回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法
【課題】 粘着層をあえて導電化しなくても電子部品の静電破壊を抑制防止できる回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法を提供する。
【解決手段】 フレキシブルプリント回路板10を搭載する位置決め治具上に積層され、位置決め治具のフレキシブルプリント回路板10を粘着層により粘着保持するキャリア治具20と、キャリア治具20に重ねられ、電子部品12の実装されたフレキシブルプリント回路板10をキャリア治具20から取り外す分離治具30とを備え、分離治具30から突出する位置決めピン31と、分離治具30から突出してキャリア治具20に挿通され、キャリア治具20の粘着層に粘着保持されたフレキシブルプリント回路板10をキャリア治具20から取り外す分離ピン32とを含む。分離治具30、位置決めピン31、及び分離ピン32の少なくともいずれかに導電性を付与し、かつ接地して電子部品12の静電破壊を抑制する。
【解決手段】 フレキシブルプリント回路板10を搭載する位置決め治具上に積層され、位置決め治具のフレキシブルプリント回路板10を粘着層により粘着保持するキャリア治具20と、キャリア治具20に重ねられ、電子部品12の実装されたフレキシブルプリント回路板10をキャリア治具20から取り外す分離治具30とを備え、分離治具30から突出する位置決めピン31と、分離治具30から突出してキャリア治具20に挿通され、キャリア治具20の粘着層に粘着保持されたフレキシブルプリント回路板10をキャリア治具20から取り外す分離ピン32とを含む。分離治具30、位置決めピン31、及び分離ピン32の少なくともいずれかに導電性を付与し、かつ接地して電子部品12の静電破壊を抑制する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FPCやPCB(プリント回路板)等からなる回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気、電子、通信等の分野で使用されるフレキシブルプリント回路板(FPC)は、複数のコンデンサ、抵抗素子、IC、LSI等の各種電子部品が実装されるが、可撓性や軽量性に優れ、しかも、薄いので、部品実装ラインに単独で投入するのが困難であるという特徴がある。
この点に鑑み、従来においては、図示しない硬質のキャリア上にシリコーンゴム等の粘着層を介して仮固定され、この仮固定の状態で部品実装ラインに投入され、リフローソルダリング(reflow soldering)される(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、部品実装作業においては、はんだ材料の印刷精度、電子部品の装着精度、均一加熱等の観点から様々な対策が求められるが、電子部品が耐電圧の低いICやLSI等の場合には、静電対策が重要となる。すなわち、部品実装作業に際しては、リフローマシンからフレキシブルプリント回路板に熱風が吹き付けられるので、絶縁性のフレキシブルプリント回路板が熱風との摩擦に伴い否応なく帯電し、この帯電した電荷がフレキシブルプリント回路板のキャリアからの剥離で放電し、ICやLSI等の電子部品が静電破壊することがある。
【0004】
そこで、従来においては、キャリアの粘着層を導電化して電子部品の静電破壊を抑制防止する方法が提案されている(特許文献2参照)。具体的には、(1)粘着層に金属粉末やカーボン粉末等を混練して導電化する方法、(2)粘着層に表面活性剤を塗布・含浸してその湿度により静電破壊を抑制防止する方法、(3)粘着層にリチウム等の軽く動きやすいイオンを混練して導電化する方法が提案されている。
【特許文献1】特開2002‐338916号公報
【特許文献2】特開平08‐45599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来においては、以上のようにキャリアの粘着層を導電化して電子部品の静電破壊を抑制防止する方法が提案されているが、何れの方法にも問題がある。
先ず、(1)の方法の場合には、例えばシリコーンゴム100重量部に対して金属粉末を200〜500重量部添加したり、カーボン粉末を20〜100重量部添加しなければならないので、ゴム硬度が上昇して粘着層の粘着力を低下させるという大きな問題が新たに生じることとなる。また、キャリアを繰り返して使用すると、粘着層が徐々に磨耗して金属粉末やカーボン粉末をフレキシブルプリント回路板に脱離付着させ、フレキシブルプリント回路板の絶縁性の低下を招くという大きな問題が別に生じることとなる。
【0006】
また、(2)の方法の場合には、フレキシブルプリント回路板がキャリアから剥離される前に、リフローマシンの加熱冷却作用で粘着層やその周囲が乾燥し、低湿度化されてしまうので、フレキシブルプリント回路板が剥離される際に十分な静電対策効果を得ることができないおそれが少なくない。
【0007】
さらに、(3)の方法の場合には、イオンが適度に動くときはともかく、過剰に動くときは、フレキシブルプリント回路板に対してイオンコンタミ等の悪影響を及ぼすという重大な問題が生じる。
【0008】
本発明は上記に鑑みなされたもので、粘着層をあえて導電化しなくても電子部品の静電破壊を抑制防止することのできる回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明においては上記課題を解決するため、薄い回路板を位置決め搭載する位置決め治具に積層(積み重ねる)され、位置決め治具の回路板を粘着層を介し着脱自在に粘着保持するキャリア治具と、このキャリア治具に重ねられ、電子部品の実装された回路板をキャリア治具から取り外す分離治具とを備えたものであって、
分離治具から突出する複数の位置決めピンと、分離治具から突出してキャリア治具に挿入され、キャリア治具の粘着層に粘着保持された回路板をキャリア治具から取り外す複数の分離ピンとを含み、
分離治具、複数の位置決めピン、及び複数の分離ピンの少なくともいずれかに導電性を付与し、かつ接地して回路板に実装された電子部品の静電破壊を抑制するようにしたことを特徴としている。
【0010】
なお、位置決めピンと分離ピンの少なくともいずれかの先端部に、長手方向に指向する切り欠きを形成することができる。
【0011】
また、本発明においては上記課題を解決するため、請求項1又は2に記載された回路板の実装接合具を用いる回路板の実装接合方法であって、
位置決め治具上に薄い回路板を位置決め搭載し、この位置決め治具上にキャリア治具を積層してその粘着層を回路板に粘着させるとともに、位置決め治具を取り外してキャリア治具に粘着保持された回路板から引き離し、キャリア治具に粘着保持された回路板にはんだを塗布してリフローソルダリングし、その後、分離治具にキャリア治具を複数の位置決めピンを介して積層し、かつ分離治具の複数の分離ピンによりキャリア治具から回路板を取り外すことを特徴としている。
【0012】
ここで、特許請求の範囲における薄い回路板には、少なくとも単数複数のFPC、PCB、高密度フレキシブル基板等が含まれる。この回路基板は、可撓性、片面基板、両面基板等を特に問うものではない。位置決め治具に回路板を位置決め搭載する際、1枚の回路板を配置しても良いし、回路板を1×2、1×3、2×2等のマトリックスに並べて配置しても良いし、さらには複数枚の回路板を着脱自在に積層し、この積層した状態で1×2、2×2、2×3等のマトリックスに並べても良い。
【0013】
電子部品には、少なくとも単数複数のコンデンサや抵抗素子等からなる受動部品、耐電圧が低く、静電気に弱いIC、LSI、フォトダイオード等からなる能動部品が含まれる。さらに、分離治具、位置決めピン、及び又は分離ピンは、導電性が付与され、接地されて静電対策の施されることが好ましい。これらのピンは円柱形や角柱形等でも良いし、ピンの先端部は半球形、錐形、杭形等でも良い。
【0014】
本発明によれば、分離治具にキャリア治具を複数の位置決めピンを介して重ね、分離ピンとキャリア治具とを嵌め通して分離ピンを電子部品が実装された回路板に接触させ、この回路板を分離ピンにより押し上げて取り外す。分離治具、位置決めピン、及び又は分離ピンがグラウンドされるので、帯電した回路板がキャリア治具からの剥離に伴い放電し、耐電圧の低い電子部品等が電荷の放電で損傷したり、壊れるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、粘着層をあえて導電化しなくても、静電気に弱い電子部品等の静電破壊を抑制あるいは防止することができるという効果がある。
また、位置決めピンと分離ピンの少なくともいずれかの先端部に、長手方向に指向する切り欠きを形成すれば、割ピン化されたピンがキャリア治具に密接するので、キャリア治具の電荷をGNDに落とし、静電破壊をより確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法は、図1ないし図10に示すように、表面から複数の位置決めピン2を突出させた位置決め治具1と、粘着層21に可撓性のフレキシブルプリント回路板10を着脱自在に粘着保持する導電性のキャリア治具20と、表面から位置決めピン2と分離ピン32とをそれぞれ複数突出させた導電性の分離治具30とを用いて絶縁性のフレキシブルプリント回路板10に各種の電子部品12を実装接合するようにしている。
【0017】
位置決め治具1は、図1等に示すように、例えば硬質の材料を使用して少なくとも表面が平坦な平面矩形の板に形成され、表面の四隅部に円柱形の位置決めピン2がそれぞれ起立して突出形成されており、この複数の位置決めピン2にフレキシブルプリント回路板10やキャリア治具20の四隅部が着脱自在に嵌通される。
【0018】
フレキシブルプリント回路板10は、図1、図3、図6、図7等に示すように、例えばポリイミドフィルム、銅箔、銅張積層板等を使用して薄く軽く形成され、位置決め治具1の表面よりもやや小さく形成されており、四隅部には、位置決め治具1の位置決めピン2に貫通される位置決め孔11がそれぞれ丸く穿孔される。
【0019】
キャリア治具20は、図2や図4等に示すように、例えばアルミ等の金属や導電性ガラエポ等の材料を使用して少なくとも表面が平坦な平面矩形の板に形成され、位置決め治具1の表面と略同等の大きさに形成されており、平坦な表面に、対向するフレキシブルプリント回路板10を着脱自在に粘着保持する耐熱性の粘着層21が接着される。このキャリア治具20は、その表面にフレキシブルプリント回路板10取り外し用のアライメントホール22やフレキシブルプリント回路板10の端子部との接触を回避する矩形の貫通孔23がそれぞれ複数穿孔され、四隅部には、位置決め治具1の位置決めピン2に貫通される位置決め孔24がそれぞれ丸く穿孔される。
【0020】
粘着層21は、例えばシリコーン、フッ素対応ゴム、アクリルゴム、ポリイミドシリコーン、ウレタンゴム等からなり、粘着面である表面が鏡面加工により弱粘着面25に形成されており、キャリア治具20の表面に接着層と補強層とを介して接着される。この粘着層21は、絶縁性でも良いが、導電性を特に排除するものではない。また、接着層は、例えば未硬化のシリコーン樹脂等により厚さ500μm以下のフィルム形に形成される。補強層は、例えば樹脂フィルム、金属薄膜、ガラスクロス等を使用して厚さ50μm以下のフィルム形に形成しても良い。
【0021】
分離治具30は、図8ないし図10に示すように、例えばアルミ等の金属や導電性ガラエポ等の材料を使用して少なくとも表面が平坦な平面多角形の板に形成され、表面の四隅部には、キャリア治具20の位置決め孔24を着脱自在に貫通する位置決めピン31がそれぞれ起立して突出形成されており、表面には、キャリア治具20のアライメントホール22を貫通する複数の分離ピン32が所定の間隔で並べて突出形成される。
【0022】
分離ピン32は、導電性の材料を使用して円柱形の位置決めピン31よりも低く形成され、先端部が略半球形に湾曲されており、グラウンド電位にするため低インピーダンス化された接地線により接地される。導電性の材料としては、例えばアルミ等の金属、導電性ガラエポ、導電性樹脂、絶縁性の樹脂に導電化処理を部分的に施した材料等があげられる。
【0023】
上記において、フレキシブルプリント回路板10に複数の各種電子部品12を実装接合する場合には、先ず、位置決め治具1の表面にフレキシブルプリント回路板10を複数の位置決めピン2を介し上方から位置決め配置(図1参照)し、位置決め治具1の表面に、表裏逆にしたキャリア治具20を複数の位置決めピン2を介して上方から均一に圧下積層(図3参照)するとともに、フレキシブルプリント回路板10の裏面に粘着層21の弱粘着面25を粘着し、位置決め治具1を下方に取り外してフレキシブルプリント回路板10やキャリア治具20から引き離す(図5参照)。
【0024】
次いで、キャリア治具20を反転させて粘着層21に粘着保持されたフレキシブルプリント回路板10を上向きにし(図6参照)、リフローソルダリングの準備としてフレキシブルプリント回路板10の表面に、リフローはんだをスクリーン印刷法等により塗布し、このフレキシブルプリント回路板10に複数の電子部品12をマウンタによりそれぞれ搭載する(図7参照)。
【0025】
こうして電子部品12を装着したら、リフローソルダリングすべく、フレキシブルプリント回路板10を粘着保持したキャリア治具20を図示しないコンベヤタイプのリフローマシンにセットして加熱し、フレキシブルプリント回路板10のリフローはんだを熱雰囲気状態で溶融させて電子部品12をはんだ付けし、リフローマシンの下流で冷却して取り外す。この際、リフローマシンからフレキシブルプリント回路板10に熱風が吹き付けられるので、フレキシブルプリント回路板10が熱風との摩擦に伴い否応なく帯電する。
【0026】
そしてその後、分離治具30の表面に、キャリア治具20を複数の位置決めピン31を介し上方から積層(図8参照)するとともに、接地された分離ピン32とキャリア治具20のアライメントホール22とを挿通させて分離ピン32を電子部品12が表面実装されたフレキシブルプリント回路板10に圧接し、このフレキシブルプリント回路板10を分離ピン32により押し上げて剥離すれば(図9参照)、フレキシブルプリント回路板10に複数の電子部品12を実装接合する一連の作業が終了する。
【0027】
上記によれば、分離治具30の分離ピン32が静電破壊防止の観点から接地されているので、フレキシブルプリント回路板10がキャリア治具20からの剥離に伴い放電し、その結果、電子部品12が電荷の放電により損傷したり、破壊するのをきわめて有効に防ぐことができる。また、粘着層20をあえて導電化する必要がないので、粘着層20の硬度が上昇して粘着層20の粘着力が低下したり、金属粉末やカーボン粉末がフレキシブルプリント回路板10に付着し、フレキシブルプリント回路板10の絶縁性の低下を招くおそれもない。
【0028】
また、フレキシブルプリント回路板10が剥離される際に十分な静電対策効果を得ることができるし、フレキシブルプリント回路板10に対してイオンコンタミ等の悪影響を及ぼすことが全くない。また、位置決め治具1の表面に、キャリア治具20を上方から均一に圧下し、フレキシブルプリント回路板10に粘着層21を上方から粘着するので、専用の治具を使用することなく、フレキシブルプリント回路板10に加圧力を均一に作用させることができ、これを通じて良好な仮固定の状態を容易に得ることができる。
【0029】
また、フレキシブルプリント回路板10を手やピンセットではなく、複数の分離ピン32により押し上げてキャリア治具20から剥がすので、作業性や利便性が向上する他、フレキシブルプリント回路板10の汚染や損傷を有効に抑制防止することが可能になる。さらに、電子部品12をリフローソルダリングするので、不純物の汚染なくして高密度実装することができる他、微小箇所を正確かつ能率的に接合することが可能になる。
【0030】
次に、図11は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、分離治具30の全部又は一部の位置決めピン31の先端部を長手方向に切り欠いて径方向に拡縮可能に割りピン化し、この割られて外方向にやや広がる先端部をキャリア治具20の位置決め孔24に密嵌させるようにし、かつこの位置決めピン31をも接地するようにしている。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0031】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、割ピン化された位置決めピン31がキャリア治具20の位置決め孔24に密接するので、キャリア治具20に帯電した電荷を確実にGNDに落とし、静電破壊をより確実に防止することができるのは明らかである。また、全部又は一部の位置決めピン31を割りピン化する際、この位置決めピン31の最先端部を縮径にして細くし、中央部を拡径にして太くすれば、キャリア治具20の位置決め孔24に対する挿入が容易になり、完全な嵌入の前に拡径の中央部付近で早くアースすることもできる。
【0032】
なお、上記実施形態では位置決め治具1の四隅部に位置決めピン2をそれぞれ突出形成したが、何らこれに限定されるものではなく、位置決め治具1の周縁部に複数の位置決めピン2を突出形成しても良い。また、フレキシブルプリント回路板10の四隅部ではなく、周縁部に複数の位置決め孔11を穿孔しても良いし、キャリア治具20の周縁部に複数の位置決め孔24を穿孔しても良い。
【0033】
また、粘着層21をキャリア治具20に接着層と補強層とを介して接着したが、何らこれに限定されるものではなく、キャリア治具20の表面に直接接着することもできる。また、キャリア治具20の表面に作業者が必要に応じて単数複数の粘着層21を接着するようにしても良い。また、分離治具30、位置決めピン31、及び分離ピン32をそれぞれ接地することも可能である。さらに、電子部品12の静電破壊を防止することができるのであれば、分離治具30に導電性を付与して接地し、位置決めピン31や分離ピン32に絶縁性を付与することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の実施形態を示す斜視全体説明図である。
【図2】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の実施形態におけるキャリア治具を示す斜視説明図である。
【図3】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の実施形態における位置決め治具にキャリア治具を上方から積層する状態を示す斜視説明図である。
【図4】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の実施形態におけるキャリア治具を示す断面説明図である。
【図5】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の実施形態における位置決め治具を取り外してキャリア治具から引き離す状態を示す斜視説明図である。
【図6】図5のキャリア治具を反転させた状態を示す斜視説明図である。
【図7】図6のキャリア治具に電子部品を搭載した状態を示す斜視説明図である。
【図8】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の実施形態における分離治具にキャリア治具を介し上方から積層する状態を示す斜視説明図である。
【図9】図8のフレキシブルプリント回路板を分離ピンにより押し上げて剥離する状態を示す斜視説明図である。
【図10】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の実施形態における分離治具を示す断面説明図である。
【図11】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の第2の実施形態における分離治具を示す断面説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1 位置決め治具
2 位置決めピン
10 フレキシブルプリント回路板(回路板)
11 位置決め孔
12 電子部品
20 キャリア治具
21 粘着層
22 アライメントホール
23 貫通孔
24 位置決め孔
30 分離治具
31 位置決めピン
32 分離ピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、FPCやPCB(プリント回路板)等からなる回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気、電子、通信等の分野で使用されるフレキシブルプリント回路板(FPC)は、複数のコンデンサ、抵抗素子、IC、LSI等の各種電子部品が実装されるが、可撓性や軽量性に優れ、しかも、薄いので、部品実装ラインに単独で投入するのが困難であるという特徴がある。
この点に鑑み、従来においては、図示しない硬質のキャリア上にシリコーンゴム等の粘着層を介して仮固定され、この仮固定の状態で部品実装ラインに投入され、リフローソルダリング(reflow soldering)される(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、部品実装作業においては、はんだ材料の印刷精度、電子部品の装着精度、均一加熱等の観点から様々な対策が求められるが、電子部品が耐電圧の低いICやLSI等の場合には、静電対策が重要となる。すなわち、部品実装作業に際しては、リフローマシンからフレキシブルプリント回路板に熱風が吹き付けられるので、絶縁性のフレキシブルプリント回路板が熱風との摩擦に伴い否応なく帯電し、この帯電した電荷がフレキシブルプリント回路板のキャリアからの剥離で放電し、ICやLSI等の電子部品が静電破壊することがある。
【0004】
そこで、従来においては、キャリアの粘着層を導電化して電子部品の静電破壊を抑制防止する方法が提案されている(特許文献2参照)。具体的には、(1)粘着層に金属粉末やカーボン粉末等を混練して導電化する方法、(2)粘着層に表面活性剤を塗布・含浸してその湿度により静電破壊を抑制防止する方法、(3)粘着層にリチウム等の軽く動きやすいイオンを混練して導電化する方法が提案されている。
【特許文献1】特開2002‐338916号公報
【特許文献2】特開平08‐45599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来においては、以上のようにキャリアの粘着層を導電化して電子部品の静電破壊を抑制防止する方法が提案されているが、何れの方法にも問題がある。
先ず、(1)の方法の場合には、例えばシリコーンゴム100重量部に対して金属粉末を200〜500重量部添加したり、カーボン粉末を20〜100重量部添加しなければならないので、ゴム硬度が上昇して粘着層の粘着力を低下させるという大きな問題が新たに生じることとなる。また、キャリアを繰り返して使用すると、粘着層が徐々に磨耗して金属粉末やカーボン粉末をフレキシブルプリント回路板に脱離付着させ、フレキシブルプリント回路板の絶縁性の低下を招くという大きな問題が別に生じることとなる。
【0006】
また、(2)の方法の場合には、フレキシブルプリント回路板がキャリアから剥離される前に、リフローマシンの加熱冷却作用で粘着層やその周囲が乾燥し、低湿度化されてしまうので、フレキシブルプリント回路板が剥離される際に十分な静電対策効果を得ることができないおそれが少なくない。
【0007】
さらに、(3)の方法の場合には、イオンが適度に動くときはともかく、過剰に動くときは、フレキシブルプリント回路板に対してイオンコンタミ等の悪影響を及ぼすという重大な問題が生じる。
【0008】
本発明は上記に鑑みなされたもので、粘着層をあえて導電化しなくても電子部品の静電破壊を抑制防止することのできる回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明においては上記課題を解決するため、薄い回路板を位置決め搭載する位置決め治具に積層(積み重ねる)され、位置決め治具の回路板を粘着層を介し着脱自在に粘着保持するキャリア治具と、このキャリア治具に重ねられ、電子部品の実装された回路板をキャリア治具から取り外す分離治具とを備えたものであって、
分離治具から突出する複数の位置決めピンと、分離治具から突出してキャリア治具に挿入され、キャリア治具の粘着層に粘着保持された回路板をキャリア治具から取り外す複数の分離ピンとを含み、
分離治具、複数の位置決めピン、及び複数の分離ピンの少なくともいずれかに導電性を付与し、かつ接地して回路板に実装された電子部品の静電破壊を抑制するようにしたことを特徴としている。
【0010】
なお、位置決めピンと分離ピンの少なくともいずれかの先端部に、長手方向に指向する切り欠きを形成することができる。
【0011】
また、本発明においては上記課題を解決するため、請求項1又は2に記載された回路板の実装接合具を用いる回路板の実装接合方法であって、
位置決め治具上に薄い回路板を位置決め搭載し、この位置決め治具上にキャリア治具を積層してその粘着層を回路板に粘着させるとともに、位置決め治具を取り外してキャリア治具に粘着保持された回路板から引き離し、キャリア治具に粘着保持された回路板にはんだを塗布してリフローソルダリングし、その後、分離治具にキャリア治具を複数の位置決めピンを介して積層し、かつ分離治具の複数の分離ピンによりキャリア治具から回路板を取り外すことを特徴としている。
【0012】
ここで、特許請求の範囲における薄い回路板には、少なくとも単数複数のFPC、PCB、高密度フレキシブル基板等が含まれる。この回路基板は、可撓性、片面基板、両面基板等を特に問うものではない。位置決め治具に回路板を位置決め搭載する際、1枚の回路板を配置しても良いし、回路板を1×2、1×3、2×2等のマトリックスに並べて配置しても良いし、さらには複数枚の回路板を着脱自在に積層し、この積層した状態で1×2、2×2、2×3等のマトリックスに並べても良い。
【0013】
電子部品には、少なくとも単数複数のコンデンサや抵抗素子等からなる受動部品、耐電圧が低く、静電気に弱いIC、LSI、フォトダイオード等からなる能動部品が含まれる。さらに、分離治具、位置決めピン、及び又は分離ピンは、導電性が付与され、接地されて静電対策の施されることが好ましい。これらのピンは円柱形や角柱形等でも良いし、ピンの先端部は半球形、錐形、杭形等でも良い。
【0014】
本発明によれば、分離治具にキャリア治具を複数の位置決めピンを介して重ね、分離ピンとキャリア治具とを嵌め通して分離ピンを電子部品が実装された回路板に接触させ、この回路板を分離ピンにより押し上げて取り外す。分離治具、位置決めピン、及び又は分離ピンがグラウンドされるので、帯電した回路板がキャリア治具からの剥離に伴い放電し、耐電圧の低い電子部品等が電荷の放電で損傷したり、壊れるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、粘着層をあえて導電化しなくても、静電気に弱い電子部品等の静電破壊を抑制あるいは防止することができるという効果がある。
また、位置決めピンと分離ピンの少なくともいずれかの先端部に、長手方向に指向する切り欠きを形成すれば、割ピン化されたピンがキャリア治具に密接するので、キャリア治具の電荷をGNDに落とし、静電破壊をより確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法は、図1ないし図10に示すように、表面から複数の位置決めピン2を突出させた位置決め治具1と、粘着層21に可撓性のフレキシブルプリント回路板10を着脱自在に粘着保持する導電性のキャリア治具20と、表面から位置決めピン2と分離ピン32とをそれぞれ複数突出させた導電性の分離治具30とを用いて絶縁性のフレキシブルプリント回路板10に各種の電子部品12を実装接合するようにしている。
【0017】
位置決め治具1は、図1等に示すように、例えば硬質の材料を使用して少なくとも表面が平坦な平面矩形の板に形成され、表面の四隅部に円柱形の位置決めピン2がそれぞれ起立して突出形成されており、この複数の位置決めピン2にフレキシブルプリント回路板10やキャリア治具20の四隅部が着脱自在に嵌通される。
【0018】
フレキシブルプリント回路板10は、図1、図3、図6、図7等に示すように、例えばポリイミドフィルム、銅箔、銅張積層板等を使用して薄く軽く形成され、位置決め治具1の表面よりもやや小さく形成されており、四隅部には、位置決め治具1の位置決めピン2に貫通される位置決め孔11がそれぞれ丸く穿孔される。
【0019】
キャリア治具20は、図2や図4等に示すように、例えばアルミ等の金属や導電性ガラエポ等の材料を使用して少なくとも表面が平坦な平面矩形の板に形成され、位置決め治具1の表面と略同等の大きさに形成されており、平坦な表面に、対向するフレキシブルプリント回路板10を着脱自在に粘着保持する耐熱性の粘着層21が接着される。このキャリア治具20は、その表面にフレキシブルプリント回路板10取り外し用のアライメントホール22やフレキシブルプリント回路板10の端子部との接触を回避する矩形の貫通孔23がそれぞれ複数穿孔され、四隅部には、位置決め治具1の位置決めピン2に貫通される位置決め孔24がそれぞれ丸く穿孔される。
【0020】
粘着層21は、例えばシリコーン、フッ素対応ゴム、アクリルゴム、ポリイミドシリコーン、ウレタンゴム等からなり、粘着面である表面が鏡面加工により弱粘着面25に形成されており、キャリア治具20の表面に接着層と補強層とを介して接着される。この粘着層21は、絶縁性でも良いが、導電性を特に排除するものではない。また、接着層は、例えば未硬化のシリコーン樹脂等により厚さ500μm以下のフィルム形に形成される。補強層は、例えば樹脂フィルム、金属薄膜、ガラスクロス等を使用して厚さ50μm以下のフィルム形に形成しても良い。
【0021】
分離治具30は、図8ないし図10に示すように、例えばアルミ等の金属や導電性ガラエポ等の材料を使用して少なくとも表面が平坦な平面多角形の板に形成され、表面の四隅部には、キャリア治具20の位置決め孔24を着脱自在に貫通する位置決めピン31がそれぞれ起立して突出形成されており、表面には、キャリア治具20のアライメントホール22を貫通する複数の分離ピン32が所定の間隔で並べて突出形成される。
【0022】
分離ピン32は、導電性の材料を使用して円柱形の位置決めピン31よりも低く形成され、先端部が略半球形に湾曲されており、グラウンド電位にするため低インピーダンス化された接地線により接地される。導電性の材料としては、例えばアルミ等の金属、導電性ガラエポ、導電性樹脂、絶縁性の樹脂に導電化処理を部分的に施した材料等があげられる。
【0023】
上記において、フレキシブルプリント回路板10に複数の各種電子部品12を実装接合する場合には、先ず、位置決め治具1の表面にフレキシブルプリント回路板10を複数の位置決めピン2を介し上方から位置決め配置(図1参照)し、位置決め治具1の表面に、表裏逆にしたキャリア治具20を複数の位置決めピン2を介して上方から均一に圧下積層(図3参照)するとともに、フレキシブルプリント回路板10の裏面に粘着層21の弱粘着面25を粘着し、位置決め治具1を下方に取り外してフレキシブルプリント回路板10やキャリア治具20から引き離す(図5参照)。
【0024】
次いで、キャリア治具20を反転させて粘着層21に粘着保持されたフレキシブルプリント回路板10を上向きにし(図6参照)、リフローソルダリングの準備としてフレキシブルプリント回路板10の表面に、リフローはんだをスクリーン印刷法等により塗布し、このフレキシブルプリント回路板10に複数の電子部品12をマウンタによりそれぞれ搭載する(図7参照)。
【0025】
こうして電子部品12を装着したら、リフローソルダリングすべく、フレキシブルプリント回路板10を粘着保持したキャリア治具20を図示しないコンベヤタイプのリフローマシンにセットして加熱し、フレキシブルプリント回路板10のリフローはんだを熱雰囲気状態で溶融させて電子部品12をはんだ付けし、リフローマシンの下流で冷却して取り外す。この際、リフローマシンからフレキシブルプリント回路板10に熱風が吹き付けられるので、フレキシブルプリント回路板10が熱風との摩擦に伴い否応なく帯電する。
【0026】
そしてその後、分離治具30の表面に、キャリア治具20を複数の位置決めピン31を介し上方から積層(図8参照)するとともに、接地された分離ピン32とキャリア治具20のアライメントホール22とを挿通させて分離ピン32を電子部品12が表面実装されたフレキシブルプリント回路板10に圧接し、このフレキシブルプリント回路板10を分離ピン32により押し上げて剥離すれば(図9参照)、フレキシブルプリント回路板10に複数の電子部品12を実装接合する一連の作業が終了する。
【0027】
上記によれば、分離治具30の分離ピン32が静電破壊防止の観点から接地されているので、フレキシブルプリント回路板10がキャリア治具20からの剥離に伴い放電し、その結果、電子部品12が電荷の放電により損傷したり、破壊するのをきわめて有効に防ぐことができる。また、粘着層20をあえて導電化する必要がないので、粘着層20の硬度が上昇して粘着層20の粘着力が低下したり、金属粉末やカーボン粉末がフレキシブルプリント回路板10に付着し、フレキシブルプリント回路板10の絶縁性の低下を招くおそれもない。
【0028】
また、フレキシブルプリント回路板10が剥離される際に十分な静電対策効果を得ることができるし、フレキシブルプリント回路板10に対してイオンコンタミ等の悪影響を及ぼすことが全くない。また、位置決め治具1の表面に、キャリア治具20を上方から均一に圧下し、フレキシブルプリント回路板10に粘着層21を上方から粘着するので、専用の治具を使用することなく、フレキシブルプリント回路板10に加圧力を均一に作用させることができ、これを通じて良好な仮固定の状態を容易に得ることができる。
【0029】
また、フレキシブルプリント回路板10を手やピンセットではなく、複数の分離ピン32により押し上げてキャリア治具20から剥がすので、作業性や利便性が向上する他、フレキシブルプリント回路板10の汚染や損傷を有効に抑制防止することが可能になる。さらに、電子部品12をリフローソルダリングするので、不純物の汚染なくして高密度実装することができる他、微小箇所を正確かつ能率的に接合することが可能になる。
【0030】
次に、図11は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、分離治具30の全部又は一部の位置決めピン31の先端部を長手方向に切り欠いて径方向に拡縮可能に割りピン化し、この割られて外方向にやや広がる先端部をキャリア治具20の位置決め孔24に密嵌させるようにし、かつこの位置決めピン31をも接地するようにしている。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0031】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、割ピン化された位置決めピン31がキャリア治具20の位置決め孔24に密接するので、キャリア治具20に帯電した電荷を確実にGNDに落とし、静電破壊をより確実に防止することができるのは明らかである。また、全部又は一部の位置決めピン31を割りピン化する際、この位置決めピン31の最先端部を縮径にして細くし、中央部を拡径にして太くすれば、キャリア治具20の位置決め孔24に対する挿入が容易になり、完全な嵌入の前に拡径の中央部付近で早くアースすることもできる。
【0032】
なお、上記実施形態では位置決め治具1の四隅部に位置決めピン2をそれぞれ突出形成したが、何らこれに限定されるものではなく、位置決め治具1の周縁部に複数の位置決めピン2を突出形成しても良い。また、フレキシブルプリント回路板10の四隅部ではなく、周縁部に複数の位置決め孔11を穿孔しても良いし、キャリア治具20の周縁部に複数の位置決め孔24を穿孔しても良い。
【0033】
また、粘着層21をキャリア治具20に接着層と補強層とを介して接着したが、何らこれに限定されるものではなく、キャリア治具20の表面に直接接着することもできる。また、キャリア治具20の表面に作業者が必要に応じて単数複数の粘着層21を接着するようにしても良い。また、分離治具30、位置決めピン31、及び分離ピン32をそれぞれ接地することも可能である。さらに、電子部品12の静電破壊を防止することができるのであれば、分離治具30に導電性を付与して接地し、位置決めピン31や分離ピン32に絶縁性を付与することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の実施形態を示す斜視全体説明図である。
【図2】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の実施形態におけるキャリア治具を示す斜視説明図である。
【図3】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の実施形態における位置決め治具にキャリア治具を上方から積層する状態を示す斜視説明図である。
【図4】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の実施形態におけるキャリア治具を示す断面説明図である。
【図5】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の実施形態における位置決め治具を取り外してキャリア治具から引き離す状態を示す斜視説明図である。
【図6】図5のキャリア治具を反転させた状態を示す斜視説明図である。
【図7】図6のキャリア治具に電子部品を搭載した状態を示す斜視説明図である。
【図8】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の実施形態における分離治具にキャリア治具を介し上方から積層する状態を示す斜視説明図である。
【図9】図8のフレキシブルプリント回路板を分離ピンにより押し上げて剥離する状態を示す斜視説明図である。
【図10】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の実施形態における分離治具を示す断面説明図である。
【図11】本発明に係る回路板の実装接合具及び回路板の実装接合方法の第2の実施形態における分離治具を示す断面説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1 位置決め治具
2 位置決めピン
10 フレキシブルプリント回路板(回路板)
11 位置決め孔
12 電子部品
20 キャリア治具
21 粘着層
22 アライメントホール
23 貫通孔
24 位置決め孔
30 分離治具
31 位置決めピン
32 分離ピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄い回路板を位置決め搭載する位置決め治具に積層され、位置決め治具の回路板を粘着層を介し着脱自在に粘着保持するキャリア治具と、このキャリア治具に重ねられ、電子部品の実装された回路板をキャリア治具から取り外す分離治具とを備えた回路板の実装接合具であって、
分離治具から突出する複数の位置決めピンと、分離治具から突出してキャリア治具に挿入され、キャリア治具の粘着層に粘着保持された回路板をキャリア治具から取り外す複数の分離ピンとを含み、
分離治具、複数の位置決めピン、及び複数の分離ピンの少なくともいずれかに導電性を付与し、かつ接地して回路板に実装された電子部品の静電破壊を抑制するようにしたことを特徴とする回路板の実装接合具。
【請求項2】
位置決めピンと分離ピンの少なくともいずれかの先端部に、長手方向に指向する切り欠きを形成した請求項1記載の回路板の実装接合具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された回路板の実装接合具を用いる回路板の実装接合方法であって、
位置決め治具上に薄い回路板を位置決め搭載し、この位置決め治具上にキャリア治具を積層してその粘着層を回路板に粘着させるとともに、位置決め治具を取り外してキャリア治具に粘着保持された回路板から引き離し、キャリア治具に粘着保持された回路板にはんだを塗布してリフローソルダリングし、その後、分離治具にキャリア治具を複数の位置決めピンを介して積層し、かつ分離治具の複数の分離ピンによりキャリア治具から回路板を取り外すことを特徴とする回路板の実装接合方法。
【請求項1】
薄い回路板を位置決め搭載する位置決め治具に積層され、位置決め治具の回路板を粘着層を介し着脱自在に粘着保持するキャリア治具と、このキャリア治具に重ねられ、電子部品の実装された回路板をキャリア治具から取り外す分離治具とを備えた回路板の実装接合具であって、
分離治具から突出する複数の位置決めピンと、分離治具から突出してキャリア治具に挿入され、キャリア治具の粘着層に粘着保持された回路板をキャリア治具から取り外す複数の分離ピンとを含み、
分離治具、複数の位置決めピン、及び複数の分離ピンの少なくともいずれかに導電性を付与し、かつ接地して回路板に実装された電子部品の静電破壊を抑制するようにしたことを特徴とする回路板の実装接合具。
【請求項2】
位置決めピンと分離ピンの少なくともいずれかの先端部に、長手方向に指向する切り欠きを形成した請求項1記載の回路板の実装接合具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された回路板の実装接合具を用いる回路板の実装接合方法であって、
位置決め治具上に薄い回路板を位置決め搭載し、この位置決め治具上にキャリア治具を積層してその粘着層を回路板に粘着させるとともに、位置決め治具を取り外してキャリア治具に粘着保持された回路板から引き離し、キャリア治具に粘着保持された回路板にはんだを塗布してリフローソルダリングし、その後、分離治具にキャリア治具を複数の位置決めピンを介して積層し、かつ分離治具の複数の分離ピンによりキャリア治具から回路板を取り外すことを特徴とする回路板の実装接合方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−35833(P2007−35833A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−215547(P2005−215547)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
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