説明

回路接続材料及びそれを用いた接続方法並びに接続構造体

【課題】高温高湿処理を受けたときの回路電極間の抵抗値の変動を抑制しながら、窒化珪素膜との界面との密着性を向上させて優れた接続信頼性を発揮することが可能な回路接続材料を提供する。
【解決手段】回路電極同士が対向するように配置された一対の回路部材の間に介在されて、対峙する該回路部材を電気的且つ機械的に接続する回路接続材料であって、(1)多官能(メタ)アクリレートモノマーと、(2)熱又は光によって遊離ラジカルを発生する硬化剤と、(3)側鎖にエチレン性不飽和基を有し、二重結合当量が1000〜12000である反応性アクリルポリマーとを含有する回路接続材料を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路接続材料、及び回路接続材料を用いて一対の回路部材を接続する接続方法、並びにその接続方法によって得られる接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一対の回路部材を電気的に接続する際に、導電性粒子を分散させた回路接続部材が使用されている。回路接続部材としては、例えば異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)が挙げられるが、異方性導電フィルムを介して基板の配線電極が形成された接続面と電子部品の端子電極(バンプ)が形成された接続面とを接続する方法がある。異方性導電フィルムを用いた接続方法では、基板の接続面上に異方性導電フィルムを仮貼りし、異方性導電フィルムと電子部品の接続面とを対峙させて異方性導電フィルム上に電子部品を配置して熱加圧を行う。これにより、異方性導電フィルム中の導電性粒子が電子部品の端子電極と基板の配線電極との間に挟み込まれて押し潰される。その結果、電子部品の端子電極と基板の配線電極とは、導電性粒子を介して電気的に接続される。
【0003】
端子電極と配線電極との間にない導電性粒子は、異方性導電フィルムの絶縁性の接着剤組成物中に存在し、電気的に絶縁した状態を維持している。すなわち、端子電極と配線電極との間のみで電気的導通が図られることになる。
【0004】
このような回路接続部材を構成する接着剤組成物としては、従来、エポキシ樹脂等を含有するものがある。この接着剤組成物は、一般に、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂と反応するフェノール樹脂等の硬化剤、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を促進する潜在性硬化剤等を含有する。
【0005】
例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂にアクリルゴムを分散させることにより、接続対象物との接続界面におけるストレスを緩和し、これにより、接続信頼性を向上させることができる回路接続部材が記載されている。
【0006】
一方、近年、異方性導電フィルムに対しては、生産時間の短縮のために、低温短時間で硬化を行う接着剤組成物が要求されている。この要求に応えるために、(メタ)アクリレート誘導体及び過酸化物等のラジカル重合開始剤を含有するラジカル硬化型の接着剤組成物が注目されている。ラジカル硬化型の回路接続材料は、反応性に富むラジカルにより、短時間で硬化反応が進行するため、生産時間の短縮に有利である(特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−299079号公報
【特許文献2】特開2008−291199号公報
【特許文献3】特開2011−37953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、(メタ)アクリレート誘導体は、エポキシ樹脂等に比べて重合時の硬化収縮が大きく、また、硬化後の内部応力も大きい傾向にある。このため、一般に、ラジカル硬化型の接着剤組成物を含有する回路接続材料を用いた場合、その接着層とLCDパネル等の基板との界面において気泡が発生し、接続信頼性が低下するおそれがある。特に、TFT(Thin Film Transistor)方式のLCDパネルにおいてパネル配線上の絶縁膜として使用される窒化珪素(SiN)膜との界面では、この気泡発生が顕著となって密着力が劣り、結果として接続信頼性が大きく低下するおそれがある。
【0009】
回路接続材料において、(メタ)アクリレート誘導体の含有量を減らすことにより、この気泡発生は、ある程度抑制されるが、バインダの凝集力低下により、導電性粒子の反発を抑制することができず、高温高湿下での接続信頼性試験において、回路電極間の抵抗値が大きく変動するおそれがある。
【0010】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、高温高湿処理を受けたときの回路電極間の抵抗値の変動を抑制しながら、窒化珪素膜との界面との密着性を向上させて優れた接続信頼性を発揮することが可能な回路接続材料、及びこの回路接続材料を用いて一対の回路部材を接続する接続方法、並びにその接続方法によって得られる接続構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、本発明の回路接続材料は、(1)ラジカル重合性樹脂と、(2)熱又は光によって遊離ラジカルを発生するラジカル重合開始剤と、(3)側鎖にエチレン性不飽和基を有し、二重結合当量が1000〜12000である反応性アクリルポリマーとを含有することを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決するために、本発明の接続構造体は、回路電極同士が対向するように配置された一対の回路部材の間に、回路接続材料が介在されて、対峙する該回路部材が電気的且つ機械的に接続されてなる接続構造体において、前記回路部材の一方は、表面が窒化珪素膜に覆われており、前記回路接続材料は、(1)ラジカル重合性樹脂と、(2)熱又は光によって遊離ラジカルを発生するラジカル重合開始剤と、(3)側鎖にエチレン性不飽和基を有し、二重結合当量が1000〜12000である反応性アクリルポリマーとを含有することを特徴とする。
【0013】
また、上述した課題を解決するために、本発明の接続方法は、回路電極同士が対向するように配置された一対の回路部材の間に、回路接続材料を介在させて、熱加圧により、対峙する該回路部材を電気的且つ機械的に接続させる接続方法において、前記回路部材の一方は、表面が窒化珪素膜に覆われており、前記回路接続材料として、(1)ラジカル重合性樹脂と、(2)熱又は光によって遊離ラジカルを発生するラジカル重合開始剤と、(3)側鎖にエチレン性不飽和基を有し、二重結合当量が1000〜12000である反応性アクリルポリマーとを含有する回路接続材料を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高温高湿処理を受けたときの回路電極間の抵抗値の変動を抑制しながら、窒化珪素膜との界面との密着性を向上させて優れた接続信頼性を発揮することが可能な回路接続材料、及びこの回路接続材料を用いて一対の回路部材を接続する接続方法、並びにその接続方法によって得られる接続構造体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の具体的な実施の形態(以下、「本実施の形態」という。)について、図面を参照しながら下記の順に詳細に説明する。
<1.回路接続材料>
<2.接続方法>
<3.実施例>
【0016】
<1.回路接続材料>
本実施の形態における回路接続材料は、回路電極同士が対向するように配置された一対の回路部材の間に介在され、対峙するこの回路部材を電気的且つ機械的に接続するものである。本実施の形態における回路接続材料は、絶縁性の接着剤組成物に複数の導電性粒子が分散されてフィルム状に形成された異方性導電フィルムに適用される。
【0017】
絶縁性の接着剤組成物は、ラジカル重合性樹脂である(メタ)アクリレート化合物と、熱又は光によって遊離ラジカルを発生するラジカル重合開始剤と、側鎖にエチレン性不飽和基を有する反応性アクリルポリマーと、フィルム形成樹脂とを含有する。ここで、(メタ)アクリレートには、アクリレートとメタクリレートとが含まれる。
【0018】
(メタ)アクリレート化合物は、異方性導電フィルムが加熱されたときに絶縁性の接着剤組成物内において架橋構造を形成し、これにより、接着剤組成物を硬化させる。
【0019】
ラジカル重合性樹脂である(メタ)アクリレート化合物としては、多官能(メタ)アクリレートモノマー、多官能(メタ)アクリレートオリゴマー、多官能(メタ)アクリレートポリマー等の多官能(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。ラジカル重合性樹脂としては、この多官能(メタ)アクリレート化合物と、単官能(メタ)アクリレートモノマー、単官能(メタ)アクリレートオリゴマー、単官能(メタ)アクリレートポリマー等の単官能(メタ)アクリレート化合物とを併用してもよい。
【0020】
単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、2−メチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ブチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0021】
二官能(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールF―EO変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA―EO変性ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0022】
三官能(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0023】
四官能以上の(メタ)アクリレートとしては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等が挙げられる。その他に、多官能ウレタン(メタ)アクリレートも使用することができる。
【0024】
絶縁性の接着剤組成物中の(メタ)アクリレート化合物の配合量は、少なすぎると接着強度が低下し、多すぎるとフィルム強度が低下してフィルム形状を維持しにくくなるため、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは3〜30質量%である。
【0025】
反応性アクリルポリマーとしては、側鎖にエチレン性不飽和基(−CH=CH)を有するものを使用する。このような反応性アクリルポリマーとしては、例えば側鎖にエチレン性不飽和基を有する反応性アクリルゴム等を挙げることができる。反応性アクリルポリマーのエチレン性不飽和基の量は、二重結合当量により示される。二重結合当量は、[反応性アクリルポリマーの繰り返し構成単位(モノマー)の分子量]/[反応性アクリルポリマーの繰り返し構成単位(モノマー)中の二重結合の数]で定義される。この二重結合当量は、分子中に含まれる二重結合量の尺度となるものであり、同じ分子量であれば、二重結合当量の数値が小さい程、二重結合の導入量が多くなる。
【0026】
反応性アクリルポリマーの二重結合当量は、以下の理由により、1000〜12000であることが好ましい。
【0027】
二重結合当量が小さい、すなわち、反応性アクリルポリマーの二重結合の数が多いと、重合時における反応性アクリルポリマーの硬化収縮が大きくなり、硬化後の内部応力も大きくなる。このため、絶縁性の接着剤組成物の窒化珪素に対する接着性(密着性)は、低下する。
【0028】
一方、二重結合当量が大きい、すなわち、反応性アクリルポリマーの二重結合の数が少ないと、重合時における反応性アクリルポリマーの硬化収縮は小さく、硬化後の内部応力も小さくなる。このため、絶縁性の接着剤組成物の窒化珪素に対する接着性は、向上する。しかしながら、反応性アクリルポリマーが二重結合を有しない、又は反応性アクリルポリマー1分子中の二重結合の数が少なすぎる場合は、反応性アクリルポリマーとラジカル重合性樹脂との結合性が低下し、絶縁性の接着剤組成物が膨張する。このため、対峙する電極間において接着剤組成物が排除しきれなくなり、導通抵抗値は、高くなる。
【0029】
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を1000〜12000とした異方性導電フィルムを用いて回路部材同士を接続することにより、対峙する電極間において導通抵抗値を低い値に維持しながら、絶縁性の接着剤組成物の窒化珪素に対して高い接着性を得ることができる。
【0030】
反応性アクリルポリマーのガラス転移温度(Tg)は、−10℃以下であることが好ましい。Tgが−10℃を超えると、接着性が低下するおそれがある。
【0031】
反応性アクリルポリマーの重合平均分子量(Mw)は、30000〜150000が好ましい。Mwが30000未満であると、ポリマーによる接着強度の確保ができなくなる。Mwが150000を超えると、ゴム性が上がり耐熱性が下がることで、導通抵抗値が高くなる。
【0032】
絶縁性の接着剤組成物中の反応性アクリルポリマーの配合量は、10〜30質量%であることが好ましい。10質量%未満であると、接着性が下がる。30質量%を超えると、ゴム性が高まることから、耐熱性に劣る硬化物となり、導通抵抗値が高くなる。
【0033】
反応性アクリルポリマーの一種である反応性アクリルゴムは、例えば次の方法によって合成することで生成することができる。反応容器内に、所定の質量比の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、メタクリル酸グリシジルと、水とを添加して混合させる。この混合物を撹拌して十分に窒素の置換を行う。次に、この混合物に開始剤としてパーオキサイドを添加して重合反応を開始させる。次に、この側鎖にグリシジル基を有するポリマーに(メタ)アクリル酸を反応させて、二重結合を有する反応性アクリルゴムを生成する。
【0034】
この生成方法において、反応性アクリルポリマーである反応性アクリルゴムの二重結合当量は、メタクリル酸グリシジルの配合量によって制御でき、上述したように、[反応性アクリルポリマーの繰り返し構成単位(モノマー)の分子量]/[反応性アクリルポリマーの繰り返し構成単位(モノマー)中の二重結合の数]から算出される。
【0035】
このように、側鎖にエチレン性不飽和基を有し、二重結合当量が1000〜12000である反応性アクリルポリマーを含有することで、高温高湿処理を受けたときの回路電極間の抵抗値の変動を抑制しながら、窒化珪素膜との界面との密着性を向上させて優れた接続信頼性を発揮することが可能となる。
【0036】
ラジカル重合開始剤は、熱又は光により分解して遊離ラジカルを発生する硬化剤であり、公知のラジカル重合開始剤を選択することができる。例えば、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、アゾビスブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤、レドックス系重合開始剤等が挙げられる。
【0037】
絶縁性の接着剤組成物中のラジカル重合開始剤の配合量は、少なすぎると硬化が不十分となり、多すぎると異方性導電フィルムの凝集力が低下するため、(メタ)アクリレート化合物100質量部に対し、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは3〜7質量部である。
【0038】
膜形成樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、EVA等の熱可塑性エラストマー等を使用することができる。中でも、耐熱性、接着性のために、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、特にフェノキシ樹脂、例えばビスA型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を有するフェノキシ樹脂を挙げることができる。
【0039】
膜形成樹脂は、少なすぎるとフィルムを形成せず、多すぎると電気接続を得るための樹脂の排除性が低くなる傾向があるので、樹脂固形分(重合性アクリル系化合物と膜形成樹脂からなる接着剤組成物)100質量部に対し、80〜30質量部、より好ましくは70〜40質量部である。
【0040】
導電性粒子としては、従来の異方性導電フィルムで用いられている導電性粒子を使用することができ、例えば、金粒子、銀粒子、ニッケル粒子等の金属粒子、ベンゾグアナミン樹脂やスチレン樹脂等の樹脂粒子の表面を金、ニッケル、亜鉛等の金属で被覆した金属被覆樹脂粒子等を挙げることができる。導電性粒子の平均粒径としては、接続信頼性の観点から、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜10μmである。
【0041】
絶縁性の接着剤組成物における導電性粒子の平均粒子密度は、接続信頼性及び絶縁信頼性の観点から、好ましくは500〜50000個/mm、より好ましくは1000〜30000個/mmである。
【0042】
絶縁性の接着剤組成物には、金属に対する接着性を向上させるために、リン酸アクリレートを含有させることができる。
【0043】
さらに、絶縁性の接着剤組成物には、他の添加組成物、例えば各種アクリルモノマー等の希釈用モノマー、充填剤、軟化剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、シランカップリング剤、シリカ微粒子等を含有させることができる。
【0044】
シランカップリング剤を含有させることにより、有機材料と無機材料との界面における接着性が向上される。シリカ微粒子を含有させることにより、貯蔵弾性率、線膨張係数等を調整して接続信頼性を向上させることができる。
【0045】
本実施の形態の異方性導電フィルムは、ラジカル重合性樹脂である(メタ)アクリレート化合物と、ラジカル重合開始剤と、側鎖にエチレン性不飽和基を有する反応性アクリルポリマーと、フィルム形成樹脂とを含有する絶縁性の接着剤組成物に、導電性粒子を公知の分散手法により均一に分散混合し、得られた混合物をシリコーン剥離処理ポリエステルフィルム等の剥離フィルムにバーコータ等の公知の塗布手法により乾燥厚で10〜50μmとなるように塗布し、例えば、50〜90℃の恒温槽に投入して乾燥することにより製造することができる。この異方性導電フィルム上に絶縁性接着フィルムを積層する場合には、異方性導電フィルム上に、絶縁性の接着剤組成物を塗布し、乾燥することで得ることができる。
【0046】
剥離フィルムとしては、例えば、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methlpentene−1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)等にシリコーン等の剥離剤を塗布してなり、異方性導電フィルムの乾燥を防ぐとともに、異方性導電フィルムの形状を維持する。
【0047】
本実施の形態の異方性導電フィルムによれば、側鎖にエチレン性不飽和基を有し、二重結合当量が1000〜12000である反応性アクリルポリマーを含有することで、高温高湿処理を受けたときの回路電極間の抵抗値の変動を抑制しながら、窒化珪素膜との界面との密着性を向上させて優れた接続信頼性を発揮することが可能となる。
<2.接続方法>
【0048】
本実施の形態の異方性導電フィルムを介してLCD(Liquid Crystal Display)パネルを構成するガラス基板と配線材としてのCOF(Chip On Film)とを圧着接続する接続方法を提供する。ガラス基板には、配線電極がファインピッチに形成されている。また、COFには、配線電極の配線パターンに応じて端子電極が形成されている。そして、この接続方法によって、ガラス基板の配線電極とCOFの端子電極とを異方性導電接続することにより、接続構造体を得る。
【0049】
以下、異方性導電フィルムを介してガラス基板とCOFとを圧着接続する接続方法について具体的に説明する。先ず、ガラス基板上の配線電極が形成されている面と、異方性導電フィルムをガラス基板に仮貼りする(仮貼工程)。この仮貼りにおいては、加圧ボンダーの低温に加熱したヘッド部の加圧面を導電性粒子含有層上面に軽く押し当てて低圧で加圧する。加熱温度は、絶縁性の接着剤組成物が流動するが硬化しない程度の低温(例えば60〜80℃のうちの所定の値)である。また、仮貼工程での加圧圧力は、例えば0.5MPa〜2MPaのうちの所定の値である。また、仮貼工程での熱加圧時間は、例えば1〜3秒(sec)のうちの所定の時間である。
【0050】
仮貼工程で異方性導電フィルムを仮貼りした後、異方性導電フィルムの位置合わせ状態を確認し、位置ずれ等の不具合が生じている場合には、この仮貼工程の後に、異方性導電フィルムを剥離して再度異方性導電フィルムを正しい位置で仮貼りするリペア処理を行う(リペア工程)。
【0051】
次いで、バンプと配線電極とを対峙させるようにしてCOFを異方性導電フィルム上に配置する(配置工程)。
【0052】
そして、加圧ボンダーの加熱したヘッド部の加圧面(図示せず)をCOFの上面に押し当ててガラス基板とCOFとを圧着接続させる(接続工程)。
【0053】
接続工程での加圧圧力は、例えば1MPa〜5MPaのうちの所定の値である。また、接続工程での加熱温度は、絶縁性粒子を溶融させるとともに絶縁性の接着剤組成物を硬化させる温度(例えば温度160〜210℃のうちの所定の値)である。また、接続工程での熱加圧時間は、例えば3〜10秒のうちの所定の時間である。
【0054】
このようにして、配線電極とバンプとの間に導電性粒子を挟持させ、接着剤組成物を硬化させる。これにより、ガラス基板とCOFとを電気的及び機械的に接続する。そして、ガラス基板とCOFとが異方性導電接続されてなる接続構造体を得る。得られた接続構造体は、上述したように、絶縁信頼性を良好に維持しながら、優れた接続信頼性及び導通信頼性を発揮することができる。
【0055】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明が前述の実施の形態に限定されるものでないことは言うまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0056】
上述の実施の形態では、異方性導電接着部材として、異方性導電フィルムを用いた。しかしながら、異方性導電接着部材の構造は、これに限定されず、例えば、さらに絶縁性の接着剤層が積層された2層構造の異方性導電フィルムとしてもよい。また、例えば、絶縁性の接着剤組成物に導電性粒子が含まれてなる導電性接着剤ペーストと、絶縁性の接着剤組成物からなる絶縁性接着剤ペーストとからなり、これらを重ねて塗布することで2層の接着剤層としてもよい。
【0057】
また、上述の実施の形態では、ガラス基板として、LCD(Liquid Crystal Display)パネルを構成するガラス基板を使用する場合について説明したが、ガラス基板は、これに限定されず、例えばPDP基板(PDPパネル)、有機EL基板(有機ELパネル)等を構成するガラス基板であってもよい。
【0058】
また、上述の実施の形態では、基板としてガラス基板を用いる場合について説明したが、リジット基板、フレキシブル基板等の他の基板であってもよい。また、上述の実施の形態では、電子部品としてCOFを用いる場合について説明したが、ICチップ、TAB等の他の電子部品であってもよい。
【0059】
また、上述の実施の形態では、本発明をFOG(Film On Glass)に適用する場合について説明したが、本発明は、COG(Chip On Glass)、FOB(Film On Board)等の他の実装方法にも適用できる。
【実施例】
【0060】
以下、本発明の具体的な実施例について実験結果を基に説明する。
【0061】
<実施例1>
フィルム形成樹脂として、ポリエステルウレタン樹脂(商品名:UR8200、東洋紡績株式会社製、メチルエチルケトン/トルエン=50:50の混合溶媒にて20質量%に溶解したもの)を固形分換算で40質量部、側鎖にエチレン性不飽和基を有する反応性アクリルポリマーとして、二重結合当量が12000、Tgが−40℃、重合平均分子量(Mw)が10万の側鎖にエチレン性不飽和基を有する反応性アクリルゴムを20質量部、ラジカル重合性樹脂(商品名:EB−600、ダイセル・サイテック株式会社製)を34質量部、シランカップリング剤(商品名:KBM−503、信越化学株式会社製)1質量部、リン酸アクリレート(商品名:P−1M、共栄化学株式会社製)を1質量部、ラジカル重合開始剤(商品名:パーヘキサC、日本油脂株式会社製)4質量部を含有する絶縁性の接着剤組成物中に、導電性粒子(商品名:AUL704、積水化学工業株式会社製)を粒子密度10000個/mmになるように均一に分散し、導電性粒子含有組成物を剥離フィルム上にバーコータにより塗布して乾燥させ、厚み15μmの回路接続材料を作製した。
【0062】
ここで、反応性アクリルポリマーは、次の合成方法によって合成し、生成した。反応容器内に、メタクリル酸グリシジル及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーの合計50質量部と、水600質量部とを添加して混合させた。この混合物を撹拌して十分に窒素の置換を行った。次に、この混合物に開始剤としてパーオキサイド0.5質量部を添加して重合反応を開始させた。次に、この側鎖にグリシジル基を有するポリマーに(メタ)アクリル酸を反応させて二重結合を有する反応性アクリルポリマー(反応性アクリルゴム)を生成した。
【0063】
ここでは、メタクリル酸グリシジルの配合量を制御することで、二重結合当量が12000である反応性アクリルポリマーを生成した。
【0064】
次に、作製した異方性導電フィルムを介してガラス基板とCOF(50μmP、Cu8μmt−Snメッキ、38μmt−S’perflex基材)とを接続する処理を行った。ここで、ガラス基板としては、後の導通抵抗値測定用としてIZOコーティングガラス基板(全表面IZOコート、ガラス厚0.7mm)、接続強度測定用としてSiNコーティングガラス基板(全表面SiNコート)を用いた。先ず、ガラス基板上の配線電極が形成されている面上に、異方性導電フィルムを1.5mm幅にスリットしてガラス基板上に仮貼りした(仮貼工程)。この仮貼りにおいては、加圧ボンダーの低温に加熱したヘッド部の加圧面を導電性粒子含有層上面に軽く押し当てて低圧で加圧した。加熱温度は、絶縁性粒子が溶解せず、絶縁性の接着剤組成物が流動するが硬化しない程度の低温である70℃とした。また、仮貼工程での加圧圧力は、1MPaとした。また、仮貼工程での熱加圧時間は、2秒とした。
【0065】
次いで、COFの端子電極とガラス基板の配線電極とを対峙させるようにしてCOFを異方性導電フィルム上に配置した(配置工程)。
【0066】
そして、加圧ボンダーの加熱したヘッド部の加圧面(1.5mm幅)を緩衝材(100μmtテフロン(登録商標))を介してCOFの上面に押し当ててガラス基板とCOFとを圧着接続させた(接続工程)。
【0067】
接続工程での加圧圧力は、4MPaとした。また、接続工程での加熱温度は、190℃とした。また、接続工程での熱加圧時間は、5秒とした。
【0068】
このようにして、配線電極とバンプとの間に導電性粒子を挟持させ、接着剤組成物を硬化させてガラス基板とCOFとを電気的及び機械的に接続し、接続構造体を得た。
【0069】
<実施例2>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を10000とした以外は、実施例1の同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0070】
<実施例3>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を5000とした以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0071】
<実施例4>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を1000とした以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0072】
<実施例5>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を5000とし、Tgが−30℃である以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0073】
<実施例6>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を5000とし、Tgが−20℃である以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0074】
<実施例7>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を5000とし、Tgが−10℃である以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0075】
<実施例8>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を5000とし、Tgが0℃である以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0076】
<実施例9>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を5000とし、Mwが1万である以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0077】
<実施例10>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を5000とし、Mwが3万である以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0078】
<実施例11>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を5000とし、Mwが5万である以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0079】
<実施例12>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を5000とし、Mwが15万である以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0080】
<実施例13>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を5000とし、Mwが20万である以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0081】
<実施例14>
反応性アクリルゴムの二重結合当量を5000とし、反応性アクリルゴムの配合量が5質量部(5質量%)であり、ラジカル重合性樹脂の配合量が49質量部(49質量%)である以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0082】
<実施例15>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を5000とし、反応性アクリルゴムの配合量が10質量部(10質量%)であり、ラジカル重合性樹脂の配合量が44質量部(44質量%)である以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0083】
<実施例16>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を5000とし、反応性アクリルゴムの配合量が30質量部(30質量%)であり、ラジカル重合性樹脂の配合量が24質量部(24質量%)である以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0084】
<実施例17>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を5000とし、反応性アクリルゴムの配合量が35質量部(35質量%)であり、ラジカル重合性樹脂の配合量が19質量部(19質量%)である以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0085】
<比較例1>
フィルム形成樹脂として、ポリエステルウレタン樹脂(商品名:UR8200、東洋紡績株式会社製、メチルエチルケトン/トルエン=50:50の混合溶媒にて20質量%に溶解したもの)を固形分換算で60質量部、ラジカル重合性樹脂(商品名:KBM−503、信越化学株式会社製)34質量部、シランカップリング剤(商品名:KBM−503、信越化学株式会社製)1質量部、リン酸アクリレート(商品名:P−1M、共栄化学株式会社製)を1質量部、ラジカル重合開始剤(商品名:パーヘキサC、日本油脂株式会社製)4質量部で構成された接着剤中に導電性粒子(商品名:AUL704、積水化学工業株式会社製)を粒子密度10000個/mmになるように分散させた厚み15μmの回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。このように、比較例1では、反応性アクリルポリマーを含有させなかった。
【0086】
<比較例2>
反応性アクリルポリマーとして、二重結合を有さず、Tgが−40℃、重合平均分子量(Mw)が10万の反応性アクリルゴムを20質量部含有させた以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0087】
<比較例3>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を15000とした以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0088】
<比較例4>
反応性アクリルポリマーの二重結合当量を500とした以外は、実施例1と同様の条件により、回路接続材料を作製し、実施例1と同様の処理により、接続構造体を得た。
【0089】
[導通抵抗値の測定]
実施例1〜17及び比較例1〜4で作製した接続構造体について、初期(Initial)の導通抵抗と、温度85℃、湿度85%RH、500時間のTHテスト(Thermal Humidity Test)後の導通抵抗を測定した。測定は、デジタルマルチメーター(デジタルマルチメーター7555、横河電機株式会社製)を用いて4端子法にて電流1mAを流したときの接続抵抗を測定した。
【0090】
[接続強度の測定]
実施例1〜17、比較例1〜4の初期(Initial)の接続構造体について、引張試験機(テンシロン、オリエンテック社製)を用いて剥離速度50mm/分で90度(Y軸方向)に引き上げ、接着強度(N/cm)を測定した。また、実施例1〜17、比較例1〜4の温度85℃、湿度85%RH、500時間のTHテスト(Thermal Humidity Test)後の接続構造体について、同様にして接着強度を測定した。
【0091】
実施例1〜17及び比較例1〜4の条件、導通抵抗値及び接続強度の測定結果をまとめたものを[表1]に示す。
【0092】
【表1】

【0093】
実施例1〜17では、側鎖にエチレン性不飽和基を有する反応性アクリルゴムの二重結合当量が1000〜12000であることから、この反応性アクリルゴムの重合時における硬化収縮及び硬化後の内部応力が良好となり、異方性導電フィルムの窒化珪素膜に対する接着性が高くなると考えられる。これとともに、反応性アクリルゴムとラジカル重合性樹脂との二重結合による結合性も良好となることで、異方性導電フィルムの絶縁性の接着剤組成物が膨張しないため、導通抵抗値は良好となると考えられる。
【0094】
一方、比較例1では、側鎖にエチレン性不飽和基を有する反応性アクリルポリマーを含有させていないため、異方性導電フィルムの窒化珪素膜に対する接着性が低下すると考えられる。
【0095】
また、比較例2では、二重結合を有しない反応性アクリルポリマーを含有させたことから、反応性アクリルゴムとラジカル重合性樹脂との結合性が悪く、異方性導電フィルムの絶縁性の接着剤組成物が膨張し、結果的に導通抵抗値は高くなると考えられる。
【0096】
また、比較例3では、側鎖にエチレン性不飽和基を有する反応性アクリルゴムの二重結合当量が15000であることから、反応性アクリルポリマーとラジカル重合性樹脂との結合性が低下して絶縁性の接着剤組成物が膨張し、そのため、対峙する電極間において接着剤組成物が排除しきれなくなり、結果として導通抵抗値は高くなると考えられる。
【0097】
また、比較例4では、側鎖にエチレン性不飽和基を有する反応性アクリルゴムの二重結合当量が500であることから、重合時における反応性アクリルポリマーの硬化収縮が大きく、硬化後の内部応力も大きくなるため、異方性導電フィルムの窒化珪素膜に対する接着性が低下すると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)ラジカル重合性樹脂と、
(2)熱又は光によって遊離ラジカルを発生するラジカル重合開始剤と、
(3)側鎖にエチレン性不飽和基を有し、二重結合当量が1000〜12000である反応性アクリルポリマーと
を含有する回路接続材料。
【請求項2】
前記反応性アクリルポリマーのガラス転移温度(Tg)は、−10℃以下である請求項1記載の回路接続材料。
【請求項3】
前記反応性アクリルポリマーの重量平均分子量(Mw)は、30000〜150000である請求項1又は2記載の回路接続材料。
【請求項4】
当該回路接続材料に含まれる接着剤組成物中の前記反応性アクリルポリマーの配合量は、10〜30質量%である請求項1乃至3の何れか1項記載の回路接続材料。
【請求項5】
回路電極同士が対向するように配置された一対の回路部材の間に、回路接続材料が介在されて、対峙する該回路部材が電気的且つ機械的に接続されてなる接続構造体において、
前記回路部材の一方は、表面が窒化珪素膜に覆われており、
前記回路接続材料は、
(1)ラジカル重合性樹脂と、
(2)熱又は光によって遊離ラジカルを発生するラジカル重合開始剤と、
(3)側鎖にエチレン性不飽和基を有し、二重結合当量が1000〜12000である反応性アクリルポリマーと
を含有する接続構造体。
【請求項6】
回路電極同士が対向するように配置された一対の回路部材の間に、回路接続材料を介在させて、熱加圧により、対峙する該回路部材を電気的且つ機械的に接続させる接続方法において、
前記回路部材の一方は、表面が窒化珪素膜に覆われており、
前記回路接続材料として、
(1)ラジカル重合性樹脂と、
(2)熱又は光によって遊離ラジカルを発生するラジカル重合開始剤と、
(3)側鎖にエチレン性不飽和基を有し、二重結合当量が1000〜12000である反応性アクリルポリマーと
を含有する回路接続材料を用いる接続方法。

【公開番号】特開2012−41540(P2012−41540A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2011−206378(P2011−206378)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000108410)ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 (595)
【Fターム(参考)】