説明

回転コネクタ

【課題】分解しなくてもフラットケーブルの収納状態を外部から容易に視認できるようにした回転コネクタを安価に提供すること。
【解決手段】ステータ部材1にロータ部材2を回動自在に連結して、両者1,2間に存する環状の収納空間S内にフラットケーブル3を収納している回転コネクタにおいて、ロータ部材2の天板部9に、周方向に沿って延びる長尺な弧状開口を桟部9dによって分割して得られる個々の開口の集合体として複数の開口部9cを設け、これら開口部9cおよび桟部9dを光透過性に優れたカバーフィルム12で覆うという構成にした。各開口部9cは収納空間Sに臨出しており、桟部9dは隣り合う開口部9cどうしを仕切っている。また、カバーフィルム12はその一面に透明性接着層12aを有する透明性フィルムからなり、このカバーフィルム12が桟部9dを含む開口部9cの周縁部に貼着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回動自在に連結されたロータ部材とステータ部材との間をフラットケーブルを介して電気的に接続する回転コネクタに係り、特に、フラットケーブルが収納された収納空間の一部が外部から目視できるように考慮されている回転コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転コネクタは、回動自在に連結された一対のハウジングと、両ハウジング間に画成された環状の収納空間内に収納・巻回されたフラットケーブル(可撓性ケーブル)とで概略構成されており、フラットケーブルの両端は一方のハウジングと他方のハウジングに固定された状態で外部に導出されている。両ハウジングの一方はステータ部材、他方はロータ部材であり、ロータ部材をステータ部材に対して正逆いずれかの方向へ回転すると、その回転方向に応じてフラットケーブルが収納空間内で巻き締めあるいは巻き戻され、いずれの状態においてもロータ部材とステータ部材間の電気的接続がフラットケーブルを介して維持されるようになっている。
【0003】
このように概略構成された回転コネクタは、ステータ部材をステアリングコラム側に固定すると共にロータ部材をステアリングホイール(ハンドル)側に連結した状態で、自動車のステアリング装置に組み付けられ、ステアリングホイールに装着されたエアーバッグシステムやホーン回路等の電気的接続手段として使用される。
【0004】
なお、回転コネクタをステアリング装置に組み付ける際には、ロータ部材がステアリングホイールの回転中立位置を基準にして正逆両方向にほぼ同量ずつ回転できるように設定しておく必要がある。そのため、ステアリング装置に組み付けるまでロータ部材をその回転中立位置に仮固定しておくストッパ機構を備えた回転コネクタが広く用いられているが、ステアリング装置の修理や部品交換などで回転コネクタを取り外した後、これを再び組み付ける際などに、ステータ部材に対して回動自在なロータ部材の回転中立位置がわからなくなってしまうことがある。
【0005】
そこで従来、ロータ部材の天板部に小窓を設け、この小窓を介して、フラットケーブルが収納された収納空間の一部が外部から目視できるようにした回転コネクタが提案されている。かかる従来の回転コネクタは、ロータ部材が回転中立位置にあるとき、特定のフラットケーブルの反転部が天板部の小窓内に露出するように設定されているため、この小窓を介して、ロータ部材が回転中立状態となっているか否かを外部から視認することができる。
【特許文献1】特開2008−30713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、回転コネクタをステアリング装置に組み付けた後、ステアリングホイールが所定の回転範囲内で回転操作できない等の不具合が生じた場合、回転コネクタのフラットケーブルが収納空間内で不所望箇所に引っ掛かっていたり座屈している可能性がある。このようなとき、回転コネクタの収納空間を外部から目視してフラットケーブルの収納状態が確認できれば、前記不具合がフラットケーブルによるものなのか否かが回転コネクタを分解しなくても判明するため便利である。しかしながら、前記従来例のようにロータ部材の回転中立位置を確認するための小窓が天板部に設けられている回転コネクタにおいても、この小窓を介してフラットケーブルの収納状態を外部から視認することは困難なので、結局、従来は回転コネクタを分解してみないとフラットケーブルの収納状態を確認できないという不便さがあった。また、分解作業によってフラットケーブルの収納状態が変化してしまうため、例えば不所望箇所に引っ掛かっていたフラットケーブルが回転コネクタを分解すると元の状態に戻ってしまう可能性があり、その場合は回転コネクタの不良を特定することが極めて困難となる。
【0007】
なお、ロータ部材の天板部を光透過性材料で形成しておけば、回転コネクタを分解しなくてもフラットケーブルの収納状態を外部から視認できるようになるが、こうすると製品コストが大幅に上昇してしまい、かつ天板部の機械的強度が劣化したり高温環境下で変形しやすくなる等の別の問題が発生する。
【0008】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、分解しなくてもフラットケーブルの収納状態を外部から容易に視認できるようにした回転コネクタを安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明では、外筒部および底板部を有するステータ部材と、内筒部および天板部を有し前記ステータ部材に回動自在に連結されたロータ部材と、これらステータ部材とロータ部材との間に存する環状の収納空間内に収納されたフラットケーブルと、このフラットケーブルの巻き方向を反転させるローラを有して前記収納空間内に回動自在に配置されたホルダとを備え、前記フラットケーブルの一端が前記ステータ部材に接続されて他端が前記ロータ部材に接続された回転コネクタにおいて、前記天板部に、前記収納空間を臨む複数の開口部と、隣り合う前記開口部どうしを仕切る桟部と、これら開口部および桟部を覆う光透過性材料からなるカバー体とを設け、前記複数の開口部が、周方向に沿って延びる長尺な弧状開口を前記桟部によって分割して得られる個々の開口の集合体として形成されていると共に、前記カバー体が前記桟部に貼着されているという構成にした。
【0010】
このように構成された回転コネクタは、天板部に収納空間を臨む複数の開口部が設けてあり、これら開口部は全体として、天板部の周方向に沿って延びる長尺な弧状開口に桟部を付設した形状に開設されているため、これら開口部を介して直接に、あるいは必要に応じてロータ部材を回転させながら、収納空間内の広い領域を外部から目視することができる。したがって、回転コネクタを分解しなくてもフラットケーブルの収納状態を外部から容易に視認できるようになる。また、天板部に複数の開口部を設けても桟部があるため、所要の機械的強度を確保することは容易である。また、桟部がカバー体の接着領域に含まれているため、カバー体を天板部に容易かつ確実に取り付けることができる。
【0011】
上記の構成において、桟部が天板部の径方向に延びていると、天板部の機械的強度が高めやすくなるため好ましい。ただし、桟部が径方向に対して斜めに延びていたり周方向に延びていても良く、延びる方向が異なる複数の桟部を併用することも可能である。
【0012】
また、上記の構成において、カバー体が一面に透明性接着層を有する透明性フィルムからなると、光透過性に優れた安価なカバー体を天板部に容易に貼着することができるため好ましい。この場合において、透明性フィルムに作業指示内容を示す文字および/またはマークが印刷されていると、カバー体をコーションラベルとして兼用させることができる。
【0013】
また、上記の構成において、天板部に開口部よりも開口面積の小なるスリット部を設け、ロータ部材が回転中立位置にあるときにスリット部内に特定のローラが露出するように設定されていると、このスリット部を介して、ロータ部材が回転中立状態となっているか否かを外部から容易に視認できるようになる。
【0014】
また、上記の構成において、天板部には略半周分の円弧に沿って延在する帯状領域の両端に、ステアリングホイールと係合して該ホイールから回転駆動力が付与される2本の駆動棒が突設されており、複数の開口部が2本の駆動棒の間で帯状領域に分散して設けられていると、これら開口部を介して収納空間内の略半周分の極めて広い領域を外部から目視することが可能となるため、フラットケーブルの収納状態が把握しやすくなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明による回転コネクタの天板部には、周方向に沿って延びる長尺な弧状開口を桟部によって分割して得られる個々の開口の集合体として形成された複数の開口部が設けてあるため、これら開口部を介して収納空間内の広い領域を外部から容易に目視することができる。また、天板部に複数の開口部を設けても桟部があるため所要の機械的強度を確保することは容易である。また、桟部がカバー体の接着領域に含まれているため、カバー体を天板部に容易かつ確実に取り付けることができる。それゆえ、この回転コネクタは、機械的強度や組立作業性に悪影響を及ぼすことなく、分解しなくてもフラットケーブルの収納状態を外部から容易に視認できるという優れた効果を奏し、コストアップを伴う虞もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明の実施の形態を図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係る回転コネクタの平面図、図2は該回転コネクタのカバーフィルム未貼付状態を示す斜視図、図3は該カバーフィルムを図示省略した該回転コネクタの平面図、図4は該回転コネクタの内部構造を示す要部断面図である。
【0017】
本実施形態例に係る回転コネクタは、図1や図2に示すような外観を呈して、自動車のステアリング装置に組み付けられるものである。この回転コネクタは、ステータ部材である固定側ハウジング1と、ロータ部材である可動側ハウジング2と、これら両ハウジング1,2間に存する環状の収納空間S内に収納された複数枚のフラットケーブル3と、フラットケーブル3の巻き方向を反転させるローラ4を有して収納空間S内に回動自在に配置されたホルダ5とによって主に構成されている。
【0018】
固定側ハウジング1は、上下両端を開放したリング状の外筒部6と、この外筒部6の下部開放端を覆う底板部7とで構成されており、これら外筒部6と底板部7は合成樹脂で成形されている。外筒部6の外周面下部には複数の取付片6aが一体形成されており、固定側ハウジング1はこれら取付片6aをねじ止めすることでステアリングコラム側に固定されるようになっている。底板部7はスナップ結合によって外筒部6の下端に一体化されており、この底板部7の中央にはセンタ孔7aが形成されている。また、底板部7の外縁部には下側ダイレクトコネクタ7bが一体形成されており、フラットケーブル3の一端がこの下側ダイレクトコネクタ7bを介して外部に電気的に導出されるようになっている。
【0019】
可動側ハウジング2は、天板部9および内筒部10を一体形成してなる上部ロータ8と、スナップ結合によって内筒部10の下端に一体化された下部ロータ11とで構成されており、これら上部ロータ8と下部ロータ11は合成樹脂で成形されている。天板部9は外筒部6の上部開放端を覆うように円板状に形成されており、天板部9の内周部から内筒部10が垂下している。下部ロータ11にはセンタ孔7aよりも大径な鍔部11aが形成されており、この鍔部11aは底板部7の下面に摺動可能に対向している。内筒部10と下部ロータ11とをセンタ孔7aへ挿入してスナップ結合させることにより、可動側ハウジング2が固定側ハウジング1に回動自在に連結されて、外筒部6および底板部7と天板部9および内筒部10との間に環状の収納空間Sが画成される。
【0020】
天板部9の上面には180度離れた対称な位置に2本の駆動棒9aが突設されており、各駆動棒9aを図示せぬステアリングホイール(ハンドル)に係合・連結させることによって、可動側ハウジング2に対してステアリングホイールの回転駆動力が付与されるようになっている。また、天板部9の上面には上側ダイレクトコネクタ9bが一体形成されており、フラットケーブル3の他端がこの上側ダイレクトコネクタ9bを介して外部に電気的に導出されるようになっている。さらに、天板部9には、収納空間Sを臨む複数の開口部9cと、径方向に延びて隣り合う開口部9cどうしを仕切っている桟部9dと、開口部9cに比して開口面積が小さい1つのスリット部9eとが設けられており、全ての開口部9cと桟部9dとを覆う長尺な弧状のカバーフィルム12が天板部9の上面に貼着されている。なお、各駆動棒9aにはキャップ13が装着されている。
【0021】
図3に示すように、複数の開口部9cは、天板部9の上面で略半周分の円弧に沿って延在する帯状領域に分散して設けられており、該帯状領域の両端にそれぞれ前記駆動棒9aが突設されている。これらの開口部9cは、カバーフィルム12よりもひと回り小さく周方向に沿って延びる長尺な弧状開口を複数の桟部9dによって分割して得られる個々の開口の集合体として形成されている。つまり、桟部9dを除去して全ての開口部9cを連通させれば、2本の駆動棒9a間に周方向に沿って延びる長尺な弧状開口が形成されることになる。これらの開口部9cは、収納空間S内の様子を外部から視認するために開設されたものである。
【0022】
また、天板部9のスリット部9eは、前記帯状領域を外した領域で一方の駆動棒9aと上側ダイレクトコネクタ9bとの間に設けられており、可動側ハウジング2が正逆両方向にほぼ同量ずつ回転可能な回転中立位置にあるときに、スリット部9e内に特定のローラ4が露出するように設定されている。なお、天板部9の上面と外筒部6の上面にはそれぞれ三角形状の相対位置確認用マーク9f,6bが描画されており、可動側ハウジング2が1回転の範囲内で固定側ハウジング1に対し中立な位置にあるときには、図1〜図3に示すように相対位置確認用マーク9f,6bどうしが向き合うように設定されている。それゆえ、スリット部9e内を目視しながら可動側ハウジング2を回転中立位置に配置させる作業は、相対位置確認用マーク9f,6bを利用して容易に行える。
【0023】
カバーフィルム12は光透過性に優れた透明性フィルムからなり、その一面には透明性接着層12a(図4参照)が塗布形成されている。図1に示すように、このカバーフィルム12は桟部9dを含む各開口部9cの周縁部に透明性接着層12aの接着力によって貼着されている。また、図2に示すように、カバーフィルム12には予め作業指示内容等を示す文字12bやマーク12cが印刷されている。
【0024】
フラットケーブル3は環状の収納空間S内で巻回方向を途中で反転させており、可動側ハウジング2を固定側ハウジング1に対して正逆いずれかの方向へ回転させると、その回転方向に応じて、フラットケーブル3が収納空間S内で巻き締めあるいは巻き戻されるようになっている。すなわち、図4に示すように、収納空間S内にはリング状のホルダ5が回動自在に収納されており、このホルダ5上に軸支されたローラ4にフラットケーブル3を略半周だけ巻き掛けることによって、その巻回方向を途中で反転させている。このようにすると収納空間S内に収納されるフラットケーブル3の長さを短縮化できる。また、フラットケーブル3の両端は、それぞれ外筒部6と内筒部10に固定された後、下側ダイレクトコネクタ7bと上側ダイレクトコネクタ9bに電気的に導出されており、これらコネクタ7b,9bに図示せぬ外部コネクタが接続されるようになっている。これにより、フラットケーブル3を介して、ステアリングコラム側に備えられた電気部品と、ステアリングホイール側に備えられた電気部品とを電気的に接続することができる。
【0025】
このように構成された回転コネクタは、固定側ハウジング1をステアリングコラム側に固定すると共に可動側ハウジング2をステアリングホイール側に連結した状態で、自動車のステアリング装置に組み付けられ、ステアリングホイールに装着されたエアーバッグシステムやホーン回路等の電気的接続手段として使用される。かかるステアリング装置への組み付けに際して、可動側ハウジング2はステアリングホイールの回転中立位置を基準にして正逆両方向へほぼ同量ずつ回転できなければならないので、天板部9のスリット部9e内に特定のローラ4が露出しているか否かを視認しておく。つまり、スリット部9e内に特定のローラ4が露出していれば、可動側ハウジング2が回転中立状態にあることを確認できるので、仮に該ローラ4がスリット部9e内に露出していないときには、可動側ハウジング2を適宜回転させて該ローラ4をスリット部9e内に露出させれば良い。なお、相対位置確認用マーク9f,6bどうしが向き合っていても可動側ハウジング2が回転中立位置にあるとは限らないが、可動側ハウジング2が回転中立位置にあるときには必ず該マーク9f,6bどうしが向き合っているので、該マーク9f,6bを利用することによって可動側ハウジング2を回転中立状態となす作業を効率良く行うことができる。
【0026】
また、回転コネクタをステアリング装置に組み付けた後、ステアリングホイールが所定の回転範囲内で回転操作できない等の不具合が生じた場合、回転コネクタのフラットケーブル3が収納空間S内で不所望箇所に引っ掛かっていたり座屈している可能性がある。この場合には、回転コネクタの開口部9c群を介して直接に、あるいは必要に応じてロータ部材を回転させながら、収納空間Sを外部から目視することによって、フラットケーブル3の収納状態を確認すれば良い。こうすることによって、前記不具合がフラットケーブル3によるものなのか否かが回転コネクタを分解しなくても確認できる。
【0027】
以上説明したように本実施形態例に係る回転コネクタでは、可動側ハウジング2の天板部9に、周方向に沿って延びる長尺な弧状開口を桟部9dによって分割して得られる個々の開口の集合体として形成された複数の開口部9cが設けてあるため、これら開口部9cを介して直接に、あるいは必要に応じてロータ部材を回転させながら、収納空間S内の広い領域を外部から容易に目視することができる。また、天板部9に複数の開口部9cを設けても桟部9dがあるため、所要の機械的強度を確保することは容易である。また、開口部9c群を覆う光透過性に優れたカバーフィルム12は、桟部9dを接着領域に含んでいるため天板部9の上面に容易かつ確実に貼着することができる。すなわち、この回転コネクタは、機械的強度や組立作業性に悪影響を及ぼさずに、分解しなくてもフラットケーブル3の収納状態を外部から容易に視認できる構造となっている。それゆえ、ステアリングホイールが所定の回転範囲内で回転操作できない等の不具合が生じた場合、その不具合の原因が回転コネクタにあるのか否かが、つまりフラットケーブル3が収納空間S内で不所望箇所に引っ掛かっていたり座屈しているために生じた不具合なのか否かが、煩雑な回転コネクタの分解作業を行わなくても確認できるようになっている。
【0028】
また、上記実施形態例では、カバーフィルム12として安価な透明性フィルムを用いており、かつ、該透明性フィルムに文字12bやマーク12cを印刷しておくことによってカバーフィルム12がコーションラベルとして兼用できるようになっている。したがって、この回転コネクタはカバーフィルム12という部品の追加によってコスト面で不利になる虞はない。なお、透明性フィルムを用いる代わり硬質な透明性板材からなるカバー体で開口部9cおよび桟部9dを覆うという構成にしても良い。
【0029】
また、上記実施形態例では、径方向に延びる桟部9dを配設することによって天板部9の機械的強度を高めているが、桟部9dが径方向に対して斜めに延びていたり周方向に延びていても良く、延びる方向が異なる複数の桟部9dを併用することも可能である。つまり、開口部9cの形状や総数あるいは配置等は、上記実施形態例に限定されることなく適宜選択可能である。また、本発明と直接関係しない回転コネクタの各部の構造が上記実施形態例に限定されないことは当然である。
【0030】
また、上記実施形態例では、開口部9c群とは別に、可動側ハウジング2が回転中立位置にあることを視認するためのスリット部9eを設けているが、可動側ハウジング2が回転中立位置にあるときに特定の開口部9c内の所定位置に特定のローラ4が露出するように設定しておけば、スリット部9eを省略することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態例に係る回転コネクタの平面図である。
【図2】該回転コネクタのカバーフィルム未貼付状態を示す斜視図である。
【図3】該カバーフィルムを図示省略した該回転コネクタの平面図である。
【図4】該回転コネクタの内部構造を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 固定側ハウジング(ステータ部材)
2 可動側ハウジング(ロータ部材)
3 フラットケーブル
4 ローラ
5 ホルダ
6 外筒部
7 底板部
8 上部ロータ
9 天板部
9a 駆動棒
9c 開口部
9d 桟部
9e スリット部
10 内筒部
11 下部ロータ
12 カバーフィルム(カバー体)
12a 透明性接着層
12b 文字
12c マーク
S 収納空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒部および底板部を有するステータ部材と、内筒部および天板部を有し前記ステータ部材に回動自在に連結されたロータ部材と、これらステータ部材とロータ部材との間に存する環状の収納空間内に収納されたフラットケーブルと、このフラットケーブルの巻き方向を反転させるローラを有して前記収納空間内に回動自在に配置されたホルダとを備え、前記フラットケーブルの一端が前記ステータ部材に接続されて他端が前記ロータ部材に接続された回転コネクタであって、
前記天板部に、前記収納空間を臨む複数の開口部と、隣り合う前記開口部どうしを仕切る桟部と、これら開口部および桟部を覆う光透過性材料からなるカバー体とを設け、前記複数の開口部が、周方向に沿って延びる長尺な弧状開口を前記桟部によって分割して得られる個々の開口の集合体として形成されていると共に、前記カバー体が前記桟部に貼着されていることを特徴とする回転コネクタ。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記桟部が前記天板部の径方向に延びていることを特徴とする回転コネクタ。
【請求項3】
請求項1または2の記載において、前記カバー体が一面に透明性接着層を有する透明性フィルムからなることを特徴とする回転コネクタ。
【請求項4】
請求項3の記載において、前記透明性フィルムに作業指示内容を示す文字および/またはマークが印刷されていることを特徴とする回転コネクタ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項の記載において、前記天板部に前記開口部よりも開口面積の小なるスリット部を設け、前記ロータ部材が回転中立位置にあるときに前記スリット部内に特定の前記ローラが露出するように設定されていることを特徴とする回転コネクタ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項の記載において、前記天板部には略半周分の円弧に沿って延在する帯状領域の両端に、ステアリングホイールと係合して該ホイールから回転駆動力が付与される2本の駆動棒が突設されており、前記複数の開口部が前記2本の駆動棒の間で前記帯状領域に分散して設けられていることを特徴とする回転コネクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−146943(P2010−146943A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325662(P2008−325662)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】