説明

回路基板の収納ケース及びそれを用いた電子機器装置

【課題】 回路基板を簡単に取付け、取外しできる収納ケースを得る。
【解決手段】 両端に開口部を有する四角い枠の対向する内面に基板取付部を対向して設け、対向した基板取付部に回路基板の挿入部Aと収納部Bを設ける。挿入部Aは挿入開口部6側に挿入口11を有し、対向開口部7側では収納部Bと合流する。また、合流地点Dの両側には壁面12aと壁面13aからなる第1のガイド手段を設ける。また、挿入口11の近傍で挿入部Aと収納部Bの間に突起部18なる外れ防止手段を設ける。収納部Bには片側に壁面15aなる第2のガイド手段を設け、回路基板の挿入先端と後端にあたる部位に壁面16a、壁面17aからなる第3のガイド手段を設ける。そして、挿入部Aに挿入した回路基板に押圧力をかけ、外れ防止手段を乗り越えさせて収納部Bに収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の電子部品が実装された回路基板を収納する収納ケース、並びに、その収納ケースを用いた電子機器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の電子機器装置の電装ボックスなどにおいて、回路基板をケース内に収納する構造は従来から様々な構造のものが知られている。例えば、下記の特許文献に開示された構造もその1つである。
【0003】
【特許文献1】特開平11−126986号公報
【特許文献2】登録実用新案第3033577号公報
【0004】
特許文献1に示された構造は、回路基板をケース体に破損することなくスムーズに着脱することのできる構造のもので、図13に示されるように、樹脂で形成するケース体110に反係合方向に変位可能な係合部111を設け、回路基板120に四角の穴からなる被係合部122を設け、L字型とコの字型のガイド部112、113に取付けた回路基板120の被係合部122に係合部111のフックを引っ掛けて回路基板120を固定する構造になっている。
【0005】
係合部111と被係合部122の係合は、ケース体110の下面側に設けた突出部116を上側に向かって押し上げることでスリット110aの内側の舌片部110bが上側に撓み、それにつれて係合部111が反係合方向に変位する。この変位した状態の時に回路基板120をガイド部112、113に差込み、差込んだ後に突出部116の押圧を解除して係合部111と被係合部122の係合を行う構造を取っている。
【0006】
また、回路基板120を取外す場合も突出部116を上側に押し上げることによって係合部111が反係合方向に変位して係合が解除され、解除された状態の時に回路基板120をガイド部112、113から取外す。
【0007】
このような構造をなすことにより、回路基板の取付け、取外しがスムーズにできるとされている。
【0008】
次に、特許文献2には適切な挿抜力で基板アセンブリの挿抜を簡単に行う構造が示されている。この構造は、図14に示されるように、ラックに組付けられるフロントパネル135の両端には揺動自在なカードプラー(着脱部材)136が設けられており、カードプラー136には受容孔が設けられて、この受容孔に基板本体(回路基板)134に設けられた枢支ピン137が係止している。
【0009】
また、ラックの4隅には、サイドプレート(図示していない)に取付けられたステー131が設けられ、ステー131のスライド溝131a、131b、131cにはガイドレール132の突起部132a、132b、132cが嵌合して一対のガイドレール132が対向して取付けられる。このガイドレール132のガイド溝132eに基板本体134が挿入されるようになっている。
【0010】
また、基板本体134の先端部には雄コネクター(図示していない)が取付けられており、基板本体134を一番奥に差し込んだ時に雄コネクターが背面パネルの雌コネクター(図示していない)に押し込まれて基板本体134が固定される構造になっている。
【0011】
次に、基板本体134の挿抜は次のようにして行われる。最初に、カードプラー136の操作部136aを揺動してカードプラー136の先端の係止突起136cがステー131と干渉しない状態にして、基板本体134をガイドレール132のガイド溝132eに挿入して基板本体134を奥方に押し込む。
基板本体134の先端部の雄コネクターが背面パネルの雌コネクターに当接した状態においては、一点鎖線で示したカードプラー136の係止突起136cがステー131のU字溝131dの位置に来る。
【0012】
次に、カードプラー136の操作部136aを矢印の方向に揺動すると係止突起136cがステー131のU字溝131dの中に入り込んでカードプラー136が停止する。この停止状態においては基板本体134の雄コネクターが背面パネルの雌コネクターに押し込まれた状態になる。また、停止状態においては、フロントパネル135の裏面135aがステー131の前面131fと当接した状態になる。
【0013】
フロントパネル135の裏面135aがステー131の前面131fと当接した状態で、固定用ネジ139をネジプレート138と螺合させることでフロントパネル135が固定される。
【0014】
基板本体134をラックから取外す場合は、固定用ネジ139を取外し、次に、操作部136aを矢印と反対方向に揺動する。そうすると、基板本体134がラックの前面側に引き出されて雄コネクターと雌コネクターとの係合が解除される。後は手でフロントパネル135を掴んで前方に引き出せば基板本体134はラックから取外れる。
【0015】
このような構造にすることにより、フロントパネル135の外側からカードプラー136の操作部136aを操作することで基板本体134の取付け、取外しが可能となり、直接フロントパネルや基板本体134に触れることなく、また、常に安定した力で基板本体134の挿抜を行うことができるとされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特許文献1に記載された構造は、回路基板に穴を設ける構造であることから回路パターン形成に制約が生じる。回路パターンは穴を避けて形成しなければならない。細密なパターン形成を必要とする回路基板の場合などはパターン幅を細くすると共に形成密度を高める必要も生じることから、パターン切れやパターン接触も生じ易くなり、導通不良の発生が起こりやすくなる。また、ケース本体の外側から突出部を押圧しながらケース本体の内側で回路基板の取付け作業を行わなければならないので、作業性が悪くなると云う問題も有する。
【0017】
また、特許文献2に記載された構造は、複雑な形状のステー131なる部材やカードプラー(着脱部材)136なる部材を用いることからコストのアップを招く。また、構造も複雑になり、部材破損などが生じた時のメンテナンスに時間を要する。
【0018】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、シンプルな構造でコストが安く、回路基板の着脱も容易にできさらに、前面パネル及び背面パネルの挿抜時、互いに相手側への挿抜力が直接作用しないような収納ケースを見出すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の課題を解決するための手段として、本発明の請求項1に記載の収納ケースの特徴は、両端に開口部を有する四角い筒状の枠の内部に各種の電子部品が実装された回路基板を収納する回路基板の収納ケースにおいて、
前記枠の両端の開口部で前記回路基板を挿入する側の開口部を挿入開口部、該挿入開口部と反対側にある開口部を対向開口部とすると、
前記収納ケースは、前記回路基板毎に基板取付部を有し、該基板取付部は前記挿入開口部と前記対向開口部との間に前記回路基板を収納する収納部と該収納部に隣接して前記回路基板を挿入する挿入部を有し、
前記挿入開口部側では、前記挿入部は挿入口を有して前記収納部と分かれており、
前記対向開口部側では、前記挿入部は前記収納部に合流しており、
前記合流している合流地点の両側に、前記回路基板の縁両面を保持する第1のガイド手段が対向して有し、
前記収納部と前記挿入部の間に前記回路基板が収納部から外れることを防止するための外れ防止手段を有し、
前記合流地点を除く前記収納部の部位で、前記外れ防止手段のある側と反対側に当たる収納部の片側に、前記回路基板の縁片面を保持する第2のガイド手段を有し、
前記挿入開口部の一部分と前記対向開口部の一部分で前記収納部が位置する部位に、収納した前記回路基板の挿入先端と後端を保持する第3のガイド手段が対向して有することを特徴とする。
【0020】
上記の構成の下では、回路基板を基板取付部の挿入部に挿入すると、対向開口部側では挿入部が収納部に合流していることより回路基板の挿入先端は収納部に入り込み、そして、対向開口部の第3のガイド手段に突き当たり、第1のガイド手段と第3のガイド手段で保持される。一方、挿入開口部側では、回路基板の後端(挿入先端と反対側にある端)は挿入部の挿入口近傍の位置にくる。そして、回路基板を収納部側に向かって押圧すると、回路基板は挿入部と収納部の間に配した外れ防止手段を乗り越えて収納部の第2のガイド手段に突き当たって収納部に納まる。回路基板が収納部に納まったときは外れ防止手段は回路基板を保持する働きをなして、収納部から回路基板が外れることを防止する。
【0021】
また、第1のガイド手段は回路基板の縁両面を保持する状態で配されている。このため、両面で保持された部位を支点にして回路基板を容易に回すことができ、強い押圧力を必要とせずに小さい押圧力で回路基板の移動ができる。つまり、大きな押圧力を掛けずに回路基板が外れ防止手段を乗り越えて収納部に収納することができる。そして、回路基板は、挿入先端と後端が第3のガイド手段で保持され、縁両面が第1のガイド手段、第2のガイド手段、外れ防止手段に保持されて収納部内に収納される。
【0022】
また、本発明の請求項2に記載の収納ケースの特徴は、前記挿入部の前記挿入口の近傍域に、前記回路基板の挿入を容易にするための第1の誘い込み手段を有することを特徴とする。
【0023】
この第1の誘い込み手段を有することで、挿入口への挿入、挿入部への挿入が容易にできるようになる。
【0024】
また、本発明の請求項3に記載の収納ケースの特徴は、前記合流地点に有する前記第1のガイド手段に、前記回路基板の挿入先端を前記収納部に誘い込むための第2の誘い込み手段を有することを特徴とする。
【0025】
この第2誘い込み手段で回路基板の挿入先端は収納部に納まる。つまり、回路基板の挿入先端を第2の誘い込み手段の案内に沿って押し込むと挿入先端は合流している収納部に自然と納まる。即ち、スムーズに挿入先端を収納部に納めることができる。
【0026】
また、本発明の請求項4に記載の収納ケースの特徴は、前記第1のガイド手段と前記第2のガイド手段は、前記枠の対向する内面に対向してそれぞれ一対有することを特徴とする。
【0027】
この構成の下では、回路基板が垂直状態、或いは水平状態で回路基板の対向する両縁が保持されて収納ケース内に収納される。
【0028】
また、本発明の請求項5に記載の収納ケースの特徴は、前記外れ防止手段は、前記挿入開口部側の近傍に配置し、且つ前記枠の対向する内面に対向して一対有することを特徴とする。
【0029】
回路基板を押圧して外れ防止手段を乗り越えるときに、外れ防止手段が対向して有することで回路基板は対向する外れ防止手段に同時に当接する。このため、回路基板や外れ防止手段にかかる力が分散され、回路基板の損傷や外れ防止手段の損傷を防止することができる。また、回路基板を収納部に収納したとき、回路基板が傾いて収納されることがなくなる。
【0030】
また、本発明の請求項6に記載の収納ケースの特徴は、前記第1の誘い込み手段は、前記枠の対向する内面に対向して一対有することを特徴とする。
【0031】
第1の誘い込み手段を前記枠の対向する内面に対向して設けることで、回路基板の挿入先端の角部に片当たりなどがなくなって挿入できるので、スムーズな挿入ができるようになる。
【0032】
また、本発明の請求項7に記載の収納ケースの特徴は、前記第1のガイド手段は、前記合流地点の両側に対向して設けた2つの壁面からなることを特徴とする。
【0033】
また、本発明の請求項8に記載の収納ケースの特徴は、前記第2のガイド手段は、収納部の片側に連続的又は断続的に設けた壁面からなることを特徴とする。
【0034】
また、本発明の請求項9に記載の収納ケースの特徴は、前記第3のガイド手段は、前記挿入開口部側と前記対向開口部側に対向して設けた2つの壁面からなることを特徴とする。
【0035】
壁面は平坦面をなしているもので、凸部或いは凹部を設けることで平坦な壁面が得られる。凸部や凹部は形状がシンプルであるので容易に成形でき、また、成形コストも安く上がる。
【0036】
また、本発明の請求項10に記載の収納ケースの特徴は、前記外れ防止手段は弾力性のある素材で前記収納ケースと同一又は別部材により形成され、先端面がR形状をなした突起部からなることを特徴とする。
【0037】
R形状をなした突起部、即ち、丸味を持った突起部であると、突起部の丸味のある表面に加わる力が分散されること、また、滑りなども生じることなどから、強い押圧力を必要とせずに回路基板は外れ防止手段を乗り越えることができる。
【0038】
また、本発明の請求項11に記載の収納ケースの特徴は、前記第1の誘い込み手段は、前記挿入部の挿入口が入口に向かって広くなるように設けた傾斜面であることを特徴とする。
【0039】
傾斜面をなして挿入口が広くなっていると回路基板は挿入し易くなる。また、傾斜面は徐々に寸法が変わるので傾斜面に沿っての誘い込みの案内がし易い。また、傾斜面は成形し易い形状であるので製作し易い。
【0040】
また、本発明の請求項12に記載の収納ケースの特徴は、前記第2の誘い込み手段は、前記第1のガイド手段である前記合流地点の両側に対向して配した2つの壁面の壁面間の幅が対向開口部の方向に向かって幅が狭くなるように片側の壁面に設けた傾斜面であることを特徴とする。
【0041】
この傾斜面も形状がシンプルであり、成形が容易である。回路基板の挿入先端は片側の傾斜した壁面に沿って案内されるので、回路基板の挿入先端を容易に収納部に導くことができる。
【0042】
また、本発明の請求項13に記載の収納ケースの特徴は、前記回路基板の収納部は前記回路基板との間で、該回路基板の表裏面方向に所要のガタを有していることを特徴とする。
【0043】
収納部と回路基板の表裏面方向に所要のガタがあることで、収納部への収納がスムーズに行えるようになる。また、後述する前面パネルや背面パネルとの組付けで回路基板に無理な力を加えることなく組付けができるようになる。また、前面パネルや背面パネルを取外す場合も同様である。回路基板に無理な力が加わらないので回路基板の損傷を防止することができる。
【0044】
また、本発明の請求項14に記載の収納ケースの特徴は、前記回路基板の収納部への収納は、前記挿入部の挿入口から前記回路基板を挿入部に挿入して前記回路基板の挿入先端を前記第1のガイド手段である2つの壁面の間に差し込むと共に前記第3のガイド手段である前記対向開口部側にある壁面に突き当て、その後に前記回路基板を前記収納部に向かって押圧して前記外れ防止手段である突起部を乗り越えて前記第2のガイド手段である壁面に突き当て、収納することを特徴とする。
【0045】
この収納の手順で収納できるのでワンタッチ作業で収納でき、収納が簡単に行える。また、回路基板を取外す場合も収納手順と逆の手順を行うことにより簡単に取外すことができる。
【0046】
また、本発明の請求項15に記載の電子機器装置の特徴は、各種の電子部品が実装された回路基板を収納した収納ケースに前面パネルと背面パネルを取付けて形成する電子機器装置おいて、
前記収納ケースは前記請求項1乃至14のいずれかに記載の収納ケースであって、該収納ケースに前記回路基板を所要のガタを持たせた状態で収納し、前記前面パネルと背面パネルを前記収納ケースに取付けて前記回路基板と前記前面パネル並びに背面パネルを、あるいは、前記前面パネル又は背面パネルを電気的に接続することによって、前記回路基板を取付けたことを特徴とする。
【0047】
電子機器装置の前面パネルには表示装置やスイッチなど各種の部品が取付けられる。また、背面パネルにもコネクターなどの各種の部品が取付けられる。
これらの部品がアッセンブリーされた前面パネルと背面パネルを本発明の回路基板が収納された収納ケースの両端の開口部に組付けて完成した電子機器装置が得られる。
収納ケースに収納された回路基板はコネクターを介して前面パネル、或いは背面パネルと接続される。つまり、回路基板に配した雄コネクターまたは雌コネクターと前面パネルに配した雌コネクターまたは雄コネクターとが係合し合って電気的接続が図られる。回路基板と背面パネルとの組付けも同様なことが行われる。
【0048】
ここで、収納ケースに収納した回路基板は収納部との間に、取り分け回路基板の表裏面方向に所要のガタを有している。このため、前面パネルのコネクターや背面パネルのコネクターと回路基板のコネクターとに多少の位置ズレなどがあっても所要のガタ量の範囲内で回路基板が動いて位置調整が行われ、正常な位置でのコネクターの係合が行われるようになる。回路基板に無理な力が加わらないため回路基板の変形などが防止され、回路基板の損傷発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0049】
以上、詳細に渡って本発明の特徴とその作用・効果を説明した。本発明によれば、収納ケースは回路基板の取付け、取外しが簡単にできる。また、コスト的にも安く製作でき、回路基板に損傷を与える心配もない。また、本発明の収納ケースを用いた電子機器装置にあっては回路基板を傷める心配は起きない。
また、回路基板が収納ケースの収納部に収納された状態では、回路基板の収納ケースに対する前後方向への抜き力は収納部によって防止されるため、前面パネル、背面パネルのコネクター、ソケットなどとの抜き差し時に生じる力についてはそれぞれ背面パネル、前面パネルに直接作用することはなくなる。つまり、前面パネル、背面パネルの一方を抜き差しする操作による他方への電気的機械的影響はなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以降、実施形態と云う)について図1〜図7を用いながら説明する。なお、図1は本発明の実施形態に係る収納ケースの斜視図を示している。また、図2は図1の収納ケースに回路基板を取付ける状態を示す斜視図で、図3は図1における基板取付部の拡大斜視図、図4は図3における挿入部の説明図を示している。また、図5は図3のE−E断面図を示している。また、図6は回路基板の取付け状態を示す説明図で、図6の(a)は回路基板を挿入部に挿入した状態の説明図、図6の(b)は回路基板を収納部に収納した状態の説明図を示している。また、図7は図1に示す基板取付部に回路基板を収納した斜視図で、1組の回路基板のみを示した部分斜視図である。
【0051】
本発明の収納ケースは、両端に開口部を有する四角い筒状の枠をなしており、その枠の中に各種の電子部品が実装された回路基板(以降、単に回路基板と呼ぶ)を収納するようになっている。図1は回路基板の挿入側から見た斜視図を示している。また、図1に示した収納ケースは射出成形によって形成した樹脂からなる収納ケースである。
【0052】
図1において、収納ケース1は枠上部2、枠下部3、枠左側部4、枠右側部5の4面を持ち、図中手前側と図中後方側に開口部を有して、四角い筒状の枠形状をなしている。
【0053】
ここで、本発明の収納ケースの詳細仕様を説明する前に言葉の定義をする。図1において、図中手前側の開口部は回路基板を挿入する側の開口部であるので挿入開口部と表し、挿入開口部6と符号する。図中後方側の開口部は挿入開口部6に対して反対側にあるので対向開口部と表し、対向開口部7と符号する。
【0054】
本実施形態の収納ケース1内には3組の回路基板が取付けられるようになっている。3箇所の基板取付部8、9、10に回路基板が取付けられる。図中、基板取付部8、9、10の所で矢印で示したI8、I9、I10は回路基板の挿入方向と挿入位置を示している。回路基板の取付けは、回路基板を基板取付部にある挿入部の挿入口から挿入部に差し込み、次に、挿入部に納まった回路基板を収納部に移動して収納ケース1への収納が完了する。図2において、基板取付部8では回路基板20を立てた状態で収納口から挿入部に差し込んでいる状態を示している。また、基板取付部9では回路基板20を収納部に収納した状態を示している。基板取付部の構成については詳しく後述することにする。
【0055】
なおここで、挿入方向に沿って挿入する回路基板の先端側を挿入先端、挿入先端と反対側の端側を後端と呼ぶことにする。
【0056】
また、図1においては、3箇所の基板取付部8、9、10は枠下部3の内面3aに描かれているが、全く同じ形状の基板取付部が枠上部2の内面2aにも設けられており、それぞれ対向して対をなしている。本実施形態の収納ケース1は回路基板20を垂直に立てて収納する構成になっている。
【0057】
次に、基板取付部8、9、10の詳しい構成を図3を用いて説明する。なお、基板取付部8、9、10は、それぞれ回路基板の挿入部と回路基板の収納部を持つが、回路基板の挿入部が収納部に対して右側にあるか(基板取付部8は、挿入部が収納部の右側にある)、あるいは、左側にあるか(基板取付部9、10は、挿入部が収納部の左側にある)の違いだけであって構成的にはほぼ同じ構成をなしている。従って、代表して基板取付部8を取り上げて説明することにする。
【0058】
最初に、基板取付部には回路基板を収納する収納部が有る。図3において、一点鎖線で示したBの領域が収納部Bをなしている。この収納部Bは回路基板の収納ケース1への最終収納場所を示している。また、この回路基板の収納部Bに隣接して回路基板の挿入部がある。図3において、2点鎖線で示したAの領域が挿入部Aをなす。挿入部Aは回路基板を挿入する場所で、収納部に納める前の仮置きの場所でもある。
【0059】
図3に示す収納部Bと挿入部Aは基板取付部における位置を単に平面的に示したものである。収納部Bと挿入部Aは枠上部2と枠下部3の対向する内面2a、3aに対向して設けた基板取付部に挟まれた空間領域を持っている。図4は遠近法で挿入部Aを2点鎖線で示したものである。図4において、2点鎖線で示した挿入部Aは枠上部2の内面2aに設けた基板取付部8と枠下部3の内面3aに設けた基板取付部8とに挟まれた空間領域をなす。図4は挿入部Aのみを示したものであるが、収納部Bも挿入部Aと同様に空間領域を持っている。また、この収納部Bと挿入部Aは挿入開口部6と対向開口部7との間に設けられる。
【0060】
再び図3に戻り、挿入部Aは挿入開口部6側に回路基板の挿入口11がある。また、挿入部Aは対向開口部7側で収納部Bと合流している。図3において、斜線で示したDの領域は合流領域(以降、合流領域を合流地点Dと呼ぶ)を示している。挿入部Aは対向開口部7側で収納部Bと合流していることから、回路基板をI8の矢印方向の挿入口11から挿入部に挿入すると回路基板の挿入先端(挿入方向に向いた先端側)は収納部Bに入り込んだ位置にくる。
【0061】
本実施形態での基板取付部は枠の内面に僅かな深さの凹部Jと凹部Jの縁周りに設けた何箇所かの凸部によって形成している。凹部Jの縁に設けた凸部は、図3において、符号12、13、15、16、17で示すものが凸部をなしている。そして、凹部Jの壁面と凸部の壁面は繋がっていて平坦面をなした壁面になっている。本実施形態の枠上部2と枠下部3は厚みが薄いため凹部を深く形成することができない。従って、凹部と凸部を組み合わせて機能的に問題ない基板取付部を形成している。以降、壁面を表す場合は凸部の呼称でもって繋がった壁面を表すこととする。
【0062】
図3の符号12、13は合流地点Dの両側に設けた凸部で、凸部12と凸部13とでもって合流地点Dの両側に対向した2つの壁面12a、13aが配される。この対向する2つの壁面12a、13aが収納部Bに入ってきた回路基板の縁両面を保持するガイド手段の働きをなす。以降、この対向する2つの壁面12a、13aを第1のガイド手段と表す。このガイド手段があることで、挿入先端の縁両面が保持される。
【0063】
ここで、凸部13は三角形の形状をなしており、壁面13aは傾斜角αを持った傾斜面をなしている。つまり、壁面12aと壁面13aとに挟まれた幅が対向開口部7の方向に向かって幅が狭くなるように傾斜面が設けられている。この傾斜面が有ることにより、挿入した回路基板の挿入先端は傾斜面に案内されて収納部Bに誘い込まれる。以降、壁面13aの傾斜角αなる傾斜面は回路基板の挿入先端を収納部Bに誘い込む働きをなすので、第2の誘い込み手段と表す。この第2の誘い込み手段があることで、回路基板の挿入先端が収納部Bにスムーズに導かれる。
【0064】
次に、図3の符号15は収納部Bの片側に設けた凸部で、この凸部15は収納部Bと挿入部Aの間にある突起部18のある側と反対側の片側に設けている。この凸部15の壁面15aは収納部Bに納まった回路基板の縁片面を保持するガイド手段としての働きをなすので、以降、壁面15aを第2のガイド手段と表す。
【0065】
収納部Bと挿入部の間に突起部18を設けている。この突起部18は、本実施形態ではカマボコ型の形状をなして、先端面(先端表面)が丸くR形状をなしている。この突起部18は挿入開口部6に近い位置、即ち、挿入開口部6の近傍に配される。
【0066】
この突起部18は収納部Bに収納された回路基板が収納部Bから外れることを防止する外れ防止手段としての働きをなしている。また、この外れ防止手段である突起部18は弾力性のある材料で形成する。本実施形態では、収納ケース1をABS樹脂を用いて射出成形で形成しているので、突起部18もABS樹脂からなって弾力性を有している。
【0067】
図3の符号16は挿入開口部6側に設けた凸部である。また、図3の符号17は対向開口部7に設けた凸部である。この凸部16と凸部17は収納部Bがある部位に対向して設けられている。また、凸部16は収納部Bに向かって壁面16aを有し、凸部17も収納部Bに向かって壁面17aを有している。この一対の対向する壁面16a、17aは収納部Bに収納された回路基板の挿入先端と後端(挿入先端と反対側にある端側)を保持するガイド手段としての働きをなす。以降、凸部16、17の壁面16a、17aを第3のガイド手段と表す。この第3のガイド手段があることで、回路基板が収納ケース1の両端の開口部から抜けて外れたり、開口部から突き出ることがなくなる。
【0068】
次に、図3において、Gは傾斜面を表している。挿入部Aの挿入口11の近傍域は、図5に示すように、挿入口11が広くなるように枠下部3の基板案内面3bに傾斜角βの傾斜を持たせて傾斜面Gを設けている。傾斜面Gが有ることによって、回路基板の挿入先端の角部が傾斜面Gに沿うようにして挿入部Aの奥方へと導かれ、挿入部Aへの挿入がスムーズにできるようになる。この傾斜面Gは回路基板を挿入部Aに誘い込む働きをなすので、以降、第1の誘い込み手段と表す。
【0069】
前記傾斜面Gに設ける傾斜角βの角度が大きいと傾斜面Gは急坂となり、回路基板の挿入先端の角部が突っかかってスムーズに挿入できなくなる。なだらかな傾斜面にすると挿入がスムーズにできるようになる。傾斜面Gの傾きは回路基板の大きさや挿入部の長さなどを考慮して適宜な値に設定する。
【0070】
なお、この傾斜面Gは、本実施形態では収納部Bにも連ねて設けている。傾斜面Gは収納部Bに及んでいても回路基板の収納状態には何ら影響を及ぼさない。
【0071】
次に、図6を用いて回路基板の収納部Bへの収納方法を説明する。なお、図6は図3に示した基板取付部を上から見た平面図、つまり、垂直に立てて挿入した回路基板を上から見た平面図を示している。図6の(a)において、挿入部Aに挿入された回路基板20は、その挿入先端が前述したように収納部Bの方に入り込んで、第1のガイド手段である壁面12a、13aと第3のガイド手段である凸部17の壁面17aで保持されている。回路基板20の挿入先端を挿入口11に挿入すると挿入口11の近傍域にある第1の誘い込み手段の傾斜面Gによってスムーズに挿入部Aに入り込んで奥方に進み、そして凸部13の壁面13aの傾斜面なる第2の誘い込み手段の案内で挿入先端は第1のガイド手段である壁面12aと壁面13aの間に入り、第3のガイド手段である凸部17の壁面17aに突き当たる。これにより、回路基板20の挿入先端は収納部Bに納められる。そして、挿入先端は第1のガイド手段である凸部12、13の両壁面12a、13aと凸部17の壁面17aで保持される。
【0072】
次に、挿入された回路基板20の後端近くの片面に押圧力Fを矢印の方向、即ち、収納部Bの方向にかける。回路基板20に押圧力をかけると、回路基板20は突起部18なる外れ防止手段を乗り越えて収納部Bに入り込み、収納部Bの片側の第2のガイド手段である凸部15の壁面15aに突き当たって止まる。これによって、図6の(b)に示したように回路基板20は収納部Bに収納される。そして、挿入開口部6側にあっては、回路基板20は第2のガイド手段である壁面15aと外れ防止手段である突起部18と第3のガイド手段である凸部16の壁面16aで保持される。
【0073】
回路基板20の挿入先端は第1ガイド手段である突部12、13の両壁面12a、13aと凸部17の壁面17aで保持されている。このため、保持された挿入先端を支点にして回路基板20を回すことができ、強い押圧力を掛けないでも矢印の方向に動かすことができる。そして、突起部18を乗り越えさせることができる。さらに、突起部18を乗り越える際、収納ケース1の基板取付部が設けられた対向する枠上下部が外方に撓み、乗り越えると同時に枠上下部の撓みが元に戻ることにより、回路基板取付が容易となる。
【0074】
突起部18は回路基板20の収納部Bからの外れを防止する機能をなす。従って、突起部18のR形状をなした先端面は、図5に示すように、基板案内面3bよりtの突出量を持って突出している。この突出量tが大きいと回路基板20は突起部18を乗り越え難くなり、突出量tが小さいと簡単に外れ易くなる。この突出量tは回路基板の大きさや厚み、加えられる押圧力などを考慮して適宜な値に設定する。なお、これまでの説明においては、前記突起部18を収納ケース1と一体成形により同一部材にて形成した例を示したが、例えば真鍮、アルミ、ステンレスなどの金属によりなる別部材として設けても良い。さらに、前記突起部18は1つの収納部に対して1つ又は複数配置することも可能である。
【0075】
また、この突起部18は挿入開口部6側の近傍に設けられる。回路基板20の収納部Bへの収納は手の指を開口部に差し込んで回路基板20の後端近傍の片面を収納部Bの方向に押圧して行われる。突起部18を挿入開口部6より奥まった所に配すると、回路基板20を押圧したときに回路基板20が突起部18によって撓みなどの変形を起こす危険がある。そして、回路パターンの損傷や実装部品の損傷が発生する危険が生じる。この問題発生を防止するために、突起部18を挿入開口部6側の近傍に設けて押圧力をかける近くの位置に配している。
【0076】
以上の方法によって回路基板20を収納部Bに収納する。なお、回路基板20の挿入先端を収納部Bに納める方法として、次のような方法も取ることができる。
【0077】
これは、第1のガイド手段である壁面12aと第2のガイド手段である壁面15aが繋がっている場合に取ることができるもので、挿入した回路基板20の挿入先端を壁面15aに当て、挿入先端を繋がった壁面15aと壁面12aに沿って押し込むことにより挿入先端を収納部Bに納めることができる。
【0078】
回路基板20を収納ケース1の収納部Bから取外す場合は、上記で述べた収納手順と
逆の手順を行うことにより簡単に取外すことができる。
【0079】
収納部Bに収納された回路基板20は、その表裏面方向に収納部Bと所要のガタ(間隙)を有している。即ち、回路基板20を保持する第1のガイド手段である壁面12a、13a、第2のガイド手段である壁面15a、外れ防止手段である突起部18との間に所要のガタを持っている。
【0080】
収納部Bと回路基板20のガタについては図7を用いて説明する。図7において、収納部Bに収納された回路基板20のガタに3つの方向がある。1つ目の方向は回路基板20の表裏面方向で、図7ではX−X方向である。2つ目の方向は回路基板20の差込方向で、Y−Y方向である。3つ目の方向は枠上部2の基板取付部8と枠下部3の基板取付部8に挟まれた回路基板20の幅方向で、Z−Z方向である。
【0081】
回路基板20の表裏面方向のガタ、即ち、X−X方向のガタは回路基板20と第1のガイド手段である壁面12a、13a、第2のガイド手段である壁面15a、外れ防止手段である突起部18との間隙によって決まる。差込方向のガタ、即ち、Y−Y方向のガタは第3のガイド手段である凸部16の壁面16aと凸部17の壁面17aとの間隙によって決まる。幅方向のガタ、即ち、Z−Z方向のガタは枠上部2の基板取付部8と枠下部3の基板取付部8との間隙によって決まる。
【0082】
本発明においては、表裏面方向(X−X方向)のガタに所要のガタ量を持たせており、差込方向(Y−Y方向)のガタ、幅方向(Z−Z方向)のガタは最小限のガタ量で抑えている。
【0083】
回路基板20の挿入先端側または後端側には雄または雌のコネクターが実装される。また、収納ケース1に取付けられる前面パネルまたは背面パネルにも雌または雄のコネクターが取付けられる。そして、雄・雌コネクターによる係合でもって組付けを行い、電気的接続を図っている。
【0084】
ここで、前面パネルや背面パネルの組付け時には、回路基板20はY−Y方向、つまり、差込方向に動かないことが必要で、動くと雄・雌コネクターの係合(差込み)不十分が発生する。従って、差込方向(Y−Y方向)のガタは回路基板20のスムーズな収納ができる範囲内で最小限のガタ量に抑えている。
【0085】
また、Z−Z方向、つまり、幅方向のガタは回路基板20を基板取付部8にスムーズに収納できる範囲内で最小限のガタ量に抑えている。Z−Z方向にガタ量が多いと雄・雌コネクター間の位置ズレが大きくなりコネクター同士の係合がスムーズに行われないためである。
【0086】
次に、X−X方向のガタは、つまり、表裏面方向のガタは所要のガタ量を持たせている。所要のガタを持たせていることで、雄・雌のコネクター間に多少の位置ズレなどあっても回路基板20側が動いて係合がスムーズに行われるようになる。
【0087】
所要のガタ量は基板取付部8の成形精度や回路基板20の厚み精度、回路基板20の大きさ、前面パネルや背面パネルの加工精度や組立精度などによって異なるが、概ね回路基板20の厚みに対して1/10〜1/2の範囲内でガタ量を設けることで十分対応できる。
【0088】
このように、回路基板の表裏面方向に所要のガタを持たせることで回路基板と前面パネルや背面パネルとの係合がスムーズに行うことができる。また、回路基板に強い力を付加せずに組付けが行えるので回路基板の損傷発生も防止することができる。
【0089】
また、前面パネルや背面パネルを回路基板から取外す場合も、収納部Bに回路基板が収納されているので取外しが容易になる。
【0090】
以上、詳細に説明したように、上記の構成にすることによりワンタッチでの取付け、取外しができる。また、回路基板20を収納部Bに移動させる押圧力も強い力を必要とせず、比較的小さい力で外れ防止手段の突起部18を乗り越えさせることができる。
【0091】
なお、本実施形態でのガイド手段は凹部と凸部を繋げて形成した壁面をガイド手段としたが、壁面はこれに限るものではなく、単に凸部だけによる壁面、深い凹部だけによる壁面をガイド手段として用いても構わない。また、壁面に限るものではなく、ガイド手段としての機能を果たす形状のものでも構わない。
【0092】
また、本実施形態での外れ防止手段はカマボコ型をなした樹脂で構成したが、特にカマボコ型に限るものではない。例えば、半球状の突起部でも適用できるものである。また、樹脂に限らす弾力性の有するものであれば良く、ゴムやバネなどであっても構わない。
【0093】
基板取付部の構成説明は図1に示した基板取付部8を取り上げて説明した。この基板取付部8は、図中においては、回路基板の挿入部が収納部の右側に配されているものである。挿入部を収納部の右側に配するか、左側に配するかは各種の電子部品が実装された基板の厚みや前面パネルなどに装着されたコネクターの位置関係などを考慮して適宜に決めるのが良い。
【0094】
また、本実施形態の収納ケースは樹脂で形成した収納ケースを用いたが、金属板などを組み立てて形成した収納ケースでも適用できるものである。また、本実施形態の収納ケースは回路基板を垂直に立てて収納する構成のケースであるが、回路基板を水平に寝かせて収納する平置型の収納ケースでも適用できるものである。
【実施例1】
【0095】
実施例1の収納ケースは金属板などを組み立てて形成した収納ケースである。以下、実施例1に係る収納ケースを図8、図9を用いて説明する。なお、図8は実施例1に係る収納ケースの斜視図を示している。また、図9は図8における基板取付部の平面図と断面図で、図9の(a)は平面図、図9の(b)は図9の(a)におけるH−H断面図を示している。
【0096】
実施例1の収納ケース30は、図8に示すように、複数の角材37a、37b、37c、37d、37e、37f、37gなどを組立たてて四角い枠組みを作り、その枠組みに上板32、下板33、左右の側板34、35をネジ(図示していない)を介して角材に固定したものからなる。また、対向した一対の側板34、35の内面には基板取付部材40を対向させて一対、固定手段(例えば、ネジ・ナット)を介して設けている。
【0097】
この収納ケース30は四角い筒状のケースになっていて、図中手前側と後方側に開口部がある。手前側の開口部は回路基板を挿入する側の開口部になっており、挿入開口部46と表している。また、後方側の開口部は挿入開口部46と反対側にあるので対向開口部47と表している。挿入開口部46と対向開口部47には前面パネルや背面パネルが取付けられるようになっている。
【0098】
対向して設けられた一対の基板取付部材40は樹脂成形によって形成したものからなり、2組の回路基板が2段になって取付けられるように凹部Jからなる2つの基板取付部48、49を持っている。矢印のI48とI49は回路基板の挿入方向と挿入位置を示しており、矢印の所から回路基板を挿入し、挿入した回路基板をこの基板取付部の収納部に収納するようになっている。また、収納した回路基板はこの収納ケース30に取付ける前面パネルや背面パネルとコネクターなどを介して係合されると共に電気的接続が図られるようになっている。この収納ケース30は回路基板を平置きで収納する収納ケースになっている。
【0099】
基板取付部材40の更に詳しい構成を図9でもって説明する。なお、2段に設けた基板取付部48、49は同じ構成をなしているので、基板取付部49を取り上げて説明することにする。また、前述の実施形態での構成と同じ仕様をなす構成のものは必要限度の説明に留めることにする。
【0100】
実施例1の基板取付部49は平板状の基板取付部材40に形成した凹部Jからなっている。従って、図9の(a)に示すように、凹部Jの周りには壁、即ち、壁面を持つ。ここでの壁面は壁面52a、53a、54a、56a、57aが主要な壁面としての役割を果たす。
基板取付部49は、前述の実施形態と同様に、二点鎖線で示した挿入部Aと一点鎖線で示した収納部Bを持つ。挿入部Aは収納部Bに隣接した位置にあり、挿入開口部46側で挿入口51を持っている。また、対向開口部47側では収納部Bに合流している。従って、挿入口51から挿入した回路基板の挿入先端は一番奥まった対向開口部47側に至ったときは収納部に納まるようになっている。
【0101】
斜線で示したDの領域は挿入部Aが収納部Bに合流する領域を示している。以降、この合流領域を合流地点Dと表して説明する。合流地点Dの両側には回路基板を保持するガイド手段としての働きをなす壁面、壁面53aと52aが対向して配されている。この対向した壁面53a、52aを、以降、第1のガイド手段と表して説明する。なお、壁面52aは挿入開口部46側から対向開口部47側まで連なった壁面をなしており、合流地点Dの領域にある壁面を第1のガイド手段としている。
【0102】
ここで、壁面53aは対向開口部47に向かって2つの壁面52a、53aで挟まれた幅が狭くなるように傾斜角を持った傾斜面をなしている。この傾斜面に沿って回路基板の挿入先端を押し込むと挿入先端は収納部に入り込む。壁面53aの傾斜面は誘い込み手段(この誘い込み手段を第2の誘い込み手段と表す)としての働きをなしている。
【0103】
また、2つの壁面52a、53aの間に入り込んだ回路基板の挿入先端は先端の進む方向にある壁面57aに突き当たって止まる。
【0104】
挿入開口部46側にあって、挿入部Aと収納部Bとの間に突起部58を設けている。この突起部58は収納部に収納した回路基板が収納部から外れるのを防止するために設けていて、回路基板の外れ防止手段としての働きをなしている。
【0105】
上記したことから、挿入部Aの部位は突起部58、壁面54a、壁面53a、壁面57a、合流地点Dにある壁面52aに囲まれた位置にくる。また、回路基板を平置きにして収納する収納ケースにあっては、挿入部Aは収納部Bの上側に設けるのが好ましい。
【0106】
次に、収納部Bは回路基板を収納する部位で、挿入部Aに納まった回路基板を移動して収納部に収納するようになっている。この収納部Bの部位は壁面56a、壁面52a、壁面57a、壁面53a、突起部58に囲まれた位置にくる。
【0107】
ここで、壁面56aと壁面57aは対向していて、回路基板が両端の開口部から飛び出さないようにするために設けている。開口部方向への動きを防止して回路基板を保持するガイド手段(このガイド手段を、以降、第3のガイド手段と表して説明する)としての働きをなしている。
【0108】
また、壁面52aは挿入開口部46側から対向開口部47側まで連なった壁面をなしているが、挿入開口部46側から合流地点Dまでの壁面52aは回路基板を保持するガイド手段(このガイド手段を、以降、第2のガイド手段と表して説明する)としての働きをなしている。
【0109】
従って、収納部Bに収納された回路基板は、壁面53aと壁面52aからなる第1のガイド手段、壁面56aと壁面57aからなる第3のガイド手段、壁面52aからなる第2のガイド手段、外れ防止手段に保持される。
【0110】
挿入開口部46側の挿入口51の近傍には、図9の(b)に示すように、基板案内面40bに傾斜をなした傾斜面Gを設けている。この傾斜面Gは回路基板を挿入部にスムーズに挿入できるように、誘い込むための誘い込み手段(この誘い込み手段を、第1の誘い込み手段と表す)として挿入部に設けている。この傾斜面Gは収納部Bの方に設けられていても問題はないので収納部まで広げて設けている。
【0111】
また、外れ防止手段である突起部58は、図9の(b)に示すように、傾斜面G上に設けている。この突起部58は弾力性を有しており、先端表面はR形状に形成されて丸味を持っている。また、突起部58の高さは収納部Bに収納された回路基板が自重では外れない高さであり、また、挿入部Aに挿入した回路基板に押圧力を加えたときに回路基板が突起部58を乗り越えて収納部Bに納まるような高さをなしている。
【0112】
次に、回路基板を収納部に収納する方法は前述の実施形態で説明した方法と同じ方法を取る。即ち、回路基板を挿入開口部46側にある挿入口51から差し込んで挿入部Aに納め、次に、収納部Bの方向に向かって回路基板に押圧力を加え、回路基板が外れ防止手段である突起部58を乗り越えさせて収納部Bに納める方法を取る。なお、回路基板を収納部Bから取り出す場合は上記の手順を逆に行えばよい。
【0113】
収納部に収納した回路基板と収納部との間で、回路基板の表裏面方向に所要のガタを設けている。ガタ量は基板取付部49の加工精度、回路基板の大きさや厚み、また、前面パネルや背面パネルに設けているコネクターなどの位置精度などによってもそれぞれ異なるが、概ね回路基板の厚みの1/10〜1/2の範囲にガタ量を設定している。この範囲のガタ量であると殆ど問題は生じない。
【0114】
所要のガタ量を設けたことによる効果は前述の実施形態で説明した通りであるのでここでの説明は省略する。
【0115】
回路基板を平置きに収納するタイプの収納ケースでは、挿入部は収納部より上側に設けるのが好ましい。挿入部が収納部より下側にあると、外れ防止手段の働きが悪くなると回路基板が収納部より外れる危険がある。
【0116】
実施例1では、2組の回路基板が取付けられる基板取付部材を用いた収納ケースであるが、基板取付部材は基板の組数に応じたものを用いれば良い。あるいは、1組用の基板取付部材を必要組数に応じて複数用いても良い。
【実施例2】
【0117】
次に、実施例2として、収納ケースを用いた電子機器装置について図10〜図12を用いて説明する。なお、図10は本発明の実施例2に係る電子機器装置の外観斜視図、図11は図10における前面パネルの裏面側から見た斜視図、図12は図10における背面パネルの裏面側から見た斜視図と1組の回路基板の斜視図を示している。
【0118】
最初に、図10において、実施例2の電子機器装置は計測機器に用いられる装置で、電子部品を実装した回路基板を収納した収納ケース1の前面側に前面パネル60が装着し、背面側に背面パネル70が装着している。収納ケース1は前述の実施形態で用いられた収納ケースと同じ仕様をなしたものを用いているので同一符号を付してある。
【0119】
前面パネル60は樹脂成形によって形成されており、前記前面パネル60は収納ケース1に対し、図示せぬネジ又はフックで固定されている。前記前面パネル60は表面側に表示パネル62、4個のスイッチ63a、63b、63c、63dを取付けている。また、裏面側には、図11に示すように、各種の電子部品を実装した前面パネル用の回路基板64を図示せぬネジ又はフックで固定している。回路基板64には2個の雄コネクター65a、65bが実装されている。この2個の雄コネクター65a、65bは収納ケース1に収納した2組の回路基板の雌コネクターとそれぞれ係合するようになっている。
【0120】
背面パネル70は、図12に示すように、樹脂成形によって形成されたものからなっている。丸穴72aと角穴72bが設けられており、ここに、回路基板20bに装着されたコネクター22が係合するようになっている。また、4箇所にフック78が設けられており、このフック78が収納ケース1に設けられた止め穴に係合して背面パネル70が収納ケース1に固定されるようになっている。
【0121】
回路基板20bは前面パネル60の回路基板64に設けた雄コネクター65bと係合する回路基板で、この回路基板20bには雌コネクター25bが設けられており、また、外部から信号を取り入れるための丸形コネクター22aと角形コネクター22bとが連設して一体となったコネクター22が設けられている。この丸形コネクター22aは背面パネル70の丸穴72aの部分に係合し、角形コネクター22bは背面パネル70の角穴72bの部分に係合するようになっている。丸形コネクター22a及び角形コネクター22bには外部から直接コネクターコードでもって信号が入力される。
【0122】
回路基板20bは前述の実施形態で述べた2組の回路基板の内の1組で、前面パネル60の回路基板64に設けた雄コネクター65bと係合する。他の1組の回路基板は前面パネル60の回路基板64に設けた雄コネクター65aと係合するようになっている。
【0123】
実施例2の電子機器装置にあっては、2組の回路基板は前面パネル60と電気的接続が図られているもので、背面パネル70とは直接電気的接続は取っていない。また、2組の内の1組、回路基板20bは前面パネル60と背面パネル70に係合関係があるものの、他の1組の回路基板は収納ケース1の収納部に納まった状態で前面パネル60側とコネクターを介して係合している。
【0124】
前述の実施形態で説明したように、収納ケース1における2組の回路基板の差込方向のガタは最小限に抑えている。従って、前面パネル60側の雄コネクター65a、65bを2組の回路基板の雌コネクターに差込んで係合させたとき、回路基板は殆ど動かないため前面パネル60を押し込むことでスムーズな差込み係合が得られる。
また、このときに、背面パネル70に対しては直接、力が作用しないので電気的機械的な影響は及ぼさない。前面パネル60を取外す場合も同じで、前面パネル60と回路基板とのコネクター同士の係合を抜いたときに背面パネル70に力が加わらないので、背面パネル70に電気的機械的な影響を与えない。
これは、背面パネル70側の丸形コネクター22aや角形コネクター22bに外部からコネクターコードを取付け取外す場合や、背面パネル70を取付け取外す場合も同じことが云え、前面パネル60に電気的機械的な影響は与えない。
【0125】
また、2組の回路基板は、表裏面方向にそれぞれ所要のガタを持っているので、回路基板側の雌コネクターと前面パネル60側の雄コネクターとの位置ズレが有っても回路基板が動いて、前面パネル60側の雄コネクターと回路基板側の雌コネクターの位置調整が行われてスムーズな係合が行われる。また、前面パネル60及び背面パネル70を取付けることにより前記所要のガタが無くなり、収納ケース1に対し回路基板が安定した状態で保持される。
【0126】
以上説明したように、回路基板を収納した収納ケース1に前面パネル60、背面パネル70を組付けるときに回路基板に触れることもなく、また、無理な力が回路基板にかかることもないので回路基板が損傷する危険はない。また、前面パネルや背面パネルに無理な力もかからないのでパネルが損傷する危険も、電気的接続が悪くなる危険もなくなる。
また、本実施例においては収納ケースの挿入開口部を背面パネル取付け側に設ける例を示したが、前面パネル取付け側に挿入開口部を設けることや、前面パネル取付け側及び背面パネル取付け側に組み合わせて設けることも可能であることは言うまでも無い。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の実施形態に係る収納ケースの斜視図である。
【図2】図1の収納ケースに回路基板を取付ける状態を示す斜視図である。
【図3】図1における基板取付部の拡大斜視図である。
【図4】図3における挿入部の説明図である。
【図5】図3におけるE−E断面図である。
【図6】回路基板の取付け状態を示す説明図で、図6の(a)は回路基板を挿入部に挿入した状態の説明図、図6の(b)は回路基板を収納部に収納した状態の説明図である。
【図7】図1に示す基板取付部に回路基板を収納した斜視図で、1組の回路基板のみを示した部分斜視図である。
【図8】本発明の実施例1に係る収納ケースの斜視図である。
【図9】図8における基板取付部の平面図と断面図で、図9の(a)は平面図、図9の(b)は図9の(a)におけるH−H断面図である。
【図10】本発明の実施例2に係る電子機器装置の外観斜視図である。
【図11】図10における前面パネルの裏面側から見た斜視図である。
【図12】図10における背面パネルの裏面側から見た斜視図と1組の回路基板の斜視図である。
【図13】特許文献1に記載された回路基板とケース体の要部を示す分解斜視図である。
【図14】特許文献2に記載された基板収納用ラックを構成するステー部分を示す側面図である。
【符号の説明】
【0128】
1、30 収納ケース
2 枠上部
2a、3a 内面
3 枠下部
3b、40b 基板案内面
4 枠左側部
5 枠右側部
6、46 挿入開口部
7、47 対向開口部
8、9、10、48、49 基板取付部
11、51 挿入口
12、13、15、16、17 凸部
12a、13a、15a、16a、17a、52a、53a、54a、56a、57a
壁面
18、58 突起部
20、20b、64 回路基板
22 コネクター
22a 丸形コネクター
22b 角形コネクター
25b 雌コネクター
32 上板
33 下板
34、35 側板
37a、37b、37c、37d、37e、37f、37g 角材
40 基板取付部材
60 前面パネル
63a、63b、63c、63d スイッチ
65a、65b 雄コネクター
78 フック
70 背面パネル
72a 丸穴
72b 角穴
A 挿入部
B 収納部
D 合流地点
G 傾斜面
J 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に開口部を有する四角い筒状の枠の内部に各種の電子部品が実装された回路基板を収納する回路基板の収納ケースにおいて、
前記枠の両端の開口部で前記回路基板を挿入する側の開口部を挿入開口部、該挿入開口部と反対側にある開口部を対向開口部とすると、
前記収納ケースは、前記回路基板毎に基板取付部を有し、該基板取付部は前記挿入開口部と前記対向開口部との間に前記回路基板を収納する収納部と該収納部に隣接して前記回路基板を挿入する挿入部を有し、
前記挿入開口部側では、前記挿入部は挿入口を有して前記収納部と分かれており、
前記対向開口部側では、前記挿入部は前記収納部に合流しており、
前記合流している合流地点の両側に、前記回路基板の縁両面を保持する第1のガイド手段を対向して有し、
前記収納部と前記挿入部の間に前記回路基板が収納部から外れることを防止するための外れ防止手段を有し、
前記合流地点を除く前記収納部の部位で、前記外れ防止手段のある側と反対側に当たる収納部の片側に、前記回路基板の縁片面を保持する第2のガイド手段を有し、
前記挿入開口部の一部分と前記対向開口部の一部分で前記収納部が位置する部位に、収納した前記回路基板の挿入先端と後端を保持する第3のガイド手段が対向して有することを特徴とする回路基板の収納ケース。
【請求項2】
前記挿入部の前記挿入口の近傍域に、前記回路基板の挿入を容易にするための第1の誘い込み手段を有することを特徴とする請求項1に記載の回路基板の収納ケース。
【請求項3】
前記合流地点に有する前記第1のガイド手段に、前記回路基板の挿入先端を前記収納部に誘い込むための第2の誘い込み手段を有することを特徴とする請求項1に記載の回路基板の収納ケース。
【請求項4】
前記第1のガイド手段と前記第2のガイド手段は、前記枠の対向する内面に対向してそれぞれ一対有することを特徴とする請求項1又は3に記載の回路基板の収納ケース。
【請求項5】
前記外れ防止手段は、前記挿入開口部側の近傍に配置し、且つ前記枠の対向する内面に対向して一対有することを特徴とする請求項1に記載の回路基板の収納ケース。
【請求項6】
前記第1の誘い込み手段は、前記枠の対向する内面に対向して一対有することを特徴とする請求項2に記載の回路基板の収納ケース。
【請求項7】
前記第1のガイド手段は、前記合流地点の両側に対向して設けた2つの壁面からなることを特徴とする請求項1、3、4のいずれかに記載の回路基板の収納ケース。
【請求項8】
前記第2のガイド手段は、収納部の片側に連続的又は断続的に設けた壁面からなることを特徴とする請求項1又は4に記載の回路基板の収納ケース。
【請求項9】
前記第3のガイド手段は、前記挿入開口部側と前記対向開口部側に対向して設けた2つの壁面からなることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の収納ケース。
【請求項10】
前記外れ防止手段は弾力性のある素材で前記収納ケースと同一又は別部材により形成され、先端面がR形状をなした突起部からなることを特徴とする請求項1又は5に記載の回路基板の収納ケース。
【請求項11】
前記第1の誘い込み手段は、前記挿入部の挿入口が入口に向かって広くなるように設けた傾斜面であることを特徴とする請求項2又は6に記載の回路基板の収納ケース。
【請求項12】
前記第2の誘い込み手段は、前記第1のガイド手段である前記合流地点の両側に対向して配した2つの壁面の壁面間の幅が対向開口部の方向に向かって幅が狭くなるように片側の壁面に設けた傾斜面であることを特徴とする請求項3に記載の回路基板の収納ケース。
【請求項13】
前記回路基板の収納部は前記回路基板との間で、該回路基板の表裏面方向に所要のガタを有していることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の回路基板の収納ケース。
【請求項14】
前記回路基板の収納部への収納は、前記挿入部の挿入口から前記回路基板を挿入部に挿入して前記回路基板の挿入先端を前記第1のガイド手段である2つの壁面の間に差し込むと共に前記第3のガイド手段である前記対向開口部側にある壁面に突き当て、その後に前記回路基板を前記収納部に向かって押圧して前記外れ防止手段である突起部を乗り越えて前記第2のガイド手段である壁面に突き当て、収納することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の回路基板の収納ケース。
【請求項15】
各種の電子部品が実装された回路基板を収納した収納ケースに前面パネルと背面パネルを取付けて形成する電子機器装置おいて、
前記収納ケースは請求項1乃至14のいずれかに記載の収納ケースであって、該収納ケースに前記回路基板を所要のガタを持たせた状態で収納し、前記前面パネルと背面パネルを前記収納ケースに取付けて前記回路基板と前記前面パネル並びに背面パネルを、あるいは、前記前面パネル又は背面パネルを電気的に接続することによって、前記回路基板を取付けたことを特徴とする電子機器装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−300654(P2008−300654A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−145533(P2007−145533)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000124362)シチズンセイミツ株式会社 (120)
【Fターム(参考)】