説明

回路基板とその製造方法

【課題】 金属(薄膜)層とポリイミドフィルムとの積層体を使用しての回路基板とそのポリイミドフィルムのエッチング加工法の改善に関する回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 金属層とポリイミドフィルムとの積層体を使用しての回路基板の製造方法において、ポリイミドフィルムをエッチング加工する際に、化学エッチング剤での処理後に化学エッチング剤による変性層を洗浄除去し、さらに酸性水溶液で処理するプロセスを有する回路基板の製造方法とこの方法によって得られる回路基板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属(薄膜)層とポリイミドフィルムとの積層体を使用しての回路基板とそのポリイミドフィルムのエッチング加工法の改善に関する回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント配線板として、耐熱性樹脂であるポリイミドフィルムに金属層を形成した積層体や、金属層に耐熱性ポリイミド樹脂層を積層した積層体を使用したものが近年多用されている。
フレキシブルプリント配線板の絶縁層としてのポリイミド樹脂層やフィルムへの孔あけ、外形加工を行うにはドリルを用いて機械的に加工を行う方法や、炭酸ガスレーザーや、UV−YAGレーザーを用いて加工を行う方法が知られている。
絶縁層がポリイミド系樹脂である場合には、プラズマガスを用いてドライエッチングを行い、加工する方法も提案されている(特許文献1参照)。
しかし、前者の方法では所定の加工箇所を一つ一つ加工していく逐次的な方法であり、加工時間の短縮には限界があり、また加工精度も向上しにくいという問題点が指摘されていた。また、後者の方法ではプラズマガスによるポリイミドの一括加工が可能であるが、プラズマガスによるエッチング速度が遅いために、やはり加工時間が長くなるという問題を包含していた。さらに、プラズマエッチング装置は高価であり、プラズマガス代も必要となりランニングコストが高いという欠点もある。
ポリイミド系樹脂を化学分解反応により溶解させエッチング加工を行う、所謂ウェットエッチング加工方法の適用が望まれていた。かかる方法を用いれば、ポリイミドの一括加工が可能であり、なおかつプラズマエッチングよりもエッチング速度が速いため、加工時間の短縮が可能となる。たとえば、ヒドラジンヒドラートとエチレンジアミンを含むヒドラジン溶液を用いて、配線構造体を製造する方法が開示されている(特許文献2参照)。ポリイミド樹脂(フィルム)の高精度なエッチング剤として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物およびアルコールを含有するエッチング液による第1のエッチング工程、その後の第1の水洗工程、次いでアルカリ金属水酸化物水溶液による第2のエッチング工程からなり、第1のエッチング工程から第2のエッチング工程までの工程を少なくとも1回行った後に第2の水洗を行うとともに、少なくともいずれかの工程は超音波照射下において処理をする方法が提案されている(特許文献3参照)。
エチレンジアミンを含まない、毒性が低く、取扱いの容易で、安価なポリイミドエッチング液が得られ、ポリイミドエッチング加工精度やエッチング効率の低下もなく、複数種類のポリイミドを同一のポリイミドエッチング液で溶解可能であるため、より経済的な、水酸化アルカリとヒドラジンと1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを主成分とする溶液をエッチング液とする、ポリイミド樹脂のエッチング方法が提案されている(特許文献4参照)。
また、炭素数3以上6以下のジオール類又は炭素数4以上6以下のトリオール類が3重量%以上65重量%以内、アルカリ性化合物が10重量%以上55重量%以内の範囲、水が前記アルカリ性化合物の0.75倍以上3.0倍以内の範囲でそれぞれ含有されたエッチング液を65℃以上にし、イミド化率が50%以上98%以内であるポリイミドの樹脂層のエッチングを行う方法が提案されている(特許文献5参照)。
【特許文献1】特開平09−293222号公報
【特許文献2】特開平06−310490号公報
【特許文献3】特開平05−283486号公報
【特許文献4】特開平06−298974号公報
【特許文献5】特開2002−026485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術において、ポリイミド絶縁層をアルカリ性薬剤による化学エッチングが多く採用されているが、ポリイミドの種類によっては容易にエッチングが行われる場合もあるが、弾性率の高いポリイミドのいくつかにおいては、特に芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドや芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン残基、および芳香族ジアミン類の残基としてパラフェニレンジアミン残基を有するポリイミドなどにおいては、アルカリ性薬剤による化学エッチングを行うとアルカリ変性層がエッチング液へと溶解しにくく、フィルム表面に残存する場合が多く、フィルム表面に残存したアルカリ変性層は水分による膨潤性があり、加熱時に寸法変化が起こる恐れがあり、また、加熱により変性層と基材との間で剥離が起こる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは鋭意検討した結果、このアルカリ処理によるポリイミドのアルカリ変性層を洗浄除去し、さらにわずかに残存した変性層も酸処理によりポリアミド酸に変換することで膨潤性、剥離性のあるアルカリ変性層を消失させることができる。酸処理は0.5M以下と低濃度で回路や基材への悪影響や環境汚染の危険性も少ないことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.金属層とポリイミドフィルムとの積層体を使用しての回路基板の製造方法において、ポリイミドフィルムをエッチング加工する際に、化学エッチング剤での処理後に化学エッチング剤による変性層を洗浄除去し、さらに酸性水溶液で処理するプロセスを有することを特徴とする回路基板の製造方法。
2.化学エッチング剤がアルカリ金属水酸化物および脂肪族アミンいずれか一種以上を含む水溶液である1.の回路基板の製造方法。
3.酸性水溶液が0.01〜0.5Mの濃度の無機酸を含有する水溶液である1.又は2.いずれかの回路基板の製造方法。
4.ポリイミドフィルムが、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、および芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドのフィルムである1.〜3.いずれかの回路基板の製造方法。
5.ポリイミドフィルムが、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン残基、および芳香族ジアミン類の残基としてパラフェニレンジアミン残基を有するポリイミドのフィルムである1.〜3.いずれかの回路基板の製造方法。
6.1.〜5.いずれかの製造方法で作製したことを特徴とする回路基板。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、ポリイミド絶縁層をアルカリ性薬剤による化学エッチングを採用した際の、弾性率の高いポリイミドのいくつかにおいては、特に芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドや芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン残基、および芳香族ジアミン類の残基としてパラフェニレンジアミン残基を有するポリイミドなどにおいては、アルカリ性薬剤による化学エッチングを行うとアルカリ変性層がエッチング液へと溶解しにくく、フィルム表面に残存する場合が多く、フィルム表面に残存したアルカリ変性層は水分による膨潤性があり、加熱時に寸法変化が起こる恐れがあり、また、加熱により変性層と基材との間で剥離が起こる課題を解消することができ、このアルカリ処理によるポリイミドのアルカリ変性層を洗浄除去し、さらにわずかに残存した変性層も酸処理によりポリアミド酸に変換することで膨潤性、剥離性のあるアルカリ変性層を消失させることができる。酸処理は0.5M以下と低濃度で回路や基材への悪影響や環境汚染の危険性も少なく、ポリイミドのアルカリ処理における弊害を除去でき、ポリイミドフィルムに金属層を形成した積層体や、金属層に耐熱性ポリイミド樹脂層を積層した積層体を使用してプリント配線基板や多層回路基板などの製造に極めて有意義であり、得られたこれらの回路基板においても導通不良を起こし難いなどの品質上の利点が多い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明における、ポリイミドフィルムに使用されるポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸類の残基と芳香族ジアミン類の残基とを有するポリイミドが好ましく、芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類とを溶媒中で反応させて得られるポリアミド酸をイミド化させて得られる融点が300℃以上もしくは明確な融点を有しない非熱可塑性ポリイミドがより好ましく、中でも下記の芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸(無水物)類との組み合わせが好ましい例として挙げられる。
A.ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類としてピロメリット酸類との組み合わせ。
B.パラフェニレンジアミン骨格を有する芳香族ジアミン類とビフェニルテトラカルボン酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
C.上記のABの一種以上の組み合わせ。
本発明で好ましく使用できるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類として、下記の化合物が例示できる。
【0007】
【化1】

【0008】
【化2】

【0009】
【化3】

【0010】
【化4】

【0011】
2,2’−p−フェニレンビス(5−アミノベンゾオキサゾール)、2,2’−p−フェニレンビス(6−アミノベンゾオキサゾール)、1−(5−アミノベンゾオキサゾロ)−4−(6−アミノベンゾオキサゾロ)ベンゼン、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ〔1,2−d:5,4−d’〕ビスオキサゾール、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ〔1,2−d:4,5−d’〕ビスオキサゾール、2,6−(3,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ〔1,2−d:5,4−d’〕ビスオキサゾール、2,6−(3,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ〔1,2−d:4,5−d’〕ビスオキサゾール、2,6−(3,3’−ジアミノジフェニル)ベンゾ〔1,2−d:5,4−d’〕ビスオキサゾール、2,6−(3,3’−ジアミノジフェニル)ベンゾ〔1,2−d:4,5−d’〕ビスオキサゾール。
【0012】
これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン、パラフェニレンジアミンを全ジアミンの70モル%以上使用することが好ましい。
【0013】
本発明におけるポリイミドフィルムには前記に限定されないで下記の芳香族ジアミンを全ジアミン30モル%未満であれば使用してもよい。
例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
【0014】
3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
【0015】
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
【0016】
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
【0017】
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
【0018】
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシル基、シアノ基、又はアルキル基又はアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
【0019】
本発明におけるポリイミドに好ましく使用できる芳香族テトラカルボン酸類として、ピロメリット酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類すなわちピロメリット酸およびその無水物又はハロゲン化物、ビフェニルテトラカルボン酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類すなわちビフェニルテトラカルボン酸およびその無水物又はハロゲン化物が挙げられる。このピロメリット酸とビフェニルテトラカルボン酸とは酸性分の70モル%以上使用することが好ましく、30モル%未満であれば下記の芳香族テトラカルボン酸などを使用してもよい。
【0020】
【化5】

【0021】
【化6】

【0022】
【化7】

【0023】
【化8】

これらのテトラカルボン酸は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0024】
芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを重合してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられるが、なかでもN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましく適用される。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの重量が、通常5〜40質量%、好ましくは10〜20質量%となるような量が挙げられる。
【0025】
ポリアミド酸を得るための重合反応(以下、単に「重合反応」ともいう)の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して撹拌および/又は混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液に占めるポリアミド酸の重量は、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、前記溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが3.0dl/g以上が好ましく、4.0dl/g以上がさらに好ましく、なおさらに5.0dl/g以上が好ましい。
【0026】
また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。末端封止剤としては、無水マレイン酸等といった炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。無水マレイン酸を使用する場合の使用量は、芳香族ジアミン類1モル当たり好ましくは0.001〜1.0モルである。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の溶液を製造するのに有効である。
さらに、以下述べるポリアミド酸の溶液を支持体上に流延・塗布するに際して予め減圧などの処理によって該溶液中の気泡や溶存気体を除去しておくことも、本発明のポリイミドフィルムを得るために有効な処理である。
【0027】
ポリアミド酸溶液を流延(塗布)する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の平滑性、剛性を有していればよく、表面が金属、プラスチック、ガラス、磁器などであるドラム又はベルト状回転体などが挙げられる。また、適度な剛性と高い平滑性を有するポリイミドフィルムを利用する方法も好ましい態様である。中でも、支持体の表面は好ましくは金属であり、より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレスである。支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。支持体表面は必要に応じて鏡面にしたり、あるいは梨地状に加工することができる。また支持体の差によって乾燥における風量や温度は適宜選択採用すればよく、支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
【0028】
前記で流延(塗布)・乾燥して得られるポリアミド酸フィルムをイミド化・熱処理する方法として、閉環(イミド化)触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)やポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることができる。
熱閉環法の熱処理温度は、150〜500℃が好ましく、熱処理温度がこの範囲より低いと充分に閉環されづらくなり、またこの範囲より高いと劣化が進行し、フィルムが脆くなりやすくなる。より好ましい態様としては、150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間熱処理するところの初期段階熱処理と後段階熱処理とを有する2段階熱処理工程が挙げられる。
熱閉環反応であっても、化学閉環法であっても、支持体に形成されたポリイミドフィルムの前駆体(グリーンフィルム)を完全にイミド化する前に支持体から剥離してもよいし、イミド化後に剥離してもよい。
ポリイミドフィルムの厚さは特に限定されないが、1〜150μm、好ましくは2〜50μmである。この厚さはポリアミド酸溶液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液の濃度によって容易に制御し得る。
本発明のポリイミドには、滑剤をポリイミド中に添加含有せしめるなどして成形品表面に微細な凹凸を付与し成形品の滑り性を改善することが好ましい。
滑剤としては、無機や有機の0.03μm〜3μm程度の平均粒子径を有する微粒子が使用でき、具体例として、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、ピロ燐酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、粘土鉱物などが挙げられる。
【0029】
本発明における化学エッチング剤とは、アルカリ性であって、ポリイミドの(分解)溶解性を有するものであれば特に限定されるものではないが、アルカリ金属水酸化物および脂肪族アミンいずれか一種以上を含む水溶液が好ましく適用でき、例えばモノエタノールアミン40〜75質量%、水酸化カリウム5〜20質量%を含むアルカリ水溶液が挙げられるが、これに限定されるものではない。アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムも用いることができる。また前記アルカリ金属水酸化物水溶液にポリイミドとの親和性を向上させ、エッチングを促進させるために、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ヒドラジン1水和物、エチレンジアミン、ジメチルアミン、アルコール類として炭素数が3以上6以下のジオール類または炭素数4以上6以下のトリオール類のいずれか一方又は両方が添加されることも好ましい。
【0030】
本発明における酸性水溶液としては、酸性水溶液が0.01〜1.0Mの濃度の無機酸を含有する水溶液が好ましく適用できる。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸などが挙げられるこれらの酸を適宜選択使用すればよい。
有機酸例えば酢酸、蓚酸、クエン酸を使用してもよくまたこれらの有機酸を前記無機酸の水溶液に併用してもよく、また無機金属塩例えば塩化鉄化合物、などを併用してもよい。
本発明においては特に0.01〜0.5Mの濃度の無機酸を用いることが好ましく、より具体的には、塩酸0.01〜0.5Mの濃度の水溶液を用いることが好ましい。
本発明においてはかかる化学エッチング剤と酸性水溶液を用いて、高弾性率のポリイミドフィルムを基材とした金属化ポリイミドフィルムを用いてTAB、COF、FPC、モジュール基板、SIP基板、インターポーザ、高密度プリント配線基板を製作する際のデバイスホール、スルーホール、ヴァイアホール、スプロケット、外形加工などを行うことが可能である。
【実施例】
【0031】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例などで使用される評価方法は以下のとおりである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
【0032】
2.フィルムの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1254D)を用いて測定した。
【0033】
〔実施例1〕
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、500質量部の5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールを入れた。次いで、5000質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、485質量部のピロメリット酸二無水物を加えて、25℃にて48時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液が得られた。
(ポリアミド酸のグリーンフィルムの製造)
ポリアミド酸溶液を、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績株式会社製、厚さ188μm)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし(ギャップは、150μm、塗工幅1240mm)、連続式の送風式乾燥機を用いて110℃にて18分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して両端をカットし、厚さ21μm、幅1200mmのそれぞれのグリーンフィルムを得た。
得られたこれらのグリーンフィルムを5段階の加熱ゾーンを有する熱処理炉を持つピンテンターに通し、ピンシート間隔を1140mm、すなわちグリーンフィルム両端の各30mmをピンに刺仕込み、第1段が150℃で5分、第2段210℃、第3段480℃、第4段480℃、第5段にて150℃まで徐冷し、さらに室温にまで冷却し、フィルムの両端部の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、褐色のポリイミドフィルムを得た。
【0034】
(回路基板の作製)
得られたポリイミドフィルムを、まず250mm幅にスリットした。ついでロールトゥロール方式のプラズマ表面処理装置にセットし、酸素のグロー放電でポリイミドフィルムの両表面を処理した。処理時の条件はOガス圧2×10−3Torr、流量50SCCM、放電周波数13.56MHz、出力250W、処理時間は、フィルム送り速度0.1m/minで有効プラズマ照射幅が10cm程度の為1箇所のプラズマ照射時間が1分となる。この後、表面処理装置より取り出し、フィルムの両表面上に、NiターゲットとCrターゲットを用いてアルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ10nmのNi層、5nmのCr層を形成させた。この2層をもって第一の金属層とする。薄膜層作製時の真空度は3×10−3Torrである。その後、第二の金属層として、直ちに銅をターゲットとして、アルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ250nmの銅薄膜層を形成させた。ターゲットのCuは純度4Nのものを用いた。
スパッタ装置はロールトゥロール方式の装置であり、巻き出し室、スパッタ室、予備室、巻き取り室へとロールからフィルムが移動されながら、順次、表面処理、Ni層作製、Cr層作製、Cu層作製が行われ、その後に、ロールに巻き取られる。各室の間は、スリットによって概略仕切られている。スパッタ室ではフィルムはチルロールに接しており、チルロールの温度(−5℃)によって冷やされながら、巻きだし側に近い、Niターゲット1ケ、Crターゲット1ケ、その後Cuターゲット2ケからの金属粒子によって薄膜が形成される。各ターゲットのフィルム送り方向の幅は12cmである。スパッタされた粒子はフィルム上に達するまでに一部混じるが、フィルム厚さ方向にNiがついた後に、一部混合するが、Crが堆積しその後に、Cu薄膜が形成される。CrターゲットとCuターゲット間は50cm以上は慣れている為、ここでは真空中でのスパッタされた、CrとCuの粒子間混合は起こらない。
次に、当該銅薄膜の上に銅の電解メッキを施した。得られた金属被覆フィルムをプラスチック製の枠に固定し直し、硫酸銅メッキ浴をもちいて、厚さ5μmの厚付け銅メッキ層(厚付け層)を形成し、両面金属被覆ポリイミドフィルムを得た。
【0035】
(銅層エッチング)
得られた両面金属被覆ポリイミドフィルムの表面に、フォトレジスト:FR−200、シプレー社製を塗布・乾燥後にガラスフォトマスクで密着露光し、さらに1.2質量%KOH水溶液にて現像して、直径100μmの孔パターンを作製した。
次に、HClと過酸化水素を含む塩化第二銅のエッチングラインで、40℃、2kgf/cmのスプレー圧でエッチングし、レジストパターンと同じ銅箔パターンを形成させた。
【0036】
(絶縁層エッチング)
その後、レジストを剥離し、次いでアルカリ性エッチング液(KOH33.5%、水33.5%、エチレンジアミン33%)を用いて、80℃で3分間化学エッチングを行った。
エッチング後、温水中で超音波洗浄を行うことにより、ポリイミド表面に残留しているアルカリ変性層を除去し、さらに0.5M−HClで極表面に微小残存したアルカリ変性層を中和して膨潤性のないアミド酸に変換した。
(テストデイジーパターンの作成)
0.5μm厚に無電解銅メッキを行い、さらに8μm厚に電解銅メッキを行った。さらに銅をパターンエッチングして直径100μmの孔1000孔が連続したデイジーパターンを作成した。
【0037】
(ヒートサイクル試験)
得られた試験片を用いて、−50〜125℃のヒートサイクル試験を500サイクル行った。各試験片における試験前後の抵抗変化率が5%未満のものを良品、5%以上のものを不良品と判定した。100個の試験片について試験を行ったところ、不良品率は0%であった。
(界面観察)
ヒートサイクル試験後の孔壁面のポリイミドとメッキ銅との界面を観察したが、メッキ剥離は見られなかった。
上記結果を表1に示す。
【0038】
〔実施例2〕
芳香族テトラカルボン酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物(PMDA)と 3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を用い、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とパラフェニレンジアミン(P−PDA)の4種のモノマーをPMDA/BPDA/ODA/P−PDAとが0.6/0.6/0.2/1.0のモル比でジメチルホルムアミド(DMF)中重合し、モノマー仕込濃度が、16質量%となるようにして、ポリアミド酸溶液を得た。
この得られたポリアミド酸を使用する以外は実施例1と同様にして、ポリイミドフィルムを得、実施例1と同様にして、テストデイジーパターンの作成、ヒートサイクル試験、界面観察を行った。これらの結果を表1に示す。
【0039】
〔比較例1〕
エッチング後に超音波洗浄および酸処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同一ポリアミド酸を使用し、同様にしてポリイミドフィルムを得、実施例1と同様にして、テストデイジーパターンの作成、ヒートサイクル試験、界面観察を行った。これらの結果を表1に示す。
【0040】
〔比較例2〕
エッチング後に超音波洗浄および酸処理を行わなかったこと以外は、前記実施例2と同一ポリアミド酸を使用し、同様にしてポリイミドフィルムを得、実施例1と同様にして、テストデイジーパターンの作成、ヒートサイクル試験、界面観察を行った。これらの結果を表1に示す。
【0041】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明により、ポリイミド絶縁層をアルカリ性薬剤による化学エッチングを採用した際の、弾性率の高いポリイミドにおいては、アルカリ性薬剤による化学エッチングを行うとアルカリ変性層がエッチング液へと溶解しにくく、フィルム表面に残存する場合が多く、フィルム表面に残存したアルカリ変性層は水分による膨潤性があり、加熱時に寸法変化が起こる恐れがあり、また、加熱により変性層と基材との間で剥離が起こる課題を解消することができ、このアルカリ処理によるポリイミドのアルカリ変性層を洗浄除去し、さらにわずかに残存した変性層も酸処理によりポリアミド酸に変換することで膨潤性、剥離性のあるアルカリ変性層を消失させることができる。
ポリイミドのアルカリ処理における弊害を除去でき、ポリイミドフィルムに金属層を形成した積層体や、金属層に耐熱性ポリイミド樹脂層を積層した積層体を使用してプリント配線基板や多層回路基板などの製造に極めて有意義であり、得られたこれらの回路基板においても導通不良を起こし難いなどの品質上の利点が多く、金属(薄膜)層とポリイミドフィルムとの積層体を使用しての回路基板とそのポリイミドフィルムのエッチング加工法の改善に関する回路基板の製造方法に極めて有意義である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属層とポリイミドフィルムとの積層体を使用しての回路基板の製造方法において、ポリイミドフィルムをエッチング加工する際に、化学エッチング剤での処理後に化学エッチング剤による変性層を洗浄除去し、さらに酸性水溶液で処理するプロセスを有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項2】
化学エッチング剤がアルカリ金属水酸化物および脂肪族アミンいずれか一種以上を含む水溶液である請求項1に記載の回路基板の製造方法。
【請求項3】
酸性水溶液が0.01〜0.5Mの濃度の無機酸を含有する水溶液である請求項1又は2いずれかに記載の回路基板の製造方法。
【請求項4】
ポリイミドフィルムが、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、および芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドのフィルムである請求項1〜3いずれかに記載の回路基板の製造方法。
【請求項5】
ポリイミドフィルムが、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてビフェニルテトラカルボン残基、および芳香族ジアミン類の残基としてパラフェニレンジアミン残基を有するポリイミドのフィルムである請求項1〜3いずれかに記載の回路基板の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5いずれかに記載の製造方法で作製したことを特徴とする回路基板。

【公開番号】特開2008−235515(P2008−235515A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−72042(P2007−72042)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】