説明

回路ユニット収容ボックス

【課題】待受型の電気コネクタを有する回路ユニット収容ボックスであって、第1コネクタを備える回路ユニットを適確に収容できると共に、回路ユニットの回路収容ボッススへの収容に際し、作業者が、回路ユニットを回路ユニット収容ボックスに簡単な操作で装着することができる回路ユニット収容ボックスを提供する。
【解決手段】回路ユニット収容ボックス1は、第1コネクタ71を備える回路ユニット60が挿入される回路ユニット収容部11を少なくとも1つ有するボックス体10と、回路ユニット収容部11に配置され、挿入された回路ユニット60と電気的に接続する待受型の電気コネクタ30とを具備する。ボックス体10及び回路ユニット60には、回路ユニット60が第1位置から第2位置にまで挿入されたときに、回路ユニット60をボックス体10に保持する保持手段が備えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタを備えるECU等の回路ユニットが挿入される回路ユニット収容ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車分野において、電気コネクタ(第1コネクタ)を備えるECU等の複数の回路ユニットを、予め車両側に搭載された回路ユニット収容ボックスに一括、集中して収容、装着する要請が高まっている。
ここで、第1コネクタを備える回路ユニット等の第1構造体と、第1コネクタと接続する待受型の電気コネクタを有する第2構造体とを結合するコネクタ装置として、例えば、図19乃至図28に示すものが知られている(特許文献1参照)。図19は、従来例の待受型の電気コネクタを有するコネクタ装置の組立斜視図である。図20は、図19に示すコネクタ装置において、第1コネクタとともに、待受部に第2コネクタを収容した状態を示す断面図である。図21は、図20における21−21線に沿う断面図である。図22は、図21に示したコネクタ装置の嵌合途中の説明図である。図23は、図22における23−23線に沿う断面図である。図24は、図22に示したコネクタ装置の嵌合途中の説明図である。図25は、図24における25−25線に沿う断面図である。図26は、図24に示したコネクタ装置の嵌合完了状態の説明図である。図27は、第1コネクタと待受部と第2コネクタとの間における係止手段と係止解除手段との関係を示す説明図である。図28は、第1コネクタと第2コネクタとをロックするロック手段とロック解除手段との関係を示す説明図である。
【0003】
図19に示すコネクタ装置101は、第1コネクタ102を備える回路ユニット等の第1構造体(図示せず)と、第1コネクタ102と接続する待受型の電気コネクタ105を有する第2構造体(図示せず)とを結合するようになっている。
ここで、第1コネクタ102は、扁平の略矩形形状に形成され、図20に示すように、前端(図20における右端)に第2コネクタ104の嵌合部104aを受容する開口102aを有している。第1コネクタ102の上下両面の前端には、それぞれ1対の係止解除キー(係止解除手段)102bが設けられている。また、第1コネクタ102の両側面には、図19及び図20に示すように、1対のロック解除リブ(ロック解除手段)102dが設けられている。各ロック解除リブ102dは、後端側から中央に向かって延びる上下1対のリブ102eと、これらリブ102eの前端部を連結するとともに半円形状に外方に突出した突起102fとにより構成されている。また、第1コネクタ102の両側面には、ロック解除リブ102dの突起102fと対応して開口102a内に開口する係合用窓102gが設けられている。さらに、第1コネクタ102の後端部の四隅には、第1構造体への取付部102hが設けられている。
【0004】
また、待受型の電気コネクタ105は、第2構造体(図示せず)に固定された待受部103と、待受部103に収容され、第1構造体と第2構造体とが組みつけられるときに第1コネクタ102に嵌合接続する第2コネクタ104とを具備している。
ここで、第2コネクタ104は、図19及び図20に示すように、第1コネクタ102の開口102aに受容される略矩形形状の嵌合部104aと、嵌合部104aの後部(図20における右部)に設けられたフランジ部104bとを備えている。第2コネクタ104は、待受部103の貫通孔103a内に後方から装着されるようになっている。フランジ部104bの上下の各中央部には、2つの係止解除キー102bが通過可能な切欠104cが形成されている。また、第2コネクタ104の上下両面の切欠104c近傍には、それぞれ係止部104dが突設されている。係止部104dは、2つの係止解除キー102b間を通過可能とされている。さらに、第2コネクタ104の嵌合部104aの両側面には、それぞれ第1コネクタ102の係合用窓102gに係合して第1コネクタ102と第2コネクタ104とをロックするロック部材(ロック手段)104eが設けられている。第2コネクタ104のフランジ部104bの両側面には、1対の突起104fが突設されている。
【0005】
また、待受部103は、図19及び図20に示すように、略矩形形状に形成され、内部に第2コネクタ104を収容する前後方向(図20における左右方向)に貫通する貫通孔103aが形成されている。待受部103の上下両面の中央には、相互に対向する1対の係止ばねリブ(係止手段)103bが設けられている。各係止ばねリブ103bの後端には、図21に示すように、係止爪103cが内方に向かって突設されている。また、待受部103の両側壁の各内面には、図20に示すように、ロック解除手段としての突起103dが設けられている。また、待受部103の両側壁の下端部には、第2構造体への取付部103eが設けられている。また、待受部103の両側壁の後面には、第2コネクタ104の突起104fが係止される1対の切欠103fが形成されている。
【0006】
次に、コネクタ装置101における各構成要素の作用について説明する。
図20及び図21に示すように、待受部103の後端から貫通孔103a内に第2コネクタ104を挿入すると、第2コネクタ104の係止部104dが待受部103の係止ばねリブ103bを押し拡げて係止部104dの先端が係止爪103cにより係止されるとともに、第2コネクタ104の突起104fが待受部103の切欠103fに係止される。これにより、第2コネクタ104が待受部103の貫通孔103a内に収容されて保持され、待受型の電気コネクタ105が完成する。
【0007】
そして、第1コネクタ102を備える第1構造体が図20及び図21に示す矢印A方向に移動すると、第1コネクタ102の前端が待受型電気コネクタ105の待受部103の貫通孔103a内に挿入され、その一方、第2コネクタ104のロック部材104eが第1コネクタ102の開口102a内に挿入され、第1コネクタ102が貫通孔103a内をスライドし、両コネクタ102,104の嵌合が開始する。そして、第1コネクタ102が貫通孔103a内をさらにスライドして、第1コネクタ102及び第2コネクタ104は、図22及び図23に示す嵌合途中の状態になる。この状態では、図27(b)に示すように、第1コネクタ102の係止解除キー102bが、待受部103の係止爪103cに当接したばかりで、図27(a)に示すように、第2コネクタ104の係止部104dは、待受部103の係止爪103cにより係止されたままであり、第2コネクタ104が待受部103の貫通孔103a内に収容されて保持されたままである。また、この状態では、第1コネクタ102のロック解除リブ102dの突起102fが、図28(a)に示すように、待受部103の突起103dにより内方に押圧されている。これにより第2コネクタ104のロック部材104eが内方に変位されてロック部材104eは係合用窓102gに係合されきっていない。従って、第1コネクタ102と第2コネクタ104とはロックされていない。
【0008】
この状態から第1コネクタ102を備える第1構造体が図20及び図21に示す矢印A方向にさらに図28(b)におけるギャップgだけ移動すると、第1コネクタ102及び第2コネクタ104は、図24及び図25に示す嵌合完了の直前の状態になる。この状態では、図27(d)に示すように、第1コネクタ102の係止解除キー102bが、待受部103の係止ばねリブ103bを外方に押し拡げ、図27(c)に示すように、待受部103の係止爪103cによる第2コネクタ104の係止部104dに対する係止解除がなされる。また、この状態では、第1コネクタ102のロック解除リブ102dの突起102fが、図28(b)に示すように、未だに待受部103の突起103dにより内方に押圧されている。これにより第2コネクタ104のロック部材104eが内方に変位されてロック部材104eは係合用窓102gに係合されきっていない。従って、第1コネクタ102と第2コネクタ104とはロックされていない。
【0009】
そして、第1コネクタ102を備える第1構造体が図20及び図21に示す矢印A方向にさらに移動すると、図28(c)に示すように、待受部103の突起103dによるロック解除リブ102dの突起102fへの押圧状態が解除され、第2コネクタ104のロック部材104eが完全に係合用窓102gに係合し、第1コネクタ102と第2コネクタ104とがロックされ、両コネクタ102,104の嵌合が完了する。そして、第1コネクタ102の前端が第2コネクタ104のフランジ部104bを押圧し、図26に示す状態となる。この図26に示す状態では、第2コネクタ104は待受部103の内壁面から離隔されているので、待受部103に取り付けられた第2構造体側の振動が第2コネクタ104に伝わることが完全に防止され、振動ストレスや、振動に起因する異音の発生が防止されることになる。
【特許文献1】特開2002−246106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、この従来のコネクタ装置101にあっては、以下の問題点があった。
即ち、コネクタ装置101においては、第1コネクタ102を備える第1構造体が、待受型の電気コネクタ105を有する第2構造体に対して、どのように結合、保持、装着されるか、また、いかなるタイミングで結合、保持、装着されるかについて具体的な開示がなく、第1構造体と第2構造体との結合構造が全くわからない。このため、コネクタ装置101は、自動車分野において、近年要請されている、第1コネクタを備える回路ユニットを、待受型の電気コネクタを有する回路ユニット収容ボックスに収容する構成に適用できない。
【0011】
そして、回路ユニットの回路ユニット収容ボックスへの収容に際し、作業者が、回路ユニットを回路ユニット収容ボックスに簡単な操作で装着することができるとともに、回路ユニットが回路ユニット収容ボックスに装着完了したことを手応えによって容易に感知できることが好ましい。
従って、本発明は、待受型の電気コネクタを有する回路ユニット収容ボックスであって、第1コネクタを備える回路ユニットを適確に収容できると共に、回路ユニットの回路収容ボッススへの収容に際し、作業者が、回路ユニットを回路ユニット収容ボックスに簡単な操作で装着することができ、かつ回路ユニットが回路ユニット収容ボックスに装着完了したことを手応えによって容易に感知できる回路ユニット収容ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記問題を解決するため、本発明のうち請求項1に係る回路ユニット収容ボックスは、第1コネクタを備える回路ユニットが挿入される回路ユニット収容部を少なくとも1つ有するボックス体と、前記回路ユニット収容部に配置され、挿入された前記回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタとを具備した回路ユニット収容ボックスであって、前記待受型の電気コネクタが、前記回路ユニットを受容して所定位置に案内するカバー部と、該カバー部内に収容されると共に係止手段によって前記カバー部に係止され、受容した前記回路ユニットが第1位置まで挿入されたときに、前記第1コネクタと嵌合して電気的接続をなす第2コネクタと、前記回路ユニットが前記第1位置からさらに奥側位置まで挿入されたときに、前記係止手段による前記第2コネクタへの係止解除を行う係止解除手段とを具備し、該係止解除手段によって前記第2コネクタへの係止解除がなされた後に、前記第2コネクタが前記カバー部内で回路ユニット挿抜方向にスライド可能となり、前記ボックス体及び前記回路ユニットに、前記回路ユニットが前記第1位置から前記奥側位置を経てさらに第2位置にまで挿入されたときに、前記回路ユニットを前記ボックス体に保持する保持手段を備えたことを特徴としている。
【0013】
また、本発明のうち請求項2に係る回路ユニット収容ボックスは、請求項1記載の回路ユニット収容ボックスにおいて、前記ボックス体に、前記保持手段による前記回路ユニットを保持した状態を目視できる窓部を設けたことを特徴としている。
更に、本発明のうち請求項3に係る回路ユニット収容ボックスは、請求項1又は2記載の発明において、前記ボックス体が、車体への取付け部を備え、前記第2コネクタが、前記カバー部内に、前記回路ユニットの挿入向きと逆の向きから装着されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明のうち請求項1に係る回路ユニット収容ボックスによれば、第1コネクタを備える回路ユニットが挿入される回路ユニット収容部を少なくとも1つ有するボックス体と、前記回路ユニット収容部に配置され、挿入された前記回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタとを具備した回路ユニット収容ボックスであって、前記待受型の電気コネクタが、前記回路ユニットを受容して所定位置に案内するカバー部と、該カバー部内に収容されると共に係止手段によって前記カバー部に係止され、受容した前記回路ユニットが第1位置まで挿入されたときに、前記第1コネクタと嵌合して電気的接続をなす第2コネクタと、前記回路ユニットが前記第1位置からさらに奥側位置まで挿入されたときに、前記係止手段による前記第2コネクタへの係止解除を行う係止解除手段とを具備し、該係止解除手段によって前記第2コネクタへの係止解除がなされた後に、前記第2コネクタが前記カバー部内で回路ユニット挿抜方向にスライド可能となり、前記ボックス体及び前記回路ユニットに、前記回路ユニットが前記第1位置から前記奥側位置を経てさらに第2位置にまで挿入されたときに、前記回路ユニットを前記ボックス体に保持する保持手段を備えているので、第1コネクタを備える回路ユニットを、ボックス体の回路ユニット収容部に挿入し、第1位置まで挿入すると、第1コネクタが待受型電気コネクタの第2コネクタに嵌合し、第1コネクタと第2コネクタとが電気的に接続する。そして、回路ユニットを第2位置まで挿入すると、保持手段により回路ユニットがボックス体に保持される。このため、第1コネクタを備える回路ユニットを適確に収容できる回路ユニット収容ボックスを提供できる。そして、回路ユニットをボックス体に挿入するだけで、その回路ユニットを回路ユニット収容ボックスに装着でき、回路ユニットを回路ユニット収容ボックスに簡単な操作で装着することができる。また、第1コネクタと第2コネクタとが嵌合する第1位置と、回路ユニットがボックス体に保持される第2位置とが異なり、コネクタ嵌合に要する力のピークおよび回路ユニットをボックス体に保持させるためのロックに要する力のピークが分離させるので、作業者は、回路ユニットが回路ユニット収容ボックスに装着完了したことを手応えによって容易に感知することができる。
【0015】
また、本発明のうち請求項2に係る回路ユニット収容ボックスによれば、請求項1記載の回路ユニット収容ボックスにおいて、前記ボックス体に、前記保持手段による前記回路ユニットを保持した状態を目視できる窓部を設けたので、回路ユニットが第2位置において保持されている状態を窓部から目視でき、回路ユニットが確実に回路ユニット収容ボックスに組みつけられたことを確認することができる。
【0016】
更に、本発明のうち請求項3に係る回路ユニット収容ボックスによれば、請求項1又は2記載の発明において、前記ボックス体が、車体への取付け部を備えているので、回路ユニット収容ボックスを車体へ取り付けることができる。そして、前記第2コネクタが、前記カバー部内に、前記回路ユニットの挿入向きと逆の向きから装着されるので、回路ユニット収容ボックスの車体への取り付けに際し、回路ユニットを回路ユニット収容ボックスに組み付ける前に、ワイヤハーネス端の第2コネクタをボックス体に結合しておくことができる。これにより、回路ユニット組み付け作業の工数を低減させるとともに第1コネクタと第2コネクタとの半嵌合を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る回路ユニット収容ボックスに回路ユニットを収容した状態の斜視図である。図2は、回路ユニット収容ボックスを構成するボックス体及び待受型のコネクタと、回路ユニットとを分解して示す斜視図である。
図1及び図2において、回路ユニット収容ボックス1は、複数(本実施形態にあっては、4つ)の回路ユニット60を収容するよう構成され、ボックス体10と、待受型の電気コネクタ30とを備えている。
図3は、回路ユニットの分解斜視図である。図4は、図3の回路ユニットを示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は左側面図、(D)は(C)の4D−4D線に沿う断面図である。
【0018】
回路ユニット60は、図2乃至及び図4に示すように、略扁平の角筒形状の筐体61と、この筐体61の前端(図2における右端)に固定された第1コネクタ71とを備えている。第1コネクタ71は、筐体61の前端に固定される略扁平の角筒形状のハウジング72を有している。ハウジング72の内部には、図4(D)に示すように、待受型の電気コネクタ30のコネクタ収容部41を受容する前面に開口した凹部72aが形成されている。そして、この凹部72aの内部には、図4(D)に示すように、ハウジング72の幅方向に延びる略矩形形状のコンタクト固定部73が凹部72aの底から前方に突出するように設けられている。このコンタクト固定部73には、図示しない複数列状のコンタクトが取り付けられている。また、ハウジング72の後部には、回路基板PCB上にハウジング72を固定するための1対の固定部74が設けられている。前述した各コンタクトは、その後端部が回路基板75に半田接続されるようになっている。また、コンタクト固定部73の上下両面には、それぞれ1対のロック部75がコンタクト固定部73から前方に突出するように設けられている。各ロック部75には、開口75aが形成されている。また、コンタクト固定部73の幅方向両側面には、それぞれ1対の第1係止解除突起76が上下両端に設けられている。また、コンタクト固定部73の前面の幅方向略中央部であって上下方向やや上側からは誤嵌合阻止板77が前方に向けて延びている。
【0019】
また、回路ユニット60の筐体61の右側面(図4(A)にける右側面)には、前後方向に延びる突条62が形成され、その突条62の前端には第1リブ部63が、突条62の後端には第2リブ64が設けられている。第1リブ部63は、筐体61の上下方向(図4(C)における上下方向)に延び、前側に傾斜面63aが形成されている。また、第2リブ64は、筐体61の上下方向に延び、後側に垂直面64aが形成されている。一方、筐体61の左側面の上下方向略中間部には、第3リブ65が形成されている。第3リブ65は、前後方向において第1リブ63と第2リブ64との間の略中間の位置に設けられている。第3リブ65の前側は、傾斜面65aで形成されている。
【0020】
図5は、ボックス体を正面側から見た斜視図である。図6は、図5に対して見る角度を少し変えたボックス体の斜視図である。図7は、図6に示すボックス体から上壁を除外した状態を示す斜視図である。図8は、ボックス体を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。図9は、ボックス体を示し、(A)は背面図、(B)は左側面図である。図10は、ボックス体の底面図である。
【0021】
ボックス体10は、図2及び図5乃至図10に示すように、略直方体形状に形成され、回路ユニット60が挿入される複数(本実施形態にあっては4つ)の回路ユニット収容部11を有している。回路ユニット収容部11は、上下仕切り壁12aを挟んで上側に2つ、下側に2つ設けられている。そして、上側の2つの回路ユニット収容部11及び下側の2つの回路ユニット収容部11は、それぞれ、仕切り壁12bを挟んで左右に仕切られている。各回路ユニット収容部11は、ボックス体10を前後方向(図2において左側を前側、右側を後側とする)に貫通している。そして、図7に示すように、下側の2つの回路ユニット11の各々の後方部には、ボックス体10の底壁から前方に延びる1対の係止舌片13が設けられ、各係止舌片13には第1開口13aが形成されている。また、ボックス体10の上下仕切り壁12aであって第1開口13aに対して上下方向に対応する位置には、第2開口13bが形成されている。第1開口13aには、後述する待受型電気コネクタ30のカバー部40の上壁に形成された係止突起46が入り込み、第2開口13bには、カバー部40の下壁に形成された係止突起が入り込み、待受型電気コネクタ30のカバー部40がボックス体10に係止されるようになっている。一方、図6に示すように、上側の2つの回路ユニット11の各々の後方部には、ボックス体10の頂壁から前方に延びる1対の係止舌片14が設けられ、各係止舌片14には第3開口14aが形成されている。また、ボックス体10の上下仕切り壁12aであって第3開口14aに対して上下方向に対応する位置には、第4開口14bが形成されている。第3開口14aには、待受型電気コネクタ30のカバー部40の上壁に形成された係止突起46が入り込み、第4開口14bには、カバー部40の下壁に形成された係止突起が入り込み、待受型電気コネクタ30のカバー部40がボックス体10に係止されるようになっている。
【0022】
また、ボックス体10の各回路ユニット収容部11の右側壁(図8(A)における右側壁)には、回路ユニット60が後述する図18に示す第2位置にまで挿入されたときに、回路ユニット60の第1リブ63の傾斜面63aが係合し、回路ユニット60を前方(図18における下方)かつ左方(図18における左方)に付勢する第1ばね片15aが設けられている。また、ボックス体10の各回路ユニット収容部11の左側壁には、回路ユニット60が第2位置にまで挿入されたときに、回路ユニット60の第3リブ65の傾斜面65aが係合し、回路ユニット60を前方かつ右方に付勢する第2ばね片15bが設けられている。更に、ボックス体10の各回路ユニット収容部11の右側壁には、回路ユニット60が第2位置にまで挿入されたときに、回路ユニット60の第2リブ64の垂直面64aを係止し、回路ユニット60の前方への移動を規制するロック片16が設けられている。請求項1にいう「保持手段」は、このボックス体10に設けられた第1ばね片15a、第2ばね片15b、ロック片16、回路ユニット60に設けられた第1リブ63、第3リブ65、及び第2リブ64で構成され、この保持手段により、回路ユニット60が第2位置にまで挿入されたときに、回路ユニット60をボックス体10に保持するようになっている。そして、図8(A)に示すように、ボックス体10の上壁には、第1ばね片15aを目視できる、ひいては第1ばね片15aと回路ユニット60の第1リブ63との係合状態を目視できる第1窓部19aが形成されている。また、図8(A)に示すように、ボックス体10の上壁には、第2ばね片15bを目視できる、ひいては第2ばね片15bと回路ユニット60の第3リブ65との係合状態を目視できる第2窓部19bが形成されている。一方、図10に示すように、ボックス体10の下壁にも、第1ばね片15aと回路ユニット60の第1リブ63との係合状態を目視できる第1窓部19aが形成されている。また、ボックス体10の下壁にも、第2ばね片15bと回路ユニット60の第3リブ65との係合状態を目視できる第2窓部19bが形成されている。
【0023】
更に、ボックス体10の各回路ユニット収容部11の左側壁には、前後方向に延びる逆挿入防止用溝17が形成されている。回路ユニット60を各回路ユニット収容部11 内に挿入するときに、回路ユニット60を正規に挿入するときには回路ユニット60に設けられた第3リブ65が逆挿入防止用溝17内を案内される。その一方、回路ユニット60を表裏逆さまにして各回路ユニット収容部11に挿入すると、第3リブ65が各回路ユニット収容部11の右側壁にぶつかって挿入できないようになっている。そして、ボックス体10の上下仕切り壁12aには、上側の回路ユニット収容部11に挿入された回路ユニット60に対して上方向に付勢してガタをなくす複数の第1ばね片20aと、下側の回路ユニット収容部11に挿入された回路ユニット60に対して下方向に付勢してガタをなくす複数の第2ばね片20bとが設けられている。また、ボックス体10の右側壁前端及び左側壁後端には、車体(図示せず)への取付け部18が設けられている。なお、図4(C)においては第3リブ65が回路ユニット60の上下方向で中間の高さに位置したものを示し、図8(B)においては逆挿入防止用溝17が各回路ユニット収容部11の上下方向で中間の高さに位置したものを示しているが、各回路ユニット収容部11に挿入される回路ユニット60の第3リブ65の高さを変えて互いに異なる高さ位置に第3リブ65を設け、また、これに対応して逆挿入防止用溝17を回路ユニット収容部11間で互いに異なる高さ位置に設けるようにしてもよい。これにより、決まった回路ユニット収容部11に決まった回路ユニット60を挿入でき、回路ユニット60の誤装着を防止することができる。
【0024】
次に、図11は、待受型の電気コネクタをボックス体へ装着する手順を説明するための平面図である。図12は、待受型の電気コネクタをボックス体に装着した回路ユニット収容ボックスを背面側から見た斜視図である。図13は、待受型の電気コネクタをボックス体に装着した回路ユニット収容ボックスの背面図である。図14は、待受型の電気コネクタをボックス体に装着した回路ユニット収容ボックスの断面図である。図15は、回路ユニット収容ボックスに回路ユニットを挿入する前の状態の断面図である。但し、図15においては、上側の回路ユニット収容部のうち左側のものには回路ユニットが挿入されている。図16は、回路ユニット収容ボックスに回路ユニットを挿入する前の状態であって、図15とは断面位置を変えた主要部分の断面図である。図17は、回路ユニットが第1位置に挿入され、第2コネクタに回路ユニットの第1コネクタが嵌合した状態の断面図である。図18は、回路ユニットが第2位置に挿入され、回路ユニット収容ボックスに回路ユニットの収容が完了した状態の断面図である。
【0025】
図11乃至図14に示す待受型の電気コネクタ30は、第1コネクタ71を備える回路ユニット60を受容して所定位置に案内するカバー部40と、カバー部40内に収容され、第1コネクタ71と嵌合する第2コネクタ50とを備えている。ここで、「所定位置」とは、回路ユニット60が最終的に挿入された位置(第2位置と同等)で、回路ユニット60をこれ以上挿入できない位置である。
【0026】
カバー部40は、略扁平の角筒形状をなし、前部(図11における下部)で回路ユニット60の筐体61を受容し、後部で第1コネクタ71のハウジング72を受容するようになっている。そして、カバー部40の後方部内には、図14及び図16に示すように、第2コネクタ50を収容するコネクタ収容部41が設けられている。コネクタ収容部41内には、第2コネクタ50を収容する前後方向に貫通する貫通孔41aが設けられている。また、コネクタ収容部41の幅方向の両側壁には、1対のラッチアーム42が設けられている。各ラッチアーム42は、コネクタ収容部41の幅方向の側壁後方部から前方に向けて延びる方持ち梁状に形成され、先端近傍が貫通孔41a内に突出するようになっている。そして、各ラッチアーム42の先端の上下方向中央部には、第2コネクタ50をコネクタ収容部41内に係止するための第1突起(係止手段)43が貫通孔41a内に向けて突出形成され、また、ラッチアーム42の先端の上下方向両端には、第1突起43による第2コネクタ50への係止解除を行うための1対の第2係止解除突起(係止解除手段)44が貫通孔41a内に向けて突出形成されている。そして、カバー部40の上下両壁には、コネクタ収容部41の後端部近傍から前端部近傍に至るまで延びる方持ち梁状の1対の支持アーム45が設けられている。また、カバー部40の上壁には、図11に示すように、ボックス体10の第1開口13a又は第3開口14aに入り込んで、カバー部40をボックス体10に係止するための係止突起46が設けられている。また、カバー部40の下壁には、ボックス体10の第2開口13b又は第4開口14bに入り込んで、カバー部40をボックス体10に係止するための係止突起(図示せず)が設けられている。
【0027】
また、第2コネクタ50は、略矩形形状のハウジング51と、ハウジング51に複数列状に取り付けられ、前側の部分で第1コネクタ71のコンタクトに接触するコンタクト(図示せず)とを備えている。第2コネクタ50の各コンタクトは、その後側の部分で電線(図示せず)に接続されている。第2コネクタ50のハウジング51の幅方向両端面には、図14及び図16に示すように、コネクタ収容部41に設けられた第1突起43に係止される1対の第2突起52が形成されている。また、第2コネクタ50のハウジング51の上下両面には、それぞれ前後方向に延びる1対の突条53(図11参照)が突出形成されている。また、第2コネクタ50のハウジング51の上下両面の前端部近傍には、それぞれ第1コネクタ71のロック部75の開口75aに入り込んで第1コネクタ71と第2コネクタ50とをロックする1対のロック突起54が突出形成されている。また、第2コネクタ50のハウジング51の前面の幅方向略中央部であって上下方向やや上側からは、第1コネクタ71に設けられた誤嵌合阻止板77が嵌入される誤嵌合阻止用孔(図示せず)が穿設されている。
【0028】
次に、待受型の電気コネクタ30をボックス体10へ装着する手順を説明する。先ず、ワイヤハーネス(電線)端に取り付けられた第2コネクタ50を、図11における矢印(1)で示すように、カバー部40のコネクタ収容部41の貫通孔41a内にカバー部40の後側から収容する。すると、第2コネクタ50の第2突起52は第1突起43を乗り越えてその第1突起43の前方に位置することにより、後方への移動が規制される。このように第2突起52が第1突起43を乗り越えたときには、第2コネクタ50のハウジング51の前端面がカバー部40のコネクタ収容部41の前端面とほぼ一致する位置になる。そして、第2コネクタ50のハウジング51の上下両面に設けた1対の突条53の前端面がコネクタ収容部41に設けられたストッパ突起(図示せず)後端面に当接することにより、第2コネクタ50の前方への移動が規制される。これにより、待受型の電気コネクタ30が完成する。
【0029】
そして、複数(本実施形態にあっては4つ)の電気コネクタ30を、図11における矢印(2)で示すように、ボックス体10の後側から各回路ユニット収容部11内に収容する。すると、上側の回路ユニット収容部11に収容された電気コネクタ30は、カバー部40の上壁に形成された係止突起46がボックス体10の係止舌片14の第3開口14aに入り込み、カバー部40の下壁に形成された係止突起がボックス体10の係止舌片14の第4開口14bに入り込み、ボックス体10に対して電気コネクタ30が固定される。また、下側の回路ユニット収容部11に収容された電気コネクタ30は、カバー部40の上壁に形成された係止突起46がボックス体10の係止舌片13の第1開口13aに入り込み、カバー部40の下壁に形成された係止突起がボックス体10の係止舌片13の第2開口13bに入り込み、ボックス体10に対して電気コネクタ30が固定される。これにより、図12乃至図14に示すように、回路ユニット収容ボックス1が完成する。
【0030】
次に、回路ユニット60の回路ユニット収容ボックス1への収容方法について図15乃至図18を参照して説明する。
先ず、図15に示す各回路ユニット60が回路ユニット収容ボックス1へ収容されていない状態において、各回路ユニット60を、ボックス体10の前側から図15及び図16における矢印Aで示す向き(第2コネクタ50をカバー部40内に装着する向きと逆向き)に進行させる。そして、回路ユニット60をボックス体10の回路ユニット収容部11に図17に示す第1位置まで挿入する。この際に、回路ユニット60が表裏につき正規な向きで挿入されると、回路ユニット60に設けられた第3リブ65が逆挿入防止用溝17内を案内される。その一方、回路ユニット60を表裏逆さまにして各回路ユニット収容部11に挿入すると、第3リブ65が各回路ユニット収容部11の右側壁にぶつかって挿入が阻止される。
【0031】
回路ユニット60が回路ユニット収容部11に図17に示す第1位置まで挿入されると、第1コネクタ71が第2コネクタ50に嵌合し、第1コネクタ71のコンタクトと第2コネクタ50のコンタクトとが電気的に接触する。そして、この状態では、第1コネクタ71のロック部75が第2コネクタ50のロック突起54を乗り越えてロック突起54が開口75aに入り込み、第1コネクタ71と第2コネクタ50とのロックが完了する。なお、この状態では、第1コネクタ71に設けられた第1係止解除突起76は、カバー部40のラッチアーム42に設けられた第2係止解除突起44に当接する。
【0032】
そして、各回路ユニット60を、更に進行させると、回路ユニット60が第1位置からさらに奥側位置に挿入された状態となる。この際に、第1コネクタ71の幅方向両側に設けられた第1係止解除突起76が、カバー部40の幅方向両側に設けられたラッチアーム42の第2係止解除突起44を介してそれらラッチアーム42を外側に押し拡げる。これにより、第1突起43による第2コネクタ50への係止解除が開始される。なお、この状態では、第1コネクタ71のロック部75は、第2コネクタ50のロック突起54を乗り越えてロック突起54が開口75aに入り込んでおり、第1コネクタ71と第2コネクタ50とのロック状態は維持されている。
【0033】
更に、回路ユニット60を進行させると、第1コネクタ71の幅方向両側に設けられた第1係止解除突起76は、カバー部40の幅方向両側に設けられたラッチアーム42の第2係止解除突起44を乗り越え、それらラッチアーム42は元の位置に復帰する。そして、第2コネクタ50の幅方向両側の第2突起52は、第2コネクタ50とともに後方へ移動して、カバー部40の幅方向両側のラッチアーム42に設けられた第1突起43の後側に位置する。これにより、第1突起43による第2コネクタ50への係止解除が完了する。第1突起43による第2コネクタ50への係止解除が完了されると、第2コネクタ50がコネクタ収容部41内で回路ユニット挿抜方向にスライド可能となる。
【0034】
そして、各回路ユニット60を、更に進行させると、図18に示すように、回路ユニット60が最終的な所定位置、即ち第2位置まで挿入された状態となる。この状態になると、回路ユニット60の右側壁に設けられた第1リブ63の傾斜面63aが、ボックス体10の各回路ユニット収容部11の右側壁に設けられた第1ばね片15aに係合し、回路ユニット60が前方かつ左方に向かって付勢される。また、回路ユニット60の左側壁に設けられた第3リブ65の傾斜面65aが、図18に示すように、ボックス体10の各回路ユニット収容部11の左側壁に設けられた第2ばね片15bに係合し、回路ユニット60が前方かつ右方に付勢される。更に、回路ユニット60の右側壁に設けられた第2リブ64の垂直面64aに、ボックス体10の各回路ユニット収容部11の右側壁に設けられたロック片16が係止され、回路ユニット60の前方への移動が規制される。これにより、回路ユニット60がボックス体10に保持される。ここで、回路ユニット60が第1ばね片15aによって左方向に付勢され、第2ばね片15bによって右方向に付勢されるので、ボックス体10に対する回路ユニット60の左右方向(幅方向)のガタつきを防止することができる。また、回路ユニット60が、第1ばね片15a及び第2ばね片15bによって前方に向けて付勢され、ロック片16によって前方への移動が規制されるので、ボックス体10に対する回路ユニット60の前後方向のガタつきをも防止することができる。
【0035】
そして、本実施形態の回路ユニット収容ボックス1にあっては、第1コネクタ71を備える回路ユニット60を、ボックス体10の回路ユニット収容部11に第1位置まで挿入すると、第1コネクタ71が待受型の電気コネクタ30の第2コネクタ50に嵌合し、第1コネク71タと第2コネクタ50とが電気的に接続する。そして、回路ユニット60を第2位置まで挿入すると、ボックス体10に設けられた第1ばね片15a、第2ばね片15b、ロック片16、回路ユニット60に設けられた第1リブ63、第3リブ65、及び第2リブ64で構成された保持手段により回路ユニット60がボックス体10に保持される。このため、第1コネクタ71を備える回路ユニット60を適確に収容できる回路ユニット収容ボックス1を提供できる。
【0036】
また、回路ユニット60をボックス体10に挿入するだけで、その回路ユニット60を回路ユニット収容ボックス1に装着でき、回路ユニット60を回路ユニット収容ボックス1に簡単な操作で装着することができると共に、回路ユニット60の第1コネクタ71と車両側の第2コネクタ50とを電気的に接続することができる。
また、第1コネクタ71と第2コネクタ50とが嵌合する第1位置と、回路ユニット60がボックス体10に保持される第2位置とが異なり、コネクタ嵌合に要する力のピークAおよび回路ユニット60をボックス体10に保持させるためのロックに要する力のピークBが互いに分離されるので、作業者は、回路ユニット60が回路ユニット収容ボックス1に装着完了したことを手応えによって容易に感知することができる。
【0037】
しかも、前記力のピークAとピークBとが分離しているので、これらのピークが重なっている場合よりも前記各力のピーク値(最大値)が小さくなり、作業性がよい。
一方、前記第1位置および第2位置、前記力のピークAおよびピークBの最大値を、それぞれ調整することにより、あたかも力のピークが1つしかないような手応えを生み出すことも可能である。この場合には、回路ユニット60を1つの力のピークに抗して回路ユニット収容ボックス1に押し込むだけで装着が完了するので、作業者は、力のピークAの後に力のピークBを感知したことを確認する必要がない。このため、回路ユニット60と回路ユニット収容ボックス1との嵌合不具合を防止することが容易になる。
【0038】
更に、ボックス体10の上壁及び下壁には、第1ばね片15aと回路ユニット60の第1リブ63との係合状態を目視できる第1窓部19aが形成されている。また、ボックス体10の上壁及び下壁には、第2ばね片15bと回路ユニット60の第3リブ65との係合状態を目視できる第2窓部19bが形成されている。このため、回路ユニット収容ボックス1の搭載状態によっては、回路ユニット60が第2位置において保持されている状態を第1窓部19a及び第2窓部19bから目視することもでき、回路ユニット60が確実に回路ユニット収容ボックス1に組みつけられたことを確認することができる。
【0039】
そして、ボックス体10が、車体への取付け部18を備えているので、回路ユニット収容ボックス1を車体へ取り付けることができる。また、第2コネクタ50が、カバー部40内に、回路ユニットの挿入向き(図15及び図16における矢印Aで示す向き)と逆の向きから装着されるので、回路ユニット収容ボックス1の車体への取り付けに際し、回路ユニット60を回路ユニット収容ボックス1に組み付ける前に、ワイヤハーネス端の第2コネクタ50をボックス体10に結合しておくことができる。これにより、回路ユニット60の組み付け作業の工数を低減させるとともに第1コネクタ71と第2コネクタ50との半嵌合を防止することができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、回路ユニット60をボックス体10に保持する保持手段は、回路ユニット60が第1位置から第2位置にまで挿入されたときに、回路ユニット60をボックス体10に保持するものであればよく、必ずしも、ボックス体10に設けられた第1ばね片15a、第2ばね片15b、ロック片16、回路ユニット60に設けられた第1リブ63、第3リブ65、及び第2リブ64で構成する必要はない。
また、本実施形態においては、ボックス体10が4つの回路ユニット収容部11を有しているが、1つ以上であればいくつ有していても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る回路ユニット収容ボックスに回路ユニットを収容した状態の斜視図である。
【図2】回路ユニット収容ボックスを構成するボックス体及び待受型のコネクタと、回路ユニットとを分解して示す斜視図である。
【図3】回路ユニットの分解斜視図である。
【図4】図3の回路ユニットを示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は左側面図、(D)は(C)の4D−4D線に沿う断面図である。
【図5】ボックス体を正面側から見た斜視図である。
【図6】図5に対して見る角度を少し変えたボックス体の斜視図である。
【図7】図6に示すボックス体から上壁を除外した状態を示す斜視図である。
【図8】ボックス体を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図9】ボックス体を示し、(A)は背面図、(B)は左側面図である。
【図10】ボックス体の底面図である。
【図11】待受型の電気コネクタをボックス体へ装着する手順を説明するための平面図である。
【図12】待受型の電気コネクタをボックス体に装着した回路ユニット収容ボックスを背面側から見た斜視図である。
【図13】待受型の電気コネクタをボックス体に装着した回路ユニット収容ボックスの背面図である。
【図14】待受型の電気コネクタをボックス体に装着した回路ユニット収容ボックスの断面図である。
【図15】回路ユニット収容ボックスに回路ユニットを挿入する前の状態の断面図である。但し、図15においては、上側の回路ユニット収容部のうち左側のものには回路ユニットが挿入されている。
【図16】回路ユニット収容ボックスに回路ユニットを挿入する前の状態であって、図15とは断面位置を変えた主要部分の断面図である。
【図17】回路ユニットが第1位置に挿入され、第2コネクタに回路ユニットの第1コネクタが嵌合した状態の断面図である。
【図18】回路ユニットが第2位置に挿入され、回路ユニット収容ボックスに回路ユニットの収容が完了した状態の断面図である。
【図19】従来例の待受型の電気コネクタを有するコネクタ装置の組立斜視図である。
【図20】図19に示すコネクタ装置において、第1コネクタとともに、待受部に第2コネクタを収容した状態を示す断面図である。
【図21】図20における21−21線に沿う断面図である。
【図22】図21に示したコネクタ装置の嵌合途中の説明図である。
【図23】図22における23−23線に沿う断面図である。
【図24】図22に示したコネクタ装置の嵌合途中の説明図である。
【図25】図24における25−25線に沿う断面図である。
【図26】図24に示したコネクタ装置の嵌合完了状態の説明図である。
【図27】第1コネクタと待受部と第2コネクタとの間における係止手段と係止解除手段との関係を示す説明図である。
【図28】第1コネクタと第2コネクタとをロックするロック手段とロック解除手段との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1 回路ユニット収容ボックス
10 ボックス体
11 回路ユニット収容部
15a 第1ばね片(保持手段)
15b 第2ばね片(保持手段)
16 ロック片(保持手段)
18 車体への取付け部
19a 第1窓部(窓部)
19b 第2窓部(窓部)
30 待受型の電気コネクタ
40 カバー部
43 第1突起(係止手段)
44 第2係止解除突起(係止解除手段)
50 第2コネクタ
60 回路ユニット
63 第1リブ(保持手段)
64 第2リブ(保持手段)
65 第3リブ(保持手段)
71 第1コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタを備える回路ユニットが挿入される回路ユニット収容部を少なくとも1つ有するボックス体と、前記回路ユニット収容部に配置され、挿入された前記回路ユニットと電気的に接続する待受型の電気コネクタとを具備した回路ユニット収容ボックスであって、
前記待受型の電気コネクタが、前記回路ユニットを受容して所定位置に案内するカバー部と、該カバー部内に収容されると共に係止手段によって前記カバー部に係止され、受容した前記回路ユニットが第1位置まで挿入されたときに、前記第1コネクタと嵌合して電気的接続をなす第2コネクタと、前記回路ユニットが前記第1位置からさらに奥側位置まで挿入されたときに、前記係止手段による前記第2コネクタへの係止解除を行う係止解除手段とを具備し、該係止解除手段によって前記第2コネクタへの係止解除がなされた後に、前記第2コネクタが前記カバー部内で回路ユニット挿抜方向にスライド可能となり、
前記ボックス体及び前記回路ユニットに、前記回路ユニットが前記第1位置から前記奥側位置を経てさらに第2位置にまで挿入されたときに、前記回路ユニットを前記ボックス体に保持する保持手段を備えたことを特徴とする回路ユニット収容ボックス。
【請求項2】
前記ボックス体に、前記保持手段による前記回路ユニットを保持した状態を目視できる窓部を設けたことを特徴とする請求項1記載の回路ユニット収容ボックス。
【請求項3】
前記ボックス体が、車体への取付け部を備え、前記第2コネクタが、前記カバー部内に、前記回路ユニットの挿入向きと逆の向きから装着されることを特徴とする請求項1又は2記載の回路ユニット収容ボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2008−77918(P2008−77918A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−254203(P2006−254203)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【特許番号】特許第4034330号(P4034330)
【特許公報発行日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000227995)タイコエレクトロニクスアンプ株式会社 (340)
【出願人】(000208293)大和化成工業株式会社 (174)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】