説明

回転コネクタ

【課題】 可撓性ケーブルの導体部に大きな電流を流すと、導体部は、ときとして過剰な発熱を生じ、この発熱による導体部の温度上昇によって、絶縁フィルムが変形したりして、回転コネクタの機能に障害が生じるという問題があるので、導体部の温度上昇を制御できる回転コネクタを提供する。
【解決手段】 円筒部17を有する固定側ハウジング11と、該固定側ハウジングに対して回動可能に装着され、円筒部19を有する可動側ハウジング12と、固定側ハウジングと可動側ハウジングとの間に形成された収納部13内に収納された可撓性ケーブル14とを備え、収納部内に表出した状態で、可撓性ケーブルの温度を検出するための温度検出手段41を取り付けたこと。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等のステアリング装置に取り付けられ、ステアリングヒータ装置、及び車体に備えられたエアーバックシステム等の電気装置間のそれぞれ電気的接続手段として使用される回転コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】回転コネクタは、自動車等のステアリング装置に組み込まれて、ステアリングホイールに装着されたステアリングヒータ回路、エアバック回路、ホーン回路やその他のスイッチ回路の電気的接続手段として用いられるものであって、同心状に配置され、且つ相対的に回動自在に連結された一対の固定側ハウジング、及び可動側ハウジングと、これら一対の固定側、可動側ハウジングの間に形成される環状のケーブル収納部としての空間内に巻き締め、及び巻き戻し可能に収納された可撓性ケーブルと、可撓性ケーブルの両端部に接続されたそれぞれ各1個のリードブロックとから基本的に構成されている。
【0003】可撓性ケーブルは、帯状のベースフィルムと成る2枚の絶縁フィルムの間に帯状の極薄い寸法の銅箔等から成る複数本(例えば、4本)の導体部が互いに平行状態に貼着されている。
【0004】このように基本的に構成された回転コネクタは、固定側ハウジングを車体に、また、可動側ハウジングをハンドル部材に固定すると共に、可撓性ケーブルの両端を固定側、及び可動側の各リードブロックを介して車体やハンドル側のそれぞれの電気装置に接続することにより、ステアリングヒータ回路装置、車載用エアーバックシステムやホーン回路等の電気的接続手段として使用される。即ち、可撓性ケーブルの複数本の各導体部内をそれぞれ所定の電流が流れることによって、電気的接続手段として機能している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のような構成の回転コネクタでは、固定側ハウジングと可動側ハウジングとの間に形成された空間内には、可撓性ケーブルが収納されているが、この可撓性ケーブルは、帯状の極薄い寸法の銅箔(Cu)等から成る複数本の導体部が絶縁フィルムに貼着されているように形成されていることから、この各導体部に流すことのできる電流値は、さほど大きな電流値とすることができない。また、最近では、主に寒冷地にて使用される車両のステアリング装置にステアリング(ハンドル)を暖めるためのヒータ回路装置をステアリング(ハンドル)に組み込んだものが用いられるようになってきた。このステアリング用のヒータ回路装置には、ヒータ装置を発熱させるために比較的大きな電流値をヒータ装置に供給することが求められることから、可撓性ケーブルの導体部に大きな電流を流すことが求められ始めている。
【0006】そこで、この導体部に大きな電流を流すと、導体部は、ときとして過剰な発熱を生じ、この過剰な発熱による導体部の温度上昇によって、絶縁フィルムが変形したり、絶縁フィルムが融着したり、又は導体部が切断したりして、回転コネクタの機能に障害が生じるという問題があった。
【0007】本発明は、可撓性ケーブルの温度を検出するための温度検出手段を配設することによって可撓性ケーブルの過剰な温度上昇を防止することのできる回転コネクタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の回転コネクタは、円筒部を有する固定側ハウジングと、該固定側ハウジングに対して回動可能に装着され、円筒部を有する可動側ハウジングと、固定側ハウジングと可動側ハウジングとの間に形成された収納部内に収納された可撓性ケーブルとを備え、該可撓性ケーブルのそれぞれの端部が固定側ハウジング、及び可動側ハウジングに固定され、収納部内に表出した状態で、可撓性ケーブルの温度を検出するための温度検出手段を取り付けたことである。かかる構成によって、可撓性ケーブルに流れる電流によって上昇する温度を監視出来ることから、可撓性ケーブルの過剰な発熱による温度上昇を温度検知手段にて検知して、この温度検知手段からの信号によって、可撓性ケーブルの過剰な発熱を適切に制御できるようにし、絶縁フィルムの変形や融着を防止できる回転コネクタを提供する。
【0009】また、本発明の回転コネクタは、温度検出手段が固定側ハウジングの円筒部、又は可動側ハウジングの円筒部の何れか一方に取り付けられたことである。かかる構成によって、温度検出手段の取り付けによって回転コネクタが大型化することなく、且つ容易な取り付けができる。
【0010】また、本発明の回転コネクタは、温度検出手段を保持する保持部材を有し、該保持部材が固定側ハウジングの円筒部、又は可動側ハウジングの円筒部の何れか一方に取り付けられたことである。かかる構成によって、温度検出手段の取り付けが保持部材を介して行えるので、一層容易な取り付け、及び取り外しができる。
【0011】また、本発明の回転コネクタは、温度検出手段が可撓性ケーブルと固定側ハウジング、及び可動側ハウジングとの固定部の近傍に配設されていることである。かかる構成によって、リードブロックの近傍では、可撓性ケーブルの巻き締め、巻き戻しの際の可撓性ケーブルの移動が少ないことから安定した温度検出手段による温度の検知ができる。
【0012】また、本発明の回転コネクタは、温度検出手段と対向するように配設され、温度検出手段側に可撓性ケーブルを押圧する押圧部材を有することである。かかる構成によって、押圧部材によって可撓性ケーブルが温度検出手段側に押圧されるので可撓性ケーブルの温度を温度検出手段で確実に検出できる。
【0013】また、本発明の回転コネクタは、押圧部材が固定側ハウジング、及び可動側ハウジングと別部品で形成され、固定側ハウジングの円筒部、又は可動側ハウジングの円筒部の何れか一方に取り付けたことである。かかる構成によって、押圧部材が別部品であることから取り付け交換が、固定側、及び可動側ハウジング自体を直接取り付け交換するのに比較して容易に、安価にできる。
【0014】また、本発明の回転コネクタは、押圧部材は弾性を有する弾性部を有し、該弾性部で可撓性ケーブルを押圧することである。かかる構成によって、押圧部材による可撓性ケーブルの押圧が弾性を有する弾性部によって、より確実にできる。
【0015】また、本発明の回転コネクタは、温度検出手段が温度センサによって構成されていることである。かかる構成によって、温度センサが安価であり、所望の温度を容易に得ることができるから、安価で安定した回転コネクタを提供できる。
【0016】また、本発明の回転コネクタは、温度検出手段がサーミスタによって構成されていることである。かかる構成によって、サーミスタが小型で、且つ安価であることから、小型で、且つ安価な回転コネクタを提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の回転コネクタの図面を説明すると、図1は、本発明の回転コネクタの実施の形態を示す分解斜視図である。
【0018】回転コネクタ50の構成を、図1に基づいて説明すると、固定側ハウジング11と、固定側ハウジング11に対して回転自在に連結された可動側ハウジング12と、固定側・可動側ハウジング11、12間に形成された収納部13内に収納されたフラットケーブルである可撓性ケーブル14と、固定側・可動側ハウジング11、12間に回動自在に配置された移動体15と、可撓性ケーブル14に接続されたリードブロック16と、収納部13内に表出した状態で、可撓性ケーブル14の温度を検出するための温度検出手段としての温度センサ41とで概略構成されている。
【0019】固定側ハウジング11には、円筒状の外筒部17と、外筒部17の端部に設けられた円形状の底壁18と、底壁18の中央部に設けられた円形の孔(図示せず)とを備えている。一方、可動側ハウジング12には、円筒状の内筒部19と、内筒部19の一方の端部に設けられた略円環状の上壁20とを備え、これら外筒部17と内筒部19とは同軸的に配置され、外・内筒部17、19間に位置する収納部13には、移動体15が配置されている。
【0020】C字状に形成され、合成樹脂材料から成る移動体15は、収納部13内にその周方向に移動可能に配置されており、この移動体15の周面には、可撓性ケーブル14が巻き付けられた状態で配置され、移動体15の開口端15aの周面に沿って位置した可撓性ケーブル14がこの位置で反転(反転部)された状態となっている。可撓性ケーブル14の反転部(図示せず)は、移動体15の一方の開口端15aの周面にループされている。
【0021】可撓性ケーブル14は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の帯状の絶縁性テープから成る二枚の絶縁フィルム14aの間に帯状の極薄い寸法の銅等から成る複数本(例えば、4本)の導体部14bが互いに平行状態に貼着されている。可撓性ケーブル14の導体部14bの外方端は、外筒部17に固定された固定側ジョイント部としてのリードブロック16に電気的・機械的に接続され、リードブロック16を介して固定側ハウジング11の外部に電気的に導出されている。
【0022】また、可撓性ケーブル14の内方端は、内筒部19に固定された可動側ジョイント部としてのリードブロック(図示せず)に電気的・機械的に接続され、該リードブロックを介して可動側ハウジング12の外部に電気的に導出されている。
【0023】次に、前記固定側ハウジング11と前記温度センサ41との構成について詳細に説明する。先ず、固定側ハウジング11は、図1に示すように、合成樹脂材料から成り、成形加工によって形成され、略円筒状の外筒部(円筒部)17と、外筒部17の所定の個所に設けられ、外方に突出した保持手段23と、外筒部17の端部に設けられた底壁18と、底壁18の中央部に設けられた円形の孔(図示せず)とを備えている。
【0024】また、保持手段23は、外筒部17に設けられた矩形の切欠部25と、切欠部25の対向する内壁25aに設けられた凹部25bと、外筒部17の厚肉部26に設けられた略矩形で凹部状の第1係合部26aと、厚肉部26と外筒部17との間に形成され、収納部13の一部を構成するスリット状の導出部27と、厚肉部26の切欠部25と対向する位置に設けられ、固定側ハウジング11の軸心と平行に設けられた溝状の第2係合部28とで構成されている。また、内壁25aの近傍には、段部25cが設けられている。また、導出部27の端部は、外筒部22の内部につながり、また、第1係合部26aの一端は切欠部25につながって形成されている。
【0025】また、保持部材29は、合成樹脂材料から成り、成形加工によって形成され、略矩形の基体部30と、基体部30の一方の対向する側壁31から外方に突出する鍔部32と、側壁31の所定の個所に設けられた一対の凸部33と、側壁31の下端部から延設された一対の係止部34と、他方の対向する側壁35の一方の面に設けられた凹部36とを備えている。また凹部36の上端部は開放されている。即ち、この保持部材29は、前記固定側ハウジング11と別体の別部品として形成されている。
【0026】この保持部材29は、前記固定側ハウジング11の切欠部25に切欠部25を塞ぐ状態に配設される。この配設は、保持部材29の鍔部32が切欠部25の段部25c内に当接すると共に、保持部材29の凸部33が切欠部25の凹部25b内に嵌入されて、これによって、保持部材29が固定側ハウジング11と一体化される。
【0027】この状態のとき、保持部材29の凹部36は、収納部13の一部を構成する前記導出部27側に表出するように配設されている。
【0028】温度検出手段としての温度センサ41は、温度を検出するためのもので、例えばサーミスタやバイメタルなどによって構成され、略矩形の検出部41aと、検出部41aから導出された3本の端子41bとを有している。
【0029】この温度センサ41の検出部41aは、前記保持部材29の凹部36内に圧入・保持されている。この状態のとき、検出部41aの温度を検出する側の表面は、前記導出部27側に表出するように配設されている。また、温度センサ41の端子41bは、保持部材29から外方に突出している。
【0030】プリント配線基板42は、絶縁性の平板から成り、少なくとも一方の表面には所定の回路パターン(図示せず)が配設され、所定の個所に設けられた6個の端子用孔42aと、対向する辺に設けられた一対の切り欠き部42bとを有している。このプリント配線基板42は、保持部材29の下端部に取り付けられ、この取り付けは、プリント配線基板42の切り欠き部42bを通して保持部材29の係止部34は位置されて係止部34が係合され一体化され、また、端子用孔42aには、温度センサ41の端子41bが挿通され、回路パターンに端子41bが半田付けされて固着されている。
【0031】コネクタ43は、3本の端子43aを有し、この端子43aがプリント配線基板42の端子用孔42aに挿通された状態で回路パターンに半田付けされて固着され、コネクタ43とプリント配線基板42とが一体化されている。
【0032】押圧部材44は、合成樹脂材料から成り、成形加工によって形成され、支持部44aと、支持部44aと略直交する方向に延設され、弾性を有する舌片状の弾性部44bとを有している。この押圧部材44は、支持部44aが前記肉厚部26に設けられた第2係合部28に係合・支持され、この状態のとき、弾性部44bは温度センサ41の検出部41aと対向するように配設されている。
【0033】リードブロック16は、略矩形の基体部16aと、基体部16aにインサート加工され、外方に突出した4本の接続端子部16bとを有している。
【0034】可撓性ケーブル14についての説明は前記したので省略するが、この可撓性ケーブル14は、それぞれの導体部14b先端部がリードブロック16の各接続端子部16bに、例えば、超音波振動接続などによって電気的・機械的に接続がされている。そして、この状態のリードブロック16が固定側ハウジング11の第1係合部26a内に収納・保持されている。この状態のとき、温度センサ41はリードブロック16の近傍に配設されている。
【0035】また、この状態のとき、可撓性ケーブル14の先端部付近は、前記導出部27内に位置され、且つ、押圧部材44の弾性部44bと温度センサ41の検出部41aとの間に挟まれて配設されている。そして、可撓性ケーブル14は弾性部44bによって、検出部41aに押圧され、検出部41aが可撓性ケーブル14の表面に確実に当接される。
【0036】このように構成された回転コネクタ50は、固定側ハウジング11を車体(図示せず)に、また、可動側ハウジング12をハンドル部材(図示せず)に固定すると共に、可撓性ケーブル14の両端を固定側、及び可動側の各リードブロック16を介して車体やハンドル側のそれぞれの電気装置に接続することにより、ステアリングヒータ装置、車載用エアーバックシステムやホーン回路等の電気的接続手段として使用される。即ち、可撓性ケーブル14の複数本の各導体部14b内をそれぞれ所定の電流が流れることによって、電気的接続手段として機能している。
【0037】上述の如き構成の回転コネクタ50において、可撓性ケーブル14の各導体部14b内をそれぞれ所定の電流が流れることにより、導体部14bが電流によって温度上昇をし、この導体部14bの温度上昇、即ち、可撓性ケーブル14の温度上昇を温度センサ41の検出部41aによって常時、検出するように構成されている。この検出部41aによる可撓性ケーブル14の温度検出によって可撓性ケーブル14の過剰な発熱を適切に制御できるように構成されている。
【0038】次に、本発明の回転コネクタの温度検出手段からの温度信号の信号処理構成について説明する。図2R>2は、本発明の回転コネクタの温度検出手段からの温度信号の信号処理構成の第1の実施の形態を示すブロック図、図3は、本発明の回転コネクタの温度検出手段からの温度信号の信号処理構成の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【0039】先ず、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)ケーブルによって行われるときの車両内の信号処理機構は、図2に示すように、温度信号を検出する前記温度検出手段である検出部61と、検出部61からの温度信号をLANケーブルに伝送できる信号に変換し、且つ伝送(送出)する送信部62と、送信部62から信号を受信し、且つ温度信号に変換する受信部63と、受信部63からの温度信号によって、演算を行い、制御信号を出力する中央演算素子(CPU)などから成る制御部64と、制御部64からの制御信号によって、制御される例えばヒータ回路やホーン回路などによって構成された被制御部65と、前記制御部64にオン(ON)・オフ(OFF)信号を伝送する例えばスイッチ素子などから成る入力部66とから構成されている。
【0040】この構成では、送信部62と受信部63との間がLANケーブルによって接続され、複数種類の多重信号がこのLANケーブル内を伝送されるように構成されている。
【0041】このような信号処理構成において、検出部61が前記可撓性ケーブル14(図1参照)の発熱による温度を検出すると、検出された温度信号は、送信部62、受信部63を介して、制御部64に入力され、制御部64によって、入力された温度信号と予め設定されている設定温度とを比較する。そして、入力された温度信号が設定温度よりも低い温度であると、制御部64から被制御部65に対して被制御部65に電流の供給を継続するような制御信号を出力し、この制御信号によって被制御部65は電流の供給が継続される。
【0042】また、入力された温度信号が設定温度よりも高い温度であると、制御部64から被制御部65に対して被制御部65に電流を供給するのを一時的に止めるような制御信号を出力し、この制御信号によって被制御部65は電流の供給が止められるように制御され、よって、被制御部65、及び被制御部65に電流を供給する前記可撓性ケーブル14の過剰な発熱が生じることの無いように制御される。
【0043】また、次に、被制御部65への電流の供給の停止によって、前記可撓性ケーブルの発熱による温度が低下し、温度検出手段である検出部61による検出温度が設定温度以下まで下がると制御部64からの制御信号によって、再び被制御部65が動作して、被制御部65に電流を供給する前記可撓性ケーブルに電流が流れるように動作する。
【0044】また、例えば、運転者が手動によって入力できるスイッチ素子で構成される入力部66は、例えば、ヒータ回路において、制御部64にオン(ON)制御、及びオフ(OFF)制御をするための信号を手動で、入力することによって、制御部64を介してヒータ回路をON・OFFできるようになっている。
【0045】次に、ワイヤーハーネスケーブルによる直接接続によって行われるときの車両内の信号処理構成は、図3に示すように、基本的構成は、前述の図2のLANケーブルによる接続に比較して、LANケーブル接続された送信部62と受信部63とが配設されておらず、その他の構成は、同一であって、前述の第1の実施の形態と同じ構成を有する検出部71、制御部72、被制御部73、及び入力部74とから構成されている。即ち、検出部71と制御部72とが直接ワイヤーハーネスケーブルによって接続された構成になっている。
【0046】このワイヤーハーネスケーブルによる直接接続による信号処理動作は、前述のLANケーブルでの接続による信号処理動作とほぼ同様であることから説明は省略する。
【0047】なお、上述の実施の形態では、温度検出手段を固定側ハウジング11の円筒状の外筒部17に配設したが、これに限定されず、温度検出手段を可動側ハウジングの内筒部や、固定側ハウジングの底壁や、可動側ハウジングの上壁などに配設し、温度検出手段が収納部内に表出した状態に配設されても良い。
【0048】また、上述の実施の形態では、温度検出手段を保持する保持部材を固定側ハウジングの外筒部に配設したが、これに限定されず、保持部材を可動側ハウジングの内筒部に配設しても良い。
【0049】また、上述の実施の形態では、押圧部材を固定側ハウジング、及び可動側ハウジングと別部品で形成し、固定側ハウジングの円筒部に配設したが、これに限定されず、可動側ハウジングの円筒部に配設しても良く、また、押圧部材を固定側ハウジング、及び可動側ハウジングと一体に形成しても良い。
【0050】また、上述の実施の形態では、温度検出手段がリードブロックの近傍に配設されているが、これに限定されず、温度検出手段が収納部内に表出した状態に配設されていれば良い。
【0051】
【発明の効果】本発明の回転コネクタは、固定側ハウジングと可動側ハウジングとの間に形成された収納部内に表出した状態で、可撓性ケーブルの温度を検出するための温度検出手段を取り付けたことによって、温度検出手段が可撓性ケーブルに流れる電流によって上昇する温度を監視出来ることから、可撓性ケーブルの過剰な発熱による温度上昇を温度検知手段にて検知して、この温度検知手段からの信号によって、可撓性ケーブルの過剰な発熱を適切に制御できるようにし、絶縁フィルムの変形や融着を防止できる回転コネクタを提供することが出来る。
【0052】また、本発明の回転コネクタは、温度検出手段を保持する保持部材を有し、該保持部材が固定側ハウジングの円筒部、又は可動側ハウジングの円筒部の何れか一方に取り付けられたことによって、温度検出手段の取り付けが保持部材を介して行えるので、一層容易な取り付け、及び取り外しができる。
【0053】また、本発明の回転コネクタは、押圧部材が固定側ハウジング、及び可動側ハウジングと別部品で形成され、固定側ハウジングの円筒部、又は可動側ハウジングの円筒部の何れか一方に取り付けたことよって、押圧部材が別部品であることから取り付け、及び交換が、固定側、及び可動側ハウジング自体を直接取り付け、及び交換するのに比較して容易に、安価にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転コネクタの実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の回転コネクタの温度検出手段からの温度信号の信号処理構成の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】本発明の回転コネクタの温度検出手段からの温度信号の信号処理構成の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 固定側ハウジング
12 可動側ハウジング
13 収納部
14 可撓性ケーブル
15 移動体
16 リードブロック
17 外筒部(円筒部)
19 内筒部(円筒部)
23 保持手段
27 導出部
29 保持部材
41 温度センサ(温度検出手段)
41a 検出部
44 押圧部材
44b 弾性部

【特許請求の範囲】
【請求項1】円筒部を有する固定側ハウジングと、該固定側ハウジングに対して回動可能に装着され、円筒部を有する可動側ハウジングと、前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとの間に形成された収納部内に収納された可撓性ケーブルとを備え、該可撓性ケーブルのそれぞれの端部が前記固定側ハウジング、及び前記可動側ハウジングに固定され、前記収納部内に表出した状態で、前記可撓性ケーブルの温度を検出するための温度検出手段を取り付けたことを特徴とする回転コネクタ。
【請求項2】前記温度検出手段が前記固定側ハウジングの前記円筒部、又は前記可動側ハウジングの前記円筒部の何れか一方に取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の回転コネクタ。
【請求項3】前記温度検出手段を保持する保持部材を有し、該保持部材が前記固定側ハウジングの前記円筒部、又は前記可動側ハウジングの前記円筒部の何れか一方に取り付けられたことを特徴とする請求項1、又は2記載の回転コネクタ。
【請求項4】前記温度検出手段が前記可撓性ケーブルと前記固定側ハウジング、及び前記可動側ハウジングとの固定部の近傍に配設されていることを特徴とする請求項1乃至3記載の回転コネクタ。
【請求項5】前記温度検出手段と対向するように配設され、前記温度検出手段側に前記可撓性ケーブルを押圧する押圧部材を有することを特徴とする請求項1乃至4記載の回転コネクタ。
【請求項6】前記押圧部材が前記固定側ハウジング、及び前記可動側ハウジングと別部品で形成され、前記固定側ハウジングの前記円筒部、又は前記可動側ハウジングの前記円筒部の何れか一方に取り付けたことを特徴とする請求項5記載の回転コネクタ。
【請求項7】前記押圧部材は弾性を有する弾性部を有し、該弾性部で前記可撓性ケーブルを押圧することを特徴とする請求項5、又は6記載の回転コネクタ。
【請求項8】前記温度検出手段が温度センサによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至7記載の回転コネクタ。
【請求項9】前記温度検出手段がサーミスタによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至7記載の回転コネクタ。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公開番号】特開2002−216924(P2002−216924A)
【公開日】平成14年8月2日(2002.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−10783(P2001−10783)
【出願日】平成13年1月18日(2001.1.18)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】