回線交換およびパケット交換セッションをサポートするワイヤレス通信のためのリソースの効率的な信号伝送および使用のための方法および装置
方法および装置により、リソースの信号伝送を効率よく行い、リソースを効率よく使用して、CS(回線交換)およびPS(パケット交換)セッションをサポートするワイヤレス通信を行う。WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)とモビリティ管理エンティティ(MME)、VLR(ビジターロケーションレジスタ)、および基地局(BS)などの様々なネットワークエンティティとの間の信号伝送および相互のやり取りを使用して、PSシステムにおけるCSFB(回線交換フォールバック)を実装する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2010年4月1日に出願した米国仮出願第61/320,027号明細書、2010年2月12日に出願した米国仮出願第61/303,761号明細書、2010年1月7日に出願した米国仮出願第61/293,084号明細書、2009年12月2日に出願した米国仮出願第61/265,917号明細書、および2009年10月30日に出願した米国仮出願第61/256,421号明細書の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信の分野における目標は、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)がサービスを中断することなくセッションの進行中に通信を発するか、または受信することを可能にするメカニズムを考案することであった。例えば、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)LTE(ロングタームエボリューション)のシナリオにおける目標は、WTRUが、E−UTRAN(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)のPS(パケット交換)ドメインに接続されている間に、CS(回線交換)サービスを発するか(つまり、発信)、もしくは受信する(つまり、着信)、またはその逆を行えるようにするメカニズムを考案することであった。CSサービスの例は、少なくともCS音声通話、SMS(ショートメッセージサービス)、位置情報サービス、または付加サービスなどのサービスを含むことができる。WTRUによる進行中のPSセッションにおけるCSセッションの開始は、CSFB(CSフォールバック)と称される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
CS(回線交換)およびPS(パケット交換)セッションをサポートするワイヤレス通信のためのリソースの効率的な信号伝送および使用を目的とする方法および装置を開示する。モビリティ管理エンティティ(MME)、VLR(ビジターロケーションレジスタ(Visitor Location Register))、および基地局(BS)を含む様々なワイヤレスネットワークエンティティ、ならびにネットワークと通信するWTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)の挙動は、PS(パケット交換)システムにCSFB(回線交換フォールバック)を実装することによって生じる問題に対処するために定義されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
VLRは、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)へのMT(移動局着信)CSFB発呼に対するCSFB手順を中止し、MMEに中止メッセージを送信する決定を下して、WTRUに対するシステム間の変更を回避することができる。MMEは、CS呼が中止されることを指示するサービス拒否メッセージをWTRUに送信し、キャンセルされた呼に関係する着信メッセージを無視することができる。ベアラコンテキストステータス情報を受信側エンティティに送信される非アクセス層(NAS)メッセージに含めることによって送信側エンティティと受信側エンティティとの間でベアラコンテキストを同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の詳細は、例示として添付図面と併せて以下の説明を読むとさらによく理解することができる。
【0006】
【図1A】1つまたは複数の開示されている実施形態が実装されうる例示的な通信システムのシステム図である。
【図1B】図1Aに例示されている通信システム内で使用されうる例示的なWTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)のシステム図である。
【図1C】図1Aに例示されている通信システム内で使用されうる例示的な無線アクセスネットワークおよび例示的なコアネットワークのシステム図である。
【図2】EPS(進化型パケットシステム)アップデート結果情報要素(IE)を含むTAU(トラッキングエリアアップデート)応答メッセージのブロック図である。
【図3】EPSベアラコンテキストステータスをNASメッセージに含めるための方法の流れ図である。
【図4A】MMEとMSC/VLRとの間にSGインターフェースがある場合のWTRUとMMEとの間の手順に対する流れ図である。
【図4B】CSドメインが利用不可能であることを通知された場合にWTRUによって実行される手順の流れ図である。
【図5A】WTRUが緊急呼を発したことに応答する手順の流れ図である。
【図5B】緊急呼に対するCSFB手順の遅延を短縮するための手順の流れ図である。
【図6】位置エリアが変更されたときにWTRUがシステム間の変更を実行する場合の手順の流れ図である。
【図7】CSFBの失敗に応答してTAUがトリガされる場合の手順の流れ図である。
【図8A】機能強化があるCSFB発呼に対する例示的なCSFB手順を示す図である。
【図8B】機能強化がないCSFB発呼に対する例示的なCSFB手順を示す図である。
【図9】MT CSFBをトリガしたCSがキャンセルされたときのWTRUに対するシステム間の変更を回避するための手順の流れ図である。
【図10A】競合状態がCSFBとLTE内ハンドオーバとの間に発生しうる場合の想定されるシナリオの例の流れ図である。
【図10B】競合状態がCSFBとLTE内ハンドオーバとの間に発生しうる場合の想定されるシナリオの例の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で説明されている教示は、CS(回線交換)またはPS(パケット交換)セッションをサポートすることができるアクセス技術に適用可能であるものとしてよい。例として、限定はしないが、LTE(ロングタームエボリューション)、WCDMA(広帯域符号分割多元接続)、GSM(Global System for Mobile communications)(登録商標)、GPRS(General Packet Radio Service)、EDGE(Enhanced Data rates for Global Evolution)、CDMA2000(符号分割多元接続)、802.11、802.16などのIEEE802技術、およびWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、UMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム)、または将来の技術が挙げられる。説明のため、LTEを背景として様々な実施形態について説明するが、これらの様々な実施形態は、CSおよび/またはPSセッションをサポートすることができる技術であればどのような技術を使用しても実装できる。
【0008】
図1Aは、1つまたは複数の開示されている実施形態が実装されうる例示的な通信システム100の図である。通信システム100は、音声、データ、動画像、メッセージング、放送などのコンテンツを複数のワイヤレスユーザに提供する多元接続システムであるものとしてよい。通信システム100は、ワイヤレス帯域を含む、システムリソースの共有を通じて複数のワイヤレスユーザがそのようなコンテンツにアクセスすることを可能にするものとしてよい。例えば、通信システム100は、CDMA(符号分割多元接続)、TDMA(時分割多元接続)、FDMA(周波数分割多元接続)、OFDMA(直交FDMA)、SC−FDMA(シングルキャリアFDMA)などの1つまたは複数のチャネルアクセス方法を使用することができる。
【0009】
図1Aに示されているように、通信システム100は、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)102a、102b、102c、102d、RAN(無線アクセスネットワーク)104、コアネットワーク106、PSTN(公衆交換電話網)108、インターネット110、および他のネットワーク112を含むものとしてよいが、開示されている実施形態では、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を企図していることが理解されよう。WTRU102a、102b、102c、102dのそれぞれは、ワイヤレス環境において動作し、および/または通信するように構成された任意の種類のデバイスとすることができる。例えば、WTRU102a、102b、102c、102dはワイヤレス信号を送信し、および/または受信するように構成することができ、UE(ユーザ装置)、移動局、固定または移動加入者ユニット、ポケベル、携帯電話、PDA(携帯情報端末)、スマートフォン、ラップトップ、ノートブック、パーソナルコンピュータ、ワイヤレスセンサ、家庭用電化製品などを含みうる。
【0010】
通信システム100は、基地局114aおよび基地局114bを備えることもできる。基地局114a、114bのそれぞれは、コアネットワーク106、インターネット110、および/またはネットワーク112などの、1つまたは複数の通信ネットワークへのアクセスが円滑に行われるようにWTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つのWTRUとワイヤレス方式でインターフェースする構成をとる任意の種類のデバイスとすることができる。例えば、基地局114a、114bは、BTS(トランシーバ基地局)、ノードB、eNodeB、ホームノードB、ホームeNodeB、サイトコントローラ、AP(アクセスポイント)、ワイヤレスルータなどとすることができる。基地局114a、114bは、それぞれ、単一要素として示されているが、基地局114a、114bは任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を備えることができることは理解されるであろう。
【0011】
基地局114aは、BSC(基地局制御装置)、RNC(無線ネットワークコントローラ)、中継ノードなどの、他の基地局および/またはネットワーク要素(図示せず)も備えることができる、RAN104の一部であってもよい。基地局114aおよび/または基地局114bは、セル(図示せず)とも称することができる、特定の地理的領域内でワイヤレス信号を送信し、および/または受信するように構成されうる。セルは、幾つかのセルセクタにさらに分割することができる。例えば、基地局114aに関連付けられているセルは、3つのセクタに分割することができる。そこで、一実施形態において、基地局114aは、3つのトランシーバ、つまり、セルのセクタ毎にトランシーバを1つずつ備えることができる。別の実施形態において、基地局114aは、MIMO(マルチ入力マルチ出力)技術を使用することができ、したがって、セルのそれぞれのセクタに対して複数のトランシーバを使用することができる。
【0012】
基地局114a、114bは、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数と、任意の好適なワイヤレス通信リンク(例えば、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光などの)であってよい、エアーインターフェース116を介して通信することができる。エアーインターフェース116は、任意の好適なRAT(無線アクセス技術)を使用して設置することができる。
【0013】
より具体的には、上記のように、通信システム100は多元接続システムとすることができ、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMAなどの1つまたは複数のチャネルアクセス方式を使用することができる。例えば、RAN104内の基地局114a、およびWTRU102a、102b、102cでは、WCDMA(広帯域CDMA)を使用してエアーインターフェース116を設置することができる、UMTS(ユニバーサルモバイル通信システム)UTRA(地上波無線アクセス)などの無線技術を実装することができる。WCDMAは、HSPA(高速パケットアクセス)および/またはHSPA+(進化型HSPA)などの通信プロトコルを備えることができる。HSPAは、HSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス)および/またはHSUPA(高速アップリンクパケットアクセス)を備えることができる。
【0014】
別の実施形態において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、LTE(ロングタームエボリューション)および/またはLTE−A(LTE-Advanced)を使用してエアーインターフェース116を設置することができる、E−UTRA(進化型UMTS地上無線アクセス)などの無線技術を実装することができる。
【0015】
他の実施形態において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、IEEE802.16(つまり、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV−DO、IS−2000(Interim Standard 2000)、IS−95(Interim Standard 95)、IS-856(Interim Standard 856)、GSM(Global System for Mobile communications)、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)、GERAN(GSM EDGE)などの無線技術を実装することができる。
【0016】
図1Aの基地局114bは、例えば、ワイヤレスルータ、ホームノードB、ホームeNodeB、またはアクセスポイントとすることができ、事業所、家庭、自動車、キャンパスなどの局在化されたエリア内でワイヤレス接続を円滑に行えるようにするために好適なRATを利用することができる。一実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、WLAN(ワイヤレスローカルエリアネットワーク)を設置するためにIEEE802.11などの無線技術を実装することができる。別の実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、WPAN(ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク)を設置するためにIEEE802.15などの無線技術を実装することができる。さらに別の実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、ピコセルまたはフェムトセルを設置するためにセルラベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE−Aなど)を利用することができる。図1Aに示されているように、基地局114bは、インターネット110との直接接続を有することができる。そうすると、基地局114bは、コアネットワーク106を介してインターネット110にアクセスする必要がなくなる。
【0017】
RAN104は、コアネットワーク106と通信しているものとしてよく、このコアネットワーク106は、音声、データ、アプリケーション、および/またはVoIP(ボイスオーバーインターネットプロトコル)サービスをWTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数のWTRUに提供するように構成された任意の種類のネットワークであってよい。例えば、コアネットワーク106は、呼制御、課金サービス、モバイル位置情報サービス、前払い制通話、インターネット接続性、映像配信などを提供し、および/またはユーザ認証などの高水準のセキュリティ機能を実施することができる。図1Aには示されていないけれども、RAN104および/またはコアネットワーク106は、RAN104と同じRAT、または異なるRATを使用する他のRANと直接的な、または間接的な通信を行うことができることが理解されよう。例えば、E−UTRA無線技術を使用している可能性のある、RAN104に接続されることに加えて、コアネットワーク106は、GSM無線技術を採用する別のRAN(図示せず)と通信していることもある。
【0018】
コアネットワーク106は、WTRU102a、102b、102c、102dがPSTN108、インターネット110、および/または他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとしても機能しうる。PSTN108は、基本電話サービス(POTS)を提供する回線交換電話網を含むものとしてよい。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコル群に含まれるTCP(伝送制御プロトコル)、UDP(ユーザデータグラムプロトコル)、およびIP(インターネットプロトコル)などの、共通通信プロトコルを使用する相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスの地球規模のシステムインを含むことができる。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有され、および/または運営される有線もしくはワイヤレス通信ネットワークを含むことができる。例えば、ネットワーク112は、RAN104と同じRAT、または異なるRATを使用することができる、1つまたは複数のRANに接続された別のコアネットワークを含むことができる。
【0019】
通信システム100内のWTRU102a、102b、102c、102dのうちの幾つか、またはすべてがマルチモード機能を備える、つまり、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なるワイヤレスリンク上で異なるワイヤレスネットワークと通信するための複数のトランシーバを備えることができる。例えば、図1Aに示されているWTRU102cは、セルラベースの無線技術を使用している可能性のある、基地局114aと、またIEEE802無線技術を使用している可能性のある、基地局114bと通信するように構成することができる。
【0020】
図1Bは、例示的なWTRU102のシステム図である。図1Bに示されているように、WTRU102は、プロセッサ118、トランシーバ120、送信/受信要素122、スピーカ/マイクロホン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、取り外し不可能なメモリ106、取り外し可能なメモリ132、電源134、GPS(全世界測位システム)チップセット136、および他の周辺機器138を備えることができる。WTRU102は、一実施形態との整合性を維持しながら前記の要素の部分的組み合わせを備えることができることが理解されよう。
【0021】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型のプロセッサ、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアとの関連性を持つ1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)回路、他の種類のIC(集積回路)、状態機械などとすることができる。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入出力処理、および/またはWTRU102がワイヤレス環境内で動作することを可能にする他の機能を実行することができる。プロセッサ118は、送信/受信要素122に結合されうる、トランシーバ120に結合することができる。図1Bは、プロセッサ118およびトランシーバ120を別々のコンポーネントとして表しているが、プロセッサ118およびトランシーバ120は、電子パッケージまたはチップ内に集積化してまとめることができることが理解されよう。
【0022】
送信/受信要素122は、エアーインターフェース116上で基地局(例えば、基地局114a)に信号を送信するか、または基地局(例えば、基地局114a)から信号を受信するように構成されうる。例えば、一実施形態において、送信/受信要素122は、RF信号を送信し、および/または受信するように構成されたアンテナとすることができる。別の実施形態において、送信/受信要素122は、例えば、IR、UV、または可視光信号を送信し、および/または受信するように構成された放射体/検出器とすることができる。さらに別の実施形態において、送信/受信要素122は、RF信号と光信号の両方を送信し、受信するように構成することができる。送信/受信要素122は、ワイヤレス信号の組み合わせを送信し、および/または受信するように構成することができることが理解されよう。
【0023】
それに加えて、図1Bでは送信/受信要素122は単一の要素として示されているけれども、WTRU102は、任意の数の送信/受信要素122を備えることができる。より具体的には、WTRU102は、MIMO技術を採用することができる。そのため、一実施形態において、WTRU102は、エアーインターフェース116上でワイヤレス信号を送信し受信するための2つまたはそれ以上の送信/受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を備えることができる。
【0024】
トランシーバ120は、送信器/受信要素122によって送信されるべき信号を変調し、送信/受信要素122によって受信された信号を復調するように構成されうる。上記のように、WTRU102は、マルチモード機能を有することができる。そのため、トランシーバ120は、例えば、UTRAおよびIEEE802.11などの複数のRATを介してWTRU102が通信することを可能にするための複数トランシーバを備えることができる。
【0025】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロホン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128(例えば、LCD(液晶ディスプレイ)表示ユニットまたはOLED(有機発光ダイオード)表示ユニット)に結合することができ、またそこからユーザ入力データを受け取ることができる。プロセッサ118は、ユーザデータをスピーカ/マイクロホン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128に出力することもできる。それに加えて、プロセッサ118は、取り外し不可能なメモリ106および/または取り外し可能なメモリ132などの、任意の種類の好適なメモリにある情報にアクセスし、データをそのようなメモリに格納することができる。取り外し不可能なメモリ106としては、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、ハードディスク、または他の種類のメモリストレージデバイスが挙げられる。取り外し可能なメモリ132としては、SIM(加入者識別モジュール)カード、メモリスティック、SD(セキュアデジタル)メモリカードなどが挙げられる。他の実施形態において、プロセッサ118は、サーバもしくはホームコンピュータ(図示せず)上など、WTRU102上に物理的に配置されていないメモリにある情報にアクセスし、データをそのようなメモリに格納することができる。
【0026】
プロセッサ118は、電源134から電力を受け取り、その電力をWTRU102内の他のコンポーネントに分配し、および/または制御するように構成されうる。電源134は、WTRU102に給電するための任意の好適なデバイスとすることができる。例えば、電源134としては、1つまたは複数の乾電池(例えば、ニッケルカドミウム(NiCd)電池、ニッケル亜鉛(NiZn)電池、ニッケル水素(NiMH)電池、リチウムイオン(Li−ion)など)、太陽電池、燃料電池などが挙げられる。
【0027】
プロセッサ118は、WTRU102の現在位置に関する位置情報(例えば、経度と緯度)を提供するように構成されうる、GPSチップセット136にも結合することができる。GPSチップセット136からの情報に加えて、またはその代わりに、WTRU102は、基地局(例えば、基地局114a、114b)からエアーインターフェース116上で位置情報を受信し、および/または2つもしくはそれ以上の付近の基地局から信号を受信するタイミングに基づきその位置を決定することができる。WTRU102は、一実施形態との整合性を維持しながら任意の好適な位置決定方法を用いて位置情報を取得することができることが理解されよう。
【0028】
プロセッサ118は、追加の特徴、機能、および/または有線もしくはワイヤレス接続性を提供する1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアモジュールを備えうる、他の周辺機器138にさらに結合することができる。例えば、周辺機器138としては、加速度計、電子コンパス、衛星トランシーバ、デジタルカメラ(写真または動画用)、USB(ユニバーサルシリアルバス)ポート、バイブレーションデバイス、テレビジョントランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、ブルートゥース(登録商標)モジュール、FM(周波数変調)ラジオユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザなどが挙げられる。
【0029】
図1Cは、一実施形態によるRAN104およびコアネットワーク106のシステム図である。上記のように、RAN104では、エアーインターフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信するためにE−UTRA無線技術を使用することができる。RAN104は、コアネットワーク106と通信することもできる。
【0030】
RAN104は、eNodeB140a、140b、140cを備えることができるが、RAN104は、一実施形態との整合性を維持しながら任意の数のeNodeBを備えることができることが理解されよう。eNodeB140a、140b、140cは、それぞれ、エアーインターフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数のトランシーバを備えることができる。一実施形態において、eNodeB140a、140b、140cは、MIMO技術を実装することができる。そのため、eNodeB140aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aにワイヤレス信号を送信し、WTRU102aからワイヤレス信号を受信することができる。
【0031】
eNodeB140a、140b、140cのそれぞれは、特定のセル(図示せず)に関連付けることができ、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、ならびにアップリンクおよび/またはダウンリンクにおけるユーザのスケジューリングなどを処理するように構成されうる。図1Cに示されているように、eNodeB140a、140b、140cは、X2インターフェース上で互いに通信することができる。
【0032】
図1Cに示されているコアネットワーク106は、モビリティ管理ゲートウェイ(MME)142、サービスゲートウェイ144、およびPDN(パケットデータネットワーク)ゲートウェイ146を含むものとしてよい。前記の要素のそれぞれは、コアネットワーク106の一部として示されているが、これらの要素のうちのどれか1つが、コアネットワーク事業者以外の事業体によって所有され、および/または運営されていてもよいことは理解されるであろう。
【0033】
MME142は、S1インターフェースを介してRAN104内のeNodeB142a、142b、142cのそれぞれに接続され、制御ノードとして使用されうる。例えば、MME142は、WTRU102a、102b、102cのユーザの認証、ベアラクティベーション/ディアクティベーション、WTRU102a、102b、102cの初期アタッチ時の特定のサービスゲートウェイの選択などを行う役割を有しているものとしてよい。MME142は、RAN104とGSMまたはWCDMAなどの他の無線技術を使用する他のRAN(図示せず)とを切り替えるための制御プレーン機能も備えることができる。
【0034】
サービスゲートウェイ144は、S1インターフェースを介してRAN104内のeNodeB140a、140b、140cのそれぞれに接続することができる。サービスゲートウェイ144は、一般に、WTRU102a、102b、102cとの間でユーザデータパケットの経路選択および転送を実行することができる。サービスゲートウェイ144は、eNodeB間ハンドオーバ時のユーザプレーンのアンカリング、WTRU102a、102b、102cに対してダウンリンクデータが利用可能になったときにページングをトリガすること、WTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理し格納することのような他の機能も実行することができる。
【0035】
サービスゲートウェイ144は、PDNゲートウェイ146にも接続することができ、これは、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信が円滑に行われるように、インターネット110などの、パケット交換ネットワークへのWTRU102a、102b、102cのアクセスを可能にする。
【0036】
コアネットワーク106は、他のネットワークとの通信を円滑に行えるようにすることができる。例えば、コアネットワーク106は、WTRU102a、102b、102cと従来の地上通信回線を使用する通信デバイスとの間の通信が円滑に行われるように、PSTN108などの、回路交換ネットワークへのWTRU102a、102b、102cのアクセスを可能にする。例えば、コアネットワーク106は、コアネットワーク106とPSTN108との間のインターフェースとして機能するIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を備えるか、またはそれと通信することができる。それに加えて、コアネットワーク106によって、WTRU102a、102b、102cは、他のサービスプロバイダによって所有され、および/または運営されている他の有線もしくはワイヤレスネットワークを含んでいる可能性のあるネットワーク112にアクセスすることが可能になる。
【0037】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムで生じる可能性のある問題として、保留のユーザデータがない場合にサービス要求(SR)手順によって無線ベアラが設定され、そのため、無線リソースをいたずらに浪費することになる可能性があるという点が挙げられる。LTEシステムを背景とする場合、EPS(進化型パケットシステム)は、E−UTRAN(進化型UTRAN)アクセスネットワークとEPC(進化型パケットコア)ネットワークとの組み合わせである。例えば、図1Cを参照すると、EPSは、RAN104とコアネットワーク106とを組み合わせたものであることがわかる。
【0038】
EPSは、すべてのIP型ネットワークであってよい。WTRUとコアネットワークエンティティ(つまり、図1CのMME142)との間の上位レイヤの信号伝送は、非アクセス層(NAS)レイヤとして認識されうる。NASレイヤでは、EPSが2つの新しいプロトコルエンティティ、つまり、EMM(EPSモビリティ管理)とESM(EPSセッション管理)を導入することができる。WTRUとMMEとの間の信号伝送の接続は、EMM接続と称される。WTRUは、ネットワークに登録されていてもEMM接続がない場合に、EMM−IDLEモードに入っている。同様に、WTRUは、(NAS)EMM接続が存在している場合にEMM−Connectedモードに入っている。EPSベアラコンテキストは、異なるQoS(サービス品質)を必要とする様々なサービスに対する要求がWTRUからあった場合にネットワークによって割り当てられるパラメータおよびネットワークリソースの集合体である。
【0039】
SR(サービス要求)手順の目的の1つは、アップリンクユーザデータもしくはシグナリングが送信されるときにEMMをEMM−IDLEからEMM−CONNECTEDに移行し、無線およびS1ベアラを確立することである。この手順の別の目的は、MO(移動局発信)/MT(移動局着信)CSFB(CS(回線交換)フォールバック)手順を呼び出すことである。SR手順は、そのトリガ(例えば、SMS(ショートメッセージサービス)またはユーザデータ)に関係なく、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)におけるすべてのアクティブなEPSベアラコンテキストに対して無線およびS1ベアラを確立させることができる。そのため、何らかのトリガメカニズムが信号伝送無線ベアラを必要とする場合であっても、MME(mobile management entity、移動管理エンティティ)は、WTRUがMMEによって受け入れられるSRを送信する場合にすべてのアクティブなEPSベアラコンテキストに対して無線およびS1ベアラを確立することができる。
【0040】
WTRUが無線およびS1ベアラの確立を要求する別の方法は、MMEに送信されるTAU(トラッキングエリアアップデート)要求内の1ビット位置(「アクティブフラグ」ビットと称する)をセットすることによるものである。これは、TAU手順がトリガされたときにユーザデータが保留になっている場合に生じうる。このビットをセットすることで、非アクセス層(NAS)の信号伝送の接続を維持することができ、すべてのアクティブなEPSコンテキストに対して無線およびS1ベアラを設定することができることがMMEに通知される。
【0041】
WTRUがSRメッセージを送信すると、タイマーT3417が起動する。次いで、このタイマーは、AS(アクセス層)がユーザプレーンに対するベアラの確立を指示した場合に正常に停止する(つまり、手順は正常に完了する)。しかし、WTRUは、SMSを送信/受信すること、位置サービス情報、または他の情報を送信もしくは受信することに対してNAS接続を確立する必要がある場合がある。これは、信号伝送無線ベアラで伝えられ、WTRUがSMSまたは他のユーザプレーンに関係しないサービスについてSRを送信したときにすべてのEPSベアラコンテキストに対して無線およびS1ベアラを確立する必要がない場合がある。この場合、リソースは無駄になり、回避することも困難であると思われる。
【0042】
第1の実施形態によれば、WTRUが進化型パケットシステム(EPS)接続管理モード(EMM)−IdleモードからEMM−Connectedモードに遷移するときに、サービスが要求された理由がユーザデータによるものである場合に無線リソースを設定することができる。この実施形態について、以下でさらに詳しく説明する。
【0043】
WTRUがEMM−IdleモードからEMM−Connectedモードに遷移するときに、無線およびS1ベアラは、そのサービスが要求された理由がユーザデータに関係している場合に設定され、関係していない場合には設定されえない。そのため、WTRUが、Idleモードに入っており、非EPSサービス(例えば、SMSまたは付加サービス(SS))、位置情報サービス、または測位サービスを要求している場合、サービス要求手順により、アクティブなEPSベアラに関係する無線およびS1ベアラは確立されない。これを達成する方法の1つでは、ユーザデータが保留になっている場合、またはSRに対する理由がSMS、SS、位置情報サービス、または他のユーザデータなどの保留ユーザデータに関係していない場合に異なる確立原因を利用する。
【0044】
それに加えて、WTRUは、EMM−ConnectedモードでSR手順を開始し、すべてのアクティブなEPSベアラコンテキストのために無線およびS1ベアラが必要であることを指示することができる。WTRUは、新しいタイプ、例えば「ユーザデータ保留」を指示するSRメッセージまたはESR(拡張SR)メッセージを送信することができる。次いで、ネットワーク側では、すべてのアクティブなEPSベアラコンテキストについて無線およびS1ベアラの設定を開始することができる。SRメッセージは、サービスタイプの情報要素(IE)を有していない場合があるため、新規IEをSR(またはESR)メッセージに入れて、WTRUのコンテキストに対して無線およびS1ベアラの確立をその後トリガすることができる保留ユーザデータステータスを指示するとよい。IEは、現在のSRが4オクテット長であるため条件付きの、もしくはオプションのIEであるものとしてよい。したがって、上に示されているようにSRメッセージを使用する場合、新規IEを含めることができる。そうでない場合、SRは、このIEを含めることができない(例えば、これが送信されIdleからConnectedモードに遷移した場合)。この実施形態は、ESRメッセージにも適用される。
【0045】
あるいは、WTRUは、Connectedモードで新規NASメッセージを送信し、すべてのアクティブなEPSベアラコンテキストのためにネットワーク側で無線およびS1ベアラを設定しなければならないことを指示することができる。
【0046】
上記のオプション(SR、ESR、または新規NASメッセージ)のいずれかについて、WTRUは、無線およびS1ベアラが設定される必要があるEPSベアラコンテキストを指定することができるか、またはネットワーク側ですべてのアクティブなEPSベアラコンテキストに対して無線およびS1ベアラを確立することができる。前者は、EPSベアラコンテキストステータスIE(または新規IE)を再利用して、手順がどのようなEPSベアラコンテキストに関っているかを示すことができる。
【0047】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムにおいて生じうる別の問題として、TAU(トラッキングエリアアップデート)手順の実行時にNAS信号伝送接続を維持することをWTRUに通知するための手段が欠如している可能性があるという点が挙げられる。
【0048】
WTRUを電源オンにすると、これは、「アタッチ」手順を実行することによってEPSドメイン内に登録することができる。WTRUがEPSにアタッチした後、TAU手順を使用してその位置についてMMEに通知しなければならない場合がある。TAU手順を実行するWTRUは、TAU要求メッセージ中の「アクティブフラグ」ビットと称される、1ビットをセットすることによって、実行すべき信号伝送がもっとあること、および/または保留中のユーザデータがあることをネットワーク側に指示することができる。WTRUによってそのビットがセットされた場合、ネットワーク側では、すべてのアクティブなEPSベアラコンテキストについて無線およびS1ベアラを確立することができる。しかし、TAU要求においてそのビットがセットされていない場合であっても実行すべきMT(移動局着信)信号伝送がもっとあることをネットワーク側でWTRUに指示するための現行メカニズムはない。そのため、MMEはそうすることができなくてもWTRUに送信しなければならないSMSまたは他の信号伝送を受信する可能性がある。
【0049】
一実施形態では、ネットワークは、TAU(トラッキングエリアアップデート)アクセプト信号伝送においてNASの信号伝送を維持するようWTRUに指示する。TAUの応答はアップデート結果とともにネットワークからWTRUに送信されうる。図2は、EPS(進化型パケットシステム)アップデート結果情報要素(IE)210を含むTAU(トラッキングエリアアップデート)応答メッセージ200のブロック図である。TAU応答メッセージ200は、第1のオクテット208および第2のオクテット210を含み、第2のオクテット210はEPSアップデート結果IE 210である。EPSアップデート結果IE 210は、IE識別子202、スペアビット204、およびEPSアップデート結果値206を含む。EPSアップデート結果値206は、そのアップデートの試みがトラッキングエリアのみに対して、またはトラッキングエリアと位置エリアの両方に対して成功したかどうかをWTRUに知らせることができる。メッセージ200のフィールドがビット位置ラベルとともに図示されており、例えば、スペアビット204はビット位置4にあるが、フィールドのどのような配置構成をも使用することができる。
【0050】
スペアビット204は、「ゼロ」に設定されうる。ネットワーク側では、NAS接続をさらなる保留信号伝送に対して維持できることをWTRUに指示することができる。例えば、TAU要求がMMEに送信されると、MT SMSもMMEに届くことがある。そこで、SMS転送に対してNAS信号伝送接続を保つために、MMEは、TAUアクセプトを送信し、スペアビット204を値「1」に設定する。受信した後、WTRUは、ネットワークがさらなる信号伝送を続けられる構成された期間にわたって、それぞれ、NAS信号伝送ならびにMMEおよびeNBとのRRC接続を維持する。WTRUは、ネットワークから信号伝送を受けることなく時間が経過した場合に接続を解放することができる。ネットワーク側では、維持されているNAS信号伝送接続を使用して、SMS、SS、位置情報、もしくは測位サービスに送信するか、またはESM手順をトリガすることができる(例えば、すべてのアクティブなEPSベアラコンテキストに対して無線およびS1ベアラを確立するための後にRRCメッセージが続きうる専用ベアラコンテキストのアクティベーション)。MMEは、維持されている信号伝送を使用して、MT CSFB要求に関してWTRUに通知することもできる。
【0051】
あるいは、WTRUは、eNBからRRC接続解放メッセージを受信する前に何らかのMT信号伝送を予想することができる。その場合、WTRUは、信号伝送をしかるべく処理して、これをエラーの場合としてみなさないようにできる。
【0052】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムにおいて発生しうる別の問題として、EPSベアラコンテキストの同期処理が、TAU手順の範囲内に制限されうるという点が挙げられる。EPSベアラコンテキストは、異なるサービス品質を必要とする様々なサービスに対する要求がWTRUからあった場合にネットワークによって割り当てられるパラメータおよびネットワークリソースの集合体である。一方のエンティティ(WTRUまたはMME/ネットワーク)においてアクティブなすべてのEPSベアラコンテキストには、他方のエンティティ(MME/ネットワークもしくはWTRU)においてそれと対になるアクティブなEPSベアラコンテキストがありうる。そのため、WTRUおよびネットワークは、EPSベアラコンテキストをできる限り同期するように維持することを試みる。幾つかの場合において、MMEでは、例えば、EPSベアラコンテキストは、しばらく使用されていなかったという理由により、局所的にディアクティベートされうる。MMEは、EPSベアラコンテキストステータスIEと称される情報要素(IE)をTAUアクセプトメッセージなどの幾つかの信号伝送メッセージ内に含めることによって最新のEPSベアラコンテキストステータスでWTRUを更新することができる。
【0053】
WTRUがこのIEを受信した後、WTRUではアクティブであるが、MMEによって非アクティブであると指示されている、すべてのEPSベアラコンテキストを局所的に(WTRUとMMEとの間のピアツーピア信号伝送なしで)ディアクティベートすることができる。WTRUがTAU要求などの幾つかのメッセージ内にIEを入れた場合についても同じことが言える。もしそうであれば、MMEは、ネットワーク側ではアクティブであるが、WTRUによって非アクティブであると指示されている、すべてのEPSベアラコンテキストを局所的に(MMEとWTRUとの間のピアツーピア信号伝送なしで)ディアクティベートすることができる。
【0054】
WTRUは、その定期的タイマーがタイムアウトしたときに定期的TAUを実行することができる。WTRUが、次のTAUが実行される前にコンテキストをディアクティベートしてしまっている場合、MME/ネットワークと同期をとる前にTAU開始を待たなければならないことがある。定期的TAUの開始前に他の要求が届く可能性もありうる(例えば、この手順を実行するとターゲットRATにおける対応するリソースの予約が行われるので最新のEPSベアラコンテキストステータスを使用することが重要であるCSFB)。そのため、現在はTAU信号伝送に制限されているため、同期プロセスは効率的でない。
【0055】
一実施形態では、EPSベアラコンテキストステータスIEを任意のNASメッセージに含めることができる。例えば、EPSベアラコンテキストステータスIEは、手順がTAU手順でない場合であっても、どれかの、またはすべてのNASメッセージに(例えば、サービス要求メッセージでは、可能でない場合を除き)含めることができる。したがって、コンテキストステータスのアップデートがあるたび毎に、WTRU/MME/ネットワークは、最新のコンテキストステータスを速やかに与えるために、ベアラコンテキストステータスIEを受信側に送信される次のNASメッセージ内に含めることができる。
【0056】
一実施形態によれば、WTRUは、拡張サービス要求(ESR)メッセージ内にIEを入れることができる。WTRUが、ESRメッセージを送信しEPSベアラコンテキストステータスIEを含むときに、Connectedモードに入っている場合、MMEはCS RATへのハンドオーバを実行するときに、例えばPS(パケット交換)HO(ハンドオーバ)を実行するか、またはターゲットRAT内のリソースを確立する際にコンテキストの含まれているステータスを考慮することができる。
【0057】
MME/ネットワークは、EPSベアラコンテキストステータスIEをすべてのメッセージに、それが拒否メッセージであっても、含めることができる。例えば、サービス拒否に、EPSベアラコンテキストステータスIEを含めることができ、WTRUは、そのようなメッセージでこのIEを受信するときにそのコンテキストをしかるべくアップデートすることができる。これは、connectedモードおよび/またはIdleモード、およびWTRUもしくはネットワークの両方に当てはまる。
【0058】
ベアラコンテキストステータスIEを受信した後、受信側エンティティ(WTRUもしくはMME/ネットワーク)は、受信側エンティティにおいてはアクティブであるが、送信側エンティティによって非アクティブであると指示されている、すべてのEPSベアラコンテキストを局所的に(WTRUとMMEとの間のピアツーピア信号伝送なしで)ディアクティベートする。
【0059】
図3は、EPSベアラコンテキストステータスをNASメッセージに含めるための方法の流れ図300である。ステップ305〜315は、送信側エンティティにおいて実行され、ステップ320〜325は、受信側エンティティにおいて実行され、送信側エンティティおよび受信側エンティティは、それぞれ、WTRU側およびネットワーク側にあるか、またはその逆であってもよい。ステップ305において、送信側エンティティは、送信側エンティティにおけるEPSベアラコンテキストのステータスのアップデートを検出する。ステップ310において、送信側エンティティは、ベアラコンテキストステータスのアップデートを反映する受信側エンティティへの次の非アクセス層(NAS)メッセージにEPSベアラコンテキストステータス情報要素(IE)を入れる。次のNASメッセージは、例えば、ESRメッセージであってよい。ステップ315において、送信側エンティティは、次のNASメッセージを受信側をエンティティに送信する。ステップ320において、受信側エンティティは、次のNASメッセージを受信する。ステップ325において、受信側エンティティは、受信側エンティティにおいてはアクティブであるが、EPSベアラコンテキストステータスIEにおける送信側エンティティによって非アクティブであると指示されている、すべてのEPSベアラコンテキストを局所的にディアクティベートする。
【0060】
CSドメインが一時的に利用不可能になった場合、CSおよびPSセッションをサポートしているワイヤレス通信システムに他の問題が生じることがある。LTEシステムを背景として、WTRUがE−UTRAN上のCS(または非EPS)サービス(つまり、MO/MT CS呼およびSMS)を取得できるようにCSFBの概念を導入した。移動交換局(MSC)/ビジターロケーションレジスタ(VLR)は、CS(回線交換)サービスを提供するためにスイッチと、2Gおよび3Gシステムに導入されたデータベースの組み合わせであり、MMEと同じ事業者のネットワーク内に配置される。CSFBは、SGインターフェースと称される、MMEとMSC/VLRとの間の新規インターフェースの導入によって有効にされた。
【0061】
WTRUが非EPSサービス(例えば、SMS)を取得できるように、E−UTRANドメインとCSドメインの両方において登録を実行することができ、これは組み合わせアタッチ手順と称される。この組み合わされた登録により、MMEおよびMSC/VLRにWTRUに対するSGの関連付けが行われる。そのようなものとして、SMSメッセージは、ネイティブのLTE NASメッセージを使用してMMEにLTE信号伝送で送信されうる。WTRUがMMEにおいてSGの関連付けを有している場合、後者はメッセージを検証することなくMSC/VLRに転送することができる。同様に、MT SMSについては、MMEは、SGインターフェースを介してMSC/VLRから要求を受信した後、メッセージをWTRUに転送することができる。
【0062】
同様に、E−UTRANにおいてWTRUに対するMT CS呼がある場合、MSC/VLRは、SGインターフェースを使用してMMEに向けたページングメッセージを作成することができる。次いで、後者は、MT呼に関してWTRUに通知することを試みることができる。WTRUは、以下のように、EPSおよび非EPSの登録結果に関係するアップデートステータスを維持することができる。
【0063】
WTRUは、ネットワークへの現在の登録のEPSステータスを維持することができ、EPSステータスは、EU1:UPDATED(最後のアタッチまたはTAUが成功したことを意味する)、EU2:NOT UPDATED(最後のアタッチ、SR(サービス要求)、またはTAUの試行が手順に関して失敗した、つまり、MMEから応答または拒否が受信されなかったことを意味する)、またはEU3:ROAMING NOT ALLOWED(最後のアタッチ、SR、またはTAUが正しく実行されたが、MMEからの応答が否定応答であった(ローミングまたは加入制限があるため)ことを意味する)のうちのいずれかとすることができる。
【0064】
WTRUは、ネットワーク(3G)への現在の登録のMM(モビリティ管理)ステータスを維持することができ、MMステータスは、U1:UPDATED(最後のLAU(位置エリアアップデート)が成功したことを意味する)、U2:NOT UPDATED(最後のLAUが手順に関して失敗したことを意味する(ネットワーク内に障害または輻輳が発生した場合を含めて、ネットワークから有意な応答を受信しなかった))、U3:ROAMING NOT ALLOWED(最後のLAUは正常に実行したが、ネットワークからの応答は否定応答であったことを意味する)、またはU4:UPDATING DISABLED(LAUが無効にされたことを意味する)のうちのいずれかとすることができる。
【0065】
MMステータスについて、SIM(加入者識別モジュール)/USIM(汎用加入者識別モジュール)は、有効なLAI(位置エリア識別番号)、TMSI(一時的移動局加入者識別番号)、GSM(Global System for Mobile communications)暗号鍵、UMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム)完全性鍵、UMTS暗号鍵、または暗号鍵シーケンス番号を含まない場合がある。互換性の理由により、これらのフィールドはすべて、ステータスがeCALL INACTIVEに設定された時点に「削除済み」値に設定されるものとしてよい。しかし、他の値の存在は、移動局側によってエラーとみなされないことがある。さらに、ME(移動局装置)が、128ビット暗号鍵を必要とするA5暗号化アルゴリズムをサポートし、USIMが使用中である場合、MEは、ステータスがeCALL INACTIVEに設定された時点に格納されたGSM Kc128を削除することができる。SIM/USIM上に格納されている「位置アップデートステータス」は「アップデートされない」場合がある。
【0066】
したがって、WTRUは、組み合わせた登録を実行しているときには必ずEPSと非EPSの両方のステータスを維持することができる。それに加えて、WTRUが組み合わされた登録(組み合わされたアタッチまたは組み合わされたTAU)を実行する場合には必ず、VLRは、TAUアクセプトメッセージに含まれる新規TMSIおよび(LAI)位置エリア識別番号をWTRUに提供することができる。WTRUは、これに提供されるLAIのリストに変更がなかった場合、ターゲットRAT(無線アクセス技術)に進んだときにTMSIを使用する。位置アップデートは、MMEがWTRUから幾つかのメッセージを受信したときにMMEとVLRとの間でトリガされる(例えば、組み合わされたTAU)。しかし、T3412によって管理される定期的TAUは、SGインターフェース上で位置アップデートを引き起こさない。
【0067】
CSドメインは、例えば、MMEがリセットし、そのため組み合わされ登録されたWTRUに対して有していたすべてのSGの関連付けを喪失した場合、一時的に利用不可能になる可能性もありうる。VLRがリセットし、次いで、すでに組み合わされ登録されていたWTRUに対するSG関連付けを喪失した場合にも同じことが生じうる。
【0068】
WTRUがサービス拒否メッセージ(例えば、原因「#39−CSドメインが一時的に利用不可能であった」)を受信した場合、以下のアクションが実行されうる。WTRUは、タイマー(例えば、タイマーT3442)を起動し、EPSアップデートステータスを「EU2 NOT UPDATED」に設定し、そのステータスを格納することができる。次いで、WTRUは、「EMM−REGISTERED. NORMAL−SERVICE state」に入ることができる。WTRUは、タイマーT3442がタイムアウトになるか、またはWTRUがTAU要求メッセージを送信するまで、移動局発信サービスに対する拡張サービス要求メッセージをネットワークに送信することを試みることはできない。サービス拒否メッセージに含まれるタイマーT3442は、秒から、分、または時までの範囲の値をとりうるか、またはディアクティベートされうる。
【0069】
前に説明したような、拒否原因#39を受信した後の既存のWTRUの挙動がある場合、WTRUは組み合わされた登録が遅延されたせいで非EPSサービスを受けない可能性がある。以下の問題を明示することができる。原因#39がVLRのリセットによるものである場合、MMEはまだ最新のWTRUのプロファイルおよびコンテキストを有しているので、EPSアップデートステータスを変更する必要はないものとしてよい。さらに、MMEは、WTRUが定期的TAUメッセージを送信したときにVLRに向かう位置アップデートを開始することができる。この場合、VLRは、順にそれに応じてTMSIおよび位置エリア識別番号を与えることができ、これは、通常は、TAUアクセプトメッセージに含まれる。しかし、WTRUは、定期的TAUメッセージを実行しているときにTAUアクセプトメッセージ内にこれらのIEがあることを期待しえない。そのため、WTRUの挙動は、定期的TAU手順においてこれらのIEを受信したときには未知の挙動である。その結果、組み合わされた登録は遅延され、非EPSサービスに関連付けられている遅延がありうる。この遅延は、図4Aでさらに説明される。
【0070】
図4Aは、MMEとMSC/VLRとの間にSGインターフェースがある場合に、「アタッチ」、「サービス要求」および「TAU(トラッキングエリアアップデート)」手順を含む、WTRUとMMEとの間の手順400Aに対する流れ図である。ステップ412、430、435、440、450、および460は、WTRUにおいて実行され、ステップ415は、MSC/VLRにおいて実行される。
【0071】
図4Aに示されているように、ステップ405で、WTRUは、組み合わされたアタッチメッセージをMMEに送信して、EPSと非EPSの両方のサービスに対する登録を行うことができる。ステップ410で、MMEは、アタッチアクセプトメッセージで応答し、ステップ412において、WTRUのEU(EPSアップデート)ステータスおよびMMステータスをEU1(UPDATED)およびU1(UPDATED)にそれぞれ設定することができる。WTRUは、CSFB、SS(付加サービス)、およびLCSサービスに使用することができるアタッチアクセプトメッセージの一部としてTMSIおよびLAI IEを割り当てられている可能性がある。
【0072】
ステップ415で、VLRは、MMEを再起動し、次いで、すべてのWTRUに対するすべてのSG関連付けの喪失についてMMEに通知することができる。CSドメインが一時的に利用不可能になった場合、これにより、WTRUにおけるMO CSFB要求が、MME 420に向かう拡張サービス要求(ESR)メッセージをトリガし、MMEは、サービス拒否メッセージ425で応答することができる。「ディアクティベート」またはN分に設定されているタイマーT3442も、サービス拒否メッセージに含めることができる。ステップ430で、WTRUは、そのEUステータスをNOT UPDATEDに変更し、MMステータスを修正せず(それに反するにもかかわらずUPDATEDに設定されている)、サービス拒否メッセージで指示されているようにタイマーT3442を起動することができるタイマーは、タイマーを起動できないことを暗示する、値「ディアクティベート」を有することもできる。
【0073】
ステップ435で、WTRUがEMM−Idleモードに入ると、WTRUは、その定期的TAUタイマー(T3412)作動を開始することができる。ステップ440で、タイマーT3412は、タイマーT3442の前にタイムアウトになる。その場合、そのタイマーがタイムアウトになると、WTRUがステップ445においてTAUメッセージを送信し、アップデートタイプを定期的アップデートに設定することにより、定期的TAU手順がトリガされうる。TAUメッセージを送信した後、ステップ450で、WTRUは、タイマーT3442(他にもタイマーがあるが特にこのタイマー)が作動している場合にこのタイマーを停止することができる。ステップ455で、MMEは、TAUアクセプトメッセージで応答し、ステップ460で、WTRUは、そのEUステータスをUPDATEDに設定することができる。
【0074】
MMEが、アップデートタイプを「定期的」に設定してTAUを受信したときにVLRに向かう位置アップデートを自律的に実行しない場合、MMステータスがU1(UPDATED)であるため、WTRUの組み合わされた登録は実行されず、WTRUはSGインターフェースに問題があることを知ることができない。標準的手順は存在しておらず、T3442がタイムアウトになったときにWTRUによって実行されるよう指定されたアクションもない。
【0075】
CSドメインが利用可能でない場合、他の手順が影響を受けることもありうる(例えば、UL(アップリンク)TRANSPORT NASメッセージを送信することによって実行されるMO SMS手順)。しかし、原因#39を受け取ったときの現在のWTRUの挙動において、WTRUは、組み合わされた登録が実行されるまでESRを試みないように指定される。しかし、これは、成功しない可能性のある他の手順(例えば、MO SMS)を停止しない。
【0076】
それに加えて、SGインターフェースがダウンし、WTRUがUL NAS TRANSPORTメッセージとともにSMSメッセージを送信しようとした場合、現在のところ、手順の成功もしくは失敗を指示するためにネットワークからメッセージが返されることはない。これは、MMEの挙動はNASヘッダを取り除くような挙動であり、カプセル化されたSMSメッセージをVLRに転送するからである。再送およびエラーは、SMSレイヤによって取り扱われる。そのようなものとして、SGに障害があるせいで宛先に届かないSMSメッセージをWTRUが送信した場合、WTRUのSMSエンティティは、問題を解決するため組み合わされた登録が必要になることがあるため、成功しなくても再送することができる。
【0077】
以下の実施形態では、SGインターフェースもしくはCSドメインが利用不可能である場合に生じる様々な状況に対処するため新規のWTRUおよびMMEの挙動を定義する。
【0078】
一実施形態は、図4Bに例示されている。図4Bは、CSドメインが利用不可能であることを通知された場合にWTRUによって実行される手順400Bの流れ図である。ステップ470において、WTRUは、CSドメインが利用不可能であるか、または一時的に利用不可能であることを通知される。例えば、WTRUが、サービスを受けるためMMEと交信しようとした場合、これは、「CSドメインが利用可能でない」または「CSドメインが一時的に利用可能でない」に相当する原因値とともにサービス拒否メッセージを受信するものとしてよい。
【0079】
ステップ472で、WTRUは、SGインターフェースの問題がMSC/VLRによるものであり、MMEによるものではないのかどうかを判定する。この判定は、MMEからの通知に基づく。原因値が「CSドメインは利用可能でない」である場合、これは、SGインターフェースに問題があり、MMEの接続が行えないことを意味する。原因値が「CSドメインは一時的に利用可能でない」である場合、SGインターフェースに問題はないが、MSC/VLRに問題があると思われる。
【0080】
問題がMSC/VLRによるものでない場合、ステップ474において、WTRUは、CSドメインへの登録が不成功であったことを指示するようにMM(モビリティ管理)アップデートステータスを変更する。例えば、WTRUは、そのMMアップデートステータスをU2:NOT UPDATEDに変更することができる。
【0081】
WTRUのEUステータスは、SGの問題がMSC/VLRによるものであり、MMEによるものでない場合には変更はなく(つまり、EU1:UPDATEDに設定されたままである)、ステップ476に進む。ステップ476で、TAUをトリガするイベントが次に発生したときに、またはすべてのTAU手順について、WTRUは、そのMMアップデートステータスをチェックすることができる。ステップ478で、WTRUが組み合わせて登録される場合(またはされない場合、前のTAIが非EPSサービスを有していないかどうかに依存する)、WTRUは、組み合わされた登録(例えば、組み合わされたTAU)手順を実行することができる。組み合わされた登録手順は、アップデートタイプを、シナリオに応じて、「IMSI(国際移動局加入者識別番号)アタッチと組み合わせたTA/LAアップデート」または「組み合わされたTA/LAアップデート」に設定することを伴う。
【0082】
別の実施形態によれば、CSドメインが利用不可能であることが、MSC/VLRに問題があることによる場合、WTRUは、割り当てられているTMSI(一時的移動局加入者識別番号)およびLAIを無効であるとみなすことができる。
【0083】
別の実施形態によれば、サービス拒否が、WTRUが緊急呼に対するESRを送信することによるものである場合、WTRUは、そのRATを緊急呼を発することができるCS RATに変更することができる。WTRUは、緊急目的でないMO(移動局発信)CS呼が要求された場合にCS RATに再選択することができる。これは、WTRUの動作モードに関係なく常に実行されるか、またはWTRUが、CSドメインが優先するか、またはWTRUが音声中心であるモードで動作している場合に実行されるものとしてよく、IP(インターネットプロトコル)IMS(マルチメディアサブシステム)音声通話(または他の形態のボイスオーバーIP)はサポートされていない。IMS音声通話が利用不可能であることは、IMSネットワークへの登録が不成功であったことも意味する。
【0084】
別の実施形態によれば、WTRUが原因#18「CSドメインが利用可能でない」を持つ拒否メッセージを受信した場合、WTRUは、TAU手順が何らかの理由により開始されると必ず、組み合わされたTAUを実行することができる。WTRUの挙動(つまり、組み合わされた登録を実行することに関する)は、第1の組み合わされた登録の手順が成功した後に予期される挙動に戻ることができる。
【0085】
別の実施形態によれば、WTRUは、タイマーT3443がタイムアウトする(つまり、このタイマーがタイムアウトになって組み合わされた登録がトリガされる)と、組み合わされた登録を実行することができる。これは、WTRUがconnectedまたはidleモードに入っている場合に行われうる。
【0086】
別の実施形態によれば、WTRUは、原因#39を受け取ると、タイマーT3442がタイムアウトになるか、またはTAU要求が送信されるまで、ESRを送信することができない。WTRUは、組み合わされたTAUの前にESRを送信することはできない。そのため、WTRUは、T3442のタイムアウトの後、組み合わされたTAUをトリガし、次いで、アップデートの結果に基づきESRおよび/または他の非EPSサービスを要求できるかどうかを決定することができる。さらに、タイマーT3442がディアクティベートされた場合(または値が「ディアクティベート」に設定されている場合)、次のTAUは組み合わされたTAUであってよい。これらの結果に基づき、WTRUは、ESR、または非EPSサービスに関係する他の手順を開始しうるかどうかを決定できる。
【0087】
別の実施形態によれば、EMMは、CSドメインが利用不可能であることについてSMSエンティティに(および/またはCSドメインが利用不可能であることの影響を受ける他のエンティティ)に通知することができる。そのため、影響を受けるエンティティは、組み合わされた登録が実行され成功するまで、SGインターフェースを必要とする手順を開始することはできない。さらに、EMMエンティティは、CSドメインが利用可能でないことについて知った場合、UL NAS TRANSPORT手順を開始することはできない。例えば、WTRUがIdleモードに入っているときにSMSメッセージを送信することを欲した場合、WTRUは、最初に、SR(サービス要求)手順を送信し、次いで、SMSメッセージをカプセル化したULNAS TRANSPORTを送信する。したがって、SR手順は、CSドメインが利用可能でないことについてEMM(ならびに/またはSMSおよび他のエンティティ)が知った場合に、SMSのせいで開始できない。
【0088】
この実施形態は、他のサービス(例えば、位置情報サービス)にも適用可能である。つまり、EMMは、MMEとネットワーク内のピアエンティティとの間のインターフェースが利用不可能になったことについてWTRU内の影響を受けるすべてのエンティティに通知することができる。注目しているインターフェースが復旧されるまでそのサービスにアクセスためにどのようなNAS手順もトリガされえない。例えば、 WTRUは、位置情報サービスに使用されるUPLINK RELIABLE TRANSPORTメッセージおよびUPLINK RELIABLE TRANSPORT RESPONSEメッセージを介して位置情報サービスに関係する情報を伝送するためにSRメッセージを送信することができない。さらに、CSFB手順などの手順は、位置情報サービスに関係する進行中の手順に比べて高い優先順位を有することができる。そのため、WTRUは、位置情報サービスの情報の進行中の伝送を無視し、保留中のCSFB要求を続行することを選択することができる。
【0089】
別の実施形態によれば、EMMエンティティは、CSドメインが現在利用可能であることについてMMエンティティに(および/またはCSドメインが利用不可能であることの影響を受ける他のエンティティ、例えばSMSなど)に通知することができる。この時点において、WTRUは、ESRを送信することを開始するか、またはUL NAS TRANPSPORT手順を開始することができる。
【0090】
別の実施形態によれば、MMEが、MSC/VLRからリセット指示を受信した場合、MMEは、すでに組み合わされた登録がなされているWTRUから、任意のタイプのTAU(つまり、WTRUによって設定されたアップデートタイプに関係なく)を受信したときにSGインターフェース上で位置アップデートを開始することができる。それに加えて、SG上の位置アップデートが成功した場合、MMEは、MMEによって設定されたアップデート結果タイプに関係なくTAUアクセプトメッセージ内に割り当てられたTMSIおよび/またはLAIを含めることができる。MMEは、アップデート結果タイプを、WTRUによって予期されるものと異なるものに設定することもできる。例えば、WTRUが定期的TAUを実行して成功した場合、これは、アップデート結果を「TAアップデート」に設定したMMEからのTAUアクセプトを予期する。
【0091】
MMEは、MMEがSGインターフェース上でMSC/VLRに向けて位置アップデートを開始した場合にアップデート結果を「組み合わされたTA/LAアップデート」に設定することができる。WTRUがTAUアクセプトを受信した場合、これは、アップデート結果タイプを使用してその組み合わされた登録のステータスについて知るか、またはLAI IEの存在(非存在)に基づきその組み合わされた登録についいて結論することができる。
【0092】
アップデート結果が「組み合わされたTA/LA」に設定された場合、WTRUはEPSおよび非EPSの両方のサービスに対して正常に登録されたと結論することができる。WTRUは、WTRUの組み合わされた登録がこれらのIEを含めた状態で成功したときに、そのMMステータスをU1アップデートに変更して、割り当てられているLAIを、また場合によってはTMSIをすでに説明されているように取り扱うことができる。TMSIがTAUアクセプトに含まれていない場合、WTRUの挙動は、新規TMSIが含まれない状態で登録が成功したときにすでに指定されている挙動と同じ挙動であってよい。
【0093】
別の実施形態によれば、アップデート結果が「TAアップデート」であり、TAUアクセプトがLAIを含む場合、WTRUは、その組み合わされた登録を成功したものとみなせる。WTRUは、WTRUの組み合わされた登録がこれらのIEを含めた状態で成功したときに、そのMMステータスをU1アップデートに変更して、割り当てられているLAIを、また場合によってはTMSIをすでに説明されているように取り扱うことができる。TMSIがTAUアクセプトに含まれていない場合、WTRUの挙動は、新規TMSIが含まれない状態で登録が成功したときにすでに指定されている挙動と同じ挙動であってよい。
【0094】
別の実施形態によれば、拒否原因にさらに多くの細目を入れて、CSドメインが利用不可能であることに対する問題の発生源(つまり、それが再起動したMMEであるか、またはMSC/VLRであるか)を指示することができる。新規の拒否原因を導入して、問題の原因を明示することができ、したがって、WTRUは特定のアクションを実行することができる。例えば、MMEが再起動したエンティティである場合、この情報をWTRUに送ることで、MMステータスではなくEUアップデートステータスを変更することができる。さらに、WTRUは、後で、組み合わされた登録を実行し、CSドメインにすでに登録されているためアップデートタイプを「TA/LAアップデート中」に設定することができる。
【0095】
別の実施形態によれば、タイマーT3442の値を使用して、問題の発生源を指示することができる。例えば、タイマーの値を「ディアクティベート」に設定することで、MMEが問題の発生源であることをWTRUに通知することができ、またWTRUは、組み合わされた登録を実行することができるタイマーの他の値も、このシナリオもしくは他のシナリオを信号により伝送するために使用することができる。例えば、他の値を使用して、MSC/VLRがCSドメインが利用不可能であることに対する原因であることを指示することができる。次いで、WTRUは、前の方で説明されているような挙動を示しうる。
【0096】
別の実施形態によれば、手順がCSFBでない場合に特定のドメインもしくはインターフェースが利用不可能であることについてWTRUに通知するために新規メッセージを定義することができる。例えば、WTRUは、MO SMSに対するUL NAS TRANSPORTメッセージを送信することができる。CSドメインが利用可能でない(またはSGインターフェースがMMEもしくはMSC/VLRのいずれかでエラーが発生したため機能していない)場合、新規メッセージを使用して問題についてWTRUに通知することができる。
【0097】
幾つかのIEの値に応じてすべてのインターフェースに対するそのような問題を信号により伝送するように新規の一般メッセージを定義することができる。例えば、SERVICE UNAVAILABLE NOTIFICATIONと称される新規NASメッセージは、ドメインもしくはインターフェースが利用不可能であることをWTRUに指示するために定義されうる。IE(例えば、通知タイプ)をこのメッセージ内に含めることができ、その値に応じて、CSドメイン(もしくはSGインターフェース)が利用不可能であることについて、またはMMEと位置情報サービスに対するノードなどのネットワークノードとの間でインターフェースが利用不可能であることについてWTRUに通知することができる。MMEは、特定のインターフェース上で転送を必要とするWTRUからのNASメッセージを受信したときにこのメッセージを送信することができる。WTRUによる受信の後、エラーについてトリガエンティティに通知することができ、(例えば、何らかの種類の登録またはネットワークからの通知によって)インターフェースが復旧するまで手順を再試行することはできない。さらに、WTRUが不成功の手順を再試行するか、または成功した場合には手順の開始を許すことができる登録を再試行することがいつ可能かを指示するためにタイマーを含めることができる。
【0098】
この手順を達成する別の方法では既存のNASメッセージを使用してその問題を指示することができる。例えば、EMM INFORMATIONを使用してこれを達成できる。EMMエンティティは、インターフェース内のエラーを指示する特定のメッセージが受信されたときに影響を受ける他のすべてのエンティティに通知することもできる。例えば、MMEがUL NAS TRANSPORTを受信したときにCSドメインが利用不可能であることについてWTRUに通知する場合、EMMは成功する組み合わされた登録が実行されるまでESRを開始できないようにMMエンティティに通知することができる。
【0099】
上記の実施形態のどれかにおいて、組み合わされた登録は、従来どおり指定されているタイプの組み合わされた登録のどれかの形をとりうる。例として、アタッチタイプが「EPS/IMSIアタッチ」に設定されている組み合わされたアタッチ、アップデートタイプが「組み合わされたTA/LAアップデート中」に設定されている組み合わされたTAU、またはアップデートが「IMSIアタッチとともに組み合わされたTA/LAアップデート中」に設定されている組み合わされたTAUが挙げられる。
【0100】
さらに、上記の実施形態は、EPSと非EPSの両方のサービスについて初めて登録するWTRUにも適用される。あるいは、この場合、WTRUは、非EPSサービスの登録不成功に対する通常の挙動にしか従えない(例えば、登録試行カウンタまたは類似のカウンタが最大値までインクリメントされ、その後、WTRUは他のアクションを実行できる)。それに加えて、各試行間に制限時間があるものとしてよい。これは、EPSと非EPSの両方のサービスについてすでに登録に成功しているWTRUにも適用され、後から、原因#39(CSドメインが一時的に利用可能でない)、または#16(MSCが一時的に到達可能でない)、または#18(CSドメインが利用可能でない)を含む拒否メッセージを受信する可能性がある。
【0101】
上記の実施形態および例のすべてが、CS RATが両方とも3GPPであるか、または非3GPPである場合に対して適用され、同じ実施形態および例が、非EPSサービス(CSFB、SMS、SSなど)について、MMEと非3GPPネットワーク、例えば、CDMA2000(1xRTT)との間に異なるインターフェースがある場合に対して適用される。上記の例は、組み合わせて使用することもできる。
【0102】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムにおいて発生しうる問題として、緊急呼に対してCSFBを実行するときに著しい遅延が生じうる点が挙げられる。
【0103】
図5Aは、WTRUが緊急呼を発したことに応答する手順500Aの流れ図である。この手順の幾つかのステップは省かれる。EPSおよび非EPSの両方のサービスに対してWTRUがアタッチされ、WTRUが緊急呼を発することを望んでいる場合、ステップ505で、WTRUはESRメッセージを送信することができる。WTRUは、WTRUによってサポートされているCSドメインタイプに応じてサービスタイプを「移動局発信CSフォールバック緊急呼」または「1xCSフォールバック緊急呼」に設定することができるターゲットRATにおいてPS HOがサポートされている場合、ステップ510で、WTRUは、CS緊急呼を引き続き発する前にPS HOを実行する。ステップ515で、CS緊急呼を発するためにCS呼確立手順を開始する。図5Aを見るとわかるように、CS呼は、PS HOが完了してからでないと開始できない。しかし、要求された呼は緊急呼であるため、遅延を最低レベルにまで短縮することが重要である。
【0104】
CSFBが遅延されうる別のシナリオは、WTRUが、接続することを許されていないCSG(限定加入者グループ)セルにサービスを要求したときに生じる。これは、例えば、WTRUの加入の有効期限が切れているが、WTRUは加入情報でまだアップデートされていない場合、またはWTRUがハイブリッドCSGセル上にあり、加入者に優先順位が与えられる場合に発生しうる。
【0105】
この場合、WTRUのESRは、原因コード#25で拒否されることがあり、WTRUの挙動は、これが制限モードに入るときに適当なセルを探さなければならないような挙動である。そのため、WTRUは、適当なセルを見つけた後、CSFBに対する手順をまた開始する必要がある。したがって、これは、CSFBがまだ処理されていないため遅延の原因となる。遅延を短縮することは、緊急呼によりCSFBがトリガされる場合に特に重要である。
【0106】
WTRUが、そのフィンガープリントに基づき、3G HNB/CSGセルの近くにあることを知った場合、測定ギャップを使用しUTRANにおけるシステム情報メッセージを読み取りCSG識別番号を取得するようにWTRUを構成することが可能な現在のサービングeNB(E−UTRAN)に、接近指示(proximity indication)を送る。UTRANシステム上のSIB(システム情報ブロック)を読み取るのに少し時間がかかるので、遅延を最低レベルに短縮するために解決方法が提案されており、これらの方法では、1)WTRUは、CS呼を発することができるレガシーRATにおいて利用可能な他のマクロセルが少なくとも1つあることを知っている場合に、CSFB要求を実行しているときに接近指示を送らない、2)ネットワーク側でレガシーRATの少なくとも1つのマクロセルに関して利用可能であることについて知っている場合に、WTRUは、その接近指示を送り、ネットワーク側では、HNBからシステム情報メッセージを読み取ることをWTRUに要求しない、または3)可能なシステム情報読み取りおよびアクセスチェックを回避するために、WTRUとネットワークの両方がターゲットRATにおけるHNBを最低優先順位を持つセルとみなす。
【0107】
一実施形態によれば、CSFB緊急呼に対する遅延は、PS HOを実行せず、WTRUをターゲットシステムにリダイレクトすることによって短縮することができる。緊急呼に対するCSFB手順に関係する遅延を短縮するために、LTEネットワーク側では、PS HOを(ターゲットネットワークはそれをサポートしているとしても)実行せず、WTRUをターゲットシステムにリダイレクトすることができる。これは、以下の実施形態において説明されているように、多くの異なる方法で達成されうる。
【0108】
図5Bは、緊急呼に対するCSFB手順の遅延を短縮するための手順500Bの流れ図を示している。ステップ530で、WTRUは、緊急呼に対するESRを送信する。ESRメッセージでは、「移動局発信CSフォールバック緊急呼」または「1xCSフォールバック緊急呼」に設定されたサービスタイプを持つことができる。それに応答して、MMEは、WTRUに対してPS HOを実行しない。その代わりに、MMEは、WTRUをCSドメインに直接的にリダイレクトするために、ステップ535においてWTRUコンテキスト修正要求をeNBに送信する。これは、ステップ540において、eNBがWTRUにネットワーク補助セル変更命令メッセージもしくはRRC接続解放メッセージのいずれかを送信することによって達成され、メッセージにはCSドメインに対するリダイレクション情報が含まれる。次いで、WTRUは、CSドメインへのアクセスを試み、最初に緊急サービスに対するCS呼の確立を続行する。
【0109】
WTRUは、PS HOが好ましいものでないことをMMEに指示することができる。これは、EPSベアラコンテキストステータスIEをESRに入れて、ディアクティベートされていることを指示するようにすべてのコンテキストについて値を設定することによって行うことができる。あるいは、WTRUは、PS HOが好ましいものでないことを指示するように新規IEを含めることができる。
【0110】
遅延が見られる他のシナリオとして、WTRUが加入の有効期限が切れたCSGセル上にある場合が挙げられる。この場合、ESRは、原因#25で拒否され、WTRUは、適当なセルを見つけて、ESRを再び送信する必要がある。そのようなシナリオにおけるCSFB遅延を短縮するために(ESRにおける要求タイプが移動局発信CSフォールバック緊急呼もしくは1xCSフォールバック緊急呼に設定されるようにすることによって識別される、通常のCS呼の、または緊急CS呼要求の)、以下の実施形態を呼設定遅延を短縮するための手段として使用することができる。
【0111】
一実施形態によれば、MMEはCSFB要求の例外的な場合に対し加入の有効期限を無視し、ESRを受け入れることができる。WTRUは、後で、例えばCSGセル上で後続のアクセス試行をしてから最新の加入情報でアップデートすることができる。そこで、拒否原因#25がCSFB関係の手順もしくは信号伝送に適用されえないことも提案する。
【0112】
別の実施形態によれば、WTRUは、CSFB手順を続ける際の起点となる別の許可された/適当なLTEセルにさらにハンドオーバされうる。この場合、ESRは拒否されず、WTRUはセル再選択を行わなくてよく、したがって潜在的遅延が回避される。次いで、ネットワークは、WTRUがLTE内ハンドオーバを完了したターゲットセルからESR手順を続ける。
【0113】
別の実施形態によれば、ネットワークは、ESR手順を条件付きで拒否する(か、または受け入れる)ことができる。つまり、ネットワーク側で、CSG加入の有効期限が切れていることをWTRUに指示しながらESR手順が実行されるのを許可することができる。これは、RRCもしくはNASの信号伝送もしくは組み合わせで達成されうる。例えば、ネットワークは、システム間変更メッセージ(例えば、mobilityFromEUTRACommand)を送信し、WTRUの加入の指示(例えば、有効期限切れ)を含むようにできる。そのため、WTRUは、CSFB手順を続けることができるが、与えられた指示を用いて許可されたCSGのリストをアップデートすることもできる。RRCメッセージング内で与えられた場合、RRCレイヤでは、NASに、許可されたCSGリストについて適切なアップデートが実行されるような指示を与えることができる。これは、例えば、特定の値がCSG呼について加入の有効期限切れを示す1ビットで行うことができる。それに加えて、MMEは、インターフェース(S1−APインターフェース)上でそのような指示を、そのような指示を使用してRRCメッセージに1ビット指示を入れることなどの幾つかのアクションを実行することができるeNBに送ることができる。
【0114】
WTRUおよびネットワークは、CSGセルであるターゲットセルへフォールバックすることに関係する潜在的遅延を短縮することができる。これを遂行するために、別の実施形態により、WTRUは、CSGがそこではサポートされていないためGERANを優先順位付けすることができる。そのようなものとして、WTRUによって実行される必要のある予備的アクセスチェックが自動的に回避される。
【0115】
WTRUは、UTRANのターゲットCSG、または他のシステムに近いことを指示する近接指示をeNBに送信することができない。そうすることによって、ネットワークは、ターゲットUTRAN CSGセル上で測定およびシステム情報の読み取りを行うようにWTRUをスケジュールすることをしなくなる。これを回避することで、WTRUおよびネットワークによるアクセスの適格性に関してUTRAN CSGセルを検証する必要がある場合に潜在的遅延をなくすことができる。WTRUは、他の隣接するRAT間マクロセルがあることを知っている場合にそのようなアクションを実行することができる。あるいは、WTRUが近接指示を送信して、CSGセルの近くにあることをネットワークに通知する場合であっても、ネットワークはこの指示に基づいて動作すべきでなく、したがって予備的CSGアクセスチェックを実行するためにWTRUがシステム情報メッセージを読み取りにゆくようにギャップをスケジュールすべきでないことが提案される。同様に、これは、他のUTRANマクロセルがWTRUの周辺にあることをネットワーク側で知っている場合に行うことができる。
【0116】
別の実施形態によれば、CSFBがネットワーク補助セル変更命令で、またはRRC接続を解放することによって実行される(リダイレクション情報とともにありうる)、少なくとも1つのターゲットセルのシステム情報がWTRUに送られる場合、以下を実行することができる。
【0117】
この場合、WTRUは、LAI(位置エリア識別番号)の変更を必要としないセルを優先順位付けすることができる(例えば、WTRUはLTEにおいて1つを有するものとしてよい)。これは、提供されたSIBまたはシステム情報から導出されうるそれぞれの潜在的ターゲットセルのLAIと突き合わせてWTRUが有するLAIをチェックすることによって行うことができる。さらに、WTRUは、CSGの加入が無効になることで発生する可能性のあるアクセス拒否を回避するために所望のLAI内のマクロセルに優先順位を与えることができる。これは、WTRUがそのリスト内に関連するCSG IDを有している場合であっても、またCSGセルまたは所望のLAIから外れているセルから受信される信号の電力および/または品質に関係なく、行うことができる。そのため、この場合に、そのセル選択規則を破ることができる。あるいは、最小の閾値があり、これを超えると、WTRUは、例えば、WTRU内にある、またはRRCもしくはNASメッセージを使用して信号により伝送される事前に構成された閾値を適用することができない。LTE上で与えられた、所望のLAIの範囲内にあるセルは、LAU(位置エリアアップデート)要求が出される可能性があるため遅延を回避しうる。
【0118】
WTRUが、弱いか、または特定の閾値より低い信号を、所望のLAIの範囲内のマクロセルから受信した場合、WTRUは、そのLAIの範囲内のCSGセルに優先順位を与えることができる。この優先順位付けは、CSGの許可の基準に基づく(CSG IDチェックに基づくか、またはシステム間変更時にWTRUに他の何らかの形で信号伝送される)。
【0119】
マクロセルがCSGセルに比べて高い優先順位を有している可能性のある異なるLAIに属すCSFBを利用して最終優先順位をセルに与えることができる。前の方で説明したCSFB優先順位付けに対する上記の例および実施形態は、任意の組み合わせで適用することができる。
【0120】
図6は位置エリアが変更されたときにWTRUがシステム間の変更を実行する場合の手順600の流れ図である。ステップ602で、MSC/VLRはページング要求をMMEに送信する(例えば、SGsAP−Paging−Requestメッセージ)。ステップ604で、MMEはeNBにページング要求を送信し、ステップ606で、eNBはページングメッセージをWTRUに送信する。ステップ608で、WTRUはESRメッセージをMMEに送信することによってページングメッセージに応答する。ステップ610で、MMEはWTRUコンテキスト修正要求を(CSFBインジケータとともに)WTRUに送信する。ステップ612で、WTRUはeNBに測定結果報告を送信する。
【0121】
WTRUが、場合によってはPS HOとともに、システム間変更を実行し、位置エリアが変更されたことを見いだした場合、ステップ615において、位置エリアアップデート手順が実行される。ステップ620で、WTRUによってMSCに向けてCS MO音声通話が開始される。図6からわかるように、位置エリアアップデート手順は、CS音声通話を実行できる前に実行される。
【0122】
この問題を回避するために、別の実施形態によれば、WTRUは、(CSFBを実行するときに必ずターゲットCSセル/RAT/システムにおいて)、その初期メッセージにおけるIMSI(例えば、MTの場合にはページング応答またはMOの場合にはCMサービス要求)を移動局発信および移動局着信の両方の場合に使用することができる。そのようなものとして、MSC/VLRが変更した場合であっても、CMサービス要求内のIMSIは、新規MSC/VLRにおいてWTRUを識別することができ、したがって、呼の設定前に位置アップデートは必要ない。
【0123】
別の実施形態によれば、CSFBが失敗したときにTAUがトリガされうる。図7はCSFBの失敗に応答してTAUがトリガされる場合の手順700の流れ図である。ステップ705で、WTRUは、CSFB手順が失敗したことを検出する。例えば、NASは、CSFB手順がTAU要求を送信することに失敗したというRRCからの指示を使用することができる。ステップ710で、WTRUは、CSFB手順の失敗に応答して、場合によってはタイプが組み合わされたTAUである、TAU要求を送信する。この手順により、WTRUはCSFB手順開始前に事前に有していたそのすべてのコンテキストによりLTEにおいて再開することができる。ステップ715で、MMEは、TAU要求を受信する。ステップ720で、MMEは、TAU要求を失敗の指示として使用し、別のCSFB要求を再度開始すること、または失敗例えば(SGSNまたはMSC/VLR)について他のネットワークノードに通知することなどの追加アクションを実行することができる。
【0124】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムにおいて発生しうる別の問題として、別のCFB対応WTRUに着信するCS呼に対してCSFBを実行するときに遅延が生じうる点が挙げられる。
【0125】
(EPSおよび非EPSサービスに対する)組み合わせアタッチされたWTRUが、CS音声通話を行うためにCSFB手順を始める可能性があり、これにより、被呼側はLTEのカバレッジ内にもある別のCSFB対応WTRUである。そのため、起呼側WTRU(WTRU 1と称する)と被呼側であるWTRU(WTRU 2と称する)との間で音声データを交換するために、2つのCSFB 手順を実行する必要があり、1つはMT(移動局着信)CSFB手順をトリガするMO(移動局発信)CSFB手順である。
【0126】
MO CSFBは、幾つかのオプションの手順を含む、CSFBを行うWTRU 1の要求に関連付けられている信号伝送を含み、例えば、PSハンドオーバは、WTRU 1およびネットワークがPSハンドオーバをサポートしている場合に実行されうる。また、CMサービス要求を受信するMSC/VLRが異なる場合、WTRU 1によるCMサービス要求は拒否され、WTRU 1は、CS呼を続ける前にLAUを実行することができる。この時点において、WTRU 1は、被呼側、WTRU 2のアドレスを含む、呼設定メッセージをMSC/VLRに送信することができる。
【0127】
MSC/VLRは、被呼側アドレスを検証し、WTRU 2に対するSG関連付けがある(つまり、MMEはLTEカバレッジ内のWTRU 2から組み合わされた登録を受信したためSGインターフェース上で非PS登録をトリガした)ことを確認する。したがって、MT CSFB手順は、WTRU 2に向けてトリガされる。しばらくの間、WTRU 2がまだLTEカバレッジ内にあるため、WTRU 1は待機している。CSドメイン上で音声データを交換できるのは、WTRU 2がシステム間変更を完了した後のみである。
【0128】
上で説明した信号伝送は、このシナリオに付随する遅延を引き起こし、WTRU 1の待機時間を長引かせる。この待機時間/遅延は、WTRU 2に対するCSFB手順が早めに、不要な遅延部分を減らして開始されれば短縮されうる。
【0129】
一実施形態によれば、CSFBからCSFBへの呼に対する遅延は、第2のCSFB発呼をより早く開始することによって短縮される。MT(移動局着信)CSFB手順をトリガするMO(移動局発信)CSFB要求については、遅延は、WTRU 2に対するCSFB手順が、WTRU 1がCSFB手順を完了する前に、通常より早めに開始された場合に短縮されうる。そのような手順を実行するために、WTRU 1がMO CSFB手順を実行しているときに(つまり、拡張サービス要求(ESR)をMMEに送信することによって)、WTRUは、ESRにおいて被呼側に関する必要な情報すべてを含むことができる。MMEは、ESRを受信した後に、このアドレッシング情報をMSC/VLRに転送することができる。MSC/VLRは、被呼側のアドレスをチェックして、MSC/VLRにSGインターフェースの関連付けがあるか、または被呼側が固定回線番号または緊急コールセンターであるかを確認する。
【0130】
被呼側が有効なSG関連付けを持つ別のWTRUである場合、MSC/VLRは、SGインターフェース上で、必要なメッセージ、SGsAP−Paging−Requestを送信することによってこのWTRUに対するMT CSFB手順を開始することができる。MSC/VLRは、呼が別のCSFB手順によってトリガされることをMMEに指示することができる。MMEは、この情報を使用して、MT CSFB手順をスピードアップすることができる必要なアクションを実行することができる。さらに、MMEは、MT CSFBが別のCSFB対応WTRUからのものであることをWTRUに通知することができる。WTRUは、この指示を使用して、手順、例えば、計測および報告送信の開始をスピードアップすることができる。この機能は、以下の実施形態のどれかを使用することによって達成されうる。
【0131】
別の実施形態では、WTRU 1がESRを送信することは、宛先を識別するために使用されうる必要な情報を含むことができる。例えば、呼設定メッセージの一部または全部を新規IEまたは新規コンテナの形でESRに含めることができる。あるいは、WTRU 1は、宛先がCSFB対応でないことを知っている場合にこの情報を含めないようにできる(例えば、宛先に固定回線番号または緊急コールセンターがある)。一部の国では、携帯電話加入者および固定電話加入者は、B番号列が固定電話加入者または携帯電話加入者を指しているかどうかを判定するために使用されうる明確に異なる番号列を持つ。
【0132】
別の実施形態では、この情報をSGインターフェース上でMMEからMSC/VLRに伝送するために、新規メッセージ(例えば、SGsAP−MO−CSFB−Indication)が必要になることがある。MMEは、ESRからすべてのアドレッシング情報を取り出して、それをこの新規メッセージ内に挿入することができ、このメッセージをSG上でMSC/VLRに送信する。あるいは、MMEは、このメッセージを、MO CSFB手順がトリガされており、MSC/VLRがCS音声通話についてWTRUを予期していることを知らせる指示として送信することができる。MSC/VLRは、この指示を使用して、統計(例えば、発呼失敗回数、設定時間など)をとることができる。MMEは、このメッセージを送信してからタイマーを起動することができる。
【0133】
別の実施形態では、このメッセージを受信した後のMSC/VLRは、宛先の被呼側がSG関連付けを持つ別のWTRUであるかどうかを検証することができる(これは、他のノード、例えば、HLRとの相互のやり取りを伴う可能性がある)。そうでない場合、MSC/VLRはさらなるアクションを実行することはありえない。MSC/VLRは、別のメッセージ(例えば、SGsAP−MO−CSFB−ACK)を送信することによってMMEからの指示の受信を確認応答することができる。MMEは、この確認応答を使用して、必要なアクションを実行する(例えば、起動した可能性のあるタイマーを停止する)ことができる。MSC/VLRが被呼側に対するSG関連付けを有する場合、MSC/VLRは、MMEへSGsAP−Paging−Requestをトリガすることができる。MSC/VLRは、MMEによって、例えば、1ビット位置をSGs−AP−Paging−Requestメッセージに含めることによって送信された前のメッセージに対する確認応答を含むものとしてよい。
【0134】
別の実施形態では、MMEは、次いで、受信した確認応答に基づきタイマーを停止することができる。それに加えて、MMEは、WTRUをページングするようにE−UTRANに要求することによって(idleモードに入っている場合)、またはCSサービス通知をWTRUに送信することによって(Connectedモードに入っている場合)、MT CSFB手順を開始することができる。いずれの場合も、MMEは、このCSFBが別のCSFB手順によってトリガされることを指示することができる。
【0135】
別の実施形態では、WTRU 1がCSFB手順を完了しており、CSドメインに入っている場合、MSC/VLRは、何らかの情報(例えば、呼び出し音)を送信することを開始し、発呼要求が処理されていることを指示することができる。MSC/VLRは、WTRU 2がCSFB手順が完了するのを待っているCSFB加入者であるかどうかに基づき読み出し呼び出し音または他の呼び出し進行中音を使用するかどうかを選択することができる。
【0136】
図8Aおよび8Bは、それぞれ、機能強化があるCSFB発呼に対する例示的なCSFB手順800Aと、機能強化がないCSFB発呼に対する例示的なCSFB手順800Bを示す図である。図8Aでは、WTRU 1は、CSFBについてESRを送信し(802)、測定報告を送り(804)、PS HOを開始し(806)、位置アップデートを実行し(808)、CS呼を設定する(810)ことによってCSFBコールバックを開始する。MSC/VLRは、SGインターフェース上でページングを開始する(812)。次いで、MMEは、MT CS音声通話についてWTRU 2に通知することができる(814)。その後、WTRU 2はそのシステム間変更を、WTRU 1が待機している間に開始する。WTRU 2は、CSFBを受け入れ(816)、測定報告を提供し(818)、PS HOを開始し(820)、位置アップデートを実行し(822)、ページングに応答する(824)。
【0137】
一実施形態によれば、WTRU 2がシステム間変更を開始している間にWTRU 1において生じる遅延は、図8Bの手順を使用して短縮されうる。図8Bを参照すると、WTRU 1は、CSFBに対するESRを送信することによってCSFBコールバックを開始し、被呼側(WTRU 2)のアドレスを含む(826)ことがわかる。MMEは、アドレッシング情報をMSC/VLRに転送し(828)、MSC/VLRは、SGインターフェース上でWTRU 2のページングを開始する(830)。832で、MMEは、MT CS音声通話についてWTRUに通知する。それと並行して、WTRU 1は、測定報告を提供し(804)、PS HOを開始し(806)、位置アップデートを実行し(808)、CS呼を設定する(810)。WTRU 2は、CSFBを受け入れ(816)、測定報告を提供し(818)、PS HOを開始し(820)、位置アップデートを実行し(822)、ページングに応答する(824)。図8Aのシナリオと対照的に、図8Bの手順は、CS音声交換のためのWTRU 1に対する待機時間を短縮する。
【0138】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムにおいて発生しうる別の問題として、MT呼がキャンセルされたときにWTRUがCSへフォールバックさせられる可能性があるという点が挙げられる。MT(移動局着信)CSFB要求は、起呼側によってキャンセルされる可能性も考えられる。この場合、MSC/VLRは、WTRU 1からCS呼に対する要求を受信し、MSC/VLRは、WTRU 2に向けてMT CSFB手順を開始し、次いで、MSC/VLRはWTRU 1による要求を受信してCS音声通話要求を中止する。そのため、MT CSFB手順が継続する場合、WTRU 2は、場合によってはPS HOを使って、GERAN/UTRANへのシステム間変更を実行することができるが、WTRU 1によって中止されている可能性があるのでCS呼を受信しえない。このシステム間変更は不要であり、回避すべきである。これは、PS HOがサポートされていない場合、またはサポートされていても、ターゲットシステムによって提供されるQoSがソースシステムとマッチしない場合に、サービスの低下を引き起こしうる。MSC/VLRは、SGsAP−Paging−RequestをSGインターフェース上でMMEに送信することによって、WTRUに対するMT CSFB手順を開始することができることに留意されたい。
【0139】
一実施形態によれば、システム間変更は、MT CSFBをトリガしたCSページングまたは発呼要求がキャンセルされたときにWTRUに対して回避される。MT CSFB発呼をトリガするCS呼要求がキャンセルされた場合、MT CSFB手順を通知されているとしても、被呼WTRU(CSFB対応であり、場合によってはLTEに入っていると仮定される)にシステム間変更を実行させることはできない。そうするために、図9に示されている手順を使用することができる。
【0140】
図9は、MT CSFBをトリガしたCS呼要求がキャンセルされたときのWTRUに対するシステム間の変更を回避するための手順900の流れ図である。ステップ905で、MSC/VLRは、WTRUに発せられたMT CSFB発呼を中止することを決定する。MSC/VLRは、MT CSFB発呼を中止する要求をWTRUから受信するので、MT CSFB発呼を中止することを決定することができる。あるいは、MSC/VLRは、MT CSFB発呼を確立するためにページングメッセージをWTRUに送信したときにタイマーを起動しており、WTRUから応答を受信する前にタイマーがタイムアウトになったときにMT CSFB発呼を中止することを決定することができる。
【0141】
ステップ908で、MSC/VLRは、CSFB手順を開始するページング手順がトリガされたかどうかを判定する。例えば、これは、SGsAP−Paging−Requestが送信されたかどうかを判定する。ページング要求が送信されていない場合、ステップ915で、MSC/VLRは、ページング要求(SGsAP−Paging−Request)手順を中止する。そうでない場合、ページング手順がトリガされている場合、ステップ910で、MSC/VLRは、中止メッセージ(例えば、SGsAP−MT−CSFB−Cancel)をMMEに送信して、MT CSFB発呼をキャンセルするようにMMEに要求する。MSC/VLRは、このメッセージを送信してからタイマーを起動することができる。
【0142】
ステップ920で、MMEは、MSC/VLRからキャンセルメッセージを受信する。その後、MMEは、注目しているWTRUに対するシステム間変更を中止するために幾つかのアクションを実行することができる。ステップ925で、WTRUがESRをすでに送信しているが(つまり、MT CSFBが受け入れられているが)、MMEはまだシステム間変更を実行していない場合、MMEは、例えば「CS呼中止」を示す新規の原因とともにサービス拒否を送信することができる。
【0143】
それに加えて、MMEは、場合によっては手順の一部であるSGSNなどの他のネットワークノードに中止要求を送信することができる。それに加えて、MMEは、中止メッセージ(例えば、SGsAP−MT−CSFB−Cancel)を受信したことを確認するためにMSC/VLRに確認応答を送信することができ、また要求の結果を示すためにステータスIEも備えることができる(例えば、「MT CSFBキャンセル成功」または「MT CSFBキャンセル失敗」)。
【0144】
ステップ930で、WTRUにシステム間変更を実行させた場合、MMEは、さらなるメッセージをMSCまたはWTRUに送信しえない。さらにアクションを実行しないことにより、MMEは、WTRUが他のRATにフォールバックするのを許す。あるいは、MMEは、MSC/VLRに確認応答を送信し、キャンセル要求が成功していないことを指示することができる。MSC/VLRは、この指示を使用して、さらなるアクションを実行する、例えば、起動したタイマーを停止することができる。
【0145】
原因「CS呼中止」を含むサービス拒否を受信した後、WTRUは、必要なアクションを実行することができる(例えば、EMMエンティティは、手順の中止についてMMエンティティに通知することができる)。WTRUは、LTEにおけるオペレーションを再開することができる。
【0146】
MMEがMT CS音声要求についてWTRUにまだ通知していなかった場合、MSC/VLRからキャンセル指示を受信した後、MMEは、初期要求を無視して、MT CS呼についてWTRUに通知しないものとしてよい。あるいは、MMEが、CSFB要求に対してWTRUをページングするようE−UTRANに要求した場合、MMEは、ページング手順を中止するようE−UTRANに要求することができる。E−UTRANは、要求の確認応答を行い、上で説明されているように成功したページングについてMMEに通知することができる。
【0147】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムにおいて発生しうる問題として、ConnectedモードでMT CSFBに対し未定義の挙動がありうるという点が挙げられる。
【0148】
ConnectedモードのWTRUは、MMEによって送信されるCSサービス通知を使用してMT CSFB要求について通知を受けることができる。WTRUは、ESRメッセージで応答する前にCSFBを受け入れるか、または拒否するため上位レイヤの入力を要求することができる。この応答は、EMM−IDLEとEMM−CONNECTEDの両方のモードにおいてESRメッセージ内のCSFB応答IEで指示されうる。これで識別される問題は、WTRUがConnectedモードに入っており、ファイルを能動的にダウンロードするが、ユーザは必ずしもWTRUの隣にいない可能性があるという点である。したがって、WTRUがCSサービス通知メッセージを受信し、呼を受け入れるか、または拒否する入力を上位レイヤに要求する場合、そのような入力は、ユーザがWTRUから離れている場合には与えられない可能性がある。したがって、予想される挙動は未定義である(例えば、ESRメッセージがネットワーク/MMEに送信される場合には未知であり、そうであれば、CSFB応答情報要素である)。さらに、PS HOがターゲットRATでサポートされていない可能性があり、またサービス障害が発生しうるため、WTRUがユーザに代わって決定を下し、呼を受け入れることは効率的でない。それと同時に、MMEにフィードバックを送ることで、VLRが呼を音声メッセージングセンターに転送するなど、他のアクションを実行することが妨げられうる。以下の実施形態は、この問題を解消するために、独立して、または組み合わせて使用することができる。
【0149】
別の実施形態によれば、WTRUおよびMMEの挙動は、ユーザ入力が要求されたが、ユーザ応答がない場合に、ConnectedモードでMT CSFBについて定義される。MMEは、CSサービス通知メッセージを送信した後、またはその時点において、タイマーを起動することができるタイマーは、そのシナリオに適しているみなされる値に設定することができる。例えば、この値を5秒に設定することができる。WTRUから応答(つまり、ESR)を受信する前にタイマーがタイムアウトになった場合、MMEは、MMEがWTRUと接続しているとしてもWTRUからいっさい応答を受信しなかったことを示すメッセージを(例えば、SG上で)MSC/VLRに送信することができる。新規メッセージを定義するか、またはSGプロトコルの既存のメッセージを新規の原因値とともに使用してシナリオを明確に識別することができる。MMEは、応答が受信されない場合、CSサービス通知をWTRUに再送することはできない。
【0150】
MSC/VLRは、MMEからそのような指示を受信した場合に幾つかのアクションを実行することができる。例えば、MSC/VLRは、ユーザ判定ユーザビジー手順、または到達不可能時呼転送手順(Call Forwarding on Not Reachable procedure)をトリガすることができる。
【0151】
CSサービス通知を(CLI(発呼回線識別)あり、またはなしで)受信した後、WTRUはタイマーを起動することができるタイマーが作動している間、ユーザ介入がなされなければ、WTRUは、タイマーのタイムアウト後に、ユーザ介入を受けなかったことを示すESRメッセージを送信することができる。WTRUは、ネットワークもしくはユーザ構成に基づき呼を受け入れるか、または拒否することを決定することができる。ユーザが呼を受け入れるか、または拒否した場合、WTRUは、タイマーを停止し、適切なユーザ選択(受け入れまたは拒否)とともにESRを送信することができる。
【0152】
あるいは、タイマーがタイムアウトになった後、ユーザは、呼を受け入れるか、または拒否するオプションを与えられず、そのため、その時点以降にESRを送信することはできない(および/またはWTRUはユーザ介入なしで上で説明されているようにESRを送信することができる)。しかし、ネットワーク側でMT CSFBを不成功であるとみなすか、または中止されているとみなした場合、ネットワーク側では、ユーザ介入が遅れたなどの理由により、WTRUから受信される可能性のあるESRを無視するか、または拒否することができる。そこで、MMEは、メッセージを無視することができる。
【0153】
あるいは、MMEは、ネットワークがCSFB手順を中止したことを示す新規拒否原因を含みうるサービス要求メッセージでESRを拒否することができる。ユーザ介入なしであってもWTRUがESRで(場合によっては上で提案されているように無応答に設定された新規タイプで)応答することができる場合について、WTRUはタイマーを起動せず、手順を正常に完了したとみなし、次いでEMM−REGISTERED.NORMAL状態に入ることができる。
【0154】
あるいは、CSサービス通知を受信したときにWTRUがタイマーを起動し(上で説明されているように)、ユーザから応答がなくタイマーが切れた場合、WTRUは、CSサービス通知を無視し、したがって、ESRを送信しえない。
【0155】
説明されている実施形態は、任意の組み合わせで使用することができ、ユーザ入力が要求されるか、または要求されない場合に適用されうる。さらに、説明されている実施形態は、呼を受け入れる/拒否する決定が下される前に呼についてユーザに通知することによって、WTRUがidleモードに入っている場合にidleモードに適用されうる。応答が受信されない場合、開示されている実施形態は、その場合にも適用されうる。
【0156】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムにおいて発生しうる別の問題として、CSFBとシステム内HOとの間に競合状態が存在しうるという点が挙げられる。LTEシステムが背景としてある場合、ほぼ同時にCSFBおよびLTE内HOイベントが生じて潜在的コンフリクトを引き起こす可能性がある。これが生じる可能性のあるシナリオが幾つかある。図10Aおよび10Bは、競合状態がCSFBとLTE内ハンドオーバとの間に発生しうる場合の想定される2つのシナリオ1000Aおよび1000Bの例の流れ図である。図10Aは、eNBが進行中のCSFB要求を認識しないシナリオを示しており、図10Bは、eNBが既存のCSFB要求を認識するシナリオを示している。
【0157】
図10Aは、eNBが進行中のCSFB要求を認識しない場合を説明している、図10Aに示されているように、WTRUは、測定報告とともにRRCメッセージをソースeNBに送信する(1002)。RRCメッセージに基づき、ソースeNBは、HOの決定を下し(1004)、(X2AP)HO要求をターゲットeNBに送信する(1006)。受付制御を実行した(1008)後、ターゲットeNBは、(X2AP)HO ACKをソースeNBに送信する(1010)。HOを別のeNB(LTE内ハンドオーバ)に対して実行するためにWTRUがソースeNBからRRC HOコマンドを受信する(1014)前に、WTRUはESRメッセージをMMEに送信し(1012)、CSFBを実行する。これにより、CSFB要求とLTE内ハンドオーバとの間に競合状態が生じる。
【0158】
ESRは、MMEからソースeNBへの、WTRUコンテキスト修正要求メッセージを(CSFBインジケータとともに)トリガし(1016)、次いで、ソースeNBからMMEへの、UEコンテキスト修正失敗メッセージを開始する(1018)。その時点において、ソースeNBは、WTRUがもはやその制御下にないため、システム間変更を(場合によってはPSハンドオーバで)開始することができない場合がある。この問題は、X2ベースのHOを仮定して説明されているけれども、S1ベースのHO、または他のタイプのHOに問題が生じる可能性がある。
【0159】
ソースeNBは、ターゲットeNBに、SNステータス転送メッセージを送信し(1020)、またUPデータ転送メッセージを送信する(1022)ことによって、HOに関する情報をターゲットeNBに送る。WTRUは、HOが完了した後、RRC HO完了メッセージをターゲットeNBに送信する(1024)。ターゲットeNBは、システム内HOの完了をMMEに通知するパス切り替え要求をMMEに送信し(1026)、MMEは、UPエンドマーカーパケットメッセージを送信する(1028)ことによってソースeNBに通知する。ソースeNBは、WTRUへのデータ転送を停止する(1030)。MMEは、パス切り替え要求ACKでターゲットeNBに応答し(1032)、ターゲットeNBは、ソースeNBにテキスト解放メッセージを送信する(1034)。
【0160】
図10Bは、eNBが所定のWTRUに対して進行中のCSFB要求があることを認識したときに発生する類似の問題を示している。WTRUは、CSFBを実行するために、ESRメッセージをMMEに送信する(1040)。ESRは、MMEからソースeNBへの、WTRUコンテキスト修正要求メッセージをCSFBインジケータとともにトリガし(1042)、次いで、ソースeNBからMMEへの、UEコンテキスト修正応答メッセージを開始する(1044)。ソースeNBは、RAT間測定を行うようにWTRUを構成する構成メッセージをWTRUに送信する(1046)。WTRUは、RRC LTE測定報告で(1048)、またRRC I−RAT測定報告で(1050)ソースeNBに応答する。
【0161】
ソースeNBは、LTE内HO決定を下し(1052)、ターゲットeNBに(X2AP)HO要求を送信する(1054)。ターゲットeNBは、受付制御を実行し(1056)、(X2AP)HO ACKでソースeNBに応答する(1058)。ソースeNBは、WTRUにHOコマンドを送信し(1060)、WTRUは、RRC HO完了メッセージをターゲットeNBに送信する(1062)。ターゲットeNBは、システム内HOの完了をMMEに通知するパス切り替え要求をMMEに送信し(1064)、MMEは、UPエンドマーカーパケットメッセージを送信する(1066)ことによってソースeNBに通知する。ソースeNBは、WTRUへのデータ転送を停止する(1068)。MMEは、パス切り替え要求ACKでターゲットeNBに応答し(1070)、ターゲットeNBは、ソースeNBにテキスト解放メッセージを送信する(1072)。
【0162】
図10Bに示されているシナリオでは、ソースeNBは、WTRUに対する進行中のCSFB要求があることを認識するとしても(CSFBインジケータとともにWTRUコンテキスト修正要求を受信しており、またWTRUコンテキスト修正応答で応答しているため)、WTRUから、測定イベント(1048)および報告(1050)に基づきLTE内ハンドオーバを実行することを決定することができる。これが起きなかった場合、ソースeNBは、UTRANへのシステム間変更を開始するためにハンドオーバ要求メッセージをMMEに送信したことになるであろう。
【0163】
図10Bに示されているシナリオでは、CSFBは、ソースeNB側で継続することはできず、そのことについてMMEは通知を受けない。MMEは、ハンドオーバが完了した後にターゲットeNBからMMEに送信されるターゲットeNBからのパス切り替え要求メッセージでシステム内HOを完了することについて通知を受けている(1064)。
【0164】
以下の実施形態では、CSFBとシステム内HOとの間の競合状態の問題を解消する。これらの実施形態は、両方のX2ベースのHO、S1ベースのHO、または他のHOシナリオに適用される。さらに、これらは、ソースeNBがCSFBに対する進行中の要求を認識しているか、または認識していないかのいずれの場合にも適用される。
【0165】
一実施形態では、ソースeNBは、ソースセル内で進行中のWTRUに対するCSFB要求についての、ターゲットeNBへの指示を含みうる。この効果は、ターゲットeNBがMMEからWTRUコンテキスト修正要求を受信することと同等であるターゲットeNBは、必要なCSFB関係の手順を開始し、WTRUにRAT間測定を請求するか、またはハンドオーバ要求メッセージをMMEに送信することができる。図10Aを再び参照すると、ソースからターゲットeNBへの指示がSNステータス転送に含まれ(1020)、S1APまたはX2APの両方のメッセージに含まれうることがわかる。ソースeNBは、ハンドオーバ要求メッセージなどの、ターゲットeNBに送信されるメッセージングにWTRUから収集された可能性のある測定報告を含めるものとしてよい(1006)。ターゲットeNBは、RAT間測定に対して再びWTRUを構成することなくこれらの測定結果を使用することができる。
【0166】
別の実施形態では、MMEは、MMEからターゲットeNBに送信されるパス切り替え要求ACKにCSFBインジケータを含めることができる。例えば、図10Aおよび10Bを再び参照すると、CSFBインジケータは、パス切り替え要求ACKにそれぞれ含まれうる(1032および1070)ことがわかる。そのようなものとして、ターゲットeNBは、RAT間測定を行うようにWTRUを構成するか、またはハンドオーバ要求メッセージをMMEに送信することなど、CSFB関係手順を直接開始することができる。
【0167】
別の実施形態によれば、ソースeNBは、ソースeNBがWTRUにコンテキスト修正応答メッセージを送信した後にCSFB要求についてすでに開始されている信号伝送がある場合に、システム内(LTE内)ハンドオーバを実行することを決定するとき、または実際に実行するときにMMEに通知することができる。ソースeNBは、例えば、「ハンドオーバ要求」メッセージなどのS1−APメッセージを使用して、MMEに通知することができる。そのようなものとして、MMEは、前もってコンテキスト修正要求メッセージを知り、ターゲットeNBに送信することができる。MMEは、LTE内またはCSFBハンドオーバが完了するまでパケットをバッファリングするために、SGWまたはPDN GWなどの他のノードに通知することができる。
【0168】
以下の実施形態では、CSFBを実現するためのMME−eNBの相互のやり取りを説明する。
【0169】
一実施形態では、MMEは、WTRUコンテキスト修正要求(例えば、S1APメッセージ)を、または特定のWTRUに対するCSFBを実行するために情報を提供することを目的して他のメッセージを送信することができる。この「CSFB情報」メッセージにより、MMEは、WTRUと通信しているeNBに、CSFBを実行する方法を通知することができるが、これはPS HO、ネットワーク補助セル変更命令、セル変更命令、またはリダイレクション情報によるRRC接続解放を介して遂行されうる。MMEは、WTRUと通信しているeNBに、潜在的なCSセルの少なくとも1つのSIBをWTRUに供給することができるかどうか、および/または新規IEをeNBに送信されるメッセージ内に入れてCSFBを実行する方法を通知することができる。
【0170】
CSFB情報メッセージを受信した後、eNBは、MMEからの情報に従ってCSFBを実行することができる。したがって、緊急呼に対するCSFBについて、MMEは、CSFBが高い優先順位を有することをCSFB情報メッセージでeNBに通知し、信号伝送される方法の1つを介してCSFBを実行することができる。図10Aおよび10Bを再び参照すると、MMEからeNBへのCSFB情報をWTRUコンテキスト修正要求メッセージにそれぞれ含める(1016および1042)か、またはMMEからeNBへの他のメッセージに含めることができることがわかる。
【0171】
あるいは、別の実施形態では、WTRUコンテキスト修正要求メッセージに含めることができる新規IEがない場合、WTRUコンテキスト修正要求メッセージ内のCSFBインジケータIEの高い優先順位値を、RRC接続解放(またはネットワーク補助セル変更もしくはセル変更命令)を介してCSFBを実行する指示として使用するか、またWTRUへのSIB(システム情報ブロック)の提供とともに使用することができる。したがって、CSFBインジケータIEがMMEによって「CSFB要求」に設定された場合、eNBは、PS HOでCSFBを実行することができる。他の場合には、「CSFBの高い優先順位」の値は、eNBがRRC接続解放(またはネットワーク補助セル変更もしくはセル変更命令)を介してCSFBを実行することを引き起こし、またWTRUへのSIB提供とともに使用されうる。
【0172】
MMEがWTRUまたはMSC/VLRから、進行中のCSFB手順をキャンセルする要求を受信した場合、MMEによるCSFB手順を中止するためのオプションがありうる。MMEがハンドオーバ要求メッセージを、(このメッセージのガードタイマーを開始した)eNBから受信した場合、MMEは、応答メッセージ(つまり、HOコマンド)をeNBに送信することができない。したがって、eNBでのタイマーは、最終的にタイムアウトになり、これにより、eNBは、CSFB手順を続行することを自律的に決定することができない。
【0173】
あるいは、MMEは、CSFB手順を中止することを知らせるための明示的なメッセージをeNBに送信することができる。これは、WTRUコンテキスト修正要求(図10Aおよび10Bのそれぞれにおける1016および1042)などの既存のメッセージで行うことができる。これらの場合において、MMEは、CSFB手順をキャンセルする要求の原因を指示するために新規IEを含めることができる。そのため、eNBは、このメッセージを受信すると、CSFB手順を中止することができる。eNBは、タイプESRに関係なく特定の方法でCSFBを実行するように構成されうる。この構成は、特定の期間に対して、またはMMEによる明示的な信号伝送を介して実行されうる。
【0174】
実施形態
1.WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)に対するシステム間変更を回避するための方法。
【0175】
2.WTRUへのMT(移動局着信)CSFB(回線交換フォールバック)を中止することを決定することを含む実施形態1に記載の方法。
【0176】
3.MT CSFB発呼を開始するページング要求が送信されたかどうかを判定することをさらに含む前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0177】
4.ページング要求が送信されたという条件の下で、MT CSFB発呼をキャンセルすることをMMEに要求する中止メッセージをMMEに送信することをさらに含む前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0178】
5.MT CSFB発呼を中止することを決定することはWTRUからMT CSFB発呼を中止する要求を受信することに基づく実施形態2〜4のいずれかに記載の方法。
【0179】
6.MT CSFB発呼を確立するWTRUへのページング要求が送信されたときにタイマーを起動することをさらに含む前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0180】
7.MT CSFB発呼を中止することを決定することはWTRUから応答を受信する前にタイマーがタイムアウトになることに基づく実施形態6に記載の方法。
【0181】
8.ページング要求はSGsAP−Paging−Requestメッセージであることをさらに含む実施形態3〜7のいずれかに記載の方法。
【0182】
9.ページング要求が送信されなかったという条件の下で、MT CSFB発呼を中止することをさらに含む実施形態3〜7のいずれかに記載の方法。
【0183】
10.VLR(ビジターロケーションレジスタ)によって実行される前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0184】
11.WTRUへのMT(移動局着信)CSFB(回線交換フォールバック)発呼をキャンセルすることを指示する中止メッセージをVLR(ビジターロケーションレジスタ)から受信することをさらに含む実施形態1に記載の方法。
【0185】
12.WTRUからの拡張サービス要求(ESR)がすでに受信されているという条件の下で、MT CSFB発呼が中止されることを指示するサービス拒否メッセージをWTRUに送信することをさらに含む実施形態11に記載の方法。
【0186】
13.WTRUにさらなるメッセージを送信しないことをさらに含む実施形態11〜12のいずれかに記載の方法。
【0187】
14.MSC(移動交換局)にMT CSFB発呼に関係するさらなるメッセージを送信しないことをさらに含む実施形態11〜13のいずれかに記載の方法。
【0188】
15.VLRに確認応答メッセージを送信することをさらに含む実施形態11〜14のいずれかに記載の方法。
【0189】
16.MT CSFB発呼がキャンセルされた結果を指示するステータス情報要素(IE)を確認応答メッセージに含めることをさらに含む実施形態15に記載の方法。
【0190】
17.他のネットワークノードに中止要求を送信することをさらに含む実施形態11〜16のいずれかに記載の方法。
【0191】
18.E−UTRAN(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)にページング手順を中止する要求を送信することをさらに含む実施形態11〜16のいずれかに記載の方法。
【0192】
19.モビリティ管理エンティティ(MME)によって実行される実施形態11〜18のいずれかに記載の方法。
【0193】
20.ワイヤレス通信において送信側エンティティと受信側エンティティとの間でベアラコンテキストを同期させる方法。
【0194】
21.送信側エンティティにおけるベアラコンテキストのステータスのアップデートを検出することをさらに含む実施形態20に記載の方法。
【0195】
22.受信側エンティティへの次の非アクセス層(NAS)メッセージにベアラコンテキストステータス情報要素(IE)を入れることをさらに含む実施形態20〜21のいずれかに記載の方法。
【0196】
23.ベアラコンテキストステータスIEは、ベアラコンテキストのステータスのアップデートに基づく実施形態22に記載の方法。
【0197】
24.受信側エンティティに次のNASメッセージを送信することをさらに含む実施形態20〜23のいずれかに記載の方法。
【0198】
25.ベアラコンテキストは、EPS(進化型パケットシステム)ベアラコンテキストである実施形態20〜24のいずれかに記載の方法。
【0199】
26.次のNASメッセージは、拡張サービス要求(ESR)メッセージである実施形態22〜25のいずれかに記載の方法。
【0200】
27.ベアラコンテキストのステータスは、ベアラコンテキストがアクティブであるか、または非アクティブであるかを示す実施形態21〜26のいずれかに記載の方法。
【0201】
28.送信側エンティティは、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)であり、受信側エンティティは、モビリティ管理エンティティ(MME)/ネットワークである実施形態20〜27のいずれかに記載の方法。
【0202】
29.送信側エンティティは、モビリティ管理エンティティ(MME)/ネットワークであり、受信側エンティティは、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)である実施形態20〜27のいずれかに記載の方法。
【0203】
特徴および要素が特定の組み合わせで上で説明されているけれども、当業者であれば、それぞれの特徴もしくは要素は単独で、または他の特徴および要素と組み合わせて使用できることを理解するであろう。それに加えて、本明細書で説明されている方法は、コンピュータまたはプロセッサにより実行できるようにコンピュータ可読媒体内に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにより実装されうる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子信号(有線で、またはワイヤレス接続で送信される)およびコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、限定はしないが、ROM(読み取り専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびDVD(デジタル多用途ディスク)などの光学媒体が挙げられる。ソフトウェアとの関連性を持つプロセッサは、WTRU、UE、端末、基地局、RNC、またはホストコンピュータにおいて使用するための無線周波トランシーバを実装するために使用できる。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2010年4月1日に出願した米国仮出願第61/320,027号明細書、2010年2月12日に出願した米国仮出願第61/303,761号明細書、2010年1月7日に出願した米国仮出願第61/293,084号明細書、2009年12月2日に出願した米国仮出願第61/265,917号明細書、および2009年10月30日に出願した米国仮出願第61/256,421号明細書の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信の分野における目標は、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)がサービスを中断することなくセッションの進行中に通信を発するか、または受信することを可能にするメカニズムを考案することであった。例えば、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)LTE(ロングタームエボリューション)のシナリオにおける目標は、WTRUが、E−UTRAN(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)のPS(パケット交換)ドメインに接続されている間に、CS(回線交換)サービスを発するか(つまり、発信)、もしくは受信する(つまり、着信)、またはその逆を行えるようにするメカニズムを考案することであった。CSサービスの例は、少なくともCS音声通話、SMS(ショートメッセージサービス)、位置情報サービス、または付加サービスなどのサービスを含むことができる。WTRUによる進行中のPSセッションにおけるCSセッションの開始は、CSFB(CSフォールバック)と称される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
CS(回線交換)およびPS(パケット交換)セッションをサポートするワイヤレス通信のためのリソースの効率的な信号伝送および使用を目的とする方法および装置を開示する。モビリティ管理エンティティ(MME)、VLR(ビジターロケーションレジスタ(Visitor Location Register))、および基地局(BS)を含む様々なワイヤレスネットワークエンティティ、ならびにネットワークと通信するWTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)の挙動は、PS(パケット交換)システムにCSFB(回線交換フォールバック)を実装することによって生じる問題に対処するために定義されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
VLRは、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)へのMT(移動局着信)CSFB発呼に対するCSFB手順を中止し、MMEに中止メッセージを送信する決定を下して、WTRUに対するシステム間の変更を回避することができる。MMEは、CS呼が中止されることを指示するサービス拒否メッセージをWTRUに送信し、キャンセルされた呼に関係する着信メッセージを無視することができる。ベアラコンテキストステータス情報を受信側エンティティに送信される非アクセス層(NAS)メッセージに含めることによって送信側エンティティと受信側エンティティとの間でベアラコンテキストを同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の詳細は、例示として添付図面と併せて以下の説明を読むとさらによく理解することができる。
【0006】
【図1A】1つまたは複数の開示されている実施形態が実装されうる例示的な通信システムのシステム図である。
【図1B】図1Aに例示されている通信システム内で使用されうる例示的なWTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)のシステム図である。
【図1C】図1Aに例示されている通信システム内で使用されうる例示的な無線アクセスネットワークおよび例示的なコアネットワークのシステム図である。
【図2】EPS(進化型パケットシステム)アップデート結果情報要素(IE)を含むTAU(トラッキングエリアアップデート)応答メッセージのブロック図である。
【図3】EPSベアラコンテキストステータスをNASメッセージに含めるための方法の流れ図である。
【図4A】MMEとMSC/VLRとの間にSGインターフェースがある場合のWTRUとMMEとの間の手順に対する流れ図である。
【図4B】CSドメインが利用不可能であることを通知された場合にWTRUによって実行される手順の流れ図である。
【図5A】WTRUが緊急呼を発したことに応答する手順の流れ図である。
【図5B】緊急呼に対するCSFB手順の遅延を短縮するための手順の流れ図である。
【図6】位置エリアが変更されたときにWTRUがシステム間の変更を実行する場合の手順の流れ図である。
【図7】CSFBの失敗に応答してTAUがトリガされる場合の手順の流れ図である。
【図8A】機能強化があるCSFB発呼に対する例示的なCSFB手順を示す図である。
【図8B】機能強化がないCSFB発呼に対する例示的なCSFB手順を示す図である。
【図9】MT CSFBをトリガしたCSがキャンセルされたときのWTRUに対するシステム間の変更を回避するための手順の流れ図である。
【図10A】競合状態がCSFBとLTE内ハンドオーバとの間に発生しうる場合の想定されるシナリオの例の流れ図である。
【図10B】競合状態がCSFBとLTE内ハンドオーバとの間に発生しうる場合の想定されるシナリオの例の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で説明されている教示は、CS(回線交換)またはPS(パケット交換)セッションをサポートすることができるアクセス技術に適用可能であるものとしてよい。例として、限定はしないが、LTE(ロングタームエボリューション)、WCDMA(広帯域符号分割多元接続)、GSM(Global System for Mobile communications)(登録商標)、GPRS(General Packet Radio Service)、EDGE(Enhanced Data rates for Global Evolution)、CDMA2000(符号分割多元接続)、802.11、802.16などのIEEE802技術、およびWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、UMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム)、または将来の技術が挙げられる。説明のため、LTEを背景として様々な実施形態について説明するが、これらの様々な実施形態は、CSおよび/またはPSセッションをサポートすることができる技術であればどのような技術を使用しても実装できる。
【0008】
図1Aは、1つまたは複数の開示されている実施形態が実装されうる例示的な通信システム100の図である。通信システム100は、音声、データ、動画像、メッセージング、放送などのコンテンツを複数のワイヤレスユーザに提供する多元接続システムであるものとしてよい。通信システム100は、ワイヤレス帯域を含む、システムリソースの共有を通じて複数のワイヤレスユーザがそのようなコンテンツにアクセスすることを可能にするものとしてよい。例えば、通信システム100は、CDMA(符号分割多元接続)、TDMA(時分割多元接続)、FDMA(周波数分割多元接続)、OFDMA(直交FDMA)、SC−FDMA(シングルキャリアFDMA)などの1つまたは複数のチャネルアクセス方法を使用することができる。
【0009】
図1Aに示されているように、通信システム100は、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)102a、102b、102c、102d、RAN(無線アクセスネットワーク)104、コアネットワーク106、PSTN(公衆交換電話網)108、インターネット110、および他のネットワーク112を含むものとしてよいが、開示されている実施形態では、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を企図していることが理解されよう。WTRU102a、102b、102c、102dのそれぞれは、ワイヤレス環境において動作し、および/または通信するように構成された任意の種類のデバイスとすることができる。例えば、WTRU102a、102b、102c、102dはワイヤレス信号を送信し、および/または受信するように構成することができ、UE(ユーザ装置)、移動局、固定または移動加入者ユニット、ポケベル、携帯電話、PDA(携帯情報端末)、スマートフォン、ラップトップ、ノートブック、パーソナルコンピュータ、ワイヤレスセンサ、家庭用電化製品などを含みうる。
【0010】
通信システム100は、基地局114aおよび基地局114bを備えることもできる。基地局114a、114bのそれぞれは、コアネットワーク106、インターネット110、および/またはネットワーク112などの、1つまたは複数の通信ネットワークへのアクセスが円滑に行われるようにWTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つのWTRUとワイヤレス方式でインターフェースする構成をとる任意の種類のデバイスとすることができる。例えば、基地局114a、114bは、BTS(トランシーバ基地局)、ノードB、eNodeB、ホームノードB、ホームeNodeB、サイトコントローラ、AP(アクセスポイント)、ワイヤレスルータなどとすることができる。基地局114a、114bは、それぞれ、単一要素として示されているが、基地局114a、114bは任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を備えることができることは理解されるであろう。
【0011】
基地局114aは、BSC(基地局制御装置)、RNC(無線ネットワークコントローラ)、中継ノードなどの、他の基地局および/またはネットワーク要素(図示せず)も備えることができる、RAN104の一部であってもよい。基地局114aおよび/または基地局114bは、セル(図示せず)とも称することができる、特定の地理的領域内でワイヤレス信号を送信し、および/または受信するように構成されうる。セルは、幾つかのセルセクタにさらに分割することができる。例えば、基地局114aに関連付けられているセルは、3つのセクタに分割することができる。そこで、一実施形態において、基地局114aは、3つのトランシーバ、つまり、セルのセクタ毎にトランシーバを1つずつ備えることができる。別の実施形態において、基地局114aは、MIMO(マルチ入力マルチ出力)技術を使用することができ、したがって、セルのそれぞれのセクタに対して複数のトランシーバを使用することができる。
【0012】
基地局114a、114bは、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数と、任意の好適なワイヤレス通信リンク(例えば、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光などの)であってよい、エアーインターフェース116を介して通信することができる。エアーインターフェース116は、任意の好適なRAT(無線アクセス技術)を使用して設置することができる。
【0013】
より具体的には、上記のように、通信システム100は多元接続システムとすることができ、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMAなどの1つまたは複数のチャネルアクセス方式を使用することができる。例えば、RAN104内の基地局114a、およびWTRU102a、102b、102cでは、WCDMA(広帯域CDMA)を使用してエアーインターフェース116を設置することができる、UMTS(ユニバーサルモバイル通信システム)UTRA(地上波無線アクセス)などの無線技術を実装することができる。WCDMAは、HSPA(高速パケットアクセス)および/またはHSPA+(進化型HSPA)などの通信プロトコルを備えることができる。HSPAは、HSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス)および/またはHSUPA(高速アップリンクパケットアクセス)を備えることができる。
【0014】
別の実施形態において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、LTE(ロングタームエボリューション)および/またはLTE−A(LTE-Advanced)を使用してエアーインターフェース116を設置することができる、E−UTRA(進化型UMTS地上無線アクセス)などの無線技術を実装することができる。
【0015】
他の実施形態において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、IEEE802.16(つまり、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV−DO、IS−2000(Interim Standard 2000)、IS−95(Interim Standard 95)、IS-856(Interim Standard 856)、GSM(Global System for Mobile communications)、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)、GERAN(GSM EDGE)などの無線技術を実装することができる。
【0016】
図1Aの基地局114bは、例えば、ワイヤレスルータ、ホームノードB、ホームeNodeB、またはアクセスポイントとすることができ、事業所、家庭、自動車、キャンパスなどの局在化されたエリア内でワイヤレス接続を円滑に行えるようにするために好適なRATを利用することができる。一実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、WLAN(ワイヤレスローカルエリアネットワーク)を設置するためにIEEE802.11などの無線技術を実装することができる。別の実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、WPAN(ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク)を設置するためにIEEE802.15などの無線技術を実装することができる。さらに別の実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、ピコセルまたはフェムトセルを設置するためにセルラベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE−Aなど)を利用することができる。図1Aに示されているように、基地局114bは、インターネット110との直接接続を有することができる。そうすると、基地局114bは、コアネットワーク106を介してインターネット110にアクセスする必要がなくなる。
【0017】
RAN104は、コアネットワーク106と通信しているものとしてよく、このコアネットワーク106は、音声、データ、アプリケーション、および/またはVoIP(ボイスオーバーインターネットプロトコル)サービスをWTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数のWTRUに提供するように構成された任意の種類のネットワークであってよい。例えば、コアネットワーク106は、呼制御、課金サービス、モバイル位置情報サービス、前払い制通話、インターネット接続性、映像配信などを提供し、および/またはユーザ認証などの高水準のセキュリティ機能を実施することができる。図1Aには示されていないけれども、RAN104および/またはコアネットワーク106は、RAN104と同じRAT、または異なるRATを使用する他のRANと直接的な、または間接的な通信を行うことができることが理解されよう。例えば、E−UTRA無線技術を使用している可能性のある、RAN104に接続されることに加えて、コアネットワーク106は、GSM無線技術を採用する別のRAN(図示せず)と通信していることもある。
【0018】
コアネットワーク106は、WTRU102a、102b、102c、102dがPSTN108、インターネット110、および/または他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとしても機能しうる。PSTN108は、基本電話サービス(POTS)を提供する回線交換電話網を含むものとしてよい。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコル群に含まれるTCP(伝送制御プロトコル)、UDP(ユーザデータグラムプロトコル)、およびIP(インターネットプロトコル)などの、共通通信プロトコルを使用する相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスの地球規模のシステムインを含むことができる。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有され、および/または運営される有線もしくはワイヤレス通信ネットワークを含むことができる。例えば、ネットワーク112は、RAN104と同じRAT、または異なるRATを使用することができる、1つまたは複数のRANに接続された別のコアネットワークを含むことができる。
【0019】
通信システム100内のWTRU102a、102b、102c、102dのうちの幾つか、またはすべてがマルチモード機能を備える、つまり、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なるワイヤレスリンク上で異なるワイヤレスネットワークと通信するための複数のトランシーバを備えることができる。例えば、図1Aに示されているWTRU102cは、セルラベースの無線技術を使用している可能性のある、基地局114aと、またIEEE802無線技術を使用している可能性のある、基地局114bと通信するように構成することができる。
【0020】
図1Bは、例示的なWTRU102のシステム図である。図1Bに示されているように、WTRU102は、プロセッサ118、トランシーバ120、送信/受信要素122、スピーカ/マイクロホン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、取り外し不可能なメモリ106、取り外し可能なメモリ132、電源134、GPS(全世界測位システム)チップセット136、および他の周辺機器138を備えることができる。WTRU102は、一実施形態との整合性を維持しながら前記の要素の部分的組み合わせを備えることができることが理解されよう。
【0021】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型のプロセッサ、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアとの関連性を持つ1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)回路、他の種類のIC(集積回路)、状態機械などとすることができる。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入出力処理、および/またはWTRU102がワイヤレス環境内で動作することを可能にする他の機能を実行することができる。プロセッサ118は、送信/受信要素122に結合されうる、トランシーバ120に結合することができる。図1Bは、プロセッサ118およびトランシーバ120を別々のコンポーネントとして表しているが、プロセッサ118およびトランシーバ120は、電子パッケージまたはチップ内に集積化してまとめることができることが理解されよう。
【0022】
送信/受信要素122は、エアーインターフェース116上で基地局(例えば、基地局114a)に信号を送信するか、または基地局(例えば、基地局114a)から信号を受信するように構成されうる。例えば、一実施形態において、送信/受信要素122は、RF信号を送信し、および/または受信するように構成されたアンテナとすることができる。別の実施形態において、送信/受信要素122は、例えば、IR、UV、または可視光信号を送信し、および/または受信するように構成された放射体/検出器とすることができる。さらに別の実施形態において、送信/受信要素122は、RF信号と光信号の両方を送信し、受信するように構成することができる。送信/受信要素122は、ワイヤレス信号の組み合わせを送信し、および/または受信するように構成することができることが理解されよう。
【0023】
それに加えて、図1Bでは送信/受信要素122は単一の要素として示されているけれども、WTRU102は、任意の数の送信/受信要素122を備えることができる。より具体的には、WTRU102は、MIMO技術を採用することができる。そのため、一実施形態において、WTRU102は、エアーインターフェース116上でワイヤレス信号を送信し受信するための2つまたはそれ以上の送信/受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を備えることができる。
【0024】
トランシーバ120は、送信器/受信要素122によって送信されるべき信号を変調し、送信/受信要素122によって受信された信号を復調するように構成されうる。上記のように、WTRU102は、マルチモード機能を有することができる。そのため、トランシーバ120は、例えば、UTRAおよびIEEE802.11などの複数のRATを介してWTRU102が通信することを可能にするための複数トランシーバを備えることができる。
【0025】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロホン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128(例えば、LCD(液晶ディスプレイ)表示ユニットまたはOLED(有機発光ダイオード)表示ユニット)に結合することができ、またそこからユーザ入力データを受け取ることができる。プロセッサ118は、ユーザデータをスピーカ/マイクロホン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128に出力することもできる。それに加えて、プロセッサ118は、取り外し不可能なメモリ106および/または取り外し可能なメモリ132などの、任意の種類の好適なメモリにある情報にアクセスし、データをそのようなメモリに格納することができる。取り外し不可能なメモリ106としては、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、ハードディスク、または他の種類のメモリストレージデバイスが挙げられる。取り外し可能なメモリ132としては、SIM(加入者識別モジュール)カード、メモリスティック、SD(セキュアデジタル)メモリカードなどが挙げられる。他の実施形態において、プロセッサ118は、サーバもしくはホームコンピュータ(図示せず)上など、WTRU102上に物理的に配置されていないメモリにある情報にアクセスし、データをそのようなメモリに格納することができる。
【0026】
プロセッサ118は、電源134から電力を受け取り、その電力をWTRU102内の他のコンポーネントに分配し、および/または制御するように構成されうる。電源134は、WTRU102に給電するための任意の好適なデバイスとすることができる。例えば、電源134としては、1つまたは複数の乾電池(例えば、ニッケルカドミウム(NiCd)電池、ニッケル亜鉛(NiZn)電池、ニッケル水素(NiMH)電池、リチウムイオン(Li−ion)など)、太陽電池、燃料電池などが挙げられる。
【0027】
プロセッサ118は、WTRU102の現在位置に関する位置情報(例えば、経度と緯度)を提供するように構成されうる、GPSチップセット136にも結合することができる。GPSチップセット136からの情報に加えて、またはその代わりに、WTRU102は、基地局(例えば、基地局114a、114b)からエアーインターフェース116上で位置情報を受信し、および/または2つもしくはそれ以上の付近の基地局から信号を受信するタイミングに基づきその位置を決定することができる。WTRU102は、一実施形態との整合性を維持しながら任意の好適な位置決定方法を用いて位置情報を取得することができることが理解されよう。
【0028】
プロセッサ118は、追加の特徴、機能、および/または有線もしくはワイヤレス接続性を提供する1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアモジュールを備えうる、他の周辺機器138にさらに結合することができる。例えば、周辺機器138としては、加速度計、電子コンパス、衛星トランシーバ、デジタルカメラ(写真または動画用)、USB(ユニバーサルシリアルバス)ポート、バイブレーションデバイス、テレビジョントランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、ブルートゥース(登録商標)モジュール、FM(周波数変調)ラジオユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザなどが挙げられる。
【0029】
図1Cは、一実施形態によるRAN104およびコアネットワーク106のシステム図である。上記のように、RAN104では、エアーインターフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信するためにE−UTRA無線技術を使用することができる。RAN104は、コアネットワーク106と通信することもできる。
【0030】
RAN104は、eNodeB140a、140b、140cを備えることができるが、RAN104は、一実施形態との整合性を維持しながら任意の数のeNodeBを備えることができることが理解されよう。eNodeB140a、140b、140cは、それぞれ、エアーインターフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数のトランシーバを備えることができる。一実施形態において、eNodeB140a、140b、140cは、MIMO技術を実装することができる。そのため、eNodeB140aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aにワイヤレス信号を送信し、WTRU102aからワイヤレス信号を受信することができる。
【0031】
eNodeB140a、140b、140cのそれぞれは、特定のセル(図示せず)に関連付けることができ、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、ならびにアップリンクおよび/またはダウンリンクにおけるユーザのスケジューリングなどを処理するように構成されうる。図1Cに示されているように、eNodeB140a、140b、140cは、X2インターフェース上で互いに通信することができる。
【0032】
図1Cに示されているコアネットワーク106は、モビリティ管理ゲートウェイ(MME)142、サービスゲートウェイ144、およびPDN(パケットデータネットワーク)ゲートウェイ146を含むものとしてよい。前記の要素のそれぞれは、コアネットワーク106の一部として示されているが、これらの要素のうちのどれか1つが、コアネットワーク事業者以外の事業体によって所有され、および/または運営されていてもよいことは理解されるであろう。
【0033】
MME142は、S1インターフェースを介してRAN104内のeNodeB142a、142b、142cのそれぞれに接続され、制御ノードとして使用されうる。例えば、MME142は、WTRU102a、102b、102cのユーザの認証、ベアラクティベーション/ディアクティベーション、WTRU102a、102b、102cの初期アタッチ時の特定のサービスゲートウェイの選択などを行う役割を有しているものとしてよい。MME142は、RAN104とGSMまたはWCDMAなどの他の無線技術を使用する他のRAN(図示せず)とを切り替えるための制御プレーン機能も備えることができる。
【0034】
サービスゲートウェイ144は、S1インターフェースを介してRAN104内のeNodeB140a、140b、140cのそれぞれに接続することができる。サービスゲートウェイ144は、一般に、WTRU102a、102b、102cとの間でユーザデータパケットの経路選択および転送を実行することができる。サービスゲートウェイ144は、eNodeB間ハンドオーバ時のユーザプレーンのアンカリング、WTRU102a、102b、102cに対してダウンリンクデータが利用可能になったときにページングをトリガすること、WTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理し格納することのような他の機能も実行することができる。
【0035】
サービスゲートウェイ144は、PDNゲートウェイ146にも接続することができ、これは、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信が円滑に行われるように、インターネット110などの、パケット交換ネットワークへのWTRU102a、102b、102cのアクセスを可能にする。
【0036】
コアネットワーク106は、他のネットワークとの通信を円滑に行えるようにすることができる。例えば、コアネットワーク106は、WTRU102a、102b、102cと従来の地上通信回線を使用する通信デバイスとの間の通信が円滑に行われるように、PSTN108などの、回路交換ネットワークへのWTRU102a、102b、102cのアクセスを可能にする。例えば、コアネットワーク106は、コアネットワーク106とPSTN108との間のインターフェースとして機能するIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を備えるか、またはそれと通信することができる。それに加えて、コアネットワーク106によって、WTRU102a、102b、102cは、他のサービスプロバイダによって所有され、および/または運営されている他の有線もしくはワイヤレスネットワークを含んでいる可能性のあるネットワーク112にアクセスすることが可能になる。
【0037】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムで生じる可能性のある問題として、保留のユーザデータがない場合にサービス要求(SR)手順によって無線ベアラが設定され、そのため、無線リソースをいたずらに浪費することになる可能性があるという点が挙げられる。LTEシステムを背景とする場合、EPS(進化型パケットシステム)は、E−UTRAN(進化型UTRAN)アクセスネットワークとEPC(進化型パケットコア)ネットワークとの組み合わせである。例えば、図1Cを参照すると、EPSは、RAN104とコアネットワーク106とを組み合わせたものであることがわかる。
【0038】
EPSは、すべてのIP型ネットワークであってよい。WTRUとコアネットワークエンティティ(つまり、図1CのMME142)との間の上位レイヤの信号伝送は、非アクセス層(NAS)レイヤとして認識されうる。NASレイヤでは、EPSが2つの新しいプロトコルエンティティ、つまり、EMM(EPSモビリティ管理)とESM(EPSセッション管理)を導入することができる。WTRUとMMEとの間の信号伝送の接続は、EMM接続と称される。WTRUは、ネットワークに登録されていてもEMM接続がない場合に、EMM−IDLEモードに入っている。同様に、WTRUは、(NAS)EMM接続が存在している場合にEMM−Connectedモードに入っている。EPSベアラコンテキストは、異なるQoS(サービス品質)を必要とする様々なサービスに対する要求がWTRUからあった場合にネットワークによって割り当てられるパラメータおよびネットワークリソースの集合体である。
【0039】
SR(サービス要求)手順の目的の1つは、アップリンクユーザデータもしくはシグナリングが送信されるときにEMMをEMM−IDLEからEMM−CONNECTEDに移行し、無線およびS1ベアラを確立することである。この手順の別の目的は、MO(移動局発信)/MT(移動局着信)CSFB(CS(回線交換)フォールバック)手順を呼び出すことである。SR手順は、そのトリガ(例えば、SMS(ショートメッセージサービス)またはユーザデータ)に関係なく、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)におけるすべてのアクティブなEPSベアラコンテキストに対して無線およびS1ベアラを確立させることができる。そのため、何らかのトリガメカニズムが信号伝送無線ベアラを必要とする場合であっても、MME(mobile management entity、移動管理エンティティ)は、WTRUがMMEによって受け入れられるSRを送信する場合にすべてのアクティブなEPSベアラコンテキストに対して無線およびS1ベアラを確立することができる。
【0040】
WTRUが無線およびS1ベアラの確立を要求する別の方法は、MMEに送信されるTAU(トラッキングエリアアップデート)要求内の1ビット位置(「アクティブフラグ」ビットと称する)をセットすることによるものである。これは、TAU手順がトリガされたときにユーザデータが保留になっている場合に生じうる。このビットをセットすることで、非アクセス層(NAS)の信号伝送の接続を維持することができ、すべてのアクティブなEPSコンテキストに対して無線およびS1ベアラを設定することができることがMMEに通知される。
【0041】
WTRUがSRメッセージを送信すると、タイマーT3417が起動する。次いで、このタイマーは、AS(アクセス層)がユーザプレーンに対するベアラの確立を指示した場合に正常に停止する(つまり、手順は正常に完了する)。しかし、WTRUは、SMSを送信/受信すること、位置サービス情報、または他の情報を送信もしくは受信することに対してNAS接続を確立する必要がある場合がある。これは、信号伝送無線ベアラで伝えられ、WTRUがSMSまたは他のユーザプレーンに関係しないサービスについてSRを送信したときにすべてのEPSベアラコンテキストに対して無線およびS1ベアラを確立する必要がない場合がある。この場合、リソースは無駄になり、回避することも困難であると思われる。
【0042】
第1の実施形態によれば、WTRUが進化型パケットシステム(EPS)接続管理モード(EMM)−IdleモードからEMM−Connectedモードに遷移するときに、サービスが要求された理由がユーザデータによるものである場合に無線リソースを設定することができる。この実施形態について、以下でさらに詳しく説明する。
【0043】
WTRUがEMM−IdleモードからEMM−Connectedモードに遷移するときに、無線およびS1ベアラは、そのサービスが要求された理由がユーザデータに関係している場合に設定され、関係していない場合には設定されえない。そのため、WTRUが、Idleモードに入っており、非EPSサービス(例えば、SMSまたは付加サービス(SS))、位置情報サービス、または測位サービスを要求している場合、サービス要求手順により、アクティブなEPSベアラに関係する無線およびS1ベアラは確立されない。これを達成する方法の1つでは、ユーザデータが保留になっている場合、またはSRに対する理由がSMS、SS、位置情報サービス、または他のユーザデータなどの保留ユーザデータに関係していない場合に異なる確立原因を利用する。
【0044】
それに加えて、WTRUは、EMM−ConnectedモードでSR手順を開始し、すべてのアクティブなEPSベアラコンテキストのために無線およびS1ベアラが必要であることを指示することができる。WTRUは、新しいタイプ、例えば「ユーザデータ保留」を指示するSRメッセージまたはESR(拡張SR)メッセージを送信することができる。次いで、ネットワーク側では、すべてのアクティブなEPSベアラコンテキストについて無線およびS1ベアラの設定を開始することができる。SRメッセージは、サービスタイプの情報要素(IE)を有していない場合があるため、新規IEをSR(またはESR)メッセージに入れて、WTRUのコンテキストに対して無線およびS1ベアラの確立をその後トリガすることができる保留ユーザデータステータスを指示するとよい。IEは、現在のSRが4オクテット長であるため条件付きの、もしくはオプションのIEであるものとしてよい。したがって、上に示されているようにSRメッセージを使用する場合、新規IEを含めることができる。そうでない場合、SRは、このIEを含めることができない(例えば、これが送信されIdleからConnectedモードに遷移した場合)。この実施形態は、ESRメッセージにも適用される。
【0045】
あるいは、WTRUは、Connectedモードで新規NASメッセージを送信し、すべてのアクティブなEPSベアラコンテキストのためにネットワーク側で無線およびS1ベアラを設定しなければならないことを指示することができる。
【0046】
上記のオプション(SR、ESR、または新規NASメッセージ)のいずれかについて、WTRUは、無線およびS1ベアラが設定される必要があるEPSベアラコンテキストを指定することができるか、またはネットワーク側ですべてのアクティブなEPSベアラコンテキストに対して無線およびS1ベアラを確立することができる。前者は、EPSベアラコンテキストステータスIE(または新規IE)を再利用して、手順がどのようなEPSベアラコンテキストに関っているかを示すことができる。
【0047】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムにおいて生じうる別の問題として、TAU(トラッキングエリアアップデート)手順の実行時にNAS信号伝送接続を維持することをWTRUに通知するための手段が欠如している可能性があるという点が挙げられる。
【0048】
WTRUを電源オンにすると、これは、「アタッチ」手順を実行することによってEPSドメイン内に登録することができる。WTRUがEPSにアタッチした後、TAU手順を使用してその位置についてMMEに通知しなければならない場合がある。TAU手順を実行するWTRUは、TAU要求メッセージ中の「アクティブフラグ」ビットと称される、1ビットをセットすることによって、実行すべき信号伝送がもっとあること、および/または保留中のユーザデータがあることをネットワーク側に指示することができる。WTRUによってそのビットがセットされた場合、ネットワーク側では、すべてのアクティブなEPSベアラコンテキストについて無線およびS1ベアラを確立することができる。しかし、TAU要求においてそのビットがセットされていない場合であっても実行すべきMT(移動局着信)信号伝送がもっとあることをネットワーク側でWTRUに指示するための現行メカニズムはない。そのため、MMEはそうすることができなくてもWTRUに送信しなければならないSMSまたは他の信号伝送を受信する可能性がある。
【0049】
一実施形態では、ネットワークは、TAU(トラッキングエリアアップデート)アクセプト信号伝送においてNASの信号伝送を維持するようWTRUに指示する。TAUの応答はアップデート結果とともにネットワークからWTRUに送信されうる。図2は、EPS(進化型パケットシステム)アップデート結果情報要素(IE)210を含むTAU(トラッキングエリアアップデート)応答メッセージ200のブロック図である。TAU応答メッセージ200は、第1のオクテット208および第2のオクテット210を含み、第2のオクテット210はEPSアップデート結果IE 210である。EPSアップデート結果IE 210は、IE識別子202、スペアビット204、およびEPSアップデート結果値206を含む。EPSアップデート結果値206は、そのアップデートの試みがトラッキングエリアのみに対して、またはトラッキングエリアと位置エリアの両方に対して成功したかどうかをWTRUに知らせることができる。メッセージ200のフィールドがビット位置ラベルとともに図示されており、例えば、スペアビット204はビット位置4にあるが、フィールドのどのような配置構成をも使用することができる。
【0050】
スペアビット204は、「ゼロ」に設定されうる。ネットワーク側では、NAS接続をさらなる保留信号伝送に対して維持できることをWTRUに指示することができる。例えば、TAU要求がMMEに送信されると、MT SMSもMMEに届くことがある。そこで、SMS転送に対してNAS信号伝送接続を保つために、MMEは、TAUアクセプトを送信し、スペアビット204を値「1」に設定する。受信した後、WTRUは、ネットワークがさらなる信号伝送を続けられる構成された期間にわたって、それぞれ、NAS信号伝送ならびにMMEおよびeNBとのRRC接続を維持する。WTRUは、ネットワークから信号伝送を受けることなく時間が経過した場合に接続を解放することができる。ネットワーク側では、維持されているNAS信号伝送接続を使用して、SMS、SS、位置情報、もしくは測位サービスに送信するか、またはESM手順をトリガすることができる(例えば、すべてのアクティブなEPSベアラコンテキストに対して無線およびS1ベアラを確立するための後にRRCメッセージが続きうる専用ベアラコンテキストのアクティベーション)。MMEは、維持されている信号伝送を使用して、MT CSFB要求に関してWTRUに通知することもできる。
【0051】
あるいは、WTRUは、eNBからRRC接続解放メッセージを受信する前に何らかのMT信号伝送を予想することができる。その場合、WTRUは、信号伝送をしかるべく処理して、これをエラーの場合としてみなさないようにできる。
【0052】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムにおいて発生しうる別の問題として、EPSベアラコンテキストの同期処理が、TAU手順の範囲内に制限されうるという点が挙げられる。EPSベアラコンテキストは、異なるサービス品質を必要とする様々なサービスに対する要求がWTRUからあった場合にネットワークによって割り当てられるパラメータおよびネットワークリソースの集合体である。一方のエンティティ(WTRUまたはMME/ネットワーク)においてアクティブなすべてのEPSベアラコンテキストには、他方のエンティティ(MME/ネットワークもしくはWTRU)においてそれと対になるアクティブなEPSベアラコンテキストがありうる。そのため、WTRUおよびネットワークは、EPSベアラコンテキストをできる限り同期するように維持することを試みる。幾つかの場合において、MMEでは、例えば、EPSベアラコンテキストは、しばらく使用されていなかったという理由により、局所的にディアクティベートされうる。MMEは、EPSベアラコンテキストステータスIEと称される情報要素(IE)をTAUアクセプトメッセージなどの幾つかの信号伝送メッセージ内に含めることによって最新のEPSベアラコンテキストステータスでWTRUを更新することができる。
【0053】
WTRUがこのIEを受信した後、WTRUではアクティブであるが、MMEによって非アクティブであると指示されている、すべてのEPSベアラコンテキストを局所的に(WTRUとMMEとの間のピアツーピア信号伝送なしで)ディアクティベートすることができる。WTRUがTAU要求などの幾つかのメッセージ内にIEを入れた場合についても同じことが言える。もしそうであれば、MMEは、ネットワーク側ではアクティブであるが、WTRUによって非アクティブであると指示されている、すべてのEPSベアラコンテキストを局所的に(MMEとWTRUとの間のピアツーピア信号伝送なしで)ディアクティベートすることができる。
【0054】
WTRUは、その定期的タイマーがタイムアウトしたときに定期的TAUを実行することができる。WTRUが、次のTAUが実行される前にコンテキストをディアクティベートしてしまっている場合、MME/ネットワークと同期をとる前にTAU開始を待たなければならないことがある。定期的TAUの開始前に他の要求が届く可能性もありうる(例えば、この手順を実行するとターゲットRATにおける対応するリソースの予約が行われるので最新のEPSベアラコンテキストステータスを使用することが重要であるCSFB)。そのため、現在はTAU信号伝送に制限されているため、同期プロセスは効率的でない。
【0055】
一実施形態では、EPSベアラコンテキストステータスIEを任意のNASメッセージに含めることができる。例えば、EPSベアラコンテキストステータスIEは、手順がTAU手順でない場合であっても、どれかの、またはすべてのNASメッセージに(例えば、サービス要求メッセージでは、可能でない場合を除き)含めることができる。したがって、コンテキストステータスのアップデートがあるたび毎に、WTRU/MME/ネットワークは、最新のコンテキストステータスを速やかに与えるために、ベアラコンテキストステータスIEを受信側に送信される次のNASメッセージ内に含めることができる。
【0056】
一実施形態によれば、WTRUは、拡張サービス要求(ESR)メッセージ内にIEを入れることができる。WTRUが、ESRメッセージを送信しEPSベアラコンテキストステータスIEを含むときに、Connectedモードに入っている場合、MMEはCS RATへのハンドオーバを実行するときに、例えばPS(パケット交換)HO(ハンドオーバ)を実行するか、またはターゲットRAT内のリソースを確立する際にコンテキストの含まれているステータスを考慮することができる。
【0057】
MME/ネットワークは、EPSベアラコンテキストステータスIEをすべてのメッセージに、それが拒否メッセージであっても、含めることができる。例えば、サービス拒否に、EPSベアラコンテキストステータスIEを含めることができ、WTRUは、そのようなメッセージでこのIEを受信するときにそのコンテキストをしかるべくアップデートすることができる。これは、connectedモードおよび/またはIdleモード、およびWTRUもしくはネットワークの両方に当てはまる。
【0058】
ベアラコンテキストステータスIEを受信した後、受信側エンティティ(WTRUもしくはMME/ネットワーク)は、受信側エンティティにおいてはアクティブであるが、送信側エンティティによって非アクティブであると指示されている、すべてのEPSベアラコンテキストを局所的に(WTRUとMMEとの間のピアツーピア信号伝送なしで)ディアクティベートする。
【0059】
図3は、EPSベアラコンテキストステータスをNASメッセージに含めるための方法の流れ図300である。ステップ305〜315は、送信側エンティティにおいて実行され、ステップ320〜325は、受信側エンティティにおいて実行され、送信側エンティティおよび受信側エンティティは、それぞれ、WTRU側およびネットワーク側にあるか、またはその逆であってもよい。ステップ305において、送信側エンティティは、送信側エンティティにおけるEPSベアラコンテキストのステータスのアップデートを検出する。ステップ310において、送信側エンティティは、ベアラコンテキストステータスのアップデートを反映する受信側エンティティへの次の非アクセス層(NAS)メッセージにEPSベアラコンテキストステータス情報要素(IE)を入れる。次のNASメッセージは、例えば、ESRメッセージであってよい。ステップ315において、送信側エンティティは、次のNASメッセージを受信側をエンティティに送信する。ステップ320において、受信側エンティティは、次のNASメッセージを受信する。ステップ325において、受信側エンティティは、受信側エンティティにおいてはアクティブであるが、EPSベアラコンテキストステータスIEにおける送信側エンティティによって非アクティブであると指示されている、すべてのEPSベアラコンテキストを局所的にディアクティベートする。
【0060】
CSドメインが一時的に利用不可能になった場合、CSおよびPSセッションをサポートしているワイヤレス通信システムに他の問題が生じることがある。LTEシステムを背景として、WTRUがE−UTRAN上のCS(または非EPS)サービス(つまり、MO/MT CS呼およびSMS)を取得できるようにCSFBの概念を導入した。移動交換局(MSC)/ビジターロケーションレジスタ(VLR)は、CS(回線交換)サービスを提供するためにスイッチと、2Gおよび3Gシステムに導入されたデータベースの組み合わせであり、MMEと同じ事業者のネットワーク内に配置される。CSFBは、SGインターフェースと称される、MMEとMSC/VLRとの間の新規インターフェースの導入によって有効にされた。
【0061】
WTRUが非EPSサービス(例えば、SMS)を取得できるように、E−UTRANドメインとCSドメインの両方において登録を実行することができ、これは組み合わせアタッチ手順と称される。この組み合わされた登録により、MMEおよびMSC/VLRにWTRUに対するSGの関連付けが行われる。そのようなものとして、SMSメッセージは、ネイティブのLTE NASメッセージを使用してMMEにLTE信号伝送で送信されうる。WTRUがMMEにおいてSGの関連付けを有している場合、後者はメッセージを検証することなくMSC/VLRに転送することができる。同様に、MT SMSについては、MMEは、SGインターフェースを介してMSC/VLRから要求を受信した後、メッセージをWTRUに転送することができる。
【0062】
同様に、E−UTRANにおいてWTRUに対するMT CS呼がある場合、MSC/VLRは、SGインターフェースを使用してMMEに向けたページングメッセージを作成することができる。次いで、後者は、MT呼に関してWTRUに通知することを試みることができる。WTRUは、以下のように、EPSおよび非EPSの登録結果に関係するアップデートステータスを維持することができる。
【0063】
WTRUは、ネットワークへの現在の登録のEPSステータスを維持することができ、EPSステータスは、EU1:UPDATED(最後のアタッチまたはTAUが成功したことを意味する)、EU2:NOT UPDATED(最後のアタッチ、SR(サービス要求)、またはTAUの試行が手順に関して失敗した、つまり、MMEから応答または拒否が受信されなかったことを意味する)、またはEU3:ROAMING NOT ALLOWED(最後のアタッチ、SR、またはTAUが正しく実行されたが、MMEからの応答が否定応答であった(ローミングまたは加入制限があるため)ことを意味する)のうちのいずれかとすることができる。
【0064】
WTRUは、ネットワーク(3G)への現在の登録のMM(モビリティ管理)ステータスを維持することができ、MMステータスは、U1:UPDATED(最後のLAU(位置エリアアップデート)が成功したことを意味する)、U2:NOT UPDATED(最後のLAUが手順に関して失敗したことを意味する(ネットワーク内に障害または輻輳が発生した場合を含めて、ネットワークから有意な応答を受信しなかった))、U3:ROAMING NOT ALLOWED(最後のLAUは正常に実行したが、ネットワークからの応答は否定応答であったことを意味する)、またはU4:UPDATING DISABLED(LAUが無効にされたことを意味する)のうちのいずれかとすることができる。
【0065】
MMステータスについて、SIM(加入者識別モジュール)/USIM(汎用加入者識別モジュール)は、有効なLAI(位置エリア識別番号)、TMSI(一時的移動局加入者識別番号)、GSM(Global System for Mobile communications)暗号鍵、UMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム)完全性鍵、UMTS暗号鍵、または暗号鍵シーケンス番号を含まない場合がある。互換性の理由により、これらのフィールドはすべて、ステータスがeCALL INACTIVEに設定された時点に「削除済み」値に設定されるものとしてよい。しかし、他の値の存在は、移動局側によってエラーとみなされないことがある。さらに、ME(移動局装置)が、128ビット暗号鍵を必要とするA5暗号化アルゴリズムをサポートし、USIMが使用中である場合、MEは、ステータスがeCALL INACTIVEに設定された時点に格納されたGSM Kc128を削除することができる。SIM/USIM上に格納されている「位置アップデートステータス」は「アップデートされない」場合がある。
【0066】
したがって、WTRUは、組み合わせた登録を実行しているときには必ずEPSと非EPSの両方のステータスを維持することができる。それに加えて、WTRUが組み合わされた登録(組み合わされたアタッチまたは組み合わされたTAU)を実行する場合には必ず、VLRは、TAUアクセプトメッセージに含まれる新規TMSIおよび(LAI)位置エリア識別番号をWTRUに提供することができる。WTRUは、これに提供されるLAIのリストに変更がなかった場合、ターゲットRAT(無線アクセス技術)に進んだときにTMSIを使用する。位置アップデートは、MMEがWTRUから幾つかのメッセージを受信したときにMMEとVLRとの間でトリガされる(例えば、組み合わされたTAU)。しかし、T3412によって管理される定期的TAUは、SGインターフェース上で位置アップデートを引き起こさない。
【0067】
CSドメインは、例えば、MMEがリセットし、そのため組み合わされ登録されたWTRUに対して有していたすべてのSGの関連付けを喪失した場合、一時的に利用不可能になる可能性もありうる。VLRがリセットし、次いで、すでに組み合わされ登録されていたWTRUに対するSG関連付けを喪失した場合にも同じことが生じうる。
【0068】
WTRUがサービス拒否メッセージ(例えば、原因「#39−CSドメインが一時的に利用不可能であった」)を受信した場合、以下のアクションが実行されうる。WTRUは、タイマー(例えば、タイマーT3442)を起動し、EPSアップデートステータスを「EU2 NOT UPDATED」に設定し、そのステータスを格納することができる。次いで、WTRUは、「EMM−REGISTERED. NORMAL−SERVICE state」に入ることができる。WTRUは、タイマーT3442がタイムアウトになるか、またはWTRUがTAU要求メッセージを送信するまで、移動局発信サービスに対する拡張サービス要求メッセージをネットワークに送信することを試みることはできない。サービス拒否メッセージに含まれるタイマーT3442は、秒から、分、または時までの範囲の値をとりうるか、またはディアクティベートされうる。
【0069】
前に説明したような、拒否原因#39を受信した後の既存のWTRUの挙動がある場合、WTRUは組み合わされた登録が遅延されたせいで非EPSサービスを受けない可能性がある。以下の問題を明示することができる。原因#39がVLRのリセットによるものである場合、MMEはまだ最新のWTRUのプロファイルおよびコンテキストを有しているので、EPSアップデートステータスを変更する必要はないものとしてよい。さらに、MMEは、WTRUが定期的TAUメッセージを送信したときにVLRに向かう位置アップデートを開始することができる。この場合、VLRは、順にそれに応じてTMSIおよび位置エリア識別番号を与えることができ、これは、通常は、TAUアクセプトメッセージに含まれる。しかし、WTRUは、定期的TAUメッセージを実行しているときにTAUアクセプトメッセージ内にこれらのIEがあることを期待しえない。そのため、WTRUの挙動は、定期的TAU手順においてこれらのIEを受信したときには未知の挙動である。その結果、組み合わされた登録は遅延され、非EPSサービスに関連付けられている遅延がありうる。この遅延は、図4Aでさらに説明される。
【0070】
図4Aは、MMEとMSC/VLRとの間にSGインターフェースがある場合に、「アタッチ」、「サービス要求」および「TAU(トラッキングエリアアップデート)」手順を含む、WTRUとMMEとの間の手順400Aに対する流れ図である。ステップ412、430、435、440、450、および460は、WTRUにおいて実行され、ステップ415は、MSC/VLRにおいて実行される。
【0071】
図4Aに示されているように、ステップ405で、WTRUは、組み合わされたアタッチメッセージをMMEに送信して、EPSと非EPSの両方のサービスに対する登録を行うことができる。ステップ410で、MMEは、アタッチアクセプトメッセージで応答し、ステップ412において、WTRUのEU(EPSアップデート)ステータスおよびMMステータスをEU1(UPDATED)およびU1(UPDATED)にそれぞれ設定することができる。WTRUは、CSFB、SS(付加サービス)、およびLCSサービスに使用することができるアタッチアクセプトメッセージの一部としてTMSIおよびLAI IEを割り当てられている可能性がある。
【0072】
ステップ415で、VLRは、MMEを再起動し、次いで、すべてのWTRUに対するすべてのSG関連付けの喪失についてMMEに通知することができる。CSドメインが一時的に利用不可能になった場合、これにより、WTRUにおけるMO CSFB要求が、MME 420に向かう拡張サービス要求(ESR)メッセージをトリガし、MMEは、サービス拒否メッセージ425で応答することができる。「ディアクティベート」またはN分に設定されているタイマーT3442も、サービス拒否メッセージに含めることができる。ステップ430で、WTRUは、そのEUステータスをNOT UPDATEDに変更し、MMステータスを修正せず(それに反するにもかかわらずUPDATEDに設定されている)、サービス拒否メッセージで指示されているようにタイマーT3442を起動することができるタイマーは、タイマーを起動できないことを暗示する、値「ディアクティベート」を有することもできる。
【0073】
ステップ435で、WTRUがEMM−Idleモードに入ると、WTRUは、その定期的TAUタイマー(T3412)作動を開始することができる。ステップ440で、タイマーT3412は、タイマーT3442の前にタイムアウトになる。その場合、そのタイマーがタイムアウトになると、WTRUがステップ445においてTAUメッセージを送信し、アップデートタイプを定期的アップデートに設定することにより、定期的TAU手順がトリガされうる。TAUメッセージを送信した後、ステップ450で、WTRUは、タイマーT3442(他にもタイマーがあるが特にこのタイマー)が作動している場合にこのタイマーを停止することができる。ステップ455で、MMEは、TAUアクセプトメッセージで応答し、ステップ460で、WTRUは、そのEUステータスをUPDATEDに設定することができる。
【0074】
MMEが、アップデートタイプを「定期的」に設定してTAUを受信したときにVLRに向かう位置アップデートを自律的に実行しない場合、MMステータスがU1(UPDATED)であるため、WTRUの組み合わされた登録は実行されず、WTRUはSGインターフェースに問題があることを知ることができない。標準的手順は存在しておらず、T3442がタイムアウトになったときにWTRUによって実行されるよう指定されたアクションもない。
【0075】
CSドメインが利用可能でない場合、他の手順が影響を受けることもありうる(例えば、UL(アップリンク)TRANSPORT NASメッセージを送信することによって実行されるMO SMS手順)。しかし、原因#39を受け取ったときの現在のWTRUの挙動において、WTRUは、組み合わされた登録が実行されるまでESRを試みないように指定される。しかし、これは、成功しない可能性のある他の手順(例えば、MO SMS)を停止しない。
【0076】
それに加えて、SGインターフェースがダウンし、WTRUがUL NAS TRANSPORTメッセージとともにSMSメッセージを送信しようとした場合、現在のところ、手順の成功もしくは失敗を指示するためにネットワークからメッセージが返されることはない。これは、MMEの挙動はNASヘッダを取り除くような挙動であり、カプセル化されたSMSメッセージをVLRに転送するからである。再送およびエラーは、SMSレイヤによって取り扱われる。そのようなものとして、SGに障害があるせいで宛先に届かないSMSメッセージをWTRUが送信した場合、WTRUのSMSエンティティは、問題を解決するため組み合わされた登録が必要になることがあるため、成功しなくても再送することができる。
【0077】
以下の実施形態では、SGインターフェースもしくはCSドメインが利用不可能である場合に生じる様々な状況に対処するため新規のWTRUおよびMMEの挙動を定義する。
【0078】
一実施形態は、図4Bに例示されている。図4Bは、CSドメインが利用不可能であることを通知された場合にWTRUによって実行される手順400Bの流れ図である。ステップ470において、WTRUは、CSドメインが利用不可能であるか、または一時的に利用不可能であることを通知される。例えば、WTRUが、サービスを受けるためMMEと交信しようとした場合、これは、「CSドメインが利用可能でない」または「CSドメインが一時的に利用可能でない」に相当する原因値とともにサービス拒否メッセージを受信するものとしてよい。
【0079】
ステップ472で、WTRUは、SGインターフェースの問題がMSC/VLRによるものであり、MMEによるものではないのかどうかを判定する。この判定は、MMEからの通知に基づく。原因値が「CSドメインは利用可能でない」である場合、これは、SGインターフェースに問題があり、MMEの接続が行えないことを意味する。原因値が「CSドメインは一時的に利用可能でない」である場合、SGインターフェースに問題はないが、MSC/VLRに問題があると思われる。
【0080】
問題がMSC/VLRによるものでない場合、ステップ474において、WTRUは、CSドメインへの登録が不成功であったことを指示するようにMM(モビリティ管理)アップデートステータスを変更する。例えば、WTRUは、そのMMアップデートステータスをU2:NOT UPDATEDに変更することができる。
【0081】
WTRUのEUステータスは、SGの問題がMSC/VLRによるものであり、MMEによるものでない場合には変更はなく(つまり、EU1:UPDATEDに設定されたままである)、ステップ476に進む。ステップ476で、TAUをトリガするイベントが次に発生したときに、またはすべてのTAU手順について、WTRUは、そのMMアップデートステータスをチェックすることができる。ステップ478で、WTRUが組み合わせて登録される場合(またはされない場合、前のTAIが非EPSサービスを有していないかどうかに依存する)、WTRUは、組み合わされた登録(例えば、組み合わされたTAU)手順を実行することができる。組み合わされた登録手順は、アップデートタイプを、シナリオに応じて、「IMSI(国際移動局加入者識別番号)アタッチと組み合わせたTA/LAアップデート」または「組み合わされたTA/LAアップデート」に設定することを伴う。
【0082】
別の実施形態によれば、CSドメインが利用不可能であることが、MSC/VLRに問題があることによる場合、WTRUは、割り当てられているTMSI(一時的移動局加入者識別番号)およびLAIを無効であるとみなすことができる。
【0083】
別の実施形態によれば、サービス拒否が、WTRUが緊急呼に対するESRを送信することによるものである場合、WTRUは、そのRATを緊急呼を発することができるCS RATに変更することができる。WTRUは、緊急目的でないMO(移動局発信)CS呼が要求された場合にCS RATに再選択することができる。これは、WTRUの動作モードに関係なく常に実行されるか、またはWTRUが、CSドメインが優先するか、またはWTRUが音声中心であるモードで動作している場合に実行されるものとしてよく、IP(インターネットプロトコル)IMS(マルチメディアサブシステム)音声通話(または他の形態のボイスオーバーIP)はサポートされていない。IMS音声通話が利用不可能であることは、IMSネットワークへの登録が不成功であったことも意味する。
【0084】
別の実施形態によれば、WTRUが原因#18「CSドメインが利用可能でない」を持つ拒否メッセージを受信した場合、WTRUは、TAU手順が何らかの理由により開始されると必ず、組み合わされたTAUを実行することができる。WTRUの挙動(つまり、組み合わされた登録を実行することに関する)は、第1の組み合わされた登録の手順が成功した後に予期される挙動に戻ることができる。
【0085】
別の実施形態によれば、WTRUは、タイマーT3443がタイムアウトする(つまり、このタイマーがタイムアウトになって組み合わされた登録がトリガされる)と、組み合わされた登録を実行することができる。これは、WTRUがconnectedまたはidleモードに入っている場合に行われうる。
【0086】
別の実施形態によれば、WTRUは、原因#39を受け取ると、タイマーT3442がタイムアウトになるか、またはTAU要求が送信されるまで、ESRを送信することができない。WTRUは、組み合わされたTAUの前にESRを送信することはできない。そのため、WTRUは、T3442のタイムアウトの後、組み合わされたTAUをトリガし、次いで、アップデートの結果に基づきESRおよび/または他の非EPSサービスを要求できるかどうかを決定することができる。さらに、タイマーT3442がディアクティベートされた場合(または値が「ディアクティベート」に設定されている場合)、次のTAUは組み合わされたTAUであってよい。これらの結果に基づき、WTRUは、ESR、または非EPSサービスに関係する他の手順を開始しうるかどうかを決定できる。
【0087】
別の実施形態によれば、EMMは、CSドメインが利用不可能であることについてSMSエンティティに(および/またはCSドメインが利用不可能であることの影響を受ける他のエンティティ)に通知することができる。そのため、影響を受けるエンティティは、組み合わされた登録が実行され成功するまで、SGインターフェースを必要とする手順を開始することはできない。さらに、EMMエンティティは、CSドメインが利用可能でないことについて知った場合、UL NAS TRANSPORT手順を開始することはできない。例えば、WTRUがIdleモードに入っているときにSMSメッセージを送信することを欲した場合、WTRUは、最初に、SR(サービス要求)手順を送信し、次いで、SMSメッセージをカプセル化したULNAS TRANSPORTを送信する。したがって、SR手順は、CSドメインが利用可能でないことについてEMM(ならびに/またはSMSおよび他のエンティティ)が知った場合に、SMSのせいで開始できない。
【0088】
この実施形態は、他のサービス(例えば、位置情報サービス)にも適用可能である。つまり、EMMは、MMEとネットワーク内のピアエンティティとの間のインターフェースが利用不可能になったことについてWTRU内の影響を受けるすべてのエンティティに通知することができる。注目しているインターフェースが復旧されるまでそのサービスにアクセスためにどのようなNAS手順もトリガされえない。例えば、 WTRUは、位置情報サービスに使用されるUPLINK RELIABLE TRANSPORTメッセージおよびUPLINK RELIABLE TRANSPORT RESPONSEメッセージを介して位置情報サービスに関係する情報を伝送するためにSRメッセージを送信することができない。さらに、CSFB手順などの手順は、位置情報サービスに関係する進行中の手順に比べて高い優先順位を有することができる。そのため、WTRUは、位置情報サービスの情報の進行中の伝送を無視し、保留中のCSFB要求を続行することを選択することができる。
【0089】
別の実施形態によれば、EMMエンティティは、CSドメインが現在利用可能であることについてMMエンティティに(および/またはCSドメインが利用不可能であることの影響を受ける他のエンティティ、例えばSMSなど)に通知することができる。この時点において、WTRUは、ESRを送信することを開始するか、またはUL NAS TRANPSPORT手順を開始することができる。
【0090】
別の実施形態によれば、MMEが、MSC/VLRからリセット指示を受信した場合、MMEは、すでに組み合わされた登録がなされているWTRUから、任意のタイプのTAU(つまり、WTRUによって設定されたアップデートタイプに関係なく)を受信したときにSGインターフェース上で位置アップデートを開始することができる。それに加えて、SG上の位置アップデートが成功した場合、MMEは、MMEによって設定されたアップデート結果タイプに関係なくTAUアクセプトメッセージ内に割り当てられたTMSIおよび/またはLAIを含めることができる。MMEは、アップデート結果タイプを、WTRUによって予期されるものと異なるものに設定することもできる。例えば、WTRUが定期的TAUを実行して成功した場合、これは、アップデート結果を「TAアップデート」に設定したMMEからのTAUアクセプトを予期する。
【0091】
MMEは、MMEがSGインターフェース上でMSC/VLRに向けて位置アップデートを開始した場合にアップデート結果を「組み合わされたTA/LAアップデート」に設定することができる。WTRUがTAUアクセプトを受信した場合、これは、アップデート結果タイプを使用してその組み合わされた登録のステータスについて知るか、またはLAI IEの存在(非存在)に基づきその組み合わされた登録についいて結論することができる。
【0092】
アップデート結果が「組み合わされたTA/LA」に設定された場合、WTRUはEPSおよび非EPSの両方のサービスに対して正常に登録されたと結論することができる。WTRUは、WTRUの組み合わされた登録がこれらのIEを含めた状態で成功したときに、そのMMステータスをU1アップデートに変更して、割り当てられているLAIを、また場合によってはTMSIをすでに説明されているように取り扱うことができる。TMSIがTAUアクセプトに含まれていない場合、WTRUの挙動は、新規TMSIが含まれない状態で登録が成功したときにすでに指定されている挙動と同じ挙動であってよい。
【0093】
別の実施形態によれば、アップデート結果が「TAアップデート」であり、TAUアクセプトがLAIを含む場合、WTRUは、その組み合わされた登録を成功したものとみなせる。WTRUは、WTRUの組み合わされた登録がこれらのIEを含めた状態で成功したときに、そのMMステータスをU1アップデートに変更して、割り当てられているLAIを、また場合によってはTMSIをすでに説明されているように取り扱うことができる。TMSIがTAUアクセプトに含まれていない場合、WTRUの挙動は、新規TMSIが含まれない状態で登録が成功したときにすでに指定されている挙動と同じ挙動であってよい。
【0094】
別の実施形態によれば、拒否原因にさらに多くの細目を入れて、CSドメインが利用不可能であることに対する問題の発生源(つまり、それが再起動したMMEであるか、またはMSC/VLRであるか)を指示することができる。新規の拒否原因を導入して、問題の原因を明示することができ、したがって、WTRUは特定のアクションを実行することができる。例えば、MMEが再起動したエンティティである場合、この情報をWTRUに送ることで、MMステータスではなくEUアップデートステータスを変更することができる。さらに、WTRUは、後で、組み合わされた登録を実行し、CSドメインにすでに登録されているためアップデートタイプを「TA/LAアップデート中」に設定することができる。
【0095】
別の実施形態によれば、タイマーT3442の値を使用して、問題の発生源を指示することができる。例えば、タイマーの値を「ディアクティベート」に設定することで、MMEが問題の発生源であることをWTRUに通知することができ、またWTRUは、組み合わされた登録を実行することができるタイマーの他の値も、このシナリオもしくは他のシナリオを信号により伝送するために使用することができる。例えば、他の値を使用して、MSC/VLRがCSドメインが利用不可能であることに対する原因であることを指示することができる。次いで、WTRUは、前の方で説明されているような挙動を示しうる。
【0096】
別の実施形態によれば、手順がCSFBでない場合に特定のドメインもしくはインターフェースが利用不可能であることについてWTRUに通知するために新規メッセージを定義することができる。例えば、WTRUは、MO SMSに対するUL NAS TRANSPORTメッセージを送信することができる。CSドメインが利用可能でない(またはSGインターフェースがMMEもしくはMSC/VLRのいずれかでエラーが発生したため機能していない)場合、新規メッセージを使用して問題についてWTRUに通知することができる。
【0097】
幾つかのIEの値に応じてすべてのインターフェースに対するそのような問題を信号により伝送するように新規の一般メッセージを定義することができる。例えば、SERVICE UNAVAILABLE NOTIFICATIONと称される新規NASメッセージは、ドメインもしくはインターフェースが利用不可能であることをWTRUに指示するために定義されうる。IE(例えば、通知タイプ)をこのメッセージ内に含めることができ、その値に応じて、CSドメイン(もしくはSGインターフェース)が利用不可能であることについて、またはMMEと位置情報サービスに対するノードなどのネットワークノードとの間でインターフェースが利用不可能であることについてWTRUに通知することができる。MMEは、特定のインターフェース上で転送を必要とするWTRUからのNASメッセージを受信したときにこのメッセージを送信することができる。WTRUによる受信の後、エラーについてトリガエンティティに通知することができ、(例えば、何らかの種類の登録またはネットワークからの通知によって)インターフェースが復旧するまで手順を再試行することはできない。さらに、WTRUが不成功の手順を再試行するか、または成功した場合には手順の開始を許すことができる登録を再試行することがいつ可能かを指示するためにタイマーを含めることができる。
【0098】
この手順を達成する別の方法では既存のNASメッセージを使用してその問題を指示することができる。例えば、EMM INFORMATIONを使用してこれを達成できる。EMMエンティティは、インターフェース内のエラーを指示する特定のメッセージが受信されたときに影響を受ける他のすべてのエンティティに通知することもできる。例えば、MMEがUL NAS TRANSPORTを受信したときにCSドメインが利用不可能であることについてWTRUに通知する場合、EMMは成功する組み合わされた登録が実行されるまでESRを開始できないようにMMエンティティに通知することができる。
【0099】
上記の実施形態のどれかにおいて、組み合わされた登録は、従来どおり指定されているタイプの組み合わされた登録のどれかの形をとりうる。例として、アタッチタイプが「EPS/IMSIアタッチ」に設定されている組み合わされたアタッチ、アップデートタイプが「組み合わされたTA/LAアップデート中」に設定されている組み合わされたTAU、またはアップデートが「IMSIアタッチとともに組み合わされたTA/LAアップデート中」に設定されている組み合わされたTAUが挙げられる。
【0100】
さらに、上記の実施形態は、EPSと非EPSの両方のサービスについて初めて登録するWTRUにも適用される。あるいは、この場合、WTRUは、非EPSサービスの登録不成功に対する通常の挙動にしか従えない(例えば、登録試行カウンタまたは類似のカウンタが最大値までインクリメントされ、その後、WTRUは他のアクションを実行できる)。それに加えて、各試行間に制限時間があるものとしてよい。これは、EPSと非EPSの両方のサービスについてすでに登録に成功しているWTRUにも適用され、後から、原因#39(CSドメインが一時的に利用可能でない)、または#16(MSCが一時的に到達可能でない)、または#18(CSドメインが利用可能でない)を含む拒否メッセージを受信する可能性がある。
【0101】
上記の実施形態および例のすべてが、CS RATが両方とも3GPPであるか、または非3GPPである場合に対して適用され、同じ実施形態および例が、非EPSサービス(CSFB、SMS、SSなど)について、MMEと非3GPPネットワーク、例えば、CDMA2000(1xRTT)との間に異なるインターフェースがある場合に対して適用される。上記の例は、組み合わせて使用することもできる。
【0102】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムにおいて発生しうる問題として、緊急呼に対してCSFBを実行するときに著しい遅延が生じうる点が挙げられる。
【0103】
図5Aは、WTRUが緊急呼を発したことに応答する手順500Aの流れ図である。この手順の幾つかのステップは省かれる。EPSおよび非EPSの両方のサービスに対してWTRUがアタッチされ、WTRUが緊急呼を発することを望んでいる場合、ステップ505で、WTRUはESRメッセージを送信することができる。WTRUは、WTRUによってサポートされているCSドメインタイプに応じてサービスタイプを「移動局発信CSフォールバック緊急呼」または「1xCSフォールバック緊急呼」に設定することができるターゲットRATにおいてPS HOがサポートされている場合、ステップ510で、WTRUは、CS緊急呼を引き続き発する前にPS HOを実行する。ステップ515で、CS緊急呼を発するためにCS呼確立手順を開始する。図5Aを見るとわかるように、CS呼は、PS HOが完了してからでないと開始できない。しかし、要求された呼は緊急呼であるため、遅延を最低レベルにまで短縮することが重要である。
【0104】
CSFBが遅延されうる別のシナリオは、WTRUが、接続することを許されていないCSG(限定加入者グループ)セルにサービスを要求したときに生じる。これは、例えば、WTRUの加入の有効期限が切れているが、WTRUは加入情報でまだアップデートされていない場合、またはWTRUがハイブリッドCSGセル上にあり、加入者に優先順位が与えられる場合に発生しうる。
【0105】
この場合、WTRUのESRは、原因コード#25で拒否されることがあり、WTRUの挙動は、これが制限モードに入るときに適当なセルを探さなければならないような挙動である。そのため、WTRUは、適当なセルを見つけた後、CSFBに対する手順をまた開始する必要がある。したがって、これは、CSFBがまだ処理されていないため遅延の原因となる。遅延を短縮することは、緊急呼によりCSFBがトリガされる場合に特に重要である。
【0106】
WTRUが、そのフィンガープリントに基づき、3G HNB/CSGセルの近くにあることを知った場合、測定ギャップを使用しUTRANにおけるシステム情報メッセージを読み取りCSG識別番号を取得するようにWTRUを構成することが可能な現在のサービングeNB(E−UTRAN)に、接近指示(proximity indication)を送る。UTRANシステム上のSIB(システム情報ブロック)を読み取るのに少し時間がかかるので、遅延を最低レベルに短縮するために解決方法が提案されており、これらの方法では、1)WTRUは、CS呼を発することができるレガシーRATにおいて利用可能な他のマクロセルが少なくとも1つあることを知っている場合に、CSFB要求を実行しているときに接近指示を送らない、2)ネットワーク側でレガシーRATの少なくとも1つのマクロセルに関して利用可能であることについて知っている場合に、WTRUは、その接近指示を送り、ネットワーク側では、HNBからシステム情報メッセージを読み取ることをWTRUに要求しない、または3)可能なシステム情報読み取りおよびアクセスチェックを回避するために、WTRUとネットワークの両方がターゲットRATにおけるHNBを最低優先順位を持つセルとみなす。
【0107】
一実施形態によれば、CSFB緊急呼に対する遅延は、PS HOを実行せず、WTRUをターゲットシステムにリダイレクトすることによって短縮することができる。緊急呼に対するCSFB手順に関係する遅延を短縮するために、LTEネットワーク側では、PS HOを(ターゲットネットワークはそれをサポートしているとしても)実行せず、WTRUをターゲットシステムにリダイレクトすることができる。これは、以下の実施形態において説明されているように、多くの異なる方法で達成されうる。
【0108】
図5Bは、緊急呼に対するCSFB手順の遅延を短縮するための手順500Bの流れ図を示している。ステップ530で、WTRUは、緊急呼に対するESRを送信する。ESRメッセージでは、「移動局発信CSフォールバック緊急呼」または「1xCSフォールバック緊急呼」に設定されたサービスタイプを持つことができる。それに応答して、MMEは、WTRUに対してPS HOを実行しない。その代わりに、MMEは、WTRUをCSドメインに直接的にリダイレクトするために、ステップ535においてWTRUコンテキスト修正要求をeNBに送信する。これは、ステップ540において、eNBがWTRUにネットワーク補助セル変更命令メッセージもしくはRRC接続解放メッセージのいずれかを送信することによって達成され、メッセージにはCSドメインに対するリダイレクション情報が含まれる。次いで、WTRUは、CSドメインへのアクセスを試み、最初に緊急サービスに対するCS呼の確立を続行する。
【0109】
WTRUは、PS HOが好ましいものでないことをMMEに指示することができる。これは、EPSベアラコンテキストステータスIEをESRに入れて、ディアクティベートされていることを指示するようにすべてのコンテキストについて値を設定することによって行うことができる。あるいは、WTRUは、PS HOが好ましいものでないことを指示するように新規IEを含めることができる。
【0110】
遅延が見られる他のシナリオとして、WTRUが加入の有効期限が切れたCSGセル上にある場合が挙げられる。この場合、ESRは、原因#25で拒否され、WTRUは、適当なセルを見つけて、ESRを再び送信する必要がある。そのようなシナリオにおけるCSFB遅延を短縮するために(ESRにおける要求タイプが移動局発信CSフォールバック緊急呼もしくは1xCSフォールバック緊急呼に設定されるようにすることによって識別される、通常のCS呼の、または緊急CS呼要求の)、以下の実施形態を呼設定遅延を短縮するための手段として使用することができる。
【0111】
一実施形態によれば、MMEはCSFB要求の例外的な場合に対し加入の有効期限を無視し、ESRを受け入れることができる。WTRUは、後で、例えばCSGセル上で後続のアクセス試行をしてから最新の加入情報でアップデートすることができる。そこで、拒否原因#25がCSFB関係の手順もしくは信号伝送に適用されえないことも提案する。
【0112】
別の実施形態によれば、WTRUは、CSFB手順を続ける際の起点となる別の許可された/適当なLTEセルにさらにハンドオーバされうる。この場合、ESRは拒否されず、WTRUはセル再選択を行わなくてよく、したがって潜在的遅延が回避される。次いで、ネットワークは、WTRUがLTE内ハンドオーバを完了したターゲットセルからESR手順を続ける。
【0113】
別の実施形態によれば、ネットワークは、ESR手順を条件付きで拒否する(か、または受け入れる)ことができる。つまり、ネットワーク側で、CSG加入の有効期限が切れていることをWTRUに指示しながらESR手順が実行されるのを許可することができる。これは、RRCもしくはNASの信号伝送もしくは組み合わせで達成されうる。例えば、ネットワークは、システム間変更メッセージ(例えば、mobilityFromEUTRACommand)を送信し、WTRUの加入の指示(例えば、有効期限切れ)を含むようにできる。そのため、WTRUは、CSFB手順を続けることができるが、与えられた指示を用いて許可されたCSGのリストをアップデートすることもできる。RRCメッセージング内で与えられた場合、RRCレイヤでは、NASに、許可されたCSGリストについて適切なアップデートが実行されるような指示を与えることができる。これは、例えば、特定の値がCSG呼について加入の有効期限切れを示す1ビットで行うことができる。それに加えて、MMEは、インターフェース(S1−APインターフェース)上でそのような指示を、そのような指示を使用してRRCメッセージに1ビット指示を入れることなどの幾つかのアクションを実行することができるeNBに送ることができる。
【0114】
WTRUおよびネットワークは、CSGセルであるターゲットセルへフォールバックすることに関係する潜在的遅延を短縮することができる。これを遂行するために、別の実施形態により、WTRUは、CSGがそこではサポートされていないためGERANを優先順位付けすることができる。そのようなものとして、WTRUによって実行される必要のある予備的アクセスチェックが自動的に回避される。
【0115】
WTRUは、UTRANのターゲットCSG、または他のシステムに近いことを指示する近接指示をeNBに送信することができない。そうすることによって、ネットワークは、ターゲットUTRAN CSGセル上で測定およびシステム情報の読み取りを行うようにWTRUをスケジュールすることをしなくなる。これを回避することで、WTRUおよびネットワークによるアクセスの適格性に関してUTRAN CSGセルを検証する必要がある場合に潜在的遅延をなくすことができる。WTRUは、他の隣接するRAT間マクロセルがあることを知っている場合にそのようなアクションを実行することができる。あるいは、WTRUが近接指示を送信して、CSGセルの近くにあることをネットワークに通知する場合であっても、ネットワークはこの指示に基づいて動作すべきでなく、したがって予備的CSGアクセスチェックを実行するためにWTRUがシステム情報メッセージを読み取りにゆくようにギャップをスケジュールすべきでないことが提案される。同様に、これは、他のUTRANマクロセルがWTRUの周辺にあることをネットワーク側で知っている場合に行うことができる。
【0116】
別の実施形態によれば、CSFBがネットワーク補助セル変更命令で、またはRRC接続を解放することによって実行される(リダイレクション情報とともにありうる)、少なくとも1つのターゲットセルのシステム情報がWTRUに送られる場合、以下を実行することができる。
【0117】
この場合、WTRUは、LAI(位置エリア識別番号)の変更を必要としないセルを優先順位付けすることができる(例えば、WTRUはLTEにおいて1つを有するものとしてよい)。これは、提供されたSIBまたはシステム情報から導出されうるそれぞれの潜在的ターゲットセルのLAIと突き合わせてWTRUが有するLAIをチェックすることによって行うことができる。さらに、WTRUは、CSGの加入が無効になることで発生する可能性のあるアクセス拒否を回避するために所望のLAI内のマクロセルに優先順位を与えることができる。これは、WTRUがそのリスト内に関連するCSG IDを有している場合であっても、またCSGセルまたは所望のLAIから外れているセルから受信される信号の電力および/または品質に関係なく、行うことができる。そのため、この場合に、そのセル選択規則を破ることができる。あるいは、最小の閾値があり、これを超えると、WTRUは、例えば、WTRU内にある、またはRRCもしくはNASメッセージを使用して信号により伝送される事前に構成された閾値を適用することができない。LTE上で与えられた、所望のLAIの範囲内にあるセルは、LAU(位置エリアアップデート)要求が出される可能性があるため遅延を回避しうる。
【0118】
WTRUが、弱いか、または特定の閾値より低い信号を、所望のLAIの範囲内のマクロセルから受信した場合、WTRUは、そのLAIの範囲内のCSGセルに優先順位を与えることができる。この優先順位付けは、CSGの許可の基準に基づく(CSG IDチェックに基づくか、またはシステム間変更時にWTRUに他の何らかの形で信号伝送される)。
【0119】
マクロセルがCSGセルに比べて高い優先順位を有している可能性のある異なるLAIに属すCSFBを利用して最終優先順位をセルに与えることができる。前の方で説明したCSFB優先順位付けに対する上記の例および実施形態は、任意の組み合わせで適用することができる。
【0120】
図6は位置エリアが変更されたときにWTRUがシステム間の変更を実行する場合の手順600の流れ図である。ステップ602で、MSC/VLRはページング要求をMMEに送信する(例えば、SGsAP−Paging−Requestメッセージ)。ステップ604で、MMEはeNBにページング要求を送信し、ステップ606で、eNBはページングメッセージをWTRUに送信する。ステップ608で、WTRUはESRメッセージをMMEに送信することによってページングメッセージに応答する。ステップ610で、MMEはWTRUコンテキスト修正要求を(CSFBインジケータとともに)WTRUに送信する。ステップ612で、WTRUはeNBに測定結果報告を送信する。
【0121】
WTRUが、場合によってはPS HOとともに、システム間変更を実行し、位置エリアが変更されたことを見いだした場合、ステップ615において、位置エリアアップデート手順が実行される。ステップ620で、WTRUによってMSCに向けてCS MO音声通話が開始される。図6からわかるように、位置エリアアップデート手順は、CS音声通話を実行できる前に実行される。
【0122】
この問題を回避するために、別の実施形態によれば、WTRUは、(CSFBを実行するときに必ずターゲットCSセル/RAT/システムにおいて)、その初期メッセージにおけるIMSI(例えば、MTの場合にはページング応答またはMOの場合にはCMサービス要求)を移動局発信および移動局着信の両方の場合に使用することができる。そのようなものとして、MSC/VLRが変更した場合であっても、CMサービス要求内のIMSIは、新規MSC/VLRにおいてWTRUを識別することができ、したがって、呼の設定前に位置アップデートは必要ない。
【0123】
別の実施形態によれば、CSFBが失敗したときにTAUがトリガされうる。図7はCSFBの失敗に応答してTAUがトリガされる場合の手順700の流れ図である。ステップ705で、WTRUは、CSFB手順が失敗したことを検出する。例えば、NASは、CSFB手順がTAU要求を送信することに失敗したというRRCからの指示を使用することができる。ステップ710で、WTRUは、CSFB手順の失敗に応答して、場合によってはタイプが組み合わされたTAUである、TAU要求を送信する。この手順により、WTRUはCSFB手順開始前に事前に有していたそのすべてのコンテキストによりLTEにおいて再開することができる。ステップ715で、MMEは、TAU要求を受信する。ステップ720で、MMEは、TAU要求を失敗の指示として使用し、別のCSFB要求を再度開始すること、または失敗例えば(SGSNまたはMSC/VLR)について他のネットワークノードに通知することなどの追加アクションを実行することができる。
【0124】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムにおいて発生しうる別の問題として、別のCFB対応WTRUに着信するCS呼に対してCSFBを実行するときに遅延が生じうる点が挙げられる。
【0125】
(EPSおよび非EPSサービスに対する)組み合わせアタッチされたWTRUが、CS音声通話を行うためにCSFB手順を始める可能性があり、これにより、被呼側はLTEのカバレッジ内にもある別のCSFB対応WTRUである。そのため、起呼側WTRU(WTRU 1と称する)と被呼側であるWTRU(WTRU 2と称する)との間で音声データを交換するために、2つのCSFB 手順を実行する必要があり、1つはMT(移動局着信)CSFB手順をトリガするMO(移動局発信)CSFB手順である。
【0126】
MO CSFBは、幾つかのオプションの手順を含む、CSFBを行うWTRU 1の要求に関連付けられている信号伝送を含み、例えば、PSハンドオーバは、WTRU 1およびネットワークがPSハンドオーバをサポートしている場合に実行されうる。また、CMサービス要求を受信するMSC/VLRが異なる場合、WTRU 1によるCMサービス要求は拒否され、WTRU 1は、CS呼を続ける前にLAUを実行することができる。この時点において、WTRU 1は、被呼側、WTRU 2のアドレスを含む、呼設定メッセージをMSC/VLRに送信することができる。
【0127】
MSC/VLRは、被呼側アドレスを検証し、WTRU 2に対するSG関連付けがある(つまり、MMEはLTEカバレッジ内のWTRU 2から組み合わされた登録を受信したためSGインターフェース上で非PS登録をトリガした)ことを確認する。したがって、MT CSFB手順は、WTRU 2に向けてトリガされる。しばらくの間、WTRU 2がまだLTEカバレッジ内にあるため、WTRU 1は待機している。CSドメイン上で音声データを交換できるのは、WTRU 2がシステム間変更を完了した後のみである。
【0128】
上で説明した信号伝送は、このシナリオに付随する遅延を引き起こし、WTRU 1の待機時間を長引かせる。この待機時間/遅延は、WTRU 2に対するCSFB手順が早めに、不要な遅延部分を減らして開始されれば短縮されうる。
【0129】
一実施形態によれば、CSFBからCSFBへの呼に対する遅延は、第2のCSFB発呼をより早く開始することによって短縮される。MT(移動局着信)CSFB手順をトリガするMO(移動局発信)CSFB要求については、遅延は、WTRU 2に対するCSFB手順が、WTRU 1がCSFB手順を完了する前に、通常より早めに開始された場合に短縮されうる。そのような手順を実行するために、WTRU 1がMO CSFB手順を実行しているときに(つまり、拡張サービス要求(ESR)をMMEに送信することによって)、WTRUは、ESRにおいて被呼側に関する必要な情報すべてを含むことができる。MMEは、ESRを受信した後に、このアドレッシング情報をMSC/VLRに転送することができる。MSC/VLRは、被呼側のアドレスをチェックして、MSC/VLRにSGインターフェースの関連付けがあるか、または被呼側が固定回線番号または緊急コールセンターであるかを確認する。
【0130】
被呼側が有効なSG関連付けを持つ別のWTRUである場合、MSC/VLRは、SGインターフェース上で、必要なメッセージ、SGsAP−Paging−Requestを送信することによってこのWTRUに対するMT CSFB手順を開始することができる。MSC/VLRは、呼が別のCSFB手順によってトリガされることをMMEに指示することができる。MMEは、この情報を使用して、MT CSFB手順をスピードアップすることができる必要なアクションを実行することができる。さらに、MMEは、MT CSFBが別のCSFB対応WTRUからのものであることをWTRUに通知することができる。WTRUは、この指示を使用して、手順、例えば、計測および報告送信の開始をスピードアップすることができる。この機能は、以下の実施形態のどれかを使用することによって達成されうる。
【0131】
別の実施形態では、WTRU 1がESRを送信することは、宛先を識別するために使用されうる必要な情報を含むことができる。例えば、呼設定メッセージの一部または全部を新規IEまたは新規コンテナの形でESRに含めることができる。あるいは、WTRU 1は、宛先がCSFB対応でないことを知っている場合にこの情報を含めないようにできる(例えば、宛先に固定回線番号または緊急コールセンターがある)。一部の国では、携帯電話加入者および固定電話加入者は、B番号列が固定電話加入者または携帯電話加入者を指しているかどうかを判定するために使用されうる明確に異なる番号列を持つ。
【0132】
別の実施形態では、この情報をSGインターフェース上でMMEからMSC/VLRに伝送するために、新規メッセージ(例えば、SGsAP−MO−CSFB−Indication)が必要になることがある。MMEは、ESRからすべてのアドレッシング情報を取り出して、それをこの新規メッセージ内に挿入することができ、このメッセージをSG上でMSC/VLRに送信する。あるいは、MMEは、このメッセージを、MO CSFB手順がトリガされており、MSC/VLRがCS音声通話についてWTRUを予期していることを知らせる指示として送信することができる。MSC/VLRは、この指示を使用して、統計(例えば、発呼失敗回数、設定時間など)をとることができる。MMEは、このメッセージを送信してからタイマーを起動することができる。
【0133】
別の実施形態では、このメッセージを受信した後のMSC/VLRは、宛先の被呼側がSG関連付けを持つ別のWTRUであるかどうかを検証することができる(これは、他のノード、例えば、HLRとの相互のやり取りを伴う可能性がある)。そうでない場合、MSC/VLRはさらなるアクションを実行することはありえない。MSC/VLRは、別のメッセージ(例えば、SGsAP−MO−CSFB−ACK)を送信することによってMMEからの指示の受信を確認応答することができる。MMEは、この確認応答を使用して、必要なアクションを実行する(例えば、起動した可能性のあるタイマーを停止する)ことができる。MSC/VLRが被呼側に対するSG関連付けを有する場合、MSC/VLRは、MMEへSGsAP−Paging−Requestをトリガすることができる。MSC/VLRは、MMEによって、例えば、1ビット位置をSGs−AP−Paging−Requestメッセージに含めることによって送信された前のメッセージに対する確認応答を含むものとしてよい。
【0134】
別の実施形態では、MMEは、次いで、受信した確認応答に基づきタイマーを停止することができる。それに加えて、MMEは、WTRUをページングするようにE−UTRANに要求することによって(idleモードに入っている場合)、またはCSサービス通知をWTRUに送信することによって(Connectedモードに入っている場合)、MT CSFB手順を開始することができる。いずれの場合も、MMEは、このCSFBが別のCSFB手順によってトリガされることを指示することができる。
【0135】
別の実施形態では、WTRU 1がCSFB手順を完了しており、CSドメインに入っている場合、MSC/VLRは、何らかの情報(例えば、呼び出し音)を送信することを開始し、発呼要求が処理されていることを指示することができる。MSC/VLRは、WTRU 2がCSFB手順が完了するのを待っているCSFB加入者であるかどうかに基づき読み出し呼び出し音または他の呼び出し進行中音を使用するかどうかを選択することができる。
【0136】
図8Aおよび8Bは、それぞれ、機能強化があるCSFB発呼に対する例示的なCSFB手順800Aと、機能強化がないCSFB発呼に対する例示的なCSFB手順800Bを示す図である。図8Aでは、WTRU 1は、CSFBについてESRを送信し(802)、測定報告を送り(804)、PS HOを開始し(806)、位置アップデートを実行し(808)、CS呼を設定する(810)ことによってCSFBコールバックを開始する。MSC/VLRは、SGインターフェース上でページングを開始する(812)。次いで、MMEは、MT CS音声通話についてWTRU 2に通知することができる(814)。その後、WTRU 2はそのシステム間変更を、WTRU 1が待機している間に開始する。WTRU 2は、CSFBを受け入れ(816)、測定報告を提供し(818)、PS HOを開始し(820)、位置アップデートを実行し(822)、ページングに応答する(824)。
【0137】
一実施形態によれば、WTRU 2がシステム間変更を開始している間にWTRU 1において生じる遅延は、図8Bの手順を使用して短縮されうる。図8Bを参照すると、WTRU 1は、CSFBに対するESRを送信することによってCSFBコールバックを開始し、被呼側(WTRU 2)のアドレスを含む(826)ことがわかる。MMEは、アドレッシング情報をMSC/VLRに転送し(828)、MSC/VLRは、SGインターフェース上でWTRU 2のページングを開始する(830)。832で、MMEは、MT CS音声通話についてWTRUに通知する。それと並行して、WTRU 1は、測定報告を提供し(804)、PS HOを開始し(806)、位置アップデートを実行し(808)、CS呼を設定する(810)。WTRU 2は、CSFBを受け入れ(816)、測定報告を提供し(818)、PS HOを開始し(820)、位置アップデートを実行し(822)、ページングに応答する(824)。図8Aのシナリオと対照的に、図8Bの手順は、CS音声交換のためのWTRU 1に対する待機時間を短縮する。
【0138】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムにおいて発生しうる別の問題として、MT呼がキャンセルされたときにWTRUがCSへフォールバックさせられる可能性があるという点が挙げられる。MT(移動局着信)CSFB要求は、起呼側によってキャンセルされる可能性も考えられる。この場合、MSC/VLRは、WTRU 1からCS呼に対する要求を受信し、MSC/VLRは、WTRU 2に向けてMT CSFB手順を開始し、次いで、MSC/VLRはWTRU 1による要求を受信してCS音声通話要求を中止する。そのため、MT CSFB手順が継続する場合、WTRU 2は、場合によってはPS HOを使って、GERAN/UTRANへのシステム間変更を実行することができるが、WTRU 1によって中止されている可能性があるのでCS呼を受信しえない。このシステム間変更は不要であり、回避すべきである。これは、PS HOがサポートされていない場合、またはサポートされていても、ターゲットシステムによって提供されるQoSがソースシステムとマッチしない場合に、サービスの低下を引き起こしうる。MSC/VLRは、SGsAP−Paging−RequestをSGインターフェース上でMMEに送信することによって、WTRUに対するMT CSFB手順を開始することができることに留意されたい。
【0139】
一実施形態によれば、システム間変更は、MT CSFBをトリガしたCSページングまたは発呼要求がキャンセルされたときにWTRUに対して回避される。MT CSFB発呼をトリガするCS呼要求がキャンセルされた場合、MT CSFB手順を通知されているとしても、被呼WTRU(CSFB対応であり、場合によってはLTEに入っていると仮定される)にシステム間変更を実行させることはできない。そうするために、図9に示されている手順を使用することができる。
【0140】
図9は、MT CSFBをトリガしたCS呼要求がキャンセルされたときのWTRUに対するシステム間の変更を回避するための手順900の流れ図である。ステップ905で、MSC/VLRは、WTRUに発せられたMT CSFB発呼を中止することを決定する。MSC/VLRは、MT CSFB発呼を中止する要求をWTRUから受信するので、MT CSFB発呼を中止することを決定することができる。あるいは、MSC/VLRは、MT CSFB発呼を確立するためにページングメッセージをWTRUに送信したときにタイマーを起動しており、WTRUから応答を受信する前にタイマーがタイムアウトになったときにMT CSFB発呼を中止することを決定することができる。
【0141】
ステップ908で、MSC/VLRは、CSFB手順を開始するページング手順がトリガされたかどうかを判定する。例えば、これは、SGsAP−Paging−Requestが送信されたかどうかを判定する。ページング要求が送信されていない場合、ステップ915で、MSC/VLRは、ページング要求(SGsAP−Paging−Request)手順を中止する。そうでない場合、ページング手順がトリガされている場合、ステップ910で、MSC/VLRは、中止メッセージ(例えば、SGsAP−MT−CSFB−Cancel)をMMEに送信して、MT CSFB発呼をキャンセルするようにMMEに要求する。MSC/VLRは、このメッセージを送信してからタイマーを起動することができる。
【0142】
ステップ920で、MMEは、MSC/VLRからキャンセルメッセージを受信する。その後、MMEは、注目しているWTRUに対するシステム間変更を中止するために幾つかのアクションを実行することができる。ステップ925で、WTRUがESRをすでに送信しているが(つまり、MT CSFBが受け入れられているが)、MMEはまだシステム間変更を実行していない場合、MMEは、例えば「CS呼中止」を示す新規の原因とともにサービス拒否を送信することができる。
【0143】
それに加えて、MMEは、場合によっては手順の一部であるSGSNなどの他のネットワークノードに中止要求を送信することができる。それに加えて、MMEは、中止メッセージ(例えば、SGsAP−MT−CSFB−Cancel)を受信したことを確認するためにMSC/VLRに確認応答を送信することができ、また要求の結果を示すためにステータスIEも備えることができる(例えば、「MT CSFBキャンセル成功」または「MT CSFBキャンセル失敗」)。
【0144】
ステップ930で、WTRUにシステム間変更を実行させた場合、MMEは、さらなるメッセージをMSCまたはWTRUに送信しえない。さらにアクションを実行しないことにより、MMEは、WTRUが他のRATにフォールバックするのを許す。あるいは、MMEは、MSC/VLRに確認応答を送信し、キャンセル要求が成功していないことを指示することができる。MSC/VLRは、この指示を使用して、さらなるアクションを実行する、例えば、起動したタイマーを停止することができる。
【0145】
原因「CS呼中止」を含むサービス拒否を受信した後、WTRUは、必要なアクションを実行することができる(例えば、EMMエンティティは、手順の中止についてMMエンティティに通知することができる)。WTRUは、LTEにおけるオペレーションを再開することができる。
【0146】
MMEがMT CS音声要求についてWTRUにまだ通知していなかった場合、MSC/VLRからキャンセル指示を受信した後、MMEは、初期要求を無視して、MT CS呼についてWTRUに通知しないものとしてよい。あるいは、MMEが、CSFB要求に対してWTRUをページングするようE−UTRANに要求した場合、MMEは、ページング手順を中止するようE−UTRANに要求することができる。E−UTRANは、要求の確認応答を行い、上で説明されているように成功したページングについてMMEに通知することができる。
【0147】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムにおいて発生しうる問題として、ConnectedモードでMT CSFBに対し未定義の挙動がありうるという点が挙げられる。
【0148】
ConnectedモードのWTRUは、MMEによって送信されるCSサービス通知を使用してMT CSFB要求について通知を受けることができる。WTRUは、ESRメッセージで応答する前にCSFBを受け入れるか、または拒否するため上位レイヤの入力を要求することができる。この応答は、EMM−IDLEとEMM−CONNECTEDの両方のモードにおいてESRメッセージ内のCSFB応答IEで指示されうる。これで識別される問題は、WTRUがConnectedモードに入っており、ファイルを能動的にダウンロードするが、ユーザは必ずしもWTRUの隣にいない可能性があるという点である。したがって、WTRUがCSサービス通知メッセージを受信し、呼を受け入れるか、または拒否する入力を上位レイヤに要求する場合、そのような入力は、ユーザがWTRUから離れている場合には与えられない可能性がある。したがって、予想される挙動は未定義である(例えば、ESRメッセージがネットワーク/MMEに送信される場合には未知であり、そうであれば、CSFB応答情報要素である)。さらに、PS HOがターゲットRATでサポートされていない可能性があり、またサービス障害が発生しうるため、WTRUがユーザに代わって決定を下し、呼を受け入れることは効率的でない。それと同時に、MMEにフィードバックを送ることで、VLRが呼を音声メッセージングセンターに転送するなど、他のアクションを実行することが妨げられうる。以下の実施形態は、この問題を解消するために、独立して、または組み合わせて使用することができる。
【0149】
別の実施形態によれば、WTRUおよびMMEの挙動は、ユーザ入力が要求されたが、ユーザ応答がない場合に、ConnectedモードでMT CSFBについて定義される。MMEは、CSサービス通知メッセージを送信した後、またはその時点において、タイマーを起動することができるタイマーは、そのシナリオに適しているみなされる値に設定することができる。例えば、この値を5秒に設定することができる。WTRUから応答(つまり、ESR)を受信する前にタイマーがタイムアウトになった場合、MMEは、MMEがWTRUと接続しているとしてもWTRUからいっさい応答を受信しなかったことを示すメッセージを(例えば、SG上で)MSC/VLRに送信することができる。新規メッセージを定義するか、またはSGプロトコルの既存のメッセージを新規の原因値とともに使用してシナリオを明確に識別することができる。MMEは、応答が受信されない場合、CSサービス通知をWTRUに再送することはできない。
【0150】
MSC/VLRは、MMEからそのような指示を受信した場合に幾つかのアクションを実行することができる。例えば、MSC/VLRは、ユーザ判定ユーザビジー手順、または到達不可能時呼転送手順(Call Forwarding on Not Reachable procedure)をトリガすることができる。
【0151】
CSサービス通知を(CLI(発呼回線識別)あり、またはなしで)受信した後、WTRUはタイマーを起動することができるタイマーが作動している間、ユーザ介入がなされなければ、WTRUは、タイマーのタイムアウト後に、ユーザ介入を受けなかったことを示すESRメッセージを送信することができる。WTRUは、ネットワークもしくはユーザ構成に基づき呼を受け入れるか、または拒否することを決定することができる。ユーザが呼を受け入れるか、または拒否した場合、WTRUは、タイマーを停止し、適切なユーザ選択(受け入れまたは拒否)とともにESRを送信することができる。
【0152】
あるいは、タイマーがタイムアウトになった後、ユーザは、呼を受け入れるか、または拒否するオプションを与えられず、そのため、その時点以降にESRを送信することはできない(および/またはWTRUはユーザ介入なしで上で説明されているようにESRを送信することができる)。しかし、ネットワーク側でMT CSFBを不成功であるとみなすか、または中止されているとみなした場合、ネットワーク側では、ユーザ介入が遅れたなどの理由により、WTRUから受信される可能性のあるESRを無視するか、または拒否することができる。そこで、MMEは、メッセージを無視することができる。
【0153】
あるいは、MMEは、ネットワークがCSFB手順を中止したことを示す新規拒否原因を含みうるサービス要求メッセージでESRを拒否することができる。ユーザ介入なしであってもWTRUがESRで(場合によっては上で提案されているように無応答に設定された新規タイプで)応答することができる場合について、WTRUはタイマーを起動せず、手順を正常に完了したとみなし、次いでEMM−REGISTERED.NORMAL状態に入ることができる。
【0154】
あるいは、CSサービス通知を受信したときにWTRUがタイマーを起動し(上で説明されているように)、ユーザから応答がなくタイマーが切れた場合、WTRUは、CSサービス通知を無視し、したがって、ESRを送信しえない。
【0155】
説明されている実施形態は、任意の組み合わせで使用することができ、ユーザ入力が要求されるか、または要求されない場合に適用されうる。さらに、説明されている実施形態は、呼を受け入れる/拒否する決定が下される前に呼についてユーザに通知することによって、WTRUがidleモードに入っている場合にidleモードに適用されうる。応答が受信されない場合、開示されている実施形態は、その場合にも適用されうる。
【0156】
CSおよびPSセッションをサポートするワイヤレス通信システムにおいて発生しうる別の問題として、CSFBとシステム内HOとの間に競合状態が存在しうるという点が挙げられる。LTEシステムが背景としてある場合、ほぼ同時にCSFBおよびLTE内HOイベントが生じて潜在的コンフリクトを引き起こす可能性がある。これが生じる可能性のあるシナリオが幾つかある。図10Aおよび10Bは、競合状態がCSFBとLTE内ハンドオーバとの間に発生しうる場合の想定される2つのシナリオ1000Aおよび1000Bの例の流れ図である。図10Aは、eNBが進行中のCSFB要求を認識しないシナリオを示しており、図10Bは、eNBが既存のCSFB要求を認識するシナリオを示している。
【0157】
図10Aは、eNBが進行中のCSFB要求を認識しない場合を説明している、図10Aに示されているように、WTRUは、測定報告とともにRRCメッセージをソースeNBに送信する(1002)。RRCメッセージに基づき、ソースeNBは、HOの決定を下し(1004)、(X2AP)HO要求をターゲットeNBに送信する(1006)。受付制御を実行した(1008)後、ターゲットeNBは、(X2AP)HO ACKをソースeNBに送信する(1010)。HOを別のeNB(LTE内ハンドオーバ)に対して実行するためにWTRUがソースeNBからRRC HOコマンドを受信する(1014)前に、WTRUはESRメッセージをMMEに送信し(1012)、CSFBを実行する。これにより、CSFB要求とLTE内ハンドオーバとの間に競合状態が生じる。
【0158】
ESRは、MMEからソースeNBへの、WTRUコンテキスト修正要求メッセージを(CSFBインジケータとともに)トリガし(1016)、次いで、ソースeNBからMMEへの、UEコンテキスト修正失敗メッセージを開始する(1018)。その時点において、ソースeNBは、WTRUがもはやその制御下にないため、システム間変更を(場合によってはPSハンドオーバで)開始することができない場合がある。この問題は、X2ベースのHOを仮定して説明されているけれども、S1ベースのHO、または他のタイプのHOに問題が生じる可能性がある。
【0159】
ソースeNBは、ターゲットeNBに、SNステータス転送メッセージを送信し(1020)、またUPデータ転送メッセージを送信する(1022)ことによって、HOに関する情報をターゲットeNBに送る。WTRUは、HOが完了した後、RRC HO完了メッセージをターゲットeNBに送信する(1024)。ターゲットeNBは、システム内HOの完了をMMEに通知するパス切り替え要求をMMEに送信し(1026)、MMEは、UPエンドマーカーパケットメッセージを送信する(1028)ことによってソースeNBに通知する。ソースeNBは、WTRUへのデータ転送を停止する(1030)。MMEは、パス切り替え要求ACKでターゲットeNBに応答し(1032)、ターゲットeNBは、ソースeNBにテキスト解放メッセージを送信する(1034)。
【0160】
図10Bは、eNBが所定のWTRUに対して進行中のCSFB要求があることを認識したときに発生する類似の問題を示している。WTRUは、CSFBを実行するために、ESRメッセージをMMEに送信する(1040)。ESRは、MMEからソースeNBへの、WTRUコンテキスト修正要求メッセージをCSFBインジケータとともにトリガし(1042)、次いで、ソースeNBからMMEへの、UEコンテキスト修正応答メッセージを開始する(1044)。ソースeNBは、RAT間測定を行うようにWTRUを構成する構成メッセージをWTRUに送信する(1046)。WTRUは、RRC LTE測定報告で(1048)、またRRC I−RAT測定報告で(1050)ソースeNBに応答する。
【0161】
ソースeNBは、LTE内HO決定を下し(1052)、ターゲットeNBに(X2AP)HO要求を送信する(1054)。ターゲットeNBは、受付制御を実行し(1056)、(X2AP)HO ACKでソースeNBに応答する(1058)。ソースeNBは、WTRUにHOコマンドを送信し(1060)、WTRUは、RRC HO完了メッセージをターゲットeNBに送信する(1062)。ターゲットeNBは、システム内HOの完了をMMEに通知するパス切り替え要求をMMEに送信し(1064)、MMEは、UPエンドマーカーパケットメッセージを送信する(1066)ことによってソースeNBに通知する。ソースeNBは、WTRUへのデータ転送を停止する(1068)。MMEは、パス切り替え要求ACKでターゲットeNBに応答し(1070)、ターゲットeNBは、ソースeNBにテキスト解放メッセージを送信する(1072)。
【0162】
図10Bに示されているシナリオでは、ソースeNBは、WTRUに対する進行中のCSFB要求があることを認識するとしても(CSFBインジケータとともにWTRUコンテキスト修正要求を受信しており、またWTRUコンテキスト修正応答で応答しているため)、WTRUから、測定イベント(1048)および報告(1050)に基づきLTE内ハンドオーバを実行することを決定することができる。これが起きなかった場合、ソースeNBは、UTRANへのシステム間変更を開始するためにハンドオーバ要求メッセージをMMEに送信したことになるであろう。
【0163】
図10Bに示されているシナリオでは、CSFBは、ソースeNB側で継続することはできず、そのことについてMMEは通知を受けない。MMEは、ハンドオーバが完了した後にターゲットeNBからMMEに送信されるターゲットeNBからのパス切り替え要求メッセージでシステム内HOを完了することについて通知を受けている(1064)。
【0164】
以下の実施形態では、CSFBとシステム内HOとの間の競合状態の問題を解消する。これらの実施形態は、両方のX2ベースのHO、S1ベースのHO、または他のHOシナリオに適用される。さらに、これらは、ソースeNBがCSFBに対する進行中の要求を認識しているか、または認識していないかのいずれの場合にも適用される。
【0165】
一実施形態では、ソースeNBは、ソースセル内で進行中のWTRUに対するCSFB要求についての、ターゲットeNBへの指示を含みうる。この効果は、ターゲットeNBがMMEからWTRUコンテキスト修正要求を受信することと同等であるターゲットeNBは、必要なCSFB関係の手順を開始し、WTRUにRAT間測定を請求するか、またはハンドオーバ要求メッセージをMMEに送信することができる。図10Aを再び参照すると、ソースからターゲットeNBへの指示がSNステータス転送に含まれ(1020)、S1APまたはX2APの両方のメッセージに含まれうることがわかる。ソースeNBは、ハンドオーバ要求メッセージなどの、ターゲットeNBに送信されるメッセージングにWTRUから収集された可能性のある測定報告を含めるものとしてよい(1006)。ターゲットeNBは、RAT間測定に対して再びWTRUを構成することなくこれらの測定結果を使用することができる。
【0166】
別の実施形態では、MMEは、MMEからターゲットeNBに送信されるパス切り替え要求ACKにCSFBインジケータを含めることができる。例えば、図10Aおよび10Bを再び参照すると、CSFBインジケータは、パス切り替え要求ACKにそれぞれ含まれうる(1032および1070)ことがわかる。そのようなものとして、ターゲットeNBは、RAT間測定を行うようにWTRUを構成するか、またはハンドオーバ要求メッセージをMMEに送信することなど、CSFB関係手順を直接開始することができる。
【0167】
別の実施形態によれば、ソースeNBは、ソースeNBがWTRUにコンテキスト修正応答メッセージを送信した後にCSFB要求についてすでに開始されている信号伝送がある場合に、システム内(LTE内)ハンドオーバを実行することを決定するとき、または実際に実行するときにMMEに通知することができる。ソースeNBは、例えば、「ハンドオーバ要求」メッセージなどのS1−APメッセージを使用して、MMEに通知することができる。そのようなものとして、MMEは、前もってコンテキスト修正要求メッセージを知り、ターゲットeNBに送信することができる。MMEは、LTE内またはCSFBハンドオーバが完了するまでパケットをバッファリングするために、SGWまたはPDN GWなどの他のノードに通知することができる。
【0168】
以下の実施形態では、CSFBを実現するためのMME−eNBの相互のやり取りを説明する。
【0169】
一実施形態では、MMEは、WTRUコンテキスト修正要求(例えば、S1APメッセージ)を、または特定のWTRUに対するCSFBを実行するために情報を提供することを目的して他のメッセージを送信することができる。この「CSFB情報」メッセージにより、MMEは、WTRUと通信しているeNBに、CSFBを実行する方法を通知することができるが、これはPS HO、ネットワーク補助セル変更命令、セル変更命令、またはリダイレクション情報によるRRC接続解放を介して遂行されうる。MMEは、WTRUと通信しているeNBに、潜在的なCSセルの少なくとも1つのSIBをWTRUに供給することができるかどうか、および/または新規IEをeNBに送信されるメッセージ内に入れてCSFBを実行する方法を通知することができる。
【0170】
CSFB情報メッセージを受信した後、eNBは、MMEからの情報に従ってCSFBを実行することができる。したがって、緊急呼に対するCSFBについて、MMEは、CSFBが高い優先順位を有することをCSFB情報メッセージでeNBに通知し、信号伝送される方法の1つを介してCSFBを実行することができる。図10Aおよび10Bを再び参照すると、MMEからeNBへのCSFB情報をWTRUコンテキスト修正要求メッセージにそれぞれ含める(1016および1042)か、またはMMEからeNBへの他のメッセージに含めることができることがわかる。
【0171】
あるいは、別の実施形態では、WTRUコンテキスト修正要求メッセージに含めることができる新規IEがない場合、WTRUコンテキスト修正要求メッセージ内のCSFBインジケータIEの高い優先順位値を、RRC接続解放(またはネットワーク補助セル変更もしくはセル変更命令)を介してCSFBを実行する指示として使用するか、またWTRUへのSIB(システム情報ブロック)の提供とともに使用することができる。したがって、CSFBインジケータIEがMMEによって「CSFB要求」に設定された場合、eNBは、PS HOでCSFBを実行することができる。他の場合には、「CSFBの高い優先順位」の値は、eNBがRRC接続解放(またはネットワーク補助セル変更もしくはセル変更命令)を介してCSFBを実行することを引き起こし、またWTRUへのSIB提供とともに使用されうる。
【0172】
MMEがWTRUまたはMSC/VLRから、進行中のCSFB手順をキャンセルする要求を受信した場合、MMEによるCSFB手順を中止するためのオプションがありうる。MMEがハンドオーバ要求メッセージを、(このメッセージのガードタイマーを開始した)eNBから受信した場合、MMEは、応答メッセージ(つまり、HOコマンド)をeNBに送信することができない。したがって、eNBでのタイマーは、最終的にタイムアウトになり、これにより、eNBは、CSFB手順を続行することを自律的に決定することができない。
【0173】
あるいは、MMEは、CSFB手順を中止することを知らせるための明示的なメッセージをeNBに送信することができる。これは、WTRUコンテキスト修正要求(図10Aおよび10Bのそれぞれにおける1016および1042)などの既存のメッセージで行うことができる。これらの場合において、MMEは、CSFB手順をキャンセルする要求の原因を指示するために新規IEを含めることができる。そのため、eNBは、このメッセージを受信すると、CSFB手順を中止することができる。eNBは、タイプESRに関係なく特定の方法でCSFBを実行するように構成されうる。この構成は、特定の期間に対して、またはMMEによる明示的な信号伝送を介して実行されうる。
【0174】
実施形態
1.WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)に対するシステム間変更を回避するための方法。
【0175】
2.WTRUへのMT(移動局着信)CSFB(回線交換フォールバック)を中止することを決定することを含む実施形態1に記載の方法。
【0176】
3.MT CSFB発呼を開始するページング要求が送信されたかどうかを判定することをさらに含む前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0177】
4.ページング要求が送信されたという条件の下で、MT CSFB発呼をキャンセルすることをMMEに要求する中止メッセージをMMEに送信することをさらに含む前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0178】
5.MT CSFB発呼を中止することを決定することはWTRUからMT CSFB発呼を中止する要求を受信することに基づく実施形態2〜4のいずれかに記載の方法。
【0179】
6.MT CSFB発呼を確立するWTRUへのページング要求が送信されたときにタイマーを起動することをさらに含む前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0180】
7.MT CSFB発呼を中止することを決定することはWTRUから応答を受信する前にタイマーがタイムアウトになることに基づく実施形態6に記載の方法。
【0181】
8.ページング要求はSGsAP−Paging−Requestメッセージであることをさらに含む実施形態3〜7のいずれかに記載の方法。
【0182】
9.ページング要求が送信されなかったという条件の下で、MT CSFB発呼を中止することをさらに含む実施形態3〜7のいずれかに記載の方法。
【0183】
10.VLR(ビジターロケーションレジスタ)によって実行される前記実施形態のいずれかに記載の方法。
【0184】
11.WTRUへのMT(移動局着信)CSFB(回線交換フォールバック)発呼をキャンセルすることを指示する中止メッセージをVLR(ビジターロケーションレジスタ)から受信することをさらに含む実施形態1に記載の方法。
【0185】
12.WTRUからの拡張サービス要求(ESR)がすでに受信されているという条件の下で、MT CSFB発呼が中止されることを指示するサービス拒否メッセージをWTRUに送信することをさらに含む実施形態11に記載の方法。
【0186】
13.WTRUにさらなるメッセージを送信しないことをさらに含む実施形態11〜12のいずれかに記載の方法。
【0187】
14.MSC(移動交換局)にMT CSFB発呼に関係するさらなるメッセージを送信しないことをさらに含む実施形態11〜13のいずれかに記載の方法。
【0188】
15.VLRに確認応答メッセージを送信することをさらに含む実施形態11〜14のいずれかに記載の方法。
【0189】
16.MT CSFB発呼がキャンセルされた結果を指示するステータス情報要素(IE)を確認応答メッセージに含めることをさらに含む実施形態15に記載の方法。
【0190】
17.他のネットワークノードに中止要求を送信することをさらに含む実施形態11〜16のいずれかに記載の方法。
【0191】
18.E−UTRAN(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)にページング手順を中止する要求を送信することをさらに含む実施形態11〜16のいずれかに記載の方法。
【0192】
19.モビリティ管理エンティティ(MME)によって実行される実施形態11〜18のいずれかに記載の方法。
【0193】
20.ワイヤレス通信において送信側エンティティと受信側エンティティとの間でベアラコンテキストを同期させる方法。
【0194】
21.送信側エンティティにおけるベアラコンテキストのステータスのアップデートを検出することをさらに含む実施形態20に記載の方法。
【0195】
22.受信側エンティティへの次の非アクセス層(NAS)メッセージにベアラコンテキストステータス情報要素(IE)を入れることをさらに含む実施形態20〜21のいずれかに記載の方法。
【0196】
23.ベアラコンテキストステータスIEは、ベアラコンテキストのステータスのアップデートに基づく実施形態22に記載の方法。
【0197】
24.受信側エンティティに次のNASメッセージを送信することをさらに含む実施形態20〜23のいずれかに記載の方法。
【0198】
25.ベアラコンテキストは、EPS(進化型パケットシステム)ベアラコンテキストである実施形態20〜24のいずれかに記載の方法。
【0199】
26.次のNASメッセージは、拡張サービス要求(ESR)メッセージである実施形態22〜25のいずれかに記載の方法。
【0200】
27.ベアラコンテキストのステータスは、ベアラコンテキストがアクティブであるか、または非アクティブであるかを示す実施形態21〜26のいずれかに記載の方法。
【0201】
28.送信側エンティティは、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)であり、受信側エンティティは、モビリティ管理エンティティ(MME)/ネットワークである実施形態20〜27のいずれかに記載の方法。
【0202】
29.送信側エンティティは、モビリティ管理エンティティ(MME)/ネットワークであり、受信側エンティティは、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)である実施形態20〜27のいずれかに記載の方法。
【0203】
特徴および要素が特定の組み合わせで上で説明されているけれども、当業者であれば、それぞれの特徴もしくは要素は単独で、または他の特徴および要素と組み合わせて使用できることを理解するであろう。それに加えて、本明細書で説明されている方法は、コンピュータまたはプロセッサにより実行できるようにコンピュータ可読媒体内に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにより実装されうる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子信号(有線で、またはワイヤレス接続で送信される)およびコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、限定はしないが、ROM(読み取り専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびDVD(デジタル多用途ディスク)などの光学媒体が挙げられる。ソフトウェアとの関連性を持つプロセッサは、WTRU、UE、端末、基地局、RNC、またはホストコンピュータにおいて使用するための無線周波トランシーバを実装するために使用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
VLR(ビジターロケーションレジスタ)によって実行される、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)に対するシステム間変更を回避するための方法であって、
前記WTRUへのMT(移動局着信)CSFB(回線交換フォールバック)を中止することを決定するステップと、
前記MT CSFB発呼を開始するページング要求が送信されたかどうかを判定するステップと、
前記ページング要求が送信されたという条件の下で、モビリティ管理エンティティ(MME)へ、前記MMEに前記MT CSFB発呼をキャンセルすることを要求する中止メッセージを送信するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記MT CSFB発呼を中止することを決定するステップは、前記MT CSFB発呼を中止する要求を前記WTRUから受信することに基づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記MT CSFB発呼を確立する前記WTRUへの前記ページング要求が送信されたときにタイマーを起動するステップをさらに含み、前記MT CSFB発呼を中止することを決定する前記ステップは、前記WTRUから応答を受信する前に前記タイマーがタイムアウトになることに基づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ページング要求は、SGsAP−Paging−Requestメッセージであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ページング要求が送信されなかったという条件の下で、前記MT CSFB発呼を中止するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)に対するシステム間変更を回避するように構成されたVLR(ビジターロケーションレジスタ)であって、
前記VLRは前記WTRUへのMT(移動局着信)CSFB(回線交換フォールバック)を中止することを決定するように構成され、
前記VLRは前記MT CSFB発呼を開始するページング要求が送信されたかどうかを判定するように構成され、
前記ページング要求が送信されたという条件の下で、前記VLRは、モビリティ管理エンティティ(MME)へ、前記MMEに前記MT CSFB発呼をキャンセルすることを要求する中止メッセージを送信するように構成される
ことを特徴とするVLR。
【請求項7】
前記WTRUから前記MT CSFB発呼を中止する要求を受信することに基づき前記MT CSFB発呼を中止することを決定するように構成されることを特徴とする請求項6に記載のVLR。
【請求項8】
前記MT CSFB発呼を確立する前記WTRUへの前記ページング要求が送信されたときにタイマーを起動するように構成され、前記WTRUから応答を受信する前に前記タイマーがタイムアウトになることに基づき前記MT CSFB発呼を中止することを決定するように構成されることを特徴とする請求項6に記載のVLR。
【請求項9】
前記ページング要求は、SGsAP−Paging−Requestメッセージであることを特徴とする請求項6に記載のVLR。
【請求項10】
前記ページング要求が送信されなかったという条件の下で、前記MT CSFB発呼を中止するように構成されることを特徴とする請求項6に記載のVLR。
【請求項11】
モビリティ管理エンティティ(MME)によって実行される、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)に対するシステム間変更を回避するための方法であって、
前記MMEに、前記WTRUへのMT(移動局着信)CSFB(回線交換フォールバック)発呼をキャンセルすることを指示する中止メッセージをVLR(ビジターロケーションレジスタ)から受信するステップと、
前記MMEが拡張サービス要求(ESR)を前記WTRUからすでに受信しているという条件の下で、前記WTRUに、前記MT CSFB発呼が中止されることを指示するサービス拒否メッセージを送信するステップと、
前記WTRUにさらなるメッセージを送信しないステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
MSC(移動交換局)に前記MT CSFB発呼に関係するさらなるメッセージを送信しないステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記MT CSFB発呼がキャンセルされた結果を指示するステータス情報要素(IE)を含む確認応答メッセージを前記VLRに送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
他のネットワークノードに中止要求を送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
E−UTRAN(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)にページング手順を中止する要求を送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)に対するシステム間変更を回避するように構成されたモビリティ管理エンティティ(MME)であって、前記MMEは、
前記MMEに、前記WTRUへのMT(移動局着信)CSFB(回線交換フォールバック)発呼をキャンセルすることを指示する中止メッセージをVLR(ビジターロケーションレジスタ)から受信するように構成され、
前記MMEが拡張サービス要求(ESR)を前記WTRUからすでに受信しているという条件の下で、前記WTRUに、前記MT CSFB発呼が中止されることを指示するサービス拒否メッセージを送信するように構成され、
前記WTRUにさらなるメッセージを送信しないように構成される
ことを特徴とするMME。
【請求項17】
MSC(移動交換局)に前記MT CSFB発呼に関係するさらなるメッセージを送信しないように構成されることを特徴とする請求項16に記載のMME。
【請求項18】
前記MT CSFB発呼がキャンセルされた結果を指示するステータス情報要素(IE)を含む確認応答メッセージを前記VLRに送信するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のMME。
【請求項19】
他のネットワークノードに中止要求を送信するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のMME。
【請求項20】
E−UTRAN(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)にページング手順を中止する要求を送信するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のMME。
【請求項21】
ワイヤレス通信において送信側エンティティと受信側エンティティとの間でベアラコンテキストを同期させる方法であって、
送信側エンティティにおけるベアラコンテキストのステータスのアップデートを検出するステップと、
前記受信側エンティティへの次の非アクセス層(NAS)メッセージにベアラコンテキストステータス情報要素(IE)を含めるステップであって、前記ベアラコンテキストステータスIEが前記ベアラコンテキストの前記ステータスの前記アップデートに基づく、ステップと、
前記受信側エンティティに前記次のNASメッセージを送信するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記ベアラコンテキストは、EPS(進化型パケットシステム)ベアラコンテキストであることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記次のNASメッセージは、拡張サービス要求(ESR)メッセージであることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記ベアラコンテキストのステータスは、前記ベアラコンテキストがアクティブであるか、または非アクティブであるかを示すことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記送信側エンティティは、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)であり、前記受信側エンティティは、モビリティ管理エンティティ(MME)であることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記送信側エンティティは、モビリティ管理エンティティ(MME)であり、前記受信側エンティティは、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)であることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項27】
ワイヤレス通信において受信側エンティティとの間でベアラコンテキストを同期させるように構成された送信側エンティティであって、
送信側エンティティにおけるベアラコンテキストのステータスのアップデートを検出するように構成されたプロセッサであって、前記受信側エンティティへの次の非アクセス層(NAS)メッセージにベアラコンテキストステータス情報要素(IE)を含めるように構成され、前記ベアラコンテキストステータスIEが前記ベアラコンテキストの前記ステータスの前記アップデートに基づく、プロセッサと、
前記受信側エンティティに前記次のNASメッセージを送信するように構成された送信機と
を備えることを特徴とする送信側エンティティ。
【請求項28】
前記ベアラコンテキストは、EPS(進化型パケットシステム)ベアラコンテキストであることを特徴とする請求項27に記載の送信側エンティティ。
【請求項29】
前記次のNASメッセージは、拡張サービス要求(ESR)メッセージであることを特徴とする請求項27に記載の送信側エンティティ。
【請求項30】
前記ベアラコンテキストのステータスは、前記ベアラコンテキストがアクティブであるか、または非アクティブであるかを示すことを特徴とする請求項27に記載の送信側エンティティ。
【請求項31】
前記受信側エンティティがモビリティ管理エンティティ(MME)として構成されている、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)として構成されることを特徴とする請求項27に記載の送信側エンティティ。
【請求項32】
前記受信側エンティティがWTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)として構成されている、モビリティ管理エンティティ(MME)として構成されることを特徴とする請求項27に記載の送信側エンティティ。
【請求項1】
VLR(ビジターロケーションレジスタ)によって実行される、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)に対するシステム間変更を回避するための方法であって、
前記WTRUへのMT(移動局着信)CSFB(回線交換フォールバック)を中止することを決定するステップと、
前記MT CSFB発呼を開始するページング要求が送信されたかどうかを判定するステップと、
前記ページング要求が送信されたという条件の下で、モビリティ管理エンティティ(MME)へ、前記MMEに前記MT CSFB発呼をキャンセルすることを要求する中止メッセージを送信するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記MT CSFB発呼を中止することを決定するステップは、前記MT CSFB発呼を中止する要求を前記WTRUから受信することに基づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記MT CSFB発呼を確立する前記WTRUへの前記ページング要求が送信されたときにタイマーを起動するステップをさらに含み、前記MT CSFB発呼を中止することを決定する前記ステップは、前記WTRUから応答を受信する前に前記タイマーがタイムアウトになることに基づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ページング要求は、SGsAP−Paging−Requestメッセージであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ページング要求が送信されなかったという条件の下で、前記MT CSFB発呼を中止するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)に対するシステム間変更を回避するように構成されたVLR(ビジターロケーションレジスタ)であって、
前記VLRは前記WTRUへのMT(移動局着信)CSFB(回線交換フォールバック)を中止することを決定するように構成され、
前記VLRは前記MT CSFB発呼を開始するページング要求が送信されたかどうかを判定するように構成され、
前記ページング要求が送信されたという条件の下で、前記VLRは、モビリティ管理エンティティ(MME)へ、前記MMEに前記MT CSFB発呼をキャンセルすることを要求する中止メッセージを送信するように構成される
ことを特徴とするVLR。
【請求項7】
前記WTRUから前記MT CSFB発呼を中止する要求を受信することに基づき前記MT CSFB発呼を中止することを決定するように構成されることを特徴とする請求項6に記載のVLR。
【請求項8】
前記MT CSFB発呼を確立する前記WTRUへの前記ページング要求が送信されたときにタイマーを起動するように構成され、前記WTRUから応答を受信する前に前記タイマーがタイムアウトになることに基づき前記MT CSFB発呼を中止することを決定するように構成されることを特徴とする請求項6に記載のVLR。
【請求項9】
前記ページング要求は、SGsAP−Paging−Requestメッセージであることを特徴とする請求項6に記載のVLR。
【請求項10】
前記ページング要求が送信されなかったという条件の下で、前記MT CSFB発呼を中止するように構成されることを特徴とする請求項6に記載のVLR。
【請求項11】
モビリティ管理エンティティ(MME)によって実行される、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)に対するシステム間変更を回避するための方法であって、
前記MMEに、前記WTRUへのMT(移動局着信)CSFB(回線交換フォールバック)発呼をキャンセルすることを指示する中止メッセージをVLR(ビジターロケーションレジスタ)から受信するステップと、
前記MMEが拡張サービス要求(ESR)を前記WTRUからすでに受信しているという条件の下で、前記WTRUに、前記MT CSFB発呼が中止されることを指示するサービス拒否メッセージを送信するステップと、
前記WTRUにさらなるメッセージを送信しないステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
MSC(移動交換局)に前記MT CSFB発呼に関係するさらなるメッセージを送信しないステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記MT CSFB発呼がキャンセルされた結果を指示するステータス情報要素(IE)を含む確認応答メッセージを前記VLRに送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
他のネットワークノードに中止要求を送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
E−UTRAN(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)にページング手順を中止する要求を送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)に対するシステム間変更を回避するように構成されたモビリティ管理エンティティ(MME)であって、前記MMEは、
前記MMEに、前記WTRUへのMT(移動局着信)CSFB(回線交換フォールバック)発呼をキャンセルすることを指示する中止メッセージをVLR(ビジターロケーションレジスタ)から受信するように構成され、
前記MMEが拡張サービス要求(ESR)を前記WTRUからすでに受信しているという条件の下で、前記WTRUに、前記MT CSFB発呼が中止されることを指示するサービス拒否メッセージを送信するように構成され、
前記WTRUにさらなるメッセージを送信しないように構成される
ことを特徴とするMME。
【請求項17】
MSC(移動交換局)に前記MT CSFB発呼に関係するさらなるメッセージを送信しないように構成されることを特徴とする請求項16に記載のMME。
【請求項18】
前記MT CSFB発呼がキャンセルされた結果を指示するステータス情報要素(IE)を含む確認応答メッセージを前記VLRに送信するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のMME。
【請求項19】
他のネットワークノードに中止要求を送信するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のMME。
【請求項20】
E−UTRAN(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)にページング手順を中止する要求を送信するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のMME。
【請求項21】
ワイヤレス通信において送信側エンティティと受信側エンティティとの間でベアラコンテキストを同期させる方法であって、
送信側エンティティにおけるベアラコンテキストのステータスのアップデートを検出するステップと、
前記受信側エンティティへの次の非アクセス層(NAS)メッセージにベアラコンテキストステータス情報要素(IE)を含めるステップであって、前記ベアラコンテキストステータスIEが前記ベアラコンテキストの前記ステータスの前記アップデートに基づく、ステップと、
前記受信側エンティティに前記次のNASメッセージを送信するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記ベアラコンテキストは、EPS(進化型パケットシステム)ベアラコンテキストであることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記次のNASメッセージは、拡張サービス要求(ESR)メッセージであることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記ベアラコンテキストのステータスは、前記ベアラコンテキストがアクティブであるか、または非アクティブであるかを示すことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記送信側エンティティは、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)であり、前記受信側エンティティは、モビリティ管理エンティティ(MME)であることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記送信側エンティティは、モビリティ管理エンティティ(MME)であり、前記受信側エンティティは、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)であることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項27】
ワイヤレス通信において受信側エンティティとの間でベアラコンテキストを同期させるように構成された送信側エンティティであって、
送信側エンティティにおけるベアラコンテキストのステータスのアップデートを検出するように構成されたプロセッサであって、前記受信側エンティティへの次の非アクセス層(NAS)メッセージにベアラコンテキストステータス情報要素(IE)を含めるように構成され、前記ベアラコンテキストステータスIEが前記ベアラコンテキストの前記ステータスの前記アップデートに基づく、プロセッサと、
前記受信側エンティティに前記次のNASメッセージを送信するように構成された送信機と
を備えることを特徴とする送信側エンティティ。
【請求項28】
前記ベアラコンテキストは、EPS(進化型パケットシステム)ベアラコンテキストであることを特徴とする請求項27に記載の送信側エンティティ。
【請求項29】
前記次のNASメッセージは、拡張サービス要求(ESR)メッセージであることを特徴とする請求項27に記載の送信側エンティティ。
【請求項30】
前記ベアラコンテキストのステータスは、前記ベアラコンテキストがアクティブであるか、または非アクティブであるかを示すことを特徴とする請求項27に記載の送信側エンティティ。
【請求項31】
前記受信側エンティティがモビリティ管理エンティティ(MME)として構成されている、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)として構成されることを特徴とする請求項27に記載の送信側エンティティ。
【請求項32】
前記受信側エンティティがWTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)として構成されている、モビリティ管理エンティティ(MME)として構成されることを特徴とする請求項27に記載の送信側エンティティ。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【公表番号】特表2013−509829(P2013−509829A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537130(P2012−537130)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/054800
【国際公開番号】WO2011/053824
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(510030995)インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド (229)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/054800
【国際公開番号】WO2011/053824
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(510030995)インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド (229)
【Fターム(参考)】
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