説明

回路基板用電気コネクタ

【課題】接続部における良好な半田接続性、接触部における良電導性を確保しつつ、中間部における低濡れ領域による半田上がりを確実に阻止できる回路基板用電気コネクタを提供することを課題とする。
【解決手段】端子20の中間部に回路基板の面に対して直角なハウジング10の壁部へ接面して保持される被保持部22が形成されており、被保持部22は壁部11に接面する接面部21−1と、接面部に対向する背面部22−4と、接面部22−1と背面部22−4をつなぐ側面部22−2,22−3とを有し、端子20は、接触部21と接続部23を除いた、少なくとも被保持部22での長手方向の一部の周面を低濡れ領域として形成されており、接触部21,(22B)が背面部における低濡れ領域の上限よりも上方域に形成され、低濡れ領域は背面部22−4における上限が側面部22−2,22−3及び接面部22−1における上限よりも下方に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回路基板用電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板用電気コネクタは、回路基板に取り付ける際に、該コネクタの端子の接続部が回路基板の対応回路部と半田接続される。この種のコネクタとしては、特許文献1に開示されているコネクタが知られている。
【0003】
特許文献1のコネクタは、相手コネクタを受け入れるために回路基板の面に対し直角に延びる周壁を有するハウジングを有し、該周壁の対向側壁に端子が一体モールド成形により保持されている。該端子は側壁の内面に沿って位置する接触部と、該接触部の下端で屈曲され、ハウジング外へ延出する接続部とを有し、上記接触部で相手コネクタの端子と接触し、接続部で回路基板の対応回路部と半田接続される。
【0004】
この特許文献1においては、端子は、その長手方向において、接続部とハウジング側壁との間の部分の周面と、ハウジングの側壁で一体成形により保持されている部分の下面とに、第1そして第2の低濡れ領域部をそれぞれ形成している。したがって、特許文献1によると、端子の接続部が回路基板へ半田接続されたとき、半田上がりは上記第1そして第2の低濡れ領域部で抑制される、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−226681
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のコネクタでは、端子はハウジングとの一体モールド成形により保持されており、したがって、端子の周面を保持しているハウジングの側壁は該端子の周面と密着しており、この密着が崩れるような部分的剥離という不測の事態が生じない限り、もともと、半田上がりの虞れはない。したがって、特許文献1の上記第1そして第2の低濡れ領域部は、かかる部分的な剥離という不測の事態に備えた対策とも言える。
【0007】
しかし、端子がハウジングとの一体モールド成形によらず、成形後のハウジングの壁部へ取り付ける形式のコネクタにあっては、端子とハウジングの壁部との間には微小な隙間が形成されるので、半田上がり防止策は十分に行っておかなければならない。一般的に、半田上がり防止策としては、特許文献1のように、端子の接続部と接触部との間の部分の周面に、ニッケルめっき等の低濡れ領域を形成することが行われる。本来、端子は良導電性が要求されるので、端子は基材の面に基層としてニッケルめっき層をそしてその上に上層として高漏れ材質である良導電性の金めっき層が施され、低濡れ領域とされるべき部分でレーザ等により金めっき層が除去または溶解され、その結果、ニッケル層が露呈して低濡れ領域を形成するようにしている。
【0008】
接続部は回路基板の回路部との間で半田が良好になされる必要があり、一方、接触部は良電導性の金めっき層領域を少しでも広く確保しておく必要がある。すなわち、接続部と接触部は高漏れ領域として広く形成されることが要求されるのに対し、接続部と接触部の間に位置する低濡れ領域は、半田上がりを確実に阻止するために、少しでも広い領域に形成されていることが要求される。このように、接続部そして接触部における高濡れ領域と、中間における低濡れ領域との両者は相反する条件を要求する。このような状況で、低背化の要求もあり相反する両者を満足させることは困難である。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、両者の要求を満足して、接続部における良好な半田接続性、接触部における良電導性を確保しつつ、中間における低濡れ領域による半田上がりを確実に阻止できる回路基板用電気コネクタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る回路基板用電気コネクタは、回路基板へ取り付けられるコネクタであって、端子の一方の自由端側に相手コネクタの端子との接触部をそして他方の自由端側に回路基板の回路部に半田接続される接続部を有し、該端子の中間部に回路基板の面に対して直角なハウジングの壁部へ接面して保持される被保持部が形成されていると共に、該被保持部の下端位置で屈曲されて回路基板の面に沿って延びる接続部とが形成されており、被保持部は上記壁部に接面する接面部と、該接面部に対向する背面部と、接面部と背面部をつなぐ側面部とを有し、上記端子は、上記接触部と接続部を除いた、少なくとも被保持部での長手方向の一部の周面を低濡れ領域として形成されており、上記接触部が背面部における低濡れ領域の上限よりも上方域に形成されている。
【0011】
このような回路基板用電気コネクタにおいて、本発明では、上記低濡れ領域は背面部における上限が側面部及び接面部における上限よりも下方に位置していることを特徴としている。
【0012】
かかる構成の本発明のコネクタにあっては、端子は接触部と接続部の間に位置する被保持部が端子の長手方向で少なくとも一部について周囲に低濡れ領域が形成されている。該周面は、ハウジングの壁部に接面している接面部、外部に露呈しているがこの接面部につながる側面部そして外部に露呈していて接面部の反対側に位置して該接面部からもっとも離れている背面部で一周をなしているが、接面部、側面部、そして背面部の順に、半田上がりが生じにくくなっている。したがって、背面部では低濡れ領域の上限が接面部や側面部における上限よりも下方、すわなち、半田接続がなされる回路基板の面に近づいて設定され上記長手方向での低濡れ領域の範囲が小さくなっていても半田上がりの問題がなく、しかも、上記背面部での低濡れ領域の上限を下げて位置させることで、その上方に位置する接触部の領域を広くすることができる。結果として、背面部における半田上がり阻止効果を阻害することなく、接触部での相手コネクタの端子との接触確実性を高めることができる。したがって、コネクタの低背化が可能で、特に低背化が求められるコネクタにおいては、より効果的である。
【0013】
本発明において、端子の低濡れ領域は、被保持部から接続部へ移行する屈曲部に下限を有していることができる。低濡れ領域の下限を上記屈曲部にまで下げて設定することにより、低濡れ領域の範囲を広く確保し、半田上がりをより確実に防止できる。低濡れ領域の下限を上記屈曲部にまで下げても、該屈曲部よりも下方にある接続部にまで低濡れ領域が及ぶわけでもないので、接続部における半田接続性には何ら影響を与えることはない。
【0014】
本発明において、端子は端子基材の全面に基層としての低濡れ材質層の上に上層として高濡れ材質層を施した後に、低濡れ領域に相当する領域で上層の高濡れ材質層を除去または溶解することにより基層の低濡れ材質層が露呈して、その結果、この露呈した低濡れ材質層が低濡れ領域を形成することができる。
【0015】
本発明において、高濡れ領域が金めっきにより、低濡れ領域がニッケルめっきによりそれぞれ表面を形成しているようにすることができる。
【0016】
本発明において、低濡れ領域はレーザ光の照射での高濡れ材質層の除去または溶解により形成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、半田上がり阻止のための低濡れ領域が形成されている端子について、接触部が形成されている背面部における低濡れ領域の上限を側面部そして接面部の上限よりも低くすることとしたので、上記背面部における低濡れ領域の上限よりも上方の上記接触部を大きく確保できるので、相手コネクタの端子との接触を確実なものとすることができる。しかも、背面部は、もともと、半田上がりの生ずる程度が低い面であり、低濡れ領域の上限を接面部や側面部の上限より下げても、半田上がり阻止機能が低下することはない。一方、半田上がりが生ずる可能性が背面部よりも高い接面部と側面部は低濡れ領域の上限が背面部の上限よりも高く位置していて該低濡れ領域は広く確保されているので、半田上がり阻止機能は良好に保ったままとなる。したがって、端子はハウジングへ取り付けられてハウジングとの間に若干隙間が形成されているコネクタはもとより、端子がハウジングと一体モールド成形されていても、成形後の剥離等により隙間が生ずる可能性のあるコネクタにおいても、半田上がりが阻止される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態のコネクタの外観を示す斜視図である。
【図2】図1のコネクタについての、対向する一対の端子の位置での縦断面図である。
【図3】(A)は図1そして図2のコネクタの一対の端子のみを示す図であり(B)は一つの端子の被保持部での断面と、レーザ光照射方向を示す図である。
【図4】図2のコネクタと相手コネクタとを嵌合状態で示す断面図である。
【図5】端子についての変形例を示す斜視図である。
【図6】端子についての他の変形例を示す斜視図である。
【図7】端子についてのさらに他の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
図1に示される本実施形態のコネクタ1は、平面形状を長い矩形とするハウジング10の長手方向に延びる一対の側壁(壁部)11に配列取付けされた端子20を有している。また、上記ハウジング10は長手方向両端に、コネクタ1を回路基板(図示せず)に半田固定するための固定金具30も取り付けられている。
【0021】
ハウジング10は、電気絶縁材料で作られており、対向して位置し上記長手方向に延びる一対の側壁11と、上記長手方向の両端で該一対の側壁11を連結する端壁12と、上記側壁11及び端壁12の下端側に位置する底壁13とで、相手コネクタ(図示せず)を受け入れる受入凹部14を形成している。
【0022】
上記ハウジング10の一対の側壁11のそれぞれには、図2に見られるように、その内面、上面、外面に連続して逆U字状をなす端子保持溝15が左右対称に形成されている。該端子保持溝15で保持される端子20は、金属平帯体をその厚み方向に屈曲成形されて作られており、上記ハウジング10の側壁11の内面側に位置する接触部21と、外面側に位置する被保持部22と、該被保持部22の下端位置から外方へ延出する接続部23とを有している。上記接触部21と被保持部22は、側壁11の上面側に位置する連結部24により連結され、これらにより逆U字状をなし、上記端子保持溝15内で保持されている。本実施形態においては、端子20の上記接触部21、連結部24そして被保持部22で形成される逆U字状部分がハウジング10の側壁11の上方から上記端子保持溝15へ組み込まれ、上記被保持部22の幅方向両側端面22Aが端子保持溝15の対応溝内面により圧入保持されている。
【0023】
上記端子20の接触部21は、上記側壁11の内面側に位置しており、該接触部21の側壁側と反対の面が相手コネクタの端子の接触部と接触する接触面21Aを形成している。側壁11の外面側に位置する被保持部22は、その外面にロック凹部22Bが形成されている。このロック凹部22Bは、相手コネクタの端子のロック部を受け入れて、抜け防止のロックを図るものであるが、相手コネクタの端子と接触するので、上記接触部21に加えて、副接触部としても機能する。上記接続部23の下面は、ハウジング10の底壁13の底面と同じレベルで延出しており、コネクタ1が回路基板上に配されたときに、該回路基板の対応回路部と接面するようになっている。このような端子20について、図3にともづき、再度詳述する。
【0024】
図3(A)は、ハウジング10の対向する一対の側壁11で保持されている一対の端子20を抜き出して図示するものである。両端子20は同一形状であるが、図3(A)に見られるように、左右対称形態をなすように配置されている。
【0025】
図3(A)に見られるごとく、端子20は金属平帯体をその板厚方向に屈曲すると共に部分的にプレス加工して作られている。上述した接触部21と被保持部22そして両者を連結している連結部24が逆U字状形状を形成し、上記被保持部22の下端側の屈曲部25を経た後に水平方向に接続部23が延出している。本実施形態では、接触部21、連結部24そして接続部23は同じ幅を有しているが、被保持部22は幅がこれらよりも幅広に形成され、また、側端面が丸味をもって形成されている。該被保持部22の外面には、略四角形の周縁をもロック凹部22Bがプレス加工により形成されている。
【0026】
上記端子20は、図3(A)で、被保持部22の細点を施して示される領域を低濡れ領域とし、白地で示される接触部21、連結部24、接続部23の領域を高漏れ領域としている。上記低濡れ領域は、表面がNi,Pdなどの半田材料に対して漏れ特性の良くない低濡れ材料によって形成され、高漏れ領域はAu,Ag,Suなどの半田材料に対して漏れ特性の良い高漏れ材料によって形成される。具体的には、例えば、端子20の全面に基層として低濡れ材料でめっきを施し、しかる後、上層として高漏れ材料によるめっきを施し、しかる後に、上記低濡れ領域に相当する領域にレーザ照射等により、該領域で上層の高漏れ材料を除去あるいは溶解させて、低濡れ領域を得る。
【0027】
図3(A)では、被保持部22と屈曲部25に低濡れ領域が形成されている。上記被保持部22は、その周面が、図3(B)に見られるように、ハウジング10の側壁11に接面する接面部22−1、外部に露呈して該接面部22−1と対向面をなす背面部22−4、そして接面部22−1と背面部22−4を結ぶ側面部22−2,22−3を有している。
【0028】
上記低濡れ領域は、被保持部22と屈曲部25に形成されていて、接面部22−1側と側面部22−2,22−3側に対しては、上限が上記被保持部22の上端近傍そして下限が屈曲部25の下端とする高さの範囲Hにわたって、背面部22−4側に対しては、上限が被保持部22の下端近傍そして下限が屈曲部25の下端とする高さ範囲Lにわたっている。すなわち、低濡れ領域は、その上限が背面部22−4側で、接面部22−1そして側面部22−2,22−3側よりも低くなっている。その結果、相手コネクタに対する副接触部ともなるロック凹部22Bが高漏れ領域となっており、背面部における低濡れ領域の上限よりも上方域にロック凹部22Bが形成されている。
【0029】
このような端子20における低濡れ領域は、レーザ光の照射により得ることができる。被保持部22での横断面形状を示す図3(B)において、丸味をもっている四つの角部A,B,C,Dの方に向けレーザ光を照射する。ここでA−B間の面は背面部22−4、B−C間そしてD−A間の面は側面部22−2,22−3、そしてC−D間の面は接面部22−1である。角部A,Bに向けては高さ範囲Lをもって、角部C,Dに向けては高さ範囲Hをもって、それぞれ端子の面にレーザ光を照射する。その結果、レーザ光が照射された面で、上層の高漏れ材料が除去或いは溶解されて、基層の低濡れ材料が露呈することとなり、図3(A)のような範囲をもつ低濡れ領域を得る。レーザ光照射の際、例えば、接面部22−1へのレーザ光を接触部21の下端部分が遮断する虞れがあるので、接面部22−1への照射、すなわち図3(B)にて高さ範囲Hで示される照射は水平方向でなく、若干下方から上方に向く傾きをもってなされるのが良い。
【0030】
上記コネクタ1の端子20は、回路基板(図示せず)の対応回路部と半田接続される。半田は接続部23の底面に対してなされるが、半田の漏れ特性により、該接続部23の側面や上面にも上がり、又、屈曲部25にも及ぼうとする。しかし、屈曲部25そして被保持部22には、低濡れ領域が形成されているので、半田はそれ以上、上昇せず、副接続部としても機能するロック凹部22Bまでは達しない。ましてや、接触部21には及ばない。
【0031】
このようにして得られた端子20は、図1そして図2のようにハウジング10に組み込まれてコネクタ1をなし、図4のごとく、相手コネクタ2の端子と接続される。図4において、相手コネクタ2は、ハウジング30に端子40が取り付けられている。
【0032】
相手コネクタ2のハウジング30は、コネクタ1を受け入れる受入凹部31が形成されており、図4において、紙面に対して直角な方向で、コネクタ1の端子20の配列位置に対応する位置に端子収容溝32が形成されている。上記受入凹部31は、中央壁33に対して両側に、該中央壁33と側壁34との間に形成されており、上記端子収容溝32はこの受入凹部31の対向両内面そして上底面、さらには上記側壁34の対向両外面そして下底面にわたり連通して形成されている。端子40はこの端子収容溝32に収められるべく、金属板の平坦面を維持して形状づけられており、逆U字状部41とU字状部42とを結んで得られる横S字状をなしている。逆U字状部41が受入凹部31内に、そしてU字状部42が受入凹部31外に位置している。
【0033】
上記端子40の逆U字状部41は、自由端側の下端に接触部41Aと当接部41Bが隣接して突起状に形成されている。接触部41Aは上記コネクタ1の端子20の接触部21に対して弾性接触し、当接部41Bは該接触部21から若干離れて位置していて、コネクタ2の挿抜時に該コネクタ2が傾いた場合に、上記コネクタ1の端子20の接触部21と当接して端子40がハウジング30から抜けることを防止するようになっている。上記逆U字状部41は、U字状部42との境界近くに、上記接触部41Aと対向してロック突部41Cが設けられている。このロック突部41Cはコネクタ1の端子20のロック凹部22Bと係合してコネクタの抜け防止を図るが、端子同士の接触には変りはないので副接触部としても機能する。
【0034】
上記端子40のU字状部42は、受入凹部31外での自由端に接続部42Aを有し、回路基板への半田接続がなされるようになっている。
【0035】
かくして、コネクタ2は上方からコネクタ1へ嵌合し、コネクタ2の端子40の接触部41Aがコネクタ1の端子20の接触部21と接触し、上記端子40のロック突部41Cが上記端子20のロック凹部22Bと係合かつ接触する。既述したように、コネクタ1の端子20の接続部23での回路基板との半田接続時に、上記ロック凹部22Bには半田上がりしていないので、このロック凹部22Bは副接触部としても相手コネクタの端子と良好な接触をなす。
【0036】
本発明では、端子20の低濡れ領域の下限は、図3に示された例に限定されない。例えば、接続部23の底面そして側面での高漏れ領域、すなわち半田面積を広く確保するために、図5のごとく、図3の場合にくらべて、低濡れ領域の下限を屈曲部25の側面そして底面で、屈曲部25の上端位置近くにまで上げて設定することができる。こうすることにより、接続部23の半田接続に効果的な接続部23の底面そして側面の高漏れ領域の面積を大きくすることができる。
【0037】
屈曲部25はその底面と回路基板との間に楔状空間を形成する。一般に端子を回路基板に半田接続する際に、この楔状空間に半田を埋めて、いわゆるフィレットを形成して半田接続を強固にする手法が採られることがある。本実施形態で、このフィレットを形成したいときには、図6のように、低濡れ領域の下限を屈曲部25の上端近くまで引き上げて、接続部23のみならず、上記屈曲部25でも底面側を高漏れ領域として、ここでフィレットを形成するとともに、側面そして上面を含む周面も半田接続に寄与させることができる。この場合、上面の半田接続の寄与を求めないときには、図5のように底面側と側面でのフィレット形成にとどめることとしてもよいし、屈曲部25の側面及び上面の半田接続の寄与を求めないときには、図7のように底面側でのフィレット形成にとどめることとしてもよい。
【0038】
本発明は、図示したような端子がハウジングへ取り付けられたコネクタ以外にも、端子がハウジングと一体モールド成形により保持されるコネクタについても適用可能である。一体モールド成形によるコネクタの場合には、本来、端子の接触部への半田上がりの問題はない筈であるが、端子の被保持部とハウジングとが剥離して隙間を形成するような事態となったとき、本発明は有効に作用する。
【符号の説明】
【0039】
1 コネクタ 22−1 接面部
10 ハウジング 22−2 側面部
20 端子 22−3 側面部
21 接触部 22−4 背面部
22 被保持部 23 接続部
11 壁部(側壁) 25 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板へ取り付けられるコネクタであって、端子の一方の自由端側に相手コネクタの端子との接触部をそして他方の自由端側に回路基板の回路部に半田接続される接続部を有し、該端子の中間部に回路基板の面に対して直角なハウジングの壁部へ接面して保持される被保持部が形成されていると共に、該被保持部の下端位置で屈曲されて回路基板の面に沿って延びる接続部とが形成されており、被保持部は上記壁部に接面する接面部と、該接面部に対向する背面部と、接面部と背面部をつなぐ側面部とを有し、上記端子は、上記接触部と接続部を除いた、少なくとも被保持部での長手方向の一部の周面を低濡れ領域として形成されており、上記接触部が背面部における低濡れ領域の上限よりも上方域に形成されている回路基板用電気コネクタにおいて、上記低濡れ領域は背面部における上限が側面部及び接面部における上限よりも下方に位置していることを特徴とする回路基板用電気コネクタ。
【請求項2】
端子の低濡れ領域は、被保持部から接続部へ移行する屈曲部に下限を有していることとする請求項1に記載の回路基板用電気コネクタ。
【請求項3】
端子は端子基材の全面に基層としての低濡れ材質層の上に上層として高濡れ材質層を施した後に、低濡れ領域に相当する領域で高濡れ材質層を除去または溶解することにより低濡れ材質層が露呈して、この露呈した低濡れ材質層が低濡れ領域を形成していることとする請求項1又は請求項2に記載の回路基板用電気コネクタ。
【請求項4】
高濡れ領域が金めっきにより、低濡れ領域がニッケルめっきによりそれぞれ表面を形成していることとする請求項1ないし請求項3に記載の回路基板用電気コネクタ。
【請求項5】
低濡れ領域はレーザ光の照射での高濡れ材質層の除去または溶解により形成されていることとする請求項3に記載の回路基板用電気コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−65945(P2011−65945A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217398(P2009−217398)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(390005049)ヒロセ電機株式会社 (383)
【出願人】(504453328)株式会社高松メッキ (16)
【Fターム(参考)】