、各種実施態様の特定の反復が提供される。一つの反復では、生物学的サンプルは、実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収され、吸収された生物学的サンプルの少なくとも一部は基質から回収することが可能である。別の反復では、生物学的サンプルは、実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質に吸収され、吸収された生物学的サンプルの少なくとも一部は基質から回収することが可能である。さらに別の反復では、ペプチドまたは核酸が単独で、または組み合わされて基質に吸収され、基質は、実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質であり、単独または組み合わされた吸収されたペプチドまたは吸収された核酸の少なくとも一部は、基質から回収することが可能である。さらに別の反復では、生物学的サンプルが基質に吸収され、基質は、実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質であり、吸収生物学的サンプルの少なくとも一部は、該基質から回収することが可能である。
【0025】
各種実施態様の追加の特定反復は、保管ユニットであって、一つの反復では、複数の保管または保護ペプチドを単独で、あるいは1種以上の核酸と組み合わせて収容し、単独の、または核酸と組み合わされる各ペプチドは、個別に、実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収され、単独の、または核酸と組み合わされる該吸収されたペプチドの少なくとも1部分は、該溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質から回収可能である、保管ユニットを含む。ある特定の反復では、基質に吸収される、複数の保管または保護ペプチドまたは核酸はそれぞれ、保管ユニット内に規定された場所またはアドレスを有する。別の特定の実施態様では、吸収されたペプチドまたは核酸は生物学的サンプルである。
【0026】
各種実施態様のさらに別の反復は、ライブラリーにおいて、一つの反復では、複数の異なる保管または保護ペプチドまたは核酸であって、それぞれ、実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質に個別に吸収され、吸収されたペプチドまたは吸収された核酸の少なくとも一部は、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー、または非エラストマー基質から回収することが可能であるライブラリーを含む。ある特定の反復では、基質に吸収された複数のペプチドまたは核酸はそれぞれ、ライブラリーの中に規定された場所またはアドレスを有する。別の特定の実施態様では、吸収されたペプチドまたは核酸は生物学的サンプルである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(詳細な説明)
本発明は、生体分子保管のための組成物および方法を提供する。生体分子は、少なくとも1個の生体分子を含む液体を、多孔性基質または半多孔性基質に吸収させることによって保管する。生体分子が吸収される基質は、実質的に水分を含まなくなるように乾燥される。吸収された生体分子は、将来のある時点で必要に応じて任意に基質から溶出または回収され、その後の分析または応用に用いられる。従って、保管用基質に吸収される生体分子は、少なくとも一部は、基質から回収することが可能である。保管用基質に吸収される生体分子はまた、必要に応じて任意に保存されてもよい。すなわち、吸収された生体分子は、分解に対して耐性を示す、または抵抗力がある。保存される生体分子は、その後の分析または応用にとって有用である。保管用の、必要に応じて任意に防腐用の基質に対し液体として吸収されるのに向いている生体分子としては、特に、ペプチド、核酸、炭水化物、糖類、脂肪酸、脂質が挙げられる。基質に吸収される生体分子は、生存、または非生存生物体、例えば、細胞、器官、または組織サンプル、例えば、血液、血清、または血漿から得られるサンプル、それらから生産されるサンプル、またはそれらから誘導されるサンプルであってもよい。ことため、保管用基質に吸収されるのに適切な生体分子としては、さらに生物材料および生物学的サンプルが挙げられる。
【0028】
上記に鑑み、本発明は、一つの実施態様では、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を含む組成物、および溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質を提供する。この組成物は実質的に水分を含まず、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は、多孔性基質または半多孔性基質に吸収され、吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は、任意ではあるが非吸収生体分子に比べて分解に対して耐性を示し、吸収生体分子の少なくとも一部は、該溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質から回収可能である。本発明はまた、別の実施態様において、少なくとも2種類の生体分子(例えば、ペプチドと核酸)を含む組成物、および溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質を提供する。この組成物は実質的に水分を含まず、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は基質に吸収され、1種以上の吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は、任意ではあるが1種以上の非吸収生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)に比べ分解に対して耐性を示し、1種以上の吸収生体分子の少なくとも一部は、該基質から回収可能である。上記およびその他の実施態様において、特定局面では、多孔性基質または半多孔性基質は弾力性を有する。
【0029】
本発明はさらに、各種実施態様において、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)および多孔性基質または半多孔性基質を備えるキット、保管ユニット、保管装置、ライブラリー、およびハウジングを提供する。様々な局面において、キット、保管ユニット、保管装置、ライブラリー、またはハウジングは、ペプチドおよび溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質を含み、ペプチドは、多孔性基質または半多孔性基質に吸収され、吸収されたペプチドは、任意ではあるが非吸収されたペプチドと比べ、分解に耐性を示し、吸収されたペプチドの少なくとも1部は、多孔性基質または半多孔性基質から溶出または回収が可能であるか、あるいはペプチド、核酸、および溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質を含み、ペプチドと核酸は、基質に吸収され、吸収されたペプチドまたは吸収された核酸は、任意ではあるが非吸収されたペプチドまたは非吸収された核酸と比べ分解に耐性を示し、吸収されたペプチドまたは吸収された核酸の少なくとも1部は、基質から回収または溶出が可能である。上記およびその他の実施態様において、特定の局面では、多孔性基質または半多孔性基質は弾力性を有する。
【0030】
本発明はさらに、各種実施態様において、溶出可能な形態または回収可能な形態で、保管、安定化、または保存される生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を提供する。さらに本発明は、各種実施態様において、溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質に吸収される生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出または回収する方法を提供する。上記およびその他の実施態様において、特定の局面では、多孔性基質または半多孔性基質は弾力性を有する。
【0031】
本明細書で用いる「基質」という用語は、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)含有液体を吸収することが可能な、一次元または複数次元の、天然または合成材料または物質を指す。生体分子液の基質における吸収の後に、またはそれと同時に、必要に応じて任意に生体分子は、基質に直接または間接に吸収されてもよい。このように、基質は、生体分子を含有する液体を吸収することが可能な材料または物質であるが、その材料または物質がさらに必要に応じて任意に、液体中の該生体分子を吸収することが可能であってもよいが、必要とはされない。適切な文脈で使用される基質の同義語とされる非限定的な用語の例示としては「媒体」および「支持体」が挙げられる。
【0032】
本明細書で用いる「溶出可能」という用語は、「基質」、または基質と等価的用語(例えば、媒体または支持体)と関連して用いられる場合、基質に吸収される生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の実質的に全てまたは一部が、その基質から適切な条件下で溶出、除去、遊離、解離、またはその他のやり方で分離されることが可能であることを意味する。溶出可能な基質とは、該基質に吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を取り出すことができ、必要に応じて任意に、部分的にまたは実質的に完全に基質から回収することが可能なもののことである。従って、生体分子が「吸収された」基質と関連して溶出可能と書く場合、生体分子の基質における吸収は、少なくとも部分的に可逆的であることを意味する。溶出可能基質に吸収された生体分子が溶出するには、通常、基質と生体分子の間の共有結合が壊れることを要しない。一つの溶出可能基質が、一つ以上の吸収生体分子に関して溶出可能となることも可能であり、サンプル中に存在する全ての生体分子に対して溶出可能である必要もない。
【0033】
「吸収される」という用語、従って文法上の変異形(例えば、吸収性、吸収、吸収する等)は、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)が基質に接触することを指し、このとき生体分子は基質と接触する液体中に存在(溶解または懸濁)するか、または存在していたことになる。多孔性基質または半多孔性基質の場合、1種以上の生体分子を含む流体(例えば、液体)は、基質中に存在する孔の介在空間の中に引き込まれる。例えば、多孔性基質または半多孔性基質は、1種以上の生体分子を有する液体サンプル(例えば、その中に溶解または懸濁されるペプチドまたは核酸)で濡らし、液体を基質の孔に浸透させるようにしてもよい。(適切なら)乾燥後、生体分子は、生体分子と基質との間に非イオン的、イオン的、または共有的結合を何ら要することなく、基質の孔の内部に留まる。従って、基質に「吸収される」生体分子は、生体分子と基質との間に吸着的結合を必要としない。生体分子が基質に吸収されるのは、基質内部の孔空間の単なる占拠だけで十分である。
【0034】
さらに詳細に言うと、基質が孔を有する場合(例えば、多孔性または半多孔性である場合)、介在空間は、吸収によって生体分子を捕捉する。例えば、多孔性基質または半多孔性エラストマー基質、例えば、スポンジまたは発泡体は、孔の介在空間中に生体分子を捕捉することが可能である。スポンジ孔は、生体分子が吸収によって介在空間の内部に捕捉された場合、実質的に容器として働く。介在空間に生体分子を導入する一つの方法は、濡らすか、またはスポンジの吸引(圧縮に続く開放)によって基質孔に引き込まれるように(例えば、水−表面相互作用)液体に生体分子を処方することである。スポンジの流体充填後には、存在する水分は全て、例えば、液体からの水の蒸発によって実質的に排除され、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)および他の溶質が「残渣」として残され、これは孔の内部に留まるが、孔表面に対する吸着的結合を必要としない。その結果、多孔性基質または半多孔性基質に吸収される生体分子は、何ら吸着性結合を要することなく基質孔の介在部を占拠する。
【0035】
「吸収される」という用語はまた、本明細書では、本明細書に記載される溶出可能な基質として適切な材料または物質のあるタイプを指すためにも用いられる。このため、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を「吸収する」ことが可能な、または「吸収する」のに適切な溶出可能な基質とは、流体を捕捉することが可能な多孔性または半多孔性物質であり、そのように捕捉することによって、この物質は、保管および必要に応じて任意に保存のために、流体中に懸濁または溶解する生体分子を孔空間内部に留まらせることを可能にする。このように「吸収基質」とは、生体分子が吸収された基質を指す。生体分子を吸収することが可能な、または吸収するのに適切な、溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質であれば、該生体分子を、例えば、将来のある日付において、基質から、少なくとも部分的に溶出または回収することができる。吸収された生体分子を溶出または回収するためには、吸収は可逆的であってもよい。すなわち、吸収基質を水和(通常、水性液体の添加による)し、次いで、基質から生体分子を溶出または回収することができる。
【0036】
本明細書で用いる「吸着された」という用語、およびその文法的変異形は、物質、例えば、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)と基質との間の関係を指す場合は、物質が基質に結合することを意味する。生体分子の基質に対する吸着的結合については三つの基本的な様式がある。すなわち、非イオン性物理的結合、イオン性結合、および共有結合である。非イオン性物理結合は、基質の表面が、ファンデルワールス力、水素結合、またはその他の強力な非イオン性または非共有的相互作用を通じて生体分子に結合する物理的性質(例えば、疎水性領域)を有する場合のことである。非イオン性結合の程度は、生体分子と基質との物理的性質の関数である。イオン結合は、生体分子が、基質の表面の反対電荷と相互作用を有する電荷を有する場合のことである。生体分子の電荷は、もし存在する場合は、流体のpHおよび塩濃度によって影響される。従って、イオン結合は、pHおよび塩濃度によって影響される。イオン結合は、中等強度の結合であり、非イオン性物理的結合よりは強いが、共有結合よりも弱い。共有結合は、化学反応が、生体分子と基質との間に共有結合を形成する結合反応である。上記三つの結合がいずれも、生体分子の基質表面に対する吸着の介在に関与する可能性がある。
【0037】
このため、生体分子と基質との間の吸着結合は、特異的結合、例えば、リガンドおよびその受容体、または抗体および抗原の間に起こる結合からなることもあるし、あるいは生体分子と基質の間の相互作用が、特定の群またはタイプの生体分子に対して特異的ではない、非特異的結合からなることもある。吸着結合は、直接結合、例えば、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)と基質との間の直接の共有的または非共有的(非イオン性またはイオン性)結合を介する結合、あるいは中間分子に結合する生体分子によって吸着が仲介される間接結合を含む。後者の結合では、中間分子は基質表面に吸着結合を介して結合する。このため、生体分子の吸着を実現することが可能な基質は、内在的または内因性親和性を有する材料、または特定のタイプの生体分子に対し、接着、付着、あるいは特異的または非特異的に吸着性に結合することができる能力を有するが、必ずしも全ての生体分子に対して結合することを要しない能力が供給されるか、または備わっている材料であってもよい。吸着性結合の特異的例は、本明細書に記載される溶出可能なエラストマー基質、例えば、ポリエステルに結合するDNAである。
【0038】
このため、基質に吸収される生体分子を基質に吸着させることもできる。しかしながら、生体分子を基質に吸収させたり、あるいは生体分子を、回収可能または溶出可能な形に保管するためには、基質に対する生体分子の吸着を必要としない。このため、本明細書で用いられる「吸収される」という用語は、生体分子の基質に対する吸着を排除しないが、本明細書で用いられる「吸収される」という用語は、生体分子の基質に対する吸着も必要としない。いくつかの実施態様では、基質に吸収された生体分子は、吸着結合を通じて弱くまたは強く基質に吸着されることもあり得ることが分かる。
【0039】
生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を吸収し、その吸収生体分子が、基質から少なくとも部分的に溶出または回収されることを可能にする基質として適切な典型的な材料としては、親水性生体適合性材料が挙げられる。本明細書で用いる「生体適合性材料」とは、生体分子の保管および回収の両立が可能な材料である。この材料は、液体と接触すると濡れる能力を有し、通常、水に不溶である。さらに、この材料は、通常、高い荷電性表面、または生体分子と反応して共有結合を形成する表面を持たないので、吸収生体分子は十分効率的に溶出される。
【0040】
タンパクまたは核酸が、強力な非イオン性、イオン性、または共有結合(すなわち吸着結合)によってほぼ非可逆的やり方で結合する材料としては、高度に荷電した表面、または疎水性表面を有する材料が挙げられるが、これはあまり好ましくない。なぜなら、このような材料に吸収されるペプチドまたは核酸は、一般に溶出または回収が困難だからである。溶出または回収が困難であるためにあまり好ましくなく、従って除外してもよい基質の特異的例としては、セラミックス(例えば、窒化炭素、シリコン・カーバイド等)、ガラス、ガラス繊維、ナイロン、ポリ塩化ビニール、ポリブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、あるいは直接または間接に、特異的または非特異的に、ペプチドまたは核酸に固く結合するその他の材料が挙げられる。あまり好ましくない材料のさらに別の例としては、水溶性材料がある。
【0041】
多孔性または半多孔性物質として有用な材料の、特異的で、非限定的例としては、セルロース(様々な鎖長を有する天然またはセルロース性または合成ポリマー)、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン(ウレタン)、および架橋結合ポリビニールアルコール(PVA)が挙げられる。さらに別の、基質の非限定的例として、ラグペーパー、FTA(登録商標)(セルロース改変材料、Whatman,Inc.,Fordham Park、ニュージャージー州)、903(登録商標)ペーパー(Whatman,Inc.,Fordham Park、ニュージャージー州)、Isocode(登録商標)、(Whatman,Inc.,Fordham Park、ニュージャージー州)、およびGeneration Capture Cards(Gentra Systems、ミネアポリス、ミネソタ州)が挙げられる。
【0042】
変性化、誘導体化、機能化、架橋結合、または複合体化された基質が、その意図される目的に有用である限り、基質の意味の中には、そのように変性化、誘導体化、機能化、架橋結合、および複合化された基質も含まれる。例えば、変性化、誘導体化、または機能化基質は、溶出されることが望ましい生体分子に対し基質があまりに固く結合するために、その改変基質からの生体分子の溶出または回収が、不可能とは言わないまでも、困難となるほど改変されてはならない。さらに別の例として、エラストマー基質において、基質は架橋結合されてもよいが、その架橋結合は、材料を非エラストマーとするほど広範なものであってはならない。別の例は、所望の生体分子の吸収を実質的に阻害するほど孔径を短縮する改変である。さらに別の例は、基質の処理が、所望の生体分子の吸収を阻害する表面をもたらす場合である。例えば、水性の液体に存在する生体分子を吸収することが望ましい場合に、基質を疎油性または疎水性とする処理である。もちろん、このような基質は、油中、または乳液に存在する生体分子の吸収には適切と考えられる。
【0043】
誘導および機能化セルロース基質は、セルロースポリマーの1種以上のヒドロキシル基の修飾を含む。特定の非限定的例としては、ポリエチレンイミン・セルロース、3,5−ジメチルフェニル・カルバメート、4−メチルベンゾエート、およびベンゾエートを含む1本以上の側基を有するセルロースが挙げられる。PVA誘導体としては、PVA−FEPが挙げられる。PVAの複合体としてはアミノ酸複合体が挙げられる。
【0044】
機能化基質としては、基質の基礎構造を改変することなく表面にのみ施した修飾が挙げられる。例えば、エラストマー基質の場合、基質表面は、基質の弾力性を大きく下げることなく機能化することが可能である。表面は、光活性化化学を用い元の物理的またはサイズ性質を改変することなく修飾することが可能である(例えば、米国特許出願第20050074478号、SurModics,Inc.,Eden Prarie、ミネソタ州を参照されたい)。アルコール、酸、チオール、アミン、アミド等を含む反応基を有する基質は、誘導または架橋結合することが可能である。
【0045】
本明細書で用いる「半多孔性」および「多孔性」という用語は、「基質」または基質と等価的用語(例えば、媒体または支持体)と関連して用いられる場合、該基質は、流体の浸透、基質表面内部または表面上における滞留を可能にする、透過性表面、介在空間、内部腔(孔)、またはチャンネルを有することを意味する。そのような基質は、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を吸収・保管するために、多孔性介在空間の内部に流体(例えば、その内部に溶解または懸濁した生体分子を有する流体)を取っておく能力を有する。多孔性基質または半多孔性基質はまた、同じまたは近似のサイズを有する非多孔性基質に比べ、生体分子との吸収性接触のためにより大きな有効面積を提供する。従って、多孔性および半多孔性基質は、通常、同様の大きさを有する非多孔性基質と比べて、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)に対しより大きな容量を有する。保管容量におけるこの差を例示するために挙げると、高さ6mm×幅5mmの3次元の溶出可能エラストマー多孔性基質(円筒形スポンジ)は、150μl容量の流体を吸収することが可能である。それと対照的に、6mmの、非エラストマーの、2次元ペーパー円盤は僅かに10μlの流体しか吸収できない。多孔性基質の特定例は、開放気泡スポンジまたは発泡体である。
【0046】
多孔性基質または半多孔性基質内部では、介在空間、腔、孔、またはチャンネルは、規則的または不規則形状、様々なサイズ、均一または非均一サイズ、および基質内において規則的、非規則的(ランダム)、または半規則的分布パターンを取る事が可能である。通常、孔のサイズはマクロ孔である。例示の孔としては約0.5から1000ミクロン(μm)以上の範囲の平均径、あるいはこの範囲の任意の数値または範囲を有する。通常、孔は、約10から100ミクロン(μm)、より一般的には10から20ミクロン(μm)、あるいはその範囲内の任意の数値または範囲を有する。例示の孔サイズ分布は、20ミクロンの平均孔サイズで標準偏差±10ミクロンである。
【0047】
多孔度とは、孔密度を指し、基質の単位体積当たりの、孔によって占められる合計体積として表される。例示の孔密度は、直線センチメートル当たり約10から10,000孔(PPC)の範囲、またはその範囲の中の任意の数値または範囲である。
【0048】
基質、または基質と等価的な用語(例えば、媒体または支持体)と関連して用いられる「半多孔性」という用語は、その基質が、類似の物理的サイズを有する非多孔性基質よりも、任意の容量において生体分子吸収のために利用することが可能な表面積をより大きく持つことを意味する。半多孔性基質の特定例は、開放気泡または単独気泡スポンジまたは発泡体の組み合わせである。
【0049】
空虚容量は、材料そのものによって構成されない、多孔性または半多孔性材料の容量である。すなわち、乾燥材料では、空虚容量は、材料内部の空気または開放空間である。空虚容量は、パーセントとして表され、その数値は、材料における、空虚の合計容量のパーセントを表す。この空虚容量は、少なくとも部分的に、材料の吸収容量を決める。本明細書で基質に関連して用いる場合、「多孔性」という用語は、少なくとも25%、より一般的には25%を超える空虚容量、例えば、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%またはそれ以上、あるいはそれらの数値内の任意の数値または範囲の空虚容量を有する基質を意味する。本明細書で基質に関連して用いる場合、「半多孔性」という用語は、10〜25%の間、またはその範囲内の任意の数値または範囲の空虚容量を有する基質を意味する。
【0050】
基質は、剛性(例えば、非弾力的)、半剛性、または展性、または変形性(例えば、弾力的)であってもよい。エラストマー基質としては、弾力性またはスポンジ特性を有する変形可能な材料が挙げられる。スポンジ特性としては、例えば、伸長、圧縮、または拡張される能力が挙げられる。通常、エラストマー基質は、伸長、圧縮、または拡張後、伸長、圧縮、拡張、またはその他の変形以前の、基質の元の、またはほぼ元のサイズまたは形状に復帰することが可能である。
【0051】
エラストマー基質が変形される程度を表す一つの尺度を圧縮度または伸張度と言う。圧縮度および伸長度数値は、通常、未圧縮または未伸長状態における材料の物理的サイズに対する、圧縮または拡張状態における材料の物理的サイズのパーセントとして表される。例えば、50%圧縮度は、その材料が、未圧縮または未拡張状態の物理的サイズの半分に圧縮することが可能であることを意味する。200%伸長度は、その材料が、未圧縮または未拡張状態の物理的サイズの2倍に拡張することが可能であることを意味する。本発明に含まれる、弾性、展性、または変形性(例えば、弾力性)基質の、典型的ではあるが、非限定的圧縮度および伸長度数値は、5〜10%から500〜1000%の範囲、またはそのパーセント範囲内の任意の数値または範囲である。当業者であれば、特定の圧縮度および伸長度数値を有する基質を実現するために、適切なエラストマーおよびエラストマー材料を選択することが可能である。
【0052】
一般に基質は、特にエラストマー基質は、目的の生体分子の保管または防腐機能にとって都合のよい任意のサイズ、形状、または広がりを取ることが可能である。サイズは、一部は、保管または保存される生体分子の容量、および保管または防腐用の所望の様式、例えば、自動操作のやり易いマルチウェル保管ユニットによって決められる。従って、サイズは、基質に吸収されるサンプルの容量または量によって一部基づいて決められる。溶出または回収液の容量を最小にするために、通常、基質は、サンプルを吸収するのに十分なサイズを有するが、溶出または回収される生体分子の無駄な希釈をもたらすほどの大きなサイズは持たない。従って、基質サイズは、少なくとも一部は、吸収される生体分子の量、および溶出または回収液における生体分子の所望濃度によって決められる。
【0053】
基質の形状は、部分的には、基質を含む任意の収容ユニット(例えば、容器または管)または保管ユニットによって決められる。例示のサイズは、2次元基質では0.01〜1.0cm、1.0〜5cm、5〜10cmの範囲を有する。スポンジまたは発泡体を含むエラストマー基質のような3次元基質では、容量は、1〜5mm、5〜10mm、10〜20mm、20〜30mm、30〜50mm、50〜100mm、100〜200mm、200〜500mm、500〜1000mm、1〜5cm、5〜10cm、10〜20cm、20〜30cm、30〜50cm、50〜100cm、100〜200cm、200〜500cm、またはそれ以上、あるいはこれらの範囲内の任意の数値または範囲を有する。例示のエラストマー基質は、高さ5mm×幅6mmの円筒形で、約150mmの容量を有する。例示の非限定的基質の形状としては、四角形、正方形、円筒形、円形、球形、および三角形が挙げられる。
【0054】
基質は、様々な密度を持ってよい。溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質の場合、典型的密度は、約1/3から65ポンド/フィートの範囲を有する。エラストマー基質の場合、典型的密度は、約1/3〜5ポンド/フィート、より典型的には1/2〜1.5ポンド/フィートの範囲を有する。
【0055】
基質は、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の変性または損失を低減、抑制、遅延、または阻止する内在的性質を有するか、またはそのように修飾される材料を含む。このため、基質は、生体分子を保管する際、必要に応じて任意にまた生体分子を保存するやり方で生体分子を保管するように使用することが可能である。適切な基質は「保管基質」または「保管媒体」と呼ばれる。なぜなら、これらの基質は、その後の応用または分析のために、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を保管し、必要に応じて任意に保存するのに適切だからである。この基質が生体分子を保存する程度、すなわち、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の変性または損失を低減、抑制、遅延、または阻止する程度は、基質材料と、吸収生体分子の変性または損失に影響を及ぼし、吸収基質の上にある任意の修飾または添加剤との関数である。基質が、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を保存するために機能する程度はまた、基質に吸収された特定の生体分子の脆弱性の関数でもある。例えば、あるタンパクが、別のタンパクよりも脆弱である場合、タンパクを保存しても、脆弱性の低いタンパクに比べ速く変性してしまう。ところが、そのような脆弱な生体分子を基質に吸収させると、基質に吸収させない同じ生体分子に比べて、少なくとも部分的により良く保護または保管することが可能になる。
【0056】
生体分子は、本来の構造を保つように保存すればよい。しかしながら、生体分子の保存は、生体分子が、本来の二次、三次、または四次構造を保持することを要求しない。従って、保存されるペプチドは、その本来の形態として存在することもあるし、あるいは部分的に、または完全に変性した形態として存在することもある。もちろん、その後の分析に必要であれば、あるいは保管生体分子を変性させても影響されないのであれば、生体分子の二次、三次、または四次構造を維持する必要はない。例えば、配列決定およびプロテオーム実験、例えば、LC/MSおよびMALDIのような実験では、被験ペプチドはトリプシンで変性されるので、そのような分析のために用いられるペプチドは、折り畳まれた状態で維持される必要はない。なぜなら、ペプチドは、分析のために変性および分解されるからである。生体分子があって、抗体を用い、保管サンプルにおけるその存在を定めることが望まれる生体分子の場合、例えば、あるタンパク生体分子の検出の場合、そのタンパクは、実際には、特に構造化されていないペプチドエピトープに対して抗体が用意されている場合、適切な抗体による検出を妨げることなしに変性を受けることが可能である。
【0057】
従って、本発明は、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)が基質に吸収される組成物を提供する。特定の局面では、生体分子の変性は低減、抑制、遅延、または阻止される、すなわち、生体分子は、基質に吸収された場合、分解に対し「耐性を示す」または「耐性である」、あるいは「保存される」。この局面では、基質に吸収される保管生体分子が、次に、必要に応じてその後の応用または分析のために基質から溶出または回収される。別の局面では、生体分子の二次、三次、または四次構造は、基質に吸収された場合、維持する必要はない。
【0058】
生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の分解は、様々な定性的および定量的技術によって検出または測定することが可能である。例示の技術としては例えば、凍結(例えば、−20℃または−70℃)サンプルまたは新鮮サンプルにおけるペプチドまたは核酸量などの適切なコントロールと比較しつつ、基質から溶出および回収後におけるペプチドまたはペプチド断片あるいは核酸または核酸断片の量を定量することを含む。変性ペプチドまたは核酸の量は、サイズ分別法(例えば、HPLCおよびFPLCのようなクロマトグラフィー、および電気泳動によるゲル分画法)によって求めることが可能である。ペプチドリン酸化またはプレニル化の損失をタンパク変性を検出するための手段として用いることが可能である。特定タンパクを定量または検出するために、ELISAおよびRIAのようなイムノアッセイを用いることも可能である。タンパク量全般については、市販の比色または蛍光定量分析を用いて求めることが可能である。核酸はまた、UV分光分析、あるいは市販の比色染色または仲介剤(例えば、PicoGreen、Molecular Probes,Inc.,Eugene、オレゴン州)を用いて計算によって求めることが可能である。従って、基質に吸収された生体分子の保存の程度は簡単に確認することが可能である。
【0059】
非限定的一例として、ある量のペプチド(例えば、血液のような生物学的サンプル)を基質に吸収させ、次に、一定期間後その基質から溶出させ、ペプチド(単数または複数)を回収し、定量することが可能である。回収ペプチドの量を、新鮮な、または凍結血液サンプルの等量と比較する。溶出または回収ペプチドはまた、例えば、断片化によって定量し、かつ、回収ペプチドの断片化の程度を、凍結(例えば、−20℃または−70℃)または新鮮サンプル(例えば、新鮮血)から得た等量のタンパクの断片化の程度と比較することも可能である。ペプチドまたは核酸の断片化は、各種の方法、例えば、カラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、質量分析、およびその他の従来技術で既知の方法を含む方法を用いて、より高い分子量の分子種から、より低い分子量の分子種への変位を求めることによって検出することが可能である。
【0060】
分解に対する耐性、または保存量は、参照サンプル、例えば、基質からの溶出または回収効率に関して調整した後の、保管または新鮮サンプルの等量における生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の量のパーセントとして表される。変性に抵抗する生体分子の、例示の保存パーセントは、例えば、ペプチドまたは核酸の50〜75%、ペプチドまたは核酸の33〜50%、ペプチドまたは核酸の25〜33%、ペプチドまたは核酸の10〜25%、またはペプチドまたは核酸の5〜15%を超えない損失、あるいは上記パーセント範囲内の任意の数値または範囲を含む。変性に抵抗する生体分子の、例示の保存パーセントは、例えば、ペプチドまたは核酸の25〜50%、ペプチドまたは核酸の50〜75%、ペプチドまたは核酸の75〜95%、またはペプチドまたは核酸の90〜95%の維持、あるいは上記パーセント範囲内の任意の数値または範囲を含む。
【0061】
基質に吸収される生体分子は、短期から、事実上無限を含む長期まで、任意の時間長保存することが可能である。例示の時間長としては、例えば、5〜10、10〜20、20〜30、30〜50、50〜90、50〜150、150〜365日、数週または数ヶ月、あるいは上記範囲内の任意の数値または範囲を有する変性耐性を含む。例示の時間長としてはさらに、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10〜15、15〜20、20〜30年以上、または上記範囲内の任意の数値または範囲を有する変性耐性を含む。特定例として、ポリエステル基質に吸収される血清タンパクは、室温で6ヶ月の保管後元の形で基質から回収することが可能である。
【0062】
基質に吸収された生体分子は、周囲温度以上、以下、または等温で保管することが可能である。例示の保管温度としては、例えば、−70℃、−20℃、約4℃、4〜10℃、10〜20℃、20〜30℃、30〜40℃、40〜50℃、50〜60℃、60〜70℃、70〜80℃以上、または上記範囲内の任意の数値または範囲が挙げられる。
【0063】
「回収可能」という用語、およびその文法的変異形は、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)のような物質、および基質と関連して用いられる場合、基質に吸収される生体分子の少なくとも一部は、適切な条件下で、その後の分析または応用(例えば、配列決定、親和性または活性検出、質量分析、増幅、クローニング等、例えば、Sambrook等(編)1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,N.Y.およびAusubel等(編),2000,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons, N.Y.これは、ペプチドおよび核酸に向けた各種の応用を記載する)に有用な、または利用可能な形として、基質から分離、抽出、溶出、遊離、または解離することが可能であることを意味する。通常、回収は、生体分子吸収基質を水和することによって実現される。基質から、ペプチドまたは核酸を、互いにばらばらに、順次、選択的に、あるいは互いに組み合わせて回収するための例示の水和条件が本明細書に記載される。
【0064】
回収される生体分子の典型的量(収量)は、質量比で25%から100%、または上記範囲内の任意の数値または範囲を有する。質量比で30〜35%、35〜40%、40〜45%、45〜50%、50〜60%、60〜65%、65〜70%、70〜75%、75〜80%、80〜85%、85〜90%、90〜95%以上、または上記範囲内の任意の数値または範囲内のペプチドまたは核酸の回収または収量も含まれる。基質からの、ペプチドの典型的回収または収量は、50%以上(例えば、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%以上)である。アルカリ性溶液によって基質から核酸を溶出または回収する場合、典型的収率は、基質に吸収されたサンプル中に存在する核酸の、約50%から約100%以上、例えば、約60%から約90%、または約70%から約80%の範囲である。パーセント回収率は、個々のペプチド、複数のペプチドの組み合わせ、例えば、基質に吸収された全てのタンパク、または基質に吸収された個々のペプチドのサブセット(2種以上)の回収を指してもよい。パーセント回収率はまた、個々の核酸、複数の核酸の組み合わせ、例えば、基質に吸収された全ての核酸、または基質に吸収された個々の核酸のサブセット(2種以上)の回収を指してもよい。
【0065】
生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の回収および文法的変異形に関連して用いられる場合、部分的回収とは、基質に吸収された、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の全量の25〜50%以上、最大75%、または上記パーセント範囲内の任意の数値または範囲が、その後の分析または応用に利用可能な形で、基質から抽出(溶出)される、あるいは抽出(溶出)可能であることを意味する。回収と関連して用いられる場合の、「実質的に完全な」という用語、およびその文法的変異形は、基質に吸収された1種以上の生体分子の全量の75〜80%以上(例えば、80−90%、または90〜95%)、または上記パーセント範囲内の任意の数値または範囲が、基質から抽出(溶出)される、あるいは抽出(溶出)可能であることを意味する。従って、例えば、基質に吸収されるペプチドの初期量が10マイクログラム(μg)である場合、基質から部分的に行われるペプチドの回収は、基質を含まない2.5から5.0マイクログラムのペプチドの獲得をもたらす。実質的に完全なペプチド回収は、基質を含まない7.5から8.0マイクログラム以上のペプチド(8.0から9.0マイクログラム、9.0から9.5マイクログラム等)の回収をもたらす。未回収部分は、基質に吸収または吸着されたままであるか、または変性によってもはや回収されなくなっている。
【0066】
溶出可能なエラストマー基質から溶出または回収される生体分子の濃度は、通常、溶出可能な非エラストマー基質から溶出または回収される生体分子の濃度よりも大きい。この違いの理由は、生体分子を吸収させたエラストマー基質は流体で水和することが可能であるが、この流体は、基質を圧縮する(例えば、遠心場、またはピストンによって印加される力による圧縮)ことによって基質から排出させることが可能だからである。エラストマー基質からの溶出または回収のために用いられる流体容量は、非エラストマー基質に比べてより小さい。等量の吸収生体分子あに対する容量差は5〜100倍にも上る。すなわち、基質に最初吸収された等量の生体分子において、溶出可能なエラストマー基質から溶出される生体分子は、溶出可能な非エラストマー基質から溶出される同じ生体分子よりも5〜100倍以上に濃縮される。溶出液を、多孔性または半多孔性非エラストマー基質に適用した場合、孔または介在空間は、攪拌されない溶媒層として保持される。言い換えると、流体は孔から外部空間へ流れ、そこにおいて流体は回収可能となるが、圧縮またはその他の手段によって混合を誘発することができないので回収は非効率的である。逆に、溶出可能なエラストマー基質を圧縮することは可能なので、基質から溶出液を排出することが可能であり、このため、生体分子の溶出が促進され、より高い濃度での、より小さい容量における回収が促進される。
【0067】
特定的例として、高さ5mmx幅6mmの円筒形の、溶出可能エラストマー多孔性基質に吸収された150μlの血清サンプル中のタンパクは、元のサンプル容量(すなわち、150μl)と同じ容量の溶出または回収液によって、この基質から溶出または回収することが可能である。溶出可能エラストマー多孔性基質から溶出または回収されるタンパク濃度は、通常、元のサンプルのタンパク濃度の約50〜95%である。逆に、溶出可能な非エラストマー多孔性基質に吸収された10μl血清サンプルからタンパクを溶出または回収するのに必要な溶出または回収液の容量は、それより著明に大きく、例えば、所望のタンパク収量に応じて400μl以上である。従って、溶出可能な非エラストマー多孔性基質から溶出または回収されるタンパクの濃度は、通常、溶出可能なエラストマー多孔性基質のそれよりも、元のサンプルのタンパク濃度の約1〜10%の桁より低い。
【0068】
溶出または回収される生体分子の典型的濃度は、約1ng/mlから約1mg/ml、またはこの範囲内の任意の数値または範囲を有する。血清ペプチドでは、吸収基質からの典型的溶出および回収濃度は、元の血清タンパク濃度、すなわち、血清は10%(100mg/mL)タンパクを有するが、それとほぼ等価(例えば、約90%以上)か、未満である。本明細書に記載される、ペプチド溶出後に基質から溶出または回収される核酸では、典型的溶出および回収は、基質に吸収される核酸の元の量の約50%以上である。
【0069】
核酸では、典型的濃度は、約0.01ng/mlから1ng/ml、またはそれ以上の範囲を有する。1μg/ml以上の核酸濃度は、濃縮の必要がなくいくつかの分析に適切である。核酸は、10ng/mlから約50ng/ml、50ng/mlから約100ng/ml、100ng/mlから約250ng/ml、250ng/mlから約500ng/ml、500ng/mlから約1000ng/ml、1000ng/mlから約1500ng/ml、1500ng/mlから約2000ng/ml、2000ng/mlから約2500ng/ml、2500mg/mlから約3000ng/ml、3000ng/mlから約3500ng/ml、3500ng/mlから約4000ng/ml、4000ng/mlから約4500ng/ml、4500ng/mlから5000ng/ml、5000ng/mlから約5500ng/ml、5500ng/mlから6000ng/ml、6000ng/mlから約6500ng/ml、6500ng/mlから約7000ng/ml、7000ng/mlから約8000ng/ml、8000ng/mlから約9000ng/ml、1μg/mlから約50μg/ml、50μg/mlから約100μg/ml、100μg/mlから約250μg/ml、250μg/mlから約500μg/ml、500μg/mlから約1000μg/ml、1000μg/mlから1500μg/ml、1500μg/mlから約2000μg/ml、2000μg/mlから約2500μg/ml、2500μg/mlから約3000μg/ml、3000μg/mlから約3500μg/ml、3500μg/mlから約4000μg/ml、4000μg/mlから約4500μg/ml、4500μg/mlから約5000μg/ml、5000μg/mlから約5500μg/ml、5500μg/mlから約6000μg/ml、6000μg/mlから約6500μg/ml、6500μg/mlから約7000μg/ml、7000μg/mlから約8000μg/mlから約9000μg/ml、または約10mg/mlの核酸、あるいは上記範囲内の任意の数値または範囲として溶出または回収することが可能である。
【0070】
ペプチドまたは核酸の量または濃度を定量する例示の技術として、サイズ分別法(例えば、HPLCおよびFPLCのようなクロマトグラフィー、および電気泳動によるゲル分画法)、およびペプチドまたは核酸比色染色(例えば、PicoGreen、Molecular Probes,Inc.,Eugene、オレゴン州)が挙げられる。特異的タンパクを定量または検出するにはELISAおよびRIAのようなイムノアッセイを用いることも可能である。核酸はまたUV分光分析によって計算することも可能である。従って、基質からの溶出または回収後の生体分子の収量は、従来技術で既知の各種の技術を用いて簡単に確かめることが可能である。
【0071】
一般に基質は、特にエラストマー基質は、意図する生体分子の保管または防腐機能にとって都合のよい任意のサイズ、形状、または広がりを取ることが可能である。サイズは、一部は、保管または保存される生体分子の容量、および保管または防腐用の所望の様式、例えば、自動操作のやり易いマルチウェル保管ユニットによって決められる。従って、サイズは、一部は、基質に吸収されるサンプルの容量または量によって決められる。溶出または回収液の容量を最小にするために、通常、基質は、サンプルを吸収するのに十分なサイズを有するが、溶出または回収される生体分子の無駄な希釈をもたらすほどの大きなサイズは持たない。従って、基質サイズは、少なくとも一部は、吸収される生体分子の量、および溶出または回収液における生体分子の所望濃度によって決められる。
【0072】
基質の形状は、部分的には、基質を含む、任意の収容ユニット(例えば、容器または管)または保管ユニットによって決められる。例示のサイズは、2次元基質では1〜5cm、5〜10cmの範囲を有する。スポンジまたは発泡体を含むエラストマー基質のような3次元基質では、容量は、1〜5mm、5〜10mm、10〜20mm、20〜30mm、30〜50mm、50〜100mm、100〜200mm、200〜500mm、500〜1000mm、1〜5cm、5〜10cm、10〜20cm、20〜30cm、30〜50cm、50〜100cm、100〜200cm、200〜500cm、またはそれ以上、あるいはこれらの範囲内の任意の数値または範囲を有する。例示のエラストマー基質は、高さ5mmx幅6mmの円筒形である。例示の非限定的基質の形状としては、四角形、正方形、円筒形、円形、球形、および三角形が挙げられる。
【0073】
「回収可能な」生体分子とは、その後の分析または応用に利用できる生体分子を指す。従って、その後の分析が、回収核酸の配列決定を含む場合、基質は核酸の変性を抑制し、回収後精製を要することなく配列を正確に決定可能にすることが望ましい。しかしながら、分析が、生体分子の弛緩または変性によって影響を受けない場合には、基質は、吸収生体分子を元の形に維持することを要しない。このような生体分子の、基質からの回収は、パーセントで表す場合、その後の分析または応用に利用可能な回収生体分子の量を反映する。従って、変性生体分子の典型的回収パーセントは、回収生体分子のうちの、断片および変性産物の含量を反映する。
【0074】
「回収可能」という用語はまた、基質に吸収された1種の生体分子であって、基質に吸収された1種以上のその他の生体分子の実質量を溶出または抽出することなく、ある条件下で基質から選択的に、優先的に溶出または抽出することが可能な、該1種の生体分子を指す。例えば、基質に吸収されるペプチドは、その基質に吸収された核酸の実質量を溶出することなく基質から溶出することが可能である。従って、その基質に吸収されたペプチドは、少なくとも一部は、基質から回収されるが、一方、同基質に吸収される核酸の大部分は基質に吸収されたままである。従って、溶出可能な基質は、その基質から、生体分子が、選択的に、優先的に、同時に、または継時的に、例えば、吸収されたペプチドが基質から先ず溶出され、次いで、核酸の溶出が起こるというやり方で、あるいは吸収タンパクと吸着核酸の両方が同時に基質から溶出されるというやり方で起こる材料を含む。一例として、水のような水性液体を基質に適用し、吸収されたタンパクが基質から溶出および回収され、次に、同じ基質にアルカリ性溶液を適用することによって、今度は、吸収された核酸が基質から回収される。ペプチドおよび核酸の選択的、優先的(例えば、差動的)、または順次的溶出を始め、同時的溶出のための条件が本明細書に記載される。
【0075】
生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は、液性水和によって基質から溶出または回収することが可能である。水和技術は、基質に対する液体の添加を含む。これは、本明細書では、「溶出液」または「溶出溶液」、「回収液」または「回収溶液」と呼ぶ。溶出/回収液または溶液は、例えば、基質からペプチドを溶出または回収するのに適切な液体、および基質から核酸を溶出または回収するのに適切な液体を含む。生体分子の溶出に適切な液体は、生体分子の回収に適切な液体と同じであっても、異なっていてもよい。ペプチドの溶出または回収に適切な液体は、核酸の溶出または回収に適切な液体と同じであっても、異なる組成であってもよい。もしもペプチドと核酸の両方が基質に存在し、基質から、ペプチドと核酸の選択的、優先的、または差動的(別々の)溶出を望む場合、通常、ペプチドと核酸の溶出液は互いに異なる。ただし、基質からペプチドと核酸の優先的または差動的回収/溶出を行うには、他のパラメータ、例えば、水和技術、温度、およびインキュベーション時間、溶出または回収に適切な液体の場合であれば、組成、pH、温度、および液体および基質のインキュベーション時間を変動させることによって実行することが可能である。
【0076】
従って、別の実施態様において、本発明は、生体分子(例えば、ペプチド)、および溶出可能なエラストマー基質を提供する。ここに、組成物は実質的に水分を含まず、生体分子(例えば、ペプチド)は、エラストマー基質に吸収され、該生体分子(例えば、ペプチド)は、非吸収されたペプチドに比べて必要に応じて任意に分解に対して耐性を示し、吸収されたペプチドの少なくとも一部は、該エラストマー基質から回収または溶出可能である。本発明はさらに、別の実施態様において、生体分子(例えば、ペプチドと核酸)を含む組成物、および溶出可能な基質を提供する。ここに、組成物は実質的に水分を含まず、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は基質に吸収され、吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の一つは、非吸収生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)に比べて必要に応じて任意に分解に対して耐性を示し、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の少なくとも一部は、該基質、および水性液体から回収または溶出が可能である。様々な局面で、水性液体は、溶出可能な基質から、ペプチドの少なくとも一部、または核酸の少なくとも一部を溶出または回収するのに適切である。さらに別の局面では、水性液体は、溶出可能な基質から、ペプチドの少なくとも一部、または核酸の少なくとも一部を、選択的、優先的(例えば、差動的)、継時的、または同時的に、溶出または回収するのに適切である。
【0077】

例示の溶出/回収液体は水性である。非限定的例は水である。これは、基質に吸収されたペプチドを溶出または回収するのに用いることが可能である。このような液体は、pHを一定範囲内に維持するようにpH緩衝される水溶液であってもよいが、そうである必要はない。特定の非限定的例は、pHを約5から9、または上記範囲内の任意の数値または範囲(例えば、pH5から8、6から8、7から8、上記の範囲内、例えば、7.2から7.8、7.4から7.6)のpHを有するpH緩衝液である。この液は、実質量の核酸を基質から溶出することなくペプチドを基質から溶出または回収するのに使用することが可能である。
【0078】
溶出/回収液のさらに別の非限定的例は、アルカリ性液体、例えば、約10〜12(すなわち、9.8〜12.2)、または上記範囲内の任意の数値または範囲、さらに詳細には、pH10から12、pH11から12、pH11.3から11.8、またはpH11.4から11.7の範囲内のpHを有するアルカリ性水溶液、もっとも特定的には、11.4、11.5、11.6、11.7、または11.8のpHを有するアルカリ性溶液である。このようなアルカリ性溶液は、基質に吸収された核酸の溶出または回収に適切である。このようなアルカリ性溶液はまた、基質に吸収されたペプチドの溶出または回収にも適切である。
【0079】
生体分子の溶出および回収は、周囲温度(室温)以上、以下、または等温で実行することが可能である。例示の非限定的温度としては、例えば、5〜10℃、10〜15℃、20〜25℃、25〜32℃、30〜40℃、40〜50℃、50〜60℃、60〜70℃、70〜80℃以上、または上記範囲内の任意の数値または範囲が挙げられる。
【0080】
溶出可能なエラストマー基質(例えば、スポンジ/発泡体)に吸収されたペプチドの非限定的例では、基質を水和することが可能である。例えば、適当量の水、スポンジ表面積に接触し、スポンジに浸透するのに十分な量の水を、ペプチド吸収スポンジ(例えば、スポンジ空虚容量と等しい容量)に適用、または接触させる。水和スポンジは、必要に応じて任意に、一定時間水の存在下にインキュベートされ、水が、スポンジ基質からペプチドを溶出することができるように、必要に応じて任意に1回以上圧縮(絞る)または遠心される。スポンジが圧縮される間に、あるいは遠心後に、ペプチドを含む溶出液が抽出され、回収されたペプチドは、必要な場合、その後の分析にかけられる。
【0081】
核酸も、ペプチドと共に溶出可能なエラストマー基質(例えば、スポンジ/発泡体)の上に存在する場合、ペプチドの溶出後に、基質から溶出することが可能である。核酸を溶出することが望ましい、その同じ基質からペプチドを溶出することが望ましい場合には、基質から、先ず、ペプチドが選択的または優先的に溶出され、本明細書に記載されるように例えばペプチドが回収され、その後、本明細書に記載されるように、その基質から続いて核酸が溶出される。
【0082】
溶出可能なエラストマー基質(例えば、スポンジ/発泡体)に吸収される核酸の非限定的例では、基質が水和される。例えば、核酸の溶出に適切な適当量の、スポンジの表面積に接触し、スポンジに浸透するのに十分な量の液体が、スポンジに適用または接触させられる。例えば、アルカリ性液体(例えば、約10〜12、すなわち、9.8〜12.2のpH、または上記範囲内の任意の数値または範囲を有するアルカリ水溶液)を、核酸吸収スポンジに適用または接触させることが可能である。水和スポンジは、必要に応じて任意に、一定期間、アルカリ性液体の存在下にインキュベートし、液体が、スポンジ基質から核酸を溶出することが可能となるように、必要に応じて任意に、1回以上圧縮(絞る)または遠心する。スポンジが圧縮される間に、あるいは遠心後に、核酸を含む溶出液が抽出され、回収された核酸は、必要な場合、その後の分析にかけられる。
【0083】
基質に吸収されたペプチドは、通常、約6と8の間のpHを有する水によって溶出される。一方、基質に吸収されるペプチドは、約10〜12のpHを有するアルカリ性溶液によって溶出される。従って、基質に吸収されるペプチドも、水またはアルカリ液によって基質から溶出される。ペプチドと核酸の両方が一つの基質に吸収されている場合、基質から、核酸の実質量を溶出することなく、ペプチドを選択的または優先的に溶出したい時には、核酸を溶出または回収する前に、ペプチドを基質から溶出および回収することが可能である。別態様として、ペプチドと核酸の両方が一つの基質に吸収されている場合、ペプチドと核酸の両方を溶出したい時には、約10〜12のpHを有するアルカリ性溶液によってペプチドと核酸を基質から溶出することが可能である。
【0084】
さらに詳細には、有毒な物質または有機溶媒を使うことなく、周囲(室)温において、約10と約12の間のpHを有する溶出液で水和することによって基質からDNAを溶出させることが可能である。これは、オートメーション適合過程である。回収された核酸は通常高品質であり、その後の応用または分析に利用が可能である。基質に吸収された核酸の溶出は、1)基質に、核酸、または核酸含有サンプルを吸収させた溶出可能な基質を提供すること;2)吸収基質を、約10.0と約12.0の間のpH(例えば、9,8〜12.2、さらに詳細には約11.4と約11.8の間のpH)を有する溶出液で水和し(すなわち、基質に溶出液を適用または接触させる)、水和基質から核酸を溶出すること;3)必要に応じて任意に溶出核酸を回収すること、のうちの一つ以上を含んでもよい。この過程は、同じ基質を、同じ、または異なる溶出または回収液を用いて繰り返すことが可能である。
【0085】
特定の理論に限定されることなく言明するのであるが、アルカリ性pHは、脱プロトン化によって吸収された核酸を中和するように働き、そのために核酸と基質の間の静電的相互作用が弱められ、核酸の溶出が可能となるのかも知れない。それと別に、アルカリpHは別の機構を通じて作用する可能性がある。なぜなら、溶液のpHを増すことはまた、主にGおよびT残基のイオン化によって核酸の電荷を増すことになり、これは、核酸と、それの吸収される基質との間の相互作用を変える可能性のあることに注意しなければならないからである。
【0086】
約10と約12の間のpHを有する溶出液によって溶出される核酸は2本鎖であるか、1本鎖であるか、混合物である。溶出核酸の形態は、様々な要因、例えば、溶出緩衝液のpH、緩衝液強度、基質の性質、および核酸含有サンプルの品質を含む要因に依存するが、ただし、これらに限定されない。約pH10のpHを有する溶出液による室温溶出では、主に2本鎖形(例えば、dsDNA)である核酸が溶出される。約pH12のpHを有する溶出緩衝液による室温溶出では、主に1本鎖形(例えば、ssDNA)である核酸が溶出される。いずれの理論にも限定されるつもりはないが、よりアルカリ度の高いpH(例えば、約pH12.0)における溶出では、主に1本鎖形である核酸が溶出され、その後の溶出物の中和によって、相補鎖の対合が可能または促進されて2本鎖核酸が生成される。
【0087】
溶出または回収核酸がアルカリ性pHに暴露されるのを緩和するために、アルカリ性液体は必要に応じて任意に「急減」される。「急減」とは、pHを低減させるために行われる過程である。例えば、pHは、酸化剤を添加することによって、または約5.0と10.0pH単位の間のpH、あるいは約8.0と9.0の間のpHを有する緩衝液と緩衝液交換を実行することによって低減することが可能である。「急減」は、後続分析または応用の一部として行ってもよい。例えば、pHは、後続分析を実行するために、所望のpHまたは緩衝液組成を実現するためのプロトコールの一部として、例えば、酸化、脱塩、または緩衝液交換を行ってもよい。
【0088】
溶出または回収液の基質とのインキュベーションは、短時間、例えば、1〜5、5〜25、25〜60、60〜120秒の桁、上記範囲内の任意の数値または範囲、例えば、1〜5、5〜25、25〜60、60〜120分、または上記の範囲内の任意の数値または範囲、または長期間、例えば、1〜5、5〜25、25〜60、60〜120時間、または上記の範囲内の任意の数値または範囲であってもよい。インキュベーション時間は通常、溶出可能な基質が弾力的である場合にはより短い。なぜなら、生体分子は、基質を水和し、攪拌し、または基質を1回以上急激に圧縮することによって回収することが可能だからである。
【0089】
本明細書で用いる「水和」という用語、またはその文法的変異形は、基質、生体分子、または生体分子が吸収される基質と関連して用いられる場合、水分が、基質、生体分子、または生体分子が吸収される基質に添加される過程を意味する。水和は、基質、生体分子、または生体分子が吸収される基質を、水性、またはその他の液体に適用する、または添加することによって実行することが可能である。
【0090】
本明細書で用いる「適用」という用語、およびその文法的変異形は、液体(例えば、溶出または回収液体)および基質、生体分子、または生体分子が吸収または吸着される基質との背景において使用される場合、液体は、基質、生体分子、または生体分子が吸収または吸着される基質と物理的に接触することを意味する。液体が、生体分子が吸収または吸着される基質に適用される場合、適切な溶出条件が用いられている限り、この物理的接触によって、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は、少なくとも部分的に、基質から、抽出、解離(溶出)、または回収される。従って、この背景では、「適用」という用語と「接触」という用語は等価である。
【0091】
溶出可能な基質を水和して、基質に吸収された生体分子を溶出または回収するのに十分な液体の容量は、基質材料、および生体分子に施すその後の応用または分析によって決められる。溶出可能なエラストマー基質の特定実施態様では、溶出または回収液の容量は、圧縮状態の基質の容量と等価な容量から、非圧縮状態の溶出可能なエラストマー基質の容量以上の範囲を有する。従って、溶出または回収液体の容量を最小とするためには、溶出可能なエラストマー基質は、非エラストマー溶出基質よりも適切な基質となる可能性がある。溶出可能なエラストマー基質に吸収される生体分子を溶出または回収するための液体の最小容量は、エラストマー基質の圧縮容量と等価的な容量の使用を含む。溶出または回収液の容量を最小化することによって、より濃縮された形の溶出または回収生体分子が実現される。
【0092】
核酸の溶出のために、一つの実施態様では、吸収基質はアルカリ性溶出緩衝液によって水和される。この緩衝液は、基質から核酸を溶出液に放出する。必要に応じて任意に、次に核酸含有溶出液(溶出液に溶解した核酸)を基質から分離し、回収する。溶出液は、必要に応じて任意に、平衡緩衝液によって中和し、溶液として保管されるように核酸を安定化する。核酸含有溶出液は、その後の分析のために直接用いてもよいし、あるいは核酸は、溶出緩衝液から、例えば、標準緩衝液交換法によって、沈殿法、または核酸結合材料に対する結合によって回収および/または分離してもよい。基質からの溶出は、1回以上繰り返してもよいし、核酸含有溶出液を合わせて、核酸の収率を向上させてもよい。
【0093】
本明細書で用いる「実質的に含まない」という用語、およびその文法的変異形は、基質の水分含量と関連して用いられる場合、その基質は、吸収基質の合計質量に対して、質量比で約25%未満の水分含量(すなわち、23〜27%)を有することを意味する。通常、水分含量は、25%未満、例えば、20〜25%、15〜20%、10〜15%、5〜10%、または2〜5%未満、例えば、1〜2%、あるいは上記パーセント範囲以内の任意の数値また範囲を有する。水分含量は、標準的なカールフィッシャー滴定によって定量することが可能である(例えば、米国特許第5,102,804号を参照されたい)。
【0094】
本明細書で用いる「生体分子」という用語は、生存生物または非生存生物において通常見出される、または生産される任意の分子、またはそのような物質を含むサンプルを指す。従って、生体分子は、有機分子、例えば、ペプチド(タンパク)、核酸(ポリヌクレオチド)、炭水化物、糖類、脂肪酸、脂質を始め、それらの組み合わせとしての有機分子、および無機分子と組み合わさった有機分子を含む。通常、生存生物または非生存生物において存在する、または生産されるサンプルは、複数の上記生体分子を含む。従って、生体分子は、1種以上のペプチド、核酸、炭水化物、糖、脂肪酸、脂質単独、またはそれらの任意の組み合わせを含むより大きなサンプルの一部であってもよい。従って、基質に吸収されるペプチドまたは核酸は、基質に吸収される、1種以上のその他の生体分子を含んでもよいし、含まなくともよい。従って、基質に吸収されるある生体分子は、単独であってもよいし、同じ基質に吸収される1種以上の他の生体分子と組み合わされてもよい。例えば、生存生物または非生存生物から得られた「サンプル」は、該サンプルが濃縮または精製されていない限り、複数の生体分子を含む。生体分子は、1種以上の分子が溶解または懸濁する液性サンプルを含む。
【0095】
生体分子は、特に、生存または非生存生物、または生存または非生存生物によって生産される任意のものから獲得、単離、または誘導される。特定の、非限定的例としては、哺乳動物(例えば、ヒトを含む霊長類、類人猿、チンパンジー、ギボン、およびイヌ族、ネコ族、ウシ族、ウマ族、およびブタ族を含む家畜および愛玩動物)、通常温血の、非哺乳動物(例えば、爬虫類および鳥類)、通常冷血な動物が挙げられる。生体分子は、組織、器官、細胞から単離または獲得される。生体分子は、微生物、例えば、細菌、真菌、寄生虫、ウイルス、およびマイコプラズマを含む微生物から単離または獲得される。
【0096】
生体分子は、細胞(例えば、組織、または器官バイオプシー)の混合物、特定の細胞タイプ(例えば、造血細胞)、または細胞の一部、例えば、細胞混合物または特定の細胞タイプから得たタンパクまたは核酸抽出物を含むことも可能である。従って、生体分子は、前核細胞および真核細胞を含む任意の種類の細胞から得られても、由来のものであってもよい。従って、基質は、前核細胞または真核細胞のうちの任意のタイプ、細胞の一部を自身に吸収してもよいし、細胞の混合物または集合体を含んでもよい。
【0097】
細胞は、単細胞真核細胞、多細胞真核細胞、または多細胞真核細胞から得られた複数細胞サンプル(例えば、組織、または器官サンプルまたはバイオプシー)を含む。真核細胞は、例えば、血球または組織細胞であってもよい。前核細胞は、真正細菌および古細菌、およびグラム陽性およびグラム陰性細菌を含む。前核細胞は、病原体または非病原体であってもよい。生体分子は、単一または個別生物(例えば、ヒト被験者)、単一種(例えば、ヒト被験者の下位集団)、複数の生物、または複数種からのサンプルまたは材料を含む。
【0098】
生体分子は、生物から得られる材料と呼ばれるサンプルを含む。生体分子は、被験体から得られるサンプルを含む。生体分子は、組織、血液、血清、血漿、脳脊髄液、毛髪、毛皮、唾液、痰、精液、尿、大便、粘液、皮膚、良性または悪性腫瘍または増殖、バイオプシー器官、組織、またはその他の任意のタイプの細胞、器官、または組織サンプル、または材料を、必要に応じて任意に溶液として、または懸濁液として含む。
【0099】
本明細書で用いる「被験体」という用語は、動物、通常は哺乳動物、例えば、ヒト、非ヒト霊長類(類人猿、ギボン、チンパンジー、オランウータン、マカク)、愛玩動物(イヌおよびネコ)、家畜動物(ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ)、および実験動物(マウス、ラット、ウサギ、モルモット)を指す。被験体は、動物の疾患モデルを含む。被験体はさらに、疾患にかかる、またはかかる危険度のある動物を含む。被験体から得られたサンプルは、遺伝的疾患、または生理的障害、または遺伝的疾患または生理的障害に対する素因についてその後スクリーニングするために保管することが可能である。遺伝的疾患または生理的障害の特定の非限定的例としては、遺伝疾患、高度増殖性障害、免疫障害、または微生物感染が挙げられる。投獄されている、投獄されたことのある、または投獄の危険性のある(以前に投獄されたことがあるか、犯罪を疑われたことがある)被験体から得られたサンプルは、人定のため、または法医学的目的のためその後のスクリーニング用として保管される。
【0100】
生体分子は、植物、または植物部分、例えば、葉、茎、柄、花粉、根、枝、花、種子、球根、胞子、またはその他の植物材料から誘導または獲得されてもよい。
【0101】
生体分子は、食物、法医サンプル、農業サンプルおよび産物を始め、環境サンプル(例えば、土壌、塵埃、真水、塩水、または廃水、盛り土材料、ゴミまたは廃棄物)中にも存在する。
【0102】
生体分子はまた、人工的または合成的に生産することも可能である。例えば、ペプチド、核酸、脂肪、脂質、炭水化物を生産する合成法は従来技術で既知である。
【0103】
「ペプチド」という用語は、アミド結合で連結される、2個以上の任意の長さのアミノ酸を指す。ペプチドはさらに、本明細書では、特に、タンパク、ポリペプチド、またはアミノ酸配列と呼ばれることもある。ペプチドは、分子内または分子間ジスルフド結合を形成することがある。ペプチドはまた、同じ、または異なるペプチド、または他の生体分子とマルチマーを形成することがある。ペプチドはまた修飾されることがある。例えば、リン酸化、グリコシル化、ユビキチン化、またはメチル化されることがある。ペプチドは、2個以上のアミド結合アミノ酸に対して、1個以上の非天然または誘導アミノ酸残基を結合させることがある。ペプチドは、天然には存在しない、2個以上のアミノ酸配列が結合されるキメラタンパクを含む。ペプチドは、ある特定の基に接合されるアミド結合によって結合される2個以上の任意の長さのアミノ酸を含む。
【0104】
本明細書では、遺伝子、ポリヌクレオチド、ヌクレオチド配列、プライマー、オリゴヌクレオチド、またはプローブとも呼ばれる核酸は、任意の長さの、天然または修飾された、プリンおよびピリミジン含有ポリマーであって、ポリリボヌクレオチドか、またはポリデオキシリボヌクレオチド、または混合ポリリボ−ポリデオキシリボヌクレオチド、およびそれらのα−アノマー形を指す。2個以上のプリンおよびピリミジン含有ポリマーは、通常、リン酸エステル結合、またはそのアナログによって結合される。リン酸エステル結合は、オリゴヌクレオチドの安定性を強化する構造によって置換することが可能である。このような置換の特定の非限定的例として、フォスフォロチオエート結合、フォスフォトリエステル、メチルフォスフォネート結合、アルキルまたはシクロアルキル短鎖構造、ヘテロ原子短鎖構造またはヘテロ環構造、およびモルホリノ構造が挙げられる(例えば、米国特許第5,034,506、5,223,618、および5,378,825号を参照されたい)。
【0105】
核酸は、直線または環状DNAおよびRNA、単一鎖、2本または3本鎖形成性、それらを任意の組み合わせで有する、例えば、zDNAを含む。2本または3本鎖形成核酸は、DNA−RNAハイブリッドを含む。核酸はまた、アミノ酸バックボーンに対する接合塩基によって形成されるタンパク核酸(PNA)を含む(Hyrup et al.,Bioorg.Med.Chem.4:5(1996))。PNAの中性バックボーンによって、低イオン強度条件下で、DNAおよびRNAに対する特異的ハイブリダイゼーションが可能になる。PNAオリゴマーの合成は、標準的固相ペプチド合成プロトコールを用いて実行することが可能である(例えば、Perry−O‘Keefe et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA93:14670(1996)を参照されたい)。PNAは、ワトソン・クリック水素結合に従って、配列依存性のやり方で、相補的DNAおよびRNA配列にハイブリダイズする。
【0106】
核酸は、多型を含む野生型、突然変異、またはセンスまたはアンチセンスいずれかの合成であってもよい。核酸はさらに、真核細胞および前核細胞遺伝子、プラスミドおよびベクター、人工染色体を始め、ウイルスDNAまたはRNAも含む。オリゴヌクレオチドを文字列、例えば“ATGCCTG”で表す場合には、ヌクレオチドは、左から右に5’から3’方向となる。
【0107】
DNAは、デオキシリボースとリン酸基を含むデオキシリボ核酸、例えば、天然に見られるアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、およびシトシン(C)を指す。DNAは、ゲノム、cDNA、EST(発現配列タグ)、およびオルガネラDNA(例えば、ミトコンドリアDNAおよび葉緑体DNA)を含む。DNA塩基は、例えば、アルキル化(例えば、メチル化)またはデアミノ化によって、修飾塩基、例えば、N−6−ヒドロキシルアミノプリン(HAP)、5−メチルシトシン、フォルムアミドピリミジン、8−ヒドロキシグアニン、および5,6水和チミンを発生させることによって修飾してもよい。
【0108】
RNAは、リボースとリン酸基を含むリボ核酸、例えば、天然に見られるアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、およびウラシル(U)を指す。RNAは、転写、メッセージ(mRNA)、リボソーム(rRNA)、転移RNA(tRNA)、および小型RNA、例えば、核内低分子RNA(snRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、時間調整低分子RNA(stRNA)を含む。RNA塩基は、例えば、修飾塩基、例えば、N2,2,7,トリ−メチルグアノシン(m3G)、2’−0−メチルアデノシン(A3)、2’−0−メチルシトシン(C3)、2’−0−メチルグアノシン(G3)、2’−0−メチルウリジン(U3)、シュードウリジン(F)、N6−メチルアデノシン(A6)、2−メチルグアノシン(G2)を発生させることによって修飾することが可能である。
【0109】
合成塩基は核酸の中に含まれる。特定の非限定的例としては、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、6−メチル、2−プロピル、およびその他のアルキルアデニン、5−ハロウラシル、5−ハロシトシン、6−アザシトシン、および6−アザチミン、シュードウラシル、4−チオウラシル、8−ハロアデニン、8−アミノアデニン、8−チオールアデニン、8−チオアルキルアデニン、8−ヒドロキシルアデニン、およびその他の8−置換アデニン、8−ハログアニン、8−アミノグアニン、8−チオールグアニン、8−チオアルキルグアニン、8−ヒドロキシグアニン、およびその他の置換グアニン、他のアザおよびデアザアデニン、他のアザおよびデアザグアニン、5−トリフルオロメチルウラシル、5−トリフルオロシトシン、およびトリチル化塩基が挙げられる。
【0110】
基質から溶出または回収されるペプチドまたは核酸のような生体分子を含むサンプルは、必要に応じてその後、任意の分析的、機能的、または構造的分析、または応用のために使用される。本明細書で用いる「その後の分析」または「その後の応用」とは、基質から溶出または回収される生体分子に実施される、任意の分析的、機能的、または構造的手順またはプロトコールを意味する。その後の分析は、溶出または回収された生体分子が、このような分析に利用可能であることを意味する。もちろんこれは、生体分子が、その後の分析または応用に対して利用可能となるためには溶出または回収することが必要であると言うものではない。例えば、基質に吸収または吸着される生体分子は、そのまま分析することが可能であり、その場合、その生体分子は、基質から溶出または回収することなく分析される。一例として、溶出液は、基質に吸収されたペプチドまたは核酸に添加され、その後の分析のための試薬(例えば、比色試薬)は、基質を収容する同じ容器に加えられる。従って、その後の分析または応用は、生体分子の、基質からの溶出または回収を必要としないが、生体分子が基質から溶出または回収される場合は、その後の分析または応用に利用可能な形で行われる。
【0111】
生体分子に行われてもよいその後の分析の非限定的例としては、濃縮、精製、配列決定、分子量分析、等電点分析、荷電密度分析、構造分析、または結晶化が挙げられる。その後の分析の追加例としては、機能アッセイ、例えば、結合親和性、または酵素または触媒活性が挙げられる。
【0112】
溶出または回収されたペプチドまたは核酸に実施してもよいその後の分析の非限定的例としては、電気泳動、精製、配列決定(例えば、cDNAまたはゲノム)、分子量分析、構造分析、機能分析、例えば、結合またはハイブリダイゼーションが挙げられる。核酸配列分析の追加例としては、遺伝子タイピング、フィンガープリンティング、回収核酸の発現(転写または翻訳)、クローニング、またはその他の遺伝子操作が挙げられる。核酸配列分析のさらに別の例としては、合成または増幅(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応、PCR、リガーゼ鎖反応、LCR、逆転写酵素起動PCR、rtPCR、およびPCR準拠または等温増幅法による全ゲノム増幅)、制限酵素断片長多型性RFLPを含むDNAまたはRNAハイブリダイゼーション技術、配列決定、STRおよびSNP分析、およびマイクロアレイ、遺伝子チップ、およびその他の高処理能力、または自動化用途、分析、または過程に対する応用が挙げられる。
【0113】
生体分子は、必要に応じて任意に濃縮または精製し、その後の分析または応用に向けることが可能である。例えば、核酸は、クローニング、増幅、またはその他の遺伝子操作の前に精製することが可能である。生体分子はまた、例えば、プローブまたはプライマーとして使用される放射性同位元素で標識されたペプチドまたは核酸のように標識反応を受けることも可能である。さらに詳細には、例えば、基質に吸収された血液サンプルから回収される核酸またはペプチドは、精製、濃縮、または分析のためにアガロースまたはポリアクリルアミドゲル上で配列決定またはサイズ分別されてもよい。
【0114】
「濃縮」、およびその文法的変異形は、サンプル中の他の物質または材料に対し、サンプルの1種以上の生体分子の比率を増すことを指す。したがって、濃縮された生体分子は、その生体分子の非濃縮形と比べて、他の物質に対しより高い比率で存在する。「精製」とその文法的変異形は、サンプル中に存在する可能性のある生体分子を含め、1種以上の他の物質または材料からある生体分子を分離することを指す。精製はまた、例えば、所望の特性、例えば、特定の配列、サイズ、構造、または立体配座を有する核酸を選択するために、サンプル中の生体分子を分離または分画することを指す。従って、これらの用語は、参照生体分子(単複)の相対的比率に関して異なる。精製生体分子(単複)は、濃縮生体分子(単複)よりも、他の物質に対して高い比率で存在する。
【0115】
生体分子濃縮および精製技術は従来技術で既知である。例えば、クロマトグラフィーを用いて、溶出または回収核酸またはペプチドは、アガロースまたはポリアクリルアミドゲル上にて分画し、サイズ、構造、または立体配座に基づいて分離することが可能である。溶出または回収核酸またはペプチドは、アフィニティークロマトグラフィー、例えば、セファデックス、ポリA、または抗体アフィニティーカラムを用いて分離または精製することが可能である。核酸は、市販の技術、例えば、DNA結合マグネットビーズ、フェノール・クロロフォルム抽出、または核酸結合クロマトグラフィーカラム(例えば、QiagenおよびGentra Corporationから販売されている)含む技術を用いて、基質(例えば、スポンジ、またはFTA(登録商標)、ラグペーパー、またはIsocode(登録商標)のようなエラストマー基質)に吸収されたヒト血液を溶出または回収後、精製することが可能である。ハイブリダイゼーションによって、配列に従って核酸を濃縮または精製することが可能であり、ハイブリダイズされた任意の核酸が回収される。上記、およびその他の、核酸およびペプチドの精製、分離、または分画法は従来技術において既知である。
【0116】
基質から溶出または回収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)が、その吸収または吸着生体分子に対して濃縮または精製されるように、基質は、付加成分を含んでもよいし、または排除してもよい。例えば、溶出可能な基質は、抗原に結合する抗体のような、結合剤を含むように修飾されてもよい。この抗体は、標準的結合化学(例えば本明細書に記載されるやり方で、または従来技術で既知の他のやり方で)を通じて基質表面に直接連結することが可能である。抗体負荷基質に結合する抗原を含む生物学的サンプルを吸収することによって、該抗原の抗体に対する結合、および該抗原の基質に対する吸着が引き起こされる。適切な溶出または回収条件下に、吸収過程が逆転され、吸収生体分子が基質から溶出され、一方、抗体負荷基質に結合する抗原は結合したままである。このようにして、抗体負荷基質に結合した抗原は、任意の溶出または回収生体分子から除去、または欠失させられる。1種以上の結合剤を含むように溶出可能基質を修飾することによって、その後の応用または分析にとって望ましくない、または干渉する他の生体分子のような汚染物質は、基質によって保持されるから、このような物質は、溶出または回収生体分子から取り除かれる。従って、1種以上の結合剤を含むように修飾された基質から溶出された生体分子および生物学的サンプルは、その基質に吸収された生体分子に対して濃縮または精製される。もちろん、基質から1種以上の結合剤を特異的に排除することは、適当な条件下で、排除される結合剤に結合した生体分子の溶出または回収を可能にする。
【0117】
「結合剤」という用語は、他の物質に対して、選択的または非選択的親和性を有する分子を指す。非選択的結合剤を用いて、ある属の物質、例えば、タンパクまたは核酸を結合することが可能である。非選択的結合剤の特定の非限定的例としては、免疫グロブリンに結合するタンパクAが挙げられる。タンパクA接合基質に吸収されるサンプルは、そのタンパクA接合基質から溶出された場合、免疫グロブリンの含量が比較的少ない。
【0118】
非選択的結合剤の、さらに別の特定的非限定的例として、1本鎖核酸の混合物、例えば、断片化されたゲノムまたはcDNAライブラリーが挙げられる。これらのライブラリーは、共有結合またはその他の高い親和性を有する結合を介して、溶出または回収液によって溶出されないように基質に付着させることが可能である。基質に付着された核酸は、基質に吸収されたサンプル中に存在する核酸にハイブリダイズすることが可能である。このような基質から溶出されるサンプルは、基質に吸収される元のサンプルよりも核酸含量が少ない。
【0119】
選択的結合剤としては、抗体、リガンド、受容体、および基質に吸収されるサンプル中に存在する可能性のある標的核酸配列にハイブリダイズする特異的核酸配列が挙げられる。選択的結合剤の特定の非限定的例としては、ほんの数例を挙げれば、抗免疫グロブリン抗体であって、これは、溶出または回収サンプルから、免疫グロブリン(例えば、IgG、IgA、IgM、IgE、またはIgD)を選択的に除去または欠失させることができる;抗アルブミン抗体は、溶出または回収サンプルからアルブミンを選択的に除去または枯渇させる;および抗凝固因子抗体は、溶出または回収サンプルから凝固因子(例えば、因子I−X)を選択的に除去または欠失させることができる。
【0120】
結合剤は、様々な方法で溶出可能基質に付着される。例えば、イオン性または共有結合を用いて、結合剤(例えば、抗体、リガンド、受容体等)を基質に付着させることが可能である。共有結合は、いくつかの官能基によって、合成および生物材料の上に形成することが可能である。このような官能基の特定の非限定的例としては、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基、イミダゾール基、フェノール基、チオール基、トレオニン基、およびインドール基が挙げられる。共有結合をもたらす化学反応の特定の非限定的例としては、ジアゾ化(基質−N=N−結合剤);アミド結合形成(基質−CO−NH−結合剤);アルキル化またはアリール化(基質−CH−NH−結合剤、および基質−CH−S−結合剤);シッフの塩基形成(基質−CH=N−結合剤);アミド化(基質−CNH−NH−結合剤);チオ−ジスルフィド交換(基質−S−S−結合剤);両官能試薬による担体結合(基質−O(CH−N+CH(CHCH=N−結合剤)が挙げられる。両官能試薬による担体結合は「係留紐」を生ずる。これは、拘束がより少なく結合剤(例えば、抗体)が3次元空間を回転することを許すので、結合がより低いエネルギーで起こる可能性がある。この「係留紐」概念は、基質表面の適切な修飾を伴う任意の共有結合またはイオン結合法にも適用することが可能である。他の方法、例えば、UGI(ウラシルグリコシラーゼインヒビター)、水銀・抗体交換、および放射誘発結合を用いて、結合剤、例えば、抗体および核酸を、表面に付着させることが行われている。
【0121】
基質および生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を始め、溶出および回収液は、所望の保管、保存、溶出、回収、またはその他の特性、あるいは生体分子に実施する可能性のあるその後の特定の分析または応用に応じて、本明細書に記載される特定の処理または添加剤を採用または排除することが可能である。例示の処置および添加剤としては、例えば、緩衝液、例えば、pH安定化剤;キレート剤;変性剤;界面活性剤;還元剤;抗酸化剤;防腐剤および安定化剤で、プロテアーゼインヒビターおよびヌクレアーゼインヒビターを含む;プロテアーゼまたはヌクレアーゼ;抗菌剤(例えば、抗生物質、抗ウイルス剤、および抗真菌剤、および抗寄生虫剤);および低水分吸収性糖類(例えば、非還元性糖類)が挙げられる。
【0122】
緩衝液は、pHを、特定の範囲内に、例えば、1と12の間に維持することが可能で、別にpH安定化剤とも呼ばれる。より一般的には、pHは、約pH5.0から約pH12.0の範囲を有する。pH安定化剤の特定例として両性イオンがある。pH安定化剤の特異的非限定的例としては、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸(TRIS)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、N−トリス[ヒドロキシメチル]メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、N−[カルボキシメチル]−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−[2−アセトアミド]−2−イミノ二酢酸(ADA)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−[2−ヒドロキシプロパンスルホン酸](HEPPOS)、N−トリス[ヒドロキシメチル]メチルグリシン(TRICINE)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]グリシン(BICINE)、4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ブタンスルホン酸(CABS)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、3−(シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(3−プロパンスルホン酸)(EPPS)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸(PIPES)、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス[ヒドロキシメチル]エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−4−アミノブタンスルホン酸(TABS)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、3−[(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、エタノールアミン、および3−アミノ−1−プロパンスルホン酸が挙げられる。pH安定化剤の、追加の特異的非限定的例としては、塩化カリウム、クエン酸、フタル酸水素カリウム、ホウ酸、リン酸二水素カリウム、ジエタノールアミン、クエン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、カコジル酸、イミダゾール、および2−アミノ−2−メチル−1−プロパンジオールが挙げられる。
【0123】
基質、生体分子、溶出および回収液は、上記または他の緩衝液、従来技術でさらに知られる緩衝液(例えば、Sigma−Aldrich,セントルイス、ミズーリ州)を含めるか、または排除することが可能である。緩衝液は、他の緩衝液と組み合わせて使用してもよい。
【0124】
ペプチドの溶出または回収を伴う、または伴わない核酸の溶出または回収のためには、例えば、約10〜12(すなわち、9.8〜12.2)、または上記範囲内の任意の数値または範囲、さらに詳細には、pH10から12、pH11から12、pH11.3から11.8、またはpH11.4から11.7の範囲内のpH、もっとも特定的には、11.4、11.5、11.6、11.7、または11.8のpHを維持することが可能な緩衝液が、溶出または回収液に存在してもよい。上記範囲内にpHを維持することが可能な緩衝液の、特異的非限定的例としては、TABS、AMPSO、CHES、CAPSO、AMP、CAPS、およびCABSが挙げられる。
【0125】
二次アミン結合によって結合されるアルキルスルフォネート基を有する緩衝液は、核酸を溶出または回収するには特に有用であるようである。そのような特定の緩衝液に限定されることを望むものではないが、このような緩衝液は、DNAの副溝に適合するので、これが吸着されたDNAの非安定化をもたらし、これが次に基質からのDNAの溶出をもたらすことが考えられる。さらに、ある種の緩衝液、例えば、トリスおよびエタノールアミンは、緩衝液が荷電しないpH値でよく振舞う。従って、DNAを溶出または回収するには、緩衝液は荷電状態にあることは必要ではないようである。該に基づくならば、当業者であれば、核酸を溶出または回収するために適切な他の緩衝液を特定することが可能である。
【0126】
緩衝液またはpH安定化剤は、通常、約0.1mMから約500mMの範囲、約0.5mMから約100mMの範囲、約0.5mMから約50mMの範囲、約1mMから約25mMの範囲、約1mMから約10mMの範囲で使用される。より詳細には、緩衝液は、約(後述の数値の10%以内)1mM、2mM、5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、40mM、または50mMの濃度を有する。基質に吸収された生体分子の溶出または回収のためには、溶出および回収液における上記の範囲および緩衝液濃度は適切である。
【0127】
キレート剤は、通常、金属イオンと複数結合を形成し、金属を捕獲するができる複数の咬合リガンドである。金属の捕獲は次に、微生物の増殖または生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の変性を低減または阻止し、これは次に基質に吸収される生体分子の保存を改善する。キレート剤の特異的非限定的例としては、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、EGTA(エチレングリコール−O,O’−ビス(2−アミノエチル)−N,N,N’,N’−四酢酸)、GEDTA(グリコールエーテルジアミン四酢酸)、HEDTA(N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸)、NTA(ニトリオール三酢酸)、サリチル酸、トリエタノールアミン、およびポルフィンが挙げられる。キレート剤の典型的濃度は、約0.1mMから約100mMの範囲、約0.5mMから約50mMの範囲、または約1mMから約10mMの範囲を有する。
【0128】
「キレート剤」という用語はまた、キレート樹脂も指す。キレート樹脂の特異的非限定的例としては、架橋結合ポリスチレンビーズ(例えば、CHELEX(登録商標))、トリス(2−アミノエチル)アミンを含む架橋結合アガロースビーズ、イミノ二酢酸、ドゥオライト(登録商標)C−467、ドゥオライト(登録商標)GT73が挙げられる。キレート剤は通常、約0.01%(w/v)〜約1%(w/v)、約0.025%(w/v)〜約0.5%(w/v)、または約0.05%(w/v)〜約0.2%(w/v)の範囲の濃度で使われる。
【0129】
変性剤および界面活性剤は、通常、疎水性および親水性環境の間に化学的架橋を形成し、これが次に元のタンパク構造を維持するのに必要な疎水性力を破壊または減少させる。変性剤および界面活性剤の特定の、非限定的化学的クラスとしては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、および両性イオン性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の特異的非限定的例としては、SDS、ラウリル硫酸ナトリウム、NP40、トリトンX−100、Tween、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、塩化ベンゼトニウム、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、およびN,N−ジメチルデシルアミン−N−オキシドが挙げられる。
【0130】
還元剤または抗酸化剤は通常微生物の増殖を抑制し、生体分子の酸化を還元する。そのような薬剤の特定の非限定的例としては、フリーラジカル捕捉剤が挙げられる。還元剤および抗酸化剤の特異的非限定的例としては、DTT(ジチオスレイトール)、ジチオエリスリトール、尿素、尿酸、メルカプトエタノール、ジステイン、ビタミンE、ビタミンC、亜ジチオン酸塩、チオグリコール酸、およびピロ亜硫酸塩が挙げられる。
【0131】
生体分子の変性を抑制または遅延させることが望ましい場合、防腐剤または安定化剤が、生体分子を基質に吸収させる前に、吸収後に、あるいは生体分子を基質から溶出または回収後に使用される。このような防腐剤および安定化剤は、基質から、本来の形の生体分子を溶出または回収する効率を改善するために使用される。防腐剤および安定化剤の特異的非限定的例としては、アジ化ナトリウムおよびポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。防腐剤および安定化剤の典型的濃度は、約0.05%から約1%の範囲を有する。
【0132】
プロテアーゼインヒビターは、ペプチド変性を抑制する。プロテアーゼインヒビターの特定の非限定的例としては、プロテアーゼに結合する基質(例えば、ペプチド)の可逆的または非可逆的インヒビターが挙げられる。特定の非限定的なプロテアーゼインヒビターのクラスとしては、セリンおよびシステインプロテアーゼインヒビターが挙げられる。プロテアーゼインヒビターの特異的非限定的例としては、PMSF、PMSF Plus、APMSF、抗トロンビンIII、アマスタチン、アンチパイン、アプロチニン、ベスタチン、ベンザミジン、キモスタチン、カルパインインヒビターIおよびカルパインインヒビターII、E−64、3,4−ジクロロイソクマリン、DFP、エラスタチナル、ロイペプチン、ペプスタチン、1,10−フェナンスロリン、フォスフォラミドン、TIMP−2、TLCK、TPCK、トリプシンインヒビター(大豆または鶏卵の卵白)、ヒルスタチン、アルファ−2−マクログロブリン、4−(2−アミノエチル)−ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸(AEBSF)、およびKunitz型プロテアーゼインヒビターが挙げられる。
【0133】
ヌクレアーゼインヒビターは核酸の変性を抑制する。ヌクレアーゼインヒビターの特定の非限定的例としては、リボヌクレアーゼインヒビター(例えば、RNaseOUT(登録商標)、Invitrogenカタログ#10777−019;RNase Block(登録商標)、Stratageneカタログ#300151)、ジエチルピロカルボネート、およびアウリントリカルボン酸(ATA)が挙げられる。
【0134】
プロテアーゼは、プロテイナーゼとも呼ばれるが、ペプチドを変性する。プロテアーゼは、その基質(ペプチド)に対して特異的であることも、非特異的であることもあり得る。プロテアーゼの特異的非限定的例としては、コラゲナーゼ、例えば、コラゲナーゼA、B、D、H、およびコラゲナーゼ/ジスパーゼ;ジスパーゼ、例えば、ジスパーゼIおよびII;リベラーゼ、例えば、リベラーゼHIおよびRH;パパイン;ペプシン;プラスミン;プラスミノゲン;プロナーゼ;プロテイナーゼK;トリプシン;カルボキシペプチダーゼ、例えば、カルボキシペプチダーゼA、B、P、およびY;キモトリプシン;エラスターゼ;エンドプロテイナーゼ、例えば、エンドプロテイナーゼArg−C、Asp−N、Glu−C(V8プロテアーゼ)、およびLys−C;因子Xa;ゼラチナーゼ;スブチリシン;テルモリシン;トロンビン;およびカテプシンCが挙げられる。
【0135】
ヌクレアーゼは、核酸を、5’または3’末端において、あるいは内部的に特異的または非特異的に変性する。ヌクレアーゼは、1本または2本鎖配列を特異的または非特異的に変性する。核酸を特異的に変性するヌクレアーゼとしては、特定のヌクレオチド配列を有する核酸を消化する制限酵素が挙げられる。核酸を非特異的に変性するヌクレアーゼとしては、例えば、DNアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、ラムダ−エキソヌクレアーゼ、Bal31ヌクレアーゼ、マングビーン・ヌクレアーゼ、ミクロコッカス・ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼP1、ヌクレアーゼS1、ヌクレアーゼS7、およびウラシル−DNAグリコシラーゼが挙げられる。RNAに対して特異的なヌクレアーゼ(リボヌクレアーゼ)としては、例えば、RNアーゼ、RNアーゼA、RNアーゼCL3、RNアーゼH、RNアーゼPhy M、RNアーゼT1、RNアーゼU2、RNアーゼV1、およびRNアーゼIが挙げられる。
【0136】
抗菌剤は、微生物の成長または増殖を抑制する。特定の非限定的抗菌剤のクラスとしては、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、または抗寄生虫剤が挙げられる。
【0137】
抗菌剤の特異的非限定的例としては、ベータラクタム類、半合成ペニシリン類、モノバクタム類、カルボキシペネム類、アミノグリコシド類、グリコペプチド類、グルカン合成インヒビター、リンコマイシン類、マクロライド類、ポリペプチド、アリルアミン類、アゾール類、ポリエン類、スルフォナミド類、ピリミジン類、テトラエン類、チオカルバメート類、安息香酸化合物、その複合体および誘導体;リファマイシン類、テトラサイクリン類が挙げられる。抗菌剤の、追加の特異的非限定的例としては、ペニシリン、セファロスポリン、アンピシリン、アモキシシリン、アズトレオナム、クラブラン酸、イミペネム、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、バンコマイシン、クリンダマイシン、ポリミキシン、エリスロマイシン、バシトラシン、アンホテリシン、ナイスタチン、リファンピシン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、ドキシシリン、クロラムフェニコールが挙げられる。
【0138】
抗真菌剤の特異的非限定的例としては、アムロールフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン、ケトコナゾール、フルコナゾール、エルビオール、エコナゾール、エコナキソール、イトラコナゾール、イソコナゾール、イミダゾール、ミコナゾール、スルコナゾール、クロトリマゾール、エニルコナゾール、オキシコナゾール、チオコナゾール、テルコナゾール、ブトコナゾール、チアベンダゾール、ボリコナゾール、サペルコナゾール、セルタコナゾール、フェンチコナゾール、ポサコナゾール、ビフォナゾール、フルトリマゾール、ナイスタチン、ピマリシン、アンホテリシンB、フルシトシン、ナタマイシン、トルナフテート、マフェニド、ダプソン、カスポファンジン、アクトフニコン、グリセオフルビン、ヨウ化カルシウム、ゲンチアナバイオレット、シクロピロックス、シクロピロックスオラミン、ハロプロジン、ウンデシレネート、スルファジアジン銀、ウンデシレン酸、ウンデシレンアルカノールアミド、および石炭酸フクシンが挙げられる。
【0139】
抗ウイルス剤の特定の非限定的例としては、逆転写酵素インヒビター;プロテアーゼインヒビター;チミジンキナーゼインヒビター;糖または糖タンパク合成インヒビター;構造タンパク合成インヒビター;ヌクレオシドアナログ;およびウイルス成熟インヒビターが挙げられる。抗ウイルス剤の特異的非限定的例としては、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ジドブジン(AZT)、スタブジン(d4T)、ラルニブジン(3TC)、ジダノシン(DDI)、ザルシタビン(ddC)、アバカビル、アシクロビル、ペンシクロビル、バラシクロビル、およびガンシクロビルが挙げられる。
【0140】
基質、生体分子、溶出または回収液等と共に含められる、または共に排除されてもよい追加の処理または添加剤は、低水分吸収性糖類(糖類)である。この糖類は、単糖類または二糖類であってもよい。この糖類はL型またはD型である。特異的非限定的例としてはトレハロースとフコースが挙げられる。追加の非限定的例としてはマロデキストリンがある。糖類のアナログおよび誘導体も採用または排除してよい。トレハロースアナログの特異的非限定的例としては、6−アジド−6−デオキシトレハロースがある。トレハロース誘導体の特異的非限定的例としてはトレハロース−6−リン酸がある。
【0141】
低水分吸収性糖類は、通常、比較的高いガラス転移温度を有する。本明細書で用いる「ガラス転移温度」という用語は、糖類のような物質と関連して用いる場合、結晶性物質(例えば、糖分)が固体から液体に変化する際の温度範囲を意味する。この転移は物質が温められる場合に起こり、軟化、および流体への最終的転換を反映する。従って、転移は、ある温度範囲において起こる。比較的高いガラス転移温度の特異的非限定的例としては、約60℃以下、約65℃以下、約70℃以下、または約75℃以下である。従って、吸湿度値は、糖類が、水分を吸収または保持する傾向を反映する。低水分吸収性糖類の場合、吸湿度は、通常、15%未満(25℃、94%推定相対湿度における重量増加%)であるが、約10%未満、約5%未満、または約1%未満であってもよい。
【0142】
基質、生体分子、溶出または回収液等と共に含められる、または共に排除されてもよい追加の処理または添加剤は、多価化合物である。様々な特定局面では、基質または生体分子は多価化合物によって処理されない。追加の様々な特定局面では、基質または生体分子は実質的に多価化合物を含まない。多価化合物のように、排除される処理剤または添加剤と関連して用いられる場合、「実質的に含まない」という用語は、その生体分子または基質は、吸収基質の合計質量に対して(w/w)、5%以下(例えば、5%、4%、3%、2%、1%以下)の処理剤または添加剤しか含まないことを意味する。様々な特定局面において、基質または生体分子は、合計質量(w/w)に対し、0.50%以下、または0.25%以下の処理剤および添加剤しか持たない。含めるか、または排除される、処理剤および添加剤の追加の、特異的非限定的例としては、アルコール(例えば、ビニールアルコール、またはそのポリマー)、グリセロール、スクロース、カラゲーナン、キサンタンゴム、およびペクチンがある。
【0143】
基質、生体分子、溶出または回収液等と共に含められる、または共に排除されてもよい材料は、ガラスまたはガラス繊維である。様々な特定局面において、基質または生体分子は、実質的にガラスまたはガラス繊維を含まない。ガラスまたはガラス繊維と関連して用いられる場合、「実質的に含まない」という用語は、吸収基質の合計質量に対して(w/w)、ガラスまたはガラス繊維は5%以下(例えば、5%、4%、3%、2%、1%以下)であることを意味する。
【0144】
共に含められる、または排除される処理剤または添加剤の、相互の、または他の物質または材料、例えば、生体分子または基質に対する相対量は、必要に応じて任意に、そのモル比または質量比によって表すことが可能である。例えば、ペプチドまたは核酸、および処理剤または添加剤の相対量は、比として、例えば、1:0.0005、1:0.005、1:0.05、1:0.5、1:1、1:10、1:100等として表すことが可能である。一つの局面では、ペプチドまたは核酸は、低水分吸収性糖類、例えばトレハロースに対して、約1:0.5から約1:10モル比または質量比で存在してもよい。
【0145】
本発明は、本発明の組成物(例えば、本明細書に記載される「吸収基質ユニット」は、特に、少なくとも部分的に基質から溶出または回収可能な基質に吸収される、ペプチドまたは核酸のような生体分子を含む)含むキットを提供する。一つの実施態様では、キットは、ペプチドと、実質的に水分を含まない溶出可能なエラストマー基質とを含む吸収基質ユニットを含む。ここに、ペプチドはエラストマー基質に吸収され、ペプチドは、吸収されないペプチドに比べて分解に耐性を示し、ペプチドの少なくとも一部は、適切な包装材料に包装されるエラストマー基質から回収または溶出することが可能である。別の実施態様では、キットは、ペプチド、核酸、および実質的に水分を含まない溶出可能な基質を含む吸収基質ユニットであり、ここに、ペプチドと核酸は基質に吸収され、ペプチドまたは核酸は、非吸収されたペプチドまたは核酸に比べて分解に耐性を示し、ペプチドまたは核酸の少なくとも一部は、基質から回収または溶出が可能である。
【0146】
「包装材料」という用語は、キットの成分を収容する物理構造を指す。包装材料は、成分を無菌的に保持することが可能であり、一般にそのような目的のために使用される材料(例えば、紙、コルゲート線維、ガラス、プラスチック、フォイル、アンプル等)で作製される。ラベルまたは包装挿入紙は、適切な書面による指示書、例えば、本発明の方法を実行するための指示書を含んでもよい。従って、本発明のキットは、さらに、本発明の方法における、1種以上のキット成分の使用のためのラベルまたは指示書を含んでもよい。指示書は、本明細書に記載される本発明の方法のうちの任意のものを実行するための指示を含んでもよい。指示書は、「印刷物」、例えば、キット内部の紙またはボール紙、キットまたは包装材料に付属のラベル、またはキットの成分を含む瓶または管に付着されるラベルの上に印刷されてもよい。指示書はさらに、コンピュータ読み取り可能な媒体、例えば、ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、またはハードディスク)、光ディスク、例えば、CD−またはDVD−ROM/RAM、DVD、MP3、磁気テープ、または電気的保管媒体、例えば、RAMおよびROM,上記のハイブリッド、例えば、磁気/光保管媒体の上に含められてもよい。
【0147】
キットはさらに、複数の(2個以上の)吸収基質ユニットを含む。一つの局面では、各吸収基質ユニットは、ペプチド、および水分を実質的に含まない溶出可能なエラストマー基質を含み、ここに、ペプチドはエラストマー基質に吸収され、ペプチドは、非吸収されたペプチドに比べて分解に耐性を示し、ペプチドの少なくとも一部は、エラストマー基質から回収または溶出することが可能である。別の実施態様では、各吸収基質ユニットは、ペプチド、核酸、および実質的に水分を含まない溶出可能な基質を含み、ここに、ペプチドと核酸は基質に吸収され、ペプチドまたは核酸は、非吸収されたペプチドまたは核酸に比べて分解に耐性を示し、ペプチドまたは核酸の少なくとも一部は、基質から回収または溶出が可能である。
【0148】
本発明のキットのもう一つの例は、1個以上の区画を有する包装、および溶出可能なエラストマー基質を含み、各区画は、溶出可能な基質を保持するのに十分な物理的サイズを有し、ここに、エラストマー基質は、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を吸収し、かつ、溶出可能なエラストマー基質から吸収生体分子を溶出または回収するのに適切な材料;および溶出可能なエラストマー基質に生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を吸収させるための指示書を含む。従って、本発明のキットは、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)が、キット中に存在する溶出可能なエラストマー基質にまだ吸収されていない状態の、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を吸収するのに適切な溶出可能なエラストマー基質を含む。
【0149】
本発明のキットは、溶出または回収液、必要に応じて任意に供給される洗浄液、および生体分子の溶出または回収に有用な1種以上の付加成分を含んでもよい。本発明のキットは、溶出または回収液、必要に応じて任意に供給される洗浄液、および溶出または回収された核酸の分析に有用な1種以上の付加成分を含んでもよい。キットはさらに、対象核酸を増幅するのに有用な1種以上の試薬、例えば、1種以上の増幅プライマー、1種以上のデオキシヌクレオチド三リン酸(例えば、dATP、dGTP、dCTP、および/またはdUTPまたはdTTP)、1種以上のポリメラーゼ酵素(例えば、DNAポリメラーゼ)等を含む試薬を含むが、ただしこれらに限定されない。キットは、対象の核酸の配列決定をするのに有用な1種以上の追加の試薬、例えば、1種以上の配列決定用プライマー(標識または未標識、または共有的に修飾されたもの)、1種以上のデオキシヌクレオチド三リン酸(例えば、dATP、dGTP、dCTPおよびdUTPまたはdTTPの混合物)、1種以上の標識または未標識ジデオキシヌクレオチド三リン酸ターミネーター(例えば、ddATP、ddGTP、ddCTPおよびddUTPまたはddTTP)、または1種以上のポリメラーゼ酵素(例えば、DNAポリメラーゼ、Taqポリメラーゼ、Pfu、エロンガーゼ)を含んでもよい。キットは、単離核酸を標識するのに有用な1種以上の試薬、例えば、1種以上の標識デオキシヌクレオチド三リン酸、1種以上のポリメラーゼ酵素、または1種以上の標識または未標識プライマーを含んでもよい。
【0150】
保管ユニットの内部には、個々の吸収基質ユニットが含まれ得る。保管ユニットは、1種以上(例えば、複数)の基質ユニットを収容または保管するのに使用される構造体(容器またはハウジング)である。従って、保管ユニットは、溶出可能な基質または吸収基質ユニットのために単一または複数の区画を含み得る。一つの実施態様では、保管ユニットは、それぞれにおいてペプチドが、実質的に水分を含まない溶出可能なエラストマー基質に吸収される1個以上の吸収基質ユニットを含む。ここで、ペプチドは、未吸収されたペプチドに比べて分解に耐性を示し、ペプチドの少なくとも一部は、溶出可能なエラストマー基質から回収または溶出することが可能である。別の実施態様では、保管ユニットは1個以上の吸収基質ユニットを含み、同ユニットにおいて核酸が、実質的に水分を含まない溶出可能なエラストマー基質に吸収され、ここで、核酸は、未吸収された核酸に比べて分解に耐性を示し、ペプチドまたは核酸の少なくとも一部は、エラストマー基質から回収または溶出が可能である。さらに別の実施態様では、保管ユニットは1個以上の吸収基質ユニットを含み、同ユニットにおいてペプチドおよび核酸が、実質的に水分を含まない溶出可能な基質に吸収され、ここで、ペプチドまたは核酸は、未吸収されたペプチドまたは核酸に比べて分解に耐性を示し、ペプチドまたは核酸の少なくとも一部は、基質から回収または溶出が可能である。特定局面では、保管ユニットは、それぞれが、異なるペプチドまたは異なる核酸を有する、2個以上の吸収基質ユニット(例えば、3、4、5〜10、10〜25、25〜50、50〜100、100〜500、500〜1000、1000〜5000、5000〜10,000、または、上記の範囲内の任意の数値または範囲)を含む。さらに別の特定局面では、保管ユニットは、それぞれが、異なる生物サンプルを有する、2個以上の吸収基質ユニット(例えば、3、4、5〜10、10〜25、25〜50、50〜100、100〜500、500〜1000、1000〜5000、5000〜10,000、または、上記の範囲内の任意の数値または範囲)を含む。
【0151】
溶出可能な基質は、保管ユニットの中に含まれ得る。一つの実施態様では、保管ユニットは、それぞれが溶出可能なエラストマー基質を収容するのに十分な物理的サイズを有する複数の区画、および1種以上の溶出可能なエラストマー基質を有し、ここで、溶出可能なエラストマー基質は生体分子を吸収するのに適切である。通常、溶出可能なエラストマー基質は、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を保管または保存し、かつ、溶出可能なエラストマー基質から生体分子を溶出または回収するのに適切な材料である。このような保管ユニットはまた、溶出可能なエラストマー基質に生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を吸収させるための指示書、溶出可能なエラストマー基質から吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出または回収するための指示書、または、溶出可能なエラストマー基質から吸収生体分子を溶出または回収するための、水性液を調製するための指示書を含むことも可能である。従って、本発明の保管ユニットは、ユニット中に存在する溶出可能なエラストマー基質にまだ吸収されていない状態の、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を吸収するのに適切な溶出可能なエラストマー基質を含む。
【0152】
キットまたは保管ユニットは、通常、ラベル、または、成分の記述または使用説明書を含む包装挿入物を含む。例示的な指示書としては、1種以上の生体分子、例えば、ペプチドまたは核酸単独、またはそれらの組み合わせの少なくとも一部を、優先的、連続的、または同時に溶出または回収するための指示書;ペプチドの一部を単独、または、核酸の少なくとも一部と組み合わせて優先的、連続的、または同時に溶出または回収するための指示書;生体分子、例えば、ペプチドもしくは核酸、またはそれらのサンプルを溶出可能な基質に吸収させるための指示書が挙げられる。
【0153】
本発明のキットおよび保管ユニットの、さらに必要に応じて含められるか、または排除される成分としては、例えば、基質に吸収された生体分子の溶出または回収に適切な液体が挙げられる。一つの局面では、液体は水性であり、溶出可能な基質からペプチドまたは核酸を溶出または回収するのに適切である。さらに別の局面では、キットおよび保管ユニットは、溶出可能な基質から生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を、あるいは、溶出可能な基質から生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の少なくとも一部を、優先的、連続的、または同時に溶出または回収するのに適切な液体を含む。さらに別の局面では、キットおよび保管ユニットは、複数の溶出可能なエラストマー基質の内の1個以上から生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出または回収するための水溶液を調製するための指示書を含む。
【0154】
キットまたは保管ユニットは、さらに追加成分を含み得る。例えば、溶出可能な基質を保持し、かつ必要に応じて、吸収基質ユニットからペプチドの少なくとも一部を溶出または回収するのに十分な物理的サイズを有するデバイス(容器またはホルダー)、核酸の少なくとも一部、または基質ユニットから得られた少なくとも一部の核酸と組み合わされたペプチドの少なくとも一部を含んでもよい。一つの局面では、デバイス(容器またはホルダー)は、溶出可能なエラストマー基質を導入または保持するのに十分な物理的サイズを有し、ここで、デバイスは開口端部、開放可能な端部、または取り外し可能な端部を有し、デバイス(容器またはホルダー)は、溶出可能な基質の圧縮をもたらすようにプランジャーを挿入するのに適切な物理的サイズを有する。一つの特定局面では、デバイス(容器またはホルダー)は、図2および3の図面によって実質的に表される。別の特定局面では、デバイス(容器またはホルダー)は、遠心管に挿入するのに適切な物理的形態、例えば、チューブまたはスピンカラムの中に溶出可能な基質を導入または保持するのに十分な物理的サイズを有する。それぞれが1個以上の基質ユニットを導入または保持するのに十分な物理的サイズを有する、複数のこのようなデバイスも、キットの中に含めることが可能である。複数のこのようなデバイス(容器またはホルダー)は、各基質ユニットから生体分子を溶出または回収するために、多数の基質ユニットを自動化処理するために利用することが可能である。
【0155】
キットはさらに、生体分子溶出または回収のためのツール、溶出または回収された生体分子を収集するための容器またはホルダー、生体分子を精製するための材料を含んでもよい。例えば、溶液からペプチドまたは核酸を精製するためのカラムまたはカートリッジ、溶液からペプチドまたは核酸を精製するための、ビーズのようなアフィニティー媒体、ペプチドまたは核酸を精製または分離するためのクロマトグラフィー媒体を、キットの中に含めてもよい。溶出された核酸のその後の精製用材料としては、核酸精製用ビーズ、および核酸精製カラムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0156】
個々の保管ユニット(容器またはハウジング)は、例えば、本明細書に記載されるような保管または保存された生体分子を有する、1個以上の溶出可能な基質を収容するのに適切な、任意の物理的形態を含むことが可能である。吸収基質ユニットはそれぞれ、保管ユニット内に規定された場所、位置、またはアドレスを有することが可能である。一つの実施態様では、保管ユニットは、マルチウェルプレートを含む。特定局面では、マルチウェルプレートは、2〜6、6〜12、12〜24、24〜96個、またはそれを超える区画を有する。さらに特定の局面では、マルチウェルプレートの1個以上のウェルは、約10〜50μl、50〜100μl、100〜250μl、250〜500μl、0.5〜1.0ml、1.0〜2.0ml、2.0〜3.0ml、3.0〜5.0ml、または5.0〜10.0ml、さらに具体的には、50μl、100μl、200μl、250μl、500μl、または、上記の範囲内の任意の数値または範囲の容量を有する。
【0157】
保管ユニットはまた、2個以上の複数の個々の保管ユニットを指す。従って、本明細書で用いる保管ユニットはまた、1個以上の溶出可能基質を収容するための個々の複数の装置または容器を指す。例えば、保管ユニットは、2枚以上のマルチウェルプレート、図2および3の図面によって表される2個以上のデバイス、2本以上のチューブまたはスピンカラムを含み得る。一つの実施態様では、保管ユニットは、実質的に水分を含まない溶出可能なエラストマー基質に個別に吸収される複数の保管または保存されたペプチドを収容する。ここで、該ペプチドの少なくとも一部は、該溶出可能なエラストマー基質から回収または溶出可能である。
【0158】
保管装置は、吸着基質ユニット、生体分子を吸着するのに適切な溶出可能エラストマー基質、キットまたは保管ユニットを収容または保管するために使用することが可能である。一つの実施態様では、保管装置は、吸収基質ユニット、生体分子を吸着するのに適切な溶出可能エラストマー基質、キットまたは保管ユニットを、約−20℃、約4℃、4〜10℃、10〜20℃、20〜30℃、30〜40℃、40〜50℃、50〜60℃、60〜70℃、または70〜80℃に維持することが可能である。
【0159】
本発明はライブラリーを提供する。本明細書で用いる「ライブラリー」という用語は、2個以上の組成物(例えば、吸収基質ユニット、溶出可能基質、保管ユニット等)の収集物を指す。ライブラリーは、生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の収集物;サンプル(例えば、生物サンプル)の収集物;吸収基質の収集物;またはそれらの組み合わせを含み得る。ライブラリーの吸収基質ユニットは、吸収生体分子が基質(例えば、溶出可能なエラストマー基質)から溶出または回収可能である、任意の保管または保存された生体分子または生物サンプルを含み得る。一つの特定実施態様では、ライブラリーは、それぞれが、基質に吸収される異なるペプチド、または異なる核酸を有する、少なくとも2個の溶出可能な基質を含む。別の特定実施態様では、ライブラリーは、基質に吸収される1種以上の異なる生物サンプルを有する少なくとも2個の溶出可能な基質を含む。
【0160】
ライブラリーはどのようなサイズのものであってよい。様々な実施形態では、ライブラリーは、10〜50、50〜100、100〜500、500〜2500、2500〜10,000、10,000〜50,000、50,000〜250,000種の異なる生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)であって、それぞれが溶出可能な基質に吸収される。
【0161】
ライブラリーは、アレイ内に存在し得る。このアレイは、その上(典型的には不連続領域)に配置された、生体分子、生物サンプル、または吸収基質ユニットを配置させたアレイとして存在してもよい。アレイにおける、1個以上の生体分子、生物サンプル、または、吸着基質ユニットの位置は既知であり(すなわち、規定された位置、一意の場所、またはアドレスを有し)、そのためにある位置の特定サンプルの取り出しまたは分析され得る。さらに、アレイにおける各サンプルの位置が既知であるために、サンプルの特定内容(identity)が決定され得る。アレイは通常、二次元または三次元の表面または支持体を含む。吸収基質ユニットのアレイ(各ユニットが、そのアレイ上に配された容器に設置される)は、基質上に吸収された生体分子の保管、取り出し、溶出、または回収、およびその後の分析または応用のための手動または自動システムにおいて使用することが可能である。
【0162】
アレイは、用途のために適切な任意の密度を持ってよい。密度は、少なくとも一部は、表面または支持体上のサンプル(例えば、吸収基質ユニット)の総数によって決められる。アレイの最小密度は、少なくとも部分的には、サンプルのサイズによって決められる。例えば、1cmのサイズを有する吸収基質ユニットは、アレイ上に不連続位置を有するためには少なくともこの容量を必要とする。
【0163】
「マイクロアレイ」は通常、2次元の固体または半固体の表面または支持体の上に高密度の不連続領域を有する。不連続領域はミクロンのサイズ範囲である。マイクロアレイの典型的密度は、少なくとも25〜50/cm、より典型的には50〜100/cm、さらに典型的には少なくとも約100〜500/cmである。もっとも典型的には、密度は少なくとも約1,000/cmである。
【0164】
本発明は、安定化または保存された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を生産する方法を提供する。安定化または保存された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は、溶出可能な形態または回収可能な形態で基質に吸収される。
【0165】
一つの実施態様では、方法は、吸収されたアミノ酸配列の溶出を可能にする、溶出可能な基質を提供すること;ペプチドの基質への吸収を可能にする条件下で、溶出可能なエラストマー基質をペプチドに接触させること;および必要に応じて、溶出可能エラストマー接触基質から、水分量を、質量比として約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に下げ、それによって安定化または保存されたペプチドを生成すること、を含む。別の実施態様では、方法は、吸収されたアミノ酸配列の溶出を可能にする、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー基質を提供すること;ペプチドの基質への吸収を可能にする条件下で、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー基質をペプチドに接触させること;および必要に応じて、接触した基質から、水分量を、質量比として約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に下げること、を含む。吸収されたペプチドは、通常、溶出可能な形態または回収可能な形態で安定化または保存されるか、あるいは、吸収されたペプチドは、該ペプチドを保存することをまったく必要とせず、溶出可能な形態または回収可能な形態で保管される。特定の局面では、基質は、アルコール、グリセロール、スクロース、カラゲーナン、キサンタンゴム、またはペクチンで処理されていない。
【0166】
本発明はまた、溶出可能な形態または回収可能な形態で生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を保管する方法を提供する。一つの実施態様では、方法は、吸収されたアミノ酸配列の溶出を可能にする、溶出可能なエラストマー基質を提供すること;ペプチドの基質への吸収を可能にする条件下で、溶出可能なエラストマー基質をペプチドに接触させること;および必要に応じて、接触した溶出可能エラストマー基質から、水分量を、質量比として約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に下げ、それによって保管ペプチドを溶出可能な形態または回収可能な形態で生産すること、を含む。別の実施態様では、方法は、吸収されたアミノ酸配列の溶出を可能にする、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー基質を提供すること;ペプチドの基質への吸収を可能にする条件下で、溶出可能な多孔性または半多孔性エラストマー基質をペプチドに接触させること;および必要に応じて、接触基質から、水分量を、質量比として約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に下げ、それによって保管ペプチドを溶出可能な形態または回収可能な形態で生産すること、を含む。溶出可能な形態または回収可能な形態で保管される吸収されたペプチドは、安定化または保存されることもできるが、そうする必要はない。特定局面では、基質は、アルコール、グリセロール、スクロース、カラゲーナン、キサンタンゴム、またはペクチンで処理されていない。
【0167】
さらに別の実施態様では、第1生体分子(例えば、ペプチド)を吸収した溶出可能な基質(例えば、エラストマー基質)は、第1生体分子の吸収の前、同時、またはその後に、第2生体分子(例えば、核酸)と、基質に対する第2生体分子(例えば、核酸)の吸収を可能にする条件下で、接触させられる。吸収された第1または第2生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は、溶出または回収可能な、安定化または保存された形態で存在するか、あるいは吸収された第1または第2生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)は、溶出可能な形態または回収可能な形態として保管されるが、第1または第2生体分子のいずれも安定化または保存される必要はない。様々な局面で、溶出可能な基質は多孔性または半多孔性である。
【0168】
本発明はさらに、溶出可能なエラストマー基質に吸収された生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を溶出する方法および回収する方法を提供する。一つの実施態様では、方法は、実質的に水分を含まない、溶出可能なエラストマー基質に吸収されるペプチドを提供すること;基質からペプチドの少なくとも一部を溶出する条件下で、基質を液体で水和すること;水和した溶出可能なエラストマー基質を攪拌、インキュベート、または圧縮して、基質からペプチドの少なくとも一部を溶出し、それによって溶出可能なエラストマー基質に吸収されたペプチドを溶出すること、を含む。別の実施態様では、方法は、実質的に水分を含まない、溶出可能なエラストマー基質に吸収されるペプチドを提供すること;基質からペプチドの少なくとも一部を溶出する条件下で、溶出可能なエラストマー基質を液体で水和すること;溶出可能なエラストマー基質を攪拌、インキュベート、または圧縮して、基質からペプチドの少なくとも一部を溶出すること;およびその溶出物を抽出し、それによって溶出可能なエラストマー基質に吸収されたペプチドを溶出すること、を含む。さらに別の実施態様では、溶出可能なエラストマー基質は、第2生体分子、第3、またはそれに続く分子(例えば、核酸)を吸収する。特定局面では、溶出可能なエラストマー基質に吸収される第2、第3、またはそれに続く生体分子の少なくとも一部分が、基質から溶出または回収される。その第2、第3またはそれに続く生体分子は、第1の生体分子の溶出もしくは回収と一緒にかまたは第1の生体分子の溶出もしくは回収なしで、第1の生体分子の溶出もしくは回収の前に、同時に、あるいはそれに続いて、溶出または回収され得る。さらなる局面において、溶出可能なエラストマー基質は、多孔性または半多孔性である。
【0169】
溶出可能なエラストマー基質に吸収される、第1、第2、または後続生体分子は、核酸の少なくとも一部を基質から溶出することが可能な条件下で、水性液体に接触させられる。例えば、吸収溶出可能エラストマー基質は、必要に応じて、第1、第2、またはそれに続く生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)の少なくとも一部を基質から溶出または回収するために、水性液体の存在下で攪拌、インキュベート、または圧縮し、それによって、第1、第2、またはその後の生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)を基質から溶出または回収する。
【0170】
基質に対し回収/溶出液(例えば、ペプチドまたは核酸溶出液)を適用する前の必要に応じた洗浄は、基質を溶出液に接触させる前に、洗浄緩衝液に基質を接触させることを含む。洗浄工程は、不要な細胞破片またはその他の汚染物質を除くために行われる。洗浄工程はまた、以前に使用した試薬(例えば、界面活性剤またはキレート剤)の成分を除去するのに用いられる。洗浄工程はまた、基質、および基質に吸収された生体分子を、溶出または回収前に濡らすのにも役立つ。ただし溶出または回収液だけでも十分な水和が実現される。
【0171】
本明細書で用いる「洗浄」とは、水性または非水性液、より一般的には、水性の界面活性剤、溶媒、または酵素的洗浄液を指す。「洗浄液」または「洗浄緩衝液」は、水性または非水性溶媒、または、そのような溶媒の組み合わせを含んでもよい。非水性溶媒としては、エタノール、アセトン、フェノール、クロロフォルム、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド、あるいは、本発明に従って使用するのに適切な任意の極性または非極性の非水性溶媒が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。洗浄液は、1種以上の添加成分、例えば、緩衝液、塩、界面活性剤(例えば、トリトン、Tween、SDS、CHAPS等)、タンパク質、防腐剤、または安定化剤が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。洗浄液は、1種以上の異なるタンパク、例えば、ある種の反応を実行する酵素、または溶液をブロッキングもしくは緩衝するためのタンパク質を含んでもよい。洗浄液は、酵素、例えば、プロテアーゼ、ヌクレアーゼ、キナーゼ、またはメチラーゼを含む酵素を含んでもよいし、溶解緩衝液または消化緩衝液を含んでもよい。洗浄液は、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン(またはミルク)、またはブロッキングもしくは緩衝のための変性タンパクを含んでもよい。洗浄緩衝液は、遠心、吸引、または吸収を含む手段によって除去することが可能であるが、手段はこれらに限定されない。
【0172】
当業者であれば、用途に適切な洗浄液の具体的な組成、および特定の実施態様のために1個以上の洗浄工程が適切かどうかを決定することは可能である。例えば、例示的な洗浄緩衝液は、約8.0のpHにおいて10mMトリスおよび0.1mMのEDTAを含む。この緩衝液は、必要に応じて、界面活性剤(例えば、トリトンX−100またはTween20)を例えば1%で含んでもよい。そのような洗液は、核酸を吸収した基質を洗浄するのに適切である。しかし、ペプチドが基質に吸収された場合、このような洗浄緩衝液では、吸収されたペプチドを溶出する可能性がある。従って、このような緩衝液は、基質に吸収されたペプチドを溶出することが可能である。特定の実施態様では、洗浄緩衝液は、pH緩衝剤、必要に応じてキレート剤および必要に応じて界面活性剤を含む。
【0173】
本発明は、保管または保存される生体分子(例えば、ペプチドまたは核酸)のライブラリーを含むライブラリーを生成する方法を提供する。一つの実施態様では、ライブラリーは、複数の保管ペプチドを含み、方法は、第1ペプチドの基質への吸収を可能にする条件下で、溶出可能なエラストマー基質を第1ペプチドに接触させること;必要に応じて、接触した基質から、水分量を、質量比として約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に下げ、それによって第1のペプチドを生成すること;および異なる溶出可能エラストマー基質に吸収させた第2または後続ペプチドと一緒に、工程a)およびb)を少なくとも1回繰り返し、それによって複数の保管ペプチドを含むライブラリーを生成すること、を含む。別の実施態様では、第1または第2ペプチドの内の少なくとも一部は、該溶出可能なエラストマー基質から回収が可能である。さらに別の実施態様では、第1または第2ペプチドは、基質に吸収されない第1または第2ペプチドに比べて、基質への吸収後、分解に対する耐性を示す。特定の局面では、溶出可能な基質は多孔性または半多孔性である。
【0174】
溶出可能な形態または回収可能な形態で保管するため、溶出可能な形態または回収可能な形態で安定化または保存するため、溶出可能な基質から溶出または回収するための、またはライブラリー用の生体分子およびその他のサンプルが、本明細書に記載される。例示的な生体分子としては、例えば、ペプチドおよび核酸が挙げられる。例示的な生体分子としてはまた、例えば、生物学的サンプル(例えば、全血、血清、血漿、生検細胞または組織、痰、粘液、脳脊髄液、尿、大便、または精液等)が挙げられる。液体サンプルは、その中に溶解または懸濁した生体分子を含み得る。例示的な生体分子としてはさらに、例えば、細胞、細菌、ウイルス、酵母、またはマイコプラズマが挙げられる。
【0175】
本明細書に下記に記載されるように、液体または固体の生物サンプルは、被験体、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)から入手され得る。候補被験体としては、遺伝性疾患または生理的障害、または遺伝性疾患または生理的障害に対する素因の有無を検証するためにスクリーニングすることが望ましい被験体が挙げられる。候補被験体としてはまた、ある疾患または生理的障害(例えば、遺伝性疾患、過剰増殖性障害、免疫障害または微生物感染)に罹患しているか、または罹患する危険性を有する被験体が挙げられる。
【0176】
候補被験体としてはさらに、投獄されたことがあるか、または投獄の危険性のある被験体が挙げられる。投獄の危険性のある被験体の例は、仮釈放中の被験体、または再犯傾向の強い、前科を有する被験体である。
【0177】
本発明の組成物(吸収基質ユニット、キット、保管ユニット、ハウジング、ライブラリー、および方法(例えば、吸収基質ユニットの生成法、保管または安定化ペプチドまたは核酸の生成法、保管または安定化ペプチドまたは核酸の溶出または回収法、これらは本明細書に記載される)は、自動化システムまたは高処理過程の一部として使用するのに適切である。本明細書で用いる「自動化システム」とは、手動およびロボット性溶出または回収システムを含む「自動的溶出または回収システム」を含む。
【0178】
通常、自動的溶出または回収システムとは、マルチウェル反応プレートの個々のウェルへ液体を分注し、ウェルから液体を抽出するデバイスである。手動の自動的溶出または回収システムは、単一または複数液体反応容器から、液体反応システムの液体を同時に吸引および分注するための、複数の流体吸引および分注末端を有する単一プランジャーハンドルを含む。ロボット式自動化システムは、手動ではなく、コンピュータ操作であって、例えば、BIOMEK2000(Beckman Instruments,Fullerton、カリフォルニア州)、Zymark Benchmate(Zymark,Hopkinton,マサチューセッツ州)、ROSYS PLATO(Rapperswill,スイス)その他の製品が挙げられる。
【0179】
本発明の組成物および方法は、自動化アーカイブおよび分析システムの一部として用いるのに適切である。例示の適用可能システムとしては、例えば、米国特許出願公報第200300886571号、同第20030129755号、同第20030087425号、同第20030215369号、同第20030087455号、同第20030129755号、および同第20040101966号に記載されるシステムが挙げられる。
【0180】
別様に定義しない限り、本明細書に使用される技術的および科学的用語は全て、本発明の関係する従来技術に通常の錬度を有する人によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似の、または等価の方法および材料は、本発明の実施または試験に使用され、適切な方法および材料は本明細書においても記載される。
【0181】
本明細書に引用される全ての出版物、特許、およびその他の参照文献は、参照することによりその全体が含められる。矛盾する場合は、本明細書が、定義を含めて優先する。
【0182】
本明細書で用いる単数形“a,”“an,”および“the”は、文脈から明瞭にそうでないと示されない限り、複数への言及を含む。従って、例えば、「ある生体分子」という言及は、複数の生体分子、例えば、2個以上のペプチド、2個以上の核酸、1個のペプチドおよび1個の核酸、1個の生物サンプル等を含む。
【0183】
本発明は、数多くの実施態様を記載するのに肯定的な文章を用いて、本明細書において一般的に記述されている。しかしながら、本発明は、詳細には、特定の主題、例えば、本明細書に開示される物質もしくは材料、方法の工程および条件、プロトコール、手順、アッセイまたは分析が、完全にまたは一部、排除される実施態様を含む。従って、本発明は、全体として、本発明が含まないものという観点から表現されてはいないが、本発明において明白には含まれていないとされる局面であっても、明白に、または内在的に本明細書に開示されていることになる。一例として、本発明は、本明細書に開示される特定の主題が、肯定的に記載される実施態様からは排除されるような、肯定的記載の実施態様を含む。さらに、本発明は、本明細書に明白にまたは内在的に開示されるか、または従来技術で既知である、被験対象を排除する実施態様であって、被験対象と関連技術の観点からは、本発明の一つ以上の実施態様と不適合となると考えられる実施態様も含む。
【0184】
本発明のいくつかの実施態様をこれまで説明してきた。にも拘らず、様々な改変が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく実行可能であることが理解されよう。従って、下記の実施例は、本発明を具体的に説明するためのものであって、請求項に記載される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0185】
(実施例1)
本実施例は、トレハロース単独、および他の材料と組み合わせて基質に吸収されたペプチドが、室温においても、さらに高温においても、ペプチドの安定性を増すことを示す実験を記載する。
【0186】
表1Aは、各種基質に保管させた血漿タンパク質において、各種の添加物を加えて84日間にわたって見た、標準的フェリチンイムノアッセイによって評価したフェリチンの安定性を示す。未処理、またはトレハロース処理のポリエステルおよびセルロース(S&S903)ペーパー基質、およびジチオスレイトールは、84日間の保管期間にわたってフェリチンに対し有意な安定性を示した。
【0187】
【表1A−1】

【0188】
【表1A−2】

【0189】
【表1B】

【0190】
【表1C】

上記実験は、フェリチンのような感受性の高いタンパク質でも、劣悪条件下で室温で保管した後でも、吸収基質から回収可能であることを示す。トレハロースは、FTAの成分と組み合わされると、ペプチドの保存にとって優れた組み合わせとなるようである。
【0191】
表1Bは、通常、添加剤とS&S IsoCode基質との組み合わせはいずれも不満足な結果を示す。そして表1Cは、FTA基質がトレハロースと組み合わされると、これらの条件下では最高の安定性を与えることを示す。
【0192】
ゲル1、2、および3は、回収サンプルの銀染色によって視像化したゲル電気泳動である。サンプルは、基質に吸収させ、室温、37℃、および50℃で、最大98日まで、いくつかの間隔で室温で保管した。−20℃および−80℃で保管した血清タンパク質サンプルを比較のために示す。
【0193】
結果は、いずれの場合も、元のサンプルに示されたバンドは全て98日後にも存在することを示す。いくつかの新規バンドが、これらは恐らく大きなタンパク質の分解による可能性があるが、室温保管またはより高温の保管の開始数日以内に現れ始めた。上記のフェリチンデータに基づくと、さらなるバンドが、タンパク質の著明な分解を表すとは考えられず、あるいは、LC/MS,MALDIのようなプロテオーム実験、および分析前にタンパク質をわざわざ分解させる他の従来技術を妨げる可能性があるとも考えられない。
【0194】
【化1】

【0195】
【化2】

【0196】
【化3】


【0197】
(実施例2)
本実施例は、FTA基質と他の成分に関するタンパク質保管実験を記載する。
【0198】
60枚のFTA(登録商標)ペーパーの6mm直径サンプルを下記のように処理した。15枚は添加物無し、15枚は1%ビタミンE処理、15枚は1mMシステン処理、および15枚は320mgのトレハロース処理。FTAサンプルは全て血漿を吸収させ、血漿の5枚サンプルは凍結乾燥しその後の使用に備えた。未凍結血漿サンプルにおける総タンパク質を、標準的蛍光BCA法によって測定したところ、約1000μgであった。FTA基質と凍結サンプルを、1日目、28日目、42日目、70日目、および98日目に定量した。1組のFTA基質サンプルは室温(25℃)で保管し、1組は37℃に設定し、1組は50℃に設定した。結果を表2に示す。データは、トレハロースと共に保管されたサンプルは、25℃、37℃、または50℃における98日間の乾燥保管後でも、有意な、ほぼ完全なタンパク質の回収を示すことを明らかにする。
【0199】
(表2)
凍結されFTAに吸収された血漿タンパク質の、様々な温度数値における保管結果
値は、回収されたタンパク質を示す(μg単位)
【0200】
【表2】

*50℃における1日目、28日目、および42日目は、タンパク質を除去するための1回および2回の洗浄の合計を含む。
【0201】
(実施例3)
本実施例は、タンパク質を安定化するために様々な処理を行った場合のさらなるタンパク質保管実験を記載する。
【0202】
タンパク質保管のための基質媒体と添加物の組み合わせの有効性を示すために設計された本実験では、標準的な6mm円板の基質媒体が用いられた。FTA、IsoCode、および未処理セルロースベースのペーパー基質のサンプルを、添加物無し、フコース添加物、およびトレハロース添加物と組み合わせて用いた。10マイクロリットルのヒト血清を、各基質要素に分注し、乾燥、保管した。表示の保管期間後、吸収基質ユニットを400マイクロリットルの水とボルテックスし、液体を、タンパク質含量について分析した。タンパク質含量は、基質要素に吸収させる前のタンパク質について分析したサンプルと比較した。表3の結果は、タンパク質の長期の保管に関し、添加物無しや、フコース処理に比べて、トレハロース処理は、ペプチドの優れた保存剤であったことを示す。
【0203】
(表3)
乾燥、室温タンパク質保管に及ぼす添加物の結果
血清タンパク質安定実験−総タンパク質のアッセイ:BCA法(0.4ml)
【0204】
【表3】

SG=160mMトリス、10mM EDTA、2%NP40界面活性剤
S&S903は、Schleicher & Schuellから入手した100%ラグセルロースペーパーである。
【0205】
トレハロースと組み合わせたSG処理ペーパー基質は、優れたタンパク質安定性とタンパク質回収を実現する。この組み合わせは、フリーラジカル捕捉のためにFTAで使用される尿酸を排除し、このことは保管タンパク質の保存には必ずしも必要でない。これらの薬剤によるタンパク質分解の発生率を下げるために、フォスファターゼインヒビターおよびプロテアーゼインヒビターを添加してもよい。使用した界面活性剤およびEDTAは、大部分の酵素を変性すること、または金属性酵素において補因子または活性中心として用いられる金属イオンを排除することにのいずれかによって、それら酵素を十分に阻害し得る。
【0206】
(実施例4)
本実施例は、溶出可能なエラストマー基質(ポリエステルスポンジ)にサンプル(血清または血液)を吸収させ、その後、その基質からサンプルを溶出および回収するための例示のプロトコールを記載する。本実施例はまた、溶出可能なエラストマー基質(ポリエステルスポンジ)に核酸を吸収させ、その後、基質から核酸を溶出および回収するための例示のプロトコールを記載する。本実施例はさらに、溶出可能なエラストマー基質(ポリエステルスポンジ)にペプチドを吸収させ、その後、その基質からペプチドを溶出および回収し、次いで同じ基質から核酸を溶出および回収するための例示のプロトコールを記載する。
【0207】
(A.スポンジに吸収された血液からのタンパク質回収のためのプロトコール)
(サンプル適用)
1.血液、血清または血漿のサンプルを用意する。
2.エラストマー基質を担持するプレートの各ウェルに150μLのサンプルを投下する。
3.調節雰囲気内で基質を乾燥させる。
4.各サンプル容器を、貫通可能な密栓材料によって密封し保管する。
5.プレートを保管ユニットに設置し保管する。
(タンパク質回収)
1.保管ユニットから、保管した血漿タンパク質の選択プレートを取り出し、保管した血漿タンパク質を含む、所望の数のサンプルバイアルを実験プレートに設置する。
2.各バイアルに150μLの水を加え、エラストマー基質をキャッププランジャーで数回圧縮し、基質の水和を確実にする。
3.エラストマー基質を室温で10分間水とインキュベートし、次に各サンプル上にプランジャーを完全に押し込み、基質から、プランジャーの中空バレル中へと血漿タンパク質を押し出す。
4.所望の量を取り出すため、プランジャーの頭部密栓を針またはピペットチップで貫通することによって、実験のための血漿タンパク質を含む水を回収する。
【0208】
(B.スポンジに吸収されたサンプルから核酸を回収するためのプロトコール)
(サンプル適用)
1.スポンジを、適切な容器(例えば、図2および3に示す容器)に挿入し、ある容量(例えば、150μl)の核酸サンプルをスポンジに適用する。注意:サンプルはスポンジに直ちに吸収されなくてもよい。
2.核酸サンプルを、5分間サンプルに吸収させる。鋭利にした200μlピペットチップ(先端5mmを、清浄な剃刀の刃で切り落とす)を用い、スポンジを数回上下に圧縮し、核酸が完全にスポンジに吸収されることを確実にする。
3.安全フードの中でサンプルを一晩風乾させる。注意:湿った条件下では乾燥時間を増加させる必要があり得る。
(核酸回収)
1.pH11.7〜11.8のアルカリ性回収液150μLをスポンジ〜基質に加え、このスポンジをキャッププランジャーで数回圧縮して基質の水和を確実にする。
2.室温で10分アルカリ性回収液と基質をインキュベートし、次に各サンプル上にプランジャーを完全に押し込み、基質からプランジャーの中空バレル中へと核酸を押し出す。
3.所望の量を取り出すため、実験用核酸を含むアルカリ液をピペットチップを用いて回収する。
4.必要に応じて、工程1〜3を合計2サイクル繰り返す。
5.全ての溶出液を合わせる。
【0209】
(C.スポンジに吸収された血液から、タンパク質次いで核酸の2工程回収のためのプロトコール)
(サンプル適用)
1.スポンジを適切な容器、例えば、スピンカラム(例えば、BioRadのマイクロスピンカラム、カタログ番号#732−6204の類似のスピンカラム)に挿入し、150μlのよく混合した血液(全血、血漿または血清)をスポンジに適用する。注意:サンプルはスポンジに直ちに吸収されなくてもよい。
2.血液を、5分間スポンジに吸収させる。鋭利にした200μlピペットチップ(先端5mmを、清浄な剃刀の刃で切り落とす)を用い、スポンジを数回上下に圧縮し、その血液が完全にスポンジに吸収されることを確実にする。
3.安全フードの中でサンプルを一晩空気乾燥させる。
注意:湿った条件下では乾燥時間を増加させることが必要となり得る。完全に乾燥したサンプルは圧縮が困難になり、色が目立って濃くなる。
【0210】
(サンプル回収)
(A.タンパク質)
1.溶出過程の間スピンカラムの底に蓋をする。
2.全体を、清潔な2ml微小遠心チューブに設置する。
3.150μlの超純水をスポンジに加える。
4.鋭利な200μlピペットチップで20回圧縮し、室温で10分インキュベートする。
5.工程4を2回、合計3サイクル繰り返す。
6.チューブから底のキャップを外し、微小遠心器で10,000×gで1分遠心分離する。
7.その後のタンパク質実験のため、溶出液を回収する。
8.DNA回収に備えてスピンカラム中にスポンジを保持する。
(B.DNA)
9.スピンカラムの底に再び蓋をし、溶出過程の間蓋をしたままとする。
10.スピンカラム全体を、清潔な2ml微小遠心チューブに設置する。
11.溶解緩衝液(例えば、Qiagen ATL緩衝液)に、150μlのプロテイナーゼK(20μg/μlの保管液)を、最終濃度が100μg/mlとなるように加える。
12.56℃で20分加熱する。
13.チューブから底のキャップを外し、微小遠心器で10,000×gで1分遠心分離し、液体を保持する。
14.スピンカラムの底に蓋をし、溶出過程の間蓋をしたままとする。
15.スピンカラム全体を、清潔な2ml微小遠心チューブに設置する。
16.pH11.7〜11.8のアルカリ性回収液200μlをスポンジに加える。
17.鋭利にした200μlピペットチップで20回圧縮し、室温で30分インキュベートする。
18.インキュベーション後20回圧縮する。
19.チューブから底のキャップを外し、微小遠心器で10,000×gで1分遠心分離する。
20.10μlのトリスHCLを加え高いpHを中和し、液体を保持する。
21.スピンカラムの底に蓋をし、溶出過程の間蓋をしたままとする。
22.全体を、清潔な2ml微小遠心チューブに設置する。
23.工程7〜12を合計2サイクル繰り返す。
24.保持した溶液(工程B.5、B.12−2回)を全て合わせ、磁気ビーズ手順(例えば、Invitrogen DRI磁気ビーズ精製キット、または、Qiagenから市販されるQIAmpマイクロキットおよびミニキット)によって回収過程を完了させる。
【0211】
(実施例5)
本実施例は、例示の容器保管ユニットを記載する。保管ユニット(容器またはチューブ)は、基質を収容し、サンプルを基質に吸収させ、吸収基質を保管し、かつ、吸収サンプルを基質から溶出または回収するのに適切である。
【0212】
例示の保管ユニットは図2および3に示される。簡単に言うと、サンプルは、図2に示されるように、容器に含まれる基質に吸収される。サンプルは、保管ユニット(例えば、容器)に収容される基質に適用され、乾燥によって存在するいずれの水も低減させ、容器に蓋をして吸収サンプルを保管する。次に、サンプルは、図3に示すようにして、基質から回収することが可能である。簡単に述べると、吸収基質を液体で水和し、基質、この場合はエラストマー基質を1回以上プランジャーで圧縮し、溶出サンプルを含む液体を溶出液を吸引することによって回収する。サンプルの吸収および溶出の全ての工程は容器内に含まれるので、溶出サンプルを吸引するまで、サンプル操作または移送の必要はない。
【0213】
図2および3に描かれるように、プランジャーの使用は、基質から溶出したサンプルをプランジャーバレルに回収するために、プランジャーに取り付けたフィルターまたは同様の障壁を用いる必要はない。これは、プランジャーには、スポンジが圧縮された場合にスポンジから排出される溶出液がプランジャーバレルに蓄積することを可能にする通路があるからである。図示のプランジャーは、液体をバレルに通過させるために複数の通路を(両側面および底面に)有するが、プランジャーの側面または底面のいずれかに1つの通路を備えた意図される様式で、プランジャーは機能を果たす。プランジャーの頭部は、容器の1位置でロックされ得るように構成され、その結果、排出溶出液が回収される間にスポンジは圧縮されたままである。溶出液を容器から回収可能にするため、容器の頭部は開いていてもよいし(プランジャーの頭部の穴)、あるいは開放可能であってもよい(例えば、貫通可能な薄膜、または取り外し可能なクロージャー)。
【0214】
保管ユニットは、各々の収容基質を収容する複数の管状容器から構成され、この保管ユニットは、生体分子サンプルの簡単かつ効率的な吸収、およびその後の溶出または回収を容易にするように設計される。例えば、予めカットされたスポンジテンプレートの使用は、発泡体を保管ユニット(例えば、管またはプレート)上に打ち込む(punch)ことによって保管を簡単化することが可能である。図2および3に図示される基質を収容する管状容器は、遠心分離を必要とせず、かつこの容器は、大部分のHPLC自動化サンプルフィーダーと適合性である。この管状保管ユニットは、サンプル吸収および基質からの溶出または回収に対し十分な機能性を備えて、自動化に利用が可能な効率的なサンプル操作を実現する。
【0215】
管状保管ユニットは、簡単に見て取れる明確かつ固有の特性を有する。この特性の例としては、基質を一つの容器から別の容器へ移送することなく、同じユニットにおいてサンプルを吸収し、かつその吸収したサンプルを溶出/回収する能力が挙げられる。これは、交差汚染またはサンプルの同一性喪失に付随した問題を回避する。溶出サンプルを回収するための遠心分離器の必要性も、遠心分離の必要性もなく、その基質からサンプルを溶出または回収するには、エラストマー基質(例えば、スポンジ)の単純な圧縮で十分である。この管状容器は、96ウェルSBS方式に並べられた小型のチューブを「摘んで置く」多くのロボットと適合性である。この管状容器は、自動化に適切である。この管状容器は、通例のバーコードまたはその他のシステム(例えば、米国特許出願公開第20050026181号を参照されたい)を用いて同定のためにラベル付けされてもよい。この管状容器は、吸収したスポンジを保管するための「打ち出し(punch−out)」システムおよびその付属機器と比べると、対コスト効果が高い。このスポンジを保管ユニットに収容するのに、貫通可能なフィルムを通して基質(例えば、スポンジ)を打ち込む必要もない。
【0216】
(実施例6)
本実施例は、溶出可能なエラストマー基質に吸収された血液を様々な時間保管し、その後溶出、回収、および分析した実験を記載する。例示の実験は、吸収したポリエステルスポンジからタンパク質を溶出するために単一工程を用いる。
【0217】
(スポンジに吸収された血液サンプルからタンパク質を溶出および回収する単一工程)
各種処理剤(下記を参照のこと)を有する多数のポリウレタン(ポリエステル)スポンジ(6mm×5mm円筒)に血液サンプルを吸収させ、室温で保管した。7日後、12日後、28日後、55日後、85日後、187日後、および209日後、血液を吸収したこのスポンジを水(150μl)で水和し、容器の中に収容されたスポンジをプランジャーを用いて圧縮することによって、このスポンジからタンパク質を溶出した。この手順は、実質的に実施例4に記載した通りである。
【0218】
スポンジから回収され、7日間、12日間保管したスポンジから回収したタンパク質溶出液(10分および45分の溶出時間)、28日間、55日間、85日間、187日間、および209日間保管したスポンジから回収したタンパク質溶出液(より強力でより長時間の溶出)を、次いでビシンコニン酸(BCA)アッセイを用いてタンパク質濃度について分析した。このアッセイは、濃度20〜2,000μg/mlのタンパク質を検出することが可能であり、そしてキットとして市販されている(Pierce,Rockford、イリノイ州)。これらの結果を表4に示す。
【0219】
また、7日間、55日間、および187日間保管したスポンジから回収したタンパク質溶出液について、ヒト血漿またはヒト血清における175種を超える分析物を測定するためのビーズアレイシステムである、Human MAP(登録商標)(Rules Based Medicine、「RBM」と略される、オースチン、テキサス州)を使用して、1パネルの分析物についてスクリーニングした。このスクリーニングは、サンプル中の上記分析物の存在、および適切な場合に近似量を検出する定量的スクリーニングである。これらの結果は、表5〜7および図4〜30に示される。
【0220】
また、55日間および85日日間保管したスポンジから回収されたタンパク質溶出液について、ゲル電気泳動および銀染色による分析に供した。電気泳動スクリーンは、スポンジから回収されたタンパク質の完全性を明らかにし、タンパク質の分解を検出する。これらは、ゲル4およびゲル5に示される。
【0221】
(単一工程タンパク質保管処理)
処理#1(GV1) 無処理
処理#2(GV2) TE
処理#3(GV3) TE+NP40
処理#4(GV4) トレハロース
処理#5(GV5) TE+トレハロース
処理#6(GV6) TE+NP40+トレハロース
処理#7(GV7) TE+システイン
処理#8(GV8) TE+NP40+システイン
凍結血清
新鮮な非凍結の時間0における血清

【0222】
下記の表5〜7に示される結果について、最上列は処理を示す。例えば、GV1、GV2等は、7日目のチャートには、その特定の処理の各サンプルについて1回ずつ、それぞれ2回示される。これらの処理がGV11、GV12等と示される場合、これは、GV1、GV2等に対する2回目(55日)の結果を示す。従って、GV1、GV11等は、未処理スポンジ(処理#1)に関し;GV3、GV13は、処理#3(TE+NP40)に関し;そしてGV5、GV15は、処理#5(TE+トレハロース)に関する。
【0223】
【表4−1】

【0224】
【表4−2】

【0225】
【表5】

【0226】
【表6】

【0227】
【表7】

【0228】
【化4】

【0229】
【化5】

表5〜7および図4〜30に示した結果は、サンプル中に存在する数多くのタンパク質が、長期の保管後スポンジから回収されることを示す。タンパク質が検出可能な量として存在するという所見は、回収されたタンパク質の濃縮も富化も精製も必要とすることなく、スポンジから回収されたサンプルにおいてタンパク質を検出および定量することが可能であることを示す。従って、スポンジから回収されたタンパク質は、タンパク質が最小濃度を上回って存在することを要求する分析に対して、回収タンパク質のさらなる富化も精製も濃縮も要することなく、直接分析に供され得る。
【0230】
表4の結果は、保管ペプチドの最高の保存を実現する処理は、処理#3および処理#6であることを示す。これらの処理は、タンパク質の総回収率、および追跡タンパク質の抗体検出において最高成績を挙げた。
【0231】
ゲル#4および#5に示す電気泳動結果は、スポンジ材料を用いて保管したタンパク質はあまり分解されなかったことを示す。従って、スポンジ基質を使用したタンパク質保管は、タンパク質を保存するのに使用が可能であり、かつ、高品質の回収タンパク質がその後の分析または適用のために必要とれる場合に適用可能である。
【0232】
タンパク質回収の再現性を決定するために、溶出した血清タンパク質の濃度を、2ヶ月間にわたって数回分析した。これらのデータの平均を得、かつ、平均からの1SDの変位である変動性の推定値を、平均に対する比率で示した(直下の表を参照)。2ヶ月のサンプリングにおける変動性は、±7%〜±14%の範囲であることが観察された。この比較的小さい変動性は、同じ期間にわたる凍結サンプルについて得られる値に匹敵する。このことは、ピペット誤差および蛍光測定BCAタンパク質定量法の誤差に起因する。従って、スポンジ基質からのタンパク質回収は再現可能であった。
【0233】
【表8】

*上の表の数値は、2ヶ月間の連続収集にわたる、力価についての5個のサンプルおよびプールサンプルの平均に基づく推定である。回収率の変動性は、水和と溶出の機械的局面を最適化することによってさらに減少されると思われる。
【0234】
処理3、4、および5における見かけ上の比較的低い回収率データは、これらの処理に存在する添加剤とタンパク質−色素複合体との相互作用から生じた、蛍光定量法(BCA)のために用いた異なる方法によって生じたゆがみに起因する、定量的アーティファクトである。この結論は、これらの信号が新鮮なサンプル処理のもの、または他の風乾した乾燥直後に見られるサンプル処理のものに比べて相対的に低下していることに基づき、そしてこの結論はその後6ヶ月に渡って時間依存性ではない。
【0235】
液体の回収前にスポンジを繰り返し圧縮しないことに起因する見かけ上の低下(約30〜40%)のアーティファクトは、二次的に、定量的PAGE電気泳動およびRules Based Medicine(オースチン、テキサス州)からのビーズベースのイムノアッセイによって、確かめられる。これらのいずれも、他の処理に比べて、処理3、4、または5においてタンパク質量が系統的に減少するという証拠を示さなかった。従って、処理3、4、および5も保管ペプチドの保存を実現する可能性がある。
【0236】
これらのデータは、スポンジを圧縮することなく単純に水で抽出した場合であり、その収量は、スポンジを圧縮したプロトコールに比べてより低い。例えば、処理4は、溶出の間にスポンジを数回圧縮する場合、処理1および2と同様の収量をもたらす。
【0237】
(実施例7)
本実施例は、溶出可能なエラストマー基質に吸収された血液を様々な時間保管し、その後溶出、回収、および分析した実験を含む。例示の実験は、二つの連続工程を用いる。すなわち、1)ポリエステルスポンジに吸収された血液からのタンパク質の溶出、および2)同じポリエステルスポンジに吸収された血液からの核酸の溶出である。
【0238】
(スポンジに吸収された血液サンプルから、タンパク質および核酸の2工程の溶出および回収)
この実験では、ポリエステルスポンジに吸収された血液を167日間保管した。保管後、タンパク質をスポンジ基質から溶出、回収し、次に、同じスポンジ基質から核酸を溶出、回収した。
【0239】
各種処理剤(下記参照)を含むポリウレタン(例えば、ポリエステル)スポンジ(6mm×5mmの円筒)に血液サンプルを吸収させ、様々の期間室温で保管した。167日間の保管後、血液吸収スポンジを水(150μl)で水和し、容器の中に含まれるスポンジをプランジャーを用いて圧縮することによってタンパク質を溶出した。タンパク質溶出後、スポンジをアルカリ性溶出液(pH11.7〜11.)によって水和し、複数回圧縮し、室温でインキュベートし(30分)、再び複数回圧縮した。このプロセスを繰り返し、溶出液を合わせて分析した。この2工程の溶出および回収手順は、本質的に実施例4に記載する通りである。
【0240】
保管サンプルから回収されたタンパク質溶出液は、次いで定量的、定性的に分析された。特に、溶出液中に回収された総タンパク質を、前述の通りBCA分析によって定量した。溶出液中に回収された総タンパク質はまた、電気泳動および銀染色によって定性的に分析した。これらの結果はゲル#6および#7に示す。
【0241】
(BCAにより測定した、各種処理剤(約120μL容量)を用いて167日間保管したスポンジから回収されたタンパク質総収量(μg/mL))
処理#1 TE+NP40 =150,914
処理#2 TE+NP40+トレハロース =197,959
処理#3 TE+SDS =165,175
処理#4 TE+SDS+トレハロース =177,038
処理#5 トレハロースのみ =148,897
処理#6 添加剤無し =154,525
コントロールC1 凍結した全血 =191,028
コントロールC2 凍結した血清 =113,733

【0242】
2回目の溶出工程で保管サンプルから回収した核酸溶出液は、次に定量的、定性的に分析した。特に、溶出液中に存在するDNA量は、半定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて定量した。簡単に述べると、DNA溶出液を10倍に希釈し、標準的50μLのPCR反応液とした。この液は、ヒトのアメロゲニン遺伝子に対して特異的な、オリゴヌクレオチドPCRプライマー対を含み、単一の558bpPCR産物を生成する。定量的ポジティブコントロールとして、精製ヒトDNAの一組の系列希釈サンプルについても、反応当たり10ng、1ng、0.1ng、0.01ngで分析した。40サイクルのPCRを実行し、溶出DNAを、既知のヒトDNAサンプルと比較した。この比較は、各PCR反応産物5μLを5%アクリルアミド電気泳動に供することにより行った。得られた電気泳動パターン(すなわち、サンプル当たり単一の558bpバンド)を臭化エチジウムによって可視化し、CCDを用いてデータを得た。電気泳動バンド由来の得られたデジタル信号を比較し、溶出液中のDNA濃度を、PCR産物収量比が元のサンプルにおけるDNA質量比に比例するという妥当な仮定に基づいて、既知の標準質量濃度を内挿することによって推定した。このアッセイにおいて、DNAの計算収量は、約±30%以内の正確さであると推定される。下表において、Q1およびQ2は、スポンジに吸収された元の血液150μLにおけるDNA量の二連の測定値を指す。これらの値(Q1、Q2)は、150μLの血液(二連)をQiaAmp−mini製品(Qiagen)を用いカラムクロマトグラフィーで処理して得た。これらの未乾燥の参照標本に基づくと、処理#2および#5によって、適用した血液DNAの約1/2は、エラストマー基質から回収された。その他の処理では、相対的により低い回収率が得られた。
【0243】
溶出液中に存在する回収DNAも、ゲル電気泳動および染色によって定性的に分析した。これらの結果をゲル#8に示す。
【0244】
(半定量的PCRにより測定した167日間保管後スポンジから回収された(150μL当たり)DNA総収量(ナノグラム))
処理#1 TE+NP40 =100ng
処理#2 TE+NP40+トレハロース =750ng
処理#3 TE+SDS =10ng
処理#4 TE+SDS+トレハロース =100ng
処理#5 トレハロースのみ =750ng
処理#6 添加剤無し =100ng
コントロールQ1 凍結した全血 =1500ng
コントロールQ2 凍結した血清 =1500ng

【0245】
【化6】

【0246】
【化7】

【0247】
【化8】

上記の結果は、長期の室温保管後、基質から安定なタンパク質を回収することが可能であることを示す。回収タンパク質は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)で評価したところ、凍結全血コントロールと同一であるようである。全ての処理について、80%を超えるタンパク質が基質から回収された。従って、溶出可能なエラストマー基質は、分解に耐性を有する形態でタンパク質を保管するための信頼性の高い手段を提供する。
【0248】
上記の結果はまた、DNAも分解に耐性を有する保管形態で長期保管が可能であることを示す。従って、このDNAは、増幅、配列決定、およびクローニングのような高品質で、非分解性DNAを要する分析または応用に適切である。さらに、回収されるDNAは、タンパク質汚染の存在に対し感受性の高いPCRにも直接使用が可能であり得る。従って、この回収DNAは、PCR、およびタンパク質汚染物が手順を妨げる可能性のあるその他の方法に使用する前に、タンパク質汚染物を除去するためフェノール:クロロホルム抽出、またはその他の技術に供される必要がない。
【0249】
DNAの回収率は、処理に応じて変動する。処理#2(NP40−トレハロース)および#5(トレハロースのみ添加)は、最良のDNA回収率をもたらし、そして処理#6(未処理ポリエステルスポンジ)も効果的なDNA回収率をもたらした。処理#2および#5それぞれの回収率は、基質単位当たり約50%(750ng DNA)であった。トレハロースはDNA回収率を強化するようであるが、実験条件下では、タンパク質回収率を有意に改善するようには見えなかった。スクロースもまた、トレハロースと同様に、核酸の回収を強化するようである。
【図面の簡単な説明】
【0250】
【図1】図1は、各種基質に対してトレハロースおよびその他の処理剤を用いた場合、または用いなかった場合のタンパク質の保管を示す棒グラフである。略号:Tはトレハロースであり;SSはSS903であり;FはFTAであり;(S)は「SG」カクテル(160mMトリス、10mM EDTA、2%NP40)である。その他の記号は、表中の追加の処理剤を指す:E=ビタミンE,C=システイン、F=フコース。
【図2】図2は、容器(保管ユニット、バイアル)に収容された基質(スポンジ)へのサンプル(例えば、血清または血漿)吸収の模式図、および保管のために容器に蓋をした模式図である。1種以上の吸収サンプルを、手動または自動的に取り出しおよび溶出または回収するために、96SBS方式のプレート枠または他の適切な方式で複数の容器を配列することが可能である。
【図3】図3は、適切な保管サンプルの選択後、容器(保管ユニット、瓶)に収容される基質(スポンジ)からのサンプルの水和および回収についての模式図である。サンプル(例えば、血清または血漿)が吸収されたスポンジを水和し、キャップ/プランジャーアッセンブリを用いてスポンジを圧縮し、これによってスポンジからサンプルを溶出する。次にこれは回収され得、その後の分析または適用に供され得る。
【図4】図4は、新鮮な血清 対 凍結した血清(7日)における、種々の血清分析物の量を示すグラフである。
【図5】図5は、室温で7日後のスポンジ(処理無し)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図6】図6は、室温で7日後のスポンジ(TE)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図7】図7は、室温で7日後のスポンジ(TE+NP40)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図8】図8は、室温で7日後のスポンジ(トレハロース)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図9】図9は、室温で7日後のスポンジ(TE+トレハロース)に保管された種々の血清分析対象の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図10】図10は、室温で7日後のスポンジ(TE+トレハロース+NP40)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図11】図11は、室温で7日後のスポンジ(TE+システイン)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図12】図12は、室温で7日後のスポンジ(TE+システイン+NP40)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図13】図13は、新鮮血清対凍結血清(55日)における、種々の血清分析対象の量を示すグラフである。
【図14】図14は、室温で55日後のスポンジ(処理無し)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図15】図15は、室温で55日後のスポンジ(TE)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図16】図16は、室温で55日後のスポンジ(TE+NP40)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図17】図17は、室温で55日後のスポンジ(トレハロース)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図18】図18は、室温で55日後のスポンジ(TE+トレハロース)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図19】図19は、室温で55日後のスポンジ(TE+トレハロース+NP40)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図20】図20は、室温で55日後のスポンジ(TE+システイン)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図21】図21は、室温で55日後のスポンジ(TE+システイン+NP40)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図22】図22は、新鮮血清対凍結血清(187日)における、種々の血清分析対象の量を示すグラフである。
【図23】図23は、室温で187日後のスポンジ(処理無し)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図24】図24は、室温で187日後のスポンジ(TE)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図25】図25は、室温で187日後のスポンジ(TE+NP40)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図26】図26は、室温で187日後のスポンジ(トレハロース)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図27】図27は、室温で187日後のスポンジ(TE+トレハロース)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図28】図28は、室温で187日後のスポンジ(TE+トレハロース+NP40)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図29】図29は、室温で187日後のスポンジ(TE+システイン)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。
【図30】図30は、室温で187日後のスポンジ(TE+システイン+NP40)に保管された種々の血清分析物の量、およびそれに対する新鮮な血清および凍結した血清における量を示すグラフである(表5〜7の結果を参照されたい)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペプチド、および溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質を含む組成物であって、該組成物は実質的に水分を含まず、該ペプチドは、該多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収され、該吸収されたペプチドは、吸収されないペプチドに比べて分解に耐性であり、該吸収されたペプチドの少なくとも一部は、該多孔性基質または半多孔性エラストマー基質から回収可能である、組成物。
【請求項2】
前記分解に対する耐性は、ある一定期間にわたり、等量の非吸収されたペプチドと比較して、ペプチドの50〜75%未満、ペプチドの33〜50%未満、ペプチドの25〜33%未満、ペプチドの10〜25%未満、またはペプチドの5〜15%未満の損失を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記分解に対する耐性は、ある一定期間にわたり、等量の非吸収されたペプチドと比較して、ペプチドの33〜50%、ペプチドの50〜75%、ペプチドの75〜90%、またはペプチドの90〜95%以上の保存を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記分解に対する耐性は、ペプチドまたはペプチドの断片の量を定量することによって評価される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記分解は、ペプチドまたはペプチドの断片のサイズ分別および相対量の定量によって評価される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記分解は、ペプチドの断片化の直接的または間接的定量によって評価される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記分解は、ペプチドのリン酸化またはプレニル化の量によって評価される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記ペプチドは、5〜10日間、10〜20日間、20〜30日間、30〜50日間、50〜90日間、50〜150日間、150〜365日間、または何週間も分解に耐性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記ペプチドは、1年間、2年間、3年間、4年間、5年間、6年間、7年間、8年間、9年間、10年間、またはそれ以上の間分解に耐性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記ペプチドは、周囲温度において5〜10日間、10〜20日間、20〜30日間、30〜50日間、50〜90日間、50〜150日間、150〜365日間、または何週間も分解に耐性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記ペプチドは、−20℃、4℃、4〜10℃、10〜20℃、20〜30℃、30〜40℃、40〜50℃、50〜60℃、60〜70℃、または70〜80℃において、5〜10日間、10〜20日間、20〜30日間、30〜50日間、50〜90日間、50〜150日間、150〜365日間または何週間も分解に耐性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記基質に吸収される核酸をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記核酸は前記基質から回収可能である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記核酸は、基質に吸収されない参照核酸と比較して、分解に対して耐性を示す、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記分解に対する耐性は、ある一定期間にわたり、等量の非吸収された核酸と比較して、核酸の50〜75%未満、核酸の33〜50%未満、核酸の25〜33%未満、核酸の10〜25%未満、または核酸の5〜15%未満の損失を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記分解に対する耐性は、ある一定期間にわたり、等量の非吸収された核酸と比較して、核酸の33〜50%、核酸の50〜75%、核酸の75〜90%、または核酸の90〜95%以上の保存を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記分解に対する耐性は、前記核酸または核酸の断片の量を定量することによって評価される、請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
前記分解は、存在する前記核酸または核酸の断片のサイズ分別および相対量の定量によって評価される、請求項14に記載の組成物。
【請求項19】
前記分解は、前記核酸の断片化の定量によって評価される、請求項14に記載の組成物。
【請求項20】
前記核酸は、5〜10日間、10〜20日間、20〜30日間、30〜50日間、50〜90日間、50〜150日間、150〜365日間、または何週間も分解に耐性である、請求項14に記載の組成物。
【請求項21】
前記核酸は、1年間、2年間、3年間、4年間、5年間、6年間、7年間、8年間、9年間、10年間、またはそれ以上の間分解に耐性である、請求項14に記載の組成物。
【請求項22】
前記核酸は、周囲温度において5〜10日間、10〜20日間、20〜30日間、30〜50日間、50〜90日間、50〜150日間、150〜365日間、または数週間分解に耐性である、請求項14に記載の組成物。
【請求項23】
前記ペプチドは、−20℃、4℃、4〜10℃、10〜20℃、20〜30℃、30〜40℃、40〜50℃、50〜60℃、60〜70℃、または70〜80℃において、5〜10日間、10〜20日間、20〜30日間、30〜50日間、50〜90日間、50〜150日間、150〜365日間または何週間も分解に耐性である、請求項14に記載の組成物。
【請求項24】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、疎水性生体適合性材料を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、合成ポリマーまたは天然ポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、セルロース、ポリエステル、またはポリウレタンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、非圧縮状態の容量の1/2、1/5、1/10、1/25、1/50、または1/100に圧縮可能な材料、または非圧縮状態の容量の2倍、5倍、10倍、25倍、50倍、または100倍に拡張可能な材料を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、開放気泡フォーム、独立気泡フォーム、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、1/3〜10ポンド/フィートの密度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
前記溶出可能なエラストマー基質に流体を適用することによって、ペプチドまたは核酸の少なくとも30〜50%、50〜65%、65〜80%、80〜90%、またはそれ以上が、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質から溶出または回収される、請求項1または12に記載の組成物。
【請求項31】
前記流体は水性液体を含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記水性液体は水を含む、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記水性液体は5.0〜9.0の範囲内のpHを有する、請求項31に記載の組成物。
【請求項34】
前記水性液体のpHは安定化される、請求項31に記載の組成物。
【請求項35】
前記水性液体のpHは両性イオンによって安定化される、請求項31に記載の組成物。
【請求項36】
前記水性液体のpHは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(TRIS)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、N−トリス[ヒドロキシメチル]メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、N−[カルボキシメチル]−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−[2−アセトアミド]−2−イミノ二酢酸(ADA)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−[2−ヒドロキシプロパンスルホン酸](HEPPSO)、N−トリス[ヒドロキシメチル]メチルグリシン(TRICINE)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]グリシン(BICINE)、4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ブタンスルホン酸(CABS)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、3−(シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(3−プロパンスルホン酸)(EPPS)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸(PIPES)、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス[ヒドロキシメチル]エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPS)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、3−[(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、エタノールアミン、または3−アミノ−1−プロパンスルホン酸によって安定化される、請求項31に記載の組成物。
【請求項37】
前記水性液体は、pH10〜12、pH11〜12、pH11.3〜11.8、またはpH11.4〜11.7の範囲内のpH、あるいは約11.4、11.5、11.6、11.7、または11.8のpHを有するアルカリ性溶液を含む、請求項31に記載の組成物。
【請求項38】
前記ペプチド、核酸、および溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質を含む組成物であって、該組成物は実質的に水分を含まず、該ペプチドおよび該核酸は、該基質に吸収され、該吸収されたペプチドまたは該吸収された核酸は、吸収されないペプチドまたは吸収されない核酸に比べて分解に耐性であり、該吸収されたペプチドまたは該吸収された核酸の少なくとも一部は、該溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質から回収可能である、組成物。
【請求項39】
前記分解に対する耐性は、ある一定期間にわたり、非吸収されたペプチドまたは等量の非吸収された核酸と比較して、ペプチドまたは核酸の50〜75%未満、ペプチドまたは核酸の33〜50%未満、ペプチドまたは核酸の25〜33%未満、ペプチドまたは核酸の10〜25%未満、またはペプチドまたは核酸の5〜15%未満の損失を含む、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
前記分解に対する耐性は、ある一定期間にわたり、非吸収されたペプチドまたは等量の非吸収された核酸と比較して、ペプチドまたは核酸の33〜50%、ペプチドまたは核酸の50〜75%、ペプチドまたは核酸の75〜90%、またはペプチドまたは核酸の90〜95%以上の保存を含む、請求項38に記載の組成物。
【請求項41】
前記分解に対する耐性は、ペプチドまたは核酸、あるいはペプチドまたは核酸の断片の量を定量することによって評価される、請求項38に記載の組成物。
【請求項42】
前記分解は、ペプチドまたは核酸、あるいはペプチドまたは核酸の断片のサイズ分別および相対量の定量によって評価される、請求項38に記載の組成物。
【請求項43】
前記分解は、ペプチドまたは核酸の断片化の定量によって評価される、請求項38に記載の組成物。
【請求項44】
前記分解は、ペプチドのリン酸化またはプレニル化の量によって評価される、請求項38に記載の組成物。
【請求項45】
前記ペプチドまたは核酸は、5〜10日間、10〜20日間、20〜30日間、30〜50日間、50〜90日間、50〜150日間、150〜365日間、または何週間も分解に耐性である、請求項38に記載の組成物。
【請求項46】
前記ペプチドまたは核酸は、1年間、2年間、3年間、4年間、5年間、6年間、7年間、8年間、9年間、10年間、またはそれ以上の間分解に耐性である、請求項38に記載の組成物。
【請求項47】
前記ペプチドまたは核酸は、周囲温度において5〜10日間、10〜20日間、20〜30日間、30〜50日間、50〜90日間、50〜150日間、150〜365日間、または何週間も分解に耐性である、請求項38に記載の組成物。
【請求項48】
前記ペプチドまたは核酸は、−20℃、4℃、4〜10℃、10〜20℃、20〜30℃、30〜40℃、40〜50℃、50〜60℃、60〜70℃、または70〜80℃において、5〜10日間、10〜20日間、20〜30日間、30〜50日間、50〜90日間、50〜150日間、150〜365日間または数週間も分解に耐性である、請求項38に記載の組成物。
【請求項49】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質は、セルロース、ポリエステル、またはポリウレタンを含む、請求項38に記載の組成物。
【請求項50】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質は、FTA(登録商標)、ラグペーパー、またはIsocode(登録商標)を含む、請求項38に記載の組成物。
【請求項51】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質は、多価化合物によって処理されていない、請求項49または50に記載の組成物。
【請求項52】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質は、実質的に多価化合物を含まない、請求項49または50に記載の組成物。
【請求項53】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質は、全質量の約0.25%(重量/重量)未満の量の多価化合物を有する、請求項49または50に記載の組成物。
【請求項54】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質は、実質的にガラスまたはガラス繊維を含まない、請求項38に記載の組成物。
【請求項55】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質は、エラストマー系である、請求項38に記載の組成物。
【請求項56】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、親水性生体適合性材料である、請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、合成ポリマーまたは天然ポリマーを含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項58】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、セルロース、ポリエステル、またはポリウレタンを含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項59】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、非圧縮状態の容量の1/2、1/5、1/10、1/25、1/50、または1/100に圧縮可能な材料、または非圧縮状態の容量の2倍、5倍、10倍、25倍、50倍、または100倍に拡張可能な材料を含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項60】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、開放気泡フォーム、独立気泡フォーム、またはそれらの組み合わせを含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項61】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、1/3〜10ポンド/フィートの密度を有する、請求項55に記載の組成物。
【請求項62】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質に流体を適用することによって、前記吸収されたペプチドまたは前記吸収された核酸の少なくとも5〜10%、10〜25%、25〜50%、50〜65%、65〜80%、80〜90%、またはそれ以上が、溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質から溶出または回収される、請求項38に記載の組成物。
【請求項63】
前記流体は水性液体を含む、請求項62に記載の組成物。
【請求項64】
前記水性液体は水を含む、請求項63に記載の組成物。
【請求項65】
前記水性液体は5.0〜9.0の範囲内のpHを有する、請求項63に記載の組成物。
【請求項66】
前記水性液体のpHは安定化される、請求項63に記載の組成物。
【請求項67】
前記水性液体のpHは両性イオンによって安定化される、請求項63に記載の組成物。
【請求項68】
前記水性液体のpHは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(TRIS)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、N−トリス[ヒドロキシメチル]メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、N−[カルボキシメチル]−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−[2−アセトアミド]−2−イミノ二酢酸(ADA)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−[2−ヒドロキシプロパンスルホン酸](HEPPSO)、N−トリス[ヒドロキシメチル]メチルグリシン(TRICINE)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]グリシン(BICINE)、4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ブタンスルホン酸(CABS)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、3−(シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(3−プロパンスルホン酸)(EPPS)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸(PIPES)、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス[ヒドロキシメチル]エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPS)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、3−[(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、エタノールアミン、または3−アミノ−1−プロパンスルホン酸によって安定化される、請求項63に記載の組成物。
【請求項69】
前記水性液体は、pH10〜12、pH11〜12、pH11.3〜11.8、またはpH11.4〜11.7の範囲内のpH、あるいは約11.4、11.5、11.6、11.7、または11.8のpHを有するアルカリ性溶液を含む、請求項63に記載の組成物。
【請求項70】
さらに低水分吸収性糖類を含む、請求項38に記載の組成物。
【請求項71】
前記低水分吸収性糖類は非還元糖を含む、請求項70に記載の組成物。
【請求項72】
前記非還元糖は、トレハロース、トレハロースアナログ、またはトレハロース誘導体を含む、請求項71に記載の組成物。
【請求項73】
前記トレハロースアナログは6−アジド−6−デオキシトレハロースを含み、前記トレハロース誘導体はトレハロース−6−リン酸を含む、請求項72に記載の組成物。
【請求項74】
前記低水分吸収性糖類は、マロデキストリン、単糖類、または二糖類を含む、請求項70に記載の組成物。
【請求項75】
前記単糖類はフコースを含む、請求項74に記載の組成物。
【請求項76】
前記低水分吸収性糖類は、L型またはD型である、請求項70に記載の組成物。
【請求項77】
前記低水分吸収性糖類は、60℃を超える、65℃を超える、70℃を超える、または75℃を超えるガラス転移温度を有する、請求項70に記載の組成物。
【請求項78】
前記低水分吸収性糖類は、15%未満の吸湿性(25℃、94%推定相対湿度における重量増加%)、10%未満、5%未満、または1%未満の吸湿性を有する、請求項70に記載の組成物。
【請求項79】
前記吸収されたペプチドと低水分吸収性糖類、または前記吸収された核酸と低水分吸収性糖類とは、約1:0.5〜約1:10の質量比で存在する、請求項70に記載の組成物。
【請求項80】
前記溶出可能な基質から、前記吸収されたペプチドの少なくとも一部または前記吸収された核酸の少なくとも一部を溶出または回収するための水性液体をさらに含む、請求項1または38に記載の組成物。
【請求項81】
前記吸収されたペプチドの少なくとも一部を溶出または回収するための水性液体は、水を含む、請求項80に記載の組成物。
【請求項82】
前記吸収されたペプチドの少なくとも一部を溶出または回収するための水性液体は、5.0〜9.0の範囲のpHを有する、請求項80に記載の組成物。
【請求項83】
前記水性液体のpHは安定化されている、請求項82に記載の組成物。
【請求項84】
前記吸収されたペプチドの少なくとも一部または前記吸収された核酸の少なくとも一部を溶出または回収するための水性液体は、pH10〜12、pH11〜12、pH11.3〜11.8、またはpH11.4〜11.7の範囲内のpHを有するアルカリ性溶液を含む、請求項80に記載の組成物。
【請求項85】
前記吸収されたペプチドの少なくとも一部または前記吸収された核酸の少なくとも一部を溶出または回収するための水性液体は、11.4、11.5、11.6、11.7、または11.8のpHを有するアルカリ性溶液を含む、請求項80に記載の組成物。
【請求項86】
前記組成物の水分含量は、質量比として約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満である、請求項1または38に記載の組成物。
【請求項87】
前記吸収されたペプチドまたは吸収された核酸は生物学的サンプルを含む、請求項1または38に記載の組成物。
【請求項88】
前記生物学的サンプルは、全血、血清、血漿、生検細胞または組織、痰、粘液、脳脊髄液、毛髪、尿、大便、または精液を含む、請求項87に記載の組成物。
【請求項89】
前記生物学的サンプルは、細胞、細菌、ウイルス、酵母、またはマイコプラズマを含む、請求項87に記載の組成物。
【請求項90】
前記生物学的サンプルは被験体由来である、請求項87に記載の組成物。
【請求項91】
前記被験体は哺乳動物である、請求項90に記載の組成物。
【請求項92】
前記被験体はヒトである、請求項90に記載の組成物。
【請求項93】
前記被験体は、遺伝的疾患または生理的障害、または遺伝的疾患または生理的障害に対する素因についてスクリーニングされる、請求項90に記載の組成物。
【請求項94】
前記被験体は、ある疾患または生理的障害を有するか、またはある疾患または生理的障害を有する危険性がある、請求項90に記載の組成物。
【請求項95】
前記疾患または生理的障害は、遺伝的疾患、過剰増殖性障害、免疫障害または微生物感染を含む、請求項90に記載の組成物。
【請求項96】
前記被験体は投獄されているか、投獄されたことがあるか、または投獄の危険性がある、請求項90に記載の組成物。
【請求項97】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質、あるいは溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質は、緩衝液、キレート剤、変性剤、界面活性剤、還元剤、抗酸化剤、プロテアーゼインヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、抗菌剤、または低水分吸収性糖類によって処理されている、請求項1または38に記載の組成物。
【請求項98】
前記緩衝液はpH安定化剤を含む、請求項97に記載の組成物。
【請求項99】
前記pH安定化剤は、pHをpH5.0〜pH9.0に維持する、請求項98に記載の組成物。
【請求項100】
前記pH安定化剤は、塩化カリウム、クエン酸、フタル酸水素カリウム、ホウ酸、リン酸二水素カリウム、ジエタノールアミン、クエン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、カコジル酸、イミダゾール、または2−アミノ−2−メチル−1−プロパンジオールを含む、請求項98に記載の組成物。
【請求項101】
前記キレート剤は、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、EGTA(エチレングリコール−O,O’−ビス(2−アミノエチル)−N,N,N’,N’−四酢酸)、GEDTA(グリコールエーテルジアミン四酢酸)、HEDTA(N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、サリチル酸、またはトリエタノールアミンを含む、請求項97に記載の組成物。
【請求項102】
前記変性剤または界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、または両性イオン性界面活性剤を含む、請求項97に記載の組成物。
【請求項103】
前記界面活性剤は、SDS、ラウリル硫酸ナトリウム、NP40、トリトンX−100、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、塩化ベンゼトニウム、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、またはN,N−ジメチルデシルアミン−N−オキシドを含む、請求項97に記載の組成物。
【請求項104】
前記還元剤または抗酸化剤はフリーラジカル捕捉剤を含む、請求項97に記載の組成物。
【請求項105】
前記還元剤または抗酸化剤は、DTT(ジチオスレイトール)、ジチオエリスリトール、尿素、尿酸、メルカプトエタノール、システイン、ビタミンE、ビタミンC、亜ジチオン酸塩、チオグリコール酸、またはピロ亜硫酸塩を含む、請求項97に記載の組成物。
【請求項106】
前記プロテアーゼインヒビターは、セリンプロテアーゼインヒビターまたはシステインプロテアーゼインヒビターを含む、請求項97に記載の組成物。
【請求項107】
前記プロテアーゼインヒビターは、PMSF、PMSF Plus、APMSF、抗トロンビンIII、アマスタチン、アンチパイン、アプロチニン、ベスタチン、ベンザミジン、キモスタチン、カルパインインヒビターIおよびカルパインインヒビターII、E−64、3,4−ジクロロイソクマリン、DFP、エラスタチナル、ロイペプチン、ペプスタチン、1,10−フェナントロリン、フォスフォラミドン、TIMP−2、TLCK、TPCK、トリプシンインヒビター(大豆または鶏卵の卵白)、ヒルスタシン、アルファ−2−マクログロブリン、4−(2−アミノエチル)−ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸塩(AEBSF)、またはKunitz型プロテアーゼインヒビターを含む、請求項97に記載の組成物。
【請求項108】
前記抗菌剤は、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、または抗寄生虫剤を含む、請求項97に記載の組成物。
【請求項109】
前記抗生物質または抗真菌剤は、ベータラクタム類;半合成ペニシリン類;モノバクタム類;カルボキシペネム類;アミノグリコシド類;グリコペプチド類;グルカン合成インヒビター;リンコマイシン類;マクロライド類;ポリペプチド;アリルアミン類;アゾール類;ポリエン類;スルホンアミド類;ピリミジン類;テトラエン類;チオカルバメート類;安息香酸化合物、その複合体および誘導体;リファマイシン類;ならびにテトラサイクリン類から選択されるクラスのメンバーである、請求項108に記載の組成物。
【請求項110】
前記抗生物質は、ペニシリン、セファロスポリン、アンピシリン、アモキシシリン、アズトレオナム、クラブラン酸、イミペネム、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、バンコマイシン、クリンダマイシン、ポリミキシン、エリスロマイシン、バシトラシン、アンホテリシン、ナイスタチン、リファンピシン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、ドキシサイクリン、およびクロラムフェニコールから選択される、請求項108に記載の組成物。
【請求項111】
前記抗真菌剤は、アムロールフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン、ケトコナゾール、フルコナゾール、エルビオール、エコナゾール、エコナキソール、イトラコナゾール、イソコナゾール、イミダゾール、ミコナゾール、スルコナゾール、クロトリマゾール、エニルコナゾール、オキシコナゾール、チオコナゾール、テルコナゾール、ブトコナゾール、チアベンダゾール、ボリコナゾール、サペルコナゾール、セルタコナゾール、フェンチコナゾール、ポサコナゾール、ビフォナゾール、フルトリマゾール、ナイスタチン、ピマリシン、アンホテリシンB、フルシトシン、ナタマイシン、トルナフテート、マフェニド、ダプソン、カスポファンジン、アクトフニコン、グリセオフルビン、ヨウ化カリウム、ゲンチアナバイオレット、シクロピロックス、シクロピロックスオラミン、ハロプロジン、ウンデシレネート、スルファジアジン銀、ウンデシレン酸、ウンデシレンアルカノールアミド、および石炭酸フクシンから選択される、請求項108に記載の組成物。
【請求項112】
前記抗ウイルス剤は、逆転写酵素インヒビター、プロテアーゼインヒビター、チミジンキナーゼインヒビター、糖または糖タンパク合成インヒビター、構造タンパク合成インヒビター、ヌクレオシドアナログ、およびウイルス成熟インヒビターから選択されるクラスのメンバーである、請求項108に記載の組成物。
【請求項113】
前記抗ウイルス剤は、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ジドブジン(AZT)、スタブジン(d4T)、ラルニブジン(3TC)、ジダノシン(DDI)、ザルシタビン(ddC)、アバカビル、アシクロビル、ペンシクロビル、バラシクロビル、およびガンシクロビルから選択される、請求項108に記載の組成物。
【請求項114】
前記低水分吸収性糖類は非還元性糖を含む、請求項97に記載の組成物。
【請求項115】
前記非還元糖は、トレハロース、トレハロースアナログ、またはトレハロース誘導体を含む、請求項114に記載の組成物。
【請求項116】
前記低水分吸収性糖類は、マロデキストリン、単糖類、または二糖類を含む、請求項114に記載の組成物。
【請求項117】
前記単糖類はフコースを含む、請求項116に記載の組成物。
【請求項118】
前記低水分吸収性糖類は、L型またはD型である、請求項114に記載の組成物。
【請求項119】
前記低水分吸収性糖類は、60℃を超える、65℃を超える、70℃を超える、または75℃を超えるガラス転移温度を有する、請求項114に記載の組成物。
【請求項120】
前記低水分吸収性糖類は、15%未満の吸湿性(25℃、94%推定相対湿度における重量増加%)、10%未満、5%未満、または1%未満の吸湿性を有する、請求項114に記載の組成物。
【請求項121】
請求項1に記載の組成物、および前記吸収されたペプチドの少なくとも一部を前記基質から溶出または回収するためのデバイスを備えるキット。
【請求項122】
請求項12または38に記載の組成物、および前記基質から前記吸収されたペプチドの少なくとも一部を溶出または回収するためか、前記吸収された核酸の少なくとも一部を溶出または回収するためか、あるいは該吸収された核酸の少なくとも一部の溶出または回収と組み合わせて該吸収されたペプチドの少なくとも一部を溶出または回収するためのデバイス、を備えるキット。
【請求項123】
前記デバイスは、前記基質を導入または保持するのに十分な物理的サイズを有し、開口端部、開口可能な端部、取り外し可能な端部を有し、該プランジャーが該基質の圧縮を生じ得るように該デバイスにプランジャーを挿入するのに適した物理的寸法を有する、請求項121または122に記載のキット。
【請求項124】
前記デバイスは、実質的に図2または図3に示す通りである、請求項121または122に記載のキット。
【請求項125】
前記デバイスはスピンカラムを備える、請求項121または122に記載のキット。
【請求項126】
前記吸収されたペプチドまたは前記吸収された核酸は生物学的サンプルを含む、請求項121または122に記載のキット。
【請求項127】
請求項1に記載の組成物、および前記基質から前記吸収されたペプチドの少なくとも一部を溶出または回収するための指示書を備えるキット。
【請求項128】
請求項12または38に記載の組成物、および前記基質から前記吸収されたペプチドの少なくとも一部を溶出または回収するための指示書、前記吸収された核酸の少なくとも一部を溶出または回収するための指示書、あるいは該吸収された核酸の少なくとも一部の溶出または回収と組み合わせて該吸収されたペプチドの少なくとも一部を溶出または回収をするための指示書、を備えるキット。
【請求項129】
前記溶出または回収のための指示書は、前記基質からの前記吸収されたペプチドの優先的または選択的な溶出または回収を含む、請求項128に記載のキット。
【請求項130】
前記溶出または回収のための指示書は、前記基質からの前記吸収されたペプチドの少なくとも一部の溶出または回収、および前記吸収された核酸の少なくとも一部の溶出または回収を含む、請求項128に記載のキット。
【請求項131】
前記基質から前記吸収されたペプチドを優先的または選択的に溶出または回収する水性液体をさらに含む、請求項128に記載のキット。
【請求項132】
前記基質から前記吸収されたペプチドの少なくとも一部、および前記吸収された核酸の少なくとも一部を同時に溶出または回収する水性液体をさらに含む、請求項128に記載のキット。
【請求項133】
前記吸収されたペプチドの少なくとも一部および前記吸収された核酸の少なくとも一部を、継時的に回収するための指示書をさらに含む、請求項128に記載のキット。
【請求項134】
複数の区画、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質、および該溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に対してペプチドまたは核酸を吸収させるための指示書、を有する保管ユニットであって、各区画は、個々の溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質を保持するのに十分な物理的サイズを有し、該溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、ペプチドまたは核酸を吸収し、吸収されたペプチドまたは吸収された核酸を溶出または回収するのに適切である、保管ユニット。
【請求項135】
前記保管ユニットが、前記吸収されたペプチドまたは吸収された核酸を前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質から溶出または回収するための指示書;あるいは吸収されたペプチドまたは吸収された核酸を該溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質から溶出または回収するための水性液体を調製するための指示書をさらに含む、請求項134に記載の保管ユニット。
【請求項136】
吸収されたペプチドまたは吸収された核酸を前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質から溶出または回収するための水性液体をさらに含む、請求項134に記載の保管ユニット。
【請求項137】
前記ハウジングは、マルチウェルプレートを含む、請求項134に記載の保管ユニット。
【請求項138】
前記マルチウェルプレートが、2〜6個、6〜12個、12〜24個、24〜96個、またはそれ以上のウェルを含む、請求項137に記載の保管ユニット。
【請求項139】
前記マルチウェルプレートの1個以上のウェルは、約10〜50μl、50〜100μl、100〜250μl、250〜500μl、0.5〜1.0ml、1.0〜2.0ml、2.0〜3.0ml、3.0〜5.0ml、または5.0〜10.0mlの容量を有する、請求項137に記載の保管ユニット。
【請求項140】
請求項1、12、または38に記載の複数の組成物を含む保管ユニット。
【請求項141】
複数の区画を有する保管ユニットであって、該区画はそれぞれ、個々の溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質を保持するのに十分な物理的サイズを有し、該溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、ペプチドまたは核酸を吸収するため、および吸収されたペプチドまたは吸収された核酸を溶出または回収するために適切であり、そしてペプチドまたは核酸が1個以上の該溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収される、保管ユニット。
【請求項142】
前記組成物のうちの少なくとも二つは、異なる吸収されたペプチドまたは異なる吸収された核酸を含む、請求項141に記載の保管ユニット。
【請求項143】
前記組成物のうちの少なくとも二つは、異なる吸収された生物学的サンプルを含む、請求項142に記載の保管ユニット。
【請求項144】
請求項1の組成物を備える保管装置であって、該保管装置は、組成物を、約−20℃、4℃、4〜10℃、10〜20℃、20〜30℃、30〜40℃、40〜50℃、50〜60℃、60〜70℃、または70〜80℃の温度に維持し得る、保管装置。
【請求項145】
請求項1、12、または38に記載の組成物を含むライブラリーであって、前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質のうちの少なくとも二つは、該基質に吸収される異なるペプチドまたは異なる核酸を有する、ライブラリー。
【請求項146】
10〜50、50〜100、100〜500、500〜2500、2500〜10,000、10,000〜50,000、50,000〜250,000種の異なるペプチドまたは異なる核酸を含む、請求項145に記載のライブラリーであって、それぞれが、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収される、ライブラリー。
【請求項147】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収される異なるペプチドまたは異なる核酸の一つ以上が生物学的サンプルを含む、請求項146に記載のライブラリー。
【請求項148】
安定化ペプチドまたは保存ペプチドを溶出可能な形態または回収可能な形態として生成する方法であって、
(a)溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質を提供する工程であって、該基質は該基質に吸収されるアミノ酸配列の溶出を可能にする、工程;
(b)該基質に対する該ペプチドの吸収を可能にする条件下で、該溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質をペプチドと接触させる工程;および
(c)必要な場合、該接触させた基質から、水分量を、質量比で約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に減少させ、それによって安定化ペプチドまたは保存ペプチドを溶出可能な形態または回収可能な形態で生成する工程、
を包含する、方法。
【請求項149】
前記基質に対する核酸の吸収を可能にする条件下で、前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質を核酸に接触させ、それによって安定化または保存された核酸を溶出可能な形態または回収可能な形態として生成することをさらに含む、請求項148に記載の方法。
【請求項150】
安定化ペプチドまたは保存ペプチドを溶出可能な形態または回収可能な形態として生成する方法であって、
(a)低水分吸収性糖類によって処理されているが、アルコール、グリセロール、スクロース、カラゲーナン、キサンタンゴムまたはペクチンでは処理されていない溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質を提供する工程;
(b)基質に対するペプチドの吸収を可能にする条件下で該基質に接触させる工程;および
(c)必要な場合、該接触させた基質から、水分量を、質量比にして約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に減少させ、それによって安定化ペプチドまたは保存ペプチドを溶出可能な形態または回収可能な形態として生成する工程、
を包含する、方法。
【請求項151】
前記基質に対する核酸の吸収を可能にする条件下で該基質を該核酸に接触させ、それによって安定化核酸または保存核酸を溶出可能な形態または回収可能な形態として生成する工程をさらに包含する、請求項150に記載の方法。
【請求項152】
ペプチドを溶出可能な形態または回収可能な形態で保管する方法であって、
(a)溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質を提供する工程であって、該基質は該基質に吸収されるアミノ酸配列の溶出を可能にする、工程;
(b)該基質に対する該ペプチドの吸収を可能にする条件下で、該溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質をペプチドと接触させる工程;および
(c)必要な場合、該接触された溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質から、水分量を、質量比にして約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に減少させ、それによって保管ペプチドを溶出可能な形態または回収可能な形態で生成する工程、
を包含する、方法。
【請求項153】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に対する核酸の吸収を可能にする条件下で、該基質を該核酸に接触させ、それによって保管核酸を溶出可能な形態または回収可能な形態として生成する工程をさらに包含する、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
ペプチドを溶出可能な形態または回収可能な形態として保管する方法であって、
(a)低水分吸収性糖類によって処理されているが、アルコール、グリセロール、スクロース、カラゲーナン、キサンタンゴムまたはペクチンでは処理されていない溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質を提供する工程;
(b)該基質に対するペプチドの吸収を可能にする条件下で該基質を接触させる工程;および
(c)必要な場合、該接触させた基質から、水分量を、質量比にして約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に減少させ、それによって保管ペプチドを溶出可能な形態または回収可能な形態として生成する工程、
を包含する、方法。
【請求項155】
前記基質に対する核酸の吸収を可能にする条件下で該基質を該核酸に接触させ、それによって保管核酸を溶出可能な形態または回収可能な形態として生成する工程をさらに包含する、請求項154に記載の方法。
【請求項156】
溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収されたペプチドを溶出する方法であって、
(a)実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収されたペプチドを提供する工程;
(b)該吸収されたペプチドの少なくとも一部を該基質から溶出する条件下で、該溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質を液体で水和する工程;および
(c)該吸収されたペプチドの少なくとも一部を該基質から溶出するために、該水和した溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質を攪拌、インキュベート、または圧縮し、それによって、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収されたペプチドを溶出する工程、
を包含する、方法。
【請求項157】
溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収されたペプチドを回収する方法であって、
(a)実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収されたペプチドを提供する工程;
(b)該吸収されたペプチドの少なくとも一部を該基質から溶出する条件下で、該溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質を液体で水和する工程;
(c)該吸収されたペプチドの少なくとも一部を該基質から溶出するために、該水和した溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質を攪拌、インキュベート、または圧縮する工程;および
(d)該溶出液を収集し、それによって、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収されたペプチドを回収する工程、
を包含する、方法。
【請求項158】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質は、該基質に吸収された核酸を有する、請求項156または157に記載の方法。
【請求項159】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質が、該基質から該吸収されたペプチドの少なくとも一部、または該基質から該吸収された核酸の少なくとも一部を溶出する条件下で、水性液体と接触され、それによって該溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収されたペプチドまたは核酸を溶出または回収する、請求項158に記載の方法。
【請求項160】
前記吸収されたペプチドまたは吸収された核酸が生物学的サンプルを含む、請求項148〜159に記載の方法。
【請求項161】
前記生物学的サンプルは、全血、血清、血漿、生検細胞または組織、痰、粘液、脳脊髄液、尿、大便、または精液を含む、請求項160に記載の方法。
【請求項162】
前記生物学的サンプルは、細胞、細菌、ウイルス、酵母、またはマイコプラズマを含む、請求項160に記載の方法。
【請求項163】
前記生物学的サンプルは被験体由来である、請求項160に記載の方法。
【請求項164】
前記被験体は哺乳動物である、請求項160に記載の方法。
【請求項165】
前記被験体はヒトである、請求項160に記載の方法。
【請求項166】
前記被験体が、遺伝的疾患または生理的障害、または遺伝的疾患または生理的障害に対する素因についてスクリーニングされる、請求項160に記載の方法。
【請求項167】
前記被験体は、疾患または生理的障害を有するか、または疾患または生理的障害を有する危険性がある、請求項160に記載の方法。
【請求項168】
前記遺伝的疾患または生理的障害は、遺伝的疾患、過剰増殖性障害、免疫障害または微生物感染を含む、請求項167に記載の方法。
【請求項169】
前記被験体は投獄されているか、投獄されたことがあるか、または投獄の危険性がある、請求項160に記載の方法。
【請求項170】
実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収される生物学的サンプルを含む組成物であって、該吸収された生物学的サンプルの少なくとも一部は、該基質から回収可能である、組成物。
【請求項171】
基質に吸収される生物学的サンプルを含む組成物であって、該基質は、実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質からなり、該吸収された生物学的サンプルの少なくとも一部は該基質から回収可能である、組成物。
【請求項172】
前記生物学的サンプルは単離されるか精製される、請求項170または171に記載の組成物。
【請求項173】
基質に吸収されるペプチド組成物であって、該基質は、実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質からなり、該吸収されたペプチドの少なくとも一部は該溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質から回収可能である、組成物。
【請求項174】
基質に吸収される核酸組成物であって、該基質は、実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質からなり、該吸収された核酸の少なくとも一部は該溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質から回収可能である、組成物。
【請求項175】
基質に吸収される生物学的サンプルから成る組成物であって、該基質は、実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質からなり、該吸収された生物学的サンプルの少なくとも一部は該基質から回収可能である、組成物。
【請求項176】
複数の保管ペプチドまたは保存ペプチドを収容する保管ユニットであって、各ペプチドはそれぞれ、実質的に水分を含まない、溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収され、該吸収されたペプチドの少なくとも一部は該溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質から回収可能である、保管ユニット。
【請求項177】
前記基質に吸収される前記複数の保管または保存ペプチドは、それぞれ、前記保管ユニット内に規定された場所またはアドレスを有する、請求項176に記載の保管ユニット。
【請求項178】
溶出可能な多孔性基質または半多孔性エラストマー基質に吸収される核酸をさらに含む、請求項176に記載の保管ユニット。
【請求項179】
前記吸収されたペプチドは生物学的サンプルを含む、請求項176に記載の保管ユニット。
【請求項180】
複数の異なる保管または保存ペプチドまたは核酸を含むライブラリーであって、各ペプチドまたは核酸はそれぞれ、実質的に水分を含まない溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質に吸収され、該吸収されたペプチドまたは吸収された核酸の少なくとも一部は、該溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質から回収可能である、ライブラリー。
【請求項181】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質に吸収される複数のペプチドは、それぞれ、ライブラリー内に規定された位置またはアドレスを有する、請求項180に記載のライブラリー。
【請求項182】
前記吸収されたペプチドが生物学的サンプルを含む、請求項180に記載のライブラリー。
【請求項183】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質がエラストマー系である、請求項180に記載のライブラリー。
【請求項184】
複数の保管生物学的サンプルを含むライブラリーを生成する方法であって、
(a)溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質を、該基質に対する第1の生物学的サンプルの吸収を可能にする条件下で、該第1生物学的サンプルと接触させる工程;
(b)必要な場合、該接触させた基質から、水分量を、質量比にして約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に減少させ、それによって該第1の生物保管サンプルを生成すること;および
(c)異なる溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質に吸収された第2またはその後の生物学的サンプルについて、工程a)およびb)を少なくとも1回繰り返し、それによって複数の保管生物学的サンプルを含むライブラリーを生成する工程、
を包含する、方法。
【請求項185】
前記第1または第2の吸収生物学的サンプルの少なくとも一部は、前記溶出可能なエラストマー基質から回収可能である、請求項184に記載の方法。
【請求項186】
前記第1または第2の吸収生物学的サンプルの生体分子は、前記基質に吸収されない第1または第2の生物学的サンプルに比べて、該基質への吸収後に分解に耐性である、請求項184に記載の方法。
【請求項187】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質はエラストマー系である、請求項184に記載の方法。
【請求項188】
複数の保管ペプチドを含むライブラリーを生成する方法であって、
(a)溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質を、該基質に対する第1のペプチドの吸収を可能にする条件下で、該第1ペプチドに接触させる工程;
(b)必要な場合、該接触させた基質から、水分量を、質量比にして約5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、または20〜25%未満に減少させ、それによって第1の保管ペプチドを生成する工程;および
(c)異なる溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質に吸収された第2またはその後のペプチドについて、工程a)およびb)を少なくとも1回繰り返し、それによって複数の保管ペプチドを含むライブラリーを生成する工程、
を包含する、方法。
【請求項189】
前記第1または第2の吸収されたペプチドの少なくとも一部は、該溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質から回収可能である、請求項188に記載の方法。
【請求項190】
前記第1または第2の吸収されたペプチドは、基質に吸収されない第1または第2のペプチドに比べて、該基質への吸収後に分解に耐性である、請求項188に記載の方法。
【請求項191】
前記溶出可能な多孔性基質または半多孔性基質はエラストマー系である、請求項188に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2008−509226(P2008−509226A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527551(P2007−527551)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/018092
【国際公開番号】WO2005/116081
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(505187666)ジェンボールト コーポレイション (7)
【Fターム(参考)】