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回路接続材料、及び回路部材の接続構造
説明

回路接続材料、及び回路部材の接続構造

【課題】回路電極の表面が平坦であっても、対向する回路電極同士間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる回路接続材料及び回路部材の接続構造を提供すること。
【解決手段】第1の回路電極32を有する第1の回路部材30と、第1の回路部材30に対向し、第2の回路電極42を有する第2の回路部材40との間に介在して、第1の回路電極32と第2の回路電極42とを電気的に導通させる回路接続材料において、接着剤組成物と、直径が0.5μm以上4μm未満である導電粒子12と、を含有し、導電粒子12の最外層22は、ビッカス硬度が300Hv以上であるNi又はNi合金からなり、最外層22の一部が外側に突出して突起部14を形成しており、導電粒子12の直径と硬度とが特定の関係にある回路接続材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路接続材料、及び回路部材の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイとテープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package:TCP)との接続、フレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit:FPC)とTCPとの接続、又はFPCとプリント配線板との接続といった回路部材同士の接続には、接着剤中に導電粒子を分散させた回路接続材料(例えば、異方導電性接着剤)が使用されている。また、最近では半導体シリコンチップを基板に実装する場合、回路部材同士の接続のためにワイヤボンドを使用することなく、半導体シリコンチップをフェイスダウンして基板に直接実装する、いわゆるフリップチップ実装が行われている。このフリップチップ実装においても、回路部材同士の接続には異方導電性接着剤等の回路接続材料が使用されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59−120436号公報
【特許文献2】特開昭60−191228号公報
【特許文献3】特開平1−251787号公報
【特許文献4】特開平7−90237号公報
【特許文献5】特開2001−189171号公報
【特許文献6】特開2005−166438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、電子機器の小型化、薄型化に伴い、回路部材に形成された回路の高密度化が進展し、隣接する電極同士の間隔や電極の幅が非常に狭くなる傾向がある。回路電極は、回路の元となる金属を基板全面に形成し、回路電極部にレジストを塗布、硬化し、それ以外の部分を酸又は塩基でエッチングすることによって形成されるが、上述した高密度化された回路の場合には、基板全面に形成した金属の凹凸が大きいと凹部と凸部でエッチング時間が異なるために、精密なエッチングを行えず、隣接回路間のショートや断線が発生するという問題があった。 このため、高密度回路の金属(回路電極表面)では凹凸が小さいこと、すなわち電極表面が平坦であることが望まれていた。
【0005】
しかし、表面が平坦な回路電極同士を、相対向させ、その間に従来の回路接続材料を介在させて接続した場合には、回路接続材料中に含まれる導電粒子と平坦な回路電極表面との間に接着剤樹脂が残って導電粒子と回路電極とが十分に接触せず、回路電極間において十分な電気的接続及び電気特性の長期信頼性を確保できないという問題があった。
【0006】
そこで、回路電極間の電気的接続及び電気特性の長期信頼性を確保するために、導電粒子の表面に複数の突起部を設け、回路接続時に導電粒子と回路電極との間の接着剤組成物を突起部で貫通させることによって、導電粒子を回路電極に接触させる方法が考案されている(上記特許文献6参照)。しかし、この方法を用いても回路電極の仕様(材質等)によっては、回路電極間の電気的接続及び電気特性の長期信頼性を確保する効果が小さい場合があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、回路電極の表面が平坦であっても、対向する回路電極同士間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる回路接続材料及び回路部材の接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、従来の回路接続材料では回路電極間の電気的接続及び電気特性の長期信頼性を十分に確保できない原因が、導電粒子の最外層の材質にあることを見出した。すなわち、従来の回路接続材料に含まれる導電粒子の最外層は、比較的軟らかい金属であるAuからなるため、導電粒子と回路電極との間の接着剤組成物を、導電粒子表面に形成されたAuの突起部で貫通しても、Auの突起部が変形して、回路電極へくい込み難いことを本発明者は見出した。さらに、本発明者は、導電粒子の最外層の材質をAuよりも硬い金属に変更し、さらに導電粒子の粒径に応じて導電粒子の硬度を最適化することによって、回路電極間の電気的接続及び電気特性の長期信頼性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の回路接続材料は、第1の回路電極を有する第1の回路部材と、第1の回路部材に対向し、第2の回路電極を有する第2の回路部材との間に介在して、第1の回路電極と第2の回路電極とを電気的に導通させる回路接続材料において、接着剤組成物と、直径が0.5〜7μmである導電粒子と、を含有し、導電粒子の最外層は、ビッカス硬度が300Hv以上である金属からなり、最外層の一部が外側に突出して突起部が形成されており、導電粒子の直径が5μm以上7μm以下の時、導電粒子の硬度が200〜1200kgf/mmであり、導電粒子の直径が4μm以上5μm未満の時、導電粒子の硬度が300〜1300kgf/mmであり、導電粒子の直径が3μm以上4μm未満の時、導電粒子の硬度が400〜1400kgf/mmであり、導電粒子の直径が2μm以上3μm未満の時、導電粒子の硬度が450〜1700kgf/mmであり、導電粒子の直径が0.5μm以上2μm未満の時、導電粒子の硬度が500〜2000kgf/mmであることを特徴とする。
【0010】
なお、本発明における導電粒子の硬度の範囲は上記単位で定義されるが、現在主流になっているSI単位に換算すれば、200〜1200kgf/mmは1.961〜11.768GPaという値となり、300〜1300kgf/mmは2.942〜12.749GPaという値となり、400〜1400kgf/mmは3.923〜13.729GPaという値となり、450〜1700kgf/mmは4.413〜16.671GPaという値となり、500〜2000kgf/mmは4.903〜19.613GPaという値となる。
【0011】
本発明では、導電粒子の直径に対応して導電粒子の硬度を最適化し、且つ、ビッカス硬度が300Hv以上である金属からなる最外層の一部を外側に突出させて突起部を形成させるため、第1及び第2の回路部材の圧着時に、突起部が第1及び第2の回路電極に深く食い込み、また導電粒子が適度に扁平する。その結果、回路と個々の導電粒子との接触面積が大きくなり、導電粒子と第1及び第2の回路電極とが確実に接触した状態で回路部材同士が接着されるため、両電極間の接続抵抗が小さい状態が長期間にわたって保持される。
すなわち、対向する回路電極同士間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる。なお、導電粒子が「扁平する」とは、導電粒子が、回路電極表面に対して略垂直な方向につぶれ、略平行な方向に歪むことを意味する。
【0012】
上記本発明の回路接続材料では、突起部の高さが50〜500nmであり、最外層の一部が外側に突出して複数の突起部が形成されており、隣接する突起部間の距離が1000nm以下であることが好ましい。
【0013】
突起部の高さが50nm未満の場合、回路接続材料を用いた第1の回路部材と第2の回路部材との接続構造体を高温高湿処理した後に、接続抵抗値が高くなる傾向があり、500nmより大きい場合には、導電粒子と第1及び第2の回路電極との接触面積が小さくなるため接続抵抗値が高くなる傾向がある。
【0014】
上記本発明の回路接続材料では、最外層がNiからなることが好ましい。
【0015】
最外層を、ビッカス硬度が300Hv以上の金属であるNiで構成することによって、本発明の効果を得やすくなる。
【0016】
上記本発明の回路接続材料はフィルム状であることが好ましい。
【0017】
本発明の回路部材の接続構造(接続構造体)は、上記本発明の回路接続材料を、第1の回路部材と第2の回路部材との間に介在させて、第1の回路電極と第2の回路電極とを電気的に導通させることを特徴とする。
【0018】
本発明の回路接続材料を用いた回路部材の接続構造においては、第1及び第2電極間の接続抵抗が小さい状態が長期間にわたって保持される。すなわち、対向する回路電極同士間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる。
【0019】
上記本発明の回路部材の接続構造では、第1又は第2の回路電極が、インジウム−錫酸化物又はインジウム−亜鉛酸化物であることが好ましい。
【0020】
本発明では、回路電極がインジウム−錫酸化物又はインジウム−亜鉛酸化物からなる場合、回路電極間の電気的接続及び電気特性の長期信頼性を向上させる効果が顕著となる。
【0021】
上記本発明の回路部材の接続構造では、第1又は第2の回路電極の厚みが50nm以上であることが好ましい。
【0022】
第1又は第2の回路電極の厚さが50nm未満の場合、回路部材同士の圧着時に、回路接続材料中に含まれる導電粒子表面の突起部が、第1又は第2の回路電極を貫通し回路部材と接触してしまう恐れがあり、第1又は第2の回路電極と導電粒子との接触面積が減少し接続抵抗が上昇する傾向にある。
【発明の効果】
【0023】
本発明の回路接続材料及び回路部材の接続構造によれば、回路電極の表面が平坦であっても、対向する回路電極同士間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る回路部材の接続構造の好適な一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】図2(a)、図2(b)は、それぞれ本発明に係る回路接続材料の好適な一実施形態における導電粒子の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
【0026】
[回路接続材料]
本発明の回路接続材料は、接着剤組成物と導電性粒子を含有するが、その形態としては、ペースト状、フィルム状等の形態が挙げられる。以下では、本発明の回路接続材料の一実施形態であるフィルム状回路接続材料について詳細に説明する。フィルム状回路接続材料は、回路接続材料をフィルム状に成形してなるものであり、例えば、回路接続材料を、塗工装置を用いて支持体(PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等)上に塗布し、所定時間熱風乾燥することにより作製することができる。
【0027】
フィルム状回路接続材料は、導電粒子12と、接着剤組成物とを含有するものであり、接着剤組成物は接着性を有し、硬化処理により硬化する(図1、2参照)。その結果、フィルム状回路接続材料は、第1及び第2の回路部材30、40の間に介在して、第1の回路部材30が有する第1の回路電極32と、第2の回路部材40が有する第2の回路電極42とを電気的に導通させる。
【0028】
フィルム状回路接続材料は、フィルム状であり、取扱いが容易であるため、第1の回路部材30と第2の回路部材40とを接続する際に、それらの間に容易に介在させることができ、第1の回路部材30と第2の回路部材40との接続作業を容易に行うことができる。
【0029】
(導電粒子)
フィルム状回路接続材料が含有する導電粒子12は、図2(a)に示すように、一般に有機高分子化合物からなる核体21と、核体21の表面上に形成される最外層(金属層22)とで構成されることが、導電粒子に突起部を形成する上で好ましい。核体21は、中核部21aと、中核部21aの表面上に形成される核側突起部21bとで構成される。核体21は、中核部21aの表面に中核部21aよりも小さな径を有する核側突起部21bを複数個吸着させることにより形成することができる。金属層22の一部は、外側に突出して複数の突起部14を形成している。金属層22は、導電性を有し、ビッカス硬度が300Hv以上である金属で構成されている。なお、本発明において、導電粒子の直径は0.5μm以上7μm以下である。直径が0.5μm未満であると、望ましい導通が得られない傾向があり、7μmを超えると液晶パネル用途等の電極間距離が短い箇所における接続時に短絡が生ずる傾向がある。なお、導電粒子の直径とは、突起部14を含めた導電粒子12全体の粒径であり、その測定は、電子顕微鏡観察により行うことができる。
【0030】
導電粒子の直径が5μm以上7μm以下の時、導電粒子の硬度は200〜1200kgf/mm(1.961〜11.768GPa)である。導電粒子の直径が4μm以上5μm未満の時、導電粒子の硬度は300〜1300kgf/mm(2.942〜12.749GPa)である。導電粒子の直径が3μm以上4μm未満の時、導電粒子の硬度は400〜1400kgf/mm(3.923〜13.729GPa)である。導電粒子の直径が2μm以上3μm未満の時、導電粒子の硬度は450〜1700kgf/mm(4.413〜16.671GPa)である。導電粒子の直径が0.5μm以上2μm未満の時、導電粒子の硬度は500〜2000kgf/mm(4.903〜19.613GPa)である。
【0031】
本実施形態では、導電粒子12の直径に対応して導電粒子12の硬度を上記のように最適化し、且つ、ビッカス硬度が300Hv以上である金属からなる最外層の一部を外側に突出させて突起部を形成させることによってはじめて、対向する回路電極32、42同士間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極32、42間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる。以下に、導電粒子12の直径、硬度、及び突起部と、回路電極32、42同士間の電気的接続及び電気特性の長期信頼性との関係について説明する。
【0032】
対向する回路電極32、42間を回路接続材料で電気的に接続する際、その接続抵抗は回路電極32、42間に存在する導電粒子12の数と、回路電極と個々の導電粒子12との接触面積とに依存し、この接触面積は導電粒子12の扁平率によって変化する。すなわち、回路電極32、42間に存在する導電粒子12の数が多いほど接続抵抗は低くなり、導電粒子12の扁平率が大きくなるほど回路電極32、42と導電粒子12との接触面積が広くなり、接続抵抗が低くなる。
【0033】
回路電極32、42間に存在する導電粒子12の数は、回路接続材料の単位体積に含まれる導電粒子12の個数が多いほど多くなる。回路接続材料の単位体積に含まれる導電粒子12の個数は、導電粒子12の直径が小さくなるほど多くなる。また、回路電極32、42と接して、回路電極32、42間の電気的接続に寄与する導電粒子12の数は、回路電極32、42の面積が限られているため、回路電極32、42と個々の導電粒子12との接触面積が狭いほど多くなる。回路電極32、42と導電粒子12との接触面積は、導電粒子13の扁平率が小さいほど、狭くなる。導電粒子12の扁平率は、導電粒子12の硬度に依存し、導電粒子12の硬度が大きいほど小さくなる。
【0034】
このように、導電粒子12の直径が小さい場合は、導電粒子12の硬度が大きいほど、回路部材30、40間の接続抵抗が小さくなる傾向がある。
【0035】
一方、導電粒子12の直径が大きい場合は、回路電極32、42間に存在する導電粒子12の数は少なくなるため、回路部材30、40間の接続抵抗を小さくするためには、回路電極32、42と個々の導電粒子12との接触面積を広くする必要がある。回路電極32、42と個々の導電粒子12との接触面積は、導電粒子12の扁平率が大きいほど広くなる。導電粒子12の扁平率は、導電粒子の硬度が小さいほど大きくなる。
【0036】
このように、導電粒子12の粒子径が大きい場合は、導電粒子12の硬度が小さいほど、回路部材30、40間の接続抵抗が小さくなる傾向がある。
【0037】
以上のように、回路部材30、40間の良好な接続抵抗が得られる導電粒子の硬度は、導電粒子12の直径に応じて異なる。したがって、本実施形態では、導電粒子12の直径と硬度とが上記の関係を満たす導電粒子12を用いることで、高温高湿試験等の信頼性試験後においても良好な接続抵抗が得られる。導電粒子12の硬度が、各導電粒子の直径に対応する硬度の下限値を下回った場合、導電粒子12の復元力が弱く、高温高湿試験等の信頼性試験後に接続抵抗が上昇する傾向がある。また、導電粒子12の硬度が、各導電粒子の直径に対応する硬度の上限値を上回った場合、導電粒子12が十分に扁平な形状にならないため、導電粒子12と回路電極32、42との接触面積の減少等により高温高湿試験等の信頼性試験後に接続抵抗が上昇してしまう傾向がある。
【0038】
また、ビッカス硬度が300Hv以上である金属から構成した金属層22は、従来のようなAuからなる最外層よりも硬いため、金属層22から突出した突起部14は、従来よりも回路電極32、42に食い込み易くなるため、導電粒子12と回路電極32、42との接触面積は増加する。そして、回路接続材料が硬化処理されることによって、導電粒子12と回路電極32、42とが接触し、導電粒子12と回路電極32、42との接触面積が十分に確保された状態が長期間にわたって保持される。
【0039】
核体21の中核部21aを構成する有機高分子化合物としては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリブタジエン樹脂又はこれらの共重合体が挙げられ、これらを架橋したものを使用してもよい。なお、核体21の中核部21aの平均粒径は0.5以上7μm以下であることが好ましい。核体21の核側突起部21bを構成する有機高分子化合物としては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリブタジエン樹脂又はこれらの共重合体が挙げられ、これらを架橋したものを使用してもよい。核側突起部21bを構成する有機高分子化合物は、中核部21aを構成する有機高分子化合物と同一であっても異なっていてもよい。なお、核側突起部21bの平均粒径は50〜500nmであることが好ましい。
【0040】
導電粒子12の硬度は導電粒子12の核体21の硬度にほぼ支配される。導電粒子12の硬度は核体21を構成する分子の構造とその架橋点間距離、及び架橋度に依存する。ベンゾグアナミン等は分子中に剛直な構造を有し、その架橋点間距離も短いため、核体21を構成する全分子に占めるベンゾグアナミン等の割合が高くなるほど、硬い導電粒子12が得られ、また、導電粒子12の核体21の架橋度を高くすることで硬い導電粒子12が得られる。アクリル酸エステル、ジアリルフタレート等は架橋点間距離が長くなるため、核体21を構成する全分子に占めるアクリル酸エステル、ジアリルフタレート等の割合が高くなるほど、柔らかい導電粒子12が得られ、また、架橋度を低くすることで柔らかい導電粒子12を得ることが出来る。
【0041】
金属層22は、ビッカス硬度が300Hv以上の金属、例えば、Cu、Ni又はNi合金、Ag又はAg合金等からなり、特にNiからなることが好ましい。金属層22は、例えば、ビッカス硬度が300Hv以上の金属を核体21に対して無電解メッキ法を用いてメッキすることにより形成することができる。
【0042】
金属層22の厚さ(メッキの厚さ)は50〜170nmであることが好ましく、50〜150nmであることがより好ましい。金属層22の厚さをこのような範囲とすることで、回路電極32、42間の接続抵抗がより一層低下し易くなる。金属層22の厚さが50nm未満ではメッキの欠損等が発生して接続抵抗が大きくなる傾向があり、170nmを超えると導電粒子間で凝結が発生して隣接する回路電極間で短絡が生じる傾向がある。なお、金属層22の厚さとは、突起部14を除いた金属層22の平均厚さである。
【0043】
突起部14の高さHは50〜500nmであることが好ましく、75〜300nmであることがより好ましい。突起部の高さが50nm未満の場合、高温高湿処理後に接続抵抗値が高くなる傾向があり、500nmより大きい場合には、導電粒子12と回路電極32、42との接触面積が小さくなるため接続抵抗値が高くなる傾向がある。
【0044】
隣接する突起部14間の距離Sは1000nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましい。また、隣接する突起部14間の距離Sは、導電粒子12と回路電極32、42との間に接着剤組成物が入り込まず、十分に導電粒子12と回路電極32、42とを接触させるためには、少なくとも50nm以上であることが好ましい。
【0045】
なお、導電粒子12の突起部14の高さH及び隣接する突起部14間の距離Sは、電子顕微鏡により測定することができる。具体的には、視野に10個以上50個未満の導電粒子が入るよう電子顕微鏡の倍率を調整し、任意に選び出した3個の導電粒子について、突起部の高さ及び隣接する突起部間の距離をそれぞれ5点測定し、得られた15個のデータの平均値を求める。
【0046】
フィルム状回路接続材料における導電粒子12の配合量は、接着剤組成物100体積部に対して0.1〜30体積部であることが好ましく、その配合量は用途により使い分けることができる。過剰な導電粒子12による回路電極32、42の短絡等を防止する観点から、導電粒子12の配合量は0.1〜10体積部であることがより好ましい。
【0047】
なお、導電粒子12は、図2(b)に示すように、核体21が中核部21aのみで構成されてもよい。この導電粒子12は、核体21の表面を金属メッキし、核体21の表面上に金属層22を形成することにより得ることができる。また、突起部14は、金属メッキの際、メッキ条件を変更して金属層22の厚さを変化させることで形成することができる。なお、メッキ条件の変更は、例えば、最初に使用したメッキ液に、これよりも濃度の高いメッキ液を追加することでメッキ液濃度を不均一にすることにより、行うことができる。
【0048】
(接着剤組成物)
フィルム状回路接続材料が含有する接着剤組成物としては、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂の潜在性硬化剤とを含有する組成物(以下、「第1組成物」という。)、ラジカル重合性物質と、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤とを含有する組成物(以下、「第2組成物」)、又は第1組成物と第2組成物との混合組成物が好ましい。
【0049】
第1組成物が含有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、ハロゲン化されていてもよく、水素添加されていてもよい。これらのエポキシ樹脂は、2種以上を併用してもよい。
【0050】
第1組成物が含有する潜在性硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化させることができるものであればよく、このような潜在性硬化剤としては、アニオン重合性の触媒型硬化剤、カチオン重合性の触媒型硬化剤、重付加型の硬化剤等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上の混合物として使用できる。これらのうち、速硬化性において優れ、化学当量的な考慮が不要である点からは、アニオン又はカチオン重合性の触媒型硬化剤が好ましい。
【0051】
アニオン又はカチオン重合性の触媒型硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ジアミノマレオニトリル、メラミン及びその誘導体、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド等が挙げられ、これらの変成物も使用することができる。重付加型の硬化剤としては、ポリアミン類、ポリメルカプタン、ポリフェノール、酸無水物等が挙げられる。
【0052】
アニオン重合型の触媒型硬化剤として第3級アミン類やイミダゾール類を配合した場合、エポキシ樹脂は160℃〜200℃程度の中温で数10秒〜数時間程度の加熱により硬化する。このため、可使時間(ポットライフ)が比較的長くなるので好ましい。カチオン重合型の触媒型硬化剤としては、例えば、エネルギー線照射によりエポキシ樹脂を硬化させる感光性オニウム塩(芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩等が主として用いられる)が好ましい。また、エネルギー線照射以外に加熱によって活性化しエポキシ樹脂を硬化させるものとして、脂肪族スルホニウム塩等がある。この種の硬化剤は、速硬化性という特徴を有することから好ましい。
【0053】
これらの潜在性硬化剤を、ポリウレタン系又はポリエステル系等の高分子物質や、ニッケル、銅等の金属薄膜及びケイ酸カルシウム等の無機物で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長できるため好ましい。
【0054】
第2組成物が含有するラジカル重合性物質は、ラジカルにより重合する官能基を有する物質である。このようなラジカル重合性物質としては、アクリレート(対応するメタクリレートも含む。以下同じ。)化合物、アクリロキシ(対応するメタアクリロキシも含む。以下同じ。)化合物、マレイミド化合物、シトラコンイミド樹脂、ナジイミド樹脂等が挙げられる。ラジカル重合性物質は、モノマー又はオリゴマーの状態で用いてもよく、モノマーとオリゴマーを併用することも可能である。上記アクリレート化合物の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、必要によりハドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン類などの重合禁止剤を適宜用いてもよい。またさらに、耐熱性の向上の観点から、アクリレート化合物がジシクロペンテニル基、トリシクロデカニル基及びトリアジン環からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有することが好ましい。
【0055】
上記マレイミド化合物は、分子中にマレイミド基を少なくとも2個以上含有するものである。このようなマレイミド化合物としては、例えば、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−4,8−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
【0056】
上記シトラコンイミド樹脂は、分子中にシトラコンイミド基を少なくとも1個有するシトラコンイミド化合物を重合させてなるものである。シトラコンイミド化合物としては、例えば、フェニルシトラコンイミド、1−メチル−2,4−ビスシトラコンイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−p−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスシトラコンイミド、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
【0057】
上記ナジイミド樹脂は、分子中にナジイミド基を少なくとも1個有しているナジイミド化合物を重合してなるものである。ナジイミド化合物としては、例えば、フェニルナジイミド、1−メチル−2,4−ビスナジイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスナジイミド、N,N’−p−フェニレンビスナジイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスナジイミド、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−ナジイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
【0058】
また、上記ラジカル重合性物質に下記一般式(I)で示されるリン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質を併用することが好ましい。この場合、金属等の無機物表面に対する接着強度が向上するため、回路電極32、42同士の接着に好適である。
【0059】
【化1】


[上記式中、nは1〜3の整数を示す。]
【0060】
リン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質は、無水リン酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる。リン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質として、具体的には、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート等がある。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
【0061】
上記一般式(I)で示されるリン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質の配合量は、ラジカル重合性物質と必要により配合するフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.01〜50質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
【0062】
上記ラジカル重合性物質は、アリルアクリレートと併用することもができる。この場合、アリルアクリレートの配合量は、ラジカル重合性物質と、必要により配合されるフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
【0063】
第2組成物が含有する、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤とは、加熱により分解して遊離ラジカルを発生する硬化剤である。このような硬化剤としては、過酸化化合物、アゾ系化合物等が挙げられる。このような硬化剤は、目的とする接続温度、接続時間、ポットライフ等により適宜選定される。高反応性とポットライフの向上の観点から、半減期10時間の温度が40℃以上、かつ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が60℃以上、かつ、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物がより好ましい。
【0064】
上記硬化剤の配合量は、接続時間を25秒以下とする場合、ラジカル重合性物質と必要により配合されるフィルム形成材との合計100質量部に対して、2〜10質量部であることが好ましく、4〜8質量部であることがより好ましい。これにより、充分な反応率を得ることができる。なお、接続時間を限定しない場合の硬化剤の配合量は、ラジカル重合性物質と必要により配合されるフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.05〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。
【0065】
第2組成物が含有する、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤の具体例としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステルパーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等が挙げられる。また、回路電極32、42の腐食を抑えるという観点から、含有される塩素イオンや有機酸の濃度が5000ppm以下である硬化剤が好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ない硬化剤がより好ましい。このような硬化剤の具体例としては、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等が挙げられ、高反応性が得られるパーオキシエステルから選定された硬化剤がより好ましい。なお、上記硬化剤は、適宜混合して用いることができる。
【0066】
パーオキシエステルとしては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノデート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
【0067】
ジアルキルパーオキサイドとしては、α,α’ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
【0068】
ハイドロパーオキサイドとして、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
【0069】
ジアシルパーオキサイドとしては、イソブチルパーオキサイド、2,4―ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
【0070】
パーオキシジカーボネートとしては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げられる。
【0071】
パーオキシケタールとしては、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1―(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられる。
【0072】
シリルパーオキサイドとしては、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
【0073】
これらの硬化剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。また、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化してもよい。マイクロカプセル化した硬化剤は、可使時間が延長されるために好ましい。
【0074】
本実施形態のフィルム状回路接続材料には、必要に応じて、フィルム形成材を添加して用いてもよい。フィルム形成材とは、液状物を固形化し構成組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムの取扱いを容易とし、容易に裂けたり、割れたり、べたついたりしない機械的特性等を付与するものであり、通常の状態(常温常圧)でフィルムとしての取扱いができるものである。フィルム形成材としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、接着性、相溶性、耐熱性、機械的強度に優れることからフェノキシ樹脂が好ましい。
【0075】
フェノキシ樹脂は、2官能フェノール類とエピハロヒドリンを高分子化するまで反応させるか、又は2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール類を重付加させることにより得られる樹脂である。フェノキシ樹脂は、例えば2官能フェノール類1モルとエピハロヒドリン0.985〜1.015モルとをアルカリ金属水酸化物等の触媒の存在下、非反応性溶媒中で40〜120℃の温度で反応させることにより得ることができる。また、フェノキシ樹脂としては、樹脂の機械的特性や熱的特性の観点からは、特に2官能性エポキシ樹脂と2官能性フェノール類の配合当量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1/1.1とし、アルカリ金属化合物、有機リン系化合物、環状アミン系化合物等の触媒の存在下、沸点が120℃以上のアミド系、エーテル系、ケトン系、ラクトン系、アルコール系等の有機溶剤中で、反応固形分が50質量%以下の条件で50〜200℃に加熱して重付加反応させて得たものが好ましい。
【0076】
上記2官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルジグリシジルエーテル、メチル置換ビフェニルジグリシジルエーテル等が挙げられる。2官能フェノール類は、2個のフェノール性水酸基を有するものである。2官能フェノール類としては、例えば、ハイドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン、メチル置換ビスフェノールフルオレン、ジヒドロキシビフェニル、メチル置換ジヒドロキシビフェニル等のビスフェノール類等が挙げられる。フェノキシ樹脂は、ラジカル重合性の官能基や、その他の反応性化合物により変性(例えば、エポキシ変性)されていてもよい。フェノキシ樹脂は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0077】
本実施形態のフィルム状回路接続材料は、更に、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びアクリロニトリルのうち少なくとも一つをモノマー成分とした重合体又は共重合体を含んでいてもよい。ここで、応力緩和に優れることから、グリシジルエーテル基を含有するグリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートを含む共重合体系アクリルゴムを併用することが好ましい。これらのアクリルゴムの重量平均分子量は、接着剤の凝集力を高める点から20万以上が好ましい。
【0078】
本実施形態のフィルム状回路接続材料は、更に、ゴム微粒子、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤、フェノール樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート類等を含有することもできる。
【0079】
ゴム微粒子は、その平均粒径が、配合する導電粒子12の平均粒径の2倍以下であり、且つ室温(25℃)での貯蔵弾性率が導電粒子12及び接着剤組成物の室温での貯蔵弾性率の1/2以下であるものであればよい。特に、ゴム微粒子の材質が、シリコーン、アクリルエマルジョン、SBR、NBR、ポリブタジエンゴムである微粒子は、単独で又は2種以上を混合して用いることが好適である。3次元架橋したこれらゴム微粒子は、耐溶剤性が優れており、接着剤組成物中に容易に分散される。
【0080】
回路接続材料に充填剤を含有させてもよい。これにより、回路電極32、42間の電気特性の接続信頼性等が向上する。充填剤は、その最大径が導電粒子12の粒径の1/2以下であれば使用できる。また、導電性を持たない粒子を併用する場合には、導電性を持たない粒子の直径以下であれば使用できる。充填剤の配合量は、接着剤組成物100体積部に対して5〜60体積部であることが好ましい。配合量が60体積部を超えると、接続信頼性向上効果が飽和する傾向があり、他方、5体積部未満では充填剤添加の効果が不充分となる傾向がある。
【0081】
上記カップリング剤としては、ビニル基、アクリル基、エポキシ基又はイソシアネート基を含有する化合物が、接着性が向上するので好ましい。
【0082】
[回路部材の接続構造]
本発明に係る回路部材の接続構造の一実施形態について詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態の回路部材の接続構造1は、相互に対向する第1の回路部材30及び第2の回路部材40を備える。第1の回路部材30と第2の回路部材40との間には、これらを接続する回路接続部材10が設けられている。回路接続部材10は、上述した本実施形態のフィルム状回路接続材料を硬化処理することによって形成される。
【0083】
第1の回路部材30は、第1の回路基板31と、回路基板31の主面31a上に形成される第1の回路電極32とを備えている。第2の回路部材40は、回路基板41と、第2の回路基板41の主面41a上に形成される第2の回路電極42とを備えている。第1の回路基板31の主面31aに形成された第1の回路電極32と、第2の回路基板41の主面41aに形成された第2の回路電極42とは互いに対向している。また、回路基板31、41において、回路電極32、42の表面は平坦になっている。なお、本発明において「回路電極の表面が平坦」とは、回路電極の表面の凹凸が20nm以下であることをいう。
【0084】
回路接続部材10は、接着剤樹脂組成物が硬化することで形成された絶縁性物質11と導電粒子12とを含有している。回路部材の接続構造1では、対向する第1の回路電極32と第2の回路電極42とが、回路接続部材10に含有される導電粒子12を介して電気的に接続されている。即ち、導電粒子12が、第1の回路電極32及び第2の回路電極42の双方に直接接触している。具体的には、導電粒子12の金属層22(最外層)に形成された突起部14が、絶縁性物質11を貫通して第1の回路電極32及び第2の回路電極42の双方に接触している。さらに、突起部14が回路電極32、42に食い込むため、導電粒子12と回路電極32、42との接触面積が増加する。このため、回路電極32、42間の接続抵抗が十分に低減され、回路電極32、42間の良好な電気的接続が可能となる。従って、回路電極32、42間の電流の流れを円滑にすることができ、回路の持つ機能を十分に発揮することができる。
【0085】
第1の回路電極32又は第2の回路電極42の厚さは、50nm以上であることが好ましい。厚さが50nm未満の場合、回路接続材料中に含まれる導電粒子表面の突起部14が、回路部材同士の圧着時に回路電極32、42を貫通し回路基板31、41と接触してしまう恐れがあり、回路電極32、42と導電粒子12との接触面積が減少し接続抵抗が上昇する傾向にある。
【0086】
回路電極32、42の材質としては、Au、Ag、Sn、Pt族の金属又はインジウム−錫酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、Al、Crが挙げられるが、ITO又はIZOが好ましい。回路電極32、42がITO又はIZOからなる場合、回路電極間の電気的接続及び電気特性の長期信頼性を向上させる効果が顕著となる。なお、回路電極32、42は、その全体を上記物質で構成されているが、回路電極表面のみを上記物質で構成されていてもよい。
【0087】
回路基板31、41の材質は特に制限されないが、通常は有機絶縁性物質、ガラス、又はシリコンである。
【0088】
第1の回路部材30及び第2の回路部材40の具体例としては、半導体チップ、抵抗体チップ、コンデンサチップ等のチップ部品、プリント基板等の基板が挙げられる。これらの回路部材には、回路電極(回路端子)が通常は多数設けられている。なお、場合によっては、回路部材に回路電極が単数設けられていても良い。
【0089】
回路部材の接続構造1の形態としては、ICチップとチップ搭載基板との接続構造、電気回路相互の接続構造の形態もある。
【0090】
第1の回路電極32又は第2の回路電極42の少なくとも一方の表面積は15000μm以下であり、且つ、第1の回路電極32と第2の回路電極42との間における平均導電粒子数が3個以上であることが好ましい。ここで、平均導電粒子数とは、回路電極1つあたりの導電粒子12の数の平均値を言う。この場合、対向する回路電極32、42間の接続抵抗をより十分に低減することができる。また、平均導電粒子数が6個以上である場合には、さらに良好な接続抵抗を達成できる。これは、対向する回路電極32、42間の接続抵抗が十分に低くなるからである。また回路電極32,42間における平均導電粒子数が2個以下の場合には、接続抵抗が高くなりすぎ、電子回路が正常に動作しなくなる傾向ある。
【0091】
[回路部材の接続構造の製造方法]
次に、上述した回路部材の接続構造1の製造方法について説明する。先ず、第1の回路部材30と、第2の回路部材40と、回路接続材料とを準備する。
【0092】
回路接続材料として、フィルム状回路接続材料を準備する。フィルム状回路接続材料の厚さは、10〜50μmであることが好ましい。
【0093】
次に、第1の回路部材30の上に、フィルム状回路接続材料を載せる。そして、第1の回路部材30の回路電極32と、第2の回路部材40の回路電極42とが重なるように、第2の回路部材40をフィルム状回路接続材料の上に載せる。このようにして、第1の回路部材30と第2の回路部材40との間にフィルム状回路接続材料を介在させる。このとき、フィルム状回路接続材料はフィルム状で、取扱いが容易であるため、第1の回路部材30と第2の回路部材40とを接続する際に、それらの間に容易に介在させることができ、第1の回路部材30と第2の回路部材40との接続作業を容易に行うことができる。
【0094】
次に、第1の回路部材30及び第2の回路部材40を介してフィルム状回路接続材料を加熱しながら加圧して硬化処理を施し、第1の回路部材30と第2の回路部材40との間に回路接続部材10を形成する。硬化処理は、一般的な方法により行うことが可能であり、その方法は接着剤組成物により適宜選択される。
【0095】
本実施形態では、フィルム状回路接続材料中の導電粒子12の最外層(金属層22)は、ビッカス硬度が300Hv以上である金属で構成されているため、従来の導電粒子の最外層を構成するAuよりも硬い。そのため、フィルム状回路接続材料の硬化処理において、導電粒子12の金属層22から突出した突起部14は、従来の導電粒子の場合に比べて、第1又は第2の回路電極32、42の最外層(電極表面)により深く食い込み、導電粒子12と回路電極32、42との接触面積が増加する。また、導電粒子12の直径に応じて導電粒子12の硬度が最適化されているため、導電粒子12が適度に扁平し、回路電極32、42と導電粒子12との接触面積が大きくなり、第1及び第2回路電極32,42間の接続抵抗が小さくなる。このように、導電粒子12と第1及び第2回路電極32、42とが確実に接触した状態でフィルム状回路接続材料中の接着剤組成物を硬化すると、第1の回路部材30と第2の回路部材40との高い接着強度が実現されると共に、回路電極32、42間の接続抵抗が小さい状態が長期間にわたって保持される。
【0096】
すなわち、本実施形態では、導電粒子12の直径に対応して導電粒子12の硬度を最適化し、且つ、ビッカス硬度が300Hv以上である金属からなる最外層の一部を外側に突出させて突起部を形成させることによってはじめて、第1又は第2の回路電極32、42の表面における凹凸の有無に拘わらず、対向する回路電極32、42間の接続抵抗を充分に低減し、回路電極32、42間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極32、42間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる。
【0097】
以上、本発明に係るフィルム状回路接続材料の好適な実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではない。
【0098】
例えば、上記実施形態では、フィルム状回路接続材料を用いて回路部材の接続構造を製造しているが、フィルム状でない回路接続材料を用いてもよい。例えば、回路接続材料を溶媒に溶解させた溶液を、第1の回路部材30又は第2の回路部材40の一方に塗布し乾燥させ、乾燥後の塗布物上に他方の回路部材を載せることによって、第1及び第2の回路部材30、40間に回路接続材料を介在させることができる。
【0099】
また、回路部材の接続構造1には絶縁層が設けられていないが、第1の回路部材30において、第1の回路電極32に隣接して第1の絶縁層が形成されてもよいし、第2の回路部材40において、第2の回路電極42に隣接して第2の絶縁層が形成されていてもよい。絶縁層は、絶縁材料で構成されていれば特に制限されないが、通常は有機絶縁性物質、二酸化珪素又は窒化珪素から構成される。
【実施例】
【0100】
(導電粒子の作製)
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン及びスチレンモノマーの混合比を変えて、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを用いて懸濁重合し、分級することによって、粒径及び硬度の異なる26種類の核体を得た。得られた各核体を無電解Niメッキ処理することで表1に示す導電粒子No.1〜26を得た。なお、Niメッキ処理の際、メッキ液の仕込み量、処理温度及び処理時間を適宜調整してメッキ厚を変更することにより、導電粒子No.1〜25の表面(最外層)にNiからなる突起部を形成した。導電粒子No.26には突起部を形成しなかった。
【0101】
また、突起部を有するNi粒子上にAuを置換メッキすることにより、Auからなる複数の突起部を有するAu層を形成し、導電粒子No.27を得た。
【0102】
さらに、導電粒子No.1〜26の場合と同様に核体にNiメッキを行って得た導電粒子の表面に対して、さらにAuを25nm厚で置換メッキすることによって、均一な厚さを有し、Auからなる最外層を有する導電粒子No.28を得た。
【0103】
導電粒子の硬度は、微少圧縮試験器(株式会社島津製作所製)を用いて導電粒子の直径から導電粒子を10%変形させたときの加重P(単位:MPa又はKgf)、導電粒子の半径r(単位:mm)、及び圧縮の際の変位Δ(単位:mm)から下記式1により求めた。
導電粒子の硬度=3×2(−1/2)×P×Δ(−3/2)×r(−1/2)・・・(式1)
【0104】
また、複数の導電粒子No.1を、カーボン両面テープを貼った試料台に均一に載せ、電子顕微鏡(日立製作所製、S−800)を用いて視野に10個以上50個以下の導電粒子が入るよう倍率を調整し、導電粒子No.1の粒径、突起部の高さ、隣接する突起間距離を測定した。ここで、粒径については、任意に選び出した10個の導電粒子の直径の平均値とした。突起部の高さ及び隣接する突起間の距離については、任意に選び出した3個の導電粒子の突起高さ及び突起間距離を任意にそれぞれ5点測定し、得られた15個のデータの平均値とした。また、導電粒子No.2〜28の粒径、突起部の高さ、隣接する突起間距離も、導電粒子No.1と同様の方法で測定した。
【0105】
【表1】

【0106】
(回路接続材料1の作製)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、分子内にフルオレン環構造を有するフェノール化合物(4,4’−(9−フルオレニリデン)−ジフェニール)とからフェノキシ樹脂を合成し、この樹脂を質量比でトルエン/酢酸エチル=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分40質量%の溶液とした。次に、ゴム成分としてアクリルゴム(ブチルアクリレート40重量部−エチルアクリレート30重量部−アクリロニトリル30重量部−グリシジルメタクリレート3重量部の共重合体、重量平均分子量80万)を用意し、このアクリルゴムを質量比でトルエン/酢酸エチル=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分15質量%の溶液とした。また、マイクロカプセル型潜在性硬化剤(マイクロカプセル化されたアミン系硬化剤)と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、ナフタレン型エポキシ樹脂とを、質量比34:49:17で含有する液状の硬化剤含有エポキシ樹脂(エポキシ当量:202)を用意した。
【0107】
上記材料を固形分質量でフェノキシ樹脂/アクリルゴム/硬化剤含有エポキシ樹脂=20g/30g/50gの割合で配合し、接着剤組成物含有液を作製した。この接着剤組成物含有液100質量部に対して導電粒子No.1を5質量部分散させて回路接続材料含有液を調製した。この回路接続材料含有液を、片面を表面処理した厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃で3分の熱風乾燥により、PETフィルム上に厚みが20μmのフィルム状の回路接続材料1を得た。
【0108】
(回路接続材料2の作製)
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド株式会社製、商品名PKHC、平均重量分子量5000)50gを、トルエン/酢酸エチル=50/50(質量比)の混合溶剤に溶解して、固形分40質量%のフェノキシ樹脂溶液とした。平均重量分子量800のポリカプロラクトンジオール400質量部、2−ヒドロキシプロピルアクリレート131質量部、触媒としてのジブチル錫ジラウレート0.5質量部および重合禁止剤としてのハイドロキノンモノメチルエーテル1.0質量部を攪拌しながら50℃に加熱して混合した。次いで、この混合液に、イソホロンジイソシアネート222質量部を滴下し更に攪拌しながら80℃に昇温してウレタン化反応を行った。イソシアネート基の反応率が99%以上になったことを確認した後、反応温度を下げてウレタンアクリレートを得た。
【0109】
次いで、上記フェノキシ樹脂溶液から固形分が50g含まれるように量り取ったフェノキシ樹脂溶液と、上記ウレタンアクリレート49gと、リン酸エステル型アクリレート1gと、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤としてのt−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート5gとを混合して接着剤組成物含有液を得た。そして、この接着剤組成物含有液100質量部に対して導電粒子No.1を5質量部分散させて回路接続材料含有液を調製した。そして、この回路接続材料含有液を、片面を表面処理した厚み50μmのPETフィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃で3分の熱風乾燥により、PETフィルム上に厚みが20μmのフィルム状の回路接続材料2を得た。
【0110】
(回路接続材料3〜29の作製)
前記回路接続材料1における導電粒子No.1の代わりに導電粒子No.2から28を用いた他は、回路接続材料1と同様の方法によりフィルム状の回路接続材料3〜29をそれぞれ得た。それぞれの回路接続材料に含まれる導電粒子の特性は、表2に示すとおりであった。
【0111】
(実施例1)
第1の回路部材として、ポリイミドフィルム(厚さ38μm)と、SnめっきCu箔(厚さ8μm)からなる2層構造を有するフレキシブル回路板(以下、「FPC」と記す。)を準備した。このFPCの回路については、ライン幅18μm、ピッチ50μmとした。
【0112】
第2の回路部材として、表面上にITO回路電極(電極膜厚:50nm、表面抵抗<20Ω)を備えるガラス基板(厚さ1.1mm)を用意した。この第2の回路部材の回路については、ライン幅25μm、ピッチ50μmとした。
【0113】
次に、第2の回路部材上に所定のサイズ(1.5×30mm)に裁断した回路接続材料1を貼付け、70℃、1.0MPaで5秒間加熱、加圧を行い仮接続した。次いで、PETフィルムを剥離した後、FPCと第2の回路部材とで回路接続材料1を挟むようにFPCを配置し、FPCの回路と第2の回路部材の回路の位置合わせを行った。次いで、180℃、3MPa、15秒の条件で、FPC上方から加熱、加圧を行い、FPCと第2の回路部材とを本接続した。こうして、実施例1の回路部材の接続構造を得た。
【0114】
(実施例2)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として表面上にIZO回路電極(電極膜厚:50nm、表面抵抗<20Ω)を備えるガラス基板(厚さ1.1mm)を用意した。この第2の回路部材の回路については、ライン幅25μm、ピッチ50μmとした。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料1による仮接続、本接続を行い、実施例2の回路部材の接続構造を得た。
【0115】
(実施例3)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、第2の回路部材上に所定のサイズ(1.5×30mm)に裁断した回路接続材料2を貼付け、70℃、1.0MPaで3秒間加熱、加圧を行い仮接続した。次いで、PETフィルムを剥離した後、FPCと第2の回路部材とで回路接続材料2を挟むようにFPCを配置し、FPCの回路と第2の回路部材の回路の位置合わせを行った。次いで、170℃、3MPa、10秒の条件でFPC上方から加熱、加圧を行いFPCと第2の回路部材とを本接続して、実施例3の回路部材の接続構造を得た。
【0116】
(実施例4)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例3の接続方法と同様に回路接続材料2による仮接続、本接続を行い、実施例4の回路部材の接続構造を得た。
【0117】
(実施例5)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料3による仮接続、本接続を行い、実施例5の回路部材の接続構造を得た。
【0118】
(実施例6)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料3による仮接続、本接続を行い、実施例6の回路部材の接続構造を得た。
【0119】
(実施例7)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料4による仮接続、本接続を行い、実施例7の回路部材の接続構造を得た。
【0120】
(実施例8)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料4による仮接続、本接続を行い、実施例8の回路部材の接続構造を得た。
【0121】
(実施例9)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料7による仮接続、本接続を行い、実施例9の回路部材の接続構造を得た。
【0122】
(実施例10)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料7による仮接続、本接続を行い、実施例10の回路部材の接続構造を得た。
【0123】
(実施例11)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料8による仮接続、本接続を行い、実施例11の回路部材の接続構造を得た。
【0124】
(実施例12)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料8による仮接続、本接続を行い、実施例12の回路部材の接続構造を得た。
【0125】
(実施例15)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料12による仮接続、本接続を行い、実施例15の回路部材の接続構造を得た。
【0126】
(実施例16)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料12による仮接続、本接続を行い、実施例16の回路部材の接続構造を得た。
【0127】
(実施例17)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料13による仮接続、本接続を行い、実施例17の回路部材の接続構造を得た。
【0128】
(実施例18)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料13による仮接続、本接続を行い、実施例18の回路部材の接続構造を得た。
【0129】
(実施例21)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料17による仮接続、本接続を行い、実施例21の回路部材の接続構造を得た。
【0130】
(実施例22)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料17による仮接続、本接続を行い、実施例22の回路部材の接続構造を得た。
【0131】
(実施例23)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料18による仮接続、本接続を行い、実施例23の回路部材の接続構造を得た。
【0132】
(実施例24)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料18による仮接続、本接続を行い、実施例24の回路部材の接続構造を得た。
【0133】
(実施例27)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料22による仮接続、本接続を行い、実施例27の回路部材の接続構造を得た。
【0134】
(実施例28)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料22による仮接続、本接続を行い、実施例28の回路部材の接続構造を得た。
【0135】
(実施例29)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料23による仮接続、本接続を行い、実施例29の回路部材の接続構造を得た。
【0136】
(実施例30)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料23による仮接続、本接続を行い、実施例30の回路部材の接続構造を得た。
【0137】
(比較例1)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料5による仮接続、本接続を行い、比較例1の回路部材の接続構造を得た。
【0138】
(比較例2)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料5による仮接続、本接続を行い、比較例2の回路部材の接続構造を得た。
【0139】
(比較例3)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料6による仮接続、本接続を行い、比較例3の回路部材の接続構造を得た。
【0140】
(比較例4)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料6による仮接続、本接続を行い、比較例4の回路部材の接続構造を得た。
【0141】
(比較例5)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料10による仮接続、本接続を行い、比較例5の回路部材の接続構造を得た。
【0142】
(比較例6)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料10による仮接続、本接続を行い、比較例6の回路部材の接続構造を得た。
【0143】
(比較例7)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料11による仮接続、本接続を行い、比較例7の回路部材の接続構造を得た。
【0144】
(比較例8)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料11による仮接続、本接続を行い、比較例8の回路部材の接続構造を得た。
【0145】
(比較例9)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料15による仮接続、本接続を行い、比較例9の回路部材の接続構造を得た。
【0146】
(比較例10)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料15による仮接続、本接続を行い、比較例10の回路部材の接続構造を得た。
【0147】
(比較例11)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料16による仮接続、本接続を行い、比較例11の回路部材の接続構造を得た。
【0148】
(比較例12)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料16による仮接続、本接続を行い、比較例12の回路部材の接続構造を得た。
【0149】
(比較例13)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料20による仮接続、本接続を行い、比較例13の回路部材の接続構造を得た。
【0150】
(比較例14)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料20による仮接続、本接続を行い、比較例14の回路部材の接続構造を得た。
【0151】
(比較例15)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料21による仮接続、本接続を行い、比較例15の回路部材の接続構造を得た。
【0152】
(比較例16)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料21による仮接続、本接続を行い、比較例16の回路部材の接続構造を得た。
【0153】
(比較例17)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料25による仮接続、本接続を行い、比較例17の回路部材の接続構造を得た。
【0154】
(比較例18)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料25による仮接続、本接続を行い、比較例18の回路部材の接続構造を得た。
【0155】
(比較例19)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料26による仮接続、本接続を行い、比較例19の回路部材の接続構造を得た。
【0156】
(比較例20)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料26による仮接続、本接続を行い、比較例20の回路部材の接続構造を得た。
【0157】
(比較例21)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料27による仮接続、本接続を行い、比較例21の回路部材の接続構造を得た。
【0158】
(比較例22)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料27による仮接続、本接続を行い、比較例22の回路部材の接続構造を得た。
【0159】
(比較例23)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料28による仮接続、本接続を行い、比較例23の回路部材の接続構造を得た。
【0160】
(比較例24)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料28による仮接続、本接続を行い、比較例24の回路部材の接続構造を得た。
【0161】
(比較例25)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO回路電極(電極膜厚:50nm)を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料29による仮接続、本接続を行い、比較例25の回路部材の接続構造を得た。
【0162】
(比較例26)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例2と同様のIZO回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例2の接続方法と同様に回路接続材料29による仮接続、本接続を行い、比較例26の回路部材の接続構造を得た。
【0163】
(比較例27)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として表面上にITO回路電極(電極膜厚:25nm、表面抵抗<40Ω)を備えるガラス基板(厚さ1.1mm)を用意した。この第2の回路部材の回路については、ライン幅25μm、ピッチ50μmとした。そして、実施例1の接続方法と同様に回路接続材料1による仮接続、本接続を行い、比較例27の回路部材の接続構造を得た。
【0164】
(接続抵抗の測定)
実施例1〜12、15〜18、21〜24、27〜30、比較例1〜27の回路部材の接続構造について、FPCの回路電極と、第2の回路部材の回路電極との間の接続抵抗値をマルチメータで測定した。接続抵抗値としては、接続直後の抵抗値(初期抵抗値)と、80℃、95%RHの高温高湿槽中に250時間保持した後(高温高湿処理後)の抵抗値(処理後抵抗値)をそれぞれ測定した。なお、接続抵抗値は、隣接回路間の抵抗37点の平均値と標準偏差を3倍した値との和(x+3σ)とした。また、抵抗増加率は、初期抵抗値から処理後抵抗値までの増加量を初期抵抗値で除した値を百分率で示しており、式(処理後抵抗値−初期抵抗値)/初期抵抗値×100で算出した。表2、表3に接続抵抗値の測定結果及び抵抗増加率の算出結果を示す。なお、接続抵抗値が小さいほど、対向する回路電極同士間の電気的接続が良好であり、抵抗増加率が小さいほど、回路電極間の電気特性の長期信頼性が高い。
【0165】
【表2】

【0166】
【表3】

【0167】
導電粒子の最外層を構成する金属(最外層金属)がNiであり、さらに最外層に突起部が形成された導電粒子を用いた実施例1、2では、抵抗増加率が5%以下と非常に良好な値を示した。一方、最外層金属がNiであるものの、最外層に突起部が形成されていない導電粒子を用いた比較例21、22や、最外層金属がAuである導電粒子を用いた比較例23〜26では、抵抗増加率が実施例1、2を含む全実施例より高かった。
【0168】
また、実施例1〜12、15〜18、21〜24、27〜30に示すように、導電粒子の直径(粒子直径)に応じて硬度が一定の範囲にある場合に抵抗増加率が5%以下と非常に良好な値を示すことがわかった。
【0169】
一方、導電粒子の硬度が低すぎる比較例1、2、5、6、9、10、13、14、17、18では抵抗増加率が10%前後と高かった。これは、導電粒子が柔らかすぎるため、高温高湿処理に伴って、対向する回路電極間の距離が変動する際に、回路電極間距離の変動に導電粒子の形状が追随して変化できずに、導電粒子と回路電極とが十分に接触できなかったことに起因すると考えられる。
【0170】
また、導電粒子の硬度が高すぎる比較例3、4、7、8、11、12、15、16、19、20では初期の接続抵抗が高く、抵抗増加率も10%以上と特に高かった。これは、導電粒子が硬すぎて、導電粒子が十分に扁平にならないため、導電粒子と回路電極との接触面積が小さくなったことに起因すると考えられる。
【0171】
また、回路電極が厚さ50nmのITOで構成されている回路部材を回路接続材料1で接続した実施例1と、回路電極が厚さ25nmのITOで構成されている回路部材を回路接続材料1で接続した比較例27とを比較した場合、比較例27の抵抗増加率は20%前後であるのに対して、実施例1の抵抗増加率は5%未満と小さかった。このことから、Niからなる最外層に突起部が形成され、且つ所定の直径に対応する硬度を有する導電粒子を含む回路接続材料と、ITO又はIZOからなる回路電極と、の組み合わせによる抵抗増加率の抑制効果(接続信頼性の改善効果)は、回路電極の厚みが50nm以上である場合に顕著であることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0172】
以上説明したように、上記本発明によれば、回路電極の表面が平坦であっても、対向する回路電極同士間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる回路接続材料及び回路部材の接続構造を提供することができる。
【符号の説明】
【0173】
1・・・回路部材の接続構造、10・・・回路接続部材、11・・・絶縁性物質、12・・・導電粒子、14・・・突起部、21・・・核体、21a・・・中核部、21b・・・核側突起部、22・・・最外層(金属層)、30・・・第1の回路部材、31・・・第1の回路基板、31a・・・主面、32・・・第1の回路電極、40・・・第2の回路部材、41・・・第2の回路基板、41a・・・主面、42・・・第2の回路電極、H・・・導電粒子の突起部の高さ、S・・・隣接する突起部間の距離。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の回路電極を有する第1の回路部材と、前記第1の回路部材に対向し、第2の回路電極を有する第2の回路部材との間に介在して、前記第1の回路電極と前記第2の回路電極とを電気的に導通させる回路接続材料において、
接着剤組成物と、直径が0.5μm以上4μm未満である導電粒子と、を含有し、
前記導電粒子の最外層は、ビッカス硬度が300Hv以上であるNi又はNi合金からなり、
前記最外層の一部が外側に突出して突起部が形成されており、
前記導電粒子の直径が3μm以上4μm未満の時、前記導電粒子の硬度が900〜1400kgf/mmであり、
前記導電粒子の直径が2μm以上3μm未満の時、前記導電粒子の硬度が1000〜1700kgf/mmであり、
前記導電粒子の直径が0.5μm以上2μm未満の時、前記導電粒子の硬度が1200〜2000kgf/mmである、ことを特徴とする回路接続材料。
【請求項2】
前記突起部の高さが50〜500nmであり、
前記最外層の一部が外側に突出して複数の前記突起部が形成されており、
隣接する前記突起部間の距離が1000nm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の回路接続材料。
【請求項3】
フィルム状である、請求項1又は2に記載の回路接続材料。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の回路接続材料が、前記第1の回路部材と前記第2の回路部材との間に介在しており、前記第1の回路電極と前記第2の回路電極とが電気的に導通しており、
前記第1及び第2の回路電極の厚みが50nm以上であることを特徴とする回路部材の接続構造。
【請求項5】
前記第1又は第2の回路電極が、インジウム−錫酸化物であることを特徴とする請求項4に記載の回路部材の接続構造。
【請求項6】
前記第1又は第2の回路電極が、インジウム−亜鉛酸化物であることを特徴とする請求項4に記載の回路部材の接続構造。
【請求項7】
前記第1又は第2の回路電極の表面のみが、インジウム−錫酸化物であることを特徴とする請求項4に記載の回路部材の接続構造。
【請求項8】
前記第1又は第2の回路電極の表面のみが、インジウム−亜鉛酸化物であることを特徴とする請求項4に記載の回路部材の接続構造。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−55058(P2013−55058A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−226010(P2012−226010)
【出願日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【分割の表示】特願2009−522470(P2009−522470)の分割
【原出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(000004455)日立化成株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】