説明

回線交換型の電話通信のための誘起型応答方法及びシステム

【課題】CS型電話通信のための誘起型応答方法及びシステムを提供する。
【解決手段】電気通信ネットワーク3上で通信するためのユーザ端末5は、回線交換型ベアラサービス上で受信及び送信されるCS型電話信号CS1,CS2を処理するためのCS電話装置CS0を少なくとも備える。ユーザ端末は、着呼の入来CS警報信号CS1と関連付けられている付加応答関連信号PS1を受信するように構成される。さらに、ユーザ端末は、付加応答関連信号に含まれる、もしくはそこから得られる情報に応答して、応答信号又はCS応答信号CS2を回線交換型ベアラサービス上で送信するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1に規定されるユーザ端末に関する。本発明はまた、CS型電話通信に応答するための方法に関する。加えて、本発明はネットワーク交換(又はネットワークサービスあるいはネットワークアプリケーションサーバ)及び、発呼端末に関する。
本発明はさらに、ユーザ端末用のコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
回線交換型(CS)電話通信において、話者間の呼設定はいくつかの工程を含んでいる。呼は、第2の話者BのB端末の電話番号を、自身のA端末でダイヤルする第1の話者Aによって開始される。そして、電話通信ネットワークは、ダイヤルされた電話番号の情報を用いてその呼をB端末へルーティングする。次に、その呼は、B端末で生成される信号により、話者Bに通知される。そして、話者BはB端末を操作して呼に応答することができる。B端末はネットワークに、呼が受け入れられたことを通知する。B端末によって応答がなされた後、呼はA端末及びB端末間で接続され、話者Aと話者Bとの間の音声通信が確立される。
【0003】
この呼の設定は、有線ネットワーク及び移動体ネットワークの両方で実施される。A端末及びB端末の両方が、有線電話又は携帯電話であってよい。
【0004】
移動体CS電話通信に関する仕様が知られている(GSM TS 04.07 7.3.0版、6.2章)には、呼の設定、進行中並びに切断の期間における電話機の有限状態機械の状態のシーケンスが記載されている。図1は、従来技術におけるCS呼状態図1の一部を示している。電話機(B端末)の有限状態機械は、様々な状態のいくつかになりうる。通常、電話機がアイドルで通信していない場合、電話機の状態は”空き(Null)”状態10である。
【0005】
ネットワークから、A端末による呼要求が入来信号として受信されうる。この信号により、有限状態機械はその状態を”呼受信”状態20へ移す。有限状態機械は、いくつかの中間状態15を通じて、”呼受信”状態20へ到達する。この状態で、端末Bのユーザ(話者B)は着呼の通知を受ける。例えばB端末のキーパッドの”応答(acknowledge)”キーを押すなどにより、ユーザが応答を発すると、有限状態機械は、A端末の話者AとB端末の話者Bとの間の音声通信が実行可能なアクティブ状態30に変化する。着呼に対するユーザの応答動作は、点線の矢印によって”呼受信状態”20に接続されているブロックA1により模式的に図示されている。
【0006】
有限状態機械は、中間状態25を通じて、”アクティブ”状態30へ到達する。同時に、音声通信フェーズを確立するため、CS呼応答信号が交換機へ返送される。呼が切断されると、有限状態機械は、おそらくいくつかの別の中間状態35を通じて”空き”状態10に変化する。この際、呼の切断が交換機へ通知される。
【0007】
従来技術において、話者BにはB端末の操作を実行(例えば”応答”ボタンを押下)して、B端末をアクティブにすることが要求される。
【0008】
着呼に応答するための上述した方法は、電話機の使い勝手及び機能性を不利に制限している。すなわち、従来技術の方法はユーザ向け(user-directed)サービスを制限しうる。
【発明の概要】
【0009】
本発明の1つの目的は、従来技術に対して改善された応答機能を有する端末を提供することにある。
【0010】
この目的を達成するため、本発明は、回線交換型ベアラサービス上で受信及び送信されるCS型電話信号を処理するためのCS電話装置を少なくとも備え、電気通信ネットワーク上で通信するためのユーザ端末であって、着呼の入来CS警告信号に関連付けられた付加応答関連信号を受信するように構成されるとともに、付加応答関連信号に含まれる(又はそこから得られる)情報に応答して、応答信号又はCS応答信号を回線交換型ベアラサービス上で送信するように構成されるユーザ端末を提供する。
【0011】
有利なことに、本発明は、ユーザ端末での着呼に対するユーザ操作を必要としない、自動応答の可能性を提供する。
【0012】
本発明はまた、CS型電話信号を受信及び送信するための少なくとも1つの回線交換型ベアラサービスであって、ユーザ端末への着呼のCS警報信号を送信するように構成された回線交換型ベアラサービスを備える、電気通信ネットワークにおけるネットワークサービスであって、着呼のCS警報信号に関連付けられ、ユーザ端末に応答信号又はCS応答信号を回線交換型ベアラサービス上で提供させるように構成された付加応答関連信号をユーザ端末へ送信するように構成されるネットワークサービスに関する。
【0013】
さらに、本発明は、回線交換型ベアラサービス上で受信及び送信されるCS型電話信号を処理するための少なくとも1つのCS電話装置を備え、電気通信ネットワーク上で通信するための発呼端末又はA端末であって、ユーザ端末による発信呼のために送信されるCS呼設定信号と関連付けられ、発信呼の情報を有する付加応答関連信号であって、それを受信するユーザ端末に応答信号又はCS応答信号を回線交換型ベアラサービス上で提供させる付加応答関連信号を送信するように構成される発呼端末又はA端末に関する。
【0014】
さらに、本発明は、電気通信ネットワーク上で通信するための方法であって、
- 回線交換型ベアラサービス上で受信及び送信されるCS型電話信号を処理する工程と、着呼の入来CS警報信号に関連付けられた付加応答関連信号を受信する工程と、
- 付加応答関連信号に含まれる、もしくはそこから得られる情報に応答して、応答信号又はCS応答信号を回線交換型ベアラサービス上で送信する工程とを有する方法に関する。
【0015】
本発明はまた、電気通信ネットワーク(3)上で通信するためのユーザ端末であって、回線交換型ベアラサービス上で受信及び送信されるCS型電話信号を処理するための少なくとも1つのCS電話装置を備えるユーザ端末のためのコンピュータプログラムであって、
ユーザ端末はさらに、処理部及び、処理部に接続されたメモリを備え、コンピュータプログラムは読み込まれた後、処理部にユーザ端末の以下の機能を制御することを可能にする:
- 着呼の入来CS警報信号に関連付けられた付加応答関連信号を受信し、
- 付加応答関連信号に含まれる、もしくはそこから得られる情報に応答して、応答信号又はCS応答信号を回線交換型ベアラサービス上で送信する機能。
【0016】
以下、本発明の例示的な実施形態を示すいくつかの図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。本技術分野に属する当業者は、本発明の範囲内で他の代替的もしくは等価的な実施形態を着想し、実施に帰することが可能であること及び、本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ限定されることを理解するであろう。
複数の図を通じて、他の図に示されるものと同一の参照数字を有する構成は同一の構成を示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来におけるCS呼状態図の一部を示す図である。
【図2】従来の端末における応答手順を模式的に示す図である。
【図3】本発明に係る応答方法を用いることが可能な端末を模式的に示す図である。
【図4】本発明に係るCS呼状態図である。
【図5】本発明の応答方法に係る信号フローを示す図である。
【図6】本発明の応答方法に係る別の信号フローを示す図である。
【図7a】、
【図7b】、
【図7c】本発明の応答方法に係るさらに別の信号フローを示す図である。
【図8】本発明の応答方法の別の実施形態に関する信号図である。
【図9】本発明の応答方法の別の実施形態におけるCS呼状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図2は、従来の端末2における応答手順を模式的に示す図である。
【0019】
端末2は一般には携帯電話だが、有線電話機であってもよい。端末2は、電気通信ネットワーク3上で通信するように構成されている。
【0020】
電子機器としての端末2は、CS型電話信号を処理するように構成されたCS電話装置CS0を備えている。CS型電話信号は、例えば、GSM(Global System for Mobile communications)で用いられるようなDTAP(Direct Transfer Application Part)プロトコルを用いて実現することができる。さらに、端末2はグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提供するとともに、局所的に、かつおそらくは(但し必須ではない)GUI内部で実施されうる1つ又は複数のアプリケーションの実行を提供するように構成されうる追加装置D0を備えることができる。追加装置(further device)D0は通常、データ及び/又は複数のアプリケーションを格納するためのメモリを備えている。
【0021】
CS電話装置CS0には、CS型電話機能を管理可能な有限状態機械FSMが存在する。
【0022】
端末2について示される応答手順は図1のCS呼状態図と一致する。
【0023】
ネットワーク3から端末2へ、着呼についての呼要求を通知するためのCS警報信号CS1が与えられる。図1に関して上述したように、有限状態機械FSMは端末2のユーザに着呼通知を提供する。
【0024】
ユーザは、ここで動作信号A1として図示されるように、例えば”応答”ボタンを押下する操作により応答する。
【0025】
ユーザ操作による信号A1は有限状態機械FSMに与えられる。有限状態機械FSMは受入信号A2により、”アクティブ”状態30における音声通信のための準備を行う。この際、呼が応答されたことを通知するためにCS型応答信号CS2がネットワーク3へ送信され、発呼端末又はA端末(図示せず)との音声通信7が開始される。
【0026】
図3は本発明に係るユーザ端末5を示す図である。
【0027】
図3において、先の図と同一の参照数字を有する構成は同一の構成を示す。
【0028】
本発明では、CS警報信号CS1に関連して(ネットワーク3上の)パケット交換ネットワークソースの付加パケット交換型信号PS1が本発明のユーザ端末5に与えられた際に、ユーザ端末5によって自動応答が提供されうるものと認識する。
【0029】
本発明のユーザ端末5は、CS電話装置CS0及びパケット交換型データ処理装置PS0が含まれる電子回路を備える。装置CS0及びPS0は点線の四角で模式的に示されている。さらに、ユーザ端末5は、上述の通り、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)及びこのGUIに関連した(局所的に実行可能な)アプリケーションを提供するように構成されうる追加装置D0を含むことができる。
【0030】
パケット交換型信号PS1は、例えばインターネットプロトコル(IP)を用いて実現される。
【0031】
CS電話装置CS0の内部には、有限状態機械FSMが設けられている。
【0032】
パケット交換型データ処理装置PS0の内部には、パケット交換型信号を処理するための処理アプリケーションHAが設けられている。さらに、PS0には、付加パケット交換型信号PS1に関するデータを記憶するための記憶装置又はメモリMPが設けられても良い。
【0033】
処理アプリケーションHAは、処理アプリケーションHAから有限状態機械FSMへ情報信号を送信するために、有限状態機械FSMへの接続40を出力として有する。処理アプリケーションは付加パケット交換型信号PS1から情報を取得することができる。そのような情報信号には少なくとも応答制御信号ACSが含まれる。
【0034】
詳細は後述するが、有限状態機械FSMは、処理アプリケーションHAから受信した応答制御信号ACSに関連して自身の状態を変更することができる。
【0035】
ネットワーク3上のネットワークサービス(又はネットワークアプリケーションサーバ)NSは、CS警報信号CS1を付加パケット交換型信号PS1とともにユーザ端末5へ提供することができる。
【0036】
ネットワーク3内で、信号CS1及びPS1はそれぞれのベアラサービス上で伝送される。CS警報信号CS1は第1の回線交換型のベアラサービス上で伝送される。パケット交換型信号PS1は第2のパケット交換型のベアラサービス上で伝送される。
【0037】
CS警報信号CS1はCS電話装置CS0へ導かれる。CS警報信号CS1は、図1及び図2に関して上述したように、有限状態機械FSMとの相互作用を有するであろう。有限状態機械FSMは自身の状態を(ビジーでなければ)呼受信状態20へ変更するであろう。
【0038】
有限状態機械FSMは、CS警報信号CS1の受信と連動して、付加パケット交換型信号PS1を予期するように構成される。一実施形態において、有限状態機械FSMはCS警報信号CS1から、そのような付加パケット交換型信号PS1を予期すべきであることを取得する。これは例えば、受信した発呼者回線識別信号(Caller Line Identity signal)又はCS警報信号CS1の変形物に基づいて実現可能である。CS警報信号が関連するネットワークサービスに関するものか、関連する付加パケット交換型信号PS1を予期可能かを判定するため、受信した発呼者回線識別信号又はCS警報信号CS1の変形物をメモリMPに記憶されたデータと比較することができる。別の実施形態において、有限状態機械FSMは、関連する付加パケット交換型信号PS1の受信を、(固定された)所定の時間内に受信することを予期するように構成されてもよい。付加パケット交換型信号PS1を予期しながら、有限状態機械FSMはユーザへの(聴覚的、視覚的又は触覚的な)警報の生成を遅延するように構成されてもよい。所定の時間はCS警報信号CS1及びパケット交換型信号PS1が実質的に同時にユーザ端末5で受信されるようなものであってよい。
【0039】
また、パケット交換型信号PS1がCS警報信号CS1より前に到着するが、対応するCS警報信号CS1の到着まで保留されるようにしてもよい。
【0040】
受信後、付加パケット交換型信号PS1はパケットデータ処理装置PS0内の処理アプリケーションHAへ導かれる。付加パケット交換型信号PS1は”継続中”のCS警報信号CS1に関する応答関連データを少なくとも含んでいる。処理アプリケーションHAは、ネットワークサービスがユーザ端末5による自動応答の実行を要求しているか否かを、パケット交換型信号PS1内の応答関連データから判別するように構成される。
【0041】
自動応答が要求されている場合、処理アプリケーションHAは、有限状態機械FSMへの接続40上で応答制御信号ACSを提供することができる。
【0042】
応答制御信号ACSを受信すると、有限状態機械FSMは自身の状態を”呼受信”状態20から中間状態25を通じて”アクティブ”状態30へ遷移させて変更する。
【0043】
この結果、ユーザ端末5は、懸案の呼が応答されたというCS応答信号CS2をネットワーク3へ提供する。音声通信7の開始が可能になる。
【0044】
上述の方法において、付加パケット交換型信号PS1は、CS電話装置CS0のための、ネットワーク誘起型(network induced)の応答を提供する。
【0045】
本発明によれば、”呼受信”状態20から”アクティブ”状態30への遷移は、(付加パケット交換型信号PS1によって与えられる)ネットワーク誘起型応答又は、ユーザ端末5の移動終端ユーザ(mobile terminated user)による呼受け入れを発端として開始される。
【0046】
確立された呼の続きは、図1及び図2に関して上述した通りであってよい。
【0047】
図4は本発明に係るユーザ端末5の有限状態機械のためのCS呼状態図4を示している。
【0048】
ユーザ端末5の有限状態機械FSMは、CS呼状態においてプリミティブACSを受け付ける能力を有することを除き、従来技術の有限状態機械と非常に似ている。プリミティブACSは処理アプリケーションHAによって生成された応答制御信号ACSから得られる。プリミティブACSは、点線で示すように、有限状態機械FSMを”呼受信”状態20から”アクティブ”状態30へ変化するように促すことができる。
【0049】
ユーザ端末5による自動応答を実行すべきであることの、処理アプリケーションHAによる判別ステップは、CS警報信号CS1及び付加パケット交換型信号PS1が何らかの方法により関連付けされることを必要とする。例えば、付加パケット交換型信号PS1が、通常CS警報信号CS1に含まれている話者Aの発呼回線識別情報(CLI)のような、CS警報信号CS1に関するデータを含んでもよい。また、CS警報信号CS1が、付加パケット交換型信号PS1が一緒に送信されることを示す何らかのデータを含んでもよい。
【0050】
さらに、処理アプリケーションは、付加パケット交換型信号PS1から、CS警報信号CS1及び付加パケット交換型信号PS1の組み合わせを送信したネットワークサービスNSのIDを取得することができる。
【0051】
加えて処理アプリケーションは、付加パケット交換型信号PS1から、ネットワークサービスNSに関する認証情報を取得することもでき、処理アプリケーションHAがネットワークサービスNSの認証を確認することを可能にする。このようにして、ユーザ端末5のユーザは、ネットワークサービス3のIDを確実に知ることができる。
【0052】
最後に、付加パケット交換型信号PS1のデータは、ネットワークサービスNSがその呼に対してユーザ端末5が自動的に応答すべきと要求した”理由”を示す負荷情報を含んでもよい。
【0053】
信号PS1に含まれる、識別、認証、及び”理由”の少なくとも1つのための情報は、どのネットワークサービスが自動応答を許されるかについて、処理アプリケーションHAがサービスフィルタFLを適用することを可能にする。
【0054】
サービスフィルタFLは、付加パケット交換型信号PS1内の、信号PS1を送信又は生成したネットワークサービスNSの識別及び/又は認証目的のための上述した情報に関連付けられたデータを備える。
【0055】
サービスフィルタFLは例えばユーザ端末5上の(おそらくはGUIを用いた)アプリケーションによってユーザが定義してもよい。ユーザは、ユーザ端末5が着呼に対して自動的に応答することを許可する1つ又は複数のネットワークサービスNSを定義するためにそのアプリケーションを用いることができる。アプリケーションは、着呼に対して自動応答を生成しうるか否かを判別する処理の間に処理アプリケーションHAが利用するためにアクセス可能なサービスフィルタリングデータを規定することができる。サービスフィルタリングデータは通常、サービスフィルタFLに関連付けられたメモリ内に保存される。
【0056】
一実施形態において、ユーザ端末5は、CS警報信号CS1及び付加パケット交換型信号PS1の両方を、入来メッセージに関してユーザに通知することなく自動的に処理するよう(すなわち、無音警報パターンを有するよう)に構成される。この処理は、例えば、SIMアプリケーションツールキット(SAT)及びMExEのような移動体端末用アプリケーションを用いて実行することができる。処理アプリケーションHAはJ2MEのようなアプリケーションプログラミングインタフェースを用いることができる。しかし、代替プロトコル及びプログラミング環境もまた等しく好適でありうることを本発明の技術分野に属する当業者は理解するであろう。
【0057】
着呼の実際の性質(及びその信頼性)に応じて、本発明はCS警報信号CS1と付加パケット交換型信号PS1との組み合わせを、ネットワークサービスNS又は話者AのA端末のいずれかが生成することを可能にする。
【0058】
図5は本発明の応答方法に係る信号フローを示す図である。
【0059】
本実施形態において、CS警報信号CS1及び付加パケット交換型信号PS1の組み合わせは、ネットワーク3上のネットワークサービスNSによって生成される。
【0060】
呼設定は、CS警報信号CS1(又は一般的には、CS呼設定)をネットワーク3上に送信するA端末6によって開始される。ネットワーク3において、ネットワークサービスNSは付加パケット交換型信号PS1を生成し、付加パケット交換型信号PS1はユーザ端末5(又は詳細を示していないB端末5)へ、CS警報信号CS1とともに送信される。上述の通り、CS警報信号CS1は無音警報パターンがユーザ端末5へ送信されるように変更されてもよい。
【0061】
上述したように、ユーザ端末5は、CS警報信号CS1及び付加パケット交換型信号PS1の組み合わせにおいて受信される情報に基づいて自動応答(CS応答CS2)を生成する。CS応答CS2は、音声通信7を確立するため、ネットワーク3及びA端末6へ送信される。
【0062】
図6は本発明の応答方法に係る別の信号フローを示す図である。
【0063】
本実施形態において、CS警報信号CS1及び付加パケット交換型信号PS1の組み合わせは、A端末6によって生成される。
【0064】
CS警報信号CS1及び付加パケット交換型信号PS1はいずれもA端末で生成され、ネットワーク3を介してユーザ端末5へ送信される。この場合、ネットワーク3はCS1及びPS1の両方に対して透過的に振る舞う。なお、CS呼設定又はA端末6で生成されるCS警報信号CS1は、無音警報パターンを含みうることに留意されたい。
【0065】
上述したように、ユーザ端末5は、CS警報信号CS1及び付加パケット交換型信号PS1の組み合わせにおいて受信される情報に基づいて自動応答を(CS応答CS2によって)生成する。CS応答CS2は、音声通信7を確立するため、ネットワーク3及びA端末6へ送信される。
【0066】
図7a,7b,7cは本発明の応答方法に係るさらに別の信号フローを示す図である。
【0067】
図7aの実施形態において、ユーザ端末5は着呼を、ネットワーク3上のネットワークサービスNSから、CS警報信号CS1と付加回線交換型信号CS3とともに受信する。
【0068】
ネットワークサービスNSはCS警報信号CS1に加え、ネットワーク誘起型応答信号CS3を生成する。
【0069】
ネットワーク誘起型応答信号CS3は、CSドメイン内の信号である。
【0070】
CS警報信号CS1はCS電話装置CS0へ導かれる。CS警報信号CS1は、図1及び図2に関して上述したように、有限状態機械FSMとの相互作用を有するであろう。有限状態機械FSMは自身の状態を(ビジーでなければ)”呼受信”状態20へ変更するであろう。
【0071】
有限状態機械FSMは、CS警報信号CS1の受信と連動して、付加回線交換型信号CS3を予期するように構成される。有限状態機械FSMはCS警報信号CS1から、そのような付加回線交換型信号CS3を予期すべきであることを取得する。
【0072】
付加回線交換型信号CS3を予期しながら、有限状態機械FSMはユーザへの(聴覚的、視覚的又は触覚的な)警報の生成を、付加回線交換型信号(又はネットワーク誘起型応答信号)CS3がユーザ端末5で受信されるであろう所定時間、遅延するように構成されてもよい。
【0073】
また、回線交換型信号CS3がCS警報信号CS1より前に到着するが、対応するCS警報信号CS1の到着まで保留されるようにしてもよい。
【0074】
受信後、付加回線交換型信号CS3もまた有限状態機械FSMへ導かれる。付加回線交換型信号CS3は”継続中”のCS警報信号CS1に関する応答関連データを少なくとも含むことができる。
【0075】
有限状態機械FSMは、ネットワークサービスがユーザ端末5による自動応答の実行を要求しているか否かを、付加回線交換型信号CS3から判別するように構成されることができる。
【0076】
自動応答が要求されている場合、有限状態機械FSMは自身の状態を”呼受信”状態20から1つ以上の中間状態25を通じて”アクティブ”状態30へ遷移させて変更し、CS応答CS2をネットワーク3(ネットワークサービスNS)へ送信する。
【0077】
次いで、音声通信7の開始が可能になる。
【0078】
図7aの実施形態において、ユーザ端末5は着呼を、網3上のネットワークサービスNSから、CS警報信号CS1と付加回線交換型信号CS3とともに受信する。
【0079】
ネットワークサービスNSはCS警報信号CS1に加え、付加回線交換型信号CS3を生成する。これらはいずれも回線交換型ベアラサービス上で送信可能である。
【0080】
図7bの実施形態において、ユーザ端末5は着呼を、発呼A端末6から、CS警報信号CS1と付加回線交換型信号CS3とともに受信する。
【0081】
ユーザ端末5に対する着呼を発呼したA端末6は、CS警報信号CS1に加え、付加回線交換型信号CS3を生成する。これらはいずれも回線交換型ベアラサービス上で送信可能である。
【0082】
この場合、ネットワーク3はCS1及びCS3の両方に対して透過的に振る舞う。なお、CS呼設定又はA端末6で生成されるCS警報信号CS1は、無音警報パターンを含みうることに留意されたい。
【0083】
図7aに関して上述したように、有限状態機械FSMは、ネットワークサービスがユーザ端末5による自動応答の実行を要求しているか否かを、ネットワーク誘起型応答信号CS3から判別するように構成される。
【0084】
もしそうであれば、有限状態機械は自身の状態を”呼受信”状態20から1つ以上の中間状態25を通じて”アクティブ”状態30へ遷移させて変更し、CS応答CS2をネットワーク3(及びA端末6)へ送信することができる。次に、A端末6とユーザ端末5との間の音声通信7が開始可能になる。
【0085】
図7cの実施形態において、ユーザ端末5は着呼を、CS警報信号CS1と、招待信号IS1を含んだ付加パケット交換型信号PS1とともに受信する。
【0086】
パケット交換型ベアラサービス上の付加パケット交換型信号PS1は、図5及び図6に関してそれぞれ上述した通り、ネットワークサービスNS又は発呼A端末6によって生成されることができる。
【0087】
処理アプリケーションHAは招待信号IS1を付加パケット交換型信号PS1から抽出し、招待信号IS1を追加装置D0へ送信するように構成されている。追加装置D0は、招待信号IS1をGUIを用いた何らかのアプリケーションによって処理するように構成されており、このアプリケーションは着呼に関する情報をユーザに提示する。この情報に対するフィードバック信号FSをユーザから受信した後、ユーザ端末はパケット交換型形式のフィードバック信号FS(に関する情報)を、PSベアラサービス上でネットワークサービスNSへ送信する。
【0088】
ネットワークサービスNSは、ユーザ端末5からのフィードバック信号を認識するように構成されている。その結果、ネットワークサービスNSは、誘起されたCS応答信号CS3を回線交換型ベアラサービス上でユーザ端末5へ送信することにより応答し、ユーザ端末のCS0に、招待信号IS1を含んだパケット交換型信号PS1とのユーザ相互作用に関して通知する。有限状態機械FSMはネットワーク誘起型CS応答CS3を受信し、自身の状態を”アクティブ”状態30へ変更する。この結果、CS電話型装置CS0はCS応答CS2をネットワーク3(ネットワークサービスNS及び/又はA端末6)へ送信する。
【0089】
必要であれば、この時点で音声通信7を確立することができる。
【0090】
図8は、本発明の応答方法の別の実施形態に関する信号図である。
【0091】
本実施形態において、CS警報信号CS1及び付加パケット交換型信号PS1の組み合わせは、図5に示した実施形態と同様にネットワーク3上のネットワークサービスNSによって生成される。
【0092】
呼設定は、CS警報信号CS1をネットワーク3に送信するA端末6によって開始される。ネットワーク3において、ネットワークサービスNSはパケット交換型ベアラサービス上で付加パケット交換型信号PS1を生成し、付加パケット交換型信号PS1はユーザ端末5(又は詳細を示していないB端末5)へ、CS警報信号CS1とともに送信される。上述の通り、CS警報信号CS1は無音警報パターンがユーザ端末5へ送信されるように変更されてもよい。
【0093】
付加パケット交換型信号PS1は、自動CS応答CS2がネットワーク3へ送信されるまでの呼び出し(ring)の数又は時間についての情報を含んだリング遅延信号RSを有している。処理アプリケーションHAは付加パケット交換型信号PS1を処理し、呼び出し遅延信号RS情報を抽出する。接続40上で、処理アプリケーションHAは呼び出し遅延信号RS(に関する情報)を、有限状態機械FSMへ送信する。有限状態機械FSMは受信した呼び出し情報から、いくつの呼び出し音の後(又はいつ)”呼受信”状態20から”アクティブ”状態30へ変更し、CS応答信号CS2をネットワーク3へ送信するかを判別する。
【0094】
上述の通り、CS応答CS2は、音声通信7を確立するため、ネットワーク3及びA端末6へ送信される。
【0095】
図9は、本発明の応答方法の別の実施形態におけるCS呼状態図である。
【0096】
本発明の本実施形態において、ユーザ端末5は、A端末6に対し、ユーザ端末5と他のA端末との間で継続中かもしれない最初の他の呼の会話に”割り込む”特権を与えている。この状況において、本発明は以下に説明するように、”(ネットワーク誘起型の)強制呼保留(forced call hold)”を提供することができる。
【0097】
”呼保留”の原理はGSM TS 04.83 v.7.0.1に記載されている。GSM TS 04.83の第2.1.5章は、”呼保留”状態について記載している。”呼保留”状態は本明細書において、一般的な”アクティブ”状態30の一部である補助状態と見なされる。
【0098】
特権を有するA端末6は、ユーザ端末5への呼を設定し、呼設定において”強制呼保留”命令を含ませる。あるいは、ネットワークサービスNSが”強制呼保留命令”を、特権を有するA端末6の代わりに提供することもできる。この”強制呼保留””命令は、付加パケット交換型信号PS1として、PSドメイン内のベアラサービス上で搬送される。この”強制呼保留””命令は、ユーザ端末5に受信された際、処理アプリケーションHAに、保留信号又は保留プリミティブHSを接続40上で有限状態機械FSMへ提供させる効果を有することができる。
【0099】
特権を有するA端末の呼が入来した時点におけるユーザ端末5の実際の状態、すなわち、”空き”状態10(=アイドル)又は”アクティブ”状態30(=ビジー)に応じて、有限状態機械FSMは保留信号HSの解釈を異ならせることができる。
【0100】
”空き”状態10の間、有限状態機械FSMはその状態を(上述のように)”呼受信”状態20に変更し、”保留”信号を無視することができる(この場合、着呼は話者Bによって、従来技術における通常呼のように取り扱うことができる)。或いは、上述した1つ又は複数の実施形態に従って、有限状態機械FSMは”保留”信号HSを、着呼に自動応答するためのネットワーク誘起型命令として解釈し、”アクティブ”状態30へ変更することができる。
【0101】
しかし、保留信号が最初の他の呼の”アクティブ”状態中に有限状態機械FSMに入来した際、有限状態機械FSMは(矢印H1で示すように)その最初の他の継続中の呼の状態を”保留”状態45に変更し、特権を有するA端末6からの着呼の状態を”アクティブ”状態に変更する(矢印H2)ように構成される。
【0102】
特権を有するA端末6からの呼の切断後、有限状態機械は自身の状態を前の状態に復帰させる。すなわち、”保留”されている(”保留”状態にある)最初の他の呼を検索し、”アクティブ”状態へ復帰させる(矢印H3)。他の呼が存在しなければ、”空き”状態へ変更する。
【0103】
他の呼を”アクティブ”状態30から”保留”状態45へ遷移させるのも、他の呼を”保留”状態45から”アクティブ”状態30へ遷移させるのも、本質的にGSM TS 04.83仕様に従って実行することができる。本発明に係る付加パケット交換型信号PS1(ネットワーク誘起型信号)は、ユーザ端末5に、動作H1,H3のいずれかの実行を命令する。
【0104】
”強制呼保留”の包含は、話者Aにより手動で実行されてもよい。あるいは、”強制呼保留”の包含は、ユーザ端末5のB番号の何らかの認識手順によってA端末6が自動的に実行してもよい。
【0105】
例えば、ユーザ端末5のB番号及び、そのB番号に対する”強制呼保留””のアプリケーションの表示を、A端末のメモリに保存しておくことができる。ユーザ端末5のB番号が発呼された際、A端末は、”強制呼保留”命令を自動的に送信するため、メモリに保存されたデータを用いることができる。
【0106】
さらに、付加パケット交換型信号PS1における(”強制呼保留”命令の)付加情報が、最初の他の呼におけるユーザ端末5及び/又は他のA端末で提示されなければならない(個々の端末におけるスピーカでの聴覚的な、又はディスプレイにおける視覚的な)アナウンスへの参照を含むことができる。
【0107】
例えば、”保留”状態にされようとしている他のA端末の話者が適切なアナウンスを受信することができ、特権を有するA端末6の話者と自動的に接続されようとしているユーザ端末5の話者Bが適切なアナウンスを受信することができる。これらのアナウンスは異なるものであってよい。アナウンスはPSドメインにおけるユーザ端末5からのアナウンス信号に応答して、ネットワークサービスNSから提供することができる。
【0108】
付加パケット交換型信号PS1における付加情報はさらに、話者Bのユーザ端末5に、規定数の呼び出し(例えば3回の呼び出し音)の後、ネットワーク誘起型の”強制呼保留”が発生することを通知することができる。これにより、話者Bは、”応答済み”の代わりに、自身で電話に応答することが可能になる。
【0109】
ネットワーク誘起型の”呼保留”は、車で移動中における移動体電話を通じた道順案内中に音声コンテンツを提供するアプリケーションの拡張として有用であろう。ドライバーが道順情報(例えば”高速道路の次の出口”)を予期している際、ドライバーは自身が通話中であってもこの情報を予期している。従って、音声道順情報は進行中の会話を自動的に保留し、おそらくはアナウンスを再生し、切断し、元の通話を復元しなければならない。
【0110】
本発明によるユーザ端末5のための方法は、ハードウェア及び/又はソフトウェアで実施可能である。ソフトウェアの場合、ユーザ端末5は処理ユニット及び処理ユニットに接続されるメモリを備える。ユーザ端末5は上述した方法を実行するコンピュータプログラムをロードすることが可能である。コンピュータプログラムをロードした後、ユーザ端末5の処理ユニットは、上述した機能が得られるようにプログラムを実行するように構成される。
【0111】
同様に、ソフトウェアプログラムは、ネットワークサービスNS及びA端末6に関してそれぞれ上述したような機能を得るために、ネットワークサービス3及び/又は発呼A端末6内部でも利用可能である。
【0112】
本発明はユーザ端末5用の様々なアプリケーションで実施可能である。
【0113】
第1のCS型アプリケーションにおいて、ユーザ端末5はガイド付きツアーの音声コンテンツを受信するように構成される。ユーザ端末5は、実施形態のいずれか1つに従った任意かつ適切な移動体通信装置であってよい。
【0114】
新たなコンテンツが入手可能になる毎(例えばユーザ端末5の位置に応じて)、CS型アプリケーションは付加パケット交換型信号PS1によってユーザ端末5への呼を開始する。個々の呼は上述した1つ又は複数の実施形態に従って、ユーザの応答を必要とせず自動応答される。
【0115】
別のアプリケーションにおいて、ユーザ端末5は監視電話(babyphone)機能を有するように構成される。ユーザ端末5は子供、例えば乳幼児のいる部屋に設置することができる。ユーザ端末5への呼は全て、その部屋からの音を録音するための通信になる。呼はその呼への自動応答のための付加パケット交換型信号PS1を含み、さらには無音警報パターンのための命令も含むことができる。
【0116】
監視電話は上述したユーザ端末のいずれか1つの実施形態によって実現可能であり、ユーザ端末は回線交換型ベアラサービス上で受信並びに送信されるCS型電話信号CS1,CS2を処理するためのCS電話装置CS0を少なくとも備え、電気通信ネットワーク上で通信するように構成される。ユーザ端末は、着呼の入来CS警報信号CS1と関連付けられている付加応答関連信号PS1;CS3を受信するように構成される。さらに、ユーザ端末は、付加応答関連信号に含まれる、もしくはそこから得られる情報に応答して、応答信号又はCS応答信号CS2を回線交換型ベアラサービス上で送信するように構成される。
【0117】
別のアプリケーションにおいて、本発明は、上述のようにネットワーク誘起型の呼保留を提供する。A端末6は、本発明のユーザ端末5を呼び出す。ユーザ端末は別の端末との通話中である。上述のように、A端末6は進行中の呼に”割り込む”特権を与えられている。A端末のユーザは”ビジー”信号を受信し、A端末6上で命令を与えることにより、ユーザ端末5に他の呼を保留させ、A端末を音声通信で接続するように強制することができる。この命令は、ユーザ端末5が受信するとA端末6に応答させる付加パケット交換型信号PS1を生成するきっかけを与える。他の呼は保留される。他の呼の話者には、呼が保留されることのメッセージを提示することができる。
【0118】
さらに別のアプリケーションにおいて、本発明は、上述のようにネットワーク誘起型の”呼保留”を提供する。A端末6は、本発明のユーザ端末5を呼び出す。ユーザ端末5は別の端末との通話中である。上述のように、A端末6は進行中の呼に”割り込む”特権を与えられている。この場合、A端末におけるユーザ操作は不要である。ビジー信号はA端末6の話者には送信されない。付加パケット交換型信号PS1は呼設定信号と共に直接送信されてもよいし、ユーザ端末5についてビジー信号が検出された際にネットワークサービスNSによって生成されてもよい。ユーザ端末5はA端末6に応答し、他の呼は”保留”される。他の呼の話者には、呼が”保留”されることのメッセージを提示することができる。
【0119】
本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、これら実施形態には本発明を限定する意図はない。本発明は他の任意の代替物、変形物又は等価物を統合することができ、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回線交換型ベアラサービス上で受信及び送信されるCS型電話信号(CS1, CS2)を処理するためのCS電話装置(CS0)を少なくとも備え、電気通信ネットワーク(3)上で通信するためのユーザ端末(5)であって、
着呼の入来CS警報信号(CS1)と関連付けられている付加応答関連信号(PS1; CS3)を受信するように構成されるとともに、
前記付加応答関連信号に含まれる、もしくは前記付加応答関連信号から得られる情報に応答して、応答信号又はCS応答信号(CS2)を、前記回線交換型ベアラサービス上で送信するように構成されることを特徴とするユーザ端末。
【請求項2】
前記付加応答関連信号が、前記回線交換型ベアラサービス上の付加回線交換型信号(CS3)を含み、
前記CS電話装置(CS0)が、前記付加回線交換型信号(CS3)からの情報に応答する有限状態機械(FSM)を備えると共に、前記有限状態機械が、前記ユーザ端末の状態(20)を前記着呼についてアクティブ状態(30)に変更するとともに、受け入れ信号(A2)を前記CS電話装置(CS0)に提供するように構成され、前記CS電話装置が、前記CS応答信号(CS2)を送信するように構成されることを特徴とする請求項1記載のユーザ端末(5)。
【請求項3】
前記付加応答関連信号がパケット交換型ベアラサービス上の付加パケット交換型信号(PS1)を含み、
前記ユーザ端末は、着呼のCS警報信号(CS1)に関連付けられるとともに前記着呼の情報を有する、前記付加パケット交換型信号(PS1)を、前記パケット交換型ベアラサービス上で受信するパケット交換型データ処理装置(PS0)を備え、
前記付加パケット交換型信号に含まれる、もしくは前記付加パケット交換型信号から得られる情報に応答して、応答信号又はCS応答信号(CS2)を、前記回線交換型ベアラサービス上で送信するように構成されることを特徴とする請求項1記載のユーザ端末(5)。
【請求項4】
前記CS電話装置(CS0)が、前記付加パケット交換型信号(PS1)からの情報に応答する有限状態機械(FSM)を備えると共に、前記有限状態機械が、前記ユーザ端末の状態(20)を前記着呼についてアクティブ状態(30)に変更するとともに、前記CS応答信号(CS2)を送信するように構成されることを特徴とする請求項3記載のユーザ端末(5)。
【請求項5】
前記パケット交換型データ処理装置(PS0)が、パケット交換型信号を処理するための処理アプリケーション(HA)であって、前記付加パケット交換型信号(PS1)から情報信号(ACS; HS; RS)を取得可能な処理アプリケーションと、前記有限状態機械(FSM)の入力と接続された前記処理アプリケーションの出力とを備え、前記有限状態機械は、前記情報信号を受信すると共に、自身の状態(20)を前記受信した情報信号に従って変更するように構成されることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のユーザ端末(5)。
【請求項6】
前記情報信号が、前記有限状態機械(FSM)に、他の進行中の呼のアクティブ状態(30)を保留状態(45)に変更(H1)させるとともに、前記着呼を前記アクティブ状態(30)にさせる保留信号(HS)であることを特徴とする請求項5記載のユーザ端末(5)。
【請求項7】
前記有限状態機械(FSM)が、前記CS電話装置(CS0)に受け入れ信号(A2)を提供するように構成され、前記CS電話装置がさらに、前記他の進行中の呼の少なくとも1つの端末及び前記着呼の端末(6)に、前記進行中の呼及び前記着呼についての呼状態(30,45)の変更に関するメッセージをそれぞれ送信するように構成されることを特徴とする請求項6記載のユーザ端末(5)。
【請求項8】
前記情報信号が、前記有限状態機械(FSM)に、経過後に前記着呼について前記”アクティブ”状態(30)に変更する時間を判別させるとともに、前記CS応答信号(CS2)を送信させる呼び出し遅延信号(RS)であることを特徴とする請求項5記載のユーザ端末(5)。
【請求項9】
局所的に実行可能な少なくとも1つのアプリケーションを提供する追加装置(D0)と、前記追加装置の入力と接続される前記処理アプリケーション(HA)の別の出力とをさらに有し、
前記処理アプリケーションが、前記付加パケット交換型信号(PS1)から招待信号(IS1)を抽出し、前記招待信号を前記追加装置に送信するように構成されることを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載のユーザ端末(5)。
【請求項10】
前記追加装置(D0)が、
- 前記着呼に関する情報を前記ユーザ端末(5)のユーザに提示するため、前記少なくとも1つの局所的に実行可能なアプリケーションによって前記招待信号(IS1)を処理し、
- ユーザフィードバック信号(FS)を受信し、
- 前記パケット交換型ベアラサービス上でさらなるフィードバック信号(FS)が送信されるようにする、
ように構成されることを特徴とする請求項9記載のユーザ端末(5)。
【請求項11】
前記CS電話装置(SC0)が、前記フィードバック信号(SF)の送信に応答して付加回線交換型信号(CS3)を受信するように構成され、
前記有限状態機械(FSM)が前記付加回線交換型信号の受信に応答して、前記着呼についての自身の状態を”アクティブ”状態(30)に変更するように構成されることを特徴とする請求項10記載のユーザ端末(5)。
【請求項12】
CS型電話信号(CS1,CS2)を受信及び送信するための少なくとも1つの回線交換型ベアラサービスであって、ユーザ端末(5)への着呼のCS警報信号(CS1)を送信するように構成された回線交換型ベアラサービスを備えた、電気通信ネットワーク(3)上のネットワークサービス(NS)であって、
前記着呼のCS警報信号(CS1)に関連付けられるとともに、前記ユーザ端末に前記回線交換型ベアラサービス上で応答信号又はCS応答信号(CS2)を提供させるように構成された付加応答関連信号(PS1;CS3)を、前記ユーザ端末へ送信するように構成されるネットワークサービス。
【請求項13】
回線交換型ベアラサービス上で受信及び送信されるCS型電話信号(CS1, CS2)を処理するためのCS電話装置(CS0)を備え、電気通信ネットワーク(3)上で通信するための発呼端末(6)であって、
ユーザ端末(5)との発信呼に関して送信されるCS呼設定信号(CS1)に関連付けられるとともに、前記発信呼に関する情報を有する付加応答関連信号(PS1; CS3)であって、前記受信側ユーザ端末に応答信号又はCS応答信号(CS2)を前記回線交換型ベアラサービス上で提供させる付加応答関連信号を送信するように構成されることを特徴とする発呼端末(6)。
【請求項14】
電気通信ネットワーク(3)上で通信するための方法であって、
- 回線交換型ベアラサービス上で受信及び送信されるCS型電話信号(CS1, CS2)を処理する工程と、
- 着呼の入来CS警報信号(CS1)と関連付けられている付加応答関連信号(PS1; CS3)を受信する工程と、
- 前記付加応答関連信号に含まれる、もしくは前記付加応答関連信号から得られる情報に応答して、応答信号又はCS応答信号(CS2)を前記回線交換型ベアラサービス上で送信する工程とを有することを特徴とする方法。
【請求項15】
前記付加応答関連信号(PS1; CS3)からの前記情報に応答して、
- 前記着呼についての状態(20)をアクティブ状態(30)に変更する工程と、
- 前記応答信号又はCS応答信号(CS2)を送信する工程とを有することを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
さらに、
- 前記付加応答関連信号(PS1; CS3)を処理する工程と、前記付加応答関連信号(PS1; CS3)から情報信号(ACS; HS; RS)を取得する工程と、
- 前記着呼についての前記状態(20)を、前記取得された情報信号に従って変更する工程とを有することを特徴とする請求項14又は請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記情報信号(HS)に応答して、
- 他の進行中の呼のアクティブ状態(30)を保留状態(45)に変更する(H1)工程と、
- 前記着呼を前記アクティブ状態(30)にする(H2)工程と、
- 呼状態(30, 45)の前記変更に関するメッセージを、前記他の進行中の呼の端末及び/又は前記着呼の端末(6)に送信する工程とをさらに有することを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
さらに、
- 前記付加応答関連信号(PS1)から招待信号(IS1)を抽出する工程と、
- 前記着呼に関する情報をユーザに提示するため、前記招待信号(IS1)を処理する工程と、
- ユーザフィードバック信号(FS)を受信する工程と、
- 前記ユーザフィードバック信号の前記受信に応答して、さらなるフィードバック信号(SF)が送信されるようにする工程と、
- 前記フィードバック信号(SF)の前記送信に応答して、付加回線交換型信号(CS3)を受信する工程とを有することを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項19】
電気通信ネットワーク(3)上で通信するためのユーザ端末(5)のためのコンピュータプログラムであって、前記ユーザ端末はCS型電話信号(CS1,CS2)を処理するためのCS電話装置(CS0)を少なくとも備え、前記CS型電話信号は回線交換型ベアラサービス上で受信及び送信され、前記ユーザ端末はさらに処理ユニット及び前記処理ユニットに接続されたメモリを備え、前記コンピュータプログラムは、ロードされた後、前記処理ユニットに前記ユーザ端末の:
- 着呼の入来CS警報信号(CS1)と関連付けられた付加応答関連信号(PS1; CS3)を受信し、
- 前記付加応答関連信号に含まれる、もしくは前記付加応答関連信号から得られる情報に応答して、応答信号又はCS応答信号(CS2)を前記回線交換型ベアラサービス上で送信する、
機能を制御することを可能にすることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項20】
請求項19記載のコンピュータプログラムのためのデータ記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−54927(P2012−54927A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−180824(P2011−180824)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【分割の表示】特願2008−547123(P2008−547123)の分割
【原出願日】平成17年12月23日(2005.12.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】