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回路基板の製造方法
説明

回路基板の製造方法

【課題】固定治具に弱粘性接着樹脂層を介して貼着した状態で電子部品が実装される板厚の薄いプリント基板を、該弱粘性接着樹脂層から容易に剥離させることができる回路基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】外周部に捨て基板領域30を有する板厚の薄いプリント基板3を、固定治具6の上面6aに弱粘性接着樹脂層7によって貼着した後、部品マウント工程やリフロー工程等を行う回路基板1の製造方法であって、予めプリント基板3の捨て基板領域30の隅部30aに銅箔ダミーランド5を形成しておき、この銅箔ダミーランド5上に塗布した半田がリフロー工程後の冷却時に相対的に大きく収縮するという性質を利用して、隅部30aを反り返らせることにより隙間9を生じさせる。そして、基板剥離工程で隙間9に剥離用治具20を挿入し、電子部品2群の実装作業が完了しているプリント基板3(回路基板1)を隅部30aを始端として固定治具6上の弱粘性接着樹脂層7から剥がしていく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅箔ランドが設けられたプリント基板上に電子部品を表面実装する回路基板の製造方法に係り、特に、薄いプリント基板を固定治具に貼着した状態で部品マウント工程やリフロー工程を行う回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板上に電子部品を表面実装して回路基板となす場合、プリント基板の板厚が例えば1mm以上で剛性の高いものであれば、このようなプリント基板を搬送ベルトに直接搭載して電子部品の自動マウントやリフロー半田付けを行うことができる。しかるに、板厚が例えば0.5mm以下の薄いプリント基板は剛性に乏しく反り等の変形が発生しやすいため、従来より、この種の薄いプリント基板を固定治具に貼着した状態で搬送ベルトに搭載して部品マウント工程やリフロー工程等を行うという技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる従来技術では、固定治具の上面に弱粘性接着樹脂層が設けられており、この弱粘性接着樹脂層の粘着力によって固定治具の上面に貼着したプリント基板に対して、半田塗布工程や部品マウント工程、リフロー工程等を行う。その際、板厚が薄く剛性に乏しいプリント基板は固定治具上で位置決めされており反り等の変形も生じにくくなっているため、このプリント基板に対して電子部品を高い位置精度で実装することができる。また、弱粘性接着樹脂層の粘着力はプリント基板の位置ずれが防止できる程度のものであり、プリント基板が固定治具に強固に接着されるわけではないので、電子部品の実装作業が完了した後にプリント基板(回路基板)と固定治具の上面との間に剥離用治具を挿入すれば、このプリント基板(回路基板)を固定治具の上面から容易に剥がすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−144430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように特許文献1に開示されている従来技術では、プリント基板を弱粘性接着樹脂層によって固定治具に貼着したまま部品マウント工程やリフロー工程等を行うため、板厚の薄いプリント基板に対して電子部品を高い位置精度で実装することができるが、板厚の薄いプリント基板の裏面全体が固定治具上の弱粘性接着樹脂層に密着した状態になっているため、電子部品の実装作業が完了した後にプリント基板(回路基板)と固定治具の上面との間に剥離用治具を挿入しにくいという問題があり、無理に治具を挿入しようとして基板自体を損傷させてしまう危険性もあった。つまり、上記した従来技術では、部品実装後のプリント基板(回路基板)を弱粘性接着樹脂層から剥がす際に細心の注意が必要で剥離作業の煩雑化を余儀なくされてしまうため、生産性が高めにくかった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、固定治具に弱粘性接着樹脂層を介して貼着した状態で電子部品が実装される板厚の薄いプリント基板を、該弱粘性接着樹脂層から容易に剥離させることができる回路基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、外周部に捨て基板領域を有するプリント基板上に電子部品を表面実装する回路基板の製造方法において、前記プリント基板にその部品実装領域に位置する銅箔ランドと前記捨て基板領域の隅部に位置する銅箔ダミーランドとを設け、固定治具の上面に弱粘性接着樹脂層を介して前記プリント基板の下面を貼着する貼着工程と、この貼着工程後に前記プリント基板の前記銅箔ランドおよび前記銅箔ダミーランドにクリーム半田を塗布する半田塗布工程と、この半田塗布工程後に前記プリント基板の前記銅箔ランドに電子部品をマウントする部品マウント工程と、この部品マウント工程後に前記プリント基板を前記固定治具と共にリフロー炉へ搬送して加熱するリフロー工程と、このリフロー工程後に前記プリント基板を冷却する冷却工程と、この冷却工程後に前記プリント基板を前記弱粘性接着樹脂層から剥離する基板剥離工程とを備え、前記基板剥離工程では前記隅部を始端として前記プリント基板を剥がすようにした。
【0008】
このようにプリント基板の捨て基板領域の隅部に形成した銅箔ダミーランドにクリーム半田が塗布してあると、リフロー工程後の冷却工程で銅箔ダミーランド上の半田が相対的に大きく収縮してプリント基板の該隅部が局部的に反り返るため、該隅部と固定治具上の弱粘性接着樹脂層との間に治具等を容易に挿入できる隙間が生じる。それゆえ、基板剥離工程において、電子部品の実装作業が完了したプリント基板(回路基板)を該隅部を始端として弱粘性接着樹脂層から容易に剥がすことができる。また、回路基板のうち製品として利用されない捨て基板領域の隅部が反り返るだけなので、回路基板の信頼性には何ら悪影響を及ぼさない。
【0009】
上記の構成において、プリント基板は基板剥離工程後に多数の小基板に分割される集合基板に限定されるわけではないが、プリント基板が集合基板である場合には、銅箔ダミーランドが無理なく形成できる比較的広い捨て基板領域が確保しやすいため好ましい。
【0010】
また、上記の構成において、プリント基板の隅部で略直角に延びる両辺に沿って銅箔ダミーランドが形成されていると、リフロー工程後の冷却工程で該隅部を確実に反り返らせることができるため好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明による回路基板の製造方法では、プリント基板の捨て基板領域の隅部に設けた銅箔ダミーランドにクリーム半田を塗布することによって、リフロー工程後の冷却工程で銅箔ダミーランド上の半田が相対的に大きく収縮してプリント基板の該隅部が局部的に反り返るようにしてあるため、該隅部と固定治具上の弱粘性接着樹脂層との間に治具等を容易に挿入できる隙間が生じ、この隙間を利用して、電子部品の実装作業が完了したプリント基板(回路基板)を弱粘性接着樹脂層から容易に剥がすことができる。また、回路基板として利用されない捨て基板領域の隅部が反り返るだけなので、回路基板の信頼性には何ら悪影響を及ぼさない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態例に係る回路基板の平面図である。
【図2】部品実装後に該回路基板となるプリント基板を固定治具に貼着した状態を示す平面図である。
【図3】図2に対応する側面図である。
【図4】該固定治具上の該プリント基板をリフロー工程後に冷却した状態を示す平面図である。
【図5】図4に対応する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態例を図1〜図5を参照しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態例に係る回路基板1は、後工程で縦横の分割溝10に沿って分割されて小型回路基板が多数個取りされるという集合回路基板であり、分割溝10によって仕切られた多数の小区画にそれぞれ電子部品2が実装されている。この回路基板1は、図2や図3に示す板厚の薄いプリント基板3上に電子部品2等を表面実装して製造されたものであり、プリント基板3の外周部は全周に亘って捨て基板領域30となっている。つまり、プリント基板3は後工程で多数の小基板に分割される集合基板であり、捨て基板領域30に包囲された回路領域に電子部品2用の銅箔ランド4と図示せぬ配線パターンやスルーホール等が形成されている。また、プリント基板3の捨て基板領域30の隅部30aには略L字形の銅箔ダミーランド5が形成されている。後述するように、この銅箔ダミーランド5は、塗布した半田がリフロー工程後の冷却時に相対的に大きく収縮するという性質を利用して隅部30aを反り返らせるために形成したものである。なお、実際には分割溝10によって仕切られた小区画にそれぞれ複数の電子部品が実装されており、分割溝10の本数も多いが、図面の煩雑化を避けるために簡略化して図示してある。
【0014】
次に、回路基板1の製造方法について説明する。電子部品2等が実装されるプリント基板3は板厚が薄くて剛性に乏しいため、本実施形態例では、プリント基板3を固定治具6上に載置して部品マウント工程やリフロー工程等を行うことにより、プリント基板3の位置ずれや反り等の変形を防止している。すなわち、図2と図3に示すように、まずプリント基板3を固定治具6の上面6aに位置決めして載置する貼着工程を行う。この貼着工程において、固定治具6の上面6aにはプリント基板3の載置領域にシート状の弱粘性接着樹脂層7が設けられており、プリント基板3は弱粘性接着樹脂層7の粘着力によって固定治具6の上面6aに貼着される。なお、本実施形態例では、弱粘性接着樹脂層7として(株)大昌電子製のマジックレジンを使用しているが、弱粘性で耐熱性を有する他の樹脂材料を使用してもよい。
【0015】
かかる貼着工程後に、固定治具6上に位置決めされているプリント基板3の銅箔ランド4群および銅箔ダミーランド5に対してクリーム半田を塗布する半田塗布工程を行う。この半田塗布工程は、プリント基板3にマスキングしてクリーム半田をスキージングすることにより行われる。
【0016】
そして、半田塗布工程後に、図示せぬ自動マウント装置によってプリント基板3の銅箔ランド4群に電子部品2群をマウントする部品マウント工程を行う。その際、プリント基板3は固定治具6上に弱粘性接着樹脂層7を介して位置決め状態で貼着されているため、電子部品2群は高い位置精度でプリント基板3にマウントすることができる。
【0017】
しかる後、このプリント基板3を固定治具6と共にリフロー炉へ搬送して加熱するリフロー工程を行ってクリーム半田を溶融させ、次いでプリント基板3を常温まで冷却する冷却工程を行って溶融半田を固化させる。これにより、図4と図5に示すように、プリント基板3上の電子部品2群が対応する銅箔ランド4群に半田付けされるため、電子部品2群の実装作業が完了する。また、プリント基板3の基板材料や銅箔に比して半田(Sn−3Ag−0.5Cu)の熱膨張係数は大きいため、かかる冷却工程において銅箔ダミーランド5上で固化する半田8が相対的に大きく収縮し、プリント基板3の隅部30aが反り返る。その結果、プリント基板3の隅部30aと固定治具6上の弱粘性接着樹脂層7との間に隙間9(図5参照)が形成されることになる。なお、本実施形態例では、基板材料がFR−4で、その熱膨張係数は約15ppm/℃であり、銅箔の熱膨張係数は約16ppm/℃である。これに対して、半田の熱膨張係数は約22ppm/℃と大きい。
【0018】
こうしてリフロー工程後に常温まで冷却したなら、電子部品2群の実装作業が完了しているプリント基板3(回路基板1)を固定治具6から剥離させる基板剥離工程を行う。この基板剥離工程では、図5の2点鎖線で示すように、まずプリント基板3の隅部30aと固定治具6上の弱粘性接着樹脂層7との間の隙間9に剥離用治具20を挿入して、この隙間9をある程度広げた後、プリント基板3をめくり上げるようにして弱粘性接着樹脂層7から剥がす。これにより、弱粘性接着樹脂層7に貼着されているプリント基板3(回路基板1)を隅部30aを始端として固定治具6から容易に剥離させることができる。
【0019】
そして、こうして製造された回路基板1に対し、分割溝10に沿って分割する分割工程や、分割面に電極を形成する端面電極形成工程等を行うことによって、電子部品2等を実装した小型回路基板が多数個取りされるようになっている。
【0020】
以上説明したように、本実施形態例では、プリント基板3の隅部30aに形成した銅箔ダミーランド5にクリーム半田が塗布してあるため、リフロー工程後の冷却工程で銅箔ダミーランド5上の半田8が相対的に大きく収縮して隅部30aが局部的に反り返り、この隅部30aと固定治具6上の弱粘性接着樹脂層7との間に隙間9が生じるようになっている。それゆえ、基板剥離工程で隙間9に剥離用治具20を容易に挿入することができて、電子部品2群の実装作業が完了しているプリント基板3(回路基板1)を隅部30aを始端として弱粘性接着樹脂層7から容易に剥がすことができる。したがって、回路基板1の製造工程を大幅に向上させることができる。また、回路基板3のうち製品としては利用されない捨て基板領域30の隅部30aが反り返るだけなので、捨て基板領域30に包囲された回路領域に反り等の変形が生じる虞はない。つまり、隅部30aが反り返っても回路基板3の信頼性には何ら悪影響を及ぼさない。
【0021】
なお、上記実施形態例では、プリント基板3の隅部30aに略L字形の銅箔ダミーランド5を形成しているが、銅箔ダミーランド5の形状は適宜選択可能である。ただし、プリント基板3の隅部30aの略直角に延びる両辺に沿って銅箔ダミーランド5が形成されていると、リフロー工程後の冷却工程で隅部30aを確実に反り返らせることができるため好ましい。
【0022】
また、上記実施形態例では、プリント基板3が基板剥離工程後に多数の小基板に分割される集合基板である場合について説明したが、プリント基板3が集合基板でなくても本発明は適用可能である。ただし、プリント基板3が集合基板であると、銅箔ダミーランド5が無理なく形成できる比較的広い捨て基板領域30が確保しやすいため好ましい。
【符号の説明】
【0023】
1 回路基板
2 電子部品
3 プリント基板
4 銅箔ランド
5 銅箔ダミーランド
6 固定治具
7 弱粘性接着樹脂層
8 半田
9 隙間
10 分割溝
20 剥離用治具
30 捨て基板領域
30a 隅部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周部に捨て基板領域を有するプリント基板上に電子部品を表面実装する回路基板の製造方法であって、
前記プリント基板にその部品実装領域に位置する銅箔ランドと前記捨て基板領域の隅部に位置する銅箔ダミーランドとを設け、
固定治具の上面に弱粘性接着樹脂層を介して前記プリント基板の下面を貼着する貼着工程と、この貼着工程後に前記プリント基板の前記銅箔ランドおよび前記銅箔ダミーランドにクリーム半田を塗布する半田塗布工程と、この半田塗布工程後に前記プリント基板の前記銅箔ランドに電子部品をマウントする部品マウント工程と、この部品マウント工程後に前記プリント基板を前記固定治具と共にリフロー炉へ搬送して加熱するリフロー工程と、このリフロー工程後に前記プリント基板を冷却する冷却工程と、この冷却工程後に前記プリント基板を前記弱粘性接着樹脂層から剥離する基板剥離工程とを備え、前記基板剥離工程では前記隅部を始端として前記プリント基板を剥がすようにしたことを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記プリント基板が前記基板剥離工程後に多数の小基板に分割される集合基板であることを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2の記載において、前記プリント基板の前記隅部で略直角に延びる両辺に沿って前記銅箔ダミーランドが形成されていることを特徴とする回路基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−183013(P2010−183013A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27524(P2009−27524)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】