説明

回路構成体及びその製造方法

【課題】 回路体裏面と放熱部材とが絶縁層を介して接着される回路構成体において、前記回路体裏面における突出部の存在にかかわらず確実な絶縁と高い冷却性能が得られるようにする。
【解決手段】 前記回路体を構成する回路基板30等の裏面と対向する前記放熱部材10の面に凹部16A,16B,16Cを形成するなどして、当該回路体裏面の突出部との接触を回避するための空間部分を形成しておく。そして、この空間部分以外の放熱部材10の面と前記回路基板30の裏面とを絶縁層18を介して接着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された電源から電子ユニットに配電を行うための電源分配器等に用いられる回路構成体及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、放熱機能をもった回路構成体として、特許文献1に示されるものが知られている。この回路構成体では、放熱部材である金属ベース上にフィラー入り接着性絶縁層を介して多層回路基板が接着されており、この多層回路基板上に実装された発熱部品の発する熱が前記絶縁層及び金属ベースを通じて外部に有効に放散されるようになっている。
【特許文献1】特開平9−36553号公報(第3頁,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記放熱部材上に接着される回路体の裏面には、例えば基板実装端子の先端部等が突出していることが多い。従って、前記絶縁層が薄い場合には、当該絶縁層を前記回路体裏面の突出部が貫いて放熱部材に接触することにより、絶縁を確保できなくなるおそれがある。逆に、当該突出部を確実に吸収できるように前記絶縁層を厚くすると、その分熱伝導性が低下し、十分な冷却機能を確保できなくなる。すなわち、確実な絶縁と高い冷却性能の双方を両立させることが非常に困難である。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑み、回路体裏面における突出部の存在にかかわらず確実な絶縁と高い冷却性能を得ることができる回路構成体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、電力回路を構成する回路体の裏面が絶縁層を介して放熱部材に接着される回路構成体において、前記回路体の裏面に突出部が存在するとともに、この裏面と対向する前記放熱部材の面に前記突出部との接触を回避するための空間部分が形成され、この空間部分以外の放熱部材の面と前記回路体の裏面とが前記絶縁層を介して接着されているものである。
【0006】
この構成によれば、回路体裏面に突出部が存在する場合でも、その突出部に対応して放熱部材側に空間部分が形成されているため、当該放熱部材と突出部との接触を回避して両者の絶縁状態を確実に保つことができる。そして、当該空間部分以外の部分で回路体裏面と放熱部材との間に介在する絶縁層の厚みを抑えることにより、前記回路体から放熱部材への熱伝導性を高く維持して良好な冷却性能も得ることができる。
【0007】
ここで、前記放熱部材に形成される空間部分は貫通孔であってもよいが、その場合には前記突出部が放熱部材の外部に開放された状態となり、これを保護するために蓋を設けなければならないのに対し、前記放熱部材は板状をなし、その一部が前記回路体の裏面から離れる向きに凹むことによって前記空間部分が形成されているものとすれば、当該放熱部材を板状の薄型にしながら、これを局所的に凹ませるだけの簡単な構造で、特別な蓋を設けることなく前記突出部を外部から保護することができる。
【0008】
前記絶縁層は例えば放熱部材上に塗布された接着剤により構成されたものでもよいが、当該絶縁層が接着シートで構成されており、この接着シートにおいて前記空間部分に対応する位置に貫通孔が形成されている構成とすれば、当該貫通孔によって回路体の突出部と絶縁層(接着シート)との接触を確実に回避しながら当該回路体の裏面と放熱部材との接着を行うことができる。
【0009】
本発明において、前記回路体の具体的な構造は問わないが、同一平面上に配列されて前記電力回路を構成する複数枚のバスバーを含んでいて、そのうちの特定のバスバーを貫通する状態で端子が固定されたものや、プリント回路基板を貫通する状態で当該回路基板に端子が固定されたものであれば、薄型の構造で複雑な電力回路を構築でき、かつ、これに前記端子を付加することができる。そして、この端子の先端部(すなわち回路体の裏面から突出する突出部)に対応する位置に前記放熱部材の空間部分が形成されている構成とすることにより、当該端子と放熱部材との接触を確実に回避することができる。
【0010】
また本発明は、電力回路を構成し、かつ、裏面に突出部を有する回路体の当該裏面を絶縁層を介して放熱部材に接着する回路構成体の製造方法において、前記回路体の裏面が接着される放熱部材の面に当該回路体の突出部との接触を回避するための空間部分を形成しておき、前記絶縁層として前記空間部分と対応する位置に貫通孔をもつ接着シートを用い、この接着シートの貫通孔を通じて前記回路体の突出部が前記放熱部材の空間部分に突出する位置関係で前記回路体と接着シートと放熱部材とを重ね合わせて当該回路体と放熱部材との接着を行うものである。
【0011】
この方法によれば、放熱部材に空間部分を形成しておくことにより当該放熱部材と回路体の突出部との接触を回避することができるとともに、当該放熱部材と回路体裏面との間に接着シートを挟みこむことによって当該放熱部材との回路体裏面との接着を簡単な工程で行うことができる。しかも、当該接着シートに予め前記空間部分に対応する貫通孔を設けておくことにより、当該接着シートと回路体の突出部との干渉を確実に回避して当該突出部を前記空間部分に逃がすことができる。
【0012】
すなわち、前記放熱部材または回路体裏面に接着剤を塗布して絶縁層を形成する方法では、前記空間部分以外の部分のみに絶縁層を存在させることが難しいのに対し、本発明の方法によれば、予め接着シートの適所に貫通孔を設けておくだけの簡単な工程で前記空間部分以外の部分のみに絶縁層を存在させることができ、前記接着シートと突出部との干渉を確実に回避することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明は、電力回路を構成する回路体の裏面が絶縁層を介して放熱部材に接着される回路構成体において、前記回路体の裏面と対向する前記放熱部材の面に当該回路体裏面の突出部との接触を回避するための空間部分が形成され、この空間部分以外の放熱部材の面と前記回路体の裏面とが前記絶縁層を介して接着されているものであるので、前記放熱部材と突出部との接触を回避して両者の絶縁状態を確実に保ちながら、前記絶縁層の厚みを抑えることにより前記回路体から放熱部材への熱伝導性を高く維持して良好な冷却性能も得ることができる効果がある。
【0014】
また本発明は、前記回路構成体の製造に際し、前記放熱部材の接着面に前記突出部との接触を回避するための空間部分を有する放熱部材を形成しておき、その空間部分と対応する位置に貫通孔をもつ接着シートの当該貫通孔を通じて前記回路体の突出部が前記放熱部材の空間部分に突出する位置関係で前記回路体と接着シートと放熱部材とを重ね合わせて当該回路体と放熱部材との接着を行うようにしたものであるので、前記放熱部材と回路体の突出部との接触を回避することができるとともに、当該放熱部材と回路体裏面との間に接着シートを挟みこむことによって当該放熱部材との回路体裏面との接着を簡単な工程で行うことができる。しかも、当該接着シートに予め前記空間部分に対応する貫通孔を設けておくことにより、当該接着シートと回路体の突出部との干渉を確実に回避して当該突出部を前記空間部分に逃がすことができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1及び図2に示す回路構成体は、放熱板(放熱部材)10と、ケース本体20と、回路基板30とを備え、前記回路基板30に適当な実装部品が実装されることにより回路体が構成されている。当該実装部品には、基板実装型のリレースイッチ素子40、電源入力用コネクタ50、外部接続用コネクタ60、その他の半導体素子や抵抗素子といった回路素子が含まれる。また、両コネクタ50,60上には前記回路基板30を覆うカバー70が装着されるようになっている。
【0017】
前記放熱板10は、アルミニウム合金等の熱伝導性に優れた金属により板状に形成されたものであり、その縁部からは側方に車体取付部12が突出し、この車体取付部12に取付用ボルトを挿通するためのボルト挿通孔14が設けられている。そして、この放熱板10の上面に前記ケース本体20と回路基板30とが共通の接着シート18(図2では省略)を介して絶縁状態で接着されるようになっている。
【0018】
ケース本体20は、合成樹脂等の絶縁材料により成形されたものであり、前記回路基板30の周りを囲む枠状をなしている。このケース本体20の側部には、前記放熱板の車体取付部12に重ね合わされる取付部カバー22が形成され、この取付部カバー22には前記ボルト挿通孔14と合致するボルト挿通孔24が設けられている。
【0019】
なお、このケース本体20の底面には、前記回路基板30を取り囲む形状のシール部材26(図2)が装着されている。
【0020】
回路基板30は、電力回路(図例では車載電源から複数の負荷に電力を分配するための配電回路)を構築する電力回路部と、この電力回路部における回路のオンオフを制御する制御回路部とを併有している。前記電力回路部は、複数枚のバスバー32が同一平面上に配列されることにより形成され、制御回路部は薄肉のプリント回路基板34で構成されており、このプリント回路基板34の下面に前記各バスバー32が接着層36を介して絶縁状態で接着されている。
【0021】
リレースイッチ素子40は、図3及び図4に示すように、直方体状の本体42と、この本体42の下面から突出する接点側端子44及びコイル側端子46とを有し、かつ、これらの端子44,46が左右両側に広がって略同一平面上に並べられた表面実装型リレースイッチとなっている。そして、接点側端子44が前記プリント回路基板34に設けられた貫通孔34aを通じて適当なバスバー32の裏面上に実装されるとともに、コイル側端子46が前記プリント回路基板34上に実装されている。この構造により、リレースイッチ素子40のリレー接点がバスバー32により構成された電力回路中に介在するとともに、同リレースイッチ30のコイルの通電制御すなわち前記リレー接点の開閉制御が制御回路基板20の制御回路によって行われるようになっている。
【0022】
電源入力用コネクタ50は、電源接続側バスバー51及び複数本の基板接続端子52と、水平方向に延びるハウジング54とを備え、このハウジング54は前記ケース本体20の上面に沿って当該上面上に固定されるようになっている。このハウジング54には、その長手方向に並ぶ複数の凹部が形成され、各凹部はヒューズ素子80(図2)が嵌着可能なヒューズ装着部56を構成している。
【0023】
電源接続側バスバー51は、前記ハウジング54の長手方向と平行な方向に延び、その外側縁部が前記各ヒューズ装着部56内に突出している。この電源接続側バスバー51の一端はハウジング54の外部に突出していて車載電源と接続される電源接続端子51a(図1)を構成している。
【0024】
各基板接続端子52は、その途中部分が直角に屈曲して略L字状をなしている。そして、その水平部分の端部が前記各ヒューズ装着部56内に突出する一方、垂直部分の端部が前記回路基板30を貫通してその裏面に突出し、かつ、その貫通状態で当該回路基板30に固定され、かつバスバー32に電気的に接続されている。そして、前記各ヒューズ装着部56内にヒューズ素子80が装着されることにより、当該ヒューズ素子80を介して前記電源接続側バスバー51と各基板接続端子52とが電気的に接続されるようになっている。
【0025】
外部接続用コネクタ60は、多数本の基板接続端子62と、これらを保持するハウジング64とを備えている。ハウジング64は、前記ケース本体20の上面に沿って固定可能な全体形状を有し、かつ、図略の外部コネクタのハウジングが側方から嵌入可能なフードを有している。各基板接続端子62は、前記基板接続端子52と同様、その途中部分が直角に屈曲して略L字状をなし、その水平部分の端部が前記フード内に突出する一方、垂直部分の端部が前記回路基板30を貫通してその裏面に突出し、かつ、その貫通状態で当該回路基板30に固定され、かつ、そのバスバー10に電気的に接続されている。
【0026】
ここで、前記回路基板30と基板接続端子52,62との具体的な接続方法を問わず、例えばバスバー32に基板接続端子52,62よりも小径の貫通孔を設けてこれに当該端子52,62を圧入するようにしてもよいし、前記バスバー32に比較的大径の貫通孔を設けてこれに前記端子52,62を遊嵌状態で挿通し、当該端子52,62とバスバー32とをはんだ付けで接続するようにしてもよい。
【0027】
前者の例を図5に示す。同図に示す例では、回路基板30のプリント回路基板34及び接着シート36にそれぞれ基板接続端子62を挿通させるための比較的大きな貫通孔34b,36bが設けられるとともに、バスバー32に小径の貫通孔32aが形成され、これに前記基板接続端子62が圧入されてその先端部がバスバー32の裏面から下方に突出した状態となっている。
【0028】
次に、以上の構成要素を備えた回路構成体を製造する方法の一例を説明する。
【0029】
1)回路基板製造工程
複数のバスバー32とプリント回路基板34とを接着シート36を介して接着することにより回路基板30を製造する。その際、前記各バスバー32同士を適当な箇所でブリッジ部によりつなぎ合せて一体化した形状のバスバー構成板を単一の金属板から打ち抜いておき、これにプリント回路基板34を接着した後、前記ブリッジ部を切り離すようにすれば、バスバー32をそれぞれ独立してプリント回路基板34に接着する場合に比べて製造効率は飛躍的に向上する。
【0030】
2)実装工程
前記回路基板30上にリレースイッチ素子40、電源入力用コネクタ50、外部接続用コネクタ60といった部品を実装して回路体を構築する。各コネクタ50,60の基板接続端子52,62については、これらの端子52,62が回路基板30を貫通した状態で当該回路基板30に接続する(図5参照)。これにより、当該端子52,62の先端は回路基板30の裏面から突出する突出部となる。
【0031】
3)他部品成形工程
前記回路基板30とは別に、他の構成部品である放熱板10、接着シート18、ケース本体20、及びカバー70をそれぞれ成形しておく。
【0032】
ここで、放熱板10は例えば板金プレス成形によって簡単に製造することが可能であるが、その際、前記回路体に存在する突出部(基板接続端子52,62の端部)に対応する位置には、当該放熱板10を当該回路体の裏面から離れる向きに凹ませた凹部を形成しておく。図1に示す例では、前記電源入力用コネクタ50の基板接続端子52に対応する細長の凹部16Aと、前記外部接続用コネクタ60の基板接続端子62に対応する2つの凹部16B,16Cとが放熱板10に形成されている。
【0033】
接着シート18としては、絶縁性の高いエポキシ樹脂等を母材としてこれに熱伝導性に優れたフィラー(例えばアルミナ)を含有させたものが好適であるが、この接着シート18には、前記各凹部16A,16B,16Cにそれぞれ対応する位置にこれら凹部の形状とほぼ同形状の貫通孔18a,18b,18cを穿設しておく。
【0034】
4)組立工程
回路体を図1とは上下逆にし、その周囲にケース本体20をセットするとともに、このケース本体20と前記回路基板30の上に接着シート18を挟んで放熱板10を載せる。その際、電源入力用コネクタ50の基板接続端子52が接着シート18の貫通孔18aを通じて放熱板10における凹部16Aの空間内に突出し、かつ、外部接続用コネクタ60の基板接続端子62が接着シート18の貫通孔18b,18cを通じてそれぞれ放熱板10における凹部16B,16Cの空間内に突出するように、回路体と放熱板10及び接着シート18との相互の位置決めを行う。
【0035】
このような重ね合せを行えば、回路基板30側の突出部を構成する基板接続端子52,62の先端部が放熱板10に接触するのを回避しつつ、それ以外の部分で十分な接着面積を確保することができ、しかも当該部分での接着シート18の厚みを小さく抑えることによって十分な冷却性能を確保することができる。また、前記各基板接続端子52,62の先端部と接着シート18との干渉も確実に回避して良好な接着を担保できる。
【0036】
具体的に、前記接着シートとしてエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなるシートを用いている場合には、前記重ね合せ状態を保持したまま全体を適当な温度まで加熱しかつプレス装置で上下に加圧して前記接着シート18を完全硬化させることにより、当該接着シート18を媒体として回路基板30のバスバー32及びケース本体20と放熱板10の特定面(凹部16A,16B,16Cが形成されている部位以外の部位の面)とを安定した状態で接着することができる。
【0037】
5)防水処理工程
モジュール全体を図1及び図2の向きに戻し、ケース本体20のシール部材26により囲まれた領域内にシリコーン樹脂からなるゲルを適当な高さ(例えば図2の二点鎖線38の高さ)まで注入して硬化させる。これにより、回路体における各素子の実装部分が前記シリコーン樹脂内に封止されて防水状態となる。その後、基板保護用のカバー70を装着することにより、回路構成体が完成する。
【0038】
なお、この防水処理工程は本発明において必ずしも要しない。
【0039】
また、本発明は例えば次のような実施の形態をとることも可能である。
【0040】
・本発明において、回路体の裏面から突出する「突出部」は前記のような基板接続端子52,62の先端部に限られず、例えば、基板にこれを貫通状態で実装される基板実装素子の端子先端部や、スルーホール接続部ではんだ付けにより著しい盛り上がりが生じた部分などの「突出部」にも対処可能である。
【0041】
・本発明にかかる放熱部材は板状のものに限られず、例えば多数枚のフィンが一体に形成されたブロック状のものでもよい。また、放熱部材に貫通孔を穿設することにより、回路体の突出部を回避するための空間部分を形成するようにしてもよい。ただし、その場合には前記突出部が放熱部材の外部に開放された状態となり、これを保護するために蓋を設けなければならないのに対し、図例のように放熱板10の一部を凹ませて有底の凹部16A,16B,16Cを形成するようにすれば、薄型でかつ簡単な構造で、特別な蓋を設けることなく前記突出部を外部から保護することができる。
【0042】
・本発明における放熱部材と回路体との間に絶縁層を介在させる手段として、例えば放熱部材上に接着剤を塗布してこれを硬化するようにしてもよい。ただし、図示のような接着シート18を用い、かつ、その適所に貫通孔18a,18b,18c(その個数は問わない)を設けたものを絶縁層として用いれば、前記貫通孔によって回路体の突出部と接着シート18との接触を確実に回避しながら、塗布のいらない簡単な工程で、前記回路体の裏面と放熱部材との接着を安定した状態で行うことができる。
【0043】
・本発明において回路体の具体的な構成は問わず、少なくとも電力回路を含んでいて放熱部材に接着可能な形状を有するものであればよい。例えばプリント回路基板単独で電力回路を構築したものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態にかかる回路構成体の分解斜視図である。
【図2】前記回路構成体の断面正面図である。
【図3】前記回路構成体におけるリレースイッチ素子の実装状態を示す斜視図である。
【図4】前記リレースイッチ素子の実装状態を示す断面正面図である。
【図5】前記回路構成体の要部を示す断面正面図である。
【符号の説明】
【0045】
10 放熱板
16A,16B,16C 凹部(空間部分を形成)
18 接着シート
18a,18b,18c 貫通孔
20 ケース本体
30 回路基板
32 バスバー
34 プリント回路基板
40 リレースイッチ素子
50 電源入力用コネクタ
60 外部接続用コネクタ
52,62 基板接続端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力回路を構成する回路体の裏面が絶縁層を介して放熱部材に接着される回路構成体において、前記回路体の裏面に突出部が存在するとともに、この裏面と対向する前記放熱部材の面に前記突出部との接触を回避するための空間部分が形成され、この空間部分以外の放熱部材の面と前記回路体の裏面とが前記絶縁層を介して接着されていることを特徴とする回路構成体。
【請求項2】
請求項1記載の回路構成体において、前記放熱部材は板状をなし、その一部が前記回路体の裏面から離れる向きに凹むことによって前記空間部分が形成されていることを特徴とする回路構成体。
【請求項3】
請求項1または2記載の回路構成体において、前記絶縁層は接着シートで構成されており、この接着シートにおいて前記空間部分に対応する位置に前記突出部が挿通可能な貫通孔が形成されていることを特徴とする回路構成体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の回路構成体において、前記回路体は同一平面上に配列されて前記電力回路を構成する複数枚のバスバーを含み、そのうちの特定のバスバーに同バスバーを貫通する状態で端子が固定されており、この端子の先端部に対応する位置に前記放熱部材の空間部分が形成されていることを特徴とする回路構成体。
【請求項5】
電力回路を構成し、かつ、裏面に突出部を有する回路体の当該裏面を絶縁層を介して放熱部材に接着する回路構成体の製造方法において、前記回路体の裏面が接着される放熱部材の面に当該回路体の突出部との接触を回避するための空間部分を形成しておき、前記絶縁層として前記空間部分と対応する位置に貫通孔をもつ接着シートを用い、この接着シートの貫通孔を通じて前記回路体の突出部が前記放熱部材の空間部分に突出する位置関係で前記回路体と接着シートと放熱部材とを重ね合わせて当該回路体と放熱部材との接着を行うことを特徴とする回路構成体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2005−228799(P2005−228799A)
【公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−33533(P2004−33533)
【出願日】平成16年2月10日(2004.2.10)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】