説明

回転センサ

【目的】コンパクトな構造にする。
【構成】筒体内周面に回転角検出用突起が形成され回転軸の一方の端部に取り付けられるシグナルロータと、前記回転軸を軸支するハウジングの前記回転軸の一方端側の側壁の前記回転軸と同軸上部位に設けられる開口部と、前記開口部にハウジングの側壁の外側よりシグナルロータの回転角検出用突起の内接円内側に非接触状態で、かつハウジング内に取り付けられるセンサ本体とからなる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カムシャフトなどの回転軸に取り付けられてその回転軸の回転状態に関する電気信号を出力する回転センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ガソリンエンジンの点火装置において、スパークプラグへ高電圧を分配するディストリビュータを使用しないものが普及してきている。そのような点火装置においては、点火時期を決定するための、気筒判別信号、クランク角度基準位置信号、及びエンジン回転数信号を出力するカムポジションセンサが使用さる。このようなカムポジションセンサにあっては、電磁式のものが一般的で、そのような電磁式では、それぞれの信号用のタイミングロータをカムシャフトに連結し、それらのタイミングロータと所定のギャップをあけて配設したピックアップから上記信号を得るように構成されている。また、特開平3−12501号公報の回転角を測定する測定装置のように、回転軸の端部に取り付けられる強磁性材料のスリーブ体の内側にセンサコイルを配設する構成のものも知られている。このものでは、センサコイルは、ケーシングポットに一体に形成されたコイル保持体に形成されており、そのケーシングポットを回転軸を収納しているハウジングに取り付ければよいように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報のものの構成において、センサコイルは、スリーブ体と所定のギャップを有して配設する必要がある。一方、スリーブ体は回転軸の端部に取り付けられ、センサコイルを有するケーシングポットの取付位置如何によっては、前記ギャップはセンサコイルに対して均等な距離のものとはならない可能性がある。つまり、センサコイルは、ケーシングポット内側に同軸的に形成されたコイル保持体に形成されているものの、ケーシングポットとスリーブ体とを同軸的に配設するためのものは、ケーシングポット側にもスリーブ体側にも見当たらず、したがって、回転軸に対してケーシングポットを同軸的に配設するには高い精度が要求されることになる。
【0004】また、ケーシングポットを回転軸を収納しているハウジングに取り付ける構造であるので、ハウジングの外側にその装置全体が突出する形状になり、これらの補機類をも含めたエンジン全体をコンパクトにする場合に、突出する寸法を小さくする必要があった。本発明は、このような不具合を解消することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち、本発明に係る回転センサは、筒体内周面に回転角検出用突起が形成され回転軸の一方の端部に取り付けられるシグナルロータと、前記回転軸を軸支するハウジングの前記回転軸の一方の端部に対向する側壁の前記回転軸と同軸上部位に設けられる開口部と、前記開口部にハウジングの側壁の外側よりシグナルロータの回転角検出用突起の内接円内側に非接触状態で、かつハウジング内に取り付けられるセンサ本体とからなることを特徴とする。
【0006】本発明のセンサ本体としては、円筒形状をなし、その外周面の軸方向に離間して形成される少なくとも2条の溝部を有してなり、それぞれの溝部にOリングシールを装入して開口部に取り付ける構造のものが好ましい。また、調整を容易にするためには、センサ本体が、前記回転軸方向に圧縮反発力を発揮する押付け手段により、前記ハウジングの開口部に位置決めされているものが好ましい。
【0007】
【作用】このような構成のものであれば、センサ本体は、回転軸と同軸上部位に設けられたハウジング側壁の開口部に、その外側から取り付けられるので、シグナルロータと同軸上に配設されることになる。したがって、センサ本体とシグナルロータの内周面の回転角検出用突起との間の距離は、センサ本体をハウジングに取り付けるのみで一定距離離間することになる。また、センサ本体はハウジング内に取り付けられるので、側壁外側に突出する部分が小さくなる。つまり、センサ本体とシグナルロータとの取付精度については、開口部が回転軸と同軸に設けられているので低下させることはなく、しかもセンサ本体はハウジングに直接取り付けられてセンサ本体のためのケースあるいはハウジングを必要とせず、高い取付精度を維持したまま小型化することができる。
【0008】また、センサ本体を円筒形にして2本以上のOリングシールを介して開口部に取り付ける構成にすれば、例えば、シリンダヘッドのように、油洩れの心配な部位に取り付ける場合であっても、センサ本体を点火タイミング調整のためにその取付ボルトをゆるめて、機関運転中にシグナルロータの回転軸周りに微細に動かしても、その軸線が傾くことを防止でき、油の漏洩やセンサ本体とシグナルロータ内周面の回転角検出用の突起との接触を未然に防ぐことができる。
【0009】同様に、センサ本体を押付け手段により回転軸方向に圧縮反発力によりハウジングに押付けておけば、センサ本体の軸線とジクナルロータの中心軸線とを一致させ、点火タイミング調整時のセンサの軸線の傾きを防ぐことが容易になる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。図1及び図2は、4気筒DOHCエンジンのシリンダヘッド1の、回転軸である吸気弁駆動カムシャフト2及び排気弁駆動カムシャフト(図示しない)を駆動するためのタイミングベルトが張架されるスプロケット室11側の側端部分を示している。したがって、シリンダヘッド1が吸気弁駆動カムシャフト2と排気弁駆動カムシャフトとのハウジングとなる。
【0011】このDOHCエンジンでは、排気弁駆動カムシャフトの一方端にスプロケットが固定され、そのスプロケットがクランク軸との間に張架されたチェーンによって駆動されるようになっている。そして、吸気弁駆動カムシャフト2と排気弁駆動カムシャフトとは、シリンダヘッド1のスプロケット室11に近接するスペースに設置されるギヤにより相互に逆方向に回転するように構成されている。吸気弁駆動カムシャフト2及び排気弁駆動カムシャフトは、シリンダヘッド1の上部に形成された軸受部3により回転可能に軸支される。この軸受部3は、カムシャフトベアリングキャップ31が取り付けられてカム軸軸支孔32を形成する。カム軸軸支孔32の内周面は、回転センサであるカム回転センサ4のセンサ本体であるスティックセンサ41を取り付ける、シリンダヘッド1の側壁15に設けられた取付部12とキャップ13とで形成されるセンサ取付孔14と同軸に加工される。したがって、カム軸軸支孔32とスティックセンサ41の取付のための開口部となるセンサ取付孔14とは、同軸上に形成されることになる。この取付部12は、吸気弁駆動カムシャフト2の軸受部3を加工する場合に必要となる半円形の切欠を利用しているもので、吸気弁駆動カムシャフト2の端部に対向しているスプロケット室11の外側側面であるシリンダヘッド1の側面15に設けられる。したがって、吸気弁駆動カムシャフト2のシグナルロータ42の取り付けられる一方の端部21に対向する側壁15に設けられるものである。この実施例におけるカム回転センサ4は、ディストリビュータのない点火システムに必要な、例えば気筒判別信号及びクランク角度基準位置信号を出力するものである。
【0012】スティックセンサ41は、フランジ41cを有する円筒形状のケース41aと、そのケース41a内の先端部近傍に収納されるコイル付きの鉄心とからなり、鉄心は、その円筒ケース41aの直径方向に磁石による磁界が形成され、その磁界内にコイルが巻回されてなる構造をしている。そして、この鉄心の長さは、ほぼケース41aの内径と同じにしてある。このケース41aの外周面には、取付部分のシール性を維持する目的と、スティックセンサ41の取付微調整の際の軸線の傾き防止の目的で、Oリングシール5が装着される2条の溝41bが軸方向に離間して形成されている。このスティックセンサ41は、図3に示すように、シリンダヘッド1の側壁15にフランジ41cの下端側に穿設された取付調整孔41dに挿入された1本のボルト6で固定されており、このボルト6をゆるめて微調整を行うことができるようになっている。なお、フランジ41cの上端側には、出力信号を取り出すための配線の取出口41eが形成されている。
【0013】シグナルロータ42は、ボス42a付きの円筒形の筒体42bの内周面に、エンジンの気筒数に応じて、その筒体42bの周方向に所定の角度離れて、軸方向に条状に突出した回転角検出用突起7が形成され、吸気弁駆動カムシャフト2の一方の端部21に取り付けられる。つまり、シグナルロータ42は、吸気弁駆動カムシャフト2の一方の端部21に取り付けられるので、シリンダヘッド1のスプロケット室11内における、シャフト駆動用のスプロケットに対向する場所であるデッドスペースに位置することになる。したがって、その外径は、デッドスペースに収容できる大きさであればよく、特別に厳しい制約を受けるものではない。また、その筒体42b内部における、回転角検出用突起7の先端に内接する円の大きさ、つまり実質的な内径寸法は、スティックセンサ41の外径に径方向のクリアランスを加えた大きさにしてある。回転角検出用突起7を除いた筒体42b内部の形状については、特に規定しないが、スティックセンサ41が回転角検出用突起7の位置で最大となる電気信号を出力するように形成するればよい。したがって、スティックセンサ41がシリンダヘッド1の側壁15に取り付けられると、スティックセンサ41がシグナルロータ42の内側に、非接触状態に所定距離だけ離れて静止しているものとなる。このように組み立てられた状態では、スティックセンサ41内の鉄心の先端部分は、吸気弁駆動カムシャフト2の軸方向において、シグナルロータ42の回転角検出用突起7に対向し得る位置になる。
【0014】以上の構成において、センサ取付孔14とカム軸軸支孔32とが同軸に加工され、吸気弁駆動カムシャフト2が組み付けられる際にカム回転センサ4の組み付けが実施される。組み付けは、まず、吸気弁駆動カムシャフト2の一方の端部21にシグナルロータ42を圧入して取り付け、そのシグナルロータ42が取り付けられた吸気弁駆動カムシャフト2を、シリンダヘッド1の軸受部3に載置し、各軸受部3にカムシャフトベアリングキャップ31を固定してシリンダヘッド1に回転可能に取り付ける。シグナルロータ42を取り付ける場合、回転角検出用突起7によりスティックセンサ41から出力される出力信号が異なるので、吸気弁駆動カムシャフト2の基準となる回転位置と、基準となる回転角検出用突起7とを、正確に位置あわせを行って圧入する。次に、シリンダヘッド1の取付部12にキャップ13を固定し、センサ取付孔14を形成する。スティックセンサ41は、センサ取付孔14に取り付ける前に、ケース41aの溝41bにOリングシール5を装着しておき、フランジ41cの取付調整孔41dを下にしてセンサ取付孔14に装入する。そして、取付調整孔41dにボルト6を挿入して仮止めしておく。
【0015】このようにしてカム回転センサ4の組み付けが完了した後、エンジンが組み立てられ、運転されると、スティックセンサ41から出力される出力信号を観測しながら、スティックセンサ41を左右いずれかの方向に回転させて、シグナルロータ42の回転角検出用突起7が内部の鉄心と直径方向の直線上で一致するタイミングを調整する。これによって、吸気弁駆動カムシャフト2の回転が正確に検出でき、点火時期を設定するための気筒判別信号及びクランク角度基準信号を得ることができる。
【0016】このように、カム回転センサ4は、それ自体のケースとなるものを有しておらず、吸気弁駆動カムシャフト2にシグナルロータ42を取り付け、シリンダヘッド1の側壁15にスティックセンサ41を取り付けて形成されるので、カム回転センサ4自体がシリンダヘッド1内に収納された状態となり、言い換えればスティックセンサ41のフランジ41c部分を残してその他の部分がシリンダヘッド1のスプロケット室11のデッドスペース部分に収まるので、エンジン全体の大きさが大きくなるのを抑えることができ、しかも部品点数を削減することができるので容易にコストダウンすることができる。しかして、スティックセンサ41は、シリンダヘッド1の側壁15に形成され、吸気弁駆動カムシャフト2のカム軸軸支孔32と同軸加工されるセンサ取付孔14に取り付けられるので、シグナルロータ42とスティックセンサ41との軸のずれを最少限にすることができるとともに、スティックセンサ41の鉄心とシグナルロータ42の回転角検出用突起7の相対角度を、高精度に直角に保持することができ、したがって、カム回転センサ4における径方向のクリアランスを縮小することができ、磁気により発生する信号出力電圧を高くすることができる。
【0017】また、スティックセンサ41の取付については、2本のOリングシール5を介して行っているので、吸気弁駆動カムシャフト2の基準位置に対する相対的な円周方向の取付角度を可変調整する際に、スティックセンサ41がセンサ取付孔14のクリアランス分だけ軸線から外れて傾斜することが防止でき、クランク軸に対する吸気弁駆動カムシャフト2の位相のずれ及び回転角検出用突起7を有するシグナルロータ42の吸気弁駆動カムシャフト2に対する位相のずれを容易に補正することができる。さらに、デッドスペースの大きさに合わせてシグナルロータ42の外径を大きくすることができ、そのシグナルロータ42の大きさに合わせてスティックセンサ41を大きくすることができるので、磁気の変化速度に比例して発生する信号出力電圧を高くすることが可能で、よって回転検出精度を向上させることができる。
【0018】なお、本発明は以上説明した実施例に限定されるものではない。例えば、シグナルロータ42に、軸方向に二段構造となるように回転角検出用突起を形成し、上記実施例とは異なり、気筒判別信号と、クランク角度基準位置信号と、エンジン回転数信号とを出力し得るように構成するものであってもよい。この場合、シグナルロータ42の形状の変更に伴って、スティックセンサ41の内部構造も変更するものとする。
【0019】また、上記実施例ではギヤ駆動方式の4気筒DOHCエンジンを説明したが、タイミングベルトのみでそれぞれのカムシャフトを駆動する方式のDOHCエンジンやSOHCエンジンであってもよい。しかして、そのようなエンジンにあっては、カムシャフト端部に固定される駆動用のスプロケットが固定される端部とは異なる他方の端部にシグナルロータ42を取り付けるものであってもよいが、シグナルロータ42を駆動用スプロケットのシリンダヘッド1の側壁と対向する側面に一体に形成するものが好ましい。すなわち、図4に示すように、スプロケット8のシリンダヘッド1の側壁15と対向する側の側面81に筒体42bを形成し、その筒体42bの内周面には上記実施例同様回転角検出用突起7を形成する。そして、スティックセンサ41は、上記実施例同様に、カムシャフト9の軸支孔を加工する際に同軸に加工されるシリンダヘッド1の側壁15に設けられるセンサ取付孔14に取り付けられる。スティックセンサ41の構成は、上記実施例と同一であってよい。
【0020】このようなスプロケットとシグナルロータ42との一体構成にすることにより、上記実施例と同等の効果が得られるとともに、シグナルロータ42が駆動用のスプロケット8と一体になるので、さらに部品点数を削減することができ、それに伴って組付工数も減少するのでさらなるコストダウンが可能となる。
【0021】さらに、スティックセンサ41の取付は、図5及び図6に示すように、押付け手段たるブラケットBとウェーブワッシャWとを用いて行うものであってよい。この場合、ケース141aの溝141bに装着されるOリングシール5は1本でよく、その代わりに、スティックセンサ41の形状を若干変更するとともに、シリンダヘッド1にあっては、センサ取付口14を形成するキャップ13に、ブラケットBを取り付けるための取付ねじ孔13aを設けている。すなわち、スティックセンサ141は、圧縮反発力を有するウェーブワッシャWをブラケットBが押圧し易くするために、フランジ141c部分の後面の中央部に凸部141fを設け、しかも信号出力電圧を取出す取出口141eを、上記実施例の場合と異なり、フランジ141cの側方に配設する。取付調整孔141dについては、上記実施例と同じ位置でよい。このようなスティックセンサ141に対して、ウェーブワッシャWは、その外径がフランジ141c径と略同一で、その中央部に凸部141fの外径と略同一径の透孔W1を有している。また、ブラケットBは、フランジ141cの厚みにあわせた曲面B1を有し、かつ一方の側縁部を折り返して補強リブB2を形成してある正面視略長方形のもので、その下端部に凸部141fを装入する透孔B3を有し、上端部には取付ボルト61を挿通するボルト孔B4を有している。なお、ブラケットBの透孔B3の裏面に、図7に示すように、弾性力の大きな、すなわちウェーブワッシャWの圧縮反発力に匹敵する弾性力を有するゴム材Rを焼き付けるものであれば、ウエーブワッシャWを用いなくともよい。
【0022】このような構成において、スティックセンサ141は、ケース141aの溝141bにOリングシール5を取り付けた後、センサ取付孔14に挿入する。その後、ウェーブワッシャWをフランジ141cの凸部141fに取り付け、そのウェーブワッシャWをブラケットBにより後方からフランジ141cに押付ける。ブラケットBは、ボルト孔B4に取付ボルト61を挿入して、キャップ13に固定する。これによって、スティックセンサ141は、固定されたブラケットBとフランジ141cとの間のウェーブワッシャWの圧縮反発力により、シリンダヘッド1側に押付けられるものとなる。この押付けられた状態で、フランジ141cはケース141aに対して直角に形成されているので、フランジ141cがセンサ取付孔14に押付けられると、スティックセンサ141のケース141a部分はその直角方向、すなわち吸気弁駆動カムシャフト2の軸線に一致するように保持されることになる。したがって、スティックセンサ141がボルト6により固定されていなくとも、シリンダヘッド1とスティックセンサ141(のフランジ141cのシリンダヘッド1と対向する面)との間にクリアランスが生じることはなく、イニシャル点火時期の調整時に、Oリングシール5を支点として、ケース141aの先端がシグナルロータ42の回転角検出用突起7に接触することはない。これによって、上記実施例の2本のOリングシール5と同様に、吸気弁駆動カムシャフト2の基準位置に対する相対的な円周方向の取付角度を可変調整する際に、スティックセンサ141がセンサ取付孔14のクリアランス分だけ軸線から外れて傾斜することを防止することができる。
【0023】その他、各部の構成は図示例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明は、以上に詳述したように、センサ本体が回転軸と同軸上で取り付けられるので、回転軸の端部に取り付けられたシグナルロータと同軸となり、取付精度を高度に維持することができ、またセンサ本体はハウジング内に収容される形となるので、ハウジング外に突き出る部分が少なくなり、シグナルロータもハウジング内にあるので、センサを含めたハウジングの外形を小形化することができるとともに、センサのためのハウジングあるいはケースを必要としないので、部品点数を減少することができ、コストダウンすることができる。また、円筒形のセンサ本体にあっては、2本のOリングシールを使用する構成とすることにより、センサ本体の取付調整を行った場合にも、センサ本体が開口部で傾斜することがなく、Oリングシールの性能を十分に発揮することができる。さらに、Oリングシールを1本しか使用しない場合は、回転軸方向に圧縮反発力を発揮する押付け手段により、ハウジングの開口部に位置決めされるように、センサ本体を取り付ければ、センサ本体とシグナルロータとの相対位置関係を調整する際にも、センサ本体がシグナルロータに接触することを防止することができ、正常な位置関係を保持して調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を分解して示す斜視図。
【図2】同実施例の縦断面図。
【図3】同実施例の正面図。
【図4】本発明の他の実施例の構成を概念的に示す構成説明図。
【図5】本発明のさらに他の実施例を分解して示す斜視図。
【図6】さらに他の実施例のスティックセンサの取付状態を上から見た一部断面の要部平面図。
【図7】本発明のさらに他の実施例のブラケットの変形例を示す正面及び側面図。
【符号の説明】
1…シリンダヘッド
2…吸気弁駆動用カムシャフト
4…カム回転センサ
5…Oリングシール
7…回転角検出用突起
12…取付部
14…センサ取付孔
15…側壁
21…一方の端部
41…スティックセンサ
42…シグナルロータ
42b…筒体
141…スティックセンサ
B…ブラケット
W…ウェーブワッシャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】筒体内周面に回転角検出用突起が形成され回転軸の一方の端部に取り付けられるシグナルロータと、前記回転軸を軸支するハウジングの前記回転軸の一方の端部に対向する側壁の前記回転軸と同軸上部位に設けられる開口部と、前記開口部にハウジングの側壁の外側よりシグナルロータの回転角検出用突起の内接円内側に非接触状態で、かつハウジング内に取り付けられるセンサ本体とからなることを特徴とする回転センサ。
【請求項2】センサ本体が、円筒形状をなし、その外周面の軸方向に離間して形成される少なくとも2条の溝部を有してなり、それぞれの溝部にOリングシールを装入して開口部に取り付けることを特徴とする請求項1記載の回転センサ。
【請求項3】センサ本体が、前記回転軸方向に圧縮反発力を発揮する押付け手段により、前記ハウジングの開口部に位置決めされていることを特徴とする請求項1記載の回転センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開平6−299865
【公開日】平成6年(1994)10月25日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−176406
【出願日】平成5年(1993)7月16日
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)